JP2012009372A - 紫外線放電ランプおよびその駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガラス管に硼珪酸ガラスを用いた紫外線放電ランプにおいて、時間の経過に伴う紫外線出力の低下を抑える。
【解決手段】 ガラス管1に紫外線を透過する硼珪酸ガラスを用いた紫外線放電ランプであって、前記硼珪酸ガラスのガラス管1の内壁には、少なくともアルミナ(Al)および/またはイットリア(Y)の金属酸化物膜8が形成されており、前記ガラス管1の内径φは、2.0〜6.0mmの範囲である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、紫外線放電ランプおよびその駆動方法に関する。
紫外線(UV)放電ランプは、殺菌や滅菌、空気清浄、脱臭、水処理、精密部品の表面の洗浄、ゴム等樹脂の改質、半導体のエッチングレジストなどの灰化などに使用されており、紫外線放電ランプには、蛍光体を利用したものと、蛍光体の無いものとがある。蛍光体を利用したものはUV−B、UV−Aと呼ばれる280nmより長波長の波長(例えば365nm)を利用して光触媒を使った空気清浄などに応用されている。しかし、殺菌、脱臭能力としては280nmより短波長のUV−Cと呼ばれる紫外線(254nm付近、185nm付近の波長の紫外線)が有効であり、蛍光体の無いものが適している。以下に蛍光体の無い紫外線放電ランプについて説明する。
紫外線放電ランプでは、ランプ内の水銀によって紫外線(254nm付近、185nm付近の波長の紫外線)が放射される。ここで、波長254nm付近の放射(殺菌線)は主に殺菌に用いられ、波長185nm付近の放射(オゾン線)によって生成されるオゾンは脱臭作用を有している。ただし、オゾンが多いと人体に悪影響があるため、余剰のオゾンは最終的には除去する必要がある。例えばオゾンによる脱臭機能を有する空気清浄器やエアコン等の用途では、殺菌線の254nm放射は多く必要であるのに対して、石英ガラスの185nmの放射に対する透過率は高すぎるため、オゾン生成は過多になることが多い。
紫外線放電ランプには熱陰極型の低圧水銀ランプが多く用いられているが、例えば、家庭用のエアコンに装着する場合には長寿命(例えば3万時間点灯後における紫外線放射照度の維持率が初期の放射照度の50%以上)が要求され、このような長寿命の放電ランプには冷陰極型の低圧水銀ランプが用いられる。なお、紫外線放射照度の維持率とは、{(ある時間経過した時の放射照度)/(初期の放射照度)}×100%である。
このように、紫外線放電ランプは、254nm付近、185nm付近の波長のスペクトルを発生させて、上記の効果をもたらすが、これらの波長を透過する石英ガラスは高価であるという問題がある。加えて、石英ガラスの熱膨張係数に近い金属材料がないため、単純なステム封止、ビード封止、ボタン封止という封止方法は適用できず、モリブデン(Mo)などの高融点金属を極めて薄い箔状にしてピンチ封止(プレス圧着)する必要がある。図1には、ガラス管に石英ガラスを用いた紫外線放電ランプ110の例が示されている。図1において、符号101は石英ガラスのガラス管、符号102は電極、符号103はリード線、符号104はモリブデン箔、符号105はピンチ封止部(ピンチシール)である。このように、紫外線放電ランプに石英ガラスのガラス管101を用いる場合には、ピンチ封止部105を設ける必要があることから、ランプ長に対する封止部分の割合が大きくなり(紫外線放電ランプの発光長L2が短くなり(図3))、紫外線(UV)の放射量が少なくなるという問題もある。また、構造が複雑なため加工費も高くなってしまう。
紫外線放電ランプのガラス管に、石英ガラスのかわりに軟質ガラスを使うことも考えられるが、軟質ガラスは、不純物が多いため、紫外線(UV)、特に波長185nm付近の放射をほとんど透過しないという問題がある。
これに対して、紫外線をある程度透過する硼珪酸ガラス(硬質ガラス)は、ガラス材料が石英ガラスよりも安価で、封止もビード封止やボタン封止ができるため、安価に製造することができる。また、紫外線(UV)に対して十分な透過性を有しているため、石英ガラスや軟質ガラスよりも、紫外線放電ランプのガラス管の材料に適している。
例えば厚さ1mmの合成石英ガラスの波長254nmと波長185nmの放射に対する透過率は両者共に90%以上であるのに対して、紫外線透過の硼珪酸ガラスでは各々約85%、約20%である。波長254nmの透過率は石英ガラスに対して遜色なく、また、波長185nmの透過率は254nmの透過率よりも低い値であり、オゾン生成が過多になることを抑えるので、石英ガラスよりも適している。
なお、ガラス管の材料に硼珪酸ガラスを使用していると認められる従来技術としては、特許文献1に記載のような、0.5mmガラスの厚さで、波長に対する透過率を規定したガラスを用いたUVフラッシュランプが知られている。また、硼珪酸ガラスは、一般に、SiO、Bの他に、さらに、NaOなどを含んでいる。
特表2004−507039号公報
ところで、蛍光ランプでは時間の経過と共に光出力が低下することが知られており、蛍光体とランプ内の酸化水銀が正と負に対電して引き合うことが、蛍光体への水銀付着、光出力低下を早めることが示唆されている(佐藤、弓削、田屋、玉谷、寺島 : 「蛍光体の帯電傾向と蛍光ランプの黒化現象」 照明学会誌 76−10(1992) 536−542)。
紫外線放電ランプにおいては、水銀の発光スペクトルをそのまま利用するため、蛍光体を塗布しない。しかし、点灯時間の経過とともに、以下のような現象(黒化現象)が起こり、紫外線(UV)の透過が低下してしまう。
すなわち、第1の現象(黒化メカニズム)として、ランプ内の不純物と水銀との生成物(主に酸化水銀)がランプ内壁表面に付着し、紫外線(UV)の透過を阻害し、また、同時に付着した水銀化合物の水銀イオンがガラス内に浸透し、ガラスが着色し、紫外線(UV)の透過を阻害するという問題があった。なお、この原因も、上述した蛍光ランプにおける光出力の低下の場合と同様と推定される。
また、第2の現象(黒化メカニズム)として、ランプ内の水銀と、ガラス成分からランプ内壁表面に析出したNaとがアマルガムを形成し、アマルガムがランプ内壁表面に沈着して、紫外線(UV)の透過を阻害するという問題があった。特に、Naを含むガラス、例えば紫外線を透過する硼珪酸ガラスをガラス管に用いる場合には、この現象を避ける必要がある。
本発明は、ガラス管に硼珪酸ガラスを用いた紫外線放電ランプにおいて、時間の経過に伴う紫外線出力の低下を抑えることの可能な紫外線放電ランプおよびその駆動方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ガラス管に紫外線を透過する硼珪酸ガラスを用いた紫外線放電ランプであって、前記硼珪酸ガラスのガラス管の内壁には、少なくともアルミナ(Al)および/またはイットリア(Y)の金属酸化物膜が形成されており、前記ガラス管の内径φは、2.0〜6.0mmの範囲であることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、ガラス管に紫外線を透過する硼珪酸ガラスを用いた紫外線放電ランプの駆動方法であって、前記硼珪酸ガラスのガラス管の内壁には、少なくともアルミナ(Al)および/またはイットリア(Y)の金属酸化物膜が形成されており、ガラス管内壁の円周に対するランプ電流の比率(管壁負荷)を、0.4mA/mm以上で1.1mA/mm未満にすることを特徴としている。
請求項1記載の発明によれば、ガラス管に紫外線を透過する硼珪酸ガラスを用いた紫外線放電ランプであって、前記硼珪酸ガラスのガラス管の内壁には、少なくともアルミナ(Al)および/またはイットリア(Y)の金属酸化物膜が形成されており、前記ガラス管の内径φは、2.0〜6.0mmの範囲であるので、ガラス管の内壁への酸化水銀などの付着、沈着を低減し、時間の経過に伴う紫外線出力の低下を抑えることができるとともに、消費電力が少なくて済む(紫外線放射効率が良い)紫外線放電ランプを提供できる。
また、請求項2記載の発明によれば、ガラス管に紫外線を透過する硼珪酸ガラスを用いた紫外線放電ランプの駆動方法であって、前記硼珪酸ガラスのガラス管の内壁には、少なくともアルミナ(Al)および/またはイットリア(Y)の金属酸化物膜が形成されており、ガラス管内壁の円周に対するランプ電流の比率(管壁負荷)を、0.4mA/mm以上で1.1mA/mm未満にするので、水銀蒸気圧の上昇を抑え、ガラス管の内壁への酸化水銀などの付着、沈着を低減し、時間の経過に伴う紫外線出力の低下を抑えることができる。
ガラス管に石英ガラスを用いた紫外線放電ランプの例を示す図である。 本発明の紫外線放電ランプの構成例を示す図である。 ガラス管に紫外線透過の硼珪酸ガラスを用いている本発明の紫外線放電ランプと、ガラス管に石英ガラスを用いた紫外線放電ランプとの、全体のランプ長に対する発光長比を示す図である。 図2の紫外線放電ランプのガラス管の部分の詳細縦断面図である。 本発明の紫外線放電ランプ駆動システムの構成例を示す図である。 硼珪酸ガラス製の紫外線放電ランプと石英ガラス製の紫外線放電ランプの特性比較結果を示す図である。 硼珪酸ガラス製の紫外線放電ランプと石英ガラス製の紫外線放電ランプの特性比較結果を示す図である。 ランプ電流(I)をランプ軸と垂直な断面円周(C)で割った値(管壁負荷)に対する紫外線放射照度維持率の寿命判定結果を示す図である。 管壁負荷(I/C)に対する水銀蒸気圧と3万時間後の紫外線放射照度維持率の関係を示す図である。 管壁負荷(I/C)に対する紫外線透過を阻害する物質の生産量の関係を示す図である。 電極とガラス管の内壁との隙間dを示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、ガラス管に紫外線を透過する硼珪酸ガラスを用いた紫外線放電ランプ(より具体的には、例えば冷陰極型の低圧水銀ランプ)に関するものである。ここで、硼珪酸ガラスは、前述したように、一般に、SiO、Bの他に、さらに、NaOなどを含んでおり、波長254nm、波長185nmの放射に対する透過率が、各々、約85%、約20%となっている。
図2は本発明の紫外線放電ランプ(例えば冷陰極型の低圧水銀ランプ)の構成例を示す図(概略図)である。なお、以下では、紫外線放電ランプが冷陰極型の低圧水銀ランプであるとして説明する。
図2を参照すると、本発明の紫外線放電ランプ(冷陰極型の低圧水銀ランプ)10は、紫外線透過の硼珪酸ガラスを用いたガラス管1と、ガラス管1内に配置された一対の電極2とリード線3とを有し、ガラス管1内には、不活性ガス、水銀(Hg)が封入されており、ガラス管1の内壁には、後述のように(図4に図2のガラス管1の部分について詳細に示すように)金属酸化物膜8が形成されている。なお、図2の例では、ガラス管1は、これが紫外線透過の硼珪酸ガラスであることから、ビード封止(ビードシール)されている。図2において、符号6はビード封止部である。また、電極2は、カップまたはスリーブ形状のものとなっている。
本発明の紫外線放電ランプ10は、ガラス管1に紫外線透過の硼珪酸ガラス(石英ガラスに比べて安価なガラス)を用いているので、ガラス管に石英ガラスを用いる紫外線放電ランプに比べて安価な紫外線放電ランプを提供できる。
また、図3(a),(b)には、ガラス管に紫外線透過の硼珪酸ガラスを用いている本発明の紫外線放電ランプ10と、ガラス管に石英ガラスを用いた紫外線放電ランプ110との、全体のランプ長Lに対する発光長比が示されている。すなわち、図3(a)には、ガラス管に紫外線透過の硼珪酸ガラスを用いている本発明の紫外線放電ランプ10の全体のランプ長Lに対する発光長L1が示されており、図3(b)には、ガラス管に石英ガラスを用いた紫外線放電ランプ110の全体のランプ長L(ガラス管に紫外線透過の硼珪酸ガラスを用いている本発明の紫外線放電ランプ10の全体のランプ長Lと同じランプ長)に対する発光長L2が示されている。図3(a)と図3(b)とを比べればわかるように、ガラス管に紫外線透過の硼珪酸ガラスを用いている本発明の紫外線放電ランプ10では、ビード封止(ビードシール)やボタンステム等の安価で簡単な構造を用いることができるので、ガラス管に紫外線透過の硼珪酸ガラスを用いている本発明の紫外線放電ランプ10の全体のランプ長Lに対する発光長L1を、ガラス管に石英ガラスを用いた紫外線放電ランプ110の全体のランプ長Lに対する発光長L2に比べて長くすることができ、これにより、全体のランプ長Lが同じである場合、ガラス管に紫外線透過の硼珪酸ガラスを用いている本発明の紫外線放電ランプ10では、ガラス管に石英ガラスを用いた紫外線放電ランプ110に比べて、紫外線の放射量(波長254nmの放射量)を多くすることができる。なお、ガラス管に紫外線透過の硼珪酸ガラスを用いている本発明の紫外線放電ランプ10は、ガラス管に石英ガラスを用いた紫外線放電ランプ110に比べて、波長185nmの放射に対する透過率は低いが、波長185nmの放射に対する透過率が低いことによって、波長254nmmの放射量に対して実用的な波長185nmの放射量に近づけることができる。
このように、ガラス管に紫外線透過の硼珪酸ガラスを用いている本発明の紫外線放電ランプ10は、ガラス管に石英ガラスを用いた紫外線放電ランプ110に比べて、いくつかの利点を有している。
ところで、前述のように、ガラス管に硼珪酸ガラスを用いた紫外線放電ランプでは、点灯時間の経過とともに、第1、第2の現象(黒化現象)が起こり(すなわち、ガラス管の内壁に酸化水銀、アマルガムが付着、沈着し)、紫外線(UV)の透過が低下してしまう(波長185nm、波長254nmの出力が低下してしまう)という問題があり(なお、この問題は、ガラス管1の材質が石英ガラス、軟質ガラスの場合も、硼珪酸ガラスと同様に起こる)、これを回避するため、本発明では、図4に図2のガラス管1の部分について詳細に示すように、硼珪酸ガラスのガラス管1の内壁に、波長185nm、波長254nmを透過する金属酸化物膜8として例えば酸化アルミニウム(アルミナ;Al)を形成し、これによって、ガラス管1と水銀とが反応せず(水銀酸化物を付着させず)、波長185nm、波長254nmを透過するランプを提供できる。なお、波長254nmのみを用いる場合(波長185nmを用いない場合)には、金属酸化物膜8としては、波長185nmを通さない金属酸化物膜、例えば酸化イットリウム(イットリア;Y)を形成する。また、酸化アルミニウム(アルミナ;Al)と酸化イットリウム(イットリア;Y))とを混合して用いることにより、波長185nmと波長254nmの出力比率を調整することができる。
このように、本発明では、ガラス管1に紫外線を透過する硼珪酸ガラスを用いた紫外線放電ランプ10であって、硼珪酸ガラスのガラス管1の内壁には、少なくともアルミナ(Al)および/またはイットリア(Y)の金属酸化物膜8が形成されていることにより、後述のようにガラス管1の内径φが2.0mm以上であることと協働して、ガラス管1の内壁への酸化水銀などの付着、沈着を低減し、時間の経過に伴う紫外線出力の低下を抑えることができる。さらには、酸化アルミニウム(アルミナ;Al)と酸化イットリウム(イットリア;Y))とを混合して用い、これらの量を調整することにより、波長185nmと波長254nmの出力比率を調整することができる。
また、本発明では、図4に示すようにガラス管1の内径φが2.0〜6.0mmの範囲であることにより、ガラス管1の内壁への酸化水銀などの付着、沈着を低減し、時間の経過に伴う紫外線出力の低下を抑えることができるとともに、消費電力が少なくて済む(紫外線放射効率が良い)紫外線放電ランプを提供できる。
すなわち、ガラス管1の内径φが2.0mm以下の場合には、ガラス管1の内壁の表面積が小さくなり、ガラス管1の内壁に酸化水銀などが高密度に付着するため、紫外線放射照度の維持率が早期に悪くなってしまう(ランプの寿命が短くなってしまう)という問題が生じる。また、ガラス管1の内径φが2.0mm以下の場合には、電極径(直径)は1.0mm程度以下になり、カップ電極の製造が難しく高価になるという問題も生じる。このように、ランプの寿命と電極の寸法上との問題から、ガラス管1の内径φは2.0mm以上であるのが好ましい。
また、ガラス管1の内径φが6.0mm以上になると(ガラス管1の内径φが大きくなると)、ランプ内の温度が上がりにくくなり、加える電力に対して発光に寄与する水銀の蒸気圧が下がり、紫外線放射効率が悪くなる(同じ紫外線放射照度を得るには消費電力が多く必要になる)という問題が生じる。従って、紫外線放射効率が良い(消費電力が少なくて済む)紫外線放電ランプを提供するため、ガラス管1の内径φは6.0mm以下であるのが好ましい。
また、図5は、本発明の紫外線放電ランプ駆動システムの構成例を示す図であり、この紫外線放電ランプ駆動システムでは、電流制限機能を有する点灯装置11から、ランプ10(の電極)にランプ電流を供給して、ランプ10を点灯させるようになっている。
このような紫外線放電ランプ駆動システムにおいて、ガラス管1内壁の円周に対するランプ電流の比率(管壁負荷)は、0.4mA/mm以上で1.1mA/mm未満であるのが良い。これにより、水銀蒸気圧の上昇を抑え、ガラス管の内壁への酸化水銀などの付着、沈着を低減し、時間の経過に伴う紫外線出力の低下を抑えることができる。
本願の発明者は、紫外線透過硼珪酸ガラス製の紫外線放電ランプと石英ガラス製の紫外線放電ランプの特性を比較した。
図6、図7は硼珪酸ガラス製の紫外線放電ランプと石英ガラス製の紫外線放電ランプの特性比較結果を示す図である。なお、硼珪酸ガラス製の紫外線放電ランプ、石英ガラス製の紫外線放電ランプの両者共、ランプの内壁に金属酸化物膜8としてアルミナ(Al)がコーティングされている。
図6には、オゾン量を一定にしたときの波長254nmの紫外線放射照度が示されている。図6から、オゾン量を一定にした場合、硼珪酸ガラス製の紫外線放電ランプは石英ガラス製の紫外線放電ランプに比べて、波長254nmの紫外線放射照度が約1.5倍になることがわかる。
また、図7には紫外線放射照度を一定にしたときのオゾン量およびランプ電力が示されている。図7から、硼珪酸ガラス製の紫外線放電ランプは石英ガラス製の紫外線放電ランプに比べて、ランプ電力は約0.7倍になり、省電力であることがわかる。また、硼珪酸ガラス製の紫外線放電ランプは、オゾン量は過多ではなく適切なレベルであり、オゾン除去のための追加コストも少なくすることができる。
図6、図7の例は、185nmと254nm(脱臭と殺菌)付近の紫外線を放射する紫外線放電ランプの例であったが、254nm(殺菌)を主に利用するランプにおいては、コーティング材料にイットリア(Y)を用いることができる。また、前述したように、要求される紫外線出力仕様によっては、アルミナ(Al)とイットリア(Y)を混合したコーティング材料を用いることもできる。
硼珪酸ガラス製の紫外線放電ランプの場合、アルミナ(Al)とイットリア(Y)のように紫外線透過があまり良くない金属酸化物膜8を形成させるときには、紫外線透過を確保するために金属酸化物膜8の膜厚を薄くしなければならず、紫外線透過を長時間維持することは困難である。しかし、本発明では、可視光を放射する冷陰極ランプで高効率、長寿命を得るために使用されるランプ径よりもランプ径(ランプ内径)を大きくして、ランプ軸と垂直な断面円周に対するランプ電流値(管壁負荷)を小さくすることにより、紫外線透過を確保することができる。
本願の発明者は、ランプ電流(I)をランプ軸と垂直な断面円周(C)で割った値(管壁負荷)に対する紫外線放射照度維持率の寿命を実験により調べた。図8には、ランプ電流(I)をランプ軸と垂直な断面円周(C)で割った値(管壁負荷)に対する紫外線放射照度維持率の寿命判定結果が示されている。図8に示すように、本願の発明者による実験によれば、ランプ軸と垂直な断面円周に対するランプ電流の比率(管壁負荷)が0.4mA/mm以上で1.1mA/mm未満では、長寿命(3万時間点灯後における紫外線放射照度の維持率が初期の放射照度の50%以上)であったが、1.1mA/mm以上では短寿命(3万時間点灯後における紫外線放射照度の維持率が初期の放射照度の50%以下)であった。
ランプ軸と垂直な断面円周に対するランプ電流値(管壁負荷)を0.4mA/mm以上で1.1mA/mm未満のように小さくすることは、ランプ内壁に照射される紫外線の放射照度を小さくすることである。
ランプ軸と垂直な断面円周に対するランプ電流値(管壁負荷)を0.4mA/mm以上で1.1mA/mm未満のように小さくすることによって、紫外線放射照度の維持率(例えば50%以上)を長時間確保できる理由は、次の2点のどちらか、または両方と推定される。すなわち、第1の点として、前述の第1の現象の原因物質である水銀酸化物の生成が紫外線放射照度に対して依存性があること、また、第2の点として、第2の現象そのものが紫外線の放射照度に依存していることである。
管壁負荷(I/C)に対する水銀蒸気圧と3万時間後の紫外線放射照度維持率の関係を調べたところ、図9のようになり、管壁負荷(I/C)が1.1mA/mm以上になると紫外線放射照度が急峻に低下し、管壁負荷(I/C)が1.1mA/mmでは紫外線放射照度維持率が50%を下回ることが分かった。したがって、図8に示した様に管壁負荷を1.1mA/mm未満に設定するのが妥当である。
また、管壁負荷(I/C)が0.4mA/mm以下だと効率が悪いため、管壁負荷(I/C)は0.4mA/mm以上にした。
図10には、管壁負荷(I/C)に対する紫外線透過を阻害する物質の生産量の関係が示されている。図10に示すように、酸化水銀の生成量は管壁負荷を上げると比例的に増加すると考えられる。これに対して、ナトリウムアマルガムの生成量は、紫外線の放射量にも依存するため、上に凸のカーブになると考えられる。紫外線の透過を阻害するこの2つの物質の生成量の合計は、アマルガム生成量の依存性が比較的大きいため、管壁負荷(I/C)が1.1mA/mmのところを境に低電流密度側では直線的に増加し、高電流密度側では傾きが小さくなると推定される。その結果として紫外線放射照度維持率も管壁負荷(I/C)が1.1mA/mmのところを境に傾向が大きく変わっていると考えられる。
加えて、図11のようにカップやスリーブ形状の金属電極2の外壁とガラス管1の内壁との隙間dを従来品の冷陰極蛍光ランプにおけるものに比べて広くすることにより(例えば隙間dの平均値を0.4mm以上にすることにより)、排気効率を上げて残存不純ガスを少なくすることができ、更に紫外線放射照度の維持率を向上させることができる。この場合、電極外側にグロー放電が起こらない範囲で用いるのが良い。例えば、電極長を調整し、カップ電極内表面積に対する電流密度を適正にすることが考えられる。
本願の発明者は、実際に、以下のようにして、図2、図4に示すような本発明の紫外線放電ランプを作製した。
すなわち、硼珪酸ガラスのガラス管1の内壁に、金属酸化物膜8としてアルミナ(Al)またはイットリア(Y)を、それぞれ、0.1μm〜2μm、0.05μm〜1.5μmの厚さで形成する。もしくは、アルミナ(Al)とイットリア(Y)を混合して用いる。なお、イットリア(Y)の膜厚が薄いのは、波長185nmの透過率が悪いため、イットリア(Y)の膜厚を薄くして波長185nmを透過させるためである。また、ランプ内径φは2.0〜6.0mmで、ランプ長は50mm〜500mmとした。また、ガラス管内壁の円周に対するランプ電流の比率(管壁負荷)を、0.4mA/mm以上で1.1mA/mm未満にした。また、電極2は、Ni、Mo、Fe−Moのカップかスリーブ形状のものとした。また、電極2とガラス管1の内壁との隙間dの平均値は0.5mmであり、ランプ形状は、直管やU字管のものとした。また、ガラス管1内の発光物質は、水銀(Hg)と純アルゴンまたはアルゴン・ネオン混合ガス(Ar−Ne)とした。
このような本発明の紫外線放電ランプは、次の利点を有することがわかった。すなわち、ガラス管1に硼珪酸ガラスを使用したことにより、石英ガラスを使用する場合に比べて、安価な紫外線放電ランプを提供することができる。また、ガラス管1に硼珪酸ガラスを使用したことにより、同じランプ全長の場合、石英ガラスを使用する場合に比べて、同じ254nm放射量を得るための電力を少なくすることができる。また、ガラス管1に硼珪酸ガラスを使用し、ガラス管1の内壁に少なくともアルミナ(Al)および/またはイットリア(Y)の金属酸化物膜8をコーティングしたことにより、オゾン発生量をコントロールすることができ、安価な殺菌システムまたは殺菌・消臭システムを構築することができる。また、ガラス管1に硼珪酸ガラスを使用し、ガラス管1の内壁に少なくともアルミナ(Al)および/またはイットリア(Y)の金属酸化物膜8をコーティングし、ガラス管内壁の円周に対するランプ電流の比率(管壁負荷)を、0.4mA/mm以上で1.1mA/mm未満としたことにより、高い紫外線透過率を長時間維持することができる(紫外線放射照度の維持率(例えば50%以上)を長時間確保できる)。また、電極2とガラス管1の内壁との隙間dを0.4mm以上としたことにより、残存不純ガスが減少し、高い紫外線透過率を長時間維持することができる(紫外線放射照度の維持率(例えば50%以上)を長時間確保できる)。
上記のような利点を有しているので、本発明の紫外線放電ランプを脱臭装置、殺菌装置など(例えば、空気清浄器、エアコン、脱臭器、冷蔵庫、洗濯機、浄水器など)に用いるとき、長寿命かつ時間の経過に伴う紫外線出力の低下を抑えた脱臭装置、殺菌装置などを提供できる。
本発明は、空気清浄器、エアコン、脱臭器、冷蔵庫、洗濯機、浄水器などの殺菌・脱臭に利用可能である。
10 紫外線放電ランプ
1 ガラス管
2 電極
3 リード線
6 ビード封止部
8 金属酸化物膜

Claims (2)

  1. ガラス管に紫外線を透過する硼珪酸ガラスを用いた紫外線放電ランプであって、前記硼珪酸ガラスのガラス管の内壁には、少なくともアルミナ(Al)および/またはイットリア(Y)の金属酸化物膜が形成されており、前記ガラス管の内径φは、2.0〜6.0mmの範囲であることを特徴とする紫外線放電ランプ。
  2. ガラス管に紫外線を透過する硼珪酸ガラスを用いた紫外線放電ランプの駆動方法であって、前記硼珪酸ガラスのガラス管の内壁には、少なくともアルミナ(Al)および/またはイットリア(Y)の金属酸化物膜が形成されており、ガラス管内壁の円周に対するランプ電流の比率(管壁負荷)を、0.4mA/mm以上で1.1mA/mm未満にすることを特徴とする紫外線放電ランプの駆動方法。
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