このようなシステムにおいては、複数の端末装置が広い範囲にわたって設置されることがある。一方で、広告は、地域性を有する場合が少なくない。従って、複数の端末装置の各々について、配信すべき番組が必ずしも完全に一致するとは限らない。このような場合、データ配信サーバは、複数の端末装置(従来の技術では情報表示装置)の各々に対応すべく、相互に異なる複数のプレゼンテーションパックを個別に配信する必要が生じる。従って、広告情報の配信に要する人的な及び時間的な或いは処理上の負荷が著しく増大し、コストの増大を招きかねない。更には、配信すべきプレゼンテーションパックに含まれる番組が、端末装置毎に完全に相違することもまた稀であり、多くの場合、プレゼンテーションパック相互間で番組の重複が生じ得る。従って、プレゼンテーションパックの数量に応じてデータ配信サーバの容量が少なからず圧迫されることになる。即ち、従来の技術においては、複数の端末装置に配信すべき番組が相互に全く等しい場合を除いて、配信コストの増加及びサーバの効率的な使用が著しく阻害されかねないという技術的な問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、端末装置に効率的且つ効果的に広告情報を配信し且つ表示させることが可能な広告情報の配信表示方法、広告情報配信表示システム及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
<広告情報の配信表示方法>
上述した課題を解決するため、本発明に係る広告情報の配信表示方法は、ネットワークに収容され、広告情報を配信可能なサーバシステムと、該配信された広告情報を表示可能な表示手段を備えた端末装置とを含む広告情報配信表示システムにおける前記広告情報の配信表示方法であって、前記サーバシステムにおいて、前記端末装置に対し前記ネットワークを介して複数の前記広告情報を配信する第1の配信工程と、前記端末装置に対し前記ネットワークを介して前記複数の広告情報の表示態様を規定する複数の表示スケジュールを配信する第2の配信工程とを具備し、前記端末装置において、前記配信された複数の表示スケジュールのうち選択すべき一の前記表示スケジュールを指定するための再生情報を取得する再生情報取得工程と、前記取得された再生情報に基づいて前記配信された複数の表示スケジュールの中から一の前記表示スケジュールを選択する表示スケジュール選択工程と、前記選択された表示スケジュールに従って前記配信された複数の広告情報のうち少なくとも一部が表示されるように前記表示手段を制御する表示制御工程とを具備する。
本発明における「ネットワーク」とは、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信網又はこれらLANやWANを適宜介する若しくは介さない電話回線、ADSL(Asymmetry Digital Subscriber Line)回線若しくは光回線等の各種通信網を介して接続され得る、例えば好適な一形態としてインターネット等を含む広域通信網を包括する概念である。このような本発明に係るネットワークには、例えばパーソナルコンピュータやワークステーション装置等、例えば一又は複数のコンピュータシステム等の態様を採り得るサーバシステムが収容され、広告情報の配信が可能に構成される。
ここで、本発明に係る「広告情報」とは、例えば駅構内、繁華街、百貨店やスーパーマーケット等の各種店舗、病院等の各種医療機関、予備校や自動車教習所等の各種学習サービス施設、公共施設、イベントホール、会社或いは事務所等、例えば広告情報配信表示システムを利用して事業展開する事業主が対象とする顧客の性質、事業形態、その他諸事情に応じて各種の形態を採り得る各種のロケーション等において、例えば不特定多数の視聴者による視聴に供され得る、例えばメーカ等各種会社の商品情報、売り場やフロアにおける商品情報、各種サービス情報、各種イベント情報或いは新着情報等を含み得る概念としての広告に関する、好適には映像を伴った情報を包括する概念である。
このような概念としての本発明に係る広告情報の構成は、多種多様な形態を採り得るが、好適な一形態として、広告情報は、例えば、表示領域を規定するテンプレートファイルと、当該テンプレートファイルによって規定された表示領域に表示すべき、例えば動画データや静止画データ等の各種映像データを含む素材データとを含んで構成されてもよい。また、この場合、好適な一形態として、当該テンプレートファイルと素材データとを相互に対応付ける、例えばプレゼンテーションファイル等の制御情報を含んで一の広告情報が構築されてもよい。
一方、広告情報配信表示システムにおいて、広告情報を視聴者による視聴に供すべき旨が所望される上述した各種ロケーションには、広告情報を視聴者による視聴に供するための、例えばPDP(Plasma Display Panel)等を備えたプラズマディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置或いはCRT(Cathode Ray Tube)等の各種ディスプレイ装置の形態を採り得る表示手段を備えた、好適な一形態としてコンピュータシステムを含んでなる端末装置が設置される。
本発明に係る広告情報の配信表示方法によれば、端末装置に対し、第1の配信工程により複数の広告情報が配信される。また、端末装置に対し、第2の配信工程により、それら配信された複数の広告情報各々に関する、例えば表示の要否、表示の頻度、表示の順序、表示時刻及び表示期間等を適宜含み得る概念としての表示態様を規定する、相互に異なる複数の表示スケジュールが配信される。
この第1及び第2の配信工程は、各々時間的に連続して或いは不連続に、相互に異なる配信工程として実行されてもよいし、好適な一形態として、例えば複数の広告情報とそれに対応する複数の表示スケジュールとが、広告情報の配信に供すべく予め構築されてなる一の配信用データファイル(例えば、上述したプレゼンテーションパック等の形態を採り得る)を配信する、一の配信工程として実行されてもよい。尚、サーバシステムにおいて行われる「配信」とは、動作主体を端末装置におけば、即ちサーバシステムからネットワークを介したダウンロード等により直接的に又は間接的に取得することと等価に扱われ得る。
端末装置では、このような複数の広告情報及び表示スケジュールの配信を受けて、再生情報取得工程により、配信された複数の表示スケジュールのうち選択すべき一の表示スケジュールを指定するための再生情報が取得される。表示スケジュール選択工程では、この取得された再生情報に基づいて一の表示スケジュールが選択され、表示制御工程により、表示スケジュールによって規定される表示態様で広告情報が表示されるように表示手段が制御される。広告情報配信表示システムにおいては、例えばこのようにして各ロケーションにおいて広告情報が視聴に供される。
ここで特に、端末装置が設置されるロケーションは、上述したように広告情報配信表示システムの利用形態等に応じて各種の態様を採り得るため、場合によっては地域性が実践上無視し得ない程度に相互に異なる広い範囲に跨ることがある。即ち、広範囲にわたる複数のロケーションの各々に端末装置が配置されることになる。この際、視聴者による視聴に供すべき広告情報が、少なからず地域性を有し得ることに鑑みると、当該複数の端末装置の各々において複数の広告情報が同一の表示スケジュールで表示された場合には、得られる広告効果が必然的にロケーション毎に異なり易い。
例えば、ある特定地域でのみ販売或いは展開される商品又はサービス、或いはある特定地域でのみ広告効果が高いと事前に推測され得る商品又はサービス等に関する広告情報を、当該特定地域以外の他地域で表示したところで、少なくとも当該特定地域において得られる広告効果と同等とみなし得る程度の広告効果は望み難い。この際、例えば上述した事業主に対し広告料金を支払う等してこの広告情報配信表示システムを利用し、例えば自社製品や自社サービス等に関する広告情報を視聴させることによって各種宣伝を図ろうとする、例えば広告主等のクライアントが存在する場合等には、当該他地域において広告情報の表示を行わない代わりに、広告料金を下げたいといった要求が自明的に発生し得る。
或いは、基本的に表示すべき広告情報は端末装置が設置されるロケーション相互間で同等でよいとして、当該ロケーション毎に、又は一定若しくは不定の数のロケーションを単位とする、或いは予め設定された基準に従ってロケーションを分類することによって得られる複数のロケーション群毎に、相互に異なる広告情報を新規に表示すべき広告情報として追加すべき旨の要求が生じる場合も考えられる。このような要求は例えば広告主の立場からも、或いは広告情報配信表示システムの視聴率を向上させようとする例えば上述した事業主や或いは事業主の顧客(例えば、病院等の医療機関や自動車教習所等のサービス機関等)の立場からも発生し得るが、いずれにせよ、広告情報配信表示システムを構成する端末装置が複数のロケーションに設置される場合、ロケーション又はロケーション群毎に、最適な表示スケジュール(既に述べたように、複数の広告情報各々を表示に供すべきか否かを含み得る概念である)は異なったものとなり易い。
このような問題に対し、サーバシステム側の負荷として、ロケーション又はロケーション群毎に広告情報を選択し、選択された広告情報に適した表示スケジュールを個別に生成して配信する(例えば、前述した配信用データファイル等として配信する)といった手法が採用された場合、サーバシステム側における、広告情報の配信に要する人的な、時間的な、又は処理上の負荷が増加して広告情報の配信に係る配信コストが増加しかねない。また、上述した概念としての配信用データファイルを端末装置毎(或いは、ロケーション毎又はロケーション群毎)に用意した場合には、配信用データファイル相互間で少なからず広告情報が重複し得るから、サーバシステムの容量が無駄に圧迫される可能性がある。
ここで、本発明に係る広告情報の配信表示方法によれば、表示すべき広告情報の選択及び当該表示すべき広告情報の表示順序等を含む広告情報の表示態様(即ち、表示スケジュール)は、端末装置側で実行される表示スケジュール選択工程により、端末装置側の負荷として決定される。従って、サーバシステム側としては、配信すべき広告情報を、例えば端末装置毎に、ロケーション毎に、ロケーション群毎に、地域毎に、或いは特定の端末装置について選択し、夫々例えば端末装置毎に、ロケーション毎に、ロケーション群毎に、地域毎に、或いは特定の端末装置について個別に配信する必要が生じない。同様に、表示スケジュールを、例えば端末装置毎に、ロケーション毎に、ロケーション群毎に、地域毎に、或いは特定の端末装置について生成し、夫々例えば端末装置毎に、ロケーション毎に、ロケーション群毎に、地域毎に、或いは特定の端末装置について個別に配信する必要が生じない。言い換えれば、サーバシステムにおける第1及び第2の配信工程においては、広告情報配信表示システムに備わる端末装置の各々に対し、表示される可能性のある広告情報の全て、及び選択される可能性のある表示スケジュールの全てを一括して配信することが可能となる。従って、サーバシステム側における各種の負荷を軽減することが可能となり、広告情報の配信コストの上昇を抑制することが可能となる。また広告情報配信のために要するサーバシステムの容量を可及的に節減することが可能となる。
更には、端末装置側で実行される表示スケジュール選択工程では、第2の配信工程によって配信された複数の表示スケジュールの中から、再生情報取得工程により取得された再生情報に基づいて一の表示スケジュールを選択すればよいから、端末装置側の負荷が、少なくとも実践上、例えば配信された広告情報の表示が阻害される等の不具合を顕在化させる程度に増大するといった事態は生じ難く、例えば端末装置毎に、ロケーション毎に、ロケーション群毎に、地域毎に、或いは特定の端末装置において、広告情報の表示態様を最適化することが容易にして可能となる。即ち、本発明に係る広告情報の配信表示方法によれば、端末装置に効率的且つ効果的に広告情報を配信し且つ表示させることが可能となるのである。
本発明に広告情報の配信表示方法の一の態様では、前記端末装置はコンピュータシステムを含み、前記サーバシステムにおいて、前記コンピュータシステムに前記再生情報取得工程及び前記表示スケジュール選択工程を実行させるコンピュータプログラムを配信する第3の配信工程を更に具備し、前記再生情報取得工程は、前記配信されたコンピュータプログラムに従って前記再生情報を取得し、前記表示スケジュール選択工程は、前記配信されたコンピュータプログラムに従って前記表示スケジュールを選択する。
この態様によれば、サーバシステムにおける第3の配信工程により、広告情報又は表示スケジュールの配信に同期して、或いはこれらに同期しない一定又は不定の周期で、端末装置にコンピュータプログラムが配信される。このコンピュータプログラムは、端末装置におけるコンピュータシステムに、上述した再生情報取得工程及び表示スケジュール選択工程を実行させることが可能に構成されたアプリケーションプログラムであり、端末装置では、このアプリケーションプログラムに従って再生情報取得工程及び表示スケジュール選択工程が実行される。
従って、この態様によれば、端末装置本体に予め再生情報取得工程及び表示スケジュール選択工程を実行するための例えば物理的な、機械的な又は電気的な各種機能モジュールが実装されている必要はなく、端末装置の構成に係る自由度が相対的に向上する。また、端末装置にこの種の機能モジュールが実装される場合には、当該機能モジュールの動作は固定的であり、機能追加、機能修正或いは性能向上といった各種後処理を行うに際し実践上無視し得ない負荷が伴い易い。翻ってこのように配信されたコンピュータプログラムに従って端末装置の動作が制御される場合には、配信すべきコンピュータプログラムをその配信以前に適宜アップデートすること等により、再生情報取得工程及び表示スケジュール選択工程に係る端末装置の動作パフォーマンスの向上を広告情報配信表示システムに含まれる複数の、理想的には全ての端末装置に対し図ることが容易にして可能であり、実践上極めて有益である。
尚、このように、第3の配信工程において配信されるコンピュータプログラムによって端末装置における再生情報取得工程及び表示スケジュール選択工程が実行されることに鑑みれば、第3の配信工程は、好適な一形態として、上述した第1及び第2の配信工程のうち少なくとも一方に同期して実行される。更に、極端且つ効果的な一形態として、第1、第2及び第3の配信工程は、一の配信工程として一括に実行されてよい。即ち、具体的且つ効果的な一例として、当該コンピュータプログラムは、広告情報及び表示スケジュールとを少なくとも含む前述した配信用データファイル等に含まれる形で、一のデータファイルとして配信されてもよい。
本発明に係る広告情報の配信表示方法の他の態様では、前記サーバシステムにおいて、前記端末装置に対し前記ネットワークを介して前記端末装置を識別するための識別情報と前記再生情報とを相互に対応付けてなる再生情報ファイルを配信する第4の配信工程を更に具備し、前記再生情報取得工程は、前記識別情報を取得する識別情報取得工程を含み、前記配信された再生情報ファイルの中から該取得された識別情報に対応する一の前記再生情報を取得する。
この態様によれば、サーバシステムにおける第4の配信工程によって、識別情報と端末装置各々において取得されるべき再生情報とを相互に対応付けてなる再生情報ファイルが配信される。一方、端末装置において実行される再生情報取得工程には、当該識別情報を取得するための識別情報取得工程が含まれる。
ここで、本発明に係る「識別情報」とは、少なくとも端末装置が設置されたロケーション又はロケーション群を特定することが可能な、端末装置に固有の情報を包括する概念であり、例えば広告情報配信表示システムに含まれる端末装置の各々に対し重複しないように割り当てられたID番号やID記号等であってもよいし、例えば少なくとも広告情報の表示スケジュールが同一であることによる不利益が少なくとも実践上顕在化しない程度に相互に近接したロケーションに設置された端末装置相互間で重複する情報であってもよい。
このような識別情報を取得するための識別情報取得工程の態様は、当該識別情報を取得可能である限りにおいて何ら限定されない趣旨であり、例えば、ネットワークを介して例えばサーバシステムに識別情報に対応する情報(識別情報そのものを含む)の送信を要求することによって取得されてもよいし、予め広告情報配信表示システムにおける端末装置の物理的な、機械的な又は電気的な構成に係る所定の規格に準拠して付与されている情報を然るべき格納場所から参照する態様を有していてもよい。或いは、識別情報が、第1、第2、第3及び第4の配信工程のうち少なくとも一の配信工程において、配信対象の情報に含まれる形で或いは付随する形で適宜配信されてもよい。
この態様によれば、再生情報ファイルから一の再生情報を選択することにより、再生情報を簡便に取得することが可能である。尚、この際、第4の配信工程は、上述した第3の配信工程と同様に、第1及び第2の配信工程のうち少なくとも一方に同期して実行されてもよい。より効果的な一形態として、第4の配信工程は、再生情報ファイルが、上述した配信用データファイル等に含まれる形で、第1及び第2の配信工程を含む一の配信工程として実行されてもよい。
本発明に係る広告情報の配信表示方法の他の態様では、前記サーバシステムにおいて、前記端末装置に対し前記ネットワークを介して前記再生情報を送信する再生情報送信工程を更に具備し、前記再生情報取得工程は、前記送信された再生情報を取得する。
この態様によれば、再生情報送信工程により、サーバシステムから端末装置に対し再生情報が送信される。従って、再生情報取得工程が簡便に実現される。
尚、この態様では、前記サーバシステムは、前記端末装置を識別するための識別情報と前記再生情報とを相互に対応付けてなる再生情報ファイルを記憶する記憶手段を備えており、前記サーバシステムにおいて、前記記憶された再生情報ファイルの中から前記識別情報に基づいて一の再生情報を選択する再生情報選択工程を更に具備し、前記再生情報送信工程は、該選択された一の再生情報を送信してもよい。
この場合、本発明の広告情報の配信表示方法の一形態として述べたものと同様の概念を有する再生情報ファイルがサーバシステムにおいて記憶されており、再生情報選択工程において、端末装置毎に識別情報に基づいて再生情報が選択され、再生情報送信工程により各端末に送信される。従って、再生情報の送信に係る処理負荷が軽減される。
更に、再生情報選択工程を備える態様においては、前記再生情報取得工程は、前記識別情報を取得する識別情報取得工程と、前記サーバシステムに対し前記ネットワークを介して該取得された識別情報を送信する識別情報送信工程とを含み、前記再生情報選択工程は、前記送信された識別情報に基づいて前記一の再生情報を選択してもよい。
この場合、既に述べたものと同様の概念を有する、再生情報取得工程の一部としての識別情報取得工程によって取得された識別情報が、更に再生情報取得工程の一部としての識別情報送信工程によりサーバシステムに送信される。従って、サーバシステム側の再生情報選択工程において、識別情報を特定するための処理を必要としない。即ち、再生情報選択工程としては、再生情報ファイルからその都度端末装置から送信される識別情報に対応する一の再生情報を選択するのみでよくなり、その処理上の負荷が著しく軽減される。
識別情報が参照される本発明の広告情報の配信表示方法の一の態様では、前記識別情報は、予め前記端末装置に割り当てられたID情報を含む。
この態様によれば、端末装置に対し、ID番号やID記号等の各種ID情報が識別情報として割り当てられるため、識別情報に基づいて再生情報を取得するに際して誤った再生情報が取得される可能性が低減される。
本発明の広告情報の配信表示方法の他の態様では、前記サーバシステムにおいて、前記端末装置に対し前記ネットワークを介して前記再生情報又は前記表示スケジュールの基準を規定する所定の基準情報を配信する第5の配信工程と、前記端末装置において、前記ネットワークの状態に基づいて前記基準情報を利用すべきか否かを判別する判別工程とを更に具備し、前記表示スケジュール選択工程は更に、前記基準情報を利用すべき旨が判別された場合に、前記基準情報に対応する前記表示スケジュールを前記広告情報の表示に供すべき表示スケジュールとして決定する。
この態様によれば、例えば第1及び第2の配信工程のうち少なくとも一方に同期して、或いは例えばこれらと非同期で一定又は不定の周期で実行される第5の配信工程によって、端末装置に対し基準情報が配信される。端末装置においては、判別工程において当該基準情報を利用すべきか否かが判別されるが、この際、例えばネットワーク障害、配信エラー、或いはサーバシステムの不調等により再生情報が理論的に、実質的に、又は現実的に取得され難い旨の状況等において、当該基準情報を利用すべき旨が判別される。
ここで、基準情報は、表示スケジュールの選択に供される再生情報の基準となる情報(即ち、基準となる再生情報)に限らず、基準となる表示スケジュールそのものに対応する情報であってもよい趣旨であり、表示スケジュール選択工程においては、基準情報を利用すべき旨が判別された場合に、基準情報の形態に応じて、例えばこの基準情報に基づいて一の表示スケジュールが選択され、或いは配信された複数の表示スケジュールの中から一の表示スケジュールを選択するといった過程を経ることなく、この基準情報が表示スケジュールとして選択され、最終的に広告情報の表示に供すべき表示スケジュールとして決定される。
従って、この態様によれば、広告情報配信表示システムにおける物理的な、機械的な、又は電気的な各種の要因、より具体的な一例として、例えばネットワーク障害等により再生情報の取得が困難な状況が生じたとしても、端末装置毎に最適化されているか否かは別として少なくとも表示スケジュールを決定することが可能となる。即ち、再生情報が取得されないことによって如何なる表示スケジュールも選択されずに広告情報の表示が正しく行われ得ないといった、所謂放送事故の発生を回避することが可能となる。広告情報の性質に鑑みれば、表示スケジュールが端末装置毎に最適化されているか否かは別として、表示手段を介した表示に供されている限り、何らの広告情報も表示されない場合と較べれば幾らかなり視聴者に対する訴求効果は得られるから、当該基準情報が配信されることによる実践上の効果は極めて高いものとなり得る。
<広告情報配信表示システム>
上述した課題を解決するため、本発明の広告情報配信表示システムは、ネットワークに収容され、広告情報を配信可能なサーバシステムと、該配信された広告情報を表示可能な表示手段を備えた端末装置とを含み、前記サーバシステムは、前記端末装置に対し前記ネットワークを介して複数の前記広告情報を配信する第1の配信手段と、前記端末装置に対し前記ネットワークを介して前記複数の広告情報の表示態様を規定する複数の表示スケジュールを配信する第2の配信手段とを具備し、前記端末装置は、前記配信された複数の表示スケジュールのうち選択すべき一の前記表示スケジュールを指定するための再生情報を取得する再生情報取得手段と、前記取得された再生情報に基づいて前記配信された複数の表示スケジュールの中から一の前記表示スケジュールを選択する表示スケジュール選択手段と、前記選択された表示スケジュールに従って前記配信された複数の広告情報のうち少なくとも一部が表示されるように前記表示手段を制御する表示制御手段とを具備する。
本発明の広告情報配信表示システムによれば、上述した本発明に係る広告情報の配信表示方法における各工程を実現する各手段の作用により、上述した本発明に係る広告情報の配信表示方法に係る効果と同等の効果を得ることが可能となる。尚、上述した広告情報の配信表示方法における各種態様に応じて、本発明に係る広告情報配信表示システムも各種の態様を採ることが可能である。
<コンピュータプログラム>
上述した課題を解決するために、本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータシステムに、請求の範囲第1項から第8項のいずれか一項に記載の再生情報取得工程及び表示スケジュール選択工程(但し、その各種態様を含む)を実行させる。
本発明のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、例えば、通信手段等を介してコンピュータシステムにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の広告情報の配信表示方法に係る再生情報取得工程及び表示スケジュール選択工程を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の再生情報取得工程及び表示スケジュール選択工程における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
また、上述した課題を解決するために、コンピュータ読取可能な媒体内のコンピュータプログラム製品は、コンピュータにより実行可能なプログラム命令を明白に具現化し、該コンピュータに、上記再生情報取得工程及び表示スケジュール選択工程(但し、その各種態様を含む)を実行させる。
本発明のコンピュータプログラム製品によれば、当該コンピュータプログラム製品を格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラム製品をコンピュータに読み込めば、或いは、例えば伝送波である当該コンピュータプログラム製品を、通信手段を介してコンピュータにダウンロードすれば、上述した本発明の広告情報の配信表示方法における再生情報取得工程及び表示スケジュール選択工程を比較的容易に実施可能となる。更に具体的には、当該コンピュータプログラム製品は、上述した本発明の再生情報取得工程及び表示スケジュール選択工程を実行させるコンピュータ読取可能なコード(或いはコンピュータ読取可能な命令)から構成されてよい。
以上説明したように、本発明の広告情報の配信表示方法は、第1の配信工程、第2の配信工程、再生情報取得工程、表示スケジュール選択工程及び表示制御工程を備えるので、端末装置に効率的且つ効果的に広告情報を表示させることが可能である。
以上説明したように、本発明の広告情報配信表示システムは、第1の配信手段、第2の配信手段、再生情報取得手段、表示スケジュール選択手段及び表示制御手段を備えるので、端末装置に効率的且つ効果的に広告情報を表示させることが可能である。
以上説明したように、本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータシステムに本発明の再生情報取得工程及び表示スケジュール選択工程を実行させるので、端末装置に効率的且つ効果的に広告情報を表示させることが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
10…広告情報配信表示システム、12…配信事業者、20…プレゼンテーションパック、23…自動プレゼンテーションスクリプト、28…スケジュール生成機能モジュール、100…データ配信サーバ、200…再生情報管理サーバ、300A、300B、300C…表示端末、341…スケジュール管理処理部、342…再生処理部。
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に適宜図面に基づいて説明する。
<1:第1実施例>
<1−1:実施例の構成>
以下、図1乃至図6を参照して本発明の第1実施例に係る広告情報配信表示システム10の構成について説明する。
<1−1−1:広告情報配信表示システムの基本構成>
始めに、図1を参照し、広告情報配信表示システム10の基本構成を概念的に説明する。ここに、図1は、広告情報配信表示システム10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、広告情報配信表示システム10は、インターネット等の広域通信網として構築されたネットワーク11に収容され、素材データ作成装置13、テンプレート作成装置14、情報作成装置15、データ配信サーバ100、再生情報管理サーバ200、並びに表示端末300A、300B及び300Cを備えた、本発明に係る「広告情報配信表示システム」の一例である。
広告情報配信表示システム10は、配信事業者12により管理運営され、且つ不図示の事業主により展開される広告情報配信サービスに利用される。この事業主は、例えば、適宜に定められ得るカテゴリ毎に広告主としてのクライアントを募集し、当該クライアント各々が有する製品又は商品、或いはクライアントが展開するサービス又はイベント等に関する広告を、少なくとも映像情報を含んだ広告情報として各ロケーションに設置された表示端末に表示し、例えばその対価としてクライアントから広告料金を、或いは端末装置が設置されるロケーション各々に対応する顧客から利用料金を収受している。
例えば、医療分野等のカテゴリにおいては、例えば病院や各種医療機関における例えば待合室が、広告情報を表示するためのロケーションとなり、自動車教習所等のカテゴリでは、例えば自動車教習所の待合室が、当該ロケーションとなる。或いは鉄道駅をカテゴリとすれば、例えば各駅の構内、とりわけ通行量の多い改札口周辺や自由通路等が当該ロケーションとなり得る。このように比較的自由に設定され得る各種カテゴリ毎に、ロケーションにおける広告情報の視聴者の特性(視聴者の年齢層、性別、嗜好又は興味を持つ事柄等)が少なからず相違し得ることに鑑みれば、クライアントもまた自ずとカテゴリ毎に相違し得る。
尚、図1では、一例としてカテゴリA〜Cが示され、表示端末300A、300B及び300Cは、夫々カテゴリAに属し、夫々ロケーション#001、#002及び#003に設置される構成となっている。また、図1に示される表示端末300A、300B及び300Cは、カテゴリAに属する表示端末の一部に過ぎず、実際には、より多くの表示端末(例えば数百台或いは数千台の表示端末)が、地域性が十分に異なり得る程度の広範囲にわたって、夫々相互に異なるロケーションに設置されている。尚、これ以降の説明において、特に断りの無い限り、広告情報配信表示システム10における、少なくとも一のカテゴリに備わる表示端末の総称として適宜「表示端末300」なる言葉を使用することとする。
尚、配信事業者12、事業主、及びクライアントの関係は一義的なものではなく、例えば、配信事業者12が事業主を実質的に兼任していてもよい。或いはクライアントが事業主を兼任していてもよい。また、広告情報配信表示システム10の一カテゴリに属する表示端末は、その所有者が同一であってもよいし、異なっていてもよい。
<1−1−2:プレゼンテーションパックの構成>
広告情報配信表示システム10において、広告情報は、広告情報配信表示システム10が扱う最大のファイルであるプレゼンテーションパック(以下、適宜「PRパック」と称する)20として各表示端末に配信される。ここで、図2を参照し、PRパック20の構成について説明する。ここに、図2は、PRパック20の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図2において、プレゼンテーションパック20は、パック情報ファイル21、メニューファイル22、自動プレゼンテーションスクリプト(以下、適宜「自動PRスクリプト」と称する)23、複数のプレゼンテーションファイル24_i(i=1,2,・・・,L(但し、Lは自然数))、複数の素材データ25_j(j=1,2,・・・,M(但し、Mは自然数))、複数のテンプレートファイル26_k(k=1,2,・・・,N(但し、Nは自然数))、スケジュール生成機能モジュール27、再生情報ファイル28及びデフォルトスケジュール29によって構成される。
パック情報ファイル21、メニューファイル22、自動PRスクリプト23、プレゼンテーションファイル24_i、及びテンプレートファイル26_kは、通常、複数の素材データ(コンテンツ)から成る広告情報を表示するために必要な情報が定義される制御情報ファイルであり、素材データ(コンテンツ)25_jは、当該制御情報ファイルの動作によって表示される実際の表示データである。
素材データ25_jは、テンプレートファイル26_k内で使用するコンテンツデータである。素材データ25_jとしては、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式やアニメーションGIF(Graphic Interchange Format)形式などの動画像のファイル、JPEG(Joint Photographic Coding Experts Group)形式、PNG(Portable Network Graphics)形式、GIF(Graphic Interchange Format)形式、TIFF(Tagged Image File Format)形式などの静止画像ファイル、MIDI(Musical Instruments Digital Interface)形式やMP3(MPEG Audio Layer-3)形式、WMA(Windows(R) Media Audio)形式などの音声ファイル、Flash形式などの音声及び動画像の情報を含む音声動画像ファイル並びにテキストファイルなどが適宜に含まれる。
テンプレートファイル26_kには、各素材データを表示するための少なくとも一つの表示エリア(ウィンドウ)の表示位置を示す表示位置情報と、当該表示エリアの表示サイズと、当該表示エリアに表示される素材データの再生に使用する再生プレーヤー(表示エリアと再生プレーヤーの関連付け)等が定義される。テンプレートファイル26_kの定義によって、表示端末300における表示画面上のレイアウトを簡単に変更することができる。換言すれば、異なる定義のテンプレートファイルを複数準備しておき、使用するテンプレートファイルによって表示レイアウトを変更するだけで、或いは同じテンプレートファイルを用いて表示画面上に構築される各表示エリアに表示する素材データを変更するだけで、異なる広告情報を作成することが可能となる。
プレゼンテーションファイル24_iには、一のテンプレートファイル26_kのファイル名、当該一のテンプレートファイルに定義されている前述の少なくとも一つの表示エリア(表示エリア名)、及び少なくとも一つの素材データ25_j(ファイル名)相互間の対応付け情報が定義されている。即ち、一のプレゼンテーションファイルは、一の広告情報に対応しており、各プレゼンテーションファイル24_iは、素材データ25_j及びテンプレートファイル26_kのファイル管理に使用される。
メニューファイル22には、広告情報の視聴者が複数の広告情報(複数のプレゼンテーションファイル24_iに対応)から一の広告情報を選択するための選択ボタンを含むメニュー画面を定義する情報と、選択ボタン(選択ボタン名)とプレゼンテーションファイルのファイル名との対応付け情報が定義される。
自動PRスクリプト23には、プレゼンテーションファイル24_iによって規定される複数の広告情報の表示スケジュールが、表示スケジュールA,表示スケジュールB,・・・,表示スケジュールZの複数個について定義されている。ここで、表示スケジュールとは、各プレゼンテーションファイルによって表される広告情報の表示開始時刻及び表示終了時刻等を規定する情報を指す。即ち、一の表示スケジュールにおける一の表示開始時刻及び表示終了時刻には、一のプレゼンテーションファイル名が対応付けられている。必然的に、表示開始時刻及び表示終了時刻が定義されないプレゼンテーションファイルは、当該表示スケジュールの下では表示に供されない広告情報となる。例えば、自動PRスクリプト23に定義される一の表示スケジュールには、午前10時から午後8時まで、5分間隔で全てのプレゼンテーションファイル24_iが順次且つ繰り返し表示されるように、各プレゼンテーションファイルの表示開始時刻及び表示終了時刻が定義されていてもよい。
パック情報ファイル21には、メニューファイル22および自動PRスクリプト23の夫々のファイル名が定義されており、パック情報ファイル21はこれらのファイル管理に使用される。プレゼンテーションファイル24_iは、メニューファイル22及び自動PRスクリプト23により管理される。
スケジュール生成機能モジュール27は、端末装置300において実行可能なコンピュータプログラムであり、本発明に係る「コンピュータプログラム」の一例である。スケジュール生成機能モジュール27は、PRパック20が各表示端末に配信された場合に起動するように構成されており、起動した状態において、各表示端末において広告情報の表示スケジュールを設定させることが可能に構成されている。尚、スケジュール生成機能モジュール27の詳細な動作については後述する。
再生情報ファイル28は、広告情報配信表示システム10の一のカテゴリに属する複数の表示端末(例えば、カテゴリAならば表示端末300A、300B及び300Cを含む複数の表示端末)各々と、各表示端末において自動PRスクリプト23によって定義される複数の表示スケジュールの中から選択すべき一の表示スケジュールとの対応関係を定義するファイルである。
デフォルトスケジュール29は、緊急時に利用される表示スケジュールであり、本発明に係る「基準情報」の一例である。
上記構成を有する本実施例に係るPRパック20は、基本的に広告情報配信表示システム10の一のカテゴリに属する複数の表示端末(例えば、カテゴリAならば表示端末300A、300B及び300Cを含む複数の表示端末)相互間で共通な構成を有する。
<1−1−3:PRパック20のアップロード>
次に、図1に戻り、広告情報配信表示システム10において、データ配信サーバ100にPRパック20をアップロードするための、素材データ作成装置13、テンプレート作成装置14及び情報作成装置15の構成を、その動作の一部を交えて説明する。
素材データ作成装置13は、例えば配信事業者12に所属する、或いは配信事業者12から委託を受けたクリエータが、素材データ25_jを作成するためのパーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムであり、前述した動画像ファイル、静止画像ファイル、テキストファイル及び音声動画像ファイル等の形態を有する素材データを作成する素材データ作成機能を備えている。
テンプレート作成装置14は、例えば配信事業者12に所属する、或いは配信事業者12から委託を受けたクリエータが、テンプレートファイル26_kを作成するためのパーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムであり、前述したテンプレートファイルを作成するテンプレート作成機能を備えている。
情報作成装置15は、配信事業者12に所属する、或いは配信事業者12から委託を受けたプロデューサが広告情報を作成するためのパーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムであり、素材データ作成装置13によって作成された各種素材データ、及びテンプレート作成装置14によって作成された各テンプレートファイルを用いて、図2に示したプレゼンテーションパック20に含まれる全てのファイルを作成する。こうして作成されたプレゼンテーションパック20は、この情報作成装置15からネットワーク11を介してデータ配信サーバ100に送信される。
情報作成装置15は、プレゼンテーション作成機能、スケジュール・メニュー作成機能、パック作成機能及びデータアップロード機能を備えている。
プレゼンテーション作成機能は、素材データ作成装置13によって作成された各種素材データ25_j、及びテンプレート作成装置14によって作成されたテンプレートファイル26_kを用いて、プロデューサが複数の広告情報に対応する複数のプレゼンテーションファイル24_iを作成するための機能である。具体的には、前述したように、プロデューサが、一のプレゼンテーションファイル毎に、一のテンプレートファイルのファイル名を定義すると共に、該一のテンプレートファイルに定義されている前述した少なくとも一つの表示エリア(表示エリア名)と少なくとも一つの素材データ25_j(ファイル名)との対応付けを定義する。また、プレゼンテーション作成機能は、プロデューサが作成したプレゼンテーションファイルを確認するために、プレゼンテーションファイルに定義されたテンプレートファイルを用いて素材データを再生し、広告情報を表示する機能を備えている。
スケジュール・メニュー作成機能は、プロデューサによって指定された各プレゼンテーションファイル間の表示順序の優先順位を示す表示優先度情報に基づいて、前記プレゼンテーション作成機能によって作成された各プレゼンテーションファイルの表示スケジュールを決定して前述の自動PRスクリプト23及びメニューファイル22を作成する機能である。
パック作成機能は、メニューファイル22、自動PRスクリプト23、プレゼンテーションファイル24_i又はパック情報ファイル21が作成或いは変更された場合に、最新のプレゼンテーションパック20を作成する機能である。
データアップロード機能は、パック作成機能によって作成されたプレゼンテーションパック20を、ネットワーク11を介してデータ配信サーバ100に送信することによりアップロードを行う機能である。この場合、データアップロード機能では、プレゼンテーションパック20に含まれる複数のファイルから、一のパッケージに少なくとも一つのファイルが含まれるように複数のパッケージが作成され、作成された複数のパッケージが、パッケージ単位で暗号化された後に、パッケージ識別情報が付加され、データ配信サーバ100に送信される。パッケージ識別情報には、自パッケージが属するプレゼンテーションパック名、自パッケージに含まれるファイルの内容を示す情報等が含まれている。尚、データアップロード機能は、パッケージを作成する際に、対象となるプレゼンテーションパック20が新規のものであるのか更新されたものであるのかを判断して、更新されたプレゼンテーションパックの場合には、更新されたファイルのみを含むパッケージを作成して送信することが可能に構成される。このパッケージ化は、1回のデータ通信のデータ量を削減するためのものであり、データ量が少ない場合は、プレゼンテーションパック20自体が暗号化されデータは威信サーバ100に送信されてもよい。
<1−1−4:データ配信サーバ100の構成>
データ配信サーバ100は、表示端末300の監視および制御を行うことが可能に構成されたコンピュータシステムであり、本発明に係る「サーバシステム」の一例である。データ配信サーバ100は、プレゼンテーションパック管理機能と、端末管理機能と、ログ集計機能とを備えている。
プレゼンテーションパック管理機能は、情報作成装置15から受信したパッケージを格納するとともに、受信したパッケージが新たなプレゼンテーションパック20を構成するパッケージであるのか、既に格納しているプレゼンテーションパック20内の更新されたファイルのみを含むパッケージであるのかをパッケージ識別情報から判別する。更新されたファイルのみのパッケージの場合には、プレゼンテーションパック管理機能は、格納しているパッケージ及び情報作成装置15から受信したパッケージを復号化し、格納しているプレゼンテーションパック20内の更新部分(情報作成装置15から受信したパッケージのファイル)だけを変更した後に、パック化、暗号化して格納する。
端末管理機能は、表示端末300からポーリングによるアクセスがあった場合、表示端末300に対し、表示端末300のCPUの負荷情報や表示部の温度などの表示端末300内の各種状態を示す情報(以下、適宜「監視情報」と称する)の送信を要求する。また、端末管理機能は、表示端末300からポーリングによるアクセスがあった場合、表示端末300に対する、プレゼンテーションパック20又はパッケージのダウンロード要求の送信、表示端末300において既に記憶されている複数のプレゼンテーションパックの中から一のプレゼンテーションパックを選択するための指示の送信、及びポーリング間隔の変更設定指示の送信等を行うことが可能に構成される。
ログ集計機能は、表示端末300から送信される監視情報を集計及び記憶する機能である。ログ集計機能によって記憶された各種データは、配信事業者12による閲覧に供される構成となっている。
ここで、図3を参照し、データ配信サーバ100の詳細な構成について説明する。ここに、図3は、データ配信サーバ100のブロック図である。
図3において、データ配信サーバ100は、インターフェース部110、端末管理処理部120、データ格納部130、プレゼンテーションパック管理処理部140及びログ集計処理部150を備える。
インターフェース部110は、ネットワーク11を介して情報作成装置15及び各表示端末と相互通信を行なうためのインターフェース機能を備えた機能ブロックである。
端末管理処理部120は、上述した端末管理機能を実現するための機能ブロックであり、表示端末300からポーリングによるアクセスがあった場合、表示端末300に対し、表示端末300におけるCPUの負荷情報や表示端末300における表示部の温度等の監視情報の送信を要求することが可能に構成される。また、端末管理処理部120は、表示端末300からポーリングによるアクセスがあった場合、表示端末300に対する、プレゼンテーションパック20又はパッケージのダウンロード要求の送信、表示端末300において既に記憶されている複数のプレゼンテーションパックの中から一のプレゼンテーションパックを選択するための指示の送信、及びポーリング間隔の変更設定指示の送信等を行うことが可能に構成される。
データ格納部130は、情報作成装置15から送信されたプレゼンテーションパック20又はパッケージを格納することが可能に構成された書き換え可能な記憶領域を有する比較的大容量の記憶装置である。また、データ格納部130は、プレゼンテーションパック20の配信履歴(更新履歴および送信履歴)を格納することが可能に構成される。更新履歴とは、パッケージ内の更新したファイル名とファイルの更新日時とパッケージが属するプレゼンテーションパック名である。送信履歴とは、表示端末300に配信したプレゼンテーションパック名とその送信日時である。また、データ格納部130は、ログ集計処理部150によって集計された監視情報を格納することも可能である。
プレゼンテーションパック管理処理部140は、上述したプレゼンテーションパック管理機能を実現する機能ブロックであり、パッケージ識別処理部141、更新処理部142、及び配信処理部143を備える。
パッケージ識別処理部141は、情報作成装置15から受信したパッケージが新たなPRパック20を構成する1つのパッケージであるのか、既に格納しているPRパック20内の更新されたファイルのみを含むパッケージであるのかをパッケージ識別情報から判別することが可能に構成される。
更新処理部142は、受信したパッケージが更新ファイルのみのパッケージの場合、データ格納部130に格納されているパッケージ内のファイルを、受信したパッケージのファイルに更新する。また、更新処理部142は、パッケージ内のファイルを更新した際に、更新履歴を作成して、作成した更新履歴をデータ格納部130に格納することが可能に構成される。
配信処理部143は、表示端末300からのPRパック20の配信要求に応じて、要求されたPRパック20に属するパッケージ(上述したように、PRパック20そのものであってもよい)を配信することが可能に構成される。配信処理部143は、配信を要求されたプレゼンテーションパックが新規の配信に対応するものであるのか、配信済みのものであるのかを判断して、配信済みのプレゼンテーションパックの場合には、更新されたファイルのみを含むパッケージを作成して送信する。また、配信処理部143は、パッケージを送信した際に送信履歴を作成して、作成した送信履歴をデータ格納部130に格納することが可能に構成される。
ログ集計処理部150は、上述したログ集計機能を実現する機能ブロックであり、表示端末300から送信される監視情報を集計して、集計した監視情報をデータ格納部130に格納することが可能に構成される。
<1−1−5:再生情報管理サーバ200の構成>
再生情報管理サーバ200は、データ配信サーバ100と共に、本発明に係る「サーバシステム」の一例として機能するように構成されたコンピュータシステムである。即ち、本実施例では、本発明に係る「サーバシステム」が、複数のコンピュータシステムにより構成される。ここで、図4を参照し、再生情報管理サーバ200の詳細な構成について説明する。ここに、図4は、再生情報管理サーバ200のブロック図である。
図4において、再生情報管理サーバ200は、インターフェース部210、再生情報管理部220、再生情報編集部230及びデータ格納部240を備える。
インターフェース部210は、ネットワーク11を介して情報作成装置15及び各表示端末と相互通信を行なうためのインターフェース機能を備えた機能ブロックである。
再生情報管理部220は、前述したカテゴリ毎に、広告情報配信表示システム10に備わる複数の表示端末300各々の再生情報を管理すると共に、各表示端末からの要請に応じて各表示端末に対応する再生情報を送信することが可能に構成されてなる機能ブロックである。ここで、再生情報とは、配信事業者12において設定される制御情報の一つであり、表示端末300に配信されるPRパック20に含まれる前述した自動PRスクリプト23の中から一の表示スケジュールを選択させるための情報である。
再生情報管理部220において、再生情報は、カテゴリ毎に設定された再生情報ファイルとして管理される。ここで、当該再生情報ファイルは、PRパック20に含まれる再生情報ファイル28と基本的には同一であるが、再生情報管理部220において管理される再生情報ファイル(以下、区別なく再生情報ファイル28と表現する)は、後述するように再生情報編集部230により適宜の編集がなされ得るため、常に最新の再生情報を含む、相対的に見てPRパック20に含まれる再生情報ファイル28よりも信頼性の高い情報となっている。即ち、PRパック20に含まれる再生情報ファイル28は、基本的にPRパック20の配信タイミングでしか変化しないため、例えば一ヶ月に一度等、比較的長いスパンに配信頻度が設定された場合には、PRパック20の配信後に新規に設置された表示端末300については、再生情報ファイル28に当該表示端末に対応する再生情報が含まれない可能性がある。
ここで、図5を参照し、再生情報ファイル28の構成について説明する。ここに、図5は、再生情報ファイル28の模式図である。
図5において、再生情報ファイル28は、ロケーション情報群28a、端末識別子群28b及び表示スケジュール群28cから構成され、各情報群を構成する単位情報が、各情報群相互間で夫々対応付けられた構成を有する。
ロケーション情報群28aは、各表示端末の設置されたロケーションに関する情報が記述された情報群である。尚、ロケーション#001とは既に述べたように表示端末300Aのロケーションであり、同様にロケーション#002及びロケーション#003は、夫々表示端末300B及び300Cのロケーションに相当する。
端末識別子群28bは、各表示端末に固有の識別情報である端末識別子をロケーション情報群28aに対応付けて記述してなる情報群である。即ち、表示端末300A、300B及び300Cの端末識別子は、夫々ID001、ID002及びID003に設定されている。
表示スケジュール群28cは、自動PRスクリプト23に定義される複数の表示スケジュール(本実施例では、既に述べた如くスケジュールAからスケジュールZまで存在する)のうち一の表示スケジュールが、ロケーション情報及び端末識別子に対応付けられて記述されてなる情報群である。即ち、図5に示す状態における再生情報ファイル28では、ロケーション#001に設置された、端末識別子ID001を割り当てられてなる表示端末300Aにおいて、表示スケジュールAが選択されるべき旨が指定されている。
図4に戻り、再生情報編集部230は、例えば配信事業者12に所属する、或いは配信事業者12から委託を受けたクリエータが、再生情報及び再生情報ファイル28を作成及び編集するための再生情報編集機能を備えた機能ブロックである。再生情報編集部230のこのような機能により、再生情報と表示端末300との間の対応付けが適宜に変更される構成となっている。例えば、一のカテゴリに新規に表示端末が設置された場合、逆に表示端末が削除された場合、或いは既存の表示端末における選択すべき表示スケジュールを変更すべき場合(例えば、特定のロケーションにおいて再生すべきプレゼンテーションファイルの少なくとも一部を変更する場合、或いはプレゼンテーションファイルの再生順序を変更する場合等)等において、再生情報ファイル28は適宜に更新される。
尚、配信事業者12等によりなされるこのような再生情報又は再生情報ファイルの生成や編集は、再生情報管理サーバ200とは異なる外部の装置(例えば、情報作成装置15等)において行われてもよい。この場合、生成又は編集がなされた再生情報又は再生情報ファイルは、適宜ネットワーク11を介して再生情報管理サーバ200にアップロードされてもよい。再生情報編集部230は、このような再生情報又は再生情報ファイルのアップデートを実行する機能体であってもよい。
データ格納部240は、再生情報編集部230により適宜の編集を受ける再生情報ファイル28を格納することが可能に構成された書き換え可能な記憶領域を有する比較的大容量の記憶装置である。
<1−1−6:表示端末300の構成>
表示端末300は、情報作成装置15によって作成された広告情報を表示する装置であり、本発明に係る「端末装置」の一例である。表示端末300は、スケジュール管理機能及び再生表示機能を備え、データ配信サーバ100からダウンロードしたパッケージまたはPRパック20を復号化し格納している。
スケジュール管理機能は、PRパック20内の自動PRスクリプト23によって定義される表示スケジュールのうち選択された一の表示スケジュールに基づいて広告情報を管理する機能であり、再生表示機能に対し、広告情報の再生を開始する再生指示及び広告情報の再生を停止する停止指示を出力する。再生指示は、該当する表示スケジュールに記述されている表示開始時間になった場合に、又は広告情報の視聴者によってメニュー画面の一の選択ボタンが投入されて特定の広告情報が選択された場合に出力される。再生指示には、再生する広告情報に対応するプレゼンテーションファイルのファイル名が含まれている。停止指示は、広告情報を表示中に該当する表示スケジュールによって指定されている表示終了時刻になった場合に、又は広告情報の視聴者によって再生中の広告情報と異なる広告情報がメニュー画面等を介して選択された場合等に出力される。
また、スケジュール管理機能は、データ配信サーバ100を介して送信される制御指示に基づいて、既に記憶されている複数のPRパック20の中から一のPRパック20を選択して適宜に切り替える等の機能も備えている。例えば、この機能は、例えば月単位でPRパック20の配信がなされるものとして、来月分のPRパック20が予め配信される場合等に、当月分のPRパック20を確実に選択するために(誤って来月分のPRパック20を選択しないために)使用される。
再生表示機能は、再生指示に含まれるプレゼンテーションファイルに基づいて広告情報を表示する機能である。再生表示機能は、プレゼンテーションファイルに定義されているテンプレートファイルの表示エリアに対応付けられた素材データを、夫々の表示エリアの再生プレーヤーを用いて再生して番組を表示する。尚、プレゼンテーションファイルにテンプレートファイルが定義されていない場合、再生表示機能は、予め格納しているデフォルトのテンプレートファイルを用いて広告情報を表示する。
ここで、図6を参照し、表示端末300の詳細な構成について説明する。ここに、図6は、表示端末300のブロック図である。
図6において、表示端末300は、インターフェース部310、ダウンロード処理部320、データ格納部330、スケジュール管理処理部341及び再生処理部342を有する表示処理部340、並びに表示部350を備えている。
インターフェース部310は、ネットワーク11を介してデータ配信サーバ100と相互通信を行なうための機能ブロックである。
ダウンロード処理部320は、データ配信サーバ100からPRパック20又はパッケージのダウンロード要求に応じて、PRパック20又はパッケージをダウンロードすると共に、当該ダウンロードしたPRパック20又はパッケージを復号化した後に解凍して、データ格納部330に格納することが可能に構成された機能ブロックである。
データ格納部330は、ダウンロードしたPRパック20又はパッケージを記憶することが可能に構成された書き換え可能な記憶領域を有する比較的大容量の記憶装置である。
スケジュール管理処理部341は、前述したスケジュール管理機能を実現する処理部であり、PRパック20内の自動PRスクリプト23の中から選択される一の表示スケジュールに基づいて広告情報の表示スケジュールを管理する機能ブロックである。また、スケジュール管理処理部341は、メニューファイル22によって表示部350に表示された複数の選択ボタンの何れか一つが広告情報の視聴者によって選択された場合には、選択されたボタンに対応したプレゼンテーションファイルを再生するように表示スケジュールを適宜に変更することが可能に構成される。
ここで特に、スケジュール管理処理部341は、PRパック20に含まれる前述したスケジュール生成機能モジュール27によって、機能追加がなされる機能ブロックであり、係る機能追加により、自動PRスクリプト23に定義される複数の表示スケジュールの中から一のスケジュールを選択することが可能に構成される。係るスケジュール選択に係る動作については後述する。
再生処理部342は、プレゼンテーションファイルに定義されているテンプレートファイルの表示エリアに対応付けられた素材データを、それぞれの表示エリアの再生プレーヤーを用いて再生して、例えばプラズマディスプレイ装置等で構成される表示部350に広告情報を表示させることが可能に構成された機能ブロックである。
<1−2:実施例の動作>
上記構成を有する広告情報配信表示システム10においては、ロケーション毎に異なる表示スケジュールで広告情報を表示(即ち、プレゼンテーションファイルを再生)することが、極めて効率的且つ効果的に実行される。ここで、本実施例のこのような動作について、図7を参照して説明する。ここに、図7は、広告情報配信表示システム10において、広告情報が配信され各ロケーションにおいて視聴者による視聴に供されるまでの流れを表すタイミングチャートである。
図7において、縦軸には時刻が採られており、図中下方向に時間が流れるものとする。一方、横軸には、動作主体として左から順に、配信事業者12(主として情報作成装置15)、データ配信サーバ100、再生情報管理サーバ200、スケジュール生成機能モジュール27及び表示端末300Aが表されている。尚、ここでは、表示端末300Aが代表的に示されるが、表示端末300の基本的な動作は複数の表示端末相互間で等しいものとする。
図7において、配信事業者12において、素材データ作成装置13、テンプレート作成装置14及び情報作成装置15等における上述した動作によりPRパック20が生成される(ステップS1)。この生成されたPRパック20は、データ配信サーバ100にアップロードされる(ステップS2)。
一方、配信事業者12において、再生情報管理サーバ200の再生情報編集部230或いは外部の装置等における再生情報の生成又は編集動作により再生情報ファイル28がアップデートされる(ステップS3)。尚、PRパック20に再生情報ファイル28が含まれることに鑑みれば、ステップS1の実行に先立って、再生情報ファイル28のアップロードがなされてもよい。但し、PRパック20に含まれる再生情報ファイル28は、必ずしも最新のものでなくてよいため、PRパック20を配信する段階で生成されている再生情報ファイル28がPRパック20に含まれる形でアップロードされてもよい。
データ配信サーバ100にPRパック20がアップロードされると、このアップロードされたPRパック20が、該当するカテゴリに属する全ての表示端末300に対し(即ち、この場合、表示端末300Aも含む)配信される(ステップS4)。言い換えれば、表示端末300側を動作主体として、PRパック20がデータ配信サーバ100からダウンロードされる。
尚、上述したように、PRパック20には自動PRスクリプト23が含まれており、この時点で、本発明に係る「第1の配信工程」及び「第2の配信工程」の一例が実現される。また、PRパック20には、スケジュール生成機能モジュール27、再生情報ファイル28及びデフォルトスケジュール29が夫々含まれており、PRパック20の配信により、本発明に係る「第3の配信工程」、「第4の配信工程」及び「第5の配信工程」の一例が夫々実現される。
PRパック20が配信される(ダウンロードされる)と、表示端末300Aにおいて、暗号化且つ圧縮化されたPRパック20が復号及び解凍される(ステップS5)。復号及び解凍処理を経ると、PRパック20に含まれるスケジュール生成機能モジュール27が起動する。スケジュール生成機能モジュール27が起動すると、スケジュール管理処理部341はこのスケジュール生成機能モジュール27によってその動作を制御され、先ず端末識別情報(即ち、前述した端末識別子)を取得する(ステップS6)。即ち、本発明に係る「識別情報取得工程」の一例が実現される。本実施例において、この端末識別情報は、端末識別情報ファイルとしてPRパック20と共に配信されている。
スケジュール管理処理部341は、配信済みの端末識別情報ファイルから端末識別子(ここでは、端末識別子ID001)を取得すると、この取得された端末識別子をキーワードに、再生情報配信サーバ200に再生情報を問い合わせる(ステップS7)。即ち、本発明に係る「識別情報送信工程」の一例を実行する。再生情報管理サーバ200では、表示端末300Aから送信される端末識別子ID001に基づいて、データ格納部240に格納された再生情報ファイルを参照し、該当する一の再生情報を選択的に取得して、スケジュール管理処理部341に対し回答する(即ち、表示端末300Aに該当する再生情報に対応する情報(データ)を送信する)。即ち、本発明に係る「再生情報選択工程」及び「再生情報送信工程」の夫々一例が実現される。図5に示すように、端末識別子ID001に対応する表示スケジュールは表示スケジュールAであり、スケジュール管理処理部341には、表示スケジュールAを選択すべき旨を表す再生情報が回答される。この段階で、本発明に係る「再生情報取得工程」の一例が実現される。
選択すべき表示スケジュールが再生情報として取得されると、表示スケジュール管理処理部341は、この取得された再生情報に基づいて自動PRスクリプト23の中から表示スケジュールAを選択する(ステップS9)。即ち、本発明に係る「表示スケジュール選択工程」の一例を実行する。表示スケジュールAを選択すると、スケジュール管理処理部341は、この選択された表示スケジュールAを再生処理部342に受け渡す。その結果、再生処理部342において、表示スケジュールAによって再生すべき旨が指定されたプレゼンテーションファイルが、同じく表示スケジュールAに記述された表示開始時刻及び表示終了時刻に従って表示されるように、端末装置300Aの表示部350が制御される。即ち、本発明に係る「表示制御工程」の一例が実行される。その結果、表示端末300Aにおいて、スケジュールAに準拠した広告情報が表示される(ステップS11)。
ここで、広告主たるクライアントの要請、又は事業主における事情等により、PRパック20の配信後に、表示端末300A或いは他の表示端末で再生すべきプレゼンテーションファイルの変更(即ち、表示スケジュールの変更)が所望されたとする。そのような場合、配信事業者12において、ステップS3に係る処理と同様にして再生情報が編集され(ステップS12)、再生情報管理サーバ200にアップロードされる(ステップS13)。
一方、スケジュール生成機能モジュール27は、再生情報管理サーバ200に対し、一定の周期で再生情報の問い合わせ(即ち、ステップS7と同等の処理)が行われるようにスケジュール管理処理部341の動作を制御している。即ち、端末識別子が取得され(ステップS14)、再生情報の問い合わせがなされ(ステップS15)、該当する再生情報の取得がなされる(ステップS16)。
この際、ステップS12に係る再生情報の変更により、表示端末300Aに対応する表示スケジュールが表示スケジュールBに変更された場合、ステップS16に係る処理において、スケジュール管理処理部341には、表示スケジュールBを選択すべき旨を表す再生情報が回答される。
スケジュール管理処理部341は、ステップS9及びS10と同様の処理により、スケジュールBを選択し(ステップS17)、再生処理部342に受け渡す(ステップS18)。再生処理部342は、ステップS11に係る処理と同様にして、スケジュールBに準拠した広告情報が表示されるように表示部350を制御する(ステップS19)。
このように、本実施例に係る広告情報配信表示システム10では、表示端末300において表示すべき広告情報が広告情報の配信後に変化した場合でも、その変化の度合いによらず(例えば、一の表示端末のみにおける変化であっても、複数のロケーションに設置された複数の表示端末における変化であっても)、再生情報ファイルを編集することのみによって、迅速に、効率的に、且つ効果的に対応することができる。
従って、表示端末に表示すべき広告情報に変化が生じた際に、該当する表示端末毎に個別に対応する形で、その都度PRパック20の再生成及び再配信を行う必要はなく、データ配信サーバ100は、例えば少なくともカテゴリ毎に全ての表示端末に対し広告情報を一括して配信することが可能となる。このため、PRパック20の配信に要するコストの増加を抑制しつつ、表示端末300の各々に最適な広告情報を表示させることが可能となる。即ち、表示端末に効率的且つ効果的に広告情報を配信し且つ表示させることが可能となるのである。
ここで、表示端末300においてスケジュール生成機能モジュール27によって実現されるスケジュール選択処理について、より詳細に説明する。ここに、図8は、スケジュール選択処理のフローチャートである。
図8において、スケジュール管理処理部341は、表示スケジュールの変更タイミングでないか否かを判別する(ステップS101)。ここで、表示スケジュールの変更タイミングとは、必ずしも現時点で選択されている表示スケジュールの変更を伴うものでなくてよく、必然性の有無は別として再生情報管理サーバ200に再生情報の問い合わせを行う旨が定められたタイミングを包括する概念である。従って、表示スケジュールの変更タイミングとは、例えば、表示端末300が起動した時点(例えば毎日起動と終了が繰り返されるならば、少なくとも一日一回訪れるタイミング)であってもよいし、現在時刻に対応する広告情報が現時点で選択された表示スケジュールに記述されていない場合であってもよい。或いは、配信事業者12或いは事業主の側から適宜設定される任意のタイミングであってもよい。
スケジュールの変更タイミングでない場合(ステップS101:YES)、スケジュール管理処理部341は、現時点で有効な再生情報に基づいて表示スケジュールを選択し(ステップS102)、再生処理部342に選択された表示スケジュールを受け渡して広告情報の表示を行わしめる(ステップS103)。ステップS103に係る処理が実行されると、処理は、ステップS101に戻される。
表示スケジュールの変更タイミングである場合(ステップS101:NO)、スケジュール管理処理部341は、既に述べたように端末識別情報ファイルを参照して端末識別情報(即ち、端末識別子)を取得する(ステップS104)。端末識別情報を取得すると、スケジュール管理処理部341は、再生情報管理サーバ200との通信が確立されないか否かを判別する(ステップS105)。ここで、ネットワーク11、再生情報管理サーバ200及び表示端末300の各々において、通信に関する不具合が生じておらず、これら相互間の通信が確立された場合(ステップS105:NO)、スケジュール管理処理部341は、上述したように、再生情報管理サーバ200への問い合わせを介して再生情報管理サーバ200から再生情報を取得し(ステップS107)、処理をステップS108に移行させる。
一方、ネットワーク11、再生情報管理サーバ200及び表示端末300のうち少なくとも一部に何らかの不具合が生じた等の理由により、再生情報管理サーバ200との通信が確立されない場合(ステップS105:YES)、スケジュール管理処理部341は、PRパック20に含まれる形で配信済みの再生情報ファイル28を取得し(ステップS106)、処理をステップS108に移行させる。
ステップS108に係る処理では、選択すべき表示スケジュールが存在しないか否かが判別される。即ち、本発明に係る「判別工程」の一例が実行される。ここで、ステップS107に係る処理を経た場合には、再生情報管理サーバ200からその時点で最新の再生情報が送信されるから、自動PRスクリプト23から一の表示スケジュールを選択することは容易にして可能であり、ステップS108に係る判断分岐は「NO」となって処理はステップS110に移行し、該当する表示スケジュールが取得される。
一方、ステップS106に係る処理を経た場合、ステップS106に係る処理において取得される再生情報ファイル28は、PRパック20が配信された時点のものであり、当該配信時から相応の時間が経過している場合には、新規に追加された表示端末300が再生情報ファイル28に記述されていないといった事態が生じ得る。即ち、この場合、端末識別子に対応する再生情報が不確定となり、スケジュール管理処理部341は、表示スケジュールを選択することができず、ステップS108に係る判断分岐は「YES」となる。
該当する表示スケジュールが存在しない場合、スケジュール管理処理部341は、PRパック20に含まれて配信された、デフォルトスケジュール29を取得する(ステップS109)。デフォルトスケジュール29は、例えばカテゴリ毎に全表示端末について共通の表示スケジュールであり、例えば、プレゼンテーションファイルを一定期間毎に順次表示させる旨が規定された表示スケジュール等、汎用性が高いスケジュールとして構築されている。ステップS109又はステップS110において何らかの表示スケジュールが選択されると、スケジュール管理処理部341は、処理をステップS103に移行する。スケジュール選択処理は、詳細にはこのように実行される。
ここで、このスケジュール選択処理によれば、再生情報管理サーバ200との間に通信回線が確立されている限りは、再生情報管理サーバ200から最新の再生情報が取得されると共に、当該通信回線が確立されない場合であっても、PRパック20に含まれる再生情報ファイル28を参照する形で再生情報の取得が試みられる。更に、配信済みの再生情報ファイル28に再生情報が記述されていない場合であっても、即ち、言わば緊急事態が生じた場合であっても、少なくともデフォルトスケジュールが最終的に選択される。従って、スケジュール管理処理部341は、如何なる場合であっても、その有効性は別として表示スケジュールを選択し広告情報の表示に供することが可能であり、広告情報配信表示システム10における広告情報の訴求効果が最低限度補償される構成となっている。即ち、上述した効率的且つ効果的に広告情報を配信し且つ表示するといった本発明に特有の効果が、より実践上の有益な形態で奏される。
また、本実施例に係る広告情報配信表示システム10によれば、コンピュータプログラムたるスケジュール生成機能モジュール27が、PRパック20に含まれる形で配信される。従って、スケジュール生成機能モジュール27と同等の機能を、表示端末300に対しスケジュール生成機能モジュール27と同等な機能を実現し得る機能モジュールを物理的又は機械的に実装することによって得ようとする場合と較べて、機能の追加、拡張或いはアップデートが容易であり、実践上明らかに有利である。また、このように配信されるコンピュータプログラムによってスケジュール管理処理部341に対し本発明に特有の作用を行わしめ得る構成に鑑みれば、表示端末300の物理的、機械的及び電気的な構成としては、選択されたスケジュールに従って広告情報を表示するといった簡便なものでよく、新規なハードウェアの追加を招くことがない点において、極めて高い利便性を提供し得るものである。
尚、本実施例においては、本発明に係る「サーバシステム」の一例として、データ配信サーバ100及び再生情報管理サーバ200が備わるが、これらは一体のコンピュータシステムとして統合されていてもよい。即ち、データ配信サーバ100(或いは再生情報管理サーバ200)に再生情報管理サーバ200(或いはデータ配信サーバ100)に係る機能が更に与えられていてもよい。更には、サーバシステムが更に細分化されていてもよい。
また、本実施例では、再生情報管理サーバ200に対し再生情報を要求する(問い合わせる)際のトリガ情報(キー情報)として、端末識別子が例示されているが、無論この種のトリガ情報は端末識別子に限定されない。例えば、表示端末各々における表示部350の物理的、機械的又は電気的な特徴等であってもよい。例えば、このような特徴として、表示解像度や表示領域の大きさ等が採用されてもよい。
このような場合、広告情報の有する地域性とは相関が薄いが、その反面、広告情報を表示領域の大きさや解像度に応じて最適化された状態で視聴者への表示に供することができるため、広告情報の訴求効果を最適化する観点からは極めて有益である。更には、この種のトリガ情報を、上述した端末識別子と併用することも可能であり、その場合、広告情報をより効果的に表示に供することも可能となる。
<2:第2実施例>
第1実施例においては、再生情報は自動PRスクリプト23に定義される複数の表示スケジュールの中から選択すべき一の表示スケジュールを指定する旨の情報として設定されているが、表示スケジュールが、スケジュール生成機能モジュール27の起動に伴って表示端末300側で決定されることに鑑みれば、再生情報としてはより高い自由度が与えられ得る。このような第2実施例について以下に説明する。
第2実施例においては、再生情報として、表示スケジュールを指定する情報の代わりに、例えば「ファイルサイズが小さい(大きい)方からX個(任意)のプレゼンテーションファイルを再生する」旨を指定する情報、又は「素材データ(或いはテンプレートファイル)として○○が使用されているプレゼンテーションファイルを順次再生する」旨を指定する情報等のように、配信されたPRパック20に含まれる各種ファイル(例えば、プレゼンテーションファイル24_i、素材データ25_j或いはテンプレートファイル26_k等)の特性に基づいたコマンド情報が与えられる。
このようなコマンド情報として再生情報を取得した場合、スケジュール生成機能モジュール27によって機能が付与されたスケジュール管理処理部341は、表示スケジュールの生成を行うことができる。その結果、予め自動PRスクリプト23等の形で配信済みの表示スケジュールとは異なる表示スケジュールに従って広告情報を表示することも容易にして可能となり、広告情報配信表示システム10によって実現される広告情報の訴求効果がより向上する。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う広告情報の配信表示方法、広告情報配信表示システム及びコンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。