JPWO2008123014A1 - スルホン酸tert−ブチルフェニル化合物及びそれを用いたリチウム二次電池用非水電解液、並びにそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
リチウム二次電池の負極としては、リチウム金属、リチウムを吸蔵および放出可能な金属化合物(金属単体、酸化物、リチウムとの合金など)、炭素材料が知られている。特に、炭素材料のうち、例えばコークス、黒鉛(人造黒鉛、天然黒鉛)等のリチウムを吸蔵・放出することが可能な炭素材料を用いた非水系電解液二次電池が広く実用化されている。中でも、天然黒鉛や人造黒鉛等の高結晶化した炭素材料を用いたリチウム二次電池は、非水電解液溶媒として用いられているECやPCなどが、充放電を繰り返す間に負極表面で一部電気化学的還元分解を生じて、電池性能の低下をもたらすことが知られている。
更に、リチウム金属,炭素材料以外の負極材料として、スズあるいはケイ素などを用いた負極が検討されている。しかしながら、リチウムを吸蔵したスズ合金あるいはケイ素合金は活性が高いため、電解液中の炭酸エステルが分解されてしまい、しかも吸蔵されたリチウムが不活性化されてしまうという問題があった。
一方、正極として、例えばLiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiFePO4等を用いたリチウム二次電池は、リチウム基準でのリチウムイオンの挿入・脱離に伴う電圧が3.5V以上と高いため、高エネルギー密度の電池が得られる。反面、電圧が高いために、非水電解液中の溶媒が充電状態で高温になった場合に、局部的に一部酸化分解することにより、該分解物が電池性能の低下をもたらす。これは正極材料と非水電解液との界面における電気化学的酸化分解反応に起因するものと考えられる。
上記のとおり、正極や負極上で電解液が分解するとガスが発生し、電池が膨れたり、電解液の分解物が電極に付着することにより、サイクル特性をはじめとする電池性能を低下させる一因となる。
そのような状況下、リチウム二次電池が搭載されている電子機器では、電力消費量が増大し、高容量化の一途をたどっており、ますます電解液にとっては分解が起こり易くなる環境にあり、サイクル特性などの電池特性が悪化してしまう問題があった。
(R1は、置換または無置換のアルキル基もしくは置換または無置換のフェニル基を示す。nは1〜2の整数を示す。ただし、n=1の場合は、tBu基の置換位置は2位または3位であり、さらに、tBu基の置換位置が2位の場合のR1は炭素数2〜4の無置換のアルキル基であり、tBu基の置換位置が3位の場合のR1は炭素数1〜4の無置換のアルキル基である。また、n=2の場合は、tBu基の置換位置は、2,4−位、2,5−位、2,6−位、3,5−位のいずれかであり、3,5−位がtBu基の場合にはR1は無置換の炭素数1〜4のアルキル基または無置換のフェニル基である。)
また、前記一般式(I)で表される化合物が、ベンゼンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルから選ばれる1種である。
そして、前記一般式(I)で表される化合物が、アルキルスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物として、メタンスルホン酸3−tert−ブチルフェニル、エタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニル、エタンスルホン酸3−tert−ブチルフェニルから選ばれる1種である。
(R2は、置換または無置換のアルキル基もしくは置換または無置換のアリール基を示す。nは1〜2の整数を示す。ただし、n=2の場合は、tBu基の置換位置は、2,4−位、2,5−位、2,6−位、3,5−位のいずれかである。)
(R1は、置換または無置換のアルキル基または置換または無置換のフェニル基を示す。nは1〜2の整数を示す。ただし、n=1の場合は、tBu基の置換位置は2位または3位であり、さらに、tBu基の置換位置が2位の場合のR1は炭素数2〜4の無置換のアルキル基であり、tBu基の置換位置が3位の場合のR1は炭素数1〜4の無置換のアルキル基である。また、n=2の場合は、tBu基の置換位置は、2,4−位、2,5−位、2,6−位、3,5−位のいずれかであり、3,5−位がtBu基の場合にはR1は無置換の炭素数1〜4のアルキル基または無置換のフェニル基である。)
アルキル基の置換基としては、例えば、フッ素置換等であり、フェニル基の置換基としては、例えば、低級アルキル基等である。
(R2は、置換または無置換のアルキル基もしくは置換または無置換のアリール基を示す。nは1〜2の整数を示す。ただし、n=2の場合は、tBu基の置換位置は、2,4−位、2,5−位、2,6−位、3,5−位のいずれかである。)
本発明のジ−tert−ブチルフェニル化合物は、上記一般式(II)のR2SO2をR3として、n=2とすると、下記一般式(III)で表される。
(式中、R3はアルカンスルホニル基またはアリールスルホニル基を示し、tBu基はtert−ブチル基を示す。ただし、tBu基の置換位置は、2,4−位、2,5−位、2,6−位、3,5−位のいずれかである。)
アルキルスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物またはアリールスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物は特に限定されないが、アルキルスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物またはアリールスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物のアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基であり、アリール基としては、炭素数6〜12のアリール基である。
アルキルスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物またはアリールスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物のアルキル基またはアリール基としては、メチル基、エチル基、フェニル基、p−トリル基が好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。
アルキルスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物またはアリールスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物の2つのtert−ブチル基の置換位置の組み合わせのうち、2,4位、2,6位、3,5位が特に好ましく、2,4位、2,6位が最も好ましい。
本発明のtert−ブチルフェニル化合物は、上記一般式(II)のn=1とすると、下記一般式(IV)で表される。
(式中、R4はアルキル基またはアリール基を示し、tBu基はtert−ブチル基を示す。ただし、tBu基の置換位置は、2位、3位または4位のいずれかである。)
本発明化合物のアルキル基は、置換または無置換アルキル基である。また本発明化合物のアリール基は、置換または無置換アリール基である。
具体的には、メタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニル、メタンスルホン酸3−tert−ブチルフェニル、メタンスルホン酸4−tert−ブチルフェニル、エタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニル、エタンスルホン酸3−tert−ブチルフェニル、エタンスルホン酸4−tert−ブチルフェニル、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニル、トリフルオロメタンスルホン酸3−tert−ブチルフェニル、トリフルオロメタンスルホン酸4−tert−ブチルフェニル、ベンゼンスルホン酸2−tert−ブチルフェニル、ベンゼンスルホン酸3−tert−ブチルフェニル、ベンゼンスルホン酸4−tert−ブチルフェニル、p−トルエンスルホン酸2−tert−ブチルフェニル、p−トルエンスルホン酸3−tert−ブチルフェニル、p−トルエンスルホン酸4−tert−ブチルフェニルがサイクル特性及び保存特性が良好であるので好ましい。
アルキルスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物またはアリールスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物のアルキル基またはアリール基としては、メチル基、エチル基、フェニル基、p−トリル基が好ましく、メチル基、エチル基が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。
アルキルスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物またはアリールスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物のtert−ブチル基の置換位置は、2位または4位が好ましく、2位が特に好ましい。
本発明の非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、アルキルスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物、アルキルスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物、アリールスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物、アリールスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物の1種または2種以上を該非水電解液の質量に対して0.01〜10質量%添加されていることを特徴とする。
非水電解液中にアルキルスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物、アルキルスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物、アリールスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物、アリールスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物の1種または2種以上を0.01質量%以上10質量%以下添加すると、負極上に適切な厚みの保護被膜を形成し、非水電解液中の溶媒の電気化学的還元分解を抑制する。一方、正極上にも保護被膜を形成し、非水電解液中の溶媒の電気化学的酸化分解も抑制しているものと推察される。
本発明の非水電解液に使用される非水溶媒としては、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、鎖状エステル類、エーテル類、アミド類、リン酸エステル類、スルホン類、ラクトン類、ニトリル類等が挙げられる。
環状カーボネート類としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)等が挙げられる。特に環状カーボネートとして、高誘電率を有するECおよびPCの少なくとも1種を使用することが、電解液の電導度を向上させることができ好ましく、さらにVC、VEC、FECの少なくとも1種と併用するとサイクル特性が向上するので好ましい。これらの溶媒は1種類で使用してもよいが、2種類〜4種類組み合わせるとサイクル特性が向上するので好ましい。これらの環状カーボネートの好適な組合せとしては、ECとVC、PCとVC、FECとVC、ECとPCとVC、ECとFECとVC、FECとPCとVC、FECとECとPCとVC等が挙げられる。環状カーボネートの含有量は、非水溶媒の総容量に対して、10容量%〜40容量%の範囲で用いるのが好ましい。含有量が10容量%未満であると電解液の電気伝導度が低下し、サイクル特性が低下する傾向があり、40容量%を超えると電解液の粘度が上昇し、サイクル特性が低下する傾向があるので上記範囲であることが好ましい。
鎖状カーボネート類としては、メチルエチルカーボネート(MEC)、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート等の非対称鎖状カーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート等の対称鎖状カーボネートが挙げられ、特に非対称カーボネートを含むとサイクル特性が向上するので好ましい。
これらの溶媒は1種類で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用した場合は、サイクル特性が向上するので好ましい。
また、鎖状エステル類としては、プロピオン酸メチル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸ブチル、ピバリン酸ヘキシル、ピバリン酸オクチル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸エチルメチル、シュウ酸ジエチル等が挙げられ、エーテル類としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等が挙げられる。アミド類として、ジメチルホルムアミド等、リン酸エステル類としてはリン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル等、スルホン類としてはスルホラン等、ラクトン類としてはγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、α−アンゲリカラクトン等、ニトリル類としてはアセトニトリル、スクシノニトリル、アジポニトリル等、S=O結合化合物として、1,3−プロパンスルトン(PS)、エチレンサルファイト、1,4−ブタンジオールジメタンスルホネート、1,3−ブタンジオールジメタンスルホネート、ジビニルスルホン等を適宜、併用することができる。
環状カーボネート類と鎖状カーボネート類の割合は、環状カーボネート類:鎖状カーボネート類(容量比)が10:90〜40:60が好ましく、15:85〜35:65がより好ましく、20:80〜30:70が特に好ましい。上記の割合で使用することにより、サイクル特性が向上する。
本発明に使用される電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4などのLi塩、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiCF3SO3、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)2、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(CF3)3、LiPF3(iso−C3F7)3、LiPF5(iso−C3F7)等の鎖状のアルキル基を含有するリチウム塩や、(CF2)2(SO2)2NLi、(CF2)3(SO2)2NLi等の環状のアルキレン鎖を含有するリチウム塩が挙げられる。これらの中でも、特に好ましい電解質塩は、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2である。これらの電解質塩は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら全電解質塩が溶解されて使用される濃度は、前記の非水溶媒に対して、通常0.3mol/l(以後Mと表す)以上が好ましく、0.5M以上がより好ましく、0.7M以上が最も好ましい。またその上限は、2.5M以下が好ましく、2.0M以下がより好ましく、1.5M以下が最も好ましい。
本発明の非水電解液には、芳香族化合物を含有させることにより、過充電時の電池の安全性を確保することができる。かかる芳香族化合物としては、例えば、シクロヘキシルベンゼン、フルオロシクロヘキシルベンゼン化合物(1−フルオロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−3−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼン)、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン、1−フルオロ−4−tert−ブチルベンゼン、1,3−ジ−tert−ブチルベンゼン、ビフェニル、ターフェニル(o−、m−、p−体)、ジフェニルエーテル、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン(o−、m−、p−体)、2,4−ジフルオロアニソール、ターフェニルの部分水素化物(1,2−ジシクロヘキシルベンゼン、2−フェニルビシクロヘキシル、1,2−ジフェニルシクロヘキサン、o−シクロヘキシルビフェニル)が好ましく、該非水電解液の質量に対して0.1〜10質量%添加されていることが好ましい。これらの化合物は、1種類で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の非水電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記の電解質塩および該非水電解液の質量に対して0.01〜10質量%のアルキルスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物、アルキルスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物、アリールスルホン酸ジ−tert−ブチルフェニル化合物、アリールスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物の1種または2種以上を溶解することにより得ることができる。
この際、用いる非水溶媒及び電解液に加える化合物は、生産性を著しく低下させない範囲内で、予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている前記非水電解液からなる。非水電解液以外の正極、負極等の構成部材は特に制限なく使用できる。
例えば、正極活物質としては、コバルト、マンガン、ニッケルを含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiCo1−xNixO2(0.01<x<1)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi1/2Mn3/2O4、LiCo0.98Mg0.02O2等が挙げられる。また、LiCoO2とLiMn2O4、LiCoO2とLiNiO2、LiMn2O4とLiNiO2のように併用してもよい。
また、リチウム複合酸化物の一部は他元素で置換してもよく、コバルト、マンガン、ニッケルの一部をSn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn、Cu、Bi、Mo、La等の少なくとも1種以上の元素で置換したり、Oの一部をSやFで置換したり、あるいは、これらの他元素を含有する化合物を被覆することもできる。
リチウム含有オリビン型リン酸塩は、例えば前記に示した正極活物質と混合して用いることもできる。
これらの中では、リチウムイオンの吸蔵・放出能力において高結晶性の炭素材料を使用することが好ましく、格子面(002)の面間隔(d002)が0.340nm(ナノメータ)以下、特に0.335〜0.337nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが特に好ましい。また、高結晶性の炭素材料は低結晶材料によって被膜されていてもよい。高結晶性の炭素材料を使用すると、充電時において電解液と反応しやすいが、本発明に係るリチウム二次電池では反応を抑制することができる。
スズ、スズ化合物、ケイ素、ケイ素化合物は電池を高容量化できるので好ましい。
負極は、上記の正極の作製と同様な導電剤、結着剤、高沸点溶剤を用いて混練して負極合剤とした後、この負極合剤を集電体の銅箔等に塗布して、乾燥、加圧成型した後、50℃〜250℃程度の温度で2時間程度真空下で加熱処理することにより作製することができる。
ジ−tert−ブチルフェノールまたはtert−ブチルフェノールを溶媒中または無溶媒で、塩基存在下、アルカンスルホニルハライド、アリールスルホニルハライド、アルカンスルホン酸無水物またはアリールスルホン酸無水物とエステル化反応させることによって得られる。
〔方法2〕
ジ−tert−ブチルフェノールまたはtert−ブチルフェノールを溶媒中または無溶媒で、アルカリ金属塩に変換させ、スルホニルハライドとエステル化反応させる方法。
また、アリールスルホニルハライドとしては、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルブロミド、p−トルエンスルホニルブロミドなどが挙げられるが、工業的には安価なベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドが好ましい。
また、アルカンスルホン酸無水物としては、メタンスルホン酸無水物、エタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物などが挙げられる。
また、アリールスルホン酸無水物としては、ベンゼンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物などが挙げられる。
2,4−ジ−tert−ブチルフェノール21.00g(0.102mol)とトリエチルアミン11.84g(0.117mol)をトルエン200mlに溶解し、メタンスルホニルクロリド12.24g(0.107mol)を10℃で30分かけて滴下した。滴下終了後、25℃で2時間攪拌し、2,4−ジ−tert−ブチルフェノールの消失を確認した。反応液を3%−塩酸水溶液にあけ、有機層を分離後、飽和NaHCO3水溶液で1回、飽和食塩水で2回洗浄し、MgSO4乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶をn−ヘプタンにて晶析精製し、メタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニル25.8g(90%収率)得た。(白色結晶、融点63℃)。
得られたメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルについて、1H−NMR、13C−NMR、IR及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ=7.5-7.2(m, 3 H), 3.2(s, 3 H) , 1.4(s, 9 H), 1.3(s, 9 H)
(2)13C−NMR(75MHz, CDCl3):δ=148.9, 146.6, 139.8, 125.1, 124.2, 119.9, 39.1, 34.9, 34.7, 31.4, 30.5
(3)IR(KBr法): 2962, 1490, 1350, 1194, 1167, 1078, 974, 906, 866, 832, 592 cm-1
(4)質量分析: MS(EI) m/z(%) = 284(25) [M+], 269(82), 190(15), 175(14), 149(18), 57(100), 41(14)
2,4−ジ−tert−ブチルフェノール8.04g(0.0389mol)とトリエチルアミン4.13g(0.0408mol)をトルエン15mlに溶解し、エタンスルホニルクロリド5.01g(0.0389mol)を10℃で30分かけて滴下した。滴下終了後、25℃で2時間攪拌し、2,4−ジ−tert−ブチルフェノールの消失を確認した。反応液を3%−塩酸水溶液にあけ、有機層を分離後、飽和NaHCO3水溶液で1回、飽和食塩水で2回洗浄し、MgSO4乾燥後、濃縮した。得られた粗結晶をn−ヘプタンにて晶析精製し、エタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを8.14g(70%収率)得た。(白色結晶、融点76℃)。
得られたエタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルについて、1H−NMR、13C−NMR、IR及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ= 7.5-7.4(m, 2 H), 7.3-7.2(m, 1 H), 3.39(q, J = 7.56 Hz, 2 H), 1.58(t, J = 7.56 Hz, 3 H), 1.41(s, 9 H), 1.31(s, 9 H)
(2)13C−NMR(75MHz, CDCl3):δ= 148.6, 146.5, 139.8, 125.0, 124.2, 120.1, 47.1, 34.9, 34.7, 31.4(3C), 30.5(3C), 8.1
(3)IR(KBr法):3435, 2972, 2817, 1494, 1347, 1187, 1157, 1077, 904, 856, 834, 787, 586 cm-1
(4)質量分析: MS(EI) m/z(%) = 298(23) [M+], 283(53), 227(7), 191(16), 149(30), 121(5), 91(5), 57(100), 41(11)
2,4−ジ−tert−ブチルフェノール26.05g(0.126mol)とピリジン20.07g(0.254mol)をトルエン200mlに溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物39.20g(0.139mol)を10℃で30分かけて滴下した。滴下終了後、25℃で2時間攪拌し、2,4−ジ−tert−ブチルフェノールの消失を確認した。反応液を3%−塩酸水溶液にあけ、有機層を分離後、飽和NaHCO3水溶液で1回、飽和食塩水で2回洗浄し、MgSO4乾燥後、濃縮した。得られた粗体を減圧蒸留にて精製し、トリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを29.05g(68%収率)得た。(黄色油状物、沸点103℃/1.5Torr)。
得られたトリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルについて、1H−NMR、13C−NMR、IR及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ= 7.2-7.1(m, 3 H), 1.40(s,9 H), 1.28(s, 9 H)
(2)13C−NMR(75MHz, CDCl3):δ= 147.2, 143.1, 136.7, 123.2, 122.8, 120.3, 114.0-123.5(JC-F = 319.0 Hz), 35.4, 34.4, 31.4(3C), 29.4(3C)
(3)IR(薄膜法):3534, 2962, 2908, 2870, 1575, 1481, 1406, 1285, 1252, 1204, 1180, 867, 852, 766 cm-1
(4)質量分析: MS(EI) m/z(%) = 338(27) [M+], 283(11), 225(19), 190(14), 57(100), 41(20)
60%の水素化ナトリウム油状物1.02g(0.026mol)をエーテル20mlに溶解し、5℃に冷却した。2,4−ジ−tert−ブチルフェノール5.00g(0.024mol)のエーテル溶液20mlを5℃にて15分かけて滴下し、30分攪拌した後、p−トルエンスルホニルクロリド4.16g(0.022mol)のトルエン溶液20mlを20分かけて滴下し、25℃にて30分攪拌し、2,4−ジ−tert−ブチルフェノールの消失を確認した。反応終了後水を加え、有機層を酢酸エチルで抽出した後、飽和NaHCO3水溶液で2回、飽和食塩水で1回洗浄し、MgSO4乾燥後、濃縮した。得られた結晶をn−ヘキサンにて晶析精製し、p−トルエンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルベンゼンを3.0g(38%収率)得た。(白色結晶、融点81℃)
得られたp−トルエンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルについて、1H−NMR、13C−NMR、IR及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ= 7.9-7.8(m, 2 H), 7.4-7.3(m, 3 H), 7.2-7.1(m, 2 H), 2.45(s, 3 H), 1.35(s, 9 H), 1.28(s, 9 H)
(2)13C−NMR(75 MHz, CDCl3):δ= 148.5, 147.3, 145.0, 140.1, 134.9, 129.9, 128.0, 124.9, 123.9, 119.8, 34.8, 34.6, 31.4(3C), 30.5(3C), 21.7
(3)IR(KBr法):3425, 3002, 1598, 1490, 1397, 1372, 1194, 1172, 1074, 853,828,814, 771, 705, 672, 595 cm-1
(4)質量分析:MS(EI) m/z(%) = 360(29) [M+], 345(23), 289(4), 149(10), 91(23), 57(100), 41(16)
60%水素化ナトリウム油状物2.03g(0.051mol)のTHF懸濁溶液100mlに2,6−ジ−t−ブチルフェノール10.00g(0.049mol)のTHF溶液50mlを0℃で滴下し、同温度にて1時間攪拌して、ナトリウム2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシドを調製した。本溶液に1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン5.81g(0.051mol)を加え、0℃にて30分攪拌後、メタンスルホニルクロリド5.83g(0.051mol)を滴下し、25℃にて2時間攪拌した。反応液を30%-塩酸水溶液にあけ、有機層を分離後、1N-NaOH水溶液で1回、水にて2回有機層を洗浄した後、MgSO4乾燥、濃縮した。得られた粗結晶をn−ヘキサン/イソプロパノール=1/1(体積比)にて晶析精製し、メタンスルホン酸2,6−ジ−tert−ブチルフェニル4.8g(収率35%)を得た。(白色結晶、融点83℃)
得られたメタンスルホン酸2,6−ジ−tert−ブチルフェニルについて、1H−NMR、13C−NMR、IR、及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ=7.9-7.1(m, 3 H), 3.2(s, 3 H) , 1.5(s, 18 H)
(2)13C−NMR(75 MHz, CDCl3):δ=145.0, 141.5, 128.0, 125.9, 38.6, 37.0, 32.7
(3)IR(KBr法): 2986, 2957, 1412, 1347, 1324, 1186, 1162, 1096, 974, 862,822, 763, 570, 540, 503 cm-1
(4)質量分析:MS(EI) m/z(%) = 284(11) [M+], 269(10), 175(3), 149(23), 57(100), 41(12), 29(7)
3,5−ジ−tert−ブチルフェノール2.50g(0.012mol)とトリエチルアミン1.27g(0.013mol)をトルエン15mlに溶解し、メタンスルホニルクロリド 1.45g(0.013mol)を5℃で10分かけて滴下した。滴下終了後、25℃で3時間攪拌し、3,5−ジ−tert−ブチルフェノールの消失を確認した。反応液を氷水にあけ、有機層を分離後、飽和食塩水で2回洗浄し、MgSO4乾燥後、濃縮して、メタンスルホン酸3,5−ジ−tert−ブチルフェニル3.21g(98%収率)を得た。電池試験には、n−ヘキサンにて晶析した精製品(白色結晶、融点76℃)を使用した。
得られたメタンスルホン酸3,5−ジ−tert−ブチルフェニルについて、1H−NMR、IR及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ= 7.37 (t, J = 1.7Hz, 1 H), 7.09 (d, J = 1.7Hz, 2 H), 3.13 (s, 3 H), 1.32 (s, 18 H)
(2)IR(KBr法): 2956, 1613, 1586, 1478, 1421, 1366, 1190, 1165, 968, 949, 875, 829, 799, 735, 706 cm-1
(3)質量分析:MS(EI) m/z(%) = 284(12) [M+], 269(100), 147(8), 57(21)
3,5−ジ−tert−ブチルフェノール2.50g(0.012mol)とトリエチルアミン1.27g(0.013mol)をトルエン15mlに溶解し、エタンスルホニルクロリド 1.62g(0.013mol)を5℃で10分かけて滴下した。滴下終了後、25℃で2時間攪拌し、3,5−ジ−tert−ブチルフェノールの消失を確認した。反応液を氷水にあけ、有機層を分離後、飽和食塩水で2回洗浄し、MgSO4乾燥後、濃縮してエタンスルホン酸3,5−ジ−tert−ブチルフェニル3.27g(91%収率)を得た。電池試験には、n−ヘキサンにて晶析した精製品(白色結晶、融点52℃)を使用した。
得られたエタンスルホン酸3,5−ジ−tert−ブチルフェニルについて、1H−NMR、IR及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ= 7.35 (t, J = 1.7Hz, 1 H), 7.08 (d, J = 1.7Hz, 2 H), 3.27 (q, J = 7.6Hz, 2 H), 1.54 (t, J = 7.6Hz, 3 H), 1.32 (s, 18 H)
(2)IR(KBr法):2967, 1609, 1584, 1344, 1296, 1182, 1161, 946, 933, 872, 827, 793, 768, 708 cm-1
(3)質量分析:MS(EI) m/z(%) = 298(14) [M+], 283(100), 147(8), 57(46)
3−tert−ブチルフェノール8.00g(53.3mmol)とトリエチルアミン5.93g(58.6mmol)をトルエン80mlに溶解し、メタンスルホニルクロライド6.71g(58.6mmol)を10℃で10分かけて滴下した後、25℃で10分間攪拌し、3−tert−ブチルフェノールの消失をガスクロマトグラフィーで分析確認した。反応液に水を加え、有機層を分離後、水で3回、飽和NaHCO3水溶液で1回、飽和食塩水で1回洗浄しMgSO4乾燥後、濃縮して得られた残渣を減圧蒸留にて精製し、メタンスルホン酸−3−tert−ブチルフェニル10.7g(88%収率)を得た。
得られたメタンスルホン酸−3−tert−ブチルフェニルについて、1H−NMR、13C−NMR及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ=7.35-7.08 (m, 4 H), 3.12 (s, 3 H), 1.32 (s, 9 H)
(2)13C−NMR(75 MHz, CDCl3):δ=153.9, 149.3, 129.4, 124.3, 119.1, 118.7, 37.2, 34.9, 31.1 (3 C)
(3)質量分析: MS(EI) m/z(%) = 228(21), 213(100), 185(10), 134(13), 91(15), 41(6)
2−tert−ブチルフェノール8.00g(53.3mmol)とトリエチルアミン5.93g(58.6mmol)をトルエン80mlに溶解し、エタンスルホニルクロリド7.53g(58.6mmol)を10℃で10分かけて滴下した後、25℃で10分間攪拌し、2−tert−ブチルフェノールの消失をガスクロマトグラフィーで分析確認した。反応液に水を加え、有機層を分離後、水で3回、飽和NaHCO3水溶液で1回、飽和食塩水で1回洗浄してMgSO4乾燥後、濃縮して得られた残渣を減圧蒸留にて精製し、エタンスルホン酸−2−tert−ブチルフェニルを11.93g(92%収率)得た。
得られたエタンスルホン酸−2−tert−ブチルフェニルについて、1H−NMR、13C−NMR及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ=7.54-7.16 (m, 4 H), 3.43 (q, J = 7.5 Hz, 2 H), 1.60 (t, J = 7.5 Hz, 3 H), 1.41 (s, 9 H)
(2)13C−NMR(75 MHz, CDCl3):δ=148.8, 140.7, 128.0, 127.3, 126.0, 120.7, 47.1, 34.7, 30.4 (3 C), 8.1
(3)質量分析: MS(EI) m/z(%) = 242(47), 227(100), 163(8), 134(70), 91(34), 29(31)
3−tert−ブチルフェノール8.00g(53.3mmol)とトリエチルアミン5.93g(58.6mmol)をトルエン80mlに溶解し、エタンスルホニルクロライド7.53g(58.6mmol)を10℃で10分かけて滴下した後、25℃で10分間攪拌し、3−tert−ブチルフェノールの消失をガスクロマトグラフィーで分析確認した。反応液に水を加え、有機層を分離後、水で3回、飽和NaHCO3水溶液で1回、飽和食塩水で1回洗浄してMgSO4乾燥後、濃縮して得られた残渣を減圧蒸留にて精製し、エタンスルホン酸−3−tert−ブチルフェニルを12.02g(93%収率)得た。
得られたエタンスルホン酸−3−t−ブチルフェニルについて、1H−NMR、13C−NMR及び質量分析の測定を行い、その構造を確認した。
結果を以下に示す。
(1)1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ=7.33-7.06 (m, 4 H), 3.30 (q, J = 7.5 Hz, 2 H), 1.55 (t, J = 7.5 Hz, 3 H), 1.32 (s, 9 H)
(2)13C−NMR(75 MHz, CDCl3):δ=153.8, 149.1, 129.3, 124.1, 119.1, 118.7, 44.9, 34.8, 31.1 (3 C), 8.2
(3)質量分析: MS(EI) m/z(%) = 242(24), 227(100), 199(4), 163(5), 135(27), 91(13), 29(19)
〔実施例1〕
〔電解液の調製〕
エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、さらに添加化合物としてトリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して0.1質量%加え非水電解液を調製した。
LiCoO2(正極活物質)を92質量%、アセチレンブラック(導電剤)を3質量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5質量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔集電体上に塗布し、乾燥、加圧処理し、16mmφに打ち抜いて正極シートを作製した。人造黒鉛(負極活物質)を95質量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5質量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものを銅箔集電体上に塗布し、乾燥、加圧処理し、16mmφに打ち抜いて負極シートを作製した。そして、正極シート、微孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、これを2032型のコイン電池缶内に収め、調整した電解液を注入し、ポリプロピレン製のガスケットを介して蓋をし、かしめて電池を作製した。
得られたコイン電池を用いて、室温(25℃)下、2mAの定電流及び定電圧で、終止電圧4.2Vまで5時間充電し、次に2mAの定電流下、終止電圧2.7Vまで放電し、更に、この充放電を100サイクル繰り返した。100サイクル目の放電容量を測定し、初期放電容量を100%としたときの100サイクル放電容量維持率(%)を下記の式より求めた。容量維持率は87%であった。
容量維持率(%)=(100サイクル後の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
実施例1において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対してそれぞれ0.1質量%、1質量%、5質量%、10質量%加えた他は、実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表1に示す。
実施例1において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにエタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルベンゼンを非水電解液に対して1質量%加えた他は、実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表1に示す。
実施例1において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにベンゼンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して1質量%加えた他は、実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表1に示す。
実施例1において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにp−トルエンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して1質量%加えた他は、実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表1に示す。
実施例1において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを加えなかったことの他は、実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表1に示す。
実施例1において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにトリフルオロメタンスルホン酸フェニルを非水電解液に対して0.1質量%加えた他は、実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表1に示す。
実施例1において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニル添加する代わりにトリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−メチルフェニルを非水電解液に対して0.1質量%加えた他は、実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表1に示す。
実施例1において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを添加する代わりに、それぞれメタンスルホン酸2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、エタンスルホン酸2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、メタンスルホン酸3,5−ジ−tert−ブチルフェニル、エタンスルホン酸3,5−ジ−tert−ブチルフェニル、メタンスルホン酸2,5−ジ−tert−ブチルフェニル、を非水電解液に対してそれぞれ1質量%加えた他は、実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表2に示す。
実施例1において、負極活物質を人造黒鉛に替えてSiを用い、Si(負極活物質)を75質量%、人造黒鉛(導電剤)を10質量%、アセチレンブラック(導電剤)10質量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5質量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものを銅箔集電体上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の負極シートを作製したこと、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiBF4を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを添加する代わりに、メタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して2質量%加えた他は、実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し電池特性を測定した。結果を表3に示す。
実施例14において、メタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを添加しなかった他は、実施例14と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表3に示す。
実施例1において、正極活物質をLiCoO2に替えてLiFePO4を用い、LiFePO4(正極活物質)を90質量%、アセチレンブラック(導電剤)5質量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5質量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔集電体上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作製し、低結晶性の炭素で被覆処理した黒鉛(負極活物質)を95質量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5質量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものを銅箔集電体上に塗布し、乾燥、加圧処理し、16mmφに打ち抜いて負極シートを作製したこと、トリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルの代わりに、メタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して2質量%加えたこと、得られたコイン電池を用いて、室温(25℃)下、2mAの定電流及び定電圧で、終止電圧3.8Vまで5時間充電し、次に2mAの定電流下、終止電圧2.0Vまで放電し、更に、この充放電を100サイクル繰り返した他は、実施例1と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し電池特性を測定した。結果を表4に示す。
実施例15において、メタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルを添加しなかった他は、実施例15と同様に非水電解液を調製してコイン電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表4に示す。
また、正極にリチウム含有オリビン型リン酸塩を用いた場合(実施例15)や、負極にSi(実施例14)やSnを用いた場合にも同様な効果がみられる。
〔電解液の調製〕
エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、さらに添加化合物としてトリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して0.1質量%加え非水電解液を調製した。
LiCoO2(正極活物質)を92質量%、アセチレンブラック(導電剤)を3質量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5質量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔集電体上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作製した。人造黒鉛(負極活物質)を95質量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5質量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものを銅箔集電体上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の負極シートを作製した。そして、正極シート、微孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シート及びセパレータの順に積層し、これを渦巻き状に巻回した。この巻回体を負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の円筒型電池缶に収納した。さらに、電解液を注入し、正極端子を有する電池蓋をガスケットを介してかしめて円筒型電池を作製した。なお正極端子は正極シートとアルミニウムのリードタブを用いて、負極缶は負極シートとニッケルのリードタブを用いて予め電池内部で接続した。
上記の方法で作製した電池を用いて25℃の恒温槽中、1Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.2Vまで3時間充電し、次に1Cの定電流下、放電電圧2.7Vまで放電することを1サイクルとし、これを100サイクルに達するまで繰り返した。そして、以下の式によりサイクル後の容量維持率を求めた。容量維持率は78%であった。
容量維持率(%)=(100サイクル後の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
上記と同じ組成の電解液を使用した別の円筒型電池を用いて25℃の恒温槽中、0.2Cの定電流及び定電圧で、終止電圧4.2Vまで7時間充電し、60℃の恒温槽に入れ、4.2Vの定電圧で3日間充電を行った後、ガス発生量をアルキメデス法により測定した。ガス発生量は、比較例6のガス発生量を100%としたとき、81%であった。
電池の作製条件及び電池特性を表5に示す。
実施例16において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対してそれぞれ0.1質量%、1質量%、5質量%、10質量%加えた他は、実施例16と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表5に示す。
実施例16において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにエタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して1質量%加えた他は、実施例16と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表5に示す。
実施例16において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにベンゼンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して1質量%加えた他は、実施例16と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表5に示す。
実施例16において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにp−トルエンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して1質量%加えた他は、実施例16と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表5に示す。
実施例16において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにメタンスルホン酸3−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して1質量%加えた他は、実施例16と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表5に示す。
実施例16において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにエタンスルホン酸3−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して1質量%加えた他は、実施例16と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表5に示す。
実施例16において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにメタンスルホン酸4−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して1質量%加えた他は、実施例16と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表5に示す。
実施例16において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを加えなかったことの他は、実施例16と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表5に示す。
実施例16において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにトリフルオロメタンスルホン酸フェニルを非水電解液に対して0.1質量%加えた他は、実施例16と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表5に示す。
実施例16において、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiN(SO2CF3)2を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを添加する代わりにトリフルオロメタンスルホン酸2−メチルフェニルを非水電解液に対して0.1質量%加えた他は、実施例16と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表5に示す。
実施例16において、負極活物質を人造黒鉛に替えてSiを用い、Si(負極活物質)を75質量%、人造黒鉛(導電剤)を10質量%、アセチレンブラック(導電剤)10質量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5質量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものを銅箔集電体上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の負極シートを作製したこと、エチレンカーボネート(EC):ビニレンカーボネート(VC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジエチルカーボネート(DEC)(容量比)=(28:2:35:35)に調製した非水溶媒に、LiPF6を0.95M、LiBF4を0.05Mの濃度になるように溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを添加する代わりに、メタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して2質量%加えた他は、実施例16と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し電池特性を測定した。結果を表6に示す。なお、ガス発生量は比較例9の場合を100として求めた。
実施例27において、メタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを添加しなかった他は、実施例27と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表6に示す。
実施例16において、正極活物質をLiCoO2に替えてLiFePO4を用い、LiFePO4(正極活物質)を90質量%、アセチレンブラック(導電剤)5質量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5質量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものをアルミニウム箔集電体上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作製し、低結晶性の炭素で被覆処理した黒鉛(負極活物質)を95質量%、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)を5質量%の割合で混合し、これに1−メチル2−ピロリドン溶剤を加えて混合したものを銅箔集電体上に塗布し、乾燥、加圧処理し、負極シートを作製したこと、トリフルオロメタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルの代わりに、メタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを非水電解液に対して2質量%加えたこと、得られた円筒型電池を用いて、充電時の終止電圧を4.2Vの代わりに3.8V、放電時の終止電圧を2.7Vの代わりに2.0Vとしたことの他は、実施例16と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し電池特性を測定した。結果を表7に示す。なお、ガス発生量は比較例10の場合を100として求めた。
実施例28において、メタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニルを添加しなかった他は、実施例28と同様に非水電解液を調製して円筒型電池を作製し、電池特性を測定した。結果を表7に示す。
また、正極にリチウム含有オリビン型リン酸塩を用いた場合(実施例28)や、負極にSi(実施例27)やSnを用いた場合にも同様な効果がみられる。
Claims (6)
- 一般式(I)で表されるアルキルまたはアリールスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物
(R1は、置換または無置換のアルキル基もしくは置換または無置換のフェニル基を示す。nは1〜2の整数を示す。ただし、n=1の場合は、tBu基の置換位置は2位または3位であり、さらに、tBu基の置換位置が2位の場合のR1は炭素数2〜4の無置換のアルキル基であり、tBu基の置換位置が3位の場合のR1は炭素数1〜4の無置換のアルキル基である。また、n=2の場合は、tBu基の置換位置は、2,4−位、2,5−位、2,6−位、3,5−位のいずれかであり、3,5−位がtBu基の場合にはR1は無置換の炭素数1〜4のアルキル基または無置換のフェニル基である。) - 前記一般式(I)で表される化合物が、メタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニル、メタンスルホン酸2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、メタンスルホン酸3,5−ジ−tert−ブチルフェニル、メタンスルホン酸2,5−ジ−tert−ブチルフェニル、エタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニル、エタンスルホン酸2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、エタンスルホン酸3,5−ジ−tert−ブチルフェニル、トリフルオロメタンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルから選ばれる1種であることを特徴とする請求項1記載のアルキルまたはアリールスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物。
- 前記一般式(I)で表される化合物が、ベンゼンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルまたはp−トルエンスルホン酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルであることを特徴とする請求項1に記載のアルキルまたはアリールスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物。
- 前記一般式(I)で表される化合物が、アルキルスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物として、メタンスルホン酸3−tert−ブチルフェニル、エタンスルホン酸2−tert−ブチルフェニル、エタンスルホン酸3−tert−ブチルフェニルから選ばれる1種であることを特徴とする請求項1に記載のアルキルまたはアリールスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物。
- 非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、一般式(II)で表されるアルキルまたはアリールスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物を非水電解液に対して0.01〜10質量%含有することを特徴とするリチウム二次電池用非水電解液。
(R2は、置換または無置換のアルキル基もしくは置換または無置換のアリール基を示す。nは1〜2の整数を示す。ただし、n=2の場合は、tBu基の置換位置は、2,4−位、2,5−位、2,6−位、3,5−位のいずれかである。) - 正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液からなるリチウム二次電池において、該非水電解液中に一般式(II)で表されるアルキルまたはアリールスルホン酸tert−ブチルフェニル化合物を非水電解液に対して0.01〜10質量%含有することを特徴とするリチウム二次電池。
(R2は、置換または無置換のアルキル基もしくは置換または無置換のアリール基を示す。nは1〜2の整数を示す。ただし、n=2の場合は、tBu基の置換位置は、2,4−位、2,5−位、2,6−位、3,5−位のいずれかである。)
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