JP2563368B2 - 音響機器用振動板 - Google Patents

音響機器用振動板

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JP2563368B2
JP2563368B2 JP62223406A JP22340687A JP2563368B2 JP 2563368 B2 JP2563368 B2 JP 2563368B2 JP 62223406 A JP62223406 A JP 62223406A JP 22340687 A JP22340687 A JP 22340687A JP 2563368 B2 JP2563368 B2 JP 2563368B2
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polyethylene
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和朗 奥沢
智康 高瀬
圭一 齋藤
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は各種音響機器に用いられるスピーカを構成す
る音響機器用振動板に関する。
従来の技術 従来、プラスチックから成る音響機器用振動板として
はポリエチレンテレフタレートフィルムが使用されてき
た。また、ポリビスフェノールフタレート型樹脂フィル
ムを用いた音響機器用振動板がある。
発明が解決しようとする問題点 しかし、小口径のスピーカ、例えば小型ラジオ用スピ
ーカヘッドホン用スピーカなどに使用されている前者の
ポリエチレンテレフタレートフィルムの音響機器用振動
板は、弾性率が比較的高いが内部損失が小さいため低域
再生が不十分でまた音響周波数特性上にピーク,ディッ
プが生じやすい。そこで、フィルムの膜厚を薄くしてス
ティフネスを小さくすると分割共振が生じやすいので再
生時歪の発生原因となる。又、このフィルムの耐熱性に
おいても65℃以上の雰囲気では薄いフィルムになれば変
形を生じ易く異常音の原因となる。
更に、後者のフィルムからなる音響機器用振動板はス
ティフネスは小さく剛性に欠けるので、低域再生は容易
であるが音の再生帯域が狭く、フィルム厚を薄くする
と、音響機器用振動板の剛性に欠けるので歪が発生し、
スピーカの耐入力面でビリツキ易い等の欠点が残る。
そこで本発明は上記欠点をなくした優れた音響機器用
振動板を提供するものである。
問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために本発明は、ナフタレンジ
カルボン酸とエチレングリコールとから成るポリエチレ
ン2,6ナフタレート樹脂フィルムを成形したものであ
る。
作用 本構成の音響機器用振動板は、剛性がポリエステルフ
ィルムよりも高いにかかわらず、内部損失が大きいの
で、フィルムの膜厚を薄くしても分割共振が少なく、音
の再生帯域が広く、周波数特性が優れる。
実施例 以下本発明の一実施例における音響機器用振動板につ
いて説明する。
まず、第1図において、1は磁気回路であり、この磁
気回路1はプレート3とヨーク4と、柱状マグネット2
によって構成されている。
このような磁気回路1にはフレーム6が結合され、こ
のフレーム6の周縁部にはガスケット7とともに音響機
器用振動板6の中央部にはボイスコイル5が結合され、
上記磁気回路1の磁気ギャップ9に偏心することなくは
まりこんでいる。
(1) このような構成のスピーカにおいて、音響機器
用振動板8としては、ナフタレンジカルボン酸とエチレ
ングリコールとからなるフィルム、詳細には分子鎖中に
ナフタレン環を持つ、ポリエチレン2,6ナフタレート樹
脂からなるフィルムで下記の化学構造式で示されるもの
を180℃〜230℃の温度雰囲気中で加熱し、20℃〜50℃程
度に加温された金型にて成形プレスして得られる。
これは、一般に使用されているポリエチレンテレフタ
レート樹脂フィルム(商品名 マイラー)に比べて融点
は272℃と大差ないが、ガラス転位点は113℃と高く、振
動板形状に成形後の熱変形については耐熱性が良好で10
0℃程度の雰囲気中であっても変形は少ない。表にする
と次のようになる。
又、耐熱性すなわち温度雰囲気中に24時間放置後の音
響機器用振動板の変形は次表のようになる。
このように、本実施例の音響機器用振動板はガラス転
位点が高いので耐熱性が良好となる。一方、従来品であ
るポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムからなる音
響機器用振動板は、70℃以上の温度雰囲気において変形
を生じるので、特に夏場の車室内に従来音響機器用振動
板を用いたスピーカを装備した小型ラジオを放置したり
すると、車内が70℃以上になる場合、異常音発生の原因
となることがある。しかし、本実施例の音響機器用振動
板を用いたスピーカを装備した小型ラジオは、十分その
機能を発揮し、高温雰囲気中であっても良好な音質であ
る。
(2) 又、従来より用いられるポリエチレンテレフタ
レートフィルムの音響機器用振動板は180℃〜230℃の温
度雰囲気中において、フィルムの熱収縮歪が激しく、フ
ィルムの外周部を保持していてもフィルムのシワが出や
すく、厚味が不均一となり、無理に金型で成形しても、
熱収縮による歪が残り、成形後の変形を生じ易い。一
方、本実施例の音響機器用振動板に用いるフィルム(ポ
リエチレン2,6ナフタレート樹脂フィルム)は、上記温
度雰囲気中においての熱収縮は非常に少なく、フィルム
厚が均一で、フィルム全体が柔軟となり、成形後の変形
がほとんどない。
以上から本実施例の音響機器用振動板は、分割共振に
おいても従来から使用されているポリエチレンテレフタ
レート樹脂フィルムの音響機器用振動板に比べて、非常
に良好で変形も少なく、成形が容易である。
(3) 本実施例の音響機器用振動板は剛性が良好で、
ポリエチレンテレフタレートよりも50%以上弾性率が高
く、比弾性率も良好であるのに加えてtanδが大きい特
長があり、音響機器用振動板としては理想的な物性値を
示す。
すなわち、本実施例を使用したスピーカは剛性が高い
ので、高域限界周波数が高く、音の帯域が広い。膜厚を
薄くしてもtanδが大きいので音響機器用振動板の分割
共振が少なく、周波数特性の優れた音質の良好なスピー
カを提供する。
下記に本実施例の音響機器用振動板の物性値を従来品
の音響機器用振動板の物性値と比較して示す。
物性値は振動リード法で調査しフィルム厚は50μであ
る。(実測値) 以上の如く本発明の音響機器用振動板の物性は他のフ
ィルムの物性に比べて振動板として理想的な物性を有す
る。
(4) 次に、第2図に小型マイクロスピーカに用いた
音響機器用振動板の周波数物性を示す。
入力は0.1W(1k Hz)、スピーカとマイクとの距離は
0.5mにて特性を比較している。
第2図のAはポリアリレートフィルムの音響機器用振
動板を用いたスピーカの特性で、Bはポリエチレンテレ
フタレートフィルムの音響機器用振動板を用いたスピー
カの特性、Cは本実施例の音響機器用振動板を用いたス
ピーカの特性であり、本実施例によれば音の帯域が広
く、すぐれた音質を提供することが出来る。
又、本実施例であるポリエチレン2,6ナフタレート樹
脂に強化剤としてタルクやチタン酸カリウム等を添加す
ることによって、音響機器用振動板の物性及び耐熱性を
向上することも可能であり、例えばチタン酸カリウム粉
末を10%添加することによって弾性率は約15%向上し、
耐熱性も5〜10%向上する。
発明の効果 以上のように本発明は構成されるため耐熱性が良好で
あるばかりでなく、フィルムの音響機器用振動板として
は弾性率が良く、tanδが大きいので、理想的な物性値
を有する、広帯域で音質の良好なスピーカを提供するこ
とができ、工業的価値の大なるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を用いたスピーカの一実施例を示す半断
面図、第2図は本発明の音響機器用振動板を用いたスピ
ーカ及び従来振動板を用いたスピーカの周波数特性図で
ある。 1……磁気回路、2……マグネット、3……プレート、
4……ヨーク、5……ボイスコイル、6……フレーム、
7……ガスケット、8……音響機器用振動板、9……磁
気ギャップ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも磁気回路と、この磁気回路に結
    合されたフレームと、このフレームの周辺部に周縁部が
    固着された音響機器用振動板と、この音響機器用振動板
    の中央部に結合されるとともに上記磁気回路の磁気ギャ
    ップに挿入されるボイスコイルとで構成されるスピーカ
    の上記音響機器用振動板として、ナフタレンジカルボン
    酸とエチレングリコールとから成るポリエチレン2,6ナ
    フタレート樹脂フィルムを所望の形状に成形して用いた
    音響機器用振動板。
  2. 【請求項2】ポリエチレン2,6ナフタレート樹脂は強化
    剤としてタルクまたはチタン酸カリウム繊維のいずれか
    を混入したポリエチレン2,6ナフタレート樹脂である特
    許請求の範囲第1項記載の音響機器用振動板。
JP62223406A 1987-09-07 1987-09-07 音響機器用振動板 Expired - Lifetime JP2563368B2 (ja)

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