JPWO2008132825A1 - 無線送信装置、無線受信装置およびブロック構成方法 - Google Patents
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Abstract
FDEにプリコーディングを併用する移動体通信において、データレートを低下させることなく誤り率特性の劣化を防ぐことができる無線送信装置。この装置において、変調部(102)は、送信データのうちの第1データを第1変調方式で変調して第1シンボル列を生成し、変調部(103)は、第1変調方式の変調多値数より大きい変調多値数の第2変調方式で、送信データのうちの第2データを変調して第2シンボル列を生成し、複製部(104)は、第2シンボル列を複製して複数の第2シンボル列を得る。そして、配置部(105)は、第1シンボル列の両側に複数の第2シンボル列をそれぞれ配置し、プリコーディング部(106)は配置後の各シンボル列に対してプリコーディングを行う。
Description
本発明は、無線送信装置、無線受信装置およびブロック構成方法に関する。
次世代の移動体通信システムへ向けて100Mbpsを超えるデータレートを実現すべく、高速パケット伝送に適した無線伝送方式について様々な検討が行われている。このような高速パケット伝送を行うためには使用周波数帯域の広帯域化が必要であり、100MHz程度の帯域幅を用いることが検討されている。
このような広帯域伝送を移動体通信で行うと、通信チャネルは遅延時間が互いに異なる複数のパスからなる周波数選択性チャネルになることが知られている。よって、移動体通信における広帯域伝送では、先行するシンボルが後続のシンボルに対して干渉する符号間干渉(ISI:InterSymbol Interference)が発生して誤り率特性が劣化する。また、周波数選択性チャネルは、周波数帯域内でチャネル伝達関数が変動するチャネルであるため、このようなチャネルを伝搬して受信された信号のスペクトルは歪んでしまう。
ISIの影響を除去して誤り率特性を改善するための技術として等化技術がある。等化技術として、無線受信装置で用いる周波数領域等化(FDE:Frequency Domain Equalization)がある。FDEでは、受信ブロックを高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)によって直交周波数成分に分解し、各周波数成分に対しチャネル伝達関数の逆数に近似した等化重みを乗算した後、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)によって時間領域信号に変換する。このFDEにより、受信ブロックのスペクトルの歪みを補償することができ、その結果、ISIが低減されて誤り率特性が改善される。
また、最近、プリコーディング技術である送信等化技術としてTomlinson−Harashima Precoding(以下、THPという)をFDEに併用することが検討されている。すなわち、無線送信装置では送信ブロックに対してTHPを行い、無線受信装置では受信ブロックに対してFDEを行うことが検討されている。THPでは、送信ブロックに対してチャネル情報に基づいて干渉成分を逐次的に減算する処理を行う。このTHPにより、送信ブロックに対して加算される干渉成分を予めキャンセルでき、ISIが低減されて誤り率特性が改善される。なお、チャネル情報を完全に把握している場合、ISIを完全に抑圧した伝送が可能となる。例えば、周波数選択性フェージングの影響により受信レベルが大きく落ち込んだ周波数成分が存在し、FDEを行っても完全には等化されず干渉成分が残ってしまう場合でも、FDEにTHPを併用することによって干渉成分を予め除去することで誤り率特性の劣化を防ぐことができる。
一方で、FDEにTHPを併用することにより、FDE後の受信ブロックの先頭付近のシンボルの誤り率特性が劣悪になる性質がある。この誤り率特性の劣化を防ぐために、従来の無線送信装置では、誤り率特性が劣悪であるブロックの先頭付近にダミーシンボルを挿入している(例えば、非特許文献1参照)。
武田一樹,留場宏道,安達文幸,「Tomlinson−Harashima Precodingを用いるシングルキャリア周波数領域等化」,信学技報,社団法人電子情報通信学会,2006年6月,RCS2006−41,pp.37−42(K.Takeda,H.Tomeba,F.Adachi,"Single−Carrier Transmission with Frequency−Domain Equalization Using Tomlinson−Harashima Precoding",IEICE Technical Report,RCS2006−41,pp.37−42,2006−6)
武田一樹,留場宏道,安達文幸,「Tomlinson−Harashima Precodingを用いるシングルキャリア周波数領域等化」,信学技報,社団法人電子情報通信学会,2006年6月,RCS2006−41,pp.37−42(K.Takeda,H.Tomeba,F.Adachi,"Single−Carrier Transmission with Frequency−Domain Equalization Using Tomlinson−Harashima Precoding",IEICE Technical Report,RCS2006−41,pp.37−42,2006−6)
上記従来技術のようにブロックの先頭付近にダミーシンボルを挿入すると、ダミーシンボル長の分だけデータレートが低下してしまう。
本発明の目的は、FDEにプリコーディングを併用する移動体通信において、データレートを低下させることなく誤り率特性の劣化を防ぐことができる無線送信装置、無線受信装置およびブロック構成方法を提供することである。
本発明の無線送信装置は、送信データのうちの第1データを第1変調方式で変調して第1シンボル列を生成する第1変調手段と、前記第1変調方式の変調多値数より大きい変調多値数の第2変調方式で、前記送信データのうちの第2データを変調して第2シンボル列を生成する第2変調手段と、前記第2シンボル列を複製して複数の第2シンボル列を得る複製手段と、前記第1シンボル列の両側に前記複数の第2シンボル列をそれぞれ配置する配置手段と、配置後の各シンボル列に対してプリコーディングを行うプリコーディング手段と、プリコーディング後の各シンボル列を送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
本発明によれば、FDEにプリコーディングを併用する移動体通信において、データレートを低下させることなく誤り率特性の劣化を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態では、無線送信装置はTHPを行ったシングルキャリア信号を無線受信装置へ送信し、無線受信装置はそのシングルキャリア信号に対してFDEを行う。
以下、本実施の形態に係る無線送信装置および無線受信装置の構成について説明する。図1に本実施の形態に係る無線送信装置100の構成を示し、図2に本実施の形態に係る無線受信装置200の構成を示す。
図1に示す無線送信装置100において、分配部101には送信データおよび図示しない受信部より遅延波時間情報が入力される。なお、遅延波時間情報は、無線受信装置200(図2)からフィードバックされる。そして、分配部101は、入力される遅延波時間情報に基づいて送信データを第1データと第2データとに分配する。ここで、第2データのデータ長は遅延波時間情報に基づいて決定される。また、第1データのデータ長は、送信データのうち第2データ以外の残りのデータのデータ長となる。例えば、分配部101は、送信データのうちの前半部分を第2データとし、後半部分を第1データとして分配する。そして、分配部101は、第1データを変調部102に出力し、第2データを変調部103に出力する。
変調部102は、分配部101から入力される第1データを第1変調方式で変調して、複数のシンボルで構成される第1シンボル列を生成する。そして、変調部102は、第1シンボル列を配置部105へ出力する。
変調部103は、分配部101から入力される第2データを第1変調方式の変調多値数より大きい変調多値数の第2変調方式で変調して、複数のシンボルで構成される第2シンボル列を生成する。そして、変調部103は、第2シンボル列を複製部104へ出力する。
複製部104は、変調部103から入力される第2シンボル列を複製(レピティション)して複数の第2シンボル列を得る。ここで、複製部104にて得られる第2シンボル列の数は、第1変調方式の変調多値数と第2変調方式の変調多値数との差に基づいて決定される。具体的には、第2シンボル列の数は、log2n/log2mにより求められる。ここで、mは第1変調方式の変調多値数、nは第2変調方式の変調多値数を示す。そして、複製部104は、得られた複数の第2シンボル列を配置部105へ出力する。
配置部105は、変調部102から入力される第1シンボル列を時間領域に連続して配置し、配置された第1シンボル列の両側に複製部104から入力される複数の第2シンボル列を時間領域に連続してそれぞれ配置する。このとき、配置部105は、第1シンボル列の両側に、複数の第2シンボル列を構成する複数のシンボルを半数ずつ対称な並びで配置する。これにより、中心部分に第1シンボル列が配置され、両端部分のそれぞれに同一の複数の第2シンボル列がそれぞれ配置されたブロックが構成される。そして、配置部105は、時間領域信号であるブロックをプリコーディング部106に出力する。
プリコーディング部106には、無線受信装置200からフィードバックされた、伝搬路の伝送特性を示すチャネル情報が図示しない受信部より入力される。プリコーディング部106は、配置部105から入力されるブロックに対してTHPを用いてプリコーディングを行う。Ncシンボルで構成されるブロックに対するTHPは、最大NcタップのフィードバックフィルタとModulo演算回路とで構成される。なお、1ブロックを構成するシンボル数Ncは、無線受信装置200においてFDEを行うシンボル数と同一である。具体的には、THPでは、シンボルs(t)(t=0〜Nc−1)で構成されるブロック長Ncの入力ブロックs=[s(Nc−1)…s(0)]Tが入力されたとき、出力ブロックx=[x(Nc−1)…x(0)]Tは次式(1)により得られる。
ここで、行列Fは各シンボル入力時のフィルタ係数行列であり、次式(2)で表すことができる。
ft,t+τはシンボルs(t)が入力されたときのτ番目のフィードバック係数を表す。フィードバック係数には、プリコーディング部106に入力されるチャネル情報のうち希望波成分以外のチャネルのインパルス応答を用いる。また、zt=[zt(Nc−1)…zt(0)]TはModulo演算の等価表現である。Modulo演算では、THPの出力を安定させるためにフィードバックフィルタのループ処理で得られる信号の実部および虚部をそれぞれ[−M,M]の範囲に変換する。また、式(1)においてシンボルs(t)は、−M≦{Re[s(t)],Im[s(t)]}<Mを満たすものとする。そして、プリコーディング部106は、THP後のブロックをGI(Guard Interval)付加部107に出力する。
GI付加部107は、プリコーディング部106から入力されるブロックの先頭にそのブロックの後端部分をGIとして付加する。なお、ブロックの先頭に付加されたGIおよびそのブロックから構成される信号はスロットと呼称されることもある。
無線送信部108は、GI付加後のブロックに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の無線送信処理を行ってアンテナ109から無線受信装置200(図2)へ送信する。つまり、無線送信部108は、GIを付加したシングルキャリア信号を無線受信装置200へ送信する。
一方、図2に示す無線受信装置200において、無線受信部202は、無線送信装置100から送信されたシングルキャリア信号、すなわち、第1シンボル列およびその第1シンボル列の両側にそれぞれ配置された複数の第2シンボル列で構成される時間領域信号をアンテナ201を介して受信し、このシングルキャリア信号に対してダウンコンバート、A/D変換等の無線受信処理を施す。
GI除去部203は、無線受信処理後のシングルキャリア信号からGIを除去し、GI除去後の信号をFFT部204に出力する。
FFT部204は、GI除去部203から入力される信号に対してブロック単位にFFTを行い、時間領域信号であるブロックを周波数領域信号に変換する。具体的には、FFT部204は、無線送信装置100(図1)から送信されたブロック長Ncのブロックに対してNcポイントFFTを施して、ブロック長NcのブロックをNc個の周波数成分R(k)(k=0〜Nc−1)に分解する。そして、FFT部204は、周波数成分R(k)(k=0〜Nc−1)をFDE部205に出力する。
FDE部205は、FFT部204から入力される周波数領域信号、すなわち、周波数成分R(k)(k=0〜Nc−1)に対してFDEを行う。具体的には、FDE部205は、各周波数成分に対して等化重みw(k)(k=0〜Nc−1)を乗算する。つまり、FDEは、伝達関数をw(k)(k=0〜Nc−1)とする線形フィルタ処理と等価である。そして、FDE部205は、FDE後の周波数成分をIFFT部206に出力する。
IFFT部206は、FDE部205から入力される周波数成分に対してブロック単位にIFFTを行い時間領域信号であるブロックに変換する。具体的には、IFFT部206は、Nc個の周波数成分に対してNcポイントIFFTを行って、Nc個の周波数成分をNcシンボルの時間領域信号であるブロックに変換する。IFFT部206は、IFFT後のブロックをデータ抽出部207に出力する。
データ抽出部207には、図示しない測定部から遅延波時間情報が入力される。データ抽出部207は、IFFT部206から入力されるブロックから第1シンボル列およびその第1シンボル列の両側にそれぞれ配置された複数の第2シンボル列を遅延波時間情報に基づいて抽出する。そして、データ抽出部207は、第1シンボル列を復調部208に出力し、複数の第2シンボル列を合成部209に出力する。
復調部208は、データ抽出部207から入力される第1シンボル列を無線送信装置100(図1)の変調部102で用いた第1変調方式と同一の変調方式で復調して第1データを生成する。そして、復調部208は、第1データを配置部211に出力する。
合成部209は、データ抽出部207から入力される複数の第2シンボル列を合成して合成シンボル列を生成する。そして、合成部209は、合成シンボル列を復調部210に出力する。
復調部210は、合成部209から入力される合成シンボル列を無線送信装置100(図1)の変調部103で用いた第2変調方式と同一の変調方式で復調して合成データを得る。そして、復調部210は、合成データを配置部211に出力する。
配置部211は、復調部208から入力される第1データおよび復調部210から入力される合成データを時間領域に連続して配置する。例えば、配置部211は、時間領域に第1データを配置し、その第1データの前方に合成データを配置する。これにより、無線送信装置100(図1)の送信データと同様の受信データ、すなわち、前半部分に第2データが配置され、後半部分に第1データが配置された受信データが得られる。
次に、上記構成を有する無線送信装置100の動作について詳細に説明する。
図3は、QPSK変調での各シンボルのマッピングを示す図である。また、図4は、16QAM変調での各シンボルのマッピングを示す図である。図3に示すように、QPSKでは4点のマッピング位置がある(すなわち、変調多値数が4である)ため、1シンボルに含めて送信することができるのは2ビットである。これに対し、16QAMでは、図4に示すように16点のマッピング位置がある(すなわち、変調多値数が16である)ため、1シンボルに含めて送信することができるのは4ビットである。これより、変調方式がQPSKの場合に対して変調方式が16QAMの場合には、1シンボルに含めて送信できるビット数が2倍になる。つまり、変調多値数を大きくするほど、1シンボルで送信できるビット数を多くすることができる。換言すれば、変調方式がQPSKの場合に対して変調方式が16QAMの場合には、同一ビット数のデータを送信するために必要なシンボル数は1/2になる。つまり、変調多値数を大きくするほど、同一ビット数のデータを送信するために必要なシンボル数を少なくすることができる。
例えば、QPSKにおいて32シンボルで送信する64ビットのデータを、16QAMでは半数の16シンボルで送信することができる。つまり、QPSKの変調多値数より大きい変調多値数の16QAMで64ビットのデータを変調することにより、時間領域に16シンボル分の余裕が生じる。ここで、複製した同一の16シンボルをその余裕が生じた16シンボル分の時間領域を用いて送信すると、変調方式が16QAMであっても、変調方式がQPSKである場合と同一シンボル数の32シンボルで同一データ長の64ビットのデータを送信することができ、かつ、複製によるダイバーシチ効果を得ることができる。
そこで、本実施の形態では、第1変調方式の変調多値数より大きい変調多値数の第2変調方式で第2データを変調する。これにより、第1変調方式で変調する場合と同一のシンボル数で、第1変調方式で変調する場合と同一の情報を含む第2シンボル列を複数送信できるため、データレートを低下させることなく、ダイバーシチ効果を得ることができる。
次に、シングルキャリア伝送においてFDEにTHPを併用した場合のFDE後の1ブロック内における誤り率特性の一例を図5に示す。図5に示す誤り率特性は伝搬路のパス数が16の場合のものである。図5に示すように1ブロック内において各シンボルの誤り率特性は相違する。具体的には、ブロックの中央部分にあるシンボル(シンボル番号17〜112)の誤り率特性に対して、ブロックの先頭付近にあるシンボル(シンボル番号1〜16)の誤り率特性は劣化している。一方、ブロックの中央部分にあるシンボル(シンボル番号17〜112)の誤り率特性に対して、ブロックの末尾付近にあるシンボル(シンボル番号113〜128)の誤り率特性は改善している。ここで、図5に示すブロックの先頭付近およびブロックの末尾付近にて誤り率特性がそれぞれ劣化および改善するシンボル数は伝搬路のパス数に依存する。つまり、ここでは伝搬路のパス数が16であるので、図5に示すように、ブロックの先頭から16シンボル(シンボル番号1〜16)の誤り率特性が劣化し、ブロックの末尾から16シンボル(シンボル番号113〜128)の誤り率特性が改善する。そして、パス数が多くなるほど、1ブロック内において誤り率特性が劣化する部分および誤り率特性が改善する部分が長くなる。なお、この伝搬路のパス数は、遅延波時間情報として無線送信装置100(図1)の分配部101および無線受信装置200(図2)のデータ抽出部207に入力される。
そこで、本実施の形態では、複数の第2シンボル列をブロックに配置する場合、複数の第2シンボル列をブロックの先頭付近およびブロックの末尾付近にそれぞれ配置する。これにより、ブロックの先頭付近に配置された第2シンボル列の誤り率特性は悪くなるが、ブロックの末尾付近に配置された第2シンボル列の誤り率特性は良好になるため、ダイバーシチ効果により、第2シンボル列の誤り率特性の劣化を防ぐことができる。また、図5に示すように、シンボル番号16からシンボル番号1に渡って徐々に誤り率特性が劣化するのに対して、シンボル番号113からシンボル番号128に渡って徐々に誤り率特性が改善する。よって、複数の第2シンボルをブロックに配置する場合、複数の第2シンボル列を構成する複数のシンボルを対称な並びでブロックの両端部分のそれぞれに配置する。これにより、ブロックの先頭付近およびブロックの末尾付近にそれぞれ配置された複数の第2シンボル列においてそれぞれ対応する同一シンボル間で、誤り率特性の劣化度合と誤り率特性の改善度合とが同程度となる。よって、第2シンボル列を構成する全てのシンボルにおいて、均一的にダイバーシチ効果を得ることができる。
そこで、配置部105は、複数の第2シンボル列を構成する複数のシンボルを第1シンボル列の両側に対称な並びで配置する。すなわち、配置部105は、1ブロック内において、第1シンボル列をブロックの中心部分に配置し、複数の第2シンボル列を構成する複数のシンボルを半数ずつ対称な並びでブロックの両端部分に配置する。換言すれば、配置部105は、1ブロック内において、誤り率特性が一定に保たれる部分に第1シンボル列を配置し、その一定部分より誤り率特性が徐々に劣化する部分および誤り率特性が徐々に改善する部分に複数の第2シンボル列を構成する複数のシンボルを半数ずつ対称な並びで配置する。
以下、具体的に説明する。ここでは、送信データを256ビット、1ブロックを128シンボルとする。また、第1変調方式をQPSK(変調多値数m=4)とし、第2変調方式を16QAM(変調多値数n=16)とする。よって、log2n/log2mより、複製部104は、2個の第2シンボル列を得る。また、図5に示すように、ブロックの先頭から16シンボル(シンボル番号1〜16)およびブロックの末尾から16シンボル(シンボル番号113〜128)に複数の第2シンボル列がそれぞれ配置される。よって、第1シンボル列は残りの96シンボル(シンボル番号17〜112)に配置される。
まず、分配部101は256ビットの送信データを第1データと第2データとに分配する。具体的には、分配部101は、図5に示ように第2シンボル列を配置する両端部分のシンボル数が32シンボルであり、第1変調方式の変調多値数が4(1シンボル当たり2ビット)であるので、図6に示すように、第2データのデータ長を64ビット(32シンボル×2ビット)に決定する。また、分配部101は、第1データのデータ長を送信データのうち第2データ以外の192ビットに決定する。
次いで、変調部102は、図6に示すように、192ビットの第1データをQPSKで変調して96シンボルの第1シンボル列(シンボル番号17〜112)を生成する。
一方、変調部103は、図6に示すように、64ビットの第2データを16QAMで変調して16シンボルの第2シンボル列(シンボル番号1〜16)を生成する。また、複製部104は16シンボルの第2シンボル列(シンボル番号1〜16)を複製して2個の第2シンボル列を得る。
次いで、配置部105は、第1シンボル列の前方に配置される第2シンボル列または第1シンボル列の後方に配置される第2シンボル列のいずれか一方のシンボル順序を並べ替えた後、第1シンボル列の両側に第2シンボル列をそれぞれ1個ずつ配置する。これにより、第1シンボル列の後方に配置された第2シンボル列の誤り率特性が第1シンボル列の前方に配置された第2シンボル列の誤り率特性より良好になる。
具体的には、配置部105は、図6に示すように、第1シンボル列(シンボル番号17〜112)の前方にそのままのシンボル順序で一方の第2シンボル列(シンボル番号1〜16)を配置し、第1シンボル列(シンボル番号17〜112)の後方にシンボル順序を並べ替えた他方の第2シンボル列(シンボル番号16〜1)を配置する。換言すれば、配置部105は、1ブロック内において、誤り率特性が一定に保たれる中心部分(図5に示すシンボル番号17〜112)に第1シンボル列(図6に示すシンボル番号17〜112)を配置し、その一定部分より誤り率特性が劣悪である前端部分(図5に示すシンボル番号1〜16)に一方の第2シンボル列(図6に示すシンボル番号1〜16)を配置し、誤り率特性が良好である後端部分(図5に示すシンボル番号113〜128)にシンボル順序を並べ替えた他方の第2シンボル列(図6に示すシンボル番号16〜1)を配置する。これにより、誤り率特性が劣悪であるブロックの前端部分に第2シンボル列を配置しても、誤り率特性が良好であるブロックの後端部分に同一の第2シンボル列を配置するため、第2シンボル列の誤り率特性を良好に維持することができる。
一方、無線受信装置200(図2)の合成部209では、図6に示すブロックのうち第1シンボル列の両側にそれぞれ配置された2つの第2シンボル列を合成する。このとき、合成部209は、ブロックの後端部分(図5に示すシンボル番号113〜128)に配置された第2シンボル列(図6に示すシンボル番号16〜1)をもとのシンボル順序(シンボル番号1〜16の順)に並べ替えて合成する。これにより、図6に示す第1シンボル列の前方に配置された一方の第2シンボル列の誤り率特性は劣化しているものの、第1シンボル列の後方に配置された他方の第2シンボル列の誤り率特性は良好であるため、合成部209では、ダイバーシチ効果により誤り率特性が良好である16シンボルの合成シンボル列を得ることができる。
このように、本実施の形態によれば、無線送信装置は、第1シンボル列の両側に複数の第2シンボル列をそれぞれ配置する。そして、無線受信装置では、受信されたブロックにおいて誤り率特性が劣悪である部分に配置された第2シンボル列と誤り率特性が良好である部分に配置された第2シンボル列とを合成する。これにより、無線受信装置では、第2シンボル列の誤り率特性の劣化を確実に防ぐことができる。
また、本実施の形態によれば、第1変調方式の変調多値数より大きい変調多値数の第2変調方式で第2データを変調することで、第2データを第1変調方式のときよりも少ないシンボル数で送信することができる。これにより、第1変調方式で変調する場合と同一シンボル数において複数の第2シンボル列を配置する場合でも全ての送信データを送信することができる。よって、FDEにプリコーディングを併用する移動体通信において、データレートを低下させることなく誤り率特性の劣化を防ぐことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
なお、本発明の無線送信装置および無線受信装置は、移動体通信システム等で使用される無線通信移動局装置または無線通信基地局装置に用いて好適である。本発明の無線送信装置および無線受信装置を無線通信移動局装置または無線通信基地局装置に搭載することにより、上記同様の作用および効果を有する無線通信移動局装置および無線通信基地局装置を提供することができる。
また、上記実施の形態では、THPを用いてプリコーディングを行った。しかし、本発明は、THPに限らず、1ブロック内において、ブロックの中央部分にあるシンボルの誤り率特性に対して、ブロックの先頭付近にあるシンボルの誤り率特性が劣化し、ブロックの末尾付近にあるシンボルの誤り率特性が改善する特徴を持つプリコーディングを行う無線送信装置に適用することができる。
また、上記実施の形態では、図6に示すように送信データのうちの前半部分を第2データとし、後半部分を第1データとした。しかし、本発明では、第2データは送信データの前半部分に限らず、送信データの任意の部分を第2データとしてもよい。
また、上記実施の形態では、複製部104で得る複数の第2シンボル列の数を第1変調方式の変調多値数と第2変調方式の変調多値数との差に基づいて決定する場合について説明した。しかし、本発明では、変調多値数と1シンボルのビット数とは相関関係がるため、複製部104で得られる第2シンボル列の数を第1変調方式の1シンボルのビット数Mと第2変調方式の1シンボルのビット数Nとの差に基づいて決定してもよい。具体的には、第2シンボル列の数は、N/Mより求められる。
また、上記実施の形態では、第1変調方式の変調多値数および第2変調方式の変調多値数が予め決定され、複製部104で得る第2シンボル列の数を各変調多値数の差に基づいて決定する場合について説明した。しかし、本発明では、第1変調方式の変調多値数mおよび複製部104で得る第2シンボル列の数Rを予め決定し、第2変調方式の変調多値数をmRより決定してもよい。また、第2変調方式の1シンボルのビット数を第1変調方式の1シンボルのビット数Mおよび複製部104で得られる第2シンボル列の数Rに基づいて決定してもよい。具体的には、第2変調方式の1シンボルのビット数は、MRより求められる。
また、上記実施の形態では、第2シンボル列を複製して複数の第2シンボル列を得る場合について説明した。しかし、本発明では、第2データを複製して得られる複数の第2データをそれぞれ第2変調方式で変調して複数の第2シンボル列を得てもよい。
また、上記実施の形態では、第1変調方式をQPSKとし、第2変調方式を16QAMとした。しかし、本発明では、第1変調方式はQPSKに限らず、また、第2変調方式は16QAMに限らない。例えば、第2変調方式を64QAMや256QAMにすることも可能である。第2変調方式を64QAMにした場合、すなわち変調多値数を64にした場合は、第1変調方式のQPSK(変調多値数が4)と同じシンボル数で3倍のビット数を送信することができる。よって、第2変調方式を64QAMにした場合には第2シンボル列を3個に複製する。また、第2変調方式を256QAMにした場合、すなわち変調多値数を256にした場合は、第1変調方式のQPSKと同じシンボル数で4倍のビット数を送信することができる。よって、第2変調方式を256QAMにした場合には第2シンボル列を4個に複製する。なお、第1変調方式をBPSKとし、第2変調方式をQPSKにすることも可能である。
また、上記実施の形態では、送信データを第1データと第2データとに分配して、第1シンボル列の両側に複数の第2シンボル列をそれぞれ配置する場合について説明した。しかし、本発明は、送信データを3個以上のデータに分配した場合でも適用することができる。例えば、送信データを第1データ、第2データおよび第3データに分配し、それぞれのデータが変調された第1シンボル列、第2シンボル列および第3シンボル列において、第1シンボル列の両側に複数の第2シンボル列をそれぞれ配置し、さらに、第1シンボル列および複数の第2シンボル列から構成されるシンボル列の両側に複数の第3シンボル列をそれぞれ配置してもよい。
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2007年4月20日出願の特願2007−111360の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明は、移動体通信システム等に適用することができる。
本発明は、無線送信装置、無線受信装置およびブロック構成方法に関する。
次世代の移動体通信システムへ向けて100Mbpsを超えるデータレートを実現すべく、高速パケット伝送に適した無線伝送方式について様々な検討が行われている。このような高速パケット伝送を行うためには使用周波数帯域の広帯域化が必要であり、100MHz程度の帯域幅を用いることが検討されている。
このような広帯域伝送を移動体通信で行うと、通信チャネルは遅延時間が互いに異なる複数のパスからなる周波数選択性チャネルになることが知られている。よって、移動体通信における広帯域伝送では、先行するシンボルが後続のシンボルに対して干渉する符号間干渉(ISI:InterSymbol Interference)が発生して誤り率特性が劣化する。また、周波数選択性チャネルは、周波数帯域内でチャネル伝達関数が変動するチャネルであるため、このようなチャネルを伝搬して受信された信号のスペクトルは歪んでしまう。
ISIの影響を除去して誤り率特性を改善するための技術として等化技術がある。等化技術として、無線受信装置で用いる周波数領域等化(FDE:Frequency Domain Equalization)がある。FDEでは、受信ブロックを高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)によって直交周波数成分に分解し、各周波数成分に対しチャネル伝達関数の逆数に近似した等化重みを乗算した後、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)によって時間領域信号に変換する。このFDEにより、受信ブロックのスペクトルの歪みを補償することができ、その結果、ISIが低減されて誤り率特性が改善される。
また、最近、プリコーディング技術である送信等化技術としてTomlinson-Harashima Precoding(以下、THPという)をFDEに併用することが検討されている。すなわち、無線送信装置では送信ブロックに対してTHPを行い、無線受信装置では受信ブロックに対してFDEを行うことが検討されている。THPでは、送信ブロックに対してチャネル情報に基づいて干渉成分を逐次的に減算する処理を行う。このTHPにより、送信ブロックに対して加算される干渉成分を予めキャンセルでき、ISIが低減されて誤り率特性が改善される。なお、チャネル情報を完全に把握している場合、ISIを完全に抑圧した伝送が可能となる。例えば、周波数選択性フェージングの影響により受信レベルが大きく落ち込んだ周波数成分が存在し、FDEを行っても完全には等化されず干渉成分が残ってしまう場合でも、FDEにTHPを併用することによって干渉成分を予め除去することで誤り率特性の劣化を防ぐことができる。
一方で、FDEにTHPを併用することにより、FDE後の受信ブロックの先頭付近のシンボルの誤り率特性が劣悪になる性質がある。この誤り率特性の劣化を防ぐために、従来の無線送信装置では、誤り率特性が劣悪であるブロックの先頭付近にダミーシンボルを挿入している(例えば、非特許文献1参照)。
武田一樹,留場宏道,安達文幸,「Tomlinson-Harashima Precodingを用いるシングルキャリア周波数領域等化」,信学技報,社団法人電子情報通信学会,2006年6月,RCS2006-41,pp.37-42(K.Takeda, H.Tomeba, F.Adachi,"Single-Carrier Transmission with Frequency-Domain Equalization Using Tomlinson-Harashima Precoding",IEICE Technical Report,RCS2006-41,pp.37-42, 2006-6)
武田一樹,留場宏道,安達文幸,「Tomlinson-Harashima Precodingを用いるシングルキャリア周波数領域等化」,信学技報,社団法人電子情報通信学会,2006年6月,RCS2006-41,pp.37-42(K.Takeda, H.Tomeba, F.Adachi,"Single-Carrier Transmission with Frequency-Domain Equalization Using Tomlinson-Harashima Precoding",IEICE Technical Report,RCS2006-41,pp.37-42, 2006-6)
上記従来技術のようにブロックの先頭付近にダミーシンボルを挿入すると、ダミーシンボル長の分だけデータレートが低下してしまう。
本発明の目的は、FDEにプリコーディングを併用する移動体通信において、データレートを低下させることなく誤り率特性の劣化を防ぐことができる無線送信装置、無線受信装置およびブロック構成方法を提供することである。
本発明の無線送信装置は、送信データのうちの第1データを第1変調方式で変調して第1シンボル列を生成する第1変調手段と、前記第1変調方式の変調多値数より大きい変調多値数の第2変調方式で、前記送信データのうちの第2データを変調して第2シンボル列を生成する第2変調手段と、前記第2シンボル列を複製して複数の第2シンボル列を得る複製手段と、前記第1シンボル列の両側に前記複数の第2シンボル列をそれぞれ配置する配置手段と、配置後の各シンボル列に対してプリコーディングを行うプリコーディング手段と、プリコーディング後の各シンボル列を送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
本発明によれば、FDEにプリコーディングを併用する移動体通信において、データレートを低下させることなく誤り率特性の劣化を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態では、無線送信装置はTHPを行ったシングルキャリア信号を無線受信装置へ送信し、無線受信装置はそのシングルキャリア信号に対してFDEを行う。
以下、本実施の形態に係る無線送信装置および無線受信装置の構成について説明する。図1に本実施の形態に係る無線送信装置100の構成を示し、図2に本実施の形態に係る無線受信装置200の構成を示す。
図1に示す無線送信装置100において、分配部101には送信データおよび図示しない受信部より遅延波時間情報が入力される。なお、遅延波時間情報は、無線受信装置200(図2)からフィードバックされる。そして、分配部101は、入力される遅延波時間情報に基づいて送信データを第1データと第2データとに分配する。ここで、第2データのデータ長は遅延波時間情報に基づいて決定される。また、第1データのデータ長は、送信データのうち第2データ以外の残りのデータのデータ長となる。例えば、分配部101は、送信データのうちの前半部分を第2データとし、後半部分を第1データとして分配する。そして、分配部101は、第1データを変調部102に出力し、第2データを変調部103に出力する。
変調部102は、分配部101から入力される第1データを第1変調方式で変調して、複数のシンボルで構成される第1シンボル列を生成する。そして、変調部102は、第1シンボル列を配置部105へ出力する。
変調部103は、分配部101から入力される第2データを第1変調方式の変調多値数より大きい変調多値数の第2変調方式で変調して、複数のシンボルで構成される第2シンボル列を生成する。そして、変調部103は、第2シンボル列を複製部104へ出力する。
複製部104は、変調部103から入力される第2シンボル列を複製(レピティション)して複数の第2シンボル列を得る。ここで、複製部104にて得られる第2シンボル列の数は、第1変調方式の変調多値数と第2変調方式の変調多値数との差に基づいて決定される。具体的には、第2シンボル列の数は、log2n/log2mにより求められる。ここで、mは第1変調方式の変調多値数、nは第2変調方式の変調多値数を示す。そして、複製部104は、得られた複数の第2シンボル列を配置部105へ出力する。
配置部105は、変調部102から入力される第1シンボル列を時間領域に連続して配置し、配置された第1シンボル列の両側に複製部104から入力される複数の第2シンボル列を時間領域に連続してそれぞれ配置する。このとき、配置部105は、第1シンボル列の両側に、複数の第2シンボル列を構成する複数のシンボルを半数ずつ対称な並びで配置する。これにより、中心部分に第1シンボル列が配置され、両端部分のそれぞれに同一の複数の第2シンボル列がそれぞれ配置されたブロックが構成される。そして、配置部105は、時間領域信号であるブロックをプリコーディング部106に出力する。
プリコーディング部106には、無線受信装置200からフィードバックされた、伝搬路の伝送特性を示すチャネル情報が図示しない受信部より入力される。プリコーディング部106は、配置部105から入力されるブロックに対してTHPを用いてプリコーディングを行う。Ncシンボルで構成されるブロックに対するTHPは、最大NcタップのフィードバックフィルタとModulo演算回路とで構成される。なお、1ブロックを構成するシンボル数Ncは、無線受信装置200においてFDEを行うシンボル数と同一である。具体的には、THPでは、シンボルs(t)(t=0〜Nc−1)で構成されるブロック長Ncの入力ブロックs=[s(Nc-1) … s(0)]Tが入力されたとき、出力ブロックx=[x(Nc-1) … x(0)]Tは次式(1)により得られる。
ここで、行列Fは各シンボル入力時のフィルタ係数行列であり、次式(2)で表すことができる。
ft,t+τはシンボルs(t)が入力されたときのτ番目のフィードバック係数を表す。フィードバック係数には、プリコーディング部106に入力されるチャネル情報のうち希望波
成分以外のチャネルのインパルス応答を用いる。また、zt=[zt(Nc-1) … zt(0)]TはModulo演算の等価表現である。Modulo演算では、THPの出力を安定させるためにフィードバックフィルタのループ処理で得られる信号の実部および虚部をそれぞれ[−M,M]の範囲に変換する。また、式(1)においてシンボルs(t)は、−M≦{Re[s(t)],Im[s(t)]}<Mを満たすものとする。そして、プリコーディング部106は、THP後のブロックをGI(Guard Interval)付加部107に出力する。
成分以外のチャネルのインパルス応答を用いる。また、zt=[zt(Nc-1) … zt(0)]TはModulo演算の等価表現である。Modulo演算では、THPの出力を安定させるためにフィードバックフィルタのループ処理で得られる信号の実部および虚部をそれぞれ[−M,M]の範囲に変換する。また、式(1)においてシンボルs(t)は、−M≦{Re[s(t)],Im[s(t)]}<Mを満たすものとする。そして、プリコーディング部106は、THP後のブロックをGI(Guard Interval)付加部107に出力する。
GI付加部107は、プリコーディング部106から入力されるブロックの先頭にそのブロックの後端部分をGIとして付加する。なお、ブロックの先頭に付加されたGIおよびそのブロックから構成される信号はスロットと呼称されることもある。
無線送信部108は、GI付加後のブロックに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の無線送信処理を行ってアンテナ109から無線受信装置200(図2)へ送信する。つまり、無線送信部108は、GIを付加したシングルキャリア信号を無線受信装置200へ送信する。
一方、図2に示す無線受信装置200において、無線受信部202は、無線送信装置100から送信されたシングルキャリア信号、すなわち、第1シンボル列およびその第1シンボル列の両側にそれぞれ配置された複数の第2シンボル列で構成される時間領域信号をアンテナ201を介して受信し、このシングルキャリア信号に対してダウンコンバート、A/D変換等の無線受信処理を施す。
GI除去部203は、無線受信処理後のシングルキャリア信号からGIを除去し、GI除去後の信号をFFT部204に出力する。
FFT部204は、GI除去部203から入力される信号に対してブロック単位にFFTを行い、時間領域信号であるブロックを周波数領域信号に変換する。具体的には、FFT部204は、無線送信装置100(図1)から送信されたブロック長Ncのブロックに対してNcポイントFFTを施して、ブロック長NcのブロックをNc個の周波数成分R(k)(k=0〜Nc−1)に分解する。そして、FFT部204は、周波数成分R(k)(k=0〜Nc−1)をFDE部205に出力する。
FDE部205は、FFT部204から入力される周波数領域信号、すなわち、周波数成分R(k)(k=0〜Nc−1)に対してFDEを行う。具体的には、FDE部205は、各周波数成分に対して等化重みw(k)(k=0〜Nc−1)を乗算する。つまり、FDEは、伝達関数をw(k)(k=0〜Nc−1)とする線形フィルタ処理と等価である。そして、FDE部205は、FDE後の周波数成分をIFFT部206に出力する。
IFFT部206は、FDE部205から入力される周波数成分に対してブロック単位にIFFTを行い時間領域信号であるブロックに変換する。具体的には、IFFT部206は、Nc個の周波数成分に対してNcポイントIFFTを行って、Nc個の周波数成分をNcシンボルの時間領域信号であるブロックに変換する。IFFT部206は、IFFT後のブロックをデータ抽出部207に出力する。
データ抽出部207には、図示しない測定部から遅延波時間情報が入力される。データ抽出部207は、IFFT部206から入力されるブロックから第1シンボル列およびその第1シンボル列の両側にそれぞれ配置された複数の第2シンボル列を遅延波時間情報に基づいて抽出する。そして、データ抽出部207は、第1シンボル列を復調部208に出力し、複数の第2シンボル列を合成部209に出力する。
復調部208は、データ抽出部207から入力される第1シンボル列を無線送信装置100(図1)の変調部102で用いた第1変調方式と同一の変調方式で復調して第1データを生成する。そして、復調部208は、第1データを配置部211に出力する。
合成部209は、データ抽出部207から入力される複数の第2シンボル列を合成して合成シンボル列を生成する。そして、合成部209は、合成シンボル列を復調部210に出力する。
復調部210は、合成部209から入力される合成シンボル列を無線送信装置100(図1)の変調部103で用いた第2変調方式と同一の変調方式で復調して合成データを得る。そして、復調部210は、合成データを配置部211に出力する。
配置部211は、復調部208から入力される第1データおよび復調部210から入力される合成データを時間領域に連続して配置する。例えば、配置部211は、時間領域に第1データを配置し、その第1データの前方に合成データを配置する。これにより、無線送信装置100(図1)の送信データと同様の受信データ、すなわち、前半部分に第2データが配置され、後半部分に第1データが配置された受信データが得られる。
次に、上記構成を有する無線送信装置100の動作について詳細に説明する。
図3は、QPSK変調での各シンボルのマッピングを示す図である。また、図4は、16QAM変調での各シンボルのマッピングを示す図である。図3に示すように、QPSKでは4点のマッピング位置がある(すなわち、変調多値数が4である)ため、1シンボルに含めて送信することができるのは2ビットである。これに対し、16QAMでは、図4に示すように16点のマッピング位置がある(すなわち、変調多値数が16である)ため、1シンボルに含めて送信することができるのは4ビットである。これより、変調方式がQPSKの場合に対して変調方式が16QAMの場合には、1シンボルに含めて送信できるビット数が2倍になる。つまり、変調多値数を大きくするほど、1シンボルで送信できるビット数を多くすることができる。換言すれば、変調方式がQPSKの場合に対して変調方式が16QAMの場合には、同一ビット数のデータを送信するために必要なシンボル数は1/2になる。つまり、変調多値数を大きくするほど、同一ビット数のデータを送信するために必要なシンボル数を少なくすることができる。
例えば、QPSKにおいて32シンボルで送信する64ビットのデータを、16QAMでは半数の16シンボルで送信することができる。つまり、QPSKの変調多値数より大きい変調多値数の16QAMで64ビットのデータを変調することにより、時間領域に16シンボル分の余裕が生じる。ここで、複製した同一の16シンボルをその余裕が生じた16シンボル分の時間領域を用いて送信すると、変調方式が16QAMであっても、変調方式がQPSKである場合と同一シンボル数の32シンボルで同一データ長の64ビットのデータを送信することができ、かつ、複製によるダイバーシチ効果を得ることができる。
そこで、本実施の形態では、第1変調方式の変調多値数より大きい変調多値数の第2変調方式で第2データを変調する。これにより、第1変調方式で変調する場合と同一のシンボル数で、第1変調方式で変調する場合と同一の情報を含む第2シンボル列を複数送信できるため、データレートを低下させることなく、ダイバーシチ効果を得ることができる。
次に、シングルキャリア伝送においてFDEにTHPを併用した場合のFDE後の1ブロック内における誤り率特性の一例を図5に示す。図5に示す誤り率特性は伝搬路のパス数が16の場合のものである。図5に示すように1ブロック内において各シンボルの誤り
率特性は相違する。具体的には、ブロックの中央部分にあるシンボル(シンボル番号17〜112)の誤り率特性に対して、ブロックの先頭付近にあるシンボル(シンボル番号1〜16)の誤り率特性は劣化している。一方、ブロックの中央部分にあるシンボル(シンボル番号17〜112)の誤り率特性に対して、ブロックの末尾付近にあるシンボル(シンボル番号113〜128)の誤り率特性は改善している。ここで、図5に示すブロックの先頭付近およびブロックの末尾付近にて誤り率特性がそれぞれ劣化および改善するシンボル数は伝搬路のパス数に依存する。つまり、ここでは伝搬路のパス数が16であるので、図5に示すように、ブロックの先頭から16シンボル(シンボル番号1〜16)の誤り率特性が劣化し、ブロックの末尾から16シンボル(シンボル番号113〜128)の誤り率特性が改善する。そして、パス数が多くなるほど、1ブロック内において誤り率特性が劣化する部分および誤り率特性が改善する部分が長くなる。なお、この伝搬路のパス数は、遅延波時間情報として無線送信装置100(図1)の分配部101および無線受信装置200(図2)のデータ抽出部207に入力される。
率特性は相違する。具体的には、ブロックの中央部分にあるシンボル(シンボル番号17〜112)の誤り率特性に対して、ブロックの先頭付近にあるシンボル(シンボル番号1〜16)の誤り率特性は劣化している。一方、ブロックの中央部分にあるシンボル(シンボル番号17〜112)の誤り率特性に対して、ブロックの末尾付近にあるシンボル(シンボル番号113〜128)の誤り率特性は改善している。ここで、図5に示すブロックの先頭付近およびブロックの末尾付近にて誤り率特性がそれぞれ劣化および改善するシンボル数は伝搬路のパス数に依存する。つまり、ここでは伝搬路のパス数が16であるので、図5に示すように、ブロックの先頭から16シンボル(シンボル番号1〜16)の誤り率特性が劣化し、ブロックの末尾から16シンボル(シンボル番号113〜128)の誤り率特性が改善する。そして、パス数が多くなるほど、1ブロック内において誤り率特性が劣化する部分および誤り率特性が改善する部分が長くなる。なお、この伝搬路のパス数は、遅延波時間情報として無線送信装置100(図1)の分配部101および無線受信装置200(図2)のデータ抽出部207に入力される。
そこで、本実施の形態では、複数の第2シンボル列をブロックに配置する場合、複数の第2シンボル列をブロックの先頭付近およびブロックの末尾付近にそれぞれ配置する。これにより、ブロックの先頭付近に配置された第2シンボル列の誤り率特性は悪くなるが、ブロックの末尾付近に配置された第2シンボル列の誤り率特性は良好になるため、ダイバーシチ効果により、第2シンボル列の誤り率特性の劣化を防ぐことができる。また、図5に示すように、シンボル番号16からシンボル番号1に渡って徐々に誤り率特性が劣化するのに対して、シンボル番号113からシンボル番号128に渡って徐々に誤り率特性が改善する。よって、複数の第2シンボルをブロックに配置する場合、複数の第2シンボル列を構成する複数のシンボルを対称な並びでブロックの両端部分のそれぞれに配置する。これにより、ブロックの先頭付近およびブロックの末尾付近にそれぞれ配置された複数の第2シンボル列においてそれぞれ対応する同一シンボル間で、誤り率特性の劣化度合と誤り率特性の改善度合とが同程度となる。よって、第2シンボル列を構成する全てのシンボルにおいて、均一的にダイバーシチ効果を得ることができる。
そこで、配置部105は、複数の第2シンボル列を構成する複数のシンボルを第1シンボル列の両側に対称な並びで配置する。すなわち、配置部105は、1ブロック内において、第1シンボル列をブロックの中心部分に配置し、複数の第2シンボル列を構成する複数のシンボルを半数ずつ対称な並びでブロックの両端部分に配置する。換言すれば、配置部105は、1ブロック内において、誤り率特性が一定に保たれる部分に第1シンボル列を配置し、その一定部分より誤り率特性が徐々に劣化する部分および誤り率特性が徐々に改善する部分に複数の第2シンボル列を構成する複数のシンボルを半数ずつ対称な並びで配置する。
以下、具体的に説明する。ここでは、送信データを256ビット、1ブロックを128シンボルとする。また、第1変調方式をQPSK(変調多値数m=4)とし、第2変調方式を16QAM(変調多値数n=16)とする。よって、log2n/log2mより、複製部104は、2個の第2シンボル列を得る。また、図5に示すように、ブロックの先頭から16シンボル(シンボル番号1〜16)およびブロックの末尾から16シンボル(シンボル番号113〜128)に複数の第2シンボル列がそれぞれ配置される。よって、第1シンボル列は残りの96シンボル(シンボル番号17〜112)に配置される。
まず、分配部101は256ビットの送信データを第1データと第2データとに分配する。具体的には、分配部101は、図5に示ように第2シンボル列を配置する両端部分のシンボル数が32シンボルであり、第1変調方式の変調多値数が4(1シンボル当たり2ビット)であるので、図6に示すように、第2データのデータ長を64ビット(32シンボル×2ビット)に決定する。また、分配部101は、第1データのデータ長を送信デー
タのうち第2データ以外の192ビットに決定する。
タのうち第2データ以外の192ビットに決定する。
次いで、変調部102は、図6に示すように、192ビットの第1データをQPSKで変調して96シンボルの第1シンボル列(シンボル番号17〜112)を生成する。
一方、変調部103は、図6に示すように、64ビットの第2データを16QAMで変調して16シンボルの第2シンボル列(シンボル番号1〜16)を生成する。また、複製部104は16シンボルの第2シンボル列(シンボル番号1〜16)を複製して2個の第2シンボル列を得る。
次いで、配置部105は、第1シンボル列の前方に配置される第2シンボル列または第1シンボル列の後方に配置される第2シンボル列のいずれか一方のシンボル順序を並べ替えた後、第1シンボル列の両側に第2シンボル列をそれぞれ1個ずつ配置する。これにより、第1シンボル列の後方に配置された第2シンボル列の誤り率特性が第1シンボル列の前方に配置された第2シンボル列の誤り率特性より良好になる。
具体的には、配置部105は、図6に示すように、第1シンボル列(シンボル番号17〜112)の前方にそのままのシンボル順序で一方の第2シンボル列(シンボル番号1〜16)を配置し、第1シンボル列(シンボル番号17〜112)の後方にシンボル順序を並べ替えた他方の第2シンボル列(シンボル番号16〜1)を配置する。換言すれば、配置部105は、1ブロック内において、誤り率特性が一定に保たれる中心部分(図5に示すシンボル番号17〜112)に第1シンボル列(図6に示すシンボル番号17〜112)を配置し、その一定部分より誤り率特性が劣悪である前端部分(図5に示すシンボル番号1〜16)に一方の第2シンボル列(図6に示すシンボル番号1〜16)を配置し、誤り率特性が良好である後端部分(図5に示すシンボル番号113〜128)にシンボル順序を並べ替えた他方の第2シンボル列(図6に示すシンボル番号16〜1)を配置する。これにより、誤り率特性が劣悪であるブロックの前端部分に第2シンボル列を配置しても、誤り率特性が良好であるブロックの後端部分に同一の第2シンボル列を配置するため、第2シンボル列の誤り率特性を良好に維持することができる。
一方、無線受信装置200(図2)の合成部209では、図6に示すブロックのうち第1シンボル列の両側にそれぞれ配置された2つの第2シンボル列を合成する。このとき、合成部209は、ブロックの後端部分(図5に示すシンボル番号113〜128)に配置された第2シンボル列(図6に示すシンボル番号16〜1)をもとのシンボル順序(シンボル番号1〜16の順)に並べ替えて合成する。これにより、図6に示す第1シンボル列の前方に配置された一方の第2シンボル列の誤り率特性は劣化しているものの、第1シンボル列の後方に配置された他方の第2シンボル列の誤り率特性は良好であるため、合成部209では、ダイバーシチ効果により誤り率特性が良好である16シンボルの合成シンボル列を得ることができる。
このように、本実施の形態によれば、無線送信装置は、第1シンボル列の両側に複数の第2シンボル列をそれぞれ配置する。そして、無線受信装置では、受信されたブロックにおいて誤り率特性が劣悪である部分に配置された第2シンボル列と誤り率特性が良好である部分に配置された第2シンボル列とを合成する。これにより、無線受信装置では、第2シンボル列の誤り率特性の劣化を確実に防ぐことができる。
また、本実施の形態によれば、第1変調方式の変調多値数より大きい変調多値数の第2変調方式で第2データを変調することで、第2データを第1変調方式のときよりも少ないシンボル数で送信することができる。これにより、第1変調方式で変調する場合と同一シンボル数において複数の第2シンボル列を配置する場合でも全ての送信データを送信する
ことができる。よって、FDEにプリコーディングを併用する移動体通信において、データレートを低下させることなく誤り率特性の劣化を防ぐことができる。
ことができる。よって、FDEにプリコーディングを併用する移動体通信において、データレートを低下させることなく誤り率特性の劣化を防ぐことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
なお、本発明の無線送信装置および無線受信装置は、移動体通信システム等で使用される無線通信移動局装置または無線通信基地局装置に用いて好適である。本発明の無線送信装置および無線受信装置を無線通信移動局装置または無線通信基地局装置に搭載することにより、上記同様の作用および効果を有する無線通信移動局装置および無線通信基地局装置を提供することができる。
また、上記実施の形態では、THPを用いてプリコーディングを行った。しかし、本発明は、THPに限らず、1ブロック内において、ブロックの中央部分にあるシンボルの誤り率特性に対して、ブロックの先頭付近にあるシンボルの誤り率特性が劣化し、ブロックの末尾付近にあるシンボルの誤り率特性が改善する特徴を持つプリコーディングを行う無線送信装置に適用することができる。
また、上記実施の形態では、図6に示すように送信データのうちの前半部分を第2データとし、後半部分を第1データとした。しかし、本発明では、第2データは送信データの前半部分に限らず、送信データの任意の部分を第2データとしてもよい。
また、上記実施の形態では、複製部104で得る複数の第2シンボル列の数を第1変調方式の変調多値数と第2変調方式の変調多値数との差に基づいて決定する場合について説明した。しかし、本発明では、変調多値数と1シンボルのビット数とは相関関係がるため、複製部104で得られる第2シンボル列の数を第1変調方式の1シンボルのビット数Mと第2変調方式の1シンボルのビット数Nとの差に基づいて決定してもよい。具体的には、第2シンボル列の数は、N/Mより求められる。
また、上記実施の形態では、第1変調方式の変調多値数および第2変調方式の変調多値数が予め決定され、複製部104で得る第2シンボル列の数を各変調多値数の差に基づいて決定する場合について説明した。しかし、本発明では、第1変調方式の変調多値数mおよび複製部104で得る第2シンボル列の数Rを予め決定し、第2変調方式の変調多値数をmRより決定してもよい。また、第2変調方式の1シンボルのビット数を第1変調方式の1シンボルのビット数Mおよび複製部104で得られる第2シンボル列の数Rに基づいて決定してもよい。具体的には、第2変調方式の1シンボルのビット数は、MRより求められる。
また、上記実施の形態では、第2シンボル列を複製して複数の第2シンボル列を得る場合について説明した。しかし、本発明では、第2データを複製して得られる複数の第2データをそれぞれ第2変調方式で変調して複数の第2シンボル列を得てもよい。
また、上記実施の形態では、第1変調方式をQPSKとし、第2変調方式を16QAMとした。しかし、本発明では、第1変調方式はQPSKに限らず、また、第2変調方式は16QAMに限らない。例えば、第2変調方式を64QAMや256QAMにすることも可能である。第2変調方式を64QAMにした場合、すなわち変調多値数を64にした場合は、第1変調方式のQPSK(変調多値数が4)と同じシンボル数で3倍のビット数を送信することができる。よって、第2変調方式を64QAMにした場合には第2シンボル列を3個に複製する。また、第2変調方式を256QAMにした場合、すなわち変調多値数を256にした場合は、第1変調方式のQPSKと同じシンボル数で4倍のビット数を送信することができる。よって、第2変調方式を256QAMにした場合には第2シンボ
ル列を4個に複製する。なお、第1変調方式をBPSKとし、第2変調方式をQPSKにすることも可能である。
ル列を4個に複製する。なお、第1変調方式をBPSKとし、第2変調方式をQPSKにすることも可能である。
また、上記実施の形態では、送信データを第1データと第2データとに分配して、第1シンボル列の両側に複数の第2シンボル列をそれぞれ配置する場合について説明した。しかし、本発明は、送信データを3個以上のデータに分配した場合でも適用することができる。例えば、送信データを第1データ、第2データおよび第3データに分配し、それぞれのデータが変調された第1シンボル列、第2シンボル列および第3シンボル列において、第1シンボル列の両側に複数の第2シンボル列をそれぞれ配置し、さらに、第1シンボル列および複数の第2シンボル列から構成されるシンボル列の両側に複数の第3シンボル列をそれぞれ配置してもよい。
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2007年4月20日出願の特願2007−111360の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明は、移動体通信システム等に適用することができる。
Claims (14)
- 送信データのうちの第1データを第1変調方式で変調して第1シンボル列を生成する第1変調手段と、
前記第1変調方式の変調多値数より大きい変調多値数の第2変調方式で、前記送信データのうちの第2データを変調して第2シンボル列を生成する第2変調手段と、
前記第2シンボル列を複製して複数の第2シンボル列を得る複製手段と、
前記第1シンボル列の両側に前記複数の第2シンボル列をそれぞれ配置する配置手段と、
配置後の各シンボル列に対してプリコーディングを行うプリコーディング手段と、
プリコーディング後の各シンボル列を送信する送信手段と、
を具備する無線送信装置。 - 前記第1シンボル列の後方に配置された前記第2シンボル列の誤り率特性が前記第1シンボル列の前方に配置された前記第2シンボル列の誤り率特性より良好である、
請求項1記載の無線送信装置。 - 前記配置手段は、前記第1シンボル列の両側に、前記複数の第2シンボル列を構成する複数のシンボルを対称な並びで配置する、
請求項1記載の無線送信装置。 - 前記配置手段は、前記第1シンボル列の両側に前記複数のシンボルを半数ずつ配置する、
請求項3記載の無線送信装置。 - 前記配置手段は、前記第1シンボル列の前方に配置される第2シンボル列または前記第1シンボル列の後方に配置される第2シンボル列のいずれか一方のシンボル順序を並べ替えた後、前記第1シンボル列の両側に前記複数の第2シンボル列をそれぞれ配置する、
請求項1記載の無線送信装置。 - 前記複製手段は、log2n/log2m個(但し、mは前記第1変調方式の変調多値数、nは前記第2変調方式の変調多値数)の前記複数の第2シンボル列を得る、
請求項1記載の無線送信装置。 - 前記第2変調手段は、変調多値数がmR(但し、mは前記第1変調方式の変調多値数、Rは前記複数の第2シンボル列の数)の前記第2変調方式で前記第2データを変調する、
請求項1記載の無線送信装置。 - 遅延波時間情報に基づいて、送信データを前記第1データと前記第2データとに分配する分配手段、をさらに具備する、
請求項1記載の無線送信装置。 - 前記分配手段は、前記複数の第2シンボル列のシンボル数および前記第1変調方式の変調多値数に応じて前記第2データのデータ長を決定する、
請求項8記載の無線送信装置。 - 前記プリコーディング手段は、Tomlinson−Harashima Precoding方法を用いて前記プリコーディングを行う、
請求項1記載の無線送信装置。 - 周波数領域等化を用いる無線受信装置であって、
第1シンボル列、および、前記第1シンボル列の両側にそれぞれ配置された複数の第2シンボル列を受信する受信手段と、
前記複数の第2シンボル列を合成して合成シンボル列を生成する合成手段と、
前記第1シンボル列を第1変調方式で復調して第1データを生成する第1復調手段と、
前記第1変調方式の変調多値数より大きい変調多値数の第2変調方式で前記合成シンボル列を復調して合成データを生成する第2復調手段と、
を具備する無線受信装置。 - 前記無線送信装置は、無線通信基地局装置または無線通信移動局装置である、
請求項1記載の無線送信装置。 - 前記無線受信装置は、無線通信基地局装置または無線通信移動局装置である、
請求項11記載の無線受信装置。 - プリコーディングを行う無線送信装置におけるブロック構成方法であって、
中心部分に送信データのうちの第1データが第1変調方式で変調された第1シンボル列が配置され、両端部分のそれぞれに前記送信データのうちの第2データが前記第1変調方式の変調多値数より大きい変調多値数の第2変調方式で変調された同一の複数の第2シンボル列がそれぞれ配置されたブロックを構成する、
ブロック構成方法。
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