JPWO2009001566A1 - 無線送信装置、無線受信装置およびプリコーディング方法 - Google Patents
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Abstract
プリコーディングを行う無線通信システムにおいて誤り率特性を向上させることができる無線送信装置。無線送信装置(100)において、変調部(101)は、プリコーディングによる誤り率特性改善幅が小さい第1変調方式およびプリコーディングによる誤り率特性改善幅が大きい第2変調方式のうち、第2変調方式で送信データを変調してシンボルを生成し、複製部(102)は、シンボルを複製して複数のシンボルを得て、プリコーディング部(105)は、複数のシンボルに対してプリコーディングを行う。
Description
本発明は、無線送信装置、無線受信装置およびプリコーディング方法に関する。
次世代の移動体通信システムへ向けて100Mbpsを超えるデータレートを実現すべく、高速パケット伝送に適した無線伝送方式について様々な検討が行われている。このような高速パケット伝送を行うためには使用周波数帯域の広帯域化が必要であり、100MHz程度の帯域幅を用いることが検討されている。
このような広帯域伝送を移動体通信で行うと、通信チャネルは遅延時間が互いに異なる複数のパスからなる周波数選択性チャネルになることが知られている。よって、移動体通信における広帯域伝送では、先行するシンボルが後続のシンボルに対して干渉する符号間干渉(ISI:InterSymbol Interference)が発生して誤り率特性が劣化する。また、周波数選択性チャネルは、周波数帯域内でチャネル伝達関数が変動するチャネルであるため、このようなチャネルを伝搬して受信された信号のスペクトルは歪んでしまう。
ISIの影響を除去して誤り率特性を改善するための技術として等化技術がある。等化技術として、無線受信装置で用いる周波数領域等化(FDE:Frequency Domain Equalization)がある。FDEでは、受信ブロックを高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)によって直交周波数成分に分解し、各周波数成分に対しチャネル伝達関数の逆数に近似した等化重みを乗算した後、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)によって時間領域信号に変換する。このFDEにより、受信ブロックのスペクトルの歪みを補償することができ、その結果、ISIが低減されて誤り率特性が改善される。
また、最近、プリコーディング技術である送信等化技術としてTomlinson-Harashima Precoding(以下、THPという)をFDEに併用することが検討されている(例えば、非特許文献1参照)。すなわち、無線送信装置では送信ブロックに対してTHPを行い、無線受信装置では受信ブロックに対してFDEを行うことが検討されている。THPでは、送信ブロックに対してチャネル情報に基づいて干渉成分を逐次的に減算する処理を行う。このTHPにより、送信ブロックに対して加算される干渉成分を予めキャンセルでき、ISIが低減されて誤り率特性が改善される。なお、チャネル情報を完全に把握している場合、ISIを完全に抑圧した伝送が可能となる。例えば、周波数選択性フェージングの影響により受信レベルが大きく落ち込んだ周波数成分が存在し、FDEを行っても完全には等化されず干渉成分が残ってしまう場合でも、FDEにTHPを併用することによって、干渉成分を予め除去することで誤り率特性の劣化を防ぐことができる。
武田一樹,留場宏道,安達文幸「Tomlinson-Harashima Precodingを用いるシングルキャリア周波数領域等化」,信学技報,社団法人電子情報通信学会,2006年6月,RCS2006-41,pp.37-42(K.Takeda, H.Tomeba, F.Adachi, "Single-Carrier Transmission with Frequency-Domain Equalization Using Tomlinson-Harashima Precoding", IEICE Technical Report, RCS2006-41, pp.37-42, 2006-6)
武田一樹,留場宏道,安達文幸「Tomlinson-Harashima Precodingを用いるシングルキャリア周波数領域等化」,信学技報,社団法人電子情報通信学会,2006年6月,RCS2006-41,pp.37-42(K.Takeda, H.Tomeba, F.Adachi, "Single-Carrier Transmission with Frequency-Domain Equalization Using Tomlinson-Harashima Precoding", IEICE Technical Report, RCS2006-41, pp.37-42, 2006-6)
ここで、本発明者らが行った計算機シミュレーションによれば、QPSK変調時における、FDEのみの場合の誤り率特性11、および、FDEにTHPを併用する場合の誤り率特性12はそれぞれ図1に示すようになる。この計算機シミュレーション結果より、誤り率10−3を満たす所要Eb/Noは、誤り率特性11と誤り率特性12とで同程度である。つまり、図1に示すシミュレーション結果は、QPSK変調時において、FDEにTHPを併用しても誤り率特性の改善が得られないことを示す。よって、QPSK変調時には、THPを行う処理が無駄になってしまう。
本発明の目的は、FDEにプリコーディングを併用する移動体通信において、誤り率特性を向上することができる無線送信装置、無線受信装置およびプリコーディング方法を提供することである。
本発明の無線送信装置は、プリコーディングによる誤り率特性改善幅が小さい第1変調方式および前記プリコーディングによる誤り率特性改善幅が大きい第2変調方式のうち、前記第2変調方式で送信データを変調してシンボル列を生成する変調手段と、前記シンボル列を複製して複数のシンボル列を得る複製手段と、前記複数のシンボル列に対して前記プリコーディングを行うプリコーディング手段と、プリコーディング後の前記複数のシンボル列を送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
本発明によれば、FDEにプリコーディングを併用する移動体通信において、誤り率特性を向上することができる。
本発明者らが行った計算機シミュレーションによれば、16QAM変調時における、FDEのみの場合の誤り率特性21、および、FDEにTHPを併用する場合の誤り率特性22はそれぞれ図2に示すようになる。この計算機シミュレーション結果より、誤り率10−3を満たす所要Eb/Noは、誤り率特性22では誤り率特性21に対して約4dB改善されていることが分かる。16QAMのように位相情報および振幅情報を用いる変調方式で変調された信号では、伝搬路で受ける干渉の影響による歪みが大きい。よって、FDEのみでは等化しきれずにISIにより誤り率特性が劣化してしまう。しかし、FDEにTHPを併用することで、ISIによる誤り率特性の劣化を防ぐことができる。
よって、FDEにTHPを併用する場合、位相情報のみを用いる第1変調方式(例えば、図1におけるQPSK)ではTHPによる誤り率特性の改善幅が小さいのに対し、位相情報および振幅情報を用いる第2変調方式(例えば、図2における16QAM)ではTHPによる誤り率特性の改善幅が大きい。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、FDEにTHPを併用する場合、第1変調方式および第2変調方式のうち、第2変調方式で送信データを変調する。
本実施の形態では、FDEにTHPを併用する場合、第1変調方式および第2変調方式のうち、第2変調方式で送信データを変調する。
本実施の形態では、無線送信装置はTHPを行ったシングルキャリア信号を無線受信装置に送信し、無線受信装置はそのシングルキャリア信号に対してFDEを行う。また、本実施の形態に係るFDEを行う無線受信装置以外にFDEを行わない無線受信装置が混在する。以下、本実施の形態に係る無線送信装置および無線受信装置の構成について説明する。図3に本実施の形態に係る無線送信装置100の構成を示し、図6に本実施の形態に係るFDEを行う無線受信装置200の構成を示す。
図3に示す無線送信装置100において、変調部101は、送信データを変調方式決定部103から入力される変調方式で変調して、複数のシンボルで構成されるシンボル列を生成する。そして、変調部101は、シンボル列を複製部102に出力する。
複製部102は、変調部101から入力されるシンボル列を複製(レピティション)して複数のシンボル列を得る。ここで、複製部102にて得られるシンボル列の数は、複製数決定部104から入力される複製数に基づいて決定される。これにより、同一の複数のシンボル列が時間領域に連続して配置されたブロックが構成される。そして、複製部102は、時間領域信号であるブロックをプリコーディング部105に出力する。
変調方式決定部103には、無線受信装置200からフィードバックされた、伝搬路の伝送特性を示すチャネル情報が図示しない受信部より入力される。そして、変調方式決定部103は、FDEを行う無線受信装置へ送信される送信データに対する変調方式を図4に示すテーブルを参照して決定する一方、FDEを行わない無線受信装置へ送信される送信データを図5に示すテーブルを参照して決定する。変調方式決定部103は、図4または図5に示すテーブルに含まれる変調方式のいずれかをチャネル情報より求まる回線品質に基づいて決定する。そして、変調方式決定部103は、決定した変調方式を変調部101に出力する。
ここで、図4に示すテーブルは複数の第2変調方式で構成され、図5に示すテーブルは第1変調方式と第2変調方式とで構成される。すなわち、FDEを行う無線受信装置へ送信される送信データは図4に示す複数の第2変調方式のいずれかで変調される一方、FDEを行わない無線受信装置へ送信される送信データは図5に示す第1変調方式または第2変調方式のいずれかで変調される。また、図4に示すテーブルの各変調方式および図5に示すテーブルの各変調方式は、それぞれ同一回線品質に対応付けられている。すなわち、図4に示すテーブル上段の64QAMと図5に示すテーブル上段の64QAMとは同一回線品質に対応付けられており、図4に示すテーブル中段の16QAMと図5に示すテーブル中段の16QAMとは同一回線品質に対応付けられており、図4に示すテーブル下段の16QAMと図5に示すテーブル下段のQPSKとは同一回線品質に対応付けられている。
複製数決定部104は、送信データの送信先の無線受信装置がFDEを行う無線受信装置である場合、シンボル列の複製数(Repetition Factor:RF)を図4に示すテーブルを参照して決定し、送信データの送信先の無線受信装置がFDEを行わない無線受信装置である場合、複製数を図5に示すテーブルを参照して決定する。複製数決定部104は、複製数を図示しない受信部から入力されるチャネル情報より求まる回線品質に基づいて決定する。
ここで、図4および図5に示すように、同一回線品質において、FDEを行う無線受信装置用の第2変調方式およびFDEを行わない無線受信装置用の第1変調方式のうち、第2変調方式を用いて生成されたシンボル列のみが複製される。具体的には、同一回線品質に対応付けられた図4に示すテーブル下段の16QAMおよび図5に示すテーブル下段のQPSKのうち、16QAMを用いて生成されたシンボル列のみが複製される。また、複製数は第1変調方式の変調多値数と第2変調方式の変調多値数との差に基づいて決定される。具体的には、複製数は、log2n/log2mにより求められる。ここで、mは第1変調方式の変調多値数、nは第2変調方式の変調多値数を示す。よって、図4および図5に示すように、第1変調方式がQPSK(m=4)であり、第2変調方式が16QAM(n=16)である場合、複製数は2回となる。そして、複製数決定部104は、決定した複製数を複製部102に出力する。
プリコーディング部105は、複製部102から入力されるブロックに対してTHPを用いてプリコーディングを行う。Ncシンボルで構成されるブロックに対するTHPは、最大NcタップのフィードバックフィルタとModulo演算回路とで構成される。なお、1ブロックを構成するシンボル数Ncは、無線受信装置200においてFDEを行うシンボル数と同一である。具体的には、THPでは、シンボルs(t)(t=0〜Nc−1)で構成されるブロック長Ncの入力ブロックs=[s(Nc-1) … s(0)]Tが入力されたとき、出力ブロックx=[x(Nc-1) … x(0)]Tは次式(1)により得られる。
ここで、行列Fは各シンボル入力時のフィルタ係数行列であり、次式(2)で表すことができる。
ft,t+τはシンボルs(t)が入力されたときのτ番目のフィードバック係数を表す。フィードバック係数には、プリコーディング部105に入力されるチャネル情報のうち希望波成分以外のチャネルのインパルス応答を用いる。また、zt=[zt(Nc-1) … zt(0)]TはModulo演算の等価表現である。Modulo演算では、THPの出力を安定させるためにフィードバックフィルタのループ処理で得られる信号の実部および虚部をそれぞれ[−M,M]の範囲に変換する。また、式(1)においてシンボルs(t)は、−M≦{Re[s(t)],Im[s(t)]}<Mを満たすものとする。そして、プリコーディング部105は、THP後のブロックをGI(Guard Interval)付加部106に出力する。
GI付加部106は、プリコーディング部105から入力されるブロックの先頭にそのブロックの後端部分をGIとして付加する。なお、ブロックの先頭に付加されたGIおよびそのブロックから構成される信号はスロットと呼称されることもある。
無線送信部107は、GI付加後のブロックに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の無線送信処理を行ってアンテナ108から無線受信装置200(図6)へ送信する。つまり、無線送信部107は、GIを付加したシングルキャリア信号を無線受信装置200へ送信する。
一方、図6に示す無線受信装置200において、無線受信部202は、無線送信装置100から送信されたシングルキャリア信号、すなわち、第1変調方式および第2変調方式のうち、第2変調方式で変調された同一の複数のシンボル列で構成される時間領域信号をアンテナ201を介して受信し、このシングルキャリア信号に対してダウンコンバート、A/D変換等の無線受信処理を施す。
GI除去部203は、無線受信処理後のシングルキャリア信号からGIを除去し、GI除去後の信号をFFT部204に出力する。
FFT部204は、GI除去部203から入力される信号に対してブロック単位にFFTを行い、時間領域信号であるブロックを周波数領域信号に変換する。具体的には、FFT部204は、無線送信装置100(図1)から送信されたブロック長Ncのブロックに対してNcポイントFFTを施して、ブロック長NcのブロックをNc個の周波数成分R(k)(k=0〜Nc−1)に分解する。そして、FFT部204は、周波数成分R(k)(k=0〜Nc−1)をFDE部205に出力する。
FDE部205は、FFT部204から入力される周波数領域信号、すなわち、周波数成分R(k)(k=0〜Nc−1)に対してFDEを行う。具体的には、FDE部205は、各周波数成分に対して等化重みw(k)(k=0〜Nc−1)を乗算する。つまり、FDEは、伝達関数をw(k)(k=0〜Nc−1)とする線形フィルタ処理と等価である。そして、FDE部205は、FDE後の周波数成分をIFFT部206に出力する。
IFFT部206は、FDE部205から入力される周波数成分に対してブロック単位にIFFTを行い時間領域信号であるブロックに変換する。具体的には、IFFT部206は、Nc個の周波数成分に対してNcポイントIFFTを行って、Nc個の周波数成分をNcシンボルの時間領域信号であるブロックに変換する。IFFT部206は、IFFT後のブロックを合成部207に出力する。
合成部207は、IFFT部206から入力されるブロックを合成数決定部209から入力される合成数に基づいて複数のシンボル列に分離する。そして、合成部207は、複数のシンボル列を合成して合成シンボル列を生成する。そして、合成部207は、合成シンボル列を復調部208に出力する。
復調部208は、合成部207から入力される合成シンボル列を変調方式決定部210から入力される変調方式で復調して合成データを得る。これより、受信データが得られる。
合成数決定部209は、シンボル列の合成数を図4に示すテーブルを参照して決定する。合成数決定部209は、図4に示す複製数と同一の合成数を図示しない測定部から入力されるチャネル情報より求まる回線品質に基づいて決定する。そして、合成数決定部209は、決定した合成数を合成部207に出力する。
変調方式決定部210は、合成シンボル列を復調するための変調方式を図4に示すテーブルを参照して決定する。変調方式決定部210は、図4に示す変調方式のいずれかを図示しない測定部から入力されるチャネル情報より求まる回線品質に基づいて決定する。すなわち、変調方式決定部210では、合成シンボル列を復調する変調方式が複数の第2変調方式のいずれかより決定される。そして、変調方式決定部210は、決定した変調方式を復調部208に出力する。なお、FDEを行わない無線受信装置(図示せず)では、図5に示すMCSテーブルを参照して変調方式を決定する。
次に、上記構成を有する無線送信装置100の動作について詳細に説明する。
以下、具体的に説明する。ここでは、送信データを256ビット、1ブロックを128シンボルとする。また、図4および図5に示す各テーブルにおいて、上段および中段の同一回線品質に対応付けられた変調方式およびシンボル列の複製数は互いに同一である。そこで、ここでは、図4および図5に示す各テーブルにおいて、同一回線品質に対応付けられた変調方式およびシンボル列の複製数が相違する各テーブル下段についてのみ説明する。すなわち、FDEを行う無線受信装置200へ送信される送信データでは、図4に示すように、変調方式は16QAMとなり、複製数は2個となる。また、FDEを行わない無線受信装置へ送信される送信データでは、図5に示すように、変調方式はQPSKとなり、シンボル列の複製数は1個となる。
FDEを行わない無線受信装置(図示せず)へ送信される送信データに対して、変調部101は、図7に示すように、256ビットの送信データをQPSKで変調して128シンボルのシンボル列を生成する。そして、複製部102では、図7に示すように、シンボル列の複製数が1個であるので、複製せずにそのままのシンボル列で128シンボルのブロックが構成される。
一方、FDEを行う無線受信装置200(図6)へ送信される送信データに対して、変調部101は、図8に示すように、256ビットの送信データを16QAMで変調して64シンボルのシンボル列を生成する。そして、複製部102は、シンボル列の複製数が2個であるので、64シンボルのシンボル列を複製して、2個のシンボル列を得る。これにより、複製部では、図8に示すように、時間領域に連続した2個のシンボル列から成る128シンボルのブロックが構成される。
このように、同一回線品質において、FDEを行わない無線受信装置用の変調方式がQPSKである場合でも、FDEを行う無線受信装置200へ送信される送信データを16QAMで変調するため、図2に示すように誤り率特性を改善することができる。よって、FDEを行う無線受信装置200へ送信される送信データは、図4に示すように、どの回線品質においても常に第2変調方式で変調するため、誤り率特性を確実に改善することができる。
また、同一回線品質において、QPSKでは128シンボルで送信する256ビットの送信データを、16QAMでは半数の64シンボルで送信することができる。つまり、16QAMで256ビットを変調することにより、時間領域に64シンボル分の余裕が生じる。そこで、図8に示すように、複製した同一の64シンボルのシンボル列をその余裕が生じた64シンボル分の時間領域を用いて送信するため、変調方式が16QAMであっても、変調方式がQPSKである場合と同一のシンボル数の128シンボルで同一のデータ長の256ビットのデータを送信することができ、かつ、複製による時間ダイバーシチ効果を得ることができる。
このように、本実施の形態によれば、THPを行う無線送信装置は、同一回線品質において、FDEを行わない無線受信装置用の変調方式が第1変調方式である場合でも、FDEを行う無線受信装置へ送信される送信データを第2変調方式で変調する。つまり、FDEを行う無線受信装置に対して、THPによる誤り率特性改善幅が大きい第2変調方式のみを用いて変調する。よって、プリコーディングを行う無線通信システムにおいて、誤り率特性を確実に向上することができる。
また、本実施の形態によれば、無線送信装置は、最適な誤り率特性を得られる変調方式を、送信データの送信先である無線受信装置がFDEを行うか否かに応じて適応的に決定することができる。よって、FDEを行う無線受信装置およびFDEを行わない無線受信装置が混在する場合でも、誤り率特性を確実に向上することができる。
さらに、本実施の形態によれば、同一回線品質において、FDEを行う無線受信装置用の第2変調方式およびFDEを行わない無線受信装置用の第1変調方式のうち第2変調方式を用いて生成されたシンボル列を複製する。よって、本実施の形態によれば、シンボル列を複製することによる時間ダイバーシチ効果を得ることができるため、誤り率特性をさらに向上することができる。
なお、本実施の形態では、FDEを行う無線受信装置およびFDEを行わない無線受信装置を固定して説明したが、無線受信装置がFDEを行うか否かを適宜切り替えてもよい。このとき、無線受信装置はFDEを行うか否かを示す情報を無線送信装置に通知することで、無線送信装置は無線受信装置の種別を判断する。
また、本実施の形態では、同一回線品質に対応付けられた第2変調方式を16QAMとし、第1変調方式をQPSKとしたが、第1変調方式はQPSKに限らず、また、第2変調方式は16QAMに限らない。例えば、第2変調方式を64QAMや256QAMにすることも可能である。第2変調方式を64QAMにした場合、すなわち変調多値数を64にした場合は、第1変調方式のQPSK(変調多値数が4)と同じシンボル数で3倍のビット数を送信することができる。よって、同一回線品質に対応付けられた第2変調方式を64QAMとし、第1変調方式をQPSKとした場合にはシンボル列を3個に複製する。また、第2変調方式を256QAMにした場合、すなわち変調多値数を256にした場合は、第1変調方式のQPSKと同じシンボル数で4倍のビット数を送信することができる。よって、同一回線品質に対応付けられた第2変調方式を256QAMとし、第1変調方式をQPSKとした場合にはシンボル列を4個に複製する。
また、本実施の形態では、複製部102で得る複数のシンボル列の数、すなわち、図4に示すテーブルの複製数を同一回線品質に対応付けられた第1変調方式の変調多値数および第2変調方式の変調多値数の差に基づいて決定する場合について説明した。しかし、変調多値数と1シンボルのビット数とは相関関係があるため、複製数を同一回線品質に対応付けられた第1変調方式の1シンボルのビット数Mと第2変調方式の1シンボルのビット数Nとの差に基づいて決定してもよい。具体的には、シンボル列の数は、N/Mより求められる。
また、本実施の形態では、シンボル列を複製して複数のシンボル列を得る場合について説明したが、送信データを複製して得られる複数の送信データをそれぞれ変調して複数のシンボル列を得てもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態では、送信データを第1変調方式または第2変調方式のいずれかで変調し、第2変調方式を用いて生成されたシンボル列に対してTHPを行い、第1変調方式を用いて生成されたシンボル列に対してTHPを行わない。
本実施の形態では、送信データを第1変調方式または第2変調方式のいずれかで変調し、第2変調方式を用いて生成されたシンボル列に対してTHPを行い、第1変調方式を用いて生成されたシンボル列に対してTHPを行わない。
図9は、本実施の形態に係る無線送信装置300の構成を示すブロック図である。ただし、実施の形態1の無線送信装置100(図3)の構成と同一の部には同一の符号を付し、説明を省略する。
図9に示す無線送信装置300において、変調部301は、送信データを変調方式決定部302から入力される変調方式で変調して、複数のシンボルで構成されるシンボル列を生成する。これにより、シンボル列が時間領域に配置されたブロックが構成される。そして、変調部301は、時間領域信号であるブロックをプリコーディング部304に出力する。
変調方式決定部302は、送信データに対する変調方式を図10に示すテーブルを参照して決定する。変調方式決定部302は、図10に示すテーブルに含まれる変調方式のいずれかを図示しない受信部から入力されるチャネル情報より求まる回線品質に基づいて決定する。ここで、図10に示すテーブルは第1変調方式と第2変調方式とで構成される。そして、変調方式決定部302は、決定した変調方式を変調部301および制御部303に出力する。
制御部303は、プリコーディング部304に対して、THPを行うか否かを変調方式決定部302から入力される変調方式に基づいて制御する。具体的には、制御部303は、図10に示すように、第2変調方式である16QAMまたは64QAMを用いて生成されるシンボル列にはTHPを行うようにプリコーディング部304を制御し、第1変調方式であるQPSKを用いて生成されるシンボル列にはTHPを行わないようにプリコーディング部304を制御する。制御部303は、THPの処理の有無を示す制御信号をプリコーディング部304に出力する。
プリコーディング部304は、変調部301から入力されるブロックに対するTHPを用いたプリコーディングを制御部303から入力される制御信号に基づいて行う。具体的には、制御部303から入力される制御信号がTHPを行うことを示す場合には、プリコーディング部304は、ブロックに対してTHPを用いたプリコーディングを行い、THP後のブロックをGI付加部106に出力する。一方、制御部303から入力される制御信号がTHPを行わないことを示す場合には、プリコーディング部304は、ブロックに対してTHPを用いたプリコーディングを行わずにブロックをそのままGI付加部106に出力する。
上述したように、FDEにTHPを併用する場合、位相情報および振幅情報を用いる第2変調方式においてのみTHPによる誤り率特性改善の効果が得られる。換言すると、図1に示すように、位相情報のみを用いる第1変調方式では、FDEにTHPを併用しても誤り率特性の改善は得られない。ただし、図1に示すように、第1変調方式においてFDEのみでも良好な誤り率特性を得ることができる。よって、図10に示すように、QPSKを用いて生成されたシンボル列に対してTHPを行わないことで、誤り率特性を維持しつつ、THPを行う処理を削減することができる。
このようにして、本実施の形態によれば、無線送信装置は、送信データを位相情報のみを用いる第1変調方式で変調する場合、生成されたシンボル列に対してTHPを行わない。これにより、第1変調方式を用いる場合には良好な誤り率特性を維持することができ、第2変調方式を用いる場合には誤り率特性を改善することができる。よって、プリコーディングを行う無線通信システムにおいて、第1変調方式または第2変調方式のいずれかで変調する場合でも、誤り率特性を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、第1変調方式を用いる場合にはTHPを行う処理を削減することができるため、無線送信装置における処理効率を向上することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
なお、本発明の無線送信装置および無線受信装置は、移動体通信システム等で使用される無線通信移動局装置または無線通信基地局装置に用いて好適である。本発明の無線送信装置および無線受信装置を無線通信移動局装置または無線通信基地局装置に搭載することにより、上記同様の作用および効果を有する無線通信移動局装置および無線通信基地局装置を提供することができる。
また、上記各実施の形態では、THPを用いてプリコーディングを行った。しかし、本発明は、THPに限らず、位相情報のみを用いる変調方式では誤り率特性の改善を得られず、位相情報および振幅情報を用いる変調方式では誤り率特性の改善を得られる特徴を持つすべてのプリコーディング方法に対して適用することができる。
また、上記各実施の形態では、位相情報のみを用いる第1変調方式にQPSKを用いて、位相情報および振幅情報を用いる第2変調方式に16QAMまたは64QAMを用いたが、第1変調方式はQPSKに限らず、第2変調方式は16QAMまたは64QAMに限らない。
また、上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2007年6月27日出願の特願2007−169431の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明は、移動体通信システム等に適用することができる。
本発明は、無線送信装置、無線受信装置およびプリコーディング方法に関する。
次世代の移動体通信システムへ向けて100Mbpsを超えるデータレートを実現すべく、高速パケット伝送に適した無線伝送方式について様々な検討が行われている。このような高速パケット伝送を行うためには使用周波数帯域の広帯域化が必要であり、100MHz程度の帯域幅を用いることが検討されている。
このような広帯域伝送を移動体通信で行うと、通信チャネルは遅延時間が互いに異なる複数のパスからなる周波数選択性チャネルになることが知られている。よって、移動体通信における広帯域伝送では、先行するシンボルが後続のシンボルに対して干渉する符号間干渉(ISI:InterSymbol Interference)が発生して誤り率特性が劣化する。また、周波数選択性チャネルは、周波数帯域内でチャネル伝達関数が変動するチャネルであるため、このようなチャネルを伝搬して受信された信号のスペクトルは歪んでしまう。
ISIの影響を除去して誤り率特性を改善するための技術として等化技術がある。等化技術として、無線受信装置で用いる周波数領域等化(FDE:Frequency Domain Equalization)がある。FDEでは、受信ブロックを高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)によって直交周波数成分に分解し、各周波数成分に対しチャネル伝達関数の逆数に近似した等化重みを乗算した後、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)によって時間領域信号に変換する。このFDEにより、受信ブロックのスペクトルの歪みを補償することができ、その結果、ISIが低減されて誤り率特性が改善される。
また、最近、プリコーディング技術である送信等化技術としてTomlinson-Harashima Precoding(以下、THPという)をFDEに併用することが検討されている(例えば、非特許文献1参照)。すなわち、無線送信装置では送信ブロックに対してTHPを行い、無線受信装置では受信ブロックに対してFDEを行うことが検討されている。THPでは、送信ブロックに対してチャネル情報に基づいて干渉成分を逐次的に減算する処理を行う。このTHPにより、送信ブロックに対して加算される干渉成分を予めキャンセルでき、ISIが低減されて誤り率特性が改善される。なお、チャネル情報を完全に把握している場合、ISIを完全に抑圧した伝送が可能となる。例えば、周波数選択性フェージングの影響により受信レベルが大きく落ち込んだ周波数成分が存在し、FDEを行っても完全には等化されず干渉成分が残ってしまう場合でも、FDEにTHPを併用することによって、干渉成分を予め除去することで誤り率特性の劣化を防ぐことができる。
武田一樹,留場宏道,安達文幸「Tomlinson-Harashima Precodingを用いるシングルキャリア周波数領域等化」,信学技報,社団法人電子情報通信学会,2006年6月,RCS2006-41,pp.37-42(K.Takeda, H.Tomeba, F.Adachi, "Single-Carrier Transmission with Frequency-Domain Equalization Using Tomlinson-Harashima Precoding", IEICE Technical Report, RCS2006-41, pp.37-42, 2006-6)
武田一樹,留場宏道,安達文幸「Tomlinson-Harashima Precodingを用いるシングルキャリア周波数領域等化」,信学技報,社団法人電子情報通信学会,2006年6月,RCS2006-41,pp.37-42(K.Takeda, H.Tomeba, F.Adachi, "Single-Carrier Transmission with Frequency-Domain Equalization Using Tomlinson-Harashima Precoding", IEICE Technical Report, RCS2006-41, pp.37-42, 2006-6)
ここで、本発明者らが行った計算機シミュレーションによれば、QPSK変調時における、FDEのみの場合の誤り率特性11、および、FDEにTHPを併用する場合の誤り率特性12はそれぞれ図1に示すようになる。この計算機シミュレーション結果より、誤
り率10−3を満たす所要Eb/Noは、誤り率特性11と誤り率特性12とで同程度である。つまり、図1に示すシミュレーション結果は、QPSK変調時において、FDEにTHPを併用しても誤り率特性の改善が得られないことを示す。よって、QPSK変調時には、THPを行う処理が無駄になってしまう。
り率10−3を満たす所要Eb/Noは、誤り率特性11と誤り率特性12とで同程度である。つまり、図1に示すシミュレーション結果は、QPSK変調時において、FDEにTHPを併用しても誤り率特性の改善が得られないことを示す。よって、QPSK変調時には、THPを行う処理が無駄になってしまう。
本発明の目的は、FDEにプリコーディングを併用する移動体通信において、誤り率特性を向上することができる無線送信装置、無線受信装置およびプリコーディング方法を提供することである。
本発明の無線送信装置は、プリコーディングによる誤り率特性改善幅が小さい第1変調方式および前記プリコーディングによる誤り率特性改善幅が大きい第2変調方式のうち、前記第2変調方式で送信データを変調してシンボル列を生成する変調手段と、前記シンボル列を複製して複数のシンボル列を得る複製手段と、前記複数のシンボル列に対して前記プリコーディングを行うプリコーディング手段と、プリコーディング後の前記複数のシンボル列を送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
本発明によれば、FDEにプリコーディングを併用する移動体通信において、誤り率特性を向上することができる。
本発明者らが行った計算機シミュレーションによれば、16QAM変調時における、FDEのみの場合の誤り率特性21、および、FDEにTHPを併用する場合の誤り率特性22はそれぞれ図2に示すようになる。この計算機シミュレーション結果より、誤り率10−3を満たす所要Eb/Noは、誤り率特性22では誤り率特性21に対して約4dB改善されていることが分かる。16QAMのように位相情報および振幅情報を用いる変調方式で変調された信号では、伝搬路で受ける干渉の影響による歪みが大きい。よって、FDEのみでは等化しきれずにISIにより誤り率特性が劣化してしまう。しかし、FDEにTHPを併用することで、ISIによる誤り率特性の劣化を防ぐことができる。
よって、FDEにTHPを併用する場合、位相情報のみを用いる第1変調方式(例えば、図1におけるQPSK)ではTHPによる誤り率特性の改善幅が小さいのに対し、位相情報および振幅情報を用いる第2変調方式(例えば、図2における16QAM)ではTHPによる誤り率特性の改善幅が大きい。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、FDEにTHPを併用する場合、第1変調方式および第2変調方式のうち、第2変調方式で送信データを変調する。
本実施の形態では、FDEにTHPを併用する場合、第1変調方式および第2変調方式のうち、第2変調方式で送信データを変調する。
本実施の形態では、無線送信装置はTHPを行ったシングルキャリア信号を無線受信装置に送信し、無線受信装置はそのシングルキャリア信号に対してFDEを行う。また、本実施の形態に係るFDEを行う無線受信装置以外にFDEを行わない無線受信装置が混在する。以下、本実施の形態に係る無線送信装置および無線受信装置の構成について説明する。図3に本実施の形態に係る無線送信装置100の構成を示し、図6に本実施の形態に係るFDEを行う無線受信装置200の構成を示す。
図3に示す無線送信装置100において、変調部101は、送信データを変調方式決定部103から入力される変調方式で変調して、複数のシンボルで構成されるシンボル列を生成する。そして、変調部101は、シンボル列を複製部102に出力する。
複製部102は、変調部101から入力されるシンボル列を複製(レピティション)して複数のシンボル列を得る。ここで、複製部102にて得られるシンボル列の数は、複製数決定部104から入力される複製数に基づいて決定される。これにより、同一の複数のシンボル列が時間領域に連続して配置されたブロックが構成される。そして、複製部102は、時間領域信号であるブロックをプリコーディング部105に出力する。
変調方式決定部103には、無線受信装置200からフィードバックされた、伝搬路の伝送特性を示すチャネル情報が図示しない受信部より入力される。そして、変調方式決定部103は、FDEを行う無線受信装置へ送信される送信データに対する変調方式を図4に示すテーブルを参照して決定する一方、FDEを行わない無線受信装置へ送信される送信データを図5に示すテーブルを参照して決定する。変調方式決定部103は、図4または図5に示すテーブルに含まれる変調方式のいずれかをチャネル情報より求まる回線品質に基づいて決定する。そして、変調方式決定部103は、決定した変調方式を変調部101に出力する。
ここで、図4に示すテーブルは複数の第2変調方式で構成され、図5に示すテーブルは第1変調方式と第2変調方式とで構成される。すなわち、FDEを行う無線受信装置へ送信される送信データは図4に示す複数の第2変調方式のいずれかで変調される一方、FDEを行わない無線受信装置へ送信される送信データは図5に示す第1変調方式または第2変調方式のいずれかで変調される。また、図4に示すテーブルの各変調方式および図5に示すテーブルの各変調方式は、それぞれ同一回線品質に対応付けられている。すなわち、図4に示すテーブル上段の64QAMと図5に示すテーブル上段の64QAMとは同一回線品質に対応付けられており、図4に示すテーブル中段の16QAMと図5に示すテーブル中段の16QAMとは同一回線品質に対応付けられており、図4に示すテーブル下段の16QAMと図5に示すテーブル下段のQPSKとは同一回線品質に対応付けられている。
複製数決定部104は、送信データの送信先の無線受信装置がFDEを行う無線受信装置である場合、シンボル列の複製数(Repetition Factor:RF)を図4に示すテーブルを参照して決定し、送信データの送信先の無線受信装置がFDEを行わない無線受信装置である場合、複製数を図5に示すテーブルを参照して決定する。複製数決定部104は、複製数を図示しない受信部から入力されるチャネル情報より求まる回線品質に基づいて決定する。
ここで、図4および図5に示すように、同一回線品質において、FDEを行う無線受信
装置用の第2変調方式およびFDEを行わない無線受信装置用の第1変調方式のうち、第2変調方式を用いて生成されたシンボル列のみが複製される。具体的には、同一回線品質に対応付けられた図4に示すテーブル下段の16QAMおよび図5に示すテーブル下段のQPSKのうち、16QAMを用いて生成されたシンボル列のみが複製される。また、複製数は第1変調方式の変調多値数と第2変調方式の変調多値数との差に基づいて決定される。具体的には、複製数は、log2n/log2mにより求められる。ここで、mは第1変調方式の変調多値数、nは第2変調方式の変調多値数を示す。よって、図4および図5に示すように、第1変調方式がQPSK(m=4)であり、第2変調方式が16QAM(n=16)である場合、複製数は2回となる。そして、複製数決定部104は、決定した複製数を複製部102に出力する。
装置用の第2変調方式およびFDEを行わない無線受信装置用の第1変調方式のうち、第2変調方式を用いて生成されたシンボル列のみが複製される。具体的には、同一回線品質に対応付けられた図4に示すテーブル下段の16QAMおよび図5に示すテーブル下段のQPSKのうち、16QAMを用いて生成されたシンボル列のみが複製される。また、複製数は第1変調方式の変調多値数と第2変調方式の変調多値数との差に基づいて決定される。具体的には、複製数は、log2n/log2mにより求められる。ここで、mは第1変調方式の変調多値数、nは第2変調方式の変調多値数を示す。よって、図4および図5に示すように、第1変調方式がQPSK(m=4)であり、第2変調方式が16QAM(n=16)である場合、複製数は2回となる。そして、複製数決定部104は、決定した複製数を複製部102に出力する。
プリコーディング部105は、複製部102から入力されるブロックに対してTHPを用いてプリコーディングを行う。Ncシンボルで構成されるブロックに対するTHPは、最大NcタップのフィードバックフィルタとModulo演算回路とで構成される。なお、1ブロックを構成するシンボル数Ncは、無線受信装置200においてFDEを行うシンボル数と同一である。具体的には、THPでは、シンボルs(t)(t=0〜Nc−1)で構成されるブロック長Ncの入力ブロックs=[s(Nc-1) … s(0)]Tが入力されたとき、出力ブロックx=[x(Nc-1) … x(0)]Tは次式(1)により得られる。
ここで、行列Fは各シンボル入力時のフィルタ係数行列であり、次式(2)で表すことができる。
ft,t+τはシンボルs(t)が入力されたときのτ番目のフィードバック係数を表す。フィードバック係数には、プリコーディング部105に入力されるチャネル情報のうち希望波成分以外のチャネルのインパルス応答を用いる。また、zt=[zt(Nc-1) … zt(0)]TはModulo演算の等価表現である。Modulo演算では、THPの出力を安定させるためにフィードバックフィルタのループ処理で得られる信号の実部および虚部をそれぞれ[−M,M]の範囲に変換する。また、式(1)においてシンボルs(t)は、−M≦{Re[s(t)],Im[s(t)]}<Mを満たすものとする。そして、プリコーディング部105は、THP後のブロックをGI(Guard Interval)付加部106に出力する。
GI付加部106は、プリコーディング部105から入力されるブロックの先頭にそのブロックの後端部分をGIとして付加する。なお、ブロックの先頭に付加されたGIおよびそのブロックから構成される信号はスロットと呼称されることもある。
無線送信部107は、GI付加後のブロックに対しD/A変換、増幅およびアップコンバート等の無線送信処理を行ってアンテナ108から無線受信装置200(図6)へ送信する。つまり、無線送信部107は、GIを付加したシングルキャリア信号を無線受信装
置200へ送信する。
置200へ送信する。
一方、図6に示す無線受信装置200において、無線受信部202は、無線送信装置100から送信されたシングルキャリア信号、すなわち、第1変調方式および第2変調方式のうち、第2変調方式で変調された同一の複数のシンボル列で構成される時間領域信号をアンテナ201を介して受信し、このシングルキャリア信号に対してダウンコンバート、A/D変換等の無線受信処理を施す。
GI除去部203は、無線受信処理後のシングルキャリア信号からGIを除去し、GI除去後の信号をFFT部204に出力する。
FFT部204は、GI除去部203から入力される信号に対してブロック単位にFFTを行い、時間領域信号であるブロックを周波数領域信号に変換する。具体的には、FFT部204は、無線送信装置100(図1)から送信されたブロック長Ncのブロックに対してNcポイントFFTを施して、ブロック長NcのブロックをNc個の周波数成分R(k)(k=0〜Nc−1)に分解する。そして、FFT部204は、周波数成分R(k)(k=0〜Nc−1)をFDE部205に出力する。
FDE部205は、FFT部204から入力される周波数領域信号、すなわち、周波数成分R(k)(k=0〜Nc−1)に対してFDEを行う。具体的には、FDE部205は、各周波数成分に対して等化重みw(k)(k=0〜Nc−1)を乗算する。つまり、FDEは、伝達関数をw(k)(k=0〜Nc−1)とする線形フィルタ処理と等価である。そして、FDE部205は、FDE後の周波数成分をIFFT部206に出力する。
IFFT部206は、FDE部205から入力される周波数成分に対してブロック単位にIFFTを行い時間領域信号であるブロックに変換する。具体的には、IFFT部206は、Nc個の周波数成分に対してNcポイントIFFTを行って、Nc個の周波数成分をNcシンボルの時間領域信号であるブロックに変換する。IFFT部206は、IFFT後のブロックを合成部207に出力する。
合成部207は、IFFT部206から入力されるブロックを合成数決定部209から入力される合成数に基づいて複数のシンボル列に分離する。そして、合成部207は、複数のシンボル列を合成して合成シンボル列を生成する。そして、合成部207は、合成シンボル列を復調部208に出力する。
復調部208は、合成部207から入力される合成シンボル列を変調方式決定部210から入力される変調方式で復調して合成データを得る。これより、受信データが得られる。
合成数決定部209は、シンボル列の合成数を図4に示すテーブルを参照して決定する。合成数決定部209は、図4に示す複製数と同一の合成数を図示しない測定部から入力されるチャネル情報より求まる回線品質に基づいて決定する。そして、合成数決定部209は、決定した合成数を合成部207に出力する。
変調方式決定部210は、合成シンボル列を復調するための変調方式を図4に示すテーブルを参照して決定する。変調方式決定部210は、図4に示す変調方式のいずれかを図示しない測定部から入力されるチャネル情報より求まる回線品質に基づいて決定する。すなわち、変調方式決定部210では、合成シンボル列を復調する変調方式が複数の第2変調方式のいずれかより決定される。そして、変調方式決定部210は、決定した変調方式を復調部208に出力する。なお、FDEを行わない無線受信装置(図示せず)では、図
5に示すMCSテーブルを参照して変調方式を決定する。
5に示すMCSテーブルを参照して変調方式を決定する。
次に、上記構成を有する無線送信装置100の動作について詳細に説明する。
以下、具体的に説明する。ここでは、送信データを256ビット、1ブロックを128シンボルとする。また、図4および図5に示す各テーブルにおいて、上段および中段の同一回線品質に対応付けられた変調方式およびシンボル列の複製数は互いに同一である。そこで、ここでは、図4および図5に示す各テーブルにおいて、同一回線品質に対応付けられた変調方式およびシンボル列の複製数が相違する各テーブル下段についてのみ説明する。すなわち、FDEを行う無線受信装置200へ送信される送信データでは、図4に示すように、変調方式は16QAMとなり、複製数は2個となる。また、FDEを行わない無線受信装置へ送信される送信データでは、図5に示すように、変調方式はQPSKとなり、シンボル列の複製数は1個となる。
FDEを行わない無線受信装置(図示せず)へ送信される送信データに対して、変調部101は、図7に示すように、256ビットの送信データをQPSKで変調して128シンボルのシンボル列を生成する。そして、複製部102では、図7に示すように、シンボル列の複製数が1個であるので、複製せずにそのままのシンボル列で128シンボルのブロックが構成される。
一方、FDEを行う無線受信装置200(図6)へ送信される送信データに対して、変調部101は、図8に示すように、256ビットの送信データを16QAMで変調して64シンボルのシンボル列を生成する。そして、複製部102は、シンボル列の複製数が2個であるので、64シンボルのシンボル列を複製して、2個のシンボル列を得る。これにより、複製部では、図8に示すように、時間領域に連続した2個のシンボル列から成る128シンボルのブロックが構成される。
このように、同一回線品質において、FDEを行わない無線受信装置用の変調方式がQPSKである場合でも、FDEを行う無線受信装置200へ送信される送信データを16QAMで変調するため、図2に示すように誤り率特性を改善することができる。よって、FDEを行う無線受信装置200へ送信される送信データは、図4に示すように、どの回線品質においても常に第2変調方式で変調するため、誤り率特性を確実に改善することができる。
また、同一回線品質において、QPSKでは128シンボルで送信する256ビットの送信データを、16QAMでは半数の64シンボルで送信することができる。つまり、16QAMで256ビットを変調することにより、時間領域に64シンボル分の余裕が生じる。そこで、図8に示すように、複製した同一の64シンボルのシンボル列をその余裕が生じた64シンボル分の時間領域を用いて送信するため、変調方式が16QAMであっても、変調方式がQPSKである場合と同一のシンボル数の128シンボルで同一のデータ長の256ビットのデータを送信することができ、かつ、複製による時間ダイバーシチ効果を得ることができる。
このように、本実施の形態によれば、THPを行う無線送信装置は、同一回線品質において、FDEを行わない無線受信装置用の変調方式が第1変調方式である場合でも、FDEを行う無線受信装置へ送信される送信データを第2変調方式で変調する。つまり、FDEを行う無線受信装置に対して、THPによる誤り率特性改善幅が大きい第2変調方式のみを用いて変調する。よって、プリコーディングを行う無線通信システムにおいて、誤り率特性を確実に向上することができる。
また、本実施の形態によれば、無線送信装置は、最適な誤り率特性を得られる変調方式を、送信データの送信先である無線受信装置がFDEを行うか否かに応じて適応的に決定することができる。よって、FDEを行う無線受信装置およびFDEを行わない無線受信装置が混在する場合でも、誤り率特性を確実に向上することができる。
さらに、本実施の形態によれば、同一回線品質において、FDEを行う無線受信装置用の第2変調方式およびFDEを行わない無線受信装置用の第1変調方式のうち第2変調方式を用いて生成されたシンボル列を複製する。よって、本実施の形態によれば、シンボル列を複製することによる時間ダイバーシチ効果を得ることができるため、誤り率特性をさらに向上することができる。
なお、本実施の形態では、FDEを行う無線受信装置およびFDEを行わない無線受信装置を固定して説明したが、無線受信装置がFDEを行うか否かを適宜切り替えてもよい。このとき、無線受信装置はFDEを行うか否かを示す情報を無線送信装置に通知することで、無線送信装置は無線受信装置の種別を判断する。
また、本実施の形態では、同一回線品質に対応付けられた第2変調方式を16QAMとし、第1変調方式をQPSKとしたが、第1変調方式はQPSKに限らず、また、第2変調方式は16QAMに限らない。例えば、第2変調方式を64QAMや256QAMにすることも可能である。第2変調方式を64QAMにした場合、すなわち変調多値数を64にした場合は、第1変調方式のQPSK(変調多値数が4)と同じシンボル数で3倍のビット数を送信することができる。よって、同一回線品質に対応付けられた第2変調方式を64QAMとし、第1変調方式をQPSKとした場合にはシンボル列を3個に複製する。また、第2変調方式を256QAMにした場合、すなわち変調多値数を256にした場合は、第1変調方式のQPSKと同じシンボル数で4倍のビット数を送信することができる。よって、同一回線品質に対応付けられた第2変調方式を256QAMとし、第1変調方式をQPSKとした場合にはシンボル列を4個に複製する。
また、本実施の形態では、複製部102で得る複数のシンボル列の数、すなわち、図4に示すテーブルの複製数を同一回線品質に対応付けられた第1変調方式の変調多値数および第2変調方式の変調多値数の差に基づいて決定する場合について説明した。しかし、変調多値数と1シンボルのビット数とは相関関係があるため、複製数を同一回線品質に対応付けられた第1変調方式の1シンボルのビット数Mと第2変調方式の1シンボルのビット数Nとの差に基づいて決定してもよい。具体的には、シンボル列の数は、N/Mより求められる。
また、本実施の形態では、シンボル列を複製して複数のシンボル列を得る場合について説明したが、送信データを複製して得られる複数の送信データをそれぞれ変調して複数のシンボル列を得てもよい。
(実施の形態2)
本実施の形態では、送信データを第1変調方式または第2変調方式のいずれかで変調し、第2変調方式を用いて生成されたシンボル列に対してTHPを行い、第1変調方式を用いて生成されたシンボル列に対してTHPを行わない。
本実施の形態では、送信データを第1変調方式または第2変調方式のいずれかで変調し、第2変調方式を用いて生成されたシンボル列に対してTHPを行い、第1変調方式を用いて生成されたシンボル列に対してTHPを行わない。
図9は、本実施の形態に係る無線送信装置300の構成を示すブロック図である。ただし、実施の形態1の無線送信装置100(図3)の構成と同一の部には同一の符号を付し、説明を省略する。
図9に示す無線送信装置300において、変調部301は、送信データを変調方式決定
部302から入力される変調方式で変調して、複数のシンボルで構成されるシンボル列を生成する。これにより、シンボル列が時間領域に配置されたブロックが構成される。そして、変調部301は、時間領域信号であるブロックをプリコーディング部304に出力する。
部302から入力される変調方式で変調して、複数のシンボルで構成されるシンボル列を生成する。これにより、シンボル列が時間領域に配置されたブロックが構成される。そして、変調部301は、時間領域信号であるブロックをプリコーディング部304に出力する。
変調方式決定部302は、送信データに対する変調方式を図10に示すテーブルを参照して決定する。変調方式決定部302は、図10に示すテーブルに含まれる変調方式のいずれかを図示しない受信部から入力されるチャネル情報より求まる回線品質に基づいて決定する。ここで、図10に示すテーブルは第1変調方式と第2変調方式とで構成される。そして、変調方式決定部302は、決定した変調方式を変調部301および制御部303に出力する。
制御部303は、プリコーディング部304に対して、THPを行うか否かを変調方式決定部302から入力される変調方式に基づいて制御する。具体的には、制御部303は、図10に示すように、第2変調方式である16QAMまたは64QAMを用いて生成されるシンボル列にはTHPを行うようにプリコーディング部304を制御し、第1変調方式であるQPSKを用いて生成されるシンボル列にはTHPを行わないようにプリコーディング部304を制御する。制御部303は、THPの処理の有無を示す制御信号をプリコーディング部304に出力する。
プリコーディング部304は、変調部301から入力されるブロックに対するTHPを用いたプリコーディングを制御部303から入力される制御信号に基づいて行う。具体的には、制御部303から入力される制御信号がTHPを行うことを示す場合には、プリコーディング部304は、ブロックに対してTHPを用いたプリコーディングを行い、THP後のブロックをGI付加部106に出力する。一方、制御部303から入力される制御信号がTHPを行わないことを示す場合には、プリコーディング部304は、ブロックに対してTHPを用いたプリコーディングを行わずにブロックをそのままGI付加部106に出力する。
上述したように、FDEにTHPを併用する場合、位相情報および振幅情報を用いる第2変調方式においてのみTHPによる誤り率特性改善の効果が得られる。換言すると、図1に示すように、位相情報のみを用いる第1変調方式では、FDEにTHPを併用しても誤り率特性の改善は得られない。ただし、図1に示すように、第1変調方式においてFDEのみでも良好な誤り率特性を得ることができる。よって、図10に示すように、QPSKを用いて生成されたシンボル列に対してTHPを行わないことで、誤り率特性を維持しつつ、THPを行う処理を削減することができる。
このようにして、本実施の形態によれば、無線送信装置は、送信データを位相情報のみを用いる第1変調方式で変調する場合、生成されたシンボル列に対してTHPを行わない。これにより、第1変調方式を用いる場合には良好な誤り率特性を維持することができ、第2変調方式を用いる場合には誤り率特性を改善することができる。よって、プリコーディングを行う無線通信システムにおいて、第1変調方式または第2変調方式のいずれかで変調する場合でも、誤り率特性を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、第1変調方式を用いる場合にはTHPを行う処理を削減することができるため、無線送信装置における処理効率を向上することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。
なお、本発明の無線送信装置および無線受信装置は、移動体通信システム等で使用され
る無線通信移動局装置または無線通信基地局装置に用いて好適である。本発明の無線送信装置および無線受信装置を無線通信移動局装置または無線通信基地局装置に搭載することにより、上記同様の作用および効果を有する無線通信移動局装置および無線通信基地局装置を提供することができる。
る無線通信移動局装置または無線通信基地局装置に用いて好適である。本発明の無線送信装置および無線受信装置を無線通信移動局装置または無線通信基地局装置に搭載することにより、上記同様の作用および効果を有する無線通信移動局装置および無線通信基地局装置を提供することができる。
また、上記各実施の形態では、THPを用いてプリコーディングを行った。しかし、本発明は、THPに限らず、位相情報のみを用いる変調方式では誤り率特性の改善を得られず、位相情報および振幅情報を用いる変調方式では誤り率特性の改善を得られる特徴を持つすべてのプリコーディング方法に対して適用することができる。
また、上記各実施の形態では、位相情報のみを用いる第1変調方式にQPSKを用いて、位相情報および振幅情報を用いる第2変調方式に16QAMまたは64QAMを用いたが、第1変調方式はQPSKに限らず、第2変調方式は16QAMまたは64QAMに限らない。
また、上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2007年6月27日出願の特願2007−169431の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明は、移動体通信システム等に適用することができる。
Claims (10)
- プリコーディングによる誤り率特性改善幅が小さい第1変調方式および前記プリコーディングによる誤り率特性改善幅が大きい第2変調方式のうち、前記第2変調方式で送信データを変調してシンボルを生成する変調手段と、
前記シンボルを複製して複数のシンボルを得る複製手段と、
前記複数のシンボルに対して前記プリコーディングを行うプリコーディング手段と、
プリコーディング後の前記複数のシンボルを送信する送信手段と、
を具備する無線送信装置。 - 前記第1変調方式は位相情報のみを用いる変調方式であり、前記第2変調方式は位相情報および振幅情報を用いる変調方式である、
請求項1記載の無線送信装置。 - 前記変調手段は、周波数領域等化を行う第1無線受信装置へ送信される送信データを複数の前記第2変調方式のいずれかで変調する一方、周波数領域等化を行わない第2無線受信装置へ送信される送信データを前記第1変調方式または前記第2変調方式のいずれかで変調する、
請求項1記載の無線送信装置。 - 前記複製手段は、同一回線品質に対応付けられた前記第1無線受信装置用の前記第2変調方式および前記第2無線受信装置用の前記第1変調方式のうち前記第2変調方式を用いて生成されたシンボルのみを複製する、
請求項3記載の無線送信装置。 - 前記複製手段は、log2n/log2m個(但し、mは前記第1変調方式の変調多値数、nは前記第2変調方式の変調多値数)の前記複数のシンボルを得る、
請求項1記載の無線送信装置。 - 前記プリコーディング手段は、Tomlinson-Harashima Precoding方法を用いて前記プリコーディングを行う、
請求項1記載の無線送信装置。 - プリコーディングによる誤り率特性改善幅が小さい第1変調方式および前記プリコーディングによる誤り率特性改善幅が大きい第2変調方式のうち、前記第2変調方式で送信データを変調された同一の複数のシンボルを受信する受信手段と、
前記複数のシンボルに対して周波数領域等化を行う等化手段と、
周波数領域等化後の前記複数のシンボルを合成して合成シンボルを生成する合成手段と、
前記合成シンボルを前記第2変調方式で復調して合成データを生成する復調手段と、
を具備する無線受信装置。 - 前記無線送信装置は、無線通信基地局装置または無線通信移動局装置である、
請求項1記載の無線送信装置。 - 前記無線受信装置は、無線通信基地局装置または無線通信移動局装置である、
請求項7記載の無線受信装置。 - プリコーディングによる誤り率特性改善幅が小さい第1変調方式および前記プリコーディングによる誤り率特性改善幅が大きい第2変調方式のうち、前記第2変調方式で送信データを変調された同一の複数のシンボルに対して前記プリコーディングを行う、
プリコーディング方法。
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