JPWO2008155987A1 - 研磨用組成物、半導体集積回路表面の研磨方法および半導体集積回路用銅配線の作製方法 - Google Patents

研磨用組成物、半導体集積回路表面の研磨方法および半導体集積回路用銅配線の作製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、銅を配線用金属として用いた半導体集積回路において、高平坦な表面を実現する技術を提供することを目的とする。本発明は、砥粒と、脂肪族カルボン酸と、ピリジンカルボン酸と、酸化剤と、水と、を含有し、pH値が8.2〜12の範囲にある研磨用組成物であって、前記脂肪族カルボン酸が、長鎖炭化水素基部分が炭素数12〜16の飽和脂肪族モノカルボン酸、長鎖炭化水素基部分が炭素数12〜22の不飽和脂肪族モノカルボン酸、および、長鎖炭化水素基部分が炭素数12〜22の不飽和脂肪族ポリカルボン酸、からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする研磨用組成物研磨用組成物を提供する。また、本発明は、配線用の溝を持つ表面に形成された銅膜を、この研磨用組成物を用いて研磨する、半導体集積回路表面の研磨方法、およびこの研磨方法により銅配線を形成する、半導体集積回路用銅配線の作製を提供する。

Description

本発明は、研磨用組成物およびこの研磨用組成物で半導体集積回路表面を研磨する技術に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化へのニーズの高まりに呼応して、半導体素子の細線化、配線の多層化等、種々の微細加工技術が開発されている。
配線の多層化とは、回路を形成した上にリソグラフィー等を用いて新たな回路を形成するものであるが、下層となる回路の表面に凹凸があると、その上にある、新たに回路を形成する表面にも凹凸が現れ、リソグラフィーにおける焦点深度から外れ、設計どおりの配線が形成できなくなることから、近年の半導体集積回路の設計においては、回路を形成した表面を、極めて高い精度で平坦化し、その上の層の表面の平坦性に影響を与えないようにすることが要求されている。
たとえば、回路形成表面の平坦化の際に同時に回路の配線を形成するダマシン法では、半導体集積回路装置の対象表面に配線用の溝パターンを形成し、その溝に配線を形成するためのアルミニウムや金属銅等の比抵抗の低い金属を埋め込むように形成する。金属は、まず、メッキ法やスパッタリング法により表面上に膜として形成され、多くの場合、その膜をChemical Mechanical Polishing(以下、CMPという)技術によって研磨し、配線部以外の金属を除去し、溝に対応した配線を形成する。この際に、あわせて研磨面の平坦化がおこなわれる。上の層の表面の平坦性に影響を与えないようにするためには、この研磨面の平坦性が重要であり、CMP技術は高集積化された半導体集積回路を作るうえで欠かすことのできない重要な技術である。
しかしながら、CMPには、研磨による平坦化に際して、ディッシングと呼ばれる、配線部分を平坦面より低く削り取ってしまう現象や、金属配線の細密化に伴い近接化する複数の配線を絶縁材料などの周辺材料ごと削り取ってしまう、エロージョンと呼ばれる現象等、解決すべき課題が知られている。ディッシングやエロージョンについては、従来多くの解決手段が提案されてきたが、これらは未だ充分に満足のいくものではなかった。
たとえば、特許文献1には、水溶性ポリマーを含有させることにより、また特許文献2には、複素環を有する化合物を含有させることにより、エロージョンを抑制する研磨液の発明が記載されている。さらに、特許文献3にはリン酸エステルを含む研磨液を使用してディッシングやエロージョンを抑制することが記載され、特許文献4には脂肪族カルボン酸とベンゾトリアゾールとを含む研磨液を使用して銅に対する研磨作用を調整することが記載されている。
特開2002−176015号公報 特開2002−12854号公報 特開2005−167231号公報 特開2002−231666号公報
しかし、上記文献には、長鎖の脂肪族カルボン酸とピリジンカルボン酸を使用するという記載はない。
本発明は、上記課題を解決し、銅を配線用金属として用いた場合に精度の高い表面平坦化を実現する技術を提供することを目的とする。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の態様1は、砥粒と、カルボン酸と、酸化剤と、水と、を含有し、pH値が8.2〜12の範囲にある研磨用組成物であって、前記カルボン酸が、脂肪族カルボン酸とピリジンカルボン酸とを含み、前記脂肪族カルボン酸が、長鎖炭化水素基部分が炭素数12〜16の飽和脂肪族モノカルボン酸、長鎖炭化水素基部分が炭素数12〜22の不飽和脂肪族モノカルボン酸、および、長鎖炭化水素基部分が炭素数12〜22の不飽和脂肪族ポリカルボン酸、からなる群より選ばれる少なくとも1種である研磨用組成物を提供する。
本態様の研磨用組成物を用いると、半導体集積回路の製造工程における埋込み金属配線の製造工程のCMPにおいて、被研磨面を平滑に研磨することができる。また、CMP後の被研磨面の洗浄が容易であるので、研磨用組成物の成分が吸着し残留することによる後工程への悪影響を抑制することができる。
本発明の態様2は、態様1の研磨用組成物において、研磨用組成物の全量に対して、前記砥粒を0.01〜8質量%、前記脂肪族カルボン酸を0.02〜0.3質量%、前記ピリジンカルボン酸を0.1〜3質量%、前記酸化剤を0.1〜5質量%、水を90質量%以上含有する研磨用組成物を提供する。この場合、態様1の効果に加えて、ディッシングやエロージョンの少ない、優れて平坦な表面状態を有する半導体集積回路表面を得ることができる。
本発明の態様3は、態様1または2の研磨用組成物において、前記ピリジンカルボン酸が、2−ピリジンカルボン酸である研磨用組成物を提供する。この場合、態様1または2の効果に加えて、銅の研磨速度が特に増大するとともに、研磨パッド上への銅錯体等の付着や残留が効果的に防止される効果が得られる。
本発明の態様4は、態様1、2または3の研磨用組成物において、脂肪族カルボン酸が、ミリスチン酸、リノール酸、オレイン酸、および全炭素数が14〜22のアルケニルコハク酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である研磨用組成物を提供する。この場合、半導体集積回路の製造工程における埋込み金属配線の製造工程のCMPにおいて、態様1、2または3の効果に加えて、被研磨面をより平滑に研磨することができる。
本発明の態様5は、態様1〜4のいずれかの研磨用組成物において、前記酸化剤が、過酸化水素、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化剤である研磨用組成物を提供する。この場合、態様1〜4のいずれかの効果に加えて、銅膜に対して、研磨中の表面の腐食やディッシングを抑制しつつ高い研磨速度が得られる。
本発明の態様6は、態様1〜5のいずれかの研磨用組成物において、砥粒がシリカからなる砥粒である研磨用組成物を提供する。この場合、態様1〜5のいずれかの効果に加えて、銅膜に対してスクラッチが少なく高い研磨速度で研磨することができる。
本発明の態様7は、態様1〜6のいずれかの研磨用組成物において、前記脂肪族カルボン酸が研磨用組成物の全量に対して、0.025〜0.25質量%含有される研磨用組成物を提供する。この場合、態様1〜6のいずれかの効果に加えて、銅膜に対する高い研磨速度、ディッシングの抑制および高平滑な研磨表面性状をともに満たす、良好な研磨特性が得られる。
本発明の態様8は、態様1〜7のいずれかの研磨用組成物において、前記カルボン酸の全量に対する前記脂肪族カルボン酸の割合が2.5〜25質量%である研磨用組成物を提供する。この場合、態様1〜7のいずれかの効果に加えて、銅層の研磨速度を低下させることなく、研磨中に銅層の腐食およびディッシングの発生を抑制することができる。
本発明の態様9は、態様1〜8のいずれかの研磨用組成物において、研磨用組成物の全量に対して、前記砥粒を0.01〜5質量%、前記脂肪族カルボン酸を0.025〜0.25質量%、前記ピリジンカルボン酸を0.1〜3質量%、前記酸化剤を0.1〜3質量%、水を90質量%以上含有する研磨用組成物を提供する。
この場合、態様1〜8のいずれかの効果に加えて、銅を配線用金属として用いた場合に精度の高い表面平坦化を実現できる。それにより、ディッシングやエロージョンの少ない、優れて平坦な表面状態を有する半導体集積回路表面を得ることができる。
本発明の態様10は、態様1〜9のいずれかの研磨用組成物において、水酸化カリウム、アンモニアおよび有機アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基によってそのpH値が8.2〜11の範囲に調整された研磨用組成物を提供する。
本発明の態様11は、配線用の溝を持つ表面に形成された銅膜を、態様1〜10のいずれかの研磨用組成物を用いて研磨する、半導体集積回路表面の研磨方法を提供する。本態様の半導体集積回路表面の研磨方法を用いると、配線用の溝を持つ表面に形成された銅膜を有する被研磨面を高平坦に研磨することができる。
本発明の態様12は、配線用の溝を持つ表面に形成された銅膜を、態様1〜10のいずれかに記載の研磨用組成物を用いて研磨して銅配線を形成する、半導体集積回路用銅配線の作製方法を提供する。本態様の半導体集積回路用銅配線の作製方法を用いると、被研磨面が高平坦に研磨された銅配線を作製することができる。すなわち、ディッシングやエロージョンの少ない、優れて平坦な表面状態を有する半導体集積回路を得ることができるので、半導体集積回路の多層化、細線化にとって極めて有効である。
本発明の研磨用組成物を用いると、銅を配線用金属として用いた場合に精度の高い表面平坦化を実現できる。このため、ディッシングやエロージョンの少ない、優れて平坦な表面状態を有する半導体集積回路を得ることができ、半導体集積回路の多層化、細線化にとって極めて有効である。
図1(a)〜(c)は埋め込み配線形成工程におけるCMP工程前後の半導体集積回路の断面図であり、それぞれ以下の通りである。(a)研磨前の半導体集積回路の断面図、(b)研磨によりディッシングが生じた半導体集積回路の断面図、(c)理想的に研磨された半導体集積回路の研磨後の断面図。
符号の説明
1:Si基板
2:絶縁層
3:バリア層
4:配線金属層
7:ディッシング量
8:銅膜の初期膜厚
9:銅膜の初期段差
本発明にかかる研磨用組成物の作用を、半導体集積回路の配線用の溝を持つ表面の銅膜を研磨する場合について説明する。以下においては、特に好ましい用途である銅配線を有する半導体集積回路装置に適用する場合を中心に説明するが、本発明に係る研磨用組成物は、銅配線研磨用であれば、その他の場合においても使用できるものであることはいうまでもない。また、以下の説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
本発明の研磨用組成物は、砥粒と、カルボン酸と、酸化剤と、水と、を含有し、pH値が8.2〜12の範囲にある研磨用組成物であって、前記カルボン酸は、脂肪族カルボン酸と、ピリジンカルボン酸とを含む。本発明の研磨用組成物は、上記成分以外に他の成分を有していてもよく、特に界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明の研磨用組成物では、脂肪族カルボン酸を含有させることによりディッシング量が抑制される効果が得られる。このような効果が得られる機構は明らかでないが、研磨時に、半導体集積回路銅膜の表面と何らかの化学的作用および物理的作用をおこなって銅膜表面に保護層を形成する表面保護剤として作用していると考えられる。この表面保護層は、銅膜の研磨を完全に阻害するほど強固ではなく、半導体集積回路基板上の銅膜において、研磨パッドの押付け圧が大きい凸部においては研磨が進行し、押付け圧が小さい配線部分の凹部においては研磨が進行しない。それにより高平滑な研磨表面性状が実現されると考えられる。
本発明に係る脂肪族カルボン酸は、飽和または不飽和の長鎖炭化水素基と、1個以上のカルボキシ基を含むカルボン酸から選ばれる下記の脂肪族カルボン酸である。この脂肪族カルボン酸は1〜3個のカルボキシ基を有し、カルボキシ基以外の官能基を含まない脂肪族カルボン酸が好ましい。長鎖炭化水素基に不飽和結合を有さない脂肪族カルボン酸としては、長鎖炭化水素基部分が炭素数12〜16の飽和脂肪族モノカルボン酸が用いられる。長鎖炭化水素基に不飽和結合を有する脂肪族カルボン酸としては、長鎖炭化水素基部分が炭素数12〜22の不飽和脂肪族モノカルボン酸、または長鎖炭化水素基部分が炭素数12〜22の不飽和脂肪族ポリカルボン酸が用いられる。この不飽和脂肪族モノカルボン酸の不飽和結合の数は酸化に対する安定性及び水への溶解性という理由で、1〜4個が好ましく、特に1〜2個が好ましい。この不飽和脂肪族ポリカルボン酸は、酸化に対する安定性及び水への溶解性という理由で、長鎖炭化水素基部分に1〜4個、特に1〜2個、の不飽和結合を有していることが好ましく、カルボキシ基の数は水への溶解性という理由で、2〜3個、特に2個、の脂肪族ポリカルボン酸が好ましい。
前記飽和脂肪族モノカルボン酸としては、ミリスチン酸、パルミチン酸などがあり、ミリスチン酸を好ましく用いることができる。前記不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、ミリストレイン酸、パルミストレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ドコサヘキサエン酸などがあり、オレイン酸、リノール酸を好ましく用いることができる。なお、これら脂肪族モノカルボン酸における長鎖炭化水素基は、側鎖アルキル基を含まないか、それを含む場合は炭素数2以下のアルキル基を1個以上有することが好ましい。また、長鎖炭化水素基部分の炭素数は、カルボキシ基の炭素原子を除いた炭素の数をいう。
前記不飽和脂肪族ポリカルボン酸は、その長鎖炭化水素基が、側鎖アルキル基を含まないか、それを含む場合は炭素数2以下のアルキル基を1個以上有することが好ましく、長鎖炭化水素基における連続した炭素原子の数(主鎖の炭素数)は12以上がより好ましい。不飽和脂肪族ポリカルボン酸のカルボキシ基は、線状炭化水素の片末端または片末端近傍に存在することが好ましく、特に片末端の2個の炭素原子にそれぞれカルボキシ基が結合したジカルボン酸が好ましい。なお、不飽和脂肪族ポリカルボン酸の場合は、長鎖炭化水素基の炭素数は、カルボキシ基が結合している、線状炭化水素の片末端または片末端近傍の同一または異なる炭素原子と、カルボキシ基の炭素原子と、を除いた部分をいう。不飽和脂肪族ポリカルボン酸としては、コハク酸の2位の炭素原子に前記不飽和炭化水素基(アルケニル基)が結合した化合物であるアルケニルコハク酸を用いることが好ましい。アルケニルコハク酸は、鎖状炭化水素の片末端の隣接する2つの炭素原子それぞれにカルボキシ基が結合した化合物であり、例えば、デセニルコハク酸、ドデセニルコハク酸、テトラデセニルコハク酸、ヘキサデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などを好ましく用いることができる。全炭素数が14〜22のアルケニルコハク酸が特に好ましい。
なお、これら脂肪族カルボン酸は2種以上併用できる。
ディッシング量を抑制し、高平滑な研磨表面性状を得るという上述の効果を得るためには、脂肪族カルボン酸の量は本発明の研磨用組成物の全量に対して0.02質量%以上、さらには0.03質量%以上とすることが好ましい。多量に含有させると銅研磨速度が低下するおそれがあるため、脂肪族カルボン酸の含有量は研磨剤組成物の全量に対して0.3質量%以下さらには0.2質量%以下が好ましい。
本発明の研磨用組成物に用いることができるピリジンカルボン酸は、カルボキシ基を1個または2個含んでいることが好ましい。具体的には、以下のピリジンカルボン酸、すなわち2−ピリジンカルボン酸、3−ピリジンカルボン酸、4−ピリジンカルボン酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3,4−ピリジンジカルボン酸、3,5−ピリジンジカルボン酸、を用いることができて、中でも2−ピリジンカルボン酸が好ましい。
本発明の研磨用組成物では、ピリジンカルボン酸を用いることにより、銅の研磨速度が増大するとともに、研磨パッド上への銅錯体等の付着や残留が防止されるという効果が発揮される。なかでも2−ピリジンカルボン酸を用いると、ピリジンのN原子とカルボキシル基による錯体形成反応により、特に銅の研磨速度が増大するとともに、研磨パッド上への銅錯体等の付着や残留が効果的に防止される。ピリジンカルボン酸の量は、研磨用組成物に対して0.1〜3質量%、特に0.2〜2質量%が好ましい。0.1質量%未満の場合は、銅の研磨速度が低下するおそれがある。3質量%超では、銅表面の腐食やディッシングが発生するおそれがある。
また、前記カルボン酸の全量に対する前記脂肪族カルボン酸の割合は2.5〜25質量%、特に5〜20質量%が好ましい。2.5質量%未満では、銅膜表面の保護作用が不十分となるおそれがあり、研磨中に銅層の腐食およびディッシングが発生しやすくなる。また、25質量%超では銅層の研磨速度が低下するおそれがある。
本発明の研磨用組成物を調製する際に、前記脂肪族カルボン酸と前記ピリジンカルボン酸は、塩基性化合物との塩を用いて配合してもよい。塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が好ましい。特に、カリウム塩とアンモニウム塩が好ましい。有機アミンとしては炭素数6以下の低分子量の有機アミンが好ましく、たとえば、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、アルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミンなどがある。
脂肪族カルボン酸の塩としては、たとえば以下のような塩があり、これらの2種以上の混合物も使用できる。
オレイン酸カリウム塩、リノール酸カリウム塩、ミリスチン酸カリウム塩、アルケニルコハク酸カリウム塩、オレイン酸アンモニウム塩、リノール酸アンモニウム塩、ミリスチン酸アンモニウム塩、アルケニルコハク酸アンモニウム塩、オレイン酸有機アミン塩、リノール酸有機アミン塩、ミリスチン酸有機アミン塩、アルケニルコハク酸有機アミン塩、などが挙げられる。
なお、本発明において、脂肪族カルボン酸、ピリジンカルボン酸の質量や質量割合は、脂肪族カルボン酸、ピリジンカルボン酸の塩を用いた場合であっても、カルボン酸に換算した質量や質量割合をいう。すなわち、本発明の研磨用組成物を、カルボン酸を使用して調製しようとカルボン酸塩を調製しようと、カルボン酸としてのモル量が同一であればそれらの質量や質量割合は同一とする。また、本明細書における含有量とは、研磨用組成物全体に対する質量%をいい、研磨をおこなうときに研磨用組成物が希釈されて用いられる場合には、研磨に用いられる濃度に希釈されたときの含有量をいう。
酸化剤としては、熱や光等の外部エネルギーによって酸素−酸素結合が解離しラジカルを生成する酸素−酸素結合を持つ過酸化物が、強い酸化力を示すので好ましい。このような過酸化物系酸化剤の例としては、過酸化水素、過硫酸塩類、ペルオキソ炭酸塩類、ペルオキソ硫酸塩類、ペルオキソリン酸塩類等の無機過酸化物や、過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、過蟻酸、過酢酸等の有機過酸化物などがあげられる。好ましい酸化剤は過酸化水素、過硫酸アンモニウム、または過硫酸カリウムである。これらの酸化剤の中では、アンモニウム塩類、特に過硫酸アンモニウムを用いると、その強い酸化力により、銅膜に対して高い研磨速度が得られるのでより好ましい。次いで好ましい酸化剤は過酸化水素と過硫酸カリウムである。研磨用組成物に対する酸化剤の含有量は0.1質量%以上が望ましく、それ以下では銅の研磨速度が低下するおそれがある。酸化剤の含有量が過剰になると銅表面の腐食やディッシングが発生しやすくなることから、研磨用組成物に対する酸化剤の含有量は5質量%以下、更には3質量%以下が望ましい。ディッシングを抑制しつつ銅膜を高速で研磨するためには、0.1〜5質量%の過硫酸アンモニウム、過酸化水素および過硫酸カリウムから選ばれる少なくとも1種の酸化剤を用いることが好ましい。特に0.1〜3質量%の過硫酸アンモニウムを用いることが好ましい。
本発明の研磨用組成物における主たる液状媒体は水であり、水のみまたは水と水溶性溶媒との混合物からなることが好ましい。水としては、イオン交換し、異物が除去された純水を用いることが好ましい。水溶性溶媒としては、水溶性アルコール、水溶性ポリオール、水溶性エステル、水溶性エーテルなどを使用できる。本発明の研磨用組成物における液状媒体は水のみまたは水を80質量%以上含む水と水溶性有機溶媒との混合溶媒が好ましく、実質的に水のみからなることが最も好ましい。また、本発明の研磨用組成物における液状媒体の割合は90質量%以上、特に95質量%以上からなることが好ましい。この液状媒体の実質的全量は水からなることが好ましく、その場合本発明の研磨用組成物における水の含有量は、90質量%以上、特に95質量%以上であることが好ましい。
前記のように本発明の研磨用組成物の各成分の割合は研磨をおこなうときの組成割合である。研磨に先立ち研磨用濃縮組成物を希釈し、その希釈物を研磨に使用する場合、上記および後述の各成分の割合はこの希釈物における割合である。研磨用濃縮組成物は通常液状媒体(特に水)で希釈され、したがって、その場合液状媒体を除く各成分の相対的割合は希釈の前後で通常は変化しない。
本発明の研磨用組成物のpH値は、8.2〜12である。pH値が8.2より低いと、本発明の研磨用組成物中に含有させた脂肪族カルボン酸が、研磨用組成物中で分離して不均一になるおそれがある。銅を高速に研磨するためには、pH値を8.7以上とすることが好ましい。pH値が12より高いと銅膜の腐蝕が顕著なため好ましくない。銅膜の研磨残りや腐蝕を充分に抑制するためには、pH値を11以下とすることが好ましい。従ってより好ましい本発明の研磨用組成物のpH値は、8.7〜11である。
本発明の研磨用組成物を、上述のpH値に調整するためにはpH調整剤を用いることができる。塩基性側へ調整する場合は、水酸化カリウム、有機アミン、アンモニアを用いることが好ましい。これらのいずれを用いてもよいが、銅と錯イオンを形成する有機アミンやアンモニアを用いると、銅膜に対して大きな研磨速度が得られて好ましい。また、pH調整は、いったん所望のpH値より塩基性側とした後、硝酸、硫酸、リン酸などを添加して酸性側へ調整して所望のpH値に調整してもよい。
本発明の研磨用組成物を調製する一連の工程の中で、pH調整剤を混合する工程の順番は問わないが、あらかじめ塩とすることなく脂肪族カルボン酸などを含有させるときには、液状媒体にpH調整剤を混合して塩基性とした液状媒体(他の成分の一部ないし全部が既に含有されていてもよい)にしておくと、脂肪族カルボン酸などの溶解〜混合が容易になるとともに、分離しにくくなるため好ましい。
本発明の研磨用組成物は、砥粒の配合量が少ない場合にもその効果を発揮し得るが、ある程度量以上の砥粒を配合して用いると、銅を高速に研磨することができる。本発明の研磨用組成物に配合することができる砥粒としては、α−アルミナ、δ−アルミナ、γ−アルミナ、シリカ、セリアなどがあげられる。その中でも、シリカを用いることが好ましい。シリカを用いる場合には、分散性、安定性、研磨力などの点からコロイダルシリカを用いることがより好ましい。
砥粒の平均一次粒子径は、0.005〜0.5μmが好ましい。さらに好ましくは0.01〜0.3μmの範囲である。砥粒の比表面積は30〜300m/gが好ましい。比表面積が30m/g未満であると平均1次粒子径が大きすぎ、比表面積が300m/gを越えると1次粒子径が小さすぎる。砥粒の平均一次粒径が小さすぎないことで充分な研磨速度が得られ、平均一次粒径が大きすぎないことで平滑かつ平坦な研磨面が得られる。本発明の研磨用組成物に対する砥粒の含有量は0.01〜8質量%とすることが好ましい。さらに好ましくは0.03〜5質量%であり、最も好ましくは0.05〜3質量%である。
本発明の研磨方法に用いられる研磨用組成物には、本発明の趣旨に反しない限り、上記の成分の他に界面活性剤、還元剤、粘度調整剤、分散剤、防腐剤等を適宜配合することもできる。
例えば本発明の研磨方法に用いられる研磨用組成物に界面活性剤を含有させると、原理は定かではないが、銅膜表面と化学的、物理的な作用を起こし、銅膜表面を保護する効果が得られる。また、研磨用組成物の分散安定性が向上される効果が得られる。好ましく含有させることができる界面活性剤としてはドデシルベンゼンスルホン酸が例示され、本発明の研磨用組成物に対するその好ましい含有量は0.01〜0.2質量%である。
本発明の研磨用組成物は、研磨用組成物の全量に対して、前記砥粒を0.01〜5質量%、前記脂肪族カルボン酸を0.025〜0.25質量%、前記ピリジンカルボン酸を0.1〜3質量%、前記酸化剤を0.1〜3質量%、水を90質量%以上含有し、水酸化カリウム、アンモニアおよび有機アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基によってそのpH値を8.2〜11の範囲に調整されていることが好ましい。
このようにして構成された研磨用組成物は、銅を配線用金属として用いた場合に精度の高い表面平坦化を実現できる。このため、ディッシングやエロージョンの少ない、平坦性に優れた表面状態を有する半導体集積回路表面を得ることができ、半導体集積回路の多層化、細線化にとって極めて有効である。より具体的には、ダマシン法により銅配線を形成する半導体集積回路装置の製造方法においてディッシングやエロージョンの進行が効果的に抑制されるので、優れて平坦な表面状態を有する半導体集積回路表面を得ることができる。
本発明にかかる研磨用組成物は、研磨剤として、配線用の溝を持つ表面に形成された銅膜を研磨するのに適する。本発明にかかる研磨用組成物にさらにその他の構成成分を加えて研磨剤として使用してもよい。研磨工程に応じて研磨用組成物や研磨機構を変更することを不要とすることができる場合も多い。
この研磨により、ディッシングやエロージョンのない、あるいは少ない、精度の高い表面平坦性を有する銅配線を形成することができ、優れた平坦性を有する半導体集積回路装置を実現できる。
以下に本発明を実施例を用いて説明するが、本発明は以下の記載に限定されない。例1〜8、例13〜18は実施例、例9〜12、例19は比較例である。
例1〜19の各例の研磨用組成物の組成は、表1にまとめた通りである。それぞれの成分の含有量は、混合された研磨用組成物全体に対する質量%で記した。pH調整剤については、あらかじめ同組成の研磨用組成物を別途調合し、所望のpH値とするために必要な含有量を求めておく。pH値は、横河電機社製のpHメーター pH81−11で測定した。
例1〜19の研磨用組成物は、まず、ピリジンカルボン酸である2−ピリジンカルボン酸の所定量をイオン交換水に添加し、次いで、上述のように求められた含有量のpH調整剤である水酸化カリウムを添加し、充分に撹拌した。さらに撹拌しながら、所定量の脂肪族カルボン酸と砥粒であるコロイダルシリカとを添加し、次いで酸化剤である過硫酸アンモニウムを添加して作製した。
脂肪族カルボン酸は、例1〜4では、リノール酸(和光純薬社製)を使用した。例5〜7では、オレイン酸(和光純薬社製)を使用した。例8では、前記リノール酸と前記オレイン酸を併用した。例9ではヘキサン酸(和光純薬社製)、例10ではデカン酸(和光純薬社製)、例11、12ではラウリン酸(和光純薬社製)、例13〜15ではミリスチン酸(シグマアルドリッチ社製)、例16〜18では花王社製のアルケニルコハク酸カリウム塩(商品名:ラテムルASK、長鎖炭化水素基の炭素数が約16と称されている)、をそれぞれ使用した。
砥粒は、平均一次粒子径が0.02μm、砥粒の比表面積が112m/gのコロイダルシリカを含有させた。
研磨用組成物の研磨特性は下記の方法により評価した。
<被研磨物>
被研磨物として、ブランケットウエハとパターン付きウエハとを使用した。
ブランケットウエハとしては、銅研磨速度評価用には、Si基板上に厚さ1500nmの銅膜を湿式メッキで成膜した8インチウェハ(Sematech社製000CUR015)を使用した。タンタル研磨速度評価用には、Si基板上に厚さ300nmのタンタル膜をスパッタ法で成膜した8インチウェハ(ヤマイチ社製)を使用した。
パターン付きウエハとしてはSematech社製8インチウェハ(商品名:854CMP225)を使用した。研磨前のパターン付きウエハの概略断面を図1(a)に示す。このパターン付きウエハは、Si基板1上に形成された埋め込み配線が埋め込まれる凹部と凸部とが形成されたSiOよりなる絶縁膜2上に、スパッタリングにより成膜された厚さ25nmのタンタル膜からなるバリア層3と、さらにその上に、湿式メッキで成膜された所定の膜厚の銅膜からなる配線金属層4とが積層され、配線幅が100μmで孤立した配線パターンが形成されている。絶縁層2の凸部上のタンタル膜からなるバリア層3の表面上の銅膜の膜厚が初期膜厚8であって、絶縁層2の凸部上と凹部上に形成された銅膜の段差が初期段差9である。例1〜19の研磨用組成物の研磨評価に用いたパターン付きウエハは、銅膜の初期膜厚が800nmで初期段差が350nmであった。
<研磨特性の評価>
研磨機としては、APPLIED MATERIALS社製全自動CMP装置 MIRRAを使用した。研磨パッドとしては、2層パッドIC1400のK−groove(ロデールニッタ社製)を使用し、MEC100−PH3.5L(三菱マテリアル社製)を用いてコンディショニングをおこなった。
研磨は、研磨用組成物の供給速度を200cm/分、研磨ヘッドおよび研磨定盤の回転数をそれぞれ117rpm、123rpmとし、研磨圧を1psiすなわち6.89kPaとしておこなった。
ブランケットウエハを用いた銅研磨速度およびタンタル研磨速度の測定は、膜厚計RS−75(KLA−Tencor社製)を使用しておこなった。すなわち、銅およびタンタルのブランケットウエハについて、研磨前の膜厚と1分間研磨した後の膜厚とを測定し、その差からそれぞれ銅研磨速度およびタンタル研磨速度(nm/分)を求めた。また、銅研磨速度をタンタル研磨速度で除して、銅とタンタルの研磨速度比(Cu/Ta比)を求めた。
パターン付きウエハの研磨は、光学式研磨終点検出装置(AMAT社製、MIRRA ISRM Endpoint Detecting System)により反射率の変化をモニターしながらおこなった。被研磨面の反射率は、研磨の進行により銅膜が除去されてタンタル膜が露出し始めると低下し始めて、銅膜がほぼ前面に渡って除去されると一定になる。銅膜を完全に除去するために、反射率の低下が止まった点すなわち研磨終点からさらに30秒間引き続いて研磨をおこなった。研磨終点からさらにおこなう研磨を、以下、オーバー研磨という。後述の表2に記載した総研磨時間とは、オーバー研磨を含めた研磨時間である。研磨の後、配線幅100μmのパターンについて、プロファイラーHRP−100(KLA−Tencor社製)によりタンタル膜面と銅膜面との表面段差すなわちディッシング量を測定して、研磨により銅配線パターン面がタンタル膜面よりえぐられた度合いを評価した。
研磨後のパターン付きウエハの概略断面図を図1(b)および図1(c)に示す。図1(b)では、絶縁膜2の凸部上では、銅膜からなる配線金属層4は完全に研磨されてタンタル膜からなるバリア層3の表面が露出しているが、絶縁膜2の凹部では、絶縁膜2の凸部上のバリア層3表面に対して符号7で示した分だけえぐられて研磨されている。この表面段差の高さをディッシング量7とした。一方、図1(c)は理想的に研磨されたパターン付きウエハの概略断面図であって、このような表面段差を生じることなく、埋め込み配線が形成されている。
実施例の研磨評価結果からわかるように、本発明の研磨用組成物を用いると、ディッシング量を抑制してパターン付きウエハを研磨することができる。また、そのときの銅研磨速度は250nm/分以上と高速で、かつ銅の研磨速度のタンタルの研磨速度に対する比が100以上と充分大きい。すなわち銅層を高速に研磨できて、バリア層であるタンタル膜の研磨が抑制される。銅の研磨速度のタンタルの研磨速度に対する比は、200以上が特に好ましい。例9〜11、例19では、研磨終点を検出した時点で、銅層が溝部の底まで除去されていた。
脂肪族カルボン酸として、長鎖炭化水素基に不飽和結合を有する脂肪族カルボン酸である、不飽和脂肪族モノカルボン酸、アルケニルコハク酸を用いた場合、脂肪族カルボン酸の含有量を0.04〜0.1質量%とすると銅層を高速にかつディッシングを抑えて研磨することができた。また、脂肪族カルボン酸とピリジンカルボン酸の合計に対する、脂肪族カルボン酸の割合を4〜15質量%とすると、ウエハ全面にわたってディッシング量を30nm以下と小さく抑えて、高平坦に研磨できた。なお、ディッシング量は少ないほど好ましいが、350以下が好ましく、200以下がより好ましく、100以下、特に50以下がさらに好ましい。
Figure 2008155987
Figure 2008155987
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2007年6月20日出願の日本特許出願2007−162767に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
優れて平坦な表面状態を有する半導体集積回路を得ることができ、半導体集積回路の多層化、細線化にとって極めて有効である。また、本発明の研磨用組成物を用いると低荷重で、ディッシングやエロージョンの発生を抑制しつつ研磨することができる。

Claims (12)

  1. 砥粒と、カルボン酸と、酸化剤と、水と、を含有し、pH値が8.2〜12の範囲にある研磨用組成物であって、
    前記カルボン酸が、脂肪族カルボン酸とピリジンカルボン酸とを含み、
    前記脂肪族カルボン酸が、長鎖炭化水素基部分が炭素数12〜16の飽和脂肪族モノカルボン酸、長鎖炭化水素基部分が炭素数12〜22の不飽和脂肪族モノカルボン酸、および、長鎖炭化水素基部分が炭素数12〜22の不飽和脂肪族ポリカルボン酸、からなる群より選ばれる少なくとも1種である研磨用組成物。
  2. 研磨用組成物の全量に対して、前記砥粒を0.01〜8質量%、前記脂肪族カルボン酸を0.02〜0.3質量%、前記ピリジンカルボン酸を0.1〜3質量%、前記酸化剤を0.1〜5質量%、水を90質量%以上含有する、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記ピリジンカルボン酸が、2−ピリジンカルボン酸である、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 脂肪族カルボン酸が、ミリスチン酸、リノール酸、オレイン酸、および全炭素数が14〜22のアルケニルコハク酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1、2または3に記載の研磨用組成物。
  5. 前記酸化剤が、過酸化水素、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  6. 砥粒がシリカからなる砥粒である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  7. 前記脂肪族カルボン酸が研磨用組成物の全量に対して、0.025〜0.25質量%含有される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  8. 前記カルボン酸の全量に対する前記脂肪族カルボン酸の割合が2.5〜25質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  9. 研磨用組成物の全量に対して、前記砥粒を0.01〜5質量%、前記脂肪族カルボン酸を0.025〜0.25質量%、前記ピリジンカルボン酸を0.1〜3質量%、前記酸化剤を0.1〜3質量%、水を90質量%以上含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  10. 水酸化カリウム、アンモニアおよび有機アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基によってそのpH値が8.2〜11の範囲に調整された、請求項1〜9のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  11. 配線用の溝を持つ表面に形成された銅膜を、請求項1〜10のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて研磨する、半導体集積回路表面の研磨方法。
  12. 配線用の溝を持つ表面に形成された銅膜を、請求項1〜10のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて研磨して銅配線を形成する、半導体集積回路用銅配線の作製方法。
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