明 細 書
含フッ素重合体の製造方法および該製造方法により得られる含フッ素重 合体
技術分野
[0001] 本発明は、含フッ素重合体の製造方法、および該製造方法により得られた含フッ素 重合体に関する。また、前記含フッ素重合体と架橋剤を含む硬化性組成物を架橋し て得られる成形品に関する。
背景技術
[0002] 含フッ素重合体は、優れた耐薬品性、耐溶剤性および耐熱性を示すことから、 自動 車工業、半導体工業、化学工業などにおいて広く使用されている。特にフッ化ビ-リ デン (VdF)および Zまたはテトラフルォロエチレン (TFE)単位にへキサフルォロプ ロピレン(HFP)やパーフルォロアルキルビュルエーテル(PAVE)などを共重合モノ マー単位とする含フッ素重合体は、組成によってエラストマ一特性を示すため、過酷 な環境下で使用される O—リング、ガスケット、ホース、ステムシール、シャフトシール 、ダイヤフラム、電線、緩衝材などに用いられている。しかし、含フッ素エラストマ一は 一般に他種ゴムと比較して高価であるため、成型力卩ェの際のサイクルタイム短縮や 歩留まりの改善要求は根強い。そのため、サイクルタイムの長い圧縮成形法、および 歩留まりの悪いトランスファー成形法から、高サイクル生産可能なインジェクション成 形法や、工程短縮可能な他材料との一体成形法などが開発されている。しかし、これ らの安価な成形法に適したポリマーの多くは比較的低粘度のものであり、従来の含フ ッ素エラストマ一はその要求に充分応えられるものではな力つた。
[0003] 一方、このような含フッ素エラストマ一は、懸濁重合法や乳化重合法など種々の重 合方法により製造される。このうち、乳化重合法で得られる含フッ素エラストマ一は、 平均粒径数十 nm力 数百 nmの一次粒子が水に乳化分散した状態となって 、る。こ の乳化分散中の微細な一次粒子を直接濾過することは困難であるため、通常、金属 塩や酸などの凝析剤を添加することにより一次粒子を凝集して平均粒子径数 μ mか ら数千; z mの凝集(二次)粒子として該粒子を濾過することにより含フッ素エラストマ
一を得る方法が用いられている。しかし、この方法は、中〜高粘度の含フッ素エラスト マーを製造する場合には好適に用いることができるものの、低粘度の含フッ素エラス トマ一を製造する場合には、凝祈したポリマーが分離工程で用いられる装置の攪拌 翼、濾過器具などに付着し、装置に閉塞を起こす等の問題点があり、効率良く分離 することが困難であった。この問題を解決するには凍結凝析により、粘性が少ない状 態で処理する方法が知られているものの、運転コストが極めて高い問題がある。また 、通常、上記濾過のみでは完全に水を取り除くことが難しぐ固液分離手段ののち加 熱乾燥する必要があり、例えば箱型オーブンによる熱風乾燥や、押出機による溶融 押出乾燥などの方法より生ゴムが得られる力 この工程においても低粘度ゴムの場合 、製品の発泡や粘着により装置を汚染したり、不具合を生じることが多い問題があつ た。このように、含フッ素エラストマ一の脱水 ·乾燥作業工程は通常複雑であること自 体が問題である一方で、低粘度ゴムに関しては通常の処理方法では上述の問題の ため、市場に製品を提供することは容易ではな力つた。
[0004] また、含フッ素重合体に含有する金属を低減することは、クリーン性が要求される半 導体装置分野において特に好ましぐその目的のためには重合、凝析などの全ての 製造工程で金属を使用しないことが効果的であることが知られている。例えば、凝析 工程にお 、ては通常用いられることの多 ヽ硫酸アルミニウムなどの凝析剤由来の金 属混入を回避する目的で、酸または凍結法による凝析方法が開示されている (例え ば、国際公開第 99Z50139号パンフレット参照)。し力し酸の場合は危険な薬品で あるため作業環境上好ましくなぐまた、耐食性を有する装置は高コストであり、さらに 装置力もの金属溶出を防ぐために榭脂ライニングなど、特殊な処理を施した機器を 使用する必要もある。また、凍結法の場合は冷凍による運転コストの高さが課題であ る。また、両者とも乾燥工程に移送する際の金属混入を防ぐため、特別な注意を払う 必要があることも課題であった。
[0005] 含フッ素エラストマ一乳化物から、含フッ素エラストマ一を分離する方法としては、特 定の分離機を用いて、約 90%に至るまでの水を含有する水よりも重い重合体力も重 合体を単離する方法が開示されている(例えば、特開昭 53— 147787号公報参照)
[0006] また、フルォロエラストマ一'スラリー処理流中のフルォロエラストマ一粒子を凝固 · 凝集させ、得られたフルォロエラストマ一凝集物を含む処理流を機械的脱水装置に 供給する方法が開示されている(例えば、特開昭 58— 176219号公報参照)。しかし 、これらの方法では従来通り凝析剤を用いるため、工程が複雑であり、かつ得られる フッ素ゴムは金属を含有するものであり、クリーン性を要求される半導体分野などで 用いることは好ましくない。さらに、低粘度ゴムの処理においては粘着物の付着など による閉塞を防ぐため、様々な条件 ·装置上の工夫が必要であることは当業者の間で 知られている。
[0007] さらに、フッ化ビ-リデンと任意にフッ素含有および Zまたはフッ素を含有していな V、さらなるモノマーを特定の条件下、水を存在させな!/、でラジカル重合させるフッ素 ゴムの製造方法であって、該フッ素ゴムを反応槽から基部の出口に通して少なくとも 反応温度に相当する温度で押し出すことを特徴とする製造方法について開示されて いる(例えば、特表 2001— 508474号公報参照)。し力し、特表 2001— 508474号 公報では、非水性溶媒下で重合を行なっており、重合体の水性分散液については 記載されていない。
[0008] したがって、含フッ素重合体水性分散液を含フッ素重合体と水性溶媒とに効率良く 分離することができ、かつ、金属を含有しない含フッ素重合体を得る方法はいまだな いのが現状である。
発明の開示
[0009] 本発明は、含フッ素重合体水性分散液から含フッ素重合体と水分とに、容易に、か つ効率良く分離することができる含フッ素エラストマ一の製造方法および前記製造方 法により得られた含フッ素重合体を提供する。また、前記含フッ素重合体と架橋剤を 含む硬化性組成物を架橋して得られる成形品を提供する。
[0010] すなわち、本発明は、濃度が 3〜70重量%である含フッ素重合体水性分散液を加 熱処理することによって、含水率 1重量%以下の含フッ素重合体を得る工程を含む 含フッ素重合体の製造方法に関する。
[0011] 含フッ素重合体水性分散液の濃度が、 10〜50重量%であることが好ましい。
[0012] 含フッ素重合体のム一-一粘度(100°Cにおける ML )カ 0以下であることが好
ましい。
[0013] また、本発明は、前記製造方法により得られる含水率 1重量%以下の含フッ素重合 体に関する。
[0014] さらに、本発明は、前記含フッ素重合体および架橋剤を含む硬化性組成物および 該組成物を架橋して得られる成形品に関する。
[0015] 前記硬化性組成物に、さらに、フィラーを含むことが好ましい。
発明を実施するための最良の形態
[0016] 本発明は、濃度が 3〜70重量%である含フッ素重合体水性分散液を加熱処理する こと〖こよって、含水率 1重量%以下の含フッ素重合体を得る工程を含む含フッ素重合 体の製造方法に関する。
[0017] 本発明で用いる含フッ素重合体水性分散液の濃度は、 3〜70重量%であり、 10〜 50重量%であることが好ましぐ 15〜35重量%であることがより好ましい。濃度が、 3 重量%未満であると乾燥に必要な熱エネルギーが増加するため運転コストが高くな る傾向があり、 70重量%をこえると水性分散液の貯蔵安定性が悪化する傾向がある 力 乳化剤の添加などで安定ィ匕させることは可能である。しかし、品質'コスト面で不 要な乳化剤を添加することは好ましくない。なお、ここで含フッ素重合体水性分散液 の濃度とは、ポリマー濃度のことを示すものである。
[0018] 含フッ素重合体としては、特に限定されるものではなぐ含フッ素榭脂、含フッ素ェ ラストマーなどがあげられる力 本発明の処理に最適である点から含フッ素エラストマ 一であることが好ましい。
[0019] 含フッ素エラストマ一としては、とくに制限はなく、たとえば、非パーフルオロフッ素ゴ ム(a)およびパーフルォロフツ素ゴム (b)力もなる含フッ素エラストマ一があげられる。
[0020] 非パーフルオロフッ素ゴム(a)としては、ビ-リデンフルオライド (VdF)系フッ素ゴム 口プロピレン(HFP)系フッ素ゴム、フルォロシリコーン系フッ素ゴム、またはフルォロ ホスファゼン系フッ素ゴムなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の 効果を損なわな 、範囲で任意に組合わせて用いることができる。
[0021] ビ-リデンフルオライド系フッ素ゴムとは、ビ-リデンフルオライド 45〜85モル0 /0と、
ビ-リデンフルオライドと共重合可能な少なくとも 1種の他の単量体 55〜15モル%と 力 なる含フッ素エラストマ一性共重合体をいう。好ましくは、ビ-リデンフルオライド 5 0〜80モル%と、ビ-リデンフルオライドと共重合可能な少なくとも 1種の他の単量体 50〜20モル%と力 なる含フッ素エラストマ一性共重合体をいう。
[0022] ビ-リデンフルオライドと共重合可能な少なくとも 1種の他の単量体としては、たとえ ばテトラフルォロエチレン(TFE)、クロ口トリフルォロエチレン(CTFE)、トリフルォロ エチレン、へキサフルォロプロピレン(HFP)、トリフルォロプロピレン、テトラフルォロ プロピレン、ペンタフルォロプロピレン、トリフルォロブテン、テトラフルォロイソブテン、 パーフルォロ(アルキルビュルエーテル)(PAVE)、フッ化ビュルなどの含フッ素単 量体、エチレン、プロピレン、アルキルビュルエーテルなどの非フッ素単量体があげ られる。これらをそれぞれ単独で、または、任意に組み合わせて用いることができる。 これらのなかでも、テトラフルォロエチレン、へキサフルォロプロピレン、パーフルォロ (アルキルビュルエーテル)が好まし!/、。
[0023] 具体的なゴムとしては、 VdF— HFP系ゴム、 VdF— HFP— TFE系ゴム、 VdF— C TFE系ゴム、 VdF— CTFE—TFE系ゴム、 VdF— TFE— PAVE系ゴムなどがある。
[0024] テトラフルォロエチレン Zプロピレン系フッ素ゴムとは、テトラフルォロエチレン 45〜 70モル0 /0、プロピレン 55〜30モル0 /0力らなり、さらにテトラフルォロエチレンとプロピ レンの合計量に対して、架橋部位を与える単量体 0〜5モル%含有する含フッ素共 重合体をいう。
[0025] 架橋部位を与える単量体としては、たとえば特開平 4— 505345号公報、特開平 5
500070号公報に記載されて!、るようなシァノ基含有単量体、カルボキシル基含 有単量体、アルコキシカルボニル基含有単量体などがあげられ、さらに、特開昭 53 — 125491号公報や、特開昭 62— 12734号公報のようにヨウ素原子を含有するィ匕 合物を用いることにより、ポリマー末端にヨウ素原子を導入する方法を用いてもよい。 また、ヨウ素化合物と少量のビスォレフィン類(H C = CH (CF ) nCH = CH (n= 2
2 2 2
〜6) )を併用することも可能である。
[0026] パーフルオロフッ素ゴム(b)としては、テトラフルォロエチレン Zパーフルォロ(アル キルビニルエーテル) Z架橋部位を与える単量体力 なるものなどがあげられる。テト
ラフルォロエチレン Zパーフルォロ(アルキルビュルエーテル)の組成は、 50〜90Z 10〜50モル0 /0であることが好ましぐより好ましくは、 50〜80Ζ20〜50モル0 /0であ り、さらに好ましくは、 55〜70Ζ30〜45モル%である。また、架橋部位を与える単量 体は、テトラフルォロエチレンとパーフルォロ(アルキルビュルエーテル)の合計量に 対して、 0〜5モル%であることが好ましぐ 0〜2モル%であることがより好ましい。
[0027] この場合のパーフルォロ(アルキルビュルエーテル)としては、たとえばパーフルォ 口(メチルビ-ルエーテル)、パーフルォロ(プロピルビュルエーテル)などがあげられ 、これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。
[0028] 架橋部位を与える単量体としては、たとえば、一般式(1):
CF =CFO (CF CF (CF ) 0) (CF ) — X1 (1)
2 2 3 m 2 n
(式中、 mは、 0〜5の整数、 nは、 1〜3の整数、 X1は、シァノ基、カルボキシル基、ァ ルコキシカルボニル基)で表される単量体などがあげられ、これらをそれぞれ単独で 、または任意に組合わせて用いることができる。
[0029] また、エラストマ一'性含フッ素ポリマー鎖セグメントと非エラストマ一'性含フッ素ポリマ 一鎖セグメントからなる、熱可塑性フッ素ゴム力もなる乳化物も用いることができる。
[0030] 本発明に使用される含フッ素エラストマ一水性分散液は、通常の乳化重合法により 製造することができる。重合時の温度、時間などの重合条件としては、モノマーの種 類や目的とするエラストマ一により適宜決定すればよい。
[0031] 乳化重合にぉ 、て、重合開始剤として油溶性ラジカル重合開始剤、または水溶性 ラジカル開始剤を使用できる。
[0032] 油溶性ラジカル重合開始剤としては、通常周知の油溶性の過酸ィ匕物が用いられ、 たとえばジイソプロピルパーォキシジカーボネート、ジー sec ブチルパーォキシジカ ーボネートなどのジアルキルパーォキシカーボネート類、 t ブチルパーォキシイソブ チレート、 t ブチルパーォキシビバレートなどのパーォキシエステル類、ジー tーブ チルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類など力 また、ジ(ω ハイド 口 ドデカフルォロヘプタノィル)パーオキサイド、ジ( ω ハイドローテトラデカフル ォロオタタノィル)パーオキサイド、ジ(0)—ハイドローへキサデカフルォロノナノィル) パーオキサイド、ジ(パーフルォロブチリル)パーオキサイド、ジ(パーフルォロバレリ
ル)パーオキサイド、ジ(パーフルォ口へキサノィル)パーオキサイド、ジ(パーフルォロ ヘプタノィル)パーオキサイド、ジ(パーフルォロオタタノィル)パーオキサイド、ジ(パ 一フルォロノナノィル)パーオキサイド、ジ(0)—クロローへキサフルォロブチリル)パ 一オキサイド、ジ(ω クロローデカフルォ口へキサノィル)パーオキサイド、ジ(ω ク 口ローテトラデカフルォロオタタノィル)パーオキサイド、 ω ハイドロードデカフルォ 口ヘプタノィルー ω ハイド口へキサデカフルォロノナノィルーパーオキサイド、 ω— クロローへキサフルォロブチリルー ω—クロローデカフルォ口へキサノィルーパーォ キサイド、 ω ハイドロドデカフルォロヘプタノィルーパーフルォロブチリルーバーオ キサイド、ジ(ジクロ口ペンタフルォロブタノィル)パーオキサイド、ジ(トリクロ口オタタフ ルォ口へキサノィル)パーオキサイド、ジ(テトラクロロウンデカフルォロオタタノィル)パ 一オキサイド、ジ(ペンタクロロテトラデカフルォロデカノィル)パーオキサイド、ジ(ゥン デカクロロドトリアコンタフルォロドコサノィル)パーオキサイドなどのジ [パーフルォロ( またはフルォロクロ口)ァシル]パーオキサイド類などが代表的なものとしてあげられる
[0033] しかし、代表的な油溶性開始剤である、ジ—イソプロピルパーォキシカーボネイト (I ΡΡ)ゃジー η プロピルパーォキシカーボネイト(ΝΡΡ)などのパーォキシカーボネィ ト類は爆発の危険性がある上、高価であり、し力も重合反応中に重合槽の壁面など のスケールの付着が生じやす 、と 、う問題があるので、水溶性ラジカル重合開始剤 を使用することが好ましい。
[0034] 水溶性ラジカル重合性開始剤としては、通常周知の水溶性の過酸ィ匕物が用いられ 、たとえば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸などのアンモニゥム塩、 カリウム塩、ナトリウム塩、 t—ブチルパーマレエート、 t—ブチルハイド口パーォキサイ ドなどがあげられる。
[0035] 水溶性ラジカル開始剤の添加量は、特に限定はないが、重合速度が著しく低下し ない程度の量 (たとえば、数 ppm対水濃度)以上を重合の初期に一括して、または逐 次的に、または連続して添加すればよい。上限は、装置面から重合反応熱を除熱出 来る範囲である。このうち、半導体用途に対しては金属を使用しない目的でアンモ- ゥム塩型の開始剤が好ま 、。
[0036] 乳化剤としては、非イオン性界面活性剤、ァニオン性界面活性剤、カチオン性界面 活性剤などが使用でき、とくにたとえばパーフルォロオクタン酸アンモ-ゥム、パーフ ルォ口へキサン酸アンモ-ゥムなどのパーフルォロアルキルカルボン酸塩、 CF (CF
3 2
) CH CH SO アンモ-ゥム塩、(CF (CF ) SO ) N などの構造を有するスル
5 2 2 3 3 2 3 2 2
ホンアミドのアンモ-ゥム塩など、フッ素系のァ-オン性界面活性剤、 2, 3, 3, 3—テ 卜ラフルォ口 2— [1, 1, 2, 3, 3, 3 へキサフルォロ 2— [ (1, 1, 2 HJフルォロ - 2-プロべ-ル)ォキシ]プロポキシ]プロピオン酸(CH = CFCF OCF (CF ) CF
2 2 3 2
OCF (CF ) COOH)の塩 (好ましくはアンモ-ゥム塩)などの反応性乳化剤である事
3
が好ましい。添加量(対重合水)は、好ましくは 50〜5000ppmである。
[0037] また、さらに分子量調整剤、 pH調整剤などを添加してもよ ヽ。分子量調整剤は、初 期に一括して添加してもよ 、し、連続的または分割して添加してもよ 、。
[0038] 分子量調整剤としては、たとえばマロン酸ジメチル、マロン酸ジェチル、酢酸メチル 、酢酸ェチル、酢酸ブチル、コハク酸ジメチルなどのエステル類のほ力、イソペンタン 、イソプロパノール、アセトン、各種メルカプタン、四塩化炭素、シクロへキサン、モノョ 一ドメタン、 1—ョードエタン、 1—ョード n—プロパン、ヨウ化イソプロピル、ジョード メタン、 1, 2 ジョードエタン、 1, 3 ジョードー n—プロパン、モノョードパーフルォ ロメタン、モノョードパーフノレオロェタン、モノョードパーフノレオ口プロパン、モノョード パーフルォロブタン〔たとえば、 2—ョードパーフルォロブタン、 1 ョードパーフルォ 口(1, 1ージメチルェタン)〕、モノョードパーフルォロペンタン〔たとえば 1ーョードパ 一ルフォ口(4 メチルブタン)〕、 1 ョードパーフルオロー n—オクタン、モノョードパ 一フルォロシクロブタン、 2—ョードパーフルォロ(1ーシクロブチルェタン)シクロへキ サン、モノョードパーフノレオロシクロへキサン、モノョードトリフノレオロシクロブタン、モ ノョードジフノレオロメタン、モノョードモノフノレオロメタン、 2—ョードー 1 ハイド口パー フノレオロェタン、 3 ョード 1—ノヽイドロノ ーフノレオロプロノ ン、モノョードモノクロ口 ジフルォロメタン、モノョードジクロ口モノフルォロメタン、 2—ョードー 1, 2—ジクロ口 —1, 1, 2 トリフルォロェタン、 4ーョードー 1, 2 ジクロ口パーフルォロブタン、 6— ョードー 1, 2 ジクロ口パーフノレオ口へキサン、 4ーョードー 1, 2, 4 トリクロロノ 一 フルォロブタン、 1ーョードー 2, 2—ジハイド口パーフルォロプロパン、 1ーョードー 2
ハイド口パーフルォロプロパン、モノョードトリフルォロエチレン、 3—ョードパーフル ォロプロペン一 1、 4 ョードノ ーフノレオ口ペンテン一 1、 4 ョード 5 クロ口パーフ ルォロペンテン一 1、 2 ョードパーフルォロ(1—シクロブテュルェタン)、 1, 3 ジョ ードパーフルォロプロパン、 1, 4ージョードパーフルオロー n ブタン、 1, 3 ジョー ドー 2 クロロノ ーフノレオロフ。ロノ ン、 1, 5 ジョードー 2, 4 ジクロ口パーフノレオ口 — n—ペンタン、 1, 7 ジョードパーフルオロー n—オクタン、 1, 2 ジ(ョードジフル ォロメチル)パーフルォロシクロブタン、 2—ョードー 1, 1, 1 トリフルォロェタン、 1 ョード 1—ハイド口パーフルォロ(2—メチルェタン)、 2—ョード 2, 2—ジクロロ一 1, 1, 1 トリフノレオロェタン、 2—ョードー 2—クロロー 1, 1, 1 トリフノレオロェタンな どがあげられる。
[0039] そのほか緩衝剤などを適宜添加してもよいが、その量は本発明の効果を損なわな い範囲とする。
[0040] 含フッ素榭脂としては、特に限定されるものではなぐ少なくとも 1種の含フッ素ェチ レン性重合体 (a)からなるフッ素榭脂であることが好ましぐ含フッ素エチレン性重合 体 (a)は少なくとも 1種の含フッ素エチレン性単量体由来の構造単位を有するもので あればよい。上記含フッ素エチレン性単量体としては、例えば、テトラフルォロェチレ ン、一般式(2) :
CF =CF-R1 (2)
2 f
(式中、 R1は、 -CFまたは OR 2であり、 R2は、炭素数 1〜5のパーフルォロアルキ f 3 f f
ル基である)で表されるパーフルォロエチレン性不飽和化合物などのパーフルォロォ レフイン、クロ口トリフルォロエチレン、トリフルォロエチレン、へキサフルォロイソブテン 、ビ-リデンフルオライド、フッ化ビュル、一般式(3):
CH =CX2 (CF ) X3 (3)
2 2 n
(式中、 X2は、水素原子またはフッ素原子であり、 X3は、水素原子、フッ素原子または 塩素原子であり、 nは、 1〜10の整数である)などのフルォロォレフインなどをあげるこ とがでさる。
[0041] そして、含フッ素エチレン性重合体 (a)は、上記含フッ素エチレン性単量体と共重 合可能な単量体由来の構造単位を有してもよぐこのような単量体としては、上記フ
ルォロォレフイン、パーフルォロォレフイン以外の非フッ素エチレン性単量体をあげる ことができる。非フッ素エチレン性単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ま たはアルキルビュルエーテル類などをあげることができる。ここで、アルキルビュルェ 一テルは、炭素数 1〜5のアルキル基を有するアルキルビュルエーテルを!、う。
[0042] これらの中でも、得られる熱可塑性重合体組成物の耐熱性'耐薬品性'耐油性が優 れ、かつ成形加工性が容易になる点から、含フッ素エチレン性重合体 (a)は、 (a— 1)テトラフルォロエチレンとエチレンからなるエチレンーテトラフルォロエチレン 共重合体 (ETFE)
(a— 2)テトラフルォロエチレンと一般式(2):
CF =CF-R1 (2)
2 f
(式中、 R1は、 -CFまたは OR 2であり、 R2は、炭素数 1〜5のパーフルォロアルキ
f 3 f f
ル基である)で表されるパーフルォロエチレン性不飽和化合物からなるテトラフルォロ エチレン パーフルォロ(アルキルビュルエーテル)共重合体(PFA)またはテトラフ ルォロエチレン一へキサフルォロプロピレン共重合体(FEP)
(a— 3)テトラフルォロエチレン、エチレンおよび一般式(2):
CF =CF-R1 (2)
2 f
(式中、 R1は、 -CFまたは OR 2であり、 R2は、炭素数 1〜5のパーフルォロアルキ
f 3 f f
ル基である)で表されるパーフルォロエチレン性不飽和化合物からなるエチレンーテ トラフルォロエチレン一へキサフルォロプロピレン共重合体(Et—TFE— HFP共重 合体)
(a— 4)ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
の!、ずれかであることが好まし 、。次に(a— 1)〜(a— 4)の好ま U、含フッ素ェチレ ン性重合体にっ ヽて説明する。
[0043] (a- l) ETFE
ETFEの場合、耐熱性 '耐薬品性 '耐油性 '柔軟性が優れ、かつ成形加工性が容 易になる点で好まし 、。テトラフルォロエチレン単位とエチレン単位との含有モル比 ίま 20 : 80〜90 : 10カ好ましく、 62 : 38〜90 : 10カょり好ましく、 63 : 37〜80 : 20カ 特に好ましい。また、第 3成分を含有していてもよぐ第 3成分としてはテトラフルォロ
エチレンおよびエチレンと共重合可能なものであればその種類は限定されな 、。第 3 成分としては、通常、下記式
CH
(式中、 X4は水素原子またはフッ素原子、 R 3はフルォロアルキル基を表す)
f
で示されるモノマーが用いられ、これらの中でも、 CH =CX4R3で示される含フッ素ビ
2 f
-ルモノマーがより好ましぐ R3の炭素数が 1
f 〜8のモノマーが特に好ましい。
[0044] 前記式で示される含フッ素ビュルモノマーの具体例としては、 1, 1ージヒドロパーフ ルォロプロペン 1、 1, 1ージヒドロパーフルォロブテン 1、 1, 1, 5 トリヒドロノ一 フルォロペンテン 1、 1, 1, 7 トリヒドロパーフルォロヘプテン 1、 1, 1, 2 トリヒ ドロパーフルォ口へキセン 1、 1, 1, 2—トリヒドロパーフルォロオタテン 1、 2, 2, 3, 3, 4, 4, 5, 5—ォクタフルォロペンチルビ-ルエーテル、パーフルォロ(メチルビ ニノレエーテノレ)、パーフノレオ口(プロピノレビ-ノレエーテノレ)、へキサフノレオ口プロペン、 パーフルォロブテン 3, 3) 3 トリフルオロー 2 トリフルォロメチルプロペン 1 、 2, 3, 3, 4, 4, 5, 5 ヘプタフルォ口一 1—ペンテン(CH =CFCF CF CF H)が
2 2 2 2 あげられる。
[0045] 第 3成分の含有量は、含フッ素エチレン性重合体 (a)に対して 0. 1〜10モル%が 好ましく、 0. 1〜5モル0 /0がより好ましぐ 0. 2〜4モル0 /0が特に好ましい。
[0046] (a - 2) PFAまたは FEP
PFAまたは FEPの場合、とりわけ耐熱性が優れたものとなり、さらに耐薬品性'耐油 性が優れ、かつ成形カ卩ェ性が容易になる点で好ましい。テトラフルォロエチレン単位 90〜99モル%と一般式(2)で表されるパーフルォロエチレン性不飽和化合物単位 1 〜 10モル%カもなる含フッ素エチレン性重合体 (a)であることがより好ましい。また、 テトラフルォロエチレンおよび一般式(2)で表されるパーフルォロエチレン性不飽和 化合物からなる含フッ素エチレン性重合体 (a)は、第 3成分を含有していてもよぐ第 3成分としてはテトラフルォロエチレンおよび式(2)で表されるパーフルォロエチレン 性不飽和化合物と共重合可能なものであればその種類は限定されない。
[0047] (a— 3) Et— TFE— HFP共重合体
Et—TFE— HFP共重合体の場合、上述の作用効果に加えて、柔軟性の点で好ま
しい。テトラフルォロエチレン単位 19〜90モル0 /0、エチレン単位 9〜80モル0 /0、およ び一般式(2)で表されるパーフルォロエチレン性不飽和化合物単位 1〜72モル%か らなる含フッ素エチレン性重合体 (a)であることがより好ましぐさらに好ましくはテトラ フルォロエチレン単位 20〜70モル0 /0、エチレン単位 20〜60モル0 /0、および一般式 (2)で表されるパーフルォロエチレン性不飽和化合物単位 1〜60モル%力 なる含 フッ素エチレン性重合体 (a)である。
[0048] また、テトラフルォロエチレン、エチレンおよび一般式(2)で表されるパーフルォロ エチレン性不飽和化合物力 なる含フッ素エチレン性重合体 (a)は、追加成分を含 有していてもよく、追カロ成分としては、 2, 3, 3, 4, 4, 5, 5—ヘプタフノレ才ロー 1ーぺ ンテン(CH =CFCF CF CF H)などをあげることができる。
2 2 2 2
[0049] 追加成分の含有量は、含フッ素エチレン性重合体 (a)に対して 0. 1〜3モル%であ ることが好ましい。
[0050] (a -4) PVDF
PVDFの場合、上述の作用効果に加えて、柔軟性および優れた力学物性の点で 好ましい。
[0051] また、含フッ素エチレン性重合体(a)の融点は、 120〜330°Cであり、 150〜310°C であることが好ましぐ 150〜290°Cであることがより好ましぐ 170〜250°Cであること 力 Sさらに好ましい。
[0052] 含フッ素重合体水性分散液中の含フッ素重合体粒子の一次粒子径は、平均粒子 径で 80〜350nmであることが好ましぐ 90〜300nmであることがより好ましい。一次 粒子径が、 80nm未満であると、水性乳化重合において多量の乳化剤が必要となる 、またはポリマー得量が減少する傾向があり、 350nmをこえると、水性乳化液の安定 性が失われる傾向がある。
[0053] 前記製造方法により得られた含フッ素重合体のムーニー粘度(100°Cにおける ML
)は、 40以下であることが好ましぐ 30以下であることがより好ましぐ 20以下である
1+10
ことがさらに好ましい。また、ム一-一粘度の下限値は特に限定されるものではない 力 1以上であることが好ましぐ 2以上であることがより好ましい。ム一-粘度が 1未満 であると、乾燥工程としては問題ないが、重合工程において槽内の付着が増加する
傾向や、フィラーの混合が困難になる傾向があり、 40をこえると高トルクを有する装置 が必要であるため、装置コストが高くなる傾向がある。
[0054] 含フッ素重合体の数平均分子量(Mn)は、 1, 000〜150, 000であることが好まし ぐより好まし <は 5, 000〜100, 000であり、さらに好まし <は、 10, 000〜70, 000 である。数平均分子量 (Mn)が 1, 000未満であると、含フッ素重合体が槽内へ付着 するなどが原因で、水性乳化重合が困難になる傾向や、フィラーの混合が困難にな る傾向があり、 150, 000をこえると、高トルクを有する装置が必要であるため、装置コ ストが高くなる傾向がある。
[0055] また、含フッ素重合体の分子量分布 (重量平均分子量 MwZ数平均分子量 Mn)の 下限、上限は特に限定されないが、 8. 0以下であることが好ましい。分子量分布が 8 . 0をこえると、高分子量成分が粘度上昇を招き、加熱処理が困難になる傾向がある
[0056] 加熱処理手段としては、特に限定されるものではないが、含フッ素重合体水性分散 液を機械的に攪拌してせん断力を加える手段、加熱手段、真空 ·減圧手段、脱気手 段、得られた含フッ素重合体を加熱して溶融する手段、加圧して溶融した含フッ素重 合体を排出する手段など力 なるものが好ましい。このような手段を備える装置の例と しては、具体的には通常のオートクレープの他、レーディゲミキサー((株)マツボー製 )、 SCプロセッサ((株)栗本鐡ェ所製)、高粘度用薄膜蒸発機((株)神鋼環境ソリュ ーシヨン製)、プロシ アミキサ (太平洋機ェ (株)製)、プラネタリーミキサー( (株)井上 製作所)、二軸押出機((株)日本製鋼所)などをあげることができる。
[0057] レーディゲミキサーとは、横型ドラムの中に独特のすき状ショベルを配し、その形状 、取付角度、回転スピードにより遠心拡散および渦流作用を起こさせ、三次元流動す るような状態を混合物に与えることができる装置である。
[0058] SCプロセッサとは、 2軸が異方向に回転するパドルを有する中空型で、内部に熱 媒体を循環させることにより、大きな伝熱面積を有している装置である。さらに、胴体 上部に蒸発室を有するものであり、大きな蒸発能力がある。
[0059] 高粘度用薄膜蒸発機とは、ベーパー出口、ディストリビユタ一、攪拌翼、スクリューを 有し、容器の外部に熱媒を循環させることにより大きな伝熱面積を有している装置で
ある。特殊な形状を有する攪拌翼を配しているため、分散液を薄膜化させると同時に 強制的に薄膜を装置下方へ移送することが可能である。
[0060] プロシェアミキサとは、独特の形状を有するショベル羽根により浮遊拡散混合と多段 式チョッパー羽根による高速せん断分散の 2つの機能を兼ね備えた装置である。
[0061] プラネタリーミキサーとは、 2本の枠型ブレードが自転 ·公転 (ブラネタリー運動)する 事により、ブレード相互間およびブレードとタンク内面に強力なせん断力を有し、中 粘度、高粘度向きのニーデイング効果を持つ装置である。
[0062] 二軸押出機とは、強力な 2本の軸が同方向または異方向に回転しながら流体を押 し出すことが出来る装置である。
[0063] これらの装置は、いずれも伝熱面積が大きぐ分散液を均一に加熱することが出来 るものである。
[0064] 加熱処理条件としては、含水率 1重量%以下となるような条件であればよぐ含フッ 素重合体水性分散液の濃度に応じて適宜決定すればよいが、温度は、 50〜300°C であることが好ましぐ 70〜200°Cであることがより好ましぐ処理時間は、 1分〜 180 分であることが好ましぐ 15分〜 120分であることがより好ましい。ただし、熱に安定な 含フッ素エラストマ一は、 180分を超えて処理しても問題はないが、経済的な理由か ら通常は 900分以内が好ましぐ 600分以内がより好ましい。
[0065] また、加熱処理は、加圧下、常圧下、減圧下のいずれの方法で行なってもよいが、 常圧または減圧下であることが好ま 、。減圧度は水分含有量が多 、時は品温が下 がるのを防ぐため、 500Torr以上が好ましいが、水分含有量が 5%以下になった場 合は l〜500Torrで処理する方が製品の水分含有量が減少するため、好ましい。
[0066] また、加熱処理する際は攪拌することが好ましぐその攪拌速度は、特に限定される ものではないが、 l〜1000rpmであることが好ましぐ 3〜300rpmであることがより好 ましい。攪拌速度が、 5rpm未満であると、処理時間が長くなる傾向があり、 lOOOrp mをこえると、処理装置が特殊な仕様になる傾向がある。
[0067] 前記製造方法により得られる含フッ素重合体の含水率は、 1重量%以下であればよ ぐ 0. 5重量%以下であることが好ましぐ 0. 3重量%以下であることがより好ましい。 含水率が、 1重量%をこえると架橋反応を阻害したり、成形体の発泡の原因になる傾
向がある。
[0068] 前記加熱処理において、脱気力が大きい機械を使用した場合、重合終了時に残 留している乳化剤 (残留乳化剤)も水分と共に除去することができるものであり、充分 な加熱処理を行った結果、得られた含フッ素重合体中に含まれる残留乳化剤量が低 減できるものである。前記製造方法により得られた含フッ素重合体中の残留乳化剤 量は、 lOOOppm以下であることが好ましぐ lOOppm以下であることがより好ましい。 乳化剤残存量が多 、と、特にポリオール架橋系にお 、て硬化速度が低下する傾向 があり、好ましくない。
[0069] さらに、前記製造方法により得られる含フッ素重合体は、含フッ素重合体水性分散 液から、凝析剤を使用せずに、またはごく少量の凝析剤を使用して含フッ素重合体 を分離するため金属含有率が 50ppm以下であり、 lOppm以下であることがより好ま しぐ lppm以下であることがさらに好ましい。金属含有率が 50ppm以下であることよ り、半導体製造装置分野などのクリーン性が要求される分野において好適に用いるこ とがでさる。
[0070] 本発明において凝析剤を用いる場合は、含フッ素重合体 100重量部に対して、 3 重量部未満であることが好ましぐ 0. 1重量部以下であることがより好ましい。凝析剤 力^重量部以上であると、洗浄工程を経ても得られる含フッ素重合体の金属含有率 を 50ppmに抑えることは困難である。
[0071] 前記製造方法により得られる含フッ素重合体は、引き続き、同処理手段中で加熱し て溶融し、ついで、加圧して溶融した含フッ素重合体を押し出すことができる。
[0072] 溶融時の加熱温度は、含フッ素重合体が溶融する温度であればよ!、ので、含フッ 素重合体の種類によって異なる力 50〜200°Cに加熱することが好ましい。
[0073] また、溶融押出する際の圧力は、常圧〜 lOMPaであることが好ましぐ常圧〜 0. 5 MPaであることがより好まし!/、。
[0074] また本発明の製造方法により得られた含フッ素重合体は、乾燥後の状態が粉末状 の榭脂、または 300°C以下の加熱処理によって粘度が 10万ボイズ以下、より好ましく は 3万ボイズ以下に下がる榭脂またはエラストマ一であることが、本発明で例示する 装置の特性上好ましい。
[0075] また、本発明の硬化性組成物は、前記含フッ素重合体と架橋剤を含むものである。
[0076] 本発明で使用可能な架橋剤としては、採用する架橋系によって適宜選定すればよ い。架橋系としてはポリアミン架橋系、ポリオール架橋系、パーオキサイド架橋系のい ずれも採用できるが、とくにパーオキサイド架橋系で架橋したときに本発明の効果が 顕著に発揮できる。また放射線による架橋も可能である。
[0077] 架橋剤としては、ポリオール架橋系ではたとえば、ビスフエノール AF、ヒドロキノン、 ビスフエノール A、ジァミノビスフエノール AFなどのポリヒドロキシ化合物力 パーォキ サイド架橋系ではたとえば、 a , α ' ビス(t ブチルパーォキシ)ジイソプロピルべ ンゼン、 2, 5 ジメチルー 2, 5 ジ(t—ブチルパーォキシ)へキサン、ジクミルパー オキサイドなどの有機過酸ィ匕物力 S、ポリアミン架橋系ではたとえばへキサメチレンジァ ミンカーバメート、 N, N' —ジシンナミリデン 1, 6 へキサメチレンジァミンなどの ポリアミンィ匕合物があげられる。し力しこれらに限られるものではない。
[0078] 架橋剤の配合量は含フッ素重合体 100重量部に対して 0. 01〜: LO重量部であるこ と力 子ましく、 0. 1〜5重量部であることがより好ましい。架橋剤が、 0. 01重量部より 少ないと、架橋度が不足するため、含フッ素成形品の性能が損なわれる傾向があり、 10重量部をこえると、架橋密度が高くなりすぎるため架橋時間が長くなることに加え、 経済的にも好ましくな 、傾向がある。
[0079] ポリオール架橋系の架橋助剤としては、各種の 4級アンモ-ゥム塩、 4級ホスホ-ゥ ム塩、環状ァミン、 1官能性アミンィ匕合物など、通常エラストマ一の架橋に使用される 有機塩基が使用できる。具体例としては、たとえば、テトラプチルアンモ-ゥムブロミド 、テトラプチルアンモ -ゥムクロリド、ベンジルトリブチルアンモ -ゥムクロリド、ベンジル トリェチルアンモ -ゥムクロリド、テトラプチルアンモ -ゥム硫酸水素塩、テトラブチル アンモ-ゥムヒドロキシドなどの 4級アンモ-ゥム塩;ベンジルトリフエ-ルホスホ -ゥム クロライド、トリブチルァリルホスホ-ゥムクロリド、トリブチル 2—メトキシプロピルホス ホ -ゥムクロリド、ベンジルフエ-ル(ジメチルァミノ)ホスホ-ゥムクロリドなどの 4級ホ スホ-ゥム塩;ベンジルメチルァミン、ベンジルエタノールァミンなどの一官能性ァミン ; 1, 8 ジァザビシクロー [5. 4. 0] ゥンデクー 7 ェンなどの環状ァミンなどがあ げられる。
[0080] パーオキサイド架橋系の架橋助剤としては、トリァリルシアヌレート、トリアリルイソシ ァヌレート(TAIC)、トリス(ジァリルァミン一 s トリァジン)、トリアリルホスファイト、 N, N ジァリルアクリルアミド、へキサァリルホスホルアミド、 N, N, N' , N' —テトラァ リルテトラフタラミド、 N, N, N' , N' —テトラァリルマロンアミド、トリビュルイソシァヌ レート、 2,4,6 トリビュルメチルトリシロキサン、トリ(5 ノルボルネン 2—メチレン) シァヌレートなどがあげられる。これらの中でも、架橋性、架橋物の物性の点から、トリ ァリルイソシァヌレート (TAIC)が好まし!/ヽ。
[0081] 架橋助剤の配合量は含フッ素重合体 100重量部に対して 0. 01〜: LO重量部であ ることが好ましぐより好ましくは 0. 1〜5. 0重量部である。架橋助剤が、 0. 01重量 部より少ないと、架橋時間が実用に耐えないほど長くなる傾向があり、 10重量部をこ えると、架橋時間が速くなり過ぎることに加え、成形品の圧縮永久歪も低下する傾向 がある。
[0082] さらに通常の添加剤として用いられるフィラーを本発明の目的を損なわない限り使 用してもよぐフイラ一としては、たとえば、カーボンブラックやシリカ、ケィ酸塩などの 無機充填剤、酸ィ匕マグネシウムのような金属酸ィ匕物、水酸ィ匕カルシウムのような金属 水酸ィ匕物などをあげることができる。クリーン性が要求される用途には PTFEを基に する ETFE、 PVdFなどのフルォロポリマー、ポリイミドなどの耐熱榭脂、黒鉛化カー ボンブラック、高純度合成石英シリカなどを用いるのが好ま U、。
[0083] 硬化性組成物の調製法および架橋法はとくに制限はなぐたとえば、圧縮成形、押 出し成形、トランスファー成形、射出成形など、従来公知の方法が採用できる。また、 榭脂ゃ金属など他の素材との一体成形、モールドインプレースなどの現地施工型成 形法にも適しており、特に相手材の強度に問題のある樹脂との一体成形に好適に利 用できる。
[0084] 含フッ素エラストマ一組成物は単独で成形することも、他種ポリマーおよびその組 成物とのブレンド品として成形することも可能である。
[0085] 本発明の成形品は、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造 装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドェミッションディスプレイパネルおよび 太陽電池基板等の半導体関連分野、自動車分野、航空機分野、ロケット分野、船舶
分野、プラント等の化学品分野、医薬品等の薬品分野、現像機等の写真分野、印刷 機械等の印刷分野、塗装設備等の塗装分野、分析'理化学機分野、食品プラント機 器分野、原子力プラント機器分野、鉄板加工設備等の鉄鋼分野、一般工業分野、電 気分野、燃料電池分野、電子部品分野、ならびに現場施工型の成形などの分野で 好適に用いることができる。
これらのなかでも、自動車分野では、ガスケット、シャフトシール、バルブステムシ一 ル、シール材およびホースはエンジンならびに周辺装置に用いることができ、ホース およびシール材は AT装置に用いることができ、 0 (角)リング、チューブ、パッキン、 バルブ芯材、ホース、シール材およびダイァフラムは燃料系統ならびに周辺装置に 用いることができる。具体的には、エンジンヘッドガスケット、メタルガスケット、オイル パンガスケット、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、バルブステムシール、マ 二ホールドパッキン、オイルホース、酸素センサー用シール、 ATFホース、インジエタ ター Oリング、インジェクターパッキン、燃料ポンプ Oリング、ダイァフラム、燃料ホース 、クランクシャフトシール、ギアボックスシール、パワーピストンパッキン、シリンダーライ ナ一のシーノレ、バノレブステムのシーノレ、自動変速機のフロントポンプシーノレ、リア一 アクスルビ-オンシール、ユニバーサルジョイントのガスケット、スピードメーターのピ -オンシール、フートブレーキのピストンカップ、トルク伝達の O—リング、オイルシー ル、排ガス再燃焼装置のシール、ベアリングシール、 EGRチューブ、ツインキヤブチ ユーブ、キャブレターのセンサー用ダイァフラム、防振ゴム(エンジンマウント、排気部 等)、再燃焼装置用ホース、酸素センサーブッシュ等として用いることができ、半導体 製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶 パネル、フィールドェミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分 野では、 0 (角)リング、パッキン、シール材、チューブ、ロール、コーティング、ライ- ング、ガスケット、ダイァフラム、ホース等があげられ、これらは CVD装置、ドライエツ チング装置、ウエットエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アツシング 装置、洗浄装置、イオン注入装置、排気装置、薬液配管、ガス配管に用いることがで きる。具体的には、ゲートバルブの Oリング、シール材として、クォーツウィンドウの Oリ ング、シール材として、チャンバ一の Oリング、シール材として、ゲートの Oリング、シー
ル材として、ベルジャーの oリング、シール材として、カップリングの oリング、シール 材として、ポンプの oリング、シール材、ダイァフラムとして、半導体用ガス制御装置の oリング、シール材として、レジスト現像液、剥離液用の oリング、シール材として、ゥェ ハー洗浄液用のホース、チューブとして、ウェハー搬送用のロールとして、レジスト現 像液槽、剥離液槽のライニング、コーティングとして、ウェハー洗浄液槽のライニング 、コーティングとしてまたはウエットエッチング槽のライニング、コーティングとして用い ることができる。さらに、封止材 'シーリング剤、光ファイバ一の石英の被覆材、絶縁、 防振、防水、防湿を目的とした電子部品、回路基盤のポッティング、コーティング、接 着シール、磁気記憶装置用ガスケット、エポキシ等の封止材料の変性材、クリーンル ーム ·クリーン設備用シーラント等として用いられる。
[0087] また、本発明の硬化用組成物は、クリーン性を活かし、磁気記録装置 (ハードデイス クドライブ)用のガスケット、半導体製造装置やウェハー等のデバイス保管庫等のシー リング材等のクリーン設備用シール材に特に好適に用いられる。
[0088] 本発明の硬化用組成物は、耐薬品性、ガス低透過性、難燃性等の特性を活かし、 燃料電池セル電極間やその周辺配管等に用いられるパッキン等の燃料電池用のシ 一ル材等にも特に好適に用いられる。
実施例
[0089] つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定さ れるものではない。
[0090] <含水率測定 >
実質的に水以外の揮発性成分を含まない含フッ素重合体の水分簡易測定法とし て、重量減少率にて代用した。サンプル 10gを 200°Cのオーブンにて 2時間乾燥処 理した前後の重量を精密天秤で測定し、重量減少量を熱処理前の重量で除した値 (
%)とする。
[0091] <残留乳化剤量測定 >
高速液体クロマト質量分析計(Waters社製 2695、検出器 Quattro Micro API
、カラム Atlantis dC18、溶媒:ァセトニトリル 55%、 0. 6%酢酸水溶液 45%混合 物)により測定した。
[0092] <ム一二一粘度 >
ASTM— D1646および JIS K6300に準拠して測定する。
測定機器: ALPHA TECHNOLOGIES社製 MV2000E型
ローター回転数: 2rpm
測定温度: 100°C
[0093] <金属含有量 >
試料を白金製の蒸発皿に入れ、 500°Cにて 30分灰化後、高純度塩酸(35%)に溶 解し、フレームレス原子吸光分光光度計にて測定した。
測定機器:偏光ゼーマン原子吸光光度計 Z— 8100 ( (株)日立製作所製)
[0094] 重合体 (エラストマ一)を下記標準配合と標準加硫条件にて加硫する。
[0095] (標準配合 1)
含フッ素エラストマ一 loo重:! t部
トリアリルイソシァヌレー -卜(TAIC) 4重 J t部
パーへキサ 25B 1. 5重 J部
カーボンブラック MT - C 20重鼈部
[0096] (標準配合 2)
含フッ素ポリマー 100重量部
ビスフエノール AF 2. 17重量部
ベンジルトリフエ-ルホスホ -ゥムクロライド 0. 43重量部
高活性酸ィ匕マグネシウム 3重量部
カーボンブラック MT— C 20重量部
水酸化カルシウム 6重量部
[0097] (標準加硫条件 1)
混練方法 :ロール練り
プレス加硫 :160°Cで 10分
オーブン加硫: 180°Cで 4時間
[0098] (標準加硫条件 2)
混練方法 :ロール練り
プレス加硫 :170°Cで 10分間
オーブン加硫: 230°Cで 24時間
[0099] <圧縮永久歪み >
JIS K6301に準じて O—リング (AS— 568A- 214)の 25%圧縮永久歪みを測定 する。
[0100] < 100%モジュラス(M100) >
表 1に示す硬化性組成物を標準加硫条件で 1次プレス加硫および 2次オーブンカロ 硫して厚さ 2mmのシートとし、 JIS— K6251に準じて測定する。
[0101] く引張破断強度 (Tb)および引張破断伸び (Eb) >
表 1に示す硬化性組成物を標準加硫条件で 1次プレス加硫および 2次オーブンカロ 硫して厚さ 2mmのシートとし、 JIS— K6251に準じて測定する。
[0102] <加硫特性 >
1次プレス加硫時に JSR型キユラストメータ V型を用いて 160°Cにおける加硫曲線を 求め、最低粘度 (ML)、加硫度 (MH)、誘導時間 (T10)および最適加硫時間 (T90 )を求める。
[0103] <ショァ A硬度 >
ASTM D2240に準拠して、測定を行う。具体的には、高分子計器 (株)製アナ口 グ硬さ計の A型を用いて測定を行う。
[0104] <ポリマー濃度測定 >
ポリマー乳化液約 2gを蒸発皿に計量し、オーブンで 200°C、 2時間加熱処理し、下 記式よりポリマー濃度を求める。
ポリマー濃度 (重量%) = [ (処理後のポリマー残量) / (処理前の乳化液量) ] X 100 [0105] 製造例 1 (シードポリマー粒子の重合)
攪拌装置として、電磁誘導攪拌装置を有する内容積 1. 8リットルの重合槽に、純水 720g、 10重量0 /0のパーフルォロオクタン酸アンモ-ゥム水溶液 290g、およびマロン 酸ジェチル 0. 6gを仕込み、系内を窒素ガスで充分置換したのち減圧にした。この操 作を 3回繰り返し、減圧状態で VdF20gと HFP51gを仕込み、攪拌下に 80°Cまで昇 温した。ついで、純水 0. 6gに溶解した過硫酸アンモ-ゥム塩 (APS) O. 02gを窒素
ガスにて圧入して重合を開始した。重合圧力を 2MPaとし、重合時の圧力低下を補う ため、 VdFZHFP混合モノマー(78Z22 (モル%) )の連続的に供給し、攪拌下に 重合を行った。重合終了までに、 215gのモノマーを槽内に供給した。
[0106] 得られた乳濁液の重量は 1233g、ポリマー濃度が 18. 1重量%であり、ポリマー粒 子の数は、 1. 2 X 1016個/水 lgの乳化液を得た。 30分後に攪拌を止め、モノマーを 放出して重合を停止した。
[0107] 製造例 2 (含フッ素エラストマ一乳化物の製造)
製造例 1と同様の電磁誘導攪拌装置を有する内容積 50リットルの重合槽に、純水 3 2. 8kgと製造例 1で製造したポリマー粒子の水性分散液 650gと 10重量%のパーフ ルォロオクタン酸アンモ-ゥム水溶液 150gを仕込み、系内を窒素ガスで充分置換し たのち減圧した。この操作を 3回繰り返し、減圧状態で、 VdF4. Okgと HFP16. 3kg を仕込み、攪拌下に 80°Cまで昇温した。ついでォクタフルオロー 1, 4 ジョードブタ ン 150gと純水 50gに溶解した APS1. 68gを窒素ガスにて圧入して重合を開始し、 ( a)および (b)の条件で重合を継続し、 2. 8時間後に攪拌を止め、モノマーを放出し て重合を停止した。
[0108] (a) VdFZHFP (95/5 (モル%) )モノマー混合物を連続的に供給し、気相部分の 圧力を 6MPaに維持した。また、重合終了までに、 7. 4kgのモノマーを槽内に供給し た。
(b)攪拌速度を 230rpmで維持した。
[0109] 得られた乳濁液の重量は 47. 6kg、ポリマー濃度が 30. 5重量%であり、ポリマー 粒子の数は、 2. 4 X 1014個/水 lgであった。また、含フッ素エラストマ一としては 14 . 5kgであり、 GPCで測定した重量平均分子量 Mwは 8. 5万、数平均分子量 Mnは 4 . 5万、 MwZMnは 1. 9であった。また、 19F—NMRで測定した重合体の組成は Vd F/HFP = 78/22 (モル%)であった。得られた含フッ素重合体の 100°Cにおける ム一-一粘度(100°Cにおける ML )は 7であった。
1+10
[0110] 製造例 3 (含フッ素エラストマ一乳化物の製造)
製造例 1と同様の電磁誘導攪拌装置を有する内容積 50リットルの重合槽に、純水 3 2. 8kgと 2, 3, 3, 3—テ卜ラフルォ口一 2— [1, 1, 2, 3, 3, 3 へキサフルォロ一 2
[ (1, 1, 2—トリフルオロー 2—プロべ-ル)ォキシ]プロポキシ]プロピオン酸アンモ -ゥム水溶液 3. 3g、マロン酸ジェチル 460gを仕込み、系内を窒素ガスで充分置換 したのち減圧した。この操作を 3回繰り返し、減圧状態で、 VdF4. Okgと HFP16. 3k gを仕込み、攪拌下に 80°Cまで昇温した。 APS9. 84gを窒素ガスにて圧入して重合 を開始し、(a)および (b)の条件で重合を継続し、 2. 5時間後に攪拌を止め、モノマ 一を放出して重合を停止した。
[0111] (a)VdFZHFP (95Z5 (モル%) )モノマー混合物を連続的に供給し、気相部分の 圧力を 6MPaに維持した。また、重合終了までに、 7. 4kgのモノマーを槽内に供給し た。
(b)攪拌速度を 230rpmで維持した。
[0112] 得られた乳濁液の重量は 47. 6kg、ポリマー濃度が 30. 3重量%であり、ポリマー 粒子の数は、 3. 4 X 1014個/水 lgであった。また、含フッ素エラストマ一としては 14 . 5kgであり、 GPCで測定した重量平均分子量 Mwは 11万、数平均分子量 Mnは 6. 0万、 MwZMnは 1. 8であった。また、 19F— NMRで測定した重合体の組成は VdF ZHFP = 78Z22 (モル0 /0)であった。得られた含フッ素重合体の 100°Cにおけるム 一-一粘度(100°Cにおける ML )は 8であった。
1+10
[0113] 実施例 1
製造例 2で得られた乳濁液 200kgを、付帯設備として真空ポンプ、コンデンサーを 有する縦型のオートクレープに仕込み、 3〜: LOrpmで攪拌しながらジャケット温度を 約 160°Cに加熱し、大気圧から lOOtorrの真空下、揮発する水蒸気をコンデンサー で捕集した。約 5時間後、さらに 200kgの原料を追加し、同様の操作を行った。内部 温度が 150°C以上の状態になった時点で真空を解除し、 0. 05MPaの加圧状態で 底部バルブより含フッ素重合体を抜き出した。得量は 100kg (収率 93%)、得られた 含フッ素重合体の 100°Cム一-一粘度は 7であった。また、得られた含フッ素重合体 の 130°Cにおける粘度は 1. 7万ボイズであった。このポリマーの含水率、乳化剤含 有率、金属含有率を表 1に示す。さらに、得られた含フッ素重合体を標準配合条件 1 にて硬化性組成物を調製し、標準加硫条件 1にて測定した加硫物性を表 2に示す。
[0114] 実施例 2
製造例 2で得られた乳濁液 55kgを、付帯設備として真空ポンプ、コンデンサーを有 する二軸処理装置 (商品名: SCプロセッサ、販売元:(株)栗本鐡ェ所) 1分間あたり 約 400g (装置内滞留時間は約 15分)の速度で仕込み、 lOOtorrの真空下、ジャケッ ト温度約 160°Cに加熱し、揮発する水蒸気はコンデンサーで捕集しながら、排出部よ り連続的に含フッ素重合体が得られた。得量は 16kg (収率 95%)、得られた含フッ素 重合体の 100°Cム一-一粘度は 7であった。また、得られた含フッ素重合体の 130°C における粘度は、 1. 7万ボイズであった。このポリマーの含水率、乳化剤含有率、金 属含有率を表 1に示す。さらに、得られた含フッ素重合体を標準配合条件 1にて硬化 性組成物を調製し、標準加硫条件 1にて測定した加硫物性を表 2に示す。
[0115] 実施例 3
製造例 2で得られた乳濁液 55kgを、付帯設備として真空ポンプ、コンデンサーを有 する 130Lの横型ミキサー(商品名:レーディゲミキサー、販売元:(株)マツボー)に仕 込み、ジャケット温度を約 160°Cに加熱し、 500torr以下で揮発する水蒸気をコンデ ンサ一で捕集した。約 1. 5時間後、内部温度が 150°Cを超えた状態で大気圧状態 に戻し、底部バルブより含フッ素重合体を抜き出した。得量は 15. 9kg (収率 95%)、 得られた含フッ素重合体の 100°Cム一-一粘度は 7であった。また、得られた含フッ 素重合体の 130°Cにおける粘度は 1. 7万ボイズであった。このポリマーの含水率、 乳化剤含有率、金属含有率を表 1に示す。さらに、得られた含フッ素重合体を標準 配合条件 1にて硬化性組成物を調製し、標準加硫条件 1にて測定した加硫物性を表 2に示す。
[0116] 実施例 4
製造例 3で得られた乳濁液 55kgを、実施例 3と同様の条件で加熱乾燥処理を行つ た。得量は 15. 8kg (収率 95%)、得られた含フッ素重合体の 100°Cム一-一粘度は 8であった。また、得られた含フッ素重合体の 130°Cにおける粘度は 1. 8万ボイズで あった。このポリマーの含水率は 0. 05 (重量%)であり、乳化剤含有率は検出されな かった。さらに、得られた含フッ素重合体を標準配合条件 2にて硬化性組成物を調製 し、標準加硫条件 2にて測定した加硫物性を表 2に示す。
[0117] [表 1]
表 1
[0118] [表 2] 衣 ^
[0119] 本発明の含フッ素重合体の製造方法は、加熱処理という簡単な方法で、低粘度の 含フッ素重合体であっても、効率良く分離することができ、容易に含フッ素重合体を
製造することができるものである。