JPWO2009090744A1 - 3安定形揺動電磁アクチュエータ - Google Patents

3安定形揺動電磁アクチュエータ Download PDF

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Abstract

3安定形揺動電磁アクチュエータ(101)は、円筒状を成し中心方向に向けて複数の第1の磁極(45b)が突設された固定子(45)と、固定子の内側で、円周方向に沿って延び、該円周に沿って往復回動可能に支持された可動子(1)と、第1の磁極に巻き回され、可動子の回動範囲の一端側である第1安定位置と、他端側である第2安定位置と、中間位置である中立位置の3位置に停止するように付勢する複数のコイル(47A〜47F)を備え、第1安定位置及び第2安定位置において、可動子の回転方向端部に当接して可動子を押し止める磁性体で成る第2の磁極(21a,21b)が設けられている。

Description

本発明は、可動子が3箇所で安定する3安定形揺動電磁アクチュエータに関するものである。
一般に、電磁アクチュエータは、短ストロークで強い電磁力を発生することを可能とし、真空遮断器の機構部分に等に用いられることが多い。しかしながら、真空遮断器以外の開閉器や断路器では、長ストロークで回転駆動をするものが多い。
そして、可動子の安定する位置の数に関して、開閉器や断路器の「入り」、「切り」の動作と連動して、可動子が2箇所で停止する双安定形電磁アクチュエータや、2つの固定接点と1つの可動接点から構成される開閉器や断路器の「入り」、「切り」、「入り」の動作と連動して、可動子が3箇所で停止する3安定形揺動電磁アクチュエータがある。
例えば、特許文献1の電磁アクチュエータは、双安定形であり、特に特許文献1のものは、双安定で短ストロークのため、低圧の開閉器の接点に適するものである。また、特許文献2の電磁アクチュエータは、3安定形のものであり、長ストロークであるが、磁束の経路は主に径方向であるため、磁束の回転駆動力への寄与は低く、効率が悪い。そのため、大きな駆動力を必要とする大型電力用開閉器の接点に適用するためには、大型化しなければならない。
特開2001−297912号公報 特開昭61−16504号公報
上記電磁アクチュエータにおいて、連結される開閉器の接点は、大型電力用の場合、開閉時の接触抵抗を低減させるために、フィンガーコンタクトやスライドコンタクトを用いている。そのため、接点の「入り」動作では駆動初期の負荷が小さく駆動後期に負荷が大きくなる。また、「切り」動作では、接点を引き離す駆動初期に負荷が大きく、接点が離れた駆動後期に負荷が小さくなる。このように、接点の位置により、大きく負荷が異なるという課題がある。
一方、電磁アクチュエータの動力源としてはDC電源やコンデンサが用いられている。DC電源を用いる場合は、問題ないが、コンデンサを用いる場合は、パルス放電となるために駆動初期には電流が大きく駆動後期は電流が小さくなる。電磁力に寄与する磁束と電流には比例関係が成り立つ。そのため、コンデンサを用いた場合は、開閉器の「入り」、「切り」動作ともに駆動後期に通電電流は小さくなり電磁力が小さくなるという問題がある。
開閉器の「切り」動作は、負荷の大きい駆動初期に電流が大きく、負荷の小さい駆動後期に電流が小さいという負荷カーブに適した電磁力カーブとなる。しかし、「入り」動作は、負荷の小さい駆動初期に電流が大きく、負荷の大きい駆動後期には電流が小さくなる。負荷の大きい駆動後期に大きな電流を得るためには、大容量のコンデンサを使用しなければならない。そのため、「入り」動作の駆動後期で小さな電流で大きなトルクが出るように、高効率化が必要となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、磁束を効率よくトルクに変換することにより、コンパクト化や省電力化を可能とするとともに、安定位置にて可動子を確実に停止させることができる3安定形揺動電磁アクチュエータを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の3安定形揺動電磁アクチュエータは、円筒状を成し中心方向に向けて複数の第1の磁極が突設された固定子と、前記固定子の内側で、円周方向に沿って延び、該円周に沿って往復回動可能に支持された可動子と、前記第1の磁極に巻き回され、前記可動子の回動範囲の一端側である第1安定位置と、他端側である第2安定位置と、中間位置である中立位置の3位置に停止するように付勢する複数のコイルを備え、前記第1安定位置及び前記第2安定位置において、前記可動子の回転方向端部に当接して当該可動子を押し止める磁性体で成る第2の磁極が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、磁性体で成り磁極として動作するとともに、可動子の回転方向端部に当接して可動子を押し止める第2の磁極を有しているので、磁束を効率よくトルクに変換してコンパクト化や省電力化を可能とするとともに、安定位置にて可動子を確実に停止させることができるという効果を奏する。
図1は本発明の実施の形態1の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図2は可動子が第1安定位置にある様子を示す断面図である。 図3は可動子が第2安定位置にある様子を示す断面図である。 図4は3安定形揺動電磁アクチュエータに連結される開閉器の接点の負荷曲線を示す図である。 図5は中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図6は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図7は第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図8は第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図9は本発明の実施の形態2の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図10は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図11は第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図12は第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図13は本発明の実施の形態3の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図14は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図15は第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図16は第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図17は本発明の実施の形態4の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図18は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図19は第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図20は第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図21は本発明の実施の形態5の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。 図22は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図23は本発明の実施の形態6の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。 図24は図23のA−A線に沿う矢視断面図である。 図25は本発明の実施の形態7の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図26は同じく中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図27は本発明の実施の形態8の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置において第2の永久磁石の発生する磁束の様子を示す断面図である。 図28は第1安定位置に安定する可動子の様子を示す断面図である。 図29は本発明の実施の形態9の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。 図30は図29のB−B線に沿う矢視断面図である。 図31は本発明の実施の形態10の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。 図32は図31のC−C線に沿う矢視断面図である。 図33は本発明の実施の形態11の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置に安定した様子を示す断面図である。 図34は本発明の実施の形態11の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が第1安定位置に安定した様子を示す断面図である。 図35は本発明の実施の形態12の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置に安定した様子を示す断面図である。 図36は本発明の実施の形態12の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が第1安定位置に安定した様子を示す断面図である。 図37は本発明の実施の形態13の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置に安定した様子を示す断面図である。 図38は本発明の実施の形態13の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が第1安定位置に安定した様子を示す断面図である。 図39は本発明の実施の形態14の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置が鉛直下方となるように設置される様子を示す断面図である。 図40は本発明の実施の形態15の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置にてソレノイド装置に保持される様子を示す断面図である。 図41は本発明の実施の形態16の3安定形揺動電磁アクチュエータのコイルの接続方法を示す要部の回路図である。 図42は可動子に位置による誘導起電圧項について説明するための可動子が中立位置にある様子を示す断面図である。 図43は同じく可動子に位置による誘導起電圧項について説明するための可動子が中立位置と第1安定位置との間にある様子を示す断面図である。
符号の説明
1,2,3,11,12,13 可動子
1a,3a,4a,11a,12a,13a 本体部
1b,3b,4b,11b,12b,13b 係合凸部
21a,21b,22,23,24,33 ストッパ(第2の磁極)
26,30 磁性体
26a,30a 大径部
26b,30b 小径部
26c,30c 放射状部
25,27,43 中心部材
30d 放射状部の面積を大きくされた部分
35 ソレノイド装置
35a プランジャ
35b 駆動コイル
41 回転軸
45 固定子
45a 本体部
45b 磁極(第1の磁極)
47A,47B,47C,47D,47E,47F コイル
47G,47H コイル(第2のコイル)
49 第1の永久磁石
51,53 第2の永久磁石
55 第3の永久磁石
101〜116 3安定形揺動電磁アクチュエータ
以下に、本発明にかかる3安定形揺動電磁アクチュエータの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、可動子が中立位置にある様子を示している。図2は可動子が第1安定位置にある様子を示す断面図である。図3は可動子が第2安定位置にある様子を示す断面図である。図1において、3安定形揺動電磁アクチュエータ101は、回転軸41の周囲に設けられた中心部材43と、中心部材43から所定の間隔を空けて同心円状に設けられ、中心方向に向けて複数のティース部(第1の磁極)45bが突設された固定子45と、中心部材43と固定子45との間に形成された円筒状の空間内に配置され、円周方向に沿って延び、円周方向に往復回動可能に支持された可動子1と、第1の磁極45bにそれぞれ巻き回され、可動子1を第1安定位置、第2安定位置、及び中立位置の3位置に停止するように付勢する複数のコイル47A,47B,47C,47D,47E,47Fと、第1安定位置及び第2安定位置において、可動子1の回転方向端部に当接して可動子1を押し止める、磁性体で成る第2の磁極を構成するストッパ21a,21bとを有している。
中心部材43は、磁性体で作製され、概略短尺円筒状を成し、外周面の所定の位置に、第2の磁極の一方を構成する突部21aが形成されている。固定子45は、磁性体で作製され、中心部材43を囲むように配置され、概略短尺円筒状を成すヨーク部45aと、ヨーク部45aの内周側に中心方向に向けて複数突設されたティース部(第1の磁極)とからなり、中心部材43に設けられた突部21aと対向する位置に第2の磁極の他方を構成する突部21bが形成されている。
固定子45に円周に沿って等間隔に形成された複数の第1の磁極45bには、左回転用のコイル47A,47B、右回転用のコイル47C,47D、中立位置安定用のコイル47E,47Fが巻装されている。
可動子1は、概略断面円弧状を成し、円周方向に沿って延び、図示しない支持部材により回転中心から回転可能に支持されて第1安定位置と第2安定位置との間を往復回動する。可動子1は、断面円弧状を成す本体部1aと、本体部1aの回転方向両端部に形成された係合凸部1b、1bとから成る。係合凸部1b、1bは、本体部1aの端部の半径方向中心から、所定量だけコイル側(外径側)に偏心した位置に形成されている。係合凸部1b、1bは、ストッパ(第2の磁極)21a,21b間に形成される間隙に嵌る形状とされている。すなわち、ストッパ21a,21b間に形成される間隙は、係合凸部1b、1bと係合する係合凹部を構成している。可動子1は、第1安定位置及び第2安定位置に移動した際、係合凸部1b、1bを、ストッパ21a,21b間に形成される間隙に挿入するようにして端部をストッパ21a,21bに押し当て移動を規制される。
動作を説明する。図1に示す中立位置から図2に示す第1安定位置まで駆動する場合は、コイル47A,47Bに電流を供給すると、可動子1と固定子45の間に磁束が形成される。そして、可動子1は、回転軸41を回動中心として、反時計回りに駆動する。可動子1が図2に示す第1安定位置に達すると、コイル47A,47Bへの通電を遮断する。
図2に示す第1安定位置から図1に示す中立位置まで駆動する場合は、コイル47E,47Fに電流を供給すると、可動子1と固定子45の間に磁束が形成されて、可動子1は、回転軸41を回動中心として、時計回りに駆動する。可動子1が図1に示す中立位置に達すると、コイル47E,47Fへの通電を遮断する。
左右対称構造につき、他の動作は省略するが、上記のように電流を供給するコイルを切り換えることにより、可動子1は、図1に示す中立位置、図2に示す第1安定位置、及び図3に示す第2安定位置の間を往復運動することができる。
図1に示す中立位置から図2に示す第1安定位置まで駆動する場合は、駆動初期はコイル47Bで吸引し、駆動後期はコイル47Aで吸引する。他の動作の場合も同様であるが、このように電流供給するコイルを順次切り換えながら吸引することにより、移動距離が長い場合においても、強い電磁力を生成することが出来る。
次に、3安定形揺動電磁アクチュエータ101に連結される図示しない開閉器の接点の負荷曲線を図4に示す。図1に示す中立位置から図2に示す第1安定位置まで駆動させる場合は、駆動初期に負荷が小さく、駆動後期に負荷が大きくなる。図2に示す第1安定位置から図1に示す中立位置まで駆動させる場合は、駆動初期に負荷が大きく、駆動後期に負荷が小さくなる。図3に示す第2安定位置まで駆動させる場合も同様である。
本実施の形態の電磁アクチュエータ101においては、コイル47A,47B,47C,47D,47E,47Fは、固定子45の円周上に配置されている。そのため、コイルから生成される磁束は、可動子1を通過し径方向(図1の矢印F2)と接線方向(図1の矢印F1)に流れる。そして、可動子1の回転駆動力を得る際に、接線方向の力が必要となるため、可動子1を接線方向に通過する磁束は回転駆動力として寄与するが、可動子1を径方向に通過する磁束は回転駆動力に寄与しない。そこで、本実施の形態の電磁アクチュエータ101においては、第1安定位置と第2安定位置において、可動子1の回転方向端部に当接して可動子1を押し止める第2の磁極を構成するストッパ21a,21bを設けている。また、可動子1の回転方向両端部に係合凸部1b、1bを設けている。
図5は中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。コイル47Bの片側に発生する磁束は、可動子1の係合凸部1bの効果により、接線方向に多く作用する。図6は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。第1安定位置に設けられたコイル47Aの片側に発生する磁束は、ストッパ(第2の磁極)21a,21b及び係合凸部1bの効果により、接線方向に多く作用する。図7は第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。コイル47Eの片側に発生する磁束は、係合凸部1bの効果により、接線方向に多く作用する。図8は第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。コイル47Eおよびコイル47Fに発生する磁束は、従来と同じように、接線方向に多く作用する。
上述のように、可動子1を接線方向に通過する磁束は回転駆動力となり、径方向に通過する磁束は回転駆動力とならない。そこで、本実施の形態の電磁アクチュエータ101においては、第1安定位置と第2安定位置において、可動子1の回転方向端部に当接して可動子1を押し止める第2の磁極を構成するストッパ21a,21bを設けている。また、可動子1の回転方向両端部に係合凸部1b、1bを設けている。これにより、図5乃至図8に示すように、駆動後期の磁束は、径方向には少なく流れ、接線方向に多く流れるようになり、磁束の多くの割合を回転駆動力に寄与することができ、高いトルクを得ることができる。このように、磁束を効率よくトルクに変換することにより、電磁アクチュエータ101のコンパクト化や省電力化が可能となる。
実施の形態2.
図9は本発明の実施の形態2の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図9において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ102においては、可動子2は、端部に係合凸部を有してない。これに対応して、第2の磁極として動作する磁性体でなるストッパ22は、中心部材43から固定子45に至るまで途切れることなく連続して形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
図10は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図11は第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図12は第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図9において、中立位置から第1安定位置への駆動初期では、可動子2とコイル47Bの磁極間の空隙が大きいため、コイル47Bに発生する電磁力は小さい。
図10において、中立位置から第1安定位置への駆動後期では、可動子2の回転方向の端面とストッパ(第2の磁極)22が当接しているため、発生する電磁力が大きい。図11及び図12において、第1安定位置から中立位置への駆動においては、初期後期ともに実施の形態1と磁極の配置が同じである為、同等の電磁力となる。
実施の形態3.
図13は本発明の実施の形態3の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図13において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ103においては、可動子3は、断面円弧状を成す本体部3aと、本体部3aの回転方向両端部に形成された係合凸部3b、3bとから成る。係合凸部3b、3bは、本体部3aの端部の最も内径側の位置に突設されている。これに対応して、第2の磁極として動作する磁性体でなるストッパ23は、固定子45から中心部材43方向に立設する突部により形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
図14は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図15は第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図16は第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図13において、中立位置から第1安定位置への駆動初期では、磁極として動作する係合凸部3bを突出させたことにより、実施の形態2に比べ可動子3を通過する磁束が多く、発生する電磁力が増大する。図14において、中立位置から第1安定位置への駆動後期では、可動子3の係合凸部3bの端面は、磁極を構成するストッパ23と当接しないため、実施の形態2に比べ、発生する電磁力が減少する。図15及び図16において、第1安定位置から中立位置への駆動においては、本体部3aの端部の最も内径側の位置に形成された係合凸部3b、3bは、ほとんど影響しないため、実施の形態2のものに比べ、発生する電磁力に大きな差異は無い。
実施の形態4.
図17は本発明の実施の形態4の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図17において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ104においては、可動子4は、断面円弧状を成す本体部4aと、本体部4aの回転方向両端部に形成された係合凸部4b、4bとから成る。係合凸部4b、4bは、本体部4aの端部の最も外径側の位置に突設されている。これに対応して、第2の磁極として動作する磁性体でなるストッパ24は、中心部材43方向に立設する突部により形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
図18は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図19は第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図20は第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図17において、中立位置から第1安定位置への駆動初期では、可動子1の磁極とコイル47Bの磁極の間の空隙が短いために電磁力が増大する。図18において、中立位置から第1安定位置への駆動後期では、係合凸部4bを突出させた可動子4の端面は、磁極として動作するストッパ24と当接しないため、実施の形態2に比べ、電磁力が減少する。図19において、第1安定位置から中立位置への駆動初期においては、駆動初期は、コイル47Eの磁極と可動子4の磁極とが面と面で対向しているために、磁束の経路は径方向が主成分となるため、実施の形態2よりも総磁束量は多いが回転駆動力への寄与率が悪い。図20において、第1安定位置から中立位置への駆動初期においては、実施の形態1のものに比べ、発生する電磁力に大きな差異は無い。
Figure 2009090744
上記表は、実施の形態1から4のアクチュエータ101から104において、中立位置から第1安定位置へ向かう動作と第1安定位置から中立位置へ戻る動作に関して、各々駆動初期と駆動後期について、電磁力(トルク)の大きさを表にしたものである。表において、二重丸は非常に強い、○は強い、△は弱い、×は非常に弱い大きさを示している。アクチュエータ102とアクチュエータ103は、中立位置から第1安定位置へ向かう動作において、駆動初期は電磁力(トルク)の大きさが小さく、駆動後期は電磁力(トルク)の大きさが大きく、図4に示した開閉器の接点の負荷曲線に相応することが解る。しかしながら、クチュエータ102とアクチュエータ103の第1安定位置へ向かう駆動初期の電磁力(トルク)の大きさは非常に小さい。停止している可動子が動き出すためには、可動子重量による慣性力と静止摩擦と接点の負荷に打ち勝つ電磁力(トルク)が必要となる。これに対して、クチュエータ102とアクチュエータ103の第1安定位置へ向かう駆動初期の電磁力(トルク)は小さく不適合である。
一方、アクチュエータ104は、中立位置から第1安定位置へ向かう動作の駆動初期の電磁力は非常に強い。しかしながら、第1安定位置から中立位置へ戻る動作の駆動初期のトルクは小さい。つまり、クチュエータ102とアクチュエータ103は、第1安定位置から中立位置へ戻る動作の電磁力特性に優れ、アクチュエータ104は、中立位置から第1安定位置へ向かう動作の電磁力特性に優れている。このようなことから、アクチュエータ101は、両者を組み合わせた形状とされている。
実施の形態5.
図21は本発明の実施の形態5の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。図22は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ105においては、実施の形態1のコイル47A,47Cに替えて、コイル47G,47Hを巻装している。コイル47G,47Hは、それぞれ可動子1が第1安定位置及び第2安定位置にあるとき、可動子1を囲繞するような向きに巻装されている。ここで、コイル47B,47D,47E,47Fのような向きに巻装されたコイルを接線方向に巻かれたコイル(第1のコイル)、コイル47G,47Hのように巻装されたコイルを径方向に巻かれたコイル(第2のコイル)と呼ぶことにする。これに対応して、中心部材25は、コイル47G,47Hをよけるために内径方向に凹部が形成されている。
上記のように、本実施の形態のアクチュエータ105においては、第1安定位置及び第2安定位置に、それぞれ第1安定位置及び第2安定位置にある可動子1を囲繞するように配置された第2のコイル47G,47Hが設けられている。コイル47Gにより生成される磁束は、図22に示すように、全て可動子1を接線方向に通過する。第2安定位置に設けられたコイル47Hも同様である。これにより、本実施の形態のアクチュエータ105においては、実施の形態1のものより効果的に大きな回転駆動力を得ることが出来る。
実施の形態6.
図23は本発明の実施の形態6の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。図24は図23のA−A線に沿う矢視断面図である。図24において、図の左側に磁束の発生する様子を示す。右側に固定子45の積層構造を示す。固定子45を積層構造にすることにより、渦電流を遮断することが出来る。
図23において、コイル47A,47D,47E,47Fに起因する電磁力は、可動子1の回転方向に、コイルの手前から増加してゆき、コイルを過ぎると電磁力が弱まる。そこで、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ106においては、固定子45の回転軸方向(回転軸41の延びる方向)両面に磁性体26が重ねて配設されている。磁性体26は、固定子45のヨーク部に重なる大径部26aと、回転軸41を囲む小径部26bと、小径部26bから大径部26aへ架け渡されて形成された放射状部26cとから構成されている。そして、この放射状部26cがコイルとコイルの間の磁極に積層方向(回転軸方向と同じ)に重ねて配置されている。すなわち、コイル間の磁極の回転軸方向両端部に磁性体26の放射状部26cが配置されている。これにより、従来、可動子1の回転方向の端部の径方向の一辺にしか磁束が通過しなかったのに対して、積層方向にも磁束が通過するため、電磁力が低下する領域において、電磁力を増加させることができる。
実施の形態7.
図25は本発明の実施の形態7の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図25において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ107においては、中心部材27は、回転軸41の周囲に配設された円筒状部27aと、円筒状部27aの外周面から放射状に突出する複数の突出部27bとから構成されている。そして、それぞれの突出部27bの頂部に各々可動子1と対向するように永久磁石49が配設されている。つまり、可動子1の内径側に可動子1の移動方向に沿って可動子1と対向するように複数の永久磁石49が配設されている。永久磁石49は、可動子1の駆動力の補助をする。その他の構成は実施の形態5と同様である。
上記実施の形態6でも述べたように、従来、可動子1の径方向の一辺を通過する磁束しか駆動に寄与していない。そこで、本実施の形態においては、可動子1の内側に永久磁石49を配置することで、可動子1の内側の一辺にも磁束が通過する事で電磁力を増大させることができる。永久磁石49の配置は、N極とS極が交互になるように配置する。
図26は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。永久磁石49から生成された磁束は、可動子1を通り第2の磁極を構成するストッパ21aを通過する。これにより、可動子1とストッパ21aとの間に電磁力が作用し、コイル電流遮断時において保持力を作用させることができる。
実施の形態8.
図27は本発明の実施の形態8の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、中立位置において第2の永久磁石の発生する磁束の様子を示す断面図である。図28は第1安定位置に安定する可動子の様子を示す断面図である。図27において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ108においては、中立位置における可動子1の円周方向両端部に、可動子1の中立位置の安定停止を補助する第2の永久磁石51,51が設けられている。第2の永久磁石51,51は、それぞれN極とS極となるように配置する。その他の構成は実施の形態5と同様である。
本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ108によれば、一方の永久磁石51から生成される磁束は可動子1を通過して他方の永久磁石51に供給される。このような磁気経路を作ることで、コイルへの通電を遮断していても、可動子1は永久磁石51,51の作用により中立位置に安定する。なお、コイル47E,47Fの通電方向は、永久磁石51,51と同じ方向となるようにする。
実施の形態9.
図29は本発明の実施の形態9の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。図30は図29のB−B線に沿う矢視断面図である。図29において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ109においては、中立位置における可動子1の円周方向両端部の磁性体26に、可動子1の中立位置での安定停止を補助する第2の永久磁石53,53が埋設されている。第2の永久磁石53,53は、それぞれN極とS極となるように配置する。その他の構成は実施の形態6と同様である。
本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ109によれば、一方の永久磁石53から生成される磁束は可動子1を通過して他方の永久磁石53に供給される。このような磁気経路を作ることで、コイルへの通電を遮断していても、可動子1は永久磁石53,53の作用により中立位置に安定する。なお、コイル47E,47Fの通電方向は、永久磁石53,53と同じ方向となるようにする。
実施の形態10.
図31は本発明の実施の形態10の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。図32は図31のC−C線に沿う矢視断面図である。図31において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ110においては、実施の形態6のものと同じように、固定子45の回転軸方向(回転軸41の延びる方向)両面に磁性体30が重ねて配設されており、この磁性体30のストッパと重なる位置の放射状部30cに第3の永久磁石55が設けられている。
磁性体30は、固定子45のヨーク部に重なる大径部30aと、回転軸41を囲む小径部30bと、小径部30bから大径部30aへ架け渡されて形成された放射状部30cとから構成されている。そして、複数の放射状部30cのうち、ストッパと重なる位置の放射状部30cに面積を大きくされた部分30dが設けられており、この面積を大きくされた部分30dに第3の永久磁石55が埋設されている。すなわち、本実施の形態においては、ストッパの回転軸方向両端部に第3の永久磁石55が設けられている。永久磁石55から生成された磁束は、可動子1の当接面を通過する。これにより、可動子1とストッパ21aとの間に電磁力が作用し、可動子1は第1安定位置に安定して保持される。第2安定位置においても同様である。
実施の形態11.
図33は本発明の実施の形態11の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置に安定した様子を示す断面図である。図34は本発明の実施の形態11の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が第1安定位置に安定した様子を示す断面図である。本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ111においては、可動子11は、円周方向の長さを大きくされ、中立位置から第1安定位置及び第2安定位置に至る回動角度が、90°となるようにされている。その他の構成は実施の形態5と同様である。
図33において、中立位置から第1安定位置への駆動初期の電磁力発生に寄与する磁極として動作する係合凸部11bの端面と、コイル47Bの励磁する磁極45bの円周方向端面とが、半径方向に延びる所定の同一面上に位置するようにして一致している。また、図34において、第1安定位置から中立位置への駆動初期の電磁力発生に寄与する磁極として動作する本体部11aと係合凸部11bとの段部が、コイル47Eの励磁する磁極45bの円周方向端面に対して、半径方向に延びる所定の同一面上に位置するようにされている。なお、この磁極形成の思想は、すべての実施の形態において同じである。
実施の形態12.
図35は本発明の実施の形態12の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置に安定した様子を示す断面図である。図36は本発明の実施の形態12の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が第1安定位置に安定した様子を示す断面図である。本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ112においては、可動子12は、円周方向の長さを小さくされ、中立位置から第1安定位置及び第2安定位置に至る回動角度が、120°となるようにされている。その他の構成は実施の形態5と同様である。
図35において、中立位置から第1安定位置への駆動初期の電磁力発生に寄与する磁極として動作する係合凸部12bの端面と、コイル47Bの励磁する磁極45bの円周方向端面とが、半径方向に延びる所定の同一面上に位置するようにして一致している。また、図36において、第1安定位置から中立位置への駆動初期の電磁力発生に寄与する磁極として動作する係合凸部12bの端面が、コイル47Eの励磁する磁極45bの円周方向端面に対して、半径方向に延びる所定の同一面上に位置するようにされている。
実施の形態13.
図37は本発明の実施の形態13の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置に安定した様子を示す断面図である。図38は本発明の実施の形態13の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が第1安定位置に安定した様子を示す断面図である。本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ113においては、第2の磁極として動作する磁性体でなるストッパ33の径方向厚さが大きくされることにより、可動子13の中立位置から第1安定位置及び第2安定位置に至る回動角度が、90°となるようにされている。その他の構成は実施の形態5と同様である。
図37において、中立位置から第1安定位置への駆動初期の電磁力発生に寄与する磁極として動作する係合凸部13bの端面と、コイル47Bの励磁する磁極45bの円周方向端面とが、半径方向に延びる所定の同一面上に位置するようにして一致している。また、図38において、第1安定位置から中立位置への駆動初期の電磁力発生に寄与する磁極として動作する本体部13aと係合凸部13bとの外周側の段部が、コイル47Eの励磁する磁極45bの円周方向端面に対して、半径方向に延びる所定の同一面上に位置するようにされている。なお、この磁極形成の思想は、すべての実施の形態において同じである。
実施の形態14.
図39は本発明の実施の形態14の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置が鉛直下方となるように設置される様子を示す断面図である。本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ114においては、設置場所に設置される際、中立位置が鉛直下方となるように設置される。中立安定位置は、物理的に停止する構造を有してないため、可動子1の位置が中心からずれて停止すると、可動子の自重により、回転して中立位置で安定しない。そこで、中立位置を下に配置することにより、中立位置からずれた位置で停止しても、可動子1の自重で中立位置に安定する。よって、例えば、駆動中に事故がおきてコイルに通電できなくなり、駆動途中で可動子1が停止してしまった場合においても、自重で中立位置に安定することができる。
実施の形態15.
図40は本発明の実施の形態15の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置にてソレノイド装置に保持される様子を示す断面図である。図40において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ115においては、半径方向に出没して先端が可動子1に設けられた凹部に係合するプランジャ35aを持つソレノイド装置35をさらに有している。中立位置に設けられたソレノイド装置35は、駆動コイル35bへの電流供給の入り切りをしてプランジャ35aを出没させる。可動子1には凹部が設けられており、この凹部にプランジャ35aの先端が嵌る。
本実施の形態においては、中立位置にてソレノイド装置35を用いて可動子1を物理的に保持する。実施の形態8及び実施の形態9のように永久磁石を配置すれば、コイルに通電していない時でも中立位置に安定させることができる。しかし、地震などで外部から振動が加えられた場合は、中立位置から外れる可能性がある。そこで、本実施の形態においては、可動子1が中立位置で安定した時に、ソレノイド装置35のプランジャ35aを可動子1に差し込むことで物理的に固定する。
実施の形態16.
図41は本発明の実施の形態16の3安定形揺動電磁アクチュエータのコイルの接続方法を示す要部の回路図である。隣り合うコイル47Bとコイル47Gについて説明する。コイル47Bとコイル47Gとを並列接続することにより、コイル一つあたりの抵抗を大きくできる。そのため、コイルの線径を細く出来るため、コイルの軽量化と低コスト化が可能となる。
次に、電源にコンデンサを用いた場合の、電気回路方程式を示す。
q(t)/C
=I(t)*R+L(x、I)*dI(t)/dt+dφ(x、I)*dx(t)/dt、
dq(t)/dt=I(t)
ここで、qは電荷[C]、Cは静電容量[F]、Iは電流[A]、Rは抵抗[Ω]、Lは自己インダクタンス[H]、xは可動子位置[m]、φは磁束[T]である。この式は、オームの方式に右辺の第2項の自己インダクタンス項と第3項の誘導起電圧項が加わったものである。この式より、左辺のコンデンサ容量と右辺の抵抗は一定であるため、自己インダクタンス項と誘導起電圧項が大きくなれば、電流は小さくなるということがいえる。直列接続にすれば、自己インダクタンスはコイル2個分となるが、並列接続にすることにより、コイル1個分の自己インダクタンスとなるために、自己インダクタンス項が小さくなり、電流が大きくなる。
さらに誘導起電圧項について説明する。図42は可動子に位置による誘導起電圧項について説明するための可動子が中立位置にある様子を示す断面図である。図43は同じく可動子が中立位置と第1安定位置との間にある様子を示す断面図である。誘導起電圧項は、磁束の量で決まるため、それぞれの位置の磁束量と電流値で評価をした。図42の駆動初期は、コイル47Bとコイル47Gの磁束量は少ないため、コイル47Bとコイル47Gには同等量の電流値が流れる。次に、図43の位置では、コイル47Bの磁束量が大きく、コイル47Gの磁束量は小さいため、コイル47Gの方が電流の流れる割合が大きくなる。コイル47Bは駆動初期の駆動力として用いるため、図43の位置では駆動力に寄与しておらず、コイル47Gが可動子1を駆動させている。そのため、図43の位置では、コイル47Bには電流が流れず、コイル47Gに電流が多く流れた方が、効率が良い。そのため、コイルを並列接続することにより、誘導起電圧項が寄与するために、駆動後期にはコイル47Bに電流が流れにくくなり、コイル47Gに多くの電流が流れるという、電流の制御が可能となる。
以上のように、本発明にかかる3安定形揺動電磁アクチュエータは、開閉器や断路器に連結される電磁アクチュエータに適用されて有用なものであり、特に2つの固定接点と1つの可動接点から構成される開閉器や断路器の「入り」、「切り」、「入り」の動作と連動して、可動子が3箇所で停止する電磁アクチュエータに適用されて最適なものである。
本発明は、可動子が3箇所で安定する3安定形揺動電磁アクチュエータに関するものである。
一般に、電磁アクチュエータは、短ストロークで強い電磁力を発生することを可能とし、真空遮断器の機構部分に等に用いられることが多い。しかしながら、真空遮断器以外の開閉器や断路器では、長ストロークで回転駆動をするものが多い。
そして、可動子の安定する位置の数に関して、開閉器や断路器の「入り」、「切り」の動作と連動して、可動子が2箇所で停止する双安定形電磁アクチュエータや、2つの固定接点と1つの可動接点から構成される開閉器や断路器の「入り」、「切り」、「入り」の動作と連動して、可動子が3箇所で停止する3安定形揺動電磁アクチュエータがある。
例えば、特許文献1の電磁アクチュエータは、双安定形であり、特に特許文献1のものは、双安定で短ストロークのため、低圧の開閉器の接点に適するものである。また、特許文献2の電磁アクチュエータは、3安定形のものであり、長ストロークであるが、磁束の経路は主に径方向であるため、磁束の回転駆動力への寄与は低く、効率が悪い。そのため、大きな駆動力を必要とする大型電力用開閉器の接点に適用するためには、大型化しなければならない。
特開2001−297912号公報 特開昭61−16504号公報
上記電磁アクチュエータにおいて、連結される開閉器の接点は、大型電力用の場合、開閉時の接触抵抗を低減させるために、フィンガーコンタクトやスライドコンタクトを用いている。そのため、接点の「入り」動作では駆動初期の負荷が小さく駆動後期に負荷が大きくなる。また、「切り」動作では、接点を引き離す駆動初期に負荷が大きく、接点が離れた駆動後期に負荷が小さくなる。このように、接点の位置により、大きく負荷が異なるという課題がある。
一方、電磁アクチュエータの動力源としてはDC電源やコンデンサが用いられている。DC電源を用いる場合は、問題ないが、コンデンサを用いる場合は、パルス放電となるために駆動初期には電流が大きく駆動後期は電流が小さくなる。電磁力に寄与する磁束と電流には比例関係が成り立つ。そのため、コンデンサを用いた場合は、開閉器の「入り」、「切り」動作ともに駆動後期に通電電流は小さくなり電磁力が小さくなるという問題がある。
開閉器の「切り」動作は、負荷の大きい駆動初期に電流が大きく、負荷の小さい駆動後期に電流が小さいという負荷カーブに適した電磁力カーブとなる。しかし、「入り」動作は、負荷の小さい駆動初期に電流が大きく、負荷の大きい駆動後期には電流が小さくなる。負荷の大きい駆動後期に大きな電流を得るためには、大容量のコンデンサを使用しなければならない。そのため、「入り」動作の駆動後期で小さな電流で大きなトルクが出るように、高効率化が必要となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、磁束を効率よくトルクに変換することにより、コンパクト化や省電力化を可能とするとともに、安定位置にて可動子を確実に停止させることができる3安定形揺動電磁アクチュエータを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の3安定形揺動電磁アクチュエータは、円筒状を成し中心方向に向けて複数の第1の磁極が突設された固定子と、前記固定子の内側で、円周方向に沿って延び、該円周に沿って往復回動可能に支持された可動子と、前記第1の磁極に巻き回され、前記可動子の回動範囲の一端側である第1安定位置と、他端側である第2安定位置と、中間位置である中立位置の3位置に停止するように付勢する複数のコイルを備え、前記第1安定位置及び前記第2安定位置において、前記可動子の回転方向端部に当接して当該可動子を押し止める磁性体で成る第2の磁極が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、磁性体で成り磁極として動作するとともに、可動子の回転方向端部に当接して可動子を押し止める第2の磁極を有しているので、磁束を効率よくトルクに変換してコンパクト化や省電力化を可能とするとともに、安定位置にて可動子を確実に停止させることができるという効果を奏する。
以下に、本発明にかかる3安定形揺動電磁アクチュエータの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、可動子が中立位置にある様子を示している。図2は可動子が第1安定位置にある様子を示す断面図である。図3は可動子が第2安定位置にある様子を示す断面図である。図1において、3安定形揺動電磁アクチュエータ101は、回転軸41の周囲に設けられた中心部材43と、中心部材43から所定の間隔を空けて同心円状に設けられ、中心方向に向けて複数のティース部(第1の磁極)45bが突設された固定子45と、中心部材43と固定子45との間に形成された円筒状の空間内に配置され、円周方向に沿って延び、円周方向に往復回動可能に支持された可動子1と、第1の磁極45bにそれぞれ巻き回され、可動子1を第1安定位置、第2安定位置、及び中立位置の3位置に停止するように付勢する複数のコイル47A,47B,47C,47D,47E,47Fと、第1安定位置及び第2安定位置において、可動子1の回転方向端部に当接して可動子1を押し止める、磁性体で成る第2の磁極を構成するストッパ21a,21bとを有している。
中心部材43は、磁性体で作製され、概略短尺円筒状を成し、外周面の所定の位置に、第2の磁極の一方を構成する突部21aが形成されている。固定子45は、磁性体で作製され、中心部材43を囲むように配置され、概略短尺円筒状を成すヨーク部45aと、ヨーク部45aの内周側に中心方向に向けて複数突設されたティース部(第1の磁極)とからなり、中心部材43に設けられた突部21aと対向する位置に第2の磁極の他方を構成する突部21bが形成されている。
固定子45に円周に沿って等間隔に形成された複数の第1の磁極45bには、左回転用のコイル47A,47B、右回転用のコイル47C,47D、中立位置安定用のコイル47E,47Fが巻装されている。
可動子1は、概略断面円弧状を成し、円周方向に沿って延び、図示しない支持部材により回転中心から回転可能に支持されて第1安定位置と第2安定位置との間を往復回動する。可動子1は、断面円弧状を成す本体部1aと、本体部1aの回転方向両端部に形成された係合凸部1b、1bとから成る。係合凸部1b、1bは、本体部1aの端部の半径方向中心から、所定量だけコイル側(外径側)に偏心した位置に形成されている。係合凸部1b、1bは、ストッパ(第2の磁極)21a,21b間に形成される間隙に嵌る形状とされている。すなわち、ストッパ21a,21b間に形成される間隙は、係合凸部1b、1bと係合する係合凹部を構成している。可動子1は、第1安定位置及び第2安定位置に移動した際、係合凸部1b、1bを、ストッパ21a,21b間に形成される間隙に挿入するようにして端部をストッパ21a,21bに押し当て移動を規制される。
動作を説明する。図1に示す中立位置から図2に示す第1安定位置まで駆動する場合は、コイル47A,47Bに電流を供給すると、可動子1と固定子45の間に磁束が形成される。そして、可動子1は、回転軸41を回動中心として、反時計回りに駆動する。可動子1が図2に示す第1安定位置に達すると、コイル47A,47Bへの通電を遮断する。
図2に示す第1安定位置から図1に示す中立位置まで駆動する場合は、コイル47E,47Fに電流を供給すると、可動子1と固定子45の間に磁束が形成されて、可動子1は、回転軸41を回動中心として、時計回りに駆動する。可動子1が図1に示す中立位置に達すると、コイル47E,47Fへの通電を遮断する。
左右対称構造につき、他の動作は省略するが、上記のように電流を供給するコイルを切り換えることにより、可動子1は、図1に示す中立位置、図2に示す第1安定位置、及び図3に示す第2安定位置の間を往復運動することができる。
図1に示す中立位置から図2に示す第1安定位置まで駆動する場合は、駆動初期はコイル47Bで吸引し、駆動後期はコイル47Aで吸引する。他の動作の場合も同様であるが、このように電流供給するコイルを順次切り換えながら吸引することにより、移動距離が長い場合においても、強い電磁力を生成することが出来る。
次に、3安定形揺動電磁アクチュエータ101に連結される図示しない開閉器の接点の負荷曲線を図4に示す。図1に示す中立位置から図2に示す第1安定位置まで駆動させる場合は、駆動初期に負荷が小さく、駆動後期に負荷が大きくなる。図2に示す第1安定位置から図1に示す中立位置まで駆動させる場合は、駆動初期に負荷が大きく、駆動後期に負荷が小さくなる。図3に示す第2安定位置まで駆動させる場合も同様である。
本実施の形態の電磁アクチュエータ101においては、コイル47A,47B,47C,47D,47E,47Fは、固定子45の円周上に配置されている。そのため、コイルから生成される磁束は、可動子1を通過し径方向(図1の矢印F2)と接線方向(図1の矢印F1)に流れる。そして、可動子1の回転駆動力を得る際に、接線方向の力が必要となるため、可動子1を接線方向に通過する磁束は回転駆動力として寄与するが、可動子1を径方向に通過する磁束は回転駆動力に寄与しない。そこで、本実施の形態の電磁アクチュエータ101においては、第1安定位置と第2安定位置において、可動子1の回転方向端部に当接して可動子1を押し止める第2の磁極を構成するストッパ21a,21bを設けている。また、可動子1の回転方向両端部に係合凸部1b、1bを設けている。
図5は中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。コイル47Bの片側に発生する磁束は、可動子1の係合凸部1bの効果により、接線方向に多く作用する。図6は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。第1安定位置に設けられたコイル47Aの片側に発生する磁束は、ストッパ(第2の磁極)21a,21b及び係合凸部1bの効果により、接線方向に多く作用する。図7は第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。コイル47Eの片側に発生する磁束は、係合凸部1bの効果により、接線方向に多く作用する。図8は第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。コイル47Eおよびコイル47Fに発生する磁束は、従来と同じように、接線方向に多く作用する。
上述のように、可動子1を接線方向に通過する磁束は回転駆動力となり、径方向に通過する磁束は回転駆動力とならない。そこで、本実施の形態の電磁アクチュエータ101においては、第1安定位置と第2安定位置において、可動子1の回転方向端部に当接して可動子1を押し止める第2の磁極を構成するストッパ21a,21bを設けている。また、可動子1の回転方向両端部に係合凸部1b、1bを設けている。これにより、図5乃至図8に示すように、駆動後期の磁束は、径方向には少なく流れ、接線方向に多く流れるようになり、磁束の多くの割合を回転駆動力に寄与することができ、高いトルクを得ることができる。このように、磁束を効率よくトルクに変換することにより、電磁アクチュエータ101のコンパクト化や省電力化が可能となる。
実施の形態2.
図9は本発明の実施の形態2の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図9において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ102においては、可動子2は、端部に係合凸部を有してない。これに対応して、第2の磁極として動作する磁性体でなるストッパ22は、中心部材43から固定子45に至るまで途切れることなく連続して形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
図10は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図11は第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図12は第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図9において、中立位置から第1安定位置への駆動初期では、可動子2とコイル47Bの磁極間の空隙が大きいため、コイル47Bに発生する電磁力は小さい。
図10において、中立位置から第1安定位置への駆動後期では、可動子2の回転方向の端面とストッパ(第2の磁極)22が当接しているため、発生する電磁力が大きい。図11及び図12において、第1安定位置から中立位置への駆動においては、初期後期ともに実施の形態1と磁極の配置が同じである為、同等の電磁力となる。
実施の形態3.
図13は本発明の実施の形態3の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図13において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ103においては、可動子3は、断面円弧状を成す本体部3aと、本体部3aの回転方向両端部に形成された係合凸部3b、3bとから成る。係合凸部3b、3bは、本体部3aの端部の最も内径側の位置に突設されている。これに対応して、第2の磁極として動作する磁性体でなるストッパ23は、固定子45から中心部材43方向に立設する突部により形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
図14は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図15は第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図16は第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図13において、中立位置から第1安定位置への駆動初期では、磁極として動作する係合凸部3bを突出させたことにより、実施の形態2に比べ可動子3を通過する磁束が多く、発生する電磁力が増大する。図14において、中立位置から第1安定位置への駆動後期では、可動子3の係合凸部3bの端面は、磁極を構成するストッパ23と当接しないため、実施の形態2に比べ、発生する電磁力が減少する。図15及び図16において、第1安定位置から中立位置への駆動においては、本体部3aの端部の最も内径側の位置に形成された係合凸部3b、3bは、ほとんど影響しないため、実施の形態2のものに比べ、発生する電磁力に大きな差異は無い。
実施の形態4.
図17は本発明の実施の形態4の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図17において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ104においては、可動子4は、断面円弧状を成す本体部4aと、本体部4aの回転方向両端部に形成された係合凸部4b、4bとから成る。係合凸部4b、4bは、本体部4aの端部の最も外径側の位置に突設されている。これに対応して、第2の磁極として動作する磁性体でなるストッパ24は、中心部材43方向に立設する突部により形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
図18は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図19は第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図20は第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図17において、中立位置から第1安定位置への駆動初期では、可動子1の磁極とコイル47Bの磁極の間の空隙が短いために電磁力が増大する。図18において、中立位置から第1安定位置への駆動後期では、係合凸部4bを突出させた可動子4の端面は、磁極として動作するストッパ24と当接しないため、実施の形態2に比べ、電磁力が減少する。図19において、第1安定位置から中立位置への駆動初期においては、駆動初期は、コイル47Eの磁極と可動子4の磁極とが面と面で対向しているために、磁束の経路は径方向が主成分となるため、実施の形態2よりも総磁束量は多いが回転駆動力への寄与率が悪い。図20において、第1安定位置から中立位置への駆動初期においては、実施の形態1のものに比べ、発生する電磁力に大きな差異は無い。
Figure 2009090744
上記表は、実施の形態1から4のアクチュエータ101から104において、中立位置から第1安定位置へ向かう動作と第1安定位置から中立位置へ戻る動作に関して、各々駆動初期と駆動後期について、電磁力(トルク)の大きさを表にしたものである。表において、二重丸は非常に強い、○は強い、△は弱い、×は非常に弱い大きさを示している。アクチュエータ102とアクチュエータ103は、中立位置から第1安定位置へ向かう動作において、駆動初期は電磁力(トルク)の大きさが小さく、駆動後期は電磁力(トルク)の大きさが大きく、図4に示した開閉器の接点の負荷曲線に相応することが解る。しかしながら、クチュエータ102とアクチュエータ103の第1安定位置へ向かう駆動初期の電磁力(トルク)の大きさは非常に小さい。停止している可動子が動き出すためには、可動子重量による慣性力と静止摩擦と接点の負荷に打ち勝つ電磁力(トルク)が必要となる。これに対して、クチュエータ102とアクチュエータ103の第1安定位置へ向かう駆動初期の電磁力(トルク)は小さく不適合である。
一方、アクチュエータ104は、中立位置から第1安定位置へ向かう動作の駆動初期の電磁力は非常に強い。しかしながら、第1安定位置から中立位置へ戻る動作の駆動初期のトルクは小さい。つまり、クチュエータ102とアクチュエータ103は、第1安定位置から中立位置へ戻る動作の電磁力特性に優れ、アクチュエータ104は、中立位置から第1安定位置へ向かう動作の電磁力特性に優れている。このようなことから、アクチュエータ101は、両者を組み合わせた形状とされている。
実施の形態5.
図21は本発明の実施の形態5の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。図22は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ105においては、実施の形態1のコイル47A,47Cに替えて、コイル47G,47Hを巻装している。コイル47G,47Hは、それぞれ可動子1が第1安定位置及び第2安定位置にあるとき、可動子1を囲繞するような向きに巻装されている。ここで、コイル47B,47D,47E,47Fのような向きに巻装されたコイルを接線方向に巻かれたコイル(第1のコイル)、コイル47G,47Hのように巻装されたコイルを径方向に巻かれたコイル(第2のコイル)と呼ぶことにする。これに対応して、中心部材25は、コイル47G,47Hをよけるために内径方向に凹部が形成されている。
上記のように、本実施の形態のアクチュエータ105においては、第1安定位置及び第2安定位置に、それぞれ第1安定位置及び第2安定位置にある可動子1を囲繞するように配置された第2のコイル47G,47Hが設けられている。コイル47Gにより生成される磁束は、図22に示すように、全て可動子1を接線方向に通過する。第2安定位置に設けられたコイル47Hも同様である。これにより、本実施の形態のアクチュエータ105においては、実施の形態1のものより効果的に大きな回転駆動力を得ることが出来る。
実施の形態6.
図23は本発明の実施の形態6の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。図24は図23のA−A線に沿う矢視断面図である。図24において、図の左側に磁束の発生する様子を示す。右側に固定子45の積層構造を示す。固定子45を積層構造にすることにより、渦電流を遮断することが出来る。
図23において、コイル47A,47D,47E,47Fに起因する電磁力は、可動子1の回転方向に、コイルの手前から増加してゆき、コイルを過ぎると電磁力が弱まる。そこで、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ106においては、固定子45の回転軸方向(回転軸41の延びる方向)両面に磁性体26が重ねて配設されている。磁性体26は、固定子45のヨーク部に重なる大径部26aと、回転軸41を囲む小径部26bと、小径部26bから大径部26aへ架け渡されて形成された放射状部26cとから構成されている。そして、この放射状部26cがコイルとコイルの間の磁極に積層方向(回転軸方向と同じ)に重ねて配置されている。すなわち、コイル間の磁極の回転軸方向両端部に磁性体26の放射状部26cが配置されている。これにより、従来、可動子1の回転方向の端部の径方向の一辺にしか磁束が通過しなかったのに対して、積層方向にも磁束が通過するため、電磁力が低下する領域において、電磁力を増加させることができる。
実施の形態7.
図25は本発明の実施の形態7の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。図25において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ107においては、中心部材27は、回転軸41の周囲に配設された円筒状部27aと、円筒状部27aの外周面から放射状に突出する複数の突出部27bとから構成されている。そして、それぞれの突出部27bの頂部に各々可動子1と対向するように永久磁石49が配設されている。つまり、可動子1の内径側に可動子1の移動方向に沿って可動子1と対向するように複数の永久磁石49が配設されている。永久磁石49は、可動子1の駆動力の補助をする。その他の構成は実施の形態5と同様である。
上記実施の形態6でも述べたように、従来、可動子1の径方向の一辺を通過する磁束しか駆動に寄与していない。そこで、本実施の形態においては、可動子1の内側に永久磁石49を配置することで、可動子1の内側の一辺にも磁束が通過する事で電磁力を増大させることができる。永久磁石49の配置は、N極とS極が交互になるように配置する。
図26は中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。永久磁石49から生成された磁束は、可動子1を通り第2の磁極を構成するストッパ21aを通過する。これにより、可動子1とストッパ21aとの間に電磁力が作用し、コイル電流遮断時において保持力を作用させることができる。
実施の形態8.
図27は本発明の実施の形態8の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、中立位置において第2の永久磁石の発生する磁束の様子を示す断面図である。図28は第1安定位置に安定する可動子の様子を示す断面図である。図27において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ108においては、中立位置における可動子1の円周方向両端部に、可動子1の中立位置の安定停止を補助する第2の永久磁石51,51が設けられている。第2の永久磁石51,51は、それぞれN極とS極となるように配置する。その他の構成は実施の形態5と同様である。
本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ108によれば、一方の永久磁石51から生成される磁束は可動子1を通過して他方の永久磁石51に供給される。このような磁気経路を作ることで、コイルへの通電を遮断していても、可動子1は永久磁石51,51の作用により中立位置に安定する。なお、コイル47E,47Fの通電方向は、永久磁石51,51と同じ方向となるようにする。
実施の形態9.
図29は本発明の実施の形態9の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。図30は図29のB−B線に沿う矢視断面図である。図29において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ109においては、中立位置における可動子1の円周方向両端部の磁性体26に、可動子1の中立位置での安定停止を補助する第2の永久磁石53,53が埋設されている。第2の永久磁石53,53は、それぞれN極とS極となるように配置する。その他の構成は実施の形態6と同様である。
本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ109によれば、一方の永久磁石53から生成される磁束は可動子1を通過して他方の永久磁石53に供給される。このような磁気経路を作ることで、コイルへの通電を遮断していても、可動子1は永久磁石53,53の作用により中立位置に安定する。なお、コイル47E,47Fの通電方向は、永久磁石53,53と同じ方向となるようにする。
実施の形態10.
図31は本発明の実施の形態10の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。図32は図31のC−C線に沿う矢視断面図である。図31において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ110においては、実施の形態6のものと同じように、固定子45の回転軸方向(回転軸41の延びる方向)両面に磁性体30が重ねて配設されており、この磁性体30のストッパと重なる位置の放射状部30cに第3の永久磁石55が設けられている。
磁性体30は、固定子45のヨーク部に重なる大径部30aと、回転軸41を囲む小径部30bと、小径部30bから大径部30aへ架け渡されて形成された放射状部30cとから構成されている。そして、複数の放射状部30cのうち、ストッパと重なる位置の放射状部30cに面積を大きくされた部分30dが設けられており、この面積を大きくされた部分30dに第3の永久磁石55が埋設されている。すなわち、本実施の形態においては、ストッパの回転軸方向両端部に第3の永久磁石55が設けられている。永久磁石55から生成された磁束は、可動子1の当接面を通過する。これにより、可動子1とストッパ21aとの間に電磁力が作用し、可動子1は第1安定位置に安定して保持される。第2安定位置においても同様である。
実施の形態11.
図33は本発明の実施の形態11の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置に安定した様子を示す断面図である。図34は本発明の実施の形態11の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が第1安定位置に安定した様子を示す断面図である。本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ111においては、可動子11は、円周方向の長さを大きくされ、中立位置から第1安定位置及び第2安定位置に至る回動角度が、90°となるようにされている。その他の構成は実施の形態5と同様である。
図33において、中立位置から第1安定位置への駆動初期の電磁力発生に寄与する磁極として動作する係合凸部11bの端面と、コイル47Bの励磁する磁極45bの円周方向端面とが、半径方向に延びる所定の同一面上に位置するようにして一致している。また、図34において、第1安定位置から中立位置への駆動初期の電磁力発生に寄与する磁極として動作する本体部11aと係合凸部11bとの段部が、コイル47Eの励磁する磁極45bの円周方向端面に対して、半径方向に延びる所定の同一面上に位置するようにされている。なお、この磁極形成の思想は、すべての実施の形態において同じである。
実施の形態12.
図35は本発明の実施の形態12の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置に安定した様子を示す断面図である。図36は本発明の実施の形態12の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が第1安定位置に安定した様子を示す断面図である。本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ112においては、可動子12は、円周方向の長さを小さくされ、中立位置から第1安定位置及び第2安定位置に至る回動角度が、120°となるようにされている。その他の構成は実施の形態5と同様である。
図35において、中立位置から第1安定位置への駆動初期の電磁力発生に寄与する磁極として動作する係合凸部12bの端面と、コイル47Bの励磁する磁極45bの円周方向端面とが、半径方向に延びる所定の同一面上に位置するようにして一致している。また、図36において、第1安定位置から中立位置への駆動初期の電磁力発生に寄与する磁極として動作する係合凸部12bの端面が、コイル47Eの励磁する磁極45bの円周方向端面に対して、半径方向に延びる所定の同一面上に位置するようにされている。
実施の形態13.
図37は本発明の実施の形態13の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置に安定した様子を示す断面図である。図38は本発明の実施の形態13の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が第1安定位置に安定した様子を示す断面図である。本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ113においては、第2の磁極として動作する磁性体でなるストッパ33の径方向厚さが大きくされることにより、可動子13の中立位置から第1安定位置及び第2安定位置に至る回動角度が、90°となるようにされている。その他の構成は実施の形態5と同様である。
図37において、中立位置から第1安定位置への駆動初期の電磁力発生に寄与する磁極として動作する係合凸部13bの端面と、コイル47Bの励磁する磁極45bの円周方向端面とが、半径方向に延びる所定の同一面上に位置するようにして一致している。また、図38において、第1安定位置から中立位置への駆動初期の電磁力発生に寄与する磁極として動作する本体部13aと係合凸部13bとの外周側の段部が、コイル47Eの励磁する磁極45bの円周方向端面に対して、半径方向に延びる所定の同一面上に位置するようにされている。なお、この磁極形成の思想は、すべての実施の形態において同じである。
実施の形態14.
図39は本発明の実施の形態14の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置が鉛直下方となるように設置される様子を示す断面図である。本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ114においては、設置場所に設置される際、中立位置が鉛直下方となるように設置される。中立安定位置は、物理的に停止する構造を有してないため、可動子1の位置が中心からずれて停止すると、可動子の自重により、回転して中立位置で安定しない。そこで、中立位置を下に配置することにより、中立位置からずれた位置で停止しても、可動子1の自重で中立位置に安定する。よって、例えば、駆動中に事故がおきてコイルに通電できなくなり、駆動途中で可動子1が停止してしまった場合においても、自重で中立位置に安定することができる。
実施の形態15.
図40は本発明の実施の形態15の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置にてソレノイド装置に保持される様子を示す断面図である。図40において、本実施の形態の3安定形揺動電磁アクチュエータ115においては、半径方向に出没して先端が可動子1に設けられた凹部に係合するプランジャ35aを持つソレノイド装置35をさらに有している。中立位置に設けられたソレノイド装置35は、駆動コイル35bへの電流供給の入り切りをしてプランジャ35aを出没させる。可動子1には凹部が設けられており、この凹部にプランジャ35aの先端が嵌る。
本実施の形態においては、中立位置にてソレノイド装置35を用いて可動子1を物理的に保持する。実施の形態8及び実施の形態9のように永久磁石を配置すれば、コイルに通電していない時でも中立位置に安定させることができる。しかし、地震などで外部から振動が加えられた場合は、中立位置から外れる可能性がある。そこで、本実施の形態においては、可動子1が中立位置で安定した時に、ソレノイド装置35のプランジャ35aを可動子1に差し込むことで物理的に固定する。
実施の形態16.
図41は本発明の実施の形態16の3安定形揺動電磁アクチュエータのコイルの接続方法を示す要部の回路図である。隣り合うコイル47Bとコイル47Gについて説明する。コイル47Bとコイル47Gとを並列接続することにより、コイル一つあたりの抵抗を大きくできる。そのため、コイルの線径を細く出来るため、コイルの軽量化と低コスト化が可能となる。
次に、電源にコンデンサを用いた場合の、電気回路方程式を示す。
q(t)/C
=I(t)*R+L(x、I)*dI(t)/dt+dφ(x、I)*dx(t)/dt、
dq(t)/dt=I(t)
ここで、qは電荷[C]、Cは静電容量[F]、Iは電流[A]、Rは抵抗[Ω]、Lは自己インダクタンス[H]、xは可動子位置[m]、φは磁束[T]である。この式は、オームの方式に右辺の第2項の自己インダクタンス項と第3項の誘導起電圧項が加わったものである。この式より、左辺のコンデンサ容量と右辺の抵抗は一定であるため、自己インダクタンス項と誘導起電圧項が大きくなれば、電流は小さくなるということがいえる。直列接続にすれば、自己インダクタンスはコイル2個分となるが、並列接続にすることにより、コイル1個分の自己インダクタンスとなるために、自己インダクタンス項が小さくなり、電流が大きくなる。
さらに誘導起電圧項について説明する。図42は可動子に位置による誘導起電圧項について説明するための可動子が中立位置にある様子を示す断面図である。図43は同じく可動子が中立位置と第1安定位置との間にある様子を示す断面図である。誘導起電圧項は、磁束の量で決まるため、それぞれの位置の磁束量と電流値で評価をした。図42の駆動初期は、コイル47Bとコイル47Gの磁束量は少ないため、コイル47Bとコイル47Gには同等量の電流値が流れる。次に、図43の位置では、コイル47Bの磁束量が大きく、コイル47Gの磁束量は小さいため、コイル47Gの方が電流の流れる割合が大きくなる。コイル47Bは駆動初期の駆動力として用いるため、図43の位置では駆動力に寄与しておらず、コイル47Gが可動子1を駆動させている。そのため、図43の位置では、コイル47Bには電流が流れず、コイル47Gに電流が多く流れた方が、効率が良い。そのため、コイルを並列接続することにより、誘導起電圧項が寄与するために、駆動後期にはコイル47Bに電流が流れにくくなり、コイル47Gに多くの電流が流れるという、電流の制御が可能となる。
以上のように、本発明にかかる3安定形揺動電磁アクチュエータは、開閉器や断路器に連結される電磁アクチュエータに適用されて有用なものであり、特に2つの固定接点と1つの可動接点から構成される開閉器や断路器の「入り」、「切り」、「入り」の動作と連動して、可動子が3箇所で停止する電磁アクチュエータに適用されて最適なものである。
図1は、本発明の実施の形態1の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図2は、可動子が第1安定位置にある様子を示す断面図である。 図3は、可動子が第2安定位置にある様子を示す断面図である。 図4は、3安定形揺動電磁アクチュエータに連結される開閉器の接点の負荷曲線を示す図である。 図5は、中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図6は、中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図7は、第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図8は、第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図9は、本発明の実施の形態2の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図10は、中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図11は、第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図12は、第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図13は、本発明の実施の形態3の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図14は、中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図15は、第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図16は、第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図17は、本発明の実施の形態4の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図であり、中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図18は、中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図19は、第1安定位置から中立位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図20は、第1安定位置から中立位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図21は、本発明の実施の形態5の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。 図22は、中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図23は、本発明の実施の形態6の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。 図24は、図23のA−A線に沿う矢視断面図である。 図25は、本発明の実施の形態7の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置から第1安定位置への駆動初期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図26は、同じく中立位置から第1安定位置への駆動後期に発生する磁束の様子を示す断面図である。 図27は、本発明の実施の形態8の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置において第2の永久磁石の発生する磁束の様子を示す断面図である。 図28は、第1安定位置に安定する可動子の様子を示す断面図である。 図29は、本発明の実施の形態9の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。 図30は、図29のB−B線に沿う矢視断面図である。 図31は、本発明の実施の形態10の3安定形揺動電磁アクチュエータを示す断面図である。 図32は、図31のC−C線に沿う矢視断面図である。 図33は、本発明の実施の形態11の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置に安定した様子を示す断面図である。 図34は、本発明の実施の形態11の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が第1安定位置に安定した様子を示す断面図である。 図35は、本発明の実施の形態12の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置に安定した様子を示す断面図である。 図36は、本発明の実施の形態12の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が第1安定位置に安定した様子を示す断面図である。 図37は、本発明の実施の形態13の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置に安定した様子を示す断面図である。 図38は、本発明の実施の形態13の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が第1安定位置に安定した様子を示す断面図である。 図39は、本発明の実施の形態14の3安定形揺動電磁アクチュエータの中立位置が鉛直下方となるように設置される様子を示す断面図である。 図40は、本発明の実施の形態15の3安定形揺動電磁アクチュエータの可動子が中立位置にてソレノイド装置に保持される様子を示す断面図である。 図41は、本発明の実施の形態16の3安定形揺動電磁アクチュエータのコイルの接続方法を示す要部の回路図である。 図42は、可動子に位置による誘導起電圧項について説明するための可動子が中立位置にある様子を示す断面図である。 図43は、同じく可動子に位置による誘導起電圧項について説明するための可動子が中立位置と第1安定位置との間にある様子を示す断面図である。
1,2,3,11,12,13 可動子
1a,3a,4a,11a,12a,13a 本体部
1b,3b,4b,11b,12b,13b 係合凸部
21a,21b,22,23,24,33 ストッパ(第2の磁極)
26,30 磁性体
26a,30a 大径部
26b,30b 小径部
26c,30c 放射状部
25,27,43 中心部材
30d 放射状部の面積を大きくされた部分
35 ソレノイド装置
35a プランジャ
35b 駆動コイル
41 回転軸
45 固定子
45a 本体部
45b 磁極(第1の磁極)
47A,47B,47C,47D,47E,47F コイル
47G,47H コイル(第2のコイル)
49 第1の永久磁石
51,53 第2の永久磁石
55 第3の永久磁石
101〜116 3安定形揺動電磁アクチュエータ

Claims (15)

  1. 円筒状を成し中心方向に向けて複数の第1の磁極が突設された固定子と、
    前記固定子の内側で、円周方向に沿って延び、該円周に沿って往復回動可能に支持された可動子と、
    前記第1の磁極に巻き回され、前記可動子の回動範囲の一端側である第1安定位置と、他端側である第2安定位置と、中間位置である中立位置の3位置に停止するように付勢する複数のコイルを備え、
    前記第1安定位置及び前記第2安定位置において、前記可動子の回転方向端部に当接して当該可動子を押し止める磁性体で成る第2の磁極が設けられている
    ことを特徴とする3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  2. 前記可動子の回転方向端部に、係合凸部が形成され、
    前記第2の磁極に、前記係合凸部と係合する係合凹部が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  3. 前記係合凸部は、前記可動子の端部の半径方向中心から、前記コイル側に偏心した位置に形成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  4. 前記第1安定位置及び前記第2安定位置に、前記第1安定位置及び前記第2安定位置にある前記可動子を囲繞するように配置された第2のコイルが設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  5. 前記コイル間の前記磁極の回転軸方向両端部に磁性体が配設されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  6. 前記可動子の移動方向に沿って該可動子と対向するように配設され、当該可動子の駆動力の補助をする永久磁石が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  7. 前記中立位置における前記可動子の円周方向両端部に、当該可動子の前記中立位置の安定を補助する第2の永久磁石が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  8. 前記中立位置における前記可動子の円周方向両端の回転軸方向両端部に、当該可動子の前記中立位置の安定を補助する第2の永久磁石が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  9. 前記ストッパの回転軸方向両端部に第3の永久磁石が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  10. 前記可動子の円周方向端面位置が、前記コイルの励磁する磁極の円周方向端面位置と一致している
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  11. 前記中立位置に対する前記第1安定位置及び前記第2安定位置への回転角がそれぞれ90°となるように前記可動子の円周方向長さが選定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  12. 前記中立位置に対する前記第1安定位置及び前記第2安定位置への回転角がそれぞれ120°となるように前記可動子の円周方向長さが選定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  13. 設置場所に設置される際、前記中立位置が鉛直下方となるように設置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  14. 半径方向に出没して先端が前記可動子に設けられた凹部に係合するプランジャを有するソレノイド装置をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
  15. 前記第1のコイルと前記第2のコイルとが並列接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の3安定形揺動電磁アクチュエータ。
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