JP5531981B2 - モータ - Google Patents

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Description

本発明は、自動車やトラック等に搭載される制御回路を含むモータに関する。また、産業用機器、家庭電化製品などへの適用も可能である。
3相交流電圧、3相交流電流のモータは自動車用途、産業用途、家電用途などに広く使用されている。そして、モータシステムの低コスト化、小型化、高信頼化の要求に応えるために、エンコーダを使用しない、いわゆるセンサレス速度制御、センサレス位置制御などのモータが研究され、製品化されてきた。
図30に従来のセンサレス制御のモータ構成の例を示す(特許文献1、2参照)。2Eは直流電圧源、451、452はU相電流Iuを通電するトランジスタ、453、454はV相電流Ivを通電するトランジスタ、455、456はW相電流Iwを通電するトランジスタである。457、458、459、45A、45B、45Cは前記の各トランジスタに逆並列に接続されたダイオードである。45DはモータのU相巻線、45EはV相巻線、45FはW相巻線である。45Nは前記3相の巻線をY結線するときの接続点であり、電位的には中性点である。
45HはU相巻線45Dの端子電圧を検出するためのローパスフィルタである。モータの電圧、電流をトランジスタによるパルス幅変調PWMを行って制御する場合、端子電圧に重畳している高調波成分を除去する必要があり、ローパスフィルタ45Hを使用している。同様に、45JはV相巻線45Eの端子電圧を検出するためのローパスフィルタである。同様に、45KはW相巻線45Fの端子電圧を検出するためのローパスフィルタである。これらのローパスフィルタ45H、45J、45Kにより、3相各端子電圧の基本波電圧成分を検出している。これらのローパスフィルタ45H、45J、45Kの出力を制御部45Lに出力し、ロータ回転位置情報を検出し、モータの3相交流電圧、3相交流電流を制御する。
なお、本発明に関わるモータの例は、特許文献3に示されるモータである。これは2個のループ状巻線を備えるモータで、3相交流の不平衡な巻線のモータがある。
特開平7−115789号公報(図4) 国際公開第96/05650号パンフレット(図1) 特許第4007339号公報(図1)
上記の図30に示す方法では、ローパスフィルタを使用するため、応答に遅れがある。従って、急加減速を必要とする用途では時間的な高速応答が必要であり、問題がある。
また、ロータが停止している場合、あるいは、低速で回転している場合には、各巻線の誘起電圧が小さく、ロータ回転位置θreの検出が難しい。従って、低速回転でのセンサレス制御には適さない面がある。なお、低速回転での位置検出が難しい場合、停止状態からセンサレス位置検出が可能となるある程度の中速の回転速度までは、3相電流を低速から徐々に中速の回転速度まで周波数を高めて、同期運転で始動させる方法が一般的に使用されている。
他の方法として、拡張誘起電圧方式と言われるような、低速回転から高速回転まで、高速な応答速度でロータ回転位置θreを検出できる方法などもあるが、回転座標系での演算を行うなど高度な計算が必要となり、ある程度の処理能力を有するマイコンが必要となり、コストの問題、制御回路部のサイズの問題などがある。また、ロータの回転方向によりインダクタンスの値が異なることも利用した位置検出方法なので、ロータ表面に一様に永久磁石を配置した表面磁石形ロータの場合は、拡張誘起電圧方式であっても低速回転のロータ位置検出が難しい。
また、いわゆる120°通電方式のブラシレスモータの駆動方法がある。
120°通電方式は、U、V、W相の3線の内の2線に通電して順次通電相を変えてモータを回転する方法である。この駆動方法における特有のセンサレス位置検出方法も使用されている。3線の内の1線には電流が通電されていないので通電しない相の高調波電圧が少ないことを利用して、前記の中性点45Nが零ボルトになる位相を検出する方法がある。このセンサレス位置検出方法は、簡素な構成であり、低コストなモータシステムとすることができる。
しかしこの方法は、巻線のインダクタンスが大きい場合、相電流の切り替え時に発生するいわゆるスパイク電圧の時間幅が広くなり、センサレス位置検出の時間的検出マージンが低下する問題がある。また、当然のことながら、150°通電方式、180°通電方式、正弦波通電方式などの駆動方式に適用することはできない。従って、低騒音化の限界などの問題がある。
本発明で示す3相の不平衡な巻線を備えるモータのセンサレス制御は、今までにその様な不平衡な巻線のモータに関する試みがなかったため、発明者らの知る限り、公知技術がない。また、不平衡な巻線であるため、従来の3相巻線が平衡であることを前提とした種々のセンサレス位置検出方法は、不平衡巻線では種々の問題が発生する。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、不平衡なV結線の巻線構成においてセンサレスで制御するモータを提供することにある。
(請求項1に係る発明)
請求項1に記載の発明は、3相の交流モータにおいて、モータの入力である端子あるいはリード線をX端子、Y端子、Z端子とし、前記X端子とY端子との間に配置したU相巻線WUと、前記Z端子とX端子との間に配置したW相巻線WWと、前記U相巻線WUのU相電圧Vuを検出する電圧検出手段DVutと、前記U相巻線WUに通電する電流Iyを検出する電流検出手段DIyと、前記W相巻線WWに通電する電流Izを検出する電流検出手段DIzと、前記U相巻線WUの誘起電圧成分Vurを計算する計算手段CVurと、前記計算手段CVurの出力Vurを基にロータの回転位置θreを検出する位置検出手段POSuとを備え、前記U相巻線WUの誘起電圧成分Vurを使用してロータの回転位置θreの情報を検出して制御するモータの構成である。
この構成によれば、3相モータの各巻線の内部インピーダンスが異なっていても、正確に各巻線の誘起電圧成分を検出することができ、センサレスで制御を行えるモータとすることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記計算手段CVurは、U相巻線WUの抵抗値Ruも使用してU相巻線WUの誘起電圧成分Vurを計算し、制御するモータの構成である。
この構成によれば、巻線の抵抗による電圧降下も計算するので、特に巻線抵抗による電圧降下の比率の大きい小型のモータにおいて、より正確なセンサレスで制御を行えるモータとすることができる。
請求項3に記載の発明は、3相の交流モータにおいて、モータの入力である端子あるいはリード線をX端子、Y端子、Z端子とし、前記X端子とY端子との間に配置したU相巻線WUと、前記Z端子とX端子との間に配置したW相巻線WWと、前記U相巻線WUのU相電圧Vuを検出する電圧検出手段DVuと、前記U相巻線WUに通電する電流Iyを検出する電流検出手段DIyと、前記W相巻線WWのW相電圧Vwを検出する電圧検出手段DVwと、前記W相巻線WWに通電する電流Izを検出する電流検出手段DIzと、前記U相巻線WUの誘起電圧成分Vurを計算する計算手段CVurと、前記W相巻線WWの誘起電圧成分Vwrを計算する計算手段CVwrと、前記計算手段CVurの出力Vurを基にロータの回転位置θreを検出する位置検出手段POSuと、前記計算手段CVwrの出力Vwrを基にロータの回転位置θreを検出する位置検出手段POSwとを備え、前記U相巻線WUの誘起電圧成分Vurと前記W相巻線WWの誘起電圧成分Vwrとを使用してロータの回転位置θreの情報を検出して制御するモータの構成である。
この構成によれば、2相、あるいは、3相の誘起電圧成分を用いてセンサレスで制御を行えるので、精度の向上と応答性の向上を行えるモータとすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記計算手段CVurは、U相巻線WUの抵抗値Ruも使用してU相巻線WUの誘起電圧成分Vurを計算し、前記計算手段CVwrは、W相巻線WWの抵抗値Rwも使用してW相巻線WWの誘起電圧成分Vwrを計算し、制御するモータの構成である。
この構成によれば、請求項3において巻線の抵抗による電圧降下も計算するので、特に巻線抵抗による電圧降下の比率の大きい小型のモータにおいて、より正確なセンサレスで制御を行えるモータとすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3において、U相巻線WUに関わる情報とZ相巻線WZに関わる情報からV相の誘起電圧成分Vvrを求め、この誘起電圧成分Vvrを使用してロータの回転位置θreの情報を検出して制御するモータの構成である。
この構成によれば、2相、あるいは、3相の誘起電圧成分を用いてセンサレスで制御を行えるので、精度の向上と応答性の向上を行えるモータとすることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1または請求項3において、MOSFETなどの電力素子を含む半導体素子のボンディングワイヤあるいはリード端子の抵抗値を利用してモータへ通電する電流成分を検出し、制御するモータの構成である。
この構成によれば、電流検出に使用するシャント抵抗の機能をボンディングワイヤ等を使用して構成することができるので、小型化、低コスト化を行えるモータとすることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1または請求項3において、モータ巻線WAAの温度を計測、あるいは、推測して求め、ある温度で抵抗値Raaのモータ巻線WAAへ電流Iaaを通電して発生する抵抗電圧降下成分VaaRを計算し、制御するモータの構成である。
この構成によれば、モータ巻線の電流通過により発生する電圧降下の温度変化を考慮することができるので、センサレス位置検出の検出精度を向上したモータとすることができる。
請求項8に記載の発明は、U相巻線WUとV相巻線WVとW相巻線WWとをY結線し、V相巻線WVのV相電圧Vvを検出する電圧検出手段DVvと、V相巻線WVの電流Ivを検出する電流検出手段DIvと、V相巻線WVの誘起電圧成分Vvrを計算する計算手段CVvr2と、前記計算手段CVvr2の出力Vvrを基にロータの回転位置θreを検出する位置検出手段POSvとを備え、前記V相巻線WVの誘起電圧成分Vvrを使用してロータの回転位置θreの情報を検出し、U相、V相、W相の電圧と電流を制御するモータの構成である。
この構成によれば、3個の巻線をY結線とした3相交流モータにおいて、相電圧を検出してセンサレス位置検出を行えるモータとすることができる。
請求項9に記載の発明は、U相巻線WUとV相巻線WVとW相巻線WWとをY結線し、直列に接続したU相巻線WUとW相巻線WWとの両端の端子間電圧Vuwを検出する電圧検出手段DVuw2と、V相巻線WVの電流Ivを検出する電流検出手段DIvと、W相巻線WWの電流Iwを検出する電流検出手段DIwと、U相巻線WUの誘起電圧成分VurとW相巻線WWの誘起電圧成分Vwrとの差Vuwrを計算する計算手段CVuwr2と、前記計算手段CVuwr2の出力Vuwrを基にロータの回転位置θreを検出する位置検出手段POSuw2とを備え、前記U相巻線WUとW相巻線WWとの誘起電圧成分Vuwrを使用してロータの回転位置θreの情報を検出し、U相、V相、W相の電圧と電流を制御するモータの構成である。
この構成によれば、3個の巻線をY結線とした3相交流モータにおいて、端子間電圧を検出してセンサレス位置検出を行えるモータとすることができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1、請求項3、請求項8、請求項9のいずれか一つにおいて、各相の正の電流あるいは負の電流の通電角幅が電気角で145°から180°の範囲とするモータの構成である。
この構成によれば、各相の電圧、電流の通電角幅を145°以上の種々の値とすることにより、電圧、電流の波形をより正弦波に近づけ、高調波を低減でき、簡素なセンサレス位置検出において低騒音の運転を行えるモータとすることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1、請求項3、請求項8、請求項9のいずれか一つにおいて、各相の電流の波形形状が、概略、正弦波電流制御であるモータの構成である。 この構成によれば、概略、正弦波電流、電圧のモータ運転とすることにより、簡素なセンサレス位置検出において低騒音の運転を行えるモータとすることができる。
本発明の対象とするモータの縦断面図である。 ロータ表面の磁石の円周方向形状を直線状に展開した図である。 図1のステータの各相磁極がロータに対向する面の円周方向形状を直線状に展開した図である。 図3のステータの各相磁極形状を変形した例である。 図3のステータの各相磁極形状を変形した例である。 (a)図1のコイルの縦形状を示す正面図、(b)図1のコイルの横形状を示す側面図である。 図1の各相のコイルの円周方向形状を直線状に展開した図である。 図7に示すコイルの内、同一スロットに配置する2個のコイルを1個に統合したコイル形状の展開図である。 3相のデルタ結線のモータに関し、3相の電圧ベクトルVu、Vv、Vwを基準に、通電する3相の電流Iu、Iv、Iw等を付記した図である。 図1、図8に示すモータ構成で、V結線とした巻線と3相電流を供給するインバータを示す図である。 図1、図8に示すモータ構成の電圧ベクトル、電流ベクトル、トルクの関係の例を示す図である。 図10に示すV結線とした巻線の等価回路を示す図である。 V結線の巻線からロータ回転位置θreを検出する構成を示す図である。 3相の誘起電圧成分からロータ回転位置θreの領域判定を行う関係を示す図である。 図1、図8、図13に示す構成で、120°通電を行うシミュレーション結果である。 図1、図10の構成を含む速度制御システムの概要を示す図である。 図13に示す要素を構成することができる演算増幅器の活用例として、(a)加減算器、(b)微分器の例を示す図である。 モータの起動から速度制御を行う制御の例を示す図である。 半導体の集積回路素子の断面および内部接続に使用するボンディングワイヤ等を示す図である。 モータ巻線の抵抗値およびシャント抵抗の抵抗値を定電流回路で計測する構成例を示す図である。 3相モータのY結線の相電圧を検出してセンサレス位置検出を行う構成例である。 3相交流、4極、集中巻き巻線構成のモータの縦断面図である。 図22に示すモータの横断面図である。 Y結線の3相モータの相電圧、相電流、端子間電圧の関係を示す図である。 Y結線の3相モータの等価回路である。 3相モータのY結線の端子間電圧を検出してセンサレス位置検出を行う構成例である。 図1、図8、図13に示す構成で、150°通電を行うシミュレーション結果である。 図1、図8、図13に示す構成で、180°通電を行うシミュレーション結果である。 図1、図8、図13に示す構成で、正弦波電流制御を行うシミュレーション結果である。 従来のセンサレス位置検出の構成例である。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
本発明で示す3相の不平衡な巻線を備えるモータの例は、特許文献3に示されるモータであり、2個のループ状巻線を備えている。但し、3相の不平衡な巻線を備えるモータのセンサレス制御は、今までにその様な不平衡な巻線のモータに関する試みがなかったため、発明者らの知る限り、公知技術がない。
そこで、本発明では、制御回路を含め、簡素で低コストなモータシステムを提案する。また、生活の場に近いところで使用される各種のファンなどの用途では静かさが重要であり、極めて静粛なモータ構成も提案する。
図1から図11に、本発明の対象とする、3相の不平衡な巻線を備えるモータの構成例を示す。図1はその概略的な構成を示す縦断面図の例である。Q11はロータ軸、Q12はロータ表面に取り付けられたN極永久磁石およびS極永久磁石、Q13はU相ステータ磁極、Q14はV相ステータ磁極、Q15はW相ステータ磁極、Q1Aはステータ磁路のバックヨーク部、Q16は円周方向に環状形状のU相巻線、Q17とQ18はV相巻線、Q19はW相巻線、Q1Bはモータケース、Q1Cは軸受けである。
図2は前記永久磁石Q12の円周方向の表面形状を直線状に展開した図で、円周方向を紙面で水平方向として示し、機械的角度を付記している。Q21はN極永久磁石、Q22はS極永久磁石であり、8極のロータの例である。
図3は図1に示すロータの永久磁石に対向するU、V、W各相のステータ磁極の円周方向形状を直線状に展開した図である。U相ステータ磁極Q13、V相ステータ磁極Q14、W相ステータ磁極Q15は相互に機械角で30°の位相差、電気角で120°の位相差を持たせて配置している。
ロータの永久磁石に対向する各相のステータ磁極の形状は種々の変形が可能である。例えば図4に示すように長方形の形状とすることもできる。Q31はU相ステータ磁極、Q32はV相ステータ磁極、Q33はW相ステータ磁極である。図4の各ステータ磁極形状にスキューを加えることもできる。
また、図5に示すように、各相のステータ磁極の形状を台形とひし形の組み合わせとすることもできる。Q41はU相ステータ磁極、Q42はV相ステータ磁極、Q43はW相ステータ磁極である。各相ステータ磁極形状の面積は同じであり、相対的な位相差は電気角で120°である。この場合、各ステータ磁極を通過する磁束のロータ回転角θreと共に変化する値は、図4の場合が矩形形状であるのに比較して、より正弦波形状に近くなり、トルクリップルが低減する効果がある。
図6は図1に示した各相の環状形状の巻線であり、同図(a)は正面図、同図(b)は側面図である。Q16は環状形状の巻線、UはU相巻線の一端でNは他端である。
図7は図1および図6に示した環状形状の各相巻線の円周方向形状を直線状に展開した図である。
ここで、図1に示した巻線Q16とQ17は、同一のスロットに平行に巻回した巻線であり、1個の環状巻線に統合することが可能である。具体的には、図7の負のU相巻線Q16と正のV相巻線Q17の巻線を、図8の巻線Q71へ等価に置き換えることができる。但し、巻線Q71へ通電する電流はU相巻線Q16とV相巻線Q17へ通電する電流を加算した値の電流を通電する必要がある。
この時、図7と図8の該当するスロットに流れる電流値は同じであるので、電磁気的には全く等価である。図8のように巻線を統合した方が巻線が単純化できる点が有利である。また、U相巻線Q16へ通電する負のU相電流(−Iu)とV相巻線Q17へ通電する正のV相電流Ivとの位相差が電気角で60°なので、巻線Q71へ通電するそれらの和(−Iu+Iv)の電流実効値は統合する前の電流実効値の0.866倍であり、巻線のジュール熱換算では2乗となるので0.75倍となり、25%の発熱低減となる。
同様に、図7の巻線Q18、Q19も図8の巻線Q72へ置き換えることが可能であり、簡素化できる。図8の巻線の場合、図1のモータは、巻線が2個の3相交流モータとなる。
図10に、3相交流インバータとの接続する例を示す。巻線Q71の一端45Eへ(−Iu+Iv)を通電し、巻線Q72の一端45Fへ(−Iv+Iw)を通電し、巻線Q71と巻線Q72の接続点45Gへ(−Iw+Iu)を通電する。3相電流Iu、Iv、Iwの位相差が相互に120°で同一振幅の正弦波であるとき、前記(−Iu+Iv)と(−Iv+Iw)と(−Iw+Iu)は相互に位相差が120°で同一振幅の正弦波となる。ここで、451、452、453、454、455、456は3相インバータを構成するトランジスタである。457、458、459、45A、45B、45Cは前記各トランジスタに逆並列に接続したダイオードである。
以上示したように、図1および図8に示すようなモータは、巻線が環状形状の簡素な構成の巻線なので巻線の製作が容易で、巻線占積率の向上も期待できる。そして、従来のコイルエンドの有るモータに比較してロータ軸方向の長さを短縮でき小型化できる特徴がある。
次に、図1に示すモータの巻線Q71、Q72の接続関係とインバータによる駆動方法を説明するため、一般的な3相デルタ結線の電圧、電流の関係を図9に示す。601はU相の巻線に発生するU相の電圧ベクトルVuであり、U相電流Iuを通電する。602はV相の巻線に発生するV相の電圧ベクトルVvであり、V相電流Ivを通電する。603はW相の巻線に発生するW相の電圧ベクトルVwであり、W相電流Iwを通電する。インバータによりデルタ結線の各接続点へは、それぞれ、下記の電流を通電する。
Ix=Iu−Iw (1)
Iy=Iv−Iu (2)
Iz=Iw−Iv (3)
図10は3相インバータにより図1、図8に示すモータのU相巻線Q71、W相巻線Q72へ電圧、電流を印加する構成を示す図である。インバータは図30と同じ構成である。45GはX端子、45EはY端子、45FはZ端子である。X端子45GとY端子45Eとの間に前記巻線Q71を接続する。Z端子45FとX端子45Gとの間に前記巻線Q72を接続する。X端子45GへはX相電流Ix=Iu−Iwを通電し、Y端子45EへはY相電流Iy=Iv−Iuを通電し、Z端子45FへはZ相電流Iz=Iw−Ivの電流を通電する。図1、図8に示すモータではV相巻線を省略した構成としているので、図9と図10に対比して示すように、V相電流IvはU相巻線Q71とW相巻線Q72とへ直列に通電することになる。Vv=−Vu−Vwなので、図10のV相電流Ivは図9のV相電流Ivと原理的に同じ機能である。
このように、図1に示したモータは、2個の巻線Q71、Q72でいわゆるV結線を構成することができる。3相の不平衡な2個の巻線ではあるが、原理的には3相交流モータを構成することができる。
図11は、図1、図8、図10に示した各相の電圧Vu、Vv、Vwと各相の電流Iu、Iv、Iwと合成した各相の電流Ix、Iy、IzおよびトルクTa、Tbを示すベクトル図である。ここで、電圧ベクトルVuと電流ベクトルIuを同じ矢印で示している。同様に、VvとIv、VwとIwも同じ矢印で示している。また、巻線抵抗、巻線インダクタンスは無視している。 図11のトルクTaは、図10に示す巻線Q71が生成するトルクであり、電圧(−Vu)へ(2)式の電流Iy=Iv−Iuを通電し、それらの積として得ている。図11のトルクTbは、図10に示す巻線Q72が生成するトルクであり、電圧Vwへ(3)式の電流Iz=Iw−Ivを通電し、それらの積として得ている。トルクTaとTbはベクトル的に直交しており、それらの和は一定となる。従って、ロータが回転してもトルクの合計は一定値となる。
以上、2個の巻線を使用する不平衡な3相交流モータの電磁気的な関係について説明した。2個のループ状巻線で構成できるので、特に小型のモータでは巻線占積率を格段に向上することができ、効率を向上できる。コイルエンドが無く、ロータ軸方向の長さを大幅に短縮でき、小型化が可能である。自動車の補機に使用するような小型のモータでは、ステータの磁気回路は電磁鋼板の打ち抜きと折り曲げおよび絞りで容易に製作することができる。また、ステータ磁極の形状自在性を活用することにより、ロータ永久磁石に安価なフェライト磁石を使用することが技術的に容易である。従って、部品構成が簡単で部品点数も少ないことから低コスト化を実現できる。今後の量産用小型モータとして期待できる。しかし、このような構成のモータのセンサレス位置検出技術が確立していない。以降にこれらのモータに適したセンサレス位置検出の技術を示す。
図8、図10、図11に示すU相巻線Q71およびW相巻線Q72の等価回路を図12に示す。VurはU相巻線の誘起電圧成分、VwrはW相巻線の誘起電圧成分である。Rは巻線抵抗、Lsは自己インダクタンス、Lmは相互インダクタンスである。Y相の端子には、Iy=Iv−Iuの電流を通電する。Z相の端子には、Iz=Iw−Ivの電流を通電する。U相巻線電圧をVu、W相巻線電圧をVwとする。
特に、図1に示すモータが表面磁石形のロータである場合には、下記の電圧方程式となる。
Vu=Vur−Iy・R−Ls・(dIy/dt)
−Lm・(dIz/dt) (4)
Vw=Vwr+Iz・R+Ls・(dIz/dt)
+Lm・(dIy/dt) (5)
このモータは2個の巻線で駆動する不平衡な3相交流モータなので、特有な電圧方程式となる。なお、各電圧、各電流などの定義を変更して、等価な内容を異なる形式で表現することも可能である。
両相の誘起電圧成分Vur、Vwrを求めると次式となる。
Vur=Vu+Iy・R+Ls・(dIy/dt)
+Lm・(dIz/dt) (6)
Vwr=Vw−Iz・R−Ls・(dIz/dt)
−Lm・(dIy/dt) (7)
各制御変数の値Vu、Vw、Iy、Izを検出することにより、誘起電圧成分Vur、Vwrを求めることができる。そして、これらの誘起電圧成分よりロータの電気角での回転位置θreを求めることができる。
図13は、(6)式、(7)式などに示した3相交流モータのセンサレス位置検出の構成、方法の例を示す図である。NB1はY相電流Iyを検出するためのシャント抵抗である。NB2はZ相電流Izを検出するためのシャント抵抗である。これらのシャント抵抗NB1、NB2は、通常、巻線の近くではなく、インバータなどの制御回路の近傍に配置して使用する。351はX端子、352はY端子、354はZ端子である。353はY相電流検出用のシャント抵抗NB1の他端、355はZ相電流検出用のシャント抵抗NB2の他端である。
NB3はU相電圧Vuの検出手段で、その出力はU相電圧検出値Vusである。NB4はW相電圧Vwの検出手段で、その出力はW相電圧検出値Vwsである。NB5はY相電流Iyの検出手段で、その出力はY相電流検出値Iysである。NB6はZ相電流Izの検出手段で、その出力はZ相電流検出値Izsである。NB7は微分器で、Y相電流検出値Iysの微分値(dIy/dt)を得る。NB8は微分器で、Z相電流検出値Izsの微分値(dIz/dt)を得る。
NB9はU相の誘起電圧Vurを計算する演算器で、(6)式に示す計算、すなわち、モータパラメータであるR、Ls、Lmとの比例計算と加減算を行う。具体的には(6)式の通りであり、U相電圧検出値VusとY相電流検出値Iysに抵抗値Rを乗じた値(Iy・R)、Y相電流検出値Iysの微分値に自己インダクタンスLsを乗じた値Ls・(dIy/dt)、Z相電流検出値Izsの微分値に相互インダクタンスLmを乗じた値Lm・(dIz/dt)をそれぞれ加算している。演算器NB9の出力NBHは、U相の誘起電圧成分Vurである。
NBAはW相の誘起電圧Vurを計算する演算器で、(7)式に示す計算、すなわち、モータパラメータであるR、Ls、Lmとの比例計算と加減算を行う。具体的には(7)式の通りであり、W相電圧検出値VwsとZ相電流検出値の負の値(−Izs)に抵抗値Rを乗じた値(−Iz・R)、Z相電流検出値の負の値(−Izs)の微分値に自己インダクタンスLsを乗じた値Ls・(−dIz/dt)、Y相電流検出値の負の値(−Iys)の微分値に相互インダクタンスLmを乗じた値Lm・(−dIy/dt)をそれぞれ加算している。演算器NBAの出力NBJは、W相の誘起電圧成分Vwrである。
NBBはフィルタで、ノイズなどの高調波成分を除去する。各相巻線の誘起電圧を検出するための理論の観点では不要である。出力はU、V、W相の3相の誘起電圧成分Vur、Vvr、Vwrである。なお、NBBでは、平衡3相交流電圧の内の2相の交流電圧Vur、Vwrを入力としているので、V相の誘起電圧成分Vurも(−Vur−Vwr)として計算して出力することができる。これらの3相の誘起電圧成分の例を図14に示す。図14の横軸は電気角で示すロータ回転位置θreである。
NBCはコンパレータで、3相の誘起電圧成分Vur、Vvr、Vwrの正負を比較してNBD、NBE、NBFを出力し、それらは図14のPu、Pv、Pwに示すように、論理信号へ変換する。これらの論理信号Pu、Pv、Pwより、Puvwで示すようなロータ回転位置θreの60°ごとの領域A1、A2、A3、A4、A5、A6を認識することができる。さらには、3相の誘起電圧成分Vur、Vvr、Vwrより、より細かな領域判定を行うことができる。あるいは、より詳細なロータ回転位置θreの検出も、公知の三角関数の演算などにより、比較的容易に行うことができる。
図15は、図10の構成において、いわゆる120°通電方式でモータを制御する場合の各部の電圧、電流のシミュレーション結果の例である。横軸は電気角で示すロータ回転位置θreである。図10の直流電圧源2Eの負側を0ボルトとする時の45G、45E、45Fの電位が図15のVx、Vy、Vzである。その結果、U相巻線Q71に印加される電圧およびW相巻線Q72に印加される電圧が図15のVu、Vwである。そして、Iy=Iv−Iu、Iz=Iw−IvはY相電流、Z相電流である。
(6)式に示されるU相巻線の自己インダクタンスLsの電圧成分は(Ls・dIy/dt)、相互インダクタンスの電圧成分は(Lm・dIz/dt)である。(7)式に示されるW相巻線の自己インダクタンスLsの電圧成分は(Ls・dIz/dt)、相互インダクタンスの電圧成分は(Lm・dIy/dt)である。これらの電圧、電流から(6)式、(7)式に基づいて計算される3相の誘起電圧成分は、図15のVur、Vvr、Vwrである。なお、Vvrは(−Vur−Vwr)として得られる。以上、シミュレーション結果の例を示したように、複雑な形状の電圧信号、電流信号の中から3相の正弦波形状の誘起電圧成分Vur、Vvr、Vwrを検出することができる。
図16は回転速度制御を行うモータ制御システム全体の概要を示す図である。図16の例は、3相交流モータの電圧および電流を厳密に制御するシステムではなく、比較的小型のモータで、簡素な制御で低コストなモータシステムを構成する例である。
NC9は制御対象のモータを示している。U相巻線Q71、W相巻線Q72、Y相電流検出用のシャント抵抗NB1、および、Z相電流検出用のシャント抵抗NB2は、図13と同じである。図13のその他の検出および演算を行っている部分がセンサレス位置検出手段NCBである。NCEは電流情報で、NCCはロータ回転位置θreなどの位置情報である。NCDは速度検出手段で、その出力ωreはロータの回転速度信号である。
ωrcは速度指令であり、加減算器NC1でロータ回転速度ωreとの差分を求め、電流制御手段NC3へ出力する。電圧制御手段NC5は、電流制御手段NC3の出力である電流振幅指令NC4と前記位置情報NCCを入力とし、U相電圧指令NC6およびW相電圧指令NC7を出力する。
なお、前記位置情報NCCは図14の各信号などであり、これらの情報に基づいて図15のVx、Vy、Vzに示すように、モータの各端子へ電圧を印加すべきロータ回転位置情報を得て、印加すべきタイミング、印加すべき区間を制御している。
NC8はパワートランジスタを含む電力変換器で、モータの電圧と電流を制御する。NC8の一つである前記電流情報NCEにより、モータの巻線へ過大な電流が流れた場合の電流制限を行い、パワートランジスタおよびモータ巻線の過電流保護を行っている。特に自動車の補機用小型モータの制御においては、バッテリー電源電圧が12ボルト近傍の低電圧なので、200ボルト系のモータ制御に比較して低電圧大電流モータとなり、過電流保護に対する制御法が異なることがある。
次に、図13に示した各検出手段、各演算手段の具体的な実現方法の例について説明する。図17は演算増幅器の例であり、図13の演算をこれらの演算増幅器を使用して構成することができる。図17の(a)は加減算器であり、IN1は入力信号の一つでその電位をV1とし、IN2は入力信号の一つでその電位をV2とし、VSGはコモン電位VCとし、RR1は抵抗器でありその抵抗値をRV1とし、RR2は抵抗器でありその抵抗値をRV2とし、OUT1は出力電位VOとすると、それらの関係は次式となる。
(VO−VC)={(V1−VC)−(V2−VC)}×RV2/RV1 (8)
=(V1−V2)×RV2/RV1 (9)
さらに、コモン電位VCが零ボルトであれば、次式となる。
VO=(V1−V2)×RV2/RV1 (10)
この(10)式は加減算(V1−V2)と増幅(RV2/RV1)とを行う加減算増幅器である。従って、検出手段NB3、NB4、NB5、NB6等に使用することができる。また、図17の(a)は入力抵抗RR1を並列に付加することにより多入力とすることもできる。前記演算器NB9、NBAは4入力の加減算器なので、図17の(a)を応用して構成することができる。
前記フィルタNBBはローパスフィルタなので、例えば、図17の(a)の抵抗器RR2に並列にコンデンサを取り付けることにより構成することができる。前記コンパレータNBCは抵抗器RR2を大きな値の抵抗値とすることにより実現することができる。
図17の(b)は微分器であり、IN3は入力信号でその電位をV3とし、CC1はコンデンサでありその値をCV1とし、RR4は抵抗器でありその抵抗値をRV4とし、OUT2は出力電位VOとすると、それらの関係は次式となる。
(VO−VC)=−CV1×RV4×d(V3−VC)/dt (11)
さらに、コモン電位VCが零ボルトであれば、次式の微分器となる。
VO=−CV1×RV4×d(V3)/dt (12)
従って、前記微分器NB7、NB8へ応用することができる。以上示したように、図13の各回路は、演算増幅器を利用して構成することができる。
また、図13の各構成要素は、演算増幅器とデジタル論理回路で構成することもできる。あるいは、アナログ電圧信号をAD変換器でデジタル信号に変換して、デジタル論理回路で構成することができる。あるいは、アナログ電圧信号をAD変換器でデジタル信号に変換して、マイクロコンピュータを使用してそのソフトウェアで制御し構成することができる。このように、図13に示した各機能を具現化するハードウエアは種々のものを選択することができる。
図16の例に示したように、モータNC9にロータ回転位置検出用のエンコーダを取り付けることなく、速度制御ができることを示した。しかし、始動時にはロータが回転しておらず、前記の各相誘起電圧成分Vur、Vvr、Vwrであり、図13の方法ではロータ回転位置θreを検出することはできない。この方法の場合、ある回転速度以下では、各相電流を強制的に通電して同期電動機の同期特性を利用して始動する。回転速度が零の近傍で使用することの多いサーボモータ用途での使用は困難であるが、例えば、ファンなどの用途では特定の特殊な方法で始動し、大半の運転時間はセンサレス制御で効率良くモータを駆動することができる。
図18にファンなどの用途での運転シーケンスの例をフローチャートにして示す。
STARTでモータ運転を開始し、421で「起動位置への位置決め」が完了しているかを判定し、「起動位置への位置決め」が完了していない場合は422の「起動位置への位置決め」を実行する。起動位置への位置決めは、例えば、各相の電流に特定電流を通電して、ロータが同期位置へ位置決めする動作である。
422の「起動位置への位置決め」が実行された後は、423の起動へ進む。421で「起動位置への位置決め」が完了している場合は、423の起動へ進む。
423の起動では、「起動開始」の状態かどうかを判定する。「起動開始」の状態であれば、424の起動動作を行う。起動動作は、例えば、起動位置への位置決めを行う電流で静止した状態から徐々にインバータの周波数を上昇して、モータの同期トルクを利用して回転数を上昇するように加速する。423で「起動開始」の状態ではなく、既にある程度の回転速度で回転している場合は、次の425へ進む。
425では、所定回転数Nmin以上であって、前記の各相誘起電圧成分Vur、Vvr、Vwrによりロータの回転位置θreの検出が可能であるかどうかを判定する。ロータ回転位置検出ができていないか、あるいは、所定回転数Nmin以下の場合には、421へもどり、起動動作を継続する。所定回転数Nmin以上である場合には、426へ進む。
426では、センサレス位置検出を行い、図16に示すような速度制御を行う。すなわち、速度指令ωrcに従ってロータの回転速度ωreを制御する。図18ではファンなどの用途での運転シーケンスの例を示しており、回転終了の指令が来るまではこの速度制御を継続する。
427では「回転終了」の判定を行う。「回転終了」でない場合は、421へ戻り、速度制御を継続する。「回転終了」の指令がある場合には、428へ進み、モータ各相の電流を遮断し、終了する。
なお、急速減速が必要な場合は、負トルクが発生するように速度制御を行うこともできる。また、前記の所定回転数Nmin以下においても急速減速が必要な場合は、起動時の加速と同様に、強制的な電流を通電して同期トルクにより急速減速も可能である。前記の強制的な電流とは、図10のインバータ出力の3相電流をある振幅で同期回転数で通電し、その電流の周波数を減少させ、同期トルクを発生させ、モータの速度を制御する方法である。この強制的な速度制御は、センサレス位置検出のできない起動および停止の時に使用することができる。しかし、その時の力率は低いので、モータ効率は低くなる。この強制的な電流により同期トルクを発生させて回転数制御を行う方法は、ごく一般的に使用されている方法である。
なお、図13、図15などに示したように、図1、図10等に示すモータのセンサレス位置検出を行うことができる。そして、前記領域信号A1、A2、A3、A4、A5、A6等を利用してこのモータの電圧、電流制御を行うことができる。前記のセンサレス位置検出では、図10に示すパワートランジスタがパルス幅変調PWMによる電圧のオン、オフ制御を行っているときにも、3相の誘起電圧成分Vur、Vvr、Vwrを連続的に正確に検出することが可能である。従って後に示すように、3相交流モータのいわゆる120°通電方式のモータ制御、150°通電方式のモータ制御、180°通電方式のモータ制御、あるいは、3相正弦波電流駆動方式のモータ制御などの種々の方式へ適用することができる。
次に、請求項1の発明について説明する。
図13およびその説明で、U相の誘起電圧VurとW相の誘起電圧Vwrとを検出し、ロータの回転位置情報を検出する方法を示した。エンコーダ等の位置検出器を使用しない、いわゆるセンサレス位置検出である。センサレス位置検出にも種々のニーズがあり、位置検出分解能を高く必要とする用途、センサレス位置検出の応答速度が重要である用途、コストが優先される用途、信頼性が要求される用途などである。ここで、ファンなどの回転速度制御においては、回転速度の増減は必要であるが急激な加減速を行う必要性が低く、そのような用途も多い。その様な場合、U相の誘起電圧Vurだけの、単相の電圧検出でも十分に速度制御が可能である。
U相の誘起電圧Vurだけを検出する場合は、図13の検出回路において、W相用のNB4とNBAが不要であり、NBBとNBCのW相部分を簡略化することができる。そして、小型化、低コスト化も可能となる。
また、高効率モータでは巻線抵抗を小さく設計するので、巻線抵抗Rは小さな値となり、センサレス位置検出の計算では無視することも可能である。その様な場合には、演算器NB9のU相の誘起電圧の計算において、巻線抵抗の電圧降下(Iy・R)の計算を省略することができる。
次に、請求項2の発明について説明する。
小型のモータで、例えば、モータ効率が50%から80%くらいのモータでは、巻線抵抗Rの電圧降下(Iy・R)が大きくなる。その場合には、巻線抵抗の電圧降下(Iy・R)を求めてU相の誘起電圧の計算を行うことにより、より正確なU相の誘起電圧Vurを検出することができる。そして、より正確なロータ回転位置を検出することができる。
次に、請求項3〜5の発明について説明する。
センサレス位置検出の応答速度がある程度求められ、また、位置検出分解能もある程度求められる場合には、図13およびその説明で示した2相のセンサレス位置検出、あるいは、3相のセンサレス位置検出が適している。なお、U相の誘起電圧VurとW相の誘起電圧Vwrとを検出できれば、V相の誘起電圧は、Vvr=−Vur−Vwrとして求められるので3相の誘起電圧検出ができる。また、高効率モータでは巻線抵抗を小さく設計するので、巻線抵抗Rは小さな値となり、センサレス位置検出の計算では無視することも可能である。
小型のモータで、例えば、モータ効率が50%から80%くらいのモータでは、巻線抵抗Rの電圧降下(Iy・R)が大きくなる。その場合には、各相の巻線抵抗の電圧降下分を計算し、3相各相の誘起電圧の計算を行うことにより、より正確なセンサレス位置検出を行うことができる。従って、加減速運転もより高速に行うことができる。
なお、図14に示す各相誘起電圧成分Vur、Vvr、Vwrの値から、Puvwに示すように、電気角360°の範囲を電気角60°ごとの領域A1、A2、A3、A4、A5、A6に分けて領域検出を行うことができるが、さらに、高分解能な位置検出も可能である。良く知られているように、論理的、数学的には、Vur、Vvr、Vwrの値から、無限大の分解能の位置検出が可能である。実際には、電流や電圧の検出誤差、モータの不完全性、ノイズなどにより有限の分解能のセンサレス位置検出となる。
次に、請求項6の発明について説明する。
電流検出用のシャント抵抗として駆動回路用の集積素子LSIのボンディングワイヤあるいはリード端子の抵抗値を利用する方法を図19に示し、説明する。小型モータの駆動回路は高集積化が進んでおり、制御回路とパワートランジスタの全てが1個の半導体チップに集積することも増えている。その場合には、半導体素子からモータへ直接配線され、従来使用されているプリント基板も省略されることがある。このような使い方の場合には、電流検出用にシャント抵抗の大きさとその発熱量が問題となる。
図19において、NE5はMOSFETなどのモータ電流を制御するパワートランジスタを含む集積回路を示している。NE3は半導体のチップ、NE4はボンディングワイヤ、NE2は集積回路NE5の外部と電気的に接続するためのリード端子である。NE1は樹脂などのパッケージである。
ここで、モータの電流はボンディングワイヤNE4とリード端子NE2を通って供給されるので、これらをモータの電流値を検出するシャント抵抗として使用することができる。具体的には、ボンディングワイヤNE4あるいはリード端子NE2を、例えば、図13のシャント抵抗NB1の代わりに使用することができる。
シャント抵抗器として求められる特性として、放熱特性、抵抗値精度、抵抗値の温度変化特性がある。放熱特性に関しては、通常の抵抗値が十分小さく設計されているので、熱的には問題ない。逆に、検出電圧が小さい問題があるが、その近傍に差動増幅器を設けることにより解決できる。抵抗値精度については、そのバラツキを許容するか、抵抗値を個別に計測する方法もある。抵抗値の温度変化特性については、抵抗値の変化を計測するか、あるいは、近傍の温度を計測して温度補償を行うことも可能である。なお、ボンディングワイヤNE4の機能は電気的な接続であり、他の電気的接続体に置き換えることもできる。
次に、請求項7の発明について説明する。
モータ巻線の電流による電圧降下について考える。図13に示したように、前記の検出した電流値Iy、Izは、モータ巻線の電流による電圧降下(Iy・R)、(Iz・R)の計算に使用する。モータ巻線には、通常、銅線を使用するが、銅の温度係数は約0.4%/℃なので100℃の温度変化で抵抗値が40%変化することになる。特に、100W以下の小型モータでは巻線抵抗の電圧降下成分が大きく、図13の構成においてセンサレス位置検出の精度を上げるためには、モータ巻線の抵抗値の精度を向上する必要がある。 図20にモータ巻線の抵抗値を計測する例を示す。NL1はモータの巻線、NL2は電流検出用のシャント抵抗、Iaはモータ電流である。
今、例として、モータは連続使用ではなく、時々は停止している用途について考えることにする。すなわち、モータ電流Iaが零となるタイミングがある様な用途である。その様なタイミングで、トランジスタNL3と低電流回路NL4を動作させ、電流Issを通電してモータ巻線の両端電圧Vssを計測することにより、巻線抵抗の値(Vss/Iss)を計測することができる。同時に、同様に、シャント抵抗器NL2の抵抗値を計測することもできる。なお、VMは正側の電源電圧、VLは負側の電源電圧である。
このように、モータ巻線の電流による電圧降下(Iy・R)、(Iz・R)の正確に計算することができる。
なお、通常、(6)、(7)式のインダクタンスに起因する電圧成分はモータの温度の影響は小さい。また、逆に巻線の抵抗値の変化から巻線温度を計測、推測することも可能であり、モータの異常検出、保護に使用することができる。
他の温度影響を低減する方法として、モータを連続使用する場合においても、モータの抵抗値を計測することも可能である。例えば、モータが回転中の数msecの間、モータ電流Iaを零とする。そして、その短時間の間に電流Issを可変し、その間の巻線電圧を計測する。この時、Issの複数の電流値により、比較的緩やかな時間変化を示す誘起電圧成分を除去することができる。モータ電流Iaをごく短時間遮断しても、多くの用途では問題ない。
また、モータの電流値の検出は、電力素子であるMOSFETのカレントミラー回路を利用して行うこともできる。その時の検出電流値のバラツキ、温度変化についても、センサー部のバラツキ計測、センサー部の温度特性による補正などにより高精度化が可能である。また、巻線の誘起電圧成分が回転数に比例することから、ロータの回転速度検出も可能である。その場合にも、永久磁石の温度特性を考慮し、補正して検出することができる。特にこの方法は、小型モータの量産において、制御回路部と電力変換部とを一つのチップに高集積化、小型化、低コスト化する場合において、外付けのシャント抵抗などを必要としないので効果的な電流検出方法である。
次に、請求項8の発明について説明する。
平衡した3相巻線を備える3相交流モータのセンサレス位置検出の構成例を図21に示す。3相巻線はY結線の例である。NBKは3相交流モータのU相巻線、NBLはV相巻線、NBMはW相巻線である。NBNはU相端子であってU相端子の電位をVuuとし、U相巻線NBKに印加する電圧はVuで、電流Iuが通電する。352はV相端子であってV相端子の電位をVvvとし、V相巻線NBLに印加する電圧はVvで、電流Ivが通電する。354はW相端子であってW相端子の電位をVwwとし、W相巻線NBMに印加する電圧はVwで、電流Iwが通電する。
Y結線の3相交流モータの具体的な例は、図1に示すような環状巻線を持つ構成のモータを3相巻線化した構成のモータへ適用することができる。また、小型モータで幅広く使用されている集中巻きの3相交流モータへ適用することもできる。
図22は集中巻きの3相交流モータの縦断面図、図23は図22に示すモータの横断面図であり、4極のモータ例である。
図22の511はロータ出力軸、519はロータ表面の永久磁石、512はロータのバックヨークである。514はステータコア、515はステータ巻線のコイルエンド部である。516はモータケースで、513は軸受けである。
3相交流モータの横断面図である図23は、縦断面図である図22の断面AA−AAの断面図である。TBU1とTBU2はU相のステータ磁極で、WBU1とWBU2はU相の集中巻きの巻線で直列に接続している。TBV1とTBV2はV相のステータ磁極で、WBV1とWBV2はV相の集中巻きの巻線で直列に接続している。TBW1とTBW2はW相のステータ磁極で、WBW1とWBW2はW相の集中巻きの巻線で直列に接続している。これらのステータの3相巻線は、図21のNBK、NBL、NBMに示すようにY結線としている。
次に、これらのY結線の3相交流モータの電圧方程式について説明する。特に、図21に示すモータが表面磁石形のロータである場合には、下記の電圧方程式となる。
Vu=Vur+Iu・R+Ls・(dIu/dt)
−Lm・(dIv/dt)−Lm・(dIw/dt) (13)
Vv=Vvr+Iv・R+Ls・(dIv/dt)
−Lm・(dIu/dt)−Lm・(dIw/dt) (14)
Vw=Vwr+Iw・R+Ls・(dIw/dt)
−Lm・(dIu/dt)−Lm・(dIv/dt) (15)
ここで、各相巻線の抵抗値はR、各相巻線の自己インダクタンスはLs、各相巻線の相互インダクタンスはLm、U相巻線の誘起電圧成分はVur、V相巻線の誘起電圧成分はVvr、W相巻線の誘起電圧成分はVwrとする。なお、(13)、(14)、(15)式の各相互インダクタンスLmの各値は、一般的にはそれぞれが異なる値であるが、特に表面磁石形のロータである場合にはほぼ同一の値として扱うことができる。
また、W相端子354に対するU相端子NBNの電圧をVuw、U相端子NBNに対するV相端子353の電圧をVvu、V相端子353に対するW相端子354の電圧をVwvとすると下記式の関係となる。
Vuw=Vu−Vw (16)
Vvu=Vv−Vu (17)
Vwv=Vw−Vv (18)
また、3相モータの各相は、正弦波電圧および正弦波電流に限らず、下記式の関係となる。
Iu+Iv+Iw=0 (19)
Vuw+Vvu+Vwv=0 (20)
(13)、(14)、(15)式を変形し、(19)式を代入して次式となる。
Vur=Vu−Iu・R−Ls・(dIu/dt)
+Lm・(dIv/dt)+Lm・(dIw/dt)
=Vu−Iu・R−(Ls+Lm)・(dIu/dt) (21)
Vvr=Vv−Iv・R−(Ls+Lm)・(dIv/dt) (22)
Vwr=Vw−Iw・R−(Ls+Lm)・(dIw/dt) (23)
図21のセンサレス位置検出では、(22)、(23)式に従い、V相巻線の誘起電圧成分Vvr、W相巻線の誘起電圧成分Vwrを求め、その後、U相巻線の誘起電圧成分Vurを下式により推定計算し、3相の誘起電圧成分よりロータ回転位置を検出している。 Vur+Vvr+Vwr=0 (24)
図21のNB3はV相の電圧検出手段で、図13と同様の構成、作用であり、V相巻線NBLの両端電位からV相電圧Vvを検出する。NB4はW相の電圧検出手段であり、W相巻線NBMの両端電位からW相電圧Vwを検出する。NB5はV相の電流検出手段であり、シャント抵抗NB1の両端電位からV相電流Ivを検出する。NB6はW相の電流検出手段であり、シャント抵抗NB2の両端電位からW相電流Iwを検出する。NB7は微分器で、V相電流検出値Ivsの微分値(dIv/dt)を得る。NB8は微分器で、W相電流検出値Iwsの微分値(dIw/dt)を得る。なお、図13と図21に示すNB3、NB4、NB5、NB6、NB7、NB8の各構成は同一の機能である。
図21のNBQはV相の誘起電圧Vvrを計算する演算器で、(22)式に示す計算、すなわち、モータパラメータであるR、Ls、Lmとの比例計算と加減算を行う。具体的には(22)式の通りであり、V相電圧検出値VvsとV相電流検出値の負の値(−Ivs)に抵抗値Rを乗じた値(−Iv・R)、V相電流検出値の負の値(−Ivs)の微分値に自己インダクタンスLsを乗じた値Ls・(−dIv/dt)、V相電流検出値の負の値(−Ivs)の微分値に相互インダクタンスLmを乗じた値Lm・(−dIv/dt)をそれぞれ加算している。演算器NBQの出力NBSは、V相の誘起電圧成分Vvrである。
図21のNBRはW相の誘起電圧Vwrを計算する演算器で、(23)式に示す計算、すなわち、モータパラメータであるR、Ls、Lmとの比例計算と加減算を行う。具体的には(23)式の通りであり、W相電圧検出値VwsとW相電流検出値の負の値(−Iws)に抵抗値Rを乗じた値(−Iw・R)、W相電流検出値の負の値(−Iws)の微分値に自己インダクタンスLsを乗じた値Ls・(−dIw/dt)、W相電流検出値の負の値(−Iws)の微分値に相互インダクタンスLmを乗じた値Lm・(−dIw/dt)をそれぞれ加算している。演算器NBAの出力NBTは、W相の誘起電圧成分Vwrである。
図21のフィルタNBBおよびコンパレータNBCの機能は図13のそれぞれと同様の機能である。それらの出力NBD、NBE、NBFは、図14のPu、Pv、Pwに示すような論理信号である。図13の場合と同様に、ロータの回転位置を検出したことになる。
図21およびその説明で、V相の誘起電圧VvrとW相の誘起電圧Vwrとを検出し、ロータの回転位置情報を検出する方法を示した。エンコーダ等の位置検出器を使用しない、いわゆるセンサレス位置検出である。センサレス位置検出にも種々のニーズがあり、位置検出分解能を高く必要とする用途、センサレス位置検出の応答速度が重要である用途、コストが優先される用途、信頼性が要求される用途などである。
ここで、ファンなどの回転速度制御においては、回転速度の増減は必要であるが急激な加減速を行う必要性が低く、そのような用途も多い。その様な場合、V相の誘起電圧Vvrだけの、単相の電圧検出でも十分に速度制御が可能である。
V相の誘起電圧Vvrだけを検出する場合は、図21の検出回路において、W相用のNB4とNB6とNB8とNBRが不要であり、NBBとNBCのW相部分を簡略化することができる。そして、小型化、低コスト化も可能となる。
また、高効率モータでは巻線抵抗を小さく設計するので、巻線抵抗Rは小さな値となり、センサレス位置検出の計算では無視することも可能である。その様な場合には、演算器NBQのU相の誘起電圧の計算において、巻線抵抗の電圧降下(Iv・R)の計算を省略することができる。
次に、平衡したY結線の3相巻線を備える3相交流モータのセンサレス位置検出の他の構成例を図26に示し、説明する。
図26の場合は、Y結線の中性点NBPの電位を検出せずにロータ回転位置を検出する方法である。通常、モータとモータの制御回路とは分離して配置する場合が多く、モータの端子間電圧は制御回路側で容易に検出することができる。しかし、中性点NBPの電位を検出するためには、その検出のためにモータから制御装置までの配線を1本追加する必要があり、コスト的、物理的な増加となり負担である。この対応として、図26では、中性点NBPの電位を使用せず、Y結線の端子間電圧を検出してロータ回転位置を検出する方法を示す。
Y結線の3相巻線を備える3相交流モータの端子間電圧Vuw、Vvu、Vwvおよび相電圧Vu、Vv、Vwおよび相電流Iu、Iv、Iwの関係を図24のベクトル図に示す。U相巻線WUの抵抗値、自己インダクタンスLs、相互インダクタンスLm、U相誘起電圧Vur、および、V相巻線WVの抵抗値、自己インダクタンスLs、相互インダクタンスLm、V相誘起電圧Vvr、および、W相巻線WWの抵抗値、自己インダクタンスLs、相互インダクタンスLm、W相誘起電圧Vwrなどの等価回路を図25に示す。
図25の各相の間の誘起電圧成分Vuwr、Vvur、Vwvrは次式となる。
Vuwr=Vur−Vwr (25)
Vvur=Vvr−Vur (26)
Vwvr=Vwr−Vvr (27)
ロータの回転位置を検出する方法としては、各相の間の誘起電圧成分Vuwr、Vvur、Vwvrを検出する方法と各相の誘起電圧成分Vur、Vvr、Vwrを検出する方法とがある。後に両方法について説明する。なお、両グループは30°の位相差があるが容易に補正できる。また、各変数、各パラメータの関係は、(13)式から(24)式に示した関係である。
3相の端子間電圧Vuw、Vvu、Vwvは、図24、図25の関係であり、(16)、(17)、(18)式へ(13)、(14)、(15)式を代入し、変形すると下式となる。
Vuw=Vur+Iu・R+Ls・(dIu/dt)
−Lm・(dIv/dt)−Lm・(dIw/dt)
−(Vwr+Iw・R+Ls・(dIw/dt)
−Lm・(dIu/dt)−Lm・(dIv/dt)
=Vur−Vwr+(Iu−Iw)・R
+(Ls+Lm)・(d(Iu−Iw)/dt) (28)
Vvu=Vvr−Vur+(Iv−Iu)・R
+(Ls+Lm)・(d(Iv−Iu)/dt) (29)
Vwv=Vwr−Vvr+(Iw−Iv)・R
+(Ls+Lm)・(d(Iw−Iv)/dt) (30)
3相の線間の誘起電圧成分Vuwr、Vvur、Vwvrは、(25)、(26)、(27)式と(28)、(29)、(30)式より次式となる。
Vuwr=Vuw−(Iu−Iw)・R
−(Ls+Lm)・(d(Iu−Iw)/dt) (31)
Vvur=Vvu−(Iv−Iu)・R
−(Ls+Lm)・(d(Iv−Iu)/dt) (32)
Vwvr=Vwv−(Iw−Iv)・R
−(Ls+Lm)・(d(Iw−Iv)/dt) (33)
また、各相巻線の誘起電圧成分Vur、Vvr、Vwrは、(25)、(26)、(27)式より次式となる。
Vur=(Vuwr−Vvur)/3 (34)
Vvr=(Vvur−Vwvr)/3 (35)
Vwr=(Vwvr−Vuwr)/3 (36)
なお、ここで、3相の誘起電圧はバランスしていると仮定して、下式とする。
Vur+Vvr+Vwr=0 (37)
Vuwr+Vvur+Vwvr=0 (38)
次に、請求項9の発明について説明する。
U相とW相との相関の誘起電圧成分Vuwrを検出して、ロータの回転位置θreを検出する方法である。(31)式に従い、図26の構成で誘起電圧成分Vuwrを求めることができる。
図26のNB3はW相巻線NBMの端子354に対するU相巻線NBKの端子NBNの443で示す端子間電圧Vuwを検出する電圧検出手段である。図26のNB5はV相の電流検出手段であり、シャント抵抗NB1の両端電位からV相電流Ivを検出する。NB6はW相の電流検出手段であり、シャント抵抗NB2の両端電位からW相電流Iwを検出する。
442は演算器であり、入力であるIv、Iwから444で示す出力(Iu−Iw)を演算する。446は出力(Iv−Iu)である。NB7は微分器で、前記電流値(Iu−Iw)の微分値(d(Iu−Iw)/dt)を出力する。
図26のNBQは演算器で、U相とW相との相関の誘起電圧成分Vuwrを求めるため、(31)式に従って演算する。すなわち、モータパラメータであるR、Ls、Lmとの比例計算と加減算を行う。その出力449はU相とW相との相関の誘起電圧成分Vuwrであり、高調波ノイズをフィルタNBBで除去し、コンパレータNBCで比較し論理信号NBDを得る。その論理信号NBDは図14のPuに対して、(U−W)の相なので、位相が電気角で30°進んでいる。
以上の説明で、単相のセンサレス位置検出ができたことになる。ファンなどの用途のように、加減速が急激である必要が少なく、負荷変動も比較的少ない用途では、このような単相のセンサレス位置検出を適用することができる。検出回路が少なくて済み、低コストである。しかし、モータの急激な加減速制御が必要な用途、負荷変動の大きな用途、あるいは、高精度な速度制御が求められる用途では、図14に示したような3相のセンサレス位置検出が必要である。
図26の残りの検出手段、演算手段等について説明する。NB4はU相巻線NBKの端子NBNに対するV相巻線NBLの端子NBNの352で示す端子間電圧Vvuを検出する電圧検出手段である。NB8は微分器で、前記電流値(Iv−Iu)の微分値(d(Iv−Iu)/dt)を出力する。NBRは演算器で、V相とU相との相関の誘起電圧成分Vvurを求めるため、(32)式に従って演算する。すなわち、モータパラメータであるR、Ls、Lmとの比例計算と加減算を行う。その出力44AはV相とU相との相関の誘起電圧成分Vuwrであり、高調波ノイズをフィルタNBBで除去し、コンパレータNBCで比較し論理信号NBEを得る。その論理信号NBEは図14のPvに対して、(V−U)の相なので、位相が電気角で30°進んでいる。
この時、(38)式の関係から、同時にW相とV相との相関の誘起電圧成分Vuwrについてもその論理信号NBFを求めることができ、図14のPwに対して、(W−V)の相なので、位相が電気角で30°進んでいる。
以上説明したように、図26の構成により図14に示すような3相のセンサレス位置検出を実現することができる。3相の位置検出は、原理的には位置検出分解能を無限大に高めることができるので、モータの急激な加減速制御が必要な用途、負荷変動の大きな用途、あるいは、高精度な速度制御が求められる用途への対応も可能となる。なお、図26では相間電圧を求める方法を示したが、(34)、(35)、(36)式の関係から相電圧を検出することも可能であり、(13)、(14)、(15)式を使用するなど、相電圧検出を基準としたセンサレス位置検出も可能である。そして、図26の各検出手段、各演算手段の構成を変形することも可能である。
次に、請求項10の発明について説明する。
ここで、図1、図8、図10、図13に示したモータとその制御装置において、3相各相の電圧を電気角でほぼ150°幅の通電角で制御するシミュレーションの例を図27に示す。定常回転、定常負荷トルクの場合の例である。図27の電位Vx、Vy、Vzは、直流電圧源2Eの出力電圧が0ボルト、12ボルトとしたときのインバータ出力の電位である。図27のVuはQ71のU相巻線に印加する電圧Vu=(Vx−Vy)である。図27のVwはQ72のW相巻線に印加する電圧Vw=(Vz−Vx)である。各相の通電区間内では、パルス幅変調PWMを行い、制御している。
図27のIy、IzはY相電流、Z相電流である。Ls・dIy/dt、Lm・dIz/dt、Ls・dIz/dt、Lm・dIy/dtはそれぞれの演算値である。Vur、Vvr、Vwrは3相の誘電圧成分で、図15のフィルタNBBの出力として得られる。印加された電位Vx、Vy、Vzはパワートランジスタのオン、オフで制御される電圧であるが、検出される3相の誘電圧成分Vur、Vvr、Vwrはほぼ正弦波状の電圧であり、正確に誘電圧成分が検出されることが解る。
次に、図28は図27に類似しているが、3相各相の電圧を電気角でほぼ180°幅の通電角で制御するシミュレーションの例である。図28の電流Iy、Izの波形が図27とは、それらの高調波成分が異なることが視覚的に認識できる。どちらのモータ制御方法においても、3相の誘電圧成分Vur、Vvr、Vwrはほぼ正弦波状の電圧であり、正確に検出されることが解る。
次に、請求項11の発明について説明する。
ここで、図29は図27および図28と同様のシミュレーションであるが、印加する電位Vx、Vy、Vzがパルス幅変調PWMで正弦波状の電圧を与え、正弦波状の電流Iy、Izを通電する例である。各図を比較すると、各電圧波形、各電流波形が異なる。しかし、検出される3相の誘電圧成分Vur、Vvr、Vwrはほぼ正弦波状の電圧であり、正確に検出されることが解る。
なお、生活の場に近いところで使用される各種のファンなどの用途では極めて静粛であることを求められることも多い。一般的に、3相モータの電圧、電流を正弦波化することにより静粛化できることが知られている。本発明のセンサレス位置検出の方法は、モータの正弦波制御、あるいは、正弦波に近い制御においても適用が可能である。
従来のセンサレス位置検出の方法には、120°通電方式などの特定のモータ制御方式の時にだけ適用が可能なセンサレス位置検出の方法があるが、この点では本発明のセンサレス位置検出の方法とは異なる。具体的には、図13に示した本発明のセンサレス位置検出方法は、図15に示したいわゆる120°通電方式でのモータ制御、図27に示したいわゆる150°通電方式でのモータ制御、図28に示したいわゆる180°通電方式でのモータ制御、および、図29に示したいわゆる正弦波電圧・電流通電方式でのモータ制御においても、3相の誘電圧成分Vur、Vvr、Vwrはほぼ正弦波状の電圧であり、正確に検出されることを確認した。各種のモータの電圧制御法、電流制御法においても本発明のセンサレス位置検出を適用することができる。
また、図21および図26に示す、Y結線の3相モータのセンサレス位置検出方法においても、同様に各種のモータの電圧制御法、電流制御法において、各相の誘起電圧成分が正確に得られ、センサレス位置検出およびモータ制御を実現することができる。
以上、本発明について説明した。モータについては各種のモータへ適用することができる。例えば、アウタロータモータ、アキシャルギャップ型のモータ、リニアモータ、複合化されたモータなどへの適用も可能である。多極化、多相化、2相モータ等への適用も可能である。特に、ロータ表面にフェライト磁石を配置した表面磁石形のブラシレスモータの場合、フェライト磁石の比透磁率が空気に近く、各相の相互インダクタンスLmの変動が小さいので、本発明のセンサレス位置検出の精度が向上する。小型モータの領域では、フェライト磁石の表面磁石形ロータ、希土類磁石の表面磁石形モータが広く使用されている。
本発明の実施例で示した各検出手段、演算手段には種々のものを活用できる。例えば、電流の検出手段としてシャント抵抗の例を示したが、ホール素子を活用した電流検出手段、磁気抵抗素子を活用した電流検出手段、パワートランジスタなどの電力変換素子の電圧降下を利用した電流検出手段なども使用することができる。パワートランジスタのカレントミラーの効果を活用した電流検出も可能である。また、巻線電圧の検出手段については、絶縁型の電圧検出手段にも適用できる。
また、特に、モータの各電圧は制御装置がパワートランジスタのオン、オフを決定しているので、制御装置の演算部に電圧情報を持っている。従って、モータ巻線の電圧計測は行わず、モータへの電圧指令情報を電圧検出器の代わりに、電圧検出手段として使用することができる。
また、各検出手段、各演算手段にはいくつかの実現手段がある。一つの方法として、演算増幅器を使用して、アナログ電圧で検出する方法がある。また、アナログ電圧をAD変換器でデジタル信号化し、デジタル演算で計算することもできる。例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイFPGAなども広く使用されている。また、マイクロコンピュータを活用することもできる。これらの混在したシステムとすることもできる。実現手法は、コスト、信頼性、生産数量、周辺回路の都合などにより選択することができる。
パワートランジスタには、MOSFET、IGBT、SJFET、SiCなど種々の素子を使用することができる。インバータの形態についても種々変形が可能である。特に小型のモータで生産数量の多い用途では、制御回路と電力変換部とが一つのチップ上に製作される、いわゆる1チップ化も進んでいる。種々の素子、形態を使用することができる。また、モータの制御については、速度制御だけでなく、位置制御、トルク制御等も可能である。
本発明のセンサレス位置検出方法を使用して制御するモータは、比較的構成が簡単で低コスト化および高温でも使用できる仕様特性とすることができる。近年の高集積化技術により各検出手段、演算手段は低コスト化が可能となってきている。小型モータを量産する場合、極端には、各検出手段、演算手段、電力素子を含めて一つの半導体チップに集積することができる。しかも、マイクロコンピュータを使用しない、簡素な構成とすることもできる。その結果、低コスト化、小型化、高信頼性化をも実現することができる。
従来のマイクロコンピュータを使用する、いわゆる回転子座標系のdq軸制御を基本としたセンサレス位置検出技術を用い、実際のモータ電流、電圧は固定座標系で制御する方法とは異なる手法である。回転子座標系のdq軸制御を使用する場合は、その演算等が必要であることからマイクロコンピュータを使用することが多く、コスト、温度使用環境などの点で制約が発生する。
センサレス位置検出の性能およびモータの制御性能についても十分な性能を確認している。その結果、自動車用、家電用、産業用などの各種用途に利用することができる。
Ix X相電流
Iy Y相電流
Iz Z相電流
Vu U相電圧
Vv V相電圧
Vw W相電圧
Q71 U相巻線
Q72 W相巻線
NB1 シャント抵抗
NB2 シャント抵抗
351 X端子
352 Y端子
354 Z端子
NB3 電圧検出手段
NB4 電圧検出手段
NB5 電流検出手段
NB6 電流検出手段
NB7 微分器
NB8 微分器
NB9 演算器
NBA 演算器
NBB フィルタ
NBC 比較器
NBH U相誘起電圧成分
NBJ W相誘起電圧成分
NBD U相論理信号
NBE V相論理信号
NBF W相論理信号

Claims (11)

  1. 3相の交流モータにおいて、モータの入力である端子あるいはリード線をX端子、Y端子、Z端子とし、
    前記X端子とY端子との間に配置したU相巻線WUと、
    前記Z端子とX端子との間に配置したW相巻線WWと、
    前記U相巻線WUのU相電圧Vuを検出する電圧検出手段DVutと、
    前記U相巻線WUに通電する電流Iyを検出する電流検出手段DIyと、
    前記W相巻線WWに通電する電流Izを検出する電流検出手段DIzと、
    前記U相巻線WUの誘起電圧成分Vurを計算する計算手段CVurと、
    前記計算手段CVurの出力Vurを基にロータの回転位置θreを検出する位置検出手段POSuとを備え、
    前記U相巻線WUの誘起電圧成分Vurを使用してロータの回転位置θreの情報を検出して制御することを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載したモータにおいて
    前記計算手段CVurは、U相巻線WUの抵抗値Ruも使用してU相巻線WUの誘起電圧成分Vurを計算し、制御することを特徴とするモータ。
  3. 3相の交流モータにおいて、モータの入力である端子あるいはリード線をX端子、Y端子、Z端子とし、
    前記X端子とY端子との間に配置したU相巻線WUと、
    前記Z端子とX端子との間に配置したW相巻線WWと、
    前記U相巻線WUのU相電圧Vuを検出する電圧検出手段DVuと、
    前記U相巻線WUに通電する電流Iyを検出する電流検出手段DIyと、
    前記W相巻線WWのW相電圧Vwを検出する電圧検出手段DVwと、
    前記W相巻線WWに通電する電流Izを検出する電流検出手段DIzと、
    前記U相巻線WUの誘起電圧成分Vurを計算する計算手段CVurと、
    前記W相巻線WWの誘起電圧成分Vwrを計算する計算手段CVwrと、
    前記計算手段CVurの出力Vurを基にロータの回転位置θreを検出する位置検出手段POSuと、
    前記計算手段CVwrの出力Vwrを基にロータの回転位置θreを検出する位置検出手段POSwとを備え、
    前記U相巻線WUの誘起電圧成分Vurと前記W相巻線WWの誘起電圧成分Vwrとを使用してロータの回転位置θreの情報を検出して制御することを特徴とするモータ。
  4. 請求項3に記載したモータにおいて
    前記計算手段CVurは、U相巻線WUの抵抗値Ruも使用してU相巻線WUの誘起電圧成分Vurを計算し、
    前記計算手段CVwrは、W相巻線WWの抵抗値Rwも使用してW相巻線WWの誘起電圧成分Vwrを計算し、制御することを特徴とするモータ。
  5. 請求項3に記載したモータにおいて
    U相巻線WUに関わる情報とZ相巻線WZに関わる情報からV相の誘起電圧成分Vvrを求め、この誘起電圧成分Vvrを使用してロータの回転位置θreの情報を検出して制御することを特徴とするモータ。
  6. 請求項1または3に記載したモータにおいて
    MOSFETなどの電力素子を含む半導体素子のボンディングワイヤあるいはリード端子の抵抗値を利用してモータへ通電する電流成分を検出し、制御することを特徴とするモータ。
  7. 請求項1または3に記載したモータにおいて
    モータ巻線WAAの温度を計測、あるいは、推測して求め、ある温度で抵抗値Raaのモータ巻線WAAへ電流Iaaを通電して発生する抵抗電圧降下成分VaaRを計算し、制御することを特徴とするモータ。
  8. U相巻線WUとV相巻線WVとW相巻線WWとをY結線し、
    V相巻線WVのV相電圧Vvを検出する電圧検出手段DVvと、
    V相巻線WVの電流Ivを検出する電流検出手段DIvと、
    V相巻線WVの誘起電圧成分Vvrを計算する計算手段CVvr2と、
    前記計算手段CVvr2の出力Vvrを基にロータの回転位置θreを検出する位置検出手段POSvとを備え、
    前記V相巻線WVの誘起電圧成分Vvrを使用してロータの回転位置θreの情報を検出し、U相、V相、W相の電圧と電流を制御することを特徴とするモータ。
  9. U相巻線WUとV相巻線WVとW相巻線WWとをY結線し、
    直列に接続したU相巻線WUとW相巻線WWとの両端の端子間電圧Vuwを検出する電圧検出手段DVuw2と、
    V相巻線WVの電流Ivを検出する電流検出手段DIvと、
    W相巻線WWの電流Iwを検出する電流検出手段DIwと、
    U相巻線WUの誘起電圧成分VurとW相巻線WWの誘起電圧成分Vwrとの差Vuwrを計算する計算手段CVuwr2と、
    前記計算手段CVuwr2の出力Vuwrを基にロータの回転位置θreを検出する位置検出手段POSuw2とを備え、
    前記U相巻線WUとW相巻線WWとの誘起電圧成分Vuwrを使用してロータの回転位置θreの情報を検出し、U相、V相、W相の電圧と電流を制御することを特徴とするモータ。
  10. 請求項1、3、8、9のいずれか一つに記載したモータにおいて
    各相の正の電流あるいは負の電流の通電幅が電気角で145°から180°の範囲であることを特徴とするモータ。
  11. 請求項1、3、8、9のいずれか一つに記載したモータにおいて
    各相の電流の波形形状が、概略、正弦波電流制御であることを特徴とするモータ。
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