JPWO2008133119A1 - 非可逆回路素子 - Google Patents

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Abstract

一対の金属ケース内に下から順に、複数の外方突起を備えたアース板と、アース板が露出する孔部を備えた樹脂部材と、樹脂部材の孔部内に配置されるガーネット板と、ガーネット板の主面上に配置されるマイクロストリップライン部材と、マイクロストリップライン部材上に配置される仕切り部材と、仕切り部材上に配置される永久磁石とを備え、アース板の外方突起の少なくとも一部は、樹脂部材の孔部を通って仕切り部材の上面まで延出し、ガーネット板、マイクロストリップライン部材及び仕切り部材を包むように折り曲げられている非可逆回路素子。

Description

本発明は、自動車電話、携帯電話等のマイクロ波帯の高周波部品として使用される非可逆回路素子(例えばアイソレータ、サーキュレータ)に関する。
一般に、アイソレータ、サーキュレータ等の非可逆回路素子は、信号を伝送方向のみに通過させ、逆方向への伝送を阻止する機能を有している。非可逆回路素子には分布定数型と集中定数型がある。図16は分布定数型の非可逆回路素子の内部構造を示し、図17はそのC-C断面を示す。この非可逆回路素子は、上下の金属ケース10a,10bに、円形中心部から放射状に延出した3本の線路を有するマイクロストリップライン部材(中心導体とも呼ばれる)35と、マイクロストリップライン部材35の円形中心部の両面に配置された一対のガーネット板30,30と、ガーネット板30,30に直流磁場を与えるようにそれらの両側に配置された永久磁石20,20とを備えている。なお永久磁石20は一枚の場合もある。金属ケース10bの側壁に設けた各コネクタ120a〜120cの端子150a〜150cにマイクロストリップライン部材35の線路を接続している。
図18は特開2003-124711号に開示された分布定数型の非可逆回路素子の外観を示し、図19はその内部構造を示す。この非可逆回路素子1は、金属ケース10と蓋12との間に上から順に、上鉄板13、永久磁石20、下鉄板15、アース板16、2枚のガーネットフェライト板30、2枚のフェライト板30に挟まれたマイクロストリップライン部材35、及びアース板16が収納されている。マイクロストリップライン部材35は通常0.1〜0.25 mmの薄い銅板で形成されており、TM110モードで共振する共振部(三角形状の中央部)と、共振部から放射状に延びる3本の線路35a〜35cと、各線路35a〜35cの途中に設けられたインピーダンス整合用のλ/4長のインピーダンス変換器と、各線路35a〜35cの先端部に設けられた入出力接続用電極36a〜36cとからなる。入出力接続用電極36a〜36cは金属ケース10の周囲から突出し、回路基板に半田付けされる。
マイクロストリップライン部材35に電流を流すと、ガーネット板30に高周波磁場が生じる。永久磁石20によってガーネット板30中に回転磁場を生じさせることにより、線路35a〜35cのいずれかに入力された高周波磁場の偏波面は回転し、所定の線路にのみ出力される。
分布定数型の非可逆回路素子に対してこれまでに様々な小型化が検討されているが、ガーネット板の寸法は、非可逆回路素子の動作周波数で決まるため、その小型化は困難である。また永久磁石を高性能化したり一枚にしたりすることも提案されたが、限界があった。
その上、構成部品の位置ずれがあると非可逆回路素子の電気的特性が低下するという問題がある。永久磁石20からガーネット板30に与えられる直流磁場は均一である必要があるが、ガーネット板30、マイクロストリップライン部材35、アース板40、樹脂部材60等の部品の位置がずれると、磁場が不均一となり、入出力端子36a〜36cのインピーダンスが設計値からずれてしまい、所望の電気的特性が得られない。部品の位置ずれは組立の際生じるだけでなく、使用中の衝撃等によっても生じる。そこでガーネット板30の外周縁に入出力端子36a〜36cを接着することが提案されたが、複数の接着工程が必要となるだけでなく、接着剤がガーネット板30の主面側に回り込んだり、接着剤により入出力端子とアース板40との間に寄生容量が形成されたりするという不具合が生じた。
従って本発明の目的は、電気的特性を劣化させることなく簡単に薄型化でき、かつ金属ケース間に配置された部材が位置ずれすることがない非可逆回路素子を提供することである。
本発明の非可逆回路素子は、一対の金属ケース内に下から順に、複数の外方突起を備えたアース板と、前記アース板が露出する孔部を備えた樹脂部材と、前記樹脂部材の孔部内に配置されるガーネット板と、前記ガーネット板の主面上に配置されるマイクロストリップライン部材と、前記マイクロストリップライン部材上に配置される仕切り部材と、前記仕切り部材上に配置される永久磁石とを備え、前記アース板の前記外方突起の少なくとも一部は、前記樹脂部材の孔部を通って前記仕切り部材の上面まで延出し、前記ガーネット板、前記マイクロストリップライン部材及び前記仕切り部材を包むように折り曲げられていることを特徴とする。
前記下金属ケースの下面に端子部材が配置されており、前記マイクロストリップライン部材が前記端子部材の高周波端子と接続するように下面側に折り曲げられているのが好ましい。前記アース板に設けられた突起のうち前記孔部を通らない他の一部を下面側に折り曲げて、前記端子部材のグランド端子と接続するのが好ましい。このような構成によれば、部品間の位置ずれを防止できるとともに、マイクロストリップライン部材に外力が加わった場合でも、その変形を防ぐことが出来る。
前記マイクロストリップライン部材は粘着性樹脂フィルムにより前記ガーネット板に貼り付けられているのが好ましい。前記粘着性樹脂フィルムは両面に粘着層を有し、前記仕切り部材にも貼り付けられているのがより好ましい。このような構成は部品間の位置ずれをさらに防止する。粘着性樹脂フィルムとしてシリコーン系粘着剤層を有するポリイミドフィルムを用いると、非可逆回路素子の組立や半田付けの際に260℃程度の熱に曝されても粘着性を維持できる。
前記マイクロストリップライン部材は、中央部と、前記中央部から延出する帯状電極と、前記帯状電極間の分岐線路とからなり、前記分岐線路がマイクロストリップ線路として機能するのが好ましい。前記分岐線路は前記ガーネット板の外縁部に到るまでの位置に低インピーダンス線路を備え、前記低インピーダンス線路と前記アース板とは接地コンデンサを形成するのが好ましい。
本発明の非可逆回路素子は、一枚のガーネット板を使用し、樹脂部材の孔部内にアース板、ガーネット板及びマイクロストリップライン部材を配置し、かつアース板と仕切り部材によりガーネット板及びマイクロストリップライン部材を包む構造とすることにより、部品の位置ずれを防止しつつ、狭動作帯域化及び電気的特性の劣化もなく、簡単に薄型化することができる。
本発明の一実施形態による非可逆回路素子の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による非可逆回路素子の内部構造を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態による非可逆回路素子のうち、上金属ケース及び永久磁石を除いた部分の内部構造を示す上面図である。 図3のA-A断面図である。 本発明の一実施形態による非可逆回路素子に用いるマイクロストリップライン部材を示す平面図である。 本発明の一実施形態による非可逆回路素子に用いる樹脂基板を示す上面図である。 本発明の一実施形態による非可逆回路素子に用いる樹脂基板を示す底面図である。 本発明の一実施形態による非可逆回路素子に用いるアース板を示す平面図である。 本発明の他の実施形態による非可逆回路素子の外観を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態による非可逆回路素子の内部構造を示す分解斜視図である。 本発明の他の実施形態による非可逆回路素子のうち、上金属ケース及び永久磁石を除いた部分の内部構造を示す上面図である。 図10のB-B断面図である。 本発明の他の実施形態による非可逆回路素子に用いるマイクロストリップライン部材を示す平面図である。 本発明の一実施形態による非可逆回路素子に用いるアース板を示す平面図である。 本発明の一実施形態による非可逆回路素子に用いる端子基板を示す上面図である。 本発明の一実施形態による非可逆回路素子に用いる端子基板を示す底面図である。 本発明の他の実施形態による非可逆回路素子を示す底面図である。 従来の非可逆回路素子の内部構造を示す平面図である。 従来の非可逆回路素子の内部構造を示す断面図である。 従来の他の非可逆回路素子の外観を示す斜視図である。 従来の他の非可逆回路素子の内部構造を示す分解斜視図である。
[1] 第一の実施形態
図1〜7は、サーキュレータとして用いる本発明の第一の実施形態による非可逆回路素子を示す。この非可逆回路素子は下から順に、下金属ケース10bと、複数の突起45a〜45cを有し、下金属ケース10b内に配置されるアース板40と、ほぼ中央部にアース板40が露出する孔部67を有する樹脂部材60と、樹脂部材60の孔部67に配置されるガーネット板30と、ガーネット板30の主面上に配置されるマイクロストリップライン部材35と、マイクロストリップライン部材35上に仕切り部材55を介して配置される永久磁石20と、下金属ケース10bの受け部に嵌まる突部を有し、上記部材を内蔵した状態で下金属ケース10bに一体的に係合する上金属ケース10aとを具備する。マイクロストリップライン部材35は上下金属ケース10a、10bの隙間から延出し、外部回路と接続される。
永久磁石の誘電損失はガーネット板の100倍も大きいので、マイクロストリップライン部材を近接して配置すれば電気的特性の劣化は免れない。また永久磁石としてサマリウムコバルト磁石やネオジウム磁石等、比抵抗の小さな金属磁石を用いる場合、渦電流損失によっても電気的特性は劣化する。このため、マイクロストリップライン部材と永久磁石とを間隔をもって配置する必要がある。そこで本発明では、マイクロストリップライン部材を2枚のガーネット板で挟む図17に示す従来の構成(トリプレート構造)に対して、ガーネット板を1枚とし、かつマイクロストリップライン部材と永久磁石との間に仕切り部材を配置した。このような構造では非可逆性に寄与しない空気領域の磁気エネルギーが増すので、非可逆回路素子を狭帯域化すると考えられていたが、本発明者等の研究の結果、ガーネット板を薄くしてインダクタンスを低減するとともに、キャパシタンスが大きい構造とすることにより、狭帯域化が防げることが分った。このような構造により非可逆回路素子の低背化も達成できた。
磁気ヨークとして機能する上下金属ケース10a,10bは、例えばSPCC,42Ni-Fe合金,45Ni-Fe合金、Fe-Co合金等の磁気特性に優れた厚さ100〜300μm程度の金属板を打ち抜き、折り曲げ加工してなる。磁気ヨークの最大透磁率は5000以上で、飽和磁束密度は1.4テスラ以上が好ましい。グランドとしても機能する上下金属ケース10a,10bの表面に、電気抵抗率が5.5μΩcm以下、好ましくは3.0μΩcm以下、より好ましくは1.8μΩcm以下の導電性金属(銀、銅、金又はアルミニウム)の皮膜を形成するのが好ましい。導電性金属皮膜の厚さは0.5〜25μm、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは1〜8μmである。導電性金属皮膜は高周波電流のアース端子への経路となり、高周波信号の伝送効率を高めるとともに、外部との相互干渉を抑制して、損失を低減する。なお導電性金属のうち銀は半田付け性、接触抵抗及びコストの面で有利であるが、空気中の酸素、水分等との反応により容易に変色し、半田付け性が低下し、接触抵抗が増大するので、表面に有機キレート皮膜等の保護膜を形成するのが好ましい。
下金属ケース10bの内側底面に配置される樹脂部材60は、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、テフロン(登録商標)等のプリント基板からなる。樹脂部材60の上面には、図6(a) に示すようにマイクロストリップライン部材35を半田接続するための電極62a〜62cが形成されており、底面全体には図6(b) に示すようにグランド電極66が形成されている。各電極には半田メッキが施されている。グランド電極66は下金属ケース10bと半田接続される。電極62a〜62cとグランド電極66により形成される接地コンデンサのインピーダンスは電極62a〜62cの面積により調整できる。樹脂部材60の厚さをガーネット板30とほぼ同じとすると、電極62a〜62cに接続されたマイクロストリップライン部材35は、ガーネット板30の上面に折り曲げられたアース板40の突起45a〜45cと段差がない。
樹脂部材60の孔部67には薄銅板からなるアース板40が配置され、半田付けされる。アース板40の突起45a〜45cは上方に折り曲げられ、孔部67を通って樹脂部材60の上面から延出する。アース板40の厚さは0.05〜0.2 mmが好ましく、0.08〜0.15 mmがより好ましい。表面酸化を防ぐため、アース板40にAg、Au等の保護メッキを施すのが好ましい。保護メッキの電気抵抗率は1.0×10-7Ω・m以下が好ましい。
樹脂部材60の孔部67に配置されたアース板40の突起45a〜45cで囲まれた区域にガーネット板30を配置する。ガーネット板の厚さは0.15〜0.5 mmであるのが好ましい。ガーネット板30の厚さが0.15 mm未満であると、強度が低すぎるだけでなく、必要なインダクタンスが得られず、入出力インピーダンスのずれが生じ、挿入損失が大きく、通過帯域が狭い。また0.5 mm超であると、非可逆回路素子の底背化ができない。
アース板40の突起45a〜45cの間から分岐線路が延出するように、ガーネット板30上にマイクロストリップライン部材35を配置する。図5はマイクロストリップライン部材35の平面形状を示す。マイクロストリップライン部材35は、厚さ30〜250μmの金属薄板からエッチングにより形成できる。マイクロストリップライン部材35は、中央の接合部35aと、接合部35aからガーネット円板30の外周近傍にまで等間隔で延出する3本の帯状電極39a〜39cと、帯状電極39a〜39cの間から延出する3本の分岐線路36a〜36cとからなる。各分岐線路36a〜36cは1つ以上の透孔を有する。分岐線路36a〜36cをガーネット円板30の側面に沿って折り曲げ、透孔にペースト状半田を塗布して加熱することにより樹脂部材60の固定電極62a〜62cと半田接続し、末端部を上下金属ケース10a、10bの間から延出させる。延出した末端部は他の回路素子又は回路基板との接続端子として機能する。分岐線路36a〜36cとアース板40とは、動作周波数のずれと帯域幅の狭帯化を補償する接地コンデンサを形成する。
サーキュレータでは接合部35a及び分岐線路36a〜36cを回転対象に設けるが、アイソレータでは1つの分岐線路に終端抵抗Rを付加する。終端抵抗Rに動作周波数でリアクタンス成分が多く含まれると、インピーダンスのずれが生じて電気的特性の劣化を招くので、これを補償するため終端抵抗Rと接続する分岐線路の幅を他の分岐線路と異ならせるのが好ましい。
アース板40の突起45a〜45cで区画された領域内でマイクロストリップライン部材35の帯状電極39a〜39cと重なるように、仕切り部材55を配置する。仕切り部材55は、半田リフローによる高温下でも軟化しない液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、テフロン(登録商標)等の耐熱性樹脂により形成するのが好ましい。銅箔等の導電体を仕切り部材55の一部に貼付して、アース板40の突起45a〜45cと接続しても良い。マイクロストリップライン部材35と永久磁石20との間隔を決める仕切り部材55の厚さは、ガーネット板30の厚さの1〜2倍が好ましい。この比率が2倍を超えると、非可逆回路素子を低背化できなくなり、永久磁石20からガーネット板30に印加する直流磁場の分布が不均一となるおそれがある。
組立治具上に、下金属ケース10b、アース板40、樹脂部材60、ガーネット板30、マイクロストリップライン部材35及び仕切り部材55を配置し、接続すべき部位に半田ペーストを塗布した後、アース板40の突起45a〜45cを仕切り部材55の上面に接するように折り曲げ、リフロー炉を通すと、必要な半田付けがされるだけでなく、ガーネット板30及びマイクロストリップライン部材35が固定される。
マイクロストリップライン部材35の上に、粘着性樹脂フィルム(例えば、耐熱性に優れたシリコーン系粘着剤層を有するポリイミドフィルム)を貼付すれば、部品の位置ずれをさらに確実に防ぐことができる。樹脂フィルムの粘着層は片面でも両面でも良い。両面粘着フィルムの場合、マイクロストリップライン部材35及び仕切り部材55の両方が同時に固定できる。粘着性樹脂フィルムの扱いは容易であるので、作業者の技能による組立のばらつきを低減できる。シリコーン系粘着剤は、非可逆回路素子の組立や半田付けの際に260℃程度の熱に曝されても粘着性を維持できる。
仕切り部材55の上に永久磁石20が貼り付けられた上金属ケース10aを配置し、下金属ケース10bの側壁の窪みに上金属ケース10aの側壁の突起を嵌めると、図1に示す外観の非可逆回路素子が得られる。
実施例1
図1〜7に示す構造の非可逆回路素子を以下の通り製造した。上下金属ケース10a、10bを厚さ0.5 mmのSPCC板から打ち抜きにより作製した。下金属ケース10aには順にCuメッキ、Niメッキ及びAuメッキをそれぞれ5μm、5μm、0.05μmの厚さに形成した。
下金属ケース10bの内側底面に厚さ0.6 mmの液晶ポリマーからなる樹脂部材60を配置し、樹脂部材60の孔部67にアース板40を配置した。孔部67内のアース板40上に、直径10 mm及び厚さ0.5 mmのガーネット円板30(比誘電率εrが11、飽和磁化4πMsが115 mT、及び誘電損失tanδεが2×10-4のガーネットフェライトからなる)を配置した。
ガーネット円板30の上に、厚さ100μmの金属薄板からエッチングにより形成したマイクロストリップライン部材35を配置した。マイクロストリップライン部材35上に、厚さ0.5 mmのシリコーン樹脂からなる仕切り部材55を配置した。仕切り部材55上に配置した永久磁石20は、直径13 mm及び厚さ6.0 mmのLa-Co置換型フェライト磁石(日立金属株式会社製YBM-9BE、残留磁束密度Br:430〜450 mT、固有保磁力iHc:382〜414 kA/m)であった。マイクロストリップライン部材35と永久磁石20との間隔は仕切り部材55により0.5 mmに調整された。
永久磁石20上に配置した上金属ケース10aを下金属ケース10bと嵌め合わせ、15 mm×15 mm×6.5 mmの外寸(突起部11a、11bを除く)を有する非可逆回路素子を得た。この非可逆回路素子は従来品より約0.5 mm低背化された。ネットワークアナライザを用いた電気的特性の評価の結果、この非可逆回路素子は2.5 GHzで0.25 dBの挿入損失、25 dBのリターンロス、及び30 dBのアイソレーションを示し、従来品と遜色なかった。
[2] 第二の実施形態
図8〜図15は第二の実施形態の非可逆回路素子を示す。この非可逆回路素子は、マイクロストリップライン部材35の形状と、下金属ケース10bの下にプリント基板からなる端子部材70を配置し、アース板40の突起42a〜42c及びマイクロストリップライン部材35の分岐線路36a〜36cを端子部材70と半田付けする点とで、第一の実施形態の非可逆回路素子と異なる。従って、第一の実施形態の非可逆回路素子と同じ部分については説明を省略する。
図12に示すように、マイクロストリップライン部材35は、中央部(接合部)35aと、接合部35aからガーネット円板30の外周近傍まで等間隔で延出する3本の帯状電極39a〜39cと、帯状電極39a〜39cの間から延出する3本の分岐線路36a〜36cとを有する。各分岐線路36a〜36cには、ガーネット円板30の外周縁に到るまでの部分に整合回路として機能する低インピーダンス線路38a〜38cが設けられている。
分岐線路36a〜36cのλ/4線路長を確保するために接合部35aの面積がガーネット円板30の面積より非常に小さくても、低インピーダンス線路38a〜38cにより動作周波数のずれと帯域幅の狭帯化を補償することができる。
マイクロストリップライン部材35の上面に粘着性樹脂フィルム50を貼付する。粘着性樹脂フィルム50は、マイクロストリップライン部材35の接合部35aより大きく、ガーネット板30以下であるのが好ましい。
図13に示すように、アース板40は6つの突起42a〜42c、45a〜45cを有する。突起42a〜42cは上方に折り曲げられる。アース板40の隅部に設けられた孔は下金属ケース10bとの接続位置を示すマーカとして用いられ、そこに半田ペーストが塗布される。
端子部材70はガラス繊維強化エポキシ樹脂、テフロン(登録商標)等のプリント基板等からなる。図14(a) に示すように、端子部材70の上面全体に下金属ケース10bと半田接続されるグランド電極71が形成されている。また図14(b) に示すように、端子部材70の底面には、中央部にグランド電極72が形成され、周辺部にグランド電極72と連続するグランド端子73a〜73c、及び入出力用電極75a〜75cが形成されている。上下面のグランド電極71,72はスルーホール(図中黒丸で表示)により接続されている。各電極には半田メッキが施されている。
下金属ケース10bの下に端子部材70を配置する以外第一の実施形態と同様にして部品を配置し、接続すべき部位に半田ペーストを塗布した後、アース板40の突起45a〜45cを仕切り部材55の上面に接するように折り曲げ、リフロー炉を通すと、必要な半田付けがされるだけでなく、ガーネット板30及びマイクロストリップライン部材35が固定される。リフロー後、図11に示すようにアース板40の突起42a〜42cを下方に折り、下金属ケース10b及び端子部材70に沿って折り曲げ、図12に示すように端子部材70のグランド端子73a〜73cに接続させる。またマイクロストリップライン部材35の分岐線路36a〜36cも、樹脂部材60、下金属ケース10b及び端子部材70を包みこむように下方に折り曲げ、端子部材70の高周波端子75a〜75cに接続させる。
突起45a〜45c及び分岐線路36a〜36cをレーザーや半田ごて等で局部加熱すると、端子部材70の電極に施されたメッキが溶融し、突起45a〜45c及び分岐線路36a〜36cは端子部材70の電極に接続される。
リフロー後にアース板40の突起45a〜45c及びマイクロストリップライン部材35の分岐線路36a〜36cを折り曲げるため、これらの部材がずれることがなく、確実な半田付けを行うことができる。その結果、金属ケース間に配置された部品はアース板40及びマイクロストリップライン部材35にしっかり保持され、組立後に外力が作用しても位置ずれを起こさず、特性劣化を招くことがない。
本発明を添付図面を参照して詳細に説明したが、それらに限定されることなく技術的思想の範囲内で種々の変更を施すことができる。例えば、部品の接合手段として半田以外に、ろう材、導電性接着剤、スポット溶接等を用いても良い。またアース板40から仕切り部材55まで順次組立てたが、これらの部品を予め組立てて一体品とし、それを樹脂部材60の孔部67に収容しても良い。

Claims (7)

  1. 一対の金属ケース内に下から順に、複数の外方突起を備えたアース板と、前記アース板が露出する孔部を備えた樹脂部材と、前記樹脂部材の孔部内に配置されるガーネット板と、前記ガーネット板の主面上に配置されるマイクロストリップライン部材と、前記マイクロストリップライン部材上に配置される仕切り部材と、前記仕切り部材上に配置される永久磁石とを備え、前記アース板の前記外方突起の少なくとも一部は、前記樹脂部材の孔部を通って前記仕切り部材の上面まで延出し、前記ガーネット板、前記マイクロストリップライン部材及び前記仕切り部材を包むように折り曲げられていることを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 請求項1に記載の非可逆回路素子において、前記下金属ケースの下面に端子部材が配置されており、前記マイクロストリップライン部材が前記端子部材の高周波端子と接続するように下面側に折り曲げられていることを特徴とする非可逆回路素子。
  3. 請求項2に記載の非可逆回路素子において、前記アース板に設けられた突起のうち前記孔部を通らない他の一部が下面側に折り曲げられ、前記端子部材のグランド端子と接続していることを特徴とする非可逆回路素子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の非可逆回路素子において、前記マイクロストリップライン部材が粘着性樹脂フィルムにより前記ガーネット板に貼り付けられていることを特徴とする非可逆回路素子。
  5. 請求項4に記載の非可逆回路素子において、前記粘着性樹脂フィルムは両面に粘着層を有し、前記仕切り部材にも貼り付けられていることを特徴とする非可逆回路素子。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の非可逆回路素子において、前記マイクロストリップライン部材は、中央部と、前記中央部から延出する帯状電極と、前記帯状電極間の分岐線路とからなり、前記分岐線路がマイクロストリップ線路として機能することを特徴とする非可逆回路素子。
  7. 請求項5のいずれかに記載の非可逆回路素子において、前記分岐線路は前記ガーネット板の外縁部に到るまでの位置に低インピーダンス線路を備え、前記低インピーダンス線路と前記アース板とは接地コンデンサを形成することを特徴とする非可逆回路素子。
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