JPWO2009118940A1 - 音響変換器用振動板、および音響変換器 - Google Patents

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Abstract

比較的高い放熱作用、比較的高い離型性、最低共振周波数が比較的小さい、損失正接が比較的大きい等の特性を有する音響変換器用振動板を提供すること、その音響変換器用振動板を備えた音響変換器を提供すること等。本発明に係る音響変換器用振動板1は、基体11と、基体11の片面または両面に形成された制振層12とを有し、制振層12は、放熱機能を有する粒子を含み、基体11に対して剥離性を有するので、比較的高い放熱作用を有し、その貯蔵弾性率が当該音響変換器用振動板の基体の貯蔵弾性率より小さく、その損失正接が当該音響変換器用振動板の基体の損失正接より大きい。

Description

本発明は、音響変換器用振動板、および音響変換器に関する。
携帯電話機などの小型機器に用いられる小型のスピーカ用振動板が知られている(例えば、特許文献1参照)。小型の振動板としては、例えばポリエチレン等のシートを加熱プレス成形して作製されたものが知られている。また、樹脂基材の片面または両面にエラストマー層を設けて成形された振動板が知られている(例えば特許文献1、参照)。
特開2004−312085号公報
一般的に上記小型スピーカ装置などの音響変換器では、長時間駆動すると振動板そのものの温度が上昇し、振動板の特性(貯蔵弾性率や損失正接等)が変化して、音質が低下する場合がある。
このため、比較的高い放熱作用を有する音響変換器用振動板が望まれている。
ところで、携帯電話等に用いる音響変換器用振動板として、分割振動(分割共振も含め)の発生を抑止するために、振動板にリブを設けてしたものが知られている。一般的に、このリブは金型により押圧成形されるが、振動板と金型との密着性が比較的高いと、リブの成形性が悪化(再現性が低下)して、複数の振動板間で分割振動抑止性能等のばらつきが生じる場合がある。
このため、振動板と金型との離型性が比較的高い振動板が望まれている。
ところで、振動板の特性に要求されるものとしては、例えば、最低共振周波数(F0)が比較的小さい、且つ損失正接(tanδ)が比較的大きい、振動板重量が比較的小さい、等の相反するものがある。
詳細には、一般的な振動板材料を用いて単純に振動板を作製する場合、振動板の最低共振周波数を比較的小さくするために、比較的小さい貯蔵弾性率の振動板材料を用いて振動板を作製することを要し、上記要求を満たすことが困難である。
このため、最低共振周波数(F0)が比較的小さく、且つ損失正接(tanδ)が比較的大きい振動板が望まれている。また、それらの特性を備えた比較的軽量の振動板が望まれている。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、比較的高い放熱作用を有する音響変換器用振動板を提供すること、比較的高い離型性を有する音響変換器用振動板を提供すること、最低共振周波数(F0)が比較的小さく、且つ損失正接(tanδ)が比較的大きい音響変換器用振動板を提供すること、その音響変換器用振動板を備えた音響変換器を提供すること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を少なくとも具備するものである。
本発明に係る音響変換器用振動板は、基体と、該基体の片面または両面に形成された制振層とを有する音響変換器用振動板であって、前記制振層は、放熱機能を有する粒子を含み、前記制振層は、前記基体に対して剥離性を有することを特徴とする。
好適には、前記音響変換器用振動板は、その貯蔵弾性率が当該音響変換器用振動板の前記基体の貯蔵弾性率より小さいことを特徴とする。
また、好適には、前記音響変換器用振動板は、その損失正接が当該音響変換器用振動板の前記基体の損失正接より大きいことを特徴とする。
本発明に係る音響変換器は、前記音響変換器用振動板、および該音響変換器用振動板に支持されるボイスコイルを備える振動体と、前記振動体を振動自在に支持するフレームと、前記ボイスコイルが遊嵌する磁気ギャップが形成された磁気回路とを有することを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る音響変換器用振動板を採用した音響変換器(スピーカ装置)を説明するための図であり、(A)は音響変換器(スピーカ装置)の正面図であり、(B)は(A)に示した音響変換器(スピーカ装置)の断面図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る音響変換器用振動板の拡大断面図であり、(B)は本発明の第2実施形態に係る音響変換器用振動板の拡大断面図であり、(C)は本発明の第3実施形態に係る音響変換器用振動板の拡大断面図であり、(D)は本発明の第4実施形態に係る音響変換器用振動板の拡大断面図である。 (A)は図2(A)に示した音響変換器用振動板の一実施形態に係る製造方法を説明するための図であり、(B)は(A)に示した金型加圧成形により作製された音響変換器用振動の断面図である。 (A)は、測定装置50と振動板1を説明するための図であり、(B)は測定装置50全体を説明するための説明図である。 (A)は測定装置50による振動板の振動の加速度の周波数特性を説明するための図であり、(B)はヤング率(E’)と内部損失(tanδ)の測定方法を説明するための図である。 (A)はPPSUの内部損失(損失正接(tanδ))の温度特性を示す図である。(B)はハイブラー(HYB)の内部損失(損失正接(tanδ))の温度特性を示す図である。 (A)はPENのヤング率(貯蔵弾性率(E’))の周波数特性を示す図であり、(B)はPENの内部損失(損失正接(tanδ))の周波数特性を示す図であり、(C)はPEIのヤング率(貯蔵弾性率(E’))の周波数特性を示す図であり、(D)はPEIの内部損失(損失正接(tanδ))の周波数特性を示す図である。 (A)はPPSUのヤング率(貯蔵弾性率)の周波数特性を示す図であり、(B)はPPSUの内部損失(損失正接)の周波数特性を示す図であり、(C)は基体と制振層とを有する振動板のヤング率(貯蔵弾性率)の周波数特性を示す図であり、(D)は基体と制振層とを有する振動板の内部損失(損失正接)の周波数特性を示す図であり、(E)は基体(PA)と放熱機能粒子(PC)を含有する制振層PBとを有する振動板のヤング率(貯蔵弾性率)の周波数特性を示す図であり、(F)は基体(PA)と放熱機能粒子(PC)を含有する制振層(PB)とを有する振動板の内部損失(損失正接)の周波数特性を示す図である。 (A)は基体(PA)と制振層(PB)とを有する振動板の音圧周波数特性を示す図であり、(B)は基体(PA)と、放熱機能粒子(PC)を含有する制振層(PB)とを有する振動板の音圧周波数特性を示す図である。 本発明の実施形態に係る音響変換器用振動板における内部損失の温度依存性を示す説明図である((A)が実施例1、(B)が実施例2を示している)。 本発明の実施形態に係る音響変換器用振動板における内部損失及び貯蔵弾性率の温度依存性を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る音響変換器を備える電子機器を示した説明図である((A)が携帯情報端末、(B)がフラットパネルディスプレイを示している)。 本発明の実施形態に係る音響変換器を備える自動車を示した説明図である。
本発明の一実施形態に係る音響変換器用振動板は、基体と、該基体の片面または両面に形成された制振層とを有する音響変換器用振動板であって、制振層は、放熱機能を有する粒子を含み、制振層は、基体に対して剥離性を有することを特徴とする。
また、本発明の一実施形態に係る音響変換器は、上記音響変換器用振動板、および音響変換器用振動板に支持されるボイスコイルを備える振動体と、振動体を振動自在に支持するフレームと、ボイスコイルが遊嵌する磁気ギャップが形成された磁気回路とを有し、音響変換器用振動板は、少なくとも放熱機能を有する粒子を含む制振層が基体より磁気回路側に形成されていることを特徴とする。
上記音響変換器用振動板は、制振層に放熱機能を有する粒子を含むので、比較的高い放熱作用を有する音響変換器用振動板を提供することができ、制振層が基体に対して剥離性を有することで、音響変換器用振動板の損失正接を高めることができる。
また、上記音響変換器は、音響変換器用振動板が少なくとも放熱機能を有する粒子を含む制振層が基体より磁気回路側に形成されているので、比較的高い放熱作用を有する音響変換器を提供することができる。
好適には、音響変換器用振動板は、その貯蔵弾性率が当該音響変換器用振動板の基体の貯蔵弾性率より小さいことを特徴とする。
この音響変換器用振動板は、その貯蔵弾性率が当該音響変換器用振動板の基体の貯蔵弾性率より小さいので、最低共振周波数が比較的小さい音響変換器用振動板を提供することができる。
また、更に好適には、音響変換器用振動板は、その損失正接が当該音響変換器用振動板の基体の損失正接より大きいことを特徴とする。
この音響変換器用振動板は、その損失正接が当該音響変換器用振動板の基体の損失正接より大きいので、比較的大きな損失正接を有し、かつ比較的小さい貯蔵弾性率を有する音響変換器用振動板を提供することができる。
また、音響変換器用振動板の貯蔵弾性率が当該音響変換器用振動板の基体の貯蔵弾性率より小さく、且つ、音響変換器用振動板の損失正接が、当該音響変換器用振動板の基体の損失正接より大きい音響変換器用振動板は、比較的小さい最低共振周波数を有し、且つ比較的大きな損失正接を有することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る音響変換器用振動板、およびその音響変換器用振動板を採用した音響変換器を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る音響変換器用振動板を採用した音響変換器(スピーカ装置)を説明するための図である。詳細には、図1(A)は音響変換器(スピーカ装置)の正面図であり、図1(B)は図1(A)に示した音響変換器(スピーカ装置)の断面図である。
音響変換器としては、例えばスピーカ装置、マイクロフォンなどを挙げることができる。本実施形態に係る音響変換器として、スピーカ装置を例示して説明する。
図1(A),図1(B)に示すように、スピーカ装置100は、振動体10、磁気回路2、およびフレーム6を有する。振動体10は本発明に係る振動体の一実施形態に相当し、磁気回路2は本発明に係る磁気回路2の一実施形態に相当し、フレーム6は本発明に係るフレームの一実施形態に相当する。
振動体10は、音響変換器用振動板(振動板)1、ボイスコイル15、およびエッジ部3を有する。振動板1は、本発明に係る音響変換器用振動板の一実施形態に相当する。
振動板1は、ドーム形状、コーン形状、平板形状、円形状、など規定形状に形成されている。本実施形態に係る振動板1は図1(A),図1(B)に示すようにドーム形状に形成されている。また、詳細には、振動板1は、振動板中央部に形成された振動板部と、その振動板部の外周部に形成されたエッジ部3とを有する。この振動板1の振動板部とエッジ部3は、一体成形されていてもよいし、別部材により形成されていてもよい。
エッジ部3は、径方向断面形状が凹形状または凸形状に形成されており、エッジ外周部がフレーム6に接着剤等により固定されるとともに支持されている。本実施形態に係るエッジ部3は、図1(A),図1(B)に示すように、径方向断面形状が、音響放射方向(SD)に凸形状に形成されている。このエッジ部3は、振動板1の振動に応じて変形自在に形成されている。
本実施形態では、エッジ部3は、エッジ本体部5、およびフランジ9を有する。ロール状のエッジ本体部5の外周部に形成されたフランジ9がフレーム6に固定されている。また、エッジ本体部5には補強用リブ7が形成されている。
リブ7は、例えばプレス成形により形成され、突起状、溝状、等の規定形状に形成されており、エッジ部3の内周部近傍および外周部近傍を除く範囲で、略放射方向に沿って形成されている。このリブ7の長さ、幅、形状等の調整により、エッジ部3のコンプライアンス等の特性を所定値に規定することができる。また、エッジ部3に本発明に係る制振層を設けることで、振動板の音響特性が更に良好となる。
エッジ部3の形状は、上記形態に限られるものではなく、各種形状に形成されていてもよい。
ボイスコイル15は、振動板1に支持されており、磁気回路2の磁気ギャップ2Gに遊嵌されている。本実施形態に係るボイスコイル15は、振動板1に形成されたボイスコイル支持部に接着剤等により固定されている。また、図1(A),図1(B)に示すように、ボイスコイル15は、振動板本体部とエッジ部3の間に配置されており、より詳細には、振動板本体部とエッジ部3の間に形成された溝形状部に配置されている。ボイスコイル15は、この形態に限られるものではなく、例えば直接振動板1に接着剤等により固定されていてもよい。
磁気回路2は、フレーム6により支持されており、振動板1の音響放射方向(SD)に対して逆側に配置されている。磁気回路2は、内磁型磁気回路、外磁型磁気回路などを採用することができる。本実施形態に係る磁気回路2は内磁側磁気回路を採用している。
詳細には、磁気回路2は、図1(B)に示すように、プレート21、磁石22、およびヨーク23を有する。ヨーク23は、例えば鉄、金属、合金などの材料により形成されており、断面形状が略U字形状に形成されている。磁石22は、平板形状に形成されるとともにヨーク23上に配置され、例えば、ネオジウム系、サマリウム・コバルト系、アルニコ系、フェライト系、希土類系、フェライト系磁石等の永久磁石等により形成されており、音響放射方向(SD)に沿って着磁されている。プレート21は、例えば鉄、金属、合金などの材料により形成され、断面形状が平板形状に形成され、磁石22上に配置されている。磁気回路2は、プレート21とヨーク23との間に磁気ギャップ2Gが形成されており、この磁気ギャップ2Gに、ボイスコイル15が遊嵌されている。
フレーム6は、鉄、金属、樹脂などの公知の材料により形成されており、振動板1、磁気回路2などを支持している。詳細には、フレーム6は、図1(B)に示すように、内周側に磁気回路2が配置されており、外周側の上端部に振動板1の外周部をエッジ部3を介して支持している。
上記構成のスピーカ装置100は、フレーム6に形成された端子部(不図示)から音声信号が入力されると、音声信号が磁気回路2の磁気ギャップ2Gに遊嵌されたボイスコイル15に入力され、その信号に応じてボイスコイル15にローレンツ力が生じ、そのローレンツ力に応じて振動板1が振動して、音響放射方向(SD)に再生音を放射する。
次に、振動板1について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は本発明の一実施形態に係る音響変換器用振動板の拡大断面図である。詳細には、図2(A)は本発明の第1実施形態に係る音響変換器用振動板の拡大断面図であり、図2(B)は本発明の第2実施形態に係る音響変換器用振動板の拡大断面図であり、図2(C)は本発明の第3実施形態に係る音響変換器用振動板の拡大断面図であり、図2(D)は本発明の第4実施形態に係る音響変換器用振動板の拡大断面図である。
振動板1は、基体11、および制振層12を有する。基体11は本発明に係る基体の一実施形態に相当し、制振層12は本発明に係る制振層の一実施形態に相当する。
振動板1は、例えば低ヤング率(低貯蔵弾性率)のフィルム状の基体11に、片面または両面に制振層12が形成されている。以下、貯蔵弾性率(E’)をヤング率、損失正接(tanδ)を内部損失と呼称する。基体11は、例えばヤング率(E’)が約2.499GPa以下であることが好ましい。制振層12には、制振性エラストマー、帯電抑止用フィラー、などが含有されている。制振層12は、図2(A)〜図2(D)に示すように、単層であっても、複数の層であってもよい。
ところで、例えば振動板の基体として、ヤング率が約6GPaのポリエチレンナフタレート(PEN)、ヤング率が約2.85GPaのポリエーテルイミド(PEI)などを採用した場合、基体のヤング率が比較的高いので、小型振動板を作製するには、材厚を標準基材以下の極薄にすることを要する。しかし、この基体を用いると、基体コストが高くなり、寸法精度、特性等にばらつきが生じる場合があり、この基体にエラストマー層を設けたとしても、低F0化が困難である。また基体にエラストマーシートを単純に設けた振動板では、F0値、音響特性のばらつきが生じる場合があり、また製造時に接着剤によりエラストマーシートに膨潤が生じるなどの不具合が生じる場合がある。また、基体の材厚を標準基体以下の極薄にすれば、耐入力性が低下し、或いは寸法精度の安定性が低下し、音響特性を向上させることが困難になる場合がある。ここで耐入力性とは、例えばボイスコイルへ入力する電流値が大きくなるとボイスコイルの振幅や振動速度も大きくなるが、この時、振動板に作用する空気抵抗(振動板の振動速度に比例する)も大きくなり、振動板が空気抵抗の作用を受けてへこむ等の変形が生じてしまう場合がある。この振動板の変形によって、異音が生じ音響特性を低下させるという場合がある。
一方、本発明の一実施形態に係る振動板1は、基体11に、ヤング率が一般的な樹脂基体とエラストマー材の中間値の低ヤング率基体、詳細にはヤング率が約2.35GPaの基体11に、制振性エラストマー、フィラー等を含有する制振層12を有するので、低F0化、高内部損失化、低歪化を得ることができる。
つまり、振動板1は、基体11の片面又は両面に、制振性エラストマー、放熱機能粒子、帯電抑止用フィラー等を含有する制振層12を設けたとしても、基体11が低ヤング率材により形成されているので、低F0化、高内部損失化、低歪化を得ることができる。
以下、振動板1の各構成要素について、詳細に説明する。
(実施例1)
基体11は、低ヤング率、例えば好ましくはヤング率が2.499GPa以下の材料により形成されている。本実施形態に係る基体11は、ヤング率が約2.35GPaの材料を採用している。
この基体11は、例えばフィルム状に形成されており、膜厚が約6μm〜約1000μm程度に形成されている。好適には基体11の膜厚は約6μm〜150μmである。
また、基体11として、例えばヤング率が約2.35GPaのポリフェニルサルホン(PPSU)樹脂を主成分とする材料を採用した場合には、膜厚が約7μm〜19μm程度であることが好ましい。
膜厚は上記形態に限られるものではなく、基体11、制振層12、振動板1の膜厚、音響特性により適宜設定する。
また、この基体11の形成材料としては、例えば芳香族系樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリビフェニルサルホン樹脂等の公知の樹脂材料を採用してもよい。また、内部損失のピーク温度又はガラス転移温度が相異なる樹脂材料の混合物、例えば、約200℃のガラス転移温度を有するポリサルホン樹脂と、約130℃のガラス転移温度を有するポリウレタン樹脂材との混合物などであっても構わない。また、内部損失のピーク温度又はガラス転移温度が相異なる複数の高分子を構造単位とする共重合体であっても構わない。芳香族系樹脂材を採用した基体11を含む振動板1は、比較的高い耐熱性(ガラス転移温度が比較的高い)、比較的大きい引張強度(配向性に因る)、等を備え、さらに制振層12を脂肪族系樹脂を採用することで、振動板1は比較的大きい損失正接を有することができる。
また、ポリサルホン樹脂材を採用した基体11を含む振動板1は、ポリエーテルイミド、ポリエチレンナフタレートよりも、比較的大きい内部損失(損失正接)、比較的小さいヤング率(貯蔵弾性率)を備えることができ、良好な音響特性を得ることができる。
また、ガラス転移温度が相異なる樹脂材料の混合物を採用した基体11を含む振動板1は、比較的小さいヤング率(貯蔵弾性率)と、比較的大きい内部損失(損失正接)を備えることができ、良好な音響特性を得ることができる。また、各樹脂材料が相異なるガラス転移温度を有するので、振動板1は低温から高温にかけて比較的高い内部損失(損失正接)を備えることができ、周囲の環境の変化(気温の変化)によって音響特性が大きく変化することを抑止することができる。
また、基体11は、構造単位に芳香核結合、スルホン結合、エーテル結合、フェニル結合を含む熱可塑性樹脂を、形成材料の一つとして含むように形成してもよい。
制振層12は、基体11の片面または基体11の両面に形成されている。制振層12は、例えば放熱機能を有する粒子(フィラー)を含む。
制振層12は、例えば脂肪族系樹脂、詳細には、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリプロピレン及びスチレン系樹脂の混合物、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン-酢酸ビニルゴムの共重合体、ポリメタクリレート系樹脂、これらの混合物、共重合体などを採用することができる。また、制振層12は、内部損失のピーク温度又はガラス転移温度が相異なる複数の樹脂材料を選択し混合したものや、内部損失のピーク温度又はガラス転移温度が相異なる複数の高分子を構造単位とする共重合体でも構わない。例えば、内部損失のピーク温度が高い樹脂Aと、内部損失のピーク温度が低い樹脂Bとの混合物にて制振層12が形成されている場合、樹脂Aの前記ピーク温度より低い温度範囲において、樹脂Aの内部損失は大きく低下するが、樹脂Bの前記ピーク温度が樹脂Aの前記ピーク温度よりも低いので樹脂Aの内部損失の低下を補うことができ、振動板1全体の内部損失を、比較的広い温度範囲にわたって比較的大きく維持することができる。
具体的には、制振層12としては、例えばポリプロピレン、およびスチレン系樹脂の混合物または共重合体を採用することができる。より具体的には、制振層12は、例えばクラレ(株)社製スチレン系熱可塑性樹脂の商品名ハイブラー5127(HYB)などを採用することができる。
放熱機能を有する粒子としては、例えばマイカ、酸化ケイ素等を採用することができる。この放熱機能を有する粒子を制振層に含有させることにより、比較的高い放熱作用を有する振動板1を得ることができる。また、振動板1の高温化を抑止することにより、熱による音響特性の劣化を抑止することができる。
また、制振層12に、帯電抑止機能を有する粒子(フィラー)を含有させてもよい。帯電抑止機能を有する粒子としては、例えば酸化錫などの材料を採用することができる。制振層12に帯電抑止機能を有する粒子を含有させることで、例えば金型プレス成形後、金型から振動板1を取り出すとき、離型性が比較的高くなり、音響特性のばらつきを低減することができる。
放熱機能を有する粒子又は帯電抑止機能を有する粒子としては、前述した例の他に、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、合成ケイ酸及びケイ酸塩、亜鉛華、ハロサイトクレー、カオリン、塩基性炭酸マグネシウム、マイカ、タルク、石英粉、ウォラストナイト、ドロマイト粉、酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アルミナ等が挙げられる。
また、例えば放熱機能を有する粒子も帯電抑止機能を有する粒子として採用することができ、振動板1の表面に比較的大きな凹凸状部が形成されて、離型性を備える。
また、放熱機能を有する粒子、帯電抑止機能を有する粒子として、金属元素含有微粒子を採用することもでき、この金属元素含有微粒子は、基体表面上にそれぞれ離れて存在していてもよく、皮膜、網状構造、それら混在構造であってもよい。
この制振層12は、例えば、フィルム状に形成されており、膜厚が約20μm〜100μmに形成されている。制振層12の厚みは、例えば基体11の約0.4倍から約1.5倍程度であることが好ましい。制振層12の膜厚が基体11の0.4倍から約1.5倍程度の場合、振動板1の損失正接が比較的大きくなり、振動板1に生じる不要な振動を十分に緩和させることができる。
振動板1は、詳細には、図2(A)に示すように、制振層12が、基体11より、音響放射方向SDに対して反対側、具体的には、磁気回路側に形成されている場合、振動板1の熱(ジュール熱)の放熱性や制振性が比較的高いので、この構成が好ましい。
また、振動板1Aは、図2(B)に示すように、基体11の音響放射方向(SD)側に制振層12(121)、その反対側に制振層12(122)を備えるのでより高い放熱性や制振性を得ることができる。
また、制振層12は、複数の層が積層する積層構造を有し、制振層12の複数の層のうち、基体側に形成された層は、磁気回路側に形成された層と比べて放熱機能を有する粒子密度が小さい。ここでいう密度とは、例えば、基体側に形成された層の全重量に対する、基体側に形成された層に含まれる放熱機能を有する粒子の全重量の割合をいう。
詳細には、例えば図2(C)に示すように、振動板1Bの制振層12において、基体側に形成された第1層12(123)では、磁気回路側に形成された第2層12(124)と比べて放熱機能を有する粒子密度が小さい。つまり、磁気回路側に形成された第2層12(124)が、比較的放熱機能を有する粒子密度が大きい。このため、振動板1の放熱性が比較的高い。また、振動板1の表面に凹凸状部が形成されるために、離型性が比較的高く(金型に対する密着性が比較的小さい)、例えば振動板1を成形する際の容易性が向上する。特に、振動板1の表面(磁気回路側)の剛性が比較的高いので、振動板1は、比較的高い制振機能を有し、不要な振動をより低減することができる。
また、図2(D)に示すように、振動板1Cの制振層12は、内層12(123A)を挟む複数の表層12(124A)に形成してもよい。表層12(124A)は、内層12(123A)と比べて、放熱性、帯電抑止機能などの機能が比較的高いコーティング層であってもよい。
また、振動板1Cの制振層12を1つの層にて形成し、基体側から磁気回路側にかけて、放熱機能を有する粒子密度が大きくなるよう、適宜調整しても構わない。ここでいう密度とは、制振層を複数の層に分割し、各層の全重量に対する、各層に含まれる放熱機能を有する粒子の全重量の割合をいう。また、必要に応じ、帯電抑止機能を有する粒子密度に関しても、放熱機能を有する粒子密度と同様に、制振層12内で密度の調整をしても構わない。
また、制振層12を構成する少なくとも1つ樹脂材料は、後述するように、内部損失(損失正接)のピーク温度が約0℃以上の樹脂材料を有することが好ましい。これは、一般的にスピーカ装置の使用環境は、常温(約20℃)およびそれ以上の高い温度範囲であり、内部損失(損失正接)のピーク温度が0℃より高い材料を制振層12に採用した場合、常温(例えば約20℃)での制振層12の内部損失(損失正接)が比較的高く、振動板1に生じる不要な振動を低減することができる。
また、更に、制振層12を構成する少なくとも1つの樹脂材料は、内部損失(損失正接)のピーク温度が約30℃以下の樹脂材料を有することが好ましい。内部損失(損失正接)のピーク温度が約30℃以下の材料を制振層12に採用した場合、常温(例えば約30℃)での制振層12の内部損失(損失正接)が比較的高く、振動板1に生じる不要な振動を低減することができる。
また、制振層12は、例えば後述するように、内部損失(損失正接)のピーク温度が、基体11の内部損失(損失正接)のピーク温度より低いことが好ましい。制振層12は、その内部損失(損失正接)のピーク温度が基体11より小さいと、基体の内部損失(損失正接)のピーク温度より低い温度範囲における内部損失を比較的大きくすることができ、振動板1の不要な振動をより効率的に抑止することができる。特に、基体の内部損失(損失正接)のピーク温度より低い温度範囲において、基体の内部損失は大きく低下する一方で、制振層の内部損失(損失正接)のピーク温度が基体の内部損失(損失正接)のピーク温度よりも小さいので、振動板1全体の内部損失を比較的大きく維持することができる。この内部損失(損失正接)のピーク温度は略ガラス転移温度と略同じ温度である。
上記構成の振動板1は、振動板1のヤング率(貯蔵弾性率)が振動板1の基体11のヤング率(貯蔵弾性率)より小さいことが好ましい。詳細には、振動板1のヤング率(貯蔵弾性率)が、例えば振動板1と略同じ厚みに形成された基体11のヤング率(貯蔵弾性率)より小さいことが好ましい。上記構成の振動板1は比較的小さいヤング率(貯蔵弾性率)を得ることができる。
また、振動板1は、振動板1の内部損失(損失正接)が振動板1の基体11の内部損失(損失正接)より大きいことが好ましい。詳細には、振動板1の内部損失(損失正接)が、例えば振動板1と略同じ厚みに形成された基体11の内部損失(損失正接)より大きいことが好ましい。上記構成の振動板1は比較的大きい内部損失(損失正接)を得ることができる。
また、より具体的には、振動板1は、常温20℃での振動板1の内部損失(損失正接)が、例えば振動板1と略同じ厚みを有するポリエーテルイミドフィルムよりも大きく、共振周波数における常温20℃での振動板1のヤング率(貯蔵弾性率)が、例えば振動板1と略同じ厚みを有するポリエチレンナフタレートよりも小さいことが好ましい。上記構成の振動板1は比較的小さいヤング率(貯蔵弾性率)、比較的大きい内部損失(損失正接)を得ることができる。
上記内部損失(損失正接)、ヤング率(貯蔵弾性率)は、後述するように、振動板1の最低共振周波数の近傍、例えば最低共振周波数、第2共振周波数、周波数1Hz、などの予め規定された周波数にて測定された特性値を採用する。
[音響変換器用振動板の製造方法]
図3(A)は図2(A)に示した音響変換器用振動板の一実施形態に係る製造方法を説明するための図であり、図3(B)は図3(A)に示した金型加圧成形により作製された音響変換器用振動の断面図である。振動板1は、例えば金型加圧成形、真空成形などの振動板製造方法により形成される。
詳細には、例えば図3(A)に示すように、シート状の基体11,制振層12を金型70,71により加圧成形(ラミネート)することにより、図3(B)、図2(A)に示すように、振動板1が形成される。この際、基体11と制振層12との間に、規定の接着剤等を塗布することにより密着性を向上させても構わない。
また、制振層12は、帯電抑止機能を有する粒子や、放熱機能を有する粒子などが含有するので、金型70,71からの離型性が比較的高く、金型に対する密着性が比較的小さいので、製造容易性が向上する。特に、リブ付振動板等の複雑な形状の振動板1を作製する場合には、離型性が比較的高いので、製造効率が比較的高くなる。また、振動板1の音響特性のばらつきを低減することができる。
また、帯電抑止機能を有する粒子や放熱機能を有する粒子などが含有したシート状の制振層12と、シート状の基体11を金型加圧成形するで、簡単に本発明に係る振動板1を作製することができる。
振動板1の製造方法は、上記形態に限られるものではない。例えば基体11に塗布により制振層12を形成してもよい。
(実施例2)
実施例1とは、基体11に使用する材料、及び制振層の形成方法以外は実質同じであるので、実質同じ部分に関する説明を省略する。
本実施形態で使用する基体11は、主にポリエステル系エラストマーで構成されている。また、基体11は、ポリエステル系エラストマーと組み合せて、公知の熱可塑性樹脂などを混合させて形成しても構わない。
ポリエステル系エラストマーは、ハードセグメントが芳香族ポリエステル、ソフトセグメントが脂肪族ポリエーテルよりなるポリエステル−ポリエーテル型エラストマーおよびハードセグメントが芳香族ポリエステル、ソフトセグメントが脂肪族ポリエステルよりなるポリエステル−ポリエステル型エラストマーを使用することができる。ポリエステル系エラストマーの製品としては、例えば、東レ・デュポン社製のハイトレル等がある。
本実施形態で使用する基体11のヤング率(貯蔵弾性率)は、2.499GPa以下であり、例えば0.115GPa〜0.175GPaである。
本実施形態で使用する基体11の内部損失(損失正接)のピーク温度は、−20℃である。
また、この基体11は、フィルム状に形成されており、膜厚が約20μm〜約60μmに形成されている。また、基体11上に形成される制振層12の厚みは約6μm程度に形成されている。
本実施形態で使用する制振層12は、基体11上に制振層12を形成する材料を塗布することで形成される。基体11上に制振層12を形成後に、金型加圧成形する。
[振動板の物性測定]
図4(A)は、測定装置50と振動板1を説明するための図である。図4(B)は測定装置50全体を説明するための説明図である。
図4(A),図4(B)に示す測定装置50は、片持ち梁法による振動板のヤング率(E’)と内部損失(tanδ)を測定および算出する。
詳細には、測定装置50は、レーザードップラー加速度計51、周波数アナライザ52、電磁誘導型コイル54、アンプ53、被取付部材(金属製部材)501、支持部500、支持部510などを有する。
図4(A),図4(B)に示すように、振動板1は、一端部が自由端となるように、他端部が平板状の被取付部材501の端部に接着剤等により固定されている。また、被取付部材501は、振動板1の測定面がレーザードップラー加速度計51に対向するように、支持部500に固定されている。支持部500には、金属製被取付部材501の近傍に電磁誘導型コイル54が設けられており、電磁誘導型コイル54は、アンプ53を介して周波数アナライザ52に電気的に接続されている。レーザードップラー加速度計51は、支持部510に固定されており、その測定信号は周波数アナライザ52に入力される。
上記構成の測定装置50では、電磁誘導型コイル54に駆動信号が入力されると被取付部材501が振動するとともに振動板1が振動する。電磁誘導型コイル54の駆動信号に応じた信号はアンプ53で増幅されて周波数アナライザ52に入力される。
レーザードップラー加速度計51では、振動板1にレーザ光を照射し、振動板1からの反射光を受光し、その受光強度に応じた測定信号を、周波数アナライザ52に出力する。
周波数アナライザ52では、レーザードップラー加速度計51、および電磁誘導型コイル54からの振動に基づいて、振動板1のヤング率(E’)、内部損失(tanδ)を算出する。
図5(A)は、測定装置50による振動板の振動の加速度の周波数特性を説明するための図である。図5(A)において、縦軸は加速度(A)(単位dB:デシベル)を示し、横軸は周波数(Freq)(単位:Hz)を示す。図5(B)は、半値幅法によるヤング率(E’)と内部損失(tanδ)の測定方法を説明するための図である。
図5(A)に示すように、第1共振周波数(1FQ),第2共振周波数(2FQ),第3共振周波数(3FQ),・・・にてピークが生じている。
この測定の結果を用いて、例えば図5(A),図5(B)に示すように、各共振点のピーク形状により、n次共振の共振周波数fn(Hz)、半値幅Δfを算出する。
試料(振動板)の長さL(接着部を除く)(m)、試料片(振動板)の厚さ(m)、密度ρ(kg/m3 )、共振次数に応じた定数Anを用いて、ヤング率(E’)は、数式(1),内部損失(tanδ)は数式(2)に示すように算出することができる。ここで定数A1 2は3.52、定数A2 2は22.0、定数A3 2は61.7、定数A4 2は121、定数A5 2は200である。
Figure 2009118940
Figure 2009118940
以下、本発明の一実施形態に係る振動板1、基体11、制振層12、および比較例としてポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)等の特性を図面を参照しながら説明する。
図6(A)は実施例1におけるポリフェニルサルホン(PPSU)の内部損失(損失正接(tanδ))の温度特性を示す図である。縦軸は内部損失(損失正接(tanδ))を示し、横軸は温度(T:単位℃)を示す。測定条件としては、PPSUの厚み(D)が8μmであり、周波数(Freq)が10Hzである。図6(B)は、ハイブラー(HYB)の内部損失(損失正接(tanδ))の温度特性を示す図である。
例えば基体11の主形成材料の一つであるPPSUは、図6(A)に示すように、内部損失(損失正接(tanδ))のピーク温度が約226度である。また、制振層12の主形成材料の一つのハイブラー(HYB)は、図6(B)に示すように、内部損失(損失正接(tanδ))のピーク温度が約20度である。
このように、制振層12の主形成材料の内部損失(損失正接(tanδ))のピーク温度は、振動板1の基体11の主形成材料の内部損失(損失正接(tanδ))のピーク温度より小さい。このピーク温度はガラス転移温度と略同じ温度である。このため振動板1は、一般的な使用環境の常温(約20℃)では、制振層12により高い効率で不要な振動を低減することができる。
図7(A)はPENのヤング率(貯蔵弾性率(E’))の周波数特性を示す図であり、図7(B)はPENの内部損失(損失正接(tanδ))の周波数特性を示す図である。図7(C)はPEIのヤング率(貯蔵弾性率(E’))の周波数特性を示す図であり、図7(D)はPEIの内部損失(損失正接(tanδ))の周波数特性を示す図である。
図8(A)はPPSUのヤング率(貯蔵弾性率(E’))の周波数特性を示す図である。図8(B)はPPSUの内部損失(損失正接(tanδ))の周波数特性を示す図である。図8(C)は基体のみの振動板、および基体と制振層とを有する振動板のヤング率(貯蔵弾性率(E’))の周波数特性を示す図である。図8(D)は基体のみの振動板、および基体と制振層とを有する振動板の内部損失(損失正接(tanδ))の周波数特性を示す図である。図8(E)は基体(PA)と制振層(PB)と、基体(PA)と放熱機能粒子(PC)を含有する制振層(PB)とを有する振動板のヤング率(貯蔵弾性率(E’))の周波数特性を示す図である。図8(F)は基体(PA)と制振層(PB)と、基体(PA)と放熱機能粒子(PC)を含有する制振層PBとを有する振動板の内部損失(損失正接(tanδ))の周波数特性を示す図である。
図8(A),図8(B)において、比較例のPPSU(RA)の厚みは9μmであり、図8(C)〜図8(F)において、基体(PA)の厚み(PAD)は9μm、制振層(PB)の厚み(PBD)は5μmである。
図8(A)に示すように、本発明の一実施形態に係る振動板1の常温20℃でのヤング率(貯蔵弾性率(E’))は、図7(A),図7(C)に示すように、比較例としてのPEN、PEIのヤング率(貯蔵弾性率)と比べて小さい、具体的には約2GPa程度である。
また、図8(B)に示すように、本発明の一実施形態に係る振動板1の常温20℃での損失正接(tanδ)は、図7(B),図7(D)に示すように、比較例としてのPENの、PEIの内部損失(損失正接(tanδ))と比べて大きい。
また、振動板1は、図8(C),図8(E)に示すように、そのヤング率(貯蔵弾性率(E’))が、図8(A)に示すように、当該音響変換器用振動板の基体のヤング率(貯蔵弾性率(E’))より小さい。
また、振動板1は、図8(C),図8(E)に示すように、制振層12が放熱機能を有する粒子を含有するほうが、ヤング率(貯蔵弾性率(E’))が比較的小さい。
また、振動板1は、図8(D),図8(F)に示すように、その内部損失(損失正接(tanδ))が、図8(B)に示すように、当該音響変換器用振動板の基体の内部損失(損失正接(tanδ))より大きい。
また、振動板1は、図8(D),図8(F)に示すように、制振層12が放熱機能を有する粒子を含有するほうが、内部損失(損失正接(tanδ))が比較的大きい。
図9(A)は、基体(PA)と制振層(PB)とを有する振動板の出力音圧周波数特性を示す図である。
図9(B)は、基体(PA)と、放熱機能粒子(PC)を含有する制振層(PB)とを有する振動板の出力音圧周波数特性を示す図である。詳細には、図9(A),図9(B)において、実線はSPL(Sound Pressure Level)を示し、点線はTHD(歪率)を示す。左縦軸はSPL(単位dB(decibel)、右縦軸はTHDを示し、横軸は周波数(単位Hz)を示す。ここでTHD(歪率、%)とは、所定の周波数における、100×高調波成分の出力音圧(dB)/出力音圧(dB)であり、高調波成分は2次高調波、3次高調波等の高次の高調波成分を含んでいる。
図10(A)はPPSUを主に用いた基体(PA)と放熱機能粒子(PC)を含有する制振層(PB)とを有する振動板の内部損失(損失正接(tanδ))の温度依存性を示す図である。
図10(B)はポリエステル系エラストマーを主に用いた基体(PA)と放熱機能粒子(PC)を含有する制振層(PB)とを有する振動板の内部損失(損失正接(tanδ))の温度依存性を示す図である。
図10(A),(B)において、縦軸は内部損失(損失正接(tanδ))を示し、横軸は温度(T:単位℃)を示す。測定条件としては、基体(PA)の厚み(D)が8μmであり、周波数(Freq)が10Hzである。
図10(A),(B)は、振動板1が複数のtanδのピーク温度を備えることで、特にスピーカ装置を使用する環境の温度範囲内(20℃〜80℃)における、内部損失(損失正接(tanδ))を大きく低下させることなく、比較的大きく維持することができることを示している。
図11(A)はポリエステル系エラストマーを主に用いた基体(PA)のみの振動板と、ポリエステル系エラストマーを主に用いた基体(PA)と放熱機能粒子(PC)を含有する制振層(PB)とを有する振動板の内部損失(損失正接(tanδ))の温度依存性を示す図である。破線が基体のみの振動板における内部損失の実験データ、実線が基体と制振層とを有する振動板における内部損失の実験データを示している。
図11(B)はポリエステル系エラストマーを主に用いた基体(PA)のみの振動板と、ポリエステル系エラストマーを主に用いた基体(PA)と放熱機能粒子(PC)を含有する制振層(PB)とを有する振動板のヤング率(貯蔵弾性率(E’))の温度依存性を示す図である。破線が基体のみの振動板における貯蔵弾性率の実験データ、実線が基体と制振層とを有する振動板における貯蔵弾性率の実験データを示している。
図11(A)において、縦軸は内部損失(損失正接(tanδ))を示し、横軸は温度(T:単位℃)を示す。測定条件としては、基体(PA)の厚み(D)が8μmであり、周波数(Freq)が10Hzである。
図11(B)において、縦軸はヤング率(貯蔵弾性率(E’))を示し、横軸は温度(T:単位℃)を示す。測定条件としては、基体(PA)の厚み(D)が8μmであり、周波数(Freq)が10Hzである。
図11(A),図11(B)に示すように、制振層12に放熱機能を有する粒子(フィラー等)を混入させることで、振動板1のそのものの温度が上昇しても、基体だけの振動板1に比べ、基体11と制振層12とを備える振動板1の特性は良好である。放熱機能を有する粒子を制振層12に混入させた本発明の実施形態では、特にヤング率(貯蔵弾性率)は比較的小さく、内部損失(損失正接)は比較的大きいので、スピーカ装置の駆動時当初に対して温度上昇に伴って音響特性が変化するのを抑止することができる。
図9(A),図9(B)に示すように、基体(PA)と制振層(PB)のみの振動板と比べて、制振層(PB)に放熱機能粒子(PC)を含有する振動板1では、出力音圧特性、歪率が良好である。具体的には、最低共振周波数が小さくなり、最低共振周波数のピーク値が小さくなっており、出力音圧特性が良好であることがわかる。また、最低共振周でのピーク値が小さくなっており、また、高域でのピーク・ディップが小さくなっており、5kHz付近から10kHz付近までの再生帯域における出力音圧特性が良好になっていることがわかる。また、歪率が低減しており、特に約150Hz付近から高域にかけての歪率は小さくなっていることから、低域から高域にかけて音響特性が良好であることがわかる。また、歪率が低減していることから、振動板1が備える制振層によって不要な振動が振動板1に生じることを抑止していることがわかる。
次に、振動板1製造時、振動板を規定の成形温度(TA)にて加熱プレス加工後、規定の冷却温度(TB)にて冷却したときの離型性を表1を参照しながら説明する。表1において、○印は離型性が比較的高いことを示し、X印は離型性が比較的低いことを示す。
表1に示すように、基体(PA)と制振層(PB)のみの振動板と比べて、制振層(PB)に放熱機能粒子(PC)を含有する振動板1では、離型性が良好であり、特に、成形温度が高温の場合であっても離型性が低下することなく、離型性が比較的高い。
Figure 2009118940
以上、説明したように、本発明に係る音響変換器用振動板1は、基体11と、基体11の片面または両面に形成された制振層12とを有し、制振層12は、放熱機能を有する粒子を含むので、比較的高い放熱性を有する。
また、特に制振層12に、その内部損失(損失正接(tanδ))のピーク温度が、基体(ポリフェニルサルホン樹脂)よりも低い部材を用いることで、音響変換器用振動板のヤング率(貯蔵弾性率)を小さく、且つ内部損失(損失正接)を大きくすることができ、最低共振周波数(F0)を比較的小さくでき、音響変換器用振動板に不要な振動(分割振動等)が発生することを抑止することができる。また、高域でのピーク・ディップを小さくすることができ、高域での出力音圧周波数特性を向上できる。
また、基体11にPPSUを用いることで、引張伸度(破断伸度)が比較的大きくなり、音響変換器用振動板が破断する等を抑止することができる。特に、ポリエーテルイミド(PEI)は引張伸度が比較的低く、音響変換器用振動板が破断する場合がある。
また、制振層12に放熱機能を有する粒子(フィラー等)を混入させることで、スピーカ装置を長時間に渡って駆動する間に、音響変換器用振動板そのものの温度が上昇し、基体や制振層の特性(ヤング率(貯蔵弾性率)や内部損失(損失正接)等)が変化し、スピーカ装置の駆動時とは異なる音響特性を提供することを抑止することができる。
制振層12に放熱機能を有する粒子や帯電抑止機能を有する粒子を混入することで、制振層の表層に凹凸が生じ、音響変換器用振動板の成形性を良好にすることができる。詳細には、制振層の表層に凹凸が生じ、制振層を構成する樹脂と金型との密着する面積を低減でき、金型と制振層との密着性を低くすることができる。
さらに、制振層12に放熱機能を有する粒子や帯電抑止機能を有する粒子を混入することで離型性が大きくなり、制振層にて不要な振動をより緩和させることができる。詳細には、離型性が小さい、つまり密着性が大きいと制振層から基体へ不要な振動が伝播しやすくなり、結果として良好な音響特性を提供しにくくなる。
また、制振層12に、放熱機能を有する粒子を混入することで、内部損失(損失正接)を大きくでき、高域でのピーク・ディップを低減することができる。また、ヤング率(貯蔵弾性率)を小さくでき、最低共振周波数を小さくすることができる。
また、本発明に係る振動板1は、制振層に放熱機能を有する粒子が含有されており、制振層が基体に対して剥離性を有するので、内部損失(損失正接)が比較的大きく、かつヤング率(貯蔵弾性率)が比較的小さい。
振動板1のヤング率が比較的小さくなり、内部損失が比較的大きくなる要因と考えられる事項を以下に記載する。
振動板1が備える基体と制振層とは互いに接着されているが、制振層が放熱機能を有する粒子を含まない場合には、基体と制振層とは界面の殆どが有効な接着面積になっているので、基体と制振層間の接着強度は比較的大きく、基体と制振層とが一体になっている。
これに対して、制振層が放熱機能を有する粒子を有する場合には、放熱機能を有する粒子の存在によって、基体と制振層との界面での有効な接着面積が少なくなって制振層と基体との接着が阻害され(放熱機能を有する粒子と基体との接着力は、制振層を構成する樹脂と基体との接着力に対して比較的小さい)、基体と制振層間に剥離性が生じる。また、基体と制振層間の界面に放熱機能を有する粒子が存在すること、或いは放熱機能を有する粒子の密度が制振層の基体側にて比較的大きいことも推測され、このために、基体と制振層との界面での有効な接着面積が少なくなって制振層と基体との接着が阻害され、基体と制振層間に剥離性が生じると考えられる。
この剥離性によって、振動板1に外力や振動が加わると界面でのすべりが生じ、ヤング率が比較的小さくなると考えられる。また、振動板に振動が伝播する時(振動板が曲げられた時)、基体と制振層間のすべりによって不要な振動が吸収又は緩和(相殺)され、内部損失も比較的大きくなると考えられる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、振動板の形状、エッジ、ボイスコルの形状、磁気回路、音響変換器等は、任意の形状であってもよい。
本発明の実施形態の音響変換器用振動板は比較的高い放熱作用を有するので、高温になりやすい車室内や電子機器内で効果的に用いることができる。図12は、本発明の実施形態に係る音響変換器100を備える電子機器1000,2000を示した説明図であり(一例として、(A)が携帯情報端末、(B)がフラットパネルディスプレイを示している)、図13は、本発明の実施形態に係る音響変換器100を備えた自動車3000を示した説明図である。

Claims (25)

  1. 基体と、該基体の片面または両面に形成された制振層とを有する音響変換器用振動板であって、
    前記制振層は、放熱機能を有する粒子を含み、
    前記制振層は、前記基体に対して剥離性を有することを特徴とする
    音響変換器用振動板。
  2. 前記音響変換器用振動板は、その損失正接が当該音響変換器用振動板の前記基体の損失正接より大きいことを特徴とする請求項1に記載の音響変換器用振動板。
  3. 前記音響変換器用振動板は、その貯蔵弾性率が当該音響変換器用振動板の前記基体の貯蔵弾性率より小さいことを特徴とする請求項2に記載の音響変換器用振動板。
  4. 前記制振層は、帯電抑止機能を有する粒子を含み、
    前記放熱機能を有する粒子は、前記帯電抑止機能を有する粒子とは異なる粒子であることを特徴とする請求項3に記載の音響変換器用振動板。
  5. 前記制振層を構成する少なくとも一つの樹脂材料は、その損失正接のピーク温度が約0℃以上であることを特徴とする請求項4に記載の音響変換器用振動板。
  6. 前記制振層を構成する前記1つの樹脂材料とは異なる樹脂材料は、その損失正接のピーク温度が、前記1つの樹脂材料に対して高く、前記基体に対して低いことを特徴とする請求項5に記載の音響変換器用振動板。
  7. 前記制振層を構成する前記1つの樹脂材料とは異なる樹脂材料は、その損失正接のピーク温度が、前記1つの樹脂材料及び前記基体に対して高いことを特徴とする請求項5に記載の音響変換器用振動板。
  8. 前記制振層及び前記基体はフィルム状であることを特徴とする請求項6又は7に記載の音響変換器用振動板。
  9. 前記貯蔵弾性率は、最低共振周波数の近傍における特性値であることを特徴とする請求項2に記載される音響変換器用振動板。
  10. 前記基体は、芳香族系樹脂材を有し、
    前記制振層は、脂肪族系樹脂を有することを特徴とする請求項1に記載の音響変換器用振動板。
  11. 前記基体は、ポリサルホン樹脂を有することを特徴とする請求項1に記載の音響変換器用振動板。
  12. 前記基体は、構造単位に芳香核結合、スルホン結合、エーテル結合、フェニル結合を含む熱可塑性樹脂を有することを特徴とする請求項1に記載の音響変換器用振動板。
  13. 前記制振層は、内層を挟む複数の表層から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の音響変換器用振動板。
  14. 前記制振層は、複数の層が積層する積層構造を有し、
    前記制振層の複数の層のうち、基体側に形成された層は、磁気回路側に形成された層と比べて放熱機能を有する粒子密度が小さいことを特徴とする請求項1に記載の音響変換器用振動板。
  15. 前記制振層は、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリプロピレン及びスチレン系樹脂の混合物、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニルゴムの共重合体、又はポリメタクリレート系樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の音響変換器用振動板。
  16. 前記放熱機能を有する粒子は、マイカ、または酸化ケイ素を有することを特徴とする請求項1に記載の音響変換器用振動板。
  17. 前記音響変換器用振動板は、振動部とエッジ部とを備え、
    前記エッジ部は、径方向断面形状が凹形状または凸形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の音響変換器用振動板。
  18. 前記帯電抑止機能を有する粒子は、酸化錫であることを特徴とする請求項5に記載の音響変換器用振動板。
  19. 前記制振層は、損失正接のピーク温度が、前記基体の損失正接のピーク温度より低いことを特徴とする請求項1に記載の音響変換器用振動板。
  20. 基体と制振層とを有する音響変換器用振動板であって、
    前記音響変換器用振動板は、常温20℃での損失正接が、前記音響変換器用振動板と略同じ厚みを有するポリエーテルイミドフィルムよりも大きく、
    共振周波数における常温20℃での貯蔵弾性率が、前記音響変換器用振動板と略同じ厚みを有するポリエチレンナフタレートよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の音響変換器用振動板。
  21. 前記基体は、ポリエステル系エラストマーを有することを特徴とする請求項1に記載の音響変換器用振動板。
  22. 請求項1に記載の前記音響変換器用振動板、および該音響変換器用振動板に支持されるボイスコイルを備える振動体と、前記振動体を振動自在に支持するフレームと、前記ボイスコイルが遊嵌する磁気ギャップが形成された磁気回路とを有することを特徴とする音響変換器。
  23. 前記音響変換器用振動板は、少なくとも放熱機能を有する粒子を含む前記制振層が前記基体より前記磁気回路側に形成されていることを特徴とする請求項22に記載の音響変換器。
  24. 請求項22に記載の音響変換器を備えることを特徴とする電子機器。
  25. 請求項22に記載の音響変換器を備えることを特徴とする自動車。
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