ただ、近年においては、カラオケ装置で提供されるコンテンツが多様化しており、従来からある楽曲のコンテンツの他、リモコン端末側で利用可能なコンテンツとして、楽曲の演奏を行っていない間に提供する動画コンテンツ(いわゆるプロモーションビデオやCMなど),ゲームのコンテンツ,楽曲一覧のコンテンツなど多岐にわたり、それに応じて各カラオケ装置が保持すべきコンテンツのデータ量も増大してきている。
そのため、マスタカラオケ装置からスレーブカラオケ装置に対するコンテンツの送信に関してもそのデータ量に応じた時間を要してしまい、カラオケシステムを構成する全てのカラオケ装置において同一のコンテンツが保持された状態となるまでには、さらに長時間を要するようになっている。
これらのコンテンツのうち、リモコン端末側で利用可能なコンテンツについては、そのリモコン端末に対応するカラオケ装置,つまりリモコン端末を使用すべき部屋に設置されたカラオケ装置からリモコン端末に提供(送信)されるように構成すればよいが、そのコンテンツの内容や、カラオケ装置の状態などによっては、そのリモコン端末に対応するカラオケ装置が必ずしもコンテンツの提供元として適切ではない場合がある。
例えば、CMの動画コンテンツのように最新のものをタイムリーに提供することが望ましいと考えられるコンテンツについては、リモコン端末に対応するカラオケ装置において動画コンテンツが最新のものに更新されていないと、古い動画コンテンツがリモコン端末に提供されてしまう虞がある。また、動画コンテンツやゲームのコンテンツなどにおいては、そのコンテンツ単体でのデータ量が大きい場合があり、そのようなコンテンツの提供にはカラオケ装置に対する処理の負荷も大きくなるため、そのリモコン端末を使用している部屋に設置されたカラオケ装置にて提供することとすると、そのカラオケ装置による楽曲の演奏に係る処理に支障をきたす虞がある。
その一方、カラオケ装置で演奏可能な楽曲一覧のコンテンツについては、そのリモコン端末に対応するカラオケ装置からリモコン端末に提供することとしなければ、リモコン端末を使用している部屋に設置されたカラオケ装置の保持する楽曲のコンテンツと、リモコン端末に提供された楽曲一覧で示される各コンテンツとが一致しなくなり、そのリモコンを使用している部屋に設置されたカラオケ装置で演奏することのできない楽曲が、演奏できるかのような内容で提供されてしまう虞がある。
つまり、上述した技術では、コンテンツの内容やカラオケ装置の状態などによって、リモコン端末がコンテンツの提供を受けるカラオケ装置についても異ならせる必要があるにも拘わらず、そのようなことは実現できなかった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、コンテンツの内容やカラオケ装置の状態などに応じて、リモコン端末がコンテンツの提供を受けるカラオケ装置を適切なカラオケ装置とするための技術を提供することである。
上記課題を解決するため請求項1に記載のカラオケシステムは、複数のカラオケ装置と、該複数のカラオケ装置それぞれに対応づけられた複数のリモコン端末とがデータ通信可能に接続されてなり、前記複数のカラオケ装置のうち、いずれかのカラオケ装置であるマスタカラオケ装置が、該マスタカラオケ装置とデータ通信可能なホスト装置からコンテンツを取得し、該コンテンツを所定のスケジュールに従って他のカラオケ装置であるスレーブカラオケ装置に送信することによって、前記複数のカラオケ装置それぞれに同一のコンテンツが保持された状態とするように構成されたものである。
このシステムにおいて、前記マスタカラオケ装置および前記スレーブカラオケ装置は、前記リモコン端末からの要求を受け、当該カラオケ装置の保持するコンテンツのうち、前記要求に係るコンテンツを前記リモコン端末に送信するコンテンツ送信手段を備え、さらに、前記マスタカラオケ装置は、前記リモコン端末からの要求を受け、前記ホスト装置から取得したコンテンツを特定可能なコンテンツ情報を前記リモコン端末に送信するコンテンツ情報送信手段を備えている。そして、前記リモコン端末は、前記マスタカラオケ装置に対して前記コンテンツ情報を要求する情報要求手段と、該情報要求手段による要求を受けた前記マスタカラオケ装置から送信されてきたコンテンツ情報に基づいて、該コンテンツ情報で特定されるコンテンツの中から、当該リモコン端末において利用すべきコンテンツをユーザに選択させるコンテンツ選択手段と、該コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツの要求先として満たすべき状態条件を満たす前記カラオケ装置に対して、前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツを要求するコンテンツ要求手段と、を備え、該コンテンツ要求手段による要求を受けた前記カラオケ装置から送信されてきたコンテンツに基づいて、該コンテンツを当該リモコン端末において利用するための利用処理を実行する、ように構成されている。
このように構成されたカラオケシステムによれば、リモコン端末は、ユーザに選択されたコンテンツを要求するにあたり、複数のカラオケ装置の中から、そのコンテンツの要求先として満たすべき状態条件を満たすカラオケ装置に対してコンテンツを要求することができる。そのため、リモコン端末は、コンテンツの内容やカラオケ装置の状態に応じて、適切なカラオケ装置に対してコンテンツを要求することができる。
なお、上述したコンテンツ要求手段は、状態条件を満たすカラオケ装置に対してコンテンツを要求することとなるが、このとき、いずれのカラオケ装置が状態条件を満たしているカラオケ装置であるかを特定するための構成については種々の構成を採用することができる。例えば、要求するコンテンツと、そのコンテンツの要求先として満たすべき状態条件との対応関係を示す情報をカラオケ装置から取得し、この情報に基づいてコンテンツの要求先として満たすべき状態条件を満たすカラオケ装置を特定する、といった構成を採用することが考えられる。
より具体的な構成としては、請求項2に記載のように、前記マスタカラオケ装置において、前記コンテンツ情報送信手段は、前記ホスト装置から取得したコンテンツ,および,該コンテンツそれぞれの要求先として前記カラオケ装置が満たすべき状態条件を特定可能なコンテンツ情報を前記リモコン端末に送信する、ように構成されており、前記リモコン端末において、前記コンテンツ要求手段は、前記マスタカラオケ装置から送信されてきたコンテンツ情報で特定される状態条件のうち、前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツの要求先として満たすべき状態条件を満たすカラオケ装置に対して、前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツを要求する、といった構成が考えられる。
このように構成すれば、リモコン端末は、マスタカラオケ装置からコンテンツ情報を取得することで、このコンテンツ情報に基づいて、マスタカラオケ装置がホスト装置から取得したコンテンツだけでなく、コンテンツそれぞれの要求先として満たすべき状態条件についても特定することができる。
また、上述した「状態条件」としては、カラオケ装置の状態が特定の状態になったことを適用することが考えられ、この場合、カラオケ装置側から状態条件が満たされた状態となった旨を報知し、リモコン側では、この報知を受けて報知元のカラオケ装置が状態条件を満たした状態となっていると認識するように構成する必要がある。
このためには、例えば、請求項3に記載のように、前記マスタカラオケ装置および前記スレーブカラオケ装置においては、当該カラオケ装置外部からの指令を受けて所定の状態条件が満たされた状態となった際に、該状態となった旨を前記リモコン端末それぞれに報知する状態報知手段を備えており、前記リモコン端末においては、前記カラオケ装置から所定の状態条件が満たされた状態となった旨が報知された際に、所定の状態条件を満たした旨を、報知元の前記カラオケ装置と対応づけた状態で登録または更新する状態登録手段と、前記マスタカラオケ装置から送信されてきたコンテンツ情報で特定される状態条件のうち、前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツの要求先として満たすべき状態条件について、該状態条件を満たした旨が対応づけられた前記カラオケ装置を、前記状態登録手段により登録された前記カラオケ装置の中から特定する対応特定手段と、を備え、前記コンテンツ要求手段は、前記対応特定手段により決定された前記カラオケ装置に対して、前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツを要求する、ように構成することが考えられる。
このように構成すれば、カラオケ装置が状態条件を満たした状態となった際、その旨がリモコン端末に報知され、この報知内容に基づいてカラオケ装置とカラオケ装置が満たしている状態条件との対応関係が、リモコン端末側において登録,更新される。そのため、リモコン端末は、コンテンツを要求するにあたり、上述の登録内容からいずれのカラオケ装置が状態条件を満たした状態となっているのかを容易に特定することができる。
この構成におけるリモコン端末の状態登録手段は、状態条件を満たした旨を、報知元のカラオケ装置と対応づけた状態で登録する手段であり、その登録の具体的な方法としては、例えば、状態条件とカラオケ装置とを対応づけてデータテーブルに登録するとった方法の他、両者の対応関係を特定可能な方法であれば、どのような方法でもよい。
ところで、カラオケ装置から提供されるコンテンツとしては、例えば、CMの動画コンテンツのように最新のものをタイムリーに提供することが望ましいと考えられるコンテンツがあるが、このようなコンテンツは、定期的に更新して常に最新のものを提供できるようにすることが望ましい。ただ、上述したように、全てのスレーブカラオケ装置それぞれに同一のコンテンツ(更新コンテンツ)が保存された状態となるまでには一定の時間を要するため、このような更新コンテンツをリモコン端末が要求する際には、このような更新コンテンツの要求に際しては、更新コンテンツが最新のものに更新されているカラオケ装置を適切に特定できるように構成する必要がある。
そこで、このことを実現するために、例えば、請求項4に記載のように、前記マスタカラオケ装置が、前記ホスト装置から定期的に更新すべき更新コンテンツを定期的に取得し、該更新コンテンツを前記スレーブカラオケ装置に送信することで、該スレーブカラオケ装置の前記更新コンテンツをも更新するように構成されており、前記マスタカラオケ装置および前記スレーブカラオケ装置において、前記状態報知手段は、前記更新コンテンツの更新を行うことで最新の前記更新コンテンツを送信可能な状態となった際に、該状態となった旨を前記リモコン端末それぞれに報知して、前記マスタカラオケ装置において、前記コンテンツ情報送信手段は、少なくとも、前記更新コンテンツの要求先として満たすべき状態条件が「最新の更新コンテンツを送信可能な状態」であることを特定可能とした前記コンテンツ情報を前記リモコン端末に送信する、といった構成とするとよい。
このように構成すれば、カラオケ装置が「最新の更新コンテンツを送信可能な状態」となった際、その旨がリモコン端末に報知され、この報知内容に基づいてカラオケ装置とカラオケ装置が満たしている状態条件との対応関係が、リモコン端末側において登録,更新される。これにより、リモコン端末は、更新コンテンツを要求するにあたり、上述の登録内容から「最新の更新コンテンツを送信可能な状態」となっているカラオケ装置を適切に特定して、その要求をすることができる。
この構成において、カラオケ装置の状態報知手段は、最新の更新コンテンツを送信可能な状態となった旨を、例えば、更新コンテンツの更新日時,ホスト装置側での作成日時,更新コンテンツのバージョンなどにより報知するように構成すればよい。この場合、リモコン端末においては、状態登録手段が、カラオケ装置から報知された更新日時,作成日時,バージョンなどを、そのカラオケ装置と対応づけて登録することとし、対応特定手段が、登録内容が最新の状態となっているカラオケ装置を特定するように構成すればよい。
また、カラオケ装置から提供されるコンテンツとしては、例えば、動画コンテンツやゲームのコンテンツなどコンテンツ単体でのデータ量が大きくなるコンテンツがあるが、このようなコンテンツは、その提供に際してのカラオケ装置に対する処理の負荷も大きくなるため、そのリモコン端末を使用している部屋に設置されたカラオケ装置にて提供することとした場合に、そのカラオケ装置による楽曲の演奏に係る処理に支障をきたす虞がある。よって、このような特定種類のコンテンツについては、他のカラオケ装置,特にカラオケシステムにおいて利用されていないカラオケ装置から提供するように構成することが望ましい。この場合には、リモコン端末側で利用されていないカラオケ装置がいずれのカラオケ装置であるのかを特定できるように構成する必要がある。
そこで、このことを実現するために、例えば、請求項5に記載のように、前記マスタカラオケ装置および前記スレーブカラオケ装置において、前記状態報知手段は、当該カラオケ装置が利用されていない状態となった際に、該状態となった旨を前記リモコン端末それぞれに報知する、ように構成されており、前記マスタカラオケ装置において、前記コンテンツ情報送信手段は、少なくとも、特定種類のコンテンツの要求先として満たすべき状態条件が「利用されていない状態」であることを特定可能とした前記コンテンツ情報を前記リモコン端末に送信する、といった構成とするとよい。
このように構成すれば、カラオケ装置が「利用されていない状態」となった際、その旨がリモコン端末に報知され、この報知内容に基づいてカラオケ装置とカラオケ装置が満たしている状態条件との対応関係が、リモコン端末側において登録,更新される。これにより、リモコン端末は、特定種類のコンテンツを要求するにあたり、上述の登録内容から「利用されていない状態」となっているカラオケ装置を適切に特定して、その要求をすることができる。
この構成において、カラオケ装置の状態報知手段は、カラオケ装置自身が使用されていない状態となったときはもちろん、使用される状態となったことをも報知するように構成するとよく、この場合、リモコン端末については、状態登録手段が、カラオケ装置からの報知内容に応じて、カラオケ装置が使用されている状態となっているか否かを更新するように構成することが望ましい。
また、カラオケ装置から提供されるコンテンツとしては、例えば、カラオケ装置で演奏可能な楽曲一覧をユーザに通知するための通知コンテンツがあるが、このような通知コンテンツは、リモコン端末を使用する部屋に設置されたカラオケ装置から提供することとしなければ、リモコン端末を使用している部屋に設置されたカラオケ装置の保持する楽曲のコンテンツと、リモコン端末に提供された通知コンテンツで示される楽曲とが一致しなくなり、そのリモコン端末を使用している部屋に設置されたカラオケ装置で演奏することのできない楽曲が、演奏できるかのような内容で提供されてしまう虞がある。よって、このような通知コンテンツについては、リモコン端末を使用する部屋に設置されたカラオケ装置から提供するように構成することが望ましい。
このためには、例えば、請求項6に記載のように、前記マスタカラオケ装置において、前記コンテンツ情報送信手段は、少なくとも、前記カラオケ装置が自身で演奏可能な楽曲をユーザに通知するための通知コンテンツについて、該通知コンテンツの要求先として満たすべき状態条件が「通知コンテンツを送信するカラオケ装置に対応するリモコン端末」であることを特定可能とした前記コンテンツ情報を前記リモコン端末に送信する、ように構成されており、前記リモコン端末において、前記コンテンツ要求手段は、前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツが前記通知コンテンツである場合、当該リモコン端末に対応する前記カラオケ装置に対して前記コンテンツ選択手段により選択された通知コンテンツを要求する、といった構成とするとよい。
このように構成すれば、リモコン端末は、通知コンテンツを要求するにあたり、リモコン端末自身に対応するカラオケ装置,具体的な例としてそのリモコン端末を使用している部屋に設置されたカラオケ装置に対して、その要求をすることができる。
また、この構成において、リモコン端末が、リモコン端末自身に対応するカラオケ装置を特定するための構成としては、例えば、請求項7に記載のように、前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツが前記通知コンテンツである場合に、前記複数のカラオケ装置それぞれについて1以上のリモコン端末が対応づけられた状態で登録された対応テーブルから、当該リモコン端末に対応する前記カラオケ装置を特定する対応特定手段を備えており、前記コンテンツ要求手段は、前記対応特定手段により特定されたカラオケ装置に対して前記通知コンテンツを要求する、といった構成が考えられる。
このように構成すれば、リモコン端末は、通知コンテンツを要求するにあたり、対応テーブルを参照してリモコン端末自身に対応するカラオケ装置を適切に特定して、その要求をすることができる。
また、上述したコンテンツについては、それぞれ特定の状態条件のみを満たすカラオケ装置からリモコン端末に提供されることとすればよいが、特定の状態条件のみでは、その状態条件が満たされなかった場合に、リモコン端末へのコンテンツの提供が行われなくなる虞がある。そのため、コンテンツそれぞれに優先度の異なる複数の状態条件を割り当てておき、最も優先度の高い状態条件を満たすカラオケ装置からリモコン端末にコンテンツが提供されるようにしてもよい。
このためには、例えば、請求項8に記載のように、前記マスタカラオケ装置において、前記コンテンツ情報送信手段は、コンテンツそれぞれについて優先度の異なる複数の状態条件を特定可能なコンテンツ情報を前記リモコン端末に送信する、ように構成されており、前記リモコン端末において、前記コンテンツ要求手段は、前記マスタカラオケ装置から送信されてきたコンテンツ情報で特定される状態条件であって、前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツの要求先として満たすべき状態条件のうち、最も優先度の高い状態条件を満たす前記カラオケ装置に対して、前記コンテンツ選択手段により選択されたコンテンツを要求する、ように構成すればよい。
このように構成すれば、リモコン端末は、コンテンツの要求先として満たすべき状態条件のうち、最も優先度の高い状態条件を満たすカラオケ装置に対して、コンテンツを要求することができる。そのため、特定の状態条件のみを満たすカラオケ装置からリモコン端末に提供されることとした構成のように、状態条件が満たされなかった場合に、リモコン端末へのコンテンツの提供が行われなくなるといったことを防止することができる。これにより、リモコン端末に対してコンテンツの提供が行われなくなってしまう可能性を低くすることができる。
また、請求項9に記載のカラオケ装置は、請求項1から8のいずれかに記載のマスタカラオケ装置の備える全ての手段を備えてなるものである。
このように構成されたカラオケ装置によれば、請求項1から8のいずれかに記載のカラオケシステムの一部(マスタカラオケ装置)を構成することができる。
また、請求項10に記載のカラオケ装置は、請求項1から8のいずれかに記載のスレーブカラオケ装置の備える全ての手段を備えてなるものである。
このように構成されたカラオケ装置によれば、請求項1から8のいずれかに記載のカラオケシステムの一部(スレーブカラオケ装置)を構成することができる。
また、請求項11に記載のリモコン端末は、請求項1から8のいずれかに記載のリモコン端末の備える全ての手段を備えてなるものである。
このように構成されたリモコン端末によれば、請求項1から8のいずれかに記載のカラオケシステムの一部(リモコン端末)を構成することができる。
また、請求項12に記載のプログラムは、請求項1から8のいずれかに記載のマスタカラオケ装置の備える全ての手段として機能させるための各種処理手順をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
このプログラムにより制御されるコンピュータシステムは、請求項1から8のいずれかに記載のカラオケシステムの一部(マスタカラオケ装置)を構成することができる。
また、請求項13に記載のプログラムは、請求項1から8のいずれかに記載のスレーブカラオケ装置の備える全ての手段として機能させるための各種処理手順をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
このプログラムにより制御されるコンピュータシステムは、請求項1から8のいずれかに記載のカラオケシステムの一部(スレーブカラオケ装置)を構成することができる。
また、請求項14に記載のプログラムは、請求項1から8のいずれかに記載のリモコン端末の備える全ての手段として機能させるための各種処理手順をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
このプログラムにより制御されるコンピュータシステムは、請求項1から8のいずれかに記載のカラオケシステムの一部(リモコン端末)を構成することができる。
なお、上述したプログラムは、コンピュータによる処理に適した命令の順番付けられた列からなるものであって、例えば、FD,CD−ROM,メモリーカードなどの記録媒体やインターネットなどの通信回線網を介して、カラオケシステム,カラオケ装置,リモコン端末,または,これらを利用するユーザに提供されるものである。また、これらプログラムをユーザに提供する形態としては、ハードディスクやメモリにプレインストールされた状態で提供する形態とすることもできる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)全体構成
カラオケシステム1は、図1に示すように、カラオケ店舗の各部屋それぞれに1台ずつ設置された複数のカラオケ装置100と、それぞれカラオケ装置100を遠隔操作するために用意された複数のリモコン端末200とが、内部ネットワーク(LAN)N1を介してデータ通信可能に接続されてなるものである。
このカラオケシステム1においては、複数のカラオケ装置100のうち、特定の部屋(部屋番号500)に設置されているカラオケ装置(以降、「マスタカラオケ装置」という)100Mが、外部ネットワーク(公衆回線)N2を介してホスト装置300とデータ通信可能に接続されており、このホスト装置300からマスタカラオケ装置100Mに対して各種コンテンツ(例えば、楽曲のコンテンツ,動画コンテンツ,ゲームのコンテンツ,楽曲一覧のコンテンツなど)で構成された配信データが送信される。こうして、ホスト装置300から配信データを取得したマスタカラオケ装置100Mは、後述のように、こうして取得した配信データを、他のカラオケ装置(以降、「スレーブカラオケ装置」という)100Sそれぞれに対して順番に送信することにより、複数のカラオケ装置100それぞれに同一の配信データ,つまり各種コンテンツが保持された状態となる(いわゆるファイル複製が行われる)。
マスタカラオケ装置100Mは、図2に示すように、マスタカラオケ装置100M全体の動作を制御する制御部12,マスタカラオケ装置100Mを内部ネットワークN1に接続するための内部インタフェース部(内部I/F)14,カラオケ装置100を外部ネットワークN2に接続するための外部インタフェース部(外部I/F)15,演奏楽曲の伴奏内容および歌詞を示す楽曲データや映像データなどを記憶するハードディスク(HDD)16,複数のキー・スイッチからなる操作部18,リモコン端末200からの赤外線信号を赤外線通信規格(IrDA)に従って受信するための赤外線通信部20,操作部18および赤外線通信部20からの信号を処理する操作処理部22,ハードディスク16に記憶された楽曲データから演奏楽曲のオーディオ信号(音響,音声に関する信号)を生成するシンセサイザ24,シンセサイザ24により生成されたオーディオ信号およびマイクロフォン26から入力されたオーディオ信号を増幅してスピーカ28へ出力するミキシングアンプ30,映像情報を一時的に記憶するビデオRAM32,映像データに基づく映像の再生を制御する映像再生部34,ビデオRAM32に記憶された映像情報および映像再生部34により再生される映像の表示部36での表示を制御する映像制御部38などを備えている。
スレーブカラオケ装置100Sは、図2に示すように、外部インタフェース部15を備えていない点でマスタカラオケ装置100Mと相違しているだけであるため、説明を省略する。
リモコン端末200は、リモコン端末200全体の動作を制御する制御部52,カラオケ装置100に赤外線通信規格(IrDA)に従って赤外線信号を送信する赤外線通信部54,各種情報を記憶するメモリ56,表示部58の表示領域に沿って設置されるタッチパネルおよび複数のキー・スイッチからなる操作部60,操作部60からの信号を処理する操作処理部62,映像情報を一時的に記憶するビデオRAM64,ビデオRAM64に記憶された映像情報の表示部58での表示を制御する映像制御部66,内部ネットワークN1に接続された無線アクセスポイント110との間で無線LAN規格に従った無線通信を行うための無線LAN通信部68,などを備えている。
なお、本実施形態においては、各部屋に設置されたカラオケ装置100それぞれを操作するためのリモコン端末200として、1のリモコン端末200のみが用意された構成となっているが、特定のカラオケ装置100を操作するためのリモコン端末200として複数のものが用意された構成としてもよい。
(2)カラオケシステムにおいて実行される処理
以下に、カラオケ装置100およびリモコン端末200により実行される各種処理手順を説明する。
(2−1)配信データ取得処理
はじめに、カラオケ装置100(の制御部12)が配信データを取得する際に実行する配信データ取得処理の処理手順を図3に基づいて説明する。
この配信データ取得処理が起動されると、まず、カラオケ装置100外部から最新の配信データを取得する(s102)。ここでは、マスタカラオケ装置100Mであれば、所定のスケジュールに従って(本実施形態においては、カラオケ店舗の営業終了毎に)、ホスト装置300に対して最新の配信データの提供を要求し、この要求に応じて送信されてきた配信データを取得する。また、スレーブカラオケ装置100Sであれば、マスタカラオケ装置100Mが最新の配信データを取得する毎に送信してくる配信データを取得する。なお、マスタカラオケ装置100Mが配信データを取得する場合には、その配信データと共にホスト装置300側において作成されるコンテンツ情報が同時に取得される。このコンテンツ情報は、配信データを構成する各コンテンツの名称などが登録されたデータテーブルであり、その詳細は、後述する処理で参照する際に説明する。
このs102で最新の配信データを取得した後、その配信データをハードディスク16における配信データ用の記憶領域に記憶する(s104)。ここでは、既に配信データ用の記憶領域に配信データが記憶されている場合には、この配信データに上書きすることにより最新の配信データに更新する。
そして、カラオケ装置100の配信状態を示す配信状態情報として、s102で取得した配信データがホスト装置300側において作成された日付(または日時),および,カラオケ装置100自身に割り当てられているシリアル番号(図1における「シリアル*****」参照)を、内部ネットワークN1に向けて送信(いわゆるブロードキャスト)する(s106)。これにより、カラオケ装置100は、自身に保持されている配信データがホスト装置300側において作成された日付のもの,つまり最新のものに更新され、この配信データを構成する各種コンテンツとして最新のものを提供できる状態になったことを、配信状態情報により報知している。
この配信状態情報を受信したリモコン端末200それぞれは(s112)、こうして受信した配信状態情報に基づいて管理テーブルの登録内容を更新する(s114)。この「管理テーブル」とは、各カラオケ装置100のシリアル番号を、そのシリアル番号の割り当てられたカラオケ装置100の稼働状態,同カラオケ装置100におけるコンテンツの配信状態,および,同カラオケ装置100を操作すべきリモコン端末200であるか否かの対応関係などの情報と対応づけて登録されてなるデータテーブルであり、各リモコン端末200それぞれのメモリ56にあらかじめ記憶されている(図4(a)〜(d)の「初期状態」テーブル参照)。そして、このs114では、管理テーブルに登録されている情報のうち、s112で受信した配信状態情報で示されるシリアル番号に対応する「配信状態」を、この配信状態情報で示される日付に更新する。
例えば、マスタカラオケ装置100Mの配信データが更新され、それに応じた配信状態情報が送信された場合、各リモコン端末200における管理テーブルは、マスタカラオケ装置100Mのシリアル番号(00001)に対応する「配信状態」が、配信データがホスト装置300側において作成された日付(20050102)に更新される(図4(a)〜(d)における「第1状態」テーブルの網掛け部参照)。その後、マスタカラオケ装置100Mが、シリアル番号「0003」のスレーブカラオケ装置100Sに対して配信データを送信し、この配信データを受信したスレーブカラオケ装置100Sが配信データを更新して、それに応じた配信状態情報を送信した場合、各リモコン端末200における管理テーブルは、そのスレーブカラオケ装置100Sのシリアル番号(00003)に対応する「配信状態」が、配信データがホスト装置300側において作成された日付(20050102)に更新される(図4(a)〜(d)における「第2状態」テーブルの網掛け部参照)。
(2−2)サービス監視処理
続いて、カラオケ装置100が起動した以降、カラオケ装置100(の制御部12)により繰り返し実行されるサービス監視処理の処理手順を図5に基づいて説明する。
このサービス監視処理が起動されると、まず、カラオケ装置100の起動直後は、このカラオケ装置100による楽曲の演奏などが行われておらず、サービスが停止された状態となっているため(s202)、それ以降、カラオケ装置100の利用が開始されるまで(例えば、カラオケ店舗の店員による利用開始に関する操作が行われるまで,または,楽曲の演奏が開始されるまで)待機する(s204:NO)。
このs204で、カラオケ装置100の利用が開始されたら(s204:YES)、カラオケ装置100の稼働状態を示す稼働状態情報として、利用が開始された旨の情報,および,カラオケ装置100自身に割り当てられているシリアル番号を、内部ネットワークN1に向けて送信(いわゆるブロードキャスト)する(s206)。これにより、カラオケ装置100は、自身の利用が開始されたことを、稼働状態情報により報知している。
この稼働状態情報を受信したリモコン端末200それぞれは(s222)、こうして受信した稼働状態情報に基づいて管理テーブルの登録内容を更新する(s224)。ここでは、管理テーブルに登録されている情報のうち、s222で受信した稼働状態情報で示されるシリアル番号に対応する「稼働状態」を、この稼働状態情報で示される内容,つまり利用が開始されている状態を示す値「ON」に更新する。
例えば、シリアル番号「00001」,「00003」,「00004」のカラオケ装置100の利用が開始され、それに応じた稼働状態情報が送信された場合、各リモコンにおける管理テーブルは、上述した各シリアル番号に対応する「稼働状態」が「OFF」から「ON」に更新される(図6(a)〜(d)における「第3状態」テーブルの網掛け部参照)。
また、カラオケ装置100は、上述したs204で利用が開始された以降、サービスの提供が行われている状態となっているため(s208)、それ以降、カラオケ装置100の利用が終了されるまで(例えば、カラオケ店舗の店員による利用終了に関する操作が行われるまで,または,楽曲の演奏が行われなくなるまで)待機する(s210:NO)。
このs210で、カラオケ装置100の利用が終了されたら(s210:YES)、カラオケ装置100の稼働状態を示す稼働状態情報として、利用が終了された旨の情報,および,カラオケ装置100自身に割り当てられているシリアル番号を、内部ネットワークN1に向けて送信(いわゆるブロードキャスト)した後(s212)、s202へ戻る。このs212により、カラオケ装置100は、自身の利用が終了されたことを、稼働状態情報により報知している。
この稼働状態情報を受信したリモコン端末200それぞれは(s226)、こうして受信した稼働状態情報に基づいて管理テーブルの登録内容を更新する(s228)。ここでは、管理テーブルに登録されている情報のうち、s226で受信した稼働状態情報で示されるシリアル番号に対応する「稼働状態」を、この稼働状態情報で示される内容,つまり利用が終了された状態を示す値「OFF」に更新する。
例えば、シリアル番号「00001」のカラオケ装置100の利用が終了され、それに応じた稼働状態情報が送信された場合、各リモコンにおける管理テーブルは、「00001」のシリアル番号に対応する「稼働状態」が、「ON」から「OFF」に更新される(図6(a)〜(d)における「第4状態」テーブルの網掛け部参照)。
(2−3)コンテンツ再生処理
続いて、リモコン端末200が起動した以降、カラオケ装置100に対してコンテンツを要求するための要求操作が操作部60により行われた際に、リモコン端末200(の制御部52)によりコンテンツ再生処理の処理手順を図7に基づいて説明する。
このコンテンツ再生処理が起動されると、まず、マスタカラオケ装置100Mからコンテンツ情報を取得し、このコンテンツ情報で示される各種コンテンツを表示部58に表示させる(s312)。ここでは、マスタカラオケ装置100Mにコンテンツ情報を要求し、この要求に応じてマスタカラオケ装置100Mから送信されてきたコンテンツ情報を取得した後、このコンテンツ情報に登録されている各コンテンツのタイトルが一覧表示されてなるリストと共に、いずれかのコンテンツを選択すべき旨を促すためのメッセージを表示部58に表示させる。こうして、リストが表示された以降、ユーザは、リモコン端末200の操作部60を操作することにより、いずれかのコンテンツを選択する操作を行うことができる。
このs312による要求を受けたマスタカラオケ装置100Mは(s342)、要求されたコンテンツ情報をハードディスク16における配信データ用の記憶領域から読み出して、要求元であるリモコン端末200に送信する(s344)。
ここで、「コンテンツ情報」について説明すると、コンテンツ情報は、図8に示すように、配信データを構成する各コンテンツそれぞれのタイトルに、コンテンツのファイル名,および,優先度情報を対応づけて登録したデータテーブルである。この「優先度情報」とは、コンテンツを要求するにあたり、どのような状態のカラオケ装置100に対して優先的に要求を行うかを決定するための情報であって、本実施形態においては、以下(a)〜(c)に示す複数種類の状態それぞれに対する優先順位を示す数値が設定され、小さな数値(1以上の値)に対応するシリアル番号のカラオケ装置100ほど、該当するコンテンツを要求するにあたって優先すべきことを示している。
(a)稼働していない状態となっている(稼働状態)
(b)最新のコンテンツを配信可能な状態となっている(配信状態)
(c)リモコン端末200自身が遠隔操作すべきものである(対応状態)
例えば、カラオケ装置100から提供されるコンテンツとして、CMの動画コンテンツのように最新のものをタイムリーに提供することが望ましいと考えられるコンテンツがあるが、このようなコンテンツは、定期的に更新して常に最新のものを提供できるようにすることが望ましい。とはいえ、上述したように、マスタカラオケ装置100Mからの配信データの送信は、スレーブカラオケ装置100Sに対して順番に行われることから、全てのスレーブカラオケ装置100Sそれぞれに同一のコンテンツが保持された状態となるまでには一定の時間を要するため、このような更新コンテンツの要求は、いずれのカラオケ装置100でもよいということはなく、最新のコンテンツを提供可能な状態となっているカラオケ装置100にすることが望ましい。このようなことから、本実施形態において、CMの動画コンテンツについては、上記(b)でいう配信状態の優先順位を高く設定している。
また、カラオケ装置100から提供されるコンテンツとして、動画コンテンツやゲームのコンテンツなどコンテンツ単体でのデータ量が大きくなるコンテンツがあるが、このようなコンテンツは、その提供に際してのカラオケ装置100に対する処理の負荷も大きくなるため、そのリモコン端末200を使用している部屋に設置されたカラオケ装置100にて提供することとした場合、そのカラオケ装置100による楽曲の演奏に係る処理に支障をきたす虞がある。よって、このような特定種類のコンテンツについては、他のカラオケ装置100,特にカラオケシステム1において利用されていないカラオケ装置100から提供するように構成することが望ましい。このようなことから、本実施形態において、動画コンテンツやゲームのコンテンツについては、上記(a)でいう稼働状態の優先順位を高く設定している。
また、カラオケ装置100から提供されるコンテンツとして、カラオケ装置100で演奏可能な楽曲一覧をユーザに通知するための通知コンテンツがあるが、このような通知コンテンツは、リモコン端末200を使用している部屋に設置されたカラオケ装置100から提供することとしなければ、リモコン端末200を使用している部屋に設置されたカラオケ装置100の保持する楽曲のコンテンツと、リモコン端末200に提供された通知コンテンツで示される楽曲のコンテンツとが一致しなくなり、そのリモコン端末200を使用している部屋に設置されたカラオケ装置100で演奏することのできない楽曲が、演奏できるかのような内容で提供されてしまう虞がある。よって、このような通知コンテンツについては、リモコン端末200を使用する部屋に設置されたカラオケ装置100から提供するように構成することが望ましい。このようなことから、本実施形態において、通知コンテンツについては、上記(c)でいう対応状態の優先順位を高く設定している。
リモコン端末200は、上述したs312にてコンテンツ情報で示される各種コンテンツが表示された後、いずれかのコンテンツを選択する操作が行われたら(s314)、そのコンテンツのタイトルに対応付けてコンテンツ情報に登録されている優先度情報の中に、最も優先順位の高い値「1」が設定されている情報が存在しているか否かをチェックする(s316)。
このs316で、最も優先順位の高い値「1」が設定されている情報が存在していると判定された場合(s316:YES)、その優先順位情報に基づいて後述するコマンダ選出処理を行うことにより、s314にて選択されたコンテンツを要求すべきカラオケ装置100の選出を試みる(s318)。ここでは、s316にて存在していると判定された優先順位情報が、上述した(a)〜(c)のうち、いずれの状態であるのかを示すパラメータに基づいてコマンダ選出処理が起動される。
次に、s318にてカラオケ装置100の選出に成功した場合(s320:YES)、そのカラオケ装置100からs314にて選択されたコンテンツを取得し、このコンテンツを表示部58により表示させた後(s322)、本コンテンツ再生処理を終了する。このs322では、s318にて選出されたカラオケ装置100に対し、s314にて選択されたコンテンツを要求して、この要求に応じてカラオケ装置100から送信されてきたコンテンツを受信した後、このコンテンツを表示部58により表示(再生)させる。
このs322による要求を受けたカラオケ装置100は(s352)、要求されたコンテンツをハードディスク16における配信データ用の記憶領域から読み出して、要求元であるリモコン端末200に送信する(s354)。
また、リモコン端末200は、s318にてカラオケ装置100の選出に失敗した場合(s320:NO)、または、s316にて最も優先順位の高い値「1」が設定されている情報が存在していないと判定された場合(s316:NO)、s314にて選択されたコンテンツのタイトルに対応付けてコンテンツ情報に登録されている優先度情報として、次に優先順位の高い値「2」が設定されている情報が存在しているか否かをチェックする(s324)。
このs324で、次(2番目)に優先順位の高い値「2」が設定されている情報が存在していると判定された場合(s324:YES)、その優先順位情報に基づいてs318と同様のコマンダ選出処理を行うことにより、s314にて選択されたコンテンツを要求すべきカラオケ装置100の選出を試みる(s326)。
次に、s326にてカラオケ装置100の選出に成功した場合(s328:YES)、s322へ移行し、そのカラオケ装置100からs314にて選択されたコンテンツを取得し、このコンテンツを表示部58により表示させた後、本コンテンツ再生処理を終了する。
また、s326にてカラオケ装置100の選出に失敗した場合(s328:NO)、または、s324にて次(2番目)に優先順位の高い値「2」が設定されている情報が存在していないと判定された場合(s324:NO)、s314にて選択されたコンテンツのタイトルに対応付けてコンテンツ情報に登録されている優先度情報として、その次に優先順位の高い値「3」が設定されている情報が存在しているか否かをチェックする(s330)。
このs330で、その次(3番目)に優先順位の高い値「3」が設定されている情報が存在していると判定された場合(s330:YES)、その優先順位情報に基づいてs318と同様のコマンダ選出処理を行うことにより、s314にて選択されたコンテンツを要求すべきカラオケ装置100の選出を試みる(s332)。
次に、s332にてカラオケ装置100の選出に成功した場合(s334:YES)、s322へ移行し、そのカラオケ装置100からs314にて選択されたコンテンツを取得し、このコンテンツを表示部58により表示させた後、本コンテンツ再生処理を終了する。
また、s332にてカラオケ装置100の選出に失敗した場合(s334:NO)、または、s330にてその次(3番目)に優先順位の高い値「3」が設定されている情報が存在していないと判定された場合(s330:NO)、s314にて選択されたコンテンツを取得すべき適切なカラオケ装置100が存在していないためにそのコンテンツを表示することができない旨のメッセージを、表示部58に表示させた後(s336)、本コンテンツ再生処理を終了する。
(2−4)コマンダ選出処理
最後に、図7におけるs318,s326,s332であるコマンダ選出処理の処理手順を図9に基づいて説明する。
このコマンダ選出処理が起動されると、まず、このコマンダ選出処理の起動に先立ってコンテンツ再生処理から渡されたパラメータ(配信状態,稼働状態,対応状態のいずれか)が、配信状態を示すものであるか否かをチェックし(s412)、配信状態を示すものであれば(s412:YES)、管理テーブルに基づいて、最新のコンテンツを配信可能な状態となっているカラオケ装置100が存在するか否かをチェックする(s414)。ここでは、管理テーブルに、配信状態として最新の日付(例えば、現在時刻から2日以内で最も新しい日付)が登録されていれば、この配信情報に対応するシリアル番号の割り当てられたカラオケ装置100が、最新のコンテンツを配信可能な状態となっているカラオケ装置100として存在していると判定する。
このs414で、最新のコンテンツを配信可能な状態となっているカラオケ装置100が存在していると判定されたら(s414:YES)、そのカラオケ装置100をコンテンツの取得元として選出し、このカラオケ装置100のシリアル番号,および,コマンダ選出が「成功」である旨を返値として(s416)、図7のs320,s328,s334へ移行する。
一方、s414で、最新のコンテンツを配信可能な状態となっているカラオケ装置100が存在していないと判定されたら(s414:NO)、コマンダ選出が「失敗」である旨を返値として(s418)、図7のs320,s328,s334へ移行する。
また、上述したs412で、コマンダ選出処理の起動に先立ってコンテンツ再生処理から渡されたパラメータが配信状態を示すものでなければ(s412:NO)、そのパラメータが稼働状態を示すものであるか否かをチェックする(s420)。
このs420で、パラメータが稼働状態を示すものであると判定された場合(s420:YES)、管理テーブルに基づいて、利用されていない状態のカラオケ装置100が存在するか否かをチェックする(s422)。ここでは、管理テーブルに、稼働状態として「OFF」を示す値が登録されていれば、この稼働状態に対応するシリアル番号の割り当てられたカラオケ装置100が、利用されていない状態のカラオケ装置100として存在していると判定する。
このs422で、利用されていない状態のカラオケ装置100が存在していると判定されたら(s422:YES)、s416へ移行し、そのカラオケ装置100のシリアル番号,および,コマンダ選出が「成功」である旨を返値として、図7のs320,s328,s334へ移行する。
一方、s422で、利用されていない状態のカラオケ装置100が存在していないと判定されたら(s422:NO)、s418へ移行し、コマンダ選出が「失敗」である旨を返値として、図7のs320,s328,s334へ移行する。
また、上述したs420で、コマンダ選出処理の起動に先立ってコンテンツ再生処理から渡されたパラメータが稼働状態を示すものでなければ(s420:NO)、そのパラメータが対応状態を示すものであるか否かをチェックする(s424)。
このs424で、パラメータが対応状態を示すものであると判定された場合(s424:YES)、管理テーブルに基づいて、リモコン端末200自身が遠隔操作すべきカラオケ装置100が存在しているか否かをチェックする(s426)。ここでは、管理テーブルに、対応状態としてリモコン端末200自身が遠隔操作すべきカラオケ装置100である旨を示す値「○」が登録されていれば、この対応状態に対応するシリアル番号の割り当てられたカラオケ装置100が、リモコン端末200自身が遠隔操作すべきカラオケ装置100として存在していると判定する。
このs426で、リモコン端末200自身が遠隔操作すべきカラオケ装置100が存在していると判定されたら(s426:YES)、s416へ移行し、そのカラオケ装置100のシリアル番号,および,コマンダ選出が「成功」である旨を返値として、図7のs320,s328,s334へ移行する。
一方、s426で、リモコン端末200自身が遠隔操作すべきカラオケ装置100が存在していないと判定されたら(s426:NO)、s418へ移行し、コマンダ選出が「失敗」である旨を返値として、図7のs320,s328,s334へ移行する。
(3)作用,効果
このように構成されたカラオケシステム1によれば、リモコン端末200は、ユーザに選択されたコンテンツを要求するにあたり(図7のs314)、複数のカラオケ装置100の中から、そのコンテンツの要求先として満たすべき条件(状態条件)を満たすカラオケ装置100を選出し(図9のs412〜s426)、そのカラオケ装置100に対してコンテンツを要求することができる。そのため、リモコン端末200は、コンテンツの内容やカラオケ装置100の状態に応じて、適切なカラオケ装置100に対してコンテンツを要求することができる。
また、リモコン端末200がコンテンツを要求するにあたってマスタカラオケ装置100Mから取得するコンテンツ情報には、マスタカラオケ装置100Mが取得した各種コンテンツのタイトルだけでなく、これらコンテンツに応じてどのような状態のカラオケ装置100に対して優先的に要求を行うかを決定するための優先度情報が対応づけられている。そのため、リモコン端末200は、カラオケ装置100にコンテンツを要求するのに先立って取得したコンテンツ情報に基づいて、マスタカラオケ装置100Mがホスト装置300から取得したコンテンツのタイトルだけでなく、コンテンツの要求先として満たすべき条件についても特定することができる。
また、カラオケ装置100が最新のコンテンツを提供可能な状態となった,または,利用が開始または終了された状態となった際、その旨がリモコン端末200に報知され(図3のs106,図5のs206,s212)、この報知内容に基づいてカラオケ装置100とカラオケ装置100の状態との対応関係が、リモコン端末200側において登録,更新される(図3のs114,図5のs224,s228)。そのため、リモコン端末200は、コンテンツを要求するにあたり、上述の登録内容からいずれのカラオケ装置100が、コンテンツの要求先として満たすべき条件を満たした状態となっているのかを容易に特定(選出)することができる(図9のs412〜s426)。
また、リモコン端末200がマスタカラオケ装置100Mから取得するコンテンツ情報には、優先順位情報として、複数種類の状態それぞれに対する優先順位を示す数値が設定されており(図8)、リモコン端末200は、最も優先順位が高い状態となっているカラオケ装置100を選出し(図9のs412〜s426)、そのカラオケ装置100に対してコンテンツを要求している(図7のs322)。そのため、ある特定の状態となっているカラオケ装置100が存在しないと判定された場合であっても、別の状態となっているカラオケ装置100を選出してコンテンツを要求することができることから、リモコン端末200に対してコンテンツの提供が行われなくなってしまう可能性を低くすることができる。
(4)変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、リモコン端末200と内部ネットワークN2との接続態様が無線LAN規格による構成を例示した。しかし、この接続態様については、無線LAN規格以外の無線通信規格による構成としてもよいし、ケーブルなどで物理的に接続する接続態様による構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、コンテンツ情報に登録されている優先順位情報が、それぞれ稼働状態,配信状態,対応状態に優先順位を設定した3種類の情報からなる構成となっているものを例示した。しかし、この優先順位情報を構成する情報については、上述した3種類以外の状態に優先順位を設定した情報からなるものとしてもよい。
また、上記実施形態においては、リモコン端末200が、各カラオケ装置100の状態を管理テーブルに登録,更新することにより、カラオケ装置100とその状態との対応関係を特定できるように構成されたものを例示した。しかし、この対応関係を特定することができれば、管理テーブルへの登録,更新以外の構成を採用できることはいうまでもない。
また、上記実施形態においては、リモコン端末200の管理テーブルに配信状態として登録されるのが、ホスト装置300において配信データが作成された日付となっている構成を例示した。しかし、このように配信状態として登録するのは、カラオケ装置100が最新のコンテンツを提供可能な状態となったことを特定できる内容であればよく、ホスト装置300において配信データが作成された日付の他に、例えば、カラオケ装置100において配信データを更新した日付(または、日時),配信データ(またはコンテンツ)のバージョンなどであってもよい。
(5)本発明との対応関係
以上説明した実施形態において、図3におけるs106,図5におけるs206,s212は本発明における状態報知手段であり、図7におけるs344は本発明におけるコンテンツ情報送信手段であり、同図s354は本発明におけるコンテンツ送信手段である。
また、図3におけるs114,図5におけるs224,s228は本発明における状態登録手段であり、図7におけるs312は本発明における情報要求手段であり、同図s312,s314は本発明におけるコンテンツ選択手段であり、同図s322は本発明におけるコンテンツ要求手段および利用処理であり、図9におけるs412〜s426は本発明における対応特定手段である。
1…カラオケシステム、100…カラオケ装置、12…制御部、14…内部インタフェース部、15…外部インタフェース部、16…ハードディスク、18…操作部、20…赤外線通信部、22…操作処理部、24…シンセサイザ、26…マイクロフォン、28…スピーカ、30…ミキシングアンプ、32…ビデオRAM、34…映像再生部、36…表示部、38…映像制御部、200…リモコン端末、52…制御部、54…赤外線通信部、56…メモリ、58…表示部、60…操作部、62…操作処理部、64…ビデオRAM、66…映像制御部、68…無線LAN通信部、110…無線アクセスポイント。