JP2005250183A - マイクロレンズ、マイクロレンズアレイ及び光学装置。 - Google Patents
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Abstract
【課題】 安価に製造でき、かつ、GRINレンズと同等の働きを有し、かつ、環境問題を引き起こすことのないマイクロレンズを提供する。
【解決手段】 マイクロレンズ1は、空孔2を有する光ファイバ(ホーリーファイバ)3からなるが、光ファイバ3は、石英系ガラスの母材からできており、現在よく使用されているGRINレンズと同様1mm程度の直径を有している。光ファイバ3の中には、多数の空孔2が、その長手方向に貫通するように設けられている。これらの空孔2の直径は、光ファイバ3の中心から周辺部に行くに従い漸近的に大きくなり、光ファイバ3の径方向の有効屈折率分布が、半径に対して2次関数に小さくなるような分布を持つように配置されている。このような構造を持つことにより、この光ファイバ3は、GRINレンズと同等の光の自己収束作用を持つことになる。
【選択図】 図1
【解決手段】 マイクロレンズ1は、空孔2を有する光ファイバ(ホーリーファイバ)3からなるが、光ファイバ3は、石英系ガラスの母材からできており、現在よく使用されているGRINレンズと同様1mm程度の直径を有している。光ファイバ3の中には、多数の空孔2が、その長手方向に貫通するように設けられている。これらの空孔2の直径は、光ファイバ3の中心から周辺部に行くに従い漸近的に大きくなり、光ファイバ3の径方向の有効屈折率分布が、半径に対して2次関数に小さくなるような分布を持つように配置されている。このような構造を持つことにより、この光ファイバ3は、GRINレンズと同等の光の自己収束作用を持つことになる。
【選択図】 図1
Description
本発明は特殊な構成のマイクロレンズ、及びこれを使用したマイクロレンズアレイ及び光学装置に関するものである。
光通信において、マイクロレンズは、光ファイバー端面からの発散光を平行光に変換したり、空間光を光ファイバヘ集光させる役割を持つ。このようなマイクロレンズを使用した光学装置の例を図3に示す。
光ファイバ21と光ファイバ22は、光学装置23に結合されている。光学装置23の中には、コリメータ24、25と、光学フィルタ等の光機能部品26が設けられている。コリメータ24と25の中には、それぞれマイクロレンズ27と28が設けられている。
光ファイバ21の端面から放出される拡散光は、コリメータ24のマイクロレンズ27により平行光に変換され、光機能部品26によって光学特性を変換された後、コリメータ25に入り、マイクロレンズ28により光ファイバ22の端面に集光される。このように、コリメータ同士を対向させて、光ファイバー中の伝播光を空間に一度取り出して、その間に受動光学素子や能動光学素子を挟み、再びもう一つのコリメータで光ファイバー中に集光することにより光信号を制御することができる。
このような光学装置の主なものとして、光スイッチ、光アイソレーター、光サーキュレーターなどが挙げられる。また、マイクロレンズはレーザーダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)、フォトダイオードなどの受発光素子と光ファイバーの光結合にも用いられる。
従来のマイクロレンズは、球面レンズ又は屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)である。前者では数mm程度の大きさの球面レンズを加工する必要があり、コスト、手間などがかかる。後者は前者の代替であり、円筒状の光学部材にイオン交換によって中心部から周辺部にかけて屈折率が2次関数状に小さくなるような屈折率勾配が付けられているものである。イオン交換法とは、ガラス中に含まれているイオンを他のイオンと置き換え、置き換えられたイオンの濃度分布に対応した屈折率の分布を得る方法である。
GRINレンズは光線をレンズ媒質内で放物線状に屈折させ、その長さを調整することにより、ガラスの両側で自己収束する結像作用あるいは、平行光線を収束させる作用を持っている。GRINレンズの利点として、複雑な球面加工が不要であり、生産性が良いことが挙げられ、現行の光通信システム中に数多く使用されている。
これらマイクロレンズは、光通信容量の増加に伴う高速・大容量光通信網の整備によって、今後さらなる需要の増大が見込まれている。
しかしながら、従来のGRINレンズは、重金属イオンを添加した特殊な専用材を材料としており、通常の光学ガラスに比べてコストが高くなると共に、それを廃棄する際に環境汚染に注意しなければならないという問題点がある。また、製造工程中にイオン拡散法を用いているため、そのための製造時間がかかってしまうという問題点もある。
コリメータは、光ファイバーを保持するキャピラリ(ガラス製毛細管)、光を平行光にする働きを持っレンズ(GRINレンズ)、その両者を固定するホルダの3つのパーツで構成されている。そのため、光ファイバーを保持する機構とGRINレンズを取り付ける機構が別となり、精密加工しなければならない部品点数が多いという問題点もある。このように、現状のGRINレンズは、光通信用部品の小型化、高性能化、低価格化、環境特性という点に関して問題点を有している。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、安価に製造でき、かつ、GRINレンズと同等の働きを有し、かつ、環境問題を引き起こすことのないマイクロレンズ、これを使用したマイクロレンズアレイ及び光学装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための第1の手段は、空孔の大きさが、中心部から周辺部に向かうに従って漸近的に大きくなっているか又は小さくなっている空孔付光ファイバを切断したものからなるマイクロレンズ(請求項1)である。
本手段においては、空孔の大きさが大きい部分では屈折率が小さく、空孔の大きさが小さい部分では屈折率が大きくなる。従って、例えば、中心部で空孔の大きさが小さく、中心部から周辺部に行くに従って空孔の大きさが漸近的に大きくなるようにしておけば、中心部で屈折率が大きく、周辺部に行くに従って屈折率が小さくなり、通常使用されているGRINレンズと同等の効果を有するようになって、凸レンズとしての働きを有する。逆に、中心部で空孔の大きさが大きく、中心部から周辺部に行くに従って空孔の大きさが漸近的に小さくなるようにしておけば、中心部で屈折率が小さく、周辺部に行くに従って屈折率が大きくなり、凹レンズとしての働きを有する。
本手段のマイクロレンズを製造するには、例えば中心部に小さな孔を有するガラス管を使用し、周辺部に行くに従って大きな孔を有するガラス管を配置して、ガラス管の束を作り、これを加熱してガラス管同士を融着させながら線引きして延伸して、細い長尺の空孔付光ファイバを製造し、それを切断してマイクロレンズとするという、非常に簡単な製造方法を用いることができる。よって、安価に製造が可能であると共に、重金属を用いていないので、環境上問題となることがない。
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であるマイクロレンズを2次元アレイ状に配置してなるマイクロレンズアレイ(請求項2)である。
前記課題を解決するための第3の手段は、光ファイバと、前記光ファイバから放出される光を平行光に変えるか又は集光させるマイクロレンズを有し、前記マイクロレンズが、前記第1の手段のマイクロレンズであることを特徴とする光学装置(請求項3)である。
前記課題を解決するための第4の手段は、光ファイバと、前記光ファイバの端面に光束を集光させるマイクロレンズを有し、前記マイクロレンズが、前記第1の手段のマイクロレンズであることを特徴とする光学装置(請求項4)である。
本発明によれば、安価に製造でき、かつ、GRINレンズと同等の働きを有し、かつ、環境問題を引き起こすことのないマイクロレンズ、これを使用したマイクロレンズアレイ及び光学装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例であるマイクロレンズを示す概要図である。マイクロレンズ1は、空孔2を有する光ファイバ(ホーリーファイバ)3からなるが、光ファイバ3は、石英系ガラスの母材からできており、現在よく使用されているGRINレンズと同様1mm程度の直径を有している。光ファイバ3の中には、多数の空孔2が、その長手方向に貫通するように設けられている。これらの空孔2の直径は、光ファイバ3の中心から周辺部に行くに従い漸近的に大きくなり、光ファイバ3の径方向の有効屈折率分布が、半径に対して2次関数的に小さくなるような分布を持つように配置されている。このような構造を持つことにより、この光ファイバ3は、GRINレンズと同等の光の自己収束作用を持つことになる。
このようなホーリーファイバはガラスキャピラリー(空孔を有するガラス管)を束ねた母材を加熱して融着させながら線引きすることによって得られる。これにより、通常の光ファイバと同様に一度の工程で数km以上の長さのものが容易に得られる。このため、本発明によれば、このような長い光ファイバをカットする工程を導入するだけで一度に大量の屈折率分布型マイクロレンズを製作することができる。このことにより、コストの大幅な低減が可能となる。また、このレンズの直径は、通常の光ファイバと同様、1mm以下とすることが容易にできる。また、本発明の屈折率分布型レンズでは重金属を用いたガラスを使う必要がないため、廃棄の際の環境特性という点に関しても優れている。
さらに、このようなマイクロレンズは光ファイバーと同じ直径のレンズが容易に得られるため、光ファイバとの接続性が良いという特徴を有する。接続方法としては、光ファイバ同士の接続で良く用いられている融着法を用いることができる。また、融着の時の光ファイバとの光軸合わせもファイバと同じV溝を設けることにより容易に行うことができる。
さらに、このファイバをある長さでダイヤモンド等の鋭利な刃で切断することにより、図2に示す光線追跡図のように、点光源から出射された光を平行光線に変換するコリメーターレンズを実現させることができる。この長さは前記屈折率分布によって正確に決められるが、現在用いられているGRINレンズと同等な数mm程度である。また、光ファイバ3の端面からの反射による戻り光を低減させるために、光ファイバ3端面をその長さ方向に直角な面から少し斜めに角度を持たせて切断してもよい。
このようなマイクロレンズを2次元アレイ状に並べると、2次元マイクロレンズアレイを形成することができる。又、図3に示したような光学系のマイクロレンズに使用すれば、従来のGRINレンズと同等の働きをさせることができる。
1…マイクロレンズ、2…空孔、3…光ファイバ
Claims (4)
- 空孔の大きさが、中心部から周辺部に向かうに従って漸近的に大きくなっているか又は小さくなっている空孔付光ファイバを切断したものからなるマイクロレンズ。
- 請求項1に記載のマイクロレンズを2次元アレイ状に配置してなるマイクロレンズアレイ。
- 光ファイバと、前記光ファイバから放出される光を平行光に変えるか又は集光させるマイクロレンズを有し、前記マイクロレンズが、請求項1に記載のマイクロレンズであることを特徴とする光学装置。
- 光ファイバと、前記光ファイバの端面に光束を集光させるマイクロレンズを有し、前記マイクロレンズが、請求項1に記載のマイクロレンズであることを特徴とする光学装置。
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JP2004061487A JP2005250183A (ja) | 2004-03-05 | 2004-03-05 | マイクロレンズ、マイクロレンズアレイ及び光学装置。 |
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