JPWO2009122523A1 - 通信制御装置および通信制御方法 - Google Patents

通信制御装置および通信制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2009122523A1
JPWO2009122523A1 JP2010505182A JP2010505182A JPWO2009122523A1 JP WO2009122523 A1 JPWO2009122523 A1 JP WO2009122523A1 JP 2010505182 A JP2010505182 A JP 2010505182A JP 2010505182 A JP2010505182 A JP 2010505182A JP WO2009122523 A1 JPWO2009122523 A1 JP WO2009122523A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switching
wired
wireless
path
request
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010505182A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4998616B2 (ja
Inventor
竜彦 ▲高▼田
竜彦 ▲高▼田
洋司 福澤
洋司 福澤
彰宏 佐藤
彰宏 佐藤
智也 鍵本
智也 鍵本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Publication of JPWO2009122523A1 publication Critical patent/JPWO2009122523A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4998616B2 publication Critical patent/JP4998616B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W36/00Hand-off or reselection arrangements
    • H04W36/0005Control or signalling for completing the hand-off
    • H04W36/0055Transmission or use of information for re-establishing the radio link
    • H04W36/0079Transmission or use of information for re-establishing the radio link in case of hand-off failure or rejection

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

通信制御システムは、移動体通信端末における無線通信を制御する無線基地局Aと無線基地局Bと、当該無線基地局Aと無線基地局Bとの間における経路制御およびデータ送受信制御を有線通信にて実施するEPCとから構成される。このような構成において、無線基地局AのセルBを介して無線通信を行っている移動体通信端末が、利用者の地理的移動などによって無線基地局BのセルCを利用する環境下に移動したとする。すると、無線基地局Bは、移動体通信端末から、無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替え、無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、移動体通信端末へのデータ送受信制御を行っている無線基地局Aを介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求をEPCに対して送信する。

Description

この発明は、移動体通信端末における無線通信を制御する通信制御装置と、当該通信制御装置と他の通信制御装置との間における経路制御およびデータ送受信制御を有線通信にて実施する管理装置とから構成される無線通信制御システムにおける通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラムに関する。
従来より、第3世代(3G)移動体通信から第4世代(4G)移動体通信への移行を段階的に進めるために高速移動体通信の規格として、LTE(Long Term Evolution:スーパー3G)の開発が行われている。このLTEは、IMT−2000発展系であると位置付けながら、4Gへの移行をスムーズに行うために、無線インターフェースやRAN(Radio Access Controller)アーキテクチャを3Gシステムから抜本的に見直している。その結果、遅延時間の圧縮や通信速度の向上などによって、下り最大300Mビット/秒、上り最大50Mビット/秒のデータ通信速度を実現する。
このLTEでは、現在の3Gから無線アクセスシステムのノードの変更がある。具体的には、複数の基地局を集中的に管理するために、従来の3Gでは設置されていたRNC(Radio Network Controller)が省かれて、基地局のみで分散制御を行う1ノードに簡略化され、RNCが備えていた機能の殆どは無線基地局へ再配置される。
また、LTEでは、現在の3Gと異なり、通信中に確立されるリンクの数は1リンクのみとなる。このため、セルをまたがる移動(ハンドーオーバ)が行われる場合は、一旦、移動元のセルとの接続を切断し、移動先のセルと接続を確立する必要があり、また、基地局跨りのハンドオーバの場合は、上記に加えて上位ノード(EPC)とのパスの切替処理を実施する必要がある(特許文献1参照)。
ここで、移動体通信端末が基地局を跨って移動した場合に、リンクを確立する例を具体的に説明する。図14−1に示すように、この通信システムは、電波を管理する範囲を示すセルAとセルBとを有線にて収容する無線基地局であるSeNBと、同様にセルCを有線にて収容するTeNBと、SeNBとTeNBとを有線にて収容するEPCとの基地局間の通信制御(データ送受信や接続などの制御)を行うEPCと、セルBを利用して無線通信を行う移動体通信端末とから構成されている。
このような構成において、図14−2に示すように、移動体通信端末がセルCを利用する環境下に移動した場合に、移動体通信端末は、移動前から利用しているセルBを介してSeNBにハンドオーバ要求を送信し、ハンドオーバ要求を受信したSeNBは、セルCを収容するTeNBとの間にセッションを確立し、EPCから移動体通信端末宛に送信されたデータをTeNBに転送する。その後、図14−3に示すように、セルCと移動体通信端末との接続が確立されると、TeNBは、SeNBから受信して蓄積していた移動体通信端末宛のデータをセルCを介して移動体通信端末に送信し、EPCは、SeNBからTeNBにパス切替を実行する。つまり、移動体通信端末が無線基地局間を跨って移動した場合、移動体通信端末との無線区間の切替が実施された後に、EPCと無線基地局間の有線区間の切替が実施される。
特開2006−157528号公報
しかしながら、上記した従来の技術では、パスの切替処理を行うノード間のメッセージをハンドオーバの度に送信する必要があるため、ネットワークの輻輳を引き起こしてしまうという課題と、無線基地局間のデータ送受信制御を行う管理装置に対してハンドオーバの度にパスの切替要求を行うため、管理装置の処理負荷を上げてしまうという課題があった。
上記した例で具体的に説明すると、移動体通信端末が、各無線基地局に収容されるセルとの接続を確立する前に、無線基地局であるSeNBとTeNBとの間を頻繁に移動した場合、EPC(管理装置)から移動体通信端末宛に送信されたデータは、移動体通信端末までに送信されずに、SeNBとTeNBとのそれぞれに一時的に蓄積され続けることとなる。その結果、SeNBとTeNBとのそれぞれは、当該移動体通信端末以外の他の移動体通信端末から送信されるデータの処理に遅延が発生し、ネットワーク全体が繋がりにくくなるなどの事象が発生する。また、EPCは、ハンドオーバが起こるごとに、SeNBとTeNBとからハンドオーバ要求を受信してパス切替処理を実施することになり、処理負荷が高くなる。
さらに、多数の移動体通信端末が同時にハンドオーバを行うような場合は、より顕著に現れることになり、LTEにおいては、現状3Gに比べてノード(無線基地局)跨りハンドオーバ(RNC跨りハンドオーバ、LTEでいう無線基地局跨りハンドオーバ)の発生率が高くなる為、上記の課題が顕著になって現れてくる。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、無線基地局としての通信制御装置を跨ったハンドオーバを行った場合でも、ネットワークの輻輳を抑止することが可能であり、無線基地局間のデータ送受信制御を行う管理装置の処理負荷を軽減することが可能である通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本装置は、移動体通信端末における無線通信を制御する通信制御装置と、当該通信制御装置と他の通信制御装置との間における経路制御およびデータ送受信制御を有線通信にて実施する管理装置とから構成される無線通信制御システムにおける通信制御装置であって、他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替える無線経路切替手段と、前記無線経路切替手段により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記移動体通信端末へのデータ送受信制御を行っている前記他の通信制御装置を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求を管理装置に対して送信する有線切替要求送信手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替え、無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、移動体通信端末へのデータ送受信制御を行っている他の通信制御装置を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求を管理装置に対して送信するので、無線基地局としての通信制御装置を跨ったハンドオーバを行った場合でも、ネットワークの輻輳を抑止することが可能であり、無線基地局間のデータ送受信制御を行う管理装置の処理負荷を軽減することが可能である。
図1は、実施例1に係る通信制御システムの構成を示すブロック図である。 図2は、実施例1に係る通信制御システムによる処理の流れを示すシーケンス図である。 図3−1は、シーケンスにおける状態1を示す図である。 図3−2は、シーケンスにおける状態2を示す図である。 図3−3は、シーケンスにおける状態3を示す図である。 図4は、実施例1に係る無線基地局Aにおける処理の流れを示すフローチャートである。 図5は、実施例1に係る無線基地局Bにおける処理の流れを示すフローチャートである。 図6は、実施例1に係るEPCにおける処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、実施例2に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。 図8は、EPC情報DBに記憶される情報の例を示す図である。 図9は、実施例3に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。 図10は、移動端末情報DB330に記憶される情報の例を示す図である。 図11は、実施例4に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。 図12は、実施例5に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。 図13は、通信制御制御プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。 図14−1は、従来技術を説明するための図である。 図14−2は、従来技術を説明するための図である。 図14−3は、従来技術を説明するための図である。
符号の説明
200 EPC
300 無線基地局A
301 バッファメモリ
302 制御信号送受信部(有線向け)
303 呼制御部
304 制御信号送受信部(無線向け)
305 データ送受信部(有線向け)
306 データ送受信部(無線向け)
307 タイマ制御部
308 パス切替判断部
310 移動端末情報DB
320 無線基地局B
321 バッファメモリ
322 制御信号送受信部(有線向け)
323 呼制御部
324 制御信号送受信部(無線向け)
325 データ送受信部(有線向け)
326 データ送受信部(無線向け)
327 タイマ制御部
328 パス切替判断部
329 EPC情報DB
330 移動端末情報DB
500 移動体通信端末
600 コンピュータシステム
601 RAM
602 HDD
603 ROM
603a 無線経路切替プログラム
603b 有線経路切替要求送信プログラム
604 CPU
604a 無線経路切替プロセス
604b 有線経路切替要求送信プロセス
以下に添付図面を参照して、この発明に係る通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラムの実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本実施例に係る通信制御装置の概要および特徴、通信制御装置の構成および処理の流れを順に説明し、最後に本実施例に対する種々の変形例を説明する。
[通信制御装置(無線基地局)の概要および特徴]
まず最初に、実施例1に係る通信制御装置の概要および特徴を説明する。実施例1に係る通信制御装置を含む通信制御システムは、移動体通信端末(特許請求の範囲に記載の「移動体通信端末」に対応する)における無線通信を制御する無線基地局A(特許請求の範囲に記載の「他の通信制御装置」に対応する)と無線基地局B(特許請求の範囲に記載の「通信制御装置」に対応する)と、当該無線基地局Aと無線基地局Bとの間における経路制御およびデータ送受信制御を有線通信にて実施するEPC(特許請求の範囲に記載の「管理装置」に対応する)とから構成される。なお、本実施例では、EPCが1台の場合を例にして説明するが、複数のEPCが接続されていてもよい。
この無線基地局Aは、電波を管理する範囲を区分したセルAとセルBとを備え、無線基地局Bは、同様にセルCを備える。なお、本実施例では、無線基地局AのセルBを介して無線通信を行っている移動体通信端末が、利用者の地理的移動などによって無線基地局BのセルCを利用する環境下に移動した場合について説明する。そのため、無線基地局Aが特許請求の範囲に記載の「他の通信制御装置」に対応し、無線基地局Bが特許請求の範囲に記載の「通信制御装置」に対応することとなるが、本発明はこれに限定されるものではなく、無線基地局Aが特許請求の範囲に記載の「通信制御装置」に対応し、無線基地局Bが特許請求の範囲に記載の「他の通信制御装置」に対応する場合もある。つまり、移動体通信端末が移動する前に利用しているセルを収容している無線基地局が「他の通信制御装置」に対応し、移動体通信端末が移動した先で利用するセルを収容している無線基地局が「通信制御装置」に対応することとなる。
このような構成において、実施例1に係る通信制御装置である無線基地局Bは、ネットワークの輻輳を抑止することが可能であり、無線基地局間のデータ送受信制御を行う管理装置の処理負荷を軽減することが可能であることに主たる特徴がある。
上記した例で具体的に説明すると、無線基地局AのセルBを介して無線通信を行っている移動体通信端末が、利用者の地理的移動などによって無線基地局BのセルCを利用する環境下に移動した場合、セルCと移動体通信端末との間に無線通信が確立される。そして、無線基地局Bは、セルCと移動体通信端末との間に無線通信が確立されて所定の時間経過後に、EPCに対して有線区間の切り替えを要求し、この要求を受信したEPCは、移動体通信端末宛てに送信するデータの送信経路として、EPCから無線基地局Aの有線区間をEPCから無線基地局Bの有線区間に切替える。
つまり、無線基地局Bは、セルCと移動体通信端末との間に無線通信が確立されて所定の時間経過するまで、有線区間の切替要求をEPCに送信しないことで、確立されたセルCと移動体通信端末との間に無線通信が安定するまで待機することになる。その結果、移動体通信端末がセルBとセルCとを頻繁に移動したとしても、無線基地局Bは、セルCと移動体通信端末との通信が安定するまで、有線区間切替要求をEPCに対して無駄に送信することがない結果、ネットワークの輻輳を抑止することが可能であり、無線基地局間のデータ送受信制御を行うEPCの処理負荷を軽減することが可能である。
[通信制御装置(無線基地局)の構成]
次に、図1を用いて、実施例1に係る通信制御システムの構成を説明する。図1は、実施例1に係る通信制御システムの構成を示すブロック図である。
そして、図1に示したEPC200は、本実施例のような移動体通信端末における通信制御システムで用いられる無線基地局間のデータ送受信制御を行う管理装置と同様の構成を有し、また、移動体通信端末500は、一般的に広く利用されているパーソナルコンピュータやワークステーション、家庭用ゲーム機、インターネットTV、PDA、あるいは携帯電話やPHSの如き移動体通信端末と同様の構成を有するので、ここでは、詳細な説明は省略する。また、無線基地局A300と無線基地局B320とは同様の構成を有するので、ここでは、無線基地局B320についてのみ詳細に説明する。
図1に示すように、無線基地局B320は、バッファメモリ321と、制御信号送受信部(有線向け)322と、呼制御部323と、制御信号送受信部(無線向け)324と、データ送受信部(有線向け)325と、データ送受信部(無線向け)326と、タイマ制御部327と、パス切替判断部328とから構成される。
バッファメモリ321は、EPC200や無線基地局A300、移動体通信端末500との間の受信データの格納、送信データの格納バッファである。上記した例で具体的に説明すると、バッファメモリ321は、接続されるデータ送受信部(有線向け)325により、EPC200から移動体通信端末500宛てに送信されたデータを格納したり、接続されるデータ送受信部(無線向け)326により、移動体通信端末500宛てに送信されるデータを格納したりする。
制御信号送受信部(有線向け)322は、EPC200との間の制御信号の送受信を実施する。上記した例で具体的に説明すると、制御信号送受信部(有線向け)322は、EPC200から送信された制御信号(例えば、有線経路(パス)切替実施完了信号など)を受信して、呼制御部323に出力する。また、制御信号送受信部(有線向け)322は、呼制御部323の指示により、制御信号をEPC200や無線基地局A300に送信する。
呼制御部323は、無線基地局A300を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末500から、無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替える。上記した例で具体的に説明すると、移動体通信端末500から送信されたハンドオーバ要求は、無線基地局A300の制御信号送受信部(無線向け)304に受信されて、制御信号送受信部(有線向け)302から無線基地局B320に送信される。そして、このハンドオーバ要求は、無線基地局B320の制御信号送受信部(有線向け)322により受信され、呼制御部323に通知される。すると、呼制御部323は、無線基地局B320の制御信号送受信部(有線向け)322と、無線基地局A300の制御信号送受信部(有線向け)302と制御信号送受信部(無線向け)304とを介して、無線経路を切替えるハンドオーバ応答を移動体通信端末500に送信する。こうすることで、移動体通信端末500において無線経路の切替が実行される。
さらには、呼制御部323は、移動体通信端末500へのデータ送受信制御を行っている無線基地局A300を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求をパス切替判断部328から受信すると、当該要求をEPC200に対して送信する。また、呼制御部323は、EPC200、無線基地局A300との間の制御信号の分析/解析を実施し、制御信号に応じて、移動体通信端末500に対する制御信号を後述する制御信号送受信部(無線向け)324を介して送受信したり、バッファメモリ321内のデータをデータ送受信部(有線向け)325を介して送受信したりする。
また、呼制御部323は、無線経路の接続状態を監視し、ハンドオーバの検出および移動体通信端末500との間の制御信号の分析/解析を実施し、制御信号に応じて、EPC200に対する制御信号を制御信号送受信部(有線向け)322を介して送受信したり、バッファメモリ321内のデータを後述するデータ送受信部(無線向け)326を介して送受信したりする。そして、呼制御部323は、ハンドオーバ時の無線区間の切替が完了した際に、パス切替判断要求をパス切替判断部328に通知する。
さらに、呼制御部323は、後述するパス切替判断部328より、パス切替の要求を受信し、EPC200に対してパス切替要求の制御信号を制御信号送受信部(有線向け)322を介して送信する。そして、呼制御部323は、EPC200よりパス切替失敗の制御信号を受信した際に、パス切替失敗の通知をパス切替判断部328に対して行う。
制御信号送受信部(無線向け)324は、移動体通信端末500との間の制御信号の送受信を実施する。上記した例で具体的に説明すると、制御信号送受信部(無線向け)324は、移動体通信端末500から送信された制御信号を受信して呼制御部323に出力したり、呼制御部323の指示により、EPC200から受信した制御信号を移動体通信端末500に出力したりする。
データ送受信部(有線向け)325は、EPC200および無線基地局A300との間のデータの送受信を実施する。上記した例で具体的に説明すると、データ送受信部(有線向け)325は、移動体通信端末500から送信された各種データを受信してバッファメモリ321に格納したり、呼制御部323の指示により、バッファメモリ321から各種データを取得して、移動体通信端末500に送信したりする。また、データ送受信部(有線向け)325は、無線基地局A300からデータを受信してバッファメモリ321に格納したり、呼制御部323の指示によりバッファメモリ321に格納されるデータを取得して無線基地局A300に送信したりする。
データ送受信部(無線向け)326は、移動体通信端末500との間のデータの送受信を実施する。上記した例で具体的に説明すると、データ送受信部(無線向け)326は、EPC200から送信された各種データを受信してバッファメモリ321に格納したり、呼制御部323の指示により、バッファメモリ321から各種データを取得して、EPC200に送信したりする。
タイマ制御部327は、タイマの開始および終了通知を実施する。上記した例で具体的に説明すると、タイマ制御部327は、後述するパス切替判断部328からのタイマ設定を受信してタイマを起動する。その後、タイマ制御部327は、該当タイマがタイムアウトした際には、パス切替判断部328に対して、タイムアウト通知を行う。
パス切替判断部328は、呼制御部323により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、移動体通信端末500へのデータ送受信制御を行っている無線基地局A300を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求を呼制御部323を介してEPC200に対して送信する。上記した例で具体的に説明すると、パス切替判断部328は、無線経路が切り替えられた旨の通知を呼制御部323から受信すると、タイマ制御部327にタイマ開始を指示する。その後、パス切替判断部328は、タイマ制御部327からタイマ完了通知を受信すると、自装置を介した有線経路に切り替える要求を呼制御部323に通知する。そして、呼制御部323は、自装置を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信することで、EPC200にて有線経路の切替が実施される。
[通信制御システムによる処理]
次に、図2〜図6を用いて、実施例1に係る通信制御システムによる処理を説明する。ここでは、はじめに、図2と図3とを用いて、実施例1に係る通信制御システムによる処理シーケンスを説明し、次に、図4〜図6を用いて、各装置における処理の流れを説明する。
(通信制御システムによる処理シーケンス)
まず、図2と図3とを用いて、実施例1に係る通信制御システムによる処理シーケンスを説明する。図2は、実施例1に係る通信制御システムによる処理の流れを示すシーケンス図であり、図3−1は、シーケンスにおける状態1を示す図であり、図3−2は、シーケンスにおける状態2を示す図であり、図3−3は、シーケンスにおける状態3を示す図である。
図2に示すように、この通信制御システムは、図3−1に示すように、無線基地局A300のセルBを介して無線通信を行っている移動体通信端末500と、セルAとセルBとを備えた無線通信を制御する無線基地局A300と、セルCを備えた無線通信を制御する無線基地局B320と、当該無線基地局A300と無線基地局B320との間における経路制御およびデータ送受信制御を有線通信にて実施するEPC200とから構成されている(状態1)。
このような構成において、移動体通信端末500は、利用者の地理的移動などによって無線基地局B320のセルCを利用する環境下に移動した場合にハンドオーバの契機が発生し(ステップS101)、ハンドオーバ要求を無線基地局A300に送信する(ステップS102)。
このハンドオーバ要求を受信した無線基地局A300の制御信号送受信部(無線向け)304は、呼制御部303と制御信号送受信部(有線向け)302とを介して、当該ハンドオーバ要求を無線基地局B320に送信する(ステップS103〜ステップS105)。
そして、無線基地局A300からハンドオーバ要求を受信した無線基地局B320の制御信号送受信部(有線向け)322は、当該ハンドオーバ要求を呼制御部323に出力する(ステップS106)。すると、呼制御部323は、データ送受信部(無線向け)326とデータ送受信部(有線向け)325に対して、データ送受信開始を指示する(ステップS107とステップS108)。その後、呼制御部323は、制御信号送受信部(有線向け)322を介して、ハンドオーバを許可する旨の応答としてハンドオーバ応答を無線基地局A300に送信する(ステップS109とステップS110)。
続いて、無線基地局B320からハンドオーバ応答を受信した無線基地局A300の制御信号送受信部(有線向け)302は、当該応答を呼制御部303に出力する(ステップS111)。すると、呼制御部303は、データ送受信部(無線向け)306に対してデータ送受信の停止を指示するとともに(ステップS112)、データ送受信部(有線向け)305に対して受信したデータを無線基地局B320に転送することを指示する(ステップS113)。その後、呼制御部303は、制御信号送受信部(無線向け)304を介して、ハンドオーバ応答を移動体通信端末500に送信する(ステップS114)。
このようにすることで、通信制御システムでは、図3−2に示すように、有線経路として、EPC200〜無線基地局A300〜無線基地局B320が確立され、無線経路として、無線基地局B320のセルC〜移動体通信端末500が確立中となる。なお、ここでは、無線基地局B320のセルCと移動体通信端末500とは、実質的には経路が確立されていることとなるが、無線基地局B320は、移動体通信端末500に対してデータや制御信号を送信しないように制御する。
図2に戻り、無線基地局B320から無線基地局A300を介してハンドオーバ応答を受信した移動体通信端末500は、無線基地局B320とのデータ経路を確立し、当該確立した経路を用いて、経路を切替えたことを示すハンドオーバ完了通知を無線基地局B320に送信する(ステップS115)。
そして、ハンドオーバ完了通知を受信した無線基地局B320のデータ送受信部(無線向け)326は、当該完了通知を呼制御部323に出力し(ステップS116)、呼制御部323は、パス切替判断部328に対してパス切替判断要求を送信する(ステップS117)。
このパス切替判断要求を受信したパス切替判断部328は、図示しないタイマ制御部327に対してタイマ開始指示を送信し、パス切替要否判断処理を実施する(ステップS118)。ここでは、パス切替判断部328は、タイマ制御部327からタイマ終了通知を受信すると、パス切替可能と判断する(移動体通信端末500との無線通信が安定したと判断する)。そして、パス切替可能と判断したパス切替判断部328は、パス切替要求を呼制御部323に出力する(ステップS119)。続いて、呼制御部323は、当該パス切替要求を制御信号送受信部(有線向け)322を介して、EPC200に送信する(ステップS120とステップS121)。
このパス切替要求を受信したEPC200は、無線基地局B320とのデータ経路を確立し、当該データ経路が確立されると、パスを切替えたことを示すパス切替応答を無線基地局B320に送信する(ステップS122)。
EPC200から制御信号送受信部(有線向け)322を介してパス切替要求を受信した無線基地局B320の呼制御部323は、データ送受信部(有線向け)325に対して有線経路の切替を指示し、データ送受信部(有線向け)325は、EPC200とのパスの接続を行う(ステップS123とステップS124)。続いて、呼制御部323は、制御信号送受信部(有線向け)322を介して無線基地局A300に対して、パス切替要求を送信する(ステップS125とステップS126)。
無線基地局B320から制御信号送受信部(有線向け)302を介してパス切替要求を受信した無線基地局A300の呼制御部303は、データ送受信部(有線向け)305に対してデータ転送終了を指示し、データ送受信部(有線向け)305は、無線基地局B320へのデータ転送を終了する(ステップS127とステップS128)。
こうすることで、通信制御システムでは、図3−3に示すように、有線経路として、EPC200〜無線基地局B320が確立され、無線経路として、無線基地局B320〜セルC〜移動体通信端末500が確立されることとなる。なお、ここでは、無線基地局B320は、セルCを介して、移動体通信端末500に対してデータや制御信号を送信する。
(無線基地局A300における処理の流れ)
次に、図4を用いて、実施例1に係る通信制御システムにおける無線基地局Aの処理の流れを説明する。図4は、実施例1に係る無線基地局Aにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、移動体通信端末500からハンドオーバ要求を受信すると(ステップS201肯定)、無線基地局A300は、当該ハンドオーバ要求を無線基地局B320に転送する(ステップS202)。
その後、無線基地局B320からハンドオーバ応答を受信すると(ステップS203肯定)、無線基地局A300は、移動体通信端末500とのデータ送受信を停止し、EPC200から移動体通信端末宛てに送信されたデータを無線基地局B320に転送する(ステップS204)。
そして、有線経路の切り替え完了を示すパス切替要求を無線基地局B320から受信すると(ステップS205肯定)、無線基地局A300は、EPC200から移動体通信端末宛てに送信されたデータを無線基地局B320に転送することを停止する(ステップS206)。
(無線基地局B320における処理の流れ)
次に、図5を用いて、実施例1に係る通信制御システムにおける無線基地局Bの処理の流れを説明する。図5は、実施例1に係る無線基地局Bにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、移動体通信端末500から無線基地局A300を介してハンドオーバ要求を受信すると(ステップS301肯定)、無線基地局B320は、セルCを介して移動体通信端末500と無線通信を行う経路を確立し、当該経路が確立したことを示すハンドオーバ応答を無線基地局A300を介して移動体通信端末500に送信する(ステップS302)。
その後、移動体通信端末500から無線基地局A300を介して、無線経路が接続されたことを示すハンドオーバ応答を受信した後に、所定の時間が経過すると(ステップS303肯定)、無線基地局B320は、EPC200に対してパス切替要求(有線経路切替要求)を送信する(ステップS304)。
そして、パス(有線経路)が切り替わったことを示すパス切替応答をEPC200から受信すると(ステップS305肯定)、無線基地局B320は、データ転送を停止する旨を示すパス切替要求を無線基地局A300に送信する(ステップS306)。これ以降、無線基地局B320は、移動体通信端末500との間では無線経路でデータ送受信を行い、EPC200との間では有線経路でデータ送受信を行うことができ、無線経路と有線経路との両方が切り替わったこととなる。
(EPC200における処理の流れ)
次に、図6を用いて、実施例1に係る通信制御システムにおけるEPCの処理の流れを説明する。図6は、実施例1に係るEPCにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、パス(有線経路)の切り替えを要求するパス切替要求を無線基地局B320から受信すると(ステップS401肯定)、EPC200は、無線基地局B320とのデータ経路を確立し、パスを切替えたことを示すパス切替応答を無線基地局B320に送信する(ステップS402)。
つまり、EPC200は、無線基地局A300の管理下から無線基地局B320の管理下に移動体通信端末500が移動し、無線基地局B320と移動体通信端末500の間に無線経路が確立された場合であっても、パス(有線経路)の切り替えを要求するパス切替要求を無線基地局B320から受信するまで、移動体通信端末500宛てのデータを無線基地局A300に対して送信する。そして、無線基地局B320と移動体通信端末500の間に無線経路(無線接続)が安定されて、パス切替要求を無線基地局B320から受信すると、EPC200は、移動体通信端末500宛てのデータを、当該移動体通信端末500を管理下におく無線基地局B320に対して送信することとなる。
[実施例1による効果]
このように、実施例1によれば、無線基地局A300を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末500から、無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替え、無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、移動体通信端末500へのデータ送受信制御を行っている無線基地局A300を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信するので、ネットワークの輻輳を抑止することが可能であり、無線基地局間のデータ送受信制御を行うEPC200の処理負荷を軽減することが可能である。
具体的には、無線基地局B320は、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されて所定の時間経過するまで、有線区間の切替要求をEPC200に送信しないことで、確立されたセルCと移動体通信端末500との間に無線通信が安定するまで待機することになる。その結果、移動体通信端末500がセルBとセルCとを頻繁に移動したとしても、無線基地局B320は、セルCと移動体通信端末500との通信が安定するまで、有線区間切替要求をEPC200に対して無駄に送信することがない結果、ネットワークの輻輳を抑止することが可能であり、無線基地局間のデータ送受信制御を行うEPC200の処理負荷を軽減することが可能である。
ところで、実施例1では、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、有線区間の切替要求をEPC200に送信する場合ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、さらに、EPC200が管理するネットワークの輻輳状態を判定して、輻輳が判定していない場合にのみ、有線区間の切替要求をEPC200に送信することもできる。
つまり、実施例1では、無線基地局B320は、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が安定したことの担保として、無線通信確立から所定時間経過後に、有線区間の切替要求をEPC200に送信していたが、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が安定したことの担保として、無線通信確立から所定時間経過後とネットワークの輻輳状態とを用いることもできる。
そこで、実施例2では、図7を用いて、無線基地局B320は、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、さらに、EPC200が管理するネットワークの輻輳状態を判定して、輻輳が判定していない場合にのみ、有線区間の切替要求をEPC200に送信する例について説明する。図7は、実施例2に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
図7に示すように、無線基地局B320の制御信号送受信部(有線向け)322は、EPC200からネットワーク輻輳情報を定期的に(例えば、1時間に1回など)受信する(ステップS501)。そして、制御信号送受信部(有線向け)322は、受信したネットワーク輻輳情報を呼制御部323に送信し(ステップS502)、呼制御部323は、受信したネットワーク輻輳情報をEPC情報DB329に格納する(ステップS503)。
ここで、ネットワーク輻輳情報について具体的に説明する。呼制御部323は、図8に示すように、EPC200から受信した『EPC200のCPUの稼働率を示す「CPU使用率」、EPC200の輻輳状態を示す「輻輳情報」』などから構成されるネットワーク輻輳情報をEPC情報として、EPC情報DB329に格納する。また、EPC情報DB329は、図示しない複数のEPCそれぞれに対応付けたEPC番号をインデックスとして、複数のEPCそれぞれに対してEPC情報を記憶する。ここでは、EPC情報DB329は、EPC200に対応した領域にEPC情報を記憶することとなる。なお、図8は、EPC情報DBに記憶される情報の例を示す図である。
その後の移動体通信端末500からハンドオーバ要求が無線基地局B320に送信されて、無線経路が切り替えられ、移動体通信端末500がハンドオーバ完了通知を無線基地局B320に送信し、無線基地局B320の呼制御部323がパス切替判断要求をパス切替判断部328に送信するまでのステップS504〜ステップS515までの処理は、実施例1で説明したステップS101〜ステップS117までの処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
そして、無線基地局B320の呼制御部323からパス切替判断要求を受信したパス切替判断部328は、図示しないタイマ制御部327に対してタイマ開始指示を送信し、パス切替要否判断処理を実施する(ステップS516)。ここでは、パス切替判断部328は、タイマ制御部327からタイマ終了通知を受信すると、EPC情報DB329に格納されているEPC情報を読み出し、当該EPC情報の輻輳情報により、輻輳が発生していないと判断した場合にのみ、パス切替可能と判断する(移動体通信端末500との無線通信が安定したと判断する)。そして、パス切替可能と判断したパス切替判断部328は、パス切替要求を呼制御部323に出力する(ステップS517)。
その後の無線基地局B320からEPC200に対してパス切替要求が送信されて、EPC200において有線経路(パス)の切り替えが実行され、無線基地局B320から無線基地局A300に対してデータ転送を停止する旨のパス切替要求が送信されるステップS518〜ステップS524までの処理は、実施例1で説明したステップS120〜ステップS128までの処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
このように、実施例2によれば、無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、保持されている輻輳状況に基づいて、EPC200が制御する有線経路に輻輳が発生していないと判断した場合に、自装置を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信するので、上位ノードの輻輳状況に応じたパス切替を実施することが可能となる。その結果、ハンドオーバに伴うパス切替による、上位ノード輻輳を抑止することが可能となる。
ところで、実施例1では、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、有線区間の切替要求をEPC200に送信する場合ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動体通信端末500から送信されたハンドオーバ要求からハンドオーバ履歴を取得し、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、さらに、取得したハンドオーバ履歴を判定して、有線区間の切替要求をEPC200に送信することもできる。
つまり、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が安定したことの担保として、無線通信確立から所定時間経過後と移動体通信端末500のハンドオーバ履歴とを用いることもできる。
そこで、実施例3では、図9を用いて、移動体通信端末500から送信されたハンドオーバ要求からハンドオーバ履歴を取得し、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、さらに、取得したハンドオーバ履歴を判定して、有線区間の切替要求をEPC200に送信する例について説明する。図9は、実施例3に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。なお、実施例3では、実施例1とは異なり、取得したハンドオーバ履歴を判定して、有線区間の切替要求をEPC200に送信することを重点的に説明するため、実施例1と同様の処理については省略する。
図9に示すように、移動体通信端末500は、利用者の地理的移動などによって無線基地局B320のセルCを利用する環境下に移動した場合にハンドオーバの契機が発生し(ステップS601)、自装置のハンドオーバ履歴を付加したハンドオーバ要求を無線基地局A300に送信する(ステップS602)。
このハンドオーバ要求を受信した無線基地局A300の制御信号送受信部(無線向け)304は、呼制御部303にハンドオーバ要求を送信する(ステップS603)。すると、呼制御部303は、ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴を取得して移動端末情報DB310に格納して読み出すとともに(ステップS604)、制御信号送受信部(有線向け)302を介して、当該ハンドオーバ要求をEPC200に送信する(ステップS605とステップS606)。
そして、無線基地局A300からハンドオーバ要求を受信したEPC200は、当該ハンドオーバ要求を無線基地局B320に出力する(ステップS607)。すると、無線基地局B320の呼制御部323は、ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴を取得して移動端末情報DB330に格納する(ステップS608)。さらに、呼制御部323は、EPC300に対して、ハンドオーバを許可する旨の応答としてハンドオーバ応答を送信し、EPC200は、当該ハンドオーバ応答を無線基地局A300に送信する(ステップS609とステップS610)。
ここで、ハンドオーバ履歴について具体的に説明する。呼制御部323は、図10に示すように、移動体通信端末500から受信した『電話番号とは異なるITU−T勧告E.212に準拠した移動体加入者識別番号を示す「IMSI」、電話番号とは異なる一時的に割り当てられた加入者識別番号を示す「TMSI」、ハンドオーバ実施時刻、ハンドオーバ先セル番号、ハンドオーバ元セル番号を示す「ハンドオーバ履歴」、ハンドオーバ実施時に端末より通知された移動速度を示す「移動速度」』などから構成されるハンドオーバ履歴として移動端末情報DB330に格納する。また、バッファメモリ321は、図示しない複数の移動体通信端末それぞれに対応付けた端末番号をインデックスとして、複数の移動体通信端末それぞれに対してハンドオーバ履歴を記憶する。ここでは、バッファメモリ321は、移動体通信端末500に対応した領域に記憶することとなる。なお、無線基地局A300のバッファメモリ301にも同様の形式で同様の情報が記憶されることとなる。また、図10は、移動端末情報DB330に記憶される情報の例を示す図である。
続いて、無線基地局B320からハンドオーバ応答を受信した無線基地局A300の制御信号送受信部(有線向け)302は、当該応答を呼制御部303に出力する(ステップS611)。すると、呼制御部303は、格納したハンドオーバ履歴を削除するとともに(ステップS612)する。続いて、呼制御部303は、データ送受信部(無線向け)306に対してデータ送受信の停止を指示し、データ送受信部(有線向け)305に対して受信したデータを無線基地局B320に転送することを指示した後、制御信号送受信部(無線向け)304を介してハンドオーバ応答を移動体通信端末500に送信する(ステップS613)。
その後、無線基地局B320から無線基地局A300を介してハンドオーバ応答を受信した移動体通信端末500は、無線基地局B320とのデータ経路を確立し、当該確立した経路を用いて、経路を切替えたことを示すハンドオーバ完了通知を無線基地局B320に送信する(ステップS614)。
そして、ハンドオーバ完了通知を受信した無線基地局B320の制御信号送受信部(無線向け)324は、当該完了通知を呼制御部323に出力し(ステップS615)、呼制御部323は、パス切替判断部328に対してパス切替判断要求を送信する(ステップS616)。
このパス切替判断要求を受信したパス切替判断部328は、図示しないタイマ制御部327に対してタイマ開始指示を送信し、パス切替要否判断処理を実施する(ステップS617)。ここでは、パス切替判断部328は、タイマ制御部327からタイマ終了通知を受信すると、バッファメモリ321に格納されているハンドオーバ履歴を読み出し、当該ハンドオーバ履歴により、移動体通信端末500の無線通信が安定していると判断した場合にのみ、パス切替可能と判断する(移動体通信端末500との無線通信が安定したと判断する)。そして、パス切替可能と判断したパス切替判断部328は、パス切替要求を呼制御部323に出力する(ステップS618)。
ハンドオーバ履歴に基づく判定基準としては、例えば、1分間のハンドオーバ回数が3回以下であるなどのように、任意に指定して判定することができる。
その後の無線基地局B320からEPC200に対してパス切替要求が送信されて、EPC200において有線経路(パス)の切り替えが実行され、無線基地局B320から無線基地局A300に対してデータ転送を停止する旨のパス切替要求が送信されるステップS619以降の処理は、実施例1で説明したステップS120〜ステップS128までの処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
このように、実施例3によれば、無線基地局A300を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末500から、無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替えるとともに、当該ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴を取得して移動端末情報DB330に格納し、無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、移動端末情報DB330に格納されているハンドオーバ履歴に基づいて、移動体通信端末500の通信が安定していると判断した場合に、自装置である無線基地局B320を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信するので、セルの境界に端末が存在する場合などハンドオーバが連続して発生していることをハンドオーバ履歴により判断することが可能となり、ハンドオーバ実施状況をより正確に把握したパス切替が可能となる。
ところで、実施例3では、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、ハンドオーバ要求に付加されているハンドオーバ履歴に基づいて、有線区間の切替要求をEPC200に送信する場合ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンドオーバ要求に付加されている移動速度に基づいて、有線区間の切替要求をEPC200に送信することもできる。
つまり、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が安定したことの担保として、無線通信確立から所定時間経過後と移動体通信端末500の移動速度とを用いることもできる。
そこで、実施例4では、図11を用いて、移動体通信端末500から送信されたハンドオーバ要求から移動速度を取得し、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、さらに、取得した移動速度を判定して、有線区間の切替要求をEPC200に送信する例について説明する。図11は、実施例4に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。なお、実施例4では、実施例1とは異なり、取得した移動速度を判定して、有線区間の切替要求をEPC200に送信することを重点的に説明するため、実施例1や実施例3と同様の処理については省略する。
図11に示すように、移動体通信端末500は、利用者の地理的移動などによって無線基地局B320のセルCを利用する環境下に移動した場合にハンドオーバの契機が発生し(ステップS701)、自装置のハンドオーバ履歴(移動速度)を付加したハンドオーバ要求を無線基地局A300に送信する(ステップS702)。
このハンドオーバ要求を受信した無線基地局A300の制御信号送受信部(無線向け)304は、呼制御部303にハンドオーバ要求を送信し、呼制御部303は、ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴(移動速度)を取得して移動端末情報DB310に格納する(ステップS703)。
続いて、呼制御部303は、格納された移動速度を取得し(ステップS704)、制御信号送受信部(有線向け)302を介して、取得した移動速度を付加したハンドオーバ要求をEPC200に送信する(ステップS705とステップS706)。
そして、無線基地局A300からハンドオーバ要求を受信したEPC200は、当該ハンドオーバ要求を無線基地局B320に出力する(ステップS707)。すると、無線基地局B320の呼制御部323は、ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴(移動速度)を取得して移動端末情報DB330に格納する(ステップS708)。さらに、呼制御部323は、EPC300に対して、ハンドオーバを許可する旨の応答としてハンドオーバ応答を送信し、EPC200は、当該ハンドオーバ応答を無線基地局A300に送信する(ステップS709とステップS710)。
続いて、無線基地局B320からハンドオーバ応答を受信した無線基地局A300の制御信号送受信部(有線向け)302は、当該応答を呼制御部303に出力する(ステップS711)。すると、呼制御部303は、格納したハンドオーバ履歴を削除する(ステップS712)。続いて、呼制御部303は、データ送受信部(無線向け)306に対してデータ送受信の停止を指示し、データ送受信部(有線向け)305に対して受信したデータを無線基地局B320に転送することを指示した後、制御信号送受信部(無線向け)304を介して、ハンドオーバ応答を移動体通信端末500に送信する(ステップS713)。
その後、無線基地局B320から無線基地局A300を介してハンドオーバ応答を受信した移動体通信端末500は、無線基地局B320とのデータ経路を確立し、当該確立した経路を用いて、経路を切替えたことを示すハンドオーバ完了通知を無線基地局B320に送信する(ステップS714)。
そして、ハンドオーバ完了通知を受信した無線基地局B320の制御信号送受信部(無線向け)324は、当該完了通知を呼制御部323に出力し(ステップS715)、呼制御部323は、パス切替判断部328に対してパス切替判断要求を送信する(ステップS716)。
このパス切替判断要求を受信したパス切替判断部328は、図示しないタイマ制御部327に対してタイマ開始指示を送信し、パス切替要否判断処理を実施する(ステップS717)。ここでは、パス切替判断部328は、タイマ制御部327からタイマ終了通知を受信すると、移動端末情報DB330に格納されているハンドオーバ履歴の移動速度(図10参照)を読み出し、当該移動速度により、移動体通信端末500の移動速度が安定していると判断した場合にのみ、パス切替可能と判断する(移動体通信端末500との無線通信が安定したと判断する)。そして、パス切替可能と判断したパス切替判断部328は、パス切替要求を呼制御部323に出力する(ステップS718)。
移動速度に基づく判定基準としては、例えば、移動速度が時速30Km以下である場合には、パス切替可能と判断するなどのように、任意に指定して判定することができる。
その後の無線基地局B320からEPC200に対してパス切替要求が送信されて、EPC200において有線経路(パス)の切り替えが実行され、無線基地局B320から無線基地局A300に対してデータ転送を停止する旨のパス切替要求が送信されるステップS719以降の処理は、実施例1で説明したステップS120〜ステップS128までの処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
このように、実施例4によれば、無線基地局A300を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末500から、無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替えるとともに、当該ハンドオーバ要求に付加された速度情報を取得してバッファメモリ321に格納し、無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、バッファメモリ321に格納されている速度情報が所定の速度以下である場合に、自装置である無線基地局B320を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信するので、移動体通信端末500の移動速度に応じたパス切替を行うことが可能となり、移動体通信端末500が高速で移動している場合には、異なるセルへのハンドオーバが連続して発生する可能性があることを予測することが可能となり、ハンドオーバ実施状況をより正確に把握したパス切替が可能となる。
ところで、本発明では、無線基地局B320がパス切替要求をEPC200に送信し、EPC200にてパス切替が失敗した場合であっても、タイマを再度起動してパス切替のリトライをすることができる。
そこで、実施例5では、図12を用いて、無線基地局B320がパス切替要求をEPC200に送信し、EPC200にてパス切替が失敗した場合であっても、タイマを再度起動してパス切替のリトライをする例について説明する。図12は、実施例5に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。なお、実施例5では、無線基地局B320がパス切替要求をEPC200に送信し、EPC200にてパス切替が失敗した場合であっても、タイマを再度起動してパス切替のリトライをすることを重点的に説明するため、実施例1〜実施例4と同様の処理については省略する。
図12に示すように、移動体通信端末500からハンドオーバ要求が送信されて、無線基地局B320で有線経路のパス切替判断が実施され、有線経路のパス切替要求がEPC200に送信されるまでのステップS801〜ステップS816までの処理は、実施例1で説明したステップS101〜ステップS121までの処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
その後、パス切替要求を受信したEPC200は、ネットワーク輻輳やネットワーク障害などにより、有線経路の切り替えが失敗すると(ステップS817)、パス切替失敗応答を無線基地局B320に送信する(ステップS818)。
このパス切替失敗応答を受信した無線基地局B320の制御信号送受信部(有線向け)322は、当該応答を呼制御部323を介してパス切替判断部328に送信する(ステップS819とステップS820)。そして、パス切替判断部328は、このパス切替失敗応答を受信したことにより、タイマ制御部327に対して、再度タイマ起動を指示する(ステップS821)。
その後、タイマ制御部327からタイマ完了(タイムアウト)の通知を受けたパス切替判断部328は、パス切替要求を呼制御部323に出力し(ステップS822とステップS823)、呼制御部323は、当該パス切替要求を制御信号送受信部(有線向け)322を介して、EPC200に送信する(ステップS824とステップS825)。
そして、ステップS826のパス切替が実施される処理は、実施例1で説明したステップS122〜ステップS128の処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
このように、実施例5によれば、自装置である無線基地局B320を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信し、EPC200から有線経路切り替えが失敗したことを示す切替失敗応答を受信した場合に、当該切り替える前の有線経路を用いて移動体通信端末500と通信を行うので、切替え前に確立したパスを使用し、ハンドオーバ先セルでの通信を継続することが可能となる。
また、実施例5によれば、自装置である無線基地局B320を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信し、EPC200から有線経路切り替えが失敗したことを示す切替失敗応答を受信した場合に、当該切り替える前の有線経路を用いて移動体通信端末500と通信を行う一方で、さらに所定時間経過後に、自装置である無線基地局B320を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信するので、パス切替が失敗した場合でも、切替え前に確立したパスを使用し、ハンドオーバ先セルでの通信を継続することが可能となる。さらに、ハンドオーバ先での通信を継続しつつ、一定周期後のパス切替実施を実施することが可能となる。
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に示すように、(1)装置接続構成、(2)有線経路切替失敗時の対応、(3)システム構成等、(4)プログラムにそれぞれ区分けして異なる実施例を説明する。
(1)装置接続構成
上記した実施例1〜5では、EPC200と無線基地局A300と無線基地局B320と移動体通信端末500とから構成される通信制御システムについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の移動体通信端末が接続されていてもよく、また、複数の無線基地局が接続されていてもよく、他の無線基地局同士の接続を制御する他の複数のEPCが接続されていてもよい。また、無線基地局A300と無線基地局B320とにそれぞれ収容されているセルの数も限定するものではく、それぞれ他の複数のセルを収容してもよい。
(2)有線経路切替失敗時の対応
また、実施例5では、EPC200において、有線経路の切り替えが失敗した場合に、無線基地局B320は、切替をリトライする例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、有線経路の切り替えが失敗した場合に様々な手法を実施することができる。例えば、無線基地局B320は、有線経路の切り替えが失敗した場合に、リトライを行わず、既に確立されているEPC200〜無線基地局A300の有線経路(パス)を利用して、移動体通信端末500と通信を行うようにしてもよい。そうすることにより、有線経路の切り替えが成功しなくても、遮断することなく通信を行うことが可能である。
(3)システム構成等
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理(例えば、パス切替実施処理やタイマ処理など)の全部または一部を手動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(例えば、図8や図10など)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合(例えば、呼制御部とパス切替判断部とを統合するなど)して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
(4)プログラム
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムを他の実施例として説明する。
図13は、通信制御制御プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。図13に示すように、コンピュータシステム600は、RAM601と、HDD602と、ROM603と、CPU604とから構成される。ここで、ROM603には、上記の実施例と同様の機能を発揮するプログラム、つまり、図13に示すように、無線経路切替プログラム603aと、有線経路切替要求送信プログラム603bとがあらかじめ記憶されている。
そして、CPU604には、これらのプログラム603aと603bとを読み出して実行することで、図13に示すように、無線経路切替プロセス604aと、有線経路切替要求送信プロセス604bとなる。なお、無線経路切替プロセス604aは、図1に示した、呼制御部323に対応し、同様に、有線経路切替要求送信プロセス604bは、呼制御部323とパス切替判断部328とに対応する。
また、HDD602は、移動体通信端末500やEPC200から受信した制御信号などを記憶し、さらに、移動体通信端末500から受信したハンドオーバ履歴やEPC200から受信したネットワーク輻輳情報(EPC情報)などを記憶する。
ところで、上記したプログラム603aと603bは、必ずしもROM603に記憶させておく必要はなく、例えば、コンピュータシステム600に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステム600の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などの「固定用の物理媒体」、さらに、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータシステム600に接続される「他のコンピュータシステム」に記憶させておき、コンピュータシステム600がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
この発明は、移動体通信端末における無線通信を制御する通信制御装置と、当該通信制御装置と他の通信制御装置との間における経路制御およびデータ送受信制御を有線通信にて実施する管理装置とから構成される無線通信制御システムにおける通信制御装置および通信制御方法に関する。
従来より、第3世代(3G)移動体通信から第4世代(4G)移動体通信への移行を段階的に進めるために高速移動体通信の規格として、LTE(Long Term Evolution:スーパー3G)の開発が行われている。このLTEは、IMT−2000発展系であると位置付けながら、4Gへの移行をスムーズに行うために、無線インターフェースやRAN(Radio Access Controller)アーキテクチャを3Gシステムから抜本的に見直している。その結果、遅延時間の圧縮や通信速度の向上などによって、下り最大300Mビット/秒、上り最大50Mビット/秒のデータ通信速度を実現する。
このLTEでは、現在の3Gから無線アクセスシステムのノードの変更がある。具体的には、複数の基地局を集中的に管理するために、従来の3Gでは設置されていたRNC(Radio Network Controller)が省かれて、基地局のみで分散制御を行う1ノードに簡略化され、RNCが備えていた機能の殆どは無線基地局へ再配置される。
また、LTEでは、現在の3Gと異なり、通信中に確立されるリンクの数は1リンクのみとなる。このため、セルをまたがる移動(ハンドーオーバ)が行われる場合は、一旦、移動元のセルとの接続を切断し、移動先のセルと接続を確立する必要があり、また、基地局跨りのハンドオーバの場合は、上記に加えて上位ノード(EPC)とのパスの切替処理を実施する必要がある(特許文献1参照)。
ここで、移動体通信端末が基地局を跨って移動した場合に、リンクを確立する例を具体的に説明する。図14−1に示すように、この通信システムは、電波を管理する範囲を示すセルAとセルBとを有線にて収容する無線基地局であるSeNBと、同様にセルCを有線にて収容するTeNBと、SeNBとTeNBとを有線にて収容するEPCとの基地局間の通信制御(データ送受信や接続などの制御)を行うEPCと、セルBを利用して無線通信を行う移動体通信端末とから構成されている。
このような構成において、図14−2に示すように、移動体通信端末がセルCを利用する環境下に移動した場合に、移動体通信端末は、移動前から利用しているセルBを介してSeNBにハンドオーバ要求を送信し、ハンドオーバ要求を受信したSeNBは、セルCを収容するTeNBとの間にセッションを確立し、EPCから移動体通信端末宛に送信されたデータをTeNBに転送する。その後、図14−3に示すように、セルCと移動体通信端末との接続が確立されると、TeNBは、SeNBから受信して蓄積していた移動体通信端末宛のデータをセルCを介して移動体通信端末に送信し、EPCは、SeNBからTeNBにパス切替を実行する。つまり、移動体通信端末が無線基地局間を跨って移動した場合、移動体通信端末との無線区間の切替が実施された後に、EPCと無線基地局間の有線区間の切替が実施される。
特開2006−157528号公報
しかしながら、上記した従来の技術では、パスの切替処理を行うノード間のメッセージをハンドオーバの度に送信する必要があるため、ネットワークの輻輳を引き起こしてしまうという課題と、無線基地局間のデータ送受信制御を行う管理装置に対してハンドオーバの度にパスの切替要求を行うため、管理装置の処理負荷を上げてしまうという課題があった。
上記した例で具体的に説明すると、移動体通信端末が、各無線基地局に収容されるセルとの接続を確立する前に、無線基地局であるSeNBとTeNBとの間を頻繁に移動した場合、EPC(管理装置)から移動体通信端末宛に送信されたデータは、移動体通信端末までに送信されずに、SeNBとTeNBとのそれぞれに一時的に蓄積され続けることとなる。その結果、SeNBとTeNBとのそれぞれは、当該移動体通信端末以外の他の移動体通信端末から送信されるデータの処理に遅延が発生し、ネットワーク全体が繋がりにくくなるなどの事象が発生する。また、EPCは、ハンドオーバが起こるごとに、SeNBとTeNBとからハンドオーバ要求を受信してパス切替処理を実施することになり、処理負荷が高くなる。
さらに、多数の移動体通信端末が同時にハンドオーバを行うような場合は、より顕著に現れることになり、LTEにおいては、現状3Gに比べてノード(無線基地局)跨りハンドオーバ(RNC跨りハンドオーバ、LTEでいう無線基地局跨りハンドオーバ)の発生率が高くなる為、上記の課題が顕著になって現れてくる。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、無線基地局としての通信制御装置を跨ったハンドオーバを行った場合でも、ネットワークの輻輳を抑止することが可能であり、無線基地局間のデータ送受信制御を行う管理装置の処理負荷を軽減することが可能である通信制御装置および通信制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本装置は、移動体通信端末における無線通信を制御する通信制御装置と、当該通信制御装置と他の通信制御装置との間における経路制御およびデータ送受信制御を有線通信にて実施する管理装置とから構成される無線通信制御システムにおける通信制御装置であって、他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替える無線経路切替手段と、前記無線経路切替手段により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記移動体通信端末へのデータ送受信制御を行っている前記他の通信制御装置を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求を管理装置に対して送信する有線切替要求送信手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替え、無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、移動体通信端末へのデータ送受信制御を行っている他の通信制御装置を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求を管理装置に対して送信するので、無線基地局としての通信制御装置を跨ったハンドオーバを行った場合でも、ネットワークの輻輳を抑止することが可能であり、無線基地局間のデータ送受信制御を行う管理装置の処理負荷を軽減することが可能である。
図1は、実施例1に係る通信制御システムの構成を示すブロック図である。 図2は、実施例1に係る通信制御システムによる処理の流れを示すシーケンス図である。 図3−1は、シーケンスにおける状態1を示す図である。 図3−2は、シーケンスにおける状態2を示す図である。 図3−3は、シーケンスにおける状態3を示す図である。 図4は、実施例1に係る無線基地局Aにおける処理の流れを示すフローチャートである。 図5は、実施例1に係る無線基地局Bにおける処理の流れを示すフローチャートである。 図6は、実施例1に係るEPCにおける処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、実施例2に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。 図8は、EPC情報DBに記憶される情報の例を示す図である。 図9は、実施例3に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。 図10は、移動端末情報DB330に記憶される情報の例を示す図である。 図11は、実施例4に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。 図12は、実施例5に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。 図13は、通信制御制御プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。 図14−1は、従来技術を説明するための図である。 図14−2は、従来技術を説明するための図である。 図14−3は、従来技術を説明するための図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る通信制御装置および通信制御方法の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本実施例に係る通信制御装置の概要および特徴、通信制御装置の構成および処理の流れを順に説明し、最後に本実施例に対する種々の変形例を説明する。
[通信制御装置(無線基地局)の概要および特徴]
まず最初に、実施例1に係る通信制御装置の概要および特徴を説明する。実施例1に係る通信制御装置を含む通信制御システムは、移動体通信端末(特許請求の範囲に記載の「移動体通信端末」に対応する)における無線通信を制御する無線基地局A(特許請求の範囲に記載の「他の通信制御装置」に対応する)と無線基地局B(特許請求の範囲に記載の「通信制御装置」に対応する)と、当該無線基地局Aと無線基地局Bとの間における経路制御およびデータ送受信制御を有線通信にて実施するEPC(特許請求の範囲に記載の「管理装置」に対応する)とから構成される。なお、本実施例では、EPCが1台の場合を例にして説明するが、複数のEPCが接続されていてもよい。
この無線基地局Aは、電波を管理する範囲を区分したセルAとセルBとを備え、無線基地局Bは、同様にセルCを備える。なお、本実施例では、無線基地局AのセルBを介して無線通信を行っている移動体通信端末が、利用者の地理的移動などによって無線基地局BのセルCを利用する環境下に移動した場合について説明する。そのため、無線基地局Aが特許請求の範囲に記載の「他の通信制御装置」に対応し、無線基地局Bが特許請求の範囲に記載の「通信制御装置」に対応することとなるが、本発明はこれに限定されるものではなく、無線基地局Aが特許請求の範囲に記載の「通信制御装置」に対応し、無線基地局Bが特許請求の範囲に記載の「他の通信制御装置」に対応する場合もある。つまり、移動体通信端末が移動する前に利用しているセルを収容している無線基地局が「他の通信制御装置」に対応し、移動体通信端末が移動した先で利用するセルを収容している無線基地局が「通信制御装置」に対応することとなる。
このような構成において、実施例1に係る通信制御装置である無線基地局Bは、ネットワークの輻輳を抑止することが可能であり、無線基地局間のデータ送受信制御を行う管理装置の処理負荷を軽減することが可能であることに主たる特徴がある。
上記した例で具体的に説明すると、無線基地局AのセルBを介して無線通信を行っている移動体通信端末が、利用者の地理的移動などによって無線基地局BのセルCを利用する環境下に移動した場合、セルCと移動体通信端末との間に無線通信が確立される。そして、無線基地局Bは、セルCと移動体通信端末との間に無線通信が確立されて所定の時間経過後に、EPCに対して有線区間の切り替えを要求し、この要求を受信したEPCは、移動体通信端末宛てに送信するデータの送信経路として、EPCから無線基地局Aの有線区間をEPCから無線基地局Bの有線区間に切替える。
つまり、無線基地局Bは、セルCと移動体通信端末との間に無線通信が確立されて所定の時間経過するまで、有線区間の切替要求をEPCに送信しないことで、確立されたセルCと移動体通信端末との間に無線通信が安定するまで待機することになる。その結果、移動体通信端末がセルBとセルCとを頻繁に移動したとしても、無線基地局Bは、セルCと移動体通信端末との通信が安定するまで、有線区間切替要求をEPCに対して無駄に送信することがない結果、ネットワークの輻輳を抑止することが可能であり、無線基地局間のデータ送受信制御を行うEPCの処理負荷を軽減することが可能である。
[通信制御装置(無線基地局)の構成]
次に、図1を用いて、実施例1に係る通信制御システムの構成を説明する。図1は、実施例1に係る通信制御システムの構成を示すブロック図である。
そして、図1に示したEPC200は、本実施例のような移動体通信端末における通信制御システムで用いられる無線基地局間のデータ送受信制御を行う管理装置と同様の構成を有し、また、移動体通信端末500は、一般的に広く利用されているパーソナルコンピュータやワークステーション、家庭用ゲーム機、インターネットTV、PDA、あるいは携帯電話やPHSの如き移動体通信端末と同様の構成を有するので、ここでは、詳細な説明は省略する。また、無線基地局A300と無線基地局B320とは同様の構成を有するので、ここでは、無線基地局B320についてのみ詳細に説明する。
図1に示すように、無線基地局B320は、バッファメモリ321と、制御信号送受信部(有線向け)322と、呼制御部323と、制御信号送受信部(無線向け)324と、データ送受信部(有線向け)325と、データ送受信部(無線向け)326と、タイマ制御部327と、パス切替判断部328とから構成される。
バッファメモリ321は、EPC200や無線基地局A300、移動体通信端末500との間の受信データの格納、送信データの格納バッファである。上記した例で具体的に説明すると、バッファメモリ321は、接続されるデータ送受信部(有線向け)325により、EPC200から移動体通信端末500宛てに送信されたデータを格納したり、接続されるデータ送受信部(無線向け)326により、移動体通信端末500宛てに送信されるデータを格納したりする。
制御信号送受信部(有線向け)322は、EPC200との間の制御信号の送受信を実施する。上記した例で具体的に説明すると、制御信号送受信部(有線向け)322は、EPC200から送信された制御信号(例えば、有線経路(パス)切替実施完了信号など)を受信して、呼制御部323に出力する。また、制御信号送受信部(有線向け)322は、呼制御部323の指示により、制御信号をEPC200や無線基地局A300に送信する。
呼制御部323は、無線基地局A300を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末500から、無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替える。上記した例で具体的に説明すると、移動体通信端末500から送信されたハンドオーバ要求は、無線基地局A300の制御信号送受信部(無線向け)304に受信されて、制御信号送受信部(有線向け)302から無線基地局B320に送信される。そして、このハンドオーバ要求は、無線基地局B320の制御信号送受信部(有線向け)322により受信され、呼制御部323に通知される。すると、呼制御部323は、無線基地局B320の制御信号送受信部(有線向け)322と、無線基地局A300の制御信号送受信部(有線向け)302と制御信号送受信部(無線向け)304とを介して、無線経路を切替えるハンドオーバ応答を移動体通信端末500に送信する。こうすることで、移動体通信端末500において無線経路の切替が実行される。
さらには、呼制御部323は、移動体通信端末500へのデータ送受信制御を行っている無線基地局A300を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求をパス切替判断部328から受信すると、当該要求をEPC200に対して送信する。また、呼制御部323は、EPC200、無線基地局A300との間の制御信号の分析/解析を実施し、制御信号に応じて、移動体通信端末500に対する制御信号を後述する制御信号送受信部(無線向け)324を介して送受信したり、バッファメモリ321内のデータをデータ送受信部(有線向け)325を介して送受信したりする。
また、呼制御部323は、無線経路の接続状態を監視し、ハンドオーバの検出および移動体通信端末500との間の制御信号の分析/解析を実施し、制御信号に応じて、EPC200に対する制御信号を制御信号送受信部(有線向け)322を介して送受信したり、バッファメモリ321内のデータを後述するデータ送受信部(無線向け)326を介して送受信したりする。そして、呼制御部323は、ハンドオーバ時の無線区間の切替が完了した際に、パス切替判断要求をパス切替判断部328に通知する。
さらに、呼制御部323は、後述するパス切替判断部328より、パス切替の要求を受信し、EPC200に対してパス切替要求の制御信号を制御信号送受信部(有線向け)322を介して送信する。そして、呼制御部323は、EPC200よりパス切替失敗の制御信号を受信した際に、パス切替失敗の通知をパス切替判断部328に対して行う。
制御信号送受信部(無線向け)324は、移動体通信端末500との間の制御信号の送受信を実施する。上記した例で具体的に説明すると、制御信号送受信部(無線向け)324は、移動体通信端末500から送信された制御信号を受信して呼制御部323に出力したり、呼制御部323の指示により、EPC200から受信した制御信号を移動体通信端末500に出力したりする。
データ送受信部(有線向け)325は、EPC200および無線基地局A300との間のデータの送受信を実施する。上記した例で具体的に説明すると、データ送受信部(有線向け)325は、移動体通信端末500から送信された各種データを受信してバッファメモリ321に格納したり、呼制御部323の指示により、バッファメモリ321から各種データを取得して、移動体通信端末500に送信したりする。また、データ送受信部(有線向け)325は、無線基地局A300からデータを受信してバッファメモリ321に格納したり、呼制御部323の指示によりバッファメモリ321に格納されるデータを取得して無線基地局A300に送信したりする。
データ送受信部(無線向け)326は、移動体通信端末500との間のデータの送受信を実施する。上記した例で具体的に説明すると、データ送受信部(無線向け)326は、EPC200から送信された各種データを受信してバッファメモリ321に格納したり、呼制御部323の指示により、バッファメモリ321から各種データを取得して、EPC200に送信したりする。
タイマ制御部327は、タイマの開始および終了通知を実施する。上記した例で具体的に説明すると、タイマ制御部327は、後述するパス切替判断部328からのタイマ設定を受信してタイマを起動する。その後、タイマ制御部327は、該当タイマがタイムアウトした際には、パス切替判断部328に対して、タイムアウト通知を行う。
パス切替判断部328は、呼制御部323により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、移動体通信端末500へのデータ送受信制御を行っている無線基地局A300を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求を呼制御部323を介してEPC200に対して送信する。上記した例で具体的に説明すると、パス切替判断部328は、無線経路が切り替えられた旨の通知を呼制御部323から受信すると、タイマ制御部327にタイマ開始を指示する。その後、パス切替判断部328は、タイマ制御部327からタイマ完了通知を受信すると、自装置を介した有線経路に切り替える要求を呼制御部323に通知する。そして、呼制御部323は、自装置を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信することで、EPC200にて有線経路の切替が実施される。
[通信制御システムによる処理]
次に、図2〜図6を用いて、実施例1に係る通信制御システムによる処理を説明する。ここでは、はじめに、図2と図3とを用いて、実施例1に係る通信制御システムによる処理シーケンスを説明し、次に、図4〜図6を用いて、各装置における処理の流れを説明する。
(通信制御システムによる処理シーケンス)
まず、図2と図3とを用いて、実施例1に係る通信制御システムによる処理シーケンスを説明する。図2は、実施例1に係る通信制御システムによる処理の流れを示すシーケンス図であり、図3−1は、シーケンスにおける状態1を示す図であり、図3−2は、シーケンスにおける状態2を示す図であり、図3−3は、シーケンスにおける状態3を示す図である。
図2に示すように、この通信制御システムは、図3−1に示すように、無線基地局A300のセルBを介して無線通信を行っている移動体通信端末500と、セルAとセルBとを備えた無線通信を制御する無線基地局A300と、セルCを備えた無線通信を制御する無線基地局B320と、当該無線基地局A300と無線基地局B320との間における経路制御およびデータ送受信制御を有線通信にて実施するEPC200とから構成されている(状態1)。
このような構成において、移動体通信端末500は、利用者の地理的移動などによって無線基地局B320のセルCを利用する環境下に移動した場合にハンドオーバの契機が発生し(ステップS101)、ハンドオーバ要求を無線基地局A300に送信する(ステップS102)。
このハンドオーバ要求を受信した無線基地局A300の制御信号送受信部(無線向け)304は、呼制御部303と制御信号送受信部(有線向け)302とを介して、当該ハンドオーバ要求を無線基地局B320に送信する(ステップS103〜ステップS105)。
そして、無線基地局A300からハンドオーバ要求を受信した無線基地局B320の制御信号送受信部(有線向け)322は、当該ハンドオーバ要求を呼制御部323に出力する(ステップS106)。すると、呼制御部323は、データ送受信部(無線向け)326とデータ送受信部(有線向け)325に対して、データ送受信開始を指示する(ステップS107とステップS108)。その後、呼制御部323は、制御信号送受信部(有線向け)322を介して、ハンドオーバを許可する旨の応答としてハンドオーバ応答を無線基地局A300に送信する(ステップS109とステップS110)。
続いて、無線基地局B320からハンドオーバ応答を受信した無線基地局A300の制御信号送受信部(有線向け)302は、当該応答を呼制御部303に出力する(ステップS111)。すると、呼制御部303は、データ送受信部(無線向け)306に対してデータ送受信の停止を指示するとともに(ステップS112)、データ送受信部(有線向け)305に対して受信したデータを無線基地局B320に転送することを指示する(ステップS113)。その後、呼制御部303は、制御信号送受信部(無線向け)304を介して、ハンドオーバ応答を移動体通信端末500に送信する(ステップS114)。
このようにすることで、通信制御システムでは、図3−2に示すように、有線経路として、EPC200〜無線基地局A300〜無線基地局B320が確立され、無線経路として、無線基地局B320のセルC〜移動体通信端末500が確立中となる。なお、ここでは、無線基地局B320のセルCと移動体通信端末500とは、実質的には経路が確立されていることとなるが、無線基地局B320は、移動体通信端末500に対してデータや制御信号を送信しないように制御する。
図2に戻り、無線基地局B320から無線基地局A300を介してハンドオーバ応答を受信した移動体通信端末500は、無線基地局B320とのデータ経路を確立し、当該確立した経路を用いて、経路を切替えたことを示すハンドオーバ完了通知を無線基地局B320に送信する(ステップS115)。
そして、ハンドオーバ完了通知を受信した無線基地局B320のデータ送受信部(無線向け)326は、当該完了通知を呼制御部323に出力し(ステップS116)、呼制御部323は、パス切替判断部328に対してパス切替判断要求を送信する(ステップS117)。
このパス切替判断要求を受信したパス切替判断部328は、図示しないタイマ制御部327に対してタイマ開始指示を送信し、パス切替要否判断処理を実施する(ステップS118)。ここでは、パス切替判断部328は、タイマ制御部327からタイマ終了通知を受信すると、パス切替可能と判断する(移動体通信端末500との無線通信が安定したと判断する)。そして、パス切替可能と判断したパス切替判断部328は、パス切替要求を呼制御部323に出力する(ステップS119)。続いて、呼制御部323は、当該パス切替要求を制御信号送受信部(有線向け)322を介して、EPC200に送信する(ステップS120とステップS121)。
このパス切替要求を受信したEPC200は、無線基地局B320とのデータ経路を確立し、当該データ経路が確立されると、パスを切替えたことを示すパス切替応答を無線基地局B320に送信する(ステップS122)。
EPC200から制御信号送受信部(有線向け)322を介してパス切替要求を受信した無線基地局B320の呼制御部323は、データ送受信部(有線向け)325に対して有線経路の切替を指示し、データ送受信部(有線向け)325は、EPC200とのパスの接続を行う(ステップS123とステップS124)。続いて、呼制御部323は、制御信号送受信部(有線向け)322を介して無線基地局A300に対して、パス切替要求を送信する(ステップS125とステップS126)。
無線基地局B320から制御信号送受信部(有線向け)302を介してパス切替要求を受信した無線基地局A300の呼制御部303は、データ送受信部(有線向け)305に対してデータ転送終了を指示し、データ送受信部(有線向け)305は、無線基地局B320へのデータ転送を終了する(ステップS127とステップS128)。
こうすることで、通信制御システムでは、図3−3に示すように、有線経路として、EPC200〜無線基地局B320が確立され、無線経路として、無線基地局B320〜セルC〜移動体通信端末500が確立されることとなる。なお、ここでは、無線基地局B320は、セルCを介して、移動体通信端末500に対してデータや制御信号を送信する。
(無線基地局A300における処理の流れ)
次に、図4を用いて、実施例1に係る通信制御システムにおける無線基地局Aの処理の流れを説明する。図4は、実施例1に係る無線基地局Aにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、移動体通信端末500からハンドオーバ要求を受信すると(ステップS201肯定)、無線基地局A300は、当該ハンドオーバ要求を無線基地局B320に転送する(ステップS202)。
その後、無線基地局B320からハンドオーバ応答を受信すると(ステップS203肯定)、無線基地局A300は、移動体通信端末500とのデータ送受信を停止し、EPC200から移動体通信端末宛てに送信されたデータを無線基地局B320に転送する(ステップS204)。
そして、有線経路の切り替え完了を示すパス切替要求を無線基地局B320から受信すると(ステップS205肯定)、無線基地局A300は、EPC200から移動体通信端末宛てに送信されたデータを無線基地局B320に転送することを停止する(ステップS206)。
(無線基地局B320における処理の流れ)
次に、図5を用いて、実施例1に係る通信制御システムにおける無線基地局Bの処理の流れを説明する。図5は、実施例1に係る無線基地局Bにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、移動体通信端末500から無線基地局A300を介してハンドオーバ要求を受信すると(ステップS301肯定)、無線基地局B320は、セルCを介して移動体通信端末500と無線通信を行う経路を確立し、当該経路が確立したことを示すハンドオーバ応答を無線基地局A300を介して移動体通信端末500に送信する(ステップS302)。
その後、移動体通信端末500から無線基地局A300を介して、無線経路が接続されたことを示すハンドオーバ応答を受信した後に、所定の時間が経過すると(ステップS303肯定)、無線基地局B320は、EPC200に対してパス切替要求(有線経路切替要求)を送信する(ステップS304)。
そして、パス(有線経路)が切り替わったことを示すパス切替応答をEPC200から受信すると(ステップS305肯定)、無線基地局B320は、データ転送を停止する旨を示すパス切替要求を無線基地局A300に送信する(ステップS306)。これ以降、無線基地局B320は、移動体通信端末500との間では無線経路でデータ送受信を行い、EPC200との間では有線経路でデータ送受信を行うことができ、無線経路と有線経路との両方が切り替わったこととなる。
(EPC200における処理の流れ)
次に、図6を用いて、実施例1に係る通信制御システムにおけるEPCの処理の流れを説明する。図6は、実施例1に係るEPCにおける処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、パス(有線経路)の切り替えを要求するパス切替要求を無線基地局B320から受信すると(ステップS401肯定)、EPC200は、無線基地局B320とのデータ経路を確立し、パスを切替えたことを示すパス切替応答を無線基地局B320に送信する(ステップS402)。
つまり、EPC200は、無線基地局A300の管理下から無線基地局B320の管理下に移動体通信端末500が移動し、無線基地局B320と移動体通信端末500の間に無線経路が確立された場合であっても、パス(有線経路)の切り替えを要求するパス切替要求を無線基地局B320から受信するまで、移動体通信端末500宛てのデータを無線基地局A300に対して送信する。そして、無線基地局B320と移動体通信端末500の間に無線経路(無線接続)が安定されて、パス切替要求を無線基地局B320から受信すると、EPC200は、移動体通信端末500宛てのデータを、当該移動体通信端末500を管理下におく無線基地局B320に対して送信することとなる。
[実施例1による効果]
このように、実施例1によれば、無線基地局A300を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末500から、無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替え、無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、移動体通信端末500へのデータ送受信制御を行っている無線基地局A300を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信するので、ネットワークの輻輳を抑止することが可能であり、無線基地局間のデータ送受信制御を行うEPC200の処理負荷を軽減することが可能である。
具体的には、無線基地局B320は、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されて所定の時間経過するまで、有線区間の切替要求をEPC200に送信しないことで、確立されたセルCと移動体通信端末500との間に無線通信が安定するまで待機することになる。その結果、移動体通信端末500がセルBとセルCとを頻繁に移動したとしても、無線基地局B320は、セルCと移動体通信端末500との通信が安定するまで、有線区間切替要求をEPC200に対して無駄に送信することがない結果、ネットワークの輻輳を抑止することが可能であり、無線基地局間のデータ送受信制御を行うEPC200の処理負荷を軽減することが可能である。
ところで、実施例1では、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、有線区間の切替要求をEPC200に送信する場合ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、さらに、EPC200が管理するネットワークの輻輳状態を判定して、輻輳が判定していない場合にのみ、有線区間の切替要求をEPC200に送信することもできる。
つまり、実施例1では、無線基地局B320は、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が安定したことの担保として、無線通信確立から所定時間経過後に、有線区間の切替要求をEPC200に送信していたが、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が安定したことの担保として、無線通信確立から所定時間経過後とネットワークの輻輳状態とを用いることもできる。
そこで、実施例2では、図7を用いて、無線基地局B320は、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、さらに、EPC200が管理するネットワークの輻輳状態を判定して、輻輳が判定していない場合にのみ、有線区間の切替要求をEPC200に送信する例について説明する。図7は、実施例2に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
図7に示すように、無線基地局B320の制御信号送受信部(有線向け)322は、EPC200からネットワーク輻輳情報を定期的に(例えば、1時間に1回など)受信する(ステップS501)。そして、制御信号送受信部(有線向け)322は、受信したネットワーク輻輳情報を呼制御部323に送信し(ステップS502)、呼制御部323は、受信したネットワーク輻輳情報をEPC情報DB329に格納する(ステップS503)。
ここで、ネットワーク輻輳情報について具体的に説明する。呼制御部323は、図8に示すように、EPC200から受信した『EPC200のCPUの稼働率を示す「CPU使用率」、EPC200の輻輳状態を示す「輻輳情報」』などから構成されるネットワーク輻輳情報をEPC情報として、EPC情報DB329に格納する。また、EPC情報DB329は、図示しない複数のEPCそれぞれに対応付けたEPC番号をインデックスとして、複数のEPCそれぞれに対してEPC情報を記憶する。ここでは、EPC情報DB329は、EPC200に対応した領域にEPC情報を記憶することとなる。なお、図8は、EPC情報DBに記憶される情報の例を示す図である。
その後の移動体通信端末500からハンドオーバ要求が無線基地局B320に送信されて、無線経路が切り替えられ、移動体通信端末500がハンドオーバ完了通知を無線基地局B320に送信し、無線基地局B320の呼制御部323がパス切替判断要求をパス切替判断部328に送信するまでのステップS504〜ステップS515までの処理は、実施例1で説明したステップS101〜ステップS117までの処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
そして、無線基地局B320の呼制御部323からパス切替判断要求を受信したパス切替判断部328は、図示しないタイマ制御部327に対してタイマ開始指示を送信し、パス切替要否判断処理を実施する(ステップS516)。ここでは、パス切替判断部328は、タイマ制御部327からタイマ終了通知を受信すると、EPC情報DB329に格納されているEPC情報を読み出し、当該EPC情報の輻輳情報により、輻輳が発生していないと判断した場合にのみ、パス切替可能と判断する(移動体通信端末500との無線通信が安定したと判断する)。そして、パス切替可能と判断したパス切替判断部328は、パス切替要求を呼制御部323に出力する(ステップS517)。
その後の無線基地局B320からEPC200に対してパス切替要求が送信されて、EPC200において有線経路(パス)の切り替えが実行され、無線基地局B320から無線基地局A300に対してデータ転送を停止する旨のパス切替要求が送信されるステップS518〜ステップS524までの処理は、実施例1で説明したステップS120〜ステップS128までの処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
このように、実施例2によれば、無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、保持されている輻輳状況に基づいて、EPC200が制御する有線経路に輻輳が発生していないと判断した場合に、自装置を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信するので、上位ノードの輻輳状況に応じたパス切替を実施することが可能となる。その結果、ハンドオーバに伴うパス切替による、上位ノード輻輳を抑止することが可能となる。
ところで、実施例1では、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、有線区間の切替要求をEPC200に送信する場合ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動体通信端末500から送信されたハンドオーバ要求からハンドオーバ履歴を取得し、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、さらに、取得したハンドオーバ履歴を判定して、有線区間の切替要求をEPC200に送信することもできる。
つまり、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が安定したことの担保として、無線通信確立から所定時間経過後と移動体通信端末500のハンドオーバ履歴とを用いることもできる。
そこで、実施例3では、図9を用いて、移動体通信端末500から送信されたハンドオーバ要求からハンドオーバ履歴を取得し、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、さらに、取得したハンドオーバ履歴を判定して、有線区間の切替要求をEPC200に送信する例について説明する。図9は、実施例3に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。なお、実施例3では、実施例1とは異なり、取得したハンドオーバ履歴を判定して、有線区間の切替要求をEPC200に送信することを重点的に説明するため、実施例1と同様の処理については省略する。
図9に示すように、移動体通信端末500は、利用者の地理的移動などによって無線基地局B320のセルCを利用する環境下に移動した場合にハンドオーバの契機が発生し(ステップS601)、自装置のハンドオーバ履歴を付加したハンドオーバ要求を無線基地局A300に送信する(ステップS602)。
このハンドオーバ要求を受信した無線基地局A300の制御信号送受信部(無線向け)304は、呼制御部303にハンドオーバ要求を送信する(ステップS603)。すると、呼制御部303は、ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴を取得して移動端末情報DB310に格納して読み出すとともに(ステップS604)、制御信号送受信部(有線向け)302を介して、当該ハンドオーバ要求をEPC200に送信する(ステップS605とステップS606)。
そして、無線基地局A300からハンドオーバ要求を受信したEPC200は、当該ハンドオーバ要求を無線基地局B320に出力する(ステップS607)。すると、無線基地局B320の呼制御部323は、ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴を取得して移動端末情報DB330に格納する(ステップS608)。さらに、呼制御部323は、EPC300に対して、ハンドオーバを許可する旨の応答としてハンドオーバ応答を送信し、EPC200は、当該ハンドオーバ応答を無線基地局A300に送信する(ステップS609とステップS610)。
ここで、ハンドオーバ履歴について具体的に説明する。呼制御部323は、図10に示すように、移動体通信端末500から受信した『電話番号とは異なるITU−T勧告E.212に準拠した移動体加入者識別番号を示す「IMSI」、電話番号とは異なる一時的に割り当てられた加入者識別番号を示す「TMSI」、ハンドオーバ実施時刻、ハンドオーバ先セル番号、ハンドオーバ元セル番号を示す「ハンドオーバ履歴」、ハンドオーバ実施時に端末より通知された移動速度を示す「移動速度」』などから構成されるハンドオーバ履歴として移動端末情報DB330に格納する。また、バッファメモリ321は、図示しない複数の移動体通信端末それぞれに対応付けた端末番号をインデックスとして、複数の移動体通信端末それぞれに対してハンドオーバ履歴を記憶する。ここでは、バッファメモリ321は、移動体通信端末500に対応した領域に記憶することとなる。なお、無線基地局A300のバッファメモリ301にも同様の形式で同様の情報が記憶されることとなる。また、図10は、移動端末情報DB330に記憶される情報の例を示す図である。
続いて、無線基地局B320からハンドオーバ応答を受信した無線基地局A300の制御信号送受信部(有線向け)302は、当該応答を呼制御部303に出力する(ステップS611)。すると、呼制御部303は、格納したハンドオーバ履歴を削除するとともに(ステップS612)する。続いて、呼制御部303は、データ送受信部(無線向け)306に対してデータ送受信の停止を指示し、データ送受信部(有線向け)305に対して受信したデータを無線基地局B320に転送することを指示した後、制御信号送受信部(無線向け)304を介してハンドオーバ応答を移動体通信端末500に送信する(ステップS613)。
その後、無線基地局B320から無線基地局A300を介してハンドオーバ応答を受信した移動体通信端末500は、無線基地局B320とのデータ経路を確立し、当該確立した経路を用いて、経路を切替えたことを示すハンドオーバ完了通知を無線基地局B320に送信する(ステップS614)。
そして、ハンドオーバ完了通知を受信した無線基地局B320の制御信号送受信部(無線向け)324は、当該完了通知を呼制御部323に出力し(ステップS615)、呼制御部323は、パス切替判断部328に対してパス切替判断要求を送信する(ステップS616)。
このパス切替判断要求を受信したパス切替判断部328は、図示しないタイマ制御部327に対してタイマ開始指示を送信し、パス切替要否判断処理を実施する(ステップS617)。ここでは、パス切替判断部328は、タイマ制御部327からタイマ終了通知を受信すると、バッファメモリ321に格納されているハンドオーバ履歴を読み出し、当該ハンドオーバ履歴により、移動体通信端末500の無線通信が安定していると判断した場合にのみ、パス切替可能と判断する(移動体通信端末500との無線通信が安定したと判断する)。そして、パス切替可能と判断したパス切替判断部328は、パス切替要求を呼制御部323に出力する(ステップS618)。
ハンドオーバ履歴に基づく判定基準としては、例えば、1分間のハンドオーバ回数が3回以下であるなどのように、任意に指定して判定することができる。
その後の無線基地局B320からEPC200に対してパス切替要求が送信されて、EPC200において有線経路(パス)の切り替えが実行され、無線基地局B320から無線基地局A300に対してデータ転送を停止する旨のパス切替要求が送信されるステップS619以降の処理は、実施例1で説明したステップS120〜ステップS128までの処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
このように、実施例3によれば、無線基地局A300を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末500から、無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替えるとともに、当該ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴を取得して移動端末情報DB330に格納し、無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、移動端末情報DB330に格納されているハンドオーバ履歴に基づいて、移動体通信端末500の通信が安定していると判断した場合に、自装置である無線基地局B320を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信するので、セルの境界に端末が存在する場合などハンドオーバが連続して発生していることをハンドオーバ履歴により判断することが可能となり、ハンドオーバ実施状況をより正確に把握したパス切替が可能となる。
ところで、実施例3では、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、ハンドオーバ要求に付加されているハンドオーバ履歴に基づいて、有線区間の切替要求をEPC200に送信する場合ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンドオーバ要求に付加されている移動速度に基づいて、有線区間の切替要求をEPC200に送信することもできる。
つまり、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が安定したことの担保として、無線通信確立から所定時間経過後と移動体通信端末500の移動速度とを用いることもできる。
そこで、実施例4では、図11を用いて、移動体通信端末500から送信されたハンドオーバ要求から移動速度を取得し、セルCと移動体通信端末500との間に無線通信が確立されてから所定の時間経過後に、さらに、取得した移動速度を判定して、有線区間の切替要求をEPC200に送信する例について説明する。図11は、実施例4に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。なお、実施例4では、実施例1とは異なり、取得した移動速度を判定して、有線区間の切替要求をEPC200に送信することを重点的に説明するため、実施例1や実施例3と同様の処理については省略する。
図11に示すように、移動体通信端末500は、利用者の地理的移動などによって無線基地局B320のセルCを利用する環境下に移動した場合にハンドオーバの契機が発生し(ステップS701)、自装置のハンドオーバ履歴(移動速度)を付加したハンドオーバ要求を無線基地局A300に送信する(ステップS702)。
このハンドオーバ要求を受信した無線基地局A300の制御信号送受信部(無線向け)304は、呼制御部303にハンドオーバ要求を送信し、呼制御部303は、ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴(移動速度)を取得して移動端末情報DB310に格納する(ステップS703)。
続いて、呼制御部303は、格納された移動速度を取得し(ステップS704)、制御信号送受信部(有線向け)302を介して、取得した移動速度を付加したハンドオーバ要求をEPC200に送信する(ステップS705とステップS706)。
そして、無線基地局A300からハンドオーバ要求を受信したEPC200は、当該ハンドオーバ要求を無線基地局B320に出力する(ステップS707)。すると、無線基地局B320の呼制御部323は、ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴(移動速度)を取得して移動端末情報DB330に格納する(ステップS708)。さらに、呼制御部323は、EPC300に対して、ハンドオーバを許可する旨の応答としてハンドオーバ応答を送信し、EPC200は、当該ハンドオーバ応答を無線基地局A300に送信する(ステップS709とステップS710)。
続いて、無線基地局B320からハンドオーバ応答を受信した無線基地局A300の制御信号送受信部(有線向け)302は、当該応答を呼制御部303に出力する(ステップS711)。すると、呼制御部303は、格納したハンドオーバ履歴を削除する(ステップS712)。続いて、呼制御部303は、データ送受信部(無線向け)306に対してデータ送受信の停止を指示し、データ送受信部(有線向け)305に対して受信したデータを無線基地局B320に転送することを指示した後、制御信号送受信部(無線向け)304を介して、ハンドオーバ応答を移動体通信端末500に送信する(ステップS713)。
その後、無線基地局B320から無線基地局A300を介してハンドオーバ応答を受信した移動体通信端末500は、無線基地局B320とのデータ経路を確立し、当該確立した経路を用いて、経路を切替えたことを示すハンドオーバ完了通知を無線基地局B320に送信する(ステップS714)。
そして、ハンドオーバ完了通知を受信した無線基地局B320の制御信号送受信部(無線向け)324は、当該完了通知を呼制御部323に出力し(ステップS715)、呼制御部323は、パス切替判断部328に対してパス切替判断要求を送信する(ステップS716)。
このパス切替判断要求を受信したパス切替判断部328は、図示しないタイマ制御部327に対してタイマ開始指示を送信し、パス切替要否判断処理を実施する(ステップS717)。ここでは、パス切替判断部328は、タイマ制御部327からタイマ終了通知を受信すると、移動端末情報DB330に格納されているハンドオーバ履歴の移動速度(図10参照)を読み出し、当該移動速度により、移動体通信端末500の移動速度が安定していると判断した場合にのみ、パス切替可能と判断する(移動体通信端末500との無線通信が安定したと判断する)。そして、パス切替可能と判断したパス切替判断部328は、パス切替要求を呼制御部323に出力する(ステップS718)。
移動速度に基づく判定基準としては、例えば、移動速度が時速30Km以下である場合には、パス切替可能と判断するなどのように、任意に指定して判定することができる。
その後の無線基地局B320からEPC200に対してパス切替要求が送信されて、EPC200において有線経路(パス)の切り替えが実行され、無線基地局B320から無線基地局A300に対してデータ転送を停止する旨のパス切替要求が送信されるステップS719以降の処理は、実施例1で説明したステップS120〜ステップS128までの処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
このように、実施例4によれば、無線基地局A300を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末500から、無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替えるとともに、当該ハンドオーバ要求に付加された速度情報を取得してバッファメモリ321に格納し、無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、バッファメモリ321に格納されている速度情報が所定の速度以下である場合に、自装置である無線基地局B320を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信するので、移動体通信端末500の移動速度に応じたパス切替を行うことが可能となり、移動体通信端末500が高速で移動している場合には、異なるセルへのハンドオーバが連続して発生する可能性があることを予測することが可能となり、ハンドオーバ実施状況をより正確に把握したパス切替が可能となる。
ところで、本発明では、無線基地局B320がパス切替要求をEPC200に送信し、EPC200にてパス切替が失敗した場合であっても、タイマを再度起動してパス切替のリトライをすることができる。
そこで、実施例5では、図12を用いて、無線基地局B320がパス切替要求をEPC200に送信し、EPC200にてパス切替が失敗した場合であっても、タイマを再度起動してパス切替のリトライをする例について説明する。図12は、実施例5に係る通信制御システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。なお、実施例5では、無線基地局B320がパス切替要求をEPC200に送信し、EPC200にてパス切替が失敗した場合であっても、タイマを再度起動してパス切替のリトライをすることを重点的に説明するため、実施例1〜実施例4と同様の処理については省略する。
図12に示すように、移動体通信端末500からハンドオーバ要求が送信されて、無線基地局B320で有線経路のパス切替判断が実施され、有線経路のパス切替要求がEPC200に送信されるまでのステップS801〜ステップS816までの処理は、実施例1で説明したステップS101〜ステップS121までの処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
その後、パス切替要求を受信したEPC200は、ネットワーク輻輳やネットワーク障害などにより、有線経路の切り替えが失敗すると(ステップS817)、パス切替失敗応答を無線基地局B320に送信する(ステップS818)。
このパス切替失敗応答を受信した無線基地局B320の制御信号送受信部(有線向け)322は、当該応答を呼制御部323を介してパス切替判断部328に送信する(ステップS819とステップS820)。そして、パス切替判断部328は、このパス切替失敗応答を受信したことにより、タイマ制御部327に対して、再度タイマ起動を指示する(ステップS821)。
その後、タイマ制御部327からタイマ完了(タイムアウト)の通知を受けたパス切替判断部328は、パス切替要求を呼制御部323に出力し(ステップS822とステップS823)、呼制御部323は、当該パス切替要求を制御信号送受信部(有線向け)322を介して、EPC200に送信する(ステップS824とステップS825)。
そして、ステップS826のパス切替が実施される処理は、実施例1で説明したステップS122〜ステップS128の処理と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
このように、実施例5によれば、自装置である無線基地局B320を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信し、EPC200から有線経路切り替えが失敗したことを示す切替失敗応答を受信した場合に、当該切り替える前の有線経路を用いて移動体通信端末500と通信を行うので、切替え前に確立したパスを使用し、ハンドオーバ先セルでの通信を継続することが可能となる。
また、実施例5によれば、自装置である無線基地局B320を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信し、EPC200から有線経路切り替えが失敗したことを示す切替失敗応答を受信した場合に、当該切り替える前の有線経路を用いて移動体通信端末500と通信を行う一方で、さらに所定時間経過後に、自装置である無線基地局B320を介した有線経路に切り替える要求をEPC200に対して送信するので、パス切替が失敗した場合でも、切替え前に確立したパスを使用し、ハンドオーバ先セルでの通信を継続することが可能となる。さらに、ハンドオーバ先での通信を継続しつつ、一定周期後のパス切替実施を実施することが可能となる。
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に示すように、(1)装置接続構成、(2)有線経路切替失敗時の対応、(3)システム構成等、(4)プログラムにそれぞれ区分けして異なる実施例を説明する。
(1)装置接続構成
上記した実施例1〜5では、EPC200と無線基地局A300と無線基地局B320と移動体通信端末500とから構成される通信制御システムについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の移動体通信端末が接続されていてもよく、また、複数の無線基地局が接続されていてもよく、他の無線基地局同士の接続を制御する他の複数のEPCが接続されていてもよい。また、無線基地局A300と無線基地局B320とにそれぞれ収容されているセルの数も限定するものではく、それぞれ他の複数のセルを収容してもよい。
(2)有線経路切替失敗時の対応
また、実施例5では、EPC200において、有線経路の切り替えが失敗した場合に、無線基地局B320は、切替をリトライする例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、有線経路の切り替えが失敗した場合に様々な手法を実施することができる。例えば、無線基地局B320は、有線経路の切り替えが失敗した場合に、リトライを行わず、既に確立されているEPC200〜無線基地局A300の有線経路(パス)を利用して、移動体通信端末500と通信を行うようにしてもよい。そうすることにより、有線経路の切り替えが成功しなくても、遮断することなく通信を行うことが可能である。
(3)システム構成等
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理(例えば、パス切替実施処理やタイマ処理など)の全部または一部を手動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(例えば、図8や図10など)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合(例えば、呼制御部とパス切替判断部とを統合するなど)して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
(4)プログラム
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムを他の実施例として説明する。
図13は、通信制御制御プログラムを実行するコンピュータシステムの例を示す図である。図13に示すように、コンピュータシステム600は、RAM601と、HDD602と、ROM603と、CPU604とから構成される。ここで、ROM603には、上記の実施例と同様の機能を発揮するプログラム、つまり、図13に示すように、無線経路切替プログラム603aと、有線経路切替要求送信プログラム603bとがあらかじめ記憶されている。
そして、CPU604には、これらのプログラム603aと603bとを読み出して実行することで、図13に示すように、無線経路切替プロセス604aと、有線経路切替要求送信プロセス604bとなる。なお、無線経路切替プロセス604aは、図1に示した、呼制御部323に対応し、同様に、有線経路切替要求送信プロセス604bは、呼制御部323とパス切替判断部328とに対応する。
また、HDD602は、移動体通信端末500やEPC200から受信した制御信号などを記憶し、さらに、移動体通信端末500から受信したハンドオーバ履歴やEPC200から受信したネットワーク輻輳情報(EPC情報)などを記憶する。
ところで、上記したプログラム603aと603bは、必ずしもROM603に記憶させておく必要はなく、例えば、コンピュータシステム600に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステム600の内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などの「固定用の物理媒体」、さらに、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータシステム600に接続される「他のコンピュータシステム」に記憶させておき、コンピュータシステム600がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
200 EPC
300 無線基地局A
301 バッファメモリ
302 制御信号送受信部(有線向け)
303 呼制御部
304 制御信号送受信部(無線向け)
305 データ送受信部(有線向け)
306 データ送受信部(無線向け)
307 タイマ制御部
308 パス切替判断部
310 移動端末情報DB
320 無線基地局B
321 バッファメモリ
322 制御信号送受信部(有線向け)
323 呼制御部
324 制御信号送受信部(無線向け)
325 データ送受信部(有線向け)
326 データ送受信部(無線向け)
327 タイマ制御部
328 パス切替判断部
329 EPC情報DB
330 移動端末情報DB
500 移動体通信端末
600 コンピュータシステム
601 RAM
602 HDD
603 ROM
603a 無線経路切替プログラム
603b 有線経路切替要求送信プログラム
604 CPU
604a 無線経路切替プロセス
604b 有線経路切替要求送信プロセス

Claims (18)

  1. 移動体通信端末における無線通信を制御する通信制御装置と、当該通信制御装置と他の通信制御装置との間における経路制御およびデータ送受信制御を有線通信にて実施する管理装置とから構成される無線通信制御システムにおける前記通信制御装置であって、
    他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替える無線経路切替手段と、
    前記無線経路切替手段により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記移動体通信端末へのデータ送受信制御を行っている前記他の通信制御装置を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信する有線切替要求送信手段と、
    を備えたことを特徴とする通信制御装置。
  2. 前記管理装置が制御する有線経路の輻輳状況を前記管理装置から受け付けて保持する輻輳状況保持手段をさらに備え、
    前記有線切替要求送信手段は、前記無線経路切替手段により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記輻輳状況保持手段に保持されている輻輳状況に基づいて、前記管理装置が制御する有線経路に輻輳が発生していないと判断した場合に、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信することを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
  3. 前記移動体通信端末は、過去に実施した無線経路の切り替えの履歴情報を示すハンドオーバ履歴を付加したハンドオーバ要求を送信するものであって、
    前記無線経路切替手段は、前記他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替えるとともに、当該ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴を取得して所定の記憶部に格納し、
    前記有線切替要求送信手段は、前記無線経路切替手段により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記無線経路切替手段により取得されて所定の記憶部に格納されているハンドオーバ履歴に基づいて、前記移動体通信端末の通信が安定していると判断した場合に、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信することを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
  4. 前記移動体通信端末は、過去に実施した無線経路の切り替えタイミングの移動速度を示す速度情報を付加したハンドオーバ要求を送信するものであって、
    前記無線経路切替手段は、前記他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替えるとともに、当該ハンドオーバ要求に付加された速度情報を取得して所定の記憶部に格納し、
    前記有線切替要求送信手段は、前記無線経路切替手段により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記無線経路切替手段により取得されて所定の記憶部に格納されている速度情報が所定の速度以下である場合に、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信することを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
  5. 前記有線切替要求送信手段は、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信し、前記管理装置から有線経路切り替えが失敗したことを示す切替失敗応答を受信した場合に、当該切り替える前の有線経路を用いて前記移動体通信端末と通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
  6. 前記有線切替要求送信手段は、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信し、前記管理装置から有線経路切り替えが失敗したことを示す切替失敗応答を受信した場合に、当該切り替える前の有線経路を用いて前記移動体通信端末と通信を行う一方で、さらに所定時間経過後に、自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信することを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
  7. 移動体通信端末における無線通信を制御する通信制御装置と、当該通信制御装置と他の通信制御装置との間における経路制御およびデータ送受信制御を有線通信にて実施する管理装置とから構成される無線通信制御システムにおける前記通信制御装置に適する通信制御方法であって、
    他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替える無線経路切替工程と、
    前記無線経路切替工程により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記移動体通信端末へのデータ送受信制御を行っている前記他の通信制御装置を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信する有線切替要求送信工程と、
    を含んだことを特徴とする通信制御方法。
  8. 前記管理装置が制御する有線経路の輻輳状況を前記管理装置から受け付けて保持する輻輳状況保持工程をさらに備え、
    前記有線切替要求送信工程は、前記無線経路切替工程により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記輻輳状況保持工程に保持されている輻輳状況に基づいて、前記管理装置が制御する有線経路に輻輳が発生していないと判断した場合に、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信することを特徴とする請求項7に記載の通信制御方法。
  9. 前記移動体通信端末は、過去に実施した無線経路の切り替えの履歴情報を示すハンドオーバ履歴を付加したハンドオーバ要求を送信するものであって、
    前記無線経路切替工程は、前記他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替えるとともに、当該ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴を取得して所定の記憶部に格納し、
    前記有線切替要求送信工程は、前記無線経路切替工程により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記無線経路切替工程により取得されて所定の記憶部に格納されているハンドオーバ履歴に基づいて、前記移動体通信端末の通信が安定していると判断した場合に、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信することを特徴とする請求項7に記載の通信制御方法。
  10. 前記移動体通信端末は、過去に実施した無線経路の切り替えタイミングの移動速度を示す速度情報を付加したハンドオーバ要求を送信するものであって、
    前記無線経路切替工程は、前記他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替えるとともに、当該ハンドオーバ要求に付加された速度情報を取得して所定の記憶部に格納し、
    前記有線切替要求送信工程は、前記無線経路切替工程により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記無線経路切替工程により取得されて所定の記憶部に格納されている速度情報が所定の速度以上である場合に、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信することを特徴とする請求項7に記載の通信制御方法。
  11. 前記有線切替要求送信工程は、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信し、前記管理装置から有線経路切り替えが失敗したことを示す切替失敗応答を受信した場合に、当該切り替える前の有線経路を用いて前記移動体通信端末と通信を行うことを特徴とする請求項7に記載の通信制御方法。
  12. 前記有線切替要求送信工程は、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信し、前記管理装置から有線経路切り替えが失敗したことを示す切替失敗応答を受信した場合に、当該切り替える前の有線経路を用いて前記移動体通信端末と通信を行う一方で、さらに所定時間経過後に、自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信することを特徴とする請求項7に記載の通信制御方法。
  13. 移動体通信端末における無線通信を制御する通信制御装置と、当該通信制御装置と他の通信制御装置との間における経路制御およびデータ送受信制御を有線通信にて実施する管理装置とから構成される無線通信制御システムにおける前記通信制御装置としてのコンピュータに実行させる通信制御プログラムであって、
    他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替える無線経路切替手順と、
    前記無線経路切替手順により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記移動体通信端末へのデータ送受信制御を行っている前記他の通信制御装置を介した有線経路を、自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信する有線切替要求送信手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする通信制御プログラム。
  14. 前記管理装置が制御する有線経路の輻輳状況を前記管理装置から受け付けて保持する輻輳状況保持手順をさらに備え、
    前記有線切替要求送信手順は、前記無線経路切替手順により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記輻輳状況保持手順に保持されている輻輳状況に基づいて、前記管理装置が制御する有線経路に輻輳が発生していないと判断した場合に、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信することを特徴とする請求項13に記載の通信制御プログラム。
  15. 前記移動体通信端末は、過去に実施した無線経路の切り替えの履歴情報を示すハンドオーバ履歴を付加したハンドオーバ要求を送信するものであって、
    前記無線経路切替手順は、前記他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替えるとともに、当該ハンドオーバ要求に付加されたハンドオーバ履歴を取得して所定の記憶部に格納し、
    前記有線切替要求送信手順は、前記無線経路切替手順により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記無線経路切替手順により取得されて所定の記憶部に格納されているハンドオーバ履歴に基づいて、前記移動体通信端末の通信が安定していると判断した場合に、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信することを特徴とする請求項13に記載の通信制御プログラム。
  16. 前記移動体通信端末は、過去に実施した無線経路の切り替えタイミングの移動速度を示す速度情報を付加したハンドオーバ要求を送信するものであって、
    前記無線経路切替手順は、前記他の通信制御装置を介した無線経路で無線通信を行っている移動体通信端末から、前記無線経路の切り替えを要求するハンドオーバ要求を受信した場合に、自装置を介した無線経路に切り替えるとともに、当該ハンドオーバ要求に付加された速度情報を取得して所定の記憶部に格納し、
    前記有線切替要求送信手順は、前記無線経路切替手順により無線経路が切り替えられてから所定時間経過後に、前記無線経路切替手順により取得されて所定の記憶部に格納されている速度情報が所定の速度以上である場合に、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信することを特徴とする請求項13に記載の通信制御プログラム。
  17. 前記有線切替要求送信手順は、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信し、前記管理装置から有線経路切り替えが失敗したことを示す切替失敗応答を受信した場合に、当該切り替える前の有線経路を用いて前記移動体通信端末と通信を行うことを特徴とする請求項13に記載の通信制御プログラム。
  18. 前記有線切替要求送信手順は、前記自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信し、前記管理装置から有線経路切り替えが失敗したことを示す切替失敗応答を受信した場合に、当該切り替える前の有線経路を用いて前記移動体通信端末と通信を行う一方で、さらに所定時間経過後に、自装置を介した有線経路に切り替える要求を前記管理装置に対して送信することを特徴とする請求項13に記載の通信制御プログラム。
JP2010505182A 2008-03-31 2008-03-31 通信制御装置および通信制御方法 Expired - Fee Related JP4998616B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2008/056395 WO2009122523A1 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009122523A1 true JPWO2009122523A1 (ja) 2011-07-28
JP4998616B2 JP4998616B2 (ja) 2012-08-15

Family

ID=41134944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010505182A Expired - Fee Related JP4998616B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 通信制御装置および通信制御方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20110014937A1 (ja)
EP (1) EP2265044B1 (ja)
JP (1) JP4998616B2 (ja)
WO (1) WO2009122523A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5245752B2 (ja) * 2008-11-20 2013-07-24 富士通株式会社 アクセス・ネットワーク・ゲートウェイ装置
WO2014005653A1 (en) * 2012-07-06 2014-01-09 Telefonaktiebolaget L M Ericsson (Publ) Delayed handover signalling in a mobile network
US9264966B2 (en) * 2013-03-11 2016-02-16 Alcatel Lucent Method and apparatus for LTE handover reduction

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005348154A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線網制御方法、無線網制御システム、および無線網制御装置
WO2007091401A1 (ja) * 2006-02-07 2007-08-16 Nec Corporation 移動体通信システム、無線基地局制御装置、およびリロケーション方法
JP2007531430A (ja) * 2004-03-30 2007-11-01 松下電器産業株式会社 分散型無線アクセスネットワークにおける遅延型基地局移転

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI107864B (fi) * 1998-11-23 2001-10-15 Nokia Mobile Phones Ltd Menetelmä ja järjestelmä virhekriittisen, ei-reaaliaikaisen datan häviämisen estämiseksi eräissä solunvaihtotilanteissa
US6385452B1 (en) * 1999-07-28 2002-05-07 Ericsson Inc. System and method for determining absolute time based upon air interface timing in time of arrival based positioning
US6928049B2 (en) * 1999-08-23 2005-08-09 Avaya Communication Israel Ltd. Modular bridging-device
US6745034B2 (en) * 2000-12-22 2004-06-01 Nokia Corporation Apparatus, and associated method, for adaptively selecting a handoff threshold in a radio communication system
JP3717798B2 (ja) * 2001-03-26 2005-11-16 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ ハンドオーバ制御方法及び装置、並びに移動通信システム
WO2004114695A1 (ja) * 2003-06-19 2004-12-29 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha 無線基地局装置と移動体通信システム
FI20045375A0 (fi) * 2004-10-06 2004-10-06 Nokia Corp Kova yhteysvastuunvaihtomenetelmä, kontrolleri ja tiedonvälitysjärjestelmä
JP2006157528A (ja) 2004-11-30 2006-06-15 Kyocera Corp 移動体通信システム、基地局装置、移動局装置及び移動体通信システムの制御方法
JP2007135030A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Fujitsu Ltd 無線ネットワーク制御方法及び装置並びに移動通信システム
CN100508539C (zh) * 2006-01-09 2009-07-01 华为技术有限公司 会话边界控制器双归属的实现方法及系统
JP4577222B2 (ja) * 2006-01-20 2010-11-10 株式会社デンソー 移動通信システム、無線基地局、および配信方法
US7693108B2 (en) * 2006-08-01 2010-04-06 Intel Corporation Methods and apparatus for providing a handover control system associated with a wireless communication network

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007531430A (ja) * 2004-03-30 2007-11-01 松下電器産業株式会社 分散型無線アクセスネットワークにおける遅延型基地局移転
JP2005348154A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 無線網制御方法、無線網制御システム、および無線網制御装置
WO2007091401A1 (ja) * 2006-02-07 2007-08-16 Nec Corporation 移動体通信システム、無線基地局制御装置、およびリロケーション方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2265044A4 (en) 2013-08-21
WO2009122523A1 (ja) 2009-10-08
EP2265044B1 (en) 2017-02-22
EP2265044A1 (en) 2010-12-22
JP4998616B2 (ja) 2012-08-15
US20110014937A1 (en) 2011-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5920801B2 (ja) データ転送方法、装置、および通信システム
JP4821471B2 (ja) 移動通信システム、基地局及び移動局並びにプログラム
US20110044290A1 (en) Communication terminal apparatus and handover method
JP2008103865A (ja) ハンドオーバ制御システム及びその方法並びにそれを用いた移動通信システム及び無線基地局
JPWO2007069319A1 (ja) 通信装置及びハンドオーバ方法
JPWO2008114449A1 (ja) ハンドオーバ処理による転送遅延を軽減できる基地局及びその方法
WO2011125278A1 (ja) 無線通信システム、通信装置、複数基地局からの同時送信の制御方法、及び非一時的なコンピュータ可読媒体
CN102124777B (zh) 切换方法和无线接入网络装置
EP3498046B1 (en) Network signaling optimization for light connected mode
JP2011130260A (ja) 上層基地局、下層基地局及び無線通信システム
US9363821B2 (en) Apparatus and method for allocating resources in cooperative communication system
WO2019230044A1 (ja) 中継伝送路を含んだハンドオーバが実行される無線通信システムにおける基地局装置、その制御方法、及びプログラム
JP2019511880A (ja) データ伝送方法、装置及びセッション管理デバイス
JP4998616B2 (ja) 通信制御装置および通信制御方法
US8958798B2 (en) Radio access network, base station, and data transfer method
JPWO2011111452A1 (ja) 通信端末、通信システム及び通信方法
US20210120397A1 (en) Systems and methods providing a station with a suggestion to transition from wi-fi to lte
JP5111661B2 (ja) 通信制御方法および無線基地局
WO2017194104A1 (en) Signaling towards core network with a bi-directional tunnel
JP4797862B2 (ja) 移動体通信システム、ノード装置、移動局及びそれらに用いる測定報告抑制方法
JP2008306384A (ja) 通信方法および通信システム
JP5116549B2 (ja) 無線中継局、マルチホップセルラーゲートウェイおよび通信システム
US10736122B2 (en) Wireless communication system, base station, and wireless communication method
CN112399505A (zh) 一种终端设备的辅助基站切换方法及基站
JP2012034054A (ja) 無線通信システム、無線基地局、無線端末及び通信制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120417

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120430

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4998616

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150525

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees