JPWO2008129700A1 - 水銀放出体、それを用いた低圧放電ランプの製造方法および低圧放電ランプ、ならびにバックライトユニット、液晶表示装置 - Google Patents

水銀放出体、それを用いた低圧放電ランプの製造方法および低圧放電ランプ、ならびにバックライトユニット、液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

水銀の放出効率を向上させた水銀放出体を提供する。チタン(Ti)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)およびマグネシウム(Mg)からなる群から選択された少なくとも一種の第1金属と、水銀(Hg)とを含む水銀合金から構成された水銀放出部(10)と、水銀放出部(10)を覆い、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)からなる群から選択された少なくとも一種の第2金属を含む材料から構成された焼結体層(20)とを備える、水銀放出体(100)である。

Description

本発明は、水銀放出体、それを用いた低圧放電ランプの製造方法および低圧放電ランプならびにバックライトユニット、液晶表示装置に関する。
バックライト用の冷陰極蛍光ランプ等の低圧放電ランプの発光管に水銀を封入するために、水銀が含浸された水銀放出体が用いられている。そして、この水銀放出体を、発光管となるガラス管内に配置して外部から高周波加熱することにより熱せられて水銀を放出させる。このとき、外部からの高周波加熱によって発熱する熱源として、水銀と合金を形成しない鉄(Fe)が用いられる。
具体的には、図33に示すように従来の水銀放出体1として、例えば水銀と合金を形成するチタン(Ti)と水銀と合金を形成しない鉄とを混合して焼結し、水銀を含浸させたものがある(例えば特許文献1等参照)。
また、図34に示すように別の水銀放出体4として、チタンと水銀との合金2を鉄の薄板で形成された容器3内に保持したものもある(例えば特許文献2等参照)。なお、容器3には、破裂防止のためのスリット部3aが設けられている。
特開平5−121044号公報 特開2006−128142号公報
しかしながら、従来の水銀放出体1では、水銀の放出効率が悪いという問題があった。それは、従来の水銀放出体1の場合、水銀を含浸させる媒体としてチタンと鉄との焼結体を用いているが、高周波加熱して水銀を放出させる際、その熱源となる鉄が水銀放出体1内で無秩序に散在しているために、水銀放出体1を全体的に均一に加熱することができないためであると考えられる。
一方、従来の水銀放出体4でも十分な水銀放出効率が得られないという問題があった。この場合は、チタンと水銀との合金2が鉄の薄板で覆われているため、熱せられて水銀が放出する際、合金2のうち容器から露出した部分からしか水銀が出ることができないためであると考えられる。
また、このように水銀の放出効率の悪い水銀放出体1,4を用いて低圧放電ランプを製造する際、水銀放出体1,4には低圧放電ランプが点灯に必要とする以上の水銀を含浸させておく必要がある。水銀が有害物質であることから、必要以上の水銀を使用することは環境上好ましくない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、水銀の放出効率を向上させた水銀放出体を提供することにある。
また、本発明は、水銀の使用量を削減することができる低圧放電ランプの製造方法、低圧放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る水銀放出体は、チタン(Ti)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)およびマグネシウム(Mg)からなる群から選択された少なくとも一種の第1金属と、水銀(Hg)とを含む水銀合金から構成された水銀放出部と、前記水銀放出部を覆い、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)からなる群から選択された少なくとも一種の第2金属を含む材料から構成された焼結体層とを備える。
ある好適な実施形態において、前記焼結体層は、ポーラス状に形成されている。
ある好適な実施形態において、前記焼結体層を構成する材料の粒子形状が鱗片形状である。
ある好適な実施形態において、前記焼結体層を構成する材料の粒子形状が球形状である。
ある好適な実施形態において、前記焼結体層の気孔率が5[%]以上である。
ある好適な実施形態において、前記水銀放出部は、円柱形状であり、前記焼結体層は、円筒形状であり、前記焼結体層の円筒形状の中央部に、前記円柱形状の前記水銀放出部が位置付けられている。
ある好適な実施形態において、前記第1金属は、チタン(Ti)であり、前記第2金属は、鉄(Fe)である。
ある好適な実施形態において、前記水銀合金は、TiHgである。
ある好適な実施形態において、前記水銀放出部は、前記焼結体層を介して水銀を含浸させて、当該水銀と前記第1金属とを反応させることによって形成されている。
ある好適な実施形態において、前記焼結体層は、前記第2金属からなる金属焼結体層であり、前記金属焼結体層は、磁性体である。
本発明に係る水銀放出体は、水銀合金部と、水銀と合金を形成しない金属の焼結体からなる金属焼結体部とが層状になっており、前記金属焼結体部はポーラス状であることを特徴とする。また、「水銀と合金を形成しない金属」とは、例えば鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)やこれらの合金等のように水銀と反応しにくく合金を形成しにくい金属のことをいう。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記水銀合金部は、水銀と合金を形成する金属の焼結体と、水銀との合金からなることが好ましい。ここで、「水銀と合金を形成する金属」とは、例えばチタン(Ti)、錫(Sn)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)やこれらの合金等のように、水銀と反応して合金を形成する金属をいう。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記金属焼結体部における水銀と合金を形成しない金属が磁性体であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記金属焼結体部における水銀と合金を形成しない金属の粒子形状が鱗片形状であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記金属焼結体部における水銀と合金を形成しない金属の粒子形状が球形状であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記金属焼結体部の気孔率が5[%]以上であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記水銀合金部が棒状であり、その周囲に前記金属焼結体部が積層されてなることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記水銀合金部が円柱形状の棒状であり、その外周面に前記金属焼結体部が積層され、前記水銀合金部の外径は、前記水銀放出体の外径の30[%]以上であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記水銀合金部に貫通孔が形成されて筒形状になっていることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記金属焼結体部の厚みが10[μm]以上であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記水銀合金部の全表面積のうち前記金属焼結体部に接触している部分の表面積の比率が30[%]以上であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記水銀合金部にゲッター材が混合されていることが好ましい。
本発明に係る低圧放電ランプの製造方法は、前記水銀放出体をガラス管の内部に挿入する工程を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明に係る低圧放電ランプは、ガラスバルブと、前記ガラスバルブの内部に配置された電極と、前記電極を支持して前記発光管の少なくとも一方の端部に封着されたリード線とで構成される低圧放電ランプであって、前記発光管の内部であって、前記リード線または前記電極に前記水銀放出体が固定されていることを特徴とする。
本発明に係るバックライトユニットは、前記低圧放電ランプを備えることを特徴とする。
本発明に係る液晶表示装置は、前記バックライトユニットを備えることを特徴とする。
本発明に係る水銀放出体は、水銀の放出効率を向上させることができる。
また、本発明に係る低圧放電ランプの製造方法、低圧放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置は、水銀の使用量を削減することができる。
本発明の実施形態に係る水銀放出体の斜視図 本発明の実施形態に係る水銀放出体の外観状態を表す図面代用写真 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の斜視図 (a)同じく水銀放出体の正面図、(b)同じく水銀放出体の平面図 (a)同じく水銀放出体の正面における表面の状態を表す写真、(b)同じく水銀放出体の平面における表面の状態を表す写真、(c)同じく水銀放出体の長手方向の中心軸を含む断面の状態を表す写真 (a)水銀と合金を形成しない金属の粒子形状が球形状である場合の水銀放出体の正面における表面の状態を表す写真、(b)同じく水銀放出体の平面における表面の状態を表す写真 加熱温度による水銀放出量の変化を示す図 本発明の実施形態に係る水銀放出体のゲッター効果についての実験方法を説明する断面図 (水素)についてゲッター効果の実験結果を示すグラフ CO(二酸化炭素)についてゲッター効果の実験結果を示すグラフ H.C.(炭化水素)についてゲッター効果の実験結果を示すグラフ +CO(窒素+一酸化炭素)についてゲッター効果の実験結果を示すグラフ 本発明の実施形態に係る水銀放出部のX線解析による測定結果を示すグラフ 本発明の実施形態に係る水銀放出部のX線解析による測定結果を示すグラフ 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の製造方法の製造工程の工程図 本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法の工程A〜Gまでの概念図 本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法の工程H〜Jまでの概念図 (a)本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図、(b)A部の拡大断面図 (a)本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図、(b)B部の拡大断面図 本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニットの斜視図 本発明の第6の実施形態に係るバックライトユニットの斜視図 本発明の第7の実施形態に係る液晶表示装置の斜視図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例1の斜視図 (a)同じく水銀放出体の変形例1の正面図、(b)同じく水銀放出体の変形例1の平面図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例2の斜視図 (a)同じく水銀放出体の変形例2の正面図、(b)同じく水銀放出体の変形例2の平面図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例3の斜視図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例3の斜視図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例3の斜視図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例4の斜視図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例5の斜視図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例6の斜視図 従来の水銀放出体(従来例1)の斜視図 従来の水銀放出体(従来例2)の斜視図
符号の説明
100、103、105、109、112、113、115 水銀放出体
10、101、106、110、116 水銀合金部
20、102、104、111、114、117 金属焼結体部
400、500 低圧放電ランプ
600、700 バックライトユニット
800 液晶表示装置
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す場合がある。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本実施形態の水銀放出体100は、図1に示すように、水銀放出部10と、水銀放出部10を覆う焼結体層20とから構成されている。
水銀放出部10は、チタン(Ti)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)およびマグネシウム(Mg)からなる群から選択された少なくとも一種の第1金属と、水銀(Hg)とを含む水銀合金から構成されている。一方、焼結体層20は、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)からなる群から選択された少なくとも一種の第2金属を含む材料から構成されている。ここで、第1金属は、「水銀と合金を形成する金属」であり、一方、第2金属は、いわゆる「水銀と合金を形成しない金属」である。
本実施形態の水銀放出体100では、第1金属(例えば、チタン)と水銀とを含む水銀合金から構成された水銀放出部10を、第2金属(例えば、鉄)を含む材料から構成された焼結体層20が覆う構造を有しているので、加熱時(特に、高周波加熱時)に、焼結体層20を通して水銀放出部10から水銀を放出することができ(矢印30参照)、その結果、水銀の放出効率を向上させることができる。
なお、焼結体層20を構成する第2金属は、鉄(のみ)又はニッケル(のみ)の一種類の金属に限らず、例えば、鉄とニッケルの混合物を用いることも可能であるし、あるいは、ニッケルメッキされた鉄を用いることもできる。鉄にニッケルメッキを施した第2金属は、鉄の酸化防止(腐食防止)の効果を奏し得る。また、焼結体層20を成形する際において鉄粉にニッケル粉を混合したものを使用すると、鉄粉だけの場合よりも耐食性を向上させることができるとともに、鉄粉とニッケル粉とのブレンドによって粒径のバリエーションを広げることができる。粒径のバリエーションを広げることができると、焼結体層20の気孔率(ひいては、熱伝導率)をコントロールすることが容易となる(気孔率の詳細については後述する)。また、鉄粉とニッケル粉とのブレンド粉においてその流動性を改善することもでき、成形時の生産性を向上させることも可能となる。加えて、ニッケルは、鉄よりも比熱が小さく、しかも熱伝導率が大きいので、焼結体層20の加熱効率を向上させることもできる。
また、チタンと水銀との合金が鉄の薄板で覆われている構成(図34参照)の場合、使用時に適切な長さに切断する工程において、切断による端面から水銀合金がこぼれる欠点があり、加えて、過加熱のときに破裂する可能性があった。
一方、本実施形態の水銀放出体100は、水銀放出部10が焼結体層20によって覆われている構造を有しているので、水銀放出部10と焼結体層20との密着強度が高く、水銀合金がこぼれる問題を解決することができる。なお、水銀放出部10が焼結体層20によって覆われた構造を有する本実施形態の水銀放出体100を説明するために、図2に図面代用写真を示す。図2中の丸で囲んだところが1個の水銀放出体100であり、本実施形態の水銀放出部10では水銀放出部10が焼結体層20によって覆われているので、水銀合金がこぼれる問題を回避でき、図2に示すように、多数の水銀放出体100を集めて収容することができ、例えばその状態で搬送することが可能である。
加えて、加熱時には、焼結体層20を通して水銀放出部10から水銀が放出されるので(矢印30参照)、過加熱による破裂の問題を回避することができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の斜視図を図3に、その正面図を図4(a)に、その平面図を図4(b)に、その正面写真を図5(a)に、その平面写真を図5(b)に、その長手方向の中心軸X100を含む断面写真を図5(c)にそれぞれ示す。
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100(以下、「水銀放出体100」という)は、水銀合金部101と、水銀と合金を形成しない金属の焼結体からなる金属焼結体部102とが層状になっている。
水銀合金部101は、例えば、円柱形状であって、水銀と合金を形成する金属の焼結体と水銀との合金からなる。「水銀と合金を形成する金属」とは、例えばチタン(Ti)、錫(Sn)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)やこれらのうちの少なくとも2種の合金等のように、水銀と反応して合金を形成する金属をいう。それらの中でも、化学的性質や工業的な生産性(コストなど)を考慮すると、チタン(Ti)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)およびマグネシウム(Mg)が好ましく、チタン(Ti)、錫(Sn)および亜鉛(Zn)がさらに好ましく、典型的には、チタン(Ti)を用いることができる。水銀合金部101は例えば、長さLが3[mm]、外径Diが1[mm]であって、水銀の含浸量は約5[mg]である。
水銀合金部101における水銀と合金を形成する金属の平均粒径は、水銀を含浸させやすくするために、その金属の種類によらず5[μm]以上40[μm]以下の範囲内で規定されることが好ましい。
金属焼結体部102は、水銀と合金を形成しない金属の焼結体からなり、ポーラス状になっている。「水銀と合金を形成しない金属」とは、例えば鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)やこれらのうちの少なくとも2種の合金等のように水銀と反応しにくく合金を形成しにくい金属のことをいう。それらの中でも、化学的性質や工業的な生産性(コストなど)を考慮すると、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)が好ましい。金属焼結体部102は、例えば、長さLが3[mm]、外径Doが1.4[mm]である。
ポーラス状である金属焼結体部102の気孔率は、5[%]以上であることが好ましい。この場合、水銀が金属焼結体部102を通り抜けやすく、水銀の含浸効率および放出効率を高めることができる。特に金属焼結体部102の気孔率は、25[%]以上であることがより好ましい。この場合、水銀合金部101から放出される水銀が金属焼結体部101をさらに通り抜けやすく、水銀の放出効率をさらに高めることができる。なお、金属焼結体部102の気孔率は、60[%]以下であることが好ましい。60[%]よりも大きいと金属焼結体部102が空孔だらけになってしまうため、例えば水銀放出体100を高周波加熱する際、水銀合金部101の加熱効率が低下する上に加熱むらが生じやすく、水銀放出量にばらつきが生じてしまうからである。
金属焼結体部102の気孔率は、以下の数式により算出される。
Figure 2008129700
金属焼結体部102の密度は、ICP発光分析により、水銀放出体100の組成比率を調べ、金属焼結体部102を構成する元素の組成比率を水銀放出体の重量に掛けることで、金属焼結体部102の重量を求め、金属焼結体部102の体積で割ることにより求めることができる。ここで、金属焼結体部102はポーラス状であり、その正確な体積を求めることは困難であるため、金属焼結体102の体積は金属焼結体部102に空隙が全くないとした場合の体積を用いることとする。また、金属焼結体部102の理論密度とは、金属焼結体部102に空隙が全くないとして求めた架空の密度である。
金属焼結体部102を構成する金属は、磁性体であることが好ましい。例えば、低圧放電ランプの製造時に密閉されたガラス管内に配置された水銀放出体100の位置決めを、磁石を用いて正確に、かつ容易に行うことができるからである。磁性体である金属としては、例えば鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)等を選択することができる。
また、金属焼結体部102には、ゲッター材が混合されていてもよい。ゲッター材が混合されていることにより、水素(H2)や酸素(O2)等の不純ガスを吸着させることができる。ゲッター材には、例えばタンタル(Ta)、ニオビウム(Nb)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)など、あるいは、それらの合金又は金属間化合物又は混合物を適用することができる。
また、水銀合金部101の全表面積のうち金属焼結体部102に接触している部分の表面積の比率は30[%]以上であることが好ましい。この場合、水銀合金部101に対する加熱効率をより高めて非常に高い水銀の放出効率を得ることができる。特に、その加熱効率を一層高めるために、水銀合金部101の全表面積のうち金属焼結体部102に接触している部分の表面積の比率は50[%]以上であることがより好ましい。なお、「金属焼結体部102に接触している部分の表面積」とは、金属焼結体部102がポーラスであるため、そのポーラスな内部の空隙の表面積は含めず、最外表面の輪郭より算出した表面積である。
また、金属焼結体部102の水銀と合金を形成しない金属の粒径は、5[μm]以上40[μm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、水銀合金部101から放出される水銀を透過しやすく水銀の放出効率を向上させることができる。
なお、図5に示す金属焼結体部102の粒子形状は鱗片形状であるが、必ずしも鱗片形状である必要はなく多角形状等であってもよい。ただし、鱗片形状の場合は、金属焼結体部102の気孔率を大きくすることができ、水銀の放出効率をより向上させることができる。
また、金属焼結体部102の水銀と合金を形成しない金属の粒子形状は、球形状であってもよい。金属焼結体部102の水銀と合金を形成しない金属の粒子形状が球形状である場合の水銀放出体100の正面写真を図6(a)に、同じく平面写真を図6(b)にそれぞれ示す。この場合、流動性が向上し、後述するように水銀放出体100の成形を行う押出し工程の押出し成形を効率良く行うことができ、生産性を向上させることができる。
また、金属焼結体部102の形状は、図3に示すように、水銀合金部101の外周面を覆うような筒形状であることが好ましい。この場合、高周波加熱により生じる渦電流が筒状に閉じた内面に流れ、水銀合金部101の加熱効率を高めることができる。
(比較実験)
本願発明者は、本発明に係る実施形態の水銀放出体についての水銀の放出効率を確かめるために、従来の水銀放出体との比較実験を行った。
実験に使用した試料は、実施例として、図3に示すような第1の実施形態に係る水銀放出体100で、長さLは3[mm]、金属焼結体部の外径Doは1.4[mm]、内径Diは1[mm]のものを用いた。
従来の水銀放出体としては、比較例1として、図33に示すようなチタンと鉄の混合粉末の焼結体に水銀を含浸させたもので、長さMは3[mm]、外径Nは1.5[mm]のものを用いた。
また、比較例2として、図34に示すようなチタンと水銀の合金を鉄の薄板で覆ったSAES Getters社製のSTHGS/WIRE/NI/0.8−300の長さPを5[mm]にカットしたものを用いた。
なお、実施例、比較例1、比較例2にはそれぞれ1[個]当たり約4[mg]の水銀が含浸されている。
実験では、それぞれ試料を10[個]ずつ作製した。実験は、各試料を一つずつ加熱し、その水銀放出量を測定し、10[個]の平均値を求めた。各試料の加熱温度による水銀放出量の変化を図7にそれぞれ示す。なお、図7中、温度T2は、水銀放出体が収納されているガラス管がその熱によって軟化して変形したり、破損したりするおそれが出始める温度であって、プロセス上の実使用温度の上限値を示す。
図7に示すように、実施例(図7中実線で示す)では、加熱温度Tが温度T1に達するまでの領域のとき、ほとんど水銀が放出されていないのに対して、加熱温度TがT1に達したとき、水銀放出量が急激に増加し、温度T2のときの水銀放出量が比較例1(図7中、一点鎖線で示す)の水銀放出量の約1.5[倍]、比較例2(図7中、二点鎖線で示す)の1.25倍に達する。
一方、比較例1では、加熱温度Tが温度T1に達するまでの領域から水銀が放出され始めており、加熱温度Tが温度T2に達したとき、水銀放出量が増加するものの、実施例ほどの水銀放出量が見受けられない。
また、比較例2では、実施例と同様に加熱温度Tが温度T1に達するまでの領域のときはほとんど水銀が放出されておらず、加熱温度Tが温度T2に達したとき、水銀放出量が増加するものの、実施例ほどの水銀放出量は見受けられない。
水銀放出体の加熱温度Tの実用的な範囲は、水銀放出量が急峻に増加する温度T1から水銀放出体が収納されているガラス管への悪影響がでない温度T2までの領域に設定され、好ましくは温度T2に近い方がより好ましい。
このように加熱温度TがT1からT2までの領域に設定された場合、実施例がもっとも水銀放出量が多い、すなわち水銀の放出効率がもっともよいことがわかる。
しかも、水銀放出体からの水銀放出は、加熱温度Tが温度T1に達するまでの間は無いことが好ましい。これは、時間当たりの温度上昇の制御が難しく、個体間で温度上昇にばらつきが生じ、その結果、加熱温度Tが温度T1に達するまでの間に水銀放出があるとガラス管内へ放出される全水銀量としてばらつきが生じてしまうからである。こうした観点においては、実施例および比較例2が適切であることがわかる。
よって、実施例では、水銀放出量のばらつきを抑えつつ、水銀の放出効率を向上させることができることが確認された。
上記したような結果が得られた理由について次のとおり検討した。
まず、実施例および比較例2では加熱温度Tが温度T1に達するまでの領域のとき、ほとんど水銀が放出されていないのに対して、比較例1では加熱温度Tが温度T1に達するまでの領域から水銀が放出され始めている理由について検討した。
これは、比較例1の場合、チタンと鉄の混合粉末の焼結体に水銀が含浸された水銀放出体であるため、一部のチタンと鉄とが合金を形成し、その部分ではチタンと水銀とが安定した状態で合金を形成することができずに比較的温度が低い場合(温度T1以下の場合)でも水銀が放出されてしまう不安定な状態で合金化しているためであると考えられる。これに対して、実施例や比較例2では、チタンと鉄とが混合されていないので、チタンと水銀とが合金化する際、上記したような不安定な状態で合金化する要因はない。
次に、加熱温度Tが温度T2のときの実施例の水銀放出量が比較例1の水銀放出量の約1.5[倍]、比較例2の約1.25[倍]に達する理由について検討した。
比較例1の場合、チタンと鉄の混合粉末の焼結体に水銀が含浸された水銀放出体であるため、高周波加熱した際の熱源となる鉄が無秩序に散在し、それにより加熱のむらが生じ、加熱効率が悪くなることによるものと考えられる。あるいは、水銀放出体の加熱にむらが生じ、水銀が水銀放出体のうち、十分に温度の高い局部からしか放出されていないためであると考えられる。比較例2の場合、そのような加熱むらが生じないものの、チタンと水銀との合金部分が鉄の薄板で覆われており、その部分からは水銀が放出されにくいからであると考えられる。加えて、比較例2の場合には薄板にスリットが入っているため、渦電流による加熱効率が悪くなることも考えられる。
これらに対して、実施例は、チタンと鉄とが混合されているものではないため、上記したような加熱むらが生じず、しかも水銀合金部101の外側の金属焼結体部102がポーラス状であるために、水銀蒸気が金属焼結体部102を通り抜けやすく、比較例1および比較例2に対して高い水銀の放出効率を得られたと考えられる。
上記のとおり、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の構成によれば、水銀放出量のばらつきを抑えつつ、水銀の放出効率を向上させることができる。
ところで、上記したように水銀合金部101が円柱形状の場合、水銀合金部101の外径は、水銀放出体100の外径の30[%]以上であることが好ましい。この場合、高周波加熱により、金属焼結体部102を加熱する熱が水銀合金部101に伝わりやすく、水銀合金部101を効率良く加熱することができ、水銀の放出効率をより向上させることができる。特に、水銀合金部101における外径の水銀放出体100における外径に対する比率は、水銀合金部101をより効率よく加熱し、水銀の放出効率をより一層向上させるため、60[%]以上であることがより好ましい。なお、水銀合金部101における外径の水銀放出体100における外径に対する比率は、95[%]以下であることが好ましい。95[%]よりも大きくなると金属焼結体部102が水銀合金部101を加熱するのに十分な熱容量を確保しにくく、水銀合金部101の加熱効率が低下するおそれがあるからである。
また、金属焼結体部102の厚みは、10[μm]以上であることが好ましい。金属焼結体部102の厚みが10[μm]より薄い場合には、製造の困難さが伴うためである。さらに、高周波加熱による水銀合金部101の加熱効率の面から、金属焼結体部102の厚みは、50[μm]以上、250[μm]以下であることがより好ましい。
また、金属焼結体部102の外表面の表面粗さ(Ra)は、1以上であることが好ましい。この場合、金属焼結体部102の外表面積を大きくすることができ、水銀合金部101の加熱効率を高めて水銀の放出効率を高めることができる。特に、金属焼結体部102の外表面の表面粗さ(Ra)は、金属焼結体部102の外表面積をさらに大きくし、水銀合金部101の加熱効率をさらに高めて水銀の放出効率を一層高めるため、2以上であることがより好ましい。なお、金属焼結体部102の外表面の表面粗さ(Ra)は10以下であることが好ましい。金属焼結体部102の外表面が極端に粗いと、ランプ製造に際し、パーツフィーダによる搬送等製造上の困難さが生じるからである。
なお、金属焼結体部102の表面粗さは、株式会社キーエンス社製のレーザー顕微鏡VK−8710を用いて測定した。測定は、金属焼結体部102の外周面上を一端から他端へと水銀放出体100の長手方向の中心軸X100に平行な方向に走査して行った。この測定は、金属焼結体部102の外周面上の一端であって、等間隔に離れた4[箇所]を始点としてそれぞれ行った。そして、それらの平均値を算出することにより金属焼結体部102の表面粗さを求めた。
また、金属焼結体部102は、ポーラス状に形成されていることから、金属焼結体部102にゲッター材を混合しなくても、本実施形態の水銀放出体100はゲッター効果を持つことを本発明者は見出した。ゲッター材を用いずに、本実施形態の水銀放出体100によってゲッター効果を得られることは、製造上の大きな技術的な意義をもたらす。
本実施形態の水銀放出体100のゲッター効果について、図8〜図12を参照しながら説明する。この実験は、図8に示すようにして行い、図9〜図12は、その実験結果を示すグラフである。
まず、図8(a)に示すように、クリアバルブ(ガラス管)210を用意した。クリアバルブ210の長手方向の長さは40cmであり、クリアバルブ210内の封入ガス成分220は、Ne95%+Ar5%とする。なお、クリアバルブ210の外周には、加熱排気時に使用する加熱ヒーターを配置することができる。
ここでは、水銀放出体(以下、Hgペレットと称する)をクリアバルブ210内に配置せずに、排気と封止を行って、不純ガス成分の分圧を測定する。分圧の測定は、四重極質量分析計を用いて実行する。測定した不純ガスは、H(水素)、CO(二酸化炭素)、H.C.(炭化水素)、N+CO(窒素+一酸化炭素)である。なお、この実験では、上述の比較例1と比較例2に、比較例3も加えて実験を行う。比較例3は、Ni製の金属パイプの中にTiHgを主成分とするHgアマルガムを圧入したHgペレットである。
次に、図8(b)に示すように、Hgペレット200(実施例、比較例1、比較例2、比較例3)をクリアバルブ210内に入れた後、クリアバルブ210内を排気と封止をして不純ガス成分の分圧を測定する。
次に、図8(c)に示すように、クリアバルブ210内に配置されたHgペレット200(実施例、比較例1、比較例2、比較例3)に対して高周波加熱を1分間行って、不純ガス成分の分圧を測定する。高周波加熱は、高周波加熱器250を用いて行う。この加熱によって、Hgペレット200から水銀240(実際には、水銀蒸気)が放出される(矢印245参照)。
最後に、図8(d)に示すように、Hgペレット200(実施例、比較例1、比較例2、比較例3)を400℃で5分間加熱し(アニール工程)、不純ガス成分の分圧を測定する。この加熱は、電気炉260によって行う。なお、加熱後は、Hgペレット200の部分をチップオフする。
図9から図12は、それぞれ、H(水素)、CO(二酸化炭素)、H.C.(炭化水素)、N+CO(窒素+一酸化炭素)についての各段階(ペレットなし、排気、高周波、アニール)の測定結果を示している。
図9からわかるように、実施例のHgペレット(水銀放出体100)は、H(水素)の分圧を下げる効果があり、すなわち、H(水素)に対するゲッター効果が認められた。H(水素)については、排気段階(図8(b))、高周波段階(図8(c))、アニール段階(図8(d))ともに良好なゲッター効果の特性を示した。
バックライトの用途においてガラスバルブ内にH(水素)が混入していると、ランプ特性が低下するので、本実施形態の水銀放出体100によってH(水素)の分圧(濃度)を低下できることの技術的意義は大きい。なお、図9から図12中の縦軸の分圧は、mbarの単位で表し、そして、例えば1.00E−02は、1.00×10−2を表している。
図10から図12からわかるように、CO(二酸化炭素)、H.C.(炭化水素)、N+CO(窒素+一酸化炭素)についても不純ガスの分圧低下が観測された。
また、図1に示した本実施形態の水銀放出体100の水銀放出部10は、焼結体層20を介して水銀を含浸させて、水銀と第1金属(ここでは、チタン)とを反応させることによって形成されるが、その場合、その水銀合金は、TiHgとすることができることが測定によりわかった。X線解析による測定結果を図13に示す。
図13に示した結果からは、ほぼTiHgのピークのみ(例えば、90%以上)が検出され、TiHgはほとんど検出されなかった。水銀放出部10の水銀合金をほぼTiHgのみから構成すると、TiHgよりも分解し易くなるので、放出特性が向上するという利点が得られる。なお、水銀合金の形成条件によっては、TiHgだけでなく、TiHgも生成させることができる。図14には、TiHgのピークと、TiHgのピークを表示した測定結果を示している。
次に、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の製造方法について説明する。その製造工程の工程図を図15に示す。
図15に示すように、まず、原料粉末を準備する。具体的には、水銀合金部101の材料となる例えばチタンの粉や金属焼結体部102の材料となる例えば鉄の粉である。
(混合・混練工程)
次に、チタン粉および鉄粉をそれぞれ別々にバインダや種々の添加剤、水を加えて混合し、十分に混練する。バインダは、例えばメチルセルロースである。これにより、チタン坏土および鉄坏土を作製する。
(押出し成形工程)
次に、チタン坏土と鉄坏土とをそれぞれ第1、第2の押出し成形機(図示せず)に投入する。この第2の成形機には同軸2層押出し用のダイスが設置されている。そして、第1の押出し成形機から棒状のチタン成形体を導出し、そのチタン成形体を第2の押出し成形機のダイス部分に導入して外側に鉄坏土が積層された同軸構造の円柱体状の成形体を連続的に形成する。その後、この成形体を所定の硬さになるまで乾燥させる。なお、成形方法は、押出し成形に限らず、プレス成形や、チタン坏土を棒状に成形した後にスラリー化した鉄中にディップさせる等の方法を用いることができる。
(カット工程)
次に、成形体を所定の長さでカットする。このカットする長さによって、水銀放出体100中の水銀含浸量を所望の量に調節することができる。なお、水銀放出体100の水銀含浸量は、これ以外にもチタン坏土のバインダ量、水銀合金部101の外径、焼成工程における焼成温度等を変化させることで調節することができる。
(焼結工程)
次に、成形体をアルゴン雰囲気中で、例えば500[℃]で加熱し、成形体内のバインダを取り除く。そして、真空雰囲気中で、例えば900[℃]で焼結し、焼結体を作製する。
(水銀含浸工程)
その後、焼結体と水銀を加熱容器に投入し、加熱容器を真空ポンプを用いて真空状態として、500[℃]〜600[℃]程度の温度で長時間、例えば12[h]〜15[h]程度加熱して、チタンと水銀とを合金化させる。
この際、鉄は水銀と合金を形成しないため、鉄の焼結体内には水銀は残らず、チタンの焼結体内でチタンと水銀との合金が形成され、水銀放出体100が完成される。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法は、製造工程の途中で水銀放出体が取り出され、ランプ完成後にはガラスバルブの内部に水銀放出体が無い状態の低圧放電ランプについての製造方法である。
本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法の製造工程の工程A〜工程Gまでの概略図を図16に、工程H〜工程Jまでの概略図を図17にそれぞれ示す。
(工程A)
まず、準備した直管状のガラス管300の下端部を垂下させてタンク301内の蛍光体懸濁液302に浸す。この蛍光体懸濁液302には、例えば青色、赤色、緑色の蛍光体粒子が含まれている。ガラス管300内を負圧にすることで、タンク301内の蛍光体懸濁液302を吸い上げ、ガラス管300内面に蛍光体懸濁液を塗布する。この吸い上げは光学的センサ303により液面を検出することで、液面がガラス管300の所定高さになるように設定される。このときの液面高さの誤差は、蛍光体懸濁液302の粘度や液面の表面張力等の影響を受けるため比較的大きく、±0.5[mm]程度の誤差が生じる。
(工程B)
次に、大気に開放し、その後ガラス管300の下端部を蛍光体懸濁液302から引き上げ、ガラス管300内部の蛍光体懸濁液302を外部に排出する。これにより、ガラス管300の内周の所定領域に蛍光体懸濁液が膜状に塗布される。
続いて、ガラス管300内に塗布された蛍光体懸濁液302を乾燥させた後に、ガラス管300内面にブラシ等304を挿入して、ガラス管300端部の不要な蛍光体部分を除去する。
続いて、ガラス管300を不図示の加熱炉内に移送して焼成を行い、蛍光体膜305を得る。
(工程C)
その後、蛍光体膜305が形成されたガラス管300の一端部に、電極306、ビードガラス307およびリード線308を含む電極ユニット309を挿入した後、仮止めを行う。仮止めとは、ビードガラス307が位置するガラス管300の外周部分をバーナー310で加熱して、ビードガラス307の外周の一部をガラス管300内周面に固着することをいう。ビードガラス307の外周の一部しか固着しないので、ガラス管300の管軸方向の通気性は維持される。
(工程D)
次に、ガラス管300の上下を逆さにして先ほどの電極ユニット309を挿入した側とは反対側からガラス管300に、電極ユニット309と実質的に同じ構成の電極311、ビードガラス312およびリード線313を含む電極ユニット314を挿入した後、ビードガラス312が位置するガラス管300の外周部分をバーナー315で加熱し、ガラス管300を封着して気密封止(第1封止)する。また、第1封止における封止位置の設定値から誤差は約0.5[mm]程度である。
なお、工程Cにおける電極ユニット309の挿入位置及び工程Dにおける電極ユニット314の挿入は、後述する封止後のガラスバルブ402の両端部からそれぞれ延びる蛍光体層405の不存在領域の長さが異なるような位置になるようにその挿入量を調整されることが好ましい。この場合、他端部側の電極ユニット314は、一端部側の電極ユニット309と比べて、蛍光体膜305に重なる位置より奥にまで挿入されることとなる。このような構成を好適とする理由は次のとおりである。すなわち、ランプの一端部と他端部とでは、蛍光体層405の厚みに差異が生じていることが多く、複数本のランプを同じ方向にしてバックライトユニット等の照明装置に組み込むと、照明装置全体として輝度むらが生じることとなる。これを防止するために、例えばランプの一端部と他端部とを交互になるように照明装置に組み込むことが考えられる。その際、ランプの一端部と他端部とをセンサ等を用いて自動的に容易に識別することができるからである。センサとして200万[画素]の画像センサを用いれば、1[画素]を0.1[mm]に設定することが可能であるため、0.1[mm]単位での測定精度を実現できる。
これらの事情を考慮すれば、ガラスバルブ401の一端部側と他端部側とで、蛍光体層404の不存在領域の長さの差が少なくとも2[mm]以上あれば、確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。
なお、ガラスバルブ401の一端部側と他端部側とで、蛍光体層404の不存在領域の長さの差が少なくとも3[mm]以上であれば、より確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。この場合、画像センサは、0.5[mm]単位での測定精度のもので構わない。また、長さの差の上限値は例えば8[mm]程度である。8[mm]より大きくすると、発光に寄与しない蛍光体層404の不存在領域が長くなり、有効発光長が確保しにくくなるからである。
(工程E)
続いて、ガラス管300のうち、電極ユニット309とこの電極ユニット309に近い方のガラス管300の端部との間の一部をバーナー316で加熱して縮径させ、くびれ部分300aを形成する。その後、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100をガラス管300内に当該端部から投入し、くびれ部分300aに引っかけておく。
(工程F)
続いて、ガラス管300内の排気とガラス管300内への封入ガスの充填を順次行う。具体的には、給排気装置(図示せず)のヘッドをガラス管300の水銀放出体100側端部に装着し、先ず、ガラス管300内を排気して真空にすると共に、加熱装置(図示せず)によってガラス管300全体を外周から加熱する。これによって、蛍光体膜305に潜入している不純ガスを含めガラス管300内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の封入ガス(例えばアルゴン:95[%]、ネオン:5[%]の分圧比の混合ガスのような混合希ガス等)が充填される。
(工程G)
封入ガスが充填されると、ガラス管300の水銀放出体100側端部をバーナー317で加熱して封止する。
(工程H)
続いて、図8に示す工程Hでは、水銀放出体100をガラス管300周囲に配された高周波発振コイル(図示せず)によって誘導加熱して水銀放出体100から水銀を放出させる(水銀出し工程)。なお、水銀放出体100の加熱方法は、例えば光加熱のような種々の公知の方法を用いることができる。その後、ガラス管300を加熱炉318内で加熱して、放出させた水銀を電極ユニット314の電極311の方へ移動させる。
(工程I)
次に、ビードガラス307が位置するガラス管300外周部分をバーナー319で加熱して、ガラス管300を封着して気密封止する。この一端部の封止位置の設定値からの誤差は、他端部と同様に±0.5[mm]程度である。
(工程J)
続いて、ガラス管300のうち、前記一端部の封止部分よりも水銀放出体100側の端部部分を切り離す。
これで低圧放電ランプが完成する。
上記のとおり、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法の構成によれば、水銀の放出効率のよい水銀放出体100を用いているので、水銀放出体100に含浸させる水銀量を削減することができ、言い換えればランプに対する水銀の使用量を削減することができ、環境への負荷を低減することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプ400(以下、単に「ランプ400」という)の管軸を含む断面図を図18(a)に、A部の拡大断面図を図18(b)にそれぞれ示す。図18(a)に示すように、ランプ400は、冷陰極蛍光ランプであり、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法により製造される低圧放電ランプとは異なり、ランプ400内部に水銀放出体401が残っているものである。
ランプ400は、ガラスバルブ402、電極403およびリード線404で構成されている。ガラスバルブ402は、直管状であり、その管軸に対して垂直に切った断面が略円形状である。このガラスバルブ402は、例えば外径が3.0[mm]、内径が2.0[mm]、全長が750[mm]であって、その材料はホウ珪酸ガラスである。以下に示すランプ400の寸法は、外径が3.0[mm]、内径が2.0[mm]のガラスバルブ402の寸法に対応する値である。なお、冷陰極蛍光ランプである場合には、内径が1.4[mm]〜7.0[mm]、肉厚が0.2[mm]〜0.6[mm]の範囲であって、全長が1500[mm]以下であることが好ましい。これらの値は一例でありこれらに限定されるものではない。
ガラスバルブ402の内部には、水銀がガラスバルブ402の容積に対して所定の比率、例えば、0.6[mg/cc]で封入され、またアルゴンやネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば60[Torr]で封入されている。なお、上記希ガスとしては、アルゴンとネオン(Ar=5[%]、Ne=95[%])の分圧比の混合ガスが用いられる。
また、ガラスバルブ402の内面には蛍光体層405が形成されている。蛍光体層405に用いる蛍光体粒子は、例えば、赤色蛍光体粒子(Y23:Eu3+)、緑色蛍光体粒子(LaPO4:Ce3+,Tb3+)および青色蛍光体粒子(BaMg2Al1627:Eu2+)からなる蛍光体で形成されている。
また、ガラスバルブ402の内面と蛍光体層405との間には例えば酸化イットリウム(Y23)等の金属酸化物の保護膜(図示せず)を設けてもよい。
さらに、ガラスバルブ402の両端部からはリード線404が外部へ向けて導出されている。リード線404は、ビードガラス406を介してガラスバルブ402の両端部に封着されたものである。
このリード線404は、例えば、タングステンからなる内部リード線404aと、ニッケルからなる外部リード線404bとからなる継線である。内部リード線404aの線径は1[mm]、全長は3[mm]で、外部リード線404bの線径は0.8[mm]、全長は5[mm]である。
内部リード線404aの先端部にはホロー型、例えば有底筒状の電極403が固着されている。この固着は、例えばレーザ溶接を利用して行う。
電極403の各部の寸法は、例えば電極長が5[mm]、外径が1.70[mm]、内径が1.50[mm]、肉厚が0.10[mm]である。
図9(b)に示すように、少なくとも一方の内部リード線404aの電極403とビードガラス406との間には、水銀放出体401が固定されている。水銀放出体401は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100に内部リード線を通すための貫通孔401aが形成されたものである。なお、水銀放出体401は、リード線404ではなく、電極403に固定されていてもよい。
上記のとおり、本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの構成によれば、水銀の放出効率がよい水銀放出体401を用いているので、水銀放出体401に含浸させる水銀量を削減することができ、言い換えればランプに対する水銀の使用量を削減することができ、環境への負荷を低減することができる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ(以下、単に「ランプ500」という)の管軸を含む断面図を図19(a)に、B部の拡大断面図を図19(b)にそれぞれ示す。図19(a)に示すように、ランプ500は、熱陰極蛍光ランプであり、本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法により製造される低圧放電ランプとは異なり、ランプ500内部に水銀放出体401が残っているものである。
ランプ500は、熱陰極蛍光ランプであり、ガラスバルブ501と電極マウント502とで構成されている。
ガラスバルブ501は、例えば全長は1010[mm]、外径が18[mm]、肉厚が0.8[mm]であり、その両端には電極マウント502が封着されている。
ガラスバルブ501の内面には、蛍光体層405が形成されおり、ガラスバルブ501の内部には、水銀(例えば4[mg]〜10[mg])が封入されている他、緩衝ガスとしてアルゴン(Ar)及びクリプトン(Kr)の混合ガス(例えば、Arが50[%]、Krが50[%]の分圧比の混合ガス)が例えば600[Pa]の封入ガス圧で封入されている。
図19(a)に示すように、電極マウント502は所謂ビーズガラスマウントであり、タングステン製のフィラメント電極503と、このフィラメント電極503を架持する一対のリード線504と、この一対のリード線504を固定支持するビードガラス505とからなる。
図19(b)に示すように、少なくとも一方の電極マウント502のリード線504には、水銀放出体401が固定されている。ただし、ここで用いる水銀放出体401の貫通孔401aは、リード線504の線径に合わせたものである。
電極502のうちのガラスバルブ501の端部に封着されるのは、リード線504の一部分であり、具体的には、ビードガラス505からフィラメント電極503と反対側に延出している部分である。なお、電極マウント502のガラスバルブ501への封着は、例えばピンチシール法により行われている。
なお、ガラスバルブ501の少なくとも一方の端部には、排気管残部506が電極502と共に取着されている。この排気管残部506は、電極マウント502を封着した後に、ガラスバルブ501内を排気したり、上記封入ガス等を封入したりするときに使用され、ガラスバルブ501の内部への封入ガス等の封入が完了すると、排気管残部506のうちガラスバルブ501の外部に位置する部分で、例えばチップオフ封止される。
上記のとおり、本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ500の構成によれば、水銀の放出効率がよい水銀放出体401を用いているので、水銀放出体401に含浸させる水銀量を削減することができ、言い換えればランプに対する水銀の使用量を削減することができ、環境への負荷を低減することができる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニット600の分解斜視図を図20に示す。本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニット600は直下方式であり、一つの面が開口した直方体状の筐体601と、この筐体601の内部に収納された複数のランプ400と、ランプ400を点灯回路(図示せず)に電気的に接続するための一対のソケット602と、筐体601の開口部を覆う光学シート類603とを備えている。なお、ランプ400は、本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプ400である。
筐体601は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面に銀などの金属が蒸着されて反射面604が形成されている。なお、筐体601の材料としては、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウムや冷間圧延材(例えばSPCC)等の金属材料により構成してもよい。また、内面の反射面604として金属蒸着膜以外、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に炭酸カルシウム、二酸化チタン等を添加することにより反射率を高めた反射シートを筐体601に貼付したものを用いてもよい。
筐体601の内部には、ソケット602、絶縁体605およびカバー606が配置されている。具体的に、ソケット602は、ランプ400の配置に対応して筐体601の短手方向(縦方向)に各々所定間隔を空けて設けられている。ソケット602は、例えばステンレスやりん青銅からなる板材を加工したものであって、外部リード線404bが嵌め込まれる嵌込部602aを有している。そして、外部リード線404bを嵌込部602aを押し拡げるように弾性変形させて嵌め込む。その結果、嵌込部602aに嵌め込まれた外部リード線404bは、嵌込部602aの復元力によって押圧され、外れにくくなる。これにより、外部リード線404bを嵌込部602aへ容易に嵌め込むことができつつ、外れにくくすることができる。
ソケット602は、互いに隣り合うソケット602同士で短絡しないように絶縁体605で覆われている。絶縁体605は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で構成されている。なお、絶縁体605は、上記の構成に限定されない。ソケット602はランプ400の動作中に比較的高温となる内部電極403の近傍にあることから絶縁体605は耐熱性のある材料で構成することが好ましい。耐熱性のある絶縁体605の材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂やシリコンゴム等を適用することができる。
筐体601の内部には、必要に応じた場所にランプホルダ607を設けてもよい。筐体601内側でのランプ400の位置を固定するランプホルダ607は、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂であり、ランプ400の外面形状に沿うような形状を有している。「必要に応じた場所」とは、ランプ400の長手方向の中央部付近のように、ランプ400が例えば全長600[mm]を越えるような長尺のものである場合に、ランプ400のたわみを解消するために必要な場所である。
カバー606は、ソケット602と筐体601の内側の空間とを仕切るものであり、例えばポリカーボネート(PC)樹脂で構成し、ソケット602の周辺を保温するとともに、少なくとも筐体601側の表面を高反射性とすることにより、ランプ400の端部の輝度低下を軽減することができる。
筐体601の開口部は、透光性の光学シート類603で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。光学シート類603は、拡散板608、拡散シート609およびレンズシート610を積層してなる。
拡散板608は、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂製の板状体であって、筐体601の開口部を塞ぐように配置されている。拡散シート609は、例えばポリエステル樹脂製である。レンズシート610は、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂の貼り合せである。これらの光学シート類603は、それぞれ拡散板608に順次重ね合わせるようにして配置されている。
上記のとおり、本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニット600の構成によれば、水銀使用量の少ないランプを用いているので、環境負荷の小さいバックライトユニットを実現することができる。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係るバックライトユニットの一部切欠斜視図を図21に示す。本発明の第6の実施形態に係るバックライトユニット700は、エッジライト方式で、反射板701、ランプ400、ソケット(図示せず)、導光板702、拡散シート703およびプリズムシート704から構成されている。
反射板701は、液晶パネル側(矢印Q)を除く導光板702の周囲を囲むように配置されており、底面を覆う底面部701bと、ランプ400の配置されている側を除く側面を覆う側面部701aと、ランプ400の周囲を覆う曲面状のランプ側面部701cとで構成されており、ランプから照射される光を導光板702から液晶パネル(図示せず)側(矢印Q)に反射させる。また、反射板701は、例えばフィルム状のPETに銀を蒸着したものやアルミ等の金属箔と積層したもの等からなる。
ソケットは、本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニット600に用いられるソケット602と実質的に同じ構成を有している。なお、図21において、図示の便宜上により、ランプ400の端部については省略している。 導光板702は、反射板により反射された光を液晶パネル側に導くためのものであって、例えば透光性プラスチックからなり、バックライトユニット700の底面に設けられた反射板701aの上に積重されている。なお、材料としては、ポリカーボネート(PC)樹脂やシクロオレフィン系樹脂(COP)を適用することができる。
拡散シート703は、視野拡大のためのものであって、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエステル樹脂製の拡散透過機能を有するフィルムからなり、導光板702の上に積重されている。
プリズムシート704は、輝度を向上させるためのものであって、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂とを貼り合せたシートからなり、拡散シート703の上に積層されている。なお、プリズムシート704の上にさらに拡散板が積層されていてもよい。
なお、本実施形態の場合には、ランプ400の周方向における一部分(バックライトユニット700に挿入した場合における導光板702側)を除き、ガラスバルブ402の外面に反射シート(図示せず)を設けたアパーチャ型のランプであってもよい。
上記のとおり、本発明の第6の実施形態に係るバックライトユニット700の構成によれば、水銀使用量の少ないランプを用いているので、環境負荷の小さいバックライトユニットを実現することができる。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る液晶表示装置の概要を図22に示す。図22に示すように液晶表示装置800は、例えば32[inch]テレビであり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット801と本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニット600と点灯回路802とを備える。
液晶画面ユニット801は、公知のものであって、液晶パネル(カラーフィルター基板、液晶、TFT基板等)(図示せず)、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
点灯回路802は、バックライトユニット600内部のランプ400を点灯させる。そして、ランプ400は、点灯周波数40[kHz]〜100[kHz]、ランプ電流3.0[mA]〜25[mA]で動作される。
なお、図22では、液晶表示装置800の光源装置として本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニット600に第1の実施形態に係る低圧放電ランプ400を挿入した場合について説明したが、これに限らず、本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ500を適用することもできる。また、バックライトユニットについても、本発明の第6の実施形態に係るバックライトユニット700も用いることができる。
上記のとおり、本発明の第7の実施形態に係る液晶表示装置の構成によれば、水銀使用量の少ないランプを用いているので、環境負荷の小さい液晶表示装置を実現することができる。
<変形例>
以上、本発明を上記した各実施形態に示した具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施形態に示した具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
1.水銀放出体の変形例
(1)変形例1
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例1の斜視図を図23に、その正面図を図24(a)に、その平面図を図24(b)にそれぞれ示す。本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例1(以下、単に「水銀放出体103」という)は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100とは、その外形形状が異なる。よって、その形状について詳細に説明し、その他の点については省略する。
水銀放出体103は、端部がテーパー形状となっている。具体的には、水銀放出体103の金属焼結体部104の端部がテーパー形状104aとなっている。
水銀放出体103は、その端部がテーパー形状となっていることで、移送する際、他の水銀放出体と衝突して毀損するのを防止することができる。また、水銀放出体103の端部がテーパー形状となっていることで、細管の低圧放電ランプを作製する際、ガラス管への水銀放出体103の投入を容易に行うことができる。なお、水銀放出体103の一端部のみがテーパー形状となっていてもよい。
(2)変形例2
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例2の斜視図を図25に、その正面図を図26(a)に、その平面図を図26(b)にそれぞれ示す。本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例2(以下、単に「水銀放出体105」という)は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100とは、その水銀合金部106の形状が異なる。よって、その形状について詳細に説明し、その他の点については省略する。
水銀放出体105は、水銀合金部106の例えば中心軸を含むその軸方向に貫通孔106aが形成された筒状となっている。
水銀放出体105は、筒状となっていることで、水銀がその内面と金属焼結体部102側の両側から放出され、水銀の放出効率をより向上させることができる。なお、水銀放出体105の内面にさらに金属焼結体部102が形成されていてもよい。この場合、高周波加熱する際、高周波加熱の渦電流が水銀放出体105の内面にも達し、水銀合金部106の加熱効率を高めて水銀の放出効率をより向上させることができる。
また、図25および図26に示す、水銀放出体は、円筒形状となっているが、これに限らず、多角形の筒形状等であってもよい。
ところで、貫通孔106aの外径Dhの、水銀合金部106の外径Diに対する比率は、5[%]以上60[%]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、Dhが小さすぎると放出効率がさほど上がらず、また大きすぎると所定の水銀含浸量が得られず、かつ加熱効率も低下するためである。
(3)変形例3
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例3の斜視図を図27に示す。本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例3(以下、「水銀放出体109」という)は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100とは、その形状が異なる。よって、その形状について詳細に説明し、その他の点については省略する。
水銀放出体109は、平板状である。具体的には、水銀放出体109は、平板状の水銀合金部110に金属焼結体部111が積層されている。すなわち、水銀放出部110が焼結体部111によって覆われているのであれば、図27に示す構成(109)を採用することも可能である。水銀放出体109は、シート工法により、プレス成形加工で作製することができるため、製造工程をより簡易化することができる。
なお、図27に示す水銀合金部110の金属焼結体部111とは反対側の面にも金属焼結体部111を積層し、水銀合金部110が二つの金属焼結体部111で両挟みされたものである。この場合、水銀合金部110の加熱の効率が高まり、水銀の放出効率をより向上させることができる。ただし、図27に示した構成(平板状の構成)以外の他の構成を採用することも可能である。
例えば、図28に示す水銀放出体109は、図27に示した平板状の構成を屈曲させて略円筒形状にしたものである。あるいは、図29に示した水銀放出体109は、水銀合金部110の端面が金属焼結体部111で覆われた構成にすることも可能である。図29に示した構成の場合、水銀合金部110の端面が金属焼結体部111で覆われており、表面と裏面が連続していることから、渦電流の効率を向上させることができるという効果を奏し得る。
なお、水銀放出部110が焼結体部111によって覆われているのであれば、水銀放出体の一部(焼結体部の一部)にスリットを設けることも可能である。
図28及び図29に示した構成も、水銀放出体の一部にスリットが形成されている形態といえるが、例えば、図3に示した水銀放出体100の長手方向の中心軸X100に対してスリットを平行に設けたり、垂直に設けたり、斜めに設けたりすることも可能である。
水銀放出体は、金属焼結体部の一部にスリットを設けると、スリットの部分から水銀を放出させやすくして、水銀の放出効率をより高めれる可能性がある一方で、スリットの存在による渦電流の効率の低下の問題も生じるので、スリットを形成する場合の設計には配慮が必要である。
(4)変形例4
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例4の斜視図を図30に示す。本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例4(以下、「水銀放出体112」という)は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例3をスパイラル状に巻きつけたものである。具体的には、最終的に金属焼結体部111が外側となるように、金属焼結体部111と水銀合金部110が積層されたものをスパイラル状に巻きつけたものである。この場合、水銀合金部110の片面を金属焼結体部111で覆ったものでも、水銀合金部110の両面を金属焼結体部111で覆ったものであってもよい。
このような水銀放出体112は、その内部を含めて全体的に高周波加熱により加熱されるので、水銀の放出効率を一層向上させることができる。
(5)変形例5
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例5の一部切欠き斜視図を図31に示す。本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例5(以下、単に「水銀放出体113」という)は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100とは、その形状が異なる。よって、その形状について詳細に説明し、その他の点については省略する。
水銀放出体113は、棒状の水銀合金部101に帯状の金属焼結体部114が巻き付けられている。この構成により、水銀放出体113は、水銀合金部101と金属焼結体部114を同時に押出ししなくても、水銀合金部113となる棒状体の坏土を成形した後に金属焼結体部114となる坏土を巻き付けることで成形することができる。
(6)変形例6
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例6の一部切欠き斜視図を図32に示す。本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例6(以下、単に「水銀放出体115」という)は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100とは、その形状が異なる。よって、その形状について詳細に説明し、その他の点については省略する。
水銀放出体115は球状で、球形状の水銀合金部116の外側全体に金属焼結体部117が積層されている。
水銀放出体115は、その外側が全て金属焼結体部117で覆われていることで、水銀放出体115を移送する際、水銀が含浸されている水銀合金部116に直接触れることなく作業できるため、作業の安全性を向上させることができる。なお、水銀合金部116が全て金属焼結体部117に覆われていれば、球形状に限らず、多面体形状等(例えば、断面矩形、断面六角形など)でもよい。球形状の場合、角がないため、移送の際に水銀放出体115同士が衝突することによって損傷するのを防止することができる。また、球形状の場合、輸送の際、他の形状よりも輸送容器に密に詰め込むことができるため、輸送の効率を高めることができる。
なお、本発明の技術的思想と本質的に相違するが、水銀を放出する水銀放出構体の一端部に、金属キャップや金属棒を溶接するための薄い部材を取り付けた構造が特開平4−341748号公報に開示されている。しかしながら、同公報に開示された構造は、本実施形態の水銀放出体100のように水銀の放出効率を向上させる技術とは大きく相違し、溶接作業中に水銀のガスが発生することなく、溶接作業を安全に行うことができるための技術である。
本発明は、水銀放出体、それを用いた低圧放電ランプの製造方法および低圧放電ランプに広く適用することができる。
本発明は、水銀放出体、それを用いた低圧放電ランプの製造方法および低圧放電ランプならびにバックライトユニット、液晶表示装置に関する。
バックライト用の冷陰極蛍光ランプ等の低圧放電ランプの発光管に水銀を封入するために、水銀が含浸された水銀放出体が用いられている。そして、この水銀放出体を、発光管となるガラス管内に配置して外部から高周波加熱することにより熱せられて水銀を放出させる。このとき、外部からの高周波加熱によって発熱する熱源として、水銀と合金を形成しない鉄(Fe)が用いられる。
具体的には、図33に示すように従来の水銀放出体1として、例えば水銀と合金を形成するチタン(Ti)と水銀と合金を形成しない鉄とを混合して焼結し、水銀を含浸させたものがある(例えば特許文献1等参照)。
また、図34に示すように別の水銀放出体4として、チタンと水銀との合金2を鉄の薄板で形成された容器3内に保持したものもある(例えば特許文献2等参照)。なお、容器3には、破裂防止のためのスリット部3aが設けられている。
特開平5−121044号公報 特開2006−128142号公報
しかしながら、従来の水銀放出体1では、水銀の放出効率が悪いという問題があった。それは、従来の水銀放出体1の場合、水銀を含浸させる媒体としてチタンと鉄との焼結体を用いているが、高周波加熱して水銀を放出させる際、その熱源となる鉄が水銀放出体1内で無秩序に散在しているために、水銀放出体1を全体的に均一に加熱することができないためであると考えられる。
一方、従来の水銀放出体4でも十分な水銀放出効率が得られないという問題があった。この場合は、チタンと水銀との合金2が鉄の薄板で覆われているため、熱せられて水銀が放出する際、合金2のうち容器から露出した部分からしか水銀が出ることができないためであると考えられる。
また、このように水銀の放出効率の悪い水銀放出体1,4を用いて低圧放電ランプを製造する際、水銀放出体1,4には低圧放電ランプが点灯に必要とする以上の水銀を含浸させておく必要がある。水銀が有害物質であることから、必要以上の水銀を使用することは環境上好ましくない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、水銀の放出効率を向上させた水銀放出体を提供することにある。
また、本発明は、水銀の使用量を削減することができる低圧放電ランプの製造方法、低圧放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る水銀放出体は、チタン(Ti)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)およびマグネシウム(Mg)からなる群から選択された少なくとも一種の第1金属と、水銀(Hg)とを含む水銀合金から構成された水銀放出部と、前記水銀放出部を覆い、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)からなる群から選択された少なくとも一種の第2金属を含む材料から構成された焼結体層とを備える。
ある好適な実施形態において、前記焼結体層は、ポーラス状に形成されている。
ある好適な実施形態において、前記焼結体層を構成する材料の粒子形状が鱗片形状である。
ある好適な実施形態において、前記焼結体層を構成する材料の粒子形状が球形状である。
ある好適な実施形態において、前記焼結体層の気孔率が5[%]以上である。
ある好適な実施形態において、前記水銀放出部は、円柱形状であり、前記焼結体層は、円筒形状であり、前記焼結体層の円筒形状の中央部に、前記円柱形状の前記水銀放出部が位置付けられている。
ある好適な実施形態において、前記第1金属は、チタン(Ti)であり、前記第2金属は、鉄(Fe)である。
ある好適な実施形態において、前記水銀合金は、TiHgである。
ある好適な実施形態において、前記水銀放出部は、前記焼結体層を介して水銀を含浸させて、当該水銀と前記第1金属とを反応させることによって形成されている。
ある好適な実施形態において、前記焼結体層は、前記第2金属からなる金属焼結体層であり、前記金属焼結体層は、磁性体である。
本発明に係る水銀放出体は、水銀合金部と、水銀と合金を形成しない金属の焼結体からなる金属焼結体部とが層状になっており、前記金属焼結体部はポーラス状であることを特徴とする。また、「水銀と合金を形成しない金属」とは、例えば鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)やこれらの合金等のように水銀と反応しにくく合金を形成しにくい金属のことをいう。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記水銀合金部は、水銀と合金を形成する金属の焼結体と、水銀との合金からなることが好ましい。ここで、「水銀と合金を形成する金属」とは、例えばチタン(Ti)、錫(Sn)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)やこれらの合金等のように、水銀と反応して合金を形成する金属をいう。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記金属焼結体部における水銀と合金を形成しない金属が磁性体であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記金属焼結体部における水銀と合金を形成しない金属の粒子形状が鱗片形状であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記金属焼結体部における水銀と合金を形成しない金属の粒子形状が球形状であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記金属焼結体部の気孔率が5[%]以上であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記水銀合金部が棒状であり、その周囲に前記金属焼結体部が積層されてなることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記水銀合金部が円柱形状の棒状であり、その外周面に前記金属焼結体部が積層され、前記水銀合金部の外径は、前記水銀放出体の外径の30[%]以上であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記水銀合金部に貫通孔が形成されて筒形状になっていることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記金属焼結体部の厚みが10[μm]以上であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記水銀合金部の全表面積のうち前記金属焼結体部に接触している部分の表面積の比率が30[%]以上であることが好ましい。
また、本発明に係る水銀放出体は、前記水銀合金部にゲッター材が混合されていることが好ましい。
本発明に係る低圧放電ランプの製造方法は、前記水銀放出体をガラス管の内部に挿入する工程を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明に係る低圧放電ランプは、ガラスバルブと、前記ガラスバルブの内部に配置された電極と、前記電極を支持して前記発光管の少なくとも一方の端部に封着されたリード線とで構成される低圧放電ランプであって、前記発光管の内部であって、前記リード線または前記電極に前記水銀放出体が固定されていることを特徴とする。
本発明に係るバックライトユニットは、前記低圧放電ランプを備えることを特徴とする。
本発明に係る液晶表示装置は、前記バックライトユニットを備えることを特徴とする。
本発明に係る水銀放出体は、水銀の放出効率を向上させることができる。
また、本発明に係る低圧放電ランプの製造方法、低圧放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置は、水銀の使用量を削減することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す場合がある。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
本実施形態の水銀放出体100は、図1に示すように、水銀放出部10と、水銀放出部10を覆う焼結体層20とから構成されている。
水銀放出部10は、チタン(Ti)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)およびマグネシウム(Mg)からなる群から選択された少なくとも一種の第1金属と、水銀(Hg)とを含む水銀合金から構成されている。一方、焼結体層20は、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)からなる群から選択された少なくとも一種の第2金属を含む材料から構成されている。ここで、第1金属は、「水銀と合金を形成する金属」であり、一方、第2金属は、いわゆる「水銀と合金を形成しない金属」である。
本実施形態の水銀放出体100では、第1金属(例えば、チタン)と水銀とを含む水銀合金から構成された水銀放出部10を、第2金属(例えば、鉄)を含む材料から構成された焼結体層20が覆う構造を有しているので、加熱時(特に、高周波加熱時)に、焼結体層20を通して水銀放出部10から水銀を放出することができ(矢印30参照)、その結果、水銀の放出効率を向上させることができる。
なお、焼結体層20を構成する第2金属は、鉄(のみ)又はニッケル(のみ)の一種類の金属に限らず、例えば、鉄とニッケルの混合物を用いることも可能であるし、あるいは、ニッケルメッキされた鉄を用いることもできる。鉄にニッケルメッキを施した第2金属は、鉄の酸化防止(腐食防止)の効果を奏し得る。また、焼結体層20を成形する際において鉄粉にニッケル粉を混合したものを使用すると、鉄粉だけの場合よりも耐食性を向上させることができるとともに、鉄粉とニッケル粉とのブレンドによって粒径のバリエーションを広げることができる。粒径のバリエーションを広げることができると、焼結体層20の気孔率(ひいては、熱伝導率)をコントロールすることが容易となる(気孔率の詳細については後述する)。また、鉄粉とニッケル粉とのブレンド粉においてその流動性を改善することもでき、成形時の生産性を向上させることも可能となる。加えて、ニッケルは、鉄よりも比熱が小さく、しかも熱伝導率が大きいので、焼結体層20の加熱効率を向上させることもできる。
また、チタンと水銀との合金が鉄の薄板で覆われている構成(図34参照)の場合、使用時に適切な長さに切断する工程において、切断による端面から水銀合金がこぼれる欠点があり、加えて、過加熱のときに破裂する可能性があった。
一方、本実施形態の水銀放出体100は、水銀放出部10が焼結体層20によって覆われている構造を有しているので、水銀放出部10と焼結体層20との密着強度が高く、水銀合金がこぼれる問題を解決することができる。なお、水銀放出部10が焼結体層20によって覆われた構造を有する本実施形態の水銀放出体100を説明するために、図2に図面代用写真を示す。図2中の丸で囲んだところが1個の水銀放出体100であり、本実施形態の水銀放出部10では水銀放出部10が焼結体層20によって覆われているので、水銀合金がこぼれる問題を回避でき、図2に示すように、多数の水銀放出体100を集めて収容することができ、例えばその状態で搬送することが可能である。
加えて、加熱時には、焼結体層20を通して水銀放出部10から水銀が放出されるので(矢印30参照)、過加熱による破裂の問題を回避することができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の斜視図を図3に、その正面図を図4(a)に、その平面図を図4(b)に、その正面写真を図5(a)に、その平面写真を図5(b)に、その長手方向の中心軸X100を含む断面写真を図5(c)にそれぞれ示す。
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100(以下、「水銀放出体100」という)は、水銀合金部101と、水銀と合金を形成しない金属の焼結体からなる金属焼結体部102とが層状になっている。
水銀合金部101は、例えば、円柱形状であって、水銀と合金を形成する金属の焼結体と水銀との合金からなる。「水銀と合金を形成する金属」とは、例えばチタン(Ti)、錫(Sn)、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)やこれらのうちの少なくとも2種の合金等のように、水銀と反応して合金を形成する金属をいう。それらの中でも、化学的性質や工業的な生産性(コストなど)を考慮すると、チタン(Ti)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)およびマグネシウム(Mg)が好ましく、チタン(Ti)、錫(Sn)および亜鉛(Zn)がさらに好ましく、典型的には、チタン(Ti)を用いることができる。水銀合金部101は例えば、長さLが3[mm]、外径Diが1[mm]であって、水銀の含浸量は約5[mg]である。
水銀合金部101における水銀と合金を形成する金属の平均粒径は、水銀を含浸させやすくするために、その金属の種類によらず5[μm]以上40[μm]以下の範囲内で規定されることが好ましい。
金属焼結体部102は、水銀と合金を形成しない金属の焼結体からなり、ポーラス状になっている。「水銀と合金を形成しない金属」とは、例えば鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)やこれらのうちの少なくとも2種の合金等のように水銀と反応しにくく合金を形成しにくい金属のことをいう。それらの中でも、化学的性質や工業的な生産性(コストなど)を考慮すると、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)が好ましい。金属焼結体部102は、例えば、長さLが3[mm]、外径Doが1.4[mm]である。
ポーラス状である金属焼結体部102の気孔率は、5[%]以上であることが好ましい。この場合、水銀が金属焼結体部102を通り抜けやすく、水銀の含浸効率および放出効率を高めることができる。特に金属焼結体部102の気孔率は、25[%]以上であることがより好ましい。この場合、水銀合金部101から放出される水銀が金属焼結体部101をさらに通り抜けやすく、水銀の放出効率をさらに高めることができる。なお、金属焼結体部102の気孔率は、60[%]以下であることが好ましい。60[%]よりも大きいと金属焼結体部102が空孔だらけになってしまうため、例えば水銀放出体100を高周波加熱する際、水銀合金部101の加熱効率が低下する上に加熱むらが生じやすく、水銀放出量にばらつきが生じてしまうからである。
金属焼結体部102の気孔率は、以下の数式により算出される。
Figure 2008129700
金属焼結体部102の密度は、ICP発光分析により、水銀放出体100の組成比率を調べ、金属焼結体部102を構成する元素の組成比率を水銀放出体の重量に掛けることで、金属焼結体部102の重量を求め、金属焼結体部102の体積で割ることにより求めることができる。ここで、金属焼結体部102はポーラス状であり、その正確な体積を求めることは困難であるため、金属焼結体102の体積は金属焼結体部102に空隙が全くないとした場合の体積を用いることとする。また、金属焼結体部102の理論密度とは、金属焼結体部102に空隙が全くないとして求めた架空の密度である。
金属焼結体部102を構成する金属は、磁性体であることが好ましい。例えば、低圧放電ランプの製造時に密閉されたガラス管内に配置された水銀放出体100の位置決めを、磁石を用いて正確に、かつ容易に行うことができるからである。磁性体である金属としては、例えば鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)等を選択することができる。
また、金属焼結体部102には、ゲッター材が混合されていてもよい。ゲッター材が混合されていることにより、水素(H2)や酸素(O2)等の不純ガスを吸着させることができる。ゲッター材には、例えばタンタル(Ta)、ニオビウム(Nb)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)など、あるいは、それらの合金又は金属間化合物又は混合物を適用することができる。
また、水銀合金部101の全表面積のうち金属焼結体部102に接触している部分の表面積の比率は30[%]以上であることが好ましい。この場合、水銀合金部101に対する加熱効率をより高めて非常に高い水銀の放出効率を得ることができる。特に、その加熱効率を一層高めるために、水銀合金部101の全表面積のうち金属焼結体部102に接触している部分の表面積の比率は50[%]以上であることがより好ましい。なお、「金属焼結体部102に接触している部分の表面積」とは、金属焼結体部102がポーラスであるため、そのポーラスな内部の空隙の表面積は含めず、最外表面の輪郭より算出した表面積である。
また、金属焼結体部102の水銀と合金を形成しない金属の粒径は、5[μm]以上40[μm]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、水銀合金部101から放出される水銀を透過しやすく水銀の放出効率を向上させることができる。
なお、図5に示す金属焼結体部102の粒子形状は鱗片形状であるが、必ずしも鱗片形状である必要はなく多角形状等であってもよい。ただし、鱗片形状の場合は、金属焼結体部102の気孔率を大きくすることができ、水銀の放出効率をより向上させることができる。
また、金属焼結体部102の水銀と合金を形成しない金属の粒子形状は、球形状であってもよい。金属焼結体部102の水銀と合金を形成しない金属の粒子形状が球形状である場合の水銀放出体100の正面写真を図6(a)に、同じく平面写真を図6(b)にそれぞれ示す。この場合、流動性が向上し、後述するように水銀放出体100の成形を行う押出し工程の押出し成形を効率良く行うことができ、生産性を向上させることができる。
また、金属焼結体部102の形状は、図3に示すように、水銀合金部101の外周面を覆うような筒形状であることが好ましい。この場合、高周波加熱により生じる渦電流が筒状に閉じた内面に流れ、水銀合金部101の加熱効率を高めることができる。
(比較実験)
本願発明者は、本発明に係る実施形態の水銀放出体についての水銀の放出効率を確かめるために、従来の水銀放出体との比較実験を行った。
実験に使用した試料は、実施例として、図3に示すような第1の実施形態に係る水銀放出体100で、長さLは3[mm]、金属焼結体部の外径Doは1.4[mm]、内径Diは1[mm]のものを用いた。
従来の水銀放出体としては、比較例1として、図33に示すようなチタンと鉄の混合粉末の焼結体に水銀を含浸させたもので、長さMは3[mm]、外径Nは1.5[mm]のものを用いた。
また、比較例2として、図34に示すようなチタンと水銀の合金を鉄の薄板で覆ったSAES Getters社製のSTHGS/WIRE/NI/0.8−300の長さPを5[mm]にカットしたものを用いた。
なお、実施例、比較例1、比較例2にはそれぞれ1[個]当たり約4[mg]の水銀が含浸されている。
実験では、それぞれ試料を10[個]ずつ作製した。実験は、各試料を一つずつ加熱し、その水銀放出量を測定し、10[個]の平均値を求めた。各試料の加熱温度による水銀放出量の変化を図7にそれぞれ示す。なお、図7中、温度T2は、水銀放出体が収納されているガラス管がその熱によって軟化して変形したり、破損したりするおそれが出始める温度であって、プロセス上の実使用温度の上限値を示す。
図7に示すように、実施例(図7中実線で示す)では、加熱温度Tが温度T1に達するまでの領域のとき、ほとんど水銀が放出されていないのに対して、加熱温度TがT1に達したとき、水銀放出量が急激に増加し、温度T2のときの水銀放出量が比較例1(図7中、一点鎖線で示す)の水銀放出量の約1.5[倍]、比較例2(図7中、二点鎖線で示す)の1.25倍に達する。
一方、比較例1では、加熱温度Tが温度T1に達するまでの領域から水銀が放出され始めており、加熱温度Tが温度T2に達したとき、水銀放出量が増加するものの、実施例ほどの水銀放出量が見受けられない。
また、比較例2では、実施例と同様に加熱温度Tが温度T1に達するまでの領域のときはほとんど水銀が放出されておらず、加熱温度Tが温度T2に達したとき、水銀放出量が増加するものの、実施例ほどの水銀放出量は見受けられない。
水銀放出体の加熱温度Tの実用的な範囲は、水銀放出量が急峻に増加する温度T1から水銀放出体が収納されているガラス管への悪影響がでない温度T2までの領域に設定され、好ましくは温度T2に近い方がより好ましい。
このように加熱温度TがT1からT2までの領域に設定された場合、実施例がもっとも水銀放出量が多い、すなわち水銀の放出効率がもっともよいことがわかる。
しかも、水銀放出体からの水銀放出は、加熱温度Tが温度T1に達するまでの間は無いことが好ましい。これは、時間当たりの温度上昇の制御が難しく、個体間で温度上昇にばらつきが生じ、その結果、加熱温度Tが温度T1に達するまでの間に水銀放出があるとガラス管内へ放出される全水銀量としてばらつきが生じてしまうからである。こうした観点においては、実施例および比較例2が適切であることがわかる。
よって、実施例では、水銀放出量のばらつきを抑えつつ、水銀の放出効率を向上させることができることが確認された。
上記したような結果が得られた理由について次のとおり検討した。
まず、実施例および比較例2では加熱温度Tが温度T1に達するまでの領域のとき、ほとんど水銀が放出されていないのに対して、比較例1では加熱温度Tが温度T1に達するまでの領域から水銀が放出され始めている理由について検討した。
これは、比較例1の場合、チタンと鉄の混合粉末の焼結体に水銀が含浸された水銀放出体であるため、一部のチタンと鉄とが合金を形成し、その部分ではチタンと水銀とが安定した状態で合金を形成することができずに比較的温度が低い場合(温度T1以下の場合)でも水銀が放出されてしまう不安定な状態で合金化しているためであると考えられる。これに対して、実施例や比較例2では、チタンと鉄とが混合されていないので、チタンと水銀とが合金化する際、上記したような不安定な状態で合金化する要因はない。
次に、加熱温度Tが温度T2のときの実施例の水銀放出量が比較例1の水銀放出量の約1.5[倍]、比較例2の約1.25[倍]に達する理由について検討した。
比較例1の場合、チタンと鉄の混合粉末の焼結体に水銀が含浸された水銀放出体であるため、高周波加熱した際の熱源となる鉄が無秩序に散在し、それにより加熱のむらが生じ、加熱効率が悪くなることによるものと考えられる。あるいは、水銀放出体の加熱にむらが生じ、水銀が水銀放出体のうち、十分に温度の高い局部からしか放出されていないためであると考えられる。比較例2の場合、そのような加熱むらが生じないものの、チタンと水銀との合金部分が鉄の薄板で覆われており、その部分からは水銀が放出されにくいからであると考えられる。加えて、比較例2の場合には薄板にスリットが入っているため、渦電流による加熱効率が悪くなることも考えられる。
これらに対して、実施例は、チタンと鉄とが混合されているものではないため、上記したような加熱むらが生じず、しかも水銀合金部101の外側の金属焼結体部102がポーラス状であるために、水銀蒸気が金属焼結体部102を通り抜けやすく、比較例1および比較例2に対して高い水銀の放出効率を得られたと考えられる。
上記のとおり、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の構成によれば、水銀放出量のばらつきを抑えつつ、水銀の放出効率を向上させることができる。
ところで、上記したように水銀合金部101が円柱形状の場合、水銀合金部101の外径は、水銀放出体100の外径の30[%]以上であることが好ましい。この場合、高周波加熱により、金属焼結体部102を加熱する熱が水銀合金部101に伝わりやすく、水銀合金部101を効率良く加熱することができ、水銀の放出効率をより向上させることができる。特に、水銀合金部101における外径の水銀放出体100における外径に対する比率は、水銀合金部101をより効率よく加熱し、水銀の放出効率をより一層向上させるため、60[%]以上であることがより好ましい。なお、水銀合金部101における外径の水銀放出体100における外径に対する比率は、95[%]以下であることが好ましい。95[%]よりも大きくなると金属焼結体部102が水銀合金部101を加熱するのに十分な熱容量を確保しにくく、水銀合金部101の加熱効率が低下するおそれがあるからである。
また、金属焼結体部102の厚みは、10[μm]以上であることが好ましい。金属焼結体部102の厚みが10[μm]より薄い場合には、製造の困難さが伴うためである。さらに、高周波加熱による水銀合金部101の加熱効率の面から、金属焼結体部102の厚みは、50[μm]以上、250[μm]以下であることがより好ましい。
また、金属焼結体部102の外表面の表面粗さ(Ra)は、1以上であることが好ましい。この場合、金属焼結体部102の外表面積を大きくすることができ、水銀合金部101の加熱効率を高めて水銀の放出効率を高めることができる。特に、金属焼結体部102の外表面の表面粗さ(Ra)は、金属焼結体部102の外表面積をさらに大きくし、水銀合金部101の加熱効率をさらに高めて水銀の放出効率を一層高めるため、2以上であることがより好ましい。なお、金属焼結体部102の外表面の表面粗さ(Ra)は10以下であることが好ましい。金属焼結体部102の外表面が極端に粗いと、ランプ製造に際し、パーツフィーダによる搬送等製造上の困難さが生じるからである。
なお、金属焼結体部102の表面粗さは、株式会社キーエンス社製のレーザー顕微鏡VK−8710を用いて測定した。測定は、金属焼結体部102の外周面上を一端から他端へと水銀放出体100の長手方向の中心軸X100に平行な方向に走査して行った。この測定は、金属焼結体部102の外周面上の一端であって、等間隔に離れた4[箇所]を始点としてそれぞれ行った。そして、それらの平均値を算出することにより金属焼結体部102の表面粗さを求めた。
また、金属焼結体部102は、ポーラス状に形成されていることから、金属焼結体部102にゲッター材を混合しなくても、本実施形態の水銀放出体100はゲッター効果を持つことを本発明者は見出した。ゲッター材を用いずに、本実施形態の水銀放出体100によってゲッター効果を得られることは、製造上の大きな技術的な意義をもたらす。
本実施形態の水銀放出体100のゲッター効果について、図8〜図12を参照しながら説明する。この実験は、図8に示すようにして行い、図9〜図12は、その実験結果を示すグラフである。
まず、図8(a)に示すように、クリアバルブ(ガラス管)210を用意した。クリアバルブ210の長手方向の長さは40cmであり、クリアバルブ210内の封入ガス成分220は、Ne95%+Ar5%とする。なお、クリアバルブ210の外周には、加熱排気時に使用する加熱ヒーターを配置することができる。
ここでは、水銀放出体(以下、Hgペレットと称する)をクリアバルブ210内に配置せずに、排気と封止を行って、不純ガス成分の分圧を測定する。分圧の測定は、四重極質量分析計を用いて実行する。測定した不純ガスは、H(水素)、CO(二酸化炭素)、H.C.(炭化水素)、N+CO(窒素+一酸化炭素)である。なお、この実験では、上述の比較例1と比較例2に、比較例3も加えて実験を行う。比較例3は、Ni製の金属パイプの中にTiHgを主成分とするHgアマルガムを圧入したHgペレットである。
次に、図8(b)に示すように、Hgペレット200(実施例、比較例1、比較例2、比較例3)をクリアバルブ210内に入れた後、クリアバルブ210内を排気と封止をして不純ガス成分の分圧を測定する。
次に、図8(c)に示すように、クリアバルブ210内に配置されたHgペレット200(実施例、比較例1、比較例2、比較例3)に対して高周波加熱を1分間行って、不純ガス成分の分圧を測定する。高周波加熱は、高周波加熱器250を用いて行う。この加熱によって、Hgペレット200から水銀240(実際には、水銀蒸気)が放出される(矢印245参照)。
最後に、図8(d)に示すように、Hgペレット200(実施例、比較例1、比較例2、比較例3)を400℃で5分間加熱し(アニール工程)、不純ガス成分の分圧を測定する。この加熱は、電気炉260によって行う。なお、加熱後は、Hgペレット200の部分をチップオフする。
図9から図12は、それぞれ、H(水素)、CO(二酸化炭素)、H.C.(炭化水素)、N+CO(窒素+一酸化炭素)についての各段階(ペレットなし、排気、高周波、アニール)の測定結果を示している。
図9からわかるように、実施例のHgペレット(水銀放出体100)は、H(水素)の分圧を下げる効果があり、すなわち、H(水素)に対するゲッター効果が認められた。H(水素)については、排気段階(図8(b))、高周波段階(図8(c))、アニール段階(図8(d))ともに良好なゲッター効果の特性を示した。
バックライトの用途においてガラスバルブ内にH(水素)が混入していると、ランプ特性が低下するので、本実施形態の水銀放出体100によってH(水素)の分圧(濃度)を低下できることの技術的意義は大きい。なお、図9から図12中の縦軸の分圧は、mbarの単位で表し、そして、例えば1.00E−02は、1.00×10−2を表している。
図10から図12からわかるように、CO(二酸化炭素)、H.C.(炭化水素)、N+CO(窒素+一酸化炭素)についても不純ガスの分圧低下が観測された。
また、図1に示した本実施形態の水銀放出体100の水銀放出部10は、焼結体層20を介して水銀を含浸させて、水銀と第1金属(ここでは、チタン)とを反応させることによって形成されるが、その場合、その水銀合金は、TiHgとすることができることが測定によりわかった。X線解析による測定結果を図13に示す。
図13に示した結果からは、ほぼTiHgのピークのみ(例えば、90%以上)が検出され、TiHgはほとんど検出されなかった。水銀放出部10の水銀合金をほぼTiHgのみから構成すると、TiHgよりも分解し易くなるので、放出特性が向上するという利点が得られる。なお、水銀合金の形成条件によっては、TiHgだけでなく、TiHgも生成させることができる。図14には、TiHgのピークと、TiHgのピークを表示した測定結果を示している。
次に、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の製造方法について説明する。その製造工程の工程図を図15に示す。
図15に示すように、まず、原料粉末を準備する。具体的には、水銀合金部101の材料となる例えばチタンの粉や金属焼結体部102の材料となる例えば鉄の粉である。
(混合・混練工程)
次に、チタン粉および鉄粉をそれぞれ別々にバインダや種々の添加剤、水を加えて混合し、十分に混練する。バインダは、例えばメチルセルロースである。これにより、チタン坏土および鉄坏土を作製する。
(押出し成形工程)
次に、チタン坏土と鉄坏土とをそれぞれ第1、第2の押出し成形機(図示せず)に投入する。この第2の成形機には同軸2層押出し用のダイスが設置されている。そして、第1の押出し成形機から棒状のチタン成形体を導出し、そのチタン成形体を第2の押出し成形機のダイス部分に導入して外側に鉄坏土が積層された同軸構造の円柱体状の成形体を連続的に形成する。その後、この成形体を所定の硬さになるまで乾燥させる。なお、成形方法は、押出し成形に限らず、プレス成形や、チタン坏土を棒状に成形した後にスラリー化した鉄中にディップさせる等の方法を用いることができる。
(カット工程)
次に、成形体を所定の長さでカットする。このカットする長さによって、水銀放出体100中の水銀含浸量を所望の量に調節することができる。なお、水銀放出体100の水銀含浸量は、これ以外にもチタン坏土のバインダ量、水銀合金部101の外径、焼成工程における焼成温度等を変化させることで調節することができる。
(焼結工程)
次に、成形体をアルゴン雰囲気中で、例えば500[℃]で加熱し、成形体内のバインダを取り除く。そして、真空雰囲気中で、例えば900[℃]で焼結し、焼結体を作製する。
(水銀含浸工程)
その後、焼結体と水銀を加熱容器に投入し、加熱容器を真空ポンプを用いて真空状態として、500[℃]〜600[℃]程度の温度で長時間、例えば12[h]〜15[h]程度加熱して、チタンと水銀とを合金化させる。
この際、鉄は水銀と合金を形成しないため、鉄の焼結体内には水銀は残らず、チタンの焼結体内でチタンと水銀との合金が形成され、水銀放出体100が完成される。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法は、製造工程の途中で水銀放出体が取り出され、ランプ完成後にはガラスバルブの内部に水銀放出体が無い状態の低圧放電ランプについての製造方法である。
本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法の製造工程の工程A〜工程Gまでの概略図を図16に、工程H〜工程Jまでの概略図を図17にそれぞれ示す。
(工程A)
まず、準備した直管状のガラス管300の下端部を垂下させてタンク301内の蛍光体懸濁液302に浸す。この蛍光体懸濁液302には、例えば青色、赤色、緑色の蛍光体粒子が含まれている。ガラス管300内を負圧にすることで、タンク301内の蛍光体懸濁液302を吸い上げ、ガラス管300内面に蛍光体懸濁液を塗布する。この吸い上げは光学的センサ303により液面を検出することで、液面がガラス管300の所定高さになるように設定される。このときの液面高さの誤差は、蛍光体懸濁液302の粘度や液面の表面張力等の影響を受けるため比較的大きく、±0.5[mm]程度の誤差が生じる。
(工程B)
次に、大気に開放し、その後ガラス管300の下端部を蛍光体懸濁液302から引き上げ、ガラス管300内部の蛍光体懸濁液302を外部に排出する。これにより、ガラス管300の内周の所定領域に蛍光体懸濁液が膜状に塗布される。
続いて、ガラス管300内に塗布された蛍光体懸濁液302を乾燥させた後に、ガラス管300内面にブラシ等304を挿入して、ガラス管300端部の不要な蛍光体部分を除去する。
続いて、ガラス管300を不図示の加熱炉内に移送して焼成を行い、蛍光体膜305を得る。
(工程C)
その後、蛍光体膜305が形成されたガラス管300の一端部に、電極306、ビードガラス307およびリード線308を含む電極ユニット309を挿入した後、仮止めを行う。仮止めとは、ビードガラス307が位置するガラス管300の外周部分をバーナー310で加熱して、ビードガラス307の外周の一部をガラス管300内周面に固着することをいう。ビードガラス307の外周の一部しか固着しないので、ガラス管300の管軸方向の通気性は維持される。
(工程D)
次に、ガラス管300の上下を逆さにして先ほどの電極ユニット309を挿入した側とは反対側からガラス管300に、電極ユニット309と実質的に同じ構成の電極311、ビードガラス312およびリード線313を含む電極ユニット314を挿入した後、ビードガラス312が位置するガラス管300の外周部分をバーナー315で加熱し、ガラス管300を封着して気密封止(第1封止)する。また、第1封止における封止位置の設定値から誤差は約0.5[mm]程度である。
なお、工程Cにおける電極ユニット309の挿入位置及び工程Dにおける電極ユニット314の挿入は、後述する封止後のガラスバルブ402の両端部からそれぞれ延びる蛍光体層405の不存在領域の長さが異なるような位置になるようにその挿入量を調整されることが好ましい。この場合、他端部側の電極ユニット314は、一端部側の電極ユニット309と比べて、蛍光体膜305に重なる位置より奥にまで挿入されることとなる。このような構成を好適とする理由は次のとおりである。すなわち、ランプの一端部と他端部とでは、蛍光体層405の厚みに差異が生じていることが多く、複数本のランプを同じ方向にしてバックライトユニット等の照明装置に組み込むと、照明装置全体として輝度むらが生じることとなる。これを防止するために、例えばランプの一端部と他端部とを交互になるように照明装置に組み込むことが考えられる。その際、ランプの一端部と他端部とをセンサ等を用いて自動的に容易に識別することができるからである。センサとして200万[画素]の画像センサを用いれば、1[画素]を0.1[mm]に設定することが可能であるため、0.1[mm]単位での測定精度を実現できる。
これらの事情を考慮すれば、ガラスバルブ401の一端部側と他端部側とで、蛍光体層404の不存在領域の長さの差が少なくとも2[mm]以上あれば、確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。
なお、ガラスバルブ401の一端部側と他端部側とで、蛍光体層404の不存在領域の長さの差が少なくとも3[mm]以上であれば、より確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。この場合、画像センサは、0.5[mm]単位での測定精度のもので構わない。また、長さの差の上限値は例えば8[mm]程度である。8[mm]より大きくすると、発光に寄与しない蛍光体層404の不存在領域が長くなり、有効発光長が確保しにくくなるからである。
(工程E)
続いて、ガラス管300のうち、電極ユニット309とこの電極ユニット309に近い方のガラス管300の端部との間の一部をバーナー316で加熱して縮径させ、くびれ部分300aを形成する。その後、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100をガラス管300内に当該端部から投入し、くびれ部分300aに引っかけておく。
(工程F)
続いて、ガラス管300内の排気とガラス管300内への封入ガスの充填を順次行う。具体的には、給排気装置(図示せず)のヘッドをガラス管300の水銀放出体100側端部に装着し、先ず、ガラス管300内を排気して真空にすると共に、加熱装置(図示せず)によってガラス管300全体を外周から加熱する。これによって、蛍光体膜305に潜入している不純ガスを含めガラス管300内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の封入ガス(例えばアルゴン:95[%]、ネオン:5[%]の分圧比の混合ガスのような混合希ガス等)が充填される。
(工程G)
封入ガスが充填されると、ガラス管300の水銀放出体100側端部をバーナー317で加熱して封止する。
(工程H)
続いて、図8に示す工程Hでは、水銀放出体100をガラス管300周囲に配された高周波発振コイル(図示せず)によって誘導加熱して水銀放出体100から水銀を放出させる(水銀出し工程)。なお、水銀放出体100の加熱方法は、例えば光加熱のような種々の公知の方法を用いることができる。その後、ガラス管300を加熱炉318内で加熱して、放出させた水銀を電極ユニット314の電極311の方へ移動させる。
(工程I)
次に、ビードガラス307が位置するガラス管300外周部分をバーナー319で加熱して、ガラス管300を封着して気密封止する。この一端部の封止位置の設定値からの誤差は、他端部と同様に±0.5[mm]程度である。
(工程J)
続いて、ガラス管300のうち、前記一端部の封止部分よりも水銀放出体100側の端部部分を切り離す。
これで低圧放電ランプが完成する。
上記のとおり、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法の構成によれば、水銀の放出効率のよい水銀放出体100を用いているので、水銀放出体100に含浸させる水銀量を削減することができ、言い換えればランプに対する水銀の使用量を削減することができ、環境への負荷を低減することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプ400(以下、単に「ランプ400」という)の管軸を含む断面図を図18(a)に、A部の拡大断面図を図18(b)にそれぞれ示す。図18(a)に示すように、ランプ400は、冷陰極蛍光ランプであり、本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法により製造される低圧放電ランプとは異なり、ランプ400内部に水銀放出体401が残っているものである。
ランプ400は、ガラスバルブ402、電極403およびリード線404で構成されている。ガラスバルブ402は、直管状であり、その管軸に対して垂直に切った断面が略円形状である。このガラスバルブ402は、例えば外径が3.0[mm]、内径が2.0[mm]、全長が750[mm]であって、その材料はホウ珪酸ガラスである。以下に示すランプ400の寸法は、外径が3.0[mm]、内径が2.0[mm]のガラスバルブ402の寸法に対応する値である。なお、冷陰極蛍光ランプである場合には、内径が1.4[mm]〜7.0[mm]、肉厚が0.2[mm]〜0.6[mm]の範囲であって、全長が1500[mm]以下であることが好ましい。これらの値は一例でありこれらに限定されるものではない。
ガラスバルブ402の内部には、水銀がガラスバルブ402の容積に対して所定の比率、例えば、0.6[mg/cc]で封入され、またアルゴンやネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば60[Torr]で封入されている。なお、上記希ガスとしては、アルゴンとネオン(Ar=5[%]、Ne=95[%])の分圧比の混合ガスが用いられる。
また、ガラスバルブ402の内面には蛍光体層405が形成されている。蛍光体層405に用いる蛍光体粒子は、例えば、赤色蛍光体粒子(Y23:Eu3+)、緑色蛍光体粒子(LaPO4:Ce3+,Tb3+)および青色蛍光体粒子(BaMg2Al1627:Eu2+)からなる蛍光体で形成されている。
また、ガラスバルブ402の内面と蛍光体層405との間には例えば酸化イットリウム(Y23)等の金属酸化物の保護膜(図示せず)を設けてもよい。
さらに、ガラスバルブ402の両端部からはリード線404が外部へ向けて導出されている。リード線404は、ビードガラス406を介してガラスバルブ402の両端部に封着されたものである。
このリード線404は、例えば、タングステンからなる内部リード線404aと、ニッケルからなる外部リード線404bとからなる継線である。内部リード線404aの線径は1[mm]、全長は3[mm]で、外部リード線404bの線径は0.8[mm]、全長は5[mm]である。
内部リード線404aの先端部にはホロー型、例えば有底筒状の電極403が固着されている。この固着は、例えばレーザ溶接を利用して行う。
電極403の各部の寸法は、例えば電極長が5[mm]、外径が1.70[mm]、内径が1.50[mm]、肉厚が0.10[mm]である。
図9(b)に示すように、少なくとも一方の内部リード線404aの電極403とビードガラス406との間には、水銀放出体401が固定されている。水銀放出体401は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100に内部リード線を通すための貫通孔401aが形成されたものである。なお、水銀放出体401は、リード線404ではなく、電極403に固定されていてもよい。
上記のとおり、本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの構成によれば、水銀の放出効率がよい水銀放出体401を用いているので、水銀放出体401に含浸させる水銀量を削減することができ、言い換えればランプに対する水銀の使用量を削減することができ、環境への負荷を低減することができる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ(以下、単に「ランプ500」という)の管軸を含む断面図を図19(a)に、B部の拡大断面図を図19(b)にそれぞれ示す。図19(a)に示すように、ランプ500は、熱陰極蛍光ランプであり、本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法により製造される低圧放電ランプとは異なり、ランプ500内部に水銀放出体401が残っているものである。
ランプ500は、熱陰極蛍光ランプであり、ガラスバルブ501と電極マウント502とで構成されている。
ガラスバルブ501は、例えば全長は1010[mm]、外径が18[mm]、肉厚が0.8[mm]であり、その両端には電極マウント502が封着されている。
ガラスバルブ501の内面には、蛍光体層405が形成されおり、ガラスバルブ501の内部には、水銀(例えば4[mg]〜10[mg])が封入されている他、緩衝ガスとしてアルゴン(Ar)及びクリプトン(Kr)の混合ガス(例えば、Arが50[%]、Krが50[%]の分圧比の混合ガス)が例えば600[Pa]の封入ガス圧で封入されている。
図19(a)に示すように、電極マウント502は所謂ビーズガラスマウントであり、タングステン製のフィラメント電極503と、このフィラメント電極503を架持する一対のリード線504と、この一対のリード線504を固定支持するビードガラス505とからなる。
図19(b)に示すように、少なくとも一方の電極マウント502のリード線504には、水銀放出体401が固定されている。ただし、ここで用いる水銀放出体401の貫通孔401aは、リード線504の線径に合わせたものである。
電極502のうちのガラスバルブ501の端部に封着されるのは、リード線504の一部分であり、具体的には、ビードガラス505からフィラメント電極503と反対側に延出している部分である。なお、電極マウント502のガラスバルブ501への封着は、例えばピンチシール法により行われている。
なお、ガラスバルブ501の少なくとも一方の端部には、排気管残部506が電極502と共に取着されている。この排気管残部506は、電極マウント502を封着した後に、ガラスバルブ501内を排気したり、上記封入ガス等を封入したりするときに使用され、ガラスバルブ501の内部への封入ガス等の封入が完了すると、排気管残部506のうちガラスバルブ501の外部に位置する部分で、例えばチップオフ封止される。
上記のとおり、本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ500の構成によれば、水銀の放出効率がよい水銀放出体401を用いているので、水銀放出体401に含浸させる水銀量を削減することができ、言い換えればランプに対する水銀の使用量を削減することができ、環境への負荷を低減することができる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニット600の分解斜視図を図20に示す。本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニット600は直下方式であり、一つの面が開口した直方体状の筐体601と、この筐体601の内部に収納された複数のランプ400と、ランプ400を点灯回路(図示せず)に電気的に接続するための一対のソケット602と、筐体601の開口部を覆う光学シート類603とを備えている。なお、ランプ400は、本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプ400である。
筐体601は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面に銀などの金属が蒸着されて反射面604が形成されている。なお、筐体601の材料としては、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウムや冷間圧延材(例えばSPCC)等の金属材料により構成してもよい。また、内面の反射面604として金属蒸着膜以外、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に炭酸カルシウム、二酸化チタン等を添加することにより反射率を高めた反射シートを筐体601に貼付したものを用いてもよい。
筐体601の内部には、ソケット602、絶縁体605およびカバー606が配置されている。具体的に、ソケット602は、ランプ400の配置に対応して筐体601の短手方向(縦方向)に各々所定間隔を空けて設けられている。ソケット602は、例えばステンレスやりん青銅からなる板材を加工したものであって、外部リード線404bが嵌め込まれる嵌込部602aを有している。そして、外部リード線404bを嵌込部602aを押し拡げるように弾性変形させて嵌め込む。その結果、嵌込部602aに嵌め込まれた外部リード線404bは、嵌込部602aの復元力によって押圧され、外れにくくなる。これにより、外部リード線404bを嵌込部602aへ容易に嵌め込むことができつつ、外れにくくすることができる。
ソケット602は、互いに隣り合うソケット602同士で短絡しないように絶縁体605で覆われている。絶縁体605は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂で構成されている。なお、絶縁体605は、上記の構成に限定されない。ソケット602はランプ400の動作中に比較的高温となる内部電極403の近傍にあることから絶縁体605は耐熱性のある材料で構成することが好ましい。耐熱性のある絶縁体605の材料としては、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂やシリコンゴム等を適用することができる。
筐体601の内部には、必要に応じた場所にランプホルダ607を設けてもよい。筐体601内側でのランプ400の位置を固定するランプホルダ607は、例えば、ポリカーボネート(PC)樹脂であり、ランプ400の外面形状に沿うような形状を有している。「必要に応じた場所」とは、ランプ400の長手方向の中央部付近のように、ランプ400が例えば全長600[mm]を越えるような長尺のものである場合に、ランプ400のたわみを解消するために必要な場所である。
カバー606は、ソケット602と筐体601の内側の空間とを仕切るものであり、例えばポリカーボネート(PC)樹脂で構成し、ソケット602の周辺を保温するとともに、少なくとも筐体601側の表面を高反射性とすることにより、ランプ400の端部の輝度低下を軽減することができる。
筐体601の開口部は、透光性の光学シート類603で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。光学シート類603は、拡散板608、拡散シート609およびレンズシート610を積層してなる。
拡散板608は、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂製の板状体であって、筐体601の開口部を塞ぐように配置されている。拡散シート609は、例えばポリエステル樹脂製である。レンズシート610は、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂の貼り合せである。これらの光学シート類603は、それぞれ拡散板608に順次重ね合わせるようにして配置されている。
上記のとおり、本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニット600の構成によれば、水銀使用量の少ないランプを用いているので、環境負荷の小さいバックライトユニットを実現することができる。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係るバックライトユニットの一部切欠斜視図を図21に示す。本発明の第6の実施形態に係るバックライトユニット700は、エッジライト方式で、反射板701、ランプ400、ソケット(図示せず)、導光板702、拡散シート703およびプリズムシート704から構成されている。
反射板701は、液晶パネル側(矢印Q)を除く導光板702の周囲を囲むように配置されており、底面を覆う底面部701bと、ランプ400の配置されている側を除く側面を覆う側面部701aと、ランプ400の周囲を覆う曲面状のランプ側面部701cとで構成されており、ランプから照射される光を導光板702から液晶パネル(図示せず)側(矢印Q)に反射させる。また、反射板701は、例えばフィルム状のPETに銀を蒸着したものやアルミ等の金属箔と積層したもの等からなる。
ソケットは、本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニット600に用いられるソケット602と実質的に同じ構成を有している。なお、図21において、図示の便宜上により、ランプ400の端部については省略している。 導光板702は、反射板により反射された光を液晶パネル側に導くためのものであって、例えば透光性プラスチックからなり、バックライトユニット700の底面に設けられた反射板701aの上に積重されている。なお、材料としては、ポリカーボネート(PC)樹脂やシクロオレフィン系樹脂(COP)を適用することができる。
拡散シート703は、視野拡大のためのものであって、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエステル樹脂製の拡散透過機能を有するフィルムからなり、導光板702の上に積重されている。
プリズムシート704は、輝度を向上させるためのものであって、例えばアクリル系樹脂とポリエステル樹脂とを貼り合せたシートからなり、拡散シート703の上に積層されている。なお、プリズムシート704の上にさらに拡散板が積層されていてもよい。
なお、本実施形態の場合には、ランプ400の周方向における一部分(バックライトユニット700に挿入した場合における導光板702側)を除き、ガラスバルブ402の外面に反射シート(図示せず)を設けたアパーチャ型のランプであってもよい。
上記のとおり、本発明の第6の実施形態に係るバックライトユニット700の構成によれば、水銀使用量の少ないランプを用いているので、環境負荷の小さいバックライトユニットを実現することができる。
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る液晶表示装置の概要を図22に示す。図22に示すように液晶表示装置800は、例えば32[inch]テレビであり、液晶パネル等を含む液晶画面ユニット801と本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニット600と点灯回路802とを備える。
液晶画面ユニット801は、公知のものであって、液晶パネル(カラーフィルター基板、液晶、TFT基板等)(図示せず)、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
点灯回路802は、バックライトユニット600内部のランプ400を点灯させる。そして、ランプ400は、点灯周波数40[kHz]〜100[kHz]、ランプ電流3.0[mA]〜25[mA]で動作される。
なお、図22では、液晶表示装置800の光源装置として本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニット600に第1の実施形態に係る低圧放電ランプ400を挿入した場合について説明したが、これに限らず、本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプ500を適用することもできる。また、バックライトユニットについても、本発明の第6の実施形態に係るバックライトユニット700も用いることができる。
上記のとおり、本発明の第7の実施形態に係る液晶表示装置の構成によれば、水銀使用量の少ないランプを用いているので、環境負荷の小さい液晶表示装置を実現することができる。
<変形例>
以上、本発明を上記した各実施形態に示した具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施形態に示した具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
1.水銀放出体の変形例
(1)変形例1
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例1の斜視図を図23に、その正面図を図24(a)に、その平面図を図24(b)にそれぞれ示す。本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例1(以下、単に「水銀放出体103」という)は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100とは、その外形形状が異なる。よって、その形状について詳細に説明し、その他の点については省略する。
水銀放出体103は、端部がテーパー形状となっている。具体的には、水銀放出体103の金属焼結体部104の端部がテーパー形状104aとなっている。
水銀放出体103は、その端部がテーパー形状となっていることで、移送する際、他の水銀放出体と衝突して毀損するのを防止することができる。また、水銀放出体103の端部がテーパー形状となっていることで、細管の低圧放電ランプを作製する際、ガラス管への水銀放出体103の投入を容易に行うことができる。なお、水銀放出体103の一端部のみがテーパー形状となっていてもよい。
(2)変形例2
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例2の斜視図を図25に、その正面図を図26(a)に、その平面図を図26(b)にそれぞれ示す。本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例2(以下、単に「水銀放出体105」という)は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100とは、その水銀合金部106の形状が異なる。よって、その形状について詳細に説明し、その他の点については省略する。
水銀放出体105は、水銀合金部106の例えば中心軸を含むその軸方向に貫通孔106aが形成された筒状となっている。
水銀放出体105は、筒状となっていることで、水銀がその内面と金属焼結体部102側の両側から放出され、水銀の放出効率をより向上させることができる。なお、水銀放出体105の内面にさらに金属焼結体部102が形成されていてもよい。この場合、高周波加熱する際、高周波加熱の渦電流が水銀放出体105の内面にも達し、水銀合金部106の加熱効率を高めて水銀の放出効率をより向上させることができる。
また、図25および図26に示す、水銀放出体は、円筒形状となっているが、これに限らず、多角形の筒形状等であってもよい。
ところで、貫通孔106aの外径Dhの、水銀合金部106の外径Diに対する比率は、5[%]以上60[%]以下の範囲内であることが好ましい。この場合、Dhが小さすぎると放出効率がさほど上がらず、また大きすぎると所定の水銀含浸量が得られず、かつ加熱効率も低下するためである。
(3)変形例3
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例3の斜視図を図27に示す。本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例3(以下、「水銀放出体109」という)は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100とは、その形状が異なる。よって、その形状について詳細に説明し、その他の点については省略する。
水銀放出体109は、平板状である。具体的には、水銀放出体109は、平板状の水銀合金部110に金属焼結体部111が積層されている。すなわち、水銀放出部110が焼結体部111によって覆われているのであれば、図27に示す構成(109)を採用することも可能である。水銀放出体109は、シート工法により、プレス成形加工で作製することができるため、製造工程をより簡易化することができる。
なお、図27に示す水銀合金部110の金属焼結体部111とは反対側の面にも金属焼結体部111を積層し、水銀合金部110が二つの金属焼結体部111で両挟みされたものである。この場合、水銀合金部110の加熱の効率が高まり、水銀の放出効率をより向上させることができる。ただし、図27に示した構成(平板状の構成)以外の他の構成を採用することも可能である。
例えば、図28に示す水銀放出体109は、図27に示した平板状の構成を屈曲させて略円筒形状にしたものである。あるいは、図29に示した水銀放出体109は、水銀合金部110の端面が金属焼結体部111で覆われた構成にすることも可能である。図29に示した構成の場合、水銀合金部110の端面が金属焼結体部111で覆われており、表面と裏面が連続していることから、渦電流の効率を向上させることができるという効果を奏し得る。
なお、水銀放出部110が焼結体部111によって覆われているのであれば、水銀放出体の一部(焼結体部の一部)にスリットを設けることも可能である。
図28及び図29に示した構成も、水銀放出体の一部にスリットが形成されている形態といえるが、例えば、図3に示した水銀放出体100の長手方向の中心軸X100に対してスリットを平行に設けたり、垂直に設けたり、斜めに設けたりすることも可能である。
水銀放出体は、金属焼結体部の一部にスリットを設けると、スリットの部分から水銀を放出させやすくして、水銀の放出効率をより高めれる可能性がある一方で、スリットの存在による渦電流の効率の低下の問題も生じるので、スリットを形成する場合の設計には配慮が必要である。
(4)変形例4
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例4の斜視図を図30に示す。本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例4(以下、「水銀放出体112」という)は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例3をスパイラル状に巻きつけたものである。具体的には、最終的に金属焼結体部111が外側となるように、金属焼結体部111と水銀合金部110が積層されたものをスパイラル状に巻きつけたものである。この場合、水銀合金部110の片面を金属焼結体部111で覆ったものでも、水銀合金部110の両面を金属焼結体部111で覆ったものであってもよい。
このような水銀放出体112は、その内部を含めて全体的に高周波加熱により加熱されるので、水銀の放出効率を一層向上させることができる。
(5)変形例5
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例5の一部切欠き斜視図を図31に示す。本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例5(以下、単に「水銀放出体113」という)は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100とは、その形状が異なる。よって、その形状について詳細に説明し、その他の点については省略する。
水銀放出体113は、棒状の水銀合金部101に帯状の金属焼結体部114が巻き付けられている。この構成により、水銀放出体113は、水銀合金部101と金属焼結体部114を同時に押出ししなくても、水銀合金部113となる棒状体の坏土を成形した後に金属焼結体部114となる坏土を巻き付けることで成形することができる。
(6)変形例6
本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例6の一部切欠き斜視図を図32に示す。本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例6(以下、単に「水銀放出体115」という)は、本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体100とは、その形状が異なる。よって、その形状について詳細に説明し、その他の点については省略する。
水銀放出体115は球状で、球形状の水銀合金部116の外側全体に金属焼結体部117が積層されている。
水銀放出体115は、その外側が全て金属焼結体部117で覆われていることで、水銀放出体115を移送する際、水銀が含浸されている水銀合金部116に直接触れることなく作業できるため、作業の安全性を向上させることができる。なお、水銀合金部116が全て金属焼結体部117に覆われていれば、球形状に限らず、多面体形状等(例えば、断面矩形、断面六角形など)でもよい。球形状の場合、角がないため、移送の際に水銀放出体115同士が衝突することによって損傷するのを防止することができる。また、球形状の場合、輸送の際、他の形状よりも輸送容器に密に詰め込むことができるため、輸送の効率を高めることができる。
なお、本発明の技術的思想と本質的に相違するが、水銀を放出する水銀放出構体の一端部に、金属キャップや金属棒を溶接するための薄い部材を取り付けた構造が特開平4−341748号公報に開示されている。しかしながら、同公報に開示された構造は、本実施形態の水銀放出体100のように水銀の放出効率を向上させる技術とは大きく相違し、溶接作業中に水銀のガスが発生することなく、溶接作業を安全に行うことができるための技術である。
本発明は、水銀放出体、それを用いた低圧放電ランプの製造方法および低圧放電ランプに広く適用することができる。
本発明の実施形態に係る水銀放出体の斜視図 本発明の実施形態に係る水銀放出体の外観状態を表す図面代用写真 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の斜視図 (a)同じく水銀放出体の正面図、(b)同じく水銀放出体の平面図 (a)同じく水銀放出体の正面における表面の状態を表す写真、(b)同じく水銀放出体の平面における表面の状態を表す写真、(c)同じく水銀放出体の長手方向の中心軸を含む断面の状態を表す写真 (a)水銀と合金を形成しない金属の粒子形状が球形状である場合の水銀放出体の正面における表面の状態を表す写真、(b)同じく水銀放出体の平面における表面の状態を表す写真 加熱温度による水銀放出量の変化を示す図 本発明の実施形態に係る水銀放出体のゲッター効果についての実験方法を説明する断面図 (水素)についてゲッター効果の実験結果を示すグラフ CO(二酸化炭素)についてゲッター効果の実験結果を示すグラフ H.C.(炭化水素)についてゲッター効果の実験結果を示すグラフ +CO(窒素+一酸化炭素)についてゲッター効果の実験結果を示すグラフ 本発明の実施形態に係る水銀放出部のX線解析による測定結果を示すグラフ 本発明の実施形態に係る水銀放出部のX線解析による測定結果を示すグラフ 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の製造方法の製造工程の工程図 本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法の工程A〜Gまでの概念図 本発明の第2の実施形態に係る低圧放電ランプの製造方法の工程H〜Jまでの概念図 (a)本発明の第3の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図、(b)A部の拡大断面図 (a)本発明の第4の実施形態に係る低圧放電ランプの管軸を含む断面図、(b)B部の拡大断面図 本発明の第5の実施形態に係るバックライトユニットの斜視図 本発明の第6の実施形態に係るバックライトユニットの斜視図 本発明の第7の実施形態に係る液晶表示装置の斜視図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例1の斜視図 (a)同じく水銀放出体の変形例1の正面図、(b)同じく水銀放出体の変形例1の平面図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例2の斜視図 (a)同じく水銀放出体の変形例2の正面図、(b)同じく水銀放出体の変形例2の平面図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例3の斜視図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例3の斜視図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例3の斜視図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例4の斜視図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例5の斜視図 本発明の第1の実施形態に係る水銀放出体の変形例6の斜視図 従来の水銀放出体(従来例1)の斜視図 従来の水銀放出体(従来例2)の斜視図
100、103、105、109、112、113、115 水銀放出体
10、101、106、110、116 水銀合金部
20、102、104、111、114、117 金属焼結体部
400、500 低圧放電ランプ
600、700 バックライトユニット
800 液晶表示装置

Claims (26)

  1. チタン(Ti)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)およびマグネシウム(Mg)からなる群から選択された少なくとも一種の第1金属と、水銀(Hg)とを含む水銀合金から構成された水銀放出部と、
    前記水銀放出部を覆い、鉄(Fe)およびニッケル(Ni)からなる群から選択された少なくとも一種の第2金属を含む材料から構成された焼結体層と
    を備える、水銀放出体。
  2. 前記焼結体層は、ポーラス状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の水銀放出体。
  3. 前記焼結体層を構成する材料の粒子形状が鱗片形状であることを特徴とする、請求項1に記載の水銀放出体。
  4. 前記焼結体層を構成する材料の粒子形状が球形状であることを特徴とする、請求項1に記載の水銀放出体。
  5. 前記焼結体層の気孔率が5[%]以上であることを特徴とする、請求項1から4の何れか一つに記載の水銀放出体。
  6. 前記水銀放出部は、円柱形状であり、
    前記焼結体層は、円筒形状であり、
    前記焼結体層の円筒形状の中央部に、前記円柱形状の前記水銀放出部が位置付けられている、請求項1または2に記載の水銀放出体。
  7. 前記第1金属は、チタン(Ti)であり、
    前記第2金属は、鉄(Fe)である、請求項1から3の何れか一つに記載の水銀放出体。
  8. 前記水銀合金は、TiHgである、請求項1に記載の水銀放出体。
  9. 前記水銀放出部は、前記焼結体層を介して水銀を含浸させて、当該水銀と前記第1金属とを反応させることによって形成されている、請求項1に記載の水銀放出体。
  10. 前記焼結体層は、前記第2金属からなる金属焼結体層であり、
    前記金属焼結体層は、磁性体である、請求項1に記載の水銀放出体。
  11. 水銀合金部と、水銀と合金を形成しない金属の焼結体からなる金属焼結体部とが層状になっており、前記金属焼結体部はポーラス状であることを特徴とする水銀放出体。
  12. 前記水銀合金部は、水銀と合金を形成する金属の焼結体と、水銀との合金からなることを特徴とする請求項11に記載の水銀放出体。
  13. 前記金属焼結体部における水銀と合金を形成しない金属が磁性体であることを特徴とする請求項11または12に記載の水銀放出体。
  14. 前記金属焼結体部における水銀と合金を形成しない金属の粒子形状が鱗片形状であることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の水銀放出体。
  15. 前記金属焼結体部における水銀と合金を形成しない金属の粒子形状が球形状であることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の水銀放出体。
  16. 前記金属焼結体部の気孔率が5[%]以上であることを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載の水銀放出体。
  17. 前記水銀合金部が棒状であり、その周囲に前記金属焼結体部が積層されてなることを特徴とする請求項11から16のいずれか1項に記載の水銀放出体。
  18. 前記水銀合金部が円柱形状の棒状であり、その外周面に前記金属焼結体部が積層され、前記水銀合金部の外径は、前記水銀放出体の外径の30[%]以上であることを特徴とする請求項11から16のいずれか1項に記載の水銀放出体。
  19. 前記水銀合金部に貫通孔が形成されて筒形状になっていることを特徴とする請求項11から18のいずれか1項に記載の水銀放出体。
  20. 前記金属焼結体部の厚みが10[μm]以上であることを特徴とする請求項11から19のいずれか1項に記載の水銀放出体。
  21. 前記水銀合金部の全表面積のうち前記金属焼結体部に接触している部分の表面積の比率が30[%]以上であることを特徴とする請求項11から20のいずれか1項に記載の水銀放出体。
  22. 前記金属焼結体部にゲッター材が混合されていることを特徴とする請求項11から21のいずれか1項に記載の水銀放出体。
  23. 請求項1から22のいずれか1項に記載の水銀放出体をガラス管の内部に挿入する工程を含むことを特徴とする低圧放電ランプの製造方法。
  24. ガラスバルブと、前記ガラスバルブの内部に配置された電極と、前記電極を支持して発光管の少なくとも一方の端部に封着されたリード線とで構成される低圧放電ランプであって、
    前記発光管の内部であって、前記リード線または前記電極に請求項1から22のいずれか一項に記載の水銀放出体が固定されていることを特徴とする低圧放電ランプ。
  25. 請求項24に記載の低圧放電ランプを備えることを特徴とするバックライトユニット。
  26. 請求項25に記載のバックライトユニットを備えることを特徴とする液晶表示装置。
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