JPWO2009054495A1 - 高分子多孔質膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、生体成分含有液において、クロスフロー操作を行った際の高い濾過能力の保持と分画特性を有する高分子多孔質膜を提供することにある。【解決手段】本発明は、ポリマー微粒子と該微粒子間を連結するミクロフィブリルからなる構造を有する高分子多孔質膜であって、該高分子多孔質膜の被処理液との接触面に長さ方向に沿って断続した凹部を有し、該凹部の存在比率が10%以上30%以下であり、幅方向の凹部の平均幅が0.05μm以上0.12μm以下であり、長さ方向の凹部の平均長さが0.10μm以上0.50μm以下であることを特徴とする高分子多孔質膜である。【選択図】なし

Description

本発明は、生体成分含有液体などの処理に最適に使用される高分子多孔質膜に関する。詳しくは、ポリマー微粒子と該微粒子間を連結するミクロフィブリルからなる構造を有する高分子多孔質膜であって、該高分子多孔質膜の被処理液との接触面に長さ方向に沿って断続した凹部を有し、該凹部の存在比率が10%以上30%以下であり、幅方向の凹部の平均幅が0.05μm以上0.12μm以下であり、長さ方向の凹部の平均長さが0.10μm以上0.50μm以下であることを特徴とする高分子多孔質膜である。
特に、酵母成分を含有する発酵飲料の製造やバイオ医薬品などの微生物、動植物細胞の培養液を処理するクロスフロー濾過に用いるのに好適な高分子多孔質膜であって、酵母、細胞成分やコロイドのケーク形成によるケーク濾過過程においても安定したろ過特性と分画特性を維持でき、またろ過後の洗浄により高い性能の回復能力を有する濾過膜に関するものである。
高分子多孔質膜は、精密濾過、限外濾過などの工業用途や、逆浸透膜による海水淡水化、さらには血液透析、血液濾過、血漿分離などの医療用途にまで広く利用されている。また、微生物含有液の濾過処理としても、医薬品製造などでの、限外濾過膜による濃縮や精密濾過膜などによる除菌、微粒子除去など幅広く使用されている。ジュースなどの飲料、ワイン、ビール、清酒などの酒類、醤油、乳製品などの食品などの製造プロセスにおいても、膜による濾過が広く利用されてきている。すなわち、膜分離は液体中の大小の所望成分を分離除去または回収する用途に最適であるといえる。これらの膜の素材としてはセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、またはこれらの誘導体や修飾体、さらにはコンポジット、複合体などが用いられている。
このような用途の膜に求められる基本的な特性としては、例えば、次の各点が挙げられる。
(1)被除去物質の阻止性能が高いこと
(2)透過物質の透過性能が高いこと
(1、2は合わせて分画性能と規定される。)
(3)機械強度が十分に高く破断やリークしにくいこと
(4)分離特性が経時安定的であること
また、長期間にわたり使用される膜においては、
(5)洗浄などによる分離性能の回復、維持に優れていること
さらに、食品、医薬品の製造用途では、
(6)滅菌、殺菌処理の熱や薬剤に耐えること
も加えられる。
これらの膜を使用する操作方法においても、幾つかの手法が考案、実用化されている。デッドエンド濾過、クロスフロー濾過(タンジェンシャル濾過ともいう)といった被処理液体の流れ操作手法や定圧濾過、定速濾過あるいは両者の組み合わせといった操作方法、さらに中空糸型の場合は濾過方向(内圧濾過、外圧濾過)などが各種検討されている。特にクロスフロー濾過は、膜の被処理液の供給面を高い線速度で被処理液を循環流通させることで安定な濾過を実現する方法として考えられ、モジュールの流路設計やシステム設計の技術進化に伴い利便性も向上し、広く展開が期待される領域である。
前記のような食品用途などの濾過操作においては、高濃度の固形成分の懸濁液やスラリーなど、濾過の際に膜表面に堆積する成分(ケーク成分)を多量に含む場合が多い。このため膜は極度に目詰まりやケーク堆積を起こし、濾過速度の低下や分離性能の異常を起こすことがしばしば見られる。このため、膜濾過法の新規な操作条件の適応や新しい膜の登場が期待されている。
クロスフロー濾過は、膜面に高線速度で被処理流体を流すことにより、できるだけケーク堆積形成を抑えるために有効な手法である。しかしながら、線速度の上昇は、被処理流体への流動によるストレスが大きくなり、処理対象物質の種類によっては変性などの品質低下を起こしたりするばかりでなく、被処理液の循環にともなうエネルギー(ポンプ運転や液冷却に要する電力)が膨大なものとなり、工業プロセスとしての課題もまだ多い。しかしながら、全濾過操作(デッドエンド濾過)に比べ、ケーク堆積の抑制においては、非常に優れた特性をクロスフロー濾過操作が有しているのは事実であり、被処理液の特性、操作条件、膜の特性などの組み合わせを試行錯誤で検討され、現在に至っている。
クロスフロー濾過においても、膜に要求される基本特性は、前述のものと一致するが、線速度を左右する膜面流路は、重要な設計事項となる。狭小な流路は、大きな線速度を得ることができるが、被処理液の粘度や含有固形分の大きさなどが流路サイズに適合しないと、通液圧損が大きく、濾過操作はできない。この点からは、処理流体に応じた最適な流路設計が必要である。平板膜、スパイラル型膜の場合は、2枚の膜間にスペーサーを配置することによる流路設計を実施する。一方、中空糸型膜では、内圧濾過の場合は中空糸内径ディメンジョンにより最適化され、外圧濾過の場合は中空糸膜の充填密度やスペーサー配置により設計される。この点からは、内圧型の中空糸膜を用いるクロスフロー操作は、濾過器の製造、設計においては製造が簡便、かつ操作原理に適応した形態であることが判る。従って、中空糸型の開発面からは、膜の性能に加え、最適なディメンジョンの中空糸膜の紡糸技術が開発の一つの方向となり、より高粘度な懸濁液体を処理できるような太い中空糸膜を製造する技術開発が行われてきている。特許文献1には、内径0.7mm以上の太径ポリスルホン中空糸膜の製造法が記載されている。本願によれは、太径の中空糸膜(特に非対称構造膜)を製造するにおいては、製膜原液と内部凝固液の凝固力を所望の関係とすることで高透水性能、高分画性能の膜が得られることが開示されている。しかしながら、本願の膜においてはケーク濾過、クロスフロー濾過への適性については、なんらの示唆もなされていない。
食品用途などの高濃度懸濁液の処理においては、ケーク層の形成は避けられない要因であるため、ケーク層自体を分離層とする濾過概念(ケーク濾過)に基づく方法が採用されている。このため、ケーク成分が漏れない程度のできるだけ大きな孔径の膜を用いて、可能な限り膜自体の透水抵抗は下げて、ケーク層支配の濾過特性(濾過速度)を得る方法を用いることがなされている。これには高分子多孔質膜としては精密濾過膜(孔径0.2μm以上)が用いられている他、金属メッシュ、織布、不織布、ヤーンワインドなどのフィルターも適応される。これらフィルターは、細孔のもつ分画性能は多少犠牲にしても透過液量を最大限に得ることを主眼としている。この方法では、ケーク成分より小さいサイズの阻止したい物質は、微量ながら漏れ出る可能性は避けられなく、クロスフローにおける操作条件の変更や、被処理液の成分、性状が不安定な場合では、濾過性能への影響が大きくなる課題がある。
さらに、ケーク形成を起こす大きな主成分粒子中に、それよりも小さな被除去成分が混在している場合は、この小さな成分に対しての確実な除去を制御することができないという欠点を精密濾過膜を用いた上記の技術では有している。すなわち、精密濾過膜を用いたケーク成分含有の濾過では、精密濾過膜の細孔サイズの有する分画能力は発揮されないばかりか、無視されている。このように、安定した透過液の回収速度と分画の確かさを両立することは、ケーク層自身の分離機構を用いた手法では未だに達成できているとは言えない。
また、別の方法として、従来から濾過助剤を用いた懸濁液の分離を行うことも広く行われている。これは、濾過助剤(主に珪藻土や微粒子ゲルなど)を被処理液と共に金属メッシュ(濾過助剤は非透過であるメッシュ大きさ)などに通液し、メッシュ上に堆積した濾過助剤の形成する層を分離材として用いるものである。すなわち、前記のケーク層の分離をさらに積極的に利用する技術とも言える。本方法は、濾過方法の歴史としては、もっとも古い濾過技術であり、広く用いられているが、濾過助剤が安定な層を形成するまでは、分画自体は変動するばかりでなく、定常の濾過時でも分画は粗いものとならざるを得ない。また、被処理液と濾過助剤の相性、投入前のコンディショニング、助剤の大きさや添加量の按配など、非常に熟練した技術と経験が必要とされる手法である。さらに、規模の大きな濾過設備では、リユースのできない使用後の濾過助剤の廃棄処理も問題となる。これらの点から、工業的には上記の膜によるクロスフロー濾過が注目される要因となっている。
一方、限外濾過膜(分画分子量として数百万以下)は、孔径サイズによる分離が、比較的優れることから、広い分画特性のレンジにわたって膜の調整さえできれば、所望の分画に合った膜を選択して使用することができる。クロスフロー分離に対しても適応される領域もあるが、精密濾過膜には及ばない。その理由は、孔径が小さいため膜自身の透水抵抗が高く、ケーク層が形成することにより、さらに透過性が低下してしまうために透過液を多く回収するという目的には不利である点からである。むしろ、高い透過流速で多くの溶質含有の透過液を回収する目的よりは、非透過成分の濃縮回収を目的とした操作に用いるのに好適と考えられている。しかしながら、限外濾過膜は、ナノメートル領域成分に対しての分画性能という点では優れた特性を持つことから、ケーク濾過操作に適応できれば、精密濾過膜の課題であるナノメートルサイズの成分の優れた排除性能と高い透過液回収を両立できるものと期待される。特に、ケーク層支配の濾過状態にある場合は、精密濾過膜および限外濾過膜の膜自身の透過性の差異は相対的に薄れ、いずれも同じ濾過速度に収束すると考えられる。
当然、限外濾過膜でもケーク成分による目詰まりとケーク層形成は問題となる。しかしながら、膜自体の透水性が低いために、濾過開始に発生する、初期ケーク成分の過度の堆積や圧密化は抑えられる特徴を持ち、また表面の開孔径が小さいため、ケーク形成の粒子が開孔部に入り込み閉塞させることも抑制される点は有利とされている。ただ、膜面に堆積するケーク成分は、精密濾過膜と同様の現象として膜面の開孔を塞ぎ、液の流路を狭窄することは阻止できない。このような、ケーク成分が接する膜面において、細孔の開孔部の閉塞抑制、流路の確保ができれば、限外濾過膜においてもより高い濾過特性を発揮することができる。さらに、このようなケーク層と膜との液体の流路を確保しておくことは、逆濾過洗浄でのケーク層の除去性が向上し、膜性能の回復性向上にも寄与させることも可能である。このような背景から、限外濾過膜をケーク層支配の濾過操作に適応させることができれば、従来の精密濾過膜での課題を克服できる可能性がある。
上記のような、精密濾過膜、限外濾過膜のメリット、デメリットを斟酌した技術背景の下に、本願は発明されたものである。
食品製造、発酵飲料用途での膜濾過処理は、多くの場合は除菌目的で使用されてきた。すなわち、菌体を透過させない細孔径を持つ精密濾過膜(通常孔径0.2μm〜0.45μm)を用いた濾過処理により、細菌含有の無い透過液を得ることを目的としている。この用途では、無菌保証(例えば緑濃菌の対数減少率が6以上)の可能な膜に被処理液を通過させ、いかに多くの透過液を性状の変化を起こすこと無しに回収するかが課題となる。従って、飲料水や比較的清浄な液体の除菌に適応されるが、これらの液体を連続的に無菌化処理する方法としては、信頼性も高く、非常に簡便であるため、広く用いられている。
また一方、膜の別の使用目的として、精製や回収などのプロセス(主に固液分離)への実用化がなされてきた。沈降や遠心分離などに替わる代替プロセスとしての使用法である。食物の絞り液などにおける微粉砕物と液性成分との分離、微生物発酵液の微生物と液性成分との分離、さらには固形添加剤(不純物の吸着除去に用いられるシリカゲルやポリビニルポリピロリドンなど)との分離などが膜分離プロセスの適応領域である。古くから、この分野では濾過助剤による分離が主流であったが、前述の課題から膜法への転換と最適な膜の登場が大きく期待されている。また近年は、遺伝子組み換え技術によるバイオ医薬品、抗体医薬など細胞、組織培養からの有価成分の精製、回収にも膜分離は重要性を増してきている。これら食品、医薬品製造の分野では、ケーク形成となる成分に加え、回収すべき溶質成分(タンパク質、核酸、糖、微小コロイドなど)も大量に含有しており、水分の透過のみならず、これら成分を高効率で透過させる必要がある。すなわち、これらの分野で要求される特性は、ケーク成分の除去による清浄化と溶質高分子透過の両立であることから、膜孔とケーク層の2つの分離層のみならず、膜とケーク層の界面においても十分に溶質成分を透過させるチャンネルを維持させておくことが、透過性の維持には重要となるはずである。
特許文献2には、0.1〜5.0μmの細孔径を有する精密濾過膜による、ビールなどの発酵飲料の濁りを除く方法が開示されている。本願によれは、クロスフロー濾過時に極めて高頻度な間歇的な逆洗浄により効率的な濾過能力が発揮されることが記載されており、発酵飲料製造プロセスにおける濾過膜の適応の有効性が示されている。ここで用いられている膜は、濾過側より供給側に大きな孔径を有するように配置された非対称膜である。しかしながら、本願は逆洗浄を1秒から10分という短い間隔で実施する特殊なプラント運転技術による効率的な膜濾過の方法を開示するものであり、簡易な設備や運転法により高度な濾過安定性を維持できるものではない。さらに前述のような、膜面とケーク層との閉塞性、流路特性などを示唆するのもではない。
特許文献3には、膜の内表面に緻密層を有しかつ、内表面において、長さ方向に沿って断続した高さ0.01〜0.3μmの突起体を設けた、分子量200万のデキストラン阻止率が80%以上の中空糸型限外濾過膜が開示されている。この膜構造の特徴により、内圧濾過での透水安定性と分画特性を発現し、水道水の濾過での逆洗浄回復性、電着塗料排液のクロスフロー濾過の安定性が示されており、内表面構造の改良が、目詰まりした膜面の回復性に寄与することを提示している。しかしながら、微生物含有懸濁液のケーク濾過への適応は示されておらず、本技術範囲では、柔軟な形態変化や圧密化を起こし、さらにケーク成分以外に高濃度のタンパクや糖類の高分子有機成分を含有する発酵、培養液の回収を目的とする濾過には不十分である。
特開平04−057915号公報 特開平07−155559号公報 特許第2948856号公報
実施例1のAFM像である。 実施例1の二値化像である。 実施例4のAFM像である。 実施例4の二値化像である。 比較例1のAFM像である。 比較例1の二値化像である。 実施例1のワイン濾過成分のGPCチャートである。
懸濁成分の濾過を行う、食品分野や製薬分野をはじめとする生体成分含有流体の処理に代表される濾過精製や回収を膜を用いて行うプロセスでは、懸濁成分の膜面への堆積(ケーク層形成)により、濾過特性の低下による生産性や濾過液の品質低下、さらに再使用における洗浄再生性の低下などによる膜寿命の低下を引き起こす。これらの現象は、効率的な膜濾過法の運転に支障をきたすのみならず、膜濾過法が本来有効であるはずの適応範囲を減じてしまうことになる。本発明は、膜濾過プロセスの係る課題を克服する高分子多孔質膜を提供するものである。
本発明者は、生体成分含有液において、クロスフロー操作を行った際の高い濾過能力の保持と分画特性を有する高分子多孔質膜を提供すべく鋭意検討を行い本発明に至った。
すなわち、ポリマー微粒子と該微粒子間を連結するミクロフィブリルからなる構造を有する高分子多孔質膜であって、該高分子多孔質膜の被処理液との接触面に長さ方向に沿って断続した凹部を有し、該凹部の存在比率が10%以上30%以下であり、幅方向の凹部の平均幅が0.05μm以上0.12μm以下であり、長さ方向の凹部の平均長さが0.10μm以上0.50μm以下であることを特徴とする高分子多孔質膜である。
本発明の高分子多孔質膜の特徴は、膜の被処理液接触の特性にある。被処理液中の生体成分由来の粒子は膜表面にケーク層を形成するが、これに対し被処理液接触面(ケーク層形成面)の表面構造を制御することにより、ケーク層と膜の界面でのケーク成分の接触、目詰まり状態を緩和し、かつ水や溶質の流路をケーク層が形成された後も確保することができる。さらに、逆洗浄での洗浄水流を効果的にケーク層に伝達し剥離を促すことで、膜機能の再生を向上させるものである。
本発明の高分子多孔質膜は、ポリマー微粒子と該微粒子間を連結するミクロフィブリルからなる構造を有し、該高分子多孔質膜の被処理液との接触面に長さ方向に沿って断続した凹部を有しており、懸濁成分の膜面への堆積(ケーク層形成)による濾過特性の低下や濾過液の生産性の低下、品質低下、さらに再使用における膜寿命の低下を防止することができる。これにより、食品分野、製薬分野の精製、回収プロセスにおいて高効率で高純度な濾過液の製造が可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、高分子多孔質膜は、ポリマー微粒子と該微粒子間を連結するミクロフィブリルからなる構造を有するのが好ましい。膜の微細構造の構成は、粒子の集合体、フィブリル繊維の集合体、スリット型のスタックラメラ、クモの巣状の網目構造など各種の構造を有するが、本発明では、膜の表面に適度なサイズを有する凹凸を形成させ、これらが配向規則性を有した構造をもたせている。このような表面構造形成は、凹凸サイズよりも小さな微細構造の集積により形成しうるものである。本願では、サブミクロンオーダーの凹凸を形成させるため、これらを形成させるポリマー微粒子は0.1μm程度のサイズであることが好ましい。また、微粒子自身が充填ないし結合した構造だけでなく、粒子間がフィブリル状の繊維で高次元な集合体を形成したものであることが好ましい。粒子とフィブリルからなる微細ユニット構造が在ってこそ、さらにそれらの高次元化により本発明の凹凸と配向の制御に好適な構成要素となる。
本発明の高分子多孔質膜は、疎水性高分子と親水性高分子を含んでなることが好ましく、親水性高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース、デンプンなどの高分子炭水化物などが例示される。中でも、疎水性高分子との相溶性、水性流体処理膜としての使用実績から、PVPが好ましい。これらは単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。PVPの分子量としては重量平均分子量が10,000〜1,500,000のものが好ましく用いられ得る。具体的には、BASF社より市販されている分子量9,000のもの(K17)、以下同様に45,000(K30)、450,000(K60)、900,000(K80)、1,200,000(K90)を用いるのが好ましい。
本発明における疎水性高分子としては、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホン(以下PSfと略記する)、ポリエーテルスルホン(以下PESと略記する)、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどが例示される。中でもPSf、PESなどのポリスルホン系高分子は高い透水性の膜を得るのに有利であり、好ましい。ここで言うポリスルホン系高分子は、官能基やアルキル基などの置換基を含んでいてもよく、炭化水素骨格の水素原子はハロゲンなど他の原子や置換基で置換されていてもよい。また、これらは単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
親水性高分子と疎水性高分子のブレンドからなる膜は、特徴として疎水性高分子のコアに対し、親水性高分子のシェルを有するような、膜を形成する微小な粒子またはフィブリル繊維の外表面部に親水性高分子がリッチとなる構造をとり易いことが知られており、膜全体の親水性を高めることができる。この親水化により、被処理液体中の物質と膜との相互作用が低減され、被処理液中成分の吸着の抑制、および脱着の促進の効果を持つため好ましい。
本発明の膜は、平膜、チューブラー膜、スパイラル膜、中空糸膜のいずれの膜加工形態も採用することはできるが、クロスフロー濾過の操作性との相性からは、中空糸膜形状が好ましい。中空糸膜では、内圧濾過、外圧濾過共に、中空糸膜の長さ方向に向かって被処理液を流通させることにより、膜面の線速を均一かつ簡便に制御することができる利点を有する。さらに、使用後に逆洗浄を行う場合は、流路設計が簡便で、膜全体に均一に逆濾過圧を印加することができるなどの利点がある。
本発明の高分子多孔質膜は、被処理液と接触する面における特定の構造が、ケーク濾過操作に最適であることを見出したものであり、該接触面以外の膜の構造については、特に限定するものではない。膜の断面構造としては、スポンジ型均一構造、傾斜構造、ボイド型構造などが知られているが、これらの構造はいずれのものであっても構わない。しかしながら、膜全体の構造は、膜自身の物質透過性の抵抗を有するものであるから、目的の透水性、分画性に適した抵抗や孔径を有さなければならないことは言うまでもない。例えば、本願においては、被処理液接触面の分画が、膜の分画として有効に寄与するためには、分離を支配する細孔(分離活性層)は被処理液接触面近傍に存在することが望ましい。
また、膜の構造は逆洗浄での洗浄性にも影響することが考えられる。すなわち、膜の被処理液接触面の反対側(透過側)から加圧流入させた洗浄流体が、被処理液接触面側(供給側)に効果的かつ均一に流通できないような構造は好ましくない。洗浄流体は、水、温水、薬液水などが用いられるが、これらの液体が効率的に透過側から供給側に流通していくには、膜の外表面や膜内部が十分な開孔率や空孔率を持つものであることが望ましい。本発明者の知見では、膜の中間層が比較的疎な構造を持つ傾斜構造膜が最適であり、被処理液面の逆洗効果が高く好ましい。
被処理液と接触する表面構造について、本願では、ポリマー微粒子と該微粒子間を連結するミクロフィブリルからなる構造を有する高分子多孔質膜であって、該高分子多孔質膜の被処理液との接触面に長さ方向に沿って断続した凹部を有し、該凹部の存在比率が10%以上30%以下であり、幅方向の凹部の平均幅が0.05μm以上0.12μm以下であり、長さ方向の凹部の平均長さが0.10μm以上0.50μm以下、より好ましくは0.15μm以上0.40μm以下であることを特徴とする高分子多孔質膜を好ましい実施形態とする。この表面構造は、被処理液中のケーク形成粒子が膜面上に堆積した際においても、膜とケーク層の界面において、配向した凹部、およびそこに存在し膜内部に連通する細孔によりケーク層を透過した流体を安定に膜に供給する機能を有することから好ましい。配向が無く、ランダムに溝が存在する場合はケーク層と膜の間の流路が迷宮的になり透過抵抗が大きくなること、溝部の入り口部がケーク粒子で塞がれる可能性が大きいことなどがある。また、クロスフローを実施する場合は、供給される被処理液の循環流は特定の一方向に流される。この場合、溝の配向方向が供給される流動方向と一致することによって、溝への液流入がスムーズになることも期待される。
また、本発明では、食品加工や製薬産業での使用を主眼においた生体微粒子成分がケーク層を形成する場合の濾過処理の改善を狙っている。この場合、生体成分としておおよそ0.5〜20μm付近のサイズを有する成分(細胞、酵母、微生物)の処理に最適な構造とする必要がある。本願発明者が鋭意検討した結果、膜の凹部(溝部)、凸部(丘部)の存在状態などを特定の構造とすることで最適に適応できることの発見に至った。すなわち、多孔質膜の被処理液との接触面に長さ方向に沿って断続した凹部を有し、該凹部の存在比率が10%以上30%以下であり、幅方向の凹部の平均幅が0.05μm以上0.12μm以下であり、長さ方向の凹部の平均長さが0.10μm以上0.50μm以下とすることにより、生体成分の細孔への目詰まりの抑制、ケーク形成後の膜表面流路の確保を実現できる。
凹部の存在比率が大き過ぎると、ケーク成分が溝に入り込んで流路を閉塞または狭小化してしまうことがある。また、該比率が小さすぎると十分な配向凹部が存在しないことになり、ケーク形成後の膜表面流路が確保できない。より好ましくは、13%以上27%以下である。また、配向分布した凹部において配向方向の平均長さが小さすぎると、溝が形成するケークと膜の間の流通路の入り口が減るため有効な細孔の開孔が少なくなることがある。それと同時に、ケーク成分と膜の接点となる凸部が、パッチ状に多数存在することで、ケーク層と膜の接触を抑制することができる。逆に大きすぎると、凸部も連続的に配向した単調な長い構造をとるために、ケーク成分との接触の抑制が弱まることがある。より好ましくは、幅方向の凹部の平均幅が0.05μm以上0.12μm以下であり、長さ方向の凹部の平均長さが0.15μm以上0.40μm以下である。
さらに、食品加工や製薬分野での膜使用においては、通常は前述のごとく膜の洗浄による再生処理を定期的に実施する。濾過-洗浄のサイクルを繰り返し行い、長期に渡り使用することが膜部材コストや生産性の向上から不可欠となっている。こういった使用においては、洗浄により除去されない付着成分や目詰まり成分により、サイクルを経るごとに膜の透過性能が低下することが避けられない。膜の洗浄において、最も簡便で頻繁に実施されるのは、清浄な水(熱水)または、濾過液を用いた逆洗浄である。逆洗浄は、適当な流路やポンプを装置に組み込むことにより自動運転ができるばかりでなく、薬液での洗浄のように廃水回収や薬剤自体の洗浄除去などの手間が不要であり、定常的に頻繁に行う洗浄としては非常に有効である。
本発明は、逆洗浄による透過性能の高い回復性を実現させるものである。1サイクルにおける回復率は85%以上を有することが望ましい。より好ましくは90%以上であり、さらに2サイクル後の回復率も初期値に対し85%以上を有することが好ましい。これらの回復率は、運転条件(正濾過サイクルの時間など)にも影響されるが、85%以上を保持する運転条件で連続運転を実施することができれば、10サイクル後でも初期の30%程度の濾過能力を発揮でき、この後に薬品洗浄や高圧逆洗浄などの強力洗浄で初期状態付近まで回復させる工程を入れるなどの対応ができる。当然、85%以上の回復率を実現するために、正濾過工程を短くすると、生産効率は低下してしまうため、いかなる膜を使用する場合においても、製造スケールや処理液の特性に応じた運転法や濾過設備規模を最適な設計とすることが必要なことは言うまでもない。通常の食品加工や製薬分野での運転では、1サイクルが1時間以上、逆洗浄の所用時間は、1サイクル時間の10%以内とする運転が達成されることが望まれる。
本研究者は、逆洗浄での回復性を達成するための膜構造の特性を明らかにするために鋭意検討し、多孔質膜の被処理液との接触面に長さ方向に沿って断続した凹部を有し、該凹部の存在比率が10%以上30%以下であり、幅方向の凹部の平均幅が0.05μm以上0.12μm以下であり、長さ方向の凹部の平均長さが0.10μm以上0.50μm以下とした膜が最適であることを見出し、本発明に至った。凹部の存在比率が20%程度までは洗浄回復性がよくなる傾向にあるが、30%を超えると逆に回復性が低下する。これは凹部の増加により、逆洗浄での膜面上のケークの剥離効果が増加する一方、30%超の領域では、ケークの凹部への食い込みが大きくなる、あるいは逆洗浄流が弱まるなど洗浄作用が有効に働かなくなるためと推定する。また、幅方向の凹部の平均幅、長さ方向の凹部の平均長さにおいても、同様の傾向を示し、細く、短い凹部は、効果的な逆洗浄流をケークに当てることができず、剥離効果が少ないためと推定する。また、太く、長い凹部は一部の剥離が起きた際に、その部分に戦場流が逃げてしまい、残存ケークに逆洗流を効果的に当てることができなくなると推定される。
本発明の高分子多孔質膜の製造方法はなんら限定されるものではないが、例えば、中空糸膜の場合には、疎水性高分子、親水性高分子、溶媒、非溶媒を混合溶解し、脱泡したものを製膜溶液として芯液とともに二重管ノズルの環状部、中心部から同時に吐出し、空走部(エアギャップ部)を経て凝固浴中に導いて中空糸膜を形成し(乾湿式紡糸法)、水洗後巻き取り、乾燥する方法が例示される。
製膜溶液に使用される溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略記する)、N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記する)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下DMAcと略記する)、ジメチルスルホキシド(以下DMSOと略記する)、ε−カプロラクタムなど、使用される疎水性高分子、親水性高分子の良溶媒であれば広く使用することが可能であるが、疎水性高分子としてPSf、PESなどのポリスルホン系高分子を使用する場合には、NMP、DMF、DMAcなどが好ましく、NMPが特に好ましい。
また、製膜溶液には高分子の非溶媒を添加することも可能である。使用される非溶媒としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール(以下DEGと略記する)、トリエチレングリコール(以下TEGと略記する)、ポリエチレングリコール(以下PEGと略記する)、グリセリン、水などが例示されるが、疎水性高分子としてPSf、PESなどのポリスルホン系高分子、親水性高分子としてPVPを使用する場合には、DEG、TEG、PEGなどのエーテルポリオールが好ましく、TEGが特に好ましい。なお、本発明においてエーテルポリオールとは、構造中に少なくともひとつのエーテル結合と、ふたつ以上の水酸基を有する物質を意味する。
詳細な機構は不明であるが、これらの溶媒、非溶媒を使用して調製した製膜原液を使用することで、紡糸工程における相分離(凝固)が制御され、本発明の好ましい膜構造を形成するのに有利になると考えられる。相分離の制御には、後述の芯液組成や凝固浴中の液(外部凝固液)の組成、温度なども関与し、これらを最適化することにより所望の細孔径、膜構造を制御することが可能である。
製膜原液における疎水性高分子の濃度は、該原液からの製膜が可能であれば特に制限されないが、10〜35重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。高い透過性を得るには疎水性高分子の濃度は低い方が好ましいが、過度に低いと強度の低下や、分画特性の悪化を招く可能性があるので、10〜25重量%が好ましい。親水性高分子の添加量は、中空糸膜に親水性を付与し、水性流体処理時の非特異吸着を抑制するのに十分な量であれば特に制限されないが、疎水性高分子に対する親水性高分子の比率として10〜30重量%が好ましく、10〜20重量%がより好ましい。親水性高分子の添加量がこれよりも少ないと、膜への親水性付与が不十分となり、膜特性の保持性が低下する可能性がある。また、これよりも多いと、親水性付与効果が飽和してしまうとか、また、製膜原液の相分離(凝固)が過度に進行しやすくなり、本発明の好ましい膜構造を形成するのに不利になる場合がある。
製膜原液中における溶媒/非溶媒の比は、紡糸工程における相分離(凝固)の制御に重要な要因となる。具体的には、溶媒/非溶媒の含有量が重量比で30/70〜70/30であることが好ましく、35/65〜60/40であることがより好ましく、35/65〜55/45であることがさらに好ましい。溶媒の含有量がこれよりも少ないと、凝固が進行しやすくなり、膜構造が緻密化しすぎて透過性が低下してしまうことがある。また、溶媒含有量がこれよりも多いと、相分離の進行が過度に抑制され、大孔径の空孔が生じやすくなり、分画特性や強度の低下を招く可能性がある。
製膜原液は、疎水性高分子、親水性高分子、溶媒、非溶媒を混合、攪拌して溶解することで得られる。この際、適宜温度をかけることで効率的に溶解を行うことができるが、過度の加熱は高分子の分解を招く危険があるので、好ましくは30〜100℃、より好ましくは40〜80℃である。また、溶解された製膜原液は、膜への異物混入や欠点形成の防止のために、フィルター濾過処理や脱泡処理を行うことが好ましい。特に、ノズルスリットから製膜原液を吐出させることにより製膜を行う場合には、スリットへの異物、未溶解成分などが詰まってしまうことが懸念されるため、スリット幅よりも十分に小さい篩サイズのフィルターで濾過することが好ましい。少なくとも、スリット幅に対して30%以下の篩サイズのフィルターで処理しておくことが好ましい。
中空糸膜の製膜時に使用される芯液の組成は、製膜原液に含まれる溶媒および非溶媒と、水との混合液を使用することが好ましい。この際、芯液中に含まれる該溶媒と該非溶媒の比率は、製膜原液の溶媒/非溶媒比率と同一とすることが好ましい。製膜原液に使用されるのと同一の溶媒および非溶媒を、製膜原液中の比率と同一にして混合し、これに水を添加して希釈したものが好ましく用いられる。芯液中の水の含量は、10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%である。水の含有量がこれよりも多いと凝固が進行しやすくなり、膜構造が緻密化しすぎて透過性が低下することがある。また、水含有量がこれよりも少ないと相分離の進行が過度に抑制され、大孔径の空孔が生じやすくなり、分画特性や強度の低下を招く可能性がある。
外部凝固液の組成は、製膜原液に含まれる溶媒および非溶媒と、水との混合液を使用することが好ましい。この際、芯液中に含まれる該溶媒と該非溶媒の比率は、製膜原液の溶媒/非溶媒比率と同一であることが好ましい。製膜原液に使用されるのと同一の溶媒および非溶媒を、製膜原液中の比率と同一にして混合し、これに水を添加して希釈したものが好ましく用いられる。外部凝固液中の水の含量は、30〜85重量%、好ましくは40〜80重量%である。水の含有量が多すぎると凝固が進行しやすくなり、膜構造が緻密化しすぎて透過性が低下する可能性がある。また、水含有量が少なすぎると相分離の進行が過度に抑制され、大孔径の空孔が生じやすくなり、分画特性や強度の低下を招く可能性がある。また、外部凝固液の温度は、低いと凝固が進行しやすくなり、膜構造が緻密化しすぎて透過性が低下することがある。また、高いと相分離の進行が過度に抑制され、大孔径の空孔が生じやすくなり、分画特性や強度の低下を招く可能性があるので、30〜80℃、より好ましくは40〜70℃である。
本発明において、膜構造を制御する因子のひとつには、製膜原液のノズル吐出温度が挙げられる。ノズルの温度は、低いと凝固が進行しやすくなり、膜構造が緻密化しすぎて透過性が低下することがある。また、高いと相分離の進行が過度に抑制され、大孔径の空孔が生じやすくなり、分画特性や強度の低下を招く可能性があるので、30〜90℃、より好ましくは40〜80℃である。
本発明の高分子多孔質膜を得る製造方法としては、ノズル吐出の直後における被処理液接触面を形成させる際の凝固方法(製膜原液と凝固芯液の接触条件)を制御することで達成される。本発明を実施する好ましい形態である中空糸膜の乾湿式紡糸製造法について例示する。中空糸膜は、凝固芯液とともに二重管ノズルから吐出した製膜原液を、エアギャップ部分を経て外部凝固液を満たした凝固浴中に導いて形成させる。二重管ノズルは、凝固芯液を吐出する中心吐出孔(オリフィス)があり、閾部を挟んで、製膜原液を吐出するリング状スリット孔からなる。これらは通常同心円で形成される。スリット孔から中空状に吐出された製膜原液は、高分子溶液物性によるバラス効果によりノズル吐出直下では中空の内外部に膨らみを形成しながら、吐出エネルギーと自重により落下し真円を形成していく。同時に中心吐出孔からは凝固芯液が吐出されることにより、紡糸方向においてはエアギャップ間、かつノズル平行面においては閾部が形成する空間において、芯液による製膜原液の中空部で円形の接触面を基点とした凝固が起こり、相分離を誘起しながら膜形成が起こる。これらの過程は、ノズル直下での中空糸膜の曇化発生ポイントとして観察することが可能である。
本発明においては、前記のノズル吐出直後の製膜原液と凝固芯液が接触し凝固の起点となる接点と関わると考えられる二重管ノズルにおける閾部、スリット幅と芯液吐出孔(オリフィス)径の関係が、膜の内表面(被処理液接触面)に及ぼす構造的な影響を鋭意検討することにより、本願に開示するような構造のものが製造し得ることを見出した。すなわち、スリット幅(b)/閾部幅(a)が2.0以上となり、閾部外側径(=スリット内径)(B)/芯液吐出孔径(A)が1.5以下のノズルを用いての製造である。これらを上記の範囲に設定することによって、本発明の特徴的な膜構造が得られることを見出し、本発明に至った。上記設計に基づき作製したノズルから吐出された中空糸膜(製膜原液)は、構造形成の詳細な機構は明らかではないが、前述の凝固過程において膜内面に本願に示すような特徴のある繊維軸方向に配向した凹凸構造を形成するものである。b/a値が小さすぎると閾部への製膜原液のバラス効果での膨らみ程度が小さい場所で凝固を開始し、比較的ひずみの小さい状態で内面が形成されることで結果的に凹凸の少ない構造になるものと考えられる。またb/aが5.0より大きくなるような場合では、数十μmから数百μm程度の膜厚の中空糸膜を作製するためのノズルスリットを得るためのノズルを設計する場合、閾部幅がかなり薄くなってしまい、強度、加工精度の面から好ましくない。B/Aが大きすぎる場合は、凝固芯液(バラス効果を持たない)の吐出孔径に対して、製膜原液の内側吐出孔径(スリット内径)との比率が大きいため、凝固芯液、製膜原液双方がある程度伸長された状態後に接触点を持つようになると考えられる。この場合、製膜原液は流動化の整流された状態での凝固を起こし、凝固面は配向はあるものの、凹凸は軽微なものになりやすい。B/Aが、1.05より小さくなると、芯液吐出孔径に対し、非常に薄い閾部を持つノズル加工が必要となり、強度、加工精度の面から好ましくない。
本発明の高分子多孔質膜の製造において、完全に高分子多孔質膜構造が固定される以前に実質的に延伸をかけないことが好ましい。実質的に延伸を掛けないとは、ノズルから吐出された製膜原液に弛みや過度の緊張が生じないように、紡糸工程中のローラー速度をコントロールすることを意味する。吐出線速度/凝固浴第一ローラー速度比(ドラフト比)は0.7〜1.8が好ましい範囲である。前記比が0.7未満では、走行する高分子多孔質膜に弛みが生じ生産性の低下につながることがあるので、ドラフト比は0.8以上がより好ましく、0.9以上がさらに好ましく、0.95以上がよりさらに好ましい。1.8を超える場合には高分子多孔質膜の緻密層が裂けるなど膜構造が破壊されることがある。そのため、ドラフト比は、より好ましくは1.7以下、さらに好ましくは1.6以下、さらにより好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.4以下である。ドラフト比をこの範囲に調整することにより細孔の変形や破壊を防ぐことができ、本来の膜構造保持や分画特性を発現することが可能となる。
製膜速度(紡速)については、欠陥のない膜が得られ、生産性が確保できれば特に制限されないが、好ましくは5〜40m/min、より好ましくは7〜20m/minである。紡速が低すぎると、生産性が低下することがある。紡速が速すぎると製造工程における膜へのテンションなどが過度になりやすくなり、歩留まりの低下などを引き起こしやすくなる。
製膜後、製膜原液中の溶媒、非溶媒の除去のための洗浄工程を経る。高分子多孔質膜の洗浄方法は特に限定されないが、洗浄効果、安全性、簡便性から、温水を満たした洗浄浴内に製膜された膜をそのままオンラインで走行させ、しかる後に巻き取るのが好ましい。この際使用される温水の温度は、室温〜100℃が好ましく、30℃〜90℃がさらに好ましい。洗浄温度が低すぎると洗浄効果が不十分になることがあり、洗浄温度が高すぎると洗浄液として水が使用できないことがある。
製膜後、洗浄を経て得られた膜は、使用中や洗浄操作による膜特性の変化を抑制し、膜特性の保持性・安定性、膜特性の回復性を確保する目的で、加熱処理を施すのが好ましい。この加熱処理を熱水への浸漬処理とすることで、同時に、高分子多孔質膜に残存する溶媒や非溶媒などを洗浄・除去する効果も期待できる。加熱処理に使用される熱水の温度は、60〜100℃、より好ましくは70〜90℃、処理時間は30〜120min、より好ましくは40〜90min、さらに好ましくは50〜80minである。温度がこれよりも低く、処理時間がこれよりも短いと、高分子多孔質膜にかかる熱履歴が不十分となり膜特性の保持性・安定性が低下する可能性があり、また、洗浄効果が不十分となり溶出物が増加する可能性がある。温度がこれよりも高く、処理時間がこれよりも長いと、水が沸騰してしまったり、処理に長時間を要するため生産性が低下することがある。熱水に対する高分子多孔質膜の浴比は、高分子多孔質膜が十分に浸る量の熱水を使用すれば、特に制限されないが、あまり多量の熱水を使用するのは、生産性が低下する可能性がある。
製膜、加熱処理を完了した膜は、乾燥することによって、最終的に完成する。乾燥方法は、風乾、減圧乾燥、熱風乾燥、マイクロ波など通常利用される乾燥方法が広く利用できる。簡便な装置で効率的に大量の高分子多孔質膜を乾燥できる点で、熱風乾燥が好ましく利用され得る。乾燥に先立って、上記の加熱処理を施しておくことで、熱風乾燥による膜特性の変化も抑制することができる。熱風乾燥時の熱風温度は特に制限されないが、好ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜80℃である。これよりも温度が低いと乾燥までに長時間を要し、これよりも温度が高いと熱風生成のためのエネルギーコストが高くなることがある。熱風の温度は、上記の熱水加熱処理の温度よりも低いことが好ましい。
高分子多孔質膜が中空糸膜の場合、その内径は、被処理液体に含まれる成分が、中空部に詰まることなく通液できる内径が最低必要であり、クロスフロー操作が効率的に行える線速を保持する観点から、200μm〜2000μmであることが望ましい。内径が小さすぎると、数十μmサイズの粗大粒子が混入しているような場合に、中空部に粗大成分が目詰まりしてしまう可能性があり、中空内径が大きすぎると、数m/secの線速度を与えるための被処理液の循環速度が大きくなり、液送のエネルギーコストなどが大きくなる。より好ましくは400μm〜1500μm、さらに好ましくは600〜1500μmである。
本発明において、高分子多孔質膜の膜厚は、好ましくは100〜500μm、より好ましくは200〜400μmである。膜厚が薄すぎると、発酵液を濾過する際に1.0〜2.0bar程度の圧力をかけた際に膜が破損する可能性がある。膜厚が厚すぎると、発酵液を濾過する際に十分な濾過流量を得られなくなる可能性がある。
本発明において、高分子多孔質膜の細孔の大きさは、被処理液中の阻止すべき成分(ケーク形成成分となる)、透過すべき成分の組成に応じて選ばれるが、本発明におけるケーク濾過操作を効率的に実施するには、細孔の大きさの指標である分画特性としてデキストラン(分子量200万)の透過率が20%以上(阻止率が80%未満)を有するものであることが好ましい。これより小さな分画を持つような小さい孔径の場合は、本願発明の膜面構造の効果であるケーク層形成後の透水性の向上、分画特性の維持を有効に活かすことができないことがある。すなわち、透水性においては、(1)ケーク層抵抗、(2)ケーク層と膜界面の抵抗に加え、(3)膜抵抗自体も高い抵抗を有することになり、本発明の(2)ケーク層と膜界面の抵抗抑制の効果が相対的に寄与が小さくなり、効果を発揮できない可能性がある。したがって、該デキストランの阻止率は65%以下がより好ましく、50%以下がさらに好ましく、30%以下がさらにより好ましい。分画サイズ特性も同様である。
また、細孔径がかなり大きくなりすぎると、細孔内へのケーク成分の目詰まりを排除しきれなくなるため、細孔径は1μm以下であることが好ましい。このような点から、本発明の膜は、ある程度大きなサイズの細孔を有する大孔径限外濾過膜の領域から1μm未満程度の精密濾過膜の領域までの範囲において効果を発揮するものである。
前記に示すようなケークろ過の目詰まり低減特性の確認としては、所定の生体成分含有懸濁液をクロスフローでろ過した際の溶液の透水性の維持として現れる。前記の(2)ケーク層と膜界面の透過抵抗のみを評価することは、ろ過や目詰まりの挙動が動的な状態で発現することから、その部分だけの透過抵抗を取り出して評価することは難しい。ここでは、前記(1)、(2)、(3)の透水抵抗の合計を定常ケークろ過時の透水性から求め、この値から(3)成分のみを差し引くことにより、(1)+(2)に起因する抵抗を見積もる。ここで(1)は、処理液中の成分(種類、性状、濃度など)、操作条件(クロスフロー線速度、ろ過圧力)にほぼ固有の値となるため、同じ条件でのろ過では、(1)+(2)の抵抗の大小は、主に(2)成分の大小の差であると類推することが可能である。本発明では、このような評価により作用効果の確認をおこなった。この際、ろ過抵抗値は、その成分自体が持つ透水性の逆数として示されることから、ケーク層由来のFLUX値(ケーク濾過層FLUX)として数値比較可能である。処理液の性状、操作条件により抵抗値は左右されるため、同じ処理液、条件での比較により膜の特性を判断できる。本発明では、対照物と比較して、高いケーク濾過層FLUXを発現すれば、効果があると見ることができるが、好ましくは10%以上の向上であり、より好ましくは20%以上の向上である。
本発明の、もうひとつの作用効果として、ケーク濾過実施後の洗浄回復性が高いことがあげられる。洗浄回復性についても、前記のごとくケーク濾過の条件に起因する膜へのケーク成分の目詰まり具合、ケーク層の圧密化具合などが影響し、また洗浄条件によっても左右される。従って作用効果の判断は、同一条件での試験による対照物との比較により検討する。洗浄回復性は、濾過試験実施後に、所定の洗浄を行い、再度濾過試験を行うサイクルを1から2回程度実施し、透過性(FLUX)を測定することで判断できる。本発明では、後述する条件にて洗浄回復性を確認したが、対照と比較して、高い回復率を発現すれば、効果があると判断できるが、好ましくは5%以上であり、より好ましくは10%以上の向上である。また、複数回の濾過、洗浄サイクル後においても回復率の低下が少ないことが好ましい。
以下、本発明の有効性を中空糸膜を分離膜として使用し、酵母含有のワインを被処理液体として使用したものを実施例とし説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例における評価方法は以下の通りである。
1.膜のAFMによる構造観察・解析
サンプルは、ナイフで割腹などを行い、被処理液の接触面(中空糸膜の場合は内面)を露出後、基板上に膜の成形長さ方向が判るように両面テープで固定した。AFM装置は、SII社製SPA300-SPI3800Nシステムを使用した。測定モードはDFMモードとし、大気中で観察を実施した。観察のピクセル設定は512×512ピクセル以上にて実施した。得られたAFM像は、SII社製AFM付属のソフトウエアを使用して解析した。2または3μm四方の観察像を得、二次傾き補正を行い、粒子解析を実施することで行った。像は二値化することで、膜面の凹凸情報を抽出した。画像は、任意の場所で2画像をサンプリングした。二値化は、「大津の自動しきい値選定法」(大津展行「判定および最小二乗法に基づく自動しきい値選定法」電子通信学会論文誌、J63-D(4)、P349(1980))により実施した。この二値化により、しきい値よりの凸部、凹部の情報を以下の手法で解析した。なお、本発明膜の観察結果では凸部は、ほとんどが連続した構造(丘)を有し、凹部が穴の連続体(溝)状態として捉えることができる構造を有していた。
まず、画像解析により、二値化成分の面積割合を凹部の存在率(SR)として算出した。溝の配向性、分布を規定するために、目視で容易に配向を確認できる像においては、像を配向方向(中空糸膜の場合は、長さ方向と一致した)、配向と垂直方向のそれぞれにおいて、0.1μm間隔で水平分割し、各分割線上に存在する二値化成分(凹成分1、凸成分2とする)境界を横切る線分の長さ(L1−1・・・L1−n・・、L2−1・・・L2−n・・)と数(n1、n2)を計測した。この際、0.02μm未満の線分については無視し、前後の凹凸の延長の一部とみなした。これにより、各分割部における平均長L1av、L2av、最大長L1max、L2maxを全ての分割線で求め、2画面分全ての分割線のL1avの平均値を算出し当該サンプルの平均値とした。幅方向の凹部の平均幅は、垂直方向のL1avの平均値から求めた。配向方向の溝の平均長さ、最大長さは、配向方向の全分割線のL1av、L1maxを平均したものとして算出される。これらの値から配向を解析する方向として、配向方向と平行方向に分割した場合は、L1max、L2max共に大きな値を有するものが存在することから判断できる。また、配向方向に対し垂直方向に分割した場合は、L1av、L2avの分割線間のばらつきが比較的少なく、両者の比はSRに近いことが予想される。またL1max、L2maxの値は、配向方向の分割と比較して小さい値となる。
2.ミニモジュールの作製
中空糸膜を約30cmの長さに切断し、両末端をパラフィンフィルムで束ねて中空糸膜束を作製した。この中空糸膜束の両端をパイプ(スリーブ)に挿入し、ウレタンポッティング剤で固めた。端部を切断して、両末端がスリーブで固定された両端開口ミニモジュールを得た。中空糸膜の本数は、内面の表面積が50〜100cm2になるよう適宜設定した。
3.モジュールの作製
中空糸膜を約30cmの長さに切断し、ポリエチレンフィルムで巻いて中空糸膜束とした。この中空糸膜束を円筒型のポリカーボネート製モジュールケースに挿入し、両末端をウレタンポッティング剤で固めた。端部を切断して、両末端が開口したモジュールを得た。中空糸膜の本数は、内面の表面積が約200cm2となるよう適宜設定した。なお、円筒状のモジュールケースは円筒面2箇所にポートを設け、中空糸膜の外面を流体が灌流できるようにし、両末端にはエンドキャップを装着して、中空糸膜の内面を流体が灌流できるようにした。
4.膜面積の計算
モジュールの膜面積は中空糸膜の内面側の径を基準として求めた。次式によってモジュールの膜面積が計算できる。
A=n×π×d×L
ここで、nは中空糸膜の本数、πは円周率、dは中空糸膜の内径[m]、Lはモジュールにおける中空糸膜の有効長[m]である。
5.透水率(純水FLUXと略記する)の測定
モジュールのエンドキャップ2箇所(それぞれ内面流入口、内面流出口と呼称する)に回路を接続し、モジュールへの純水の流入圧とモジュールからの純水の流出圧を測定できるようにした。中空糸膜の内外両面に純水を満たした。内面流入口から純水をモジュールに導入し、内面流出口に接続した回路(圧力測定点よりも下流)を鉗子で封じて流れを止め、モジュールの内面流入口から入った純水を全濾過するようにした。25℃に保温した純水を加圧タンクに入れ、レギュレーターにより圧力を制御しながら、25℃恒温槽で保温したモジュールへ純水を送り、透析液流出口から流出した濾液量をメスシリンダーで測定した。膜間圧力差(TMP)は
TMP=(Pi+Po)/2
とした。ここで、Piはモジュールの内面流入口側圧力、Poはモジュールの内面流出口側圧力である。TMPを4点変化させ濾過流量を測定し、それらの関係の傾きから純水FLUX[L/h/bar]を算出した。このときTMPと濾過流量の相関係数は0.999以上でなくてはならないとした。中空糸膜の純水FLUXは膜面積とモジュールの透水率から算出した。
純水FLUX=純水FLUX(M)/A
ここで純水FLUXは中空糸膜の透水率[L/m2/h/bar]、純水FLUX(M)はモジュールの透水率[L/h/bar]、Aはモジュールの膜面積[m2]である。
6.ワイン透過率(ワインFLUXと略記する)の測定
丹波ワイン社から市販されている酵母入りワイン「丹波新酒にごり2005」を、メルシャン社から市販されている「ワインライフ[白]」で希釈し、濁度が20NTUになるよう調整した(以下評価用ワインと呼称する)。含有される酵母の大きさは、顕微鏡で計測した。計測値は、3〜8μmであった。モジュールはRO水に1時間以上浸漬した後、評価用ワインで置換し、内外両面に評価用ワインを満たした。容器内に評価用ワインを満たし、22℃になるよう温度を制御した。この容器からポンプを介して評価用ワインがモジュールの内面を灌流して容器に戻ると同時に、中空糸膜によって濾過された評価用ワインも容器に戻るよう回路を組んだ。その際、モジュールへの評価用ワインの流入圧とモジュールからの評価用ワインの流出圧を測定できるようにした。中空糸膜の内腔を、評価用ワインが1.5m/secの流速で流れるように、内面流入口から評価用ワインを導入した。この際、TMPは約1.5barになるよう調整した。この状態で、中空糸膜内腔に評価用ワインを灌流、一部を濾過するクロスフロー濾過を継続して実施した。所定の時間が経過した時点で、一定時間に濾過されるワインの量を測定した(例えば灌流開始後10〜11minの時点における濾過量、20〜21minの時点における濾過量)。ワインFLUXを次式により算出した。
ワインFLUX[L/m2/h/bar]
=(1分あたりのワイン濾過量[L/min]×60/A)/TMP[bar]
ただし、Aはモジュールの膜面積[m2]である。
7.洗浄回復性の測定
上記のワイン透過率測定(1stラン)を120分実施したサンプルについて、その後中空糸膜の外側から60℃のRO水を2barの圧力で10分間に渡って逆濾過を実施した。この後、再度ワイン透過率の測定(2ndラン)を120分間行った。この後再度、同様の逆洗浄を行った後、三度目のワイン透過率の測定(3rdラン)を行った。それぞれのワインFLUX測定の開始120分後の値の1stランの値に対する比率を算出した。
8.ワイン成分の測定
上記のワインFLUX透過率試験において、処理原液と透過液のワイン中の成分をGPC法にて比較した。チャートの目視比較を実施し、測定誤差範囲を超える明瞭な成分の欠損が見られた場合は、不適と判断した。カラム:Shodex OHpack B−800、B−804を直列使用した。移動相:純水1ml/min。検出:UV280nm、RIにて実施した。単分散デキストランにて検量線を作製した。保持時間8分:分子量200万、10分:分子量50万、13.8分:7万、15.5分:4万、16.5分:0.53万と見積もられた。また、グルコースは18分、エタノールは22分に検出された。
9.デキストラン透過率の測定
ミニモジュールを用いて、1%のデキストラン水溶液(DEXTRAN2000、Amersham
Biosciences社製 17-0330-01)を循環線速0.5m/sec、濾過圧0.5barの条件で内圧濾過を実施した。供給液と透過液をサンプリングし、GPC(カラム;TSKgel α-M 東ソー社製)を用いて、分子量200万相当の保持時間でのクロマトグラムの強度を比較し、除去率%=(1−ろ液強度/原液強度)×100として算出した。
10.ケーク濾過層FLUX見積もり
ケーク濾過となっている状態での、ケーク濾過層のFLUXを下記式で見積もった。
1 /〔(1/ワインFLUX(120分))−(1/純水FLUX)〕
この数値は、FLUXと同じディメンジョンを持ち、ケーク層(膜との界面抵抗も含む)の透水抵抗によるケーク層FLUXを示す。
(実施例1)
ポリエーテルスルホン(PES:住友ケムテック社製スミカエクセル(登録商標)4800P)19.0重量部、BASF社製PVP(コリドン(登録商標)K30)3.0重量部、三菱化学社製NMP35.1重量部、三井化学社製TEG42.9重量部を70℃で3時間にわたって混合、溶解し均一な溶液を得た。さらに、70℃で常圧−700mmHgまで減圧した後、溶媒等が揮発して溶液組成が変化しないようにすぐに系内を密封して2時間放置脱泡を行い、この溶液を製膜原液とした。一方、NMP35.1重量部、TEG42.9重量部、RO水22.0重量部の混合液を調製し、この溶液を芯液とした。二重管ノズル(芯液吐出孔径A=500μm、閾部外側部径B=700μm、スリット外側部径C=1200μm)の環状部から上記製膜原液を、中心部から上記芯液を吐出し、25mmのエアギャップを経て、NMP13.5重量部、TEG16.5重量部、RO水70.0重量部の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は65℃、外部凝固液温度は55℃に設定した。中空糸膜は、50℃の温水洗浄を30秒間実施した後、9.0m/minの紡速で巻取った。製膜原液および芯液の吐出量は、乾燥後の中空糸膜ディメンジョンが所望の大きさになるように調整した。
巻き取った中空糸膜は、1m長の束とし、膜束を垂直方向に直立させて芯液を除去した。さらに、中空糸膜束を80℃のRO水に60min浸漬して加熱処理を行った。その後、60℃で10時間にわたり熱風乾燥を実施し、内径1200μm、膜厚350μmの中空糸膜を得た。上記の方法で中空糸膜内面のAFM観察を行い、画像解析を実施した。像は目視にて明瞭な配向が確認された。所定の解析値を算出した。表1に結果を示す。
上記中空糸膜で作製したモジュールにより、上記の方法で純水FLUX、ワインFLUX、回復性、デキストランの分画特性を測定した。結果は表2に示す。ワインFLUXのろ過液について透過成分の分析を実施した。
(実施例2〜実施例5、および比較例1〜比較例6)
実施例1と同様の製膜原液を用い、ノズルを変更した以外は、実施例1と同様の工程で中空糸膜を作製した。ただし、中空糸膜のディメンジョンは、ノズルサイズに適応可能なサイズで適宜変更して作製した。また、巻き取り中空糸膜束も適宜約50cmから約1m長まで中空糸膜にストレスのかからない長さで調整し巻き取った。表1に使用したノズル形状と作製した中空糸膜を示す。
上記中空糸膜にて作製したモジュールにより、実施例1と同様に純水FLUX、ワインFLUX、回復性、デキストランの分画特性、ワインFLUXのろ過液について透過成分の分析を実施した。測定した。結果は表2に示す。
(実施例6)
ポリエーテルスルホン(PES:住友ケムテック社製スミカエクセル(登録商標)4800P)20.0重量部、BASF社製PVP(コリドン(登録商標)K30)5.0重量部、三菱化学社製NMP33.75重量部、三井化学社製TEG41.25重量部を70℃で4時間にわたって混合、溶解し均一な溶液を得た。さらに、70℃で常圧−700mmHgまで減圧した後、溶媒等が揮発して溶液組成が変化しないようにすぐに系内を密封して4時間放置して脱泡を行い、この溶液を製膜原液とした。一方、NMP35.1重量部、TEG42.9重量部、RO水22.0重量部の混合液を調製し、この溶液を芯液とした。二重管ノズル(芯液吐出孔径A=1300μm、閾部外側部径B=1500μm、スリット外側部径C=2300μm)の環状部から上記製膜原液を、中心部から上記芯液を吐出し、25mmのエアギャップを経て、NMP13.5重量部、TEG16.5重量部、RO水70.0重量部の混合液からなる外部凝固液を満たした凝固浴に導いた。この際、ノズル温度は65℃、外部凝固液温度は55℃に設定した。中空糸膜は、50℃の温水洗浄を30秒間実施した後、8.5m/minの紡速で巻取った。製膜原液および芯液の吐出量は、乾燥後の中空糸膜ディメンジョンが所望の大きさになるように調整した。
巻き取った中空糸膜は、1m長の束とし、膜束を垂直方向に直立させて芯液を除去した。さらに、中空糸膜束を80℃のRO水に60min浸漬して加熱処理を行った。その後、60℃で10時間にわたり熱風乾燥を実施し、内径1200μm、膜厚330μmの中空糸膜を得た。上記の方法で中空糸膜内面のAFM観察を行い、画像解析を実施し所定の解析値を算出した。表1に結果を示す。
上記中空糸膜で作製したモジュールにより、上記の方法で純水FLUX、ワインFLUX、回復性、デキストランの分画特性を測定した。結果は表2に示す。ワインFLUXのろ過液について透過成分の分析を実施した。
(比較例7および8)
市販のPE製精密ろ過膜(比較例7)、市販のPVDF製精密ろ過膜(比較例8)を、用いて上記の評価を実施した。なお、PE膜は内径1350μm、膜厚460μm、PVDF膜は内径1400μm、膜厚390μmであった。
本発明の高分子多孔質膜は、懸濁成分の濾過を行う食品分野や製薬分野をはじめとする産業分野での濾過精製や回収プロセスにおいて、懸濁成分の膜面への堆積(ケーク層)により、濾過特性の低下による生産性や濾過液の品質低下、さらに再使用における膜寿命の低下を防止することができ、産業界に寄与することが大である。

Claims (10)

  1. ポリマー微粒子と該微粒子間を連結するミクロフィブリルからなる構造を有する高分子多孔質膜であって、該高分子多孔質膜の被処理液との接触面に長さ方向に沿って断続した凹部を有し、該凹部の存在比率が10%以上30%以下であり、幅方向の凹部の平均幅が0.05μm以上0.12μm以下であり、長さ方向の凹部の平均長さが0.10μm以上0.50μm以下であることを特徴とする高分子多孔質膜。
  2. 分子量200万のデキストランの阻止率が80%未満であることを特徴とする請求項1に記載の高分子多孔質膜。
  3. 高分子多孔質膜が中空糸膜であって、内径が200μm以上2,000μm以下、膜厚が100μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子多孔質膜。
  4. 内圧濾過によるクロスフロー濾過に用いることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の高分子多孔質膜。
  5. 微生物含有液の処理に用いることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の高分子多孔質膜。
  6. 微生物の個体径が少なくとも長径0.5〜20μmの大きさを有する微生物含有液の処理に用いることを特徴とする請求項5に記載の高分子多孔質膜。
  7. 微生物の発酵液または培養液のケーク濾過に用いることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の高分子多孔質膜。
  8. 高分子多孔質膜が、疎水性高分子と親水性高分子とからなることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の高分子多孔質膜。
  9. 親水性高分子がポリビニルピロリドンであることを特徴とする請求項8に記載の高分子多孔質膜。
  10. 疎水性高分子がポリスルホン系高分子であることを特徴とする請求項8または9に記載の高分子多孔質膜。
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