JPWO2008126689A1 - 色素増感型太陽電池の製造方法 - Google Patents

色素増感型太陽電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、プラスチック基板上においても製膜可能な比較的低温で半導体多孔質膜を形成し、高効率化と高生産性を両立した色素増感型太陽電池の製造方法を提供することにある。該色素増感型太陽電池の製造方法は、光透過性の基材に導電層と、増感色素を吸着させた半導体多孔質膜層とを積層したアノード電極と、該アノード電極の半導体多孔質膜層側に対向するカソード電極と、前記アノード電極とカソード電極の2枚の電極間に電解質を封止した構成からなる色素増感型太陽電池の製造方法に関し、前記半導体多孔質膜が半導体の多孔質を形成後、該多孔質中の微粒子表面にプラズマ照射工程を経て表面コート層を形成させることを特徴とする。

Description

本発明は色素増感型太陽電池の製造方法に関する。更に詳しくは、プラスチック基板上においても製膜可能な比較的低温で半導体多孔質膜を形成し、高効率化と高生産性を両立した色素増感型太陽電池の製造方法に関する。
色素増感型太陽電池は一般的な印刷工程で製造できる構成から、素材・プロセス両面で大幅なコスト低減が期待され、シリコン系、GaAs系、CIS系などに続く次世代の太陽電池として注目を集めている。
この色素増感型太陽電池は、半導体表面に吸着させた色素分子が太陽光を吸収し、色素のLUMO(最低空軌道)から半導体のCB(伝導帯)へ電子注入が起こることで所謂分光増感を行う。
色素分子は半導体表面に吸着基を介して結合させるため、一般的には単分子層であるとされる。
即ち、太陽電池セルに入射した光を高い効率で電子に変換させるためには、色素の光吸収能を向上させる技術が必要である。
それに対し大きなブレイクスルーを果たしたのが、酸化チタンの超微粒子を適度な空孔を含む多孔質膜として形成したことである。
この多孔質膜中の粒子表面に色素分子を単分子吸着させることで、光吸収/電子注入サイトの比表面積を数千倍にまで高めることを可能にし、太陽電池セルに入射した太陽光を効率よく電子に変換することができる。
色素から注入された電子は、酸化チタン多孔質膜中を高効率に拡散し透明電極に到達する。一方で、電子を失った色素は電解質中のヨウ素イオンから電子を受け取る。
さらには電子を渡したヨウ素イオンが対極のPt基板上で電子を受け取る。色素増感型太陽電池は、この一連の光吸収・酸化還元過程を経て外部回路を駆動する。
色素増感型太陽電池に用いられる半導体電極は、酸化チタンを主成分とするナノポーラス構造が一般的である。
この酸化チタン膜は、色素吸着量に依存し電子の失活過程である電子とホールの再結合が極めて生じにくい特性を持っており、ナノポーラス構造に電荷分離機能を持たせる上で都合がよい。
ナノポーラス膜を形成するためには、有機金属化合物を加水分解し、水熱合成によって得たアモルファス状の微粒子ゾルを基板上に塗布後焼成し、色素増感型太陽電池に好適なアナターゼ型酸化チタン微粒子の多孔質膜を得る必要がある。
このときの焼成温度は500℃弱と相当なエネルギーを連続的に掛ける必要があり、色素増感型太陽電池を製造する上で生産性に大きく影響する。
また、500℃という温度は、軽量フレキシブル化に必須なプラスチック基板上への形成においても課題であった。
また、粒子間の接着性も高効率化には重要であり、粒子間をつなぐ表面コート層を形成させることで接着性が向上する。表面コート層を形成する方法として最も一般的に実施されている技術は、塩化チタン溶液に多孔質膜を浸漬させ、乾燥後500℃程度の電気炉で酸化チタンコート層を形成させる工程である(例えば、非特許文献1を参照)。
この工程により多孔質膜の微粒子同士が結着し所謂ネッキングを形成する。
また同時に、多孔質中の比表面積が増大し、同じ膜厚であれば色素吸着量を増大させる効果がある。
しかしながら、上記の方法においても高温での焼結プロセスが必要であり、フレキシブルな色素増感型太陽電池形成に必須なプラスチック基板上へのセル形成は事実上不可能であった。
このような課題に対して〔特許文献2〕においては、微粒子ゾルを基板上に塗布後、高エネルギーを付与できる大気圧プラズマ処理によって低温での焼成を試みている。
しかしながら、ゾルコート層を十分にアナターゼ晶にし、同時に上記のネッキングを形成させるにはエネルギーが不十分であった。セルの高変換効率化が期待できる10μm以上の膜厚を有する多孔質膜においても、停止状態で長時間プラズマ照射を行えば確かにネッキング形成が見られるものの、照射時間の延長によって基板温度は確実に上昇してしまう。また、表層がネッキングされたとしても内部まで十分に焼成されず、変換効率の向上は見込めない。
更には、大気圧プラズマ処理の利点でもある生産性をスポイルしてしまう結果となり、高生産性と高効率化を両立できていなかった。
Chem.Commun.,2005,4351−4353 特開2002−353483号公報
本発明は上述したような従来の課題を解決するためのもので、本発明の目的は、プラスチック基板上においても製膜可能な比較的低温で半導体多孔質膜を形成し、高効率化と高生産性を両立した色素増感型太陽電池の製造方法を提供することにある。
本発明の目的は以下の構成により達成される。
1.光透過性の基材に導電層と、増感色素を吸着させた半導体多孔質膜層とを積層したアノード電極と、該アノード電極の半導体多孔質膜層側に対向するカソード電極と、前記アノード電極とカソード電極の2枚の電極間に電解質を封止した構成からなる色素増感型太陽電池の製造方法に関し、前記半導体多孔質膜が半導体の多孔質を形成後、該多孔質中の微粒子表面にプラズマ照射工程を経て表面コート層を形成させることを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
2.前記表面コート層が、多孔質を形成後に該多孔質に有機金属化合物の溶液を塗布し、続いてプラズマ照射することで形成されることを特徴とする前記1に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
3.前記プラズマ照射工程が、大気圧下、反応ガスとして少なくとも酸素を含む雰囲気で行われることを特徴とする前記2に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
4.前記表面コート層が、多孔質を形成後に反応ガスとして少なくとも有機金属化合物を含有する雰囲気でプラズマ照射することで形成されることを特徴とする前記1に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
5.前記プラズマ照射工程が、大気圧下、反応ガスとして少なくとも酸素を含む雰囲気で行われることを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
6.前記表面コート層が少なくとも金属酸化物を含有し、該表面コート層と前記の多孔質層を形成する微粒子との組成が異なることを特徴とする前記1〜5の何れか1項に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
即ち、本発明者らは種々検討した結果、半導体多孔質膜層を形成する半導体微粒子について、新たにその製膜方法を最適化することを見出し、本発明に至ったものである。
本発明によれば、プラスチック基板上においても製膜可能な比較的低温で半導体多孔質膜を形成し、高効率化と高生産性を両立した色素増感型太陽電池の製造方法を提供することができる。
図1は本発明の色素増感型太陽電池の基本構造の一例示す概略断面図である。 図2は本発明に好ましく用いることができる大気圧プラズマ照射装置の一例を示す概略図である。 図3は本発明に好ましく用いることができる大気圧プラズマ照射装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 導電性基材
1a 光透過性基材
1b 導電層
2 半導体多孔質膜層
2a 光吸収層
2b 光反射層
3 色素
4 電荷移動層
5 カソード電極
6 対向基板
7 封止材
10、30 プラズマ放電処理装置
11 第1電極
12 第2電極
14 処理位置
21、41 第1電源
22、42 第2電源
23 第1フィルタ
24 第2フィルタ
31 大気圧プラズマ処理容器
32 放電空間(対向電極間)
35 ロール回転電極(第1電極)
35a ロール電極
35A 金属質母材
35B、36B 誘電体
36 角筒型固定電極群(第2電極)
36a 角筒型電極
36A 金属質母材
40 電界印加手段
43 第1フィルタ
44 第2フィルタ
50 ガス供給手段
51 ガス発生装置
52 給気口
53 排気口
60 電極温度調節手段
64 ガイドロール
65 ニップロール
68、69 仕切板
F 基材
G ガス
G° プラズマ状態のガス
G′ 処理排ガス
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
最初に、本発明の色素増感型太陽電池について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の色素増感型太陽電池の基本構造を示す概略断面図である。
本発明の色素増感型太陽電池は図1によって示される通り、アノード電極として、光透過性基材1aの上に導電層1bを有する透明導電性基材1、色素分子3を吸着させた光吸収層2aと光反射層2bからなる半導体多孔質膜層2と、電荷移動層(「電解質層」と呼ぶこともある)4、カソード電極5を有する対向基板6から成る。
尚、図1において、+は正極を表し、−は負極を表す。
本発明の色素増感型太陽電池を構成する際には、前記半導体多孔質膜層2、電荷移動層4及びカソード電極5を図中7で示される封止剤で、ケース内に収納して封止するか、あるいはそれら全体を樹脂封止することが好ましい。
本発明の太陽電池に太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、半導体多孔質膜層2に吸着された色素3は照射された太陽光もしくは電磁波を吸収して励起する。
励起によって発生した電子は半導体多孔質膜層2に移動し、次いで導電層1bを経由して外部回路に供給される。
一方、外部回路を駆動してカソード電極5上に移動した電子は、電荷移動層4のレドックス電解質を還元する。半導体多孔質膜層2に電子を移動させた色素3は酸化体となっているが、カソード電極5から電荷移動層4のレドックス電解質を経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に電荷移動層4のレドックス電解質は酸化されて、再びカソード電極5から供給される電子により還元されうる状態に戻る。
このようにして電子が流れ、本発明の色素増感型太陽電池を構成することができる。
以下、これらについて詳細に説明する。
<半導体多孔質膜層>
本発明の半導体多孔質膜層は多孔質体を形成後、該多孔質中の微粒子表面にプラズマ照射工程を経て表面コート層を形成させることが特徴である。
本願においては、短時間で高エネルギーを付与する手段として、プラズマ照射によって、比較的低温での焼成を可能にするものである。
プラズマ照射による多孔質膜形成には、
(1)多孔質膜を形成後に有機金属化合物の溶液に浸漬し、乾燥工程を経て、酸素を含む雰囲気でプラズマ照射させる方法、
(2)多孔質膜を形成後に、有機金属化合物と酸素を含むガスを含む雰囲気でプラズマ照射させる方法を挙げることができる。
(1)では、有機金属化合物の希薄溶液に浸漬させることで、多孔質膜の表面を反応性のゾルで被覆し、酸素ラジカルを含むプラズマ照射を行うことで、多孔質中の微粒子表面に均一なコート層、つまりはネッキングを極短時間に形成することができる。
また(2)においても、有機金属化合物と酸素の混合ガス存在下でプラズマ照射させることで、多孔質中の微粒子表面にコート層を形成させることが可能である。
多孔質中の微粒子表面を被覆するコート層は、金属酸化物から成る所謂微粒子間のネッキングであり、有機金属化合物を出発物質にゾル―ゲル反応により形成させることが好ましい。
有機金属化合物とは金属と有機物が共有結合、配位結合またはイオン結合した化合物であり、例えば、金属アルコキシド、金属アシレート、金属キレート、有機金属塩、ハロゲン金属化合物などを挙げることができ、本発明においては反応性、安定性の観点から金属アルコキシド類を用いることが好ましい。
本発明に有用な有機金属化合物は、下記の一般式で表される化合物が好ましいが、これらに限定されるものではない。
〔一般式〕 MRxRyR
上記一般式において、Mは金属(例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等)を表し、Rはアルキル基、Rはアルコキシ基、Rはβ−ジケトン配位基、β−ケトカルボン酸エステル配位基、β−ケトカルボン酸配位基及びケトオキシ基(ケトオキシ配位基)から選ばれる基であり、金属Mの価数をmとした場合、x+y+z=mであり、x=0〜m、またはx=0〜m−1であり、y=0〜m、z=0〜mで、何れも0または正の整数である。
で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができる。R2で表されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基等を挙げることができる。
またアルキル基の水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。
で表されるβ−ジケトン配位基、β−ケトカルボン酸エステル配位基、β−ケトカルボン酸配位基及びケトオキシ基(ケトオキシ配位基)から選ばれる基としては、β−ジケトン配位基として、例えば、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトンあるいはアセトアセトンともいう)、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸エステル配位基として、例えば、アセト酢酸メチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、アセト酢酸プロピルエステル、トリメチルアセト酢酸エチル、トリフルオロアセト酢酸メチル等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸配位基として、例えば、アセト酢酸、トリメチルアセト酢酸等を挙げることができ、またケトオキシ配位基として、例えば、アセトオキシ基(またはアセトキシ基)、プロピオニルオキシ基、ブチリロキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を挙げることができる。
これらの基の炭素原子数は、上記の有機金属化合物を含んで、18以下が好ましい。また例示にもあるように直鎖または分岐のもの、また水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。
本発明においては、取り扱いの観点から、爆発の危険性の少ない有機金属化合物が好ましく、分子内に少なくとも一つ以上の酸素を有する有機金属化合物が好ましい。
このようなものとしてRのアルコキシ基を少なくとも一つを含有する有機金属化合物、またはRのβ−ジケトン配位基、β−ケトカルボン酸エステル配位基、β−ケトカルボン酸配位基及びケトオキシ基(ケトオキシ配位基)から選ばれる基を少なくとも一つ有する金属化合物が好ましい。
具体的な有機金属化合物について以下に示す。
有機チタン化合物としては、有機チタン化合物、チタン水素化合物、ハロゲン化チタン等があり、有機チタン化合物としては、例えば、トリエトキシチタン、トリメトキシチタン、トリイソプロポキシチタン、トリブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、メチルジメトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、トリエチルチタン、トリイソプロピルチタン、トリブチルチタン、テトラエチルチタン、テトライソプロピルチタン、テトラブチルチタン、テトラジメチルアミノチタン、ジメチルチタンジ(2,4−ペンタンジオナート)、エチルチタントリ(2,4−ペンタンジオナート)、チタントリス(2,4−ペンタンジオナート)、チタントリス(アセトメチルアセタート)、トリアセトキシチタン、ジプロポキシプロピオニルオキシチタン等、ジブチリロキシチタン、チタン水素化合物としてはモノチタン水素化合物、ジチタン水素化合物等、ハロゲン化チタンとしては、トリクロロチタン、テトラクロロチタン等を挙げることが出来、何れも本発明において好ましく用いることができる。またこれらを2種以上同時に混合して使用することもできる。
錫化合物としては、有機錫化合物、錫水素化合物、ハロゲン化錫等であり、有機錫化合物としては、例えば、テトラエチル錫、テトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、ジエチル錫、ジメチル錫、ジイソプロピル錫、ジブチル錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、錫ジブチラート、錫ジアセトアセトナート、エチル錫アセトアセトナート、エトキシ錫アセトアセトナート、ジメチル錫ジアセトアセトナート等、錫水素化合物等、ハロゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等を挙げることができる
有機珪素化合物としては、例えば、テトラエチルシラン、テトラメチルシラン、テトライソプロピルシラン、テトラブチルシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルシランジ(2,4−ペンタンジオナート)、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等、珪素水素化合物としては、テトラ水素化シラン、ヘキサ水素化ジシラン等、ハロゲン化珪素化合物としては、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン等を挙げることが出来、何れも本発明において好ましく用いることができる。
これらを2種以上同時に混合して使用することもできる。
有機ジルコニウム化合物の例としては、ジルコニウムエトキサイド、ジルコニウムイソプロポキサイド、ジルコニウムn−プロポキサイド、ジルコニウムn−ブトキサイド、ジルコニウムt−ブトキサイド、ジルコニウム2−エチルヘキシルオキサイド、ジルコニウム2−メチル−2−ブトキサイド、テトラキス(トリメチルシロキシ)ジルコニウム、ジルコニウムジn−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムジイソプロポキサイドビス(2,2,6,6,−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ジルコニウムジメタクリレートジブトキサイド、ジルコニウムヘキサフルオロペンタンジオネート、ジルコニウムメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリn−プロポキサイド、ジルコニウム2,4−ペンタンジオネート、ジルコニウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ジルコニウムトリフルオロペンタンジオネート等が挙げられる。
また、アルミニウムアルコキシドの例としては、アルミニウム(III)n−ブトキサイド、アルミニウム(III)s−ブトキサイド、アルミニウム(III)t−ブトキサイド、アルミニウム(III)エトキサイド、アルミニウム(III)イソプロポキサイド、アルミニウム(III)s−ブトキサイドビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム(III)ジ−s−ブトキサイドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)ジイソプポキサイドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)エトキシエトキシエトキサイド、アルミニウムヘキサフルオロペンタジオネート、アルミニウム(III)3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロネート、アルミニウム(III)9−オクタデセニルアセトアセテートジイソプロポキサイド、アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート、アルミニウム(III)フェノキサイド、アルミニウム(III)2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートを挙げることができる。
また、その他の有機金属化合物としては、例えば、ニオブイソプロポキシド、アンチモンエトキシド、ヒ素トリエトキシド、バリウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、ベリリウムアセチルアセトナート、ビスマスヘキサフルオロペンタンジオネート、ジメチルカドミウム、カルシウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、クロムトリフルオロペンタンジオネート、コバルトアセチルアセトナート、銅ヘキサフルオロペンタンジオネート、マグネシウムヘキサフルオロペンタンジオネート−ジメチルエーテル錯体、ガリウムエトキシド、テトラエトキシゲルマン、テトラメトキシゲルマン、ハフニウムt−ブドキシド、ハフニウムエトキシド、インジウムアセチルアセトナート、インジウム2,6−ジメチルアミノヘプタンジオネート、フェロセン、ランタンイソプロポキシド、酢酸鉛、テトラエチル鉛、ネオジウムアセチルアセトナート、白金ヘキサフルオロペンタンジオネート、トリメチルシクロペンタジエニル白金、ロジウムジカルボニルアセチルアセトナート、ストロンチウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、タンタルメトキシド、タンタルトリフルオロエトキシド、テルルエトキシド、タングステンエトキシド、バナジウムトリイソプロポキシドオキシド、マグネシウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート、ジエチル亜鉛、などが挙げられる。
多孔質体を形成する微粒子と、表面をコートする組成物が、同種の金属酸化物になるように有機金属化合物を選択してもよいが、半導体の伝導帯レベルや表面のフラットバンドポテンシャルを最適に設計するために、多孔質体と表面コート層が異なる組成であってもよく、またコート層形成のため2種以上の有機金属化合物を同時に混合して用いてもよい。
次に、ゾル−ゲル反応に用いられる溶媒について述べる。溶媒はゾル液中の各成分を均一に混合させ、本発明の組成物の固形分調製をすると同時に、種々の塗布方法に適用できるようにし、組成物の分散安定性及び保存安定性を向上させるものである。
これらの溶媒は上記目的の果たせるものであれば特に限定されない。これらの溶媒の好ましい例として、例えば水、及び水と混和性の高い有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒の例としては、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、蟻酸、酢酸、酢酸メチル、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、tert−ブチルアルコール)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。
本発明で多孔質体に塗布する際の金属アルコキシド溶液の濃度は、1μM〜1M(Mはmol/リットルを表す)の範囲で適宜調整することができ、好ましくは1mM〜100mM、更に好ましくは10mM〜80mMである。
本発明においては、有機金属化合物の溶液に多孔質膜を形成した基材を浸漬し、続いて加水分解を促進させる槽に通し、洗浄―乾燥工程で溶媒を除去、続いて大気圧下プラズマ照射する連続プロセスであることが好ましい。
ゾル−ゲル反応時には、水、及び有機溶媒中で前記金属アルコキシドを加水分解、及び縮重合させるが、この時、反応を促進させるために触媒を用いることが好ましい。
加水分解の触媒としては、一般に酸が用いられる。酸は、無機酸又は有機酸が用いられる。無機酸としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、亜硫酸、硝酸、燐酸など、有機酸化合物としてはカルボン酸類(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオロオクタン酸、安息香酸、フタル酸など)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸)、p−トルエンスルホン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸など)、燐酸・ホスホン酸類(燐酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸など)、ルイス酸類(三フッ化ホウ素エーテラート、スカンジウムトリフレート、アルキルチタン酸、アルミン酸など)、ヘテロポリ酸(燐モリブデン酸、燐タングステン酸など)などを挙げることができる。
本発明における多孔質体の微粒子表面をコートする方法は、湿式法を用いて形成されるものであり金属アルコキシド溶液は、スプレー法やロールコート法、ダイコート法、ブレードコート法、ディップコート法などいずれの塗布法でもよいが、ディップコート法が多孔質膜に表面コートする上で好ましい。
加水分解のタイミングは製造工程中の如何なる時期であっても構わない。
塗布後の乾燥温度は、支持体である樹脂フィルム基材の変形を起こさない範囲であれば特に制限はないが、好ましくは180℃以下、より好ましくは30〜150℃、特に好ましくは50〜130℃である。
本発明のプラズマ処理工程は、大気圧プラズマ処理や低圧プラズマ処理等あるが、大気圧で可能な常圧プラズマ処理が好ましい。
プラズマ処理は、多孔質体に有機金属化合物を溶液コートし、続いて酸素ガスの存在下でプラズマ照射させる方法と、反応性ガスと酸素ガスと共にプラズマ照射する所謂プラズマCVD法を挙げることができるが、本発明においてはどちらの手法も用いることができる。
プラズマを発生させるためには、不活性ガスの雰囲気下で放電させる必要があるが、ここで不活性ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン更には窒素ガス雰囲気下で行うことが好ましく、アルゴンまたはヘリウムが特に好ましく用いられる。本発明で用いる反応性ガスは複数用いることが可能であるが、放電空間でプラズマ状態となり、表面コート層を形成する成分を含有させることも本発明の好ましい態様である。
また、本発明のプラズマ処理は、生産性の観点から大気圧かほぼそれに近い気圧下で行うことが好ましく、圧力は1Pa〜1MPaが好ましく、大気圧が作業性等からさらに好ましい。
雰囲気ガス中に、酸素、メタン、二酸化炭素、窒素(窒素雰囲気の場合を除く)、アンモニア、水素を含ませてもよい。本発明の有機金属化合物で処理した多孔質膜を処理する場合、不活性ガスと共に1ppm〜30%(体積割合)の酸素ガスを含有させることが更に好ましい。
これは、プラズマによって生成された酸素原子ラジカルが、金属酸化物の形成を促進するためである。
大気圧下でプラズマ処理する場合は、開始電圧が上昇するのでこれを抑えるのに、放電極面に誘電体を挟むこと、雰囲気ガスがヘリウム、アルゴンまたは窒素であること、電源として交流や高周波を使用することが好ましい。
周波数として、1kHz〜1GHzが好ましい。印加する電力は、多孔質膜の厚み、組成、表面特性等によっても異なり、条件を最適化する必要があるが、0.01〜10W/cmの範囲の電力を用いて0.1秒〜数十秒の範囲で放電処理を行う。印加電力が高すぎると、表面の平滑性を損ね、放電による飛散物質汚染等の問題が発生することがあり注意が必要である。
本発明に用いることのできる大気圧プラズマ処理装置の一例として、図2および図3で説明する。
図2中、プラズマ放電処理装置10は、第1電極11と第2電極12から構成されている対向電極を有しており、該対向電極間に、第1電極11へは第1電源21からの周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1の高周波電界が印加され、また第2電極12へは第2電源22からの周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2の高周波電界が印加されるようになっている。第1電源21は第2電源22より高い高周波電界強度(V1>V2)を印加出来、また第1電源21の第1の周波数ω1は第2電源22の第2の周波数ω2より低い周波数を印加出来る。
第1電極11と第1電源21との間には、第1フィルタ23が設置されており、第1電源21から第1電極11への電流を通過しやすくし、第2電源22からの電流をアースして、第2電源22から第1電源21への電流が通過しにくくなるように設計されている。
また、第2電極12と第2電源22との間には、第2フィルタ24が設置されており、第2電源22から第2電極への電流を通過しやすくし、第1電源21からの電流をアースして、第1電源21から第2電源への電流を通過しにくくするように設計されている。
第1電極11と第2電極12との対向電極間(放電空間)13に、後述の図3に図示してあるようなガス供給手段からガスGを導入し、第1電極11と第2電極12から高周波電界を印加して放電を発生させ、ガスGをプラズマ状態にしながら対向電極の下側(図下側)にジェット状に吹き出させて、対向電極下面と基材Fとで作る処理空間をプラズマ状態のガスG°で満たし、図示してない前工程から搬送して来る基材Fの上に、処理位置14付近で、プラズマ状態となったガスGを多孔質膜に処理する。更に本発明の好ましい態様では、処理位置14付近に存在する反応性ガスが、多孔質膜中で直接励起されプラズマ状態となる処理手段も好ましく用いることができる。プラズマ放電処理中、後述の図3に図示してあるような電極温度調節手段から媒体が配管を通って電極を加熱または冷却する。プラズマ放電処理の際の基材の温度によっては、得られる表面物性や組成等が変化することもあり、これに対して適宜制御することが望ましい。温度調節の媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材の温度ムラが出来るだけ生じないように電極の内部の温度を均等に調節することが望ましい。
図3はフィルム基材の搬送工程に適用できる、所謂ロールツーロールによるプラズマ処理の装置例である。図3中、大気圧プラズマ処理装置30は、二つの電源を有する電界印加手段40、ガス供給手段50、電極温度調節手段60を有している装置である。
以下、基材Fは半導体多孔質膜を形成させた基材であり、または多孔質体を上記の有機金属化合物で処理したゾルコート層を有する基材である。
ロール回転電極(第1電極)35と角筒型電極(第2電極)36との間の放電空間(対向電極間)32に、ロール回転電極(第1電極)35には第1電源41から周波数ω1、電界強度V1、電流I1の第1の高周波電界を、また角筒型電極(第2電極)36には第2電源42から周波数ω2、電界強度V2、電流I2の第2の高周波電界をかけるようになっている。
ロール回転電極(第1電極)35と第1電源41との間には、第1フィルタ43が設置されており、第1フィルタ43は第1電源41から第1電極への電流を通過しやすくし、第2電源42からの電流をアースして、第2電源42から第1電源への電流を通過しにくくするように設計されている。また、角筒型電極(第2電極)36と第2電源42との間には、第2フィルタ44が設置されており、第2フィルタ44は、第2電源42から第2電極への電流を通過しやすくし、第1電源41からの電流をアースして、第1電源41から第2電源への電流を通過しにくくするように設計されている。
なお、本発明においては、ロール回転電極35を第2電極、また角筒型電極36を第1電極としてもよい。何れにしても第1電極には第1電源が、また第2電極には第2電源が接続される。第1電源は第2電源より高い高周波電界強度(V1>V2)を印加することが好ましい。また、周波数はω1<ω2となる能力を有している。
また、電流はI1<I2となることが好ましい。第1の高周波電界の電流I1は、好ましくは0.3〜20mA/cm、さらに好ましくは1.0〜20mA/cmである。また、第2の高周波電界の電流I2は、好ましくは10〜100mA/cm、さらに好ましくは20〜100mA/cmである。
ガス供給手段50において、ガス発生装置51で発生させた反応性ガスGは、流量を制御して給気口52より大気圧プラズマ処理容器31内に導入する。
基材Fを、図示されていない元巻きから巻きほぐして搬送されてくるか、または前工程から搬送されてきて、ガイドロール64を経てニップロール65で基材に同伴されてくる空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回しながら角筒型電極36との間に移送し、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型電極(第2電極)36との両方から電界をかけ、対向電極間(放電空間)32で放電プラズマを発生させる。基材Fはロール回転電極35に接触したまま巻き回されながらプラズマ状態のガスにより処理される。基材Fは、ニップロール66、ガイドロール67を経て、次工程に移送する。
放電処理済みの処理排気G′は排気口53より排出する。
薄膜形成中、ロール回転電極(第1電極)35及び角筒型電極(第2電極)36を加熱または冷却するために、電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を、送液ポンプPで配管61を経て両電極に送り、電極内側から温度を調節する。
なお、68及び69は大気圧プラズマ処理容器31と外界とを仕切る仕切板である。
図3に示した各角筒型電極36は、円筒型電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明に好ましく用いられる。
対向する第1電極及び第2の電極の電極間距離は、電極の一方に誘電体を設けた場合、該誘電体表面ともう一方の電極の導電性の金属質母材表面との最短距離のことを言う。また、双方の電極に誘電体を設けた場合、誘電体表面同士の距離の最短距離のことを言う。
電極間距離は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電界強度の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1〜20mmが好ましく、特に好ましくは0.5〜2mmである。
大気圧プラズマ処理容器31は、パイレックス(登録商標)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたはステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けてもよく、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよい。
以下に、本発明に係る大気圧プラズマ処理装置に適用可能な高周波電源を例示する。
大気圧プラズマ処理装置に設置する第1電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数
製品名
A1 神鋼電機 3kHz
SPG3−4500
A2 神鋼電機 5kHz
SP G5−4500
A3 春日電機 15kHz
AGI−023
A4 神鋼電機 50kHz
SPG50−4500
A5 ハイデン研究所 100kHz*
PHF−6k
A6 パール工業 200kHz
CF−2000−200k
A7 パール工業 400kHz
CF−2000−400k
等の市販のものを挙げることができ、何れも使用することができる。
また、第2電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
B1 パール工業 800kHz
CF−2000−800k
B2 パール工業 2MHz
CF−2000−2M
B3 パール工業 13.56MHz
CF−5000−13M
B4 パール工業 27MHz
CF−2000−27M
B5 パール工業 150MHz
CF−2000−150M
等の市販のものを挙げることができ、何れも好ましく使用できる。
なお、上記電源のうち、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。
それ以外は連続サイン波のみ印加可能な高周波電源である。
本発明においては、このような電界を印加して、均一で安定な放電状態を保つことができる電極を大気圧プラズマ処理装置に採用することが好ましい。
本発明において、対向する電極間に印加する電力は、第2電極(第2の高周波電界)に1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、予め塗布した有機金属化合物に与え、薄膜を形成する。
第2電極に供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm、より好ましくは20W/cmである。下限値は、好ましくは1.2W/cmである。なお、放電面積(cm)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
また、第1電極(第1の高周波電界)にも、1W/cm以上の電力(出力密度)を供給することにより、第2の高周波電界の均一性を維持したまま、出力密度を向上させることができる。
これにより、さらなる均一高密度プラズマを生成でき、さらなる製膜速度の向上と膜質の向上が両立できる。好ましくは5W/cm以上である。
第1電極に供給する電力の上限値は、好ましくは50W/cmである。
ここで高周波電界の波形としては、特に限定されない。連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モード等があり、そのどちらを採用してもよいが、少なくとも第2電極側(第2の高周波電界)は連続サイン波の方がより好ましい。
図3に示される大気圧プラズマ処理装置は電極温度調節手段60を有している装置である。
プラズマによる処理は、反応性の観点からできる限り高温で処理することが好ましく、電極温度調節手段60を用いて少なくともロール回転電極(第1電極)の温度を調整しながら処理することが好ましい。
ロール回転電極(第1電極)の温度は、50℃以上にすることが好ましく、70℃以上が更に好ましく、90℃以上が最も好ましい。
このとき、基材Fの軟化点以下に設定し、且つ、プラズマ処理された出口での温度が必要以上に高温にならないようにロール回転電極(第1電極)の温度を調節する必要がある。
プラズマの照射時間は基材Fの搬送速度で制御することができ、照射時間に合わせて適宜調整される。好ましい照射時間は0.1秒〜100秒であり、更に好ましくは0.2秒〜30秒であり、最も好ましくは0.5秒〜10秒である。長時間照射するほどネッキング形成させ易いが、照射時間が長くなるにつれ基材Fの温度が上昇し、軟化点以上になると熱によって変形、破断する可能性があり、より短時間で処理することが好ましい。
本発明に掛かる半導体多孔質膜層を形成する多孔質体は、金属酸化物に代表されるセラミック半導体微粒子から成ることが好ましい。
半導体微粒子の組成は価電子帯(VB)と伝導帯(CB)のバンドギャップが3eV前後あれば特に限定しないが、ナノポーラス膜の形成し易さから金属酸化物であることが好ましい。
代表的な金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウムなどを上げることが出来、中でも酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ニオブ、チタン酸ストロンチウムが伝導帯のエネルギーレベルや色素の吸着性を考慮すると好ましく、さらには酸化チタン、酸化亜鉛が好ましく、酸化チタンが最も好ましい。
また、色素増感型太陽電池の性能向上を目的に、前記半導体微粒子を混合して成る構成でもよく、さらには半導体Aの表面に半導体Bを被覆して成るコアシェル微粒子ないしコンポジット微粒子を用いてもよい。
本発明に用いることができる半導体微粒子の製法としては、一般公知の技術を用いて行うことができる。微粒子形成方法は大きく分けて気相法と液相法に分類される。気相法とは気体状の原料物質から結晶形成させる手法であり、連続的なプロセスを構築しやすく低コストで高純度な粒子を大量生産することに向く。
一方で液相法は原料物質1種、あるいは2種以上を溶液中で混合し、原料物質と生成物の溶解度変化を利用して粒子形成する方法であり、シングルジェット法、ダブルジェット法、ゾル―ゲル法などが挙げられ、極端な大量生産には不向きなものの粒子形状の揃った高品質な微粒子を合成できる製法として広く用いられている。
また液相法の一種であるが、原料物質を溶融し冷却時の溶解度変化を利用して粒子形成させるメルト法や、メルト法と同様にして高温溶融したフラックス塩中で形成させる手法などが挙げられる。
本発明の光吸収層に用いられる半導体微粒子は、粒子サイズが制御して形成できる方法であれば、上記いかなる手法にて粒子形成されてもよいが、多孔質膜を形成してから結晶化させる構成では十分な光電変換効率が得られないため、予め何らかの焼成処理が施された金属酸化物微粒子を用いることが好ましい。
酸化チタンに限って言えば粒径、純度、結晶性、コストといったバランスから気相法酸化チタン(例えば、デグサ社製P25など)を用いることが好ましい。
本発明の半導体多孔質膜層は光透過性基材側から順に、光吸収層と光反射層とを積層した構成が好ましく、該光反射層はアスペクト比(以下、ARと略すこともある)が5以上の形状異方性微粒子であることが更に好ましい。
形状異方性微粒子は、平板状、燐片状、板状、針状、柱状、繊維状、ラグビーボール状、紡錘状、など形状異方性を有する粒子を挙げることができ、好ましくは平板状、燐片状、板状であり、光反射能から平板状が最も好ましい。
好ましいアスペクト比は5以上〜200以下であり、さらに好ましくは10以上〜100以下である。
本発明の光吸収層は、太陽光を散乱しない5nm〜100nmの平均粒径が好ましく、さらには8nm〜80nm、比表面積と空隙サイズから10nm〜30nmが最も好ましい。
また、反射層は太陽光を反射する100nm〜10μmの平均粒径が好ましく、さらに好ましくは200nm〜3μm程度であり、最も好ましくは250nm〜2μm程度が、反射効率と変換効率の観点から好ましい。
更に本発明においては、上述の光吸収層用の粒子と光反射層用粒子を混合して発電層として用いてもよく、また、光反射層が粒径の異なる2種以上の粒子から成ることが更に好ましい。
本発明の平均粒径とは、透過型電子顕微鏡(例えば日本電子製JEM−2010F型)で観察した粒子の投影面積を真円に換算したときの円相当径を計算し、観測粒子数500個以上での平均円相当径を示す。
また、本発明でアスペクト比とは、前記平均粒径を、500個以上の粒子を横方向から観察した平均厚みで除した値を示す。
ここで太陽光を散乱しないとは、太陽光に含まれる可視光線(主には400nm〜780nm域の光)と、UVAと呼ばれる紫外線(315nm〜400nm域の光)、近赤外線〜遠赤外線(780nm以上の光)を含むスペクトル光を散乱しないことを言う。
この波長領域はミー散乱で分類することができ、光の波長、粒子径、粒子の屈折率により散乱特性が影響される。
無機微粒子の場合、一般的には波長と同程度の粒径が存在すると散乱が発生すると言われている。
実験的には温帯地域で観測される太陽光の平均輻射エネルギーを模して、エアマス1.5G(AM1.5G)と呼ばれるスペクトル光で、半導体多孔質膜のヘイズ値を評価することで確認できる。
本発明の半導体多孔質膜層に関し、特に光吸収層の膜厚は5μm以上〜20μm以下であることが好ましく、8μm以上〜18μm程度がさらに好ましく、11μm以上〜15μm程度が最も変換効率が高く好ましい。
また、光反射層は0.5μm以上〜10μm程度で設計することができ、好ましくは1μm以上〜5μm以下、更に好ましくは1μm以上〜3μm以下である。
光反射層の膜厚が薄すぎると十分な光反射能が得られず、逆に厚すぎると半導体多孔質膜層自体の膜厚が厚くなり電解質の拡散を阻害してしまうだけでなく、半導体に注入された電子と色素ホールとの再結合チャンスが増えVocの低下を招く恐れがある。
更に、上記の光吸収層と光反射層をトータルした半導体多孔質膜層の膜厚は、10μm〜20μm程度が好ましく、13μm〜17μm程度がさらに好ましく、14μm〜16μmが最も好ましい。
光吸収層と光反射層の膜厚比は、光吸収層:光反射層=15:1〜4:1程度が好ましく、12:1〜5:1がさらに好ましく、10:1〜6:1が最も好ましい。
本発明においては、プラズマ処理工程後の半導体多孔質膜層が前記の膜厚範囲に好ましく形成される様に、粒子懸濁液(ペースト)を最適に設計し、また、ペーストの塗布工程において重ね塗布するなどして膜厚を確保させることが好ましい。
さらに、光吸収層および光反射層を積層させる場合にも、同様にして重ね塗布により形成させることが好ましい。
次に、本発明の半導体多孔質膜の作製方法について説明する。半導体多孔質膜を作製する方法としては公知の方法を適用することが可能であるが、半導体微粒子を含む分散液を塗布し形成させる方法が好ましい。
具体的な公知の塗布方法としては、スクリーン印刷法、インクジェット法、ロールコート法、ドクターブレード法、スピンコート法、スプレー塗布法などを挙げることができる。
半導体微粒子分散塗布液(以下、ペーストとも呼ぶ)の溶媒としては、半導体微粒子を分散し得るものであれば特に制限は無く、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が包含される。
有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。
溶媒中の半導体微粒子の濃度の範囲は、0.1質量%〜70質量%が好ましく、0.1質量%〜30質量%が更に好ましい。
懸濁液中には、必要に応じて界面活性剤や粘度調節剤(エチレングリコール等の多価アルコール等)、分散剤等を加えることができるが、プラスチックフィルム基材上に多孔質膜を形成する場合は、続く乾燥工程においてフィルムの軟化点以下で半導体微粒子以外の組成物を除去できる構成が好ましい。
例えば、ペーストを塗布後にフィルム基材の軟化点以下で乾燥し有機物を除去する方法、塗布後に溶剤を含む浴槽に通し溶解除去する方法などが挙げられる。
上記のペーストは公知の分散機を用いて十分に1次粒子化させることが好ましい。本発明で用いることができる分散機としては、超音波分散機、ビーズミル分散機、ロールミル分散機などを挙げることができ、分散工程やペーストの粘度によって適宜選択することができる。
上記のようにして得られた半導体微粒子を含有する懸濁液を導電性基材上に塗布し、空気中または不活性ガス中で十分乾燥等を行った後、続くプラズマ照射工程へと搬送させる。導電性基材上に形成された半導体多孔質膜層は、導電性基材との結合力や、微粒子間の結合力が弱く、機械的に脆い膜であるため、プラズマ照射工程に搬送する前に有機金属化合物の溶解液中を通し、続く工程でUV照射などのエネルギーを加え、ゾル化を促進させることもできる。予めゾル化を進行させることで、強固な表面コート層となり、プラズマ照射中でコート層が剥離することがなくなりより好ましい。
導電性基材上に懸濁液を塗布、乾燥後得られる多孔質体は、半導体微粒子の集合体からなるもので、その微粒子の粒子径は使用した半導体微粒子の1次粒子径に依存するものである。
また、プラズマ処理工程を経て得られた半導体多孔質膜は、上記の多孔質体に対して表面に数nmの表面コート層を形成させるため、この多孔質体よりも粒径が大きくなり、結果として比表面積が拡大する効果が得られる。比表面積の拡大は、色素吸着量の増大にもつながり、プラズマ処理によって光電変換効率の向上が期待される。
本発明においては、この半導体多孔質膜はどのような構造を有していても良いが、多孔質構造(空隙を有する、ポーラスな層ともいう)であることが好ましい。
ここで、半導体多孔質膜層の空隙率は、50体積%以下が好ましく、更に好ましくは、20体積%以下であり、特に好ましくは、0.01体積%〜10体積%以下である。尚、半導体多孔質膜層の空隙率は、誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(例えば、島津ポアライザー9220型)等の市販の装置を用いて測定することが出来る。
<導電性基材>
本発明で用いられる導電性基材1は実質的に透明であることが好ましく、所謂透明導電性基材であることが重要である。実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが好ましく、80%以上であることが特に好ましい。
導電性基材とはそれ自体が導電性を有する基材、またはその表面に導電層を有する基材を利用することができる。後者の場合、基材としてはガラス板や、酸化チタンやアルミナなどのセラミックの研磨板、更に公知の種々のプラスチックシートを使用することが可能である。
具体的なプラスチックシートの例としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、シンジオタクチックポリステレン(SPS)、ポリカーボネート(PC),ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、環状ポリオレフィン、フェノキシ樹脂、ブロム化フェノキシ等を挙げることができる。本発明においてはプラズマ照射工程で高温下にさらされるため、より軟化点の高いプラスチックシートを用いることが好ましく、軟化点は好ましくは100℃以上、更に好ましくは150℃以上である。
軟化点はJIS−K7206のビカット軟化点を測定することで評価することができる。
図1中、光透過性基材11上に設ける導電層12に使用する導電性材料は、種々公知の金属や金属酸化物等からなる無機系導電性材料、ポリマー系導電性材料、無機有機複合型の導電性材料、またはこれらを任意に混合した導電性材料など、あらゆるものを使用することができる。
無機系導電性材料として具体的には、白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム、ロジウム、インジウム等の金属、導電性カーボン、更にスズドープ酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(SnO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物を挙げることができる。
ポリマー系導電性材料として具体的には、各種チオフェン、ピロール、フラン、アニリンなどの誘導体を重合させてなる導電性ポリマーやポリアセチレン等を挙げることができるが、導電性が高い観点からポリチオフェンが好ましく、特にポリエチレンジオキシチオフェン類(PEDOT/PSS)が好ましい。
基材上に導電層を形成する方法としては、導電性材料に応じた公知の適切な方法を用いることが可能で、例えば、ITOなどの金属酸化物からなる導電層を形成する場合、スパッタ法、CVD法、SPD法(スプレー熱分解堆積法)、蒸着法などの薄膜形成法が挙げられる。
また、ポリマー系導電性材料からなる導電層を形成する場合は、公知の様々な塗布法により形成することが好ましい。
導電層の膜厚は0.01μm〜10μm程度が好ましく、0.05μm〜5μm程度が更に好ましい。
導電性基材としては表面抵抗が低いほど良く、具体的には50Ω/cm 以下であることが好ましく、10Ω/cm以下であることが更に好ましい。
また、導電性基材の集電効率を向上し更に導電性を上げるために、光透過率を著しく損なわない範囲の面積率で、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、インジウム、チタン、タングステンなどからなる金属配線層を前記導電層と併用してもよい。
金属配線層を用いる場合、格子状、縞状、櫛状などのパターンとして、光が導電性基材を均一に透過するように配設するとよい。
金属配線層を併用する場合、基材に蒸着、スパッタリング等で設置し、その上に前記導電層を設けるのが好ましい。
色素増感型太陽電池においては、前記光透過性基材上に設けた導電層とセル中に封止された電解質との短絡による開放電圧の低下を抑制するため、透明導電性基材の上に金属酸化物などを数nm〜数十nm程度形成させておくことが好ましい。
具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウムなどを上げることが出来、これらを単体もしくは混合した膜を、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、ディップコート法などを用いて形成させておくことが望ましい。
本発明において、前述した半導体多孔質膜層2の表面に吸着させる色素3としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収を有し、金属酸化物半導体の伝導帯より高い最低空準位を有する色素が好ましく、公知の様々な色素を使用することができる。
例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、シアニジン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ローダミン系色素、ローダニン系色素などが挙げられる。
なお、金属錯体色素も好ましく使用され、その場合においては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどの種々の金属を用いることができる。
上記の中で、シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素などのポリメチン色素は好ましい態様の1つであり、具体的には特開平11−35836号、特開平11−67285号、特開平11−86916号、特開平11−97725号、特開平11−158395号、特開平11−163378号、特開平11−214730号、特開平11−214731号、特開平11−238905号、特開2004−207224号公報、特開2004−319202号公報、欧州特許892411号および同911841号などの各明細書に記載の色素を挙げることができる。
更に金属錯体色素も好ましい態様の1つであり、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素またはルテニウム錯体色素が好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。その他、金属錯体色素に用いられる好ましい金属種としては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rhなどの種々の金属を用いることができる。
ルテニウム錯体色素としては、例えば米国特許4927721号、同4684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、同5525440号、特開平7−249790号、特表平10−504512号、WO98/50393号、特開2000−26487号、特開2001−223037号、特開2001−226607号、特許第3430254号公報、などの各明細書に記載の錯体色素を挙げることができる。これらの色素は、吸光係数が大きくかつ繰り返しの酸化還元に対して安定であることが好ましい。また、上記色素は金属酸化物半導体上に化学的に吸着することが好ましく、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミド基、アミノ基、カルボニル基、ホスフィン基などの官能基を有することが好ましい。
また、光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、2種類以上の色素を併用または混合することもできる。
この場合、目的とする光源の波長域と強度分布に合わせるように、併用または混合する色素とその割合を選ぶことができる。
本発明において、半導体多孔質膜層に色素を吸着させる方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
例えば、色素を有機溶剤に溶解して色素溶液を調製し、得られた色素溶液に透明導電膜上の半導体層を浸漬する方法、または得られた色素溶液を半導体層表面に塗布する方法などが挙げられる。
前者においてはデイプ法、ローラ法、エヤーナイフ法などが適用でき、後者においてはワイヤーバー法、アプリケーション法、スピン法、スプレー法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などが適用できる。なお、色素の吸着に先立って、半導体層の表面を予め減圧処理や加熱処理など処理を施し、表面を活性化し膜中の気泡を除去する工程を有しても良い。
半導体層への増感効果を好ましく得る観点から、半導体膜を色素の溶液に浸漬する時間は、3時間〜48時間が好ましく、更に好ましくは、4時間〜24時間である。
また、浸漬にあたり色素溶液は、色素が分解しないかぎりにおいて、沸騰しない温度にまで加熱して用いてもよい。好ましい温度範囲は10℃〜50℃、とくに好ましくは15℃〜35℃であるが、前記のとおり溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合はこの限りでない。
また、半導体膜を浸漬した色素溶液に超音波照射を行うこともできる。超音波照射は市販の装置を用いることができ、また、照射時間としては、好ましくは30分〜4時間であり、更に好ましくは1時間〜3時間である。
色素溶液に用いる溶媒は、色素を溶解するものであればよく、従来公知の溶媒を用いることができる。
また、当該溶媒は、常法に従って精製された溶媒、また溶媒の使用に先立って、必要に応じて蒸留および/または乾燥を行ない、より純度の高い溶媒であることが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、1種又はそれ以上の疎水性溶媒、非プロトン性溶媒、疎水性かつ非プロトン性の溶媒またはそれらの混合物が挙げられる。ここで、疎水性溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素;ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸エチル等のエステル類等、並びにそれらの組合せた混合溶媒等が挙げられる。非プロトン性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の窒素化合物類;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物類;ヘキサメチルホスホルアミド等のリン化合物類、並びにそれらの組み合せが挙げられる。
好ましく用いられる溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素溶媒、窒素化合物類であるアセトニトリルであり、特に好ましくはメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトニトリルである。
色素溶液中の色素の濃度は、使用する色素、溶媒の種類、色素吸着工程により適宜調整することができ、例えば、1×10−5モル/リットル以上、好ましくは5×10−5〜1×10−2モル/リットル程度が挙げられる。
未吸着の色素を洗浄により速やかに除去するのが好ましい。洗浄溶剤としては、色素の溶解性が比較的低く、かつ乾燥しやすい溶剤が好ましい。
また、洗浄は加熱状態で行うのが好ましい。
また、洗浄により余分な色素を除去した後、色素の吸着状態をより安定にするために、酸化物半導体微粒子の表面を有機塩基性化合物で処理して、未反応色素の除去を促進させてもよい。有機塩基性化合物としては、ピリジン、キノリンなどの誘導体が挙げられる。
これら化合物が液体の場合にはそのまま用いてもよいが、固体の場合には溶剤、好ましくは色素溶液と同一の溶剤に溶解して用いてもよい。
色素を2種以上用いる場合は、混合する色素の比率は特に限定は無く、それぞれの色素より最適化し選択されるが、一般的に等モルずつの混合から、1つの色素につき10%モル程度以上使用するのが好ましい。
色素を2種以上併用する場合の具体的方法としては、混合溶解して吸着させても、色素を半導体層に順次吸着させても良い。
併用する色素を混合し溶解した溶液を用いて酸化物半導体層に色素を吸着する場合、溶液中の色素合計の濃度は1種類のみ担持する場合と同様でよい。
色素を混合して使用する場合の溶媒としては前記したような溶媒が使用可能である。
併用する色素それぞれについて溶液を調製し半導体層に吸着させる場合も、溶媒としては前記したような溶媒が使用可能であり、使用する各色素用の溶媒は同一でも異なっていてもよい。
各色素について別々の溶液を調製し、各溶液に順に浸漬して作製する場合は、半導体層に色素を吸着させる順序がどのようであっても本発明の効果を得ることができる。
また、各色素を単独で吸着させた半導体微粒子を混合することで作製してもよい。
酸化物半導体微粒子の薄膜に色素を担持する際、色素同士の会合を防ぐために包摂化合物の共存下、色素を担持することが効果的である。
ここで包摂化合物としてはコール酸等のステロイド系化合物、クラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレン、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられるが、好ましいものとしてはデオキシコール酸、デヒドロデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、コール酸メチルエステル、コール酸ナトリウム等のコール酸類、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。また、色素を担持させた後、4−t−ブチルピリジン等のアミン化合物で半導体層表面を処理しても良い。処理の方法は例えばアミンのエタノール溶液に色素を担持した半導体微粒子薄膜の設けられた基板を浸す方法等が採られる。
<電荷移動層>
電荷移動層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する層である。
本発明で用いることのできる代表的な電荷輸送材料の例としては、酸化還元対イオンが溶解した溶剤や酸化還元対イオンを含有する常温溶融塩などの電解液、酸化還元対イオンの溶液をポリマーマトリクスや低分子ゲル化剤等に含浸したゲル状の擬固体化電解質、更には高分子固体電解質等が挙げられる。
また、イオンが関わる電荷輸送材料の他に、固体中のキャリア移動が電気伝導に関わる材料として、電子輸送材料や正孔(ホール)輸送材料を挙げることもでき、これらは併用してすることも可能である。
電荷移動層に電解液を使用する場合、含有する酸化還元対イオンとしては、一般に公知の太陽電池などにおいて使用することができるものであれば特に限定されない。
具体的には、I/I−系、Br /Br 系等の酸化還元対イオンを含有させたもの、フェロシアン酸塩/フェリシアン酸塩やフェロセン/フェリシニウムイオン、コバルト錯体などの金属錯体等の金属酸化還元系、アルキルチオール−アルキルジスルフィド、ビオロゲン色素、ハイドロキノン/キノン等の有機酸化還元系、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール/アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物などを挙げることができる。
ヨウ素系として更に具体的には、ヨウ素とLiI、NaI、KI、CsI、CaIなどの金属ヨウ化物との組み合わせ、テトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイドなどの4級アンモニウム化合物や4級イミダゾリウム化合物のヨウ素塩などとの組み合わせなどが挙げられる。臭素系として更に具体的には、臭素とLiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBrなどの金属臭化物との組み合わせ、テトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級 アンモニウム化合物の臭素塩などとの組み合わせなどが挙げられる。
溶剤としては電気化学的に不活性で、粘度が低くイオン易動度を向上したり、もしくは誘電率が高く有効キャリア濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。
具体的にはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、更にテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質などを用いることができる。
好ましい電解質濃度は0.1mol/L〜15mol/Lであり、更に好ましくは0.2M以上10mol/L〜以下である。また、ヨウ素系を使用する場合の好ましいヨウ素の添加濃度は0.01mol/L〜0.5mol/Lである。
溶融塩電解質は、光電変換効率と耐久性の両立という観点から好ましい。
溶融塩電解質としては、例えばWO95/18456号、特開平8−259543号、特開2001−357896号、電気化学,第65巻,11号,923頁(1997年)等に記載されているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等の既知のヨウ素塩を含む電解質を挙げることができる。これらの溶融塩電解質は常温で溶融状態であるものが好ましく、溶媒を用いない方が好ましい。
オリゴマ−及びポリマー等のマトリックスに電解質あるいは電解質溶液を含有させたものや、ポリマー添加、低分子ゲル化剤やオイルゲル化剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋反応等の手法によりゲル化(擬固体化)させて使用することもできる。
ポリマー添加によりゲル化させる場合は、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンを好ましく使用することができる。オイルゲル化剤添加によりゲル化させる場合は、好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物である。
また、ポリマーの架橋反応により電解質をゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリマーおよび架橋剤を併用することが望ましい。
この場合、好ましい架橋可能な反応性基は、含窒素複素環(例えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、トリアゾール環、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環など)であり、好ましい架橋剤は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能以上の試薬(例えば、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アラルキル、スルホン酸エステル、酸無水物、酸クロライド、イソシアネートなど)である。電解質の濃度は通常0.01〜99%で好ましくは0.1〜90%程度である。
また、ゲル状電解質としては、電解質と、金属酸化物粒子および/または導電性粒子とを含む電解質組成物を用いることもできる。
金属酸化物粒子としては、TiO、SnO、WO、ZnO、ITO、BaTiO、Nb、In、ZrO、Ta、La、SrTiO、Y、Ho、Bi、CeO、Alからなる群から選択される1種または2種以上の混合物が挙げられる。
これらは不純物がドープされたものや複合酸化物などであってもよい。導電性粒子としては、カーボンを主体とする物質からなるものが挙げられる。
次に、高分子電解質としては、酸化還元種を溶解あるいは酸化還元種を構成する少なくとも1つの物質と結合することができる固体状の物質であり、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンサクシネート、ポリ−β−プロピオラクトン、ポリエチレンイミン、ポリアルキレンスルフィドなどの高分子化合物またはそれらの架橋体、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキサイドなどの高分子官能基に、ポリエーテルセグメントまたはオリゴアルキレンオキサイド構造を側鎖として付加したものまたはそれらの共重合体などが挙げられ、その中でも特にオリゴアルキレンオキサイド構造を側鎖として有するものやポリエーテルセグメントを側鎖として有するものが好ましい。
前記の固体中に酸化還元種を含有させるには、例えば、高分子化合物となるモノマーと酸化還元種との共存下で重合する方法、高分子化合物などの固体を必要に応じて溶媒に溶解し、次いで、前記の酸化還元種を加える方法等を用いることができる。
酸化還元種の含有量は、必要とするイオン伝導性能に応じて、適宜選定することができる。
本発明では、溶融塩などのイオン伝導性電解質の代わりに、有機または無機あるいはこの両者を組み合わせた固体の正孔輸送材料を使用することができる。
有機正孔輸送材料としては、芳香族アミン類やトリフェニレン誘導体類、更にポリアセチレンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレン)およびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン) およびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリトルイジンおよびその誘導体等の導電性高分子を好ましく用いることができる。
正孔(ホール)輸送材料にはドーパントレベルをコントロールするためにトリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有する化合物を添加したり、酸化物半導体表面のポテンシャル制御(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CFSON]のような塩を添加しても構わない。
無機正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体を用いることができる。
この目的のp型無機化合物半導体は、バンドギャップが2eV以上であることが好ましく、さらに2.5eV以上であることが好ましい。
また、p型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは色素の正孔を還元できる条件から、色素吸着電極のイオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によってp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、 一般に4.5eV以上5.5eV以下であることが好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下であることが好ましい。
好ましいp型無機化合物半導体は一価の銅を含む化合物半導体であり、CuI及びCuSCNが好ましく、CuIが最も好ましい。
p型無機化合物半導体を含有する電荷移動層の好ましいホール移動度は10−4cm/V・sec以上10cm/V・sec以下であり、更に好ましくは10−3cm/V・sec以上10cm/V・sec以下である。また、電荷輸送層の好ましい導電率は10−8S/cm以上10S/cm以下であり、更に好ましくはS10−6/cm以上10/cm以下である。
本発明において、電荷移動層4を半導体電極とカソード電極5との間に形成する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、半導体電極とカソード電極とを対向配置してから両電極間に前述した電解液や各種電解質を充填して電荷移動層4とする方法、半導体電極またはカソード電極の上に電解質や各種電解質を滴下あるいは塗布等することにより電荷移動層4を形成したのち電荷移動層4の上に他方の電極を重ね合わせる方法、電荷移動層以外を封止したセルの電極に電解質注入用の穴を設け、そこから電解質を注入して電荷移動層4を形成させる方法等を用いることができる。
また、半導体電極とカソード電極との間から電解質が漏れ出さないようにするため、必要に応じて半導体電極とカソード電極との隙間にフィルムや樹脂を用いて封止したり、半導体電極と電荷移動層4とカソード電極5を適当なケースに収納したりすることも好ましい。
前者の形成方法の場合、電荷移動層の充填方法として、浸漬等による毛管現象を利用する常圧プロセス、または常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に置換する真空プロセスを利用できる。
後者の形成方法の場合、塗布方法としてはマイクログラビアコーティング、ディップコーティング、スクリーンコーティング、スピンコーティング等を用いることができる。湿式の電荷移動層においては未乾燥のまま対極を付与し、エッジ部の液漏洩防止措置を施すことになる。またゲル電解質の場合には湿式で塗布して重合等の方法により固体化する方法があり、その場合には乾燥、固定化した後に対極を付与することもできる。
固体電解質や固体の正孔(ホール)輸送材料の場合には真空蒸着法やCVD法等のドライ成膜処理で電荷移動層を形成し、その後カソード電極を付与することもできる。具体的には、真空蒸着法、キャスト法、塗布法、スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解重合法等の手法により電極内部に導入することができ、必要に応じて基材を任意の温度に加熱して溶媒を蒸発させるなどにより形成する。
電荷移動層の厚さは10μm以下、より好ましくは5μm以下、更に1μm以下であることが好ましい。
また電荷移動層の導電率は1×10−10S/cm以上であることが好ましく、1×10−5 S/cm以上であることが更に好ましい。
<カソード電極>
本発明で使用できるカソード電極は、前述した導電性基材と同様に、それ自体が導電性を有する基材の単層構造、またはその表面に対極導電層を有する基材を利用することができる。後者の場合、対極導電層に用いる導電性材料、基材、更にその製造方法としては、前述した導電性基材1の場合と同様で、公知の種々の材料及び方法を適用することができる。
その中でも、I イオン等の酸化や他のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持ったものを使用することが好ましく、具体的には白金電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン等が挙げられる。
また、前述と同様にコスト面や可撓性を考慮すると、プラスチックシートを基材として使用し、導電性材料としてポリマー系材料を塗布して使用することも好ましい態様の1つである。
対極導電層の厚さは特に制限されないが、3nm〜10μmが好ましい。
対極導電層が金属である場合は、その厚さは好ましくは5μm以下であり、さらに好ましくは10nm〜3μmの範囲である。
カソード電極の表面抵抗は低い程よく、具体的には表面抵抗の範囲としては50Ω/m以下であることが好ましく、20Ω/m以下であることがより好ましく、10Ω/m以下であることが更に好ましい。
前述した導電性基材1とカソード電極5のいずれか一方または両方から光を受光してよいので、導電性基材とカソード電極の少なくとも一方が透明であれば良い。
発電効率の向上の観点からは、導電性基材を透明にして、光を導電性基材側から入射させるのが好ましい。
この場合カソード電極は光を反射する性質を有するのが好ましい。
このようなカソード電極としては、金属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラスチック、あるいは金属薄膜を使用できる。
カソード電極は、前述した電荷移動層上に直接導電性材料を塗布、メッキまたは蒸着(PVD、CVD)するか、対極導電層を有する基材の導電層側または導電性基材単層を貼り付ければよい。
また、導電性基材の場合と同様に、特にカソード電極が透明の場合には、金属配線層を併用することも好ましい態様のひとつである。
対極としては導電性を持っており、レドックス電解質の還元反応を触媒的に作用するものが好ましい。例えばガラス、もしくは高分子フィルムに白金、カーボン、ロジウム、ルテニウム等を蒸着し、導電性微粒子を塗り付けたものが用いうる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
《半導体多孔質膜層の作製》
半導体多孔質膜層は、半導体微粒子を含有するペーストを導電性基材上に塗布し、乾燥させた後、プラズマ処理工程を経て作製させた。以下それぞれの分散液、溶液を準備した。
〔半導体微粒子分散ペースト1の作製〕
<ペースト処方>
気相法チタニア(デグサ社製P25) 12質量%
酸化チタンゾル(昭和電工株式会社製NTB−1) 4質量%
活性剤(花王社製、エマルゲン120) 1質量%
酢酸 3質量%
エタノール 35質量%
テルピネオール 35質量%
純水 10質量%
上記の処方からエタノールを5倍量入れた分散液を調整し、SMT社製超音波分散機UH−300を用いて30分間連続分散した後、寿工業社製ウルトラアペックスミル/50μm径ジルコニアビーズを用いて10m/sec回転速度で粉砕分散処理を3時間行い、続いてロータリーエバポレーターを用いて気相法チタニアが12質量%になるまで濃縮し、半導体微粒子分散ペースト1を作製した。
〔酸化チタンゾル分散液Aの作製〕
多孔質層を形成するために、酸化チタンゾル分散液を以下の手順で作製した。
チタンテトラt−ブトキシド100gに対し、過マンガン酸カリウムで処理した蒸留酢酸15gを撹拌しながら添加し、さらに純水1000mLを加えて2時間反応させ、70%硝酸でpHを2.0に調整し、80℃でさらに1時間撹拌しながら反応させた。
得られた酸化チタンゾル100gに花王社製エマルゲン120を1g加え、SMT社製超音波分散機UH−300を用いて30分間連続分散し、酸化チタンゾル分散液Aを得た。
《色素増感型太陽電池の作製》
〔SC−01の作製〕
ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム上に、高周波マグネトロンスパッタリング装置を用い、スズをドープした酸化インジウム(ITO)を導電層としてコートし、更に同様にして、酸化チタンをターゲット材に10nmの半導体膜を形成させた。
この導電膜をコートしたPENフィルム上に、上記のペースト1をスクリーン印刷法にて膜厚が12μmとなるように積層塗布し、自然乾燥の後、半導体多孔質膜を5mm×5mm(有効面積0.25cm)に成るように周囲を削りとり、150℃の乾燥ゾーンに10分かけて通し熱処理を行った。
熱処理後、100℃程度まで冷却し、次いで、色素増感型太陽電池用のルテニウム錯体色素N719の5.0×10−4mol/L、アセトニトリル:t−ブタノール=1:1(vol)の溶液に6時間浸漬し、色素吸着後、前記のアセトニトリル:t−ブタノール溶液で過剰な色素を十分に洗い落とし、乾燥して色素を吸着させた半導体多孔質膜層を作製した。
カソード対向電極として、厚み200μmのチタン箔を用い、表面にマグネトロンスパッタ装置で厚さ2nmの白金層を被覆したものを用いた。この対向電極に電解質を注入するための穴を設けた。
前記半導体多孔質膜層と前記カソード電極とを6.5mm角の穴を開けた25μm厚のシート状スペーサー兼封止材(SOLARONIX社製SX−1170−25)を用いて貼り合わせ、カソード電極に設けた電解液注入穴から、脱水アセトニトリルを溶媒として、ヨウ化リチウム、ヨウ素、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムアイオダイド、t−ブチルピリジンとを、それぞれの濃度が0.1モル/L、0.05モル/L、0.6モル/L、0.5モル/Lとなるように溶解したレドックス電解質を入れた電荷移動層を注入し、UV硬化樹脂を用いて封止した。前記金属酸化物半導体層を有する基材の受光面側に反射防止フィルム(コニカミノルタオプト社製ハードコート/反射防止タイプセルロース系フィルム)を貼り合わせ、色素増感型太陽電池SC−01を作製した。
〔SC−02の作製〕
前記SC−01で用いたのと同様な導電層を有するPENロールフィルムに、前記の酸化チタンゾル分散液Aを塗布し、自然乾燥させた後、酸素を50体積%含む窒素ガス雰囲気下、図2に示す大気圧プラズマ処理装置を用いて、以下の条件でプラズマ処理を行った。
半導体多孔質膜を形成したPENフィルムを切り出し、半導体部分が5mm×5mmになるように周囲の半導体を削り、120℃にて10分熱処理し、100℃まで冷却したところでSC−01と同様にして色素溶液に浸漬させた以外はSC−01と同様にしてSC−02を作製した。
キャリアガス:窒素
反応性ガス1:酸素を全ガスに対して50体積%
第1、第2電源電力:パール工業CF−5000−13M(13.56MHz)
電極部温度調節:90℃
処理時間:5秒
〔SC−03の作製〕
前記SC−02の作製において、プラズマ処理時間を30秒にした以外はSC−02と同様にしてSC−03を作製した。
〔SC−04の作製〕
前記SC−01の作製において、ペースト1を塗布し150℃の乾燥ゾーンを10分通した後、チタンアルコキシド類としてテトライソプロポキシチタンを用い、以下の条件下でプラズマ処理を行った以外は前記のSC−02と同様にしてSC−04を作製した。
キャリアガス:窒素
反応性ガス2:テトライソプロポキシチタンを全ガスに対して0.02体積%
第1電源電力:ハイデン研究所PHF−6k(100kHz)
第2電源電力:パール工業CF−5000−13M(13.56MHz)
電極部温度調節:90℃
処理時間:2秒
〔SC−05の作製〕
前記SC−04の作製において、プラズマ照射を以下の条件に変更した以外はSC−04と同様にしてSC−05を作製した。
キャリアガス:窒素
反応性ガス1:酸素を全ガスに対して20体積%
反応性ガス2:テトライソプロポキシチタンを全ガスに対して0.02体積%
第1電源電力:ハイデン研究所PHF−6k(100kHz)
第2電源電力:パール工業CF−5000−13M(13.56MHz)
電極部温度調節:90℃
処理時間:2秒
〔SC−06の作製〕
前記SC−04の作製において、ペースト1を塗布し150℃の乾燥ゾーンを10分通した後、テトライソプロポキシチタンの40mMエタノール溶液Cの60℃槽を15分間搬送処理し、続いて1%硝酸の水溶液に通し、純水で水洗した後、150℃の乾燥ゾーンを10分間かけて搬送した後、以下の条件でプラズマ処理を行った以外はSC−05と同様にしてSC−06を作製した。
キャリアガス:窒素
反応性ガス1:酸素を全ガスに対して20体積%
第1、第2電源電力:ハイデン研究所PHF−6k(100kHz)
電極部温度調節:90℃
処理時間:30秒
〔SC−07の作製〕
前記SC−06の作製において、テトライソプロポキシチタンに換えて、テトラクロルチタン(TiCl)の40mM水溶液Dを用いた以外はSC−06と同様にしてSC−07を作製した。
〔SC−08の作製〕
前記SC−07の作製において、キャリアガスを窒素からアルゴンに変えた以外はSC−07と同様にしてSC−08を作製した。
〔SC−09の作製〕
前記SC−06の作製において、金属アルコキシド処理を、モル比でテトライソプロポキシチタン9.9に対して、ニオブイソプロポキシドが0.1に成るように混合した40mMエタノール溶液Eを処理した以外はSC−06と同様にしてSC−09を作製した。
《プラズマ照射処理による出口温度の評価》
プラズマ照射装置の出口温度は、ダミー基板上にサーモラベル(日油技研工業社製)を貼り付け、上述した各々の処理と同条件でプラズマに曝すことで測定し、結果を表1に示した。
電極部を90℃に温度調節し、100kHz電源を用いてプラズマ照射を行った場合、30秒間行ったときの出口温度は約150℃であった。ここではやや高温になるものの、照射時間が短いのでPEN基材の変形および破断は確認されなかった。また、13.56MHzの電源を用いた場合も5秒程度の処理時間であれば、出口温度は160℃前後であった。ただし、SC−03においては、照射時間を30秒としたため200℃以上に温度上昇し、破断はしなかったものの、基材の波うちといった著しい変形が見られた。
《太陽電池の光電変換特性評価》
上記方法で作製した太陽電池セルについて、ソーラーシミュレーター(日本分光社製、低エネルギー分光感度測定装置CEP−25)により、AM1.5Gフィルタ、100mW/mの強度の光を照射した時のIV特性を測定し、短絡電流Jsc(mA/cm)および開放電圧値Voc(V)を、同じ構成および作製方法で3つ評価し平均値を表1に示した。またJsc、VocとFF(フィルファクター)から光電変換効率η(%)を求め同じく表1に示した。
表1から、本発明の実施によって低い製膜温度を維持したまま高い光電変換効率を達成できていることがわかる。
具体的には、SC−02の比較例ではゾル分散液Aを塗布してからプラズマ処理し多孔質体を形成するため、短時間のプラズマ処理では十分な焼成が行われず、高い光電変換効率が得られていない。また、SC−03ではプラズマ照射時間を延ばしたことで、確かに若干の効率向上が見られるものの、プラズマ処理後の基材温度が極端に高くなってしまい著しい基材の変形が見られ、有用な条件ではなかった。
それに対し、本発明のSC−04は、短時間のプラズマ処理によって十分な短絡電流、および光電変換効率が得られるセルとなっており、予め形成させた半導体多孔質膜の微粒子表面に薄くコート層を施すことで、高効率化に寄与するネッキングが形成されていることが示唆される。
更に、SC−05ではプラズマ中に酸素ガスを混合することで、酸素原子ラジカルの反応によってより好ましいネッキングが形成されている。
SC−06では、多孔質体にチタンアルコキシドの溶液を浸漬処理し、次いでプラズマ処理することで緻密な表面コート層が形成されている例である。また、SC−07ではアルコキシド類以外の有機金属化合物でも同様にして本発明の効果が見られることが分かる。
このプラズマ処理は、キャリアガスをアルゴンとすることで、SC−08に示されるように更なる高性能化が達成できた。実際には高価なアルゴンガスよりも安価に入手可能な窒素ガスで処理できる点がコスト/生産性の観点から重要な結果であった。
SC−09は表面コート層の組成を変化させることで、多孔質膜の高機能化を狙ったものであり、特にVocの向上が見られ、本発明の実施例のひとつとして興味深い結果であった。

Claims (6)

  1. 光透過性の基材に導電層と、増感色素を吸着させた半導体多孔質膜層とを積層したアノード電極と、該アノード電極の半導体多孔質膜層側に対向するカソード電極と、前記アノード電極とカソード電極の2枚の電極間に電解質を封止した構成からなる色素増感型太陽電池の製造方法に関し、前記半導体多孔質膜が半導体の多孔質を形成後、該多孔質中の微粒子表面にプラズマ照射工程を経て表面コート層を形成させることを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
  2. 前記表面コート層が、多孔質を形成後に該多孔質に有機金属化合物の溶液を塗布し、続いてプラズマ照射することで形成されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  3. 前記プラズマ照射工程が、大気圧下、反応ガスとして少なくとも酸素を含む雰囲気で行われることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  4. 前記表面コート層が、多孔質を形成後に反応ガスとして少なくとも有機金属化合物を含有する雰囲気でプラズマ照射することで形成されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  5. 前記プラズマ照射工程が、大気圧下、反応ガスとして少なくとも酸素を含む雰囲気で行われることを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項の何れか1項に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  6. 前記表面コート層が少なくとも金属酸化物を含有し、該表面コート層と前記の多孔質層を形成する微粒子との組成が異なることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項の何れか1項に記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
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