JP2001233918A - 加硫性が改善された含フッ素エラストマーおよび加硫成形体 - Google Patents

加硫性が改善された含フッ素エラストマーおよび加硫成形体

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JP2001233918A
JP2001233918A JP2000044721A JP2000044721A JP2001233918A JP 2001233918 A JP2001233918 A JP 2001233918A JP 2000044721 A JP2000044721 A JP 2000044721A JP 2000044721 A JP2000044721 A JP 2000044721A JP 2001233918 A JP2001233918 A JP 2001233918A
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Hideya Saito
秀哉 斎藤
Mitsuro Tsukamoto
充郎 塚本
Masao Otsuka
正男 大塚
Tatsuya Morikawa
達也 森川
Takuo Matsumoto
拓郎 松本
Mitsuhiro Otani
充宏 大谷
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F214/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
    • C08F214/18Monomers containing fluorine
    • C08F214/28Hexyfluoropropene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F210/00Copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F210/02Ethene

Abstract

(57)【要約】 【課題】 含フッ素エラストマーの加硫特性を改善し、
かつ使用できる加硫剤の選択の幅を広げる。 【解決手段】 エチレンとヘキサフルオロプロピレンと
イソシアヌル酸トリアリルなどの反応性二重結合を2〜
3個有する多二重結合化合物と、要すれば他の共重合可
能な単量体を共重合することにより得られる加硫点を導
入した加硫可能な含フッ素エラストマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋点として特定
の化合物を導入してなる加硫可能な含フッ素エラストマ
ー、それを含む加硫用組成物、およびオイルシールなど
して特に有用な加硫成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニリデンフルオライド(VdF)/ヘ
キサフルオロプロピレン(HFP)共重合体やVdF/
HFP/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体な
どの含フッ素エラストマー(フッ素ゴム)は、その卓越
した耐熱性、耐薬品性、耐油性などの特性から、高温や
種々の薬品への曝露など苛酷な使用条件が要求される分
野、たとえば自動車産業、航空機産業、半導体産業など
の分野で各種の部品の材料として使用されている。
【0003】こうした分野の中でも、フッ素ゴムの最大
の用途は自動車関連機器のシール材やホース材などであ
る。特に各種オイルや燃料に曝露される部分に使用され
るゴム材料には、耐熱性および耐油性はもとよりエンジ
ンオイルに酸化防止剤、摩擦防止剤として添加されてい
るアミン系化合物などへの耐薬品性(耐アミン性)が要
求される。近年の自動車の低燃費化、高出力化の要請か
ら、エンジンオイルにもより一層苛酷な使用条件に耐え
得ることが要求されるようになり、前記アミン系化合物
の添加量は多くなる傾向にあり、前記のような従来型の
フッ素ゴムでは対応できなくなってきている。
【0004】そこで、耐アミン性のフッ素ゴムとしてエ
チレン(E)とHFPとのエラストマー性の共重合体が
注目されるようになった。このE/HFP共重合体は従
来のフッ素ゴムと同様な機械的特性をもち、かつ従来の
フッ素ゴムに近い耐熱性、耐溶剤性、耐油性を有してい
る(日本化学会誌、1980(1)、112〜120
頁、特開昭49−31785号公報、特開昭49−76
942号公報、特開昭49−83738号公報、特開昭
49−83789号公報、特開昭50−83440号公
報、特開平6−824175号公報など)。
【0005】E/HFP共重合体からなるフッ素ゴム
は、そうした特性を利用してつぎのような自動車のエン
ジンやトランスミッション、シャーシなどの各種部品と
しての効果が期待される。
【0006】エンジン系統としてはつぎのものが代表的
に例示できる。 (エンジン本体関連) ガスケット類:シリンダーヘッドガスケット、シリンダ
ーヘッドカバーガスケット、オイルパッキン、タイミン
グベルトカバーガスケットなど エンジンオイルシール類:O−リング、パッキンなど エンジン本体ホース類:コントロールホースなど その他:パワーピストンパッキン、シリンダーライナー
のシールなど (シャフト関連)クランクシャフトシール、カムシャフ
トシールなど (バルブ関連)バルブステムオイルシールなど (エンジンオイルクーラー関連)エンジンオイルクーラ
ーホース、オイルリターンホース、シールガスケットな
ど (バキュームポンプ関連)バキュームポンプオイルホー
スなど (燃料ポンプ関連)燃料ポンプ用オイルシール、燃料ポ
ンプ用ダイヤフラム、燃料ポンプ用バルブなど (燃料ホース関連)フィラー(ネック)ホース、燃料供
給ホース、燃料リターンホース、ベーパー(エバポ)ホ
ース、ベント(ブリーザー)ホースなど (燃料タンク関連)インタンクホース、フィラーシー
ル、タンクパッキン、インタンクフューエルポンプマウ
ントなど (燃料チューブ関連)燃料チューブ、燃料チューブのコ
ネクタ用O−リングなど (燃料噴射装置関連)インジェクタークッションリン
グ、インジェクターシールリング、インジェクターO−
リング、燃料噴射装置用プレッシャーレギュレーターダ
イヤフラムなど (キャブレター関連)ニードルバルブ芯弁、加速ポンプ
ピストンパッキン、フランジガスケット、キャブレター
用コントロールホース、キャブレターのセンサー用ダイ
ヤフラムなど (複合空気制御装置関連)複合空気制御装置バルブシー
ト、複合空気制御装置用ダイヤフラムなど (マニホールド関連)吸気マニホールドパッキン、排気
マニホールドパッキンなど (排気再循環装置関連)排気再循環装置ダイヤフラム、
排気再循環装置コントロールホースなど (BPT関連)BPT用ダイヤフラムなど (アフターバーン装置関連)アフターバーン防止バルブ
シートなど (スロットル関連)スロットルボディパッキンなど (ターボチャージャー関連)供給用ターボオイルホー
ス、リターン用ターボオイルホース、ターボエアーホー
ス、ターボチャージャー用インタークーラーホース、タ
ーボチャージャー用タービンシャフトシールなど (その他)パワーピストンパッキン、シリンダーライナ
ーのシールなどトランスミッション系統ではつぎのもの
が代表的にあげられる。 (トランスミッション関連)トランスミッション用のベ
アリングシールやオイルシール、O−リング、パッキン
など、トルクコンバータ用ホースなど (オートマティックトルクコンバータ(AT)関連)ミ
ッションオイルシール、ATFオイルシール、AT用の
O−リングやパッキン、フロントポンプシールなど またシャーシ系統ではつぎのものが代表的にあげられ
る。 (ステアリング関連)パワーステアリングオイルホース
など (ブレーキオイルホース関連)ブレーキオイル用のホー
ス、オイルシール、O−リング、パッキンなど (ブレーキ系のマスターバック関連)マスターバック用
の大気弁、真空弁、ダイヤフラムなど (ブレーキ系のマスターシリンダー関連)マシターシリ
ンダーのピストンキャップ(ゴムキャップ)など (キャリパー関連)キャリパーシールなど (ブーツ関連)ブーツなど
【0007】さらにその他のものとして、たとえばギヤ
ボックスオイルシール、ディファレンシャルオイルシー
ル、リアーアクスルピニオンシール、ユニバーサルジョ
イントのガスケット、スピードメーターのピニオンシー
ル、トルク伝達用のO−リングやオイルシール、ツイン
キャブチューブなどがあげられる。
【0008】このE/HFP共重合体を成形体として使
用する場合、加硫工程を経なければならないことは、一
般のゴムと同じである。加硫系としては各種の方法が知
られている。加硫系としては有機過酸化物を使用するパ
ーオキサイド加硫系が採用されていることが多いが、F
/HFP系共重合体が比較的主鎖構造がパーオキサイド
に対して安定であるという理由から、E/HFP系共重
合体の加硫に適する有機過酸化物は種類が限られてお
り、実用的な加硫剤はジクミルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシベンゾエートなどの狭い範囲に限られて
いるのが現状である。しかもそれらのパーオキサイド加
硫剤を使用した場合、臭気がきつく作業環境が厳しくな
ったり、成形体に発泡が生じやすくなったりするという
問題があった。
【0009】ところでフッ素ゴムに加硫点を付与して加
硫性を向上させる試みとして、特許第2561769号
公報に、VdFやTFE、クロロトリフルオロエチレン
(CTFE)、フッ化ビニルなどのフッ素原子を1〜4
個有する含フッ素エチレンユニットを50モル%以上含
み、式(III):
【0010】
【化4】
【0011】および式(IV):
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R11、R12、R14およびR15は相
互に独立に末端二重結合を有する炭素数3〜6のアルケ
ニルを表わし、R13およびR16は相互に独立に末端二重
結合を有する炭素数3〜6のアルケニルまたは炭素数1
〜5のアルキル基を表わす)で示されるイソシアヌル酸
アルケニルおよびシアヌル酸アルケニルよりなる群から
選択した1種または2種以上を0.1〜5モル%共重合
した103〜107g/モルの平均分子量をもつ非架橋共
重合体を使用することが提案されている。
【0014】しかし特許第2561769号公報には含
フッ素エチレンユニットを含まないE/HFP系共重合
体については具体的に言及されておらず、また、反応性
二重結合を変化させた場合の加硫性の変化については示
唆されていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
フッ素ゴムに近い耐熱性、耐油性、耐薬品性などを維持
しながら、必要かつ充分な耐アミン性を有し、しかもパ
ーオキサイド加硫剤として幅広い加硫剤が使用可能な含
フッ素エラストマーを得ることを課題として鋭意研究を
重ねた結果、特定の反応性二重結合を2〜3個有する多
二重結合化合物を加硫点導入用の化合物として用いるこ
とにより、パーオキサイド加硫剤の選択の幅が広がるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)エチレン、(B)ヘキサフルオロプロピレン、
(C)式(I):
【0017】
【化6】
【0018】(式中、R1は式(a):
【0019】
【化7】
【0020】(式中、R7は単結合手または分岐鎖状も
しくは直鎖状の炭素数1〜4のアルキレン基、R8、R9
またはR10は同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜
3のアルキル基、フェニル基または水素原子)で表わさ
れる基、R2またはR3は同じかまたは異なり、いずれも
水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または前記式
(a)で表わされる基。ただしR2またはR3のいずれか
一方は式(a)で表わされる基である)、または 式(II):
【0021】
【化8】
【0022】(式中、R4は前記式(a)で表わされる
基、R5またはR6は同じかまたは異なり、いずれも水素
原子、炭素数1〜5のアルキル基または前記式(a)で
表わされる基。ただしR5またはR6のいずれか一方は式
(a)で表わされる基である)で示される反応性二重結
合を2〜3個有する多二重結合化合物、および(D)エ
チレン(A)、ヘキサフルオロプロピレン(B)および
/または多二重結合化合物(C)と共重合可能な単量体
(D)との共重合体であって、(A)/(B)/(C)
/(D)の共重合比がモル%で10〜75/15〜50
/0.01〜5/0〜40であり、数平均分子量が10
00〜2000000である加硫可能な含フッ素エラス
トマーに関する。
【0023】本発明はさらに、この加硫可能な含フッ素
エラストマーとパーオキサイド系加硫剤とからなる加硫
組成物、この加硫組成物を成形加硫して得られるオイル
シール部品などの加硫成形体にも関する。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の加硫可能な含フッ素エラ
ストマーは、エチレン(A)とHFP(B)と多二重結
合化合物(C)と他の共重合可能な単量体(D)とを前
記のモル%比で共重合して得られるものである。
【0025】加硫点を付与する多二重結合化合物(C)
は、前記式(I)または(II)で示される化合物であ
る。
【0026】多二重結合化合物(C)としては、式
(I)中のR1がアリル基またはメタアリル基であり、R
2またはR3のいずれか1つが式(a)で示される基で残
りが水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または式
(a)で示される基である化合物、式(II)中のR4
アリル基またはメタアリル基であり、R5またはR6のい
ずれか1つが式(a)で示される基で残りが水素原子、
炭素数1〜5のアルキル基または式(a)で示される基
である化合物が、生成共重合体の耐熱性を向上できる点
から好ましい。
【0027】そして、式(I)中のR1、R2またはR3
同じかまたは異なりいずれもアリル基またはメタアリル
基である化合物、または式(II)中のR4、R5またはR
6が同じかまたは異なりいずれもアリル基またはメタア
リル基である化合物を使用するときは、共重合性および
加硫特性に特に優れている。いずれの場合も、反応性二
重結合を有する基(a)は同一でも異なっていてもよ
い。異なる場合は、共重合性と加硫性とを制御できる場
合がある。
【0028】具体例としては、たとえばつぎのものがあ
げられる。 (式(I)で示されるイソシアヌル酸化合物) 反応性二重結合を3個有するイソシアヌル酸化合物:イ
ソシアヌル酸トリアリル(TAIC)、イソシアヌル酸
トリメタリル(TMAIC)のほか、
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】など。 反応性二重結合を2個有するイソシアヌル酸化合物:
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
【0042】など。
【0043】(式(II)で示されるシアヌル酸化合物) 反応性二重結合を3個有するシアヌル酸化合物:
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】
【化23】
【0047】
【化24】
【0048】
【化25】
【0049】など。 反応性二重結合を2個有するシアヌル酸化合物:
【0050】
【化26】
【0051】
【化27】
【0052】
【化28】
【0053】
【化29】
【0054】
【化30】
【0055】
【化31】
【0056】
【化32】
【0057】など。
【0058】これらのうち、エチレン(A)およびヘキ
サフルオロプロピレンとの共重合性が良好な点、生成し
たポリマーの耐熱性が向上する点から、TAICが好ま
しい。
【0059】共重合可能な単量体(D)としては、たと
えばTFE、CTFE、VdF、トリフルオロエチレ
ン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAV
E)およびペンタフルオロプロピレンよりなる群から選
ばれた少なくとも1種との混合単量体があげられる。こ
れらのうち、重合生産性が高く得られるポリマーが耐油
性に優れる点から、TFE、PAVEまたはVdFが好
ましい。
【0060】エチレン(A)、HFP(B)、多二重結
合化合物(C)および共単量体(D)との共重合比は、
モル%で10〜75/15〜50/0.01〜5/0〜
40、好ましくは30〜70/20〜50/0.03〜
2/0〜20である。
【0061】本発明の含フッ素エラストマーの分子量
は、数平均分子量で1000〜2000000、重量平
均分子量で2000〜4000000である。
【0062】本発明の含フッ素エラストマーの製造は、
一般的なラジカル重合法により行なうことができる。重
合形態は乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合のい
ずれも採用できるが、工業的に実施が容易で高分子量体
を得やすいことから、乳化重合法および懸濁重合法が有
利である。
【0063】ラジカル重合に使用するラジカル重合開始
剤としては、たとえば有機または無機の過酸化物、過硫
酸塩、アゾ化合物などが使用できる。
【0064】有機過酸化物としては、たとえば2,5−
ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキル
パーオキサイド;イソブチルパーオキサイド、3,5,
5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノ
イルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステ
アロイルパーオキサイド、スクシニックアシッドパーオ
キサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジノルマルプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパー
オキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘ
キシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシ
エチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチ
ルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボ
ネート;1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキ
シネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチル
エチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパー
オキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−
ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラ
メチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノ
イルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−
メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、
t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t
−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブ
チルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキ
シイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキ
シ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチル
パーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロ
ピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチ
ルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシア
セテートなどのパーオキシエステル;
【0065】
【化33】
【0066】などがあげられる。
【0067】無機過酸化物としては、たとえば過酸化水
素があげられる。
【0068】過硫酸塩としては、たとえば過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどがあげ
られる。
【0069】また過酸化物と過硫酸塩の場合、還元剤と
組み合わせて使用することも可能である。還元剤として
は、たとえば亜硫酸、次亜硫酸、メタ重亜硫酸、重亜硫
酸、ピロ亜硫酸、チオ硫酸、亜ニチオン酸、チオ亜硫
酸、亜リン酸もしくはハイドロ亜リン酸のナトリウム、
カリウムもしくはアンモニウム塩、または容易に酸化さ
れ得る金属化合物、たとえば第1鉄、第1銅および銀の
塩などが例示できる。
【0070】アゾ化合物としては、たとえばシアノ−2
−プロピルアゾホルムアミド、1,1′−アゾビス(シ
クロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス[N
−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミ
ド]、ポリジメチルシロキサンセグメント含有マクロア
ゾ化合物、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチ
ルペンタン)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4′−アゾビ
ス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビスイソ酪酸
ジメチル、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリ
ン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2′−アゾビ
ス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二
硫酸塩二水和物、2,2′−アゾビス[2−(2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2′−アゾビス
{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチ
ル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、
2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス
(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、
2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキ
シチル)プロピオンアミド]、2,2′−アゾビスイソ
ブチルアミド二水和物、2,2′−アゾビス[2−(ヒ
ドロキシメチル)プロピオニトリル]などがあげられ
る。
【0071】ラジカル重合開始剤はモノマー全量の0.
001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%と
する。
【0072】本発明の製造法における重合法としてヨウ
素移動重合法(特開昭53−125491号公報参照)
も採用することができる。その場合、一般式:R(I)
x(Br)y(式中、Rは炭素数1〜16の飽和もしく
は不飽和の2価のフルオロ炭化水素基または2価のクロ
ロフルオロ炭化水素基または炭素数1〜3の飽和もしく
は不飽和の2価の炭化水素基であり、xおよびyは0.
1または2であり、x+y=2である)で表わされるヨ
ウ素化合物の存在下に重合するとき、重合速度が大きく
なる点で有利である。
【0073】ヨウ素化合物としては、たとえば1,3−
ジヨードパーフルオロプロパン、1,3−ジヨード−2
−クロロパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパー
フルオロブタン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロ
パーフルオロペンタン、1,6−ジヨードパーフルオロ
ヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン、
1,12−ジヨードパーフルオロドデカン、1,16−
ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、
1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロ
パン、CF2Br2、BrCF2CF2Br、CF3CFB
rCF2Br、CFClBr2、BrCF2CFClB
r、CFBrClCFClBr、BrCF2CF2CF2
Br、BrCF2CFBrOCF3、1−ブロモ−2−ヨ
ードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパー
フルオロプロパン、1−ブロモ−4−ヨードパーフルオ
ロブタン、2−ブロモ−3−ヨードパーフルオロブタ
ン、3−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、
2−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、ベン
ゼンの各種置換位置のモノヨードモノブロモ置換体、ジ
ヨードモノブロモ置換体、モノヨードジブロモ置換体、
(2−ヨードエチル)および(2−ブロモエチル)置換
体などがあげられる。
【0074】これらの中でも、重合反応性、架橋反応
性、入手の容易さなどから、1,4−ジヨードパーフル
オロブタン、ジヨードメタンなどが好ましい。
【0075】そのほかのヨウ素含有モノマーとして、た
とえば特公平5−63482号公報や特開昭62−12
734号公報に記載されているパーフルオロ(6,6−
ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)、
パーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテ
ン)などのパーフルオロビニルエーテルのヨウ素化物も
共重合できる。
【0076】乳化重合の場合、重合温度は5〜150
℃、重合時間は0.5〜100時間でよい。乳化剤とし
てはたとえば式:A(CF2nCOOM(式中、Aは水
素原子またはフッ素原子、MはNH4、NaまたはK、
nは6〜9の整数)、式:
【0077】
【化34】
【0078】(式中、Mは上記と同じ、mは1〜5の整
数)で示される化合物があげられる。
【0079】また、乳化重合の場合、重合生成物を通
常、凝析法により分離回収する。この凝析工程では、金
属塩を使用するいわゆる塩析のほか、金属の混入を回避
したい場合は酸を加えて凝析させてもよいし、凍結によ
る凝析方法も採用可能である。
【0080】本発明はさらに、前記含フッ素エラストマ
ーとパーオキサイド系加硫剤、要すれば加硫助剤からな
る加硫用組成物に関する。
【0081】本発明の含フッ素エラストマーは前記のと
おり、パーオキサイド加硫において加硫剤の選択の幅が
広がった点に特異な効果を有している。そこで、本発明
の加硫用組成物の加硫法としてパーオキサイド加硫法に
ついて説明する。
【0082】パーオキサイド加硫に用いる過酸化物とし
ては通常、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシ
ラジカルを発生する有機系の過酸化物が好ましく使用さ
れる。具体例としては、たとえば1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキ
サン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパ
ーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブ
チルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベン
ゼン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)−ヘキサ
ン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネートなどがあげられる。こ
れらの中でもジアルキル系、特にt−ブチルパーオキシ
ベンゾエートと2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイドが
好ましい。
【0083】有機過酸化物の使用量は有機過酸化物中の
活性な−O−O−結合量、分解温度などを考慮して適宜
決定すればよく、通常、エラストマー100重量部(以
下、「部」という)あたり0.05〜10部、好ましく
1.0〜5部である。
【0084】有機過酸化物によるパーオキサイド加硫で
は、加硫助剤(加硫促進剤)を使用することにより、硬
化(加硫)が顕著に促進される。そうした加硫助剤とし
ては従来より使用されているものがあげられ、たとえば
トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリメタリルイソシアヌレート、トリアクリルホル
マール、トリアリルトリメリテート、N,N′−m−フ
ェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレー
ト、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレート
アミド、トリアリルホスフェートなどがあげられ、特に
トリアリルイソシアヌレートが好ましい。使用量は、エ
ラストマー100部あたり通常、0.1〜10部、好ま
しくは0.5〜5部である。
【0085】パーオキサイド加硫は、従来と同様に行な
うことができる。たとえば、本発明のエラストマーとパ
ーオキサイド系加硫剤、要すれば加硫助剤、さらには適
宜混合可能な他の添加剤とをロール練り後金型に入れ加
圧して1次加硫し、ついで2次加硫する方法があげられ
る。一般に1次加硫の条件は、温度100〜200℃
で、時間5〜60分間、圧力2〜10MPa程度の範囲
から採用され、2次加硫の条件は温度150〜300℃
で、時間30分間〜30時間程度の範囲から採用され
る。
【0086】本発明の加硫成形体は、優れた耐熱性、耐
油性、耐アミン性、耐薬品性を有しており、前記のとお
り自動車産業、航空機産業、半導体産業における各種部
品に使用できる。特に、耐熱性、耐油性、耐アミン性を
活かして、オイルシール用の部品、たとえば自動車のエ
ンジンオイル用のホースやオイルシールなどに好適であ
る。そのほかの好適な成形品をつぎに列挙する。
【0087】一般的適用成形品:自動車、船舶、航空機
などの輸送機関における耐アミン、耐油、耐薬品、耐ス
チームあるいは耐候用のパッキング、O−リング、ホー
ス、その他のシール材、ダイヤフラム、バルブに、また
化学プラントにおける同様のパッキング、O−リング、
シール材、ダイヤフラム、バルブ、ホース、ロール、チ
ューブに、食品プラント機器および食品機器(家庭用品
を含む)における同様のパッキング、O−リング、ホー
ス、シール材、ベルト、ダイヤフラム、バルブ、ロー
ル、チューブに、原子力プラント機器における同様のパ
ッキング、O−リング、ホース、シール材、ダイヤフラ
ム、バルブ、チューブに、一般工業部品における同様の
パッキング、O−リング、ホース、シール材、ダイヤフ
ラム、バルブ、ロール、チューブ、マンドレル、電線、
フレキシブルジョイント、ベルト、ゴム板、ウェザース
トリップ、PPC複写機のロールブレードなどへの用途
に好適である。
【0088】さらに具体的には、以下のような用途を示
すことができる。 (イ)自動車関連 前記の種々の自動車関連用途に使用できる。 (ロ)化学工業関連 シール用途: ・化学薬品用ポンプ、流動計、配管のシール、 ・熱交換器のシール、 ・硫酸製造装置のガラス冷却器パッキング、 ・農薬散布機、農薬移送ポンプのシール、 ・ガス配管のシール、 ・メッキ液用シール、 ・高温真空乾燥機のパッキン、 ・製紙用ベルトのコロシール、 ・燃料電池のシール、 ・風洞のジョイントシール ロール用: ・耐トリクレン用ロール(繊維染色用) その他の用途: ・耐酸ホース(濃硫酸用)、 ・ガスクロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結
合部のパッキン、 ・塩素ガス移送ホース、 ・ベンゼン、トルエン貯槽の雨水ドレンホース、 ・分析機器、理化学機器のシール、チューブ、ダイヤフ
ラム、弁部品 (ハ)一般機器、機械関連 シール用途: ・油圧、潤滑機械のシール、 ・ベアリングシール、 ・乾式複写機のシール、 ・ドライクリーニング機器の窓、その他のシール、 ・六フッ化ウランの濃縮装置のシール、 ・サイクロトロンのシール(真空)バルブなど、 ・自動包装機のシール その他の用途: ・印刷設備の印刷ロール、スクレーパー、チューブ、弁
部品、 ・塗布、塗装設備の塗布ロール、スクレーパー、チュー
ブ、弁部品、 ・プリンターのインキチューブ、ロール、ベルト、 ・乾式複写機のベルト、ロール、 ・空気中の亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイヤ
フラム(公害測定器)、 ・印刷機のロール、ベルト、 ・酸洗い用絞りロール (ニ)航空機関連 ・ジェットエンジンバルブステルシール、 ・燃料供給用ホース、ガスケットおよびO−リング、 ・ローテーティングシャフトシール、 ・油圧機器のガスケット、 ・防火壁シール (ホ)船舶関連 ・スクリューのプロペラシャフト船尾シール、 ・ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、 ・バタフライバルブのバルブシール、 ・バタフライ弁の軸シール (ヘ)食品、医薬関連 ・プレート式熱交換器のシール、 ・自動販売機の電磁弁シール、 ・薬栓 (ト)電機関連 ・新幹線の絶縁油キャップ、 ・液封型トランスのベンチングシール、 ・油井ケーブルのジャケット
【0089】さらに、本発明の成形体は、半導体、液晶
パネル、プラズマディスブレイパネル、プラズマアドレ
ス液晶パネル、フィールドエミッションディスブレイパ
ネル、太陽電池基板などの製造装置の、たとえばCVD
装置、エッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング
装置、アッシング装置、イオン注入装置、排気装置など
の耐プラズマ性の要求される部位のO−リング、シール
材、ホース、チューブ、ダイアフラム、ロール、ライニ
ング、コーティング;また、ウェットエッチャー、洗浄
装置、薬液配管、ガス配管などの耐薬品性が要求される
部位のO−リング、シール材、ホース、チューブ、ダイ
アフラム、ロール;さらにこれらの装置のノンダスト
化、メタルフリーの要求される部位のO−リング、シー
ル材、ホース、チューブ、ダイアフラム、ロールとして
も用いることができる。
【0090】その他の耐薬品性の要求される部位の具体
例としては、半導体、液晶バルブ、プラズマディスプレ
イパネルなどの製造装置における、レジスト現像液、剥
離液、ウエハー洗浄液用のO−リング、シール材、ホー
ス、チューブ、ポンプのダイアフラム、ウエハー搬送用
のロールなどがあげられる。
【0091】
【実施例】つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに具
体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されもの
ではない。
【0092】実施例1 2リットルの内容積のステンレススチール製オートクレ
ーブに、イオン交換水887ml、パーフルオロオクタ
ン酸アンモニウム44.4gを仕込み、ついでイソシア
ヌル酸トリアリル(TAIC)2.4gを分散させた。
充分窒素で置換した後、真空状態でヘキサフルオロプロ
ピレン(HFP)を70.0g仕込み、オートクレーブ
内温度を65℃に昇温し、ついでエチレンを85g仕込
んだところ、オートクレーブ内の圧力は5.9MPaG
になった。電磁式撹拌機で系を撹拌しながら圧力が一定
になるまで放置し、ついで過硫酸アンモニウム(AP
S)0.27gの水溶液を窒素ガスで圧入して反応を開
始した。反応が進行するにしたがって圧力が低下するの
で、その圧力低下をエチレンおよびHFPをそれぞれ加
えることにより補い、一定圧力かつ一定温度で35時間
反応させた。その間、8.9gのTAICのt−ブタノ
ール10重量%溶液をポンプにて等速度で仕込み続け
た。また反応終了までにAPSを合計2.0g添加し
た。
【0093】反応終了後、残存モノマーを大気中に放出
し、得られた乳化分散体を塩化カルシウム10%水溶液
で凝析し、イオン交換水で洗浄後120℃で恒量になる
まで乾燥した。なお、一部の乳化分散体は後述する分子
量測定用に塩酸で凝析し、25℃にて24時間乾燥し
た。得られたエラストマー性の重合生成物は合計で40
8gであった。
【0094】この重合生成物を1H−NMRおよび元素
分析といった分析法で共重合組成を測定したところ、エ
チレン65.7モル%、HFP33.5モル%およびT
AIC0.8モル%の三元共重合体であった。また、I
R分析でTAICのカルボニル基の特性吸収が1697
cm-1に確認された。さらにGPCで測定した数平均分
子量(ポリスチレン換算)は415000、重量平均分
子量は579000であった。
【0095】分子量は、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィ(GPC)により以下の条件で測定した。 測定装置:HLC−8020(東ソー(株)製) カラム:TSK gel GMHXL 2本 TSK gel G3000HXL 1本 TSK gel G2000HXL 1本 検出器:示差屈折率計 展開溶媒:THF 温度:35℃ 濃度:0.2重量% 標準試料:単分散ポリスチレン各種(Mw/Mn=1.14(Max))、TS K standard POLYSTYRENE(東ソー(株)製) 分析試料:塩酸で凝析したもの
【0096】実施例2 実施例1において、TAICの初期仕込み量を0.6g
とし、追加仕込み量を1.8gとし、APSの合計添加
量を1.7gとし、反応時間を27時間としたほかは同
様にして共重合し、回収してエラストマー性の重合生成
物を358g得た。
【0097】この重合体を実施例1と同様にして分析し
たところ、エチレン65.1モル%、HFP34.7モ
ル%およびTAIC0.2モル%の三元共重合体であっ
た。またIR分析でTAICのカルボニル基の特性吸収
が1697cm-1に確認された。さらにGPCで測定し
た数平均分子量(ポリスチレン換算)は123000、
重量平均分子量は702000であった。
【0098】実施例3 実施例2において、TAICに代えてイソシアヌル酸ト
リメタリル(TMAIC)を使用し、その初期仕込み量
を0.7gとし、追加仕込み量を2.0gとしたほかは
同様にして共重合し、回収してエラストマー性の重合生
成物を320g得た。
【0099】この重合体を実施例1と同様にして分析し
たところ、エチレン64.7モル%、HFP35.1モ
ル%およびTMAIC0.2モル%の三元共重合体であ
った。またIR分析でTMAICのカルボニル基の特性
吸収が1697cm-1に確認された。さらにGPCで測
定した数平均分子量(ポリスチレン換算)は18500
0、重量平均分子量は678000であった。
【0100】比較例1 実施例1において、TAICを仕込まず、APSの合計
添加量を1.1gとし、反応時間を25時間としたほか
は同様にして共重合し、回収してエラストマー性の重合
生成物を294g得た。
【0101】この重合体を実施例1と同様にして分析し
たところ、エチレン65.2モル%およびHFP34.
8モル%の二元共重合体であった。またGPCで測定し
た数平均分子量(ポリスチレン換算)は104000、
重量平均分子量は910000であった。
【0102】実施例4〜11および比較例2 実施例1、2、3および比較例1で製造した共重合体を
使用し、表1に示すカーボンブラック、加硫剤および加
硫促進剤を同表に示す量で混合し、オープンロールに用
いて常温で混練した。いずれの配合物もロールへの密着
性がよく、混練が容易であった。得られたゴムコンパウ
ンドを金型に入れ、プレス加硫(150℃、15分間)
により一次加硫し、ついでオーブン加硫(180℃、4
時間)により二次加硫して加硫成形体を製造するととも
に、つぎの方法で加硫特性を調べた。結果を表1に示
す。
【0103】(加硫特性)一次プレス加硫時にJSR型
キュラストメータII型を用いて150℃における加硫曲
線を求め、最低粘度(ML)、加硫度(MH)、誘導時
間(T10)および最適加硫時間(T90)を求める。
【0104】表1における各配合剤は次のものである。
【0105】(加硫剤) パーブチルZ:日本油脂(株)製
【0106】
【化35】
【0107】パーヘキサ2.5B:日本油脂(株)製
【0108】
【化36】
【0109】(加硫助剤) TAIC:(株)日本化成製 TMAIC:(株)日本化成製 (受酸剤) MA150:協和化学(株)製のMgO (充填剤) Thermax N−990:Cancarb社製のカ
ーボンブラック
【0110】
【表1】
【0111】表1から、TAICを加硫促進剤として併
用しても実質的に加硫が進行しなかった加硫剤パーヘキ
サ2.5Bでも、共重合体中にTAICを加硫点として
導入することにより加硫が充分に進行することがわか
る。
【0112】
【発明の効果】本発明によれば、特定の多二重結合化合
物に由来する加硫点を含フッ素エラストマー中に導入す
ることにより、加硫特性が改善され、さらに従来使用で
きなかった加硫剤をも用いることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 226:06 C08F 226:06 216:12) 216:12) (72)発明者 大塚 正男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 森川 達也 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 松本 拓郎 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 大谷 充宏 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4J002 BB101 BD161 BJ001 DE036 DG036 EK036 EK046 EK056 EK086 EQ016 FD146 GM00 GN00 GQ00 4J100 AA02P AC22S AC24S AC25S AC26S AC27Q AC31S AG08S AQ21R BB18S CA05 CA06 JA28

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレン、(B)ヘキサフルオロ
    プロピレン、(C)式(I): 【化1】 (式中、R1は式(a): 【化2】 (式中、R7は単結合手または分岐鎖状もしくは直鎖状
    の炭素数1〜4のアルキレン基、R8、R9またはR10
    同じかまたは異なり、いずれも炭素数1〜3のアルキル
    基、フェニル基または水素原子)で表わされる基、R2
    またはR3は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、
    炭素数1〜5のアルキル基または前記式(a)で表わさ
    れる基。ただしR2またはR3のいずれか一方は式(a)
    で表わされる基である)、または 式(II): 【化3】 (式中、R4は前記式(a)で表わされる基、R5または
    6は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、炭素数
    1〜5のアルキル基または前記式(a)で表わされる
    基。ただしR5またはR6のいずれか一方は式(a)で表
    わされる基である)で示される反応性二重結合を2〜3
    個有する多二重結合化合物、および(D)エチレン
    (A)、ヘキサフルオロプロピレン(B)および/また
    は多二重結合化合物(C)と共重合可能な単量体(D)
    との共重合体であって、(A)/(B)/(C)/
    (D)の共重合比がモル%で10〜75/15〜50/
    0.01〜5/0〜40であり、数平均分子量が100
    0〜2000000である加硫可能な含フッ素エラスト
    マー。
  2. 【請求項2】 多二重結合化合物(C)が、式(I)中
    のR1がアリル基またはメタアリル基であり、R2または
    3のいずれか1つが式(a)で示される基で残りが水
    素原子、炭素数1〜5のアルキル基または式(a)で示
    される基である化合物、式(II)中のR4がアリル基ま
    たはメタアリル基であり、R5またはR6のいずれか1つ
    が式(a)で示される基で残りが水素原子、炭素数1〜
    5のアルキル基、式(a)で示される基である化合物で
    ある請求項1記載のエラストマー。
  3. 【請求項3】 多二重結合化合物(C)が、式(I)中
    のR1、R2またはR3が同じかまたは異なりいずれもア
    リル基またはメタアリル基である化合物、または式(I
    I)中のR4、R5またはR6が同じかまたは異なりいずれ
    もアリル基またはメタアリル基である化合物である請求
    項2記載のエラストマー。
  4. 【請求項4】 共重合可能な単量体(D)が、テトラフ
    ルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ビニリ
    デンフルオライド、トリフルオロエチレン、パーフルオ
    ロアルキルビニルエーテルおよびペンタフルオロプロピ
    レンよりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求
    項1〜3のいずれかに記載のエラストマー。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のエラス
    トマーとパーオキサイド系加硫剤とからなる加硫用組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の加硫用組成物を成形加硫
    して得られる加硫成形体。
  7. 【請求項7】 オイルシール部品である請求項6記載の
    加硫成形体。
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