JPWO2008087882A1 - 胃内滞留型レボドパ徐放性製剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、レボドパの持続的な血中濃度の維持を目的として、レボドパを胃内で持続的に放出することができ十分な胃内滞留時間を有する、服用しやすい大きさのレボドパ製剤であって、しかも工業的に製造しやすいレボドパ製剤を提供することを課題とする。レボドパを含む薬物放出層に加え、胃内においては高い機械的強度に基づく十分な滞留性を示し、かつ腸管内においては良好な崩壊性を示す胃内滞留層を含むことを特徴とするレボドパ胃内滞留製剤。

Description

本発明は、レボドパの徐放性製剤に関するものである。さらに詳しく述べれば、本発明は、レボドパの吸収部位である小腸上部へ持続的にレボドパを送達する胃内滞留型徐放性製剤に関するものである。
パーキンソン病は、振戦、固縮、緩慢、姿勢反射障害、歩行障害を含む運動失調症状を示す慢性・進行性の神経疾患である。この原因は未だ明らかではないが、黒質線条体系のドパミン産生細胞が緩徐進行性に脱落するためと考えられている。
パーキンソン病治療における基本的な治療薬としてレボドパがある。レボドパはドパ脱炭酸酵素等によって速やかに代謝されるため、2〜3gという大用量を服用しなければならないこともあり、悪心、嘔気や動悸などの副作用を発現しやすい。
また、パーキンソン病患者では、しばしば薬の効果が減弱し次第に不安定となるウエアリングオフ(wearing−off)現象やオンオフ(on−off)現象が現れるため、レボドパを持続的に投与する必要がある。
レボドパの代謝を抑えることにより、安定した効果を発現させ、副作用を減少させるため、ドパとドパ脱炭酸反応を抑制するドパ脱炭酸酵素阻害剤及び/又はドパのメチル化を抑制するカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害薬との配合剤が開発された。
ところで、レボドパは、血中半減期が60−90分と短く、大部分が小腸上部から吸収されるため、持続的に小腸上部へ送達される投与形態とするのが好ましい。このような目的に適合する製剤としては、粘膜付着型、特殊形状型、膨潤型及び浮遊型等の胃内滞留製剤が開発されている。
粘膜付着型胃内滞留製剤は、製剤中に粘膜付着性物質を含有させることにより、製剤を胃粘膜に付着させ、胃内滞留時間を延長させるものである。しかしながら、この製剤は運動が活発な胃壁に付着しにくく、また粘膜の代謝回転により粘膜からはがれやすいため、十分な胃内滞留時間が得られない。さらに胃粘膜に対する刺激性が懸念される等、安全性に問題がある。
特殊形状型胃内滞留製剤は、特定の温度又はpH等の胃内環境のもとで伸長、伸展することにより、交叉棒状又は風車状等の胃内に保持される特殊な形状をとるように設計された製剤である。しかしながら、その特殊な形状のため、製造が困難であり、しかも胃粘膜を傷つけたり食物の通過を妨げたりするおそれがある。
膨潤型胃内滞留製剤は、水と接触すると膨潤する基剤を用いて、製剤を、幽門を通過しにくい大きさとすることにより、胃内滞留時間を延長させようとするものである。
しかしながら、膨潤型の胃内滞留製剤は、幽門の通過を製剤の大型化により阻止しようとするものであり、その大型化を製剤の膨潤化により達成しようとするものである。したがって、本質的に胃の収縮等の機械的運動に抵抗するのに必要な強度を欠いているため、膨潤した製剤は浸食され小型化しやすい。さらに、薬物の放出が製剤の浸食によって制御されていることから、浸食されにくい製剤とすれば薬物放出を制御するのが難しくなり、浸食されやすい製剤とすれば小型化して容易に胃から排出されてしまう。このように、膨潤型胃内滞留製剤は、他の胃内滞留製剤よりも大きくなり、服用しづらいという欠点を有する。
最近、キサンタンガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール及びアラビアゴムから選択される基剤を含有する膨潤層と薬物層との二層構造とすることにより、薬物放出性と膨潤性とを独立して制御できる膨潤型胃内滞留製剤が報告された(特許文献1参照)。しかしながら、本発明者らがこの製剤を検討したところ、膨潤後の機械的強度が低いため浸食されやすく、服用しやすい大きさとすれば胃内滞留時間が不十分となり、十分な胃内滞留時間を有する製剤とすれば服用しづらくなるという従来の問題が解決されていないものであった。
また、胃液と接触すると膨潤するポリマーマトリックスの一部を、ポリエチレン、ポリスチレン、エチレン−ビニルアセテートコポリマー類、ポリカプロラクトン等の不溶性物質から調製されるバンドで取り囲みポリマーマトリックスの一部が膨潤することを防ぐことにより、胃の収縮に耐え、胃から製剤を遅延排出するのに十分な剛性(機械的強度)を有する製剤が報告されている(特許文献2参照)。しかしながら、ポリマーマトリックスの一部をバンドで取り囲むには複雑な操作が必要であり、このような製剤を工業的に製造することは困難である。
浮遊型胃内滞留製剤は、製剤を胃内で浮遊させることにより胃内滞留時間を延長させるものである。しかしながら、この製剤は、経口投与されてから浮遊するまで時間がかかるため、胃内で浮遊する前に胃から排出されてしまうことがある。
この問題を解決するため、低嵩密度の医薬品添加剤から構成される層(浮遊層)と薬物放出制御層との二層構造の浮遊型胃内滞留製剤が提案された(特許文献2参照)。この製剤の浮遊層は、エチルセルロース等の低密度の嵩高いセルロース誘導体を含むものであり、十分な胃内滞留時間を示す。しかし、体内ではほとんど浸食されないため、消化管を傷つけるなどの問題を引き起こす可能性がある。また、そのままの形状で糞便中に排泄されることから、患者に不安を与えるおそれがある。
徐放性のレボドパ製剤又はレボドパ−カルビドパ配合剤としては、例えば、米国で発売されているシネメット(SINEMET)CR(商標)があり、ポリマーの侵食によってレボドパ及びカルビドパを4〜6時間にわたって放出する。
また、特許文献3には、水溶性重合体であるヒドロキシプロピルセルロースと、より低い水溶性重合体である酢酸ビニル−クロトン酸共重合体とを含む制御放出経口投与処方剤のレボドパ−カルビドパ配合剤が記載されている。
特許文献4には、セルロースエーテル及びセルロース微細結晶を含む徐放性の中心核と中程度の放出性の外層とからなるレボドパ−カルビドパ配合剤が記載されている。
特許文献5には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロゲル;架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、及び架橋ポリビニルピロリドンよりなる群から選択される超崩壊剤;タンニンを含む膨潤型胃内滞留製剤のレボドパ−カルビドパ配合剤が記載されている。
特許文献6には、ポリオキシエチレンステアレート、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、パルミトステアリン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセリル、メチルセルロース及びポリビニルピロリドンよりなる群から選択される結合剤;重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、グリシン炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム及びそれらの混合物よりなる群から選択される気体発生剤;ポリビニルアルコールを含む膨張性の膜からなる浮遊型胃内滞留製剤のレボドパ−カルビドパ配合剤が記載されている。
また、非特許文献1には、(1)ゼラチン水解物、L−ポリ乳酸及びエチルセルロース;又は(2)オイドラキットL(商標)及びエチルセルロースを含むシート状の製剤をカプセルに折りたたんで封入し、投与後胃内で折りたたまれたシート状の製剤が開くことによって、製剤を胃内に保持させようとするレボドパ胃内滞留製剤か記載されている。
特開2005−132803号公報 国際公開第99/07342号パンフレット 特公平6−67830号公報 国際公開第2000/15197号パンフレット 国際公開第2002/000213号パンフレット 国際公開第2004/032906号パンフレット Klausner, E.A.ら, 「Pharmaceutical Research」, 2003年, 20巻, 9号, p.1466-1473
本発明は、レボドパを胃内で持続的に放出することができる、服用しやすい大きさのレボドパ製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を行ったところ、同じ大きさの製剤では機械的強度が低いものほど胃排出されやすいことを見出し、胃内においては高い機械強度に基づく十分な滞留性を示し、かつ腸管内においては良好な崩壊性を示すというこれまでのどの型にも属しない胃内滞留層を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、薬物としてレボドパを含有する胃内滞留層及び薬物放出層を有する胃内滞留製剤であって、胃内滞留層が酸性媒体中よりも弱酸性乃至弱アルカリ性の媒体中で高い溶解性又は膨潤性を示す高分子基剤を含むものであることを特徴とする製剤、に存する。
本発明に係る胃内滞留製剤は、胃内に長時間滞留しレボドパを放出し続けることから、レボドパの血中濃度を良好に維持することができる。
強度試験に用いた装置を示す図である。 レボドパの血中濃度の変化を示す図である。縦軸は濃度、横軸は時間を表す。 レボドパの血中濃度の変化を示す図である。縦軸は濃度、横軸は時間を表す。 実施例7の製剤のレボドパ溶出率を示す図である。 実施例1の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例3の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例4の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例5の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例6の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例8の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例9の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例10の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例11の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例12の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例13の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例14の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例15の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例16の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例17の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例18の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例19の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例20の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。 実施例21の製剤のレボドパ−カルビドパ溶出率を示す図である。
本発明に係る胃内滞留型のレボドパ含有製剤は、胃内滞留層及び薬物放出層を有し、その胃内滞留層が胃内では崩壊せず、腸管内では崩壊することを特徴とするものである。
本明細書において、「胃内では崩壊せず」とは、胃液や胃の収縮運動によって浸食されず安定な形状を保持することを意味する。胃内で崩壊しない胃内滞留層を有する製剤としては、例えば、第14改正日本薬局方(以下「日局」という。)溶出試験法のパドル法の条件で、第1液中、200rpm、37℃で15時間撹拌した後の胃内滞留層の最短径(以下、「短径」という。)が幽門を通過しにくい7mm以上、好ましくは8mm以上である製剤が挙げられる。
胃内では、胃液による浸食に加え胃の収縮運動等の機械的な作用も受けることから、製剤が機械的強度を有するのが好ましい。機械的強度を有する製剤としては、例えば、胃内で受ける機械的作用を模した試験に付してもその形状を保持することができる製剤、例えば50mL容(30x115mm)のコニカルチューブに、外径約4〜5mmのガラスビーズ(50g)及び日局1液(30mL)を入れ、チューブを横向きに設置し、日局1液(30mL)を2.5時間ごとに交換しながら、37℃で10時間、200rpmで旋回させた後、厚さ1mmになるまで毎分60mmで圧縮したときの最大荷重が5000g以上である製剤が挙げられる。最大荷重が5000g未満の製剤は、胃排泄され易く、さらに浸食を受けやすいため、幽門を通過できる大きさにまで小型化するおそれがある。したがって、最大荷重が10000g以上である製剤が好ましい。試験後の製剤の短径は、幽門を通過しにくい7mm以上、特に8mm以上であるのが好ましい。
「腸管内で崩壊する」とは、胃内滞留層が腸液中で速やかに崩壊することを意味する。腸管内で崩壊する胃内滞留層としては、例えば、上述した日局溶出試験のパドル法の条件において第1液中で撹拌処理した製剤を引き上げた後、第2液中、200rpm、37℃で9時間撹拌した後の胃内滞留層の最長径(以下、「長径」という。)が6mm以下である製剤が挙げられる。試験後の胃内滞留層の長径が短い製剤ほど崩壊性が高いといえるので、長径が4mm以下、特に2mm以下の製剤が好ましく、胃内滞留層が完全に崩壊する製剤が最も好ましい。
胃内滞留製剤の胃内滞留層は、胃液(pH1〜3)のような酸性媒体中よりも、腸液(pH5〜8)のような弱酸性乃至弱アルカリ性の媒体中で高い溶解性又は膨潤性を示す高分子基剤(以下「pH依存型高分子基剤」という。)を含むものであり、これにより胃内では崩壊せず、腸管内で崩壊する製剤とすることができる。
pH依存型高分子基剤としては、腸溶性基剤や、カルボキシメチルセルロース類、ポリアクリル酸類及びカルボキシル基若しくはスルホ基を有する多糖類よりなる群から選ばれた高分子基剤(以下「酸性官能基含有高分子基剤」)が挙げられる。
腸溶性基剤としては、腸溶性製剤に常用されているpH5.5以上の水溶液中で溶解又は膨潤する基剤であれば任意であり、例えば、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートサクシネート、メチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルエチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートトリメリテート及びカルボキシメチルエチルセルロース等の腸溶性セルロース誘導体;メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸メチル−メタクリル酸−アクリル酸オクチル共重合体、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(オイドラギットL100‐55、オイドラギットL30D‐55;商標)、アクリル酸メチル−メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体(オイドラギットFS30D;商標)及びメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(オイドラギットL100、オイドラギットS100;商標)等の腸溶性アクリル酸系共重合体;ポリビニルブチレートフタレート及びポリビニルアセトアセタールフタレート等の腸溶性ポリビニル誘導体;ビニルアセテートマレイン酸無水物共重合体、ビニルブチルエーテルマレイン酸無水物共重合体及びスチレンマレイン酸モノエステル共重合体等の腸溶性マレイン酸−ビニル系共重合体などが挙げられる。これらのうち、腸溶性セルロース誘導体又は腸溶性アクリル酸系共重合体が好ましい。腸溶性基剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を任意の比率で混合して用いてもよい。
pH依存型高分子基剤として腸溶性基剤が用いられる場合、胃内滞留層における腸溶性基剤の含有量は、通常、50重量%以上であり、好ましくは60重量%以上であり、さらに好ましくは70重量%以上であり、なおさらに好ましくは80重量%以上である。
カルボキシメチルセルロース類としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられる。ポリアクリル酸類としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、ポリカルボフィルカルシウム等が挙げられる。カルボキシル基又はスルホ基を有する多糖類としては、例えば、カルボキシメチルスターチナトリウム、アルギン酸、キサンタンガム、ジェランガム、ヒアルロン酸、カラギーナン、コンドロイチン硫酸及び硫酸デキストラン等が挙げられる。これらのうち、カルボキシメチルセルロース類又はポリアクリル酸類が好ましい。酸性官能基含有高分子基剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を任意の比率で混合して用いてもよく、さらに腸溶性基剤と混合してもよい。
pH依存型高分子基剤として酸性官能基含有高分子基剤が用いられる場合、胃内滞留層における酸性官能基含有高分子基剤の含量は、通常、1〜50重量%であり、好ましくは2〜30重量%であり、さらに好ましくは3〜20重量%である。
pH依存型高分子基剤の溶解性又は膨潤性が高いと、胃内滞留製剤が崩壊しやすくなることがある。この傾向は、基剤に酸性官能基含有高分子基剤を用いたときにより多く見られる。このようなときには、水中において適度な強度を示す疎水性基剤を含ませることにより、胃内では形状を保持し、腸管内では崩壊性を示す胃内滞留製剤とすることができる。このような疎水性基剤としては、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体;アクリル酸エチル‐メタクリル酸メチル共重合体(オイドラギットNE;商標)及びアクリル酸エチル−メタクリル酸メチル−メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体(オイドラギットRL、オイドラギットRS;商標)等のアクリル酸系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂等のポリビニル誘導体;硬化油、鯨ロウ、蜜蝋、カルナバロウ、ラノリン及びカカオ脂等の油脂類;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸及びベヘン酸等の高級脂肪酸;高級脂肪酸アルキルエステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸ソルビタン、高級脂肪酸ポリエチレングリコール及びショ糖脂肪酸エステル等の高級脂肪酸エステル;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコール等の高級アルコール類;ポリエチレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;ポリカプロラクトン;ポリ乳酸;ポリグリコール酸;ポリアミド類などが挙げられる。また、高級脂肪酸アルキルエステルとしては、例えば、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸コレステリル及びモノステアリン酸バチル等が挙げられる。(ポリ)グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、テトラベヘン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリル、ヘプタステアリン酸デカグリセリル、デカステアリン酸デカグリセリルが挙げられる。高級脂肪酸ソルビタンとしては、例えば、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン等が挙げられる。高級脂肪酸ポリエチレングリコールとしては、例えば、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール及びジステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。ショ糖高級脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル及びショ糖エルカ酸エステルが挙げられる。これらのうち、セルロース誘導体又は油脂類が好ましい。疎水性基剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を任意の比率で混合して用いてもよい。
pH依存型高分子基剤と疎水性基剤との比率は、それぞれに用いる基剤に応じてヒトでの滞留時間が12時間以上、好ましくは12〜24時間となり、かつ腸管内で速やかに崩壊するように定めればよい。胃内滞留層のpH依存型高分子基剤1重量部に対する疎水性基剤は、通常0〜40重量部であり、0〜30重量部、特に0〜20重量部が好ましい。
胃内滞留層に酸性官能基含有高分子基剤および疎水性基剤が含まれる場合、酸性官能基含有高分子基剤と疎水性基剤との比率は、それぞれに用いる基剤に応じてヒトでの滞留時間が12時間以上、好ましくは12〜24時間となり、かつ腸管内で速やかに崩壊するように定めればよい。胃内滞留層の酸性官能基含有高分子基剤1重量部に対する疎水性基剤は、通常1〜40重量部であり、好ましくは2〜30重量部、さらに好ましくは5〜20重量部である。
胃内滞留層に、pH依存型高分子基剤及び必要な疎水性基剤と共に、水溶性基剤を含ませることにより、胃内滞留層の崩壊性を調節し、胃内滞留時間や腸管内における崩壊性を調節することができる。水溶性基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910)及びヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;ポビドン、クロスポビドン及びポリビニルアルコール等のポリビニル誘導体;ポリエチレンオキシド類;メチルセルロース;ゼラチン;α化澱粉、部分α化澱粉、プルラン、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム等の多糖類;マクロゴール400,マクロゴール1500,マクロゴール4000,マクロゴール6000,マクロゴール20000等のマクロゴール類;乳糖、白糖、トレハロース及びグルコース等の糖;マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール及びマルチトール等の糖アルコールなどが挙げられる。これらのうち、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニル誘導体、ポリエチレンオキシド類、糖または糖アルコールが好ましい。
水溶性基剤の比率は、胃内での滞留時間が12時間以上、好ましくは12〜24時間となり、かつ腸管内で速やかに崩壊するように適宜定めればよい。
腸溶性基剤を含む胃内滞留層に、さらに水溶性基剤を含ませる場合、胃内滞留層に占める水溶性基剤の割合が50重量%を超えると、胃内滞留層の機械的強度が低下して胃内滞留時間が不十分となることがある。このため胃内滞留層に占める腸溶性基剤の割合は、好ましくは50重量%以上であり、さらに好ましくは60重量%以上であり、なおさらに好ましくは70重量%以上である。
より具体的には、胃内滞留層に腸溶性基剤および水溶性基剤が含まれる場合、胃内滞留層における腸溶性基剤および水溶性基剤の含有量は、好ましくは腸溶性基剤が50重量%以上、水溶性基剤が50重量%以下であり;さらに好ましくは腸溶性基剤が60〜90重量%、水溶性基剤が10〜40重量%であり;なおさらに好ましくは腸溶性基剤が70〜85重量%、水溶性基剤が15〜30重量%である。
酸性官能基含有高分子基剤及び疎水性基剤を含む胃内滞留層に、さらに水溶性基剤を含ませる場合、胃内滞留層に占める水溶性基剤の割合が60重量%を超えると、機械的強度が低下し胃内滞留時間が不十分となることがある。このため胃内滞留層に占める水溶性基剤の割合の上限は、60重量%以下、特に50重量%以下が好ましい。逆に、胃内滞留層に占める水溶性基剤の割合が5重量%未満となると、腸管内での崩壊性が低下することがある。したがって、胃内滞留層に占める水溶性基剤の割合の下限は、5重量%以上、特に10重量%以上が好ましい。
胃内滞留層には、さらに賦形剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤等を含ませることができる。賦形剤としては、例えば、結晶セルロース、コーンスターチ及び無水リン酸水素カルシウム等が挙げられる。結合剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポピドン、ポリビニルアルコール、プルラン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、アラビアゴム、α化澱粉及び部分α化澱粉等が挙げられる。流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸及び含水二酸化ケイ素等が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、ジメチルポリシロキサン及びフマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。胃内滞留層中に占める上述の基剤の割合は、併せて用いる他の基剤の種類や量に応じて、適宜定めればよい。
胃内滞留層は、常法により製造することができる。例えば、上述した各基剤を混合し、3kN〜20kN、好ましくは5kN〜15kNの圧力で圧縮成型する方法が挙げられる。
薬物放出層は、徐放性の薬物放出層と共に、必要に応じて速放性の薬物放出機能を有するように設計してもよい。例えば、胃内滞留層、徐放性薬物放出層及び速放性薬物放出層からなる三層錠としてもよく、あるいは胃内滞留層及び徐放性薬物放出層を、速放性薬物放出層で被覆した製剤としてもよい。
本製剤にこのような速放性薬物放出層を付与することにより、レボドパの血中濃度を服用直後から有効血中濃度に到達させることが可能となり、服用後速やかなパーキンソン病症状の改善をもたらすことができる。さらに、その後徐放層からの薬剤の溶出により、長時間一定に血中濃度を維持することが可能となる。
徐放性薬物放出層と速放性薬物放出層に含まれるレボドパは任意の比率とすることができるが、徐放性薬物放出層中のレボドパの比率は製剤中のレボドパ全重量に対して、通常50%以上であり、好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。
薬物放出層の基剤は、速放性及び/又は徐放性の機能を有するように、当該分野の当業者に周知の種々の基剤を適宜、選択することができる。このような基剤としては、例えば、結晶セルロース;メチルセルロース及びエチルセルロース等のアルキルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910)及びヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウム等のカルボキシメチルセルロース類;グアーガム、キサンタンガム及びジェランガム等のガム類;ポリエチレンオキシド類;アミノアルキルメタアクリレートコポリマー類;アクリル酸系共重合体類;カルボキシビニルポリマー類;ポリビニルピロリドン類;ポリビニルアルコール類;マクロゴール類;カルナバロウ及び硬化油等の油脂類;トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、デキストリン、α化澱粉、部分α化澱粉、カルボキシメチルスターチナトリウム及びプルラン等の澱粉類;乳糖及び白糖等の糖類;マンニトール、キシリトール、ソルビトール及びマルチトール等の糖アルコール;カオリン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム及びリン酸水素カルシウム等の無機質;クエン酸トリエチル、プロピレングリコール、トリアセチン及び中鎖脂肪酸トリグリセライド等の可塑剤などが挙げられる。これらの基剤を、適宜、選択することにより、所望の徐放化の条件を設定することができる。これらのうち、ヒドロキシアルキルセルロース又はポリエチレンオキシド類を含むのが好ましい。上述した基剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を任意の比率で混合して用いてもよい。
レボドパや後述するカルビドパの溶解性は酸性条件下では高く、弱酸性から塩基性条件下では低い。食事の前後で胃内pHが変化しても、好ましい血中濃度を維持できるように、薬物放出層に酸性基剤を配合してもよい。酸性基剤としては、例えば、無機酸;フマル酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、クエン酸若しくはアミノ酸等の有機酸;腸溶性基剤;カルボキシメチルセルロース類;ポリアクリル酸類及びカルボキシル基若しくはスルホ基を有する多糖類よりなる群から選ばれた高分子基剤なども用いることができる。これらの基剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を任意の比率で混合して用いてもよい。これらのうち、有機酸、カルボキシメチルセルロース類、ポリアクリル酸類及びカルボキシル基若しくはスルホ基を有する多糖類よりなる群から選ばれた高分子基剤が好ましい。酸性基剤を配合することにより、薬物放出層でのレボドパ及びカルビドパの安定性を高めることもできる。
腸溶性基剤、カルボキシメチルセルロース類、ポリアクリル酸類及びカルボキシル基若しくはスルホ基を有する多糖類は、胃内滞留層に用いるのと同じ基剤を用いることができる。
薬物放出層にはレボドパとともに、カルビドパ、ベンゼラシド等のドパ脱炭酸酵素阻害薬を含ませるのが好ましい。これにより末梢におけるレボドパの代謝を阻害してレボドパの脳内移行性を向上させ、ドパミンによる副作用を低減することができる。
薬物としてさらにエンタカポン、トルカポン等のカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害薬を含ませると、レボドパをより効率よく脳内に移行させることができるので好ましい。
薬物放出層には、さらに塩酸トリヘキシフェニジル等の抗コリン剤;麦角、非麦角アルカロイド等のドパミン受容体刺激剤;塩酸セレギニン等のMAO−B阻害剤;ドロキシドパ等のノルエピネフリン補充剤;塩酸アマンタジン等のドパミン放出促進剤などのパーキンソン病症状を改善する効果及び/又は副作用を軽減する効果のある薬物を含ませることができる。
本発明の胃内滞留製剤の薬物放出層に含まれるレボドパは、成人1日当たり、通常、20mg〜2000mgの範囲で投与され、好ましくは100mg〜800mgの範囲で投与される。本発明の胃内滞留製剤の薬物放出層に、さらにドパ脱炭酸酵素阻害薬およびCOMT阻害薬から選択される少なくとも1種が含まれる場合、それらの薬剤の配合比は、患者の年齢、性別、体重、症状、薬剤の組み合わせなどにより、適宜選択することができる。例えば、薬物放出層にさらにカルビドパが含まれる場合、カルビドパは、成人1日当たり、通常、2mg〜500mgの範囲で投与され、好ましくは20mg〜200mgの範囲で投与される。また、薬物放出層にさらにCOMT阻害剤が含まれる場合、COMT阻害剤は、成人1日当たり、通常、20mg〜2000mgの範囲で投与され、好ましくは100mg〜800mgの範囲で投与される。
薬物放出層は、常法により製造することができる。例えば、上述した基剤及び薬物を混合し、3kN〜20kN、好ましくは5kN〜15kNの圧力で圧縮成形することにより製造する方法が挙げられる。
本発明に係る胃内滞留製剤は、二層錠又は多層錠の製造に常用されている方法により製造することができる。例えば、胃内滞留層及び薬物放出層に用いる基剤を別々に打錠機に充填し、3kN〜20kN、好ましくは5kN〜15kNの圧力で圧縮成型することにより製造する方法が挙げられる。接着する方法としては、例えば、胃内滞留層と薬物放出層とを打錠圧縮する方法、及び胃内滞留層と薬物放出層との間にヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤を含む接着層を挟み込んで圧縮打錠する方法等が挙げられる。
腸溶性基剤、特にアクリル酸系共重合体を含む胃内滞留層は、比較的疎水性を示し、一方、ヒドロキシアルキルセルロース又はポリエチレンオキシド類を含む薬物放出層は、比較的親水性を示す。したがって、両者を圧縮打錠しただけでは接着しにくいことがあり、これらを接着させる際、接着強度を高めるため胃内滞留層に前述した水溶性基剤を含ませるのが好ましい。
本発明の胃内滞留製剤において、胃内滞留層と薬物放出層の比率は任意の比率とすることができるが、製剤全重量に対する胃内滞留層の比率は、通常、5〜50重量%であり、好ましくは10〜45重量%であり、さらに好ましくは15〜40重量%である。
胃内滞留製剤の形状は、製造や服用等に適したものであれば任意であり、例えば、レンズ形、円板形、円形、カプレット形、だ円形、三角形、四角形、五角形、六角形、花形、小判型等が挙げられる。
胃内滞留製剤の大きさは、直径の下限(異形のときは短径)が6mmより大きく、特に7mm以上であるのが好ましい。短径が6mm以下になると、胃内滞留時間が不十分となることがある。また、直径の上限(異形のときは長径)は服用できれば任意であり、通常は30mm以下である。
胃内滞留製剤には、識別性を向上させるため、薬物放出層及び/又は胃内滞留層に色素などの着色剤を含ませてもよい。着色剤は、医薬品として使用可能なものであれば任意であり、例えば、食用黄色5号、食用赤色2号及び食用青色2号等の食用色素;食用レーキ色素;三二酸化鉄;黄色三二酸化鉄;黄酸化鉄;黒色酸化鉄等が挙げられる。
以下に実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
(溶解試験)
日局溶解試験法のパドル法に従い、被験製剤をシンカーに入れ、日局1液(900mL)に沈め、37℃、パドル回転数200rpmで15時間撹拌した。次いで、被験製剤を静かに引き上げ、日局2液(900mL)に沈め、37℃、パドル回転数200rpmで9時間撹拌した後、製剤の胃内滞留層の長径をノギスで測定した。また、胃内滞留層が、残留物を認めないか、又は認めても海綿状であるか若しくは軟質の物質がわずかになったときは、撹拌開始から要した時間を溶解時間として記載した。
(強度試験)
50mL容(30x115mm)のファルコンTMコニカルチューブ(遠心分離用)(ブルーマックス,日本ベクトン・ディッキンソン社製)に、被験製剤(1個)、外径3.962〜4.699mmのガラスビーズBZ−4(アズワン社製)(50g)及び日局1液(30mL)を入れた。チューブを横向きに設置し、37℃で10時間、日局1液(30mL)を2.5時間ごとに交換しながら、200rpmで旋回させた後、製剤の胃内滞留層の短径をノギスで測定した。次いで、得られた被験製剤を、薬物放出層を下、胃内滞留層を上にレオメーター(SUN RHEO METER CR−150;サン科学社製)に設置し、3.5cm円形平面の圧縮アダプターを用い、圧縮クリアランス1mm、測定レンジ10kgで最大荷重を測定した。図1に試験に用いた装置を示す。
(胃内滞留時間)
被験製剤を一群2〜3頭の8〜10月齢のビーグル犬に経口投与した後、経時的にX線撮影することにより、胃内滞留時間を測定した。すなわち、自由に水を飲めるようにしたケージ内にビーグル犬を入れ、20時間以上絶食した後、製剤投与30分前に、固形ドッグフード250g、チャム50gを混ぜた餌を与えた。食べ終わったことを確認した後、被験製剤と20mLの水とを投与した。次いで、20w/v%の硫酸バリウムを10mL/body投与し、試験終了まで絶水した。被験製剤の投与後、1時間おきにX線撮影を行い、適宜、20w/v%の硫酸バリウムを10mL/body投与した。 なお、被験製剤には、薬物放出層及び胃内滞留層の各層の中央に、硫酸バリウム(500mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H微粉、500mg)を混合し、直径3mmのIR測定用製錠機を用いて調製したX線造影用の円形錠剤を埋包した。 被験製剤の投与からX線撮影で最後に胃内に観察されるまでに要した時間の平均値を胃内滞留時間とした。なお、16時間では胃内に観察されたが、24時間後には胃内で観察されなかったものの胃内滞留時間は16時間とした。
(参考例1)
フロセミド(1250mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、3250mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M微粉、500mg)を乳鉢中で混合して、薬物放出層用組成物を調製した。別途、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(信越AQOAT AS−MF、800mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M微粉、200mg)及び黄色三二酸化鉄(5mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機(N−30E、岡田精工社製;以下同じ)に充填し、直径8mmの円形の臼杵を用い、約 10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(130mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(80mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)及び黄色三二酸化鉄(0.5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。なお、薬物放出層用組成物の充填時にはその半量充填後、X線造影用錠剤を中心に置き、さらに残りの半量を充填することにより薬物放出層にX線造影用錠剤を埋包した。また、胃内滞留層用組成物の充填時にも半量充填後、X線造影用錠剤を中心に置き、残りの半量を充填することにより、胃内滞留層にX線造影用錠剤を埋包した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.53mm
溶解時間(日局2液):3.0時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.32mm、最大荷重:>10000g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:16時間
(参考例2)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(70mg)、乳糖(30mg)及び黄色三二酸化鉄(0.5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.42mm
溶解時間(日局2液):1.0時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.23mm、最大荷重:>10000g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:16時間
(参考例3)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(オイドラギットL100−55、80mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)及び黄色三二酸化鉄(0.5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.32mm
溶解時間(日局2液):3.0時間
(強度試験)
短径(日局1液):9.23mm、最大荷重:>10000g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:16時間
(参考例4)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(80mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、20mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.84mm
溶解時間(日局2液):5.0時間
(強度試験)
短径(日局1液):9.31mm、最大荷重:>10000g
(参考例5)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(80mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、20mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):10.29mm
長径(日局2液):1.71mm
(強度試験)
短径(日局1液):9.41mm、最大荷重:>10000g
(参考例6)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(80mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100000SR、20mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(強度試験)短径(日局1液):9.65mm、最大荷重:>10000g
(参考例7)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(70mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、20mg)及び乳糖(10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):10.25mm
溶解時間(日局2液):7.0時間
(強度試験)
短径(日局1液):9.62mm、最大荷重:9760g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:19時間
(参考例8)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(60mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、40mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(強度試験)
短径(日局1液):9.34mm、最大荷重:6490g
(参考例9)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(70mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、30mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):10.43mm
長径(日局2液):1.82mm
(強度試験)
短径(日局1液):9.90mm、最大荷重:>10000g
(参考例10)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(40mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.74mm
溶解時間(日局2液):3.5時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.79mm、最大荷重:6130g
(参考例11)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にシプロフロキサシン(30mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR−303、85mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(85mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(35mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、10mg)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.65mm
溶解時間(日局2液):3.0時間
(強度試験)
短径(日局1液):9.21mm、最大荷重:5140g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:15時間
(参考例12)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(ラブリワックス101(以下同じ)、75mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR Coagulant、5mg)、無水リン酸水素カルシウム(15mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.00mm
溶解時間(日局2液):8.0時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.00mm、最大荷重:6720g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:19時間
(参考例13)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にエチルセルロース(エトセルSTD10FP、80mg)、カルボキシビニルポリマー(10mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR 301、10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.82mm
長径(日局2液):4.14mm
(強度試験)
短径(日局1液):8.47mm、最大荷重:7750g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:16時間
(参考例14)
参考例1において、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用いた以外は参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、150mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(メトローズ60SH50、115mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(35mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(135mg)、カルボキシビニルポリマー(7.5mg)、クロスポビドン(Polyplasdone XL−10、7.5mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):7.14mm
溶解時間(日局2液):8時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.05mm、最大荷重:>10000g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:19時間
(参考例15)
参考例1において長径17.5mm、短径7.5mmの異形の臼杵を用いた以外は参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、150mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(メトローズ60SH50,205mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(45mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(140mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(40mg)、乳糖(20mg)を含む長径17.5mm、短径7.5mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.25mm
溶解時間(日局2液):7時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.82mm、最大荷重:>10000g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:16時間
(参考例16)
参考例1において長径17.5mm、短径7.5mmの異形の臼杵を用いた以外は参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、150mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(メトローズ60SH50,205mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(45mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(160mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、40mg)を含む長径17.5mm、短径7.5mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.98mm
溶解時間(日局2液):4時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.55mm、最大荷重:>10000g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:19時間
(参考例17)
参考例1において長径17.5mm、短径7.5mmの異形の臼杵を用いた以外は参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、150mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(メトローズ60SH50,205mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(45mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(160mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、40mg)を含む長径17.5mm、短径7.5mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.76mm
溶解時間(日局2液):4時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.43mm、最大荷重:>10000g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:17時間
(参考例18)
参考例1において長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用いた以外は参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、150mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(メトローズ60SH50、115mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(35mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(52.5mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(52.5mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、30mg)、乳糖(15mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.79mm
溶解時間(日局2液):5時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.35mm、最大荷重:7940g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:18時間
(参考例19)
参考例1において長径17.5mm、短径7.5mmの異形の臼杵を用いた以外は参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、150mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(メトローズ60SH50,205mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(45mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(160mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(40mg)を含む長径17.5mm、短径7.5mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.21mm
溶解時間(日局2液):4時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.97mm、最大荷重:>10000g
(参考例20)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(100mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.09mm
溶解時間(日局2液):2.5時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.00mm、最大荷重:>10000g
(参考例21)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(70mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(30mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.00mm
溶解時間(日局2液):8時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.51mm、最大荷重:6770g
(参考例22)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(60mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(5mg)及び乳糖(35mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.38mm
溶解時間(日局2液):2時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.20mm、最大荷重:8460g
(参考例23)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(40mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.34mm
溶解時間(日局2液):2時間
(強度試験)
短径(日局1液):9.35mm、最大荷重:6790g
(参考例24)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にシプロフロキサシン(30mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR−303、85mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(85mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(35mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、10mg)、カルメロースカルシウム(5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.59mm
溶解時間(日局2液):3時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.96mm、最大荷重:5120g
(参考例25)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に粉砕したヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート200731(HPMCPHP−55、80mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.34mm
溶解時間(日局2液):5時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.14mm、最大荷重:>10000g
(参考例26)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に粉砕したセルロースアセテートフタレート(80mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.31mm
溶解時間(日局2液):2.5時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.82mm、最大荷重:>10000g
(参考例27)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にシプロフロキサシン(30mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR−303、85mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(85mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(90mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR N−750、5mg)、カルメロースカルシウム(ECG−505、5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.03mm
長径(日局2液):5.34mm
(強度試験)
短径(日局1液):8.12mm、最大荷重:>10000g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:14時間
(参考例28)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にメトホルミン(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH30000F、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(80mg)、カルボキシビニルポリマー(10mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR 301、10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.00mm
溶解時間(日局2液):9時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.80mm、最大荷重:5160g
(参考例29)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(70mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR Coagulant、5mg)、無水リン酸水素カルシウム(20mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.27mm
長径(日局2液):4.85mm
(強度試験)
短径(日局1液):7.70mm、最大荷重:5300g
(参考例30)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(75mg)、カルボキシビニルポリマー(10mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR Coagulant、10mg)、結晶セルロース(Avicel PH101、5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.21mm
長径(日局2液):5.79mm
(強度試験)
短径(日局1液):8.70mm、最大荷重:5180g
(参考例31)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(80mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR Coagulant、5mg)、無水リン酸水素カルシウム(10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.27mm
長径(日局2液):4.84mm
(強度試験)
短径(日局1液):8.01mm、最大荷重:8090g
(参考例32)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(90mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR−N750、5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.21mm
長径(日局2液):4.13mm
(強度試験)
短径(日局1液):8.10mm、最大荷重:>10000g
(参考例33)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(90mg)、カルボキシビニルポリマー(10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.41mm
長径(日局2液):4.77mm
(強度試験)
短径(日局1液):8.26mm、最大荷重:>10000g
(参考例34)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(90mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR−N750、5mg)、カルボキシメチルスターチナトリウム(プリモジェル、5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.08mm
長径(日局2液):5.53mm
(強度試験)
短径(日局1液):8.02mm、最大荷重:>10000g
(参考例35)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(90mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポビドン(PLASDONE K29/32、5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.00mm
長径(日局2液):4.97mm
(強度試験)
短径(日局1液):8.05mm、最大荷重:>10000g
(参考例36)
参考例1において長径17.5mm、短径7.5mmの異形の臼杵を用いた以外は参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、150mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(メトローズ60SH50,205mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(45mg)を含み、胃内滞留層にキサンタンガム(180mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH30000F、157.5mg)、結晶セルロース(76.5mg)及びグアーガム(36mg)を含む長径17.5mm、短径7.5mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.30mm
長径(日局2液):21.74mm
(強度試験)
短径(日局1液):7.59mm、最大荷重:4520g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:8時間
別途、上記製剤をビーグル犬に経口投与8時間後に開腹し、胃内に残存している製剤を摘出し、この製剤の胃内滞留層の短径及び最大荷重を測定した(invivo強度試験)。 なお、前述した強度試験に準じて、上記製剤を日局1液中、37℃で8時間処理した後、胃内滞留層の短径及び最大荷重を測定した(invitro強度試験)。
(in vivo強度試験)
短径:7.18mm、最大荷重:6370g
(in vitro強度試験)
短径:8.49mm、最大荷重:6460g
in vivo強度試験の数値はinvitro強度試験のものとよく一致していることから、invitro強度試験は胃内における製剤の浸食性を反映させたものといえる。
(参考例37)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にエチルセルロース(エトセルSTD10FP、50mg)、硬化油(50mg)及び黄色三二酸化鉄(0.5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.00mm
長径(日局2液):8.00mm
(強度試験)
短径(日局1液):8.00mm、最大荷重:>10000g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:20時間
(参考例38)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100000SR、100mg)及び黄色三二酸化鉄(0.5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.45mm
長径(日局2液):7.02mm
(強度試験)
短径(日局1液):7.15mm、最大荷重:2570g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:8時間
(参考例39)
参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にカルボキシビニルポリマー(カーボポール971P、50mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX Coagulant、50mg)及び黄色三二酸化鉄(0.5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):10.68mm
長径(日局2液):19.28mm
(強度試験)
短径(日局1液):10.67mm、最大荷重:2910g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:10時間
(参考例40)
参考例1において、6mmの平型円形の臼杵を用いた以外は参考例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100000SR、40mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(10mg)を含み、胃内滞留層にエチルセルロース(エトセルSTD10FP、12.5mg)、硬化油(12.5mg)、硫酸バリウム(25mg)及び黄色三二酸化鉄(0.5mg)を含む直径6mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):6.00mm
長径(日局2液):6.00mm
(強度試験)
短径(日局1液):6.00mm、最大荷重:2020g
(胃内滞留時間確認試験)
胃内滞留時間:6時間
(実施例1)
レボドパ(3100mg)、カルビドパ(775mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、1356.25mg)及び結晶セルロース(Ceolus PH101、193.75mg)を乳鉢中で混合して、薬物放出層用組成物を調製した。別途、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(オイドラギットL100−55、1860mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、465mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機に充填し、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用い、約10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(87.5mg)及び結晶セルロース(12.5mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(30mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例2)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)及び結晶セルロース(50mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、30mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例3)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、75mg)及び結晶セルロース(25mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、30mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例4)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、100mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、30mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.56mm
溶解時間(日局2液):6時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.34mm、最大荷重:>10000g
(実施例5)
実施例1において、長径17.5mm、短径7.5mmの異形の臼杵を用いた以外は実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、75mg)及び結晶セルロース(125mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(160mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、40mg)を含む長径17.5mm、短径7.5mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例6)
実施例1において、長径17.5mm、短径7.5mmの異形の臼杵を用いた以外は実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、100mg)及び結晶セルロース(100mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(160mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、40mg)を含む長径17.5mm、短径7.5mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.46mm
溶解時間(日局2液):5.8時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.89mm、最大荷重:>10000g
(実施例7)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール971P,20mg)、無水リン酸水素カルシウム(20mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、150mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M微粉、30mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.14mm
溶解時間(日局2液):9時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.16mm、最大荷重:>10000g
(実施例8)
レボドパ(2550mg)、カルビドパ(255mg)、コーンスターチ(255mg)及びポピドン(PLASDONE K29/32,102mg)を乳鉢中で混合し、水を加えて造粒した。造粒物を60℃で乾燥後、篩過し、レボドパ・カルビドパの造粒物を得た。レボドパ・カルビドパ造粒物(1922mg)にヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100MP CR、496mg)及びカルボキシビニルポリマー(カーボポール971P,124mg)を加え、ガラス瓶の中で混合し、薬物放出層用組成物を調製した。別途、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(オイドラギットL100−55、1860mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M微粉、465mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機に充填し、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用い、約10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(250mg)、カルビドパ(25mg)、コーンスターチ(25mg)、ポピドン(10mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(80mg)及びカルボキシビニルポリマー(20mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(30mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例9)
レボドパ(2040mg)、カルビドパ(510mg)、結晶セルロース(Ceolus PH101、102mg)、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(オイドラギットL100−55、102mg)及びポピドン(PLASDONE K29/32,102mg)を乳鉢中で混合し、99.5%エタノールを加えて造粒した。造粒物を60℃で乾燥後、篩過し、レボドパ・カルビドパの造粒物を得た。レボドパ・カルビドパ造粒物(1736mg)にヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100MP CR、620mg)を加え、ガラス瓶の中で混合し、薬物放出層用組成物を調製した。別途、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(オイドラギットL100−55、1860mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M微粉、465mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機に充填し、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用い、約10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、結晶セルロース(10mg)、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(10mg)、ポピドン(10mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(100mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(30mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例10)
レボドパ(2040mg)、カルビドパ(510mg)、結晶セルロース(Ceolus PH101、102mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS−MF、102mg)及びポピドン(PLASDONE K29/32,102mg)を乳鉢中で混合し、99.5%エタノールを加えて造粒した。造粒物を60℃で乾燥後、篩過し、レボドパ・カルビドパの造粒物を得た。レボドパ・カルビドパ造粒物(1736mg)にヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100MP CR、620mg)を加え、ガラス瓶の中で混合し、薬物放出層用組成物を調製した。別途、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS−MF、1627.5mg)及び乳糖(697.5mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機に充填し、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用い、約10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、結晶セルロース(10mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(10mg)、ポピドン(10mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(100mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(105mg)及び乳糖(45mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例11)
レボドパ(2040mg)、カルビドパ(510mg)、結晶セルロース(Ceolus PH101、102mg)、キサンタンガム(102mg)及びポピドン(PLASDONE K29/32,102mg)を乳鉢中で混合し、水を加えて造粒した。造粒物を60℃で乾燥後、篩過し、レボドパ・カルビドパの造粒物を得た。レボドパ・カルビドパ造粒物(1736mg)にヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100MP CR、620mg)を加え、ガラス瓶の中で混合し、薬物放出層用組成物を調製した。別途、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS−MF、1627.5mg)及び乳糖(697.5mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機に充填し、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用い、約10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、結晶セルロース(10mg)、キサンタンガム(10mg)、ポピドン(10mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(100mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(105mg)及び乳糖(45mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例12)
レボドパ(2040mg)、カルビドパ(510mg)、結晶セルロース(Ceolus PH101、102mg)、ジェランガム(102mg)及びポピドン(PLASDONE K29/32,102mg)を乳鉢中で混合し、水を加えて造粒した。造粒物を60℃で乾燥後、篩過し、レボドパ・カルビドパの造粒物を得た。レボドパ・カルビドパ造粒物(1736mg)にヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100MP CR、620mg)を加え、ガラス瓶の中で混合し、薬物放出層用組成物を調製した。別途、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS−MF、1627.5mg)及び乳糖(697.5mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機に充填し、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用い、約10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、結晶セルロース(10mg)、ジェランガム(10mg)、ポピドン(10mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(100mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(105mg)及び乳糖(45mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例13)
レボドパ(8200mg)、カルビドパ(2050mg)、結晶セルロース(410mg)及びカルボキシビニルポリマー(カーボポール971P,410mg)を乳鉢中で混合し、水を加えて造粒した。造粒物を60℃で乾燥後、篩過し、レボドパ・カルビドパの造粒物を得た。レボドパ・カルビドパ造粒物(1674mg)にヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100MP CR、620mg)を加え、ガラス瓶の中で混合し、薬物放出層用組成物を調製した。別途、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(オイドラギットL100−55、1076.25mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS−MF,1076.25mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、615mg)及び乳糖(307.5mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機に充填し、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用い、約10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、結晶セルロース(10mg)、カルボキシビニルポリマー(10mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(100mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(52.5mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(52.5mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(30mg)及び乳糖(15mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.67mm
溶解時間(日局2液):4時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.23mm、最大荷重:7055g
(実施例14)
実施例13に準じて、レボドパ・カルビドパの造粒物を得た。レボドパ・カルビドパ造粒物(1674mg)にポリエチレンオキシド(POLYOX WSR303,620mg)を加え、ガラス瓶の中で混合し、薬物放出層用組成物を調製した。別途、メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(オイドラギットL100−55、2152.5mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、615mg)及び乳糖(307.5mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機に充填し、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用い、約10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、結晶セルロース(10mg)、カルボキシビニルポリマー(10mg)及びポリエチレンオキシド(100mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(105mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(30mg)及び乳糖(15mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):10.29mm
溶解時間(日局2液):4.3時間
(強度試験)
短径(日局1液):9.43mm、最大荷重:9945g
(実施例15)
実施例13に準じて、レボドパ・カルビドパの造粒物を得た。レボドパ・カルビドパ造粒物(1674mg)にヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M微粉、620mg)を加え、ガラス瓶の中で混合し、薬物放出層用組成物を調製した。別途、硬化油(2767.5mg)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール971P,153.75mg)及びクロスポビドン(Polyplasdone XL-10,153.75mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機に充填し、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用い、約10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg),結晶セルロース(10mg)、カルボキシビニルポリマー(10mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(100mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(135mg)、カルボキシビニルポリマー(7.5mg)及びクロスポビドン(7.5mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):7.25mm
溶解時間(日局2液):7時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.05mm、最大荷重:9505g
(実施例16)
実施例13に準じて,レボドパ・カルビドパの造粒物を得た。レボドパ・カルビドパ造粒物(1674mg)にヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100MP CR,496mg)及びカルボキシビニルポリマー(カーボポール971P,124mg)を加え,ガラス瓶の中で混合し、薬物放出層用組成物を調製した。別途、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS−MF,2460mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M微粉、615mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機に充填し、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用い、約10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、結晶セルロース(10mg)、カルボキシビニルポリマー(30mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(80mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(120mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(30mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):7.39mm
溶解時間(日局2液):9時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.34mm、最大荷重:9350g
(実施例17)
実施例13に準じて、レボドパ・カルビドパの造粒物を得た。レボドパ・カルビドパ造粒物(1674mg)にポリエチレンオキシド(POLYOX WSR303,310mg)及びカルボキシビニルポリマー(カーボポール971P,310mg)を加え、ガラス瓶の中で混合し、薬物放出層用組成物を調製した。別途、硬化油(2306.25mg)、カルボキシビニルポリマー(153.75mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX Coagulant、153.75mg)及び無水リン酸水素カルシウム(461.25mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機に充填し、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用い、約10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、結晶セルロース(10mg)、カルボキシビニルポリマー(60mg)及びポリエチレンオキシド(50mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(112.5mg)、カルボキシビニルポリマー(7.5mg)、ポリエチレンオキシド(7.5mg)及び無水リン酸水素カルシウム(22.5mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):7.13mm
溶解時間(日局2液):9時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.37mm、最大荷重:8300g
(実施例18)
実施例13に準じて、レボドパ・カルビドパの造粒物を得た。レボドパ・カルビドパ造粒物(1674mg)に硬化油(496mg)及び乳糖(124mg)を加え、ガラス瓶の中で混合し、薬物放出層用組成物を調製した。別途、エチルセルロース(エトセルSTD10FP,2460mg)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール971P、307.5mg)及びポリエチレンオキシド(POLYOX WSR301、307.5mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機に充填し、長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用い、約10kNの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、結晶セルロース(10mg)、カルボキシビニルポリマー(10mg)、硬化油(80mg)及び乳糖(20mg)を含み、胃内滞留層にエチルセルロース(120mg)、カルボキシビニルポリマー(15mg)及びポリエチレンオキシド(15mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):7.27mm
溶解時間(日局2液):9時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.30mm、最大荷重:>10000g
(実施例19)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、75mg)、結晶セルロース(50mg)及び無水クエン酸(12.5mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(30mg)を含み、さらに速放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC LH-11、7.5mg)、結晶セルロース(15mg)及び無水クエン酸(12.5mg)を含み、胃内滞留層を中間層とする長径14mm、短径7mmの三層構造の異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例20)
実施例19に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(140mg)、カルビドパ(35mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、87.5mg)、結晶セルロース(37.5mg)及び無水クエン酸(17.5mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(30mg)を含み、さらに速放性の薬物放出層にレボドパ(60mg)、カルビドパ(15mg)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC LH-11、4.5mg)、結晶セルロース(9mg)及び無水クエン酸(7.5mg)を含む長径14mm、短径7mmの三層構造の異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例21)
実施例19に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(180mg)、カルビドパ(45mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、100mg)、結晶セルロース(25mg)及び無水クエン酸(22.5mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(30mg)を含み、さらに速放性の薬物放出層にレボドパ(20mg)、カルビドパ(5mg)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC LH-11、1.5mg)、結晶セルロース(3mg)及び無水クエン酸(2.5mg)を含む長径14mm、短径7mmの三層構造の異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例22)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(100mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.05mm
溶解時間(日局2液):3時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.09mm、最大荷重:>10000g
(実施例23)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層に粉砕したヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート200731(HPMCPHP−55、80mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.67mm
溶解時間(日局2液):3時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.87mm、最大荷重:6080g
(実施例24)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層に粉砕したセルロースアセテートフタレート(80mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.39mm
溶解時間(日局2液):3時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.06mm、最大荷重:>10000g
(実施例25)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(75mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR N−750、5mg)、カルメロースカルシウム(ECG−505、5mg)及び結晶セルロース(Ceolus PH101、15mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.16mm
溶解時間(日局2液):8時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.62mm、最大荷重:8885g
(実施例26)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層にステアリン酸(75mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR−N750、5mg)及び無水リン酸水素カルシウム(15mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.72mm
溶解時間(日局2液):9時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.48mm、最大荷重:6030g
(実施例27)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、エンタカポン(200mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、100mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、30mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例28)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、トルカポン(200mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、100mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、30mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例29)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(200mg)、ベンゼラシド(50mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、100mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(120mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH100SR、30mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(実施例30)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層にヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(60mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(5mg)及び乳糖(35mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.40mm
溶解時間(日局2液):1.5時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.28mm、最大荷重:8870g
(実施例31)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(85mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR−N750、5mg)、カルボキシメチルスターチナトリウム(プリモジェル、5mg)及び乳糖(5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.14mm
溶解時間(日局2液):9時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.88mm、最大荷重:>10000g
(実施例32)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(85mg)、キサンタンガム(5mg)、ポリエチレンオキシド(POLYOX WSR−N750、5mg)及び無水リン酸水素カルシウム(5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.06mm
溶解時間(日局2液):5時間
(強度試験)
短径(日局1液):7.00mm、最大荷重:6530g
(実施例33)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(オイドラギットL100−55、70mg)、ポビドン(PLASDONE K29/32、10mg)、メチルセルロース(SM−4、10mg)及びマンニトール(10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.16mm
溶解時間(日局2液):3時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.77mm、最大荷重:>10000g
(実施例34)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層にメタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体(オイドラギットL100−55、70mg)、ポビドン(PLASDONE K29/32、10mg)、マクロゴール6000(10mg)及びマンニトール(10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):9.96mm
溶解時間(日局2液):2時間
(強度試験)
短径(日局1液):9.09mm、最大荷重:6210g
(実施例35)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(50mg)、ステアリルアルコール(30mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポビドン(PLASDONE K29/32、5mg)、メチルセルロース(SM−4、5mg)及びマンニトール(5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.24mm
溶解時間(日局2液):9時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.18mm、最大荷重:>10000g
(実施例36)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(50mg)、テトラグリセリンペンタエステル(PS-3S、30mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポビドン(PLASDONE K29/32、5mg)、マクロゴール6000(5mg)及びマンニトール(5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.15mm
溶解時間(日局2液):6時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.09mm、最大荷重:>10000g
(実施例37)
実施例1に準じて、1錠当たり徐放性の薬物放出層にレボドパ(100mg)、カルビドパ(25mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100M P CR、50mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(60mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポビドン(PLASDONE K29/32、5mg)及びマンニトール(30mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.10mm
溶解時間(日局2液):6時間
(強度試験)
短径(日局1液):8.07mm、最大荷重:9100g
(比較例1)
レボドパ(1600mg)及びカルビドパ(400mg)を日局1液400mLに溶解し、レボドパ・カルビドパ溶液を調整した。
(比較例2)
実施例1において長径17.5mm、短径7.5mmの異形の臼杵を用いた以外は実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にレボドパ(200mg)、カルビドパ(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(METHOCEL K100 P CR、100mg)及び結晶セルロース(Ceolus PH101、100mg)を含み、胃内滞留層にキサンタンガム(180mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH30000F、157.5mg)、結晶セルロース(76.5mg)及びグアーガム(36mg)を含む長径17.5mm、短径7.5mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
(溶解試験)
短径(日局1液):8.38mm
長径(日局2液):22.14mm
(強度試験)
短径(日局1液):7.76mm、最大荷重:3000g
(イヌ薬物動態試験)
実施例及び比較例で製造した製剤、レボドパ・カルビドパ溶液及び市販のシネメットCR錠を用いてイヌ薬物動態試験を行った。
Figure 2008087882
(血中薬物濃度測定)
被験製剤を一群2〜10頭の30〜42月齢のビーグル犬に経口投与した後、経時的に採血を行い、抽出操作後、血漿中薬物濃度をLC−MS/MSにて測定した。給餌条件としては、自由に水を飲めるようにしたケージ内にビーグル犬を入れ、20時間以上絶食した後、固形ドッグフード250g、チャム50gを混ぜた餌を与えた。給餌30分後に、被験製剤と20mlの水とを投与した。採血は、約1mL経時的に前足の静脈より、ヘパリン入りシリンジにて行った。安定化剤として、EGTA(0.5mg)、還元型グルタチオン(0.3mg)を50%N,N−ジメチルアセトアミド/50%蒸留水に懸濁し、全血用及び血漿用チューブに予め入れておいた。
抽出操作は、まずチューブに2N塩酸水溶液0.025mLを加えておいた。続いて上記により得られた血漿0.1mLに内部標準物質(メトホルミン100ng/mL、アセトニトリル溶液)を0.1mL添加した後、アセトニトリル0.3mLを加え、除タンパクを行った。遠心分離後、その上静0.005mLをLC−MS/MSに注入した。以下の条件にてLC−MS/MSを用い測定した。なお、検量線はブランク血漿0.1mLに内部標準物質(メトホルミン100ng/mL、アセトニトリル溶液)及びレボドパ、カルビドパを適宜添加し、上記と同様に操作することにより作製した。
LC条件
装置:Agilent 1100
カラム:Cadenza C18 3μm 4.6x50mm
移動相:10mM酢酸アンモンニウム水溶液(pH4.5)(A)/アセトニトリル(B)
Figure 2008087882
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/min
MS/MS条件
装置:API−4000
イオン化法:ESI(positive)(Trubo Ion Spray)
Figure 2008087882
Cmaxは最高血中濃度を表わし、Tmaxは最高血中濃度到達時間を表わし、AUCは血中薬物濃度-時間曲線下面積を表わし、MRTは平均滞留時間を表わす。
平均滞留時間は、一般に血中濃度の持続性の指標となり、平均滞留時間が長いほど徐放性製剤としての機能が高いことを表わしている。
以上のとおり、本発明に係る製剤はシネメットCR錠よりもレボドパの血中濃度を長時間維持しており、レボドパが胃内で持続的な放出を達成されていることを示した(図2)。またシネメットCR錠を6時間後に追加投与した群では、実施例4の製剤を2錠同時投与した群に比べて、血中濃度を一定に保つことができなかった(図3)。このことから本発明に係る製剤は、短時間放出型のシネメットCR錠よりも、血中濃度の変動を一定に保つ製剤であり、現行のレボドパ製剤の問題点を克服できる製剤であった。以上の結果より、本発明に係る胃内滞留製剤はレボドパの効力を最大化することのできる製剤である。
(溶出試験)
日局溶出試験法のパドル法に従い、被験製剤をシンカーに入れ、日局1液(900mL)に沈め、37℃、パドル回転数100rpmで24時間撹拌した。試験液を経時的にサンプリングし,薬物の放出率を下記条件でHPLCによって測定した。
装置:Shimadzu Prominence
カラム:Inertsil ODS−3 5μm 4.6x150mm
カラム温度:25℃
移動相:20mMリン酸二水素カリウム(pH=2.3):アセトニトリル96:4
流速:1mL/min
検出器:280nmのUV
図4〜23に示した結果から、本発明に係る製剤はレボドパ及び/又はカルビドパをほぼ一定の速度で持続的に放出する製剤であるといえる。
本発明に係る胃内滞留製剤は、十分な胃内滞留時間を有する服用しやすい大きさの製剤であり、胃から排出された後は速やかに崩壊するので、徐放性製剤として有用であって、しかも工業的に製造しやすいレボドパ製剤である。

Claims (16)

  1. 胃内滞留層及び薬物としてレボドパを含有する薬物放出層を有する胃内滞留製剤であって、胃内滞留層が酸性媒体中よりも弱酸性乃至弱アルカリ性の媒体中で高い溶解性又は膨潤性を示す高分子基剤を含むものであることを特徴とする製剤。
  2. 酸性媒体中よりも弱酸性乃至弱アルカリ性の媒体中で高い溶解性又は膨潤性を示す高分子基剤が、腸溶性基剤であることを特徴とする請求項1記載の製剤。
  3. 腸溶性基剤が、腸溶性セルロース誘導体、腸溶性アクリル酸系共重合体、腸溶性ポリビニル誘導体及び腸溶性マレイン酸−ビニル系共重合体よりなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項2記載の製剤。
  4. 胃内滞留層に、さらにヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニル重合体、ポリエチレンオキシド類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース類、ゼラチン、多糖類、マクロゴール類、糖及び糖アルコールよりなる群から選ばれた水溶性基剤を含ませてもよいことを特徴とする請求項2又は3記載の製剤。
  5. 胃内滞留層に占める腸溶性基剤の割合が、50重量%以上であることを特徴とする請求項4記載の製剤。
  6. 酸性媒体中よりも弱酸性乃至弱アルカリ性の媒体中で高い溶解性又は膨潤性を示す高分子基剤が、カルボキシメチルセルロース類、ポリアクリル酸類及びカルボキシル基若しくはスルホ基を有する多糖類よりなる群から選ばれた酸性官能基含有高分子基剤であることを特徴とする請求項1記載の製剤。
  7. 胃内滞留層中に、さらにセルロール誘導体、アクリル酸系重合体、酢酸ビニル系重合体、油脂類、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、炭化水素類、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸及びポリアミド類よりなる群から選ばれた疎水性基剤を含ませることを特徴とする請求項6記載の製剤。
  8. 酸性官能基含有高分子基剤1重量部に対する疎水性基剤の割合が、1〜40重量部であることを特徴とする請求項7記載の製剤。
  9. 胃内滞留層に、さらにヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニル重合体、ポリエチレンオキシド類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース類、ゼラチン、多糖類、マクロゴール類、糖及び糖アルコールよりなる群から選ばれた水溶性基剤を含ませてもよいことを特徴とする請求項7又は8記載の製剤。
  10. 胃内滞留層に占める水溶性基剤の割合が、60重量%以下であることを特徴とする請求項9記載の製剤。
  11. 胃内滞留層に占める水溶性基剤の割合が、5重量%以上であることを特徴とする請求項10記載の製剤。
  12. 薬物放出層が、ヒドロキシアルキルセルロース及び/又はポリエチレンオキシド類を含むものであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の製剤。
  13. 薬物として、さらにドパ脱炭酸酵素阻害薬を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の製剤。
  14. 薬物として、さらにカテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害薬を含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の製剤。
  15. 製剤全重量に対する胃内滞留層の割合が、5〜50重量%である、請求項1乃至14のいずれかに記載の製剤。
  16. 薬物放出層が、徐放性薬物放出層と速放性薬物放出層とを含む、請求項1乃至15のいずれかに記載の製剤。
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