JPWO2008146687A1 - レンズのコーティング装置 - Google Patents

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Abstract

レンズ(10)のコーティング装置において、レンズ測定部(3)、プライマコーティング部(5)、フォトクロミックコーティング部(7)、及びUV照射部(8)のいずれか少なくとも一つの部が、レンズの中央底面部を支持し、いずれかの処理を行う支持軸(57,78,85,97)を有し、搬送手段(45,63,68)が、レンズの中央底面部を支持する吸着部を有し、支持軸の周囲に設けられたレンズ積載部(58,72,74,81,88,115)が、支持軸及び吸着部がレンズを支持する領域以外のレンズ底面を支持するピンを有しており、支持軸と搬送手段との間及び搬送手段と別の搬送手段との間でのレンズの受け渡し時において、レンズをレンズ積載部に仮置きして、レンズ積載部、支持軸、及び搬送手段の少なくとも1つを上下動させることによって、レンズを支持軸又は搬送手段に支持させるようにした。当該構成により、レンズにモーメントをかけずに、レンズを歪ませることなく、装置間で受け渡しできる。

Description

本発明は、眼鏡などのレンズにプライマコーティング及びフォトクロミックコーティングなどを行うコーティング装置に関する。
光により色が変化する材料にフォトクロミック物質がある。フォトクロミック物質は、紫外線の有無によって構造が可逆的に変化し、吸収スペクトルが変わる性質を持っている。これは、一つの異性体に特定波長の光を照射すると、光の作用により単一の化学物質が吸収スペクトルの異なる異性体を可逆的に生成する物質の性質である。生成した他の異性体は、熱又は別の波長の光により元の異性体の色へ戻る。
このフォトクロミック材料の性質をレンズに利用したフォトクロミック眼鏡がある。フォトクロミック眼鏡は、太陽光のような紫外線を含む光が照射される屋外ではレンズが速やかに着色してサングラスとして機能し、光の照射のない屋内では、退色して透明な通常の眼鏡として機能する。
このようなフォトクロミック性を有するレンズの製造方法は、オートメーション化されており、初めに人手によって1つのレンズを所定位置に配設し、センサーなどを用いて、レンズの高さやレンズの曲率半径などを計測する。フォトクロミックコーティング液をコーティングするコーティング前には、フォトクロミック層とレンズ基材との密着性を良くするため、フォトクロミックコーティング(以下、フォトクロコーティングともいう)作業の前処理として、レンズの表面にプライマコーティング作業を行なっている。そして、フォトクロコーティング、UV照射などの一連の作業によってフォトクロコーティングレンズがコーティング装置によって製造される。
したがって、これらのレンズの一連のコーティング処理において、レンズの受け渡しが行われる。プライマコーティング処理、フォトクロコーティング処理では、レンズをスピン軸によって支持し、レンズを中心軸回りに回転させながら、各コーティング処理を行うので、レンズの受け渡し時において、レンズの中心軸の位置をずらさないようにして、することが重要である。
我々は、上記のようなスピン軸へのレンズの受け渡しが容易となる手段として、レンズU字形状のレンズ保持部を有するレンズの搬送装置について提案している(国際出願番号PCT/JP2006/321923)。
図25は、出願人が本発明の関連技術(従来技術でない)として開発した保持部が、U次形状のレンズ保持部を示す。図25のAは、スピン軸101に支持されたレンズ102をレンズ102の搬送ユニットに設けられているレンズ支持ハンド103が支持しようとする状態の平面図である。このレンズ保持部において、安定してレンズを支持するためには、スピン軸101には、図示しない空気吸着手段と連通する吸着孔101aがスピン軸101の中央部に形成され、空気吸引によってレンズ102の中央底面部を支持することが好ましい。レンズ支持ハンド103には、U字形状のレンズ支持部103aが設けられ、レンズ支持部103aの内部には、図示しない空気吸着手段と連通する吸着孔103bを形成することが好ましい。
レンズ102の受け渡し時には、レンズ支持ハンド103がスピン軸101側に前進し、図25のBに示すように、レンズ支持部103aがスピン軸101を跨ぐようにして、レンズ102の直下に配置される。そして、レンズ支持ハンド103を上昇させて、スピン軸101とレンズ102の係合を解除し、レンズ支持部103aがレンズ102を支持し、この後、図25のCに示すように、レンズ支持ハンド103を後退させる。レンズ支持ハンド103は、レンズ支持部103aに設けられている吸着孔103bによってレンズを吸着支持しているので、レンズ102の搬送中にレンズ102がずれたり、レンズ102が落下したりすることがない。このようにして、レンズ支持ハンド103は、次工程にレンズを搬送することができる。
このフォトクロミック性を有するレンズ(フォトクロミックレンズ)の製造方法として、フォトクロミック物質を含むコーティング液を用いてレンズの表面にフォトクロミック性を有する層(フォトクロミックコート層)を設ける方法(コーティング法)が提案されている。そして、そのための装置として、複数のレンズを連続してコーティングできる装置(特許文献1参照)、コーティング液を延展する補助機能を付設した装置(特許文献2参照)等が知られている。さらに、レンズの計測装置を設け、フォトクロミックのコーティング被膜を安定して形成できるフォトクロミックコーティング装置等が提案されている(特許文献3参照)。
特開2000−334369号公報 特開2005−13873号公報 特開2007−127841号公報
レンズ支持ハンド103によるレンズ102の搬送中は、レンズ102の位置ズレやレンズ102の落下が無いように、レンズ102をしっかりと固定する必要がある。そのため、レンズ支持ハンド103には、U字形状のレンズ支持部103aに吸着孔103bを形成して、空気吸引によってレンズ102を支持することが好ましい。
このように、吸着孔103bによって、レンズ102を吸引すると、レンズが比較的厚い場合には問題ないが、厚さの薄いレンズを搬送するような場合、図25のCに示すように、吸着孔103bの両端部103d、103dが離れた位置にあり、レンズ102を吸着孔103bによって空気吸引すると、レンズ102に大きなモーメントが負荷し、熱を受けて強度の低下した樹脂製のレンズに歪みが生じることがある。
その防止策として、図26に示すようにレンズ102の底面にパッド104を貼り付けて、このパッド104を介してレンズ102を支持することが考えられるが、パッド104を貼る手間と剥がす手間がかかるといった問題があった。特に生産能力を高めようとすればするほど、その手間をなくす必要があり、改善の余地があった。
また、上記のとおり、従来では初めに人手によって、1つのレンズをレンズの中心が所定位置に配設されば、後はオートメーション化されており、自動的にコーティングされたレンズを製造することが可能であったが、生産能力が高くなればなるほど、オペレータにかかる負担は増すため改善の余地があった。
さらに、紫外線を照射する際、UVランプが熱を発生するが、コーティングしたレンズを効率よく連続して生産すればするほど、この熱の影響により装置本体の温度が高くなる場合があった。一方で、フォトクロミックコーティングにおいては温度の影響を受けやすく、プライマコーティングにおいては、温度及び湿度の影響を受けやすいことが判明した。そのため、レンズのコーティング処理を連続して行う場合、UV照射の影響により、装置本体の温度が高くなると高品質なコーティングレンズが得られない場合があった。
また、プライマコーティング作業では、レンズを回転させながら、プライマコーティング液をレンズに塗布するが、プライマコーティング液はフォトクロミックコーティング液と異なり、粘性が低くミストが発生する。そのため、我々は、国際出願番号PCT/JP2007/053572において、ミストが再度レンズに付着するのを防止するため、プライマコーティング部のスピン軸をカバーで覆い、カバーに排気口を形成し、排気口からミストを強制的に排気することを提案している(図27参照。カバー91、排気口91a、強制排気手段92、ミストの流れb)。
このようにプライマコーティング部でミストを強制的に排気する場合、UVランプが発生した熱をプライマコーティング部に引き込むおそれがあり、プライマコーティング部の温度が上昇する場合があった。さらに、ミストを強制的に排気するため、コーティング装置の室内が負圧となり、外部からのチリなどが侵入するおそれがあり、コーティング装置本体を配置する場所が、十分なクリーン度を必要としていた。この問題は、生産能力を高めようとすればするほど大きな問題となるため、改善の余地があった。
したがって、本発明は、上記のような問題、特にレンズを大量に生産する際に発生する種々の問題を解決する方法を提供することにある。
具体的には、スピン軸(支持軸)とレンズの搬送装置とが互いにレンズの受け渡しを行う際に、厚さの薄いレンズであってもパッドを用いることなくかつレンズが歪むことなく、レンズの受け渡し若しくは搬送することができるレンズのコーティング装置を提供することにある。
また、本発明は、オペレータがレンズを1枚宛セットすることなく、さらにレンズ径の大きさを装置本体に指示する必要がなく、オペレータの手間を大幅に軽減できるレンズのコーティング装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、UVランプの熱の影響をなくし、若しくは軽減させて、より高いクリーン度で高度なコーティング処理が行えるレンズのコーティング装置を提供することにある。
以上の問題を解決することにより、品質の高いレンズを効率大量生産することができる。
本発明のコーティング装置では、上記目的を達成するために、原料レンズの形状を測定するためのレンズ測定部(3)、原料レンズにプライマ液を塗布し、未乾燥のプライマコート層を有する第一中間体レンズを作製するためのプライマコーティング部(5)、該第一中間体レンズを乾燥部(6)で乾燥させた第二中間体レンズに、フォトクロミックコート液を塗布して未硬化のフォトクロミックコート層を有する第三中間体レンズを作製するフォトクロミックコーティング部(7)、第三中間体レンズにUVを照射して未硬化のフォトクロミックコート層を硬化させて製品レンズを作製するUV照射部(8)、とからなるコーティングラインと、当該コーティングライン内に、各部へレンズを搬送する搬送手段とを具備するコーティング装置において、前記レンズ測定部(3)、プライマコーティング部(5)、フォトクロミックコーティング部(7)、及びUV照射部(8)のいずれか少なくとも一つの部において、レンズを支持する手段が、レンズの中央底面部を空気の吸引手段によって支持する支持軸であって、前記搬送手段には、レンズの中央底面部を空気の吸引手段によって支持する吸着部を設け、前記支持軸の周囲には、該支持軸及び前記吸着部が前記レンズを支持する領域以外のレンズ底面を支持するレンズ積載部を設け、前記支持軸と前記吸着部とにおけるレンズの受け取り又は受け渡し時において、前記レンズ積載部にレンズを仮置きして、該レンズ積載部、前記支持軸、及び前記吸着部の少なくとも1つを上下動させることによって、前記レンズを前記支持軸又は前記吸着部に支持させるようにした。
上記レンズのコーティング装置の前記レンズ積載部は、前記支持軸の周囲に立設した3以上のピン部材であって、該ピン部材の先端部でレンズの底面を支持することができる。
上記レンズのコーティング装置は、前記支持軸の高さ位置を固定し、前記レンズ積載部及び前記吸着部を昇降させて前記レンズの受け取り又は受け渡しをすることができる。
上記レンズのコーティング装置は、前記搬送手段が2以上設けられ、これらの搬送手段同士のレンズの受け取り又は受け渡し時に、レンズを仮置きするレンズ積載部を設け、該積載部は前記搬送手段の吸着部が前記レンズを支持する領域以外のレンズ底面を支持することができる。
上記レンズのコーティング装置の前記搬送手段には、前記吸着部が2個設けられ、これらの吸着部の1つが前記レンズ積載部を介して、前記支持軸に支持されているレンズを受け取り、他方の吸着部が、該吸着部に支持しているレンズを該支持軸に受け渡すことができる。
上記コーティング装置の前記レンズ測定部(3)には、レンズの中心部の高さ位置を検出するレンズ計測装置センサーが設けられ、前記フォトクロミックコーティング装置には、フォトクロコミックコーティング液を供給する容器のノズルの先端部の高さ位置を検出するセンサーが設けられ、前記のノズルの先端部とレンズの中心部との間を一定間隔に調整することができる。
上記レンズのコーティング装置の前記UV照射部(8)には、第三中間体レンズのレンズ中央底面部を空気の吸引手段によって支持する支持軸、及び、該支持軸に支持された第三中間体に紫外線を照射する室であって、窒素置換が可能なレンズ収容室(96)を設け、該UV照射部(8)へレンズを搬送する搬送手段には、レンズの中央底面部を空気の吸引手段によって支持する吸着部を設け、前記支持軸の周囲には、該支持軸及び前記吸着部が前記レンズを支持する領域以外のレンズ底面を支持するレンズ積載部を設け、前記支持軸と前記吸着部とにおけるレンズの受け取り又は受け渡し時において、前記レンズ積載部にレンズを仮置きして、前記レンズ積載部、前記支持軸、及び前記吸着部の少なくとも1つを上下動させることによって、前記レンズを前記支持軸又は前記吸着部に支持させるようにしたことと共に、前記レンズを前記支持軸に支持させた後、前記レンズ積載部を前記レンズの下部から水平方向へ移動可能な機構を設け、前記レンズ積載部を前記レンズ収容室と離間可能に配設することができる。
上記レンズコーティング装置の前記プライマコーティング部(5)には、前記支持軸及び前記レンズ積載部を設け、かつ、コーティング時に飛散した液状およびミスト状のプライマコーティング液を吸入する吸入口を備えた吸入ダクト(134)を配設するとともに、前記レンズ積載部にそれらのプライマコーティング液の付着を防止する付着防止部材を配設し、前記吸入ダクト(134)は、レンズの周縁部近傍のレンズよりも高い位置に中央開口(131a)を有するドーム状の上カップ(131)と、レンズの周縁部近傍のレンズよりも低い位置に中央開口(132a)を有し、前記上カップと間隔を空けて配設したドーム状の中カップ(132)により形成され、かつ、前記吸入ダクト(134)は、液状およびミスト状のプライマコーティング液を外部に排出する排出口を備え、
前記吸入ダクト(134)の吸入口は、前記上カップ(131)の中央開口(131a)と前記中カップ(132)の中央開口(132a)とによって形成され、
前記付着防止部材は、前記中カップ(132)の前記中央開口(132a)の周縁部近傍に上端部が位置し、少なくとも前記レンズ積載部の上端側を囲繞する筒状部材を備えるようにした。
上記レンズのコーティング装置は、複数の原料レンズを水平方向及び/又は上下方向に直線上に並べた原料レンズ収容ユニット(22)と、該原料レンズ収容ユニットに収容された前記原料レンズの底面を空気吸引によって支持するレンズ吸着部(45c)を有し、該レンズ吸着部(45c)を前後、左右及び上下に移動可能にする移動機構を備え、原料レンズを原料レンズ収容ユニット(22)から前記レンズ測定部(3)に搬送する第一レンズ副搬送手段(31)と、を具備する原料レンズ供給部(2)を前記コーティングラインの上流側位置に配設することができる。
上記レンズのコーティング装置は、複数の製品レンズを水平方向及び/又は上下方向に直線上に並べることができる製品レンズ収容ユニット(75)と、製品レンズの底面を空気吸引によって支持するレンズ吸着部(45c)を有し、該レンズ吸着部(45c)を前後、左右及び上下に移動可能にする移動機構を備え、製品レンズを前記コーティングラインから該製品レンズ収容ユニット(75)に搬送する第二レンズ副搬送手段(73)と、を具備する製品レンズ貯留部(9)を前記コーティングラインの下流側位置に配設することができる。
上記レンズのコーティング装置の前記原料レンズ収容ユニット(22)には、同心円状にかつ上方に向かって径が大きくなる階段状の複数の原料レンズ載置部(25)を形成し、該複数の原料レンズ載置部の中央部と該レンズ載置部の前記第一レンズ副搬送手段(31)側の部位に、前記レンズ吸着部(45c)が通過可能な開放部を形成し、前記階段状の段部にレンズを載置することができる。
上記レンズのコーティング装置の前記製品レンズ収容ユニット(75)には、同心円状にかつ上方に向かって径が大きくなる階段状の複数の製品レンズ載置部(上記原料レンズ載置部(25)と同じ形状である)(75a)を形成し、該複数の製品レンズ載置部の中央部と該レンズ載置部の前記第二レンズ副搬送手段(73)側の部位に、前記レンズ吸着部(45c)が通過可能な開放部を形成し、前記階段状の段部にレンズを載置することができる。
上記レンズのコーティング装置は、前記フォトクロミックコーティング部(7)を区画して、該フォトクロミックコーティング部(7)の温度を調整する温度調整手段を設けることができる。
レンズのコーティング装置は、前記プライマコーティング部(5)を区画して、該プライマコーティング部(5)の温度及び湿度を調整する温度調整手段及び湿度調整手段を設けることができる。
上記レンズのコーティング装置は、前記前記UV照射部(8)を区画して、該UV照射部(8)内の空気を前記装置本体の外部に排気する排気ダクト(93c)を設けることができる。
上記レンズのコーティング装置は、前記プライマコーティング部(5)及びフォトクロミックコーティング部(7)に吸気ダクト(20a、20b)を設け、フィルタ(19a、19b)を介在させて配設することができる。
本発明のレンズのコーティング装置は、搬送手段にはレンズの中央底面部を空気の吸引手段によって支持する吸着部を設け、前記支持軸の周囲には、該支持軸及び前記吸着部が前記レンズを支持する領域以外のレンズ底面を支持するレンズ積載部を設け、前記支持軸と前記吸着部とにおけるレンズの受け取り又は受け渡し時において、前記レンズ積載部にレンズを仮置きして、該レンズ積載部、前記支持軸、及び前記吸着部の少なくとも1つを上下動させることによって、前記レンズを前記支持軸部又は前記吸着部に支持させるようにした。このように、搬送ユニットのレンズを支持する吸着部が軸状で中心部を支持するので、レンズにモーメントがかかることなく、レンズを歪むことなく搬送させることができる。また、パッドを省略することができ、コーティングの作業能率が向上する。
上記レンズのコーティング装置は、前記レンズ積載部が前記支持軸の周囲に立設した3以上のピン部材であって、該ピン部材の先端部でレンズの底面を支持するようにしたため、ピン部材の隙間から搬送装置の吸着部を差し込むことができる利点がある。また、構造が簡単になる。
上記レンズのコーティング装置の前記搬送手段には、前記吸着部が2個設けられ、これらの吸着部の1つが前記レンズ積載部を介して、前記支持軸に支持されているレンズを受け取り、他方の吸着部が、該吸着部に支持しているレンズを該支持軸に受け渡すようにした。これによって、吸着部が1つの場合は、吸着部がレンズを受け取って、レンズを下流側に搬送した後、さらにレンズを上流側で受け取ってレンズを支持軸に受け渡すが、本発明によって、レンズの受け渡しをその場でできるようになって、作業効率が向上するようになった。
上記レンズのコーティング装置の前記装置本体には、レンズの中心部の高さ位置を検出するセンサーが設けられ、フォトクロコミックコーティング液を供給する容器のノズルの先端部の高さ位置を検出するセンサーを設けることにより、前記のノズルの先端部とレンズの中心部との間を一定間隔に調整するようにした。従来では、手動でノズルの先端位置を調整しているため、オペレータの習熟度によって、高さのばらつきがあったが、オペレータの習熟度に依存することなく、容器の交換時にノズルの先端位置とレンズの間隔を一定値にすることができ、コーティング層に泡が含まれない品質の良いコーティング処理ができるようになった。
更に、前記UV照射部には、支持軸と搬送手段の吸着部とにおけるレンズ受け渡し又は受け取り時に使用するレンズ積載部を、支持軸に支持されたレンズの下部から移動可能な機構とし、UV照射部におけるレンズ収容室内に前記レンズ積載部を存在させないようしたことにより、前記効果と共に、レンズ収容室をコンパクトにすることができる。
上記レンズのコーティング装置では、装置本体のコーティングラインの上流側位置に前記原料レンズ供給部(2)が配設されているので、複数のレンズを一度に装置本体にセットすることができ、レンズ供給部に1枚宛セットする手間が省けるようになった。また、前記第一レンズ副搬送手段(31)は、前記レンズ吸着部を上下、左右及び前後方向に移動可能な移動機構を備えているので、レンズの受け渡しを円滑に行うことができるようになった。なお、原料レンズ収容ユニット(22)は、装置本体から取り外し可能とすることもでき、その場合には、レンズの設置を装置本体の外で行うことができ、作業能率をより向上させることができる。
また、上記レンズのコーティング装置では、装置本体のコーティングラインの下流側位置に前記製品レンズ貯留部(9)が配設されているので、コーティング処理された複数の製品レンズをまとめて装置本体から取り出すことが可能となり、作業効率が向上するようになった。更に、該レンズ収容ユニットを装置本体から取り外し可能とした場合には、コーティング処理した複数のレンズを一度にまとめて装置本体から取り出すことが可能となり、より作業効率を向上することができる。更に、第二レンズ副搬送手段(73)は、前記レンズ吸着部を上下、左右及び前後方向に移動可能な移動機構を備えているので、レンズの受け渡しを円滑に行うことができるようになった。
また、上記レンズのコーティング装置は、前記レンズ収容ユニットには、同心円状にかつ上方に向かって径が大きくなる階段状の複数のレンズ載置部を形成し、該複数のレンズ載置部の中央部と該レンズ載置部の前記副レンズ搬送手段側の部位に、前記レンズ支持部が通過可能な開放部を形成し、前記複数のレンズ載置部のいずれか1つの前記階段状の段部にレンズを載置するようにしたので、レンズの中心位置の決定を大まかにすることができ、また、レンズ径の異なるレンズでも収容が可能である。また、開放部を形成したので、副レンズ搬送手段のレンズ吸着部が容易にレンズを支持できるようになった。
さらに、上記レンズのコーティング装置は、前記第一レンズ副搬送手段(31)からレンズを受け取って、レンズの外径、曲率、及び高さを検知するレンズ計測装置を設けたので、従来のようにコーティング装置のオペレータがレンズ径をコーティング装置の制御部に知らせる必要がなくなり、オペレータの手間が大幅に省略できるようになった。また、操作ミスを解消できるようになった。
上記レンズのコーティング装置によれば、フォトクロミックコーティング部(7)及びプライマコーティング部(5)を各々区画して、温度調節をするようにしたので、UV照射部(8)で発生する熱の影響を受けないようになり、品質の高いフォトクロミックレンズを生産できるようになった。さらに、プライマコーティング部(5)の湿度調整をするようにしたので、より品質の高いフォトクロミックレンズを生産できるようになった。また、UV照射部(8)を区画して、装置本体の外に空気を排気する排気ダクト(93c)を配設したので、フォトクロミックコーティング及びプライマコーティング作業への熱的影響をより確実に防止することができる。
プライマコーティング部(5)及びフォトクロミックコーティング部(7)に吸気ダクト(20a、20b)を設け、フィルタ(19a、19b)を介在させて配設したので、それらの部内に汚染された空気が入り込むことが防止される。また、吸気ダクト(20a、20b)より空気が吸入されることによって、装置本体の他の部分から空気が入り込むことが防止される。
また、プライマコーティング部(5)に特定のプライマカップを配置することにより、飛散したプライマコーティング液を効率よく排出することができるため、高品質のフォトクロミックレンズを製造できる。
さらには、フォトクロミックコーティング部(7)の温度を20〜23℃の範囲に調整するようにし、プライマコーティング部(5)の温度を20〜22℃、湿度を45〜55%の範囲に調整するようにすれば、さらに品質のよいフォトクロミックレンズを生産できる。
上記レンズコーティング装置の前記プライマコーティング部(5)には、前記支持軸、および前記レンズ積載部を設け、かつ、レンズコーティング時に飛散した液状およびミスト状のプライマコーティング液を吸入する吸入口を備えた吸入ダクト(134)を配設したので、ミストがレンズに付着することが防止され、
また、前記レンズ積載部に液状およびミスト状のプライマコーティング液の付着を防止する付着防止部材を配設したので、レンズ積載部にプライマコーティング液やそのミストが付着するのが防止される。
本発明の実施形態によるコーティング装置全体の概略平面図である。 図1のコーティング装置に配設された原料レンズ収容ユニットの正面図である。 図1のコーティング装置に配設された原料レンズ収容ユニットの平面図である。 図2の原料レンズ収容ユニットに配設されているレンズ載置部の拡大正面図である。 図1のコーティング装置に配設されている第一(または第二)レンズ副搬送手段の平面図である。 図5の第一(または第二)レンズ副搬送手段の側面図である。 図5の第一(または第二)レンズ副搬送手段に配設されているスライドユニットの平面図である。 図5の第一(または第二)レンズ副搬送手段に配設されているスライドユニットの側面図である。 図1に示すコーティング装置のレンズ計測装置の平面図である。 図1に示すコーティング装置のレンズ計測装置の側面図である。 図10に示すレンズ計測装置のレーザ投光部及び受光部を示し、Aはレンズを支持していないセンタリングロッドが測定エリアにある状態の斜視図、Bはレンズを支持したセンタリングロッドが測定エリアのある状態の斜視図、Cはレンズの端部が測定エリアにある状態の斜視図である。 図10に示すレンズ計測装置のレーザ投光部及び受光部を示し、Aはレンズの移動方向先端部が測定エリアを通過している状態の平面図、Bはレンズの移動方向後端部が測定エリアを通過している状態の平面図、Cはレンズの移動方向後端側が測定エリアを通過している状態の平面図である。 図1の第一主搬送手段の平面図である。 図1のプライマコーティング部に配設されているプライマコーティング装置の正面図である。 図1のフォトクロミックコーティング部に配設されているフォトクロミックコーティング装置の正面図である。 図1のUV照射部に配設されているレンズ受け渡し部の正面図である。 図1のUV照射部に配設されている紫外線照射室の正面図である。 図1に示すコーティング装置のレンズ収容ユニットとレンズ支持ユニットの拡大平面図である。 Aは、レンズ支持ユニットがレンズをピンの直上方に配置した状態の側面図、Bはレンズ支持ユニットがレンズをピンに置いた状態の側面図、Cはレンズ支持ユニットが後退してピンから離れた状態の側面図、Dはセンタリングロッドがレンズを支持している状態の側面図である。 Aは、レンズ計測ユニットのセンタリングロッドがレンズを支持している状態の側面図、Bは立設ピンが上昇してレンズを支持している状態の側面図、Cは受け渡しハンドの吸着部が立設ピンからレンズを受け取る状態の側面図、Dは受け渡しハンドの吸着部がレンズを支持している状態の側面図である。 Aは、受け渡しハンドの吸着部がレンズを支持している状態の側面図、Bは受け渡しハンドの吸着部から立設ピンがレンズを受け渡された状態の側面図、Cは立設ピンからスピン軸へレンズを受け渡す際の状態を示す側面図、Dはスピン軸がレンズを支持した状態の側面図である。 本発明の実施形態によるコーティング装置の正面図である。 図1に示す仕切壁(プライマコーティング部及びフォトクロミックコーティング部)の部内側から見た正面図である。 本発明の実施形態によるコーティング装置の平面図である。 図25は、従来の受け渡しハンドのレンズの受け渡しを示す図であって、Aはスピン軸がレンズ支持している状態の平面図、Bは受け渡しハンドがレンズを受け渡されている状態の平面図、Cは受け渡しハンドがレンズを支持している状態の平面図である。 図25のCの受け渡しハンドがレンズを支持している状態の断面図である。 従来技術のプライマコーティング部におけるミストを排気するカバーを設けたプライマコーティング装置である。
符号の説明
1 コーティング装置
5 プライマコーティング部
7 フォトクロミックコーティング部
10 レンズ
22原料レンズ収容ユニット
25〜30、75a レンズ載置部
31 第一レンズ副搬送手段
43 スライドユニット
45 レンズ支持ユニット
48 レンズ計測ユニット
57a センタリングロッド
58d ピン
60 レーザ投光部
61 レーザ受光部
65 プライマコーティング装置
66 フォトクロミックコーティング装置
73 第二レンズ副搬送手段
75 製品レンズ収容ユニット
131 上カップ
131a,132a 中央開口
132 中カップ
133 下カップ
133a 筒状部材
134 吸入ダクト
以下、本発明の実施形態を、好適に使用できるコーティング装置を使用した例として、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書では、図1のコーティング装置のX軸方向の向きをコーティング装置の幅方向とし、Y軸方向の向きを前後方向(Y軸の矢印と反対方向を前側とする)とし、Z軸方向(図1に紙面に対して垂直方向を上下方向として説明する。
図1に示すコーティング装置1の装置本体1aには、レンズのコーティング作業の流れ順に沿って、原料レンズの形状を測定するためのレンズ測定部3と、原料レンズにプライマ液を塗布し、未乾燥のプライマコート層を有する第一中間体レンズを作成するためのプライマコーティング部5と、第一中間体レンズの未乾燥のプライマコート層を乾燥させて乾燥したプライマコート層を有する第二中間体レンズを作成する乾燥部6と、第二中間体レンズにフォトクロミックコート液を塗布して未硬化のフォトクロミックコート層を有する第三中間体レンズを作成するフォトクロミックコーティング部7と、第三中間体レンズにUVを照射して未硬化のフォトクロミックコート層を硬化させて製品レンズを作成する2つのUV照射部8a及び8bと、からなるコーティングラインが形成されている。そして、このコーティングラインには、前記第三中間体レンズを仮置きするための第三中間体レンズ仮置き部74、及び前記製品レンズを仮置きするための製品レンズ仮置き部72が設けられている。尚、原料レンズ、第一中間体レンズ、第二中間体レンズ、第三中間体レンズ、および製品レンズは、上記に示した態様のレンズを指すが、下記の説明においては、単にレンズと略す場合もある。
UV硬化はフォトクロミックコーティングに比べて長い時間を要するため、UV照射部が1つの場合には、フォトクロミックコーティング部7の処理が終了した後にUV照射部での処理が終わるまでフォトクロミックコーティング部7の稼動を一時中止し時間調整を行う必要がある。これに対し、図1に示す装置では、第三中間体レンズ仮置き部74を設けると共に2つのUV照射部8a及び8bを設けているので、一方のUV照射部(例えば8a)が稼動中に作成された前記第三中間体レンズを第三中間体レンズ仮置き部74に一旦置いて、そこから稼動していない他方のUV照射部(例えば8b)に第三中間体レンズを搬送することにより、フォトクロミックコーティング部7を連続稼動させることが可能となっている。
コーティング装置1では、原料レンズおよび各中間体レンズは、上記コーティングライン内に配設された主搬送手段によって行われる。図1に示すコーティング装置1における主搬送手段は、(i)前記原料レンズを前記レンズ測定部3から前記プライマコーティング部5へ搬送する機能と、前記第一中間体レンズを前記プライマコーティング部5から前記乾燥部6へ搬送する機能と、前記第二中間体レンズを前記乾燥部6から前記フォトクロミックコーティング部7へ搬送する機能と、前記第三中間体レンズを前記フォトクロミックコーティング部7から前記第三中間体レンズ仮置き部74へ搬送する機能とを併せ持つ第一主搬送手段62と、(ii)第三中間体レンズを前記第三中間体レンズ仮置き部74から前記UV照射部8へ搬送する機能と、前記製品レンズを前記UV照射部8から前記製品レンズ仮置き部72へ搬送する機能とを併せ持つ第二主搬送手段67との2つの主搬送手段からなっている。そして、前記第一主搬送手段62は、レンズ測定部3、プライマコーティング部5、乾燥部6、フォトクロミックコーティング部7および第三中間体レンズ仮置き部74と夫々隣接する第一主搬送部4aに配設されており、前記第主二搬送手段67は、前記第三中間体レンズ仮置き部74、前記製品レンズ仮置き部72、UV照射部8a及び8b夫々隣接する第二主搬送部4bに配設されている。
コーティング装置1は、装置本体のコーティングラインの上流側位置に前記原料レンズ供給部2が配設されている。該レンズ供給部2は、プライマ及びフォトクロミックコーティングを行う原料レンズを設置する場所であり、装置外部で準備された原料レンズをストックするためのストックヤードとしての機能を有する。原料レンズ供給部2には装置外部から原料レンズが持ち込まれるため、該原料レンズ供給部2は、通常、装置の前面若しくは側面付近のオペレータが作業し易い位置に配設される。
レンズのコーティング装置においてはコーティングラインの各工程において原料レンズあるいは各種中間体レンズの表面に埃などの異物が付着するのを防止するために装置内部のクリーン度を高くすることが好ましい。そのためコーティング装置1の原料レンズ供給部2の前側壁部には、外部から原料レンズを持ち込むための開閉扉21aが設けられている。
前記原料レンズ供給部2には、原料レンズ収容ユニット22と、原料レンズを原料レンズ収容ユニット22から前記レンズ測定部3に搬送する第一レンズ副搬送手段31とが設けられている。
図1に示すコーティング装置1の原料レンズ供給部2には、2個の原料レンズ収容ユニット22が設置されている。この原料レンズ収容ユニット22は、コーティング装置1に固定して設置することもできるし、カートリッジタイプのものとし、コーティング装置1からの取付け及び取り外しが可能となるように設置することもできる。取り外し可能とした場合、取り付けガイドなどを設けることにより、原料レンズ収容ユニット22は、原料レンズ供給部2の所定の定位置に設置することが好ましい。そうすることにより、原料レンズ供給部2に固定されている第一レンズ副搬送手段31との位置関係が一定となり、第一レンズ副搬送手段31の作動制御が容易となる。
原料レンズ収容ユニット22を固定して設置した場合には、この開閉扉21aを開いて該レンズ収容ユニット22にレンズが載置される。一方、原料レンズ収容ユニット22を取り外し可能に設置した場合には、コーティング装置1の外部において、原料レンズ収容ユニット22にレンズを載置することができる。
図2及び図3は、原料レンズ収容ユニット22の拡大図であり、図2は装置本体1aの内側から見た原料レンズ収容ユニット22の正面図、図3は平面図である。
一対の原料レンズ収容ユニット22は、同じ形状であり、一方の原料レンズ収容ユニット22について説明すると、原料レンズ収容ユニット22は四角形状の外枠23が設けられ、外枠23は左右縦枠23a,23bと上下横枠23c,23dとによって形成されている。原料レンズ収容ユニット22の左右中心部には内枠24が上下方向に配設されている。なお、内枠24は2枚の板材によって形成されているが1枚でもよく、本実施形態では2枚の内枠を区別せずに総称して内枠24とする。
原料レンズ収容ユニット22は、内枠24と左右縦枠23a,23bとの間にレンズ載置部25〜30が配設され、原料レンズ収容ユニット22の一方の側にレンズ載置部25〜27が配設され、他方の側にレンズ載置部28〜30が、各々上下方向に間隔を空けて配設されている。
これらのレンズ載置部25〜30は、各々が同一形状であり、1つのレンズ載置部25について説明すると、レンズ載置部25は左右に2分割されたブロックプレート25a,25bによって形成され、一方のブロックプレート25aが右縦枠23bに固定され、他方のブロックプレート25bが内枠24に固定されている。したがって、原料レンズ収容ユニットがコーティング装置1にセットされた状態では、Y軸方向にレンズ載置部25が貫通するような開放部(間隙部)25cが形成されている。
図4に示すように、このブロックプレート25a,25bの各々には、レンズ10をセンタリングする階段状でかつ同心円上に配置されている段部dを形成している。段部dの湾曲面は、各レンズ10のサイズの外周形状に対応するように形成され、各段部d1〜d5の湾曲面を延長すると円形状になり、一番下側の段部d1からd2、d3、d4、d5の順に、小径のレンズから大径のレンズに対してセンタリングをすることができる。
図2に示すように、上下に配設したレンズ載置部25〜27は、中心軸を同軸上に配置し、横方向に配設した上段のレンズ載置部25,28、中段のレンズ載置部26,29及び下段のレンズ載置部27,30の各水平位置が同じになるように、整列状態で配置されている。このようにして原料レンズ収容ユニット22に複数のレンズを水平方向及び/又は上下方向に直線上に配置することにより、原料レンズ収容ユニット22から原料レンズを取り出す際の第一レンズ副搬送手段31の駆動メカニズムを単純にすることが可能となる。
図5及び図6は、第一レンズ副搬送手段31を示す。なお、該第一レンズ副搬送手段31は、搬送するレンズの種類(原料レンズ又は製品レンズ)が異なるだけで第二レンズ副搬送手段73と基本的に同じ構造となっている。
第一レンズ副搬送手段31は、基台としてのX軸ガイドユニット32がX軸方向に延在している。X軸ガイドユニット32は、一端側にパルスモータ33が配設され、パルスモータ33の下端部には駆動プーリ34が接続されている。X軸ガイドユニット32の他端側は、回転可能に支持された従動プーリ35が設けられ、駆動プーリ34と従動プーリ35にはベルト36が巻回されている。そして、ベルト36には、スライドユニット37が連結され、パルスモータ33によるベルト36の回転移動によって、スライドユニット37はX軸方向に沿って移動できる。
スライドユニット37に設けられた基台37aの上面には、Z軸ユニット38が設けられ、Z軸ユニット38には、上下方向に延びるガイドレール38aとZ軸ボールネジ38bとが平行して設けられている。これらのガイドレール38aには、昇降部材38cが上下方向に摺動可能に嵌合するとともにZ軸ボールネジ38bに螺着して設けられている。
基台37aには、パルスモータ39が配設され、このパルスモータ39の下端部には駆動プーリ40が接続されている。駆動プーリ40は、Z軸ボールネジ38bの下端部に回転可能に取付けられている従動プーリ38dとベルト41によって連結され、駆動プーリ40の回転によって、Z軸ボールネジ38bが回転することができる。このZ軸ボールネジ38bの回転によって昇降部材38cが、上下動するように構成されている。
昇降部材38cには、パルスモータ42が取付けられ、パルスモータ42の回転軸42aの上部には、連結部44fを介してスライドユニット43が取付けられている。パルスモータ42は図6中に二点鎖線で示すように、昇降部材38cとともに上下動することができる。
図7及び図8を参照にしてスライドユニット43は、回転台44とこの回転台44の上に副搬送手段用レンズ支持ユニット45が備えられている。回転台44は、パルスモータ42(図6参照)を駆動させることによって、回転軸42a(44f)を軸心にして回転することができる。回転台44の内部の一端部には、パルスモータ44aが配設され、このパルスモータ44aの下端部には駆動プーリ44bが接続されている。回転台44の内部の他端部には、従動プーリ44cが配設され、駆動プーリ44bと従動プーリ44cとはベルト44dによって連結されている。そして、ベルト44dは、副搬送手段用レンズ支持部ユニット45の取付部45aと接続されている。
副搬送手段用レンズ支持ユニット45には、基端側に摺動部材45bが設けられ、摺動部材45bは回転台44の側面に形成されたガイドスリット部44eに摺動可能に嵌合している。よって、パルスモータ44aが回転すると、ベルト44dとともに、副搬送手段用レンズ支持ユニット45が回転台44の上面の長手方向に沿って、進退移動が可能である(図7及び図8中の二点鎖線参照)。第一レンズ副搬送手段31は、前記のような構成からなることにより、下記のレンズ吸着部45cを前後、左右及び上下に移動可能にすることができる。また、旋回させることも可能である。
図7及び図8を参照にして、副搬送手段用レンズ支持ユニット45の先端部には、レンズの底面を空気吸引によって支持するレンズ吸着部45cが取付けられている。副搬送手段用レンズ支持ユニット45の基端側の側面には、継ぎ手45dが接続され、継ぎ手45dは図示しない空気吸引手段と接続され、レンズ吸着部45cと副搬送手段用レンズ支持ユニット45の内部で連通している(図示せず)。レンズ吸着部45cは、レンズ10を載置した状態でレンズ10の底面を空気の吸引によって支持することができる。尚、レンズ10は、第一レンズ副搬送手段31においては原料レンズを指し、第二レンズ副搬送手段73においては製品レンズを指す。
図9及び図10は、レンズ測定部3に配設されたレンズ計測装置48を示す。該レンズ計測装置48では、前記第一レンズ副搬送手段31からレンズを受け取って、レンズの外径、曲率及び高さを検知する。
レンズ計測装置48は、基台としてのY軸ガイドユニット49がY軸方向に延在している。Y軸ガイドユニット49は、一端側にパルスモータ50が配設され、パルスモータ50の下端部には駆動プーリ51が接続されている。Y軸ガイドユニット49の他端側は、回転可能に支持された従動プーリ52が設けられ、駆動プーリ51と従動プーリ52にはベルト53が巻回されている。そして、ベルト53には、スライドユニット54が取付けられ、ベルト53の回転移動によって、スライドユニット54はY軸方向へ移動できる。
スライドユニット54に設けられた基台54aには、パルスモータ54bが取付けられ、パルスモータ54bの上部には駆動プーリ54cが接続されている。駆動プーリ54cは、回転軸57の下端部に回転可能に取付けられている従動プーリ54dとベルト54eによって連結されている。回転軸57は基台54aに支持され、駆動プーリ54cの回転によって、回転軸57が回転することができる。この回転軸57の上部には、センタリングロッド57aが設けられている。センタリングロッド57aの中心部には、図示しない空気吸引手段と連結されているレンズ吸着用の孔57bと連結され、センタリングロッド57aの先端部で、レンズ10の底面を支持することができる。このセンタリングロッド57aは、本発明の支持軸に該当する。パルスモータ54bが回転すると、回転軸57の回転によってセンタリングロッド57aを回転することができる。
また、基台54aには計測用レンズ支持ユニット58が設けられ、計測用レンズ支持ユニット58は基台54aの上にエアシリンダ58aが取付けられ、エアシリンダ58aの伸縮ロッド58bには、レンズ支持板58cが取付けられ、レンズ支持板58cの上面には、レンズ積載部が設けられる。
このレンズ積載部は、レンズ支持ユニット45のレンズ吸着部45c及びセンタリングロッド57a(支持軸)がレンズを支持する領域以外のレンズ底面を支持できるものであれば特に制限されるものではない。中でも、レンズ積載部を3本以上のピン部材で構成することにより、ピン部材の隙間からレンズ吸着部45cを差し込むことができ、操作性を向上することができる。また、ピン部材とすることで作製が容易となり、更に、レンズ積載部の軽量化にも繋がり、装置の破損が少なくなり、そのメリットは非常に多い。以下の説明において、本発明のレンズ積載部は、いずれも立設ピンとする。
レンズ支持板58cの上面には、レンズ積載部として、4本の立設ピン58dを同心円周上に直立させている。エアシリンダ58aの駆動によって、レンズ支持板58cは昇降が可能である。立設ピン58dは、正方形状に配置され、その中心部にセンタリングロッド57a(支持軸)の中心が配置されるように形成されている。立設ピン58dは先端部でレンズ10を載置することができ、計測用レンズ支持ユニット58の上下動によって、レンズ10をセンタリングロッド57a(支持軸)の先端部に受け渡し及び受け取りすることができる。
レンズ計測装置48の両側部には、図10〜図12に示すように、一方側にレーザ投光部60が設けられ、他方側には、レーザ投光部60に対応させてレーザ受光部61が設けられている。レーザ投光部60によってレーザ光をレーザ受光部61に向けて照射すると、レーザ受光部61はレーザ光を受光することができる。図11に示すように、センタリングロッド57a(支持軸)の先端部にレンズ10を固定し、センタリングロッド57aを回転及び直線移動させて測定エリアaにレンズ10を通過させ、レンズの外径、曲率及び高さを検知する。
次に、レンズ計測装置48において、レンズの外径、曲率及び高さを検知したレンズをプライマコーティング部5へ搬送する手順、装置について説明する。
図1に示すように、第一主搬送部4aには第一主搬送手段62が配設されている。図13に示すように、第一主搬送手段62には、X軸方向に摺動可能な摺動ユニット76が配設され、摺動ユニット76には、アーム63が軸76aを回転軸として回転可能に配設されている。アーム63は、基端側の第一アーム63aと先端側の第二アーム63bとによって構成され、第二アーム63bは、第一アーム63aとの関節部にある回転軸63cを中心軸にして回動可能に配設されている。第二アーム63bの先端部には、受け渡しハンド64が接続され、関節部にある回転軸63dを中心軸にして回動可能に形成されている。受け渡しハンド64の先端部には、図示しない空気吸引手段と連通する吸着部64aが形成されている(図20参照)。この吸着部64aは、第一アーム63a及び第二アーム63bさらには受け渡しハンド64の回動によって、360度の回転範囲で移動することができる。受け渡しハンド64は、レンズ10のレンズ計測装置48の計測用レンズ支持ユニット58からレンズ10を受け取ることができ、レンズ10をプライマコーティング部5、乾燥部6及びフォトクロミックコーティング部7の順に搬送することができる。
なお、第一主搬送手段62の摺動ユニット76は、第一レンズ副搬送手段31のスライドユニット37と、基本的に同様なX軸スライド機構及びZ軸スライド機構が適応できるのでその説明を省略する。
図14に示すように、プライマコーティング部5に配設されたプライマコーティング装置65は、基台77にスピン軸78(支持軸)を回転可能に配設するとともに、パルスモータ79を取付けている。パルスモータ79の回転軸の上部には駆動プーリ79aが取付けられ、駆動プーリ79aはスピン軸78に配設されている従動ローラ78aとベルト80によって連結されている。スピン軸78の中央部には図示しない空気吸引手段と連通されている流通孔78bが形成され、空気吸引によってレンズ10の底部を支持することができる。なお、このスピン軸78は、本発明の支持軸に該当する。
また、プライマコーティング装置65には、プライマコーティング用レンズ支持ユニット81が設けられ、プライマコーティング用レンズ支持ユニット81は基台77に取付けられているエアシリンダ81aに支持され、エアシリンダ81aの伸縮ロッド81bの先端部には、レンズ支持板81cが取付けられ、レンズ支持板81cの上面には、レンズ積載部として、4本の立設ピン81dを直立させて取付けている。エアシリンダ81aの駆動によって、レンズ支持板81cは上下方向に昇降が可能である。立設ピン81dは、図9、10に示す立設ピン58dと同じ構造であり、先端部でレンズ10を仮支持することができ、プライマコーティング用レンズ支持ユニット81の上下動によって、レンズ10をスピン軸78に受け渡し及び受け取りすることができる。
スピン軸78の上部には、レンズ10にプライマコーティング液を塗布するディスペンスバルブ82が設けられ、ディスペンスバルブ82の先端部に設けられているノズル82aからプライマコーティング液が、レンズ10に塗布される。なお、図示しないが、ディスペンスバルブ82の上流には配管を介してプライマコーティング液タンク(図示せず)が連結されており、タンク内部はプライマコーティング吐出前に窒素などのガスで加圧状態に保持され、ディスペンスバルブ82を開くことによりプライマコーティング液をノズル82aから吐出させることができるようになっている。なお、コーティング終了後は、タンク内部は大気圧に開放される。
図14に示すように、スピン軸78の周囲に、レンズ支持板81cの上面に直立させて取り付けた立設ピン81dを配置して、この立設ピンを介して、レンズ10をスピン軸78に受け渡し及び受け取りするようにした場合には、プライマコーティング装置65には、プライマカップ100を配設することが好ましい。プライマカップ100は、上カップ131、中カップ132及び下カップ133から構成されている。上カップ131は中カップ132の外側で間隔を空けて配設され、上カップ131は、中央の開口131aが、レンズ10の高さ位置より僅かに高い位置に配置され、ドーム状の形状である。また、中カップ132は、中央の開口132aがレンズ10の高さ位置よりも低く配置され、ドーム状の形状である。吸入ダクト134は、これら上カップ131と中カップ132より形成され、該吸入ダクトの吸入口は、上記開口131aと開口132aにより形成される。これら上カップ131および中カップ132は、それぞれの開口131a,132a、すなわち吸入口が上記位置で形成されれば特に制限されるものではないが、上カップ131及び中カップ132は、各々が開口131a,132aの位置を高くし、その周囲は半径方向外側に向かって低くなるようにして吸入ダクト134を形成することが好ましい。特に好ましくは、吸入ダクト134をレンズの形状に併せて傾斜させることが好ましい。こうすることにより効率のよい吸入ダクトとすることができる。
トレイ状の下カップ133は支持台135の上面に載置され、下カップ133の外周部は、上カップ131の下部と連結されている。下カップ133には、中カップ132の外周部よりも半径方向内側に環状壁136を形成し、この環状壁136の外側にプライマドレイン137を形成し、内側には排気口138を形成している。排気口138は図示しない空気を吸引する吸引ポンプに接続され、プライマドレイン137は、図示しないプライマ液の回収タンクと接続されている。なお、図14に示す態様とした場合には、液状およびミスト状のプライマコーティング液を外部に排出する排出口は、これらプライマドレイン137および排気口138が該当する。また、図14では、排出口として、プライマドレイン137および排気口138を別々に分けて記載しているが、これらはまとめて1つの排出口とすることもできる。
下カップ133の内方側には、コーティング時にプライマコーティング液若しくはそのミストの付着を防止する付着防止部材としての筒状部材133aを、上方へ立設させ、筒状部材133aは、レンズ支持部81の下降時において、立設ピン81dを囲繞している。筒状部材133aの上端部は、中カップ132の中央開口132aの周縁部に上端部が位置するように配置されている。
図1に示すプライマコーティング部5は、側壁がステンレス等の金属、透明ガラスまたは透明合成樹脂の仕切壁11a,11bによって仕切られ、前壁が開閉自在の開閉扉12aで仕切られ、第一主搬送部4a側の後壁は仕切壁13によって仕切られている。
図23は、仕切壁13を第一主搬送部4aから見た状態を示す。仕切壁13には、プライマコーティング装置65にほぼ対応する高さに、四角形状のレンズ10の搬送用開口13aを形成し、この搬送用開口13aには、該搬送用開口13aを開閉することができるシャッタ14が配設されている。シャッタ14は、シリンダ15に支持され、シリンダ15のロッド15aの上下動によってシャッタ14は昇降が可能である。シャッタ14が下降すると搬送用開口13aが閉塞し、シャッタ14が昇降すると搬送用開口13aが開放される。搬送用開口13aが開放されると、第一主搬送手段62の受け渡しハンド64(図1及び図13参照)を搬送用開口13aからプライマコーティング部5に出し入れすることができる。
上記のように、プライマコーティング部5の壁部にレンズの出し入れをする開閉自在の扉を配設したので、部内の温度、湿度変動を最小限抑えることができ、ほぼ均一な条件下でコーティング作業を行うことができる。
図22及び図24に示すコーティング装置1の平面図を参照にして、プライマコーティング部5の天井部には、フィルタ19a、例えば、HEPA(High Efficiency
Particulate Air)フィルタ19aが配設されている。また、このHEPAフィルタ19aの上部には吸気ダクト20aが形成されている。この吸気ダクト20aとプライマコーティング部5との間にHEPAフィルタ19aが配設されている。吸気ダクト20aには、接続ダクトを介在させて、プライマコーティング部5へ供給する空気の温度を調節する温度調節設備127、プライマコーティング部5へ供給する湿度を調節する湿度調節設備128、及び該温度調整設備127、該湿度調整設備128で調整された空気を吸気ダクト20aからプライマコーティング部5へ圧送するための空気供給用ポンプ(圧送装置)129が接続されている。これら吸気ダクト20a、吸気ダクト20aへ供給する空気の温度及び湿度を調整する温度調整設備127及び湿度調整設備128、調整された空気を圧送する圧送装置129は、本発明のプライマコーティング部5の温度調整手段及び湿度調整手段に該当する。
なお、プライマコーティング部5の温度調整手段及び湿度調整手段は、吸気ダクト20a、吸気ダクト20aへ供給する空気の温度及び湿度を調整する温度調整設備127及び湿度調整設備128、調整された空気を圧送する圧送装置129の各機能を備えた1つの設備であってもよい。
次に、このプライマコーティング処理されたレンズ、即ち、未乾燥のプライマコート層を有する第一中間体レンズを乾燥する。
図1に示す第一中間体レンズ10の乾燥部6は、上述したレンズ計測装置48の計測レンズ支持ユニット58と基本的に同じ構造のものが多数配設され、レンズ10が4本の立設ピン6aによって支持される構造となっている。この乾燥部6には、前記第一主搬送手段62によりプライマコーティング処理したレンズ10が搬送される。尚、この乾燥部6においては、複数のレンズ10を乾燥することができる。
乾燥部6で乾燥されたレンズ、即ち、乾燥したプライマコート層を有する第二中間体レンズは、第一主搬送手段62によりフォトクロミックコーティング部7へ搬送される。
図1に示すフォトクロミックコーティング部7には、図15に示すフォトクロミックコーティング液を第二中間体レンズ10にコーティングするフォトクロミックコーティング装置66が配設されている。フォトクロミックコーティング装置66は、基台84にスピン軸85(支持軸)を回転可能に配設するとともに、パルスモータ86を取付けている。パルスモータ86の回転軸の上部には駆動プーリ86aが取付けられ、駆動プーリ86aはスピン軸85に配設されている従動ローラ85bとベルト87によって連結されている。スピン軸85の中央部には図示しない空気吸引手段と連通されているレンズ吸着用の孔85aが形成され、空気吸引によって第二中間体レンズ10の底面を支持することができる。このスピン軸85は、本発明の支持軸に該当する。
また、フォトクロミックコーティング装置66には、フォトクロミックコーティング用レンズ支持ユニット88が設けられ、フォトクロミックコーティング用レンズ支持ユニット88は基台84に取付けられているエアシリンダ88aに支持され、エアシリンダ88aの伸縮ロッド88bの先端部に、レンズ支持板88cが取付けられ、レンズ支持板88cの上面には、レンズ積載部として、4本の立設ピン88dを直立させている。エアシリンダ88aの駆動によって、レンズ支持板88cは上下方向に昇降が可能である。立設ピン88dは、図9及び図10に示す立設ピン58d、図14に示す立設ピン81dと同じ構造であり、レンズ10を仮置きすることができ、レンズ支持板88cの上下動によって、レンズ10をスピン軸85(支持軸)に受け渡し及び受け取りすることができる。
スピン軸85(支持軸)の上部には、レンズ10にフォトクロミックコーティング液を塗布するバレル89が設けられ、バレル89の先端部に設けられているノズル89aからフォトクロミックコーティング液が塗布される。また、フォトクロミックコーティング装置66には、スピン軸85から離れた場所に高さ計測センサー90a,90bが設けられ、バレル89のノズル89aの下端位置を計測することができる。バレル89とノズル89aとの間には、図示はしていない液ダレ防止弁(逆支弁)を設けることにより、加圧されないと該コーティング液が吐出しない機構とすることもできる。
図1に示すフォトクロミックコーティング部7は、側壁がステンレス等の金属、透明ガラス若しくは透明合成樹脂の仕切壁11b,11cによって仕切られ、前壁が開閉自在の開閉扉12bで仕切られ、第一主搬送手段62側の後壁は仕切壁16によって仕切られている。
仕切壁16の構成は、図23に示す仕切壁13と同じであるので、図23を用いて説明すると、仕切壁16にはフォトクロミックコーティング装置66に対向する高さに、四角形状のレンズ10の搬送用開口13aを形成し、この搬送用開口13aには、該搬送用開口13aを開閉することができるシャッタ14が配設されている。シャッタ14は、シリンダ15に支持され、シリンダ15のロッド15aの上下動によってシャッタ14は昇降が可能である。シャッタ14が下降すると搬送用開口13aが閉塞し、シャッタ14が昇降すると搬送用開口13aが開放される。搬送用開口13aが開放されると、第一主搬送手段62の受け渡しハンド64を搬送用開口13aからフォトクロミックコーティング部7に出し入れすることができる。
上記のように、フォトクロミックコーティング部7の壁部にレンズの出し入れをする開閉自在の扉を配設したので、部内の温度変動を最小限抑えることができ、ほぼ均一な条件下でコーティング作業を行うことができる。
図22及び図24を参照にして、フォトクロミックコーティング部7の天井部には、HEPAフィルタ19bが配設されている。また、このHEPAフィルタ19bの上部には吸気ダクト20bが形成されている。この吸気ダクト20bとフォトクロミックコーティング部7との間にHEPAフィルタ19bが配設されている。吸気ダクト20bには、接続ダクトを介在させて、フォトクロミックコーティング部7へ供給する空気の温度を調節する温度調節設備127、及び該温度調整設備127で調整された空気を吸気ダクト20bからフォトクロミックコーティング部7へ圧送するための空気供給用ポンプ(圧送装置)129が接続されている。これら吸気ダクト20b、吸気ダクト20bへ供給する空気の温度を調整する温度調整設備127、調整された空気を圧送する圧送装置129は、本発明のフォトクロミックコーティング部7の温度調整手段に該当する。
なお、フォトクロミックコーティング部7の温度調整手段は、吸気ダクト20b、吸気ダクト20bへ供給する空気の温度を調整する温度調整設備127、および調整された空気を圧送する圧送装置129の各機能を備えた一つの設備であってもよい。また、この設備は、湿度を調整する機能を有していてもよい。
図24には、フォトクロミックコーティング部7へ接続された吸気ダクト20bへ供給される空気が、プライマコーティング部5へ接続された吸気ダクト20aへ供給される空気と同じ調整を行ったものであることが示されているが、このような態様とすることで温度調整設備127を共有して使用することができる。さらに、下記に詳述する、プライマコーティング部5における湿度の範囲であれば、フォトクロミックコーティング処理に悪影響を与えることがないため、図24に示す態様とすることにより、空気を圧送する圧送装置129を共有して使用することもできる。また、吸気ダクト20a、20bを各々に備え、温度調整機能、湿度調整機能、および空気を圧送する機能が一体となった設備を使用すれば、プライマコーティング部5、フォトクロミックコーティング部7において設備を効率よく共有することができる。
なお、フォトクロミックコーティング部7へ供給される空気は、温度調整されたものであれば、プライマコーティング部5へ供給される空気とは別のものであってもよい。
なお、図24に示すように、コーティング装置1の装置本体1aには、レンズ測定部3の天井壁にHEPAフィルタ19cが配設され、第一主搬送部4aとレンズ乾燥部6との間の天井壁にHEPAフィルタ19dが配設され、製品レンズ貯留部9の天井壁にHEPAフィルタ19eが配設されることもできる。
フォトクロミックコーティング部7でフォトクロミックコーティング処理されたレンズ、即ち、未硬化のフォトクロミックコート層を有する第三中間体レンズは、第一主搬送手段62により第三中間体レンズ仮置き部74へ搬送され、次いで、第二主搬送部4bに配設されている第二主搬送手段67によりUV照射部8a又は8b、より具体的には各部に配設されたUV装置70、71へ搬送される。この第三中間体レンズ仮置き部74は、例えば、4本の立設ピンでレンズ10の外周部を支持する構成とすればよい。この第三中間体レンズ仮置き部74における4本の立設ピンは、第一主搬送手段6から第二主搬送手段67へ第三中間体レンズを受け渡す際に、該第三中間体レンズを仮置きするレンズ積載部に該当する。
第二主搬送手段67は、アーム68の先端部に受け渡しハンド69を回動可能に取付けている。第二主搬送手段67は、基本的に第一主搬送手段62と構造が同じであるのでその詳細な説明を省略する。第二主搬送手段67の受け渡しハンド69は、UV装置70(または71)のスピン軸97aに対してレンズ10を受け渡す又は受け取ることができる。このスピン軸97aは、本発明の支持軸に該当する。
図16第二主搬送手段67からUV装置70のスピン軸97a(支持軸)に対してレンズ10を受け渡す又は受け取る装置(ステージ昇降ユニット120)を示している。UV装置70の下部には、UV照射用レンズ支持ユニット110が設けられ、UV照射用レンズ支持ユニット110は基台111に取付けられているエアシリンダ112に支持され、エアシリンダ112の伸縮ロッド113の先端部に、レンズ支持板114が取付けられ、レンズ支持板114の上面には、レンズ積載部として、4本の立設ピン115を直立させている。エアシリンダ112の駆動によって、レンズ支持板114は上下方向に昇降が可能である。立設ピン115は、図9及び図10に示す立設ピン58d、図14に示す立設ピン81dと同じ構造であり、レンズ10を仮置きすることができ、レンズ支持板114の上下動によって、レンズ10をスピン軸97a(支持軸)に受け渡し及び受け取りすることができる。スピン軸97a(支持軸)にレンズ10を受け渡した後、立設ピン115がレンズ10の下部に存在しないように、レンズ支持板114は、旋回用のエアシリンダ114aにより、水平移動が可能な構造とする。そうすることにより、下記に記載するステージ97が上昇し、レンズ収容室96を構成した際、該収容室96をコンパクトにまとめることができる。なお、上記スピン軸97aは、本発明の支持軸に該当する。
図17は、UV装置70を示す。UV装置70には、紫外線照射室93が設けられ、紫外線照射室93は、外側に遮光カバー93aを配設し、遮光カバー93aの内部には断熱材93bを配設している。紫外線照射室93には、排気ダクト93cが接続されている。紫外線照射室93には、UVユニット94が配設され、UVユニット94の内部には、UVランプ95が配設されている。
UV装置70の下部には、ステンレスからなるレンズ収容室96が配設され、さらに、レンズ収容室96の下部には、ステージ昇降ユニット120(図16)が配設されている。ステージ昇降ユニット120には、基台111の上面に間隔を空けて配設された一対のエアシリンダ121が設けられている。そして、エアシリンダ121の上端部には伸縮可能なロッド122が設けられ、この一対のロッド122の上端部にステージ97が取付けられ、ステージ97はロッド122の伸縮により上下動することができる。このステージ97には、回転可能にスピン軸97aが軸支されている。また、ステージ97には、駆動モータ123が設けられ、駆動モータ123には駆動プーリ124が取付けられ、駆動プーリ124にはベルト125が巻回されている。ベルト125は、一対のエアシリンダ121の間を通って、スピン軸97aの下部に取付けられた図示しない従動プーリに巻回され、駆動モータ123の駆動によってスピン軸97aを回転することができる。スピン軸97aの中心部には、レンズ10を吸引する吸引孔97aが形成され、吸引孔97aは図示しない空気の吸着手段に接続されている。
レンズ収容室96の上部には、ガス供給口98が設けられ、レンズ収容室96内に不活性ガスであるNを導入することができ、Nはレンズ収容室96の下部に設けたガス排出口99から排出される。レンズ収容室96の上部には、UV光を透過させるためのホウケイ酸ガラス製の窓96cが設けられている。このようにUVランプ95とレンズ10との間に、少なくとも1枚のホウケイ酸ガラス製の窓96cを配置することが好ましい。尚、図17に示すようにホウケイ酸ガラス製の窓96cの上下に、石英ガラス製の窓96a、96dを配置することもできる。レンズ収容室96の周囲には、コイル状に巻回された冷却パイプ96bが配設され、冷却パイプ96bの内部には冷却水が循環することができる。
次に、UV装置70において処理されたレンズ10(製品レンズ)は、第二主搬送手段67により、製品レンズ貯留部9側に配設されている製品レンズ仮置き部72にレンズ10を搬送する。この製品レンズ仮置き部72は、第三中間体レンズ仮置き部74と同様に、4本の立設ピン72aでレンズ10の外周部を支持する構成とすればよい。尚、この製品レンズ仮置き部72の立設ピンは、第二主搬送手段67から下記に示す第二レンズ副搬送手段73へ製品レンズを受け渡しする際に、製品レンズを仮置きするレンズ積載部に該当する。この製品レンズ仮置き部72における4本の立設ピンは、第二主搬送手段67から第二レンズ副搬送手段73へレンズ10(製品レンズ)を受け渡す際に、該製品レンズを仮置きするレンズ積載部に該当する。
図1に示すコーティング装置1では、装置本体1aのコーティングラインの下流側位置に前記製品レンズ貯留部9が配設されている。該製品レンズ貯留部9は必須のものではないが、該貯溜部9を設けることにより、コーティング処理された複数の製品レンズをまとめて装置本体から取り出すことが可能となり、作業効率がより向上する。
製品レンズ貯留部9には、製品レンズ収容ユニット75と、製品レンズを前記コーティングラインから該製品レンズ収容ユニット75に搬送する第二レンズ副搬送手段73が配設されている。第二レンズ副搬送手段73には、第一レンズ副搬送手段31のレンズ支持ユニット45と同じ構造のレンズ支持ユニット(それと同一符合45を付す)を備えている。
製品レンズ収容ユニット75,75は、図2〜図4で説明した原料レンズ収容ユニット22,22と同一構造であるので、その詳細な説明を省略する。製品レンズ収容ユニット75,75がコーティング装置1にセットされた状態では、レンズ支持ユニット45がレンズ載置部75a側に向けてY軸方向へ移動し、レンズ載置部75aにはレンズ支持ユニット45が上下方向に貫通するような開放部(図2及び図3の開放部25c参照)が形成されている。また、この製品レンズ収容ユニット75,75は、コーティング装置1に固定して配設することもできるし、取り付け及び取り外し可能に配設することもできる。取り外し可能に配設した場合には、一度にまとめて複数のコーティング処理されたレンズをコーティング装置1の外に取り出すことが可能となる。
また、第二レンズ副搬送手段73はレンズ10の製品レンズ仮置き部72からレンズ10を受け取ることができ、製品レンズ収容ユニット75,75にレンズ10を搬送する。第二レンズ副搬送手段73の構造は、図5及び図6で示した第一レンズ副搬送手段31と同一であるので、その詳細な構造については省略する。
なお、コーティング装置1には各ユニットなどを制御したり、レンズ10を適宜受け取り受け渡しのタイミングを計る制御装置が設けられている。また、本発明のコーティング装置において、上記パルスモータは、サーボモータであってもよい。
次に、本発明の実施形態の作用について説明する。
先ず、図2及び図3に示す原料レンズ収容ユニット22,22のレンズ載置部25〜30に原料レンズ10をセットする。この場合、図18に示すように、レンズ径の異なるレンズ10及び10aを載置することができ、かつランダムに配置することができるが、レンズ10,10aをレンズ載置部25に対応する所定の段差d1〜d5(図4参照)部に載置する。レンズ10は、外径の大きさに応じた段部d1〜d5のいずれかに適合されることによって、センタリングがされる。
原料レンズ収容ユニット22,22がコーティング装置1に固定されて配設された場合には、開閉扉21aを開けて、レンズ載置部25ヘレンズを載置した後、開閉扉21aを閉じる。原料レンズ収容ユニット22,22を取り外し可能にした場合には、コーティング装置1の外でまとめて複数のレンズを原料レンズ収容ユニット22,22へ載置した後、該装置1へ該レンズ収容ユニット22,22を配設し、別部材により該ユニット22,22を固定した後、開閉扉21aを閉じる。
次いで、コーティング装置1を起動する。
図5、図6を参照にして、コーティング装置1では、第一レンズ副搬送手段31のX軸ガイドユニット32のX軸方向にスライドユニット37が移動し、原料レンズ収容ユニット22の前まで移動する。このとき、スライドユニット37とともに移動するスライドユニット43の副搬送手段用レンズ支持ユニット45の先端部が原料レンズ収容ユニット22側に向くように回転移動し、副搬送手段用レンズ支持ユニット45のレンズ吸着部45cを、制御部の指示によってこれから支持しようとする原料レンズ10の位置よりも下側に配置する。そして、副搬送手段用レンズ支持ユニット45を前進移動させて、図18に示すように、レンズ吸着部45cを原料レンズ10の中心部の直下に配置する。そして、副搬送手段用レンズ支持ユニット45をそのまま、Z軸ユニット38の駆動によって上昇させて、レンズ吸着部45cの空気吸引によってレンズ10(原料レンズ)を支持させる。
図3に示すように、レンズ載置部25〜30は左右に2分割されて開放部25cが形成されているので、レンズ支持ユニット45がそれらの間を、下方から上方へ、また前後にも通り抜けることができる。
副搬送手段用レンズ支持ユニット45がレンズ10を支持している状態で、副搬送手段用レンズ支持ユニット45を後退させ、かつ副搬送手段用レンズ支持ユニット45を回転させ、図5の二点鎖線に示すように、副搬送手段用レンズ支持ユニット45先端を前進させて、図9に示すY軸ガイドユニット49の前まで副搬送手段用レンズ支持ユニット45移動させる。そして、図19のAに示すように、副搬送手段用レンズ支持ユニット45のレンズ吸着部45cを計測用レンズ支持ユニット58の4本の立設ピン58d(レンズ積載部)の中央部の直上方に配置する。
そして、図19のB及び図19のCに示すように、立設ピン58dを最も高い位置に上昇させた状態で、レンズ吸着部45cを下降させ、該立設ピン58dの上にレンズ10を載置することにより、副搬送手段用レンズ支持ユニット45から計測用レンズ支持ユニット58の立設ピン58dへレンズ10の受け渡しを行う。この後、図19のCに示すように、副搬送手段用レンズ支持ユニット45を後退させ、さらに立設ピン58dを下降させて、計測用レンズ支持ユニット58のセンタリングロッド57a(支持軸)の先端部にレンズ10を支持させる。こうすることにより、原料レンズ供給部2からレンズ測定部3への原料レンズの搬送が完了する。この後、副搬送手段用レンズ支持ユニット45は、次の原料レンズ10の取り出しのために原料レンズ収容ユニット22,22の方へ移動する。
図10〜図12に示すように、レンズ計測装置48では、レーザ投光部60とレーザ受光部61が、先端部にレンズ10を固定したセンタリングロッド57a(支持軸)の両側に配設され、センタリングロッド57aが測定エリアaを通過することにより、レンズ外径、曲率及び高さを測定する。レーザ投光部60とレーザ受光部61との間、すなわち測定エリアaにレンズ10が置かれると、該レンズ10により光が遮断され、光が遮断された長さ(または光が遮断されていない長さ)を測定できる。また、センタリングロッド57aは、回転及び直線移動が可能であり、レンズ計測装置48では、このセンタリングロッド57aの回転角度及び直線移動量の指定ができ、これらの現在値を取得することができる。
図12のA及びBを参照にして、レンズ10の外径を測定する方法を説明すると、先ず、センタリングロッド57aを移動させ、レンズ10の端が測定エリアaに進入した瞬間のセンタリングロッド57aの移動距離(A)を測定する(図12のA)。次いで、更にセンタリングロッド57aを移動させ、レンズ10の端が測定エリアaの外に出た瞬間のセンタリングロッド57aの移動距離(B)を測定する(図12のB)。移動距離(B)から移動距離(A)を減算することでレンズ10の直径及び外径を求める。
レンズ10の高さを測定する方法を説明すると、先ず、センタリングロッド57aの先端部にレンズ10を固定していない状態(センタリングロッド57aのみの状態)で、センタリングロッド57aの中心を測定エリアaに移動させる(図11のA)。このとき、高さ方向に光が遮断された値を基準値(S)として測定する。次に、センタリングロッド57aの先端部にレンズ10を固定させた状態で、センタリングロッド57aの中心を測定エリアaに移動させる。このとき、高さ方向に光が遮断された値(T)を測定し、この値(T)から基準値(S)を減算してレンズ10の厚さを求める。このレンズ10の中心の高さ(T)の測定回数は任意に設定することができ、測定する回数をNとすると、レンズ10が固定されたセンタリングロッド57aを(360/N)度毎に回転させて、レンズ10の中心高さ(T)を測定することができる。
レンズ10の曲率を測定する方法を説明すると、先ず、先端部にレンズ10を固定したセンタリングロッド57a(支持軸)の中心を測定エリアaに移動させる(図11のB)。次に、該センタリングロッド57aを任意の距離(X)ほど移動させ(Xはレンズ半径よりも短い距離とする:図12のC参照)、その位置におけるレンズ10の高さ(U)を測定する(図11のC参照)。このレンズ10の高さ(U)は、レンズ10の中心の高さ(T)と同様に、測定回数は任意に設定することができる。これらレンズ10高さ(U)、レンズ10の中心高さ(T)、レンズ10の外径、及びレンズ屈折率から、レンズ中心部とレンズ最外周部の高低差及びレンズの曲率を求める。
レンズ10の高さを求めることにより、プライマコーティング装置65及びフォトクロミックコーティング装置66のコーティング液の各排出ノズル(図示せず)の高さにレンズ10を合わせることができる。また、レンズの曲率、雰囲気温度等の条件から予め設定されたコート処理条件を選択し、コート処理条件に設定された値とレンズの厚さからプライマコーティング液のノズル82aの液吐出開始位置、フォトクロミックコーティングにおけるノズル89aの液吐出開始位置を決定する。また、フォトクロミックコーティング液は粘性があるため、該コーティング液をレンズ10の外周側に延展(引き延ばし)する必要があるが、コート処理条件に設定された値とレンズの厚さから、フォトクロミックコーティング液の引き延ばし用のフィルムの移動開始位置を決定する。更に、コート条件に設定された値とレンズの外径、レンズの厚さ、及びレンズの中心高さと最外周部の高低差から、プライマコーティング液のノズル82aの液吐出開始、終了位置、フォトクロミックコーティングにおけるフィルムの移動開始、終了位置を決定する。
このように、従来では、レンズ径に合わせてオペレータがコーティング装置の制御部にレンズ径の大きさを、切換スイッチなどで指示していたが、本実施形態ではそのような手間が省略できるようになった。
したがって、ここで計測したレンズ10の外径、曲率及び高さが基準となって、これらのデータが、下流側工程のプライマコーティング装置65、フォトクロミックコーティング装置66のコーティング条件にも適応される。
レンズ10の形状計測が終了した後は、図20のAに示すように、センタリングロッド57a(支持軸)の先端部にレンズ10を支持させた状態で、図20のBに示すように、レンズ積載部である立設ピン58dを上昇させて、センタリングロッド57a(支持軸)から立設ピン58dにレンズ10を受け渡す。そして、第一主搬送手段62のアーム63をレンズ10の直前位置まで移動し、受け渡しハンド64によって、その先端部にある吸着部64a,64aの一方をレンズ10の下部に配置し、図20のCに示すように、吸着部64a,64aを上昇させて、該一方の吸着部64aによってレンズ10を支持した後、レンズ10はアーム63の回転と摺動ユニット76の移動によって、受け渡しハンド64をプライマコーティング装置65まで搬送する。
プライマコーティング部5は、プライマコーティング作業中では、図23に示すシャッタ14によって搬送用開口13aが閉塞され、レンズ10の出し入れ時に搬送用開口13aが開放される。したがって、受け渡しハンド64がシャッタ14の前に移動すると、シリンダ15の駆動によってシャッタ14が上昇し、搬送用開口13aが開放される。
プライマコーティング装置65では、第一主搬送手段62の吸着部64aからプライマコーティング装置65のスピン軸78(支持軸)へレンズ10を受け渡す。受け渡し手順の代表的な例ついて説明すると、先ず図22のAに示すように、レンズ10を支持している吸着部64aを最高点にある立設ピン81d(レンズ積載部)、スピン軸78(支持軸)の直上方に配置する。そして、図21のBに示すように、吸着部64aを下降させて、立設ピン81dにレンズ10を置く。図21のCに示すように、受け渡しハンド64が後退した後、立設ピン81dを下降させて、スピン軸78の先端部にレンズ10の底面を当接させる。更に、図21のDに示すように、立設ピン81dを下降させて、スピン軸78によってレンズ10を支持させる。
なお、受け渡しハンド64に一対の吸着部64aを設けているのは、2回目以降、スピン軸78(支持軸)にあるレンズ10を支持していない一方の吸着部64aがコーティング済みのレンズ10を受け取り、コーティング前の新たなレンズ10を搬送してきた他方の吸着部64aがスピン軸78にレンズ10を供給するためである。
レンズ10の受け渡し作業が終了した状態では、受け渡しハンド64を第一主搬送部4aに戻し、搬送用開口13aをシャッタ14によって閉塞する。
次に、図14に示すように、プライマコーティング装置65では、パルスモータ79を回転させて図示しない駆動手段によって原料レンズ10を回転させながら、ノズル82aを原料レンズ10の中心部からレンズ10の外周部10bまで移動させながらプライマコーティングが施される。プライマコーティング液は、レンズ10の回転による遠心力によって、レンズ10の表面全体にコーティング液を均等に拡散する。スピン条件(回転数、時間及び回転数の上昇勾配等)は前述したレンズ10の外径、曲率及び高さなどを考慮して決定される。レンズ10の中心部から外周部10bまで、ノズル82aを移動する必要がある。従来では、オペレータがレンズ径を確認して、オペレータがコーティング装置の制御部にレンズ径の大きさを、切換スイッチなどで切り換えて制御していたが、本実施形態ではそのような手間が省略できるようになった。
レンズ10にプライマコーティング液をコーティングするときに、レンズ10の回転に伴ってミストが発生するが、プライマコーティング装置65にはプライマカップ100を設け、吸入ダクト134の内部を図示しない吸引ポンプによって吸引させている(図14参照)。本実施形態では、レンズ10の高さ位置に合わせて吸入ダクト134を形成したので、より効果的に吸入ダクト134(上カップ131、中カップ132により形成される通路)にミストを含んだ空気の流れを形成できるようになった。よって、矢印bに示すようにミストは流れ、液状になったものはプライマドレイン137から排出されて、図示しないミストの貯蔵タンクに溜められ、空気は排気口138から図示しない吸引手段によって排出される。こうして、ミストは、プライマカップ100内の外部に排出され、レンズ10に再付着することが防止され、品質の高いコーティング被膜の形成が可能になる。
また、プライマコーティング作業中は、レンズ支持部81を吸入ダクト134及び筒状部材133aの位置よりも低い位置に配置することによって、ミストが立設ピン81dに付着するのを防止し、その後のレンズ10の支持作業に影響が及ばないようにしている。
プライマコーティング部5は、完全な密封状態ではないが仕切られているので、吸引ポンプの空気の吸引によって部内が負圧になり、通常であれば外部から空気が侵入して、チリなど侵入してくるおそれがある。しかしながら、本実施形態では、吸気ダクト20aからプライマコーティング部5に空気を供給している。吸気ダクト20aからの空気の供給量は、図示していない吸引ポンプの空気の吸引量よりも設定を大きくすることにより、プライマコーティング部5が負圧になることがなく、装置本体1aの内部からプライマコーティング部5に空気が流れ込むことがなく、クリーン度が維持される。さらには、プライマコーティング部5の空気の流通がよくなり、ミストが円滑に排出される効果がある。なお、吸気ダクト20aからプライマコーティング部5に入り込む空気は、スピン軸78のある方向へ向けないようにする。
プライマコーティング部5では、プライマコーティング部5内の温度を20〜23℃、湿度を45〜55%の範囲とすることが好ましい。温度及び湿度をこの範囲に調整することにより、プライマコーティング作業を安定して行うことができる。部内の温度、湿度については、プライマコーティング部5へ供給する空気の温度を温度調節設備127、該空気の湿度を湿度調節設備128で調整し、空気供給用ポンプ(圧送装置)129によって、空気を部内へ圧送することによって行われる。調整された空気は、吸気ダクト20aからHEPAフィルタ19aを介してプライマコーティング部5に供給され、上述した温度及び湿度範囲内に設定される。このように、プライマコーティング部5では、プライマコーティングに好適な条件によって、プライマコーティング作業が行われる。プライマコーティング部5内の温度を上記範囲に調整することにより、プライマコート層の膜厚を一定にすることができ、乾燥後のプライマコート層の膜厚の制御を±1μmとすることができる。さらに、湿度を上記範囲に調整することにより、プライマコート層の硬化速度を一定に保つことができ、プライマコート層の不良が原因となる不良品の発生を極めて少なくできる。なお、上記温度範囲を外れる場合には、不良品が10%程度発生する場合があり、また、湿度が上記範囲を外れる場合には、不良品が50%程度発生する場合があった。
なお、上述したように、プライマコーティング部5については、気密である必要はなく、設定温度及び設定湿度範囲に室内が調整できればよい程度の気密性があればよく、吸入された調整空気はプライマコーティング部5の隙間やプライマコーティング部5に配設されている排気設備から排出される。
尚、図示はしていないが、プライマコーティング液のノズル82aの先端部の乾燥を防ぐために、待機槽を配設することが好ましい。この待機槽は、内部に溶剤を貯留し、ノズル82aの非稼動時にノズル82aの先端部を該溶剤に漬けることにより、プライマコーティング液の乾燥及び硬化を防止するためのものであり、該ノズル82aの稼動可能な範囲内に配設される。
プライマコーティングの終了後に、レンズ10(第一中間体レンズ)は乾燥部6に第一主搬送手段62によって搬送される。この際、レンズ10は、スピン軸78(支持軸)から受け渡しハンド64の吸着部64aに受け渡されるが、その手順は図21A〜Dと逆の手順によって、吸着部64aに受け渡される。つまり、プライマコーティングが終了したレンズ10が立設ピン81d(レンズ積載部)上に置かれ、次に、吸着部64aがレンズ10の中央部の直下方に配置され、該吸着部64aが上昇してレンズ10を吸着部64aで支持する。なお、プライマコーティング装置65のスピン軸78(支持軸)の高さは不動にしている。
乾燥部6では、レンズ10(第一中間体レンズ)のプライマコーティング液を乾燥させる。乾燥部6へレンズを受け渡す手順は、第一主搬送手段62により搬送され、吸着部64aから立設ピン6aの上にレンズ10が置かれる。この場合、吸着部64aの上下動により立設ピン6aの上にレンズ10を置くことできる。乾燥部6の条件は、プライマコーティング液の組成、コーティング層の厚み等に応じて、適宜決定してやればよい。また、この乾燥部6においては、複数のレンズ10を乾燥させることができる。
レンズ10のプライマコーティング液が乾燥した後は、第一主搬送手段62によって、フォトクロミックコーティング部7まで搬送される。
レンズ10のプライマコーティング層が乾燥した第二中間体レンズは、第一主搬送手段62によって、フォトクロミックコーティング部7まで搬送される。プライマコーティング部5の仕切壁13とフォトクロミックコーティング部7の仕切壁16は同じ構造であるので、図23を参照にして説明すると、フォトクロミックコーティング作業中では、仕切壁16に配設されたシャッタ14によって搬送用開口13aが閉塞され、レンズ10の出し入れ時に搬送用開口13aが開放される。したがって、受け渡しハンド64がシャッタ14の前に移動すると、シリンダ15の駆動によってシャッタ14が上昇し、搬送用開口13aが開放される。
第一主搬送手段62の吸着部64aからフォトクロミックコーティング装置66のスピン軸85(支持軸)へのレンズ10(第二中間体レンズ)の受け渡しは、図21で説明したプライマコーティング装置65で説明した吸着部64aとスピン軸78(支持軸)とのレンズ10の受け取り、受け渡しと同じであるので、詳細な説明は省略する。
図15に示すように、フォトクロミックコーティング装置66では、バレル89のノズル89aをレンズ10(第二中間体レンズ)の中心部に配置し、上述したように、コーティング液の引き延ばし用のPETフィルムなどのプラスティックフィルムからなる可撓性フィルム91をレンズ10の中心部から外周部10bまで、直線上にフィルム90を移動してコーティング液を延展する。このレンズ10の中心部から外周部10bまでのフィルム90の移動位置は、レンズ計測装置48で計測されたレンズの外径、高さ及び曲率を基に決定されている。また、このとき、レンズ10の側面にフォトクロミックコーティング液の付着を防止するために板状のヘラ91aを設けることが好ましい。
フォトクロミックコーティング作業中では、バレル89のノズル89aの先(下)端をレンズ10の中心部表面より、2.5mm以内、特に1±0.2mmの範囲に位置させることが好ましい。この理由は、以下のとおりである。
径の小さなノズルから、一定量の塗布液を一定時間内に滴下するためには、大径のノズルを使用する場合に比べて必然的に塗布液の吐出速度(線速)は速くなる。しかし、線速を速くすると、形成される塗膜中に気泡が多発することが見出された。この原因としては、何ら理論的に拘束されるものではないが、ノズルから吐出された液滴が落下につれて雰囲気圧の影響により先端部がくぼみ、気泡を巻き込み、基材表面に到達した後にも、塗布液中に巻き込まれた気泡が残留する可能性が考えられる。
特に、フォトクロミックコーティング液のように高粘度の塗布液であると、前述した吐出時における気泡の巻き込みは多発する。このような気泡の径は10μm程度であり、目視によっても確認できる。したがって、特に、眼鏡レンズにおいては、フォトクロミックコート層に気泡が混入してしまうと、その商品価値は著しく損なわれる。
そこで、上述のような範囲にて、バレル89のノズル89aとレンズ10の中心部表面とのギャップを1±0.2mmとする必要がある。
図15に示すように、バレル89は支持部材92によって支持され、フォトクロミックコーティング液がなくなると、コーティング液はバレル89毎に交換される。この際バレル89のノズル89aの高さ位置が変わってしまう。この高さ位置の調整は、従来においてはオペレータがバレル89の交換後に、隙間ゲージを用いて実施していたが、調整がオペレータの負担となり、ギャップの精度もさらなる向上性が求められていた。
本実施形態では、バレル89を交換した後は、図15に示すように、フォトクロミックコーティング部7に高さ計測センサー90a,90bを配置し、図示しないバレル89の移動手段によって、バレル89を上下動させて、バレル89の先端位置の高さを計測する。レンズ10の中心部の高さ位置は、レンズ計測装置48の計測で分かっているので、バレル89のノズル89aの先端部の高さがレンズ10の中心部に対して所定の高さとなるように配置する。なお、フォトクロミックコーティング装置66のスピン軸85の高さは不動にしている。
フォトクロミックコーティング部7では、予め、部内の温度を20〜23℃に調整することが好ましい。温度をこの範囲に調整することにより、フォトクロミックコーティング作業を安定して行うことができる。部内の温度については、フォトクロミックコーティング部7へ供給する空気を温度調節設備127で調整し、空気供給用ポンプ(圧送装置)129によって、空気を部内へ圧送することによって行われる。調整された空気は、吸気ダクト20bからHEPAフィルタ19bを介してフォトクロミックコーティング部7に供給され、上述した温度範囲内に設定される。フォトクロミックコーティング部7内の温度を上記範囲に調整することにより、フォトクロミックコート液の粘度の調整が容易となり、フォトクロミックコート層の不良が原因となる不良品の発生を極めて少なくすることができる。なお、上記温度範囲を外れる場合には、不良品が50%程度発生する場合があった。
フォトクロミックコーティング部7においては、温度を調整することにより、不良品の発生をより少なくすることができる。図24には、フォトクロミックコーティング部7へ接続された吸気ダクト20bへ供給される空気が、プライマコーティング部5へ接続された吸気ダクト20aへ供給される空気と同じ調整を行ったものであることが示されているが、このような態様とすることで温度調整設備127を共有して使用することができる。さらに、プライマコーティング部5における上記湿度の範囲であれば、フォトクロミックコーティング処理に悪影響を与えることがないため、図24に示す態様とすることにより、空気を圧送する圧送装置を共有して使用することもできる。
本実施形態では、吸気ダクト20bからフォトクロミックコーティング部7に空気を供給している。フォトクロミックコーティング部7については、気密である必要はなく、設定温度範囲に室内が調整できればよい程度の気密性があればよく、吸入された調整空気はフォトクロミックコーティング部7の隙間やフォトクロミックコーティング部7に配設されている排気設備から排出される。そのため、装置本体1aの内部からフォトクロミックコーティング部7に空気が流れ込むことがなく、クリーン度が維持される。このように、フォトクロミックコーティング部7では、フォトクロミックコーティングに好適な条件によって作業が行われる。
レンズ10にフォトクロミックコーティング液の塗布が終了した後は、シャッタ14が上昇し、搬送用開口13aが開放され、プライマコーティングが終了したレンズ10の受け渡し方法と同じく、図21のA〜Dと逆の手順で、受け渡しハンド64の吸着部64aにレンズ10(第三中間体レンズ)が受け渡される。そして、図1に示すように、第一主搬送手段62によって、一端、レンズ10を第三中間体レンズ仮置き部74に載置する。この仮置き部74には立設ピン74aが設けられている。立設ピン74aは図14に示す立設ピン58dの形状と同じである。第三中間体レンズ仮置き部74を設けた理由は、第一主搬送手段62の吸着部64aから第二主搬送手段67の吸着部69aにおけるレンズ10の受け渡しが、共に、レンズ10の中心部を支持しているので、レンズ10の受け渡しができないからである。そこで、第三中間体レンズ仮置き部74を配設して、第三中間体レンズ仮置き部74でレンズ10の底面を支持している(後述する製品レンズ仮置き部72も同じである)。この第三中間体レンズ仮置き部74は、昇降機構の有無は問わない。
また、前記したように、このような第三中間体レンズ仮置き部74を設けると共にUV装置を2台用いることによりフォトクロミックコーティング部7を連続稼動させることが可能となる。尚、この第三中間体レンズ仮置き部74における4本の立設ピンは、第一主搬送手段62から第二主搬送手段67へ第三中間体レンズを受け渡す際に、該第三中間体レンズを仮置きするレンズ積載部に該当する。
次に、この第三中間体レンズ仮置き部74では、第二主搬送手段67がレンズ10(第三中間体レンズ)を受け取る。その後、UV装置70,71のいずれかにレンズ10を搬送して、フォトクロミックコーティング塗膜を硬化させる。仮置き部74から第二主搬送手段67がレンズ10を受け取るには、レンズ10の中心であって底面側の下部に吸着部69aを配置し、仮置き部74の立設ピン74aを上下動させるか、吸着部69aを上下動させればよい。UV装置70,71では、UVランプによって紫外線を照射させてレンズ10上のコーティング塗膜を硬化させる。これらのUV装置70,71は同じ構成であるので、一方のUV装置70について説明する。
UVユニット部8aでは、第二主搬送手段67によってUV装置70にレンズ10が搬送される。ステージ昇降ユニット120のエアシリンダ121の作動によってステージ97が下降し、受け渡しハンド69によってスピン軸97aにレンズ10が搬送される。スピン軸97aによってレンズ10が支持された後は、ステージ97が上昇し、レンズ10がレンズ収容室96に収容される。
スピン軸97a(支持軸)にレンズ10を受け渡す手順は、基本的には、吸着部64aからプライマコーティング装置65のスピン軸78(支持軸)、フォトクロミックコーティング装置66のスピン軸85(支持軸)へレンズ10を受け渡す手順と同じである。ただし、下記に示すように、レンズ10は窒素置換されたレンズ収容室96内でUV光により硬化処理を行うため、図16に示す状態からレンズ支持板114の立設ピン115をレンズ10の下部から移動させ、レンズ収容室96の外に移動させる態様(レンズ収容室96内に存在させない態様)とすることが好ましい。具体的には、図16に示すように、4本の立設ピン115を上面に配置したレンズ支持板114を上下動だけでなく、旋回用のエアシリンダ114aによって水平方向に稼動可能な機構とすることが好ましい。スピン軸97a(支持軸)にレンズ10を支持させた後、レンズ支持板114を水平方向に稼動させて、ステージ97の上部からレンズ支持板114と共に立設ピン115を移動させる。その後、ステージ97を上昇させ、レンズ10をレンズ収容室96に収容させる。こうすることによってレンズ収容室96を小さくすることができる。
次いで、レンズ収容室96内を窒素置換する。窒素雰囲気にするのは、酸素があるとコーティング液の重合反応を阻害するため、コーティング液が硬化しにくいからである。また、レンズ収容室96内の窒素置換が開始してから、UV光によるコーティング塗膜の硬化が完了するまでは、レンズ収容室96内の酸素濃度の上昇を防ぐため、常にレンズ収容室96内にはNが供給される。
このUV照射作業中では、UVランプ95の熱によって、紫外線照射室93及びUV装置70が加熱される。しかしながら、紫外線照射室93には排気ダクト93cが接続されている。排気ダクト93cには図示しない強制排気手段と接続されているので、紫外線照射室93内の熱気が排気ダクト93cを通って、外部に排出される。よって、紫外線照射室93内の温度上昇を抑えることによって、コーティング装置1の室内の温度上昇を抑え、特に熱に影響を受けやすいプライマコーティング部5及びフォトクロコーティング部7における温度上昇の影響を抑制する効果がある。これによって、高品質のコーティング作業ができるようになる。
UV装置70では、UVランプ95の高さ位置を合わせて、レンズ10を回転させながらUVランプ95を照射させてコーティング塗膜を硬化させる。レンズ10を回転させるのは、レンズ10の周縁部の液溜まり領域を減少させ、UV光の均一化を図るためである。
こうしてUV装置70,71では、UVランプ95によって紫外線を照射させてレンズ10上のコーティング塗膜を硬化させる。
このUV照射作業中では、UVランプ95の熱によって、紫外線照射室93及びUV装置70が加熱される。しかしながら、紫外線照射室93には排気ダクト93cが接続されている。排気ダクト93cには図示しない強制排気手段と接続されているので、紫外線照射室93内の熱気が排気ダクト93cを通って、外部に排出される。よって、紫外線照射室93内の温度上昇を抑えることによって、コーティング装置1の室内の温度上昇を抑え、特に熱に影響を受けやすいプライマコーティング部5及びフォトクロミックコーティング部7における温度上昇の影響を抑制する効果がある。これによって、高品質のコーティングレンズを得ることができる。
コーティング塗膜を硬化させた後、レンズ10(製品レンズ)を第二主搬送手段67の吸着部69aへ受け渡す方法は、ステージ97を下降させ、レンズ支持板114を水平方向に稼動し、立設ピン115(レンズ積載部)をレンズ10の下部に配置する以外は、プライマコーティング処理が終了したレンズ10及びフォトクロミックコーティング処理が終了したレンズ10の受け渡し方法と同じく、図21のA〜Dの逆の手順によって行う。また、製品レンズ仮置き場72の立設ピン72aの上にレンズ10を受け渡す方法は、第三中間体レンズ仮置き場74の立設ピン74aの上にレンズ10を受け渡す方法と同じであるため、説明を省略する。
そして、製品レンズ仮置き場72の立設ピン72a上のレンズ10(製品レンズ)を製品レンズ貯留部9の第二レンズ副搬送手段73が受け取る。この第二レンズ副搬送手段73では、図19のC、B、Aの順に従って、レンズ10を副搬送手段用レンズ支持ユニット45のレンズ吸着部45cに支持させる。すなわち、副搬送手段用レンズ支持ユニット45を立設ピン72aの間に差し込み、レンズ吸着部45cをレンズ10の中心の直下に配置し、レンズ吸着部45cを上昇させて、レンズ10を支持する。副搬送手段用レンズ支持ユニット45は、レンズ10を支持した後は、上述した第一レンズ副搬送手段31とは逆の手順で製品レンズ収容ユニット75,75にレンズ10を載置する。尚、この製品レンズ仮置き場72の立設ピンは、第二主搬送手段67から第二レンズ副搬送手段73へレンズ10(製品レンズ)を受け渡す際に、該製品レンズを仮置きするレンズ積載部に該当する。
このように、本実施形態では、レンズ10を水平方向に移動するときには、レンズの吸着部45c、64a、69aがレンズ10の中心部を吸引支持し、従来のようにレンズの外周部を支持していないので、レンズにモーメントがかかることなくレンズの歪みを防止するとともに、パッド(図26の符合104参照)を省略することができる。尚、当然のことながら、本発明のコーティング装置ではパットが底面についたレンズを取り扱うこともできる。
また、レンズ10の受け渡し場所に形成した立設ピン58d,81d,6a,88d,74a,72aは、昇降移動するか若しくは静止状態であって、水平移動することがないので、レンズ10の中心がずれる心配がない。ただし、UV装置70,71に使用する立設ピン115のみは、水平移動させることにより、装置をコンパクトにすることができる。なお、この立設ピン58d,81d,6a,88d,74a,72a、115は、レンズ10が支持できるのであれば、ピン数は任意であるが、安定してレンズを積載するためには、3本以上であることが好ましく、4本であることが好ましい。
また、本実施形態では、プライマコーティング部5を区画することによって、UVユ照射部8a、8bの温度の影響を受けることなく、さらに空気の温度を調整する温度調節設備127、湿度の調整をする湿度調節設備128を設けることによって、好適な環境下でプライマコーティング作業を行うことができる。同様にして、フォトクロミックコーティング部7を区画することによって、UV照射部8a、8bの温度の影響を受けることなく、さらに空気の温度を調整する温度調節設備127を設けることによって、好適な環境下でフォトクロミックコーティング作業を行うことができる。
また、本実施形態では、プライマコーティング部5を区画することによって、吸引ポンプによって負圧にされることの弊害を吸気ダクト20aから空気をプライマコーティング部5に供給することで、外部からチリが入ることを防止できる。同様に、フォトクロミックコーティング部7も吸気ダクト20bによって、空気が供給される。したがって、各コーティング部5,7の室内の圧力を上げることによって、コーティング装置1を設置している場所のクリーン度をより高めなくとも、高品質なコーティングレンズを得ることができる。
なお、温度調節設備127、湿度調節設備128及び空気供給用ポンプ129は、本実施形態では、フォトクロココーティング部7とプライマコーティング部5側と共用して、吸気ダクト20a,20bから吸入される温度、湿度の条件を一致させている。これは、上記のとおり、装置構造を簡素化するため、湿度にさほど影響されないフォトクロミックコーティング作業の環境を、プライマコーティング作業で好適な湿度の環境下に合わせて作業をするようにしたものである。ただし、プライマコーティング部5の吸気ダクト20aとフォトクロミックコーティング部20bの吸気ダクト20bを別々に設け、温度及び湿度をそれぞれのコーティング作業に適応させて作業することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的思想に基づいて、勿論、本発明は種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、スピン軸78,85(支持軸)の高さ位置を固定してレンズ10の受け渡しを行ったが、スピン軸78,85(支持軸)を上下動させて、レンズ10の受け渡しをすることができる。

Claims (16)

  1. 原料レンズの形状を測定するためのレンズ測定部(3)、原料レンズにプライマ液を塗布し、未乾燥のプライマコート層を有する第一中間体レンズを作製するためのプライマコーティング部(5)、該第一中間体レンズを乾燥部(6)で乾燥させた第二中間体レンズに、フォトクロミックコート液を塗布して未硬化のフォトクロミックコート層を有する第三中間体レンズを作製するフォトクロミックコーティング部(7)、第三中間体レンズにUVを照射して未硬化のフォトクロミックコート層を硬化させて製品レンズを作製するUV照射部(8)、とを備えたコーティングラインと、当該コーティングライン内に、各部へレンズを搬送する搬送手段とを具備するコーティング装置において、
    前記レンズ測定部(3)、プライマコーティング部(5)、フォトクロミックコーティング部(7)、及びUV照射部(8)のいずれか少なくとも一つの部において、レンズを支持する手段が、レンズの中央底面部を空気の吸引手段によって支持する支持軸であって、
    前記搬送手段には、レンズの中央底面部を空気の吸引手段によって支持する吸着部を設け、前記支持軸の周囲には、該支持軸及び前記吸着部が前記レンズを支持する領域以外のレンズ底面を支持するレンズ積載部を設け、
    前記支持軸と前記吸着部とにおけるレンズの受け取り又は受け渡し時において、前記レンズ積載部にレンズを仮置きして、該レンズ積載部、前記支持軸、及び前記吸着部の少なくとも1つを上下動させることによって、前記レンズを前記支持軸又は前記吸着部に支持させるようにしたことを特徴とするレンズのコーティング装置。
  2. 前記レンズ積載部が前記支持軸の周囲に立設した3以上のピン部材であって、該ピン部材の先端部でレンズの底面を支持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレンズのコーティング装置。
  3. 前記支持軸の高さ位置を固定し、前記レンズ積載部及び前記吸着部を昇降させて前記レンズの受け取り又は受け渡しをするようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレンズのコーティング装置。
  4. 前記搬送手段が2以上設けられ、これらの搬送手段同士のレンズの受け取り又は受け渡し時に、レンズを仮置きするレンズ積載部を設け、該積載部は前記搬送手段の吸着部が前記レンズを支持する領域以外のレンズ底面を支持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレンズのコーティング装置。
  5. 前記搬送手段には、前記吸着部が2個設けられ、これらの吸着部の1つが前記レンズ積載部を介して、前記支持軸に支持されているレンズを受け取り、他方の吸着部が、該吸着部に支持しているレンズを該支持軸に受け渡すようにしたことを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
  6. 前記レンズ測定部(3)には、レンズの中心部の高さ位置を検出するレンズ計測装置センサーが設けられ、前記フォトクロミックコーティング装置には、フォトクロコミックコーティング液を供給する容器のノズルの先端部の高さ位置を検出するセンサーが設けられ、前記のノズルの先端部とレンズの中心部との間を一定間隔に調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレンズのコーティング装置。
  7. 前記UV照射部(8)には、第三中間体レンズのレンズ中央底面部を空気の吸引手段によって支持する支持軸、及び、該支持軸に支持された第三中間体に紫外線を照射する室であって、窒素置換が可能なレンズ収容室(96)を設け、
    該UV照射部(8)へレンズを搬送する搬送手段には、レンズの中央底面部を空気の吸引手段によって支持する吸着部を設け、
    前記支持軸の周囲には、該支持軸及び前記吸着部が前記レンズを支持する領域以外のレンズ底面を支持するレンズ積載部を設け、
    前記支持軸と前記吸着部とにおけるレンズの受け取り又は受け渡し時において、前記レンズ積載部にレンズを仮置きして、前記レンズ積載部、前記支持軸、及び前記吸着部の少なくとも1つを上下動させることによって、前記レンズを前記支持軸又は前記吸着部に支持させるようにしたことと共に、前記レンズを前記支持軸に支持させた後、前記レンズ積載部を前記レンズの下部から水平方向へ移動可能な機構を設け、前記レンズ積載部を前記レンズ収容室と離間可能に配設するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレンズのコーティング装置。
  8. 前記プライマコーティング部(5)には、前記支持軸及び前記レンズ積載部を設け、かつ、コーティング時に飛散した液状およびミスト状のプライマコーティング液を吸入する吸入口を備えた吸入ダクト(134)を配設するとともに、前記レンズ積載部にそれらのプライマコーティング液の付着を防止する付着防止部材を配設し、
    前記吸入ダクト(134)は、レンズの周縁部近傍のレンズよりも高い位置に中央開口(131a)を有するドーム状の上カップ(131)と、レンズの周縁部近傍のレンズよりも低い位置に中央開口(132a)を有し、前記上カップと間隔を空けて配設したドーム状の中カップ(132)により形成され、かつ、前記吸入ダクト(134)は、液状およびミスト状のプライマコーティング液を外部に排出する排出口を備え、
    前記吸入ダクト(134)の吸入口は、前記上カップ(131)の中央開口(131a)と前記中カップ(132)の中央開口(132a)とによって形成され、
    前記付着防止部材は、前記中カップ(132)の前記中央開口(132a)の周縁部近傍に上端部が位置し、少なくとも前記レンズ積載部の上端側を囲繞する筒状部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載のレンズのコーティング装置。
  9. 複数の原料レンズを水平方向及び/又は上下方向に直線上に並べた原料レンズ収容ユニット(22)と、該原料レンズ収容ユニットに収容された前記原料レンズの底面を空気吸引によって支持するレンズ吸着部(45c)を有し、該レンズ吸着部(45c)を前後、左右及び上下に移動可能にする移動機構を備え、原料レンズを原料レンズ収容ユニット(22)から前記レンズ測定部(3)に搬送する第一レンズ副搬送手段(31)と、を具備する原料レンズ供給部(2)を前記コーティングラインの上流側位置に配設したことを特徴とする請求項1に記載のレンズのコーティング装置。
  10. 複数の製品レンズを水平方向及び/又は上下方向に直線上に並べることができる製品レンズ収容ユニット(75)と、製品レンズの底面を空気吸引によって支持するレンズ吸着部(45c)を有し、該レンズ吸着部(45c)を前後、左右及び上下に移動可能にする移動機構を備え、製品レンズを前記コーティングラインから該製品レンズ収容ユニット(75)に搬送する第二レンズ副搬送手段(73)と、を具備する製品レンズ貯留部(9)を前記コーティングラインの下流側位置に配設したことを特徴とする請求項1に記載のレンズのコーティング装置。
  11. 前記原料レンズ収容ユニット(22)には、同心円状にかつ上方に向かって径が大きくなる階段状の複数の原料レンズ載置部(25)を形成し、該複数の原料レンズ載置部の中央部と該レンズ載置部の前記第一レンズ副搬送手段(31)側の部位に、前記レンズ吸着部(45c)が通過可能な開放部を形成し、前記階段状の段部にレンズを載置するようにしたことを特徴とする請求項9に記載のレンズのコーティング装置。
  12. 前記製品レンズ収容ユニット(75)には、同心円状にかつ上方に向かって径が大きくなる階段状の複数の製品レンズ載置部(75a)を形成し、該複数の製品レンズ載置部の中央部と該レンズ載置部の前記第二レンズ副搬送手段(73)側の部位に、前記レンズ吸着部(45c)が通過可能な開放部を形成し、前記階段状の段部にレンズを載置するようにしたことを特徴とする請求項10に記載のレンズのコーティング装置。
  13. 前記フォトクロミックコーティング部(7)を区画して、該フォトクロミックコーティング部(7)の温度を調整する温度調整手段を設けるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレンズのコーティング装置。
  14. 前記プライマコーティング部(5)を区画して、該プライマコーティング部(5)の温度及び湿度を調整する温度調整手段及び湿度調整手段を設けるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレンズのコーティング装置。
  15. 前記前記UV照射部(8)を区画して、該UV照射部(8)内の空気を前記装置本体の外部に排気する排気ダクト(93c)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のレンズのコーティング装置。
  16. 前記プライマコーティング部(5)及びフォトクロミックコーティング部(7)に吸気ダクト(20a、20b)を設け、フィルタ(19a、19b)を介在させて配設したことを特徴とする請求項1に記載のレンズのコーティング装置。
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