JP2003187739A - 冷陰極放電管 - Google Patents

冷陰極放電管

Info

Publication number
JP2003187739A
JP2003187739A JP2001385936A JP2001385936A JP2003187739A JP 2003187739 A JP2003187739 A JP 2003187739A JP 2001385936 A JP2001385936 A JP 2001385936A JP 2001385936 A JP2001385936 A JP 2001385936A JP 2003187739 A JP2003187739 A JP 2003187739A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cold cathode
discharge tube
tip
cold
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001385936A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuyuki Yoshino
吉野  信幸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP2001385936A priority Critical patent/JP2003187739A/ja
Publication of JP2003187739A publication Critical patent/JP2003187739A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶ディスプレイのバックライト光源のよう
に長時間、点灯させる場合、冷陰極全体が放電と共に均
質な高温状態になるとアークスポットが冷陰極の対向し
ている面以外の箇所、例えば対向している面に対して垂
直である冷陰極の側面に発生するようになる。そこで本
発明の目的は、長寿命で、発光動作の安定した冷陰極放
電管を提供することにある。 【解決手段】 希ガスや水銀を封入したガラス管の端部
に封装された導入線の先端部に冷陰極を具備する放電管
であって、チタンと高融点金属からなる冷陰極を導入線
の先端部が露出しないように覆う状態で設置し、さらに
好ましくは冷陰極の放電空間側の面に尖鋭部を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷陰極を有する冷
陰極放電管に係わり、特に、長寿命で、発光動作の安定
した冷陰極放電管の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイのバックライト
光源、あるいはレンズ付きフィルム、デジタルカメラの
ストロボなどに、冷陰極を有する冷陰極放電管が使用さ
れている。この種の冷陰極放電管には、発熱が少ないこ
と、消費電力が小さいこと、高輝度、高効率、更には長
寿命、小型化などの性能が望まれている。特に最近の液
晶ディスプレイのバックライト用としては外径が2mm
以下、長さが50mm以下の細管型のものが開発されて
おり、今後、携帯電話、PDA等の情報機器の小型軽量
化の進展と共に、冷陰極放電管の小型化は更に進むと考
えられる。これに伴い、冷陰極放電管の端部に封装され
る冷陰極も小型、高性能化が必要であり、外径1mm以
下、長さ1mm以下の冷陰極の開発も進んでいる。
【0003】通常、冷陰極放電管は、冷陰極に所定の電
圧を印加すると、発生した初期プラズマのイオンによっ
て、冷陰極から2次電子が放出され、この2次電子があ
らかじめガラス管内に封入されている水銀やアルゴンな
どの希ガスに衝突し、励起させることによって放電が開
始する。そして、この励起された水銀原子あるいは希ガ
ス原子が紫外線を放射し、さらに、この紫外線がガラス
管内面に塗布された蛍光体層によって、可視光に変換さ
れ、可視光線を発生し、発光する。
【0004】冷陰極は現在、円筒形状をしたニッケルや
タングステンなどの高融点金属からなる多孔質焼結体が
検討され、用いられてきたが、発光効率の向上の観点か
ら、最近ではチタンと高融点金属、例えば、ニオブとか
らなる多孔質焼結体の冷陰極が注目されている。
【0005】上記の冷陰極はタングステンワイヤーやコ
バールワイヤー、ジュメット線などの導入線に挿入し、
導入線の先端が露出した状態でかしめることにより導入
線と接合する。その後、冷陰極に電子放射物質を含浸し
た後、ガラス管の端部に封装し、ガラス管内に水銀やア
ルゴンガスなどの希ガスを封入することにより冷陰極放
電管が構成される。電子放射物質としてはセシウム化合
物、バリウム化合物、イットリウム化合物、ランタン化
合物などが主体である。
【0006】たとえば、チタンと高融点金属からなる多
孔質焼結体を作製するためには、チタン粉末と高融点金
属の粉末とを混合した後、金型へ充填し、加圧成形し、
その後、真空中で焼結する手段が一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
ば、チタンと高融点金属からなる外径1mm以下、長さ
1mm以下程度の小型の多孔質焼結体を作製し、上記記
載の方法によって冷陰極放電管を作製し、実際に発光さ
せたところ、以下の様な問題点が生じた。すなわち、液
晶ディスプレイのバックライト光源のように長時間、点
灯させる場合、冷陰極全体が放電と共に均質な高温状態
になるとアークスポットが冷陰極の対向している面以外
の箇所、例えば対向している面に対して垂直である冷陰
極の側面に発生するようになる。その結果、アークの曲
がりを生じ、放電が不安定となって、明るさが低下した
り、長時間発光させるとアークスポットに近いガラス管
が熱劣化し、ガラス管の黒化やクラックが発生する問題
が生じた。そのため、発光動作の安定した長寿命の冷陰
極放電管を提供することは困難であった。
【0008】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、長寿命で、発光動作の安定した冷
陰極放電管を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、上記現象の原因を本発明者が追求した結果、従来の
冷陰極放電管では導入線の先端が対向する冷陰極間の空
間に露出していることが原因であることが分かった。本
発明の冷陰極放電管は、この知見を基に下記記載の構成
を採用するすることによって課題を解決するものであ
る。すなわち、本発明の冷陰極放電管は、希ガスや水銀
を封入したガラス管の端部に封装された導入線の先端部
に冷陰極を具備する冷陰極放電管であって、冷陰極がも
う一方の冷陰極に対向している側の導入線の先端部を覆
っていることを特徴とする。
【0010】さらに、本発明の冷陰極放電管は、冷陰極
がもう一方の冷陰極に対向している面に尖鋭部を有する
ことが好ましい。
【0011】さらに、本発明の冷陰極放電管は、上記の
尖鋭部の先端の角度が120度以下であり、曲率半径が
0.5mm以下であることが好ましい。
【0012】(作用)本発明者は、冷陰極放電管につい
て鋭意、検討を進めた結果、冷陰極を導入線の先端部が
露出しないように覆う状態で設置することによって、放
電中に発生するアークスポットが冷陰極の対向する面側
に常に安定して集中し、アークの曲がりを生じず、放電
が安定となることを見いだした。さら好ましい形態とし
て冷陰極のもう一つの冷陰極に対向する面側に尖鋭部を
形成することによって、より放電が安定することを見い
だした。ここで尖鋭部とは冷陰極間の対向する面側に設
けた先の尖った形状の部位を指す。このような冷陰極の
構成および形状を採用することによって課題が解決でき
た理由は、放電スポットが尖鋭部にのみに集中する電界
集中現象によるものと考えられる。
【0013】従って、上記の構成を採用することによ
り、アークスポットに近いガラス管の熱劣化やガラス管
の黒化、クラックの発生は起こらず、発光動作の安定し
た高輝度で長寿命の冷陰極放電管の提供が可能となっ
た。ここで尖鋭部については種々の形状が考えられる
が、本発明者の検討により、好ましくは先端の角度が1
20度以下であり、先端の曲率半径は0.5mm以下の
形状にすることにより放電スポットが尖鋭部にのみに集
中し、安定した発光挙動と長寿命になることが本発明者
により確認されている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0015】図1は冷陰極放電管の構造を示す模式図で
ある。冷陰極1は細管状のガラス管3の端部に封装され
た導入線であるタングステンワイヤー2の先端部を覆う
ように接合されている。ガラス管の長さは例えば40m
m、直径は2mmであり、ガラス管3の内部には水銀や
アルゴンガスなどの希ガスが封入されている。図1中の
4は封止用のガラスであり、材質はガラス管3と同じで
ある。図2〜図4は本発明のタングステンワイヤー2と
接合した冷陰極1の種々の形状の一例を示す断面模式図
である。
【0016】冷陰極1は、たとえばチタンと高融点金属
からなる多孔質焼結体であり、タングステンワイヤー2
に接合するための先の閉じた穴を有し、放電空間側の面
は先端の角度が120度以下で、曲率半径0.5mm以
下程度の尖鋭部を有していることがより好ましい。ここ
で放電空間とは対向している冷陰極間の空間を指し、以
下の説明においても同様である。冷陰極1はこの先の閉
じた穴にタングステンワイヤー2を挿入し、かしめるこ
とにより接合する。また、図5は冷陰極放電管の製造方
法を示すフローチャートであり、冷陰極の製造プロセス
からその後の冷陰極放電管を製造するまでの工程を表し
ている。図6は冷陰極1の成形体を焼結する工程におけ
る昇温パターンである。図7と図8は比較例に用いた導
入線の先端部が露出した冷陰極の構造の一例を示す断面
模式図である。
【0017】本発明の冷陰極は、まず、たとえば、チタ
ンあるいは水素化チタンの粉末と高融点金属の粉末を混
合して混合粉を作製後、この混合粉を有機高分子化合物
よりなるバインダーと有機溶剤を撹拌機を用いて混合
し、次いで、例えばスプレードライヤー法によりコンパ
ウンド(顆粒)化する。このことにより、流動性が改善
され、金型への充填がスムーズに行われる。
【0018】そして、放電空間側の面に先端の角度が1
20度以下で、曲率半径0.5mm以下の尖鋭部が形成
可能な形状を有する金型へ充填後、一定の圧力を印加し
て、成形体を作成後、真空炉中で焼結する。この時、焼
結する工程は、図6に示すように、脱バインダー工程
と、粉末間を溶融させ、粉末と粉末とを結合させる工程
の2つの工程からなるが、水素化チタンを原料粉とした
場合は、脱バインダー工程と粉末と粉末とを結合させる
工程との間に脱水素化工程として、温度400℃〜60
0℃で1時間〜2時間程度の熱処理工程を導入すること
が好ましい。このようにしてチタンと高融点金属とから
なり、接合するための穴を有する多孔質焼結体である冷
陰極1が作製される。
【0019】その後、図5の製造プロセスを示すフロー
チャートに従い、上記のようにして得られた冷陰極1の
穴に、導入線であるタングステンワイヤー2を挿入し、
かしめることにより接合する。その後、冷陰極1に電子
放射物質を含浸した後、ガラス管の端部に封装し、ガラ
ス管内に水銀やアルゴンガスなどの希ガスを封入するこ
とによって、本発明の冷陰極放電管が完成する。尚、本
発明の冷陰極の形状は図2〜図4にの3つの例を示した
が、これに限定されるものではなく、導入線の先端部が
露出しないように覆うことが可能になっていれば適用が
可能である。
【0020】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例について、図
1〜図8を参照しながら説明する。 (実施例1)まず、原料粉であるチタンとニオブの粉末
を重量比がチタン:ニオブ=80:20の割合で総重量
が2000gになるように計量し、混合した。この時、
チタンとニオブの平均粒径はそれぞれ20μmであっ
た。この原料粉末を有機高分子化合物よりなるバインダ
ーBL−S(積水化学製)20gを溶解したアセトン1
000gに入れ、撹拌機を用いて混合し、スラリーを作
製した。次いで、このスラリーを用いて、スプレードラ
イヤー法により粒径約50μmのコンパウンド(顆粒)
を作製した。続いて、このコンパウンドを金型に充填し
て、5トン/cm2 の圧力を加えてプレス加工を施し、
放電空間側の面に尖鋭部とかしめて接合するための穴を
有する円筒状の成形体を作製した。その寸法は外径1.
05mm、内径0.504mm、全体の長さ1.07m
m、穴の深さは0.75mm、放電空間側の面の尖鋭部
の先端の角度は100度で、先端の曲率半径は0.3m
mであった。
【0021】その後、上記の成形体を真空炉に入れ、図
6に示すような昇温パターンで焼結した。この時、図6
の11で示した範囲は脱バインダーを行うための工程で
あり、12はチタンとニオブの粒子を溶融し、多孔質焼
結体を作製するための焼結工程である。いずれの工程も
真空度は2×10-5 Torrであり、11の工程は温
度500℃、保持時間2時間、12の工程は温度120
0℃、保持時間2時間とした。このようにして、図2に
示すような外径1mm、穴の内径0.5mm、全体の長
さ1mm、穴の深さは0.7mm、放電空間側の面に先
端の角度が100度であり、先端の曲率半径が0.3m
mの尖鋭部を有する円筒状のチタンとニオブからなる多
孔質体である冷陰極1を作製した。
【0022】ここで、冷陰極1の空孔率は、プレス加工
時の圧力や焼結工程時の温度、時間により制御される。
空孔率は20〜30%が望ましい。その理由は、空孔率
が30%を越えると、機械的強度が低下し、更には冷陰
極1中に含浸した電子放射物質が過剰に蒸発して早くな
くなるため、冷陰極としての寿命が短くなり、逆に空孔
率が20%より小さいと、電子放射物質を外部から含浸
させることができなくなり、かつ、動作中の冷陰極表面
への電子放射物質の供給を妨げるため電子放出特性が悪
化するからである。本実施例の冷陰極の空孔率は24%
であった。また、本実施例では、冷陰極の形状は円筒状
であったが、これに限るものではなく、寸法もこれに限
るものではない。その後、図5に示す冷陰極放電管の作
製方法に従い、図1に示すような冷陰極放電管を作製し
た。
【0023】(実施例2)実施例1と同様に、原料粉で
あるチタンとニオブの粉末を重量比がチタン:ニオブ=
80:20になるように計量し、スプレードライヤー法
により粒径約50μmのコンパウンド(顆粒)を作製し
た。続いて、このコンパウンドを金型に充填して、プレ
ス加工を施し、その後、真空炉に入れ、焼結し、図3に
示すような外径Dが1mm、穴の内径0.5mm、全体
の長さTは1mm、穴の深さ0.7mmのチタンとニオ
ブからなり、放電空間側の面に先端の角度が80度であ
り、先端の曲率半径が0.4mm、dの長さ0.4m
m、tの長さ0.3mmの尖鋭部を有する円筒状の多孔
質体である冷陰極1を作製した。その後、図5に示す冷
陰極放電管の作製方法に従い、冷陰極放電管を作製し
た。
【0024】(実施例3)実施例1と同様に、原料粉で
あるチタンとニオブの粉末を重量比がチタン:ニオブ=
80:20になるように計量し、スプレードライヤー法
により粒径約50μmのコンパウンド(顆粒)を作製し
た。続いて、このコンパウンドを金型に充填して、プレ
ス加工を施し、その後、真空炉に入れ、焼結し、図4に
示すような、特に放電空間側の面に尖鋭部を有さない
が、タングステンワイヤー2が放電空間側に露出しない
ように穴の先端が閉じた外径1mm、穴の内径0.5m
m、全体の長さ1mm、穴の深さ0.7mmのチタンと
ニオブからなる円筒状の多孔質体である冷陰極1を作製
した。その後、図5に示す冷陰極放電管の作製方法に従
い、冷陰極放電管を作製した。
【0025】(比較例1)実施例1と同様に、原料粉で
あるチタンとニオブの粉末を重量比がチタン:ニオブ=
80:20になるように計量し、スプレードライヤー法
により粒径約50μmのコンパウンド(顆粒)を作製し
た。続いて、このコンパウンドを金型に充填して、プレ
ス加工を施し、その後、真空炉に入れ、焼結し、図7に
示すような外径1mm、内径0.5mm、長さ1mmの
チタンとニオブからなる、貫通した穴を有した円筒状の
多孔質体である冷陰極を作製した。その後、図5に示す
冷陰極放電管の作製方法に従い、冷陰極放電管を作製し
た。この時、導入線であるタングステンワイヤー2の先
端は冷陰極1の放電空間側へ露出されていた。冷陰極1
の放電空間側の先端から露出しているタングステンワイ
ヤー2の先端までの距離は0.2mmであった。
【0026】(比較例2)実施例1と同様に、原料粉で
あるチタンとニオブの粉末を重量比がチタン:ニオブ=
80:20になるように計量し、スプレードライヤー法
により粒径約50μmのコンパウンド(顆粒)を作製し
た。続いて、このコンパウンドを金型に充填して、プレ
ス加工を施し、その後、真空炉に入れ、焼結し、図8に
示すような外径1mm、内径0.5mm、長さ1mmの
チタンとニオブからなる、貫通した穴を有した円筒状の
多孔質体である冷陰極を作製した。その後、図5に示す
冷陰極放電管の作製方法に従い、冷陰極放電管を作製し
た。この時、導入線であるタングステンワイヤー2の先
端は放電空間側に露出しているが、その先端の位置は冷
陰極1の貫通した穴の内部になるようにした。冷陰極1
の放電空間側の先端から冷陰極1の内部のタングステン
ワイヤー2の先端までの距離は0.2mmであった。
【0027】(比較例3)実施例1と同様に、原料粉で
あるチタンとニオブの粉末を重量比がチタン:ニオブ=
80:20になるように計量し、スプレードライヤー法
により粒径約50μmのコンパウンド(顆粒)を作製し
た。続いて、このコンパウンドを金型に充填して、プレ
ス加工を施し、その後、真空炉に入れ、焼結し、尖鋭部
を有する円筒状のチタンとニオブからなる多孔質体であ
る図2と同形状の冷陰極1を作製した。但し、この冷陰
極1の形状は放電空間側の面の尖鋭部の先端の角度が1
30度となっている。それ以外の寸法、形状は図2と全
く同じである。その後、図5に示す冷陰極放電管の作製
方法に従い、冷陰極放電管を作製した。
【0028】(比較例4)実施例1と同様に、原料粉で
あるチタンとニオブの粉末を重量比がチタン:ニオブ=
80:20になるように計量し、スプレードライヤー法
により粒径約50μmのコンパウンド(顆粒)を作製し
た。続いて、このコンパウンドを金型に充填して、プレ
ス加工を施し、その後、真空炉に入れ、焼結し、尖鋭部
を有する円筒状のチタンとニオブからなる多孔質体であ
る図2と同形状の冷陰極1を作製した。但し、この冷陰
極1の形状は放電空間側の面の尖鋭部の先端の曲率半径
が0.6mmである。それ以外の寸法、形状は図2と全
く同じである。その後、図5に示す冷陰極放電管の作製
方法に従い、冷陰極放電管を作製した。
【0029】以上にようにして得られた実施例1〜実施
例3および比較例1〜4の各冷陰極放電管について初期
における始動電圧を測定し、その後連続6000時間点
灯させる寿命試験を行い、試験後のガラス管3の状態の
観察および放電特性の安定性の目安となる始動電圧の測
定をった。表1に、その結果をまとめて示す。尚、試験
は各10本ずつ行った。
【0030】
【表1】
【0031】表1から分かるように本実施例で得られた
冷陰極放電管は、いずれも比較例と比べると明らかなよ
うに、寿命試験後もガラス管の黒化やクラックが発生し
ておらず安定しており、放電特性の安定性を示す始動電
圧も初期とほとんど変わっていないことが確認された。
特に実施例1と実施例2で示した放電空間側に尖鋭部を
有する冷陰極を具備した放電管においてはその効果が顕
著であった。これは冷陰極を導入線の先端部が露出しな
いように覆う状態で、さらに放電空間側の面に尖鋭部を
形成したことにより、放電中に発生するアークスポット
が冷陰極の先端部に常に安定して集中していたためと考
えられる。一方、比較例1と比較例2の冷陰極放電管で
は特に両端の冷陰極の付近のガラス管が黒化しており、
試験後の始動電圧も著しく上昇していた。また、比較例
3と比較例4の冷陰極放電管ではガラス管が黒化やクラ
ックなどの発生は無かったものの、試験後の始動電圧が
30V以上上昇していた。このことは冷陰極放電管が短
寿命であること示す証拠であり、この結果から尖鋭部の
先端の角度は120度以下であり、先端の曲率半径は
0.5mm以下が好ましいことが確認された。以上の結
果から、本発明の冷陰極放電管では安定な放電特性と長
寿命化が達成できることが分かった。
【0032】本実施例では、原料粉としてチタンを用い
たが、水素化チタン粉を用いても同様の結果が得られ
た。また、本実施例では高融点金属としてニオブの例を
記載したがその他の高融点金属であるタングステン、モ
リブデン、またはタンタルにおいても同様の効果が得ら
れた。
【0033】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の冷陰極
放電管では、チタンと高融点金属からなる冷陰極を導入
線の先端部が露出しないように覆う状態で設置し、さら
に好ましくは冷陰極の放電空間側の面に尖鋭部を形成す
ることにより、放電中に発生するアークスポットが冷陰
極の先端部に常に安定して集中し、アークの曲がりを生
じず、放電が安定となることを見いだした。その結果、
アークスポットに近いガラス管の熱劣化やガラス管の黒
化やクラックの発生は起こらず、発光動作の安定した高
輝度で長寿命の冷陰極放電管の提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷陰極放電管の構造を示す断面模式図
である。
【図2】本発明の冷陰極放電管における冷陰極の構造を
示す断面模式図である。
【図3】本発明の冷陰極放電管における冷陰極の構造を
示す断面模式図である。
【図4】本発明の冷陰極放電管における冷陰極の構造を
示す断面模式図である。
【図5】冷陰極放電管の製造方法を示すフローチャート
である。
【図6】冷陰極の製造方法における焼結する工程での処
理温度プロファイルである。
【図7】比較例の冷陰極の構造を示す断面模式図であ
る。
【図8】比較例の冷陰極の構造を示す断面模式図であ
る。
【符号の説明】
1 冷陰極 2 タングステンワイヤー 3 ガラス管 4 封止用ガラス 11 脱バインダー工程 12 粉末間を溶融させ、粉末と粉末とを結合させる工

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスを封入したガラス管の端部に封装さ
    れた導入線の先端部に冷陰極を具備する冷陰極放電管で
    あって、前記導入線の放電空間側における先端部が放電
    空間に対して露出していない冷陰極放電管。
  2. 【請求項2】 前記導入線の放電空間側における先端部
    が前記冷陰極によって覆われていることを特徴とする請
    求項1に記載の冷陰極放電管。
  3. 【請求項3】 前記冷陰極が向かい合ったもう一方の
    冷陰極に対向している面に尖鋭部を有することを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の冷陰極放電管。
  4. 【請求項4】 前記尖鋭部における先端の角度が120
    度以下であることを特徴とする請求項3に記載の冷陰極
    放電管。
  5. 【請求項5】 前記尖鋭部における先端の曲率半径が
    0.5mm以下であることを特徴とする請求項3または
    請求項4に記載の冷陰極放電管。
JP2001385936A 2001-12-19 2001-12-19 冷陰極放電管 Pending JP2003187739A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001385936A JP2003187739A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 冷陰極放電管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001385936A JP2003187739A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 冷陰極放電管

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003187739A true JP2003187739A (ja) 2003-07-04

Family

ID=27595216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001385936A Pending JP2003187739A (ja) 2001-12-19 2001-12-19 冷陰極放電管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003187739A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100682313B1 (ko) * 2005-12-13 2007-02-15 안의현 냉음극 형광램프의 전극 및 그 제조방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100682313B1 (ko) * 2005-12-13 2007-02-15 안의현 냉음극 형광램프의 전극 및 그 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5962977A (en) Low pressure discharge lamp having electrodes with a lithium-containing electrode emission material
US5559392A (en) Apparatus for securing an amalgam at the apex of an electrodeless fluorescent lamp
US5847508A (en) Integrated starting and running amalgam assembly for an electrodeless fluorescent lamp
JP2002110091A (ja) 電極材料、高圧放電ランプおよび照明装置
JP2005142071A (ja) 高圧放電ランプ
JP2005538515A (ja) 水銀ガス放電装置
JP2003187739A (ja) 冷陰極放電管
EP0964429A1 (en) Electrode structure for electron emission, discharge lamp, and discharge lamp apparatus
JP2006209993A (ja) 低圧水銀蒸気放電ランプの製造方法および低圧水銀蒸気放電ランプ
JP2005123016A (ja) 電球のリード部材用合金およびそれを用いた電球の電極構造
JP2003187741A (ja) 放電ランプ用電極
EP1903598A2 (en) High-pressure discharge lamp, high-pressure discharge lamp operating apparatus, and illuminating apparatus.
US7876051B2 (en) Electrode mount, arc tube, low-pressure mercury vapor discharge lamp, compact self-ballasted fluorescent lamp and method of manufacturing the arc tube
JP5100632B2 (ja) 冷陰極管用焼結電極およびそれを用いた冷陰極管並びに液晶表示装置
JP2005285587A (ja) 冷陰極管用電極及び該電極を用いた冷陰極管
JP3480340B2 (ja) 直流放電ランプ
JP2002515636A (ja) 低圧水銀蒸気放電灯
JPH10233188A (ja) 低圧放電ランプ
JP2001210271A (ja) 冷陰極形電極、蛍光ランプおよび照明装置
JP3611984B2 (ja) 放電管および放電管用陰極の製造方法
JP2004192874A (ja) 冷陰極管用電極およびそれを用いた冷陰極管
JP2003197146A (ja) 冷陰極放電管
JP2008226764A (ja) 冷陰極蛍光ランプ
JP2005166382A (ja) ガス放電灯
JP2751706B2 (ja) 無電極放電ランプの製造方法