JP5633790B2 - 非可逆回路素子 - Google Patents
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Description
図16は特許文献1に開示された分布定数型の非可逆回路素子の外観図であり、図17は、その分解斜視図である。この非可逆回路素子1は、筐体12に中心導体部10と抵抗14を配置して構成されている。
中心導体部10は、銅薄板から形成され三方向に放射状に延びる帯状電極21a,21b,21cを有する中心導体20と、マイクロ波フェライトであるガーネット板22,23(以下フェライト板と呼ぶ場合がある)と、鉄板24と、永久磁石26を積み重ね接着して構成され、筐体12の収納部12d内に収容される。
そこで図18に示す様に、筐体12の中心導体やガーネット板を収容する部分を、磁気回路として機能するヨーク(上ヨーク50,下ヨーク55)を用いて別体(便宜上サーキュレータ部7と呼ぶ)とし、別途準備された板状支持体16に固定することが行われている。
通信機器においては、小型、低背化、軽量化は重要な技術的課題となっており、非可逆回路素子もまた同様の課題を有する。そこで軽量化、低背化のため、上下ヨーク50,55を構成する金属の厚みを薄くするとともに、板状支持体16を構成する金属材料を銅に代えて、密度が約1/3のアルミニウムを用いるようになって来た。
ヨーク(上下ヨーク50,55)や板状支持体16を構成する金属材料の熱膨張係数は、アルミニウムが24×10−6/℃程度であり、鋼鉄、例えばSPCCであれば12×10−6/℃程度であり、銅は14〜17×10−6/℃程度である。また接合に用いるはんだは20×10−6/℃程度の熱膨張係数を有する。
このため、例えば下ヨークをSPCCとし、板状支持体をアルミニウムで構成すると、その熱膨張係数の差によって、ヨーク(下ヨーク55)の下面側には圧縮応力が、板状支持体の上面側には引張応力が作用するようになる。
ろう付後に発生した応力によってヨーク(下ヨーク55)の上面は接合界面での変形に倣って変形する。ヨークや板状支持体の薄肉化によって変形が一層顕著になった結果、その変形量は温度変化やヨーク(下ヨーク55)等の大きさ、厚みにもよるが、100μm以上の変形を示すこともあった。
そこで本発明では、簡単な構成によって、板状支持体とヨークとの接合界面に生じる応力を抑制してヨークの変形を低減し、もって電気的特性に優れた非可逆回路素子を提供することを目的とする。
ろう付接合箇所は、板状支持体との接合箇所をヨークの第2主面の面積よりも減じるようにあれば、ヨークの第2主面の中央部、周縁部、あるいは複数箇所など、特に限定されない。
ろう付の際に、本来接合しない部分に迄、ろう材が意図せず広がってしまうことがある。孔部やソルダーレジストを形成することで、確実にヨークと板状支持体との接合面積を低減することが出来る。孔部の開口面積あるいはソルダーレジストの形成面積は、ヨークと板状支持体との接合強度を考慮して設定されるが、ヨークの第1主面の全面積に対して80%以下であるのが好ましい。なお複数の孔部やソルダーレジストを設ける場合は、孔部の開口面積あるいはソルダーレジストの形成面積は、それらの総計の開口面積や形成面積となる。
温度変化に伴ってヨークの主面の変形方向が変化してしまうと、導体部材との接続点が変化するため、ヨークのグランド面としての機能が低下し、電気的特性が不安定となるとともに、構成部材に割れなどが生じ易くなる。そこで本発明においては、安定した電気的特性が得られる様に、ヨークの主面の変形をフェライト板側に凸状の、一様の変形方向がとなる様にしている。変形が凸状であれば、ヨークの第1主面と導体部材との接続部を、常にヨークの上面略中央部に確保して、安定した電気的特性を得ることが出来る。
変形状態が凸状であれば、理想的にはフェライト板に作用する力点と支点が一致し、かつ変形量も小さければ押圧力によるフェライト板の割れが生じ難くなる。
図1は本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態を示す斜視図であり、図2はその分解構造を示す斜視図であり、図3は板状支持体の主面に垂直な方向に切断した部分拡大切断図である。
板状支持体16は、下ヨーク55を構成する金属材料よりも熱膨張係数が大きく、かつ抵抗14の発熱を考慮して熱伝導率の大きい金属材料が用いられる。本実施例では下ヨーク55を磁気ヨークとして機能するSPCCを用い、板状支持体16はSPCCよりも熱膨張係数が大きい金属材料であるアルミニウム合金を用いた。
板状支持体16としては、他に銅などの金属材料を使用しても良い。また板状支持体16には、下地Niめっき、その上にSnめっきが施されている。表面に形成される金属めっき膜は、電気抵抗が小さい金属材料で形成するのが好ましく、下ヨーク55とのろう付性も合わせて考慮して設定される。
四隅に貫通する孔部70a〜70dが形成されている。これは非可逆回路素子を電子機器に取り付ける際に用いられるネジ孔である。孔部60の周囲の2箇所には貫通する孔部90a,90bが形成されている。これは、板状支持体16とサーキュレータ部7の下ヨーク55とをろう付する組立ての際に、治具の位置決めピンが挿通する治具用孔である。孔部70a〜70d、90a,90bは必要に応じて設けられるものであり、形成数や大きさ、あるいは位置などは適宜変更される。
図5(a),(b),(c)に板状支持体16のa−a’断面図を示す。図5(a)に示すように孔部60は貫通孔であっても良いし、図5(b)に示すように一面側にのみ開口するようにしても良い。また、図5(c)に示すように孔部60の周囲に段差部82を設けても良い。下ヨークの第2主面側を前記段差部に落とし込めば、非可逆回路素子を低背化することが出来る。この場合は下ヨークの主面形状と孔部60の形状と同じとするのが好ましい。
孔部60は下ケースの第2主面と重なるように形成されるが、その一部が下ケースの第2主面よりも大きく構成されていても構わない。
非可逆回路素子の組立ては、組立て治具150を用いて行なわれる。この組立て治具150には、その主面の2箇所に立設する位置決めピン120が設けられており、板状支持体16の主面から飛び出す高さとなっている。位置決めピン120は板状支持体16の孔部90a,90bに挿通して、板状支持体16の移動を規制する。
厚みが1.2mmのSPCCからなり、高さ8mmの下ケース55を準備し、その内側底面(第1主面)に0.1mm厚みの円形状のアース板30を配置した。下ケース55の表面には、Cuめっき、Niめっき、Agめっきの順に総厚が30μmのめっき層を形成している。なお下ケース55の底部面はφ30mmの略円形に構成されている。
下ヨーク55の下面の中央部を除く外縁の板状支持体16との重なり部分にはんだを塗布し、下ヨーク55と板状支持体16とを重ね、265℃に設定された恒温槽内に7分間投入し、取り出して室温まで自然冷却して925MHz〜960MHzの周波数帯に対応した非可逆回路素子を得た。
比較用に孔部60を設けない板状支持体16を準備し、下ヨーク55の下面の略全面で板状支持体12と接合する以外は実施例と同様にして非可逆回路素子を作製した。
試料a〜cは、φ15mm、φ20mm、φ25mmの孔部を有する板状支持体16のそれぞれに下ヨーク55を接合したものであり、試料dは、下ヨーク55の下面の略中央部を含む領域にポリイミドフィルム(φ25mm)を貼着し、孔部を有さない板状支持体16に接合したものである。図14に試料dを第2主面側から見た平面図を示す。試料cは前述の実施例の非可逆回路素子と対応する。また、試料eは孔部を有さない板状支持体16に下ヨーク55を接合したものであり、前述の比較例の非可逆回路素子と対応する。
変形量は孔部を有さない板状支持体で、かつ下ケースにポリイミドフィルムを貼着しない場合が最も大きい。なお板状支持体の裏面側(接合面との対向面)について面粗さ計を用いて測定したところ、下ケースに倣って変形していた。
16 板状支持体
14 抵抗
20 中心導体
22,23 フェライト板
26 永久磁石
24,28 鉄板
30,31 アース板
50 上ヨーク
55 下ヨーク
Claims (4)
- 対向する第1主面と第2主面を有するヨークと、前記ヨークの第1主面にフェライト板と中心導体とを重ねて配置したサーキュレータ部と、前記ヨークの第2主面と接合された板状支持体とを備えた非可逆回路素子であって、
前記板状支持体は、前記ヨークよりも熱膨張係数が大きい金属で構成され、少なくとも前記ヨークの第2主面側に開口する孔部を有し、
前記ヨークは、前記孔部を覆って前記板状支持体に重ねられて、前記ヨークの第2主面の一部と前記板状支持体とを、ろう付接合にて固定することを特徴とする非可逆回路素子。 - 前記ヨークの第2主面、または前記板状支持体の前記ヨークと重なる部位には、一部にソルダーレジストが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
- 前記ヨークの第1主面は、−25℃〜+85℃の間で同じ方向に凸となることを特徴とする請求項1又は2に記載の非可逆回路素子。
- 前記板状支持体が銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記下ヨークが鋼鉄であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非可逆回素子。
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