JPH0265399A - スピーカ用振動板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は音響出力機器等に用いられるスピーカ用振動板
に関するものである。

従来の技術 近年、カセットテープレコーダ、マイクロ力セントテー
ブレコーダ、ハイファイステレオ業界においては音響出
力機器としてのスピーカの音響特性において、従来より
もさらに出力音圧、歪み率、平坦性に優れた高音質のス
ピーカが望まれており、音響特性を左右するスピーカ用
振動板はますます重要視されている。

以下、上述の従来のスピーカの例について、その動作を
説明する。スピーカは振動板、ボイスコイルボビン、ボ
イスコイルなどの振動系とマグネット、ボール、プレー
ト、ヨークよりなる磁気回路系よりなる。

−様な磁場中の中にあるボイスコイルに音声電流が流れ
るとボイスコイルに上下方向の電磁力が発生し、電流に
応じて振動する。この振動を正しく振動板の振動に伝え
音波として放射される（例えば、早坂寿雄：音響工学入
門、日刊工業新聞社）。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、スピーカの振動板は使用する周波数帯域
にわたってピストン運動することが理想とされるが、振
動中に振動板が変形したり分割振動が生ずると音圧−周
波数特性、歪み率、位相特性等が劣化し、高忠実再生の
妨げとなる。また、従来多く用いられている祇コーン振
動板材料のもつＥ／ρ（ただし、Ｅ：弾性率、ρ：重密
度が小さいため、高域共振周波数が低く、スピーカが高
域まで再生できないという欠点があった。また従来、こ
のパルプ振動板の欠点を補うため、本発明は上記課題に
鑑み、振動中に振動板が変形したり分割振動を生ぜず、
高域共振周波数が高く音圧周波数特性、歪み率、位相特
性の優れかつ耐熱性、耐溶剤性、耐候性の高いスピーカ
用振動板を提供するものである。

課題を解決するための手段 この目的を達成するために本発明のスピーカ用振動板は
、甲殻類の外皮形成物の主成分の天然高分子であるキチ
ン質を繊維として成形したものをパルプ出兵に混抄した
構成物を振動板材料として用いたものである。

作用 本発明は、上記した材料を用いているため、弾性率が大
きく、これを振動板として用いた場合、振動板の曲げ剛
性が非常に大きく、振動中に振動板が変形したり分割共
振が生じない。また基材としてバルブとキチン質の繊維
を混抄した構成物を用いているため、比弾性率Ｅ／ρ　
（ただし、Ｅ：弾性率、ρ：密度）が大きく、これを振
動板として用いた場合、スピーカの再生帯域がのび、優
れた音圧−周波数特性、歪み率、位相特性を持っスピー
カを得ることができる。

また、キチン質は、非常に大きい以内部損失を持ってい
るため、おなじく内部損失の大きいバルブと混抄した構
成物はこれを振動板として用いた場合、スピーカの音圧
−周波数特性の山谷を平坦化し忠実な音響再生を得るこ
とができる。

さらに、この振動板素材は天然高分子のキチン質の繊維
とバルブを混抄した構成物を用いているため、耐溶剤性
、耐熱性、耐候性に優れ、大きな入力信号を入れること
ができまた、非常に苛酷な条件下でのスピーカの使用に
耐え得る。

実施例 以下、本発明の一実施例のスピーカ用振動板について説
明する。

本発明の一実施例におけるスピーカは、甲殻類の外皮形
成物の主成分であるキチン質を繊維状にしたものをバル
ブと共に混抄し、振動板の形状に成形して用いている。

この振動板はボイスコイルボビンに固着され、ボイスコ
イルボビンの先端に設けられたボイスコイルが磁気回路
の磁気ギャップに挿入されている。

以上のように構成されたスピーカについて、以下その動
作について説明する。

スピーカは振動板、ボイスコイルボビン、ボイスコイル
などの振動系とマグネット、ボール、プレート、ヨーク
よりなる磁気回路系よりなる。

様な磁場の中にあるボイスコイルに音声電流が流れると
ボイスコイルに上下方向の電磁力が発生し、電流に応じ
て振動する。この振動を正しく振動板の振動に伝え、音
波として放出される。また、ボイスコイルに流れる音声
電流は、電磁力を発生させるとともに多くは熱エネルギ
ーとして変換される。このときのボイスコイルの温度は
入力される音声電流の大きさに応じて高くなり、しばし
ば２００℃を越える。そしてこの熱はボイスコイルボビ
ンを通じて振動板にも伝達されるため、熱変形温度の高
くない材料で構成された振動板は変形をきたし、発生す
る音が歪んだりノイズの発生する原因となる。

次に振動板の製造方法について述べると、甲殻類の外皮
形成物の主成分であるキチン質を溶媒、たとえばジメチ
ルアセトアミド、Ｎ−メチル−２−ピロリドン、リチウ
ムクロライド等を混合した溶媒に溶解し、その溶液より
湿式紡糸法により０．７〜１デニールの太さの繊維を成
形し、３〜１０龍の長さに切断したものを未晒しクラフ
トバルブに対して重量比で１０”１５％加え、水中に重
量比０．１〜０．３％分散させ、アルキルケテンダイマ
ー、ポリアミドポリアミン−エビクロロヒドリン樹脂等
をバインダーとして添加し、６０〜８０メツシユの金網
を用いて抄造した後加熱プレス、熱風圧乾燥器等で、所
定の振動板形状に成形する。

以上のように本実施例によれば、甲殻類の外皮形成物の
主成分であるキチン質を繊維状にしたものをバルブと共
に抄造した構成物を振動板として成形して用いたスピー
カは振動板の変形、分割共振が生ぜず良好な音響特性が
得られ、バルブ製コーン型振動板と比較して歪み率を２
２ｄＢ低下させることができる。音圧−周波数特性の山
谷も±３ｄＢとバルブの振動板と比較して、約±３ｄＢ
低下させることができた。

以下の第１表に、本発明で用いたキチン繊維とバルブを
混抄した構成物と従来用いられてきたバルブシートの物
性値を示す。

第１表 く、良好な音響特性と音質を有し、また耐熱性の高い、
耐溶剤性、耐候性の高い、かつ耐入力の高い、音響出力
の大きなスピーカを得ることができ、良好な音響特性お
よび音質と、高い信頬性を存する優れたスピーカを実現
できるものである。

代理人の氏名　弁理士　粟野重孝　はか１名発明の効果

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 甲殻類の外皮形成物の主成分であるキチン質より成形さ
   れた繊維を、パルプと共に抄造した構成物を用いたこと
   を特徴とするスピーカ用振動板。