JP3013587B2 - スピーカ用ダストキャップ及びその製造方法 - Google Patents

スピーカ用ダストキャップ及びその製造方法

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JP3013587B2 JP4070240A JP7024092A JP3013587B2 JP 3013587 B2 JP3013587 B2 JP 3013587B2 JP 4070240 A JP4070240 A JP 4070240A JP 7024092 A JP7024092 A JP 7024092A JP 3013587 B2 JP3013587 B2 JP 3013587B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピーカ用ダストキャ
ップ、特に新規な材料により成形加工したダストキャッ
プとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スピーカ用ダストキャップの素材
として、当該ダストキャップが振動板に結合されて音響
放射に寄与し、且つ振動板あるいはボイスコイルボビン
等結合部に体して補強作用を呈する場合には、スピーカ
の周波数特性を良好にすると共に再生音圧レベルの向上
を図るために、軽量であること、即ち密度(ρ)が低い
事、再生帯域の高域化を図るため比弾性率(E/ρ)が
大きいこと、及び、歪みを押さえ、耐入力を向上させる
ために剛性が大きいことが要求される。特に高温多湿の
環境下で使用されるスピーカのダストキャップ用素材と
しては、前記要求特性に加え、高温多湿の環境条件に耐
えて変形、変質しないだけの耐熱性と耐湿性とが必要で
ある。この様な用途のダストキャップ材料として従来は
紙に樹脂含浸したもの、ガラスまたは炭素繊維織布にエ
ポキシ樹脂を含浸し熱成形したもの、或いは熱可塑性ポ
リイミド(TPI)等スーパーエンジニアリングプラス
チックフィルムを熱成形したもの等が使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様な構造を有する
従来のダストキャップにおいて、紙に樹脂含浸したもの
は、比弾性率や剛性が低く、又、ガラスまたは炭素繊維
織布にエポキシ樹脂を含浸し熱成形したダストキャップ
は、成形時間が長くてコストアップとなるだけでなく、
250℃以上の高温では樹脂が分解し始めるため使用で
きないという欠点があり、更に、スーパーエンジニアリ
ングプラスチックフィルムを熱成形したダストキャップ
は250℃以上の高温では樹脂が軟化し、振動で変形す
るため使用できないという解決すべき課題があった。
【0004】そこで本発明は、上記従来例に付する欠点
を解消し、ポリイミドとアラミドとのポリマーアロイフ
ィルムを熱プレスしてダストキャップ形状に成形した
後、更にポリイミドのTg以上の温度で熱処理すること
によって、アラミド単体よりも遥かに高い耐熱性を有す
るダストキャップ及びその製造方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るスピーカ用ダストキャップとその製造方
法を、実施例を示す図1〜図3を用いて説明すると、本
第1発明は、ポリイミドとアラミドとのポリマーアロイ
を主成分とする構成のスピーカ用ダストキャップであ
る。
【0006】第2発明は、前記ポリイミドの混合比率が
30%以上である請求項1記載のスピーカ用ダストキャ
ップである。
【0007】第3発明は、ポリイミドとアラミドとのポ
リマーアロイをキャスティングによりフィルム化し、当
該フィルムを熱プレスしてダストキャップ形状に成形し
た後、ポリイミドのTg以上の温度で熱処理することを
特徴とするスピーカ用ダストキャップの製造方法であ
る。
【0008】
【作用】そして、この様な構成のダストキャップとその
製造方法について、単体、及び混合物の相系の変化を、
図1に示すDSC曲線により説明すると、曲線Aはアラ
ミド単体、Bはポリイミド単体、Cはアラミド/ポリイ
ミド(50/50)ブレンドのキャストのみ、Dはキャ
スト後330℃で12時間、熱処理したもののDSC曲
線である。夫々の曲線に於て発熱がピークを示す箇所は
結晶組織が変化する温度で、即ちTgを表す。
【0009】曲線A、Bから、アラミド単体、ポリイミ
ド単体のTgは夫々240℃、280℃である事を示し
ており、特にアラミドは350℃以上で結晶化による発
熱のピークが見られる。又、キャストのみ(C)ではア
ラミド単体とポリイミド単体のTgが夫々240℃、2
80℃で現れ、350℃以上ではアラミドの結晶化によ
る発熱のピークが見られることからこれら2成分は相溶
しておらず、2相系である事を示す。熱処理後のもの
(D)では、アラミド単体、ポリイミド単体の夫々のT
gより高い290℃に新たなTgが出現しており、熱処
理前に2つ現れたTgが1つに変化していることから1
相系に変化したことを示している。
【0010】上記のことからダストキャップの成形時に
は2相系であったアラミドとポリイミドが、熱処理によ
りアラミドの水素結合が切れて1相系を形成する事によ
り2者が相溶して、ポリイミド単体よりも遥かに高い耐
熱性(400℃)を有するダストキャップを得ることが
出来る。従って、本願の製造方法はダストキャップの加
工に非常に好都合なばかりでなく、製品の耐熱性を著し
く向上させることが出来る。
【0011】
【実施例】図1〜図3により、本発明の実施例を詳述す
ると、ポリイミド(化学式1)と、メタフェニレンジア
ミンと3,4’−ジアミノフェニルエーテルより重合し
て得られるアラミド(化学式2)を、夫々N−メチルピ
ロリドンに加熱しながら溶解し、この溶液をアラミド/
ポリイミド=50/50の重量比となるように混合した
ものを、キャスティング法により厚さ40μmの透明な
キャストフィルムを作成した。このフィルムを、250
℃〜280℃に保持したドーム形ダストキャップ金型で
プレス成形した後、同じ形状のステンレス製形状保持治
具に挟み、330℃に加熱した電気炉内で約12時間熱
処理してから、室温に戻して治具から取出すことによ
り、ドーム形状の本発明のダストキャップを得た。
【0012】
【化1】
【0013】
【化1】なお、ポリイミドの混合比率について更に詳し
く説明すると、図2はアラミドにポリイミドをブレンド
した際のポリイミド比率に対するTgの変化を示したも
のである。点線で示したキャスティングのみの場合、ポ
リイミド比率が0〜40%迄はアラミド単体に近い温度
(=240℃)にTgが現れ、40〜80%の範囲では
アラミド、ポリイミド夫々単独のTgに近い温度(24
0℃,280℃)の2箇所にTgが現れ、又、80〜1
00%ではポリイミドの単独に近い温度(280℃)に
Tgが現れる。従って、40%/80%の間では2種の
Tgが共存するため、低い方のTg(240℃)付近の
温度で成形可能である。
【0014】330℃−12時間の熱処理を行うと、熱
処理前のTgより40〜50℃高いTgを示している。
特にポリイミド比率が30%以上ではポリマーアロイの
TgがポリイミドのTg以上を示し、耐熱性が非常に優
れていることが分かる。
【0015】以上、本発明に係るスピーカ用ダストキャ
ップとその製造方法について代表的と思われる実施例を
基に詳述したが、本発明によるダストキャップの実施態
様は、形状、ポリイミドとアラミドとの混合比などに於
て、上記実施例の構造に限定されるものではなく、前記
した特許請求の範囲に記載の構成要件を具備し、本発明
にいう作用を呈し、以下に述べる効果を有する限りにお
いて、適宜改変して実施しうるものである。
【0016】
【効果】図3に、前述したアラミド単体A、ポリイミド
単体B、アラミド/ポリイミド(50/50)ブレンド
のキャストのみC、キャスト後330℃で12時間、熱
処理したものDの動的弾性率の温度依存性について測定
した結果を示す。
【0017】アラミド単体Aとポリイミド単体Bとは夫
々のTgを越えると、弾性率が急激に低下し始めてい
る。又、キャストのみCの場合もA,B中間の温度で同
様の挙動を示している。熱処理したものDではポリイミ
ドのTg(280℃)を越えても高い弾性率を示し、4
00℃でも約109 Pa程度の弾性率を保持しているた
め、常時300℃〜400℃の雰囲気に示されるような
過酷な環境条件下でも、実用上十分な耐熱性を示すこと
がわかる。
【0018】本発明に係るダストキャップとその製造方
法は、以下に述べる効果を有する。 (1) 製造工程において、熱処理前では250〜300℃
程度の温度で容易に成形でき、熱処理を加えることで4
00℃以上の耐熱性を有するダストキャップを得ること
ができる。従ってダストキャップの加工に非常に好都合
である。 (2) 製品の耐熱性を、原材料の樹脂よりも著しく向上さ
せることが出来る。 (3) ポリイミドをベースレジンとしているため、難燃性
で、耐薬品性、耐酸・アルカリ性、耐水性に優れ、耐溶
剤性も良好である。従って高温の蒸気中での連続使用
や、高温のCOn・NOxガス中でも変形、変質するこ
とはない。
【0019】以上のことから、本願発明は、常時200
〜400℃の高温に晒されるような過酷な使用環境、例
えば自動車のエンジンや排気管付近に設置して使用す
る、騒音の能動消去用音源に使用するスピーカ用として
好適なダストキャップを得るという効果を有するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願実施例及び原料樹脂の、温度に対する相変
化を示すDSC曲線図。
【図2】アラミドとポリイミドの混合比率とTgとの関
係を示す特性図。
【図3】本願実施例と原料樹脂との動的弾性率の温度依
存性を比較した特性図。
【化2】

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドとアラミドとのポリマーアロ
    イを主成分とするスピーカ用ダストキャップ。
  2. 【請求項2】 前記ポリイミドの混合比率が30%以上
    である請求項1記載のスピーカ用ダストキャップ。
  3. 【請求項3】 ポリイミドとアラミドとのポリマーアロ
    イをキャスティングによりフィルム化し、当該フィルム
    を熱プレスしてダストキャップ形状に成形した後、ポリ
    イミドのガラス転移温度(以下Tgと略称)以上の温度
    で熱処理することを特徴とするスピーカ用ダストキャッ
    プの製造方法。
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