JPWO2007069358A1 - 新規胃内滞留製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分な胃内滞留時間を有する服用しやすい大きさの製剤であって、胃から排出された後は速やかに崩壊し、しかも工業的に製造しやすい製剤を提供する。【解決手段】 胃内滞留層及び薬物放出層を有する胃内滞留製剤であって、胃内滞留層がセルロース誘導体、アクリル酸系共重合体、酢酸ビニル系重合体、油脂類、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、炭化水素類、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸及びポリアミド類よりなる群から選ばれた疎水性基剤、並びにカルボキシメチルセルロース類、ポリアクリル酸類及びカルボキシル基又はスルホ基を有する多糖類よりなる群から選ばれた高分子基剤を含み、ヒドロキシアルキルセルロース又はポリエチレンオキシド等を含むことを特徴とする胃内滞留製剤。

Description

本発明は、胃内滞留製剤に関するものである。さらに詳しく述べれば、本発明は、胃内で十分な滞留時間を示し、腸管中で速やかに崩壊する胃内滞留層を有する胃内滞留製剤に関するものである。
胃内で薬物の放出を制御する製剤として胃内滞留製剤が開発され、さらに研究が進められている。胃内滞留製剤としては、例えば、粘膜付着型、特殊形状型、膨潤型及び浮遊型等が知られている。
粘膜付着型胃内滞留製剤は、製剤中に粘膜付着性物質を含有させることにより、製剤を胃粘膜に付着させ、胃内滞留時間を延長させるものである。しかしながら、この製剤は運動が活発な胃壁に付着しにくく、また粘膜の代謝回転により粘膜からはがれやすいため、十分な胃内滞留時間が得られない。さらに胃粘膜に対する刺激性が懸念される等、安全性に問題がある。
特殊形状型胃内滞留製剤は、特定の温度又はpH等の胃内環境のもとで伸長、伸展することにより、交叉棒状又は風車状等の胃内に保持される特殊な形状をとるように設計された製剤である。しかしながら、その特殊な形状のため、製造が困難であり、しかも胃粘膜を傷つけたり食物の通過を妨げたりするおそれがある。
膨潤型胃内滞留製剤は、水と接触すると膨潤する基剤を用いて、製剤を幽門を通過しにくい大きさとすることにより、胃内滞留時間を延長させようとするものである。
しかしながら、膨潤型の胃内滞留製剤は、幽門の通過を製剤の大型化により阻止しようとするものであり、その大型化を製剤の膨潤化により達成しようとするものである。したがって、本質的に胃の収縮等の機械的運動に抵抗するのに必要な強度を欠いているため、膨潤した製剤は浸食され小型化しやすい。さらに、薬物の放出が製剤の浸食によって制御されていることから、浸食されにくい製剤とすれば薬物放出を制御するのが難しくなり、浸食されやすい製剤とすれば小型化して容易に胃から排出されてしまう。このように、膨潤型胃内滞留製剤は、他の胃内滞留製剤よりも大きくなり、服用しづらいという欠点を有する。
最近、薬物層と膨潤層との二層構造とすることにより、薬物放出性と膨潤性とを独立して制御できる膨潤型胃内滞留製剤が報告された(特許文献1参照)。しかしながら、本発明者らがこの製剤を検討したところ、膨潤後の機械的強度が低いため浸食されやすく、服用しやすい大きさとすれば胃内滞留時間が不十分となり、十分な胃内滞留時間を有する製剤とすれば服用しづらくなるという従来の問題が解決されていないものであることが判明した(比較例1参照)。
また、胃液と接触すると膨潤するポリマーマトリックスの一部を不溶性のバンドで取り囲みポリマーマトリックスの一部が膨潤することを防ぐことにより、胃の収縮に耐え、胃から製剤を遅延排出するのに十分な剛性(機械的強度)を有する製剤が報告されている(特許文献2参照)。しかしながら、ポリマーマトリックスの一部を不溶性のバンドで取り囲むには複雑な操作が必要であり、このような製剤を工業的に製造することは困難である。
浮遊型胃内滞留製剤は、製剤を胃内で浮遊させることにより胃内滞留時間を延長させるものである。しかしながら、この製剤は、経口投与されてから浮遊するまで時間がかかるため、胃内で浮遊する前に胃から排出されてしまうことがある。
この問題を解決するため、低嵩密度の医薬品添加剤から構成される層(浮遊層)と薬物放出制御層との二層構造の浮遊型胃内滞留製剤が提案された(特許文献3参照)。この製剤の浮遊層は、エチルセルロース等の低密度の嵩高いセルロース誘導体を含むものであり、十分な胃内滞留時間を示す(比較例2参照)。しかし、体内ではほとんど浸食されないため、消化管を傷つけるなどの問題を引き起こす可能性がある。また、そのままの形態で糞便中に排泄されることから、患者に不安を与えるおそれがある。
特開2005−132803号公報 特表2001−527023号公報 国際公開第2004/002445号パンフレット
本発明は、十分な胃内滞留時間を有する服用しやすい大きさの製剤であって、胃から排出された後は速やかに崩壊し、しかも工業的に製造しやすい製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行ったところ、胃内滞留層の基剤として、疎水性基剤及び水溶液中で適度な崩壊性を示す高分子基剤を採用すると胃液や胃の機械的運動に耐えて浸食されず十分な胃内滞留時間を示す製剤とすることができること、及びこの胃内滞留層にさらに水溶性基剤を含ませると胃腸管内における製剤の崩壊性を調節できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、胃内滞留層及び薬物放出層を有する胃内滞留製剤であって、胃内滞留層がセルロース誘導体、アクリル酸系共重合体、酢酸ビニル系重合体、油脂類、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、炭化水素類、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸及びポリアミド類よりなる群から選ばれた疎水性基剤、並びにカルボキシメチルセルロース類、ポリアクリル酸類及びカルボキシル基又はスルホ基を有する多糖類よりなる群から選ばれた高分子基剤を含むものであることを特徴とする胃内滞留製剤、に存する。
耐浸食性を判断するための強度試験に用いた装置を示す図である。 実施例4の胃内滞留製剤のシプロフロキサシンの溶出性を示す図である。縦軸はシプロフロキサシンの溶出率、横軸は溶解試験開始からの時間を表す。
本発明に係る胃内滞留製剤に用いられる疎水性基剤としては、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体;アクリル酸エチル‐メタクリル酸メチル共重合体(オイドラギットNEとして市販)及びアクリル酸エチル−メタクリル酸メチル−メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体(オイドラギットRL、オイドラギットRSとして市販)等のアクリル酸系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂等の酢酸ビニル系重合体;硬化油、鯨ロウ、蜜蝋、カルナバロウ、ラノリン及びカカオ脂等の油脂類;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸及びベヘン酸等の高級脂肪酸;高級脂肪酸アルキルエステル、(ポリ)グリセリン高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸ソルビタン、高級脂肪酸ポリエチレングリコール及びショ糖高級脂肪酸エステル等の高級脂肪酸エステル;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコール等の高級アルコール類;ポリエチレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;ポリカプロラクトン;ポリ乳酸;ポリグリコール酸;ポリアミド類などが挙げられる。また、高級脂肪酸アルキルエステルとしては、例えば、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸コレステリル及びモノステアリン酸バチル等が挙げられる。(ポリ)グリセリン高級脂肪酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、テトラベヘン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリル、ヘプタステアリン酸デカグリセリル、デカステアリン酸デカグリセリルが挙げられる。高級脂肪酸ソルビタンとしては、例えば、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン等が挙げられる。高級脂肪酸ポリエチレングリコールとしては、例えば、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール及びジステアリン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。ショ糖高級脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル及びショ糖エルカ酸エステルが挙げられる。これらのうち、セルロース誘導体又は油脂類が好ましい。
上述した疎水性基剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を任意の比率で混合して用いてもよい。
胃内滞留層に疎水性基剤と共に腸管内で適度な崩壊性を示す高分子基剤を含ませることにより、胃内では形状を保持し、腸管内では崩壊性を示す胃内滞留製剤とすることができる。このような高分子基剤としては胃液(pH1〜3)のような酸性媒体中よりも腸液(pH5〜8)のような弱酸性乃至弱アルカリ性の媒体中で高い溶解性又は膨潤性を示す高分子基剤、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム等のカルボキシメチルセルロース類;カルボキシビニルポリマー、ポリカルボフィルカルシウム等のポリアクリル酸類;カルボキシメチルスターチナトリウム、アルギン酸、キサンタンガム、ジェランガム、ヒアルロン酸、カラギーナン、コンドロイチン硫酸及び硫酸デキストラン等のカルボキシル基又はスルホ基を有する多糖類などが挙げられる。
胃内滞留層における、疎水性基剤と上記高分子基剤との比率は、それぞれに用いる基剤に応じてヒトでの滞留時間が12〜24時間となり、かつ腸管内で速やかに崩壊するように定めればよい。胃内滞留層中の高分子基剤1重量部に対する疎水性高分子は、通常1〜40重量部である。この比率の上限値は30重量部以下、特に20重量部以下であるのが好ましく、下限値は2重量部以上、特に5重量部以上であるのが好ましい。
胃内滞留層に、疎水性基剤及び高分子基剤と共に、水溶性基剤を含ませることにより、胃内滞留層の崩壊性を制御し、胃内滞留時間や腸管内における崩壊性を制御することができる。水溶性基剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910)及びヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;ポビドン、クロスポビドン及びポリビニルアルコール等のポリビニル誘導体;ポリエチレンオキシド類;メチルセルロース;ゼラチン;α化澱粉、部分α化澱粉、プルラン、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム等の多糖類;乳糖、白糖、トレハロース及びグルコース等の糖;マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール及びマルチトール等の糖アルコールなどが挙げられる。
胃内滞留層に水溶性基剤を含ませる場合、胃内滞留層に占める水溶性基剤の比率は、それぞれに用いる基剤に応じてヒトでの滞留時間が12〜24時間となり、かつ腸管内で速やかに崩壊するように定めればよい。胃内滞留層に占める水溶性基剤の割合が60重量%を超えると、胃内滞留層の機械的強度が低下し胃内滞留時間が不十分となることがある。このため、胃内滞留層に占める水溶性基剤の割合の上限は、60重量%以下、特に50重量%以下が好ましい。逆に、胃内滞留層に占める水溶性基剤の割合が5重量%未満になると、腸管内での崩壊性が低下することがある。したがって、胃内滞留層に占める水溶性基剤の割合の下限は、5重量%以上、特に10重量%以上が好ましい。
胃内滞留層には、さらに賦形剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤等を含ませることができる。賦形剤としては、例えば、結晶セルロース、コーンスターチ及び無水リン酸水素カルシウム等が挙げられる。結合剤としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、プルラン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、アラビアゴム、α化澱粉及び部分α化澱粉等が挙げられる。流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸及び含水二酸化ケイ素等が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、ジメチルポリシロキサン及びフマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。胃内滞留層中に占める上述の基剤の割合は、併せて用いる他の基剤の種類や量に応じて、適宜定めればよい。
胃内滞留層は、常法により製造することができる。例えば、上述した各基剤を混合し、300kgf〜2000kgf、好ましくは500kgf〜1500kgfの圧力で圧縮成型する方法が挙げられる。
薬物放出層の基剤には、徐放型経口投与製剤に常用されている任意の基剤を用いることができる。例えば、結晶セルロース;メチルセルロース及びエチルセルロース等のアルキルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2208、2906、2910)及びヒドロキシエチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース;カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウム等のセルロース誘導体;グアーガム、キサンタンガム及びジェランガム等のガム類;ポリエチレンオキシド類;アミノアルキルメタアクリレートコポリマー類;アクリル酸系共重合体;カルボキシビニルポリマー類;ポリビニルピロリドン類;ポリビニルアルコール類;マクロゴール類;カルナバロウ及び硬化油等の油脂類;トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、デキストリン、α化澱粉、部分α化澱粉、カルボキシメチルスターチナトリウム及びプルラン等の澱粉類;乳糖及び白糖等の糖類;マンニトール、キシリトール、ソルビトール及びマルチトール等の糖アルコール;カオリン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム及びリン酸水素カルシウム等の無機質;クエン酸トリエチル、プロピレングリコール、トリアセチン及び中鎖脂肪酸トリグリセライド等の可塑剤などが挙げられる。これらの基剤を、適宜、選択することにより、所望の徐放化の条件を設定することができる。これらのうち、ヒドロキシアルキルセルロース又はポリエチレンオキシドを含むのが好ましい。上述した基剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を任意の比率で混合して用いてもよい。
薬物放出層に含ませる薬物は、徐放化が求められるものであれば任意である。例えば、十二指腸及び/又は空腸において吸収される薬物、胃及び/又は小腸上部で薬効を発揮する薬物、消化管下部で分解される薬物、消化管下部において腸細胞に存在する薬物輸送担体による消化管内への流出を受けやすい薬物及び消化管下部のアルカリ性又は中性で不溶化される薬物等が挙げられる。
十二指腸及び/又は空腸において吸収される薬物としては、例えば、ナトリウム依存性糖輸送担体阻害薬;フロセミド等の利尿薬;血液凝固因子Xa阻害薬;シクロスポリン等の免疫抑制薬;β受容体作動薬等が挙げられる。
胃及び/又は小腸上部で薬効を発揮する薬物としては、例えば、ナトリウム依存性糖輸送担体1阻害薬;ボグリボース、アカルボース、ミグリトール等の炭水化物分解酵素阻害薬;プリン体吸収阻害薬;ウレアーゼ阻害薬;抗菌剤;プロトンポンプ阻害剤、Hブロッカー、粘膜保護型抗潰瘍剤等の抗潰瘍剤;制酸剤;酸分泌抑制剤;整腸剤等が挙げられる。
消化管下部で分解される薬物としては、例えば、中枢神経用薬、循環器用薬、呼吸器用薬、消化器官用薬、ホルモン剤、抗ヒスタミン剤、代謝性医薬、抗潰瘍剤、抗生物質及び化学療法剤等が挙げられる。
消化管下部において腸細胞に存在する薬物輸送担体による消化管内への流出を受けやすい薬物としては、例えば、パクリタキセル等の抗がん剤;シプロフロキサシン等の抗菌剤;サキナビル、リトナビル及びネルフィナビル等のHIVプロテアーゼ阻害剤等が挙げられる。
消化管下部のアルカリ性又は中性で不溶化される薬物としては、例えば、鉄塩;ジゴキシン;ケトコナゾール、フルコナゾール、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ミトコナゾール等の抗真菌剤等が挙げられる。
薬物放出層は、常法により製造することができる。例えば、上述した基剤及び薬物を混合し、300kgf〜2000kgf、好ましくは500kgf〜1500kgfの圧力で圧縮成形することにより製造する方法が挙げられる。
本発明に係る胃内滞留製剤は、胃内滞留層と薬物放出層を有する二層又は多層の錠剤であり、二層錠又は多層錠の製造に常用されている方法により製造することができる。例えば、胃内滞留層及び薬物放出層に用いる基剤を別々に打錠機に充填し、300kgf〜2000kgf、好ましくは500kgf〜1500kgfの圧力で圧縮成形することにより製造する方法、前述した方法で製造した胃内滞留層と薬物放出層とを接着させることにより製造することができる。接着する方法としては、例えば、胃内滞留層と薬物放出層とを打錠圧縮する方法、及び胃内滞留層と薬物放出層との間にヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤を含む接着層を挟み込んで圧縮打錠する方法等が挙げられる。
胃内滞留製剤の形状は、製造や服用等に適したものであれば任意であり、例えば、レンズ形、円板形、円形、カプレット形、だ円形、三角形、四角形、五角形、六角形、花形、小判型等が挙げられる。
胃内滞留製剤の大きさは、直径の下限(異形のときは短径)が6mmより大きく、特に7mm以上であるのが好ましい。直径が6mm以下になると、胃内滞留時間が不十分となることがある。また、直径の上限(異形のときは長径)は服用できれば任意であるが、通常は30mm以下である。
胃内滞留製剤には、識別性等を向上させるため、薬物放出層及び/又は胃内滞留層に色素などの着色剤を含ませてもよい。着色剤は、医薬品に使用可能なものであれば任意であり、例えば、食用黄色5号、食用赤色2号及び食用青色2号等の食用色素;食用レーキ色素;三二酸化鉄;黄色三二酸化鉄等が挙げられる。
以下に実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
(強度試験)
50mL容(30x115mm)のファルコンTMコニカルチューブ(遠心分離用)(ブルーマックス、日本ベクトン・ディッキンソン社製)に、被験製剤(1個)、外径3.962〜4.699mmのガラスビーズBZ−4(アズワン社製)(50g)及び日本薬局方(以下「日局」という。)第1液(30mL)を入れた。チューブを横向きに設置し、37℃で10時間、日局1液(30mL)を2.5時間ごとに交換しながら、200rpmで旋回させた後、製剤の胃内滞留層の直径(異形のときは長径)をノギスで測定した。図1に用いた装置を示す。
(溶解試験)
日局溶出試験法のパドル法に従い、被験製剤をシンカーに入れ、日局1液(900mL)に沈め、37℃、パドル回転数200rpmで15時間攪拌した。次いで、被験製剤を静かに引き上げ、日局2液(900mL)に沈め、37℃、パドル回転数200rpmで9時間攪拌した後、製剤の胃内滞留層の長径をノギスで測定した。また、胃内滞留層が、残留物を認めないか、又は認めても海綿状であるか若しくは軟質の物質がわずかになったときは、攪拌開始から要した時間を溶解時間として記載した。
(胃内滞留時間)
被験製剤を一群2〜3頭の8〜10月齢のビーグル犬に経口投与した後、経時的にX線撮影することにより、胃内滞留時間を測定した。すなわち、自由に水を飲めるようにしたケージ内にビーグル犬を入れ、20時間以上絶食した後、製剤投与30分前に、固形ドッグフード250g、チャム50gを混ぜた餌を与えた。食べ終わったことを確認した後、被験製剤と20mLの水とを投与した。次いで、20w/v%の硫酸バリウムを10mL/body投与し、試験終了まで絶水した。被験製剤の投与後、1時間おきにX線撮影を行い、適宜、20w/v%の硫酸バリウムを10mL/body投与した。
なお、被験製剤には、薬物放出層及び胃内滞留層の各層の中央に、硫酸バリウム(500mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC−H微粉、500mg)を混合し、直径3mmのIR測定用製錠機を用いて調製したX線造影用の円形錠剤を埋包した。
被験製剤の投与からX線撮影で最後に胃内に観察されるまでに要した時間の平均値を胃内滞留時間とした。なお、16時間では胃内に観察されたが、24時間後には胃内で観察されなかったものの胃内滞留時間は16時間とした。
(実施例1)
フロセミド(1250mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、3250mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(HPC−M微粉、500mg)を乳鉢中で混合して、薬物放出層用組成物を調製した。別途、硬化油(ラブリワックス101、750mg)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール971P、50mg)、ポリエチレンオキサイド(POLYOX WSR Coagulant、50mg)、無水リン酸水素カルシウム(150mg)を乳鉢中で混合して、胃内滞留層用組成物を調製した。最初に薬物放出層用組成物を、次いで胃内滞留層用組成物を打錠機(N−30E、岡田精工社製)に充填し、直径8mmの円形の臼杵を用い、約1000kgf/cmの打錠圧で圧縮成型することによって、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(130mg)及びヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(75mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポリエチレンオキサイド(5mg)、無水リン酸水素カルシウム(15mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。なお、薬物放出層用組成物の充填時にはその半量充填後、X線造影用錠剤を中心に置き、さらに残りの半量を充填することにより薬物放出層にX線造影用錠剤を埋包した。また、胃内滞留層用組成物の充填時にも半量充填後、X線造影用錠剤を中心に置き、残りの半量を充填することにより、胃内滞留層にX線造影用錠剤を埋包した。
強度試験後の胃内滞留層の直径は7.00mm、溶解試験後の胃内滞留層の溶解時間は8時間、胃内滞留時間は19時間であった。
(実施例2)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にエチルセルロース(エトセルSTD10FP、80mg)、カルボキシビニルポリマー(10mg)、ポリエチレンオキサイド(POLYOX WSR 301、10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
強度試験後の胃内滞留層の直径は8.47mm、溶解試験後の胃内滞留層の直径は4.14mmであった。胃内滞留時間は16時間であった。
(実施例3)
実施例1において長径14mm、短径7mmの異形の臼杵を用いた以外は実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、150mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(メトローズ60SH50、115mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(35mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(135mg)、カルボキシビニルポリマー(7.5mg)、クロスポビドン(Polyplasdone XL−10、7.5mg)を含む長径14mm、短径7mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
強度試験後の胃内滞留層の短径は7.05mm、溶解試験後の胃内滞留層の溶解時間は8時間、胃内滞留時間は19時間であった。
(実施例4)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にシプロフロキサシン(30mg)、ポリエチレンオキサイド(POLYOX WSR−303、85mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(85mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(90mg)、ポリエチレンオキサイド(POLYOX WSR N−750、5mg)、カルメロースカルシウム(ECG−505、5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
強度試験後の胃内滞留層の直径は8.12mm、溶解試験後の胃内滞留層の直径は5.34mm、胃内滞留時間は14時間であった。
胃内滞留層の溶解試験の際、同時にシプロフロキサシンの溶出性を測定した。シプロフロキサシンの濃度は紫外分光光度計を用い、石英セル長10mm、測定波長225nmにて測定した。結果を図2に示す。胃内滞留製剤の消化管内移動を考慮した試験において、シプロフロキサシンの持続的な放出が認められた。
(実施例5)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にメトフォルミン(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH30000F、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(80mg)、カルボキシビニルポリマー(10mg)、ポリエチレンオキサイド(POLYOX WSR 301、10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
強度試験後の胃内滞留層の直径は8.80mm、溶解試験後の胃内滞留層の溶解時間は9時間であった。
(実施例6)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(70mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポリエチレンオキサイド(POLYOX WSR Coagulant、5mg)、無水リン酸水素カルシウム(20mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
強度試験後の胃内滞留層の直径は7.70mm、溶解試験後の胃内滞留層の直径は4.85mmであった。
(実施例7)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(75mg)、カルボキシビニルポリマー(10mg)、ポリエチレンオキサイド(POLYOX WSR Coagulant、10mg)、結晶セルロース(Avicel PH101、5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
強度試験後の胃内滞留層の直径は8.70mm、溶解試験後の胃内滞留層の直径は5.79mmであった。
(実施例8)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(80mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポリエチレンオキサイド(POLYOX WSR Coagulant、5mg)、無水リン酸水素カルシウム(10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
強度試験後の胃内滞留層の直径は8.01mm、溶解試験後の胃内滞留層の直径は4.84mmであった。
(実施例9)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(90mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポリエチレンオキサイド(POLYOX WSR−N750、5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
強度試験後の胃内滞留層の直径は8.10mm、溶解試験後の胃内滞留層の直径は4.13mmであった。
(実施例10)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(90mg)、カルボキシビニルポリマー(10mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
強度試験後の胃内滞留層の直径は8.26mm、溶解試験後の胃内滞留層の直径は4.77mmであった。
(実施例11)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(90mg)、ポリエチレンオキサイド(POLYOX WSR−N750、5mg)、カルボキシメチルスターチナトリウム(プリモジェル、5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
強度試験後の胃内滞留層の直径は8.02mm、溶解試験後の胃内滞留層の直径は5.53mmであった。
(実施例12)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層に硬化油(90mg)、カルボキシビニルポリマー(5mg)、ポビドン(PLASDONE K29/32、5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
強度試験後の胃内滞留層の直径は8.05mm、溶解試験後の胃内滞留層の直径は4.97mmであった。
(比較例1)
実施例1において長径17.5mm、短径7.5mmの異形の臼杵を用いた以外は実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、150mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(メトローズ60SH50、205mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(45mg)を含み、胃内滞留層にキサンタンガム(180mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH30000F、157.5mg)、結晶セルロース(76.5mg)及びグアーガム(36mg)を含む長径17.5mm、短径7.5mmの異形錠の胃内滞留製剤を製造した。
胃内滞留時間は8時間であった。
(比較例2)
実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、130mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(20mg)を含み、胃内滞留層にエチルセルロース(エトセルSTD10FP、50mg)、硬化油(ラブリワックス101、50mg)及び黄色三二酸化鉄(0.5mg)を含む直径8mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
溶解試験において溶解は観察されず、胃内滞留時間は20時間以上であった。
(比較例3)
実施例1において6mmの平型円形の臼杵を用いた以外は実施例1に準じて、1錠当たり薬物放出層にフロセミド(50mg)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208(メトローズ90SH4000SR、40mg)、ヒドロキシプロピルセルロース(10mg)を含み、胃内滞留層にエチルセルロース(エトセルSTD10FP、12.5mg)、硬化油(ラブリワックス101、12.5mg)、硫酸バリウム(25mg)及び黄色三二酸化鉄(0.5mg)を含む直径6mmの平型円形の胃内滞留製剤を製造した。
溶解試験において溶解は観察されず、胃内滞留時間は6時間であった。
本発明に係る胃内滞留製剤は、十分な胃内滞留時間を有する服用しやすい大きさの製剤であり、胃から排出された後は速やかに崩壊するので、徐放性製剤として有用である。

Claims (9)

  1. 胃内滞留層及び薬物放出層を有する胃内滞留製剤であって、胃内滞留層がセルロース誘導体、アクリル酸系共重合体、酢酸ビニル系重合体、油脂類、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、炭化水素類、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸及びポリアミド類よりなる群から選ばれた疎水性基剤、並びにカルボキシメチルセルロース類、ポリアクリル酸類及びカルボキシル基又はスルホ基を有する多糖類よりなる群から選ばれた高分子基剤を含むものであることを特徴とする製剤。
  2. 高分子基剤1重量部に対して疎水性基剤1〜40重量部を含むものであることを特徴とする請求項1記載の製剤。
  3. 胃内滞留層が、さらにヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニル誘導体、ポリエチレンオキシド類、メチルセルロース、ゼラチン、多糖類、糖及び糖アルコールよりなる群から選ばれた水溶性基剤を含むものであることを特徴とする請求項1又は2記載の製剤。
  4. ヒドロキシアルキルセルロースが、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項3記載の製剤。
  5. 糖が、乳糖、ショ糖、トレハロース及びグルコースよりなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項3記載の製剤。
  6. 糖アルコールが、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトール及びマルチトールよりなる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項3記載の製剤。
  7. 胃内滞留層が、水溶性基剤を60重量%以下の割合で含むものであることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の製剤。
  8. 薬物放出層が、ヒドロキシアルキルセルロース又はポリエチレンオキシド類を含むものであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の製剤。
  9. 薬物放出層に含まれる薬物が、十二指腸及び/又は空腸において吸収される薬物、胃及び/又は小腸上部で薬効を発揮する薬物、消化管下部で分解される薬物、消化管下部において腸細胞に存在する薬物輸送担体による消化管内への流出を受けやすい薬物又は消化管下部のアルカリ性、又は中性で不溶化される薬物であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の製剤。
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