JPWO2009113520A1 - モータ - Google Patents
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Abstract
電機子は、6つの分割要素(21A〜21F)を略環状に配置し形成される。各分割要素は、互いに隣接する第1ティースおよび第2ティースと、各ティースを覆うインシュレータと、導線(2131)が巻回されて形成されるコイルとを有する。導線(2131)は、第1ティースに反時計回りに巻回されて第1コイル(213a)を形成し、第1コイル(213a)から連続して第2ティースに時計回りに巻回されて第2コイル(213b)を形成する。導線(2131)の一方の導線端部(2132)は上方に引き出され、他方の導線端部(2133)は下方に引き出される。この構造により、電機子の組立時に各分割要素(21A〜21F)の上下を区別する必要がないため、組立の作業効率が向上される。
Description
本発明は、電動式のモータに関連する。
従来、電動式のモータにおいて、小型化やコスト削減等のための様々な技術が提案されている。例えば、特開平9−200991号公報では、コイルの引出線および引出線を外部へ接続するための配線部材を固定子の下側に配置し、中性点用の接続板を固定子の上側に配置した車載用モータが開示されている。
特開平9−200991号公報
ところで、電機子の構造が複雑な場合、結線作業でミスが発生しやすくなり、組立の作業効率が低下する恐れがある。また、コイルと配線部をTIG(Tungsten Inert Gas)溶接等で接続する際に、隣接する接続部同士の距離が近いと作業が困難となるため、モータの小型化にも制約が生じる。
本発明の一例のモータは、ステータ部、ロータ部、軸受機構、および、配線部を備える。電機子は、同一構造の6個の分割要素を略環状に配列して形成される。各分割要素は、互いに隣接する第1ティースおよび第2ティースと、第1ティースおよび第2ティースを覆うインシュレータと、各ティースに巻回される導線とを備える。導線は、インシュレータ上から第1ティースに巻回されて第1コイルを形成し、第1コイルから連続して第1コイルにおける巻回方向とは反対の巻回方向に、インシュレータ上から第2ティースに巻回されて第2コイルを形成する。第1ティースおよび第2ティースは、周方向に交互に配置される。導線の一方の端部および他方の端部は、中心軸方向における電機子の一方側および他方側にそれぞれ引き出される。配線部は、第1配線構造および第2配線構造を備える。第1配線構造は、電機子の一方側にて、導線の一方の端部と外部の電源とを電気的に接続する。第2配線構造は、電機子の他方側にて、中心軸を挟んで対向する3対の分割要素における、各対の導線の他方の端部を電気的に接続する。
本発明の一例のモータは、モータの組立の作業効率を向上することができる。
1,1a モータ
2 ステータ部
3 ロータ部
4 軸受機構
12 配線部
12a 第1配線構造
12b 第2配線構造
21 電機子
33 界磁用磁石
121 バスバー
123 バスバーユニット
21A〜21F 分割要素
212 インシュレータ
213a 第1コイル
213b 第2コイル
2111a 第1ティース
2111b 第2ティース
2126 溝
2131 導線
2132,2133 導線端部
J1 中心軸
2 ステータ部
3 ロータ部
4 軸受機構
12 配線部
12a 第1配線構造
12b 第2配線構造
21 電機子
33 界磁用磁石
121 バスバー
123 バスバーユニット
21A〜21F 分割要素
212 インシュレータ
213a 第1コイル
213b 第2コイル
2111a 第1ティース
2111b 第2ティース
2126 溝
2131 導線
2132,2133 導線端部
J1 中心軸
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明の好ましい実施形態の説明において、各部材の位置関係や方向を上下左右で説明するときは、図面における位置関係や方向を示し、実際の機器に組み込まれたときの位置関係や方向を示すものではない。
図1は、本発明の第1の好ましい実施形態に係る電動式のモータ1を模式的に示す断面図である。図1では、断面より奥側の構成の一部も示している。また、平行斜線を付すことなく断面を示している。モータ1は自動車に搭載され、パワーウィンドウやパワースライドドア等の駆動源として使用される。また、モータ1は、中心軸J1方向の高さが外径に比べて小さい薄型構造となっている。図1に示すように、モータ1はインナロータ型のモータである。モータ1は、中心軸J1を中心とする略環状の電機子21を有するステータ部2、電機子21内に挿入されるロータ部3、および、軸受機構4を備える。軸受機構4は、ロータ部3をステータ部2に対して中心軸J1を中心に回転可能に支持する。さらにモータ1は、ロータ部3の回転位置を検出するセンサ部5、電機子21の上面を覆う上カバー10、電機子21の上方に位置する略板状の樹脂プレート11、および、電機子21に接続される配線部12を備える。
ロータ部3は、略円柱状のシャフト31、略円筒状のロータコア32、略環状の界磁用磁石33、センサ用磁石34、および、ロータカバー35を有する。ロータコア32は、金属の薄板を複数枚積層して形成される。界磁用磁石33は、電機子21の内周に対向するようにロータコア32の外側面に配置される。センサ用磁石34は、ロータコア32の上面に配置され、ロータコア32と一体に回転する。ロータカバー35は、界磁用磁石33およびセンサ用磁石34を覆う。ステータ部2は、電機子21および電機子21を覆う有底略円筒状のステータカバー22を有する。電機子21は、ステータカバー22および上カバー10に囲まれた空間に収納される。以下の説明では、便宜上、中心軸J1に沿って上カバー10側を上側、ステータカバー22側を下側として説明するが、中心軸J1は必ずしも重力方向に一致する必要はない。
電機子21は、コア211、コア211を覆うインシュレータ212、および、コイル213を有する。コア211は、薄板状の珪素鋼板を複数枚積層して形成される。コイル213は、インシュレータ212を介してコア211に巻回される。電機子21の上面および下面には、電機子21への駆動電流の供給路となる配線部12のバスバー121が配置される。上面側のバスバー121は樹脂プレート11に覆われ、ステータカバー22から外部に突出するコネクタ部122を介して外部電源と接続される。軸受機構4は、中心軸J1に沿って配列された一対の玉軸受41,42を備える。玉軸受41,42は、ステータカバー22の略中央に設けられた軸受保持部2213、および、上カバー10の略中央に設けられた軸受保持部103に保持される。センサ部5は、回路基板および磁界検出素子(例えば、ホール素子)であるセンサを有する。センサ部5は、ロータ部3に取り付けられているセンサ用磁石34の磁界をセンサで検出し、電機子21に対するロータ部3の回転位置を検出する。
図2は、ステータカバー22を模式的に示す底面図である。図1および図2に示すように、ステータカバー22は略円板状の底部221、略円筒状の側壁部222、および、略三角形状のフランジ部223を有する。底部221は、略中央にシャフト31が挿入される穴部2211、および、穴部2211の周囲にて中心軸J1を中心として上方に突出する環状凸部2212を有する。環状凸部2212の内側の部位は、玉軸受41を保持する軸受保持部2213となっている。側壁部222は、底部221の外縁から上方に伸びる。また、フランジ部223は、側壁部222の上端から中心軸J1に略垂直な方向に広がる。フランジ部223の3つの角部には、上カバー10との締結用の穴部2231が設けられている。また、フランジ部223の一部は、コネクタ部122が配置される位置にて側壁部222の一部と共に切り取られている。
図3は、電機子21の上面を覆う上カバー10を模式的に示す平面図である。上カバー10は、フランジ部223と同様な略三角形であり、穴部104がステータカバー22の穴部2231に対応する3箇所に形成されている。また、図1および図3に示すように、上カバー10は略中央にシャフト31が挿入される穴部101、および、穴部101の周囲にて中心軸J1を中心として下方に突出する環状凸部102を有する。環状凸部102の内側の部位は、玉軸受42を保持する軸受保持部103となっている。
図4は、電機子21のバスバーを配置する前の状態を模式的に示す平面図である。図5は、バスバーが配置された後の電機子21を模式的に示す平面図である。電機子21のコア211は、12個の分割コアを周方向に配列して形成される。図4および図5では、互いに隣接する1対の分割コアに対応する6個の分割要素に符号21A〜21Fを付している。コア211は、中心軸J1を中心として径方向に伸びる12個のティース2111、および、各ティース2111を中心軸J1とは反対側で接続する略環状のコアバックを有する。なお、図4および図5では、ティース2111に符号2111aまたは2111bを付している。図4に示すように、各ティース2111はインシュレータ212により覆われる。インシュレータ212は、上下が逆の2つのインシュレータ部品2121を組み合わせて構成される。
図6は、インシュレータ部品2121を模式的に示す斜視図である。図7は、図5中の矢印Aにて示す位置での電機子21の断面を模式的に示す図である。図7は、インシュレータ212によりティース2111の一部が覆われたコア211を示す。図6および図7に示すように、インシュレータ部品2121は、径方向内側にて中心軸J1に略平行に突出する内壁部2122、および、径方向外側にて中心軸J1に略平行に突出する外壁部2123を有する。内壁部2122は、略円筒面状となっており、外壁部2123は中心軸J1に略平行な板状となっている。内壁部2122と外壁部2123との間には、ティース2111の上面または下面を覆う底部2124、および、ティース2111の側面を覆う側部2125が設けられる。外壁部2123の外側には、2つの溝2126が略平行に並ぶように設けられる。なお、図6では2つの溝2126のうち一方が外壁部2123に隠れている。
図4に示すように、インシュレータ212が周方向に配列されることにより、各インシュレータ212が有する2つの溝2126と、隣接するインシュレータ212が有する2つの溝2126とが連なる。これにより、電機子21の上面側に2つの溝がコアバックに沿って略周方向に伸びるとともに、径方向に並ぶ。電機子21では、全てのインシュレータ212の形状が共通化されることにより、製造コストが削減される。なお、図7中に二点鎖線にて示すように、コイル213を形成する導線は、インシュレータ212の内壁部2122と外壁部2123との間に巻回され、2つの溝2126は複数のコイル213の外側に配置される。
図4に示すように、6つの分割要素21A〜21Fは略環状に配列されることにより電機子21を形成する。6つの分割要素21A〜21Fは同一構造を有し、各分割要素は互いに隣接する第1ティース2111a、および第2ティース2111bを有する。図8は、分割要素21Aの概略を中心軸J1側から示す図である。図8に示すように、第1ティース2111aは第2ティース2111bの左側に配置される。また、図8に示すように、第1ティース2111aを覆うインシュレータ212に導線2131を巻回することにより、第1コイル213aが形成され、第2ティース2111bを覆うインシュレータ212に導線2131を巻回することにより、第2コイル213bが形成される。なお、図8では、コイル213を形成する導線2131を折れ線にて示している。
第1コイル213aは、導線2131がインシュレータ212上から第1ティース2111aに、中心軸J1から見て反時計回りに巻回されることにより形成される。第2コイル213bは、導線2131が第1コイル213aから連続して第1コイル213aにおける巻回方向とは反対の巻回方向に、インシュレータ212上から第2ティース2111bに巻回されることにより形成される。導線2131の第1コイル213a側の導線端部2132は上方に引き出され、第2コイル213b側の他方の導線端部2133は下方に引き出される。なお、既述のように分割要素21A〜21Fは略環状に配列されるため、第1ティース2111aと第2ティース2111bとは、図4に示すように周方向に交互に配置される。
図5に示すように、配線部12は、電機子21の上面側に配置される第1配線構造12aを有する。第1配線構造12aは、導電性材料で形成された略板状の複数の配線部材として、U相バスバー121a、V相バスバー121b、W相バスバー121c、および、中性点バスバー121dを有する。以下では、これらのバスバーを適宜「バスバー121」と総称する。図5に示すように、U相バスバー121a、V相バスバー121b、および、W相バスバー121cは、それぞれが外部接続端子1211、内部接続端子1212、および、外部接続端子1211と内部接続端子1212とを連結する略板状の腕部1213を有する。全ての外部接続端子1211は、分割要素21Bの第2ティース2111b上のインシュレータ212に配置される。図5および図7に示すように、バスバー121は、腕部1213の厚さ方向が径方向を向くようにインシュレータ212の溝2126に保持される。
U相バスバー121aの腕部1213は、分割要素21Bの第2ティース2111b上の外部接続端子1211から分割要素21Aの第1ティース2111a上の内部接続端子1212まで反時計回りに伸び、インシュレータ212の外側の溝2126に保持される。V相バスバー121bの腕部1213は、分割要素21Bの第2ティース2111b上の外部接続端子1211から、分割要素21Cの第1ティース2111a上の内部接続端子1212まで時計回りに伸び、インシュレータ212の内側の溝2126に保持される。W相バスバー121cの腕部1213は、分割要素21Bのティース2111b上の外部接続端子1211から、分割要素21Eの第1ティース2111a上の内部接続端子1212まで時計回りに伸び、インシュレータ212の外側の溝2126に保持される。
中性点バスバー121dは、3つの内部接続端子1212および腕部1213を有する。中性点バスバー121dの3つの内部接続端子1212は、分割要素21Bの第1ティース2111a上、分割要素21Fの第1ティース2111a上、および、分割要素21Dの第1ティース2111a上にそれぞれ配置される。また、中性点バスバー121dの腕部1213は、分割要素21Bの第1ティース2111a上の内部接続端子1212から、分割要素21Dの第1ティース2111a上の内部接続端子1212まで反時計回りに伸び、インシュレータ212の内側の溝2126に保持される。
各バスバー121の内部接続端子1212は、分割要素21A〜21Fの各第1ティース2111a上に配置される。図8に示すように、導線2131の導線端部2132は第1コイル213aから上方に引き出され、導線端部2132は第1配線構造12aの各内部接続端子1212と溶接により接合される。図5に示すように、各内部接続端子1212は1ティースおきに配置されるため、溶接作業の際には結線作業を容易に行うことができる。また、U相バスバー121a、V相バスバー121b、および、W相バスバー121cの各外部接続端子1211は、120度ずつ位相が異なるU相、V相、W相の外部電源端子とコネクタ部122を介して接続される。これにより、分割要素21A〜21Fのそれぞれの導線2131の導線端部2132と外部電源とが、第1配線構造12aを介して電気的に接続される。
図9は、電機子21を模式的に示す底面図である。図9に示すように、配線部12は、電機子21の下面側に配置される第2配線構造12bを有する。第2配線構造12bは、導電性材料で形成される略板状の複数の配線部材として3つの下面バスバー121eを有する。電機子21の下面側においても各インシュレータ212が有する2つの溝2126と隣接するインシュレータ212が有する2つの溝2126とが連なり、2つの溝がコアバックに沿って略周方向に伸びるとともに、径方向に並ぶ。
各下面バスバー121eは、2つの内部接続端子1212および2つの内部接続端子1212を連結する略板状の腕部1213を有する。各内部接続端子1212は、分割要素21A〜21Fの第2ティース2111b上に配置される。各下面バスバー121eは、腕部1213の厚さ方向が径方向を向くようにしてインシュレータ212の2つの溝に保持される。各下面バスバー121eの両端の内部接続端子1212は、中心軸J1を挟んで対向する。下面バスバー121eの内部接続端子1212は、第2コイル213bから下方に引き出される導線端部2133に接続される。これにより、第2配線構造12bは中心軸J1を挟んで対向する3対の分割要素における、各対の導線2131を接続する。
図10は、電機子21における配線を模式的に示す図である。図10では、導線2131およびバスバー121a〜121eを折れ線にて示している。分割要素21Aは、第1コイル213aの上側の導線端部2132にてU相バスバー121aに接続される。分割要素21Aおよび分割要素21Dは、それぞれの第2コイル213bの下側の導線端部2133にて下面バスバー121eに接続される。分割要素21Dは、第1コイル213aの上側の導線端部2132にて中性点バスバー121dに接続される。これにより、分割要素21Aおよび分割要素21Dが直列に接続されてU相に対応するコイル群が形成される。
また、分割要素21Cは、第1コイル213aの上側の導線端部2132にてV相バスバー121bに接続される。分割要素21Cおよび分割要素21Fは、それぞれの第2コイル213bの下側の導線端部2133にて下面バスバー121eに接続される。分割要素21Fは、第1コイル213aの上側の導線端部2132にて中性点バスバー121dに接続される。これにより、分割要素21Cおよび分割要素21Fが直列に接続されてV相に対応するコイル群が形成される。同様に、分割要素21Eは、第1コイル213aの上側の導線端部2132にてW相バスバー121cに接続される。分割要素21Eおよび分割要素21Bは、それぞれの第2コイル213bの下側の導線端部2133にて下面バスバー121eに接続される。分割要素21Bは、第1コイル213aの上側の導線端部2132にて中性点バスバー121dに接続される。これにより、分割要素21Eおよび分割要素21Bが直列に接続されてW相に対応するコイル群が形成される。
以上のように、第1配線構造12aおよび第2配線構造12bにより、外部電源の各相の端子と中性点との間に1対の分割要素が配置され、3相に対応する3対の分割要素がスター結線にて接続される。
図11は、第1の好ましい実施形態の他の例に係る電機子21を模式的に示す図である。図11に示すように、電機子21ではコイルがデルタ結線にて接続される。電機子21の上面側に配置される第1配線構造12aは、U相バスバー121a、V相バスバー121b、および、W相バスバー121c(以下、「バスバー121」と総称する。)を有する。各バスバー121は外部接続端子1211、2つの内部接続端子1212、および、外部接続端子1211と内部接続端子1212とを連結する略板状の腕部1213を有する。全ての外部接続端子1211は、分割要素21Bの第2ティース2111b上に配置される。バスバー121a〜121cは、腕部1213の厚さ方向が径方向を向くように溝2126に保持される。
U相バスバー121aの2つの内部接続端子1212は、分割要素21Bの第1ティース2111a上、および、分割要素21Aの第1ティース2111a上にそれぞれ配置される。また、U相バスバー121aの腕部1213は、分割要素21Bの第2ティース2111b上の外部接続端子1211から分割要素21Aの第1ティース2111a上の内部接続端子1212まで反時計回りに伸び、インシュレータ212の内側の溝2126に保持される。V相バスバー121bの2つの内部接続端子1212は、分割要素21Cの第1ティース2111a上、および、分割要素21Dの第1ティース2111a上にそれぞれ配置される。また、V相バスバー121bの腕部1213は、分割要素21Bの第2ティース2111b上の外部接続端子1211から、分割要素21Dの第1ティース2111a上の内部接続端子1212まで時計回りに伸び、インシュレータ212の内側の溝2126に保持される。W相バスバー121cの2つの内部接続端子1212は、分割要素21Eの第1ティース2111a上、および、分割要素21Fの第1ティース2111a上にそれぞれ配置される。また、W相バスバー121cの腕部1213は、分割要素21Bの第2ティース2111b上の外部接続端子1211から、分割要素21Fの第1ティース2111a上の内部接続端子1212まで時計回りに伸び、インシュレータ121の内側の溝2126に保持される。
各バスバー121の内部接続端子1212は、分割要素21A〜21Fの各第1ティース2111a上に配置される。第1コイル213aおよび第2コイル213bを形成する導線2131の導線端部2132が上方に引き出され、導線端部2132は各内部接続端子1212と溶接により接合される。この場合においても、各内部接続端子1212が1ティースおきに配置されることにより、結線作業を容易に行うことができる。また、図10と同様に、第2配線構造12bの下面バスバー121eは、3対の分割要素における各対の導線2131を接続する。以上のように、各外部接続端子1211が外部電源と接続され、各内部接続端子1212が導線2131に接続されることにより、電機子21の第1コイル213aおよび第2コイル213bは外部電源と電気的に接続される。
図12は、図11に示す電機子21の配線を模式的に示す図である。図12では、導線2131、バスバー121a〜121c,121eを折れ線にて示している。分割要素21Aは、第1コイル213aの上側の導線端部2132にてU相バスバー121aに接続される。分割要素21Aおよび分割要素21Dは、それぞれの第2コイル213bの下側の導線端部2133にて、下面バスバー121eに接続される。分割要素21Dは、第1コイル213aの上側の導線端部2132にて、V相バスバー121bに接続される。これにより、分割要素21Aおよび分割要素21Dの第1コイル213aおよび第2コイル213bがU−V相間に直列に接続される。
また、分割要素21Cは、第1コイル213aの上側の導線端部2132にてV相バスバー121bに接続される。分割要素21Cおよび分割要素21Fは、それぞれの第2コイル213bの下側の導線端部2133にて、下面バスバー121eに接続される。分割要素21Fは、第1コイル213aの上側の導線端部2132にてW相バスバー121cに接続される。これにより、分割要素21Cおよび分割要素21Fの第1コイル213aおよび第2コイル213bが、V−W相間に直列に接続される。
さらに、分割要素21Eは、第1コイル213aの上側の導線端部2132にてW相バスバー121cに接続される。分割要素21Eおよび分割要素21Bは、それぞれの第2コイル213bの下側の導線端部2133にて、下面バスバー121eに接続される。分割要素21Bは、第1コイル213aの上側の導線端部2132にてU相バスバー121aに接続される。これにより、分割要素21Eおよび分割要素21Bの第1コイル213aおよび第2コイル213bが、W−U相間に直列に接続される。以上のように、第1配線構造12aおよび第2配線構造12bにより、各相間に1対の分割要素が配置され、3相間に対応する3対の分割要素がデルタ結線にて接続される。
以上に説明したように、第1の好ましい実施形態に係るモータ1では、図8および図10(または図12)に示すように、各分割要素21A〜21Fが同一構造を有し、点対称な構造となっている。この構造により、電機子21の組立時に分割要素21A〜21Fの上下の区別をする必要がなく、組立の作業効率が向上される。また、電機子21の上面および下面においてバスバー121が径方向に並ぶことにより、モータ1の高さを低く抑えることができる。また、径方向に並ぶバスバー121の数が最大でも2本とされることにより、モータ1の外径を小さくすることができる。さらに、1ティースおきにて内部接続端子1212と導線端部2132とが溶接されることにより、配線部12と電機子21とを容易に接合することができる。
図13は、本発明の第2の好ましい実施形態に係るモータ1aを模式的に示す断面図である。モータ1aは、図1のモータ1と比較して、樹脂プレート11が省略され、配線部12の構造が相違している。配線部12の第1配線構造12aは、4本のバスバー121の一部が樹脂にてモールドされた略円板状のバスバーユニット123を有する。電機子21の下面側に配置される第2配線構造12bは、図9と同様の構造となっている。また、電機子21は、図10に示す配線と同様に、スター結線にて配線される。なお、本実施形態において、インシュレータ212の上面では、図6および図7に示す溝2126が省略される。また、電機子21は、図4および図8に示すものと同様に分割要素21A〜21Fが略環状に配列されたものとなっている。
図14は、バスバーユニット123を模式的に示す斜視図である。図14に示すように、バスバーユニット123は、略中央に穴部を有する円板部1231、および、円板部1231の側面から突出し電機子21と係合する脚部1232を有する。バスバーユニット123は、U相バスバー121a、V相バスバー121b、W相バスバー121c、および、センサ部5の回路基板が配置される回路基板配置部1233を有する。図14に示すように、各バスバー121が有する外部接続端子1211は一箇所に集められ、回路基板配置部1233と共にステータカバー22の外部に突出するコネクタ部122を形成する。
図14に示すように、各バスバー121の内部接続端子1212は、図5に示す内部接続端子1212と同様に60度毎に等間隔で配置される。また、複数のバスバー121は樹脂モールドにより互いに固定される。さらに、第2配線構造12bも、図9に示す第2配線構造12bと同様に60度毎の回転対称な構造を有する。この構造により、バスバーユニット123を電機子21に対して60度毎の任意の向きにて接続しても、結線ミスとはならないため、組立時の結線ミスを防止することができる。また、内部接続端子1212が1ティースおきに配置されることにより、溶接による内部接続端子1212と導線との接続作業が容易とされる。なお、電機子21の配線はスター結線には限定されず、図11および図12に示すようにデルタ結線とされてもよい。この場合においても、組立時の結線ミスを防止することができる。
以上に説明したように、第2の好ましい実施形態に係るモータ1aにおいても、電機子21の組立時に各分割要素21A〜21Fの上下の区別をする必要がないため、組立の作業効率が向上される。また、電機子21の下面において、バスバー121が径方向に並ぶことによりモータ1aの高さを低く抑えることができる。さらに、径方向に並ぶバスバー121の数が最大でも2本とされることにより、モータ1aの外径を小さくすることができる。また、1ティースおきに溶接にて電機子21が結線されることにより、配線部12と電機子21とを容易に接合することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。図1に示すモータ1では、ロータ部3の磁極数は10には限定されず、例えば14でもよい。モータ1はインナロータ型には限定されず、ロータ部3の界磁用磁石33が電機子21の外周に対向するアウタロータ型のモータであってもよい。
図8に示す分割要素21Aにおける導線の巻回方向は、第1コイル213aと第2コイル213bとで逆方向であればよく、第1コイル213aの巻回方向が時計回りであり、第2コイル213bの巻回方向が反時計回りであってもよい。この場合、一方の導線端部2132はティース2111a,2111bの間から上方に引き出され、他方の導線端部2133はティース2111a,2111bの間から下方に引き出される。
各分割要素21A〜21Fの2つのインシュレータ212を構成する4つのインシュレータ部品2121は、周方向に並ぶ2つのインシュレータ部品2121が一体に形成され、2つのティースを上下から覆う2つの部品とされてもよい。さらには、1つの部品により2つのティース全体が覆われてもよい。また、インシュレータ212に設けられる溝2126の数は3以上であってもよい。
モータ1,1aは自動車においてパワースライドドアの駆動源以外の用途に用いられてもよい。例えば、トランスミッションの中のオイルを循環させるためのポンプの駆動源に使用されてもよい。また、モータ1,1aは自動車以外の用途に用いられてもよい。
Claims (9)
- 電動式のモータであって、
略環状の電機子を有するステータ部と、
前記電機子の内周または外周に対向するロータ部と、
前記ロータ部を前記ステータ部に対して前記電機子の中心軸を中心に回転可能に支持する軸受機構と、
前記電機子に接続された配線部と、
を備え、
前記電機子が、略同一構造の6個の分割要素を略環状に配列して有し、
前記6個の分割要素のそれぞれが、
径方向に伸びるとともに互いに隣接する第1ティースおよび第2ティースと、
前記第1ティースおよび前記第2ティースを覆うインシュレータと、
前記インシュレータ上から前記第1ティースに巻回されて第1コイルを形成し、前記第1コイルから連続して前記第1コイルにおける巻回方向とは反対の巻回方向に前記インシュレータ上から前記第2ティースに巻回されて第2コイルを形成する導線と、
を備え、
前記電機子において、前記第1ティースと前記第2ティースとが周方向に交互に配置され、
前記導線の一方の端部および他方の端部が、前記中心軸方向における前記電機子の一方側および他方側にそれぞれ引き出され、
前記配線部が、
前記電機子の前記一方側にて、前記6個の分割要素のそれぞれの前記導線の前記一方の端部と外部の電源とを電気的に接続する第1配線構造と、
前記電機子の前記他方側にて、前記中心軸を挟んで対向する3対の分割要素の各対の前記導線の前記他方の端部を電気的に接続する第2配線構造と、
を備えることを特徴とする電動式のモータ。 - 請求項1に記載のモータにおいて、
前記配線部により、前記3対の分割要素がスター結線にて接続されていることを特徴とするモータ。 - 請求項1に記載のモータにおいて、
前記配線部により、前記3対の分割要素がデルタ結線にて接続されていることを特徴とするモータ。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のモータにおいて、
前記インシュレータが、前記中心軸方向における前記電機子の前記一方側において略周方向に伸びるとともに径方向に並ぶ複数の溝を有し、前記第1配線構造が有する複数の配線部材が前記複数の溝に保持されることを特徴とするモータ。 - 請求項4に記載のモータにおいて、
前記複数の溝の数が2であることを特徴とするモータ。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のモータにおいて、
前記第1配線構造が、複数の配線部材の一部を樹脂にてモールドしたバスバーユニットを有することを特徴とするモータ。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載のモータにおいて、
前記インシュレータが、前記中心軸方向における前記電機子の前記他方側において略周方向に伸びるとともに径方向に並ぶ複数の溝を有し、前記第2配線構造が有する複数の配線部材が前記複数の溝に保持されることを特徴とするモータ。 - 請求項7に記載のモータにおいて、
前記電機子の前記他方側の前記複数の溝の数が2であることを特徴とするモータ。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載のモータにおいて、
前記電機子の導線と前記第1配線構造とが溶接により接合されていることを特徴とするモータ。
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