JP5633790B2 - 非可逆回路素子 - Google Patents

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Description

本発明は、アイソレータやサーキュレータ等の非可逆回路素子に関する。
アイソレータやサーキュレータ等の非可逆回路素子は、例えば、携帯電話や無線通信装置等(移動局)や、基地局で使用される通信機器等に用いられ、信号を伝送方向のみに通過させ、逆方向への伝送を阻止する機能を有するものである。
図16は特許文献1に開示された分布定数型の非可逆回路素子の外観図であり、図17は、その分解斜視図である。この非可逆回路素子1は、筐体12に中心導体部10と抵抗14を配置して構成されている。
筐体12は、アルミニウム等をダイキャスト(高圧鋳造)したものや、切削加工にて塊から切り出したものであり、平板部12aから上方に壁部12bが直立し、抵抗14を位置決めする突起部12cが形成されている。3箇所に設けられた壁部12bの内側は平板部12aと同一面となる底面を有する収納部12dとなり、前記収納部12dには中心導体部10が配置される。
中心導体部10は、銅薄板から形成され三方向に放射状に延びる帯状電極21a,21b,21cを有する中心導体20と、マイクロ波フェライトであるガーネット板22,23(以下フェライト板と呼ぶ場合がある)と、鉄板24と、永久磁石26を積み重ね接着して構成され、筐体12の収納部12d内に収容される。
中心導体20の帯状電極21cは抵抗14と接続され短絡する。抵抗14は筐体12の突起部12cで位置決めされてはんだ等で筐体12に固定される。放熱効果の高い筐体12に抵抗14が実装されるので、抵抗14で発生した熱が拡散し易く、耐電力特性が向上する。
非可逆回路素子に対しては常に低廉化の要求があるが、筐体12は、ダイキャストや切削加工して作製されるので、単純な形状よりも製造コストが高くなる問題があった。
そこで図18に示す様に、筐体12の中心導体やガーネット板を収容する部分を、磁気回路として機能するヨーク(上ヨーク50,下ヨーク55)を用いて別体(便宜上サーキュレータ部7と呼ぶ)とし、別途準備された板状支持体16に固定することが行われている。
この様な構成によれば、構造の変更がある場合に、ヨークあるいは板状支持体のどちらかを変更することで容易に対応可能であるとともに、異なる製品間での部材の共通化も可能であるので、製造コストを低減するのに有効である。
このような非可逆回路素子においては、板状支持体16を構成する金属として、電気抵抗や熱伝導率に優れる銅が、防錆、半田付け性向上の為にめっき処理されて供され、上下ヨーク50,55にはSPCCなどの鋼鉄が用いられていた。それらは非可逆回路素子に占める割合が大きく、重量を増加させる要因になっていた。また、ヨークと板状支持体を重ねるため、高さが増し易い構造となっている。
通信機器においては、小型、低背化、軽量化は重要な技術的課題となっており、非可逆回路素子もまた同様の課題を有する。そこで軽量化、低背化のため、上下ヨーク50,55を構成する金属の厚みを薄くするとともに、板状支持体16を構成する金属材料を銅に代えて、密度が約1/3のアルミニウムを用いるようになって来た。
特開平11−186813号
ヨーク(下ヨーク55と板状支持体16とは、はんだ等によるろう付接合にて固定される。はんだ接合では、はんだが溶融する温度まで部材(板状支持体とヨーク等)を加熱した後、室温まで降温されるため、ヨークと板状支持体とで異なる熱膨張係数を有する場合には、熱膨張係数の差に起因する応力が接合界面に作用する。
ヨーク(上下ヨーク50,55や板状支持体16を構成する金属材料の熱膨張係数は、アルミニウムが24×10−6/℃程度であり、鋼鉄、例えばSPCCであれば12×10−6/℃程度であり、銅は14〜17×10−6/℃程度である。また接合に用いるはんだは20×10−6/℃程度の熱膨張係数を有する。
このため、例えば下ヨークをSPCCとし、板状支持体をアルミニウムで構成すると、その熱膨張係数の差によって、ヨーク(下ヨーク55)の下面側には圧縮応力が、板状支持体の上面側には引張応力が作用するようになる。
ろう付後に発生した応力によってヨーク(下ヨーク55)の上面は接合界面での変形に倣って変形する。ヨークや板状支持体の薄肉化によって変形が一層顕著になった結果、その変形量は温度変化やヨーク(下ヨーク55)等の大きさ、厚みにもよるが、100μm以上の変形を示すこともあった。
ヨーク(下ヨーク55)の上面の変形によって、隣接して配置される導体部材(例えば後述するアース板30など)との間の界面に生じる空隙も増加する。ヨーク(下ヨーク55)の上面は電気的に高周波電流の経路であるグランド面となるので、導体部材とヨーク(下ヨーク55)との電気的接続が減じられて安定したグランド電位が得られず、優れた電気的特性が得られないといった問題があった。これでは、いくら非可逆回路素子を構成する永久磁石やガーネット板等の構成部材を最適化して優れた電気的特性が得られる様に構成しても、本来の性能が発揮出来ない。
また、板状支持体とヨーク(下ヨーク55)との接合界面に大きな応力が作用すると、接合部にクラックが生じるなどして、接合強度が低下する等の問題もあった。
ヨーク(下ヨーク55)の上面と導体部材との電気的接続が確実に得られるように、はんだや導電性接着剤を用いて接合することもあるが、環境温度や入力する高周波電力等の負荷状態が様々に変化する種々の環境にて使用される非可逆回路素子では、使用環境による温度の変動によって応力が繰り返し作用し、接合部にクラックが生じるなどして経時的に電気的特性が変動する問題がある。
熱膨張係数が異なる部材を接合して用いる限り、接合界面に応力が作用することは避けられないが、これまではヨーク(下ヨーク55)の上面の変形については何等認識されてなく、当然ながら、その変形を小さくすることについても何等検討されていなかった。
そこで本発明では、簡単な構成によって、板状支持体とヨークとの接合界面に生じる応力を抑制してヨークの変形を低減し、もって電気的特性に優れた非可逆回路素子を提供することを目的とする。
第1の発明は、対向する第1主面と第2主面を有するヨークと、前記ヨークの第1主面にフェライト板と中心導体とを重ねて配置したサーキュレータ部と、前記ヨークの第2主面と接合された板状支持体とを備えた非可逆回路素子であって、前記板状支持体は、前記ヨークよりも熱膨張係数が大きい金属で構され、少なくとも前記ヨークの第2主面側に開口する孔部を有し、前記ヨークは、前記孔部を覆って前記板状支持体重ねられて、前記ヨークの第2主面の一部と前記板状支持体とを、ろう付接合にて固定することを特徴とする非可逆回路素子である。
ろう付接合箇所は、板状支持体との接合箇所をヨーク第2主面の面積よりも減じるようにあれば、ヨークの第2主面の中央部、周縁部、あるいは複数箇所など、特に限定されない。
また前記ヨークの第2主面、または前記板状支持体の前記ヨークと重なる部位には、一部にソルダーレジストが形成されているのが好ましい。ソルダーレジストとしては、ポリイミド系、アクリル系、エポキシ系などの樹脂を挙げることができる。
ろう付の際に、本来接合しない部分に迄、ろう材が意図せず広がってしまうことがある。孔部やソルダーレジストを形成することで、確実にヨークと板状支持体との接合面積を低減することが出来る。孔部の開口面積あるいはソルダーレジストの形成面積は、ヨークと板状支持体との接合強度を考慮して設定されるが、ヨークの第1主面の全面積に対して80%以下であるのが好ましい。なお複数の孔部やソルダーレジストを設ける場合は、孔部の開口面積あるいはソルダーレジストの形成面積は、それらの総計の開口面積や形成面積となる。
また前記ヨークの第1主面は、−25℃〜+85℃の間で同じ方向に凸となるのが好ましい。
本発明によれば、ヨークと板状支持体とのろう付が、接合界面の一部分で行なわれるので接合界面における応力を低減出来、もってヨークの主面の変形を低減している。
前記板状支持体に孔部を設ける場合には、開口の外周部に段差を設け、前記段差にヨークを落とし込み、外縁部でろう付すれば、非可逆回路素子を低背化することが出来るので好ましい。また段差の隅部はR状となり易いので、ヨークの下面(第2主面)との接触干渉を防ぐ様に、隅部に窪みを設けても良い。
非可逆回路素子が使用される温度環境は様々であり、取り扱う信号電力によっては抵抗での発熱量も異なり変化する。通常−25℃〜+85℃での環境下で所定の諸特性を満足することが求められる。
温度変化に伴ってヨークの主面の変形方向が変化してしまうと、導体部材との接続点が変化するため、ヨークのグランド面としての機能が低下し、電気的特性が不安定となるとともに、構成部材に割れなどが生じ易くなる。そこで本発明においては、安定した電気的特性が得られる様に、ヨークの主面の変形をフェライト板側に凸状の、一様の変形方向がとなる様にしている。変形が凸状であれば、ヨークの第1主面と導体部材との接続部を、常にヨークの上面略中央部に確保して、安定した電気的特性を得ることが出来る。
また、ヨークには、非可逆回路素子を構成するフェライト板や中心導体を含む構成部材が収容されるが、それらを上ヨークと下ヨークによって挟み押圧力を作用させて固定する場合がある。
変形状態が凸状であれば、理想的にはフェライト板に作用する力点と支点が一致し、かつ変形量も小さければ押圧力によるフェライト板の割れが生じ難くなる。
前記板状支持体を銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金とし、前記下ヨークを鋼鉄とするのが好ましい。ヨークは磁気回路を構成するためSPCC等の軟鋼を用い、板状支持体は熱伝導率や比抵抗が小さい金属が選定される。板状支持体やヨークは高周波電流の経路を形成するので、電気伝導率を向上するようにめっき処理するのも好ましい。
本発明によれば、板状支持体とヨークとの接合界面に生じる応力を低減することが出来、もってヨークの上面の変形を抑制して電気的特性に優れた非可逆回路素子を提供することが出来る。
本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態の分解構造を示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態の部分拡大切断図である。 本発明に係る非可逆回路素子に用いる板状支持体の平面図である。 (a)、(b)、(c)は本発明に係る非可逆回路素子に用いる板状支持体の断面図である。 本発明に係る非可逆回路素子に用いる他の態様の板状支持体の平面図である。 本発明に係る非可逆回路素子の組み立てを説明する為の斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子の他の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子の他の実施形態の分解構造を示す斜視図である。 本発明に係る非可逆回路素子と比較例の挿入損失特性図である。 本発明に係る非可逆回路素子と比較例のリターンロス特性図である。 本発明に係る非可逆回路素子と比較例のアイソレーション特性図である。 (a)は本発明に係る非可逆回路素子の下ヨークの変形状態を示す図であり、(b)は比較例の下ヨークの変形状態を示す図である。 本発明に係る非可逆回路素子の他の実施形態に用いた下ヨークの底部面平面図である。 本発明に係る非可逆回路素子の下ヨーク変形量の測定部位を示す底部面平面図である。 従来の非可逆回路素子の斜視図である。 従来の非可逆回路素子の構造を示す分解斜視図である。 従来の他の態様の非可逆回路素子の正面図である。
以下。本発明の一実施態様に係る非可逆回路素子について説明する。
図1は本発明に係る非可逆回路素子の一実施形態を示す斜視図であり、図2はその分解構造を示す斜視図であり、図3は板状支持体の主面に垂直な方向に切断した部分拡大切断図である。
この非可逆回路素子は、板状支持体16の一面上にサーキュレータ部7と抵抗14を実装してなるものである。ここで、サーキュレータ部7のヨークは上ヨーク50と下ヨーク55を備える。
板状支持体16は、下ヨーク55を構成する金属材料よりも熱膨張係数が大きく、かつ抵抗14の発熱を考慮して熱伝導率の大きい金属材料が用いられる。本実施例では下ヨーク55を磁気ヨークとして機能するSPCCを用い、板状支持体16はSPCCよりも熱膨張係数が大きい金属材料であるアルミニウム合金を用いた。
板状支持体16としては、他に銅などの金属材料を使用しても良い。また板状支持体16には、下地Niめっき、その上にSnめっきが施されている。表面に形成される金属めっき膜は、電気抵抗が小さい金属材料で形成するのが好ましく、下ヨーク55とのろう付性も合わせて考慮して設定される。
図4は板状支持体16の平面図である。板状支持体16は平面視が矩形状であり、大小複数の孔部が形成されている。略中央部には下ヨークの主面の変形を低減するための円形状の孔部60が形成されている。孔部60の形状については特に限定されず、多角形などの形状であっても良い。円、或いは楕円形状であれば板状支持体16への形成が容易である。
四隅に貫通する孔部70a〜70dが形成されている。これは非可逆回路素子を電子機器に取り付ける際に用いられるネジ孔である。孔部60の周囲の2箇所には貫通する孔部90a,90bが形成されている。これは、板状支持体16とサーキュレータ部7の下ヨーク55とをろう付する組立ての際に、治具の位置決めピンが挿通する治具用孔である。孔部70a〜70d、90a,90bは必要に応じて設けられるものであり、形成数や大きさ、あるいは位置などは適宜変更される。
図5(a),(b),(c)に板状支持体16のa−a’断面図を示す。図5(a)に示すように孔部60は貫通孔であっても良いし、図5(b)に示すように一面側にのみ開口するようにしても良い。また、図5(c)に示すように孔部60の周囲に段差部82を設けても良い。下ヨークの第2主面側を前記段差部に落とし込めば、非可逆回路素子を低背化することが出来る。この場合は下ヨークの主面形状と孔部60の形状と同じとするのが好ましい。
孔部60は下ケースの第2主面と重なるように形成されるが、その一部が下ケースの第2主面よりも大きく構成されていても構わない。
図6に他の態様の板状支持体の平面図を示す。孔部60は板状支持体に対して一つに限定されず、複数箇所に設けても同様の効果が得られる。なお各孔の径は同じであっても良いし、異ならせても良い。
ここに示した板状支持体16では、その略中央部に5つの孔部60が、下ヨーク55の第2主面と重なる位置に形成されている。下ヨーク55の第2主面と板状支持体16とが重ねられ、前記第2主面の中央部を除く外縁部でろう付されて接合される。
ろう付は、はんだ粉とフラックス、又はこれらにビヒクルを加えて混練したペースト状の高温はんだを用いて行なう。板状支持体16との間で接合強度が確保され、かつ下ヨーク55の上面の変形形態が凸であれば、ろう付箇所は限定されず複数箇所であっても良い。好ましくは、下ヨークの第1主面が円弧状となりフェライト板側へ凸の変形となるように、孔部60の略全周縁にて行なうのが好ましい。
本実施例に用いた下ヨーク55は平面視で略円形状であり、底部から立設する壁部を備えたキャップ状、あるいはケース状に鋼板から形成されている。形状は特に限定されないが通常は略矩形か略円形で形成される。鋼板は好ましくは0.5mm〜1.5mm厚みのものを用いる。
下ヨーク55の内側には、図示した順序で底部(第1主面)より構成部材が積み重ねられる。まず下ヨークの底部に薄銅板からなるアース板30が配置される。薄銅板は、その厚みが0.02mm〜0.2mmのものを用い、その表面は酸化を防ぐようにAgやAuめっき等の保護めっきが施されている。なお保護めっきは、電気的特性を劣化させない様に電気抵抗率の小さい金属めっきが選択され、その電気抵抗率は1.0×10−7Ω・m以下のものが好ましい。後述するアース板31もまた金属めっきが施されている。アース板30の外周は下ヨーク55の内径よりも小さく形成され、その3箇所には突片が設けられている。アース板30は下ヨーク55の第1主面と当接するがろう付けされず、突片の一部と壁部内側とが当接するようになっている。
アース板30上には、円板状のフェライト板23が配置され、その上に中心導体20が配置される。この中心導体20はマイクロストリップラインとも呼ばれ、厚さ30〜250μmの薄板金属板をエッチングして形成される。中央部から3方向に延びる分岐線路29a〜29cが設けられ、フェライト板23の外周縁に到るまでの部分に整合回路として機能する帯状の低インピーダンス線路が設けられている。分岐線路29a〜29cの端部側21a〜21cは、下ヨーク55の壁部の3方に設けられた開口から延出し、高周波信号の入出力端として機能する。
なお、入出力端の一つに抵抗を付加してサーキュレータとする場合に、動作周波数でリアクタンス成分が多く含まれると、他の入出力端との間でインピーダンスのずれが生じて電気的特性の劣化を招くことがある。これを補償するため,抵抗と接続する分岐線路の幅を他の分岐線路と異ならせるとともに、低インピーダンス線路の寸法形状も他の低インピーダンス線路と異ならせて調整することがある。
中心導体20の上には、更にフェライト板22が配置され、その上に、アース板31、鉄板41、永久磁石26及び鉄板28が配置される。最後に、前記下ヨーク55と同様にSPCCからなる上ヨーク50で押圧して、ヨーク50,55内の収納物が動かないようしている。
上ヨーク50,下ヨーク55は高周波電流の経路となるため、電気的特性を向上するように、電気抵抗率の小さい金属めっきが施される。その電気抵抗率は1.0×10−7Ω・m以下であるのが好ましい。
板状支持体16上には抵抗14が実装され、はんだにてろう付される。抵抗14は、矩形状の窒化アルミの両端側に電極パターンを有し、この電極パターン間にオーバーコートガラスが施され絶縁された抵抗パターンが形成されている。裏面には、ほぼ全面に電極パターンが形成されており、一方端側の電極パターンと接続され、抵抗14にて生じるジュール熱を熱伝導率に優れた板状支持体16を介して放熱する。
図7に、組立て治具に配置された状態の非可逆回路素子の斜視図を示す。以下、非可逆回路素子の組立て方法について、図7を用いてその一例を説明する。
非可逆回路素子の組立ては、組立て治具150を用いて行なわれる。この組立て治具150には、その主面の2箇所に立設する位置決めピン120が設けられており、板状支持体16の主面から飛び出す高さとなっている。位置決めピン120は板状支持体16の孔部90a,90bに挿通して、板状支持体16の移動を規制する。
組立て治具150に配置された板状支持体16に、板状の抵抗位置決め用治具(図示せず)を配置する。抵抗位置決め用治具は、板状支持体16の2箇所の孔部70c,70dに対応する位置に位置決めピンを有する。また抵抗14と対応する部分が切り欠かれており、そこから板状支持体16にはんだを塗布した後、切欠きを位置決めとして抵抗を配置する。
更に板状支持体16の孔部60の外縁部に、ディスペンサによってはんだを塗布した後、サーキュレータ部7を、下ヨーク55の下面(第2主面)が孔部60と重なるように板状支持体16上に配置する。下ヨーク55の底部の側面側には、位置決めピン120と対応する位置に、切欠き95a,95bが設けられており、板状支持体16の主面から飛び出た位置決めピン120にて位置決めされる。分岐線路の端部21cと当接する抵抗14の電極パターンにもはんだが塗布されている。
組立て治具150に配置された状態で、板状支持体16とサーキュレータ部7を所定の温度(はんだの融点以上)に調整された恒温槽内に投入する。しばらくして取り出して室温まで冷却し、組立て治具150より取り外して、板状支持体12とサーキュレータ部7とが、はんだ接合された状態の非可逆回路素子を得る。
得られた非可逆回路素子は、孔部60によって下ヨーク55に作用する応力が低減されるので、下ヨークの第1主面が凸の変形となるが、その変形量は下ヨーク55の第2主面側の略全面をろう付して接合する場合よりも低減される。
図8に他の実施態様による非可逆回路素子の斜視図を示す。図9にその構造を示す分解斜視図を示す。図1及び図2で示した非可逆回路素子と基本的な構成は同一であるので、同じ機能を有する構成部には同じ符号を付与している。相違する点は、サーキュレータ部7において、下ヨーク55を円形板状に構成するとともに、上ヨーク50をキャップ状に構成する点である。上ヨーク50の構造をキャップ状とすることで漏洩磁束が低減されるので、鉄板28を用いなくてもフェライト板に十分な動作磁界を与えることが出来る。鉄板28の削減によって、その分、非可逆回路素子を低背化することが出来るとともに、部品費の削減によって低廉化することも出来る。
以下本発明に係る非可逆回路素子を詳細に説明する。なお、全体の構成は既に説明した図1及び図2と同様なので、重複する部分についての説明は省略する。
厚みが1.2mmのSPCCからなり、高さ8mmの下ケース55を準備し、その内側底面(第1主面)に0.1mm厚みの円形状のアース板30を配置した。下ケース55の表面には、Cuめっき、Niめっき、Agめっきの順に総厚が30μmのめっき層を形成している。なお下ケース55の底部面はφ30mmの略円形に構成されている。
アース板30上には、中心導体組立体が配置される。前記中心導体組立体は、円板状のフェライト板22,23で中心導体20を挟みエポキシ樹脂で接着固定したものである。円板状のフェライト板22,23は、それぞれφ23×1.0mm厚みで、比誘電率εrが11、飽和磁化4πMsが1600mTであり、誘電損失tanδεが2×10−4のガーネットフェライトを用いた。中心導体20は、厚さ150μmの薄板Cu板を所定の形状にエッチングして形成されたものである。なお中心導体20の表面にも良導電体によるめっき層を形成している。
更にその上に中心導体組立体に重ねて、厚みが0.1mmのアース板31、厚みが0.3mmの鉄板24、永久磁石26、厚みが1.0mmの鉄板28を配置した。永久磁石26、φ25×4.15mm厚みの日立金属株式会社製La−Co置換型フェライト磁石のYBM−9BEを用いた。磁気特性は、残留磁束密度(Br)が430〜450mTで、固有保磁力(iHc)は382〜414KA/mである。
鉄板28の上には、厚みが0.2mmで外形がφ30.5mmのSPCCからなる上ヨーク50を配置した。下ヨーク55の上端は折り返されて鍔状となっており、上ヨーク50の端部をかしめて内部の構成部材を固定し、高さが9mmのサーキュレータ部7を構成した。中心導体組立体以外の構成部材は上下ヨーク50,55による押圧力によって固定されている。
板状支持体16は外形寸法が33.2mm×40mm×1.2mmのアルミニウム合金で形成され、その略中央部には貫通する孔部60が設けられている。孔部60は下ヨーク55の底部面と重なる位置に形成されており、実施例では孔径をφ25mmとしている。
下ヨーク55の下面の中央部を除く外縁の板状支持体16との重なり部分にはんだを塗布し、下ヨーク55と板状支持体16とを重ね、265℃に設定された恒温槽内に7分間投入し、取り出して室温まで自然冷却して925MHz〜960MHzの周波数帯に対応した非可逆回路素子を得た。
比較用に孔部60を設けない板状支持体16を準備し、下ヨーク55の下面の略全面で板状支持体12と接合する以外は実施例と同様にして非可逆回路素子を作製した。
得られた実施例と比較例の非可逆回路素子について、ネットワークアナライザを用いて、電気的特性(挿入損失、リターンロス、アイソレーション)を、室温22℃の温度環境下で評価した。結果を表1及び図10〜図12に示す。表1における各特性値は5個の試料の平均値である。各特性は周波数よって変化するので、周波数帯域内で最も悪いデータを拾い出して各試料の特性値とし、これを平均して表1に示している。図10〜図12の特性図は一つの試料での周波数特性を示している。
Figure 0005633790
実施例の非可逆回路素子では、ガラスエポキシ基板にて形成された測定用基板に直接サーキュレータ部を実装して得られる電気的特性と同等で、比較例のものよりも優れた電気的特性が得られた。
非可逆回路素子において、下ヨークの変形量を計測するのは困難であるので、板状支持体16と下ヨーク55のみはんだ接合した接合体について、下ヨーク55の第1主面の変形量を評価した。
試料a〜cは、φ15mm、φ20mm、φ25mmの孔部を有する板状支持体16のそれぞれに下ヨーク55を接合したものであり、試料dは、下ヨーク55の下面の略中央部を含む領域にポリイミドフィルム(φ25mm)を貼着し、孔部を有さない板状支持体16に接合したものである。図14に試料dを第2主面側から見た平面図を示す。試料cは前述の実施例の非可逆回路素子と対応する。また、試料eは孔部を有さない板状支持体16に下ヨーク55を接合したものであり、前述の比較例の非可逆回路素子と対応する。
得られた接合体について、下ヨークの第1主面について面粗さ計を用いて測定し、その変形を評価した。図15に変形量を測定した部位を示す。測定長さは下ヨーク内側底面である第1主面の中央部を含む23mmとしている。測定結果を表2に纏める。また図13(a)に試料cの変形状態を、図13(b)に試料eの変形状態を示す。
Figure 0005633790
下ヨーク単体では上面の変形は5μm以下で、略平坦であったが、接合後の下ヨークの何れも変形は上に凸で、中央部を頂点とする弧状の変形を示した。
変形量は孔部を有さない板状支持体で、かつ下ケースにポリイミドフィルムを貼着しない場合が最も大きい。なお板状支持体の裏面側(接合面との対向面)について面粗さ計を用いて測定したところ、下ケースに倣って変形していた。
本発明によれば、板状支持体と下ヨークとの接合界面に生じる応力を抑制して下ヨークの上面の変形を低減し、もって電気的特性に優れた非可逆回路素子を提供することが出来る。
1 非可逆回路素子
16 板状支持体
14 抵抗
20 中心導体
22,23 フェライト板
26 永久磁石
24,28 鉄板
30,31 アース板
50 上ヨーク
55 下ヨーク

Claims (4)

  1. 対向する第1主面と第2主面を有するヨークと、前記ヨークの第1主面にフェライト板と中心導体とを重ねて配置したサーキュレータ部と、前記ヨークの第2主面と接合された板状支持体とを備えた非可逆回路素子であって、
    前記板状支持体は、前記ヨークよりも熱膨張係数が大きい金属で構され、少なくとも前記ヨークの第2主面側に開口する孔部を有し、
    前記ヨークは、前記孔部を覆って前記板状支持体重ねられて、前記ヨークの第2主面の一部と前記板状支持体とを、ろう付接合にて固定することを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 前記ヨークの第2主面、または前記板状支持体の前記ヨークと重なる部位には、一部にソルダーレジストが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  3. 前記ヨークの第1主面は、−25℃〜+85℃の間で同じ方向に凸となることを特徴とする請求項1又は2に記載の非可逆回路素子。
  4. 前記板状支持体が銅、銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記下ヨークが鋼鉄であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非可逆回素子。
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