JPWO2009119822A1 - 筆記具のグリップ - Google Patents

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Abstract

高い滑り止め効果及び安定した把持感触が得られる凸部を有する筆記具のグリップを簡単な構造で提供する。グリップ(1)の表面に形成され細長形状の複数の第1凸部(2)と、第1凸部(2)と同形状の細長形状の第1凸部(2)と配置される方向を異にする複数の第2凸部(3)とを備え、第1凸部(2)は、細長形状の長手方向(15)がグリップ(1)の軸方向(J)に対して所定傾斜角度(α)で傾斜して配置されるとともに所定ピッチ(P)で軸方向(J)に配列されて第1列(12)を形成しており、第2凸部(3)は、長手方向(15)が軸方向(J)に対して反対方向に所定傾斜角度(α)で傾斜して配置されるとともに所定ピッチ(P)で軸方向(J)に配列されて第1列(12)と隣接する第2列(13)を形成しており、第1列(12)と第2列(13)とはグリップ(1)の周方向に交互に繰り返して配設されている。

Description

本発明は、軸筒の把持部に装着する軟質材からなる筆記具のグリップに関する。
従来から、軸筒の把持部に装着する軟質材からなる筆記具のグリップにおいて、把持した時の滑り止め効果を向上させることを目的として、グリップの外壁面に凹状または凸状に形成された凹凸部を有する筆記具のグリップはよく知られている。
こうした筆記具にグリップにあって、把持した時の滑り止め効果向上及び把持感触を向上させるために、特開平10−181274号公報「筆記具のグリップ」や特開2003−154782号「グリップ」等に開示されているように、グリップの外壁面に溝を形成している筆記具のグリップが開示されている。
また、特開2000−326682号公報「筆記具の筆記軸体」では、適度なクッション効果を得るために、溝の形成位置や溝の深さや溝の幅等を特定することが開示されている。
特許文献1 特開平10−181274号公報
特許文献2 特開2003−154782号公報
特許文献3 特開2000−326682号公報
ところで、特許文献1〜3のように、溝を形成したグリップにおいてより高い滑り止め効果及び良好な把持感触を得るには、溝を形成することによって得られる板状突起を変形し易く形成することが重要であり、板状突起を変形し易くするためには、溝の幅や深さを大きくすること、あるいは使用する材質を軟らかいものにすることが考えられる。
しかしながら、溝の幅や深さを大きくするには、グリップ外径を大きくする必要があり、このために、小径のグリップ部材では溝の幅や深さを大きくすることは困難であった。また、使用する材質を軟らかいものにするために硬度を特定すると使用できる軟質材が制限されてしまう等の問題があった。
さらに、特許文献1〜3では、板状突起をグリップの円周方向など一定方向に並んで設けられており、板状突起が変形してグリップの軸線方向に倒れ込むことで滑り止め効果を得ているが、グリップのの軸方向の抵抗が得られず、グリップの円周方向の一定方向の抵抗しか得られないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、高い滑り止め効果及び安定した把持感触が得られることを可能にする簡単な構造の、筆記具のグリップを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、筆記具の軸筒の把持部に装着する軟質材からなる筆記具のグリップであって、
前記グリップの表面に形成され細長形状の第1凸部または第1凹部からなる複数の第1単位部と、
前記グリップの前記表面に形成され前記第1単位部と同形状の細長形状の第2凸部または第2凹部からなり前記第1単位部と配置される方向を異にする複数の第2単位部と
を備え、
前記第1単位部は、前記細長形状の長手方向が前記グリップの軸方向に対して所定傾斜角度で傾斜して配置されるとともに所定ピッチで前記軸方向に配列されて第1列を形成しており、
前記第2単位部は、前記細長形状の前記長手方向が前記軸方向に対して反対方向に前記所定傾斜角度で傾斜して配置されるとともに前記所定ピッチをおいて前記軸方向に配列されて前記第1列と隣接する第2列を形成しており、
前記第1列と前記第2列とは前記グリップの周方向に交互に繰り返して配設されている
ことを特徴とする。
また、前記第1列を形成する前記第1単位部と前記第1列に隣接する前記第2列を形成する前記第2単位部とは、前記所定ピッチの長さより小さいずれ長さだけ前記軸方向にずれて配列されていることを特徴とする。
また、前記ずれ長さは、前記所定ピッチの半分の長さであることを特徴とする。
また、前記ずれ長さは、ゼロであることを特徴とする。
また、前記第1単位部は前記第1凸部からなり前記第2単位部は前記第2凸部からなることを特徴とする。
また、前記第1単位部は前記第1凹部からなり前記第2単位部は前記第2凹部からなることを特徴とする。
また、前記第1列を形成する隣接する2つの前記第1凸部の前記軸方向の間隔は前記第1凸部の前記表面からの高さの2倍よりも大きくあることを特徴とする。
また、前記第1列を形成する前記第1凸部と前記第1列に隣接する前記第2列を形成する前記第2凸部との間の前記周方向の間隔は前記第1凸部の前記表面からの高さと前記第2凸部の前記表面からの高さとの和よりも大きくあることを特徴とする。
また、前記第1列を形成する前記第1凸部と前記第1列に隣接する前記第2列を形成する前記第2凸部との間の前記周方向の間隔は、前記第1列を形成する隣接する2つの前記第1凸部の前記軸方向の間隔と等しいことを特徴とする。
また、前記所定傾斜角度は30度から60度の範囲にあることを特徴とし、好ましくは、前記所定傾斜角度は45度であることを特徴とする。
また、前記細長形状は、中間部にある長方形部と、前記長方形部の両端にある半円部とを有することを特徴とする。
また、本発明に係る筆記具は、上記グリップを備えることを特徴とする。
本発明の軟質材には、弾性変形可能なシリコーンゴム、天然ゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、塩化ビニル樹脂、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、ポリエチレン樹脂、その他合成ゴム、熱可塑性エラストマー等、筆記具のグリップ部材として一般的に知られている軟質材のなかから適宜選定して用いることができる。
本願発明の構成によれば、前記第1単位部は、前記細長形状の長手方向が前記グリップの軸方向に対して所定傾斜角度で傾斜して配置されるとともに所定ピッチで前記軸方向に配列されて第1列を形成しており、前記第2単位部は、前記細長形状の前記長手方向が前記軸方向に対して反対方向に前記所定傾斜角度で傾斜して配置されるとともに前記所定ピッチをおいて前記軸方向に配列されて前記第1列と隣接する第2列を形成しており、前記第1列と前記第2列とは前記グリップの周方向に交互に繰り返しているので、前記第1列と前記第1列に対し一方側に隣接する前記第2列との間と前記第1列と前記第1列に対し他方側に隣接する前記第2列との間とには、軸方向に関して逆方向の矢印状に向く第1長手状隙間と第2長手状隙間が形成される。また、1個の第1単位部に着目した場合に、この第1単位部と周方向の一方側に対向する1個の第2単位部との間に形成される第1単位隙間と、この第1単位部と周方向の他方側に対向する1個の第2単位部との間に形成される第2単位隙間とを、互いに類似するが異なる形状に形成することができる。
これらの結果、本願発明の構成によれば、前記第1単位部と前記第2単位部とを簡易に配列させたにもかかわらず、第1長手状隙間と第2長手状隙間や第1単位隙間と第2単位隙間を形成するというように、グリップに種々の大きさと形状の隙間を形成することが可能になり、グリップを把持する指の面をグリップの任意の位置で円滑に確実になじませることが可能となり、高い滑り止め効果及び安定した把持感触を得ることが可能になる。
また、前記第1列を形成する隣接する2つの前記第1凸部の前記軸方向の間隔は前記第1凸部の前記表面からの高さの2倍よりも大きくあるので、前記第1列を形成する隣接する2つの前記第1凸部が指で把持され把持力により変形し向かいあう方向に押し倒された場合においても、前記第1列を形成する隣接する2つの前記第1凸部が接触することがないため互いに干渉しあうことがなく、高い滑り止め効果及び安定した把持感触を得ることが可能になる。
また、前記第1列を形成する前記第1凸部と前記第1列に隣接する前記第2列を形成する前記第2凸部との間の前記周方向の間隔は前記第1凸部の前記表面からの高さと前記第2凸部の前記表面からの高さとの和よりも大きくあるので、前記第1凸部とこれに周方向に隣接する前記第2凸部が指で把持され把持力により変形し向かいあう方向に押し倒された場合においても、前記第1凸部と前記第2凸部が接触することがないため互いに干渉しあうことがなく、高い滑り止め効果及び安定した把持感触を得ることが可能になる。
また、前記第1列を形成する前記第1凸部と前記第1列に隣接する前記第2列を形成する前記第2凸部との間の前記周方向の間隔は、前記第1列を形成する隣接する2つの前記第1凸部の前記軸方向の間隔と等しいので、第1凸部と第2凸部にまたがって把持したときの感触が近似するため安定した把持感触を得ることができる。
本願発明の筆記具のグリップの一実施形態を示す図である。 図1における筆記具のグリップの一部を示す拡大図である。 図1におけるA−A断面図である。 筆記具のグリップをノック式筆記具の軸筒に装着した状態を示す縦断面図である。 本願発明の筆記具のグリップの他の実施形態を示す拡大図である。 本願発明の筆記具のグリップのさらに他の実施形態を示す図である。
次に図面を参照しながら、本発明の筆記具のグリップの実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1から3に示す第1の実施形態に係る筆記具のグリップ1は、ショアー硬度がHs(JIS A)70の不透明のオレフィン系熱可塑性エラストマーを軟質材として用い射出成形で形成したものである。グリップ1はほぼ円筒形状を有する。
本実施形態では、第1単位部はグリップ1の表面に細長形状の第1凸部2として形成され、第2単位部はグリップ1の表面に細長形状の第2凸部3として形成されている。
第1凸部2は、細長形状の長手方向15がグリップ1の軸方向Jに対して所定傾斜角度(α)で傾斜して配置されるとともに所定ピッチPで軸方向Jに配列されて第1列12を形成している。この細長形状は、具体的には、図2等に示すように、例えば中間部に長方形部25と長方形部25の両端側にある半円部26とを有する。両端の半円形状を結ぶ方向に長手方向15が向いている。ここでは、所定傾斜角度(α)は45度に設定されている。
第2凸部3は、細長形状の長手方向15が軸方向Jに対して反対方向に所定傾斜角度(α)で傾斜して配置されるとともに所定のピッチPで軸方向Jに配列されて第2列13を形成している。ピッチPとは、図1に示すように、軸方向Jに隣接する二つの第1凸部2または第2凸部3の間の間隔をいう。
第1列12と第2列13とは、軸方向Jに直交する方向であるグリップ1の周方向に、交互に繰り返してグリップ1の周方向の全面に配設されている。
第1列12を形成する第1凸部2と隣接する第2列13を形成する第2凸部3とは、所定ピッチPより小さい長さのずれ長さdPだけ軸方向Jにずれて配列されている。本実施形態では、ずれ長さdPはピッチPの半分の長さに設定されている。
第1列12を形成する隣接する2つの第1凸部2の軸方向Jの間隔Lは第1凸部2のグリップ1の基準の表面からの高さSの2倍よりも大きくあるように設定されている(L>2S)。ここで、間隔Lとは、図1に示すように、二つの第1凸部2の対向する内側の端部間の間隔をいう。
第1列12を形成する第1凸部2と隣接する第2列13を形成する第2凸部3との間の周方向の周面上間隔Nは第1凸部2の高さSと第2凸部3の表面からの高さTとの和よりも大きくあるように設定されている(N>(S+T))。ここで、第1凸部2の高さSと第2凸部3の高さTとはほぼ同じ大きさを有する(S≒T)。
また、周面上間隔Nは、第1列12を形成する隣接する2つの第1凸部2の軸方向Jの間隔Lとほぼ等しいように設定されている(N=L)。ここで、周面上間隔Nとは、図1に示すように、第1列12と第2列13の対向する側の各々の輪郭線の間のグリップ1の周面上の間隔をいう。なお、周面上間隔Nは、グリップ1の周面上の間隔に代えて、第1列12と第2列13の対向する側の各々の輪郭線の間の直線的な間隔として近似することも可能である。
次に、具体的な寸法の例を示す。
第1凸部2と第2凸部3の軸方向Jの所定ピッチPは2.0mmである。隣接する第1凸部2間の間隔Lは0.4mmである。第1凸部2の高さSは0.05mmであり、第2凸部3の高さTは0.05mmである。第1凸部2と第2凸部3を周方向の周面上間隔Nは0.4mmである。第1凸部2と第2凸部3の細長形状の長手方向15の両端間の長さは3mmであり幅は0.8mmである。
上述のように、間隔L=0.4mmと高さSの2倍=0.1mmとの間には(L>2S)の関係が成立している。また、周面上間隔N=0.4mm と第1凸部2の高さSと第2凸部3の表面からの高さTとの和(S+T)=0.1mmとの間には(N>(S+T))が成立している。また、周面上間隔N=0.4mmと間隔L=0.4mmととの間には等しいという関係が成立している。
このように、第1列12を形成する隣接する2つの第1凸部2の軸方向Jの間隔Lは第1凸部2の表面からの高さの2倍2Sよりも大きくあるので、第1列12を形成する隣接する2つの第1凸部2が指で把持され把持力により変形し向かいあう方向に押し倒された場合においても、隣接する2つの第1凸部2が接触することがないため互いに干渉しあうことがなく、高い滑り止め効果及び安定した把持感触を得ることが可能になる。
また、第1列12を形成する第1凸部2と第1列12に隣接する第2列13を形成する第2凸部3との間の周方向の間隔Nは第1凸部2の表面からの高さSと第2凸部3の表面からの高さTとの和よりも大きいので、第1凸部2とこれに周方向に隣接する第2凸部3が指で把持され把持力により変形し向かいあう方向に押し倒された場合においても、第1凸部2と第2凸部3が接触することがないため互いに干渉しあうことがなく、高い滑り止め効果及び安定した把持感触を得ることが可能になる。
また、第1列12を形成する第1凸部2と第1列12に隣接する第2列13を形成する第2凸部3との間の周方向の間隔Nは、隣接する2つの第1凸部2の軸方向Jの間隔Lと等しいので、第1凸部2と第2凸部3にまたがって把持したときの感触が近似するため安定した把持感触を得ることができる。
次に、本実施形態によれば、グリップ1の表面上に種々の形状の隙間が形成されていることを説明する。
図1に示されるように、第1列12と第1列12に対し一方側に隣接する第2列13との間には軸方向Jに関し矢印状に向く第1長手状隙間17が形成されている。また、第1列12と第1列12に対し他方側に隣接する第2列13との間には、第1長手状隙間17とは軸方向Jに関して逆方向の矢印状に向く第2長手状隙間18が形成される。
また、1個の第1凸部2に着目した場合に、この第1凸部2と周方向の一方側に対向する1個の第2凸部3との間には第1単位隙間19が形成されている。また、この着目する第1凸部2と周方向の他方側に対向する1個の第2凸部3との間には第2単位隙間20が形成されている。第1単位隙間19と第2単位隙間20とは、軸方向Jに関して逆方向の矢印状の関係にある。
上述のように、第1長手状隙間17と第2長手状隙間18とは、互いに類似する形状ではあるが互いに方向を異にする形状を呈している。また、第1単位隙間19と第2単位隙間20とは、互いに類似する形状ではあるが互いに異なる形状を呈している。これらの結果、本実施形態の構成によれば、第1凸部2と第2凸部3とを簡易に配列させたにもかかわらず、第1長手状隙間17と第2長手状隙間18との関係や第1単位隙間19と第2単位隙間20との関係から明らかなように、グリップ1に種々の大きさと形状の隙間を形成することが可能になる。そして、グリップ1を把持する指の面をグリップ1の任意の位置や方向で円滑に確実になじませることが可能となり、高い滑り止め効果及び安定した把持感触を得ることが可能になる。
次に、所定傾斜角度(α)について説明する。所定傾斜角度(α)の大きさは次のようなことを考慮して設定されたものである。
所定傾斜角度(α)を軸方向Jに対してゼロ度に設定する場合には、グリップ1を把持する指面はグリップ1の主に周方向に抵抗を形成し、所定傾斜角度(α)を軸方向Jに対して90度に設定する場合には、グリップ1を把持する指面はグリップ1の主に軸方向Jに抵抗を形成する。これに対して、所定傾斜角度(α)をゼロ度と90度の間に設定する場合には、周方向のみに単独に抵抗に形成したり軸方向Jのみに単独に抵抗に形成したりする場合と異なり、周方向及び軸方向Jの双方へグリップ1を把持する際の抵抗を指面に付与することが可能になり、滑り止め効果を全体的に高くすることができる。この意味で、所定傾斜角度(α)をゼロ度と90度の間に設定することが有利である。
次に、所定傾斜角度(α)をゼロ度と90度の間のどの値に設定するかが良いのかについて説明する。
紙面とペン先との間で安定した接触を維持し適度な筆圧を維持する上では、紙面に向かって軸方向Jへの把持する際の抵抗を持たせる必要があり、この観点から所定傾斜角度(α)がより大きいことが好ましい。
一方、実際の筆記時には軸方向Jが紙面に対し垂直ではなく筆記角度が生じるため、筆圧は軸方向Jに対して平行又は垂直に加わるだけでなく、親指と人差し指が閉じる方向(所定傾斜角度(α)を小さくする方向)へ把持力が加わる。このために、親指と人差し指が閉じる方向へ滑り止め効果を高くするという観点から、所定傾斜角度(α)は大きくしすぎない方がよい。
また、第1列12と第2列13との間には周方向に間隔Nが存在し、間隔Nは所定傾斜角度(α)の値に依存することなく周方向に抵抗を生成する要素となり、これによって周方向に対する抵抗を得られる。このため、親指と人差し指が閉じる方向へ滑り止め効果を高くするという観点を強調しすぎる必要もない。
以上のように、所定傾斜角度(α)を大きくするべきであるという観点と所定傾斜角度(α)を小さくすべきであるという観点との相反する両観点を考慮し、周方向及び軸方向の双方へ適度の抵抗を生じさせる上で適度な所定傾斜角度(α)の大きさを決めるために所定傾斜角度(α)を種々の大きさにして試行実験を行った。この試行実験の結果によれば、個人差等をも考慮すると所定傾斜角度は30度から60度の範囲にあることが好ましいことが確認された。また、さらに好ましくは、個人差の要因等が捨象されて前記所定傾斜角度(α)は45度であることが適当であると確認された。
そこで、本実施形態では、所定傾斜角度(α)は45度に設定されている。なお、所定傾斜角度(α)が45度であるとは、厳密に45度という値であるという意味ではなくプラスマイナス3度以内の角度幅を有してもよい。
次に、図2を参照して、第1列12を形成する第1凸部2と隣接する第2列13を形成する第2凸部3とは、ピッチPの半分の長さのずれ長さdPだけ軸方向Jにずれて配列されていることの意義について説明する。
図2において、第1単位隙間19の領域Kを点線で囲んで示す。比較のために、図5にずれ長さdPをゼロにした場合を示し、第1単位隙間19の領域Mを点線で囲んで示す。
第1単位隙間19の領域Kと領域Mとを比較した場合に、領域Kは領域Mに比べてより狭く形成されている。また、領域Kの周辺領域は周方向に対して非対称的に形成され領域Mの周辺領域に比べてより複雑な輪郭形状を形成し、領域Kはより複雑な形状の周辺領域を有する。
この結果、本実施形態によれば、第1列12を形成する第1凸部2と隣接する第2列13を形成する第2凸部3とは、ピッチPの半分の長さのずれ長さdPだけ軸方向Jにずれて配列されているので、グリップ1に接触する指の表面により快適な把持感触を得ることが可能になる。
次に、図5を参照して、本願発明の他の実施形態について説明する。
前述したように、図5に示す実施形態では、第1列12を形成する第1凸部2と隣接する第2列13を形成する第2凸部3とは、ずれ長さdPがゼロであり第1列12と第2列13とは軸方向Jに対して対称に配列されている。
本実施形態においても、前述の実施形態の場合と厳密な形状が異なるとしても、同様に第1長手状隙間17、第2長手状隙間18、第1単位隙間19及び第2単位隙間20がグリップ1の表面に形成される。
この結果、本実施形態の構成によれば、グリップ1を把持する指の面をグリップ1の任意の位置や方向で円滑に確実になじませることが可能となり、高い滑り止め効果及び安定した把持感触を得ることが可能になる。また、ずれ長さdPがゼロであるので、製造が容易になりより製造コストを低くすることができる。
次に、図6を参照して、本願発明のさらに他の実施形態について説明する。
図6に示す実施形態では、第1単位部はグリップ1の表面に細長形状の第1凹部22として形成され、第2単位部はグリップ1の表面に細長形状の第2凹部23として形成されている。第1凹部22と第2凹部23とは、グリップ1の基準表面に対し内部側へ窪んた形状に形成されている。
本実施形態においても、前述の実施形態の場合と厳密な形状が異なるとしても、同様に第1長手状隙間17、第2長手状隙間18、第1単位隙間19及び第2単位隙間20がグリップ1の表面に形成される。
この結果、本実施形態の構成によれば、グリップ1を把持する指の面をグリップ1の任意の位置や方向で円滑に確実になじませることが可能となり、高い滑り止め効果及び安定した把持感触を得ることが可能になる。
次に図4を参照して、上述の実施形態に係る筆記具のグリップ1を装着したノック式ボールペンを示す。
このノック式ボールペンは、前軸4と後軸5を螺着して軸筒本体を形成する。前軸4の把持部は、外径が小径に形成してあり、この把持部に、実施例1の筆記具グリップ1を装着してある。
また、前軸4には、口先部材6を螺着し、口先部材6の後端面と前軸4の段部間に、筆記具のグリップ1を圧縮した状態で保持してある。さらに、軸筒本体内に、インキ収容筒9の先端部に、ボールペンチップ10を装着したボールペンレフィルをコイルスプリング11によって後方に付勢して収納してあり、後軸5内に具備した回転カム8による出没機構によって、ノック体7を押圧することで、ボールペンチップ9を口先部材6の先端開口部6aから出没可能としてある。
尚、本実施例では、軸筒本体の把持部に装着するのに、予めグリップを成形して、その後、軸筒本体と装着してあるが、グリップと軸筒本体と2色成形により一体に形成してもよい。
なお、上述の種々の実施形態の説明において、第1単位部と第2単位部の組として、両者が凸部の場合、両者が凹部の場合について示したが、一方が凸部で他方が凹部であってもよい。
また、細長形状として中間部に長方形部25と長方形部25の両端側にある半円部26とを有する中心に対し対称の場合を例にとり説明したが、細長形状としては、中心に対し対称の形状であることに限定されず、例えば、長手方向の片側が太く他側が狭く形成されるような場合であってもよい。
また、グリップ1の形状としては、円筒形状を想定して説明したが、軸方向Jに同じ径を有する厳密に円筒形状であることに限定されず、軸方向Jに対して半径が多少変動している場合、例えば、樽状等の場合であってもよい。また、円筒形状に限らず、角筒形状であってもよい。
また、ずれ長さdPがピッチPの半分の場合とゼロの場合を示したが、ずれ長さdPは例えばピッチP/4やピッチ3P/4等であってもよい。
本発明の筆記具のグリップは、筆記体の種類やノック式、キャップ式に限定されることなく、軸筒の把持部に装着する筆記具のグリップとして広く実施可能である。

Claims (13)

  1. 筆記具の軸筒の把持部に装着する軟質材からなる筆記具のグリップであって、
    前記グリップの表面に形成され細長形状の第1凸部または第1凹部からなる複数の第1単位部と、
    前記グリップの前記表面に形成され前記第1単位部と同形状の細長形状の第2凸部または第2凹部からなり前記第1単位部と配置される方向を異にする複数の第2単位部と
    を備え、
    前記第1単位部は、前記細長形状の長手方向が前記グリップの軸方向に対して所定傾斜角度で傾斜して配置されるとともに所定ピッチで前記軸方向に配列されて第1列を形成しており、
    前記第2単位部は、前記細長形状の前記長手方向が前記軸方向に対して反対方向に前記所定傾斜角度で傾斜して配置されるとともに前記所定ピッチで前記軸方向に配列されて前記第1列と隣接する第2列を形成しており、
    前記第1列と前記第2列とは前記グリップの周方向に交互に繰り返して配設されている
    ことを特徴とする筆記具のグリップ。
  2. 前記第1列を形成する前記第1単位部と前記第1列に隣接する前記第2列を形成する前記第2単位部とは、前記所定ピッチの長さより小さいずれ長さだけ前記軸方向にずれて配列されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の筆記具のグリップ。
  3. 前記ずれ長さは、前記所定ピッチの半分の長さである
    ことを特徴とする請求項2に記載の筆記具のグリップ。
  4. 前記ずれ長さは、ゼロである
    ことを特徴とする請求項2に記載の筆記具のグリップ。
  5. 前記第1単位部は前記第1凸部からなり前記第2単位部は前記第2凸部からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の筆記具のグリップ。
  6. 前記第1単位部は前記第1凹部からなり前記第2単位部は前記第2凹部からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の筆記具のグリップ。
  7. 前記第1列を形成する隣接する2つの前記第1凸部の前記軸方向の間隔は前記第1凸部の前記表面からの高さの2倍よりも大きくある
    ことを特徴とする請求項5に記載の筆記具のグリップ。
  8. 前記第1列を形成する前記第1凸部と前記第1列に隣接する前記第2列を形成する前記第2凸部との間の前記周方向の間隔は前記第1凸部の前記表面からの高さと前記第2凸部の前記表面からの高さとの和よりも大きくある
    ことを特徴とする請求項5に記載の筆記具のグリップ。
  9. 前記第1列を形成する前記第1凸部と前記第1列に隣接する前記第2列を形成する前記第2凸部との間の前記周方向の間隔は、前記第1列を形成する隣接する2つの前記第1凸部の前記軸方向の間隔と等しい
    ことを特徴とする請求項5に記載の筆記具のグリップ。
  10. 前記所定傾斜角度は30度から60度の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1に記載の筆記具のグリップ。
  11. 前記所定傾斜角度は45度である
    ことを特徴とする請求項10に記載の筆記具のグリップ。
  12. 前記細長形状は、中間部にある長方形部と、前記長方形部の両端にある半円部とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の筆記具のグリップ。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のグリップを備える
    ことを特徴とする筆記具。
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