JPWO2009107233A1 - 交流電動機の駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

インバータと電動機との間を流れる故障電流に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合においても、発生した故障の形態に依らず、電動機の線間や電動機開放接触器の接点間に過大な電圧が生ずるのを防止でき、また電動機開放接触器の接点間でアークが継続するのを防止できる構成を備えた交流電動機の駆動制御装置を得ることを目的として、制御部17Aは、基本接触投入指令MKC0がオフ(Lレベル)になっても、電動機側接触器16を開路する制御を、検出された電流の状態が異常であると判定した時点ではなくその後に正常であると判定できた時点に応答して実行する構成を備えている。

Description

この発明は、電気車に搭載した永久磁石同期電動機を駆動する上で好適な交流電動機の駆動制御装置に関する。
永久磁石同期電動機(以下、特に区別を要するとき以外は単に「電動機」と記す)は、従来から各種の分野で広く使用されている誘導電動機と比較して、ロータに内蔵された永久磁石による磁束が確立しているので励磁電流が不要であることや、誘導電動機のようにロータに電流が流れないので二次銅損が発生しないことなどの特徴を有し、高効率な電動機であるとして知られている。そこで、電気車でも、従来は、誘導電動機が使用されてきたが、近年、効率の向上を図るために永久磁石同期電動機の適用が検討されている。
電気車は、連結して編成される複数の車両に、交流電動機の駆動制御装置と電動機とが搭載されている。このような電気車では、一般に、走行中に一部の車両において交流電動機の駆動制御装置に短絡故障が生じた場合においても、他の健全な交流電動機の駆動制御装置および電動機によって走行を継続することが可能である。この結果、故障した交流電動機の駆動制御装置に接続された電動機は、車輪側から駆動され続けるので、短絡故障を生じた交流電動機の駆動制御装置の故障部位(短絡箇所)には電動機の誘起電圧による短絡電流が流れ続けることになる。
そのため、この状態を放置すると、短絡電流による発熱等によって交流電動機の駆動制御装置の故障部位の損傷をさらに拡大したり、当該故障部位あるいは電動機の発熱や焼損を招来したりする虞があり好ましくない。
このようなケースへの対処として、例えば特許文献1では、電気車の走行中に永久磁石同期電動機を駆動制御する交流電動機の駆動制御装置内のインバータが故障した場合において、電動機の誘起電圧によってインバータの損傷を拡大しないように、インバータと電動機との間の接続を電気的に切り離す電動機側開閉部である電動機開放接触器を設け、制御部が、インバータの故障を検出した場合に、この接触器を開路制御してインバータと電動機とを電気的に切り離す方法が開示されている。
特開平8−182105号公報
一般に知られているように、正弦波状の交流電流は電流波形の半周期毎に電流ゼロ点が生じるので、この電流ゼロ点を利用して電流を遮断することができる。上記の特許文献1に示される電動機開放接触器は、この電流ゼロ点を利用して電流を遮断する交流遮断用の接触器である。一般に交流遮断用の接触器としては、電流ゼロ点で電流を遮断する仕組みを応用した真空接触器等が挙げられる。
ところが、本発明者は、交流電動機の駆動制御装置に発生した故障の形態によっては、交流電動機の駆動制御装置内のインバータと電動機との間を流れる故障電流に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合があることを知見した。このような故障電流に対して上述したような電流ゼロ点で電流を遮断する仕組みを利用した電動機開放接触器に遮断動作を行わせると、電流ゼロ点の存在する相の電流は遮断されるが、電流ゼロ点の生じない他相では、電流の遮断ができずに、継続して発生するアークによって電気的に接続された状態のままとなる。
そして、このような故障状態では、電動機は、三相のうち電流遮断が行われた相のみがインバータから切り離された不平衡な状態になるので、電動機の線間や電動機開放接触器の接点間に過大な電圧が生ずる。この過大な電圧は、電動機内のコイルや電動機開放接触器、電動機開放接触器と電動機を接続するケーブルなどの絶縁を破壊するという問題を惹起する。また、電動機開放接触器の接点間でアークが継続することにより、電動機開放接触器を損傷するという問題も惹起する。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、インバータと電動機との間を流れる故障電流に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合においても、発生した故障の形態に依らず、電動機の線間や電動機開放接触器の接点間に過大な電圧が生ずるのを防止でき、また電動機開放接触器の接点間でアークが継続するのを防止できる構成を備えた交流電動機の駆動制御装置を得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、この発明は、オンオフ制御される複数のスイッチング素子を有し直流電圧を任意周波数の交流電圧に変換して交流電動機を駆動するインバータと、前記インバータと前記交流電動機との間に接続された電動機側開閉部と、前記インバータの出力電流を検出する電流検出器と、少なくとも前記電流検出器が検出した電流に基づき前記インバータにおける前記複数のスイッチング素子のオンオフ制御と前記電動機側開閉部に対する開閉制御とを行う制御部とを備える交流電動機の駆動制御装置であって、前記制御部は、前記電流検出器が検出した電流が異常な状態であるか否かを判定した判定信号を生成する電流状態判定部と、前記判定信号に基づいて前記電動機側開閉部を開路制御するタイミングを適切に制御できるように構成した接触器制御部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、インバータと電動機との間を流れる故障電流に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合においても、発生した故障の形態に依らず、電動機の線間や電動機開放接触器の接点間に過大な電圧が生ずるのを防止でき、また電動機開放接触器の接点間でアークが継続するのを防止できる。したがって、発生した故障の形態に依らず、電動機内のコイルや電動機開放接触器、電動機開放接触器と電動機を接続するケーブルなどの絶縁が破壊したり、また電動機開放接触器の接点間で発生するアークにより電動機開放接触器が損傷したりすることのない交流電動機の駆動制御装置が得られるという効果を奏する。
図1は、この発明の実施の形態1による交流電動機の駆動制御装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、図1に示すインバータの構成例を示す回路図である。 図3は、故障電流に電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在して生ずる故障の一例とその時の電流波形及び電動機の線間電圧波形を示す波形図である。 図4は、故障電流に電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在して生ずる故障時に電流ゼロ点が生じている相が遮断されたタイミングにおける非遮断相電流の大きさと電動機に生じた線間電圧の大きさとの関係を示す特性図である。 図5は、図1に示す制御部の構成例を示すブロック図である。 図6は、図5に示す電流状態判定部の構成例を示すブロック図である。 図7は、図3に示した故障が発生した場合に電流ゼロ点が生じていない相に電流ゼロ点を生じさせて遮断するこの実施の形態1による制御動作を説明する波形図である。 図8は、この発明の実施の形態2による交流電動機の駆動制御装置の構成例を示すブロック図である。 図9は、図8に示す制御部の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1 集電装置
2 レール
3 車輪
6 交流電動機
7 回転検出器
10A,10B 交流電動機の駆動制御装置
11 電源開放接触器
12 インバータ
13,14,15 電流検出器
16 電動機開放接触器
17A,17B 制御部
18 放電回路
19 フィルタコンデンサ
20 電流状態判定部
21 電流ゼロ点状態検出部
21a 電流ゼロ点検出部
21b 発振部
21c カウンタ部
21d 比較器
22 電流ピーク値状態検出部
22a 電流ピーク値検出部
22b 比較器
23 電流実効値状態検出部
23a 電流実効値検出部
23b 比較器
25U U相検知論理部
25V V相検知論理部
25W W相検知論理部
27 判断部
30 ゲート信号論理部
31 ラッチ回路
32 論理反転回路(NOT)
33 論理積回路(AND)
40A、40B 接触器制御部
41、42 論理反転回路(NOT)
43 オン時素回路(ONTD)
44 論理積回路(AND)
45 論理和回路(OR)
46 ラッチ回路
47 ワンショット回路
P 正極側導体
N 負極側導体
UI インバータ側U相導体
VI インバータ側V相導体
WI インバータ側W相導体
UM 電動機側U相導体
VM 電動機側V相導体
WM 電動機側W相導体
UP U相上アーム素子
VP V相上アーム素子
WP W相上アーム素子
UN U相下アーム素子
VN V相下アーム素子
WN W相下アーム素子
以下に図面を参照して、この発明にかかる交流電動機の駆動制御装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による交流電動機の駆動制御装置の構成例を示すブロック図である。図1において、符号1は、電気車において架線に接して電力を受電する集電装置である。符号2は、レールであり、符号3は、電気車の車輪であり、符号6は、交流電動機である。交流電動機6は、実施の形態1による交流電動機の駆動制御装置10Aと共に車両に搭載され、その回転軸が、車輪3に機械的に結合されている。交流電動機6には、回転検出器7が装備されている。
図1に示す交流電動機の駆動制御装置10Aは、この発明に関わる基本的な構成要素として、電源開放接触器11と、インバータ12と、電流検出器13,14,15と、電動機開放接触器16と、制御部17Aとを備えている。
電源開放接触器11は、一端が集電装置1の出力端に接続され、他端が正極側導体Pを介してインバータ12の正極側入力端に接続されている。すなわち、電源開放接触器11は、インバータ12の直流入力側を電源である集電装置1から切り離すことができる電源側開閉部である。
インバータ12の負極側入力端は、負極側導体Nを介して車輪3に接続されている。この構成により、インバータ12には、電源開放接触器11を経由した集電装置1及び車輪3を経由したレール2から直流電力が入力される。インバータ12は、例えば図2に示す構成によって、正極側導体P及び負極側導体Nから入力される直流電力を交流電力へ変換する。
図2は、図1に示すインバータ12の構成例を示す回路図である。図2に示すように、インバータ12は、正極側導体Pと負極側導体Nとの間に、例えば、所謂三相2レベルインバータ回路が設けられている。そして、正極側導体Pと負極側導体Nとの間に並列に、放電回路18とフィルタコンデンサ19とが設けられている。
三相2レベルインバータ回路は、正極側導体Pに接続された3つの正側アームスイッチング素子(U相上アーム素子UP、V相上アーム素子VPおよびW相上アーム素子WP)と、負極側導体Nに接続された3つの負側アームスイッチング素子(U相下アーム素子UN、V相下アーム素子VNおよびW相下アーム素子WN)とのブリッジ回路である。それぞれのスイッチング素子には、ダイオードが逆並列に接続されている。そして、それぞれの相の上アーム素子と下アーム素子との接続点が三相の出力端を構成し、それぞれの出力端に、インバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VI、インバータ側W相導体WIが接続される。なお、それぞれのスイッチング素子は、図2では、良く知られているIGBTを示してあるが、IGBT以外でも構わない。また図2では、三相2レベルインバータ回路を示してあるが、3レベルインバータ回路等のマルチレベルインバータ回路であっても構わない。
図2では、図示を省略したが、インバータ12には、図1において制御部17Aからインバータ12に出力されるゲート信号GSを受け取る駆動回路が存在する。この駆動回路は、ゲート信号GSに従って6つのスイッチング素子をそれぞれ個別にオンオフ制御する構成を備えている。
図1に示すように、インバータ12の三相出力端と電動機開放接触器16とは、インバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VIおよびインバータ側W相導体WIを介して接続される。電動機開放接触器16と交流電動機6とは、電動機側U相導体UM、電動機側V相導体VMおよび電動機側W相導体WMを介して接続される。
以上の構成によってインバータ12は、制御部17Aから入力されるゲート信号GSに従ってインバータ回路の各スイッチング素子がオンオフ動作することで、入力される直流電圧を任意周波数の三相交流電圧に変換し、電動機開放接触器16を介して交流電動機6を駆動する。これによって交流電動機6が、機械的に結合された車輪3を回転させて電気車をレール2上で走行駆動する構成である。
次に、フィルタコンデンサ19の端子電圧は、集電装置1からの受電電圧(つまり、架線電圧)とほぼ等しく、一般的な電気車では、DC600V〜DC3000V程度になっている。
放電回路18は、詳細な内部構成は図示しないが、抵抗体とスイッチ(半導体スイッチを含む)との直列回路と、放電指令OVに基づいてフィルタコンデンサ19の電荷を放電する制御を行う回路とで構成されている。この放電指令OVは、制御部17A、または図示しない上位装置から、交流電動機の駆動制御装置10Aに異常が発生した場合等の所定の場合に入力される。なお、図示してないが、放電回路18に放電動作を行わせる場合には、同時に制御部17Aあるいは図示しない上位装置により、電源開放接触器11は、開路制御されるようになっている。
図1に戻って電流検出器13,14,15は、インバータ12の三相出力端と電動機開放接触器16との間を接続するインバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VI、及びインバータ側W相導体WIにそれぞれ設けてある。電流検出器13,14,15がそれぞれ検出するU相電流IU、V相電流IVおよびW相電流IWは、それぞれ制御部17Aに入力される。なお、図1では、電流検出器は、インバータ12の三相出力電流をそれぞれ検出する構成を示してあるが、任意の二相の電流を検出する構成でもよい。電流検出器を設けてない他の一相の電流は演算で算出することができる。
電動機開放接触器16は、制御部17Aの指示(接触器投入指令MKC)に従って、インバータ12の三相出力端と交流電動機6との間を切り離すことができる電動機側開閉部である。電動機開放接触器16は、交流電流の遮断が可能な接触器で構成されている。交流電流は、電流波形の半周期毎に電流ゼロ点が生じるので、交流電流の遮断が可能な接触器は、この電流ゼロ点を利用して電流を遮断する構成が一般的である。
電動機開放接触器16は、制御部17Aからの接触器投入指令MKCがオン状態になると、投入コイルが励磁され、投入コイルと機械的に接続される主接点が投入されて三相をそれぞれ閉路し、インバータ12と交流電動機6との間を電気的に接続する構成である。また、電動機開放接触器16は、制御部17Aからの接触器投入指令MKCがオフ状態になると、投入コイルの励磁がなくなり、主接点が解放されて三相をそれぞれ開路し、インバータ12と交流電動機6との間を電気的に切り離す構成である。
なお、電動機開放接触器16は、三相分の主接点を一つの投入コイルで一括駆動する構成でもよいし、三相分の主接点それぞれに投入コイルを設ける構成としてもよい。後者の構成では、各相の投入、開放タイミングを個別に設定することが可能となる。
交流電動機6の回転状態は、回転検出器7にて検出され、制御部17Aに入力される。なお、回転検出器7を用いずに交流電動機6を制御する所謂センサレス制御方式も実用化されている。このセンサレス制御方式を採用する場合には、回転検出器7は不要となる。センサレス制御方式の場合は、電動機開放接触器16の入力段(インバータ側U相導体UI〜W相導体WI)、あるいは、出力段(電動機側U相導体UM〜W相導体WM)に電圧検出器(図示せず)を設けて、インバータ12の出力電圧あるいは交流電動機6の端子電圧を検出して制御部17Aに入力する構成とする場合がある。
なお、交流電動機6としては、この実施の形態では、上述したように永久磁石同期電動機を想定している。但し、例えば、誘導電動機のロータに永久磁石を埋め込んだ形態の電動機が存在するので、そのようなロータに永久磁石を内蔵する電動機であれば永久磁石同期電動機以外でもこの発明は適用できる。
さて、前記したように、本発明者は、交流電動機の駆動制御装置に発生した故障の形態によっては、交流電動機の駆動制御装置10A内のインバータ12と交流電動機6との間を流れる故障電流に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合があること、などを知見した。
制御部17Aは、そのような電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合のある故障電流でも、電流検出器13,14,15にて検出された三相電流IU,IV,IWと、インバータ12に与えるゲート信号GS及び放電指令OVと、図示しない外部の上位装置からの基本ゲート信号GC及び基本接触器投入指令MKC0とに基づき、交流電動機6の線間や電動機開放接触器16の接点間に過大な電圧が生ずるのを防止し、また電動機開放接触器16の接点間でアークが継続するのを防止して、交流遮断用の電動機開放接触器16が、三相において確実に開路動作を行えるようにする構成を備えている。
ここでは、理解を容易にするため、まず、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する故障電流の発生態様及び過大電圧の発生態様を具体的に説明し(図3、図4)、その後、制御部17Aの構成(図5、図6)と動作(図7)を詳細に説明する。
電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する故障電流の発生態様としては、端的には、正極側導体Pに接続される3つの上アーム素子(UP、VP、WP)の中の任意の1以上のスイッチング素子と、負極側導体Nに接続される3つの下アーム素子(UN、VN、WN)の中の任意の1以上のスイッチング素子とが、共に短絡故障した場合や、それらのスイッチング素子や図示しない駆動回路の故障によってオン動作したままとなった場合が挙げられる。
図3は、故障電流に電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在して生ずる故障の一例とその時の電流波形及び電動機の線間電圧波形を示す波形図である。図4は、故障電流に電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在して生ずる故障時に電流ゼロ点が生じている相が遮断されたタイミングにおける非遮断相電流の大きさと電動機に生じた線間電圧の大きさとの関係を示す特性図である。
例えば、交流電動機の駆動制御回路10Aの運転によって交流電動機6が回転している状態において、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとが共に短絡故障を起こした場合で、残りのスイッチング素子(VP,WP,UN,WN)は、制御部17Aの図示しない上位装置が備える故障検出部が働いて、すべてオフした状態を考える。
この場合、短絡故障してオンのままとなっているU相上アーム素子UPおよびV相下アーム素子VNと、残りのスイッチング素子(VP,WP,UN,WN)に接続されているダイオードとを通して、交流電動機6とインバータ12との間で故障電流が流れる。
図3では、上記のように、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとが共に短絡故障を起こし、残りのスイッチング素子(VP,WP,UN,WN)は、すべてオフした状態における各相の電流波形(1)〜(3)と、交流電動機6のVW相間の線間電圧波形(4)とが示されている。
図3において、時刻T1Bは、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとに短絡故障が発生した時刻であり、時刻T1B以前は正常運転が行われ、時刻T1B以降は故障状態で運転が行われている。電動機開放接触器16は、時刻T1B直後の時刻T2Bまで接触器投入指令MKCがオンしていることにより閉路動作を行い、時刻T2Bにて接触器投入指令MKCがオフしたことにより開路動作を行うことが示されている。
U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとに短絡故障が発生する時刻T1B以前は、インバータ12のすべてのスイッチング素子が健全状態であり、交流電動機6は、回転周波数63Hzで駆動されている。各相の電流波形(1)〜(3)には、正規の電流ゼロ点が現れている。交流電動機6のVW相間の線間電圧波形(4)には、正規の正負電圧波形が現れている。
交流電動機6が回転周波数63Hzで駆動されている状態において、時刻T1Bの時点にて、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとが共に短絡故障を起こしたので、残りのスイッチング素子(VP,WP,UN,WN)がすべてオフ状態に制御される。すると、電動機開放接触器16を開路動作させる時刻T2Bまでの間は、U相電流IUは、波形(1)に示すように、正極側に大きくオフセットしていき、また、V相電流IVは、波形(2)に示すように、負極側に大きくオフセットしていき、共に電流ゼロ点が存在しない波形になる。一方、W相電流IWは、波形(3)に示すように、非対称な電流変化を示すが、電流ゼロ点の存在が認められる。
U相電流IU、V相電流IVが正側あるいは負側にオフセットして大きく増加する理由は、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとが、共にオン動作状態に固定されるために、フィルタコンデンサ19から交流電動機6のU相、V相間に直流電圧が印加されて、これに伴ってU相電流IU、V相電流IVに直流成分が生じるためである。この状態を放置すると、U相電流IU、V相電流IVの直流成分は、さらに増加し続けることになり、交流電動機の駆動制御装置10Aを損傷してしまう。
これを回避するため、電源開放接触器11を開路させると同時に、放電回路18をオン動作させて、フィルタコンデンサ19の充電電荷を放電し、交流電動機6に直流成分が印加されないようにする。また同時に、交流電動機6からインバータ12への電流の流れ込みを防止するために、電動機開放接触器16を開路させ、速やかにインバータ12を交流電動機6から切り離さなくてはならない。
そこで、従来では、短絡故障が生じた時刻T1Bの直後に、故障を検出した図示しない上位装置が、電動機開放接触器16の投入コイルを非励磁として消勢するので、時刻T2Bの経過時点で電動機開放接触器16の主接点が開路するという経過をとる。
図3では、この動作により、電動機開放接触器16の主接点が開路した直後の時刻T3Bにおいて、電流ゼロ点が生じた波形(3)のW相の電流IWが遮断されてゼロレベルになっていることが示され、波形(4)に交流電動機6のVW相間の線間に過大な電圧が生じていることが示されている。そして、波形(1)(2)では、U相電流IUとV相電流IVは、オフセットしていて電流ゼロ点が存在しないために、電動機開放接触器16の主接点を開路させた時刻T2B以降も遮断できず、電流ゼロ点が生じる時刻T4Bに至るまでの間、流れ続けることが示されている。
このような状態が継続すると、電動機開放接触器16のU相接点間とV相接点間には、アークが継続して発生するので、それによる発熱により電動機開放接触器16を破損させる可能性がある。また、アークによるガスにより周囲の絶縁低下を招き、電動機開放接触器16内部や周辺主回路の短絡を招く可能性もある。
また、交流電動機6のVW相間の線間に生ずる過大な電圧は、ロータに永久磁石を埋め込んだ構成の永久磁石同期電動機に特有の要因で発生するものである。具体的には、ロータの回転角度に応じて変化する固定子コイルのインダクタンスの大きさと時間変化、電流大きさと時間変化を主要因として発生する。この過大な電圧の大きさは、図3では、定格電圧の2倍弱の大きさとして示してあるが、図4にて説明するように、電動機開放接触器16の主接点の開路時における電流が大きいほど、また交流電動機6の回転周波数が高いほど大きくなり、最大値は定格電圧の10倍にも達する。
図4では、W相電流IWが遮断されたタイミングにおけるU相電流IUの大きさと交流電動機6に生じた線間電圧の大きさとの関係特性例が示されている。符号50は、交流電動機6の回転周波数FMが332Hzである場合の特性を示し、符号51は、交流電動機6の回転周波数FMが63Hzである場合の特性を示している。
図4において、交流電動機6の回転周波数FMが63Hzである特性51において、W相電流IWが遮断されたタイミングでのU相電流IUが1500A程度であった場合は、5kVを超過する過大な電圧が交流電動機6の線間に印加される。これに対して、交流電動機6の回転周波数FMが最高周波数である332Hzの特性50において、W相電流IWが遮断されたタイミングでのU相電流IUが1500A程度であった場合は、30kVを超過する過大な電圧が交流電動機6の線間に印加されることが分かる。
特性50における過大な線間電圧は、定格電圧の10倍程度の大きさを有するものである。そのため、交流電動機6や電動機開放接触器16以降の交流電動機6側の主回路(たとえば電動機開放接触器16、電動機開放接触器16と交流電動機6とを接続する電動機側U相導体UM、電動機側V相導体VM、電動機側W相導体WM)の絶縁を破壊してしまう虞があり、交流電動機の駆動制御装置10Aの損傷を惹起してしまうことになる。
なお、インバータ12に印加される電圧(母線電圧)や、インバータ12と電動機開放接触器16とを接続するインバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VIおよびインバータ側W相導体WIの電圧(線間電圧、対地電圧)は、スイッチング素子に内蔵されたダイオード素子の働きにより、フィルタコンデンサ19の端子電圧(つまり架線電圧)以上には上昇しない。つまり、インバータ12の上下アーム素子間の絶縁やインバータ12と電動機開放接触器16とを接続するインバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VIおよびインバータ側W相導体WIの絶縁を破壊することはない。
制御部17Aは、以上説明した知見に基づき構成してある。図5は、図1に示す制御部17Aの構成例を示すブロック図である。図6は、図5に示す電流状態判定部20の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、制御部17Aは、例えば、電流状態判定部20と、ゲート信号論理部30と、接触器制御部40Aとを備えている。以下、この順に説明する。
電流状態判定部20には、電流検出器13,14,15にて検出された三相電流IU、IV、IWが入力される。電流状態判定部20は、後述する図6に示す構成によって、検出された三相電流IU、IV、IWの状態を監視し、その監視結果を判定信号である電流状態信号FDとして出力する。電流状態信号FDは、ゲート信号論理部30と接触器制御部40Aとに出力される。また、電流状態信号FDは、放電指令OVとして放電回路18に出力される。
(ゲート信号論理部30の構成)
ゲート信号論理部30は、ラッチ回路31と、論理反転回路(NOT)32と、2入力の論理積回路(AND)33とを備えている。ラッチ回路31のセット端Sには電流状態信号FDが入力され、リセット端Rには図示しない上位装置が発生するリセット信号RST信号が入力される。ラッチ回路31の出力端Qへの保持出力レベルは、論理反転回路32にて反転されて論理積回路33の一方の入力となる。論理積回路33の他方の入力は外部の図示しない上位装置が発生する基本ゲート信号GCである。論理積回路33の出力はインバータ12へのゲート信号GSとなる。
なお、基本ゲート信号GCは、インバータ12の6つのスイッチング素子のオンオフ状態を指定する2値レベルの制御信号である。この基本ゲート信号GCは、図示しない外部の上位装置にて、電気車の加速時や減速時に必要な交流電動機6のトルクあるいは回転数を得るためにベクトル制御等の手法により生成された信号である。
(ゲート信号論理部30の動作)
電流状態信号FDがオフ状態である低レベル(以降「Lレベル」と記す)の場合は、論理反転回路32の出力は、オン状態である高レベル(以降「Hレベル」と記す)であるので、論理積回路33は、基本ゲート信号GCの論理値をそのままゲート信号GSとして出力する。これによって、インバータ12は6つのスイッチング素子に所定のオンオフ動作を行わせる。
また、電流状態信号FDがLレベルからHレベルに変化した場合は、論理反転回路32の出力は、Lレベルになるので、論理積回路33は、基本ゲート信号GCの論理状態に関わらず、Lレベルのゲート信号GSを出力する。これによって、インバータ12は6つのスイッチング素子にオフ動作を行わせる。
つまり、電流状態信号FDが、一旦LレベルからHレベルに変化した場合は、ラッチ回路31がそのHレベルを保持するので、基本ゲート信号GCの論理状態に関わらず、ゲート信号GSのLレベル(オフ状態)は維持される。再度スイッチング素子をオンオフ制御する場合は、別途、図示しない上位装置は、リセット信号RSTを生成してラッチ回路31のラッチを解除して、基本ゲート信号GCの論理状態に応じたゲート信号GSが出力されるようにする。
(接触器制御部40Aの構成)
接触器制御部40Aは、論理反転回路41,42と、オン時素回路(ONTD)43と、2入力の論理積回路(AND)44と、2入力の論理和回路(OR)45と、ラッチ回路46とを備えている。図示しない上位装置が生成する基本接触器投入指令MKC0は、論理反転回路42とラッチ回路46のセット端Sとに入力される。また、電流状態判定部20からの電流状態信号FDは論理反転回路41に入力される。
オン時素回路43は、論理反転回路42にて反転された基本接触器投入指令MKC0を設定時間内遅延して、論理和回路45の一方の入力端に出力する。論理積回路44は、論理反転回路42にて反転された基本接触器投入指令MKC0と、論理反転回路41にて反転された電流状態信号FDとの論理積をとり、それを論理和回路45の他方の入力端に出力する。論理和回路45の出力は、ラッチ回路46のリセット端Rに入力される。ラッチ回路46の出力端Qに保持されるレベル信号は、接触器投入指令MKCとして電動機開閉接触器16に与えられる。
なお、基本接触器投入指令MKC0は、交流電動機6の運転中では電動機開放接触器16を閉路状態に制御し、交流電動機6の運転を停止する場合やインバータ12に故障が生じた場合等に電動機開放接触器16を開路状態に制御する指示を制御部17Aに与える2値レベルの制御信号である。
(接触器制御部40Aの動作)
電流状態信号FDがLレベルの場合には、論理反転回路41の出力はHレベルとなるので、ラッチ回路46は、リセットされ、基本接触器投入指令MKC0のオン(Hレベル)オフ(Lレベル)に同期してオン(Hレベル)オフ(Lレベル)する接触器投入指令MKCを出力する。
電流状態信号FDがLレベルからHレベルに変化した場合は、論理反転回路41の出力はLレベルとなる。この状態で、基本接触器投入指令MKC0がHレベルであると、ラッチ回路46は、Hレベルの接触器投入指令MKCを出力する。しかし、基本接触器投入指令MKC0がLレベルに変化しても、論理反転回路41の出力はHレベルになるが、ラッチ回路46は、オン時素回路43での設定時間が経過するまではリセットされない。
つまり、電流状態信号FDがLレベルからHレベルに変化した場合は、基本接触器投入指令MKC0がLレベルになっても、オン時素回路43での設定時間が経過するまでの間は、ラッチ回路46は、そのままHレベルを保持するので、接触器投入指令MKCがオフ(Lレベル)になるのが禁止される。このケースでは、電流状態信号FDがHレベルからLレベルに変化した後に、論理積回路44の出力でラッチ回路46をリセットして、接触器投入指令MKCをオフ(Lレベル)にするようにした。
そして、電流状態信号FDがHレベルのままである場合には、基本接触器投入指令MKC0がLレベルに変化した後において、オン時素回路43での設定時間が経過した時に、ラッチ回路46をリセットして、接触器投入指令MKCをオフ(Lレベル)にするようにした。これによって、何らかの原因で電流状態信号FDがHレベルのままの状態が不正に継続した場合等において、接触器投入指令MKCを強制的にオフすることを可能とする構成としている。
次に、図6を参照して電流状態判定部20の構成と動作について説明する。
(電流状態判定部20の構成)
図6に示すように、電流状態判定部20は、U相検知論理部25Uと、V相検知論理部25Vと、W相検知論理部25Wと、判断部27とを備えている。検出された三相電流IU、IV、IWがU相検知論理部25U、V相検知論理部25V、W相検知論理部25Wの対応する検知論理部に入力され、各検知論理部の出力を並列に受ける判断部27から電流状態信号FDが出力される構成である。
3つの検知論理部は、それぞれ同一の構成であって、それぞれU相検知論理部25Uに示す構成を有している。ここでは、代表としてU相検知論理部25Uを取り上げて説明する。
U相検知論理部25Uは、U相電流IUが並列に入力される電流ゼロ点状態検出部21と電流ピーク値状態検出部22と電流実効値状態検出部23とで構成されている。つまりV相検知論理部25VおよびW相検知論理部25Wも同様の構成になっている。
電流ゼロ点状態検出部21は、電流ゼロ点検出部21aと発振部21bとカウンタ部21cと比較器21dとを備え、入力されるU相電流IUから電流ゼロ点状態信号NZUを生成して出力する。電流ピーク値状態検出部22は、電流ピーク値検出部22aと比較器22bとを備え、入力されるU相電流IUから電流ピーク値状態信号MXUを生成して出力する。電流実効値状態検出部23は、電流実効値検出部23aと比較器23bとを備え、入力されるU相電流IUから電流実効値状態信号RMUを生成して出力する。
(U相検知論理部25Uの動作)
まず、電流ゼロ点状態検出部21では、電流ゼロ点検出部21aは、入力されたU相電流IUをゼロ値と比較し、U相電流がゼロクロスするたびにカウンタリセット信号RSTをカウンタ部21cに出力する。カウンタ部21cは、発振部21bが一定周期で発振出力するクロックパルスCLKによりカウントアップ動作を行い、そのカウント値CNTを比較器21dに出力する。比較器21dは、カウント値CNTを第一の設定値SET1と比較し、カウント値CNTが第一の設定値SET1を超過した場合に、電流ゼロ点が生じていないと判断して、電流ゼロ点状態信号NZUをオン(Hレベル)にする。カウンタ部21cは、上述したカウンタリセット信号RSTが入力されると、リセットされ、カウント値CNTがゼロなどの初期値になる構成である。
インバータ12が健全である場合は、U相電流IUは規則的にゼロクロスを生ずる正弦波波形であるので、ゼロクロスに同期して発生するカウンタリセット信号RSTによりカウンタ部21cのカウント値CNTは、所定値でリセットされ、ゼロ等に戻ることを繰り返す。このため、カウンタ部21cのカウント値CNTは、第一の設定値SET1を超過することはなく、電流ゼロ点状態信号NZUはオフ(Lレベル)のままである。
一方、インバータ12に異常が発生し、U相電流IUがオフセットを有してゼロクロスが消失した場合、ゼロクロスに同期して発生していたカウンタリセット信号RSTは発生しなくなり、カウンタ部21cのカウント値CNTは増加し続ける。このため、カウンタ部21cのカウント値CNTは、第一の設定値SET1を超過することになり、電流ゼロ点状態信号NZUがオン(Hレベル)となる。
なお、第一の設定値SET1は、交流電動機6が低速(低周波数)で回転している場合に誤検知しない程度の大きさに設定するのが好ましい。交流電動機6の回転数が減少すると、それに伴って電流の基本波周波数が減少して周期が長くなるため、電流のゼロクロス毎の時間が長くなる。
このため、第一の設定値SET1は、交流電動機6の回転周波数あるいは交流電動機6の駆動電流の基本波周波数に応じて変化させるか、交流電動機6がごく低速で運転している場合は電流ゼロ点状態信号NZUの出力をマスクする等の工夫を施して、電流ゼロ点状態信号の誤出力を回避するのが好ましい。
次に、電流ピーク値状態検出部22では、電流ピーク値状態検出部22aは、入力されたU相電流IUの大きさの最大値を検出し、その大きさを信号MXとして比較器22bに出力する。比較器22bは、入力された信号MXを第二の設定値SET2と比較し、信号MXが第二の設定値SET2を超過した場合に電流ピーク値が過大であると判断し、電流ピーク値状態信号MXUをオン(Hレベル)とする。なお、第二の設定値SET2は、誤検知を避けるためにインバータ12が健全である場合に、交流電動機6に通常生じうる最大電流を少し超える程度に設定するのが好ましい。
インバータ12が健全である場合は、U相電流IUの大きさは過大ではなく、その大きさ信号MXは第二の設定値SET2以下であるので、電流ピーク値状態信号MXUはオフ(Lレベル)となっている。
一方、インバータ12に異常が発生し、図3に示したようにU相電流IUのピーク値が過大となった場合には、その大きさ信号MXは第二の設定値SET2を超過することになるので、電流ピーク値状態信号MXUはオン(Hレベル)となる。
次に、電流実効値状態検出部23では、電流実効値状態検出部23aは、入力されたU相電流IUの実効値を検出し、その大きさを信号RMとして比較器23bに出力する。比較器23bは、入力された信号RMを第三の設定値SET3と比較し、信号RMが第三の設定値SET3を超過した場合に、電流実効値が過大であると判断して、電流実効値状態信号RMUをオン(Hレベル)とする。なお、第三の設定値SET3は、誤検知を避けるためにインバータ12が健全である場合に、交流電動機6に通常生じうる最大電流を少し超える程度に設定するのが好ましい。
インバータ12が健全である場合は、U相電流IUの実効値は過大ではなく、その大きさ信号RMは第三の設定値SET3以下であるので、電流実効値状態信号RMUはオフ(Lレベル)となっている。
一方、インバータ12に異常が発生し、図3に示したようにU相電流IUの実効値が過大となった場合には、その大きさ信号RMは第三の設定値SET3を超過することになるので、電流実効値状態信号RMUはオン(Hレベル)となる。
V相、W相に関しても、V相検知論理25V、W相検知論理25Wにおいて、以上説明した方法で同様の動作が行われる。すなわち、V相検知論理25Vは、V相電流IVから電流ゼロ点状態信号NZVと、電流ピーク値状態信号MXVと、電流実効値状態信号RMVとを生成する。また、W相検知論理25Wは、W相電流IWから電流ゼロ点状態信号NZWと、電流ピーク値状態信号MXWと、電流実効値状態信号RMWとを生成する。
このようにして得た信号NZU、MXU、RMU、NZV、MXV、RMV、NZW、MXW、RMWは、並列に判断部27に入力される。判断部27では、これらの信号のいずれかがオン(Hレベル)である場合に、電流状態信号FDをオン(Hレベル)として異常発生を示す。また、その後、これらの信号のすべてがオフ(Lレベル)となった場合には、電流状態信号FDをオフ(Lレベル)として正常状態になったことを示す。なお、インバータ12が健全状態であれば、電流状態信号FDをオフ(Lレベル)のままである。
このように構成することで、制御部17Aは、相電流IU、IV、IWの状態を常に把握し、異常が生じた場合にはゲート信号GSをオフ(Lレベル)にするとともに、電動機開放接触器16への開路指示を、基本接触器投入指令MKC0がオフ(Lレベル)であるのに関わらず、電流状態が遮断に適した状態である場合に、すなわち電流にゼロ点が生じ、そのピーク値、実効値が所定の値以下である場合に行うことができる。
次に、図7を参照して、以上のように構成した制御部17Aによって行われる故障発生時の制御動作について説明する。なお、図7は、図3に示した故障が発生した場合に電流ゼロ点が生じていない相に電流ゼロ点を生じさせて遮断するこの実施の形態1による制御動作を説明する波形図である。
図7では、図3と同様に、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとが共に短絡故障を起こし、残りのスイッチング素子(VP,WP,UN,WN)は、すべてオフした状態における各相の電流波形(1)〜(3)と、交流電動機6のVW相間の線間電圧波形(4)とが示されている。
図7において、時刻T1Aは、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとに短絡故障が発生した時刻であり、時刻T1A以前は正常運転が行われ、時刻T1A以降は故障状態で運転が行われている。電動機開放接触器16は、時刻T1A後の時刻T2Aまで接触器投入指令MKCがオン(Hレベル)であることにより閉路動作を行い、時刻T2Aにて接触器投入指令MKCがオフ(Lレベル)になることにより開路動作を行うことが示されている。図7に示すように、電動機開放接触器16が開路動作を行う時刻T2Aは、図3に示した従来技術による時刻T2Bよりもかなり遅れた時刻になっている。
U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとに短絡故障が発生する時刻T1A以前は、インバータ12のすべてのスイッチング素子が健全状態であり、交流電動機6は、回転周波数63Hzで駆動されている。各相の電流波形(1)〜(3)には、正規の電流ゼロ点が現れている。交流電動機6のVW相間の線間電圧波形(4)には、正規の正負電圧波形が現れている。
交流電動機6が回転周波数63Hzで駆動されている状態において、時刻T1Aの時点にて、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとが共に短絡故障を起こしたので、残りのスイッチング素子(VP,WP,UN,WN)がすべてオフ状態に制御される。すると、U相電流IUは、波形(1)に示すように、正極側に大きくオフセットしていき、また、V相電流IVは、波形(2)に示すように、負極側に大きくオフセットしていき、共に電流ゼロ点が存在しない波形になる。一方、W相電流IWは、波形(3)に示すように、非対称な電流変化を示すが、電流ゼロ点の存在が認められる。このようになる理由は図3にて説明した通りである。
時刻T1Aにて短絡故障が発生すると、それを検出した図示しない上位装置は、短絡故障が生じた時刻T1Aの直後に、図3にて説明したように、電源開放接触器11を開路させると共に、放電回路18をオン動作させて、フィルタコンデンサ19の充電電荷を放電し、交流電動機6への直流電圧の印加を防止する。また同時に、図示しない上位装置は、交流電動機6からインバータ12への電流の流れ込みを防止するために、基本接触器投入指令MKC0をオフ(Lレベル)にする。
ここで、この実施の形態1による制御部17Aは、基本接触器投入指令MKC0がオフ(Lレベル)となった後も、接触器投入指令MKCをオン(Hレベル)のまま維持する。その間に、電源開放接触器11の開路と放電回路18によるフィルタコンデンサ19の放電動作とにより、交流電動機6への直流電圧の印加が解消する。
これによって、波形(1)〜(3)に示すように、U相電流IU、V相電流IVが減衰してU相電流IU、V相電流IV、W相電流IWに電流ゼロ点が生ずるようになる。そして、電流ピーク値、実効値ともに所定値以下となった時点(時刻T2A)において接触器投入指令MKCをオフ(Lレベル)にすることで、電動機開放接触器16の投入コイルが非励磁となり消勢する。
そうすると、電動機開放接触器16の主接点は、時刻T2A直後の時刻T3Aにて開路するので、まずW相電流IWが電流ゼロ点で遮断され、以降V相電流IV、U相電流IUの順に電流ゼロ点で遮断できることとなり、時刻T4Aにおいて、三相すべての電流の遮断が完了する。
この動作によって、時刻T3Aにおいて、W相電流IWが電流ゼロ点で遮断されると、波形(4)に示すように、交流電動機6の線間電圧には過大な電圧が発生しなくなる。これによって、交流電動機6や電動機開放接触器16以降の交流電動機側の主回路(例えば電動機開放接触器16や、電動機開放接触器16と交流電動機6を接続する電動機側U相導体UM、電動機側V相導体VMおよび電動機側W相導体WM)の絶縁を破壊してしまうことはなく、交流電動機の駆動制御装置10Aの損傷を避けることができる。
また、すべての相に電流ゼロ点が存在してから電動機開放接触器16の主接点を開路するため、電動機開放接触器16の接点間に生じるアークの時間は時刻T2A〜時刻T4Aのわずかな時間であり、図3に示した従来技術による場合のように、長時間(時刻T2B〜時刻T4B)のアークが発生することを回避できるので、発熱により電動機開放接触器16を破損させることを回避できる。また、アークによるガスにより周囲の絶縁低下を招くことを回避できるので、電動機開放接触器16内部や周辺主回路の短絡を招くことを回避できる。
なお、図7に示すように、短絡故障が生じた時刻T1A以降も電動機開放接触器16を投入状態としておいた場合でも、U相電流IU、V相電流IVおよびW相電流IWは、時刻T1A直後に一時的に電流振幅が大きくなるが、その後は、フィルタコンデンサ19の放電によって減少してゆき、やがて三相共に電流ゼロ点が生じる挙動となることが理解できる。
時刻T1A以降も電動機開放接触器16を投入状態で維持しているため、速やかに短絡電流を遮断することができない点は、一見電動機開放接触器16を設けた本来の目的に反するように思える。しかし、電動機開放接触器16を投入状態としておいても、過大な電流が継続的に流れることはないため、短絡箇所の損傷を拡大する可能性は低く、むしろ電動機開放接触器16の遮断に伴う過大な電圧の発生を抑制できることのメリットの方が大きい。つまり、以上説明した制御部17Aの構成は、この相電流の挙動をうまく利用したものであると言える。当然ながら、電源開放接触器11の開路と放電回路18によるフィルタコンデンサ19の放電は、電動機開放接触器16の開路よりも前に行われることが必要となる。
また、以上のように、U相電流IUの複数の監視項目、すなわち、電流ゼロ点の有無状態、ピーク値の状態および実効値の状態を監視することにより、異常発生によって正弦波からひずんだ複雑な波形の電流波形が生じた場合においても、確実に電流の異常状態を把握することが可能となる。もちろん、電流ゼロ点の有無状態、ピーク値の状態、実効値の状態のうち少なくとも一つの状態を監視することでも良いが、例えば、電流実効値の状態のみを監視していた場合、異常発生によりピーク値は大きいが実効値が小さい電流波形となった場合にこれを検出することができなくなる。
なお、図5に示すオン時素回路43と論理和回路45との働きにより、万一、放電回路18や電源開放接触器11の故障によって、フィルタコンデンサ19の電荷が放電されずに、U相電流IU、V相電流IVの異常状態が解消されない場合で、電流状態信号FDがオン(Hレベル)のままの状態が継続した場合は、オン時素回路43の設定遅れ時間が経過した時点で、接触器投入指令MKCを強制的にオフすることができるので、交流電動機6を含めた短絡回路が何時までも形成され続ける事態を回避することができる。
以上説明したように、この実施の形態1によれば、インバータ12と交流電動機6との間に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する故障電流が流れる場合に、発生した故障の形態に依らず、交流電動機6の線間や電動機開放接触器16の接点間に過大な電圧が生ずるのを防止でき、また電動機開放接触器の接点間でアークが継続するのを防止できる構成を備えたので、発生した故障の形態に依らず、電動機内のコイルや電動機開放接触器、電動機開放接触器と電動機を接続するケーブルなどの絶縁が破壊したり、また電動機開放接触器の接点間で発生するアークにより電動機開放接触器が損傷したりすることのない交流電動機の駆動制御装置が得られる。
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2による交流電動機の駆動制御装置の構成例を示すブロック図である。なお、図8では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図8に示すように、この実施の形態2による交流電動機の駆動制御装置10Bでは、図1(実施の形態1)に示した構成において、制御部17Aに代えて制御部17Bが設けられている。制御部17Bは、例えば、図9に示すように構成されている。
以下、図9を参照して制御部17Bの構成と動作について説明する。なお、図9では、図5(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図9に示すように、制御部17Bでは、図5(実施の形態1)に示した構成において、接触器制御部40Aに代えて接触器制御部40Bが設けられている。接触器制御部40Bでは、接触器制御部40Aにおいて、論理反転回路41の入力段にワンショット回路47が設けられ、オン時素回路43と論理和回路45とを削除して論理積回路44の出力を直接ラッチ回路46のリセット端Rに接続した構成になっている。したがって、ここでは、制御部17Bの動作として、接触器制御部40Bの動作を説明する。
(接触器制御部40Bの動作)
電流状態信号FDがLレベルの場合には、論理反転回路41の出力はHレベルとなるので、ラッチ回路46は、リセットされ、基本接触器投入指令MKC0のオン(Hレベル)オフ(Lレベル)に同期してオン(Hレベル)オフ(Lレベル)する接触器投入指令MKCを出力する。
電流状態信号FDがLレベルからHレベルに変化した場合は、ワンショット回路47の出力が設定した所定時間だけオン(Hレベル)となり、その所定期間だけ論理反転回路41の出力がLレベルになるので、ラッチ回路46は、リセットされない。
つまり、電流状態信号FDがLレベルからHレベルに変化した場合は、ワンショット回路47の出力がオン(Hレベル)している所定時間は、基本接触器投入指令MKC0がオフ(Lレベル)となっても、接触器投入指令MKCはオフ(Lレベル)にならない。ワンショット回路47の出力がオフ(Lレベル)になった時点で、論理反転回路41の出力はHレベルとなるので、ラッチ回路46は、リセットされ、接触器投入指令MKCがオフ(Lレベル)となる。
なお、ワンショット回路47がオン(Hレベル)になる時間幅は、インバータ12の故障後に電流が異常状態でなくなるまでの時間をシミュレーションなどで予め求めておき設定しておくのが好ましい。具体的には、例えば図7に示した波形例で言えば、100ms程度が適当である。
このように構成すれば、実施の形態1と同等の機能を少ない論理処理数で構成することができる。
なお、実施の形態1,2で示した制御部17A,17Bの機能のうち、電流状態判定部20と、接触器制御部40A,40Bとは、電動機開放接触器16に内蔵させてもよい。
また、電動機開放接触器16内部に遅延機構を設け、制御部17A,17Bから入力された接触器投入指令MKCがオフ(Lレベル)になった場合に、所定の遅延時間の経過後に、電動機開放接触器16内部の主接点が開路できるようにしてもよい。
このような遅延機構を設ければ、例えば制御部17A,17Bに電源を供給する制御電源(図示せず)が故障した場合等において、制御部17A,17Bが実施の形態1,2にて説明した所定の論理処理を実行することができずに接触器投入指令MKCがオフ(Lレベル)になった場合においても、電動機開放接触器16の主接点が開路するまでに所定の遅延時間が確保できるため、交流電動機6等に過大な電圧が印加されるのを防止できる。
もちろん、制御部17A,17Bに電源を供給する制御電源は、故障時にもしばらくの間は制御部17A,17Bに電源供給が可能なバックアップ機能を有したものであることが望ましい。
また、以上説明した構成を有する制御部17A,17Bによる故障時の制御では、電動機開放接触器16を開路させることにより過大な電圧の発生を回避できるが、なんらかの要因で電流状態信号FDがオン(Hレベル)のままであった場合で、オン時素回路43やワンショット回路47の設定時間を超過した場合や、制御部17A,17Bが故障した場合には、電動機開放接触器16が電流状態によらず開路制御されるケースも考えられる。そのため、電流検出器13,14,15やその他のたとえば電圧検出器(図示せず)は、このような場合でも破損させないために、インバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VIおよびインバータ側W相導体WIに設置することが望ましい。
その理由は、上述のように、電動機側U相導体UM、電動機側V相導体VMおよび電動機側W相導体WMには、インバータ12の異常時に電動機開放接触器16を開路制御した場合に発生する過大な電圧により、電流検出器13,14,15や、その他のたとえば電圧検出器の絶縁が破壊され損傷する可能性があるためである。一方、インバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VIおよびインバータ側W相導体WIには、このような場合も過大な電圧が発生することはなく、電流検出器13,14,15や、その他のたとえば電圧検出器を損傷することがないためである。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
例えば、本明細書では、集電装置1から直流電圧を受電し、それを電源開放接触器11を介して直接インバータ12に入力する構成で説明したが、集電装置1から交流電圧を受電し、それを電源開放接触器11を介して、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ回路に入力し、コンバータ回路の出力として得た直流電圧をインバータ12に入力する構成としてもよい。このような構成は、交流電化区間用の電気車に好適となる。
また、本明細書では、電気車に搭載の交流電動機の駆動制御装置への適用を考慮して発明内容の説明しているが、適用分野はこれに限られるものではなく、他の同期電動機駆動システム、例えば電気自動車等の関連分野への応用が可能であることも言うまでもない。
以上のように、この発明にかかる交流電動機の駆動制御装置は、インバータと電動機との間を流れる故障電流に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合においても、発生した故障の形態に依らず、電動機内のコイルや電動機開放接触器、電動機開放接触器と電動機を接続するケーブルなどの絶縁が破壊したり、また電動機開放接触器の接点間で発生するアークにより電動機開放接触器が損傷したりすることのない交流電動機の駆動制御装置として有用であり、特に、電気車に搭載した交流電動機が永久磁石同期電動機である場合に適している。
この発明は、電気車に搭載した永久磁石同期電動機を駆動する上で好適な交流電動機の駆動制御装置に関する。
永久磁石同期電動機(以下、特に区別を要するとき以外は単に「電動機」と記す)は、従来から各種の分野で広く使用されている誘導電動機と比較して、ロータに内蔵された永久磁石による磁束が確立しているので励磁電流が不要であることや、誘導電動機のようにロータに電流が流れないので二次銅損が発生しないことなどの特徴を有し、高効率な電動機であるとして知られている。そこで、電気車でも、従来は、誘導電動機が使用されてきたが、近年、効率の向上を図るために永久磁石同期電動機の適用が検討されている。
電気車は、連結して編成される複数の車両に、交流電動機の駆動制御装置と電動機とが搭載されている。このような電気車では、一般に、走行中に一部の車両において交流電動機の駆動制御装置に短絡故障が生じた場合においても、他の健全な交流電動機の駆動制御装置および電動機によって走行を継続することが可能である。この結果、故障した交流電動機の駆動制御装置に接続された電動機は、車輪側から駆動され続けるので、短絡故障を生じた交流電動機の駆動制御装置の故障部位(短絡箇所)には電動機の誘起電圧による短絡電流が流れ続けることになる。
そのため、この状態を放置すると、短絡電流による発熱等によって交流電動機の駆動制御装置の故障部位の損傷をさらに拡大したり、当該故障部位あるいは電動機の発熱や焼損を招来したりする虞があり好ましくない。
このようなケースへの対処として、例えば特許文献1では、電気車の走行中に永久磁石同期電動機を駆動制御する交流電動機の駆動制御装置内のインバータが故障した場合において、電動機の誘起電圧によってインバータの損傷を拡大しないように、インバータと電動機との間の接続を電気的に切り離す電動機側開閉部である電動機開放接触器を設け、制御部が、インバータの故障を検出した場合に、この接触器を開路制御してインバータと電動機とを電気的に切り離す方法が開示されている。
特開平8−182105号公報
一般に知られているように、正弦波状の交流電流は電流波形の半周期毎に電流ゼロ点が生じるので、この電流ゼロ点を利用して電流を遮断することができる。上記の特許文献1に示される電動機開放接触器は、この電流ゼロ点を利用して電流を遮断する交流遮断用の接触器である。一般に交流遮断用の接触器としては、電流ゼロ点で電流を遮断する仕組みを応用した真空接触器等が挙げられる。
ところが、本発明者は、交流電動機の駆動制御装置に発生した故障の形態によっては、交流電動機の駆動制御装置内のインバータと電動機との間を流れる故障電流に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合があることを知見した。このような故障電流に対して上述したような電流ゼロ点で電流を遮断する仕組みを利用した電動機開放接触器に遮断動作を行わせると、電流ゼロ点の存在する相の電流は遮断されるが、電流ゼロ点の生じない他相では、電流の遮断ができずに、継続して発生するアークによって電気的に接続された状態のままとなる。
そして、このような故障状態では、電動機は、三相のうち電流遮断が行われた相のみがインバータから切り離された不平衡な状態になるので、電動機の線間や電動機開放接触器の接点間に過大な電圧が生ずる。この過大な電圧は、電動機内のコイルや電動機開放接触器、電動機開放接触器と電動機を接続するケーブルなどの絶縁を破壊するという問題を惹起する。また、電動機開放接触器の接点間でアークが継続することにより、電動機開放接触器を損傷するという問題も惹起する。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、インバータと電動機との間を流れる故障電流に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合においても、発生した故障の形態に依らず、電動機の線間や電動機開放接触器の接点間に過大な電圧が生ずるのを防止でき、また電動機開放接触器の接点間でアークが継続するのを防止できる構成を備えた交流電動機の駆動制御装置を得ることを目的とする。
上述した目的を達成するために、この発明は、オンオフ制御される複数のスイッチング素子を有し直流電圧を任意周波数の交流電圧に変換して交流電動機を駆動するインバータと、前記インバータと前記交流電動機との間に接続された電動機側開閉部と、前記インバータの出力側の電気量を検出する電気量検出器と、少なくとも前記電気量検出器が検出した電流に基づき、前記インバータにおける前記複数のスイッチング素子のオンオフ制御と前記電動機側開閉部に対する開閉制御とを行う制御部と、を備える交流電動機の駆動制御装置であって、前記制御部は、前記電気量検出器が検出した電流が異常な状態であるか否かを判定した判定信号を生成する電流状態判定部と、前記判定信号に基づき、前記電動機側開閉部を開路制御するための上位の指令が発生してから、当該上位の指令が実際に前記電動機側開閉部に対して出力されるタイミングを制御する接触器制御部と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、インバータと電動機との間を流れる故障電流に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合においても、発生した故障の形態に依らず、電動機の線間や電動機開放接触器の接点間に過大な電圧が生ずるのを防止でき、また電動機開放接触器の接点間でアークが継続するのを防止できる。したがって、発生した故障の形態に依らず、電動機内のコイルや電動機開放接触器、電動機開放接触器と電動機を接続するケーブルなどの絶縁が破壊したり、また電動機開放接触器の接点間で発生するアークにより電動機開放接触器が損傷したりすることのない交流電動機の駆動制御装置が得られるという効果を奏する。
以下に図面を参照して、この発明にかかる交流電動機の駆動制御装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による交流電動機の駆動制御装置の構成例を示すブロック図である。図1において、符号1は、電気車において架線に接して電力を受電する集電装置である。符号2は、レールであり、符号3は、電気車の車輪であり、符号6は、交流電動機である。交流電動機6は、実施の形態1による交流電動機の駆動制御装置10Aと共に車両に搭載され、その回転軸が、車輪3に機械的に結合されている。交流電動機6には、回転検出器7が装備されている。
図1に示す交流電動機の駆動制御装置10Aは、この発明に関わる基本的な構成要素として、電源開放接触器11と、インバータ12と、電流検出器13,14,15と、電動機開放接触器16と、制御部17Aとを備えている。
電源開放接触器11は、一端が集電装置1の出力端に接続され、他端が正極側導体Pを介してインバータ12の正極側入力端に接続されている。すなわち、電源開放接触器11は、インバータ12の直流入力側を電源である集電装置1から切り離すことができる電源側開閉部である。
インバータ12の負極側入力端は、負極側導体Nを介して車輪3に接続されている。この構成により、インバータ12には、電源開放接触器11を経由した集電装置1及び車輪3を経由したレール2から直流電力が入力される。インバータ12は、例えば図2に示す構成によって、正極側導体P及び負極側導体Nから入力される直流電力を交流電力へ変換する。
図2は、図1に示すインバータ12の構成例を示す回路図である。図2に示すように、インバータ12は、正極側導体Pと負極側導体Nとの間に、例えば、所謂三相2レベルインバータ回路が設けられている。そして、正極側導体Pと負極側導体Nとの間に並列に、放電回路18とフィルタコンデンサ19とが設けられている。
三相2レベルインバータ回路は、正極側導体Pに接続された3つの正側アームスイッチング素子(U相上アーム素子UP、V相上アーム素子VPおよびW相上アーム素子WP)と、負極側導体Nに接続された3つの負側アームスイッチング素子(U相下アーム素子UN、V相下アーム素子VNおよびW相下アーム素子WN)とのブリッジ回路である。それぞれのスイッチング素子には、ダイオードが逆並列に接続されている。そして、それぞれの相の上アーム素子と下アーム素子との接続点が三相の出力端を構成し、それぞれの出力端に、インバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VI、インバータ側W相導体WIが接続される。なお、それぞれのスイッチング素子は、図2では、良く知られているIGBTを示してあるが、IGBT以外でも構わない。また図2では、三相2レベルインバータ回路を示してあるが、3レベルインバータ回路等のマルチレベルインバータ回路であっても構わない。
図2では、図示を省略したが、インバータ12には、図1において制御部17Aからインバータ12に出力されるゲート信号GSを受け取る駆動回路が存在する。この駆動回路は、ゲート信号GSに従って6つのスイッチング素子をそれぞれ個別にオンオフ制御する構成を備えている。
図1に示すように、インバータ12の三相出力端と電動機開放接触器16とは、インバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VIおよびインバータ側W相導体WIを介して接続される。電動機開放接触器16と交流電動機6とは、電動機側U相導体UM、電動機側V相導体VMおよび電動機側W相導体WMを介して接続される。
以上の構成によってインバータ12は、制御部17Aから入力されるゲート信号GSに従ってインバータ回路の各スイッチング素子がオンオフ動作することで、入力される直流電圧を任意周波数の三相交流電圧に変換し、電動機開放接触器16を介して交流電動機6を駆動する。これによって交流電動機6が、機械的に結合された車輪3を回転させて電気車をレール2上で走行駆動する構成である。
次に、フィルタコンデンサ19の端子電圧は、集電装置1からの受電電圧(つまり、架線電圧)とほぼ等しく、一般的な電気車では、DC600V〜DC3000V程度になっている。
放電回路18は、詳細な内部構成は図示しないが、抵抗体とスイッチ(半導体スイッチを含む)との直列回路と、放電指令OVに基づいてフィルタコンデンサ19の電荷を放電する制御を行う回路とで構成されている。この放電指令OVは、制御部17A、または図示しない上位装置から、交流電動機の駆動制御装置10Aに異常が発生した場合等の所定の場合に入力される。なお、図示してないが、放電回路18に放電動作を行わせる場合には、同時に制御部17Aあるいは図示しない上位装置により、電源開放接触器11は、開路制御されるようになっている。
図1に戻って電流検出器13,14,15は、インバータ12の三相出力端と電動機開放接触器16との間を接続するインバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VI、及びインバータ側W相導体WIにそれぞれ設けてある。電流検出器13,14,15がそれぞれ検出するU相電流IU、V相電流IVおよびW相電流IWは、それぞれ制御部17Aに入力される。なお、図1では、電流検出器は、インバータ12の三相出力電流をそれぞれ検出する構成を示してあるが、任意の二相の電流を検出する構成でもよい。電流検出器を設けてない他の一相の電流は演算で算出することができる。
電動機開放接触器16は、制御部17Aの指示(接触器投入指令MKC)に従って、インバータ12の三相出力端と交流電動機6との間を切り離すことができる電動機側開閉部である。電動機開放接触器16は、交流電流の遮断が可能な接触器で構成されている。交流電流は、電流波形の半周期毎に電流ゼロ点が生じるので、交流電流の遮断が可能な接触器は、この電流ゼロ点を利用して電流を遮断する構成が一般的である。
電動機開放接触器16は、制御部17Aからの接触器投入指令MKCがオン状態になると、投入コイルが励磁され、投入コイルと機械的に接続される主接点が投入されて三相をそれぞれ閉路し、インバータ12と交流電動機6との間を電気的に接続する構成である。また、電動機開放接触器16は、制御部17Aからの接触器投入指令MKCがオフ状態になると、投入コイルの励磁がなくなり、主接点が解放されて三相をそれぞれ開路し、インバータ12と交流電動機6との間を電気的に切り離す構成である。
なお、電動機開放接触器16は、三相分の主接点を一つの投入コイルで一括駆動する構成でもよいし、三相分の主接点それぞれに投入コイルを設ける構成としてもよい。後者の構成では、各相の投入、開放タイミングを個別に設定することが可能となる。
交流電動機6の回転状態は、回転検出器7にて検出され、制御部17Aに入力される。なお、回転検出器7を用いずに交流電動機6を制御する所謂センサレス制御方式も実用化されている。このセンサレス制御方式を採用する場合には、回転検出器7は不要となる。センサレス制御方式の場合は、電動機開放接触器16の入力段(インバータ側U相導体UI〜W相導体WI)、あるいは、出力段(電動機側U相導体UM〜W相導体WM)に電圧検出器(図示せず)を設けて、インバータ12の出力電圧あるいは交流電動機6の端子電圧を検出して制御部17Aに入力する構成とする場合がある。
なお、交流電動機6としては、この実施の形態では、上述したように永久磁石同期電動機を想定している。但し、例えば、誘導電動機のロータに永久磁石を埋め込んだ形態の電動機が存在するので、そのようなロータに永久磁石を内蔵する電動機であれば永久磁石同期電動機以外でもこの発明は適用できる。
さて、前記したように、本発明者は、交流電動機の駆動制御装置に発生した故障の形態によっては、交流電動機の駆動制御装置10A内のインバータ12と交流電動機6との間を流れる故障電流に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合があること、などを知見した。
制御部17Aは、そのような電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合のある故障電流でも、電流検出器13,14,15にて検出された三相電流IU,IV,IWと、インバータ12に与えるゲート信号GS及び放電指令OVと、図示しない外部の上位装置からの基本ゲート信号GC及び基本接触器投入指令MKC0とに基づき、交流電動機6の線間や電動機開放接触器16の接点間に過大な電圧が生ずるのを防止し、また電動機開放接触器16の接点間でアークが継続するのを防止して、交流遮断用の電動機開放接触器16が、三相において確実に開路動作を行えるようにする構成を備えている。
ここでは、理解を容易にするため、まず、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する故障電流の発生態様及び過大電圧の発生態様を具体的に説明し(図3、図4)、その後、制御部17Aの構成(図5、図6)と動作(図7)を詳細に説明する。
電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する故障電流の発生態様としては、端的には、正極側導体Pに接続される3つの上アーム素子(UP、VP、WP)の中の任意の1以上のスイッチング素子と、負極側導体Nに接続される3つの下アーム素子(UN、VN、WN)の中の任意の1以上のスイッチング素子とが、共に短絡故障した場合や、それらのスイッチング素子や図示しない駆動回路の故障によってオン動作したままとなった場合が挙げられる。
図3は、故障電流に電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在して生ずる故障の一例とその時の電流波形及び電動機の線間電圧波形を示す波形図である。図4は、故障電流に電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在して生ずる故障時に電流ゼロ点が生じている相が遮断されたタイミングにおける非遮断相電流の大きさと電動機に生じた線間電圧の大きさとの関係を示す特性図である。
例えば、交流電動機の駆動制御回路10Aの運転によって交流電動機6が回転している状態において、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとが共に短絡故障を起こした場合で、残りのスイッチング素子(VP,WP,UN,WN)は、制御部17Aの図示しない上位装置が備える故障検出部が働いて、すべてオフした状態を考える。
この場合、短絡故障してオンのままとなっているU相上アーム素子UPおよびV相下アーム素子VNと、残りのスイッチング素子(VP,WP,UN,WN)に接続されているダイオードとを通して、交流電動機6とインバータ12との間で故障電流が流れる。
図3では、上記のように、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとが共に短絡故障を起こし、残りのスイッチング素子(VP,WP,UN,WN)は、すべてオフした状態における各相の電流波形(1)〜(3)と、交流電動機6のVW相間の線間電圧波形(4)とが示されている。
図3において、時刻T1Bは、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとに短絡故障が発生した時刻であり、時刻T1B以前は正常運転が行われ、時刻T1B以降は故障状態で運転が行われている。電動機開放接触器16は、時刻T1B直後の時刻T2Bまで接触器投入指令MKCがオンしていることにより閉路動作を行い、時刻T2Bにて接触器投入指令MKCがオフしたことにより開路動作を行うことが示されている。
U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとに短絡故障が発生する時刻T1B以前は、インバータ12のすべてのスイッチング素子が健全状態であり、交流電動機6は、回転周波数63Hzで駆動されている。各相の電流波形(1)〜(3)には、正規の電流ゼロ点が現れている。交流電動機6のVW相間の線間電圧波形(4)には、正規の正負電圧波形が現れている。
交流電動機6が回転周波数63Hzで駆動されている状態において、時刻T1Bの時点にて、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとが共に短絡故障を起こしたので、残りのスイッチング素子(VP,WP,UN,WN)がすべてオフ状態に制御される。すると、電動機開放接触器16を開路動作させる時刻T2Bまでの間は、U相電流IUは、波形(1)に示すように、正極側に大きくオフセットしていき、また、V相電流IVは、波形(2)に示すように、負極側に大きくオフセットしていき、共に電流ゼロ点が存在しない波形になる。一方、W相電流IWは、波形(3)に示すように、非対称な電流変化を示すが、電流ゼロ点の存在が認められる。
U相電流IU、V相電流IVが正側あるいは負側にオフセットして大きく増加する理由は、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとが、共にオン動作状態に固定されるために、フィルタコンデンサ19から交流電動機6のU相、V相間に直流電圧が印加されて、これに伴ってU相電流IU、V相電流IVに直流成分が生じるためである。この状態を放置すると、U相電流IU、V相電流IVの直流成分は、さらに増加し続けることになり、交流電動機の駆動制御装置10Aを損傷してしまう。
これを回避するため、電源開放接触器11を開路させると同時に、放電回路18をオン動作させて、フィルタコンデンサ19の充電電荷を放電し、交流電動機6に直流成分が印加されないようにする。また同時に、交流電動機6からインバータ12への電流の流れ込みを防止するために、電動機開放接触器16を開路させ、速やかにインバータ12を交流電動機6から切り離さなくてはならない。
そこで、従来では、短絡故障が生じた時刻T1Bの直後に、故障を検出した図示しない上位装置が、電動機開放接触器16の投入コイルを非励磁として消勢するので、時刻T2Bの経過時点で電動機開放接触器16の主接点が開路するという経過をとる。
図3では、この動作により、電動機開放接触器16の主接点が開路した直後の時刻T3Bにおいて、電流ゼロ点が生じた波形(3)のW相の電流IWが遮断されてゼロレベルになっていることが示され、波形(4)に交流電動機6のVW相間の線間に過大な電圧が生じていることが示されている。そして、波形(1)(2)では、U相電流IUとV相電流IVは、オフセットしていて電流ゼロ点が存在しないために、電動機開放接触器16の主接点を開路させた時刻T2B以降も遮断できず、電流ゼロ点が生じる時刻T4Bに至るまでの間、流れ続けることが示されている。
このような状態が継続すると、電動機開放接触器16のU相接点間とV相接点間には、アークが継続して発生するので、それによる発熱により電動機開放接触器16を破損させる可能性がある。また、アークによるガスにより周囲の絶縁低下を招き、電動機開放接触器16内部や周辺主回路の短絡を招く可能性もある。
また、交流電動機6のVW相間の線間に生ずる過大な電圧は、ロータに永久磁石を埋め込んだ構成の永久磁石同期電動機に特有の要因で発生するものである。具体的には、ロータの回転角度に応じて変化する固定子コイルのインダクタンスの大きさと時間変化、電流大きさと時間変化を主要因として発生する。この過大な電圧の大きさは、図3では、定格電圧の2倍弱の大きさとして示してあるが、図4にて説明するように、電動機開放接触器16の主接点の開路時における電流が大きいほど、また交流電動機6の回転周波数が高いほど大きくなり、最大値は定格電圧の10倍にも達する。
図4では、W相電流IWが遮断されたタイミングにおけるU相電流IUの大きさと交流電動機6に生じた線間電圧の大きさとの関係特性例が示されている。符号50は、交流電動機6の回転周波数FMが332Hzである場合の特性を示し、符号51は、交流電動機6の回転周波数FMが63Hzである場合の特性を示している。
図4において、交流電動機6の回転周波数FMが63Hzである特性51において、W相電流IWが遮断されたタイミングでのU相電流IUが1500A程度であった場合は、5kVを超過する過大な電圧が交流電動機6の線間に印加される。これに対して、交流電動機6の回転周波数FMが最高周波数である332Hzの特性50において、W相電流IWが遮断されたタイミングでのU相電流IUが1500A程度であった場合は、30kVを超過する過大な電圧が交流電動機6の線間に印加されることが分かる。
特性50における過大な線間電圧は、定格電圧の10倍程度の大きさを有するものである。そのため、交流電動機6や電動機開放接触器16以降の交流電動機6側の主回路(たとえば電動機開放接触器16、電動機開放接触器16と交流電動機6とを接続する電動機側U相導体UM、電動機側V相導体VM、電動機側W相導体WM)の絶縁を破壊してしまう虞があり、交流電動機の駆動制御装置10Aの損傷を惹起してしまうことになる。
なお、インバータ12に印加される電圧(母線電圧)や、インバータ12と電動機開放接触器16とを接続するインバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VIおよびインバータ側W相導体WIの電圧(線間電圧、対地電圧)は、スイッチング素子に内蔵されたダイオード素子の働きにより、フィルタコンデンサ19の端子電圧(つまり架線電圧)以上には上昇しない。つまり、インバータ12の上下アーム素子間の絶縁やインバータ12と電動機開放接触器16とを接続するインバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VIおよびインバータ側W相導体WIの絶縁を破壊することはない。
制御部17Aは、以上説明した知見に基づき構成してある。図5は、図1に示す制御部17Aの構成例を示すブロック図である。図6は、図5に示す電流状態判定部20の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、制御部17Aは、例えば、電流状態判定部20と、ゲート信号論理部30と、接触器制御部40Aとを備えている。以下、この順に説明する。
電流状態判定部20には、電流検出器13,14,15にて検出された三相電流IU、IV、IWが入力される。電流状態判定部20は、後述する図6に示す構成によって、検出された三相電流IU、IV、IWの状態を監視し、その監視結果を判定信号である電流状態信号FDとして出力する。電流状態信号FDは、ゲート信号論理部30と接触器制御部40Aとに出力される。また、電流状態信号FDは、放電指令OVとして放電回路18に出力される。
(ゲート信号論理部30の構成)
ゲート信号論理部30は、ラッチ回路31と、論理反転回路(NOT)32と、2入力の論理積回路(AND)33とを備えている。ラッチ回路31のセット端Sには電流状態信号FDが入力され、リセット端Rには図示しない上位装置が発生するリセット信号RST信号が入力される。ラッチ回路31の出力端Qへの保持出力レベルは、論理反転回路32にて反転されて論理積回路33の一方の入力となる。論理積回路33の他方の入力は外部の図示しない上位装置が発生する基本ゲート信号GCである。論理積回路33の出力はインバータ12へのゲート信号GSとなる。
なお、基本ゲート信号GCは、インバータ12の6つのスイッチング素子のオンオフ状態を指定する2値レベルの制御信号である。この基本ゲート信号GCは、図示しない外部の上位装置にて、電気車の加速時や減速時に必要な交流電動機6のトルクあるいは回転数を得るためにベクトル制御等の手法により生成された信号である。
(ゲート信号論理部30の動作)
電流状態信号FDがオフ状態である低レベル(以降「Lレベル」と記す)の場合は、論理反転回路32の出力は、オン状態である高レベル(以降「Hレベル」と記す)であるので、論理積回路33は、基本ゲート信号GCの論理値をそのままゲート信号GSとして出力する。これによって、インバータ12は6つのスイッチング素子に所定のオンオフ動作を行わせる。
また、電流状態信号FDがLレベルからHレベルに変化した場合は、論理反転回路32の出力は、Lレベルになるので、論理積回路33は、基本ゲート信号GCの論理状態に関わらず、Lレベルのゲート信号GSを出力する。これによって、インバータ12は6つのスイッチング素子にオフ動作を行わせる。
つまり、電流状態信号FDが、一旦LレベルからHレベルに変化した場合は、ラッチ回路31がそのHレベルを保持するので、基本ゲート信号GCの論理状態に関わらず、ゲート信号GSのLレベル(オフ状態)は維持される。再度スイッチング素子をオンオフ制御する場合は、別途、図示しない上位装置は、リセット信号RSTを生成してラッチ回路31のラッチを解除して、基本ゲート信号GCの論理状態に応じたゲート信号GSが出力されるようにする。
(接触器制御部40Aの構成)
接触器制御部40Aは、論理反転回路41,42と、オン時素回路(ONTD)43と、2入力の論理積回路(AND)44と、2入力の論理和回路(OR)45と、ラッチ回路46とを備えている。図示しない上位装置が生成する基本接触器投入指令MKC0は、論理反転回路42とラッチ回路46のセット端Sとに入力される。また、電流状態判定部20からの電流状態信号FDは論理反転回路41に入力される。
オン時素回路43は、論理反転回路42にて反転された基本接触器投入指令MKC0を設定時間内遅延して、論理和回路45の一方の入力端に出力する。論理積回路44は、論理反転回路42にて反転された基本接触器投入指令MKC0と、論理反転回路41にて反転された電流状態信号FDとの論理積をとり、それを論理和回路45の他方の入力端に出力する。論理和回路45の出力は、ラッチ回路46のリセット端Rに入力される。ラッチ回路46の出力端Qに保持されるレベル信号は、接触器投入指令MKCとして電動機開閉接触器16に与えられる。
なお、基本接触器投入指令MKC0は、交流電動機6の運転中では電動機開放接触器16を閉路状態に制御し、交流電動機6の運転を停止する場合やインバータ12に故障が生じた場合等に電動機開放接触器16を開路状態に制御する指示を制御部17Aに与える2値レベルの制御信号である。
(接触器制御部40Aの動作)
電流状態信号FDがLレベルの場合には、論理反転回路41の出力はHレベルとなるので、ラッチ回路46は、リセットされ、基本接触器投入指令MKC0のオン(Hレベル)オフ(Lレベル)に同期してオン(Hレベル)オフ(Lレベル)する接触器投入指令MKCを出力する。
電流状態信号FDがLレベルからHレベルに変化した場合は、論理反転回路41の出力はLレベルとなる。この状態で、基本接触器投入指令MKC0がHレベルであると、ラッチ回路46は、Hレベルの接触器投入指令MKCを出力する。しかし、基本接触器投入指令MKC0がLレベルに変化しても、論理反転回路41の出力はHレベルになるが、ラッチ回路46は、オン時素回路43での設定時間が経過するまではリセットされない。
つまり、電流状態信号FDがLレベルからHレベルに変化した場合は、基本接触器投入指令MKC0がLレベルになっても、オン時素回路43での設定時間が経過するまでの間は、ラッチ回路46は、そのままHレベルを保持するので、接触器投入指令MKCがオフ(Lレベル)になるのが禁止される。このケースでは、電流状態信号FDがHレベルからLレベルに変化した後に、論理積回路44の出力でラッチ回路46をリセットして、接触器投入指令MKCをオフ(Lレベル)にするようにした。
そして、電流状態信号FDがHレベルのままである場合には、基本接触器投入指令MKC0がLレベルに変化した後において、オン時素回路43での設定時間が経過した時に、ラッチ回路46をリセットして、接触器投入指令MKCをオフ(Lレベル)にするようにした。これによって、何らかの原因で電流状態信号FDがHレベルのままの状態が不正に継続した場合等において、接触器投入指令MKCを強制的にオフすることを可能とする構成としている。
次に、図6を参照して電流状態判定部20の構成と動作について説明する。
(電流状態判定部20の構成)
図6に示すように、電流状態判定部20は、U相検知論理部25Uと、V相検知論理部25Vと、W相検知論理部25Wと、判断部27とを備えている。検出された三相電流IU、IV、IWがU相検知論理部25U、V相検知論理部25V、W相検知論理部25Wの対応する検知論理部に入力され、各検知論理部の出力を並列に受ける判断部27から電流状態信号FDが出力される構成である。
3つの検知論理部は、それぞれ同一の構成であって、それぞれU相検知論理部25Uに示す構成を有している。ここでは、代表としてU相検知論理部25Uを取り上げて説明する。
U相検知論理部25Uは、U相電流IUが並列に入力される電流ゼロ点状態検出部21と電流ピーク値状態検出部22と電流実効値状態検出部23とで構成されている。つまりV相検知論理部25VおよびW相検知論理部25Wも同様の構成になっている。
電流ゼロ点状態検出部21は、電流ゼロ点検出部21aと発振部21bとカウンタ部21cと比較器21dとを備え、入力されるU相電流IUから電流ゼロ点状態信号NZUを生成して出力する。電流ピーク値状態検出部22は、電流ピーク値検出部22aと比較器22bとを備え、入力されるU相電流IUから電流ピーク値状態信号MXUを生成して出力する。電流実効値状態検出部23は、電流実効値検出部23aと比較器23bとを備え、入力されるU相電流IUから電流実効値状態信号RMUを生成して出力する。
(U相検知論理部25Uの動作)
まず、電流ゼロ点状態検出部21では、電流ゼロ点検出部21aは、入力されたU相電流IUをゼロ値と比較し、U相電流がゼロクロスするたびにカウンタリセット信号RSTをカウンタ部21cに出力する。カウンタ部21cは、発振部21bが一定周期で発振出力するクロックパルスCLKによりカウントアップ動作を行い、そのカウント値CNTを比較器21dに出力する。比較器21dは、カウント値CNTを第一の設定値SET1と比較し、カウント値CNTが第一の設定値SET1を超過した場合に、電流ゼロ点が生じていないと判断して、電流ゼロ点状態信号NZUをオン(Hレベル)にする。カウンタ部21cは、上述したカウンタリセット信号RSTが入力されると、リセットされ、カウント値CNTがゼロなどの初期値になる構成である。
インバータ12が健全である場合は、U相電流IUは規則的にゼロクロスを生ずる正弦波波形であるので、ゼロクロスに同期して発生するカウンタリセット信号RSTによりカウンタ部21cのカウント値CNTは、所定値でリセットされ、ゼロ等に戻ることを繰り返す。このため、カウンタ部21cのカウント値CNTは、第一の設定値SET1を超過することはなく、電流ゼロ点状態信号NZUはオフ(Lレベル)のままである。
一方、インバータ12に異常が発生し、U相電流IUがオフセットを有してゼロクロスが消失した場合、ゼロクロスに同期して発生していたカウンタリセット信号RSTは発生しなくなり、カウンタ部21cのカウント値CNTは増加し続ける。このため、カウンタ部21cのカウント値CNTは、第一の設定値SET1を超過することになり、電流ゼロ点状態信号NZUがオン(Hレベル)となる。
なお、第一の設定値SET1は、交流電動機6が低速(低周波数)で回転している場合に誤検知しない程度の大きさに設定するのが好ましい。交流電動機6の回転数が減少すると、それに伴って電流の基本波周波数が減少して周期が長くなるため、電流のゼロクロス毎の時間が長くなる。
このため、第一の設定値SET1は、交流電動機6の回転周波数あるいは交流電動機6の駆動電流の基本波周波数に応じて変化させるか、交流電動機6がごく低速で運転している場合は電流ゼロ点状態信号NZUの出力をマスクする等の工夫を施して、電流ゼロ点状態信号の誤出力を回避するのが好ましい。
次に、電流ピーク値状態検出部22では、電流ピーク値状態検出部22aは、入力されたU相電流IUの大きさの最大値を検出し、その大きさを信号MXとして比較器22bに出力する。比較器22bは、入力された信号MXを第二の設定値SET2と比較し、信号MXが第二の設定値SET2を超過した場合に電流ピーク値が過大であると判断し、電流ピーク値状態信号MXUをオン(Hレベル)とする。なお、第二の設定値SET2は、誤検知を避けるためにインバータ12が健全である場合に、交流電動機6に通常生じうる最大電流を少し超える程度に設定するのが好ましい。
インバータ12が健全である場合は、U相電流IUの大きさは過大ではなく、その大きさ信号MXは第二の設定値SET2以下であるので、電流ピーク値状態信号MXUはオフ(Lレベル)となっている。
一方、インバータ12に異常が発生し、図3に示したようにU相電流IUのピーク値が過大となった場合には、その大きさ信号MXは第二の設定値SET2を超過することになるので、電流ピーク値状態信号MXUはオン(Hレベル)となる。
次に、電流実効値状態検出部23では、電流実効値状態検出部23aは、入力されたU相電流IUの実効値を検出し、その大きさを信号RMとして比較器23bに出力する。比較器23bは、入力された信号RMを第三の設定値SET3と比較し、信号RMが第三の設定値SET3を超過した場合に、電流実効値が過大であると判断して、電流実効値状態信号RMUをオン(Hレベル)とする。なお、第三の設定値SET3は、誤検知を避けるためにインバータ12が健全である場合に、交流電動機6に通常生じうる最大電流を少し超える程度に設定するのが好ましい。
インバータ12が健全である場合は、U相電流IUの実効値は過大ではなく、その大きさ信号RMは第三の設定値SET3以下であるので、電流実効値状態信号RMUはオフ(Lレベル)となっている。
一方、インバータ12に異常が発生し、図3に示したようにU相電流IUの実効値が過大となった場合には、その大きさ信号RMは第三の設定値SET3を超過することになるので、電流実効値状態信号RMUはオン(Hレベル)となる。
V相、W相に関しても、V相検知論理25V、W相検知論理25Wにおいて、以上説明した方法で同様の動作が行われる。すなわち、V相検知論理25Vは、V相電流IVから電流ゼロ点状態信号NZVと、電流ピーク値状態信号MXVと、電流実効値状態信号RMVとを生成する。また、W相検知論理25Wは、W相電流IWから電流ゼロ点状態信号NZWと、電流ピーク値状態信号MXWと、電流実効値状態信号RMWとを生成する。
このようにして得た信号NZU、MXU、RMU、NZV、MXV、RMV、NZW、MXW、RMWは、並列に判断部27に入力される。判断部27では、これらの信号のいずれかがオン(Hレベル)である場合に、電流状態信号FDをオン(Hレベル)として異常発生を示す。また、その後、これらの信号のすべてがオフ(Lレベル)となった場合には、電流状態信号FDをオフ(Lレベル)として正常状態になったことを示す。なお、インバータ12が健全状態であれば、電流状態信号FDをオフ(Lレベル)のままである。
このように構成することで、制御部17Aは、相電流IU、IV、IWの状態を常に把握し、異常が生じた場合にはゲート信号GSをオフ(Lレベル)にするとともに、電動機開放接触器16への開路指示を、基本接触器投入指令MKC0がオフ(Lレベル)であるのに関わらず、電流状態が遮断に適した状態である場合に、すなわち電流にゼロ点が生じ、そのピーク値、実効値が所定の値以下である場合に行うことができる。
次に、図7を参照して、以上のように構成した制御部17Aによって行われる故障発生時の制御動作について説明する。なお、図7は、図3に示した故障が発生した場合に電流ゼロ点が生じていない相に電流ゼロ点を生じさせて遮断するこの実施の形態1による制御動作を説明する波形図である。
図7では、図3と同様に、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとが共に短絡故障を起こし、残りのスイッチング素子(VP,WP,UN,WN)は、すべてオフした状態における各相の電流波形(1)〜(3)と、交流電動機6のVW相間の線間電圧波形(4)とが示されている。
図7において、時刻T1Aは、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとに短絡故障が発生した時刻であり、時刻T1A以前は正常運転が行われ、時刻T1A以降は故障状態で運転が行われている。電動機開放接触器16は、時刻T1A後の時刻T2Aまで接触器投入指令MKCがオン(Hレベル)であることにより閉路動作を行い、時刻T2Aにて接触器投入指令MKCがオフ(Lレベル)になることにより開路動作を行うことが示されている。図7に示すように、電動機開放接触器16が開路動作を行う時刻T2Aは、図3に示した従来技術による時刻T2Bよりもかなり遅れた時刻になっている。
U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとに短絡故障が発生する時刻T1A以前は、インバータ12のすべてのスイッチング素子が健全状態であり、交流電動機6は、回転周波数63Hzで駆動されている。各相の電流波形(1)〜(3)には、正規の電流ゼロ点が現れている。交流電動機6のVW相間の線間電圧波形(4)には、正規の正負電圧波形が現れている。
交流電動機6が回転周波数63Hzで駆動されている状態において、時刻T1Aの時点にて、U相上アーム素子UPとV相下アーム素子VNとが共に短絡故障を起こしたので、残りのスイッチング素子(VP,WP,UN,WN)がすべてオフ状態に制御される。すると、U相電流IUは、波形(1)に示すように、正極側に大きくオフセットしていき、また、V相電流IVは、波形(2)に示すように、負極側に大きくオフセットしていき、共に電流ゼロ点が存在しない波形になる。一方、W相電流IWは、波形(3)に示すように、非対称な電流変化を示すが、電流ゼロ点の存在が認められる。このようになる理由は図3にて説明した通りである。
時刻T1Aにて短絡故障が発生すると、それを検出した図示しない上位装置は、短絡故障が生じた時刻T1Aの直後に、図3にて説明したように、電源開放接触器11を開路させると共に、放電回路18をオン動作させて、フィルタコンデンサ19の充電電荷を放電し、交流電動機6への直流電圧の印加を防止する。また同時に、図示しない上位装置は、交流電動機6からインバータ12への電流の流れ込みを防止するために、基本接触器投入指令MKC0をオフ(Lレベル)にする。
ここで、この実施の形態1による制御部17Aは、基本接触器投入指令MKC0がオフ(Lレベル)となった後も、接触器投入指令MKCをオン(Hレベル)のまま維持する。その間に、電源開放接触器11の開路と放電回路18によるフィルタコンデンサ19の放電動作とにより、交流電動機6への直流電圧の印加が解消する。
これによって、波形(1)〜(3)に示すように、U相電流IU、V相電流IVが減衰してU相電流IU、V相電流IV、W相電流IWに電流ゼロ点が生ずるようになる。そして、電流ピーク値、実効値ともに所定値以下となった時点(時刻T2A)において接触器投入指令MKCをオフ(Lレベル)にすることで、電動機開放接触器16の投入コイルが非励磁となり消勢する。
そうすると、電動機開放接触器16の主接点は、時刻T2A直後の時刻T3Aにて開路するので、まずW相電流IWが電流ゼロ点で遮断され、以降V相電流IV、U相電流IUの順に電流ゼロ点で遮断できることとなり、時刻T4Aにおいて、三相すべての電流の遮断が完了する。
この動作によって、時刻T3Aにおいて、W相電流IWが電流ゼロ点で遮断されると、波形(4)に示すように、交流電動機6の線間電圧には過大な電圧が発生しなくなる。これによって、交流電動機6や電動機開放接触器16以降の交流電動機側の主回路(例えば電動機開放接触器16や、電動機開放接触器16と交流電動機6を接続する電動機側U相導体UM、電動機側V相導体VMおよび電動機側W相導体WM)の絶縁を破壊してしまうことはなく、交流電動機の駆動制御装置10Aの損傷を避けることができる。
また、すべての相に電流ゼロ点が存在してから電動機開放接触器16の主接点を開路するため、電動機開放接触器16の接点間に生じるアークの時間は時刻T2A〜時刻T4Aのわずかな時間であり、図3に示した従来技術による場合のように、長時間(時刻T2B〜時刻T4B)のアークが発生することを回避できるので、発熱により電動機開放接触器16を破損させることを回避できる。また、アークによるガスにより周囲の絶縁低下を招くことを回避できるので、電動機開放接触器16内部や周辺主回路の短絡を招くことを回避できる。
なお、図7に示すように、短絡故障が生じた時刻T1A以降も電動機開放接触器16を投入状態としておいた場合でも、U相電流IU、V相電流IVおよびW相電流IWは、時刻T1A直後に一時的に電流振幅が大きくなるが、その後は、フィルタコンデンサ19の放電によって減少してゆき、やがて三相共に電流ゼロ点が生じる挙動となることが理解できる。
時刻T1A以降も電動機開放接触器16を投入状態で維持しているため、速やかに短絡電流を遮断することができない点は、一見電動機開放接触器16を設けた本来の目的に反するように思える。しかし、電動機開放接触器16を投入状態としておいても、過大な電流が継続的に流れることはないため、短絡箇所の損傷を拡大する可能性は低く、むしろ電動機開放接触器16の遮断に伴う過大な電圧の発生を抑制できることのメリットの方が大きい。つまり、以上説明した制御部17Aの構成は、この相電流の挙動をうまく利用したものであると言える。当然ながら、電源開放接触器11の開路と放電回路18によるフィルタコンデンサ19の放電は、電動機開放接触器16の開路よりも前に行われることが必要となる。
また、以上のように、U相電流IUの複数の監視項目、すなわち、電流ゼロ点の有無状態、ピーク値の状態および実効値の状態を監視することにより、異常発生によって正弦波からひずんだ複雑な波形の電流波形が生じた場合においても、確実に電流の異常状態を把握することが可能となる。もちろん、電流ゼロ点の有無状態、ピーク値の状態、実効値の状態のうち少なくとも一つの状態を監視することでも良いが、例えば、電流実効値の状態のみを監視していた場合、異常発生によりピーク値は大きいが実効値が小さい電流波形となった場合にこれを検出することができなくなる。
なお、図5に示すオン時素回路43と論理和回路45との働きにより、万一、放電回路18や電源開放接触器11の故障によって、フィルタコンデンサ19の電荷が放電されずに、U相電流IU、V相電流IVの異常状態が解消されない場合で、電流状態信号FDがオン(Hレベル)のままの状態が継続した場合は、オン時素回路43の設定遅れ時間が経過した時点で、接触器投入指令MKCを強制的にオフすることができるので、交流電動機6を含めた短絡回路が何時までも形成され続ける事態を回避することができる。
以上説明したように、この実施の形態1によれば、インバータ12と交流電動機6との間に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する故障電流が流れる場合に、発生した故障の形態に依らず、交流電動機6の線間や電動機開放接触器16の接点間に過大な電圧が生ずるのを防止でき、また電動機開放接触器の接点間でアークが継続するのを防止できる構成を備えたので、発生した故障の形態に依らず、電動機内のコイルや電動機開放接触器、電動機開放接触器と電動機を接続するケーブルなどの絶縁が破壊したり、また電動機開放接触器の接点間で発生するアークにより電動機開放接触器が損傷したりすることのない交流電動機の駆動制御装置が得られる。
実施の形態2.
図8は、この発明の実施の形態2による交流電動機の駆動制御装置の構成例を示すブロック図である。なお、図8では、図1(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図8に示すように、この実施の形態2による交流電動機の駆動制御装置10Bでは、図1(実施の形態1)に示した構成において、制御部17Aに代えて制御部17Bが設けられている。制御部17Bは、例えば、図9に示すように構成されている。
以下、図9を参照して制御部17Bの構成と動作について説明する。なお、図9では、図5(実施の形態1)に示した構成要素と同一ないしは同等である構成要素には同一の符号が付されている。ここでは、この実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
図9に示すように、制御部17Bでは、図5(実施の形態1)に示した構成において、接触器制御部40Aに代えて接触器制御部40Bが設けられている。接触器制御部40Bでは、接触器制御部40Aにおいて、論理反転回路41の入力段にワンショット回路47が設けられ、オン時素回路43と論理和回路45とを削除して論理積回路44の出力を直接ラッチ回路46のリセット端Rに接続した構成になっている。したがって、ここでは、制御部17Bの動作として、接触器制御部40Bの動作を説明する。
(接触器制御部40Bの動作)
電流状態信号FDがLレベルの場合には、論理反転回路41の出力はHレベルとなるので、ラッチ回路46は、リセットされ、基本接触器投入指令MKC0のオン(Hレベル)オフ(Lレベル)に同期してオン(Hレベル)オフ(Lレベル)する接触器投入指令MKCを出力する。
電流状態信号FDがLレベルからHレベルに変化した場合は、ワンショット回路47の出力が設定した所定時間だけオン(Hレベル)となり、その所定期間だけ論理反転回路41の出力がLレベルになるので、ラッチ回路46は、リセットされない。
つまり、電流状態信号FDがLレベルからHレベルに変化した場合は、ワンショット回路47の出力がオン(Hレベル)している所定時間は、基本接触器投入指令MKC0がオフ(Lレベル)となっても、接触器投入指令MKCはオフ(Lレベル)にならない。ワンショット回路47の出力がオフ(Lレベル)になった時点で、論理反転回路41の出力はHレベルとなるので、ラッチ回路46は、リセットされ、接触器投入指令MKCがオフ(Lレベル)となる。
なお、ワンショット回路47がオン(Hレベル)になる時間幅は、インバータ12の故障後に電流が異常状態でなくなるまでの時間をシミュレーションなどで予め求めておき設定しておくのが好ましい。具体的には、例えば図7に示した波形例で言えば、100ms程度が適当である。
このように構成すれば、実施の形態1と同等の機能を少ない論理処理数で構成することができる。
なお、実施の形態1,2で示した制御部17A,17Bの機能のうち、電流状態判定部20と、接触器制御部40A,40Bとは、電動機開放接触器16に内蔵させてもよい。
また、電動機開放接触器16内部に遅延機構を設け、制御部17A,17Bから入力された接触器投入指令MKCがオフ(Lレベル)になった場合に、所定の遅延時間の経過後に、電動機開放接触器16内部の主接点が開路できるようにしてもよい。
このような遅延機構を設ければ、例えば制御部17A,17Bに電源を供給する制御電源(図示せず)が故障した場合等において、制御部17A,17Bが実施の形態1,2にて説明した所定の論理処理を実行することができずに接触器投入指令MKCがオフ(Lレベル)になった場合においても、電動機開放接触器16の主接点が開路するまでに所定の遅延時間が確保できるため、交流電動機6等に過大な電圧が印加されるのを防止できる。
もちろん、制御部17A,17Bに電源を供給する制御電源は、故障時にもしばらくの間は制御部17A,17Bに電源供給が可能なバックアップ機能を有したものであることが望ましい。
また、以上説明した構成を有する制御部17A,17Bによる故障時の制御では、電動機開放接触器16を開路させることにより過大な電圧の発生を回避できるが、なんらかの要因で電流状態信号FDがオン(Hレベル)のままであった場合で、オン時素回路43やワンショット回路47の設定時間を超過した場合や、制御部17A,17Bが故障した場合には、電動機開放接触器16が電流状態によらず開路制御されるケースも考えられる。そのため、電流検出器13,14,15やその他のたとえば電圧検出器(図示せず)は、このような場合でも破損させないために、インバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VIおよびインバータ側W相導体WIに設置することが望ましい。
その理由は、上述のように、電動機側U相導体UM、電動機側V相導体VMおよび電動機側W相導体WMには、インバータ12の異常時に電動機開放接触器16を開路制御した場合に発生する過大な電圧により、電流検出器13,14,15や、その他のたとえば電圧検出器の絶縁が破壊され損傷する可能性があるためである。一方、インバータ側U相導体UI、インバータ側V相導体VIおよびインバータ側W相導体WIには、このような場合も過大な電圧が発生することはなく、電流検出器13,14,15や、その他のたとえば電圧検出器を損傷することがないためである。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
例えば、本明細書では、集電装置1から直流電圧を受電し、それを電源開放接触器11を介して直接インバータ12に入力する構成で説明したが、集電装置1から交流電圧を受電し、それを電源開放接触器11を介して、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータ回路に入力し、コンバータ回路の出力として得た直流電圧をインバータ12に入力する構成としてもよい。このような構成は、交流電化区間用の電気車に好適となる。
また、本明細書では、電気車に搭載の交流電動機の駆動制御装置への適用を考慮して発明内容の説明しているが、適用分野はこれに限られるものではなく、他の同期電動機駆動システム、例えば電気自動車等の関連分野への応用が可能であることも言うまでもない。
以上のように、この発明にかかる交流電動機の駆動制御装置は、インバータと電動機との間を流れる故障電流に、電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在する場合においても、発生した故障の形態に依らず、電動機内のコイルや電動機開放接触器、電動機開放接触器と電動機を接続するケーブルなどの絶縁が破壊したり、また電動機開放接触器の接点間で発生するアークにより電動機開放接触器が損傷したりすることのない交流電動機の駆動制御装置として有用であり、特に、電気車に搭載した交流電動機が永久磁石同期電動機である場合に適している。
この発明の実施の形態1による交流電動機の駆動制御装置の構成例を示すブロック図である。 図1に示すインバータの構成例を示す回路図である。 故障電流に電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在して生ずる故障の一例とその時の電流波形及び電動機の線間電圧波形を示す波形図である。 故障電流に電流ゼロ点が生じない相と生じる相とが混在して生ずる故障時に電流ゼロ点が生じている相が遮断されたタイミングにおける非遮断相電流の大きさと電動機に生じた線間電圧の大きさとの関係を示す特性図である。 図1に示す制御部の構成例を示すブロック図である。 図5に示す電流状態判定部の構成例を示すブロック図である。 図3に示した故障が発生した場合に電流ゼロ点が生じていない相に電流ゼロ点を生じさせて遮断するこの実施の形態1による制御動作を説明する波形図である。 この発明の実施の形態2による交流電動機の駆動制御装置の構成例を示すブロック図である。 図8に示す制御部の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1 集電装置
2 レール
3 車輪
6 交流電動機
7 回転検出器
10A,10B 交流電動機の駆動制御装置
11 電源開放接触器
12 インバータ
13,14,15 電流検出器
16 電動機開放接触器
17A,17B 制御部
18 放電回路
19 フィルタコンデンサ
20 電流状態判定部
21 電流ゼロ点状態検出部
21a 電流ゼロ点検出部
21b 発振部
21c カウンタ部
21d 比較器
22 電流ピーク値状態検出部
22a 電流ピーク値検出部
22b 比較器
23 電流実効値状態検出部
23a 電流実効値検出部
23b 比較器
25U U相検知論理部
25V V相検知論理部
25W W相検知論理部
27 判断部
30 ゲート信号論理部
31 ラッチ回路
32 論理反転回路(NOT)
33 論理積回路(AND)
40A、40B 接触器制御部
41、42 論理反転回路(NOT)
43 オン時素回路(ONTD)
44 論理積回路(AND)
45 論理和回路(OR)
46 ラッチ回路
47 ワンショット回路
P 正極側導体
N 負極側導体
UI インバータ側U相導体
VI インバータ側V相導体
WI インバータ側W相導体
UM 電動機側U相導体
VM 電動機側V相導体
WM 電動機側W相導体
UP U相上アーム素子
VP V相上アーム素子
WP W相上アーム素子
UN U相下アーム素子
VN V相下アーム素子
WN W相下アーム素子
上述した目的を達成するために、この発明は、オンオフ制御される複数のスイッチング素子を有し直流電圧を任意周波数の交流電圧に変換して交流電動機を駆動するインバータと、前記インバータと前記交流電動機との間に接続された電動機側開閉部と、前記インバータの出力側の電気量を検出する電気量検出器と、少なくとも前記電気量検出器が検出した電流に基づき、前記インバータにおける前記複数のスイッチング素子のオンオフ制御と前記電動機側開閉部に対する開閉制御とを行う制御部と、前記インバータの直流入力側と電源との間に設けられる電源側開閉部と、を備える交流電動機の駆動制御装置であって、前記制御部は、前記電気量検出器が検出した電流が異常な状態であるか否かを判定した判定信号を生成する電流状態判定部と、前記判定信号に基づき、前記電動機側開閉部を開路制御するための上位の指令が発生してから、当該上位の指令が実際に前記電動機側開閉部に対して出力されるタイミングを制御する接触器制御部と、を備え、前記電源側開閉部は、前記電動機側開閉部が開路する前に、前記インバータの直流入力側を前記電源から切り離すように開路制御される、ことを特徴とする。

Claims (13)

  1. オンオフ制御される複数のスイッチング素子を有し直流電圧を任意周波数の交流電圧に変換して交流電動機を駆動するインバータと、前記インバータと前記交流電動機との間に接続された電動機側開閉部と、前記インバータの出力電流を検出する電流検出器と、少なくとも前記電流検出器が検出した電流に基づき、前記インバータにおける前記複数のスイッチング素子のオンオフ制御と前記電動機側開閉部に対する開閉制御とを行う制御部と、を備える交流電動機の駆動制御装置であって、
    前記制御部は、
    前記電流検出器が検出した電流が異常な状態であるか否かを判定した判定信号を生成する電流状態判定部と、
    前記判定信号に基づいて前記電動機側開閉部を開路制御するタイミングを適切に制御できるように構成した接触器制御部と、
    を備えたことを特徴とする交流電動機の駆動制御装置。
  2. オンオフ制御される複数のスイッチング素子を有し直流電圧を任意周波数の交流電圧に変換して交流電動機を駆動するインバータと、前記インバータと前記交流電動機との間に接続された電動機側開閉部と、前記インバータの出力電流を検出する電流検出器と、少なくとも前記電流検出器が検出した電流に基づき、前記インバータにおける前記複数のスイッチング素子のオンオフ制御と前記電動機側開閉部に対する開閉制御とを行う制御部と、前記インバータの直流入力側と電源との間に設けられる電源側開閉部と、を備える交流電動機の駆動制御装置であって、
    前記制御部は、
    前記電流検出器が検出した電流が異常な状態であるか否かを判定した判定信号を生成する電流状態判定部と、
    前記判定信号に基づいて前記電動機側開閉部を開路制御するタイミングを適切に制御できるように構成した接触器制御部と、を備え、
    前記電源側開閉部は、前記電動機側開閉部が開路する前に、前記インバータの直流入力側を前記電源から切り離すように開路制御される、
    ことを特徴とする交流電動機の駆動制御装置。
  3. オンオフ制御される複数のスイッチング素子を有し直流電圧を任意周波数の交流電圧に変換して交流電動機を駆動するインバータと、前記インバータと前記交流電動機との間に接続された電動機側開閉部と、前記インバータの出力電流を検出する電流検出器と、少なくとも前記電流検出器が検出した電流に基づき、前記インバータにおける前記複数のスイッチング素子のオンオフ制御と前記電動機側開閉部に対する開閉制御とを行う制御部と、前記直流電圧が印加される前記インバータの正極側導体および負極側導体の間に設けられるコンデンサと並列に接続される放電回路と、を備える交流電動機の駆動制御装置であって、
    前記制御部は、
    前記電流検出器が検出した電流が異常な状態であるか否かを判定した判定信号を生成する電流状態判定部と、
    前記判定信号に基づいて前記電動機側開閉部を開路制御するタイミングを適切に制御できるように構成した接触器制御部と、を備え、
    前記放電回路は、前記電動機側開閉部が開路する前に、前記コンデンサの充電電荷を放電するように制御される、
    ことを特徴とする交流電動機の駆動制御装置。
  4. 前記制御部は、
    前記判定信号に基づいて前記複数のスイッチング素子のオンオフ制御に加えてオフ制御も行うゲート信号を生成するゲート信号論理部、
    を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の交流電動機の駆動制御装置。
  5. 前記電流状態判定部は、前記検出された電流のゼロクロス有無に関する指標と、前記検出された電流のピーク値に関する指標と、前記検出された電流の実効値に関する指標との少なくとも1つを対応する設定値と比較しその比較結果に基づいて前記判定信号を生成する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の交流電動機の駆動制御装置。
  6. 前記電流状態判定部は、前記検出された電流の状態を複数の観点から評価して前記判定信号を生成する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の交流電動機の駆動制御装置。
  7. 前記電流状態判定部は、前記検出された電流のゼロクロス有無に関する指標と、前記検出された電流のピーク値に関する指標と、前記検出された電流の実効値に関する指標とを、それぞれ第一の設定値、第二の設定値、第三の設定値と比較し、その比較結果に基づいて前記判定信号を生成する、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか一つに記載の交流電動機の駆動制御装置。
  8. 前記電流状態判定部は、前記検出された三相の電流のうちいずれか一つの電流のゼロクロス有無に関する指標がゼロクロスの不存在により第一の設定値を超過している場合に、あるいは前記検出された電流のピーク値に関する指標が第二の設定値を超過している場合に、あるいは前記検出された電流の実効値に関する指標が第三の設定値を超過している場合に、電流が異常な状態であると判定し、電流異常を示す前記判定信号を生成する構成、を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の交流電動機の駆動制御装置。
  9. 前記電流状態判定部は、前記検出された三相の全電流のゼロクロス有無に関する指標がゼロ点の存在により第一の設定値を下回っている場合で、前記検出された電流のピーク値に関する指標が第二の設定値を下回り、かつ、前記検出された電流の実効値に関する指標が第三の設定値を下回っている場合に、電流が正常な状態であると判定し、電流正常を示す前記判定信号を生成する構成、を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の交流電動機の駆動制御装置。
  10. 前記接触器制御部は、前記電流状態判定部が前記検出された電流の状態が異常であると判定した時点では、前記電動機側開閉部を開路しないようにする構成、を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の交流電動機の駆動制御装置。
  11. 前記接触器制御部は、前記電流状態判定部が前記検出された電流の状態が異常であると判定している状態が継続する場合において一定の条件が成立した場合は、所定時間経過後に前記電動機側開閉部を開路する制御を行う構成、を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の交流電動機の駆動制御装置。
  12. 前記接触器制御部は、前記電動機側開閉部を開路するタイミングを、前記電流状態判定部が前記検出された電流の状態が異常であると判定した時点から所定時間だけ遅延させるように動作する構成、を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の交流電動機の駆動制御装置。
  13. オンオフ制御される複数のスイッチング素子を有し直流電圧を任意周波数の交流電圧に変換して交流電動機を駆動するインバータと、前記インバータと前記交流電動機との間に接続された電動機側開閉部と、を備える交流電動機の駆動制御装置において、
    前記インバータの出力側の電気量を検出する検出器を設ける場合、前記検出器は、前記インバータと前記電動機側開閉部との間の回路に設けられる、ことを特徴とする交流電動機の駆動制御装置。
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