JPWO2009119381A1 - 含フッ素エラストマー組成物 - Google Patents

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Abstract

混練が容易で、強度が向上した架橋物を与える含フッ素エラストマー組成物を提供する。該含フッ素エラストマー組成物は、(A)分岐度が30〜300ppmで、ムーニー粘度(ML1+10:121℃)が7〜80で、かつ分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4であるフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体エラストマー、および(B)180℃、500cpmにおける貯蔵弾性率G’が500〜900であるフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体エラストマーを含み、(A)/(B)の質量比が70/30〜90/10である含フッ素エラストマー組成物である。

Description

本発明は、混練が容易で、強度が向上した架橋物を与える含フッ素エラストマー組成物、該含フッ素エラストマー組成物を用いた架橋用組成物、さらには該架橋用組成物を架橋して得られる架橋物に関する。
射出成形法などの成形法に使用可能な流動性に優れた含フッ素エラストマーは、たとえば特許文献1、2、3などに記載の重合法により製造可能である。この含フッ素エラストマーは比較的分子量分布がシャープ(Mw/Mn=1.8〜3)で分岐も少ない。
一方、架橋組成物の調製時に他の成分、たとえば架橋剤や充填剤を混練する際には、せん断力が掛かりにくく、短時間の混練では若干の強度不足を引き起こしたりする可能性がある。
国際公開第01/034666号パンフレット 国際公開第2004/009647号パンフレット 国際公開第2008/001895号パンフレットの実施例4、5
本発明は、混練が容易で、強度が向上した架橋物を与える含フッ素エラストマー組成物を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、
(A)分岐度が30〜300ppmで、ムーニー粘度(ML1+10:121℃)が7〜80で、かつ分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4であるフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体エラストマー、および
(B)180℃、500cpmにおける貯蔵弾性率G’が500〜900であるフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体エラストマー
を含み、(A)/(B)の質量比が70/30〜90/10である含フッ素エラストマー組成物に関する。
組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)としては、10〜100であることが加工性の維持の点から好ましい。
エラストマー(A)は、0.5〜1.0mgKOH/gの酸価を有することが、より強度が向上する点から好ましい。
また、エラストマー(A)は、イソパラフィンを連鎖移動剤として用いて得られるエラストマーであることが、より強度が向上する点から好ましい。
本発明の含フッ素エラストマー組成物には、充填剤を配合してもよい。
本発明はまた、本発明の含フッ素エラストマー組成物および架橋剤を含む架橋用含フッ素エラストマー組成物、さらには該架橋用含フッ素エラストマー組成物を架橋して得られる含フッ素エラストマー架橋物にも関する。
本発明の含フッ素エラストマー組成物によれば、流れ性を良好に維持でき混練時の他の成分との混練を容易にでき、かつ得られる架橋物の強度を向上させることができる。
本発明の含フッ素エラストマー組成物は、
(A)分岐度が30〜300ppmで、ムーニー粘度(ML1+10:121℃)が7〜80で、かつ分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4であるフッ化ビニリデン(VdF)−ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系共重合体エラストマー、および
(B)180℃、500cpmにおける貯蔵弾性率G’が500〜900であるVdF−HFP系共重合体エラストマー
を含み、(A)/(B)の質量比が70/30〜90/10である含フッ素エラストマー組成物である。
以下、各含フッ素エラストマー(A)および(B)について説明する。
[1]含フッ素エラストマー(A)
含フッ素エラストマー(A)は、VdFとHFPを含む共重合体であって、特定の分岐度とムーニー粘度と分子量分布を有する。
(1)VdF−HFP系共重合体
2元共重合体の場合は、VdFとHFPとの共重合体、特にVdFとHFPとのモル比で9/1〜5/5、さらに8.5/1.5〜6/4の2元共重合体が、エラストマーとしての性質を損なうことがない点から好ましい。
(2)分岐度
測定ポリマーのアセトン溶液(濃度約30%)を高分解能19F−NMRで測定し、次の計算式で「VdF分岐度」を求める。
Figure 2009119381
上記で規定した分岐とは、
Figure 2009119381
主に上記のような構造単位で分岐CH基に隣接するCF2基の面積を表し、これがδF−96.5〜−99.5ppm間に現れる。このピークの面積が、δF−88.0〜−124.0ppmに現れる全体のCF2基合計面積に対して、占める割合が分岐度である。ところが、一本のCF2連鎖に対して、3個の分岐隣接CF2基が存在するため、単位VdFに対する分岐度は、この測定値の1/3と計算される。
ここで高分解能とは、400MHz以上のスペクトロメータによる測定をさす。
分岐度が30〜300ppmの範囲にあるときは、分岐の程度が小さく、流れ性が良好である。特に好ましくは280ppm以下、さらには250ppm以下が、流れ性が良好な点から好ましい。また、50ppm以上、さらには100ppm以上、特に150ppm以上が、生産性が良好な点から好ましい。
(3)ムーニー粘度(ML1+10:121℃)
ASTM−D1646およびJIS K6300−1にしたがって121℃で測定した流れ性の基準である。単位は無単位である。
ムーニー粘度が7〜80の範囲にあるときは、たとえば押出し成形や射出成形などにおいて流れ性がよく、架橋後の物性面においても良い。特に好ましくは10以上、さらには14以上である。また、上限は40以下、さらには30以下が好ましい。
(4)分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比であり、存在する個々の分子の大きさのバラツキの程度の基準である。
分子量分布が1.5〜4の範囲にあるときは、たとえば押出し成形や射出成形などにおいて流れ性がよく、架橋後の物性面においても良い。特に好ましくは1.6以上、さらには1.8以上である。また、上限は3.0以下、さらには2.5以下が好ましい。
含フッ素エラストマー(A)は、好ましくはさらに、0.5〜1.0の酸価を有することが、強度の向上の点から好ましい。酸価はカルボキシル基を共重合体内に導入することにより得られる。特に好ましくは0.55以上、さらには0.60以上である。
酸価を付与する(カルボキシル基を導入する)には、たとえば後述するイソパラフィンを連鎖移動剤として使用する重合方法などが採用できる。イソパラフィンは再開始効率が低く、共重合体内にカルボキシル基を導入することに適している連鎖移動剤である。しかし、共重合体内にカルボキシル基が存在すると架橋剤、充填剤などを混練したコンパウンド(フルコンパウンド)の粘度上昇が大きくなる傾向にある。この粘度上昇には共重合体内の分岐部のカルボキシル基、末端部のカルボキシル基の影響が考えられる。しかし、今回のポリマー(A)は分岐度が低いために、フルコンパウンドの粘度上昇を低く抑えながら、強度を向上させるポリマーとなる。
また、イソパラフィンを連鎖移動剤として使用して得られるポリマーは架橋後の成形物の硬度が低い傾向にあり、したがって所望の硬度を与えるために充填剤の配合量を増大させるという手段をとることができ、価格の抑制も可能になる。なお、イソパラフィンを連鎖移動剤として使用して得られるポリマーでは、充填剤の配合量を増やしても、架橋特性や圧縮永久歪みへの影響が少ない。この傾向は、特にカーボンブラックを充填剤とする黒系配合に好適である。
含フッ素エラストマー(A)は、たとえば国際公開第01/034666号パンフレット、国際公開第2008/001895号パンフレットの実施例4、5に記載されている方法で製造できる。
具体的な製造条件などについては、国際公開第01/034666号パンフレットの記載、また国際公開第2008/001895号パンフレットの実施例4、5および後述する製造例に明らかである。
本発明の製造方法において、重合開始剤として油溶性ラジカル重合開始剤、または水溶性ラジカル重合開始剤を使用できる。
本発明で用いる油溶性ラジカル重合開始剤としては、通常周知の油溶性の過酸化物が用いられ、たとえばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジsec−ブチルパーオキシジカーボネートなどのジアルキルパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレートなどのパーオキシエステル類、ジt−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類などが、また、ジ(ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロ−テトラデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω−ハイドロ−ヘキサデカフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロパレリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−ヘキサフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−デカフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(ω−クロロ−テトラデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ω−ハイドロ−ドデカフルオロヘプタノイル−ω−ハイドロヘキサデカフルオロノナノイル−パーオキサイド、ω−クロロ−ヘキサフルオロブチリル−ω−クロロ−デカフルオロヘキサノイル−パーオキサイド、ω−ハイドロドデカフルオロヘプタノイル−パーフルオロブチリル−パーオキサイド、ジ(ジクロロペンタフルオロブタノイル)パーオキサイド、ジ(トリクロロオクタフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(テトラクロロウンデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(ペンタクロロテトラデカフルオロデカノイル)パーオキサイド、ジ(ウンデカクロロドトリアコンタフルオロドコサノイル)パーオキサイドなどのジ[パーフロロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類などが代表的なものとしてあげられる。
しかし、代表的な油溶性開始剤である、ジ−イソプロピルパーオキシカーボネイト(IPP)やジ−n−プロピルパーオキシカーボネイト(NPP)などのパーオキシカーボネイト類は爆発の危険性がある上、高価であり、しかも重合反応中に重合槽の壁面などのスケールの付着が生じやすいという問題があるので、水溶性ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
水溶性ラジカル重合開始剤としては、通常周知の水溶性の過酸化物が用いられ、たとえば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸などのアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、t−ブチルパーマレエート、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどがあげられる。
水溶性ラジカル重合開始剤の添加量は、特に限定はないが、重合速度が著しく低下しない程度の量(たとえば、数ppm対水濃度)以上を重合の初期に一括して、または逐次的に、または連続して添加すればよい。上限は、装置面から重合反応熱を除熱出来る範囲である。
本発明の製造法において、さらに乳化剤、分子量調整剤、pH調整剤などを添加してもよい。分子量調整剤は、初期に一括して添加してもよいし、連続的または分割して添加してもよい。
乳化剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが使用でき、とくにたとえばパーフルオロオクタン酸アンモニウムなどのフッ素系のアニオン性界面活性剤が好ましい。添加量(対重合水)は、好ましくは50〜5000ppmである。
連鎖移動剤としては、たとえばイソペンタン、イソブタン、イソヘキサン、イソオクタンなどのイソパラフィン;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、コハク酸ジメチルなどのエステル類;、イソプロパノール、アセトン、各種メルカプタン、四塩化炭素、シクロヘキサン、モノヨードメタン、1−ヨードメタン、1−ヨード−n−プロパン、ヨウ化イソプロピル、ジヨードメタン、1,2−ジヨードメタン、1,3−ジヨード−n−プロパンなどがあげられる。これらのうち、強度が向上する点からイソパラフィン、特にイソペンタンが好ましい。
そのほか緩衝剤などを適宜添加してもよいが、その量は本発明の効果を損なわない範囲とする。
[2]含フッ素エラストマー(B)
含フッ素エラストマー(B)は、VdFとHFPを含む共重合体であって、特定の貯蔵弾性率(G’)を有する。
(1)VdF−HFP系共重合体
2元共重合体の場合は、VdFとHFPとの共重合体、特にVdFとHFPとのモル比で9/1〜5/5、さらに8.5/1.5〜6/4の2元共重合体が、エラストマーとしての性質を損なうことがない点から好ましい。
(2)貯蔵弾性率(G’)
貯蔵弾性率(G’)は、ASTM D6204記載の方法を参考に、アルファテクノロジー社製のRubber Process Analyzer(RPA)にて、L型ローターを用い、サンプル量を7.6g、温度180℃、変位0.5°にて周波数を1〜1000cpmまで変化させて、そのときのトルクを測定し、その値からG’およびG”を算出し、そのときの500cpmでのG’の値であり、単位は無単位である。本発明では含フッ素エラストマー(B)は粘度範囲が測定不能であるため、貯蔵弾性率(G’)を分子量を示す基準とするものである。このように含フッ素エラストマー(B)は分子量の大きな共重合体である。
貯蔵弾性率(G’)が500〜900の範囲にあるときは、たとえば流動性を損なうことなく混練性を向上させ、強度を向上させる点がよい。特に好ましくは550以上、さらには700以上である。
貯蔵弾性率(G’)が500〜900の含フッ素エラストマー(B)の製造は、具体的には国際公開第01/034666号パンフレットの記載、また国際公開第2008/001895号パンフレットの実施例4、5および後述する製造例などがある。また、含フッ素エラストマー(A)の製造同様の開始剤、連鎖移動剤、乳化剤等を使用することができる。
含フッ素エラストマー(A)と含フッ素エラストマー(B)との混合割合は、70/30〜90/10である。この範囲にあるとき、強度が良好になり、流れ性の点で優れる。特に好ましくは75/25〜80/20、さらには81/19〜89/11である。
含フッ素エラストマー(A)と(B)との混合は、種々の方法で行うことができる。たとえばつぎの方法などが採用できるが、これらの方法に特に制約されるものではない。
(1)含フッ素エラストマー(A)と含フッ素エラストマー(B)のそれぞれのディスパージョンを混合して共凝析することによって混合する方法(共凝析法)
ホモジナイザーなどで機械的な剪断力を加えて凝析させてもよい。乾燥後、凝析物を溶融造粒すると好ましい。この方法によれば、特に均質な混合物が得られる。
(2)含フッ素エラストマー(A)と含フッ素エラストマー(B)をドライブレンドする方法(ドライブレンド法)
たとえばオープンロール、ニーダー、バンバリーミキサーなどの攪拌混合装置により混合する。
(3)重合を2段階に分けて、含フッ素エラストマー(A)と含フッ素エラストマー(B)を1つの重合槽で製造する方法(1槽法)
この1槽法(3)は、たとえば、好適な重合プロセス(「ステップ重合」)によってポリマーを調製することができる。好ましくは、後述するような方法でプロセスを実施する。重合開始時、比較的少量の開始剤と比較的少量の連鎖移動剤とを、所望の高い分子量を得るべく反応させ、続いて重合が進行するにつれて、開始剤と連鎖移動剤を反応容器に仕込む。これらの仕込みの正確なタイミングと量は重合条件に影響するものであり、これによって使用者は所望の特性を持つポリマーを生成することができる。この生成方法の利点は、2種類の成分をその場(in situ)にて「完全に」混合できるということにある。結果として、技術的な労力が削減される。
本発明の含フッ素エラストマー組成物の特徴の1つは、充填剤との混練が甘い状態においても強度が向上する点にある。すなわち、分岐度が低く流れ性が良好な含フッ素エラストマー(A)に対し、ある範囲の貯蔵弾性率G’をもつ高分子量の含フッ素エラストマー(B)を配合することにより、混練性を向上させ、流れ性を悪化させることなく特徴の一つである強度を向上させることにある。
充填剤としてはエラストマー(ゴム)の分野で通常使用されている充填剤が使用できる。たとえば酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛などの金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物;カーボンブラック、ガラス繊維、ガラスビーズなどの無機充填剤のほか、ポリエステル繊維などの有機充填剤などがあげられる。なかでもカーボンブラックなどの黒系充填剤;酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウムなどの珪酸塩、硫酸バリウムなどの白系充填剤を配合するときの混練性が向上し、得られる架橋物の機械的物性も向上する。混練が難しいとされている高充填での混練性が向上し、架橋物の機械的物性がさらに向上する。充填剤の配合量は、含フッ素エラストマー組成物(含フッ素エラストマー(A)と(B)の合計)100質量部に対し、10質量部以上、特に15質量部以上、さらには20質量部以上が好ましい。
本発明の含フッ素エラストマー組成物は、架橋剤、さらに要すれば架橋助剤のほか、加工助剤などを配合することによって架橋用の含フッ素エラストマー組成物を調製することができる。
架橋剤としては、採用する架橋系によって適宜選定すればよい。架橋系としてはポリアミン架橋系、ポリオール架橋系、パーオキサイド架橋系のいずれも採用できるが、特にポリオール架橋系で架橋したときに本発明の効果が顕著に発揮できる。
架橋剤としては、ポリオール架橋系ではたとえばビスフェノールAF、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ジアミノビスフェノールAFなどのポリヒドロキシ化合物が、パーオキサイド架橋系ではたとえばα,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物が、ポリアミン架橋系ではたとえばヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミンなどのポリアミン化合物があげられる。しかしこれらに限られるものではない。
架橋剤の配合量は含フッ素エラストマー組成物100質量部に対して0.01〜10質量部であり、好ましくは0.1〜5質量部である。
架橋助剤としては、各種の4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、環状アミン、1官能性アミン化合物など、通常エラストマーの架橋に使用される有機塩基が使用できる。具体例としては、たとえばテトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩;ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、トリブチルアリルホスホニウムクロリド、トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウムクロリド、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドなどの4級ホスホニウム塩;ベンジルメチルアミン、ベンジルエタノールアミンなどの一官能性アミン;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデク−7−エンなどの環状アミンなどがあげられる。
架橋助剤の配合量は含フッ素エラストマー組成物100質量部に対して0.01〜10質量部であり、好ましくは0.1〜5.0質量部である。
混練は、通常の混練方法、例えばニーダー、オープンロール、バンバリーミキサーといった方法により、通常の条件で行うことができる。ただ、本発明の含フッ素エラストマー組成物を用いるときは混練時間を短縮することができ、機械物性、特に強度が向上する。
つぎに本発明の架橋物を好ましく適用できる成形品をつぎに列挙するが、これらに限定されるものではない。
一般的適用成形品:
自動車、船舶、航空機などの輸送機関における耐アミン、耐油、耐薬品、耐スチームあるいは耐候用のパッキング、O−リング、ホース、その他のシール材、ダイヤフラム、バルブに、また化学プラントにおける同様のパッキング、酸素センサー用シール材、センサー用シール材、O−リング、シール材、ダイヤフラム、バルブ、ホース、ロール、チューブに、食品プラント機器および食品機器(家庭用品を含む)における同様のパッキング、O−リング、ホース、シール材、ベルト、ダイヤフラム、バルブ、ロール、チューブに、原子力プラント機器における同様のパッキング、O−リング、ホース、シール材、ダイヤフラム、バルブ、チューブに、一般工業部品における同様のパッキング、O−リング、ホース、シール材、ダイヤフラム、バルブ、ロール、チューブ、マンドレル、電線、フレキシブルジョイント、ベルト、ゴム板、ウェザーストリップ、PPC複写機のロール、ロールブレード、ベルトなどへの用途に好適である。
さらに具体的には、以下のような用途を示すことができる。
(イ)自動車関連
(1)シール用途:
・クランクシャフトシール
・ギアボックスシール
・パワーピストンパッキン
・シリンダーライナーのシール
・バルブステムのシール
・自動変速機のフロントポンプシール
・リアーアクスルピニオンシール
・ユニバーサルジョイントのガスケット
・スピードメーターのピニオンシール
・フートブレーキのピストンカップ
・トルク伝達のO−リング、オイルシール
・排ガス再燃焼装置のシール
・ベアリングシール
・酸素センサー用シール材
(2)ホース用途:
・EGRチューブ
・ツインキャブチューブ
(3)ダイヤフラム用途:
・キャブレターのセンサー用ダイヤフラム
(4)その他の用途:
・防振ゴム(エンジンマウント、排気部など)
・再燃焼装置用ホース
(ロ)化学工業関連
(1)シール用途:
・化学薬品用ポンプ、流動計、配管のシール
・熱交換器のシール
・硫酸製造装置のガラス冷却器パッキング
・農薬散布機、農薬移送ポンプのシール
・ガス配管のシール
・メッキ液用シール
・高温真空乾燥機のパッキン
・製紙用ベルトのコロシール
・燃料電池のシール
・風洞のジョイントシール
(2)ロール用:
・耐トリクレン用ロール(繊維染色用)
(3)その他の用途:
・耐酸ホース(濃硫酸用)
・ガスクロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結合部のパッキン
・塩素ガス移送ホース
・ベンゼン、トルエン貯槽の雨水ドレンホース
・分析機器、理化学機器のシール、チューブ、ダイヤフラム、弁部品
(ハ)一般機器、機械関連
(1)シール用途:
・油圧、潤滑機械のシール
・ベアリングシール
・乾式複写機のシール
・ドライクリーニング機器の窓、その他のシール
・六フッ化ウランの濃縮装置のシール
・サイクロトロンのシール(真空)バルブなど
・自動包装機のシール
(2)その他の用途:
・印刷設備の印刷ロール、スクレーパー、チューブ、弁部品
・塗布、塗装設備の塗布ロール、スクレーパー、チューブ、弁部品
・プリンターのインキチューブ、ロール、ベルト
・乾式複写機のベルト、ロール
・空気中の亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイヤフラム(公害測定器)
・印刷機のロール、ベルト
・酸洗い用絞りロール
(ニ)航空機関連
・ジェットエンジンバルブステムシール、
・燃料供給用ホース、ガスケットおよびO−リング
・ローテーティングシャフトシール
・油圧機器のガスケット
・防火壁シール
(ホ)船舶関連
・スクリューのプロペラシャフト船尾シール
・ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール
・バタフライバルブのバルブシール
・バタフライ弁の軸シール
(ヘ)食品、医薬関連
・プレート式熱交換器のシール
・自動販売機の電磁弁シール
・薬栓
(ト)電機関連
・新幹線の絶縁油キャップ
・液封型トランスのベンチングシール
・油井ケーブルのジャケット
(チ)石油掘削用途
・パッカー用シール
・セーフティーバルブシール
・サンドコントロール用シール
・フローコントロール用シール
・マットポンプ用シール
・その他掘削時に使用するポンプ用シール等
さらに、半導体、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板などの製造装置の、たとえばCVD装置、エッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、イオン注入装置、排気装置などの耐プラズマ性の要求される部位のO−リング、シール材、ホース、チューブ、ダイアフラム、ロール、ライニング、コーティング;また、ウェットエッチャー、洗浄装置、薬液配管、ガス配管などの耐薬品性が要求される部位のO−リング、シール材、ホース、チューブ、ダイアフラム、ロール;さらにこれらの装置のノンダスト化、メタルフリーの要求される部位のO−リング、シール材、ホース、チューブ、ダイアフラム、ロールとしても用いることができる。
その他の耐薬品性の要求される部位の具体例としては、半導体、液晶バルブ、プラズマディスプレイパネルなどの製造装置における、レジスト現像液、剥離液、ウエハー洗浄液用のO−リング、シール材、ホース、チューブ、ポンプのダイアフラム、ウエハー搬送用のロールなどがあげられる。
つぎに実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
なお、特性の評価に使用した装置および測定条件は以下のとおりである。
(1)分岐度
測定サンプルをアセトンに溶解し、その濃度を約30%とした。これを19F−NMR(VARIAN社製400型)により測定し、分岐ピーク面積、および全CF2ピーク面積を算出し、得られた結果より分岐度を求める。
(2)ムーニー粘度(ML1+10:121℃)
機器名MOONY MV2000 (アルファテクノロジーズ社製)を用いて、ASTM−D1646およびJIS K 6300−1に準拠して測定する。
(3)分子量分布(Mw/Mn)
つぎの装置および条件で測定した重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnから算出する。
装置:HLC−8020(東ソー(株)製)
カラム:GPC KF−806M 2本
GPC KF−801 1本
GPC KF−802 1本
検出器:示差屈折率計
展開溶媒:テトラヒドロフラン
温度:35℃
試料濃度:0.1重量%
標準試料:単分散ポリスチレン各種((Mw/Mn)=1.14(Max))、TSK standard POLYSTYRENE(東ソー(株)製)
(4)共重合組成
つぎの条件でNMR測定を行った。
測定装置:VARIAN社製400型
19F−NMR測定条件:400MHz(トリクロロフルオロメタン=0ppm)
(5)含フッ素エラストマー(含フッ素共重合体)の平均粒径
測定する乳濁液0.05mlを純水8mlで希釈して試料とし、マイクロトラックUPA(HONEYWELL社製)を用いて、室温にて測定を行う(動的光散乱法)。得られたデータを平均粒子径とする。
(6)固形分濃度
得られたディスパージョンを120℃で2時間乾燥した時の質量減少より求める。
(7)粒子数
含フッ素共重合体の比重を1.8として、得られたゴム状の含フッ素共重合体と、ディスパージョンにおける含フッ素共重合体の平均粒径とに基づき算出する。
(8)貯蔵弾性率(G’)
貯蔵弾性率(G’)は、ASTM D6204記載の方法を参考に、アルファテクノロジー社製のRubber Process Analyzer(RPA)にて、L型ローターを用い、サンプル量を7.6g、温度180℃、変位0.5°にて周波数を1〜1000cpmまで変化させて、そのときのトルクを測定し、その値からG’およびG”を算出し、そのときの500cpmでのG’の値であり、単位は無単位である。
(9)酸価
試料1〜4gを50mL容量のスクリュー管に秤りとり、アセトンを加えて室温にて一時間撹拌して溶解させた。これを0.01mol/L水酸化カリウムーエタノール溶液で電位差滴定を行った。酸価測定は試料(ポリマー)単独を測定するものであり、ポリマー中に無機試薬等が助剤として使用されている場合は、これを除去して測定する必要がある。
分析装置:METTLER TOLEDO社製 DL−58
電極 :DG113
酸価は次式で求めた
試料の酸価=(56.1×c×a×F)/s×100
a:試料の滴定量(mL)
c:滴定液のモル濃度(mol/L)
F:滴定液のファクター
s:試料量(g)
56.1:KOHの分子量
(10)架橋特性
(架橋方法)
重合体(エラストマー)を標準配合と標準架橋条件でポリオール架橋する。
標準配合1(黒系)
含フッ素エラストマー組成物:100質量部
架橋剤:ビスフェノールAF 2.17質量部
架橋助剤:ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド 0.43質量部
充填剤1:酸化マグネシウム(MA−150) 3質量部
充填剤2:水酸化カルシウム 6質量部
充填剤3:カーボンブラック(N990) 35質量部
加工助剤:カルナバワックス 1質量部
標準配合2(白系)
含フッ素エラストマー組成物:100質量部
架橋剤:ビスフェノールAF 2.17質量部
架橋助剤:ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド 0.43質量部
充填剤1:酸化マグネシウム(MA−150) 3質量部
充填剤2:水酸化カルシウム 6質量部
充填剤4:珪酸カルシウム(NYAD 400) 15質量部
加工助剤:カルナバワックス 1質量部
標準配合3(瀝青炭カーボン系)
含フッ素エラストマー組成物:100質量部
架橋剤:ビスフェノールAF 0.48質量部
架橋助剤:VITON CURATIVE No.50(デュポン社製) 2.14質量部
充填剤1:酸化マグネシウム(MA−150) 6質量部
充填剤3:カーボンブラック(N990) 15質量部
充填剤5:瀝青炭カーボンブラック(ミネラルブラック325BA Keystonefiller & Mfg、Co製) 15質量部
標準配合4(黒系)
含フッ素エラストマー組成物:100質量部
架橋剤:ビスフェノールAF 2.17質量部
架橋助剤:ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド 0.43質量部
充填剤1:酸化マグネシウム(MA−150) 3質量部
充填剤2:水酸化カルシウム 6質量部
充填剤3:カーボンブラック(N990) 20質量部
加工助剤:カルナバワックス 1質量部
標準配合5(黒系)
含フッ素エラストマー組成物:100質量部
架橋剤:ビスフェノールAF 2.17質量部
架橋助剤:ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド 0.43質量部
充填剤1:酸化マグネシウム(MA−150) 3質量部
充填剤2:水酸化カルシウム 6質量部
充填剤3:カーボンブラック(N990) 45質量部
加工助剤:カルナバワックス 1質量部
標準架橋条件
混練り方法:ロール練り
プレス架橋:170℃で10分間
オーブン架橋:230℃で24時間
以上の架橋方法において、1次プレス架橋時にJSR型キュラストメータII型を用いて170℃における架橋曲線を求め、最低粘度(ML)、架橋度(MH)、誘導時間(T10)および最適架橋時間(T90)を求める。
(11)機械的特性
(常態物性)
前記標準配合物を前記標準架橋条件で1次プレス架橋および2次オーブン架橋して厚さ2mmのシートとし、JIS−K6251に準じて100%モジュラス(M100)、引張破断強度(Tb)および引張破断伸び(Eb)を、JIS−K6253に準じて硬度(ピークおよび3秒後:Hs)を測定する。
(圧縮永久歪み)
前記標準配合物を前記標準架橋条件で1次プレス架橋および2次オーブン架橋してO−リング(P−24)を作製し、JIS−K6301に準じて、1次プレス架橋後の圧縮永久歪みおよび2次オーブン架橋後の圧縮永久歪み(CS)を測定する(25%加圧圧縮下に200℃で70時間保持したのち25℃の恒温室内に30分間放置した試料を測定)。
製造例1(含フッ素エラストマー(A)の製造)
3Lのステンレススチール製のオートクレーブに、純水1712g、CH2=CFCF2CF(CF3)OCF2CF2COONH450%水溶液を0.344g、F(CF25COONH450%水溶液1.378gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換後、減圧にした。続いて600rpmで攪拌しながら、重合槽内がVdF/HFP=42/58モル%、80℃、6MPaとなるようにモノマーを圧入、昇温を行った。
ついで過硫酸アンモニウム(APS)0.512gを10mlの純水に溶解した重合開始剤溶液およびイソペンタン4.56gを窒素ガスで圧入し、反応を開始した。
重合の進行に伴い内圧が降下し始めた時点で、VdF/HFP混合モノマー(=78/22モル%)を内圧が6MPaを維持するように供給した。また、3時間が経過するごとにAPS0.256gを10mlの純水に溶解した重合開始剤を窒素ガスで圧入した。混合モノマーを470g追加した時点で、未反応モノマーを放出し、オートクレーブを冷却して、固形分濃度26.3質量%のディスパージョンを得た。
得られた含フッ素エラストマーの平均粒径は87nmであった。NMR分析により共重合組成を調べたところ、VdF/HFP=78/22(モル%)であり、上記ディスパージョン中の粒子数は、5.8×1014(個/水1g)であった。
このディスパージョン200gに27質量%の硫酸アルミニウム水溶液を添加して凝析を行った。得られた凝析物を水洗、乾燥して、含フッ素エラストマー(A−1)を得た。ムーニー粘度(ML1+10:121℃)は5であった。また、分岐度を測定したところ220ppmであった。GPCにより測定した分子量分布Mw/Mnは1.9であった。酸価は0.85であった。
製造例2〜4(含フッ素エラストマー(A−2)〜(A−4)の製造)
製造例1において添加するイソペンタンの量を表1に示す量に変更したほかは実施例1と同様にして含フッ素エラストマー(A−2)〜(A−4)を製造した。製造条件および得られた含フッ素エラストマー(A−2)〜(A−4)の物性を表1に示す。
製造例5〜6(エラストマー(A−5)〜(A−6)の製造)
製造例1において連鎖移動剤としてイソペンタンに代えてマロン酸ジエチルを用い、APSの量を表1に示す量に変更したほかは製造例1と同様にして含フッ素エラストマー(A−5)〜(A−6)を製造した。製造条件および得られた含フッ素エラストマー(A−5)〜(A−6)の物性を表1に示す。
Figure 2009119381
製造例7(含フッ素エラストマー(B−1)の製造)
3Lのステンレススチール製のオートクレーブに、純水1712g、CH2=CFCF2CF(CF3)OCF2CF2COONH450%水溶液を0.344g、F(CF25COONH450%水溶液1.378gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換後、減圧にした。続いて600rpmで攪拌しながら、重合槽内がVdF/HFP=42/58モル%、80℃、6MPaとなるようにモノマーを圧入、昇温を行った。
ついでAPS0.524gを10mlの純水に溶解した重合開始剤溶液及びイソプロピルアルコール1.00gを窒素ガスで圧入し、反応を開始した。
重合の進行に伴い内圧が降下し始めた時点で、VdF/HFP混合モノマー(=78/22モル%)を内圧が6MPaを維持するように供給した。混合モノマーを470g追加した時点で、未反応モノマーを放出し、オートクレーブを冷却して、固形分濃度27.0質量%のディスパージョンを得た。含フッ素エラストマー粒子の平均粒径は114nmであった。NMR分析により共重合組成を調べたところ、VdF/HFP=78/22(モル%)であり、上記ディスパージョン中の粒子数は、2.6×1014(個/水1g)であった。
このディスパージョン200gに27質量%の硫酸アルミニウム水溶液を添加して凝析を行った。得られた凝析物を水洗、乾燥し含フッ素エラストマー(B−1)を得た。この含フッ素エラストマーのムーニー粘度(ML1+10:121℃)は測定できず、RPAにて測定したところ、周波数(ω)500cpmにおいて貯蔵弾性率(G’)は309であった。
製造例8〜10(含フッ素エラストマー(B)の製造)
製造例7において、APS、および連鎖移動剤としてのイソプロピルアルコールの量を表2に示す量に変更したほかは製造例7と同様にして含フッ素エラストマー(B−2)〜(B−4)を製造した。製造条件および得られた含フッ素エラストマー(B−2)〜(B−4)の物性を表2に示す。
Figure 2009119381
製造例11(低圧重合法による含フッ素エラストマー組成物の製造)
3Lのステンレススチール製のオートクレーブに、純水1690gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換後、減圧にした。続いて600rpmで攪拌しながら、重合槽内がVdF/HFP=65/35モル%、80℃、1.2MPaとなるようにモノマーを圧入、昇温を行った。
ついでAPS1.07gを10mlの純水に溶解した重合開始剤溶液を窒素ガスで圧入し、反応を開始した。
重合の進行に伴い内圧が降下し始めた時点で、VdF/HFP混合モノマー(=78/22モル%)を内圧が1.2MPaを維持するように供給した。また、濃度4.1%のAPS水溶液を連続的に仕込んだ。VdF/HFP混合モノマーの仕込みが26gを1回目とし、イソペンタンを反応終了までに計8回分割仕込みとし、合計0.74gを窒素ガスで圧入した。APS水溶液は合計37g仕込んだ。混合モノマーを540g追加した時点で、未反応モノマーを放出し、オートクレーブを冷却して、固形分濃度23.6質量%のディスパージョンを得た。含フッ素共重合体粒子の平均粒径は310nmであった。NMR分析により共重合組成を調べたところ、VdF/HFP=78/22(モル%)であり、上記ディスパージョン中の粒子数は0.11×1014(個/水1g)であった。
このディスパージョン200gに27質量%の硫酸アルミニウム水溶液を添加して凝析を行った。得られた凝析物を水洗、乾燥し含フッ素エラストマーを得た。この含フッ素エラストマーのムーニー粘度(ML1+10:121℃)は36であった。また、分岐度を測定したところ700ppmであった。GPCにより測定した分子量分布Mw/Mnは3.5であった。酸価は0.34であった。結果を表3にまとめて示す。
Figure 2009119381
製造例12(1槽法による含フッ素エラストマー組成物の製造)
3Lのステンレススチール製のオートクレーブに、純水1712g、CH2=CFCF2CF(CF3)OCF2CF2COONH450%水溶液を0.344g、F(CF25COONH450%水溶液1.378gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換後、減圧にした。続いて600rpmで攪拌しながら、重合槽内がVdF/HFP=42/58モル%、80℃、6MPaとなるようにモノマーを圧入、昇温を行った。
ついでAPS0.086gを10mlの純水に溶解した重合開始剤溶液およびイソペンタン0.034gを窒素ガスで圧入し、反応を開始した(1段目)。
重合の進行に伴い内圧が降下し始めた時点で、VdF/HFP混合モノマー(=78/22モル%)を内圧が6MPaを維持するように供給した。混合モノマーを71g仕込んだ時点で、重合開始時と同様の方法にて10mlの純水に溶解したAPS0.517gおよびイソペンタン3.06gを窒素ガスで圧入し、反応を継続した(2段目)。VdF/HFP混合モノマーを470g追加した時点で、未反応モノマーを放出し、オートクレーブを冷却して、固形分濃度26.3質量%のディスパージョンを得た。含フッ素共重合体粒子の平均粒径は113nmであった。NMR分析により共重合組成を調べたところ、VdF/HFP=78/22(モル%)であり、上記ディスパージョン中の粒子数は、2.6×1014(個/水1g)であった。
このディスパージョン200gに27質量%の硫酸アルミニウム水溶液を添加して凝析を行った。得られた凝析物を水洗、乾燥して、含フッ素エラストマー組成物を得た。この含フッ素エラストマーのムーニー粘度(ML1+10:121℃)は31であった。GPCにより測定した分子量分布Mw/Mnは2.1であった。結果を表4にまとめて示す。
Figure 2009119381
実施例1(架橋用黒系含フッ素エラストマー組成物の製造)
製造例2で製造した含フッ素エラストマー(A−2)のディスパージョンおよび製造例9で製造した含フッ素エラストマー(B−3)のディスパージョンを固形分重量比85/15でブレンドし、ついで27質量%の硫酸アルミニウム水溶液を添加して共凝析を行なった。得られた共凝析物を水洗、乾燥して、含フッ素エラストマー組成物を450g得た。この組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)は27であった。
この含フッ素エラストマー組成物100質量部に対し、ビスフェノールAF2.17質量部、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC)0.43質量部の割合で0.3Lニーダーにて、生地温度が140℃〜150℃となるようにニーダー温度を制御しながら12分混錬りを行い、予備混合物を得た。さらに、含フッ素エラストマー組成物100質量部に対し、カーボンブラック(N990)35質量部、酸化マグネシウム(MA−150)3質量部、水酸化カルシウム(caldic2000)6質量部、カルナバワックス1質量部を加え、0.3Lニーダーにて生地温度が70℃〜100℃となるようにニーダー温度を制御しながら180秒間混練りして架橋用含フッ素エラストマー組成物を得た。得られた架橋用組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)は52であった。この架橋用組成物の架橋特性、さらにプレス架橋ついでオーブン架橋を行った後の架橋物の物性を表5に示す。
実施例2〜6(架橋用黒系含フッ素エラストマー組成物の製造)
含フッ素エラストマー(A)および含フッ素エラストマー(B)として、表5に示す含フッ素エラストマーをそれぞれ用いたほかは実施例1と同様に共凝析して含フッ素エラストマー組成物を調製し、実施例1と同様にして予備混合物および架橋用含フッ素エラストマー組成物を製造した。
共凝析で得られた含フッ素エラストマー組成物および架橋用組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)、架橋用組成物の架橋特性、さらにはプレス架橋ついでオーブン架橋を行った後の架橋物の物性を表5に示す。
比較例1
製造例3で製造した含フッ素エラストマー(A−3)のディスパージョンおよび製造例7で製造した貯蔵弾性率(G’)が309と本発明の範囲を外れる含フッ素エラストマー(B−1)のディスパージョンを固形分重量比85/15でブレンドした以外は実施例1と同様にして架橋用含フッ素エラストマー組成物を製造した。得られた架橋用組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)、架橋用組成物の架橋特性、さらにはプレス架橋ついでオーブン架橋を行った後の架橋物の物性を表5に示す。
比較例2
製造例1で製造したムーニー粘度(ML1+10:121℃)が5と本発明の範囲を外れる含フッ素エラストマー(A−1)のディスパージョンおよび製造例9で製造した含フッ素エラストマー(B−3)のディスパージョンを固形分重量比85/15でブレンドした以外は実施例1と同様にして架橋用含フッ素エラストマー組成物を製造した。得られた架橋用組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)、架橋用組成物の架橋特性、さらにはプレス架橋ついでオーブン架橋を行った後の架橋物の物性を表5に示す。
比較例3
製造例11で製造した分岐度が700ppm、酸価が0.34(mgKOH/g)と本発明の範囲を外れる含フッ素エラストマー(A−7)のディスパージョンおよび製造例9で製造した含フッ素エラストマー(B−3)のディスパージョンを固形分重量比85/15でブレンドした以外は実施例1と同様にして架橋用含フッ素エラストマー組成物を製造した。得られた架橋用組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)、架橋用組成物の架橋特性、さらにはプレス架橋ついでオーブン架橋を行った後の架橋物の物性を表5に示す。
比較例4
含フッ素エラストマー(B)と共凝析せず、本発明の(A)の条件を満たした製造例6で製造した含フッ素エラストマー(A−6)を単独で、27質量%の硫酸アルミニウム水溶液を添加して凝析を行なった。得られた凝析物を水洗、乾燥した以外は実施例1と同様にして架橋用含フッ素エラストマー組成物を製造した。得られた架橋用組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)、架橋用組成物の架橋特性、さらにはプレス架橋ついでオーブン架橋を行った後の架橋物の物性を表5に示す。
Figure 2009119381
表5の実施例の結果より、本発明範囲を満たす含フッ素エラストマー(A)と(B)を含む含フッ素エラスマー組成物は、比較例の同粘度の含フッ素エラストマーと比較して架橋後の引張強度が向上していることが分かる。
実施例7(架橋用白系含フッ素エラストマー組成物の製造)
製造例3で製造した含フッ素エラストマー(A−3)のディスパージョンおよび製造例9で製造した含フッ素エラストマー(B−3)のディスパージョンを固形分重量比85/15でブレンドし、ついで27質量%の硫酸アルミニウム水溶液を添加して共凝析を行なった。得られた共凝析物を水洗、乾燥して、含フッ素エラストマー組成物を450g得た。この組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)は31であった。
この含フッ素エラストマー組成物100質量部に対し、ビスフェノールAF2.17質量部、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC)0.43質量部の割合で0.3Lニーダーにて生地温度が140℃〜150℃となるようにニーダー温度を制御しながら12分混錬りを行い、予備混合物を得た。さらに、含フッ素エラストマー組成物100質量部に対し、酸化マグネシウム(MA−150)3質量部、水酸化カルシウム(caldic 2000)6質量部、珪酸カルシウム(NYAD 400)15質量部、カルナバワックス1質量部を加え、0.3Lニーダーにて生地温度が70℃〜100℃となるようにニーダー温度を制御しながら180秒間混練りして架橋用含フッ素エラストマー組成物を得た。得られた架橋用組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)は38であった。この架橋用組成物の架橋特性、さらにプレス架橋ついでオーブン架橋を行った後の架橋物の物性を表6に示す。
実施例8〜11(架橋用白系含フッ素エラストマー組成物の製造)
含フッ素エラストマー(A)および含フッ素エラストマー(B)として、表6に示すブレンド比率で含フッ素エラストマーをそれぞれ用いたほかは実施例7と同様に共凝析して含フッ素エラストマー組成物を調製し、実施例7と同様にして予備混合物および架橋用含フッ素エラストマー組成物を製造した。
共凝析で得られた含フッ素エラストマー組成物および架橋用組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)、架橋用組成物の架橋特性、さらにはプレス架橋ついでオーブン架橋を行った後の架橋物の物性を表6に示す。
比較例5
含フッ素エラストマー(B)と共凝析せず、本発明の(A)の条件を満たした製造例6で製造した含フッ素エラストマー(A−6)を単独で、27質量%の硫酸アルミニウム水溶液を添加して凝析を行なった。得られた凝析物を水洗、乾燥した以外は実施例7と同様にして架橋用含フッ素エラストマー組成物を製造した。得られた架橋用組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)、架橋用組成物の架橋特性、さらにはプレス架橋ついでオーブン架橋を行った後の架橋物の物性を表6に示す。
Figure 2009119381
表6の実施例の結果より、本発明範囲を満たす含フッ素エラストマー(A)と(B)を含む含フッ素エラスマー組成物は、幅広い粘度範囲で架橋後の引張強度が向上していることが分かる。
実施例12(1槽法により製造した架橋用黒系含フッ素エラストマー組成物の製造)
含フッ素エラストマーとして製造例12で製造した含フッ素エラストマーを用いたほかは実施例1と同様に凝析して含フッ素エラストマー組成物を調製し、実施例1と同様にして予備混合物および架橋用含フッ素エラストマー組成物を製造した。凝析で得られた含フッ素エラストマー組成物および架橋用組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)、架橋用組成物の架橋特性、さらにはプレス架橋ついでオーブン架橋を行った後の架橋物の物性を表7に示す。
Figure 2009119381
一般に粘度が高い方が得られる架橋物の機械的特性は向上するのであるが、表7の結果より、表5の比較例と比較して、粘度がそれほど高くないにも拘わらず、架橋後の引張強度が向上していることが分かる。
実施例13(架橋用瀝青炭カーボン系含フッ素エラストマー組成物)
実施例10において共凝析で得られたムーニー粘度(ML1+10:121℃)が41である含フッ素エラストマー組成物100質量部に対し、ビスフェノールAF 0.48質量部、VITON CURATIVE No.50 2.14質量部の割合で0.3Lニーダーにて生地温度が140℃〜150℃となるようにニーダー温度を制御しながら12分混錬りを行い、予備混合物を得た。さらに、含フッ素エラストマー組成物100質量部に対し、酸化マグネシウム(MA−150)6質量部、カーボンブラックN990 15質量部、ミネラルブラック325BA 15質量部を8インチオープンロールにて混練りして架橋用含フッ素エラストマー組成物を得た。この架橋用組成物の架橋特性、さらに180℃×10分のプレス架橋ついで260℃×6時間、さらに300℃×1.5時間のオーブン架橋を行った後の架橋物の物性、および圧縮永久ひずみ(25%加圧圧縮下に280℃で50時間保持したのち25℃の恒温室内に30分間放置した試料を測定)を表8に示す。
比較例6
含フッ素エラストマー(B)と共凝析せず、本発明の(A)の条件を満たした製造例6で製造した含フッ素エラストマー(A−6)を単独で、27質量%の硫酸アルミニウム水溶液を添加して凝析を行なった。得られた凝析物を水洗、乾燥した以外は実施例13と同様にして架橋用含フッ素エラストマー組成物を製造した。この架橋用組成物の架橋特性、さらに180℃×10分のプレス架橋ついで260℃×6時間、さらに300℃×1.5時間のオーブン架橋を行った後の架橋物の物性、および圧縮永久ひずみ(25%加圧圧縮下に280℃で50時間保持したのち25℃の恒温室内に30分間放置した試料を測定)を表8に示す。
Figure 2009119381
実施例14〜15
イソペンタンを用いて重合して得られた製造例3のポリマーをポリマー(A)として使用した実施例3において、標準配合を標準配合1から標準配合4(カーボンブラック20質量部。実施例14)および標準配合5(カーボンブラック45質量部。実施例15)に変更したほかは実施例3と同様に共凝析して含フッ素エラストマー組成物を調製し、実施例3と同様にして予備混合物および架橋用含フッ素エラストマー組成物を製造した。
共凝析で得られた含フッ素エラストマー組成物および架橋用組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)、架橋用組成物の架橋特性、さらにはプレス架橋ついでオーブン架橋を行った後の架橋物の物性を表9に示す。
なお、表9には実施例3の結果も併せて示してある。
比較例7〜8
イソペンタンを用いずに重合して得られた製造例6のポリマーのみを使用した比較例4において、標準配合を標準配合1から標準配合4(カーボンブラック20質量部。比較例7)および標準配合5(カーボンブラック45質量部。比較例8)に変更したほかは比較例4と同様にして含フッ素エラストマー組成物を調製し、比較例4と同様にして予備混合物および架橋用含フッ素エラストマー組成物を製造した。
得られた含フッ素エラストマー組成物および架橋用組成物のムーニー粘度(ML1+10:121℃)、架橋用組成物の架橋特性、さらにはプレス架橋ついでオーブン架橋を行った後の架橋物の物性を表9に示す。
なお、表9には比較例4の結果も併せて示してある。
Figure 2009119381
表9から、イソペンタンを使用して重合して得られたポリマーを用いた場合、カーボンブラックを多量に充填しても、圧縮永久歪みの悪化が小さいことがわかる。また、同硬度である実施例15と比較例4を比較した場合、10質量部も多くカーボンブラックを充填できる。さらに、カーボンブラックを10質量部多く充填したにも関わらず、圧縮永久歪みが良好であることがわかる。

Claims (7)

  1. (A)分岐度が30〜300ppmで、ムーニー粘度(ML1+10:121℃)が7〜80で、かつ分子量分布(Mw/Mn)が1.5〜4であるフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体エラストマー、および
    (B)180℃、500cpmにおける貯蔵弾性率G’が500〜900であるフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン系共重合体エラストマー
    を含み、(A)/(B)の質量比が70/30〜90/10である含フッ素エラストマー組成物。
  2. ムーニー粘度(ML1+10:121℃)が10〜100である請求項1記載の含フッ素エラストマー組成物。
  3. エラストマー(A)が、0.5〜1.0mgKOH/gの酸価を有する請求項1または2記載の含フッ素エラストマー組成物。
  4. エラストマー(A)が、イソパラフィンを連鎖移動剤として用いて得られるエラストマーである請求項1〜3のいずれかに記載の含フッ素エラストマー組成物。
  5. 充填剤を含む請求項1〜4のいずれかに記載の含フッ素エラストマー組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の含フッ素エラストマー組成物および架橋剤を含む架橋用含フッ素エラストマー組成物。
  7. 請求項6記載の架橋用含フッ素エラストマー組成物を架橋して得られる含フッ素エラストマー架橋物。
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