JPWO2008143131A1 - 頭皮毛穴洗浄用ブラシ及び頭皮毛穴洗浄用具 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、これら従来のブラシでは、何れも、洗髪時において用毛先端の頭皮に対するマッサージ効果を有するものの、用毛先端が太いために頭皮の毛穴内部を洗浄することができず、毛穴から排出されて汚れや匂いの原因となる皮脂を除去することができないという問題があった。
また、くし通りが良好で容易に頭髪の絡みを解くことができ、特に、シャンプーや育毛剤等と併用することにより、頭髪や頭皮表面のみならず毛穴内の洗浄をも可能とする頭皮毛穴洗浄用ブラシとして、基台上に断面楕円形状の用毛を定間隔で複数並設し、これら断面楕円形状の用毛の間に細径用毛の束が植毛されてなるものが提案されている(例えば、特許文献7、8を参照)。
しかしながら、用毛が複数束ねられてなる毛束を用いてブラシを構成する場合、植毛部(基台)の材質として、ポリプロピレン等に代表される硬質の樹脂を使用する必要があり、上述のような、部材の変形による脱着を行なうことが困難となる。
このような問題を解決するため、例えば、中空上に構成される頭皮毛穴洗浄用ブラシの接合部位等を完全に塞ぎ、密封状態として内部への水や組成物の浸入を防止することが考えられるが、このような密封された構成の基台を製造する場合、技術的難易度が高く、また、製造コストが上昇するため、商品としての実用化が困難であるという問題があった。
また、本発明の頭皮毛穴洗浄用ブラシは、前記基台に備えられる植毛面において、前記植毛穴を2〜6個で1ユニットとし、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴の中心間距離が、最短部で2mm以上、最長部で7mm未満とされ、且つ、任意のユニットの中心点から、最も近いユニットの中心点までの距離が7mm以上10mm未満の範囲とされていることが好ましい。
また、中空状に形成された筐体の開口部に上記基台が一体に取り付けられ、植毛面の略中央部及び/又は周縁部に、基台を貫通するように少なくとも一以上の貫通孔が設けられた構成とすることにより、内部に浸入した洗浄水や洗浄液を容易に排出することができるので、汚れやカビの発生を抑制することができ、清潔な状態を保持することが可能な頭皮毛穴洗浄用ブラシが実現できる。
また、本発明の頭皮毛穴洗浄用具によれば、植毛面上において、植毛穴が密集する植毛領域と無植毛領域とが各々配されてなる上記構成の頭皮毛穴洗浄用ブラシが備えられ、液温25℃における粘度が15Pa・s以上40Pa・s未満の洗浄剤組成物を、頭皮毛穴洗浄用ブラシにおいて略一つの平面をなす複数の毛束の先端部に保持した構成とされて用いられるものなので、洗浄剤組成物が毛束の先端部から流下するのが抑制され、使用性が向上するとともに、頭皮毛穴内部の汚れ等を効果的に除去することが可能となる。
2 基台
21 植毛面
21a 貫通孔
21b、21c 切り欠き部(貫通穴)
22 植毛穴
3 毛束
31 用毛
31a 先端部
31b 端面
4 筐体
4a 中空部
41 開口部
42 把持部
図1A、図1Bは、本発明に係る洗浄用ブラシの一例を示す模式図であり、図2は、図1Bの主要部を拡大して詳細に示した図である。
また、図3は、頭皮毛穴洗浄用ブラシの用毛に用いられるフィラメントの一例を示す概略図であり、図4は、基台上に植毛された状態の用毛(毛束)を示す概略図である。また、図5A〜図5Hは、頭皮毛穴洗浄用ブラシの植毛面における用毛の配列パターンの他例を示す図である。
本実施形態の頭皮毛穴洗浄用ブラシ1は、少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、先端部31aが頭皮毛穴よりも細い直径とされた用毛31が複数束ねられてなる毛束3と、該毛束3が植毛される植毛穴22が複数設けられた植毛面21を有する基台2とを具備し、植毛穴22に、該植毛穴22内部が外部から観察されない状態の密度で毛束3が植毛されてなり、植毛面21上において、複数の毛束3の先端部(用毛31の先端部31aを参照)が略一つの平面をなしており、且つ、植毛穴22が密集する植毛領域Aと無植毛領域B(図2参照)とが各々配されて概略構成されている。
また、本実施形態の洗浄用ブラシ1は、図1A及び図1Bに示すように、さらに、開口部41を有する中空状(図1A及び図1B、図2の中空部4a参照)に形成された筐体4が備えられるとともに、該筐体4の開口部41に、基台2が一体に取り付けられてなる。また、基台2には、植毛面21の略中央部に、基台2を貫通する貫通孔21aが設けられており、また、植毛面21の周縁部に切り欠き部21b、21cが形成されることにより、この切り欠き部21b、21cと筐体4の開口部41とからなる貫通孔が構成される。
基台2の材質としては、ポリプロピレン等、一般的な硬質樹脂材料を何ら制限無く用いることができる。
用毛31は、図3に示すように、少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、図示例では、両端の先端部31aがテーパ状に形成されている。また、先端部31aは、少なくともその端面31b付近における直径dが、頭皮の毛穴よりも細い径とされている。
なお、テーパ形状とされた用毛は先端部の強度が弱いため、極度に強い力を加えて頭皮の洗浄やマッサージを行った際に毛先が曲がってしまい、毛穴の洗浄を行うことが困難となることがある。このため、頭皮洗浄時に使用者がブラシに加える荷重としては、概ね300〜1000g程度とすることが好ましい。
しかしながら、上述のような、毛穴のサイズよりも細い直径とされ、毛穴に挿入可能な径とされた細径用毛を植毛面に対して密に植毛してブラシを構成した場合、洗髪時等に頭皮の毛根にブラシの毛束を押しつけようとしても、通常のサイズの毛髪を有する人にあっては、多数の毛髪が細径用毛の進行の阻害となり易い。このため、細径用毛が容易に撓んでしまい、細径用毛が毛穴に到達できる本数が少なくなるので、目的の毛穴洗浄効果が得られにくいという問題があった。
本発明の頭皮毛穴洗浄用ブラシでは、毛穴内部の脂質等の汚れを除去するため、先端部31aが毛穴の直径より細いブラシ用毛を使用し、且つ、用毛31が束ねられてなる毛束3を、詳細を後述するパターンで植毛することにより、用毛31(毛束3)が毛髪に動きを阻害されることなく頭皮の毛穴に行き届き易くなり、優れた洗浄効果が得られる。また、頭皮から抜けた毛髪が用毛31に絡み難く、仮に絡んだ場合であっても容易に解除することができるので、優れたメンテナンス性が得られる。
用毛の毛丈が5mmよりも短いと、毛髪が障害となって用毛(毛束)が頭皮毛穴に届かない虞がある。また、用毛31の毛丈が50mmよりも長いと、用毛が曲がりやすくなり、先端部が頭皮の地肌や毛穴に届き難くなる。
なお、植毛された用毛31(毛束3)の毛丈に多少のばらつきが生じる場合もあるが、植毛された全用毛31の内の概ね9割以上が、上記5〜50mmの毛丈の範囲に入っていることが品質上好ましい。
これに対し、植毛穴22内部が外部から観察できない状態の密度となる本数の用毛が植毛されてなる本発明に係る頭皮毛穴洗浄用ブラシでは、毛束3内に抜けた毛髪が絡みつくことがなく、また、植毛穴22内部に観察可能な隙間がないので、洗浄剤等が浸入して詰まるのが抑制される。
例えば、直径が1.5mmとされた植毛穴22に、フィラメント中央部の直径が190μmの用毛31を植毛する場合、21本の用毛31を、厚さ0.25mmの平線で用毛31の中央部で固定して植毛すると、植毛穴22内部が外部から観察できない状態の密度とすることができる。このような植毛穴22内の状態について、断面積で検討すると、植毛穴22の断面積=0.75×0.75×3.14=1.77mm2に対し、用毛31が占める断面積は、0.095×0.095×3.14×21×2=1.19mm2となり、植毛穴22の断面積の内の67%が用毛31で占められている状態となる。
また、本発明者等が鋭意実験した結果、用毛31の植毛数を13本とした場合は、植毛穴22の断面積に対して用毛31の断面積が占める割合が42%となり、この42%という割合が、植毛穴22内部が外部から観察されない状態と観察可能な状態との境界となることが見出された。植毛穴22の断面積に対する用毛31の断面積の占める割合が、境界である42%未満になると、植毛穴22内部が外部から観察可能な状態となり、このような状態においては、直径が概ね70μm程度である毛髪が、用毛31に絡みつきやすくなる。
また、植毛穴22に対する植毛数が10本よりも少ないと頭皮毛穴の洗浄効果が低下し、植毛数が50本よりも多いと、径の大きな植毛穴を基台2に形成する必要があるため、植毛穴22内に、洗髪時に使用する洗浄剤やリンス剤等が浸入して詰まり易くなり、頭皮毛穴洗浄用ブラシの衛生上好ましくない。
また、上記植毛数にばらつきが生じる場合もあるが、用毛31(毛束3)が植毛された植毛穴22内の概ね9割以上において、用毛31の植毛数が10〜50本の範囲内とされていることが、品質上好ましい。
なお、用毛31の材質として金属等の硬い素材を用いる場合、フィラメント径が細いものでも強度を確保することができるため、図3又は図4に示すようなテーパ形状のフィラメントのみならず直毛状のものを用いることも可能である。しかしながら、このような直毛状の金属製フィラメントを用いた場合、ブラシ使用時に用毛が折れた際に欠損切断面が鋭利な形状となり、マッサージ時に頭皮の地肌を傷つけるため、安全性上好ましくない。
筐体4は、上述したように、開口部41に基台2が一体に取り付けられることにより、頭皮毛穴洗浄用ブラシ1の本体或いは把持部材として機能するものであり、ポリスチレン系樹脂等、従来公知の材料を何ら制限無く用いて構成することができる。
また、図示例の把持部42は、使用者が片手で掴んで操作することができるように、先端部に膨らみが持たされた形状とされているが、これには限定されず、把持部の形状や大きさについては、適宜決定することができる。
本実施形態の頭皮毛穴洗浄用ブラシ1では、上述したように、植毛面21上において、複数の毛束3の先端部(用毛31の先端部31a参照)が略一つの平面をなしており、且つ、植毛面21において、植毛穴22が密集する植毛領域Aと無植毛領域Bとが各々配されて構成される。
本発明で説明する植毛領域Aとは、植毛穴22が密集する領域、つまり、植毛穴22に毛束3(用毛31)が植毛されることによって該毛束3が密集する領域であり、上述のように、植毛穴22が比較的近距離のユニット単位で配されることで構成される。
一方、無植毛領域Bとは、植毛面21上において、植毛穴22が設けられていない領域あるいは植毛穴22が疎な状態で配されている領域であり、毛束3(用毛31)が植毛されていないか、あるいは、疎な状態で植毛された領域である。
つまり、図2に示す例では、四穴の植毛穴22からなる各ユニットが植毛領域Aであり、各ユニットからなる植毛領域A間の隙間領域が無植毛領域Bである。
本発明では、上述のように、植毛面21上において植毛領域Aと無植毛領域Bとが配された構成により、植毛穴22、つまり複数の毛束3が均等に分布された場合に比べ、高いマッサージ効果が得られるとともに、高い頭皮毛穴洗浄効果が得られる。
本発明者等が鋭意研究したところ、充分な汚れの洗浄実感とマッサージ効果を同時に得られる条件として、3〜5穴の植毛穴22、より好ましくは4〜5穴の植毛穴22を1ユニットとし、この場合の1ユニット内における任意の2つの植毛穴22の中心間距離最短部L1を2mm以上、最長部L2を7mm未満、より好ましくは最短部を2.5mm以上、最長部を4.5mm未満に構成するとともに、任意のユニットの中心点から最も近いユニットの中心点までの距離L3を7mm以上10mm未満、より好ましくは8mm以上9.5mm未満で構成することが重要であることが明らかとなった。
また、さらに、最も近いユニットに次いで近い距離にあるユニット、つまり2番目に近いユニットの中心点までの距離L4が10mm以上15mm未満として構成されていることが、より好ましく、このような構成とした場合には非常に高いマッサージ効果が得られる。
本実施形態の頭皮毛穴洗浄用ブラシ1は、植毛面21の略中央部及び/又は周縁部に、基台2を貫通するように、少なくとも一以上の貫通孔が設けられた構成とされ、図1Bに示す例では、植毛面21の略中央部に円形状の貫通孔21aが設けられており、さらに、植毛面21の周縁部に円弧状の切り欠き部21b、21cが形成されることにより、この切り欠き部21b、21cと筐体4の開口部41とからなる貫通孔が構成される。
このような場合、例えば、毛束が植毛された基台を自在変形可能な材質から構成し、筐体に対して容易に脱着が可能な構造とすることにより、適宜基台を脱着することで内部に浸入した洗浄剤等を排出し、内部を清潔に保つことが可能になる。しかしながら、本発明のような用毛(毛束)が用いられた洗浄用ブラシの場合には、植毛される基台の材質としてポリプロピレン等のような硬質樹脂を用いる必要があるため、基台が容易に変形せず、脱着が困難となる。また、洗浄用ブラシの各接合部位を完全にシールすることにより、洗浄用ブラシ内部を密封状態として、内部への洗浄液等の浸入を防止する方法もあるが、技術的難易度が高く、また、製造コストが上昇するため、商品としての実用化が困難である。
上記貫通孔を、植毛面21上において2箇所以上に設けた構成とすることにより、例えば、洗浄用ブラシ1の内部、つまり中空部4aを洗浄する際、該中空部4a内において洗浄水を循環させるのが容易になる。
貫通孔の面積の、植毛面21総面積に占める割合が3%未満だと、中空部4a内に浸入した洗浄剤等を排出する効果が低下する虞があり、また、20%以上だと、植毛面21上における植毛部位が少なくなり、頭皮毛穴の洗浄効果が充分に発現しなくなる虞がある。
また、本実施形態の頭皮毛穴洗浄用ブラシ1は、中空状に形成された筐体4の開口部41に基台2が一体に取り付けられ、植毛面21の略中央部及び/又は周縁部に、基台2を貫通するように貫通孔21a(切り欠き部21b、21cも参照)が設けられた構成とすることにより、洗浄用ブラシ1内部の中空部4aに浸入した洗浄水や洗浄液等を容易に排出することができる。従って、汚れやカビの発生を抑制することができ、清潔な状態を保持することが可能な頭皮毛穴洗浄用ブラシ1が実現できる。
本実施形態の頭皮洗浄用器具10は、図6A及び図6Bに示すように、上記本発明に係る頭皮毛穴洗浄用ブラシ1が備えられ、頭皮の毛穴洗浄に用いられるものであり、液温25℃における粘度が15Pa・s以上40Pa・s未満の洗浄剤組成物50を、頭皮毛穴洗浄用ブラシ1に備えられ、略一つの平面をなし、複数の毛束3を構成する用毛31の先端部31aに保持した構成とされて用いられるものである。
洗浄剤組成物50を用毛3の先端部31aもしくは端面31bに保持させることにより、用毛31の先端部31aが頭皮毛穴に入り込む際に、より効果的に毛穴内部の汚れを除去することが可能となる。
洗浄剤組成物50の具体的な保持時間としては、実用上不具合のない程度の時間で保持出来れば良いが、使用者が洗浄処理を行う場合の目安となる保持時間として、10秒以上の時間で保持させることが好ましい。保持時間が10秒以上であれば、用毛31の先端部31aが頭皮毛穴に入り込む際に、洗浄剤組成物50を伴って毛穴に入り込むので、毛穴内部を効果的に洗浄することができる。
洗浄剤組成物50を、用毛31に10秒以上の時間で保持させるためには、洗浄剤組成物50の粘度を、15Pa・s以上40Pa・s未満の範囲とすることが、10秒以上の保持時間が確実に得られる点から好ましく、18Pa・s以上30Pa・s未満の範囲とすることがより好ましい。
洗浄剤組成物50の粘度が15Pa・s未満だと、洗浄剤組成物50が用毛31の先端部31aに保持されず、直ぐに流下してしまう。また、洗浄剤組成物50の粘度が40Pa・s以上だと、使用時に洗浄用ブラシ1を傾けた際、洗浄剤組成物50が用毛31の先端部31aから固体状(ゲル状)のまま脱落してしまい、この場合も確実に保持することが困難となる。また、洗浄剤組成物50の粘度が高すぎると、該洗浄剤組成物50が頭皮表面において延び難いので、頭皮全体を均一に泡立てるような洗浄処理を行うことが困難となる。
洗浄剤組成物50の粘度を、上述したような15Pa・s以上40Pa・s未満の範囲にするためには、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ポリマー、あるいは無機塩の配合量及び配合比率を調整する方法がある。一例として、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の合計量を18wt%以上35wt%未満、より好ましくは20wt%以上30wt%未満の範囲とするとともに、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の比率を1/2〜5/1(wt%)の範囲、より好ましくは1/1〜3/1の範囲とすることにより、目的とする範囲の製剤粘度が得られるが、この限りではなく、上記範囲の粘度が得られる組成であれば、何れの組成も採用することが可能である。
カチオン性界面活性剤の配合量は特に限定されないが、洗浄剤組成物50中において0〜10質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0〜5質量%の範囲である。カチオン性界面活性剤の配合量が10質量%を超えると、製剤粘度が低くなり、用毛31の先端部31aに保持できなくなる虞がある。
ノニオン性界面活性剤の配合量は特に限定されないが、洗浄剤組成物50中において0.1〜10質量%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜5質量%の範囲である。ノニオン性界面活性剤の配合量が0.1質量%未満では、皮脂除去力が弱くなる場合があり、一方、10質量%を超えると製剤粘度が低くなり、用毛31の先端部31aに保持できなくなる虞がある。
ポリマーの配合量は特に限定されないが、通常は、洗浄剤組成物50中において0〜3質量%の範囲であり、より好ましくは0〜1質量%の範囲である。ポリマーの配合量が3質量%を超えると、製剤粘度が高くなり、洗浄剤組成物を容器から取り出すのが困難になる。
無機塩の配合量は特に限定されないが、洗浄剤組成物50中において0〜5質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0〜3質量%の範囲である。無機塩の配合量が5質量%を超えると、製剤粘度が低くなり、用毛31の先端部31aに保持できなくなる虞がある。
ここで、上記した香料組成物とは、上述のような香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物である。本実施形態の洗浄剤組成物50中においては、上記香料組成物が0.005〜40質量%の範囲で配合されるが、より好ましくは0.01〜10質量%の範囲である。
以下の手順で、図3に示すような用毛を作製し、この毛束が植毛された基台を筐体に取り付けることにより、図1A及び図1Bに示すような頭皮毛穴洗浄用ブラシのサンプルを作製した。
まず、図1A及び図1B中に示すような、79.3×64.3mmの平面視略楕円形状とされ、厚さが8.7mmの基台2上において、直径が1.5mmの植毛穴22を正方形状に四穴配置して1ユニットとし、計18ユニット(植毛穴の合計数:72穴)を配置した。この際、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴22の中心間距離は、最短部距離L1で3mm、最長部距離L2で約4.24mmとし、また、最も近いユニット中心点間の最短中心点距離L3を9mm、次いで近い距離にあるユニット次短中心点距離L4を約12.7mmとした。
また、基台2上において、植毛面21の略中央部に円形状の貫通孔21aを設け、また、植毛面21の周縁部に円弧状の切り欠き部21b、21cを設けることにより、これら切り欠き部21b、21cと筐体4の開口部41とからなる貫通孔が形成されるように構成した。また、各貫通孔の総面積は、植毛面21の総面積に占める割合で15%とした。
ポリブチレンテレフタレート(PBT)とポリエチレンテレフタレート(PET)とが、PBT:PET=7:3の比で混合された樹脂材料が用いられてなる、直径190μmの用毛の原糸を等寸法にカットし、規定温度に加温した高濃度NaCl溶液中に浸漬して薬品加工を施す従来公知の方法を用い、両端部をテーパ状に加工することにより、図3に示すような頭皮毛穴洗浄用ブラシ用の用毛を得た。この際、用毛の毛先から0.1mmの位置における毛径は20μmであった。
そして、基台2の各植毛穴22に、一穴あたり21本の用毛31を植毛することにより、核植毛穴22に毛束3が取り付けられた状態とした。この際、用毛31(毛束3)の毛丈は、基台2の植毛面21から端面31bまでの寸法の平均で、12mm±0.5mmの範囲とした。
上記手順で得られた、植毛面21に複数の毛束3が植毛された基台2を、図1A及び図1Bに示す筐体4の開口部41に嵌め込んで一体に取付け、実施例1の頭皮毛穴洗浄用ブラシを得た。
下記表2及び表3に示すような成分組成を有する組成例1〜9の洗浄剤組成物を、各々従来公知の方法で製造した。また、これら各成分組成を有する各例の粘度についても、下記表2及び表3中に記載した。
ここで、組成例1〜6の洗浄剤組成物は、製剤粘度が15Pa・s以上40Pa・s未満とされた洗浄剤組成物の本発明例(実施例)であり、組成例7〜9の洗浄剤組成物は、製剤粘度が本発明の規定範囲外とされた比較例である。
なお、上記各組成例の製剤粘度の測定では、化粧品原料基準第2法で規定される方法に従い、予め25℃の温度に調整した製剤を、(株)東京計器製のブルックフィールド型粘時計(BM型)を用いて、No.4ローターにより、回転数6rpmで60秒の処理を行った後の数値を製剤粘度の値とした。
上述のようにして得られた各実施例及び比較例の頭皮毛穴洗浄用ブラシを用いるとともに、また、各組成例の洗浄剤組成物を用い、「毛穴内部洗浄感」、「頭皮当たり心地」、「洗浄剤組成物の保持性」及び「排出性」について、以下の方法で評価した。
ここで、頭皮毛穴洗浄用ブラシの使用方法としては、各例の頭皮毛穴洗浄用ブラシの用毛先端部に、上記各組成例の洗浄剤組成物を約10g載せ、水で湿らせた頭髪と頭皮地肌全体に対し、約3分間、均一に洗浄用ブラシを動かして泡立てながら洗浄する方法とした。そして、通常のシャンプー等による洗浄処理と同様、お湯で頭髪及び頭皮全体をすすいだ後、頭髪を乾燥させた。
なお、「毛穴内部洗浄感」及び「頭皮当たり心地」の各官能評価試験におけるパネル(被験者)としては、頭髪が耳に少しかかる程度の長さで、所謂脱毛症等の状態が見られない男性パネル(n=30名)を用い、同条件で評価を行なった。
上記頭皮毛穴洗浄用ブラシの各サンプル(実施例1〜10、比較例1〜2)について、下記表2に示す組成例1の洗浄剤組成物を用いて、各パネラー(n=30名)が頭皮洗浄操作を行い、穴内部の洗浄感を良好と感じたパネラーの人数に応じて、以下に示すような4段階の基準で評価した。また、頭皮毛穴洗浄用ブラシの実施例1のサンプルを用い、下記表2に示す組成例1〜10の洗浄剤組成物の各々を用いて同様の評価を行なった。
これらの評価結果について、下記表1〜3にそれぞれ示した。
(1)◎:良好と答えたパネラーが25名以上(大きな効果あり)(2)○:良好と答えたパネラーが15〜24名(効果あり)(3)△:良好と答えたパネラーが5〜14名(あまり効果なし)(4)×:良好と答えたパネラーが5名未満(効果なし)
上記頭皮毛穴洗浄用ブラシの各サンプル(実施例1〜10、比較例1〜2)について、下記表2に示す組成例1の洗浄剤組成物を用いて、各パネラー(n=30名)が頭皮洗浄操作を行い、洗浄用ブラシ先端(用毛の先端部)の頭皮への当たり心地が良好と感じたパネラーの人数に応じて、以下に示すような4段階の基準で評価した。また、頭皮毛穴洗浄用ブラシの実施例1のサンプルを用い、下記表2に示す組成例1〜9の洗浄剤組成物の各々を用いて同様の評価を行なった。
これらの評価結果について、下記表1〜3にそれぞれ示した。
(1)◎:良好と答えたパネラーが25名以上(大きな効果あり)(2)○:良好と答えたパネラーが15〜24名(効果あり)(3)△:良好と答えたパネラーが5〜14名(あまり効果なし)(4)×:良好と答えたパネラーが5名未満(効果なし)
上記頭皮毛穴洗浄用ブラシの各サンプル(実施例1〜10、比較例1〜2)について、下記表2に示す組成例1の洗浄剤組成物を用毛の先端部に載せ、この状態で保持できる時間を計測して、以下に示すような4段階の基準で評価した。また、頭皮毛穴洗浄用ブラシの実施例1のサンプルを用い、下記表2に示す組成例1〜9の洗浄剤組成物の各々を用いて同様の評価を行なった。
これらの評価結果について、下記表1〜3にそれぞれ示した。
(1)◎:保持時間が10秒以上(充分保持できる:大きな効果あり)(2)○:保持時間が5秒以上10秒未満(保持できる:効果あり)(3)△:保持時間が3秒以上5秒未満(やや保持性に劣る:あまり効果なし)(4)×:保持時間が3秒未満(保持できない:効果なし)
頭皮毛穴洗浄用ブラシの実施例1のサンプルを用い、下記表2に示す組成例1〜9の洗浄剤組成物の各々を用いて、まず、上述のような頭皮洗浄操作を行った。そして、洗浄用ブラシの基台側を下方に向けることにより、内部に浸入した洗浄水及び洗浄剤組成物を、基台に形成された貫通孔から排出させ、内部に残留する洗浄水及び洗浄剤組成物の有無並びに残量を目視確認し、以下に示すような4段階の基準で評価した。
これらの評価結果について、下記表2〜3にそれぞれ示した。
(1)◎:特別な操作を行うことなく完全に排出できる(大きな効果あり)(2)○:簡単な操作で容易に完全に排出できる(効果あり)(3)△:完全に排出できるが操作に手間がかかる(あまり効果なし)(4)×:排出が非常に困難である(効果なし)
上記表1〜3に記載の結果に示すように、植毛面上において用毛(毛束)が適正に配置され、本発明で規定するように、毛束が密集する植毛領域と無植毛領域とが各々配されてなる実施例1〜10の頭皮毛穴洗浄用ブラシは、上記「毛穴内部洗浄感」及び「頭皮当たり心地」の各官能試験における評価が、何れも「◎」又は「○」の評価結果となり、優れた洗浄感と使用時の心地よさが得られることが明らかとなった。
また、組成例1の洗浄剤組成物を、実施例1〜10の頭皮毛穴洗浄用ブラシの用毛先端部に載せて行なった保持性の評価においても、何れのサンプルも「◎」又は「○」の評価結果となり、洗浄剤組成物の保持性に優れていることが明らかとなった。
同様に、組成例1〜6の洗浄剤組成物を、実施例1の頭皮毛穴洗浄用ブラシの用毛先端部に載せて行なった保持性の評価においても、何れのサンプルも「◎」又は「○」の評価結果となり、洗浄剤組成物の保持性に優れていることが明らかとなった。
また、実施例1の頭皮毛穴洗浄用ブラシを用いた排出性の評価においても、本発明の実施例である組成例1〜6の洗浄剤を用いた全ての試験において、「◎」又は「○」の評価結果となり、内部の洗浄水及び洗浄剤組成物の排出性に優れていることが明らかとなった。実施例1の頭皮毛穴洗浄用ブラシは、植毛面の総面積に対する貫通孔の総面積の割合が、15%とされており、筐体の内部に浸入した線浄水及び洗浄剤組成物を効率良く排出することができた。
また、植毛面上において植毛穴がユニット単位とされず、等間隔で密に配された比較例2の頭皮毛穴洗浄用ブラシは、上記「毛穴内部洗浄感」及び「頭皮当たり心地」の各官能試験における評価が、何れも「×」の評価結果となった。
なお、組成例1の洗浄剤組成物を、比較例1の頭皮毛穴洗浄用ブラシの用毛先端部に載せて行なった保持性の評価においても「×」の評価結果となったが、比較例2の頭皮毛穴洗浄用ブラシでは、植毛面上において植毛穴が密に配され、毛束が密に植毛されていることから、保持性の評価については「◎」の評価結果となっている。
また、製剤粘度特性が9Pa・sと、本発明の規定範囲を下回る組成例8の洗浄剤組成物は、上記実施例1の頭皮毛穴洗浄用ブラシのサンプルを用いた試験において、排出性については「◎」であり、上記「毛穴内部洗浄感」の官能試験による評価が「○」の評価結果だったものの、洗浄剤組成物の保持性については「×」の評価結果となった。
また、製剤粘度特性が50Pa・sと、本発明の規定範囲を超える組成例8の洗浄剤組成物は、上記実施例1の頭皮毛穴洗浄用ブラシのサンプルを用いた試験において、洗浄剤組成物の保持性については「◎」の評価結果だったものの、上記「毛穴内部洗浄感」の官能試験及び排出性については「×」の評価結果となった。
また、中空状に形成された筐体の開口部に上記基台が一体に取り付けられ、植毛面の略中央部及び/又は周縁部に、基台を貫通するように少なくとも一以上の貫通孔が設けられた構成とすることにより、内部に浸入した洗浄水や洗浄液を容易に排出することができるので、汚れやカビの発生を抑制することができ、清潔な状態を保持することが可能な頭皮毛穴洗浄用ブラシが実現できる。
また、本発明の頭皮毛穴洗浄用具によれば、植毛面上において、植毛穴が密集する植毛領域と無植毛領域とが各々配されてなる上記構成の頭皮毛穴洗浄用ブラシが備えられ、液温25℃における粘度が15Pa・s以上40Pa・s未満の洗浄剤組成物を、頭皮毛穴洗浄用ブラシにおいて略一つの平面をなす複数の毛束の先端部に保持した構成とされて用いられるものなので、洗浄剤組成物が毛束の先端部から流下するのが抑制され、使用性が向上するとともに、頭皮毛穴内部の汚れ等を効果的に除去することが可能となる。
Claims (4)
- 少なくとも一端側の形状がテーパ状とされ、先端部が頭皮毛穴よりも細い直径とされた用毛が複数束ねられてなる毛束と、該毛束が植毛される植毛穴が複数設けられた植毛面を有する基台とを具備し、前記植毛穴に、該植毛穴内部が外部から観察されない状態の密度で前記毛束が植毛されてなる頭皮毛穴洗浄用ブラシであって、
前記植毛面上において、前記複数の毛束の先端部が略一つの平面をなしており、且つ、前記植毛穴が密集する植毛領域と無植毛領域とが各々配されてなることを特徴とする頭皮毛穴洗浄用ブラシ。 - 前記基台に備えられる植毛面において、前記植毛穴を2〜6個で1ユニットとし、1ユニット内における任意の2箇所の植毛穴の中心間距離が、最短部で2mm以上、最長部で7mm未満とされ、且つ、任意のユニットの中心点から、最も近いユニットの中心点までの距離が7mm以上10mm未満の範囲とされていることを特徴とする請求項1に記載の頭皮毛穴洗浄用ブラシ。
- さらに、開口部を有する中空状に形成された筐体が備えられるとともに、該筐体の前記開口部に前記基台が一体に取り付けられており、
前記植毛面の略中央部及び/又は周縁部に、前記基台を貫通するように、少なくとも一以上の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の頭皮毛穴洗浄用ブラシ。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載の頭皮毛穴洗浄用ブラシが備えられ、頭皮の毛穴洗浄に用いられる頭皮毛穴洗浄用具であって、
液温25℃における粘度が15Pa・s以上40Pa・s未満の洗浄剤組成物を、頭皮毛穴洗浄用ブラシに備えられ、略一つの平面をなす複数の毛束の先端部に保持した構成とされて用いられることを特徴とする頭皮毛穴洗浄用具。
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