JPWO2008152849A1 - 留置針組立体の製造方法および留置針組立体 - Google Patents

留置針組立体の製造方法および留置針組立体 Download PDF

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Abstract

留置針組立体の製造方法は、先端のみに鋭利な針先を有する内針と、内針の基端部に固定される内針ハブと、内針が挿通される中空の外針と、外針の基端部に固定される外針ハブと、外針ハブに設けられ、内針が挿通可能であり、内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、シール部材に内針を針先と反対側から挿通して挿通状態とする挿通工程と、挿通状態で、少なくとも内針のシール部材から突出した部分の外周面に潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、シール部材に対して内針をその軸方向に少なくとも1回往復動させて、潤滑剤をシール部材の内部に浸透させる往復動工程とを有する。

Description

本発明は、留置針組立体の製造方法およびその方法により製造された留置針組立体に関する。
患者に対し輸液を行う際などには、輸液ラインと接続される留置針を患者の血管に穿刺し、留置してこれを行う。
このような留置針は、中空の外針と、外針の基端に固着された外針ハブと、外針内に挿入され、先端に鋭利な針先を有する内針と、内針の基端に固着された内針ハブとで構成されている(例えば、特許文献1参照)。
この留置針を患者の血管に穿刺する際には、内針を外針内に挿入し、内針の針先を外針の先端から突出させた組立状態で穿刺操作を行う。この組立状態では、通常、外針ハブに輸液ラインのコネクタが接続されている。
そして、内針の針先が血管内に到達すると、針先の開口より流入した血液は、内針の内腔を通り、透明な内針ハブの内部に流入する(フラッシュバック)。これにより、内針が血管を確保したことが確認(視認)できる。
このフラッシュバックを確認したら、外針を進め、外針を血管内に挿入する。
次いで、外針を手で把持しつつ、内針を外針から抜き取る。そして、接続された輸液ラインおよび外針を介して輸液剤を投与する。
さて、外針ハブには、シール部材(栓体)が設けられて(固定されて)いる。このシール部材は、内針が挿通可能なスリットを有するものであり、挿通された内針を抜き取った際には、スリットが閉塞する、すなわち、自己閉塞性を有するものである。
このようなシール部材を有する留置針では、内針をシール部材に挿通して組立状態とする際に、通常、シール部材に対して内針の挿通し易い側、すなわち、針先から挿入していた。このとき、シール部材と針先との摩擦が生じて、当該針先が損傷する(刃かけが生じる)おそれがあった。また、針先から挿入するため、当該針先によってスリット(シール部材)が不本意に裂けてしまうおそれがあった。スリットが不本意に裂けると、例えば、スリットの本来の形状が乱される。この場合、組み立てられた状態の留置針組立体において、その使用時に内針をシール部材から抜去する際に、シール部材と針体との間に比較的大きな摩擦が生じて、その抜去操作が行ない難くなるおそれもあった。
国際公開第2006/027923A1号パンフレット
本発明の目的は、内針をシール部材に挿通させて組み立てる際に内針の針先を保護することができ、また、組み立てられた状態の留置針組立体において、その使用時に内針をシール部材から抜去する際の操作性に優れる留置針組立体の製造方法およびこの留置針組立体の製造方法により製造された留置針組立体を提供することにある。
(1) 上記目的を達成するために、本発明は、
先端のみに鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、
前記シール部材に前記内針を前記針先と反対側から挿通して挿通状態とする挿通工程と、
前記挿通状態で、少なくとも前記内針の前記シール部材から突出した部分の外周面に潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、
前記シール部材に対して前記内針をその軸方向に少なくとも1回往復動させて、前記潤滑剤をシール部材の内部に浸透させる往復動工程とを有することを特徴とする留置針組立体の製造方法である。
これにより、内針をシール部材に挿通させて組み立てる際に内針の針先を保護することができ、また、組み立てられた状態の留置針組立体において、その使用時に内針をシール部材から抜去する際の操作性に優れる。
(2) また、上記(1)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記挿通工程では、前記内針をその軸回りに回転させつつ、該内針を前記シール部材に挿通するのが好ましい。
これにより、挿通作業を容易に行なうことができる。
(3) また、上記(1)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記シール部材には、前記内針が挿通するスリットが予め形成されているのが好ましい。
これにより、内針の挿通作業(挿通操作)を容易に行なうことができる。
(4) また、上記(1)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記留置針組立体は、前記外針ハブに装着され、前記シール部材を収納して該シール部材の外周部を圧縮する圧縮部材をさらに有し、
前記挿通工程は、前記シール部材を前記圧縮部材に収納した状態で行なわれるのが好ましい。
これにより、内針がシール部材の中心に向かって圧縮されるので、シール部材のほぼ中心に内針を挿入することができる。
(5) また、上記(1)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記往復動工程における往復動は、前記内針の前記シール部材の一方の端面に対応する部位が、他方の端面を超えるような距離移動するのが好ましい。
これにより、シール部材の内部の長手方向の全体に渡って、潤滑剤を確実に供給することができ、よって、内針とシール部材との摩擦抵抗をより確実に低減することができる。
(6) また、上記(1)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記往復動工程では、前記内針をその軸回りに回転させつつ、該内針を前記シール部材に対して往復動させるのが好ましい。
これにより、往復動操作する際の内針とシール部材との摺動抵抗が低減され、よって、当該往復動操作が容易となる。
(7) また、上記(1)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記挿通工程と前記潤滑剤付与工程との間に、前記挿通状態の前記内針の基端部に前記内針ハブを固定する内針ハブ固定工程を有するのが好ましい。
これにより、挿通状態の内針の基端部に内針ハブを固定することができる。
(8) また、上記(1)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記往復動工程の後、前記挿通状態の前記シール部材を前記外針ハブに対して固定する外針ハブ固定工程を有するのが好ましい。
これにより、挿通状態のシール部材を外針ハブに対して固定することができる。
また、上記(1)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記潤滑剤付与工程では、液状の前記潤滑剤中に、前記挿通状態の前記内針と前記シール部材とを浸漬して行なうのが好ましい。
これにより、内針のシール部材から突出した部分の外周面に潤滑剤を容易かつ確実に付着させる(供給する)ことができる。
また、上記(1)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記往復動工程は、前記挿通状態の前記内針と前記シール部材とを前記潤滑剤中から引き上げてから行なわれるのが好ましい。
これにより、往復動操作を容易に行なうことができる。
また、上記(1)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記内針には、前記移動距離を把握するためのマーカが付されているのが好ましい。
これにより、シール部材の内部の長手方向の全体に渡って、潤滑剤を確実に供給することができ、よって、内針とシール部材との摩擦抵抗をより確実に低減することができる。
また、上記(1)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記潤滑剤は、主としてシリコーンで構成されているのが好ましい。
これにより、例えば内針の表面等にシリコーンが長時間残るため、内針とシール部材との間の摩擦を低減する効果が持続される。
(9) 上記目的を達成するために、本発明は、
上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする留置針組立体である。
これにより、内針をシール部材に挿通させて組み立てる際に内針の針先を保護することができ、また、組み立てられた状態の留置針組立体において、その使用時に内針をシール部材から抜去する際の操作性に優れる留置針組立体となる。
(10) 上記目的を達成するために、本発明は、
先端に鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、
前記内針が挿通可能な治具を、前記シール部材に挿通して治具挿通状態とする治具挿通工程と、
前記内針の外周面の少なくとも前記内針と前記シール部材とを組み立てた際に該シール部材に対応する部分に、潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、
前記治具挿通状態の前記治具の内部に前記潤滑剤が付着した前記内針を挿通する内針挿通工程と、
前記内針および前記シール部材に対し、前記治具をその軸方向に沿って移動させて該治具を抜去する治具抜去工程とを有することを特徴とする留置針組立体の製造方法である。
これにより、内針をシール部材に挿通させて組み立てる際に内針の針先を保護することができ、また、組み立てられた状態の留置針組立体において、その使用時に内針をシール部材から抜去する際の操作性に優れる。
(11) また、上記(10)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記潤滑剤は、液状であり、前記潤滑剤付与工程は、浸漬法で行なわれるのが好ましい。
これにより、内針の外周面、特に、組立状態でシール部材に対応する部位の外周面に潤滑剤を容易かつ確実に付着させる(供給する)ことができる。
(12) 上記目的を達成するために、本発明は、
先端に鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、
前記内針が挿通可能な治具を、前記シール部材に挿通して治具挿通状態とする治具挿通工程と、
前記治具の内部に潤滑剤を充填する潤滑剤充填工程と、
前記潤滑剤が充填された前記治具挿通状態の前記治具の内部に前記内針を挿通して、該内針の外周面の少なくとも前記内針と前記シール部材とを組み立てた際に該シール部材に対応する部分に、前記潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、
前記内針および前記シール部材に対し、前記治具をその軸方向に沿って移動させて該治具を抜去する治具抜去工程とを有することを特徴とする留置針組立体の製造方法である。
これにより、内針をシール部材に挿通させて組み立てる際に内針の針先を保護することができ、また、組み立てられた状態の留置針組立体において、その使用時に内針をシール部材から抜去する際の操作性に優れる。
(13) 上記目的を達成するために、本発明は、
先端に鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、
前記内針が挿通可能な治具を、前記シール部材に挿通して治具挿通状態とする治具挿通工程と、
前記治具挿通状態の前記治具の内部に前記内針を挿通する内針挿通工程と、
前記治具の内部の前記内針との隙間に潤滑剤を充填して、前記内針の外周面の少なくとも前記内針と前記シール部材とを組み立てた際に該シール部材に対応する部分に、前記潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、
前記内針および前記シール部材に対し、前記治具をその軸方向に沿って移動させて該治具を抜去する治具抜去工程とを有することを特徴とする留置針組立体の製造方法である。
これにより、内針をシール部材に挿通させて組み立てる際に内針の針先を保護することができ、また、組み立てられた状態の留置針組立体において、その使用時に内針をシール部材から抜去する際の操作性に優れる。
(14) また、上記(12)または(13)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記潤滑剤は、液状であり、前記潤滑剤の充填は、前記液状の潤滑剤が予め充填された注入容器を用いて、該注入容器からの注入により行なわれるのが好ましい。
これにより、内針の外周面、特に、組立状態でシール部材に対応する部位の外周面に潤滑剤を容易かつ確実に付着させる(供給する)ことができる。
(15) また、上記(10)、(12)または(13)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記留置針組立体は、前記外針ハブに装着され、前記シール部材を収納して該シール部材の外周部を圧縮する圧縮部材をさらに有し、
前記治具挿通工程は、前記シール部材を前記圧縮部材に収納した状態で行なわれるのが好ましい。
これにより、圧縮部材からの圧力がシール部材の中心軸に向かうため、当該中心に内針を位置させることができる。
(16) また、上記(10)、(12)または(13)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記治具挿通工程に先立って、前記内針の基端部に前記内針ハブを固定する内針ハブ固定工程を有するのが好ましい。
これにより、内針に内針ハブを固定することができる。
(17) また、上記(10)、(12)または(13)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記治具抜去工程の後、前記シール部材を前記外針ハブに対して固定する外針ハブ固定工程を有するのが好ましい。
これにより、シール部材を外針ハブに対して固定することができる。
(18) また、上記(10)、(12)または(13)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記潤滑剤は、主としてシリコーンで構成されているのが好ましい。
これにより、例えば内針の表面等にシリコーンが長時間残るため、内針とシール部材との間の摩擦を低減する効果が持続される。
また、上記(10)、(12)または(13)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記シール部材は、ブロック状をなすものであり、
前記シール部材には、前記治具挿通状態では前記治具が挿通し、前記内針と組み立てられた状態では該内針が挿通するスリットが予め形成されているのが好ましい。
これにより、治具の挿通作業(挿通操作)を容易に行なうことができる。
また、上記(10)、(12)または(13)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記治具は、その前記シール部材に対して挿入される側の端部に、外径が該挿入される側に向かって漸減する部分を有するのが好ましい。
これにより、治具をシール部に挿入する際(治具挿通工程で)、その挿入作業を容易に行なうことができる。
また、上記(10)、(12)または(13)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記治具は、金属材料で構成されているのが好ましい。
これにより、治具に適度な剛性が得られ、よって、治具挿通工程でのシール部材に対する治具の挿通(挿入)を容易かつ確実に行なうことができる。
また、上記(10)、(12)または(13)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記治具を、前記留置針組立体とは別の前記留置針組立体を製造する際に再利用するのが好ましい。
これにより、留置針組立体を製造するたびごとに、未使用の治具を用意するのを省略することができる。
また、上記(10)、(12)または(13)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記治具挿通工程では、前記治具をその軸回りに回転させつつ、該治具を前記シール部材に挿通するのが好ましい。
これにより、挿通作業をより容易に行なうことができる。
また、上記(10)、(12)または(13)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記治具抜去工程では、前記治具をその軸回りに回転させつつ、抜去するのが好ましい。
これにより、抜去作業をより容易に行なうことができる。
また、上記(10)、(12)または(13)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記治具抜去工程に先立って、前記内針を前記治具に対してその軸方向に少なくとも1回往復動させる往復動工程を有するのが好ましい。
これにより、内針の外周面に対する潤滑剤を比較的広い範囲にわたって均一に付着させることができる。
(19) 上記目的を達成するために、本発明は、
上記(10)ないし(18)のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする留置針組立体である。
これにより、内針をシール部材に挿通させて組み立てる際に内針の針先を保護することができ、また、組み立てられた状態の留置針組立体において、その使用時に内針をシール部材から抜去する際の操作性に優れる留置針組立体となる。
(20) 上記目的を達成するために、本発明は、
先端に鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮するスリットを有し、弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、
前記スリット内に前記内針を前記針先と反対側から挿通して挿通状態とする挿通工程と、
前記挿通状態で前記スリットを開口させるスリット開口工程と、
前記開口したスリット内に潤滑剤を供給して、前記スリットの内面と前記内針の外面の前記スリット内に位置する部分とに前記潤滑剤を付着させる潤滑剤供給工程とを有することを特徴とする留置針組立体の製造方法である。
これにより、内針をシール部材に挿通させて組み立てる際に内針の針先を保護することができ、また、組み立てられた状態の留置針組立体において、その使用時に内針をシール部材から抜去する際の操作性に優れる。
(21) また、上記(20)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記挿通工程では、前記内針をその軸回りに回転させつつ、該内針を前記シール部材に挿通するのが好ましい。
これにより、挿通作業をより容易に行なうことができる。
(22) また、上記(20)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記スリットは、一文字状をなすように形成された部分を有し、
前記スリット開口工程では、前記部分の形成方向またはその方向に対して所定角度傾斜した方向に圧縮するのが好ましい。
これにより、スリットが確実に開口し、その結果、スリットの内面と内針の外周面との間に間隙が生じる。
(23) また、上記(20)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記潤滑剤は、液状であり、
前記潤滑剤供給工程は、浸漬法により行なわれるのが好ましい。
これにより、内針のシール部材から突出した部分はもちろんのこと、スリットの内面と内針の外面のスリット内に位置する部分とにも潤滑剤を確実に付着させることができる。
(24) また、上記(20)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記潤滑剤は、液状であり、
前記潤滑剤供給工程は、前記液状の潤滑剤が予め充填された注入容器を用いて、該注入容器からの注入により行なわれるのが好ましい。
これにより、スリットの内面と内針の外面のスリット内に位置する部分に潤滑剤を確実に付着させることができる。
(25) また、上記(20)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記挿通工程の後、前記挿通状態の前記内針の基端部に前記内針ハブを固定する内針ハブ固定工程を有するのが好ましい。
これにより、内針に内針ハブを固定することができる。
(26) また、上記(20)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記潤滑剤供給工程の後、前記潤滑剤を前記スリット内にさらに浸透させる潤滑剤浸透工程を有するのが好ましい。
これにより、スリット内へ潤滑剤がさらに浸透し、すなわち、スリット内への潤滑剤の浸透が促進される。よって、スリットの長手方向の全体に渡って、潤滑剤を確実に供給することができる。
(27) また、上記(20)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記留置針組立体は、前記外針ハブに装着され、前記シール部材を収納して該シール部材の外周部を圧縮する圧縮部材をさらに有し、
前記潤滑剤供給工程の後、前記挿通状態の前記シール部材を前記圧縮部材に収納するシール部材収納工程を有するのが好ましい。
これにより、圧縮部材からの圧力がシール部材の中心軸に向かうため、当該中心に内針を位置させることができる。
(28) また、上記(20)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記潤滑剤供給工程の後、前記挿通状態の前記シール部材を前記外針ハブに対して固定する外針ハブ固定工程を有するのが好ましい。
これにより、挿通状態のシール部材を外針ハブに対して固定することができる。
また、上記(20)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記内針は、その基端部に外径が基端方向に向かって漸減する部分を有するのが好ましい。
これにより、内針をその基端部からシール部材のスリットに挿通する際、その操作を容易に行うことができる。
また、上記(20)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記スリット開口工程は、前記シール部材を前記スリットが開く方向に圧縮することより行なわれるのが好ましい。
これにより、スリットが確実に開口し、その結果、スリットの内面と内針の外周面との間に間隙が生じる。
また、上記(20)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記潤滑剤は、主としてシリコーンで構成されているのが好ましい。
これにより、例えば内針の表面等にシリコーンが長時間残るため、内針とシール部材との間の摩擦を低減する効果が持続される。
(29) 上記目的を達成するために、本発明は、
上記(20)ないし(28)のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする留置針組立体である。
これにより、内針をシール部材に挿通させて組み立てる際に内針の針先を保護することができ、また、組み立てられた状態の留置針組立体において、その使用時に内針をシール部材から抜去する際の操作性に優れる留置針組立体となる。
(30) 上記目的を達成するために、本発明は、
先端のみに鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、
ナノバブルを含有するナノバブル水中に、前記内針と前記シール部材とを浸漬する浸漬工程と、
前記ナノバブル水中で、前記シール部材に前記内針を前記針先と反対側から挿通して挿通状態とする挿通工程と、
前記挿通状態の前記内針および前記シール部材を前記ナノバブル水中から引き上げる引き上げ工程と、
前記挿通状態で、少なくとも前記内針の前記シール部材から突出した部分の外周面に潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、
前記シール部材に対して前記内針をその軸方向に少なくとも1回往復動させて、前記潤滑剤をシール部材の内部に浸透させる往復動工程とを有することを特徴とする留置針組立体の製造方法である。
これにより、内針をシール部材に挿通させて組み立てる際に内針の針先を保護することができ、また、組み立てられた状態の留置針組立体において、その使用時に内針をシール部材から抜去する際の操作性に優れる。
(31) また、上記(30)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記挿通工程では、前記内針をその軸回りに回転させつつ、該内針を前記シール部材に挿通するのが好ましい。
これにより、挿通作業を容易に行なうことができる。
(32) また、上記(30)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記シール部材は、ブロック状をなすものであり、
前記シール部材には、前記内針が挿通するスリットが予め形成されているのが好ましい。
これにより、内針に対する挿通作業(挿通操作)を容易に行なうことができる。
(33) また、上記(30)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記潤滑剤は、液状であり、
前記潤滑剤付与工程は、浸漬法により行なわれるのが好ましい。
これにより、内針のシール部材から突出した部分の外周面に潤滑剤を容易かつ確実に付着させる(供給する)ことができる。
(34) また、上記(30)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記往復動工程における往復動は、前記内針の前記シール部材の一方の端面に対応する部位が、他方の端面を超えるような距離移動するのが好ましい。
これにより、シール部材の内部の長手方向の全体に渡って、潤滑剤を確実に供給することができ、よって、内針との摩擦抵抗をより確実に低減することができる。
(35) また、上記(30)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記留置針組立体は、前記外針ハブに装着され、前記シール部材を収納して該シール部材の外周部を圧縮する圧縮部材をさらに有し、
前記往復動工程の後、前記挿通状態の前記シール部材を前記圧縮部材に収納するシール部材収納工程を有するのが好ましい。
これにより、圧縮部材からの圧力がシール部材の中心軸に向かうため、当該中心に内針を位置させることができる。
(36) また、上記(30)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記往復動工程の後、前記挿通状態の前記内針の基端部に前記内針ハブを固定する内針ハブ固定工程を有するのが好ましい。
これにより、挿通状態の内針に内針ハブを固定することができる。
(37) また、上記(36)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記内針ハブ固定工程の後、前記挿通状態の前記シール部材を前記外針ハブに対して固定する外針ハブ固定工程を有するのが好ましい。
これにより、挿通状態のシール部材を外針ハブに対して固定することができる。
また、上記(30)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記内針は、その基端部に外径が基端方向に向かって漸減する部分を有するのが好ましい。
これにより、内針をその基端部からシール部材に挿通する際、その操作を容易に行うことができる。
また、上記(30)に記載の留置針組立体の製造方法では、前記潤滑剤は、主としてシリコーンで構成されているのが好ましい。
これにより、例えば内針の表面等にシリコーンが長時間残るため、内針とシール部材との間の摩擦を低減する効果が持続される。
(38) 上記目的を達成するために、本発明は、
上記(30)ないし(37)のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする留置針組立体である。
これにより、内針をシール部材に挿通させて組み立てる際に内針の針先を保護することができ、また、組み立てられた状態の留置針組立体において、その使用時に内針をシール部材から抜去する際の操作性に優れる留置針組立体となる。
図1は、本発明の留置針組立体の実施形態を示す平面図である。 図2は、図1に示す留置針組立体の外針、外針ハブ、内針およびチューブを示す縦断面図である。 図3は、図1中のA−A線断面図である。 図4は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第1実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図5は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第1実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図6は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第1実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図7は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第1実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図8は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第1実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図9は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第1実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図10は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第2実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図11は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第2実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図12は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第2実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図13は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第2実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図14は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第2実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図15は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第2実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図16は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第2実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図17は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第2実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図18は、本発明の留置針組立体を製造する工程(第3実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図19は、本発明の留置針組立体を製造する工程(第3実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。 図20は、本発明の留置針組立体を製造する工程(第4実施形態)を示す図(縦断面図)である。 図21は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第5実施形態)を順に示す図である。 図22は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第5実施形態)を順に示す図である。 図23は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第5実施形態)を順に示す図である。 図24は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第5実施形態)を順に示す図である。 図25は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第5実施形態)を順に示す図である。 図26は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第5実施形態)を順に示す図である。 図27は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第5実施形態)を順に示す図である。 図28は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第5実施形態)を順に示す図である。 図29は、本発明の留置針組立体を製造する工程(第6実施形態)を示す図である。 図30は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第7実施形態)を順に示す図である。 図31は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第7実施形態)を順に示す図である。 図32は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第7実施形態)を順に示す図である。 図33は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第7実施形態)を順に示す図である。 図34は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第7実施形態)を順に示す図である。 図35は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第7実施形態)を順に示す図である。 図36は、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第7実施形態)を順に示す図である。 図37は、図31中のB−B線断面図である。
以下、本発明の留置針組立体の製造方法および留置針組立体を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の留置針組立体の実施形態を示す平面図、図2は、図1に示す留置針組立体の外針、外針ハブ、内針およびチューブを示す縦断面図、図3は、図1中のA−A線断面図、図4〜図9は、それぞれ、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第1実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。なお、以下では、図1、図3〜図6、図8および図9中の右側を「基端」、左側を「先端」とし、また、図2中の上側を「基端」、下側を「先端」として説明を行う。また、図2では、内針ハブを省略して描いている。
図1〜図3に示す留置針組立体1は、中空の外針2と、外針2の基端部に固定された外針ハブ3と、外針ハブ3に装着された圧縮部材30と、圧縮部材30を介して外針ハブ3に設けられたシール部材8と、外針2内に挿通される内針4と、内針4の基端部45に固定された内針ハブ5と、外針ハブ3の基端部(または側方部)に、内腔71が外針2の内腔21と連通するように接続されたチューブ7とを有している。留置針組立体1では、これらの部材を、後述する製造方法により組み立てて製造されるものである。
外針2は、ある程度の可撓性を有するものが好ましく用いられる。外針2の構成材料は、樹脂材料、特に、軟質樹脂材料が好適であり、その具体例としては、例えば、PTFE、ETFE、PFA等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂またはこれらの混合物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルナイロン樹脂、前記オレフィン系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合物等が挙げられる。
このような外針2は、その全部または一部が内部の視認性を有していてもよい。また、外針2の構成材料中には、例えば硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸ビスマス、タングステン酸のようなX線造影剤を配合し、造影機能を持たせることもできる。
外針2の基端部には、例えば、カシメ、融着(熱融着、高周波融着等)、接着剤による接着等の方法により、外針ハブ3が液密に固着(固定)されている。
外針ハブ3は、ほぼ筒状の部材で構成され、その内部31が外針2の内腔21と連通している。
この外針ハブ3の図2中右側の部分(部位)には、一端が外針ハブ3の内部31に開放する流路32が形成されている。この流路32は、ほぼL字状をなし、他端が外針ハブ3の基端に凹没形成された凹部33で開放し、開口321が形成されている。また、凹部33の先端面(底面)には、開口321を囲むようにリング状の凸部(接続部)34が基端方向に突出して形成されている。
この凸部34がチューブ7の先端部の内腔71に挿入され、チューブ7の一端部(先端部)が外針ハブ3に接続されている。これにより、チューブ7を介して、外針2(外針ハブ3)に薬液等の液体を供給することができる。
また、外針ハブ3の図2中左右側方には、一対の翼12a、12bが外針ハブ3と別部品を連結して(組み立てて)または一体的に形成されている。翼12a、12bは、それぞれ可撓性を有し、翼12a、12bの外針ハブ3に対する接合部付近が屈曲または湾曲することにより、開閉可能に構成されている。
外針2および内針4を血管等に一括して穿刺する際には、翼12a、12bを指で摘んで閉じた状態とし、穿刺の操作を行うことができる。また、翼12a、12bを摘まず、親指と中指とで内針ハブ5を摘んで穿刺し、外針2の先端が血管に入ったら、人指し指で後述する指当部6を押圧して外針ハブ3を押し進め、外針2のみを血管内に進めることもできる。外針2を留置する際には、翼12a、12bを開いた状態とし、翼12a、12bを粘着テープ等により皮膚に固定する。
また、外針ハブ3の基端部には、後述するプロテクタ9のプロテクタカバー92の4つの突出部922の各突起923が挿入される4つの孔部(凹部)35が、外針2の軸回りに等角度間隔で形成されている。
外針2には、先端のみに鋭利な針先41を備える内針4が挿通される。留置針組立体1は、内針4を外針2に挿通し、後述する内針ハブ5と外針ハブ3とを当接させた状態(外針2の先端開口22から針先41が突出した状態)、すなわち、図1および図2に示す状態で使用される。以下、この状態を「組立状態」と言う。
内針4の長さは、組立状態としたとき、少なくとも針先41が外針2の先端開口22から突出する程度の長さとされる。
内針4は、中空針であってもよいが、中実針でもよい。内針4を中実針にした場合、その外径を小さくしつつも十分な強度を確保することができる。また、内針4を中実針とすることにより、操作終了後、内針4を廃棄する際に、内針4の内部に血液が残留したり、その血液が流出する危険がなく、安全性が高い。
また、内針4が中空針である場合、当該内針4が血管を穿刺したときに血液が内針4の中空部に流入することにより、血液のフラッシュバックを確認するが、内針4を中実針とすることにより、血液が内針4と外針2との隙間に流入することとなり、血液のフラッシュバックをより早く確認することができる。
なお、内針4は、中空部と中実部との双方を有する構成(例えば、中空針の内腔の一部を充填することにより、先端側を中空とし、基端側を中実とする構成等)とすることもできるが、その全体を一つの部材で構成することにより、内針4のコストの削減を図ることができる。
また、内針4は、その外径が一定のものでもよいが、図示の構成では、その外径が異なる複数(本実施形態では、3つ)の部分を有している。すなわち、内針4は、先端側(先端部)に最も外径の大きい最大外径部4aと、基端側に最も外径の小さい最小外径部4cと、これらの間に最大外径部4aと最小外径部4cとの間の外径の中間外径部4bとを有している。
また、内針4には、最大外径部4aと中間外径部4bとの境界部に外径が連続的に変化する第1の外径変化部42と、中間外径部4bと最小外径部4cとの間に連続的に変化する第2の外径変化部43とが形成されている。
各外径変化部42、43において、内針4の外径は、段階的に変化していてもよいが、連続的に変化すること(テーパ状をなすこと)により、外針2から内針4を抜去する際に、後述するシール部材8のスリット81の先端縁部や、プロテクタ9等に各外径変化部42、43が引っ掛かるのを防止することができ、外針2から内針4を抜去する操作をより円滑かつ確実に行うことができる。
なお、各外径変化部42、43は、それぞれ、内針4を製造する際に形成するようにしてもよく、後述する溝44を形成する際に必然的に形成される段差を利用するようにしてもよい。
また、最大外径部4aは、その外径が外針2の内径とほぼ等しく設定されており、内針4を外針2に挿通した状態で、外針2の内面に密着する。この最大外径部4a(先端部)の外周部には、内針4の長手方向に沿って溝(流路)44が凹没して形成されている。この溝44により、内針4を外針2に挿通した状態で、外針2の先端開口22と外針ハブ3の内部31とが連通する。溝44は、例えば血管に穿刺した際に、血液(体液)の流路として機能する。これにより、血液のフラッシュバックを確実に確認することができる。
このような内針4の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料が挙げられる。
内針4の基端部45には、内針ハブ5が固着(固定)されている。図1に示すように、内針ハブ5は、内針4が挿通し、組立状態で、プロテクタ9が収納(配設)される筒状のプロテクタ収納部(連結部材収納部)51と、プロテクタ収納部51の側方(図1中下側)に設けられ、組立状態で、チューブ7の先端側が収納(配設)されるチューブ収納部52とを有している。
図3に示すように、プロテクタ収納部51の基端には、基端壁511が形成されている。そして、この基端壁511には、凸部(固定部)512が先端方向に突出して形成されており、この凸部512には、内針4の基端部45が挿入される孔513が形成されている。内針4の基端部45は、前記孔513に挿入され、凸部512に固着(固定)されている。
また、プロテクタ9は、組立状態でプロテクタ収納部51内に位置し、プロテクタ収納部51に対して移動し得るようになっている。
また、組立状態では、内針ハブ5のチューブ収納部52にチューブ7が挿通されており、これにより、チューブ7が留置針組立体1の操作に邪魔になるのを防止することができる(図1参照)。
ここで、チューブ収納部52には、溝521が形成されており、チューブ7は、この溝521内に配設されている。この溝521を画成(構成)する部分(部位)は、チューブ7を案内するガイド手段として機能する。このガイド手段、すなわち、溝521を画成する部分は、チューブ7の先端部における中心軸(軸)Oが、内針ハブ5の長手方向(外針2の中心軸O)とほぼ平行となるように案内するものである。
このように、チューブ7は、外針ハブ3の基端部に接続され、組立状態において、外針2の中心軸Oとチューブ7の先端部における中心軸Oとがほぼ平行となるように構成されている。すなわち、チューブ7が外針ハブ3の基端から基端方向に突出している。
また、内針4を外針2から抜去した際、内針ハブ5からチューブ7を取り外す場合、この溝521により(溝521を介して)、チューブ7を容易かつ迅速に取り外すことができる。
内針4の内針ハブ5に対する固定方法は、例えば、嵌合、カシメ、融着、接着剤による接着等の方法、あるいはこれらを併用した方法が挙げられる。また、内針4が中空の場合、例えば、血管に穿刺した際に逆流する血液が内針4の基端から飛び出さないように封止する必要がある。
このような内針ハブ5および前述した外針ハブ3は、それぞれ、好ましくは透明(無色透明)、着色透明または半透明の樹脂で構成され、内部の視認性が確保されている。これにより、外針2が血管を確保した際、前述した内針4の溝44を介して流入する血液のフラッシュバックを目視で確認することができる。また、内針4が中実になっていれば、例えば血管内部の圧力によりフラッシュバックする血液が全て溝44を介して逆流することになるので、より視認性がよい。
外針ハブ3、内針ハブ5および翼12a、12bの構成材料としては、特に限定されず、それぞれ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール等の各種樹脂材料が挙げられる。
チューブ7は、可撓性を有しており、前述したように、その一端が外針ハブ3の基端部に接続されている。チューブ7の他端部(基端部)には、コネクタ72が装着されている(図1参照)。このコネクタ72には、例えば、投与する輸液(薬液)を供給する輸液ラインの端部に装着されたコネクタ、薬液を収納したシリンジの口部(先端部)等が接続される。
なお、チューブ7の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられ、これらの中でも、特にポリブタジエンを用いるのが好ましい。チューブ7の構成材料にポリブタジエンを用いた場合、適度な可撓性、耐薬品性、および薬品の吸着防止性に優れる。
また、留置針組立体1では、外針ハブ3の内部31に圧縮部材30を介して円柱状(ブロック状)のシール部材8が設置されている。このシール部材8には、内針4を挿通可能で、かつ、挿通された内針4を抜去した際に閉塞する、すなわち、シール機能を発揮するスリット81が形成されている。このスリット81は、シール部材8のほぼ中央に、そのシール部材8の長手方向に沿って貫通して形成されている。
スリット81は、その形状が一文字状をなしている。これにより、閉状態のスリット81を容易に開状態とすることができる。よって、内針4がシール部材8(スリット81)を円滑に挿通することができ、すなわち、後述するように内針4をガイドとして外針2を進めるとき、内針4(最小外径部4c)の外面とスリット81の内面との間の摩擦抵抗を低減することができる。このため、留置針組立体1の穿刺操作時の操作性がより向上する。
シール部材8は、組立状態で、スリット81に内針4が挿通され、かつ、挿通された内針4を抜去した際には、スリット81がシール部材8の自らの弾性力(復元力)により閉塞する自己閉塞性を有するものである。これにより、内針4を抜去した際に、外針ハブ3の基端からの液漏れを防止することができるとともに、外針ハブ3内の無菌性を維持することもできる。
また、図2に示すように、組立状態において、スリット81内には、内針4の最小外径部4cが位置するように構成されている。これにより、最小外径部4cの外面とスリット81の内面との接触面積が小さくなり、よって、これらの間の摩擦抵抗を低減することができる。また、シール部材8(スリット81)に癖がつき、そのシール性が低下するのを防止することができる。
このようなシール部材8の構成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)や、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の各種弾性材料が挙げられる。
圧縮部材30は、シール部材8を収納して当該シール部材8の外周部を径方向に均一に圧縮するものである。図2(図4〜図9も同様)に示すように、圧縮部材30は、有底筒状をなすもの(筒体)である。この圧縮部材30は、底部303に設けられた孔301と、底部303の外周に設けられたフランジ(拡径部)302とを有している。
孔301は、底部303のほぼ中央に設けられている。この孔301は、内径が内針4の最大外径部4aの外径より若干大きく設定されており、内針4(最小外径部4cから最大外径部4aまで)が挿通可能となっている。
フランジ302は、底部303の外径が拡径した部位である。
また、圧縮部材30の内径は、シール部材8の外径より小さく設定されている。これにより、圧縮部材30にシール部材8が圧入される(嵌合する)と(以下、この状態を、「圧入状態」という)、シール部材8がその径方向に圧縮される。この圧入状態で、圧縮部材30およびシール部材8が外針ハブ3の内部31に設置される。
図2に示すように、外針ハブ3の内部31には、その内径が変化した段差部311が設けられている。段差部311には、圧縮部材30のフランジ302の先端面が当接する。また、外針ハブ3の内部31に圧縮部材30が嵌合する。このような圧縮部材30の設置状態により、当該圧縮部材30の外針ハブ3に対する位置決めがなされる。
以上のような構成の圧縮部材30により、組立状態で、シール部材8は、スリット81の内面が内針4の外面と確実に密着するとともに、スリット81の内面同士も確実に密着することとなる。これにより、実質的にスリット81(シール部材8)のシール機能が確実に維持され、すなわち、シール機能が低下するのを確実に防止され、よって、スリット81を介して、血液や薬液などの液体が漏れ出すのを確実に防止することができる。また、外針ハブ3内(内部31)の無菌性を維持することもできる。
また、スリット81から内針4を抜去した状態では、シール部材8は、スリット81の内面同士が確実に密着することとなる。これにより、スリット81のシール機能が確実に維持され、よって、スリット81からの液漏れを確実に防止することができる。また、前述した組立状態のときと同様に、外針ハブ3内の無菌性を維持することもできる。
また、前述したようにシール部材8が円柱状をなしていることにより、圧縮部材30が、シール部材8をその周方向に沿って、均等に圧縮することができ、よって、例えば、組立状態で、スリット81の内面と内針4の外面との密着ムラが生じるのを防止することができ、よって、シール部材8のシール機能が確実に維持される。
また、圧縮部材30(筒体)の内径は、シール部材8の外径より1〜30%小さいのが好ましく、9〜15%小さいのがより好ましい。換言すれば、圧縮部材30によるシール部材8の圧縮率は、1〜30%であるのが好ましく、9〜15%であるのがより好ましい。
圧縮部材30の内径が前記下限値未満であると、シール部材8が十分に圧縮されず、シール機能が不十分となる可能性がある。また、圧縮部材30の内径が前記上限値を超えると、シール部材8が過剰に圧縮され、スリット81に内針4を挿入するのが困難となったり、スリット81に挿入された内針4をそこから抜去するのが困難となったりする可能性がある。
圧縮部材30の構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル等の各種樹脂材料、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金のような金属材料が挙げられる。
また、留置針組立体1は、内針4を外針2から抜去した際に、内針4の少なくとも針先41を覆うプロテクタ9を有している。このプロテクタ9は、内針ハブ5のプロテクタ収納部51内に内針4の長手方向に沿って移動可能に収納されている。以下、プロテクタ9について説明する。
プロテクタ9は、外針ハブ3に対して着脱自在に連結されるようになっており、図3に示すように、プロテクタ本体91と、プロテクタ本体91内に設けられたシャッター部材(シャッター手段)94とを有している。
プロテクタ本体91は、プロテクタカバー92と、プロテクタカバー92に挿入された中部材93とを有している。プロテクタカバー92と中部材93とは、相対的に移動し得るように構成されており、その移動が阻止された状態と可能な状態とを採り得るようになっている。
プロテクタカバー92は、管状(筒状)をなすカバー本体部921と、カバー本体部921の先端部に形成され、先端方向に向かって突出する4つの突出部922を有している。これら突出部922の先端側は、外針ハブ3の基端部に挿入される。各突出部922の先端部には、それぞれ、外針ハブ3の基端部に形成された孔部35に挿入され、その孔部35に臨む縁部に引っかかる突起923が形成されている。
図3に示すように、中部材93がプロテクタカバー92に挿入され、中部材93の先端部がプロテクタカバー92の各突出部922の突起923の部分(位置)に位置しているときは、その中部材93により、各突起923の内針4の中心軸(軸)の方向への移動(変位)が阻止され、各突起923と孔部35に臨む各縁部との引っかかり(各突起923が孔部35に臨む各縁部に引っかかった状態)が保持(維持)される。これにより、プロテクタ9と外針ハブ3との連結状態が保持される。
この状態から、内針ハブ5を基端方向へ移動させると、これとともに内針4が移動する。このとき、プロテクタ9は、まだ連結状態が維持されており、その基端方向への移動は行なわれない。さらに、内針ハブ5を基端方向へ移動させると、内針4の最大外径部4aがプロテクタ9の中部材93に係合して、中部材93をプロテクタカバー92に対し基端方向へ移動させることができる。この移動した中部材93の先端部がプロテクタカバー92の各突起923の基端側に至ると、各突起923は、内針4の中心軸の方向へ移動し得るようになる。この状態で、プロテクタカバー92を外針ハブ3に対し基端方向へ移動させると、各突出部922が、内針4の中心軸に接近する方向に変形し(撓み)、各突起923と孔部35に臨む各縁部との引っかかりが外れ、外針ハブ3からプロテクタ9が離脱する。このとき、プロテクタカバー92と中部材93とは、例えば係合等の構造により、中部材93がプロテクタカバー92から脱落(離脱)するのが防止されている。
プロテクタカバー92の構成材料は、特に限定されず、例えば、外針ハブ3および内針ハブ5の構成材料として挙げたものと同様のものを用いることができる。
中部材93は、前記プロテクタカバー92に挿入されており、管状(筒状)をなしている。すなわち、中部材93の中心部には、内針4が挿通される内針通路931が、中部材93の基端から先端まで貫通して形成されている。内針通路931の途中であって、中部材93の先端部には、シャッター部材94が収納されている。このシャッター部材94は、内針4が基端方向に移動して、前述したように内針4の最大外径部4aがプロテクタ9の中部材93に係合した際、針先41が当該シャッター部材94よりも基端側に位置し、針先41の先端方向への内針通路931の通過を阻止するものである。
中部材93の構成材料は、特に限定されず、例えば、外針ハブ3および内針ハブ5の構成材料として挙げたものと同様のものを用いることができる。
このようなプロテクタ9によれば、簡単な操作で、迅速かつ安全に、使用後の内針4の針先41を覆うことができ、また、シャッター部材94の作用により、一旦覆った針先41がプロテクタ9のプロテクタ本体91(中部材93)の先端から突出することもない。このため、内針4等の廃棄処理等に際し、その作業者等が誤って針先41で手指等を刺すという事故が防止され、安全性が高い。
また、留置針組立体1には、プロテクタ9が内針4の針先41を覆ったときに当該プロテクタ9が針先41から脱落するのを防止する脱落防止手段が設けられていてもよい。
また、図3(図1、図6、図7および図9も同様)に示すように、プロテクタ9のプロテクタカバー92に、内針4に対して外針2を先端方向に移動させるために指で押圧する指当部(タブ)6が、突出形成されている(設けられている)。プロテクタカバー92と指当部6とは、一体的に(または連結して)形成されている。また、指当部6は、内針ハブ5のプロテクタ収納部51の先端部に形成された切欠部515を介して、上方向に向かって突出している。ここで、前記「上方向」とは、留置針組立体1を使用する際において、患者(被使用者)の外針2(内針4)が穿刺される部位の近傍の表皮(体表)の向いている方向、すなわち、その表皮側から留置針組立体1側に向かう方向を言う。換言すれば、内針4の針先41に形成されている刃面(図示せず)の向いている方向である。
指当部6は、その基端側に、指を当てる指当面64を有し、内針4に対して外針2を先端方向に移動させる際、外針2の中心軸(軸)Oに対して上方向(上方垂直方向)、すなわち、指当部6の突出する方向(突出方向)(図3中上方向)の力が指当部6に作用し得る形状をなしている。
これにより、穿刺操作において、内針4に対して外針2を先端方向に移動させる際、指で、指当部6をその突出方向(図3中上方向)に持ち上げつつ(持ち上げるようにして)先端方向に押圧することができる。これにより、先端方向に移動する際の外針2の中心軸Oが、指当部6を押圧する前の状態の外針2の中心軸Oに対し、傾斜するのを阻止することができ、外針2を、曲げずに、その中心軸Oに沿って真直ぐ、すなわち、中心軸Oの方向に移動させることができ、これによって、外針2を円滑に移動させる(進める)ことができ、操作性に優れる。
本実施形態では、指当部6は、プロテクタカバー92のカバー本体部921の先端部に形成されており、図3に示すように、板体を屈曲させた形状をなしている。すなわち、指当部6は、カバー本体部921よりも先端側に配置され、基端側に向かって傾斜する傾斜部(傾斜板)61と、カバー本体部921の先端部に固定された根元部63と、傾斜部61と根元部63とを接続する接続部(接続板)62とで構成されている。そして、傾斜部61の基端側の面が、指当面64を構成している。この指当部6の場合は、指当面64(傾斜部61)と接続部62との間に指を挿入し、その指を指当面64に引っ掛けて、指で、指当部6をその突出方向に持ち上げつつ先端方向に押圧することができる。
また、指当部6と外針2の中心軸Oとの位置関係は、特に限定されないが、指当部6は、図1に示すように、平面視で、外針2の中心軸O上に配置されているのが好ましい。これにより、より円滑かつ確実に、外針2をその中心軸Oの方向に移動させることができる。
また、指当部6の指当面64には、指の滑り止め手段として、凹凸(例えば、指当面64の上下方向に沿って並設された複数のリブ)が形成されている。これにより、指当部6を指で押圧して外針2を先端方向に移動させる際、指が滑ってしまうのを防止することができる。
次に、留置針組立体1の使用方法の一例(血管に穿刺する場合)(作用)について、詳細に説明する。
[1] 留置針組立体1を組立状態(図1、図3参照)とし、予めコネクタ72に、輸液ラインの端部に装着されたコネクタを接続し、輸液ラインからの輸液を供給可能とする。
なお、このとき、チューブ7または輸液ライン上の所定箇所を例えばクランプ(流路開閉手段の一例)により挟み、その内腔を閉塞しておく。
[2] 次に、前記クランプ等によるチューブ7または輸液ラインの閉塞を解除し、輸液ラインからの輸液をチューブ7を介して外針ハブ3内に導入する。
外針ハブ3内に導入された輸液は、流路32、外針ハブ3の内部31のシール部材8より先端側の空間を満すとともに、外針2の内腔21に導入され、これにより、外針2の内腔21が輸液によりプライミングされる。このとき、輸液の一部は、外針2の先端開口22より流出する。
[3] 以上のようにしてプライミングが完了したら、チューブ7または輸液ラインをクランプ等により再び閉塞しておき、翼12a、12bを指で摘んで閉じ、この翼12a、12bを把持部(操作部)として、一体化された外針2および内針4を患者の血管(静脈または動脈)に穿刺する。
このように、翼12a、12bを把持して血管への穿刺操作を行うことにより、外針ハブ3を直接把持して穿刺操作を行う場合に比べ、穿刺角度が小さくなり、すなわち、外針2および内針4が血管に対しより平行に近付くようになる。このため、穿刺操作が容易であるとともに、患者の血管への負担も軽減される。
外針2により血管が確保されると、血管の内圧(血圧)により血液が、内針4の溝44を介して外針2の内腔21を基端方向へ逆流するので、視認性を有する外針2、外針ハブ3、内針ハブ5またはチューブ7のうちの少なくとも1箇所において、これを確認することができる。
そして、これを確認した後、さらに、内針4をガイドとし、内針4に沿って、外針2を微小距離先端方向へ進める。
この操作は、人指し指で、指当部6を先端方向に押圧(押圧操作)することにより行なわれる。これにより、外針2、外針ハブ3およびプロテクタ9が一体的に、内針4および内針ハブ5に対して、先端方向に移動する。
また、前記外針2を先端方向へ進める際は、人指し指で、指当部6をその突出方向(図3中上方)に持ち上げつつ(持ち上げるようにして)先端方向に押圧して、外針2を先端方向へ移動させるのが好ましい。これにより、より確実に、外針2の中心軸Oが傾斜するのを防止することができる。
また、このような血管への穿刺に際しては、外針2の内腔21が輸液によりプライミングされているため、誤って血管内に気泡が侵入することが確実に防止され、安全性が極めて高い。
また、チューブ7が外針ハブ3の基端部に接続され、組立状態において、外針2の中心軸Oとチューブ7の先端部における中心軸Oとがほぼ平行となるようになっている。このため、外針2および内針4の穿刺に際して、チューブ7が邪魔にならず、操作性に優れる。
[4] 外針2により血管が確保されたら(外針2が目的位置まで移動したら)、外針2または外針ハブ3を一方の手で固定し、他方の手で内針ハブ5を把持して基端方向へ引っ張る。これにより、内針4が外針2から抜去される動作から、プロテクタ9が外針ハブ3から離脱するまでのすべての各操作(動作)が、順次、連続して行なわれる。すなわち、まずは、内針4が基端方向へ移動し、外針2から抜去される。
[5] さらに、内針4が基端方向へ移動し、針先41がスリット81内を通過すると、自己閉塞性を有するシール部材8は、自らの弾性力によりスリット81を閉塞する。これにより、スリット81を介して液漏れが生じることはなく、また、外針ハブ3内や輸液ラインの無菌性も確保される。
[6] さらに、内針4が基端方向へ移動し、針先41がシャッター部材94の基端側に至ると、内針4の針先41が再び先端方向へ戻るように移動しようとしても、前述したシャッター部材94の作用により、針先41がシャッター部材94に当接し、先端方向へ戻ることはできない。
[7] さらに、内針4が基端方向へ移動し、内針4がプロテクタ9の中部材93に係合すると、当該中部材93がプロテクタカバー92に対して基端方向へ移動し得るようになる。中部材93がプロテクタカバー92に対して基端方向へ移動して、中部材93の先端部がプロテクタカバー92の各突起923の基端側に至ると、前述したように、各突起923は、内針4の中心軸の方向へ移動し得るようになり、これにより、各突起923と孔部35に臨む各縁部との引っかかりが外れる。その後、中部材93とプロテクタカバー92とが一体的に基端方向へ移動し、プロテクタ9が外針ハブ3から分離される(離脱する)。
[8] 次に、内針ハブ5のチューブ収納部52に挿通されたチューブ7を、溝521を介して取り外す。
このようにして外針2から内針4を抜去した後は、内針4および内針ハブ5は不用となるため、廃棄処分に供される。
内針4は、その針先41がプロテクタ9で覆われており、特に、針先41がシャッター部材94を超えてそれより先端側へ移動し、プロテクタ9の先端から突出することがないため、廃棄処理を行う者等が針先41で誤って手指等を刺すという事故が防止される。
[9] 次に、翼12a、12bを開き、粘着テープ等により皮膚に固定するとともに、前記クランプによるチューブ7または輸液ラインの閉塞を解除し、輸液の供給を開始する。
輸液ラインから供給される輸液は、コネクタ72、チューブ7、外針ハブ3および外針2の各内腔を経て、患者の血管内に注入される。
次に、留置針組立体1を製造する方法について、図4〜図9を参照しつつ説明する。
留置針組立体1を製造する方法は、挿通工程(第1工程)と、内針ハブ固定工程(第2工程)と、潤滑剤付与工程(第3工程)と、往復動工程(第4工程)と、チューブ接続工程(第5工程)と、外針ハブ固定工程(第6工程)とを有しており、これらの工程を順に行なう。
<1> 挿通工程
まず、シール部材8、圧縮部材30および内針4を用意する。
シール部材8には、スリット81が予め形成されている。これにより、後述する内針4の挿通作業(挿通操作)を容易に行なうことができる。このシール部材8を圧縮部材30に圧入して(収納して)圧入状態とする(図4参照)。なお、内針4の基端部45は、外径が基端方向に向かって漸減したテーパ状をなしていてもよい。
この内針4を、針先41と反対側、すなわち、基端部45から前記圧入状態のシール部材8のスリット81に挿通する(挿入する)。
さらに、内針4を基端側に押し込むと、基端部45は、シール部材8を超え、圧縮部材30の孔301を通過して、当該孔301から突出する。
また、このとき、スリット81内に内針4の最小外径部4cの所定の位置を配置して、内針4のシール部材8に対する位置決めを行なう。なお、図5に示すように、内針4の最小外径部4cには、位置決めを行なうためのマーカ46が付されていてもよい。これにより、位置決めを容易に行なうことができる。このマーカ46は、例えば、内針4のシール部材8の先端面(一方の端面)に対応する部分に設けることができる。
このように組み立てられたシール部材8、圧縮部材30および内針4の状態を「挿通状態」と言う(図5参照)。
挿通工程では、内針4の針先41がシール部材8(スリット81)に触れて、磨耗するのが確実に防止される。これにより、針先41が損傷する(例えば刃かけが生じる)のを確実に防止することができる、すなわち、針先41を確実に保護することができる。
また、シール部材8に内針4を挿通する際には、当該内針4をその軸回りに回転させつつ、その挿通作業を行なってもよい。これにより、挿通作業をより容易に行なうことができる。
また、前述したように、内針4をシール部材8に挿通する際には、当該シール部材8を圧入状態にして、その作業(挿通作業)を行なう。これにより、内針4がシール部材8の中心に向かって圧縮されるので、スリット81のほぼ中心に内針4を挿入することができる。
<2> 内針ハブ固定工程
次に、プロテクタ9が組み込まれた(収納された)内針ハブ5を用意する。
この内針ハブ5(プロテクタ9)に、挿通状態(図5に示す状態)の内針4を基端部45から挿入する。これにより、内針4の基端部45は、プロテクタ9の内針通路931を通過して、内針ハブ5の凸部512に至る(到達する)。この内針4の基端部45は、孔513に挿入され、凸部512で例えば嵌合、接着、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着)等により固定される。これにより、内針ハブ5と内針4とが組み立てられ、内針4が内針ハブ5に固定される(図6参照)。
<3> 潤滑剤付与工程
次に、液状の潤滑剤(潤滑液)Lで満たされた貯留槽40を用意する。そして、図7に示すように、貯留槽40内に、挿通状態の内針4とシール部材8と圧縮部材30とを浸漬する。これにより、内針4のシール部材8から突出した部分の外周面に潤滑剤Lを容易かつ確実に付着させる(供給する)ことができる。なお、内針4のシール部材8から突出した部分には、シール部材8を介して先端側の部分(先端側突出部471)と、基端側の部分(基端側突出部472)とがある(図7参照)。また、基端側突出部472は、その全体が浸漬される必要はなく、シール部材8の近傍が浸漬されれば十分である。
また、貯留槽40内に内針4を浸漬する際には、貯留槽40内に浸漬されない内針ハブ5を把持することで、その浸漬作業を容易に行なうことができる。このように、内針ハブ5は、内針4を貯留槽40内に浸漬する際に作業者によって把持される把持部として機能する。
また、貯留槽40は、内針4(シール部材8と圧縮部材30とを含む)を浸漬した際に、当該内針4の浸漬させたい部分を確実に収納することができる程度の大きさとなっている。
また、貯留槽40内に供給される潤滑剤Lは、先端側突出部471および基端側突出部472に潤滑剤Lを十分に付着させることできる程度の液量となっている。
また、潤滑剤Lとしては、特に限定されず、例えば、主としてシリコーンで構成されたもの、特に、シリコーンオイルや反応性シリコーン、これらを混合したものを用いることができる。反応性シリコーンとは、熱や放射線等により硬化するシリコーンであり、これを用いることにより、シール部材8のスリット81の内面や内針4の表面にシリコーンが長時間残るため、内針4とシール部材8との間の摩擦を低減する効果が持続される。また、シリコーンオイルと反応性シリコーンとを混合する際の混合比(「シリコーンオイル量」:「反応性シリコーン量」)としては、特に限定されないが、例えば、1:9〜9:1であるのが好ましく、5:5〜8:2であるのがより好ましい。
<4> 往復動工程
次に、挿通状態の内針4とシール部材8と圧縮部材30とを貯留槽40から引き上げる(取り出す)。これにより、後述する往復動操作を容易に行なうことができる。
そして、内針ハブ5を一方の手で把持し、圧縮部材30を他方の手で把持して、図8に示すように、圧縮部材30(シール部材8)に対して内針ハブ5を内針4の軸方向に沿って往復動させる。これに伴い、内針4もその軸方向に沿って往復動する。これにより、内針4の先端側突出部471および基端側突出部472の外周面にそれぞれ付着した潤滑剤Lが、スリット81内に入り込む(浸透する)。このスリット81内に入り込んだ潤滑剤Lにより、前述したように内針4をシール部材8から抜去するとき、内針4とシール部材8(スリット81)との間の摩擦抵抗を確実に低減することができる。
また、往復動操作する際、シール部材8の先端面付近に位置する内針4のマーカ46(図8(a)参照)が、シール部材8の基端面(他方の端面)を超える(図8(b)参照)距離移動する。これにより、スリット81の長手方向の全体に渡って、潤滑剤Lを確実に供給することができ、よって、前記摩擦抵抗をより確実に低減することができる。また、マーカ46は、それを視認することにより、当該マーカ46の移動距離を把握することができる。
また、往復動操作する際、内針4をその軸回りに回転させつつ、その操作を行なうのが好ましい。これにより、往復動操作する際の内針4とシール部材8との摺動抵抗が低減され、よって、当該往復動操作が容易となる。
また、往復動操作における往復回数は、特に限定されないが、例えば、1回以上が好ましく、1〜5回であるのがより好ましい。
<5> チューブ接続工程
一方、コネクタ72が接続されたチューブ7と、外針ハブ3とを用意する。なお、外針ハブ3には、外針2が既に固定されている。
このチューブ7のコネクタ72と反対側の端部を、外針ハブ3の凹部33に挿入して、凸部34と嵌合させる(図9参照)。これにより、チューブ7と外針ハブ3とが接続される。
<6> 外針ハブ固定工程
次に、図9に示すように、内針4とシール部材8との位置関係を維持しつつ、外針ハブ3にその基端側から挿通状態の内針4を、当該外針ハブ3に内針ハブ5が当接するまで挿入する。これにより、内針4が外針2内に収納され、圧縮部材30が外針ハブ3の内部31に嵌合して、当該圧縮部材30を介してシール部材8が外針ハブ3に固定される。
その後、外針ハブ3に接続されているチューブ7を内針ハブ5のチューブ収納部52内に収納する。
以上の工程を経ることにより、留置針組立体1が確実に製造される(組み立てられる)。
また、組み立てられた状態の留置針組立体1では、潤滑剤Lがスリット81や内針4の外面に付着していることにより、外針2が血管を確保した状態で内針4をシール部材8から抜去するとき、内針4とシール部材8との間の摩擦抵抗を確実に低減することができる。これにより、外針2を円滑に移動させることができ、留置針組立体1が穿刺操作時の操作性に優れたものとなる。
また、内針4が前述したような金属材料で構成されている場合には、潤滑剤Lにより、シール部材8に対する内針4の摺動性が向上する、すなわち、シール部材8と内針4との間の摩擦抵抗をより確実に低減することができる。これにより、抜去操作時の操作性に優れる。
また、潤滑剤付与工程が前記挿通工程よりも後に位置しているため、内針ハブ5に対して内針4を固定する際に前述した固定方法により容易に固定することができる。
また、挿通工程では、スリット81が予め形成されたシール部材8を用いたが、これに限定されず、例えば、スリット81が未だ形成されていないシール部材8を用いてもよい。この場合、シール部材8に内針4を挿通する(貫通させる)ことにより、スリット(貫通孔)が形成される。
また、内針4の基端部45は、外径が基端方向に向かって漸減したテーパ状をなしているが、これに限定されず、例えば、丸みを帯びた形状をなしていてもよい。
また、挿通工程は、圧縮部材30に圧入した圧入状態のシール部材8に内針4を挿通しているが、これ限定されず、シール部材8を圧縮部材30に圧入せずにそのままのシール部材8に内針4を挿通してもよい。この場合、シール部材8を圧縮部材30に圧入する作業は、例えば、潤滑剤付与工程の後に行なうことができる。
また、潤滑剤付与工程は、潤滑剤Lに浸漬して当該潤滑剤Lを付着させる方法に限定されず、例えば、スプレーやスポイト等によって潤滑剤Lを塗布して付着させる方法等が挙げられる。
また、往復動工程では、内針4を揺動させつつ往復動を行なってもよい。
<第2実施形態>
図10〜図17は、それぞれ、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第2実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。なお、以下では、図10〜図12、図14〜図17中(図18〜図20も同様)の右側を「基端」、左側を「先端」として説明を行う。
以下、これらの図を参照して本発明の留置針組立体の製造方法および留置針組立体の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、留置針組立体を製造する際の製造工程が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
本実施形態の留置針組立体1の製造方法について、図10〜図17を参照しつつ説明する。
留置針組立体1を製造する方法は、内針ハブ固定工程と、治具挿通工程と、潤滑剤付与工程と、内針挿通工程と、往復動工程と、治具抜去工程と、チューブ接続工程と、外針ハブ固定工程とを有している。
留置針組立体1を製造する工程、特に、治具挿通工程、内針挿通工程および往復動工程では、治具50を用いる。この治具50は、横断面形状が環状の管体で構成されており、その内側(内腔部501内)に内針4が挿通し得る(図15、図16参照)ものである。また、治具50の内周部は、内針4が内腔部501を挿通する際に当該内針4を案内するガイド部として機能する。従って、治具50は、移動する内針4を案内する「ガイド管」と言うこともできる。
治具50は、先端部に外径が先端方向に向かって漸減する先端側テーパ部502と、基端部に径が基端方向に向かって漸減する基端側テーパ部503とを有している。先端側テーパ部502および基端側テーパ部503により、後述するように治具50をシール部材8に挿入する際(治具挿通工程で)、治具50の先端側および基端側のいずれ側からも、その挿入作業を容易に行なうことができる。
また、治具50の内径は、内針4の最大外径部4aの105%以上であり、スリット81の最大開口径以下であるのが好ましい。また、治具50の長さは、シール部材8の長さ(全長)よりも長いのが好ましい。
また、治具50の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料が挙げられる。このような金属材料で治具50が構成されることにより、当該治具50に適度な剛性が得られ、よって、治具挿通工程でのシール部材8に対する治具50の挿通(挿入)を容易かつ確実に行なうことができる。また、治具50は、金属材料以外にもプラスチック材料で構成されていてもよい。
次に、留置針組立体1の製造工程について説明する。
<<A1>> 内針ハブ固定工程
まず、内針4と、プロテクタ9が組み込まれた(収納された)内針ハブ5とを用意する。
図10に示すように、この内針ハブ5(プロテクタ9)に、内針4をその基端側から挿入する。これにより、内針4の基端部45は、プロテクタ9の内針通路931を通過して、内針ハブ5の凸部512に至る(到達する)。この内針4の基端部45は、孔513に挿入され、凸部512で例えば嵌合により固定される。これにより、内針ハブ5と内針4とが組み立てられ、内針4が内針ハブ5に固定される(図3参照)。
なお、内針4の基端部45は、外径が基端方向に向かって漸減したテーパ状をなしていてもよい(図10参照)。
<<A2>> 治具挿通工程
次に、シール部材8、圧縮部材30および治具50を用意する。
シール部材8には、スリット81が予め形成されている。これにより、治具50の挿通作業(挿通操作)を容易に行なうことができる。治具50が未だ挿通していない状態のシール部材8を圧縮部材30に圧入して(収納して)圧入状態とする(図11参照)。
図11に示すように、圧入状態のシール部材8のスリット81に、治具50を基端側テーパ部503から挿通する(挿入する)。この挿通作業は、治具50の基端部に基端側テーパ部503が形成されていることと、シール部材8にスリット81が予め形成されていることとの相乗効果により、その作業をより容易に行なうことができる。
図12に示すように、さらに、治具50を基端側に押し込むと、基端側テーパ部503は、シール部材8を超え、圧縮部材30の孔301を通過して、当該孔301から突出する。なお、治具50の圧縮部材30の両端面からのそれぞれの突出量(突出長さ)は、ほぼ同じとなっているのが好ましい。
このように組み立てられたシール部材8、圧縮部材30および治具50の状態(図12に示す状態)を「治具挿通状態」と言う。
また、シール部材8に治具50を挿通する際には、当該治具50をその軸回りに回転させつつ、その挿通作業を行なってもよい。これにより、挿通作業をより容易に行なうことができる。
また、前述したように、内針4をシール部材8に挿通する際には、当該シール部材8を圧入状態にして、その作業(挿通作業)を行なう。シール部材8を圧縮することにより、その圧力がシール部材8の中心軸に向かうため、当該中心に内針4を位置させることができる。
なお、内針4をシール部材8に挿通した後に当該シール部材8を圧縮させてもよい。
<<A3>> 潤滑剤付与工程
一方、液状の潤滑剤(潤滑液)Lで満たされた貯留槽40を用意する。そして、図13に示すように、貯留槽40内に、内針ハブ5に固定された内針4を浸漬する。このような浸漬法により、内針4の外周面、特に、組立状態でシール部材8に対応する最小外径部4cの外周面に潤滑剤Lを容易かつ確実に付着させる(供給する)ことができる。
また、貯留槽40内に内針4を浸漬する際には、貯留槽40内に浸漬されない内針ハブ5を把持することで、その浸漬作業を容易に行なうことができる。このように、内針ハブ5は、内針4を貯留槽40内に浸漬する際に作業者によって把持される把持部として機能する。
また、貯留槽40は、内針4(シール部材8と圧縮部材30とを含む)を浸漬した際に、当該内針4の浸漬させたい部分を確実に収納することができる程度の大きさとなっている。
また、潤滑剤Lとしては、特に限定されず、例えば、主としてシリコーンで構成されたもの、特に、シリコーンオイルや反応性シリコーン、これらを混合したものを用いることができる。反応性シリコーンとは、熱や放射線により硬化するシリコーンであり、これを用いることにより、シール部材8のスリット81の内面や内針4の表面にシリコーンが長時間残るため、内針4とシール部材8との間の摩擦を低減する効果が持続される。また、シリコーンオイルと反応性シリコーンとを混合する際の混合比(「シリコーンオイル量」:「反応性シリコーン量」)としては、特に限定されないが、例えば、1:9〜9:1であるのが好ましく、2:8〜9:1であるのがより好ましい。
<<A4>> 内針挿通工程
次に、前記治具挿通工程で製造された(組み立てられた)治具挿通状態の治具50(シール部材8および圧縮部材30を含む)と、前記潤滑剤付与工程で製造された潤滑剤Lが付着した内針4とを用意する。
図14に示すように、治具50の基端開口504に、内針4を針先41側から挿入して、当該内針4を治具50に対して貫通させる(図15参照)。そして、組立状態で内針4の最小外径部4cのシール部材8に密着する部分と、シール部材8とが対応するように位置決めする。
組立状態では、内針4がシール部材8に挿通されている(図2参照)。留置針組立体1を組み立てる際に内針4を針先41からシール部材8に直接(じかに)挿入した場合、針先41がシール部材8(スリット81)に触れて、損傷する(例えば刃かけが生じる)おそれがある。
しかしながら、内針挿通工程では、シール部材8に予め挿通された治具50を介して、当該シール部材8に対して内針4を挿入している。これにより、内針4の針先41がシール部材8(スリット81)に触れて、磨耗するのが確実に防止される。よって、針先41が損傷する(例えば刃かけが生じる)のを確実に防止することができる、すなわち、針先41を確実に保護することができる。
<<A5>> 往復動工程
次に、内針ハブ5を一方の手で把持し、圧縮部材30を他方の手で把持して、図15に示すように、圧縮部材30(シール部材8)に対して内針ハブ5を内針4(治具50)の軸方向に沿って往復動させる。これに伴い、治具50を挿通した状態の内針4もその軸方向に沿って往復動する。これにより、内針4の最小外径部4cの外周面に対する潤滑剤Lを比較的広い範囲にわたって付着させることができる。また、潤滑剤Lが均一かつより確実に付着する。このように付着した潤滑剤Lにより、前述したように内針4をシール部材8から抜去するとき、内針4とシール部材8(スリット81)との間の摩擦抵抗を確実に低減することができる。
なお、往復動操作における往復回数は、特に限定されないが、例えば、1回以上が好ましく、1〜5回であるのがより好ましい。
また、往復動操作する際、内針4をその軸回りに回転させつつ、その操作を行なってもよい。
<<A6>> 治具抜去工程
次に、内針4とシール部材8との位置関係を維持しつつ、内針4およびシール部材8に対し、治具50をその軸方向に沿って移動させる、すなわち、先端方向に引張る。これにより、治具50がシール部材8(内針4も同様)から抜去される。このとき、シール部材は、自身の弾性(復元力)により、スリット81が閉じる方向に変化する(図17参照)。これにより、内針4の外周面に付着した潤滑剤Lは、スリット81の内面にも付着する、すなわち、シール部材8の内部にも浸透する。
なお、治具50の抜去作業をする際、治具50をその軸回りに回転させつつ、その作業を行なってもよい。これにより、抜去作業を容易に行なうことができる。
<<A7>> チューブ接続工程
一方、コネクタ72が接続されたチューブ7と、外針ハブ3とを用意する。なお、外針ハブ3には、外針2が既に固定されている。
このチューブ7のコネクタ72と反対側の端部を、外針ハブ3の凹部33に挿入して、凸部34と嵌合させる(図17参照)。これにより、チューブ7と外針ハブ3とが接続される。
<<A8>> 外針ハブ固定工程
図17に示すように、内針4とシール部材8との位置関係を維持しつつ、外針ハブ3にその基端側から、内針ハブ5に固定されている挿通状態の内針4を、当該外針ハブ3に内針ハブ5が当接するまで挿入する。これにより、内針4が外針2内に収納され、圧縮部材30が外針ハブ3の内部31に嵌合して、当該圧縮部材30を介してシール部材8が外針ハブ3に固定される。
その後、外針ハブに接続されているチューブ7を内針ハブ5のチューブ収納部52内に収納する。
以上の工程を経ることにより、留置針組立体1が確実に製造される(組み立てられる)。
また、組立状態の留置針組立体1では、潤滑剤Lがスリット81や内針4の外面に付着していることにより、外針2が血管を確保した状態で内針4をシール部材8から抜去するとき、内針4とシール部材8との間の摩擦抵抗を確実に低減することができる。これにより、外針2を円滑に移動させることができ、留置針組立体1が穿刺操作時の操作性に優れたものとなる。
また、内針4が前述したような金属材料で構成されている場合には、潤滑剤Lにより、シール部材8に対する内針4の摺動性が向上する、すなわち、シール部材8と内針4との間の摩擦抵抗をより確実に低減することができる。これにより、抜去操作時の操作性に優れる。
また、内針挿通工程が潤滑剤付与工程よりも先に位置しているため、内針ハブ5に対して内針4を固定する際に前述した固定方法により容易に固定することができる。
なお、治具50に挿通する際の内針4は、内針ハブ5が予め固定されたものであるが、これに限定されず、例えば、内針4に内針ハブ5が予め固定されておらず、そのままの状態のものであってもよい。内針4に内針ハブ5が予め固定されていない場合、内針ハブ5の固定は、内針4を治具50に挿通した後に、行なうことができる。
また、本発明の留置針組立体1の製造方法では、留置針組立体1を製造するたびごとに、すなわち、ある1つの留置針組立体1とは別の留置針組立体1を製造する際に、治具50を再利用することができる。治具50を再利用するときには、既に使用された(使用済の)治具50に対して洗浄や滅菌処理を施して、あらためて用いるのが好ましい。
治具50が再利用可能であることにより、留置針組立体1を製造するたびごとに、未使用の治具50を用意するのを省略することができる。
また、潤滑剤付与工程では、内針4を潤滑剤Lに浸漬して当該潤滑剤Lを内針4の外周面に付着させる方法(浸漬法)を用いたが、これに限定されず、例えば、スプレーやスポイト等によって潤滑剤Lを塗布して付着させる方法等を用いてもよい。
また、治具挿通工程では、スリット81が予め形成されたシール部材8を用いたが、これに限定されず、例えば、スリット81が未だ形成されていないシール部材8を用いてもよい。この場合、シール部材8に治具50を挿通する(貫通させる)ことにより、スリット(貫通孔)が形成される。
また、治具50の基端部には、外径が基端方向に向かって漸減したテーパ部が形成されているが、これに限定されず、例えば、丸みを帯びた丸み部が形成されていてもよい。
また、治具挿通工程は、圧縮部材30に圧入した圧入状態のシール部材8に内針4を挿通しているが、これ限定されず、シール部材8を圧縮部材30に圧入せずにそのままのシール部材8に治具50を挿通してもよい。
また、治具50は、両端部に外径が漸減したテーパ部を有するものであるが、これに限定されず、一方の端部にのみテーパ部を有するものであってもよい。
また、治具50は、その横断面形状が環状(「O」字状)であるのに限定されず、例えば、「C」字状、「V」字状または「コ」字状であってもよい。
<第3実施形態>
図18および図19は、それぞれ、本発明の留置針組立体を製造する工程(第3実施形態)を順に示す図(縦断面図)である。
以下、これらの図を参照して本発明の留置針組立体の製造方法および留置針組立体の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、留置針組立体を製造する際の製造工程の一部が異なること以外は前記第2実施形態と同様である。
本実施形態では、<<B1>>内針ハブ固定工程、<<B2>>治具挿通工程までが、前記第1実施形態で記載した<<A1>>内針ハブ固定工程、<<A2>>治具挿通工程までの工程と同様である。
<<B3>> 潤滑剤充填工程
本工程では、潤滑剤Lが予め充填されたシリンジ(注入容器)を用意する。
このシリンジ60は、外筒(シリンジ外筒)601と、外筒601内で摺動し得るガスケット604と、ガスケット604を外筒601の長手方向(軸方向)に沿って移動操作する押し子(プランジャロッド)606とを備えている(図18参照)。ガスケット604は、押し子606の先端に連結されている。
外筒601は、有底筒状の部材で構成され、先端側底部の中央部には、外筒601の胴部に対し縮径した口部(縮径部)602が一体的に突出形成されている。この口部602には、針ハブ607を介して針管608が装着されている。
また、外筒601の外周面には、液量を示す目盛りが付されている。
外筒601および押し子606の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられる。なお、外筒601の構成材料は、内部の視認性を確保するために、実質的に透明であるのが好ましい。
ガスケット604の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。
本工程では、前述したようなシリンジ60を用いる。
図18に示すように、治具挿通状態の治具50の内腔部501に、シリンジ60の針管608の先端部を挿入する。この状態で、シリンジ60の押し子606を先端方向に向かって押圧する。これにより、潤滑剤Lが針管608から流出して、治具50の内腔部501に確実に注入される(充填される)。
<<B4>> 潤滑剤付与工程
次に、前記潤滑剤充填工程で製造された、潤滑剤Lが充填された治具挿通状態の治具50(シール部材8および圧縮部材30を含む)と、前記内針ハブ固定工程で製造された(組み立てられた)内針ハブ5が固定された内針4とを用意する。
治具50の基端開口504に内針4を針先41側から挿入して(図19参照)、当該内針4を治具50に対して貫通させる。そして、組立状態で内針4の最小外径部4cのシール部材8に密着する部分と、シール部材8とが対応するように位置決めする。これにより、内針4の外周面、特に、組立状態でシール部材8に対応する最小外径部4cの外周面に潤滑剤Lを容易かつ確実に付着させることができる。
本工程以降の工程は、前記第2実施形態で記載した<<A5>>往復動工程〜<<A8>>外針ハブ固定工程と同様である。
以上の工程を経ることにより、留置針組立体1が確実に製造される(組み立てられる)。
<第4実施形態>
図20は、本発明の留置針組立体を製造する工程(第4実施形態)を示す図(縦断面図)である。
以下、この図を参照して本発明の留置針組立体の製造方法および留置針組立体の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、留置針組立体を製造する際の製造工程の一部が異なること以外は前記第2実施形態と同様である。
本実施形態では、<<C1>>内針ハブ固定工程、<<C2>>治具挿通工程までが、前記第2実施形態で記載した<<A1>>内針ハブ固定工程、<<A2>>治具挿通工程までの工程と同様である。
<<C3>> 内針挿通工程
前記内針ハブ固定工程で組み立てられた、内針ハブ5が固定された内針4と、前記治具挿通工程で組み立てられた、治具挿通状態の治具50とを用意する。
図20に示すように、治具50の基端開口504に内針4を針先41側から挿入して、当該内針4を治具50に対して貫通させる。そして、組立状態で内針4の最小外径部4cのシール部材8に密着する部分と、シール部材8とが対応するように位置決めする。
<<C4>> 潤滑剤付与工程
次に、潤滑剤Lが充填されたシリンジ60を用意し、シリンジ60の針管608の先端部を治具50の内周部と内針4との隙間に挿入する(配置する)。この状態で、シリンジ60の押し子606を押圧する。これにより、潤滑剤Lが針管608から流出して、治具50と内針4との間(内腔部501)に確実に注入される(充填される)。これにより、内針4の外周面、特に、組立状態でシール部材8に対応する最小外径部4cの外周面に潤滑剤Lを容易かつ確実に付着させることができる。
本工程以降の工程は、前記第2実施形態で記載した<<A5>>往復動工程〜<<A8>>外針ハブ固定工程と同様である。
以上の工程を経ることにより、留置針組立体1が確実に製造される(組み立てられる)。
<第5実施形態>
図21〜図28は、それぞれ、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第5実施形態)を順に示す図である。なお、以下では、図21〜図23および図26〜図28中の右側を「基端」、左側を「先端」として説明を行う。
以下、これらの図を参照して本発明の留置針組立体の製造方法および留置針組立体の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、留置針組立体を製造する際の製造工程が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
本実施形態の留置針組立体1の製造方法について、図21〜図28を参照しつつ説明する。
留置針組立体1を製造する方法は、挿通工程(第1工程)と、内針ハブ固定工程(第2工程)と、スリット開口工程(第3工程)と、潤滑剤供給工程(第4工程)と、潤滑剤浸透工程(第5工程)と、シール部材収納工程(第6工程)と、チューブ接続工程(第7工程)と、外針ハブ固定工程(第8工程)と、を有しており、これらの工程を順に行なう。
<<A1>> 挿通工程
まず、図21に示すように、シール部材8、内針4を用意する。
シール部材8には、スリット81が予め形成されている。これにより、後述する内針4の挿通作業(挿通操作)を容易に行なうことができる。
また、内針4の基端部45には、外径が基端方向に向かって漸減したテーパ部が形成されていてもよいし、単なる平面となっていてもよい。この内針4を、針先41と反対側、すなわち、基端部45からシール部材8のスリット81に挿通する(挿入する)。この挿通作業は、内針4の基端部45に前記テーパ部を設けることと、シール部材8にスリット81が予め形成されていることとの相乗効果により、その作業をより容易に行なうことができる。
さらに、内針4を基端側に押し込むと、基端部45は、シール部材8を超え、当該シール部材8の基端側に突出する。また、このとき、スリット81内に内針4の最小外径部4cの所定の位置を配置して、内針4のシール部材8に対する位置決めを行なう。なお、図22に示すように、内針4の最小外径部4cには、位置決めを行なうためのマーカ46が付されていてもよい。これにより、位置決めを容易に行なうことができる。このマーカ46は、例えば、内針4のシール部材8の先端面(一方の端面)に対応する部分に設けることができる。
このように組み立てられたシール部材8、内針4の状態を「挿通状態」と言う(図22参照)。
挿通工程では、挿通状態とする際に、内針4を基端部45側からシール部材8に挿入するため、内針4の針先41がシール部材8(スリット81)に触れて、磨耗するのが確実に防止される。これにより、針先41が損傷する(例えば刃かけが生じる)のを確実に防止することができる、すなわち、針先41を確実に保護することができる。
また、シール部材8に内針4を挿通する際には、当該内針4をその軸回りに回転させつつ、その挿通作業を行なってもよい。これにより、挿通作業をより容易に行なうことができる。
<<A2>> 内針ハブ固定工程
次に、プロテクタ9が組み込まれた(収納された)内針ハブ5と、圧縮部材30とを用意する。
圧縮部材30をそのフランジ302が基端側に位置するように配置し、挿通状態の内針4をその基端部45が基端側に位置するように配置する。このような配置で、圧縮部材30に、挿通状態の内針4をその基端部45から挿入する。そして、圧縮部材30でシール部材8を収納しないように、当該圧縮部材30を内針4の最小外径部4cの途中に配置する。
その後、内針ハブ5(プロテクタ9)に、圧縮部材30が配置された内針4を基端部45から挿入する。これにより、内針4の基端部45は、プロテクタ9の内針通路931を通過して、内針ハブ5の凸部512に至る(到達する)。この内針4の基端部45は、孔513に挿入され、凸部512で例えば嵌合により固定される。これにより、内針ハブ5と内針4とが組み立てられ、内針4が内針ハブ5に固定される(図23参照)。
<<A3>> スリット開口工程
次に、図23に示す状態で、シール部材8をスリット81が開く方向、すなわち、スリット81の形成方向(図24中の上下方向)に圧縮する。これにより、図24に示すように、スリット81を確実に開口させることができ、その結果、スリット81の内面と内針4の外周面との間に間隙82が生じる。
なお、シール部材8を圧縮するには、手指でそれを行なってもよいし、挟持器具(例えばペンチ等)を用いて行なってもよい。
また、シール部材8を圧縮する方向は、スリット81の形成方向であるのに限定されず、前記形成方向に対して所定角度θ傾斜した方向であってもよい。この場合の角度θとしては、特に限定されないが、例えば、0〜45°とすることができる。
<<A4>> 潤滑剤供給工程
次に、液状の潤滑剤(潤滑液)Lで満たされた貯留槽40を用意する。そして、図24に示す状態、すなわち、スリット81が開口した状態のシール部材8(内針4を含む)を貯留槽40内に浸漬する。これにより、スリット81と内針4との間で毛細管現象が発現し、よって、間隙82内に潤滑剤Lが流入して、当該間隙82(開口したスリット81)内に潤滑剤Lが供給される。
このような浸漬法により、内針4のシール部材8から突出した部分はもちろんのこと、スリット81の内面と内針4の外面のスリット81内に位置する部分とにも潤滑剤Lを確実に付着させることができる。
また、貯留槽40内に内針4を浸漬する際には、貯留槽40内に浸漬されない内針ハブ5を把持することで、その浸漬作業を容易に行なうことができる。このように、内針ハブ5は、内針4を貯留槽40内に浸漬する際に作業者によって把持される把持部として機能する。
また、貯留槽40は、内針4(シール部材8を含む)を浸漬した際に、当該内針4の浸漬させたい部分を確実に収納することができる程度の大きさとなっている。
また、潤滑剤Lとしては、特に限定されず、例えば、主としてシリコーンで構成されたもの、特に、シリコーンオイルや反応性シリコーン、これらを混合したものを用いることができる。反応性シリコーンとは、熱や放射線により硬化するシリコーンであり、これを用いることにより、シール部材8のスリット81の内面や内針4の表面にシリコーンが長時間残るため、内針4とシール部材8との間の摩擦を低減する効果が持続される。また、シリコーンオイルと反応性シリコーンとを混合する際の混合比(「シリコーンオイル量」:「反応性シリコーン量」)としては、特に限定されないが、例えば、1:9〜9:1であるのが好ましく、2:8〜8:2であるのがより好ましい。
<<A5>> 潤滑剤浸透工程
次に、内針4とシール部材8と圧縮部材30とを貯留槽40から引き上げる(取り出す)。
また、シール部材8に対する圧縮も解除する。これにより、スリット81は、再度閉口する。
一方、加圧装置70を用意する。図26に示すように、加圧装置70は、シール部材8の先端部が着脱自在に装着される装着部703を有するチャンバ(加圧室)701と、チャンバ701と加圧ポンプ(図示せず)とを接続する接続管702とを有している。
そして、図26に示すように、シール部材8の先端部をチャンバ701の装着部703に装着する(嵌合させる)。これにより、チャンバ701内が気密状態となる。
この状態で、前記加圧ポンプを作動させると、接続管702を介して、加圧ポンプから空気Gがチャンバ701内に流入する。これにより、チャンバ701内が加圧されて、当該チャンバ701内の圧力が上昇する。このとき、スリット81内の潤滑剤Lや、内針4のシール部材8よりも先端側の部分に付着した潤滑剤Lが、スリット81内の基端方向へ向かって押圧される(流れる)。これにより、スリット81内へ潤滑剤Lがさらに浸透し、すなわち、スリット81内への潤滑剤Lの浸透が促進される。よって、スリット81の長手方向の全体に渡って、潤滑剤Lを確実に供給することができる。
このようにスリット81内に入り込んだ潤滑剤Lにより、前述したように内針4をシール部材8から抜去するとき、内針4とシール部材8(スリット81)との間の摩擦抵抗をより確実に低減することができる。
<<A6>> シール部材収納工程
次に、加圧装置70からシール部材8を取り外す。
その後、図27に示すように、圧縮部材30を内針4に沿って先端方向へ移動させて、圧縮部材30(図27中の二点鎖線で示す部分(圧縮部材30)参照)にシール部材8を収納し、圧入状態とする。
<<A7>> チューブ接続工程
次に、コネクタ72が接続されたチューブ7と、外針ハブ3とを用意する。
このチューブ7のコネクタ72と反対側の端部を、外針ハブ3の凹部33に挿入して、凸部34と嵌合させる(図28参照)。これにより、チューブ7と外針ハブ3とが接続される。
<<A8>> 外針ハブ固定工程
次に、チューブ7が接続された外針ハブ3を用意する。この外針ハブ3には、外針2が既に固定されている。
図28に示すように、内針4とシール部材8との位置関係を維持しつつ、外針ハブ3にその基端側から挿通状態の内針4を、当該外針ハブ3に内針ハブ5が当接するまで挿入する。これにより、内針4が外針2内に収納され、圧縮部材30が外針ハブ3の内部31に嵌合して、当該圧縮部材30を介してシール部材8が外針ハブ3に固定される。
その後、チューブ7を内針ハブ5のチューブ収納部52内に収納する。
以上の工程を経ることにより、留置針組立体1が確実に製造される(組み立てられる)。
なお、留置針組立体1の製造方法は、<<A5>>潤滑剤浸透工程の後、内針4のシール部材8から突出した部分(露出した部分)に付着した潤滑剤Lを取り除く工程を有してもよい。
また、組立状態の留置針組立体1では、潤滑剤Lがスリット81や内針4の外面に付着していることにより、外針2が血管を確保した状態で内針4をシール部材8から抜去するとき、内針4とシール部材8との間の摩擦抵抗を確実に低減することができる。これにより、外針2を円滑に移動させることができ、留置針組立体1が穿刺操作時の操作性に優れたものとなる。
また、内針4が前述したような金属材料で構成されている場合には、潤滑剤Lにより、シール部材8に対する内針4の摺動性が向上する、すなわち、シール部材8と内針4との間の摩擦抵抗をより確実に低減することができる。これにより、抜去操作時の操作性に優れる。
また、潤滑剤浸透工程では、内針4をその軸方向に往復動させて、潤滑剤Lの浸透を促進してもよい。
また、本実施形態の留置針組立体の製造方法では、潤滑剤浸透工程が省略されていてもよい。
<第6実施形態>
図29は、本発明の留置針組立体を製造する工程(第6実施形態)を示す図である。
以下、この図を参照して本発明の留置針組立体の製造方法および留置針組立体の第6実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、留置針組立体を製造する際の製造工程の一部が異なること以外は前記第5実施形態と同様である。
本実施形態では、<<B1>>挿通工程、<<B2>>内針ハブ固定工程、<<B3>>スリット開口工程までが、前記第5実施形態で記載した<<A1>>挿通工程〜<<A3>>スリット開口工程までの工程と同様である。
<<B4>> 潤滑剤供給工程
本工程では、潤滑剤Lが予め充填されたシリンジ(注入容器)を用意する。
このシリンジ60は、外筒(シリンジ外筒)601と、外筒601内で摺動し得るガスケット604と、ガスケット604を外筒601の長手方向(軸方向)に沿って移動操作する押し子(プランジャロッド)606とを備えている(図29参照)。ガスケット604は、押し子606の先端に連結されている。
外筒601は、有底筒状の部材で構成され、先端側底部の中央部には、外筒601の胴部に対し縮径した口部(縮径部)602が一体的に突出形成されている。この口部602には、針ハブ607を介して針管608が装着されている。
また、外筒601の外周面には、液量を示す目盛りが付されている。
外筒601および押し子606の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンのような各種樹脂が挙げられる。なお、外筒601の構成材料は、内部の視認性を確保するために、実質的に透明であるのが好ましい。
ガスケット604の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。
本工程では、このようなシリンジ60を用いる。
図29に示すように、圧縮されたシール部材8に形成された間隙82に、シリンジ60の針管608の先端部を挿入する。この状態で、シリンジ60の押し子606を押圧する。これにより、潤滑剤Lが針管608から流出して、間隙82に確実に注入される(充填される)。よって、スリット81の内面と内針4の外面のスリット81内に位置する部分とに潤滑剤Lを確実に付着させることができる。
本工程以降の工程は、前記第5実施形態で記載した<<A5>>潤滑剤浸透工程〜<<A8>>外針ハブ固定工程と同様である。
以上の工程を経ることにより、留置針組立体1が確実に製造される(組み立てられる)。
<第7実施形態>
図30〜図36は、それぞれ、図1に示す留置針組立体を製造する工程(第7実施形態)を順に示す図、図37は、図31中のB−B線断面図である。なお、以下では、図30〜図32および図34〜図36中の右側を「基端」、左側を「先端」として説明を行う。また、図37では、シール部材の曲率と各ナノバブルの曲率との大きさの関係は、実際のものと異なり、各ナノバブルがそれぞれシール部材よりも強調して(比較的大きく)描かれている。
以下、これらの図を参照して本発明の留置針組立体の製造方法および留置針組立体の第7実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、留置針組立体を製造する際の製造工程が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
次に、留置針組立体1を製造する方法について、図30〜図12を参照しつつ説明する。
留置針組立体1を製造する方法は、浸漬工程(第1工程)と、挿通工程(第2工程)と、引き上げ工程(第3工程)と、潤滑剤付与工程(第4工程)と、往復動工程(第5工程)と、内針ハブ固定工程(第6工程)と、シール部材収納工程(第7工程)と、チューブ接続工程(第8工程)と、外針ハブ固定工程(第9工程)とを有しており、これらの工程を順に行なう。
<<1>> 浸漬工程
まず、本工程では、ナノバブルBを含有するナノバブル水Wを生成するナノバブル水生成装置80(例えば、協和機設社製「バヴィタス(BUVITAS)」)と、接続管801を介してナノバブル水生成装置80と接続された貯留槽802とを用いる(図30参照)。貯留槽802内には、ナノバブル生成装置80で生成されたナノバブル水Wが、接続管801を介して流入する。これにより、貯留槽802にナノバブル水Wが供給されて、当該貯留槽802内がナノバブル水Wで満たされる。
また、シール部材8および内針4を用意する。このシール部材8には、スリット81が予め形成されている。これにより、後述する内針4の挿通作業(挿通操作)を容易に行なうことができる。また、内針4の基端部45には、外径が基端方向に向かって漸減したテーパ部が形成されていてもよいし、単なる平面であってもよい。
そして、図30に示すように、ナノバブル水Wで満たされた貯留槽802内に、未だ組み立てられていない内針4とシール部材8とを浸漬する。
<<2>> 挿通工程
図31に示すように、ナノバブル水W中で、内針4を、針先41と反対側、すなわち、基端部45からシール部材8のスリット81に挿通する(挿入する)。このとき、シール部材8のスリット81の内面811と、内針4の外周面48との間に、多数のナノバブルBが入り込むこととなる(図37参照)。各ナノバブルBの界面活性作用により、内針4のシール部材8に対する挿通作業が容易となる。また、スリット81の内面811と内針4の外周面48との接触面積が低減され、すなわち、これら面同士の間に微小な間隙82が形成され、よって、内針4のシール部材8に対する挿通作業が容易となる。
また、この挿通作業は、内針4の基端部45にテーパ部を設けることによって、シール部材8にスリット81が予め形成されていることとの相乗効果により、その作業をより容易に行なうこともできる。
さらに、内針4を基端側に押し込むと、基端部45は、シール部材8を超え、当該シール部材8の基端側に突出する(図32参照)。
また、このとき、スリット81内に内針4の最小外径部4cの所定の位置を配置して、内針4のシール部材8に対する位置決めを行なう。なお、図32に示すように、内針4の最小外径部4cには、位置決めを行なうためのマーカ46が付されていてもよい。これにより、位置決めを容易に行なうことができる。このマーカ46は、例えば、内針4のシール部材8の先端面(一方の端面)に対応する部分に設けることができる。
このように組み立てられたシール部材8、圧縮部材30および内針4の状態を「挿通状態」と言う(図32参照)。
以上のような挿通工程では、内針4の針先41がシール部材8(スリット81)に触れて、磨耗するのが確実に防止される。これにより、針先41が損傷する(例えば刃かけが生じる)のを確実に防止することができる、すなわち、針先41を確実に保護することができる。
また、シール部材8に内針4を挿通する際には、当該内針4をその軸回りに回転させつつ、その挿通作業を行なってもよい。これにより、挿通作業をより容易に行なうことができる。
<<3>> 引き上げ工程
次に、挿通状態の内針4およびシール部材8をナノバブル水W中から引き上げる。
<<4>> 潤滑剤付与工程
次に、液状の潤滑剤(潤滑液)Lで満たされた貯留槽40を用意する。そして、図33に示すように、貯留槽40内に、挿通状態の内針4とシール部材8とを浸漬する。このように浸漬法により、内針4のシール部材8から突出した部分の外周面に潤滑剤Lを容易かつ確実に付着させる(供給する)ことができる。なお、内針4のシール部材8から突出した部分には、シール部材8を介して先端側の部分(先端側突出部471)と、基端側の部分(基端側突出部472)とがある(図33参照)。また、基端側突出部472は、その全体が浸漬される必要はなく、シール部材8の近傍が浸漬されれば十分である。
なお、潤滑剤Lとしては、特に限定されず、例えば、主としてシリコーンで構成されたもの、特に、シリコーンオイルや反応性シリコーン、これらを混合したものを用いることができる。反応性シリコーンとは、熱や放射線により硬化するシリコーンであり、これを用いることにより、シール部材8のスリット81の内面811や内針4の表面(外周面48)にシリコーンが長時間残るため、内針4とシール部材8との間の摩擦を低減する効果が持続される。また、シリコーンオイルと反応性シリコーンとを混合する際の混合比(「シリコーンオイル量」:「反応性シリコーン量」)としては、特に限定されないが、例えば、1:9〜9:1であるのが好ましく、2:8〜8:2であるのがより好ましい。
<<5>> 往復動工程
次に、挿通状態の内針4とシール部材8とを貯留槽40から引き上げる(取り出す)。
そして、内針4の一端部を一方の手で把持し、シール部材8を他方の手で把持して、図34に示すように、シール部材8に対して内針ハブ5を内針4の軸方向に沿って往復動させる。これにより、内針4の先端側突出部471および基端側突出部472の外周面にそれぞれ付着した潤滑剤Lが、スリット81内に入り込む(浸透する)。このスリット81内に入り込んだ潤滑剤Lにより、前述したように内針4をシール部材8から抜去するとき、内針4とシール部材8(スリット81)との間の摩擦抵抗を確実に低減することができる。
また、往復動操作する際、シール部材8の先端面付近に位置する内針4のマーカ46(図34(a)参照)が、シール部材8の基端面(他方の端面)を超える(図34(b)参照)距離移動する。これにより、スリット81の長手方向の全体に渡って、潤滑剤Lを確実に供給することができ、よって、前記摩擦抵抗をより確実に低減することができる。また、マーカ46は、それを視認することにより、当該マーカ46の移動距離を把握することができる。
また、往復動操作する際、内針4をその軸回りに回転させつつ、その操作を行なってもよい。これにより、往復動操作する際の内針4とシール部材8との摺動抵抗が低減され、よって、当該往復動操作が容易となる。
また、往復動操作における往復回数は、特に限定されないが、例えば、1回以上が好ましく、1〜5回であるのがより好ましい。
<<6>> 内針ハブ固定工程
次に、プロテクタ9が組み込まれた(収納された)内針ハブ5と、圧縮部材30とを用意する。
圧縮部材30をそのフランジ302が基端側に位置するように配置し、挿通状態の内針4をその基端部45が基端側に位置するように配置する。このような配置で、圧縮部材30に、挿通状態の内針4をその基端側から挿入する。そして、圧縮部材30でシール部材8を収納しないように、当該圧縮部材30を内針4の最小外径部4cの途中に配置する(図35参照)。
その後、内針ハブ5(プロテクタ9)に、圧縮部材30が配置された内針4を基端部45から挿入する。これにより、内針4の基端部45は、プロテクタ9の内針通路931を通過して、内針ハブ5の凸部512に至る(到達する)。この内針4の基端部45は、孔513に挿入され、凸部512で例えば嵌合により固定される。これにより、内針ハブ5と内針4とが組み立てられ、内針4が内針ハブ5に固定される(図1および図35参照)。
<<7>> シール部材収納工程
次に、図35に示すように、圧縮部材30を内針4に沿って先端方向へ移動させて、圧縮部材30(図35中の二点鎖線で示す部分(圧縮部材30)参照)にシール部材8を収納し、圧入状態とする。
<<8>> チューブ接続工程
次に、コネクタ72が接続されたチューブ7と、外針ハブ3とを用意する。
このチューブ7のコネクタ72と反対側の端部を、外針ハブ3の凹部33に挿入して、凸部34と嵌合させる(図36参照)。これにより、チューブ7と外針ハブ3とが接続される。
<<9>> 外針ハブ固定工程
次に、チューブ7が接続された外針ハブ3を用意する。この外針ハブ3には、外針2が既に固定されている。
図36に示すように、内針4とシール部材8との位置関係を維持しつつ、外針ハブ3にその基端側から挿通状態の内針4を、当該外針ハブ3に内針ハブ5が当接するまで挿入する。これにより、内針4が外針2内に収納され、圧縮部材30が外針ハブ3の内部31に嵌合して、当該圧縮部材30を介してシール部材8が外針ハブ3に固定される。
その後、チューブ7を内針ハブ5のチューブ収納部52内に収納する。
以上の工程を経ることにより、留置針組立体1が確実に製造される(組み立てられる)。
また、ナノバブルBは、殺菌作用を有する。このため、ナノバブルBは、留置針組立体1のような医療器具を製造する際に使用されるのに適している。
また、組立状態の留置針組立体1では、潤滑剤Lがスリット81や内針4の外周面48に付着していることにより、外針2が血管を確保した状態で内針4をシール部材8から抜去するとき、内針4とシール部材8との間の摩擦抵抗を確実に低減することができる。これにより、外針2を円滑に移動させることができ、留置針組立体1が穿刺操作時の操作性に優れたものとなる。
また、内針4が前述したような金属材料で構成されている場合には、潤滑剤Lにより、シール部材8に対する内針4の摺動性が向上する、すなわち、シール部材8と内針4との間の摩擦抵抗をより確実に低減することができる。これにより、抜去操作時の操作性に優れる。
また、挿通工程では、スリット81が予め形成されたシール部材8を用いたが、これに限定されず、例えば、スリット81が未だ形成されていないシール部材8を用いてもよい。この場合、シール部材8に内針4を挿通する(貫通させる)ことにより、スリット(貫通孔)が形成される。
また、潤滑剤付与工程は、潤滑剤Lに浸漬して当該潤滑剤Lを付着させる方法に限定されず、例えば、スプレーやスポイト等によって潤滑剤Lを塗布して付着させる方法等が挙げられる。
また、往復動工程では、内針4を揺動させつつ往復動を行なってもよい。
以上、本発明の留置針組立体の製造方法および留置針組立体を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、本発明に、任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
また、本発明の留置針組立体は、血管内に挿入して使用されるものに限定されず、例えば、腹腔内、胸腔内、リンパ管内、脊柱管内等に挿入して使用されるものに適用することもできる。
また、本発明では、シール部材のスリットの形状は、一文字状であるのに限定されず、例えば、十文字状、Y字状、T字状(ト字状)、H字状等であってもよい。
また、本発明では、内針を外針から抜去した後、外針ハブの基端部に装着するキャップを設けるようにしてもよい。これにより、外針ハブの基端からの液漏れをより確実に防止することができる。このキャップは、外針ハブと一体的に形成されたものであってもよく、外針ハブと別体であってもよい。また、キャップの外針ハブに対する固定の方法も、例えば、摩擦による方法、引っ掛けによる方法等のいかなる方法であってもよい。
また、本発明では、プロテクタは、図示の構成のものに限定されず、外針ハブに対して着脱自在に連結されるものであればよい。特に、内針を外針から抜去した際に、内針の少なくとも針先を覆うものであれば、種々の構成のものを用いることができる。
また、本発明では、チューブの端部に設けられるコネクタとしては、特に限定されず、例えば、特開2005−261931号公報に記載のニードルレスコネクタや、三方活栓等が挙げられる。
また、本発明では、チューブの端部に設けられるのものとしては、上記コネクタに限定されず、例えば、キャップやエアフィルタ等であってもよい。
また、本発明の留置針組立体では、これらのコネクタ、キャップ、エアフィルタをチューブの端部に適宜付け替えることができる。
本発明の留置針組立体の製造方法は、先端のみに鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、前記シール部材に前記内針を前記針先と反対側から挿通して挿通状態とする挿通工程と、前記挿通状態で、少なくとも前記内針の前記シール部材から突出した部分の外周面に潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、前記シール部材に対して前記内針をその軸方向に少なくとも1回往復動させて、前記潤滑剤をシール部材の内部に浸透させる往復動工程とを有する。そのため、挿通工程では、内針の針先がシール部材に触れて、磨耗するのが確実に防止される。これにより、針先が損傷する(例えば刃かけが生じる)のを確実に防止することができる、すなわち、針先を確実に保護することができる。また、潤滑剤付与工程と往復動工程とを経たため、組み立てられた状態の留置針組立体では、潤滑剤がシール部材の内部や内針の外面に付与されている。これにより、当該留置針組立体において内針をシール部材から抜去するとき、内針とシール部材との間の摩擦抵抗を確実に低減することができる。これにより、抜去操作時の操作性に優れる。また、挿通工程でシール部材にスリットが予め形成されている場合には、当該挿通工程を容易に行なうことができる。
また、本発明の留置針組立体の製造方法は、先端に鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、前記内針が挿通可能な治具を、前記シール部材に挿通して治具挿通状態とする治具挿通工程と、前記内針の外周面の少なくとも前記内針と前記シール部材とを組み立てた際に該シール部材に対応する部分に、潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、前記治具挿通状態の前記治具の内部に前記潤滑剤が付着した前記内針を挿通する内針挿通工程と、前記内針および前記シール部材に対し、前記治具をその軸方向に沿って移動させて該治具を抜去する治具抜去工程とを有する。そのため、シール部材に内針を挿通して組み立てる際に、シール部材に予め治具を挿通して、当該治具を介して、シール部材に対して内針を挿通する。これにより、留置針組立体を組み立てる際に内針を針先からシール部材に直接(じかに)挿入した場合に比べて、内針の針先がシール部材に触れて、磨耗するのが確実に防止される、すなわち、針先を確実に保護することができる。また、留置針組立体は潤滑剤付与工程および治具抜去工程を経て組み立てられる(製造される)ため、その組み立てられた状態の留置針組立体では、潤滑剤がシール部材の内部や内針の外面に付与されている。これにより、当該留置針組立体において内針をシール部材から抜去するとき、内針とシール部材との間の摩擦抵抗を確実に低減することができる。これにより、抜去操作時の操作性に優れる。また、シール部材に内針を挿通する際に、シール部材にスリットが予め形成されている場合には、当該挿通作業を容易に行なうことができる。
また、本発明の留置針組立体の製造方法は、先端に鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮するスリットを有し、弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、前記スリット内に前記内針を前記針先と反対側から挿通して挿通状態とする挿通工程と、前記挿通状態で前記スリットを開口させるスリット開口工程と、前記開口したスリット内に潤滑剤を供給して、前記スリットの内面と前記内針の外面の前記スリット内に位置する部分とに前記潤滑剤を付着させる潤滑剤供給工程とを有する。そのため、挿通工程では、挿通状態とする際に内針を針先と反対側からシール部材に挿入するため、内針の針先がシール部材(スリット)に触れて、磨耗するのが確実に防止される。これにより、針先が損傷する(例えば刃かけが生じる)のを確実に防止することができる、すなわち、針先を確実に保護することができる。また、組み立てられた状態の留置針組立体では、潤滑剤がスリットや内針の外面に付着していることにより、外針が血管を確保した状態で内針をシール部材から抜去するとき、内針とシール部材との間の摩擦抵抗を確実に低減することができる。これにより、外針を円滑に移動させることができ、留置針組立体が穿刺操作時の操作性に優れたものとなる。
また、本発明の留置針組立体の製造方法は、先端のみに鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、ナノバブルを含有するナノバブル水中に、前記内針と前記シール部材とを浸漬する浸漬工程と、前記ナノバブル水中で、前記シール部材に前記内針を前記針先と反対側から挿通して挿通状態とする挿通工程と、前記挿通状態の前記内針および前記シール部材を前記ナノバブル水中から引き上げる引き上げ工程と、前記挿通状態で、少なくとも前記内針の前記シール部材から突出した部分の外周面に潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、前記シール部材に対して前記内針をその軸方向に少なくとも1回往復動させて、前記潤滑剤をシール部材の内部に浸透させる往復動工程とを有する。そのため、挿通工程では、内針の針先がシール部材に触れて、磨耗するのが確実に防止される。これにより、針先が損傷する(例えば刃かけが生じる)のを確実に防止することができる、すなわち、針先を確実に保護することができる。また、挿通状態とする際に、シール部材と内針の外周面との間に多数のナノバブルが入り込むこととなり、各ナノバブルの界面活性作用によって、その作業(挿通作業)が容易となる。また、潤滑剤付与工程と往復動工程とを経たため、組み立てられた状態の留置針組立体では、潤滑剤がシール部材の内部や内針の外面に付与されている。これにより、当該留置針組立体において内針をシール部材から抜去するとき、内針とシール部材との間の摩擦抵抗を確実に低減することができる。これにより、抜去操作時の操作性に優れる。また、挿通工程でシール部材にスリットが予め形成されている場合には、当該挿通工程を容易に行なうことができる。
従って、本発明の留置針組立体の製造方法は、産業上の利用可能性を有する。

Claims (38)

  1. 先端のみに鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、
    前記シール部材に前記内針を前記針先と反対側から挿通して挿通状態とする挿通工程と、
    前記挿通状態で、少なくとも前記内針の前記シール部材から突出した部分の外周面に潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、
    前記シール部材に対して前記内針をその軸方向に少なくとも1回往復動させて、前記潤滑剤をシール部材の内部に浸透させる往復動工程とを有することを特徴とする留置針組立体の製造方法。
  2. 前記挿通工程では、前記内針をその軸回りに回転させつつ、該内針を前記シール部材に挿通する請求項1に記載の留置針組立体の製造方法。
  3. 前記シール部材には、前記内針が挿通するスリットが予め形成されている請求項1に記載の留置針組立体の製造方法。
  4. 前記留置針組立体は、前記外針ハブに装着され、前記シール部材を収納して該シール部材の外周部を圧縮する圧縮部材をさらに有し、
    前記挿通工程は、前記シール部材を前記圧縮部材に収納した状態で行なわれる請求項1に記載の留置針組立体の製造方法。
  5. 前記往復動工程における往復動は、前記内針の前記シール部材の一方の端面に対応する部位が、他方の端面を超えるような距離移動する請求項1に記載の留置針組立体の製造方法。
  6. 前記往復動工程では、前記内針をその軸回りに回転させつつ、該内針を前記シール部材に対して往復動させる請求項1に記載の留置針組立体の製造方法。
  7. 前記挿通工程と前記潤滑剤付与工程との間に、前記挿通状態の前記内針の基端部に前記内針ハブを固定する内針ハブ固定工程を有する請求項1に記載の留置針組立体の製造方法。
  8. 前記往復動工程の後、前記挿通状態の前記シール部材を前記外針ハブに対して固定する外針ハブ固定工程を有する請求項1に記載の留置針組立体の製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする留置針組立体。
  10. 先端に鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、
    前記内針が挿通可能な治具を、前記シール部材に挿通して治具挿通状態とする治具挿通工程と、
    前記内針の外周面の少なくとも前記内針と前記シール部材とを組み立てた際に該シール部材に対応する部分に、潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、
    前記治具挿通状態の前記治具の内部に前記潤滑剤が付着した前記内針を挿通する内針挿通工程と、
    前記内針および前記シール部材に対し、前記治具をその軸方向に沿って移動させて該治具を抜去する治具抜去工程とを有することを特徴とする留置針組立体の製造方法。
  11. 前記潤滑剤は、液状であり、前記潤滑剤付与工程は、浸漬法で行なわれる請求項10に記載の留置針組立体の製造方法。
  12. 先端に鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、
    前記内針が挿通可能な治具を、前記シール部材に挿通して治具挿通状態とする治具挿通工程と、
    前記治具の内部に潤滑剤を充填する潤滑剤充填工程と、
    前記潤滑剤が充填された前記治具挿通状態の前記治具の内部に前記内針を挿通して、該内針の外周面の少なくとも前記内針と前記シール部材とを組み立てた際に該シール部材に対応する部分に、前記潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、
    前記内針および前記シール部材に対し、前記治具をその軸方向に沿って移動させて該治具を抜去する治具抜去工程とを有することを特徴とする留置針組立体の製造方法。
  13. 先端に鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、
    前記内針が挿通可能な治具を、前記シール部材に挿通して治具挿通状態とする治具挿通工程と、
    前記治具挿通状態の前記治具の内部に前記内針を挿通する内針挿通工程と、
    前記治具の内部の前記内針との隙間に潤滑剤を充填して、前記内針の外周面の少なくとも前記内針と前記シール部材とを組み立てた際に該シール部材に対応する部分に、前記潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、
    前記内針および前記シール部材に対し、前記治具をその軸方向に沿って移動させて該治具を抜去する治具抜去工程とを有することを特徴とする留置針組立体の製造方法。
  14. 前記潤滑剤は、液状であり、前記潤滑剤の充填は、前記液状の潤滑剤が予め充填された注入容器を用いて、該注入容器からの注入により行なわれる請求項12または13に記載の留置針組立体の製造方法。
  15. 前記留置針組立体は、前記外針ハブに装着され、前記シール部材を収納して該シール部材の外周部を圧縮する圧縮部材をさらに有し、
    前記治具挿通工程は、前記シール部材を前記圧縮部材に収納した状態で行なわれる請求項10、12または13に記載の留置針組立体の製造方法。
  16. 前記治具挿通工程に先立って、前記内針の基端部に前記内針ハブを固定する内針ハブ固定工程を有する請求項10、12または13に記載の留置針組立体の製造方法。
  17. 前記治具抜去工程の後、前記シール部材を前記外針ハブに対して固定する外針ハブ固定工程を有する請求項10、12または13のいずれかに記載の留置針組立体の製造方法。
  18. 前記潤滑剤は、主としてシリコーンで構成されている請求項10、12または13に記載の留置針組立体の製造方法。
  19. 請求項10ないし18のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする留置針組立体。
  20. 先端に鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮するスリットを有し、弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、
    前記スリット内に前記内針を前記針先と反対側から挿通して挿通状態とする挿通工程と、
    前記挿通状態で前記スリットを開口させるスリット開口工程と、
    前記開口したスリット内に潤滑剤を供給して、前記スリットの内面と前記内針の外面の前記スリット内に位置する部分とに前記潤滑剤を付着させる潤滑剤供給工程とを有することを特徴とする留置針組立体の製造方法。
  21. 前記挿通工程では、前記内針をその軸回りに回転させつつ、該内針を前記シール部材に挿通する請求項20に記載の留置針組立体の製造方法。
  22. 前記スリットは、一文字状をなすように形成された部分を有し、
    前記スリット開口工程では、前記部分の形成方向またはその方向に対して所定角度傾斜した方向に圧縮する請求項20に記載の留置針組立体の製造方法。
  23. 前記潤滑剤は、液状であり、
    前記潤滑剤供給工程は、浸漬法により行なわれる請求項20に記載の留置針組立体の製造方法。
  24. 前記潤滑剤は、液状であり、
    前記潤滑剤供給工程は、前記液状の潤滑剤が予め充填された注入容器を用いて、該注入容器からの注入により行なわれる請求項20に記載の留置針組立体の製造方法。
  25. 前記挿通工程の後、前記挿通状態の前記内針の基端部に前記内針ハブを固定する内針ハブ固定工程を有する請求項20に記載の留置針組立体の製造方法。
  26. 前記潤滑剤供給工程の後、前記潤滑剤を前記スリット内にさらに浸透させる潤滑剤浸透工程を有する請求項20に記載の留置針組立体の製造方法。
  27. 前記留置針組立体は、前記外針ハブに装着され、前記シール部材を収納して該シール部材の外周部を圧縮する圧縮部材をさらに有し、
    前記潤滑剤供給工程の後、前記挿通状態の前記シール部材を前記圧縮部材に収納するシール部材収納工程を有する請求項20に記載の留置針組立体の製造方法。
  28. 前記潤滑剤供給工程の後、前記挿通状態の前記シール部材を前記外針ハブに対して固定する外針ハブ固定工程を有する請求項20に記載の留置針組立体の製造方法。
  29. 請求項20ないし28のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする留置針組立体。
  30. 先端のみに鋭利な針先を有する内針と、該内針の基端部に固定される内針ハブと、前記内針が挿通される中空の外針と、該外針の基端部に固定される外針ハブと、該外針ハブに設けられ、前記内針が挿通可能であり、該内針が抜去された際にシール機能を発揮する弾性材料で構成されたシール部材とを備え、これらを組み立てて製造される留置針組立体を製造する方法であって、
    ナノバブルを含有するナノバブル水中に、前記内針と前記シール部材とを浸漬する浸漬工程と、
    前記ナノバブル水中で、前記シール部材に前記内針を前記針先と反対側から挿通して挿通状態とする挿通工程と、
    前記挿通状態の前記内針および前記シール部材を前記ナノバブル水中から引き上げる引き上げ工程と、
    前記挿通状態で、少なくとも前記内針の前記シール部材から突出した部分の外周面に潤滑剤を付着させる潤滑剤付与工程と、
    前記シール部材に対して前記内針をその軸方向に少なくとも1回往復動させて、前記潤滑剤をシール部材の内部に浸透させる往復動工程とを有することを特徴とする留置針組立体の製造方法。
  31. 前記挿通工程では、前記内針をその軸回りに回転させつつ、該内針を前記シール部材に挿通する請求項30に記載の留置針組立体の製造方法。
  32. 前記シール部材は、ブロック状をなすものであり、
    前記シール部材には、前記内針が挿通するスリットが予め形成されている請求項30に記載の留置針組立体の製造方法。
  33. 前記潤滑剤は、液状であり、
    前記潤滑剤付与工程は、浸漬法により行なわれる請求項30に記載の留置針組立体の製造方法。
  34. 前記往復動工程における往復動は、前記内針の前記シール部材の一方の端面に対応する部位が、他方の端面を超えるような距離移動する請求項30に記載の留置針組立体の製造方法。
  35. 前記留置針組立体は、前記外針ハブに装着され、前記シール部材を収納して該シール部材の外周部を圧縮する圧縮部材をさらに有し、
    前記往復動工程の後、前記挿通状態の前記シール部材を前記圧縮部材に収納するシール部材収納工程を有する請求項30に記載の留置針組立体の製造方法。
  36. 前記往復動工程の後、前記挿通状態の前記内針の基端部に前記内針ハブを固定する内針ハブ固定工程を有する請求項30に記載の留置針組立体の製造方法。
  37. 前記内針ハブ固定工程の後、前記挿通状態の前記シール部材を前記外針ハブに対して固定する外針ハブ固定工程を有する請求項36に記載の留置針組立体の製造方法。
  38. 請求項30ないし37のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする留置針組立体。
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