JPWO2008087859A1 - コンタクトレンズおよびコンタクトレンズの製造方法 - Google Patents

コンタクトレンズおよびコンタクトレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、より優れた製造効率をもって製造することが出来ると共に、レンズ表面における保水性を向上せしめて、より優れた装用感を得ることの出来る、新規な構造のコンタクトレンズを提供することにある。かかる課題を解決するために、凸状のレンズ前面12と凹状のレンズ後面14の少なくとも一方に、装用時において触覚上および視覚上で影響を及ぼさない大きさの微細な凹凸状の周期構造を有する処理面26、28を形成した。

Description

本発明は、ソフトタイプやハードタイプ、およびこれらの要素を組み合わせたタイプのコンタクトレンズに係り、特に、優れた装用感を実現し得る、新規な構造のコンタクトレンズおよびコンタクトレンズの製造方法に関するものである。
ソフトタイプやハードタイプ、およびこれらの要素を組み合わせたタイプのコンタクトレンズ(以下、「コンタクトレンズ」と総称する)においては、レンズ表面に優れた保水性を有することが潤い感を向上せしめ、装用感を向上せしめるのに有効であることが良く知られている。即ち、コンタクトレンズ前面の涙液は、瞬目に際してレンズと眼瞼との接触を滑らかにして異物感を軽減せしめると共に、レンズ表面を一様に濡らすことによって、ものを鮮明に見ることにも役立つ。また、レンズ後面の涙液は、角結膜に対する機械的刺激を緩和して異物感を軽減せしめると共に、瞬目や眼球運動に伴うレンズの動きに対する潤滑材とされて、レンズのセンタリングや安定性の向上に資する。このように、コンタクトレンズの装用感を向上せしめるためには、レンズ表面の保水性を向上せしめることが重要となっている。
かかるレンズの保水性を向上せしめるために、例えば特許文献1(特許2846343号公報)には、レンズ表面にプラズマ処理を施して親水基を生成することによって、親水性が向上せしめられたコンタクトレンズが開示されている。
しかし、特許文献1に記載の如きコンタクトレンズにおいては、経時により表面の親水基が分子内で回転してレンズ樹脂中に隠れてしまい、短期間で親水性が失われるという問題を内包しており、長期間に亘って良好な保水性を維持することは困難であった。また、各コンタクトレンズに対してプラズマ処理を施す必要があって、生産効率が低下してしまうという問題もあった。
そこで、例えば特許文献2(特許2934965号公報)や特許文献3(特開平4−316013号公報)には、特許文献1と同様にしてコンタクトレンズ表面をプラズマ処理した後に、更に、かかるレンズを親水性モノマー溶液中に浸漬せしめて、レンズ表面に親水性モノマーを重合せしめたコンタクトレンズが開示されている。このようにすれば、特許文献1に記載のコンタクトレンズに比して、保水性の向上が図られ得る。
しかし、これらのコンタクトレンズにおいては、繰り返しの擦り洗いなどによって、表面の親水性皮膜が剥がれ落ちて、保水性が低下してしまうという問題があった。また、これらのコンタクトレンズを製造する際には、前述の特許文献1と同様のプラズマ処理に加えて、更にレンズを親水性モノマー溶液中に浸漬せしめて重合する工程や、その後の未反応モノマーや副生ポリマーなどの不要物を除去する工程も必要となって、製造効率が更に低下してしまうという問題があった。そして、そのような工数の増加に見合う程の保水力の向上も認められなかった。更に、表面に形成される親水性皮膜の厚さを充分にコントロールすることが困難であって、レンズ表面において局所的な保水性のばらつきを生じたり、各レンズ間でも保水性のばらつきを生じて、品質を高度に管理することが困難であった。
特許2846343号公報 特許2934965号公報 特開平4−316013号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、より優れた製造効率をもって製造することが出来ると共に、レンズ表面における保水性を向上せしめて、より優れた装用感を得ることの出来る、新規な構造のコンタクトレンズを提供することにある。
さらに、本発明は、そのようなコンタクトレンズを有利に製造することの出来る、コンタクトレンズの新規な製造方法を提供することをも、目的とする。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、コンタクトレンズに関する本発明の第一の態様は、凸状のレンズ前面と凹状のレンズ後面を備えたコンタクトレンズにおいて、前記レンズ前面と前記レンズ後面の少なくとも一方に、装用時において触覚上および視覚上で影響を及ぼさない大きさの微細な凹凸状の周期構造を有する処理面が形成されていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされたコンタクトレンズにおいては、レンズ表面に形成された微細な凹凸状の周期構造で涙液を保持せしめることによって、レンズ表面の保水性を向上することが出来る。これにより、長時間に亘って、装用時の潤い感を持続せしめることが出来て、優れた装用感を得ることが出来る。そして、レンズに形成された凹凸形状によって涙液を保持することから、レンズ表面に親水性モノマーを重合せしめたような従来構造のように、経時によって保水性が劣化するようなことも無く、優れた保水性を長期間に亘って維持することが出来る。
さらに、かかる微細な凹凸状の周期構造は、その構造表面が接する媒体の屈折率等、所定の条件を満たす場合には、分光によって虹色に発色することから、レンズを落とした時に容易に発見することも出来る。且つ、水中においては、そのような分光は殆ど発生することがなく、装用時において視覚上の影響を及ぼすことも無い。
加えて、本態様に従う構造とされたコンタクトレンズは、微細な凹凸状の周期構造を形成するという簡易な加工で得られることから、優れた製造効率を得ることが出来る。それと共に、従来構造の如き親水性モノマー溶液などの余分な材料も不要とされることから、製造コストを低減することも出来る。ここにおいて、微細な凹凸状の周期構造を形成する際には、レンズに直接形成しても良いが、後述するように、レンズを成形する樹脂型や、かかる樹脂型を成形する金型、或いはレンズを直接成形する金型等に周期構造を形成してレンズに転写することがより好ましい。このようにすれば、より優れた製造効率を得ることが出来る。
なお、本発明における微細な凹凸状の周期構造としては、微細な凹形状乃至は凸形状が適当な間隔を隔てて複数形成されていれば良いのであって、その間隔は必ずしも一定とされている必要は無く、変化せしめられても良い。また、かかる凹凸状の周期構造は、直線、曲線、又は屈曲して延びる畝状又は溝状構造が、幅方向で所定のピッチで連続して略平行に並んで形成されたものであればよく、必ずしも直線として形成されている必要はない。
コンタクトレンズに関する本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るコンタクトレンズにおいて、レンズ中央部分に光学部が設けられていると共に、該光学部の周囲に周辺部が設けられており、且つ該周辺部に前記処理面が形成されていることを、特徴とする。このようにすれば、微細な凹凸状の周期構造が視覚上で影響を及ぼすことをより有利に回避することが出来る。具体的には、例えば、レンズ幾何中心を中心とするφ8mm以上の範囲で処理面が形成される態様が、好適に採用される。なお、本態様における処理面は、周辺部の全体に形成されていても良いし、周辺部の一部に形成されていても良い。
コンタクトレンズに関する本発明の第三の態様は、前記第一又は二の態様に係るコンタクトレンズにおいて、レンズ中央部分に光学部が設けられていると共に、該光学部の周囲に周辺部が設けられており、且つ該光学部に前記処理面が形成されていることを、特徴とする。ここにおいて、処理面は、光学部の全体に形成されていても良いし、一部に形成されていても良い。より好適には、光学部に形成される処理面は、装用状態で瞳孔と重なり合うことの無い部位に形成される。具体的には、例えば、レンズ幾何中心を中心とするφ5mm以上の範囲で処理面が形成される態様が、好適に採用される。なお、本態様から明らかなように、本発明における処理面は、光学部に形成されていても良いし、周辺部に形成されていても良い。また、光学部および周辺部の両方に形成することも、勿論可能であって、このようにすれば、処理面をより大きく形成することが出来て、より優れた保水性を得ることが出来る。
なお、微細な凹凸状の周期構造の具体的な形状としては、様々な形状が適宜に採用可能である。例えば、コンタクトレンズに関する本発明の第四の態様として、前記第一乃至第三の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズにおいて、前記微細な凹凸状の周期構造がレンズ光軸方向での正面視において、レンズ中心から放射状に形成されている態様が、好適に採用され得る。また、コンタクトレンズに関する本発明の第五の態様として、前記第一乃至第四の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズにおいて、前記微細な凹凸状の周期構造がレンズ光軸方向での正面視において、レンズ中心回りで同心円状に形成されている態様なども、好適に採用される。更に、コンタクトレンズに関する本発明の第六の態様として、前記第一乃至第五の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズにおいて、前記微細な凹凸状の周期構造がレンズ光軸方向での正面視において、格子状に形成されている態様なども、好適に採用される。
コンタクトレンズに関する本発明の第七の態様は、前記第一乃至第六の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズにおいて、前記微細な凹凸状の周期構造の深さが0.01μm〜30μmとされていることを、特徴とする。本態様に従う構造とされたコンタクトレンズにおいては、レンズの形状安定性を損なうことなく、良好な保水性を得ることが出来る。即ち、深さが小さすぎると、保水量が少なくなる一方、深さが大きすぎると、レンズの形状安定性に悪影響を及ぼすからである。
コンタクトレンズに関する本発明の第八の態様は、前記第一乃至第七の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズにおいて、前記微細な凹凸状の周期構造のピッチが0.01μm〜10.0μmとされていることを、特徴とする。本態様に従う構造とされたコンタクトレンズにおいては、優れた製造効率を得ることが出来ると共に、レンズの形状安定性を損なうことなく、良好な保水性を得ることが出来る。即ち、ピッチが小さ過ぎると、該ピッチを形成するための高度な工程制御が必要とされて、製造効率が低下せしめられるおそれが生じる一方、ピッチが大き過ぎると、保水性が低下し易くなるからである。なお、本発明におけるピッチとは、周期的に形成される微細な周期構造の1周期分の大きさを示す。また、周期構造のピッチは、より好ましくは、0.01μm〜2μmとされる。
コンタクトレンズに関する本発明の第九の態様は、前記第一乃至第八の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズにおいて、前記微細な凹凸状の周期構造において深さ/幅で表されるアスペクト比が0.1〜5とされていることを、特徴とする。本態様に従う構造とされたコンタクトレンズにおいては、良好な保水性と、レンズの形状安定性を得ることが出来る。蓋し、アスペクト比が小さすぎる、即ち、周期構造が浅過ぎると、周期構造の保水効果が実質的に機能しなくなって、良好な保水力を発揮することが出来ない。一方、アスペクト比が大き過ぎる、即ち、周期構造が深すぎると、レンズ形状の安定性を損なうおそれもある。
コンタクトレンズに関する本発明の第十の態様は、前記第一乃至第九の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズにおいて、微細周期構造が成形面に形成された樹脂型を用いて前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方が形成されて、該樹脂型における該微細周期構造が転写されることによって該レンズ前面及び該レンズ後面の少なくとも一方における前記微細な凹凸状の周期構造が形成されていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされたコンタクトレンズにおいては、樹脂型に形成された微細周期構造をレンズに転写することから、優れた製造効率を得ることが出来ると共に、レンズに対して安定して周期構造を形成することが出来る。また、予め周期構造が形成された樹脂型を用いることによって、従来の樹脂型を嵌め合わせるモールド成形用の製造装置をそのまま用いて、微細な凹凸状の周期構造をレンズに形成することが出来る。
コンタクトレンズに関する本発明の第十一の態様は、前記第十の態様に係るコンタクトレンズにおいて、微細周期構造が成形面に形成された金型によって成形された前記樹脂型を用いて前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方が形成されて、該金型における該微細周期構造が該樹脂型における前記微細周期構造として転写されることによって該レンズ前面及び該レンズ後面の少なくとも一方における前記微細な凹凸状の周期構造が形成されていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされたコンタクトレンズにおいては、金型に形成された周期構造を樹脂型に転写して、かかる樹脂型でレンズを成形することによって、金型に形成された周期構造を樹脂型を介してレンズに転写するようにされている。このようにすれば、金型に周期構造を形成するのみで、後の工程は従来のモールド成形と同様の工程で済むことから、レンズの製造ライン上での実質的な工数の増加を招くことなく、効率的に且つ安定して微細な凹凸状の周期構造を形成することが出来る。そして、従来の樹脂型を形成する金型として、周期構造を備えた金型を用いるのみであることから、従来の樹脂型の成形装置、およびレンズを成形するモールド成形用の製造装置をそのまま用いて、微細な凹凸状の周期構造をレンズに形成することが出来る。
コンタクトレンズに関する本発明の第十二の態様は、前記第一乃至第九の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズにおいて、微細周期構造が成形面に形成された金型を用いて前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方が形成されて、該金型における該微細周期構造が転写されることによって該レンズ前面及び該レンズ後面の少なくとも一方における前記微細な凹凸状の周期構造が形成されていることを、特徴とする。
本態様に従う構造とされたコンタクトレンズにおいては、金型に形成された微細周期構造を、レンズに直接に転写して微細な凹凸状の周期構造を形成することが出来る。これにより、微細周期構造を安定してレンズ面に形成することが出来る。また、本態様におけるコンタクトレンズは、樹脂型などを用いることなく、金型から直接に形成されることから、優れた製造効率を得ることも出来る。
コンタクトレンズの製造方法に関する本発明の第一の態様は、凸状のレンズ前面及び凹状のレンズ後面を有するコンタクトレンズの製造方法であって、放射線及びレーザー光の少なくとも一方を利用して、前記コンタクトレンズにおける前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方に対して微細な凹凸状の周期構造を形成することを、特徴とする。
本態様に従う製造方法によれば、切削加工等に比して、より微細な周期構造をより安定して且つ高精度に形成することが出来る。更に、本態様においては、放射線やレーザー光を用いることによって、加工面を加熱することなく加工することがより好ましい。このようにすれば、加工面の熱変形も抑えられて、微細な周期構造をより高精度に形成することが出来る。なお、放射線としては、加工面を加工し得るものであれば何等限定されるものではなく、例えば、電子線や粒子線、X線、γ線等が好適に採用され得る。
また、本態様および以下に例示する各態様における放射線やレーザー光による加工工程の前後に、従来公知の工程を適宜に組み合わせて用いることも、勿論可能である。例えば、レーザー加工工程の後に、緩和な研磨工程などの機械的な工程を組み入れたり、プラズマ処理、表面グラフト処理、その他従来公知の主としてレンズ表面の化学組成を改質する表面処理等の工程を組み合わせて用いることが出来る。なお、本態様に従う製造方法は、必ずしも放射線やレーザー光をレンズ面に直接に照射する態様に限定されるものではなく、以下に例示するように、例えば金型や樹脂型などに対して放射線やレーザー光を照射して、間接的に微細な凹凸状の周期構造を形成する態様をも、含むものである。
例えば、コンタクトレンズの製造方法に関する本発明の第二の態様として、前記第一の態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方に放射線及びレーザー光の少なくとも一方を照射せしめることによって微細周期構造を形成して、該微細周期構造によって前記微細な凹凸状の周期構造を構成する態様が、好適に採用される。
本態様に従う製造方法によれば、レンズに対して直接に微細な凹凸状の周期構造を形成することから、周期構造を安定して形成することが出来る。また、各レンズそれぞれに対して直接に加工することから、レンズ毎に周期構造の形状を異ならせることも可能であるし、周期構造の形状の変更に柔軟に対応することも出来る。
また、コンタクトレンズの製造方法に関する本発明の第三の態様として、前記第一の態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方を樹脂型を用いて形成すると共に、該樹脂型のレンズ成形面に対して放射線及びレーザー光の少なくとも一方を照射することによって微細周期構造を形成して、該樹脂型に形成された該微細周期構造を該レンズ前面及び該レンズ後面の少なくとも一方に転写して前記微細な凹凸状の周期構造を形成する態様も、好適に採用され得る。
本態様に従う製造方法においては、樹脂型に周期構造を形成すれば、以降は従来のモールド成形方法と同様の方法で周期構造を形成出来ることから、優れた加工効率をもって、レンズに微細な凹凸状の周期構造を形成することが出来る。
更にまた、コンタクトレンズの製造方法に関する本発明の第四の態様として、前記第一の態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、金型によって成形した樹脂型を用いて前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方を形成すると共に、該金型における樹脂型成形面に対して放射線及びレーザー光の少なくとも一方を照射することによって微細周期構造を形成して、該金型に形成された該微細周期構造を該樹脂型のレンズ成形面に転写し、この樹脂型に転写形成された該微細周期構造を該レンズ前面及び該レンズ後面の少なくとも一方に再転写して前記微細な凹凸状の周期構造を形成する態様も、好適に採用され得る。
本態様に従う製造方法においては、周期構造を金型に形成すれば、かかる金型の周期構造が樹脂型に転写されて、更に、樹脂型に転写された周期構造が、レンズに転写されることとなる。これにより、金型に周期構造を形成する工程が増加するのみで、以降のかかる金型を用いて樹脂型を形成する工程や、かかる樹脂型を用いてレンズを形成するモールド成形の工程は、従来と同様の工程のままで、微細な凹凸状の周期構造を有するレンズを得ることが出来る。従って、レンズの製造ライン上での実質的な工数の増加を招くこともなく、より優れた製造効率を得ることが出来る。更に、金型に形成された周期構造が樹脂型を介して各レンズに転写されることから、各レンズに形成される微細な凹凸状の周期構造の形状のばらつきも抑えられる。
また、コンタクトレンズの製造方法に関する本発明の第五の態様として、前記第一の態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方を金型を用いて形成すると共に、該金型のレンズ成形面に対して放射線及びレーザー光の少なくとも一方を照射することによって微細周期構造を形成して、該金型に形成された該微細周期構造を該レンズ前面及び該レンズ後面の少なくとも一方に転写して前記微細な凹凸状の周期構造を形成する態様も、好適に採用され得る。
本態様に従う製造方法においては、金型の微細周期構造を直接にレンズ面に転写することから、微細な凹凸状の周期構造をより安定して形成することが出来る。そして、樹脂型なども不要とされることから、製造効率の更なる向上も図られ得る。
コンタクトレンズの製造方法に関する本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、前記放射線として電子線を用いることを、特徴とする。本態様に従う製造方法によれば、電子線の出力を調節することによって、微細周期構造を高精度に且つ安定して形成することが出来る。
コンタクトレンズの製造方法に関する本発明の第七の態様は、前記第一乃至第六の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、前記レーザー光としてパルス幅が1×10-16 秒〜1×10-7秒とされるレーザー光を用いることを、特徴とする。
本態様に従う製造方法によれば、有利に微細周期構造を形成することが出来る。蓋し、パルス幅が1×10-16 秒よりも小さいレーザー光の生成には高精度な発振制御が必要とされる一方、パルス幅が1×10-7秒よりも大きいと、微細周期構造が明瞭に形成されなくなるからである。ここにおいて、より好適には、パルス幅が1×10-14 秒〜1×10-9秒とされたレーザー光が採用される。このようにすれば、従来公知の汎用的なレーザー加工装置を用いることが出来て、製造コストの低減が図られると共に、微細周期構造を効率良く形成することが出来る。なお、パルス幅が1×10-16 秒〜1×10-7秒とされるレーザー光を用いることによって、微細周期構造が有利に形成される科学的根拠は必ずしも明らかではないし、これらの科学的根拠を明らかにすることが本発明の目的ではないが、加工面に照射されたパルス幅が1×10-16 〜1×10-7とされるレーザー光が加工面の表面で散乱されると、表面散乱光が生じる。そして、かかる表面散乱光と入射するレーザー光の干渉部分がアブレーションされることによって、干渉部分における加工面の表面粗さが増加せしめられる。これにより、次のレーザー照射時には表面散乱光の強度が大きくされて、更にアブレーションが進むと共に、1波長離れた位置でも干渉が起こる。このようにして、パルス幅が1×10-16 秒〜1×10-7秒とされるレーザー光の照射を繰り返すことによってアブレーションをより有効に生ぜしめて、微細周期構造を有利に形成することが出来ると共に、熱による変形を抑えることも出来て、優れた加工精度を得ることが出来るものと推考される。
本発明の一実施形態としてのコンタクトレンズを示す正面説明図。 同コンタクトレンズの断面説明図。 同コンタクトレンズの要部拡大断面説明図。 同コンタクトレンズの製造に用いられる金型を示す縦断面説明図。 同コンタクトレンズの製造に用いられる樹脂型を示す縦断面説明図。 本発明の異なる態様としてのコンタクトレンズを示す正面説明図。 本発明の異なる態様としてのコンタクトレンズを示す正面説明図。 本発明の異なる態様としてのコンタクトレンズを示す正面説明図。 本発明の異なる態様としてのコンタクトレンズを示す正面説明図。 本発明の異なる態様としてのコンタクトレンズを示す正面説明図。 本発明の異なる態様としてのコンタクトレンズを示す正面説明図。 本発明の異なる態様としてのコンタクトレンズを示す正面説明図。 本発明の異なる態様の製造方法を説明するための説明図。 実施例としての金型プレートおよびレンズプレートの表面形状の観察画像。 保水力測定に用いた機器構成を概略的に示す説明図。 実施例および比較例としてのレンズプレート表面の各経過時間毎の撮影画像。 実施例および比較例としてのレンズプレート表面の各経過時間における液の面積を示すグラフ。 実施例および比較例としてのレンズ成形用雄型表面における前進接触角を示す写真。 実施例および比較例としてのレンズ成形用雄型表面における後退接触角を示す写真。 比較例としてのレンズプレート表面における前進および後退接触角を示す写真。 実施例としてのレンズプレート表面における前進および後退接触角を示す写真。 実施例および比較例としての各コンタクトレンズ表面における生理食塩水の後退境界部を示す写真。 実施例および比較例としての各コンタクトレンズ装用時におけるレンズ表面の涙液膜の切れ始めた時間を示すグラフ。
符号の説明
10:コンタクトレンズ、12:レンズ前面、14:レンズ後面、16:前面光学部、18:後面光学部、22:前面周辺部、24:後面周辺部、26:処理面、28:処理面、30:環状凹溝
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1に、本発明の一実施形態としてのコンタクトレンズ10を示すと共に、図2に、コンタクトレンズ10の断面をモデル的に示す。コンタクトレンズ10は、全体として薄肉の略球殻形状を有しており、眼球の角膜の表面に重ね合わされて装用されるようになっている。なお、装用とは、人体に装着して使用することをいう。また、図1は、コンタクトレンズ10をモデル的に示したものであり、後述する環状凹溝30の大きさを誇張して図示するものである。
より詳細には、本実施形態に係るコンタクトレンズ10は、ソフトコンタクトレンズやハードコンタクトレンズ、ディスポーザブルタイプのコンタクトレンズ等の各種のコンタクトレンズに対して適用可能である。また、コンタクトレンズ10には、光透過性等の光学特性を備えた各種の重合性モノマーからなる樹脂材料等が採用され、具体的には、例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)やポリメチルメタクリレート(PMMA)、酢酸酪酸セルロース(CAB),シリコーン共重合体、フルオロシリコーンアクリレート、フルオロカーボン重合体、シリコーンゴム等が挙げられる。
コンタクトレンズ10は、レンズ中心軸が光軸とされており、該中心軸回りの回転対称形状とされている。そして、装用状態において角膜と反対側に位置せしめられるレンズ外面が凸状のレンズ前面12で構成されていると共に、角膜側に位置せしめられるレンズ内面が凹状のレンズ後面14で構成されている。また、レンズ前後面12,14それぞれの中央部分には、円形状の前面光学部16と後面光学部18が形成されている。
後面光学部18は、装着される角膜の表面に対して装用状態下で略相似形となるように、レンズ中心軸上でレンズ後方に曲率中心が設定されて、適当な曲率半径をもった凹形の縦断面形状を有するベースカーブ面を構成している。ベースカーブ面の縦断面形状には、角膜の形状やその他の装用条件或いは要求される光学特性等を考慮して、例えば曲率半径が一定であったり、曲率半径が周方向で変化したりする等の各種の略球状の湾曲凹面形状が採用される。
一方、前面光学部16は、上述の如く設定されたベースカーブ面と協働して目的とするレンズ度数などの光学特性を与える湾曲凸面形状を有している。
これら前面光学部16および後面光学部18によって、視力矯正のための適当なレンズ度数等の光学特性が与えられた光学部(optical zone)が形成されている。なお、光学部は、装用者の眼に対する光学的効果が期待される領域であって、その外周縁部、換言すると後述する周辺部(peripheral zone)との境界は、一般にレンズ前面およびレンズ後面においてそれぞれ縦断面上での曲率の変化点としてとらえることが出来るが、例えば、光学部のレンズ面が半径方向で漸変するような縦断面形状で設計される場合や、境界が径方向に所定幅をもって形成されてレンズ前後面間で光学部と周辺部を滑らかに繋ぐ接続領域等によって形成される場合等において、レンズ前後面における光学部と周辺部の境界19は、形状的に線(line)として必ずしも明確である必要はない。
コンタクトレンズ10の光学部の周りを囲む外周部分には、周辺部と端部(edge zone)20が形成されている。端部20は、コンタクトレンズ10の最外周縁部において円環形状を有していると共に、レンズ縦断面において、略半円形状の外周端面から内方に延び出した面取り状のレンズ前後面を備えている。更に、端部20のレンズ前後面が、前後面周辺部22,24に接続されている。
前面周辺部22と後面周辺部24は、それぞれ、レンズ中心軸を中心として所定の径方向幅寸法をもって周方向に連続して延びる円環形状とされており、コンタクトレンズ10の前後面光学部16,18と端部20の間に跨って設けられて、前後面周辺部22,24の内周縁部分が、前後面光学部16,18に接続されている。即ち、前面周辺部22と後面周辺部24が協働して、コンタクトレンズ10の光学部の外周側に位置せしめられる周辺部を構成している。また、前面光学部16と前面周辺部22によってレンズ前面12が構成されていると共に、後面光学部18と後面周辺部24によってレンズ後面14が構成されている。
さらに、コンタクトレンズ10のレンズ前面12およびレンズ後面14には、それぞれ、処理面26、28が形成されており、かかる処理面26、28に、微細な凹凸状の周期構造が形成されている。ここにおいて、処理面26、28の形成位置は特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、レンズ幾何中心からφ5mm以上離れて、瞳孔と重なり合うことのない位置や、レンズ幾何中心からφ8mm以上離れて、光学部に入らない周辺部上に形成されることが好ましい。本実施形態においては、処理面26、28は、それぞれ、前後面周辺部22、24の全体と、前後面光学部16、18における中心から外れた位置に形成されており、コンタクトレンズ10の装用状態において、瞳孔と重なり合うことのない位置に形成されている。なお、処理面26および処理面28は、何れも同様の構造とされていることから、以下の説明においては、処理面26を例に説明する。
本実施形態における処理面26には、レンズ光軸方向での正面視において、レンズ幾何中心を中心とする同心円状の環状凹溝30が所定間隔毎に複数形成されている。図3(a)に、処理面26の縦断面をモデル的に示す。なお、図3(a)および後述する図3(b)は、レンズ径方向の断面であり、複数の環状凹溝30によって形成される周期構造の周期方向の断面である。図3(a)に示すように、環状凹溝30は、レンズ外方に開口する凹溝とされており、レンズ径方向で所定のピッチ:Pをもって周期的に形成されている。これにより、複数の環状凹溝30、30およびその間によって形成される凹部と凸部が、同心円状で互いに平行に形成されており、これら凹部と凸部によって、処理面26に、レンズ径方向で周期的な凹凸形状を有する微細な凹凸状の周期構造が形成されている。なお、本明細書中におけるピッチ:Pとは、図3(a)に示すように、周期的に形成される微細周期構造の1周期分の大きさを示すものであり、例えば、図3(b)に示すように、環状凹溝30の断面が矩形断面とされる場合には、ピッチ:Pは、山幅:W1と溝幅:W2の和とされる。ここにおいて、環状凹溝30の具体的な大きさは特に限定されるものではないが、深さ:Dとしては、0.01μm≦D≦30μmの範囲内で設定されることが好ましい。また、ピッチ:Pとしては、0.01μm≦P≦2μmの範囲内で設定されることが好ましく、且つ、環状凹溝30の深さ/幅(D/W)で表されるアスペクト比としては、0.1〜5の範囲内で設定されていることが好ましい。蓋し、環状凹溝30の深さが小さ過ぎると、充分な保水量が得られない一方、環状凹溝30の深さが大き過ぎると、レンズの肉厚が小さくなって、レンズ形状の安定性に悪影響を与えるからである。ここにおいて、環状凹溝30,30の大きさは非常に微細であることから、装用時において触覚上および視覚上で影響を及ぼすことはない。なお、図3(a)から明らかなように、特に本実施形態においては、環状凹溝30、30の凹形状とその間の凸形状によって形成される微細な凹凸状の周期構造のレンズ径方向での断面形状は、正弦波状の湾曲形状とされている。従って、特に本実施形態における環状凹溝30の幅:Wと、環状凹溝30,30のピッチ:Pは略同じ寸法とされており、これにより、本実施形態における微細な凹凸状の周期構造は、凹部と凸部の幅が略等しくされている。
このような構造とされたコンタクトレンズ10においては、処理面26,28に形成された環状凹溝30内に涙液が入り込んだり、これら環状凹溝30との表面張力等の作用によって、涙液がレンズ表面で保持される。これにより、レンズ表面の保水性を向上せしめることが可能とされており、潤い感を向上せしめて、眼瞼や角結膜に対する機械的刺激を緩和したり、レンズの動きを滑らかにする等、装用感を向上せしめることが出来る。そして、そのような保水効果を、化学的反応ではなく、処理面26,28に形成された周期的な凹凸形状によって実現したことによって、経時による劣化の問題も少なく、長期に亘って安定した保水力が発揮され得るのである。また、処理面26,28に形成された微細な凹凸形状は、分光によって虹色に発色することから、落としたコンタクトレンズ10を発見する際にも役立つ。なお、かかる分光は装用時においては殆ど発生することはなく、視覚上で影響を与えることはない。
次に、上述の如き構造とされたコンタクトレンズ10について、その有利な製造方法の一具体例を、以下に説明する。
先ず、図4(a),(b)に示すように、金型としての雌型成形用金型32と雄型成形用金型34を準備する。これら雌雄型の成形用金型は、目的とするコンタクトレンズ10をモールド成形(重合)により得るための樹脂型としてのレンズ成形用雌型36とレンズ成形用雄型38(図5参照)を、それぞれ独立して公知の樹脂成形法により製造するものである。特に、成形用金型には、後述の如きレーザー加工に適当なブリハードン鋼等が好適に採用されるが、その他任意の金属材が採用可能である。また、レンズ成形用の雌型36および雄型38に用いられる熱可塑性樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ナイロン、ポリアセタール、フッ素樹脂等が、何れも採用可能である。
雌型成形用金型32は、中央部分に凹状球形の樹脂型成形面40を備えた第一の金型42と、中央部分に凸状球形の樹脂型成形面44を備えた第二の金型46を含んで構成されている。特に、第二の金型46の凸状の樹脂型成形面44は、コンタクトレンズ10の略球状凸面形状とされたレンズ前面12に対応した形状を呈している。
そして、図示しない型締装置によって第一および第二の金型42,46を軸方向で型閉じして、両金型42,46の型合わせ面間に成形キャビティ48を形成する。この成形キャビティ48に対して、例えば図示しない射出装置等によって熱可塑性樹脂材料をスプルやランナ50を通じて射出充填して冷却固化した後に、樹脂材料からなる成形品を両金型42,46の型開きにより取り出す。これにより、レンズ成形用雌型36を得る。そして、レンズ成形用雌型36の凹状球形のレンズ成形面52が、第二の金型46の凸状の樹脂型成形面44により形成されることによって、かかるレンズ成形面52が、コンタクトレンズ10のレンズ前面12に対応した形状とされる。
ここにおいて、本実施形態における第二の金型46の樹脂型成形面44には、コンタクトレンズ10のレンズ前面12に形成される処理面26に対応する位置に、凹凸状の微細周期構造を有する周期構造転写面54が形成されている。ここにおいて、周期構造転写面54を形成する具体的な方法は特に限定されるものではなく、例えば切削バイトによる切削加工等によって形成しても良いが、好適には、樹脂型成形面44に放射線やレーザー光を照射して、非接触状態で加工する態様やリソグラフィ等が採用される。そして、更に好適には、レーザー光として、フェムト秒レーザー光やピコ秒レーザー光のような極短いパルス幅を有するレーザー光を樹脂型成形面44に照射することによって、樹脂型成形面44にアブレーションを生ぜしめて周期構造を形成する態様が採用される。
本実施形態においては、レーザー光として、波長=800nm,パルス幅=120fs、繰り返し周波数=1KHzのフェムト秒レーザーが用いられており、かかるレーザー光が樹脂型成形面44に照射される。これにより、樹脂型成形面44上に、微細な凹凸状の周期構造がレーザー光の偏光の電場振動方向と平行に形成されて、周期構造転写面54が形成される。即ち、凹形状および凸形状の延び出し方向はレンズ周方向(図3の紙面に略垂直方向)とされて、これら凹形状および凸形状によって形成される周期構造はレンズ径方向(図3中の左右方向)に形成される。なお、かかるフェムト秒レーザー光の照射によって微細周期構造が形成される科学的根拠は必ずしも明らかではないが、レーザー光が樹脂型成形面44の表面で散乱されて生じる表面散乱光と、入射するレーザー光との干渉によって、樹脂型成形面44上のかかる干渉部分がアブレーションされる。これにより、樹脂型成形面44の表面粗さが増加せしめられる。そして、次のレーザー照射時にはより強い表面散乱光が生ぜしめられて、更にアブレーションが進むと共に、1波長離れた位置でも干渉が起こる。このようにして、レーザー光の照射を繰り返すことによって、微細周期構造が形成されるものと推考される。
これにより、雌型成形用金型32を用いてレンズ成形用雌型36を樹脂成形する際に、雌型成形用金型32の樹脂型成形面44に形成された周期構造転写面54の周期構造が、レンズ成形用雌型36のレンズ成形面52に転写される。その結果、レンズ成形用雌型36のレンズ成形面52には、コンタクトレンズ10において目的とする処理面26の形成位置に対応する部分に、微細な凹凸状の周期構造を有する周期構造成形面56が形成される。
一方、雄型成形用金型34は、雌型成形用金型32と同様に、第一の金型58および第二の金型60から構成されており、それら両金型58,60の型合わせ面間に、レンズ成形用雄型38に対応した成形キャビティ62を形成するものである。そして、雌型成形用金型32と同様に、熱可塑性樹脂材料がランナ50を通じて成形キャビティ62内に射出充填されて冷却固化されることによって、レンズ成形用雄型38を成形する。これにより、レンズ成形用雄型38の凸状球形のレンズ成形面64が、第一の金型58の凹状の樹脂型成形面66で形成されることで、コンタクトレンズ10のレンズ後面14に対応した形状とされる。
ここにおいて、雄型成形用金型34における第一の金型58の樹脂型成形面66には、雌型成形用金型32と略同様にして、コンタクトレンズ10のレンズ後面14に形成される処理面28に対応する位置に、凹凸状の微細周期構造を有する周期構造転写面68が形成されている。周期構造転写面68は、雌型成形用金型32の周期構造転写面54と同様の方法を用いて形成されており、本実施形態においては、前述の如きフェムト秒レーザー光によるアブレーションを用いて形成されている。これにより、雄型成形用金型34に形成された周期構造転写面54の周期構造が、レンズ成形用雄型38のレンズ成形面64に転写される。その結果、レンズ成形用雄型38のレンズ成形面64には、コンタクトレンズ10において目的とする処理面28の形成位置に対応する部分に、微細な凹凸状の周期構造を有する周期構造成形面70が形成される。
次に、このようにして周期構造成形面56が形成されたレンズ成形用雌型36と、周期構造成形面70が形成されたレンズ成形用雄型38を用いて、目的とするコンタクトレンズ10をモールド成形する。
先ず、レンズ成形用雌型36を鉛直上方に向けて開口するように支持せしめて、その凹状のレンズ成形面52によって形成された受け皿状の領域に、コンタクトレンズ10の材料となる重合性モノマー72を入れる。この重合性モノマー72には、ソフトコンタクトレンズやハードコンタクトレンズ等の原料となる各種の液状のモノマー組成物が適宜に採用される。例えば、ラジカル重合可能な化合物の一種又は二種以上が配合されてなるものの他、マクロマーやプレポリマから構成されるもの等が用いられても良い。また、そのような化合物には、必要に応じて、適当な架橋剤や増感剤、熱重合開始剤、光重合開始剤等が配合される。
次に、図5に示すように、レンズ成形用雌型36の鉛直上方からレンズ成形用雄型38を軸方向(図5中、上下方向)に重ね合わせて嵌め入れることにより型合わせして、重合性モノマー72が充填されて密閉された成形キャビティ74を形成する。その後、両型36,38の型合わせ状態を保持して、重合性モノマー72の重合処理を行う。なお、重合処理は、採用する重合性モノマー72に応じて、光重合や熱重合などが適宜に採用される。
重合性モノマー72の重合の後、レンズ成形用雌型36とレンズ成形用雄型38を型開きして、重合処理された成形品からなるコンタクトレンズ10を脱型することによって、目的とするコンタクトレンズ10を得る。なお、コンタクトレンズ10の脱型は、例えば、型開きによってレンズ成形用雄型38のレンズ成形面64に付着せしめたコンタクトレンズ10を、該レンズ成形用雄型38の筒状部を軸直角方向に押し潰してレンズ成形面64を湾曲せしめて、該レンズ成形面64から剥離させることによって、或いは適当な薬品を用いて剥離させることによって、行うことが出来る。
このようにして重合成形されて脱型されたコンタクトレンズ10においては、レンズ成形用雌型36のレンズ成形面52によって、レンズ前面12が形作られると共に、レンズ成形用雄型38のレンズ成形面64によって、レンズ後面14が形作られる。そして、雌型成形用金型32の樹脂型成形面44に形成された周期構造転写面54が、レンズ成形用雌型36のレンズ成形面52に周期構造成形面56として転写され、更に周期構造成形面56が、コンタクトレンズ10のレンズ前面12に転写される。それと共に、雄型成形用金型34の樹脂型成形面66に形成された周期構造転写面68が、レンズ成形用雄型38のレンズ成形面64に周期構造成形面70として転写され、更に周期構造成形面70が、コンタクトレンズ10のレンズ後面14に転写される。これにより、コンタクトレンズ10の前後面12,14それぞれの目的とする位置に、微細な凹凸状の周期構造を有する処理面26,28が形成されるのである。
そして、本製造方法によれば、両金型32,34に形成した微細周期構造を、樹脂型36,38を介してコンタクトレンズ10に転写することから、両金型32,34に対して周期構造転写面54,68を形成する工程が増加するのみであって、一旦、両金型32,34を作成すれば、それ以降は従来のモールド成形法と同様の工程で製造することが出来る。従って、実質的にコンタクトレンズの製造ライン上での工数を増加せしめることがなく、優れた製造効率をもって、微細な凹凸状の周期構造を有するコンタクトレンズ10を得ることが出来る。また、両金型32,34の周期構造転写面54,68の微細な凹凸状の周期構造が転写されることから、該金型32,34によって製造されることとなる各レンズにおける微細周期構造の形状を安定せしめて、各レンズ間の品質のばらつきを抑えることも出来る。
さらに、本製造方法においては、両金型32,34における周期構造転写面54、68を、フェムト秒レーザー光によるアブレーションを用いて、非接触状態で形成している。これにより、加工面を殆ど加熱せしめることがないことから、熱による変形も抑えられて、微細な凹凸状の周期構造を、高精度に且つ安定して形成することが出来るのである。
なお、上述の製造方法においては、両金型32,34に周期構造転写面54,68を形成するためのレーザー光として、フェムト秒レーザー光を用いていたが、ピコ秒レーザー光等も同様に好適に採用され得る。また、レーザー光のみならず、放射線を採用することも可能であって、例えば電子線などが好適に採用され得る。かかる電子線によっても、照射エネルギー量を調節することによって、加工面を加熱せしめることなく加工することが出来る。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。なお、以下の説明において、前述の実施形態と実質的に同様の部材および部位については、前述の実施形態と同様の符号を付することによって、詳細な説明を省略する。
例えば、コンタクトレンズに形成される微細な凹凸状の周期構造の具体的な形状は、特に限定されるものではない。以下に、周期構造のその他の好適な態様を幾つか例示するが、周期構造の具体的な形状が以下の形状に限定されることを示すものではないことが理解されるべきである。なお、以下に示す各図面は、コンタクトレンズの前面を示すものとし、周期構造の大きさを誇張して示すものである。但し、以下に示す各態様において、周期構造をレンズ後面に形成することも、勿論可能である。
図6に、異なる態様の周期構造を有するコンタクトレンズ80を示す。かかるコンタクトレンズ80においては、直線状に延びてレンズ外方に開口する複数の線状凹溝82、82が、レンズ光軸方向での正面視において所定のピッチ:Pをもって格子状に形成されることによって、周期構造が形成されている。ここにおいて、線状凹溝82の大きさは、前述の実施形態における環状凹溝30と略同様の大きさとされていることが好ましく、深さ:Dが0.01μm〜30μm、ピッチ:Pが0.01μm〜2μmの範囲内で設定されて、且つ、深さ/幅(D/W)で表されるアスペクト比が、0.1〜5の範囲内で設定されていることが好ましい。
また、特に本態様におけるコンタクトレンズ80においては、線状凹溝82がレンズ面の全体に亘って形成されていることによって、レンズ面の全体が周期構造を有する処理面84とされている。このように、本発明における処理面は、必ずしも光学部の中央部分を外れて形成されている必要はないのであって、本態様のように、レンズ全体に形成されていても良い。或いは、図7に示すコンタクトレンズ86のように、処理面84を周辺部22のみに形成したり、図8に示すコンタクトレンズ88のように、処理面84を光学部16のみに形成する等しても良い。更には、周期構造をレンズ前面およびレンズ後面の何れか一方のみに形成することも、勿論可能である。一々図示はしないが、光学部および周辺部の何れか一方に周期構造を形成したり、レンズ前面およびレンズ後面の何れか一方に周期構造を形成する構成は、本発明に従う構造とされたコンタクトレンズの全てに対して適用可能なのであって、前述の如きコンタクトレンズ10や、以下に説明する各コンタクトレンズについても同様に適用することが可能である。また、図6乃至図8に示したコンタクトレンズ80,86,88においては、二方向(図6乃至図8における上下方向と左右方向)に延びる線状凹溝82が形成されて、互いに直交せしめられていたが、例えば、何れか一方向(図6乃至図8における上下方向および左右方向の何れか一方向)に延びる線状凹溝82のみを複数形成する等しても良い。更にまた、線状凹溝82の交差する角度は、前述のような直交のみならず、適宜に変更可能であって、斜めに交差せしめる等しても良い。
また、図9に、更に異なる態様のコンタクトレンズ90を示す。コンタクトレンズ90においては、レンズ幾何中心から径方向に直線状に延びてレンズ外方に開口する複数の線状凹溝92、92が、レンズ周方向で所定の角度毎に形成されている。これにより、レンズ光軸方向での正面視において、レンズ中心から放射状に延びる周期構造を有する処理面94が、レンズ面の全体に亘って形成されている。また、本態様における線状凹溝92の深さや幅、およびアスペクト比についても、前述の線状凹溝82と同様の範囲内で設定されていることが好ましい。
なお、特に本態様においては、線状凹溝102は、レンズ径方向で連続することなく、光学部16と周辺部22の間で断続せしめられている。このように、放射状に延びる周期構造は、必ずしもレンズの径方向で連続している必要はない。また、放射状に延びる周期構造としては、必ずしもレンズの径方向に沿って延びる必要もないのであって、例えば、図10に示すコンタクトレンズ100のように、レンズ径方向からやや周方向に傾いて直線状に延びる線状凹溝102を形成しても良いし、或いは、図11に示すコンタクトレンズ104のように、レンズ中心から外方に向けて、レンズ周方向に沿って曲線状に延びる曲線状凹溝106を形成するなどしても良い。これらの態様においても、線状凹溝102や曲線状凹溝106のピッチ:P、深さ:D、幅:W、アスペクト比などの大きさ寸法は、前述の線状凹溝92と同様の範囲内で設定されることが好ましい。なお、図10および図11に示したコンタクトレンズ100、104においては、線状凹溝102、曲線状凹溝106が放射状に形成されていることから、そのピッチ:Pが、レンズ径方向で変化せしめられている。このように、本発明における微細な凹凸状の周期構造のピッチは、必ずしも一定とされる必要は無い。また、特に、図10に示すコンタクトレンズ100においては、光学部16の中央部分に、レンズ中心から径方向に沿って直線状に延びる複数の線状凹溝103,103が形成されている。このように、光学部や周辺部における周期構造の形状は、必ずしも単一形状とされる必要はなく、異なる形状の周期構造を組み合わせる等しても良い。
また、上述の如き各形状を組み合わせて用いることも勿論可能である。例えば、図12に示すコンタクトレンズ120のように、レンズ幾何中心を中心として同心円状に延びる複数の環状凹溝122、122と、レンズ幾何中心から径方向に放射状に延びる複数の線状凹溝124、124を組み合わせて微細周期構造を構成する等しても良い。
更にまた、前述の図10および図11におけるコンタクトレンズ100、104に示したように、本発明における微細な凹凸状の周期構造のピッチ:Pは、必ずしも一定とされる必要は無い。従って、例えば、前述のコンタクトレンズ10における環状凹溝30,30のピッチ:P(図3参照)を、レンズ径方向で次第に変化せしめる等しても良い。
また、前述のコンタクトレンズの製造方法においては、樹脂型36,38を形成する金型32,34に対してレーザー加工を施して、微細周期構造を形成していたが、例えば、金型32,34にレーザー加工を施すことなく、樹脂型36,38にレーザー加工を施して、微細周期構造を形成する等しても良い。具体的には、先ず、前述の雌型成形用金型32にレーザー加工を施すことなく、周期構造転写面54が形成されていない雌型成形用金型32を用いて、レンズ成形用雌型36を形成する。そして、得られたレンズ成形用雌型36におけるレンズ成形面52において処理面26と対応する目的とする位置に対して、例えばフェムト秒レーザー光やピコ秒レーザー光を照射せしめることによって、アブレーションを生ぜしめて周期構造を形成する。これにより、レンズ成形面52上に、前述の周期構造成形面56と同様の微細周期構造を形成することが出来る。一方、レンズ成形用雄型38についてもレンズ成形用雌型36と同様に、周期構造転写面68が形成されていない雄型成形用金型34を用いてレンズ成形用雄型38を形成する。そして、レンズ成形用雄型38のレンズ成形面64において処理面28と対応する目的とする位置に対して、フェムト秒レーザー光やピコ秒レーザー光を照射せしめることによって周期構造を形成する。これにより、レンズ成形面64上に、前述の周期構造成形面70と同様の微細周期構造を形成することが出来る。
そして、周期構造成形面56が形成されたレンズ成形用雌型36と、周期構造成形面70が形成されたレンズ成形用雄型38を前述の製造方法と同様に嵌め合わせて、レンズ成形面52,64間に重合性モノマー72を充填せしめて重合処理することによって、コンタクトレンズ10を得る。これにより、周期構造成形面56、70の微細周期構造がレンズ前後面12,14に転写されて、コンタクトレンズ10のレンズ前後面12,14にそれぞれ、微細な凹凸状の周期構造を有する処理面26,28が形成されることとなる。
このような製造方法によれば、金型32,34として従来の金型をそのまま用いることが出来る。更に、樹脂型36,38に周期構造を形成することから、周期構造の形状の変更にも柔軟に対応することが出来る。
更にまた、金型を用いて目的とするコンタクトレンズ10を直接にモールド成形することなども可能である。例えば、図13にモデル的に示すように、金型としての雌金型130と雄金型132を用意する。雌金型130の中央部分には、目的とするコンタクトレンズ10のレンズ前面12に対応した略球状凹面形状のレンズ成形面134が形成されている。そして、レンズ成形面134においてコンタクトレンズ10のレンズ前面12に形成される処理面26に対応する位置に、微細な凹凸状の周期構造を有する周期構造成形面136が形成されている。かかる周期構造成形面136は、前述の雌型成形用金型32や雄型成形用金型34と同様に、例えば前述の如きフェムト秒レーザー光をレンズ成形面134に照射して、アブレーションを生ぜしめることによって、切削や大きな熱変形を伴うレーザー加工等に比して有利に形成することが出来る。
一方、雄金型132の中央部分には、目的とするコンタクトレンズ10のレンズ後面14に対応した略球状凸面形状のレンズ成形面138が形成されている。そして、レンズ成形面138においてコンタクトレンズ10のレンズ後面14に形成される処理面28に対応する位置に、雌金型130と同様に、例えばフェムト秒レーザー光を照射してアブレーションを生ぜしめることによって、微細な凹凸状の周期構造を有する周期構造成形面140が形成されている。
そして、雌金型130のレンズ成形面134に、コンタクトレンズ10の材料となる重合性モノマー72を入れる。なお、本製造方法においては、例えば熱重合開始剤が配合されたモノマー組成物が採用される。次に、雌金型130の鉛直上方から雄金型132を軸方向(図13中、上下方向)に重ね合わせて嵌め合わせることにより型合わせして、重合性モノマー72が充填されて密閉された成形キャビティ142を形成する。その後、両型130,132の型合わせ状態を保持して、例えば金型ごと加熱することによって、熱重合による重合性モノマー72の重合処理を行う。
その後、両型130,132を型開きして、重合処理された成形品からなるコンタクトレンズ10を脱型することによって、目的とするコンタクトレンズ10を得ることが出来る。このように重合成形されたコンタクトレンズ10においては、雌金型130のレンズ成形面134によって、レンズ前面12が形作られると共に、雄金型132のレンズ成形面138によって、レンズ後面14が形作られる。そして、雌金型130に形成された周期構造成形面136が、コンタクトレンズ10のレンズ前面12に転写される。これにより、コンタクトレンズ10のレンズ前面12の目的とする位置に、微細な凹凸状の周期構造を有する処理面26が形成される。それと共に、雄金型132に形成された周期構造成形面140がコンタクトレンズ10のレンズ後面14に転写されることによって、レンズ後面14の目的とする位置に、微細な凹凸状の周期構造を有する処理面28が形成されることとなる。
このような製造方法によれば、両金型130,132に形成された周期構造成形面136,140がコンタクトレンズ10に直接に転写されることから、微細な凹凸状の周期構造を有する処理面26,28をより安定して形成することが出来る。更に、樹脂型が不要とされることから、樹脂型を成形する工程も不要とされて、より優れた製造効率を得ることも出来る。
更にまた、従来公知の製造方法に従って製造されたレンズ成形品のレンズ前面やレンズ後面に対して、直接に放射線やレーザー光を照射することによって、微細な凹凸状の周期構造を形成する等しても良い。このような製造方法によれば、レンズ成形品の製造方法に関わらず、微細な凹凸状の周期構造を形成することが可能となる。従って、モールド成形法で製造されたレンズ成形品のみならず、レースカット法やスピンキャスト法、その他従来公知の方法に従って製造された各種のレンズ成形品に対して、微細な凹凸状の周期構造を形成することが出来る。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
本発明に従うコンタクトレンズおよびその製造方法の技術的効果について確認するために行った試験を、以下に実施例として記載する。
先ず、前記実施形態に係るコンタクトレンズ10の製造に用いられる雌型成形用金型32(第二の金型46)と同等な材質の金型プレートを用意する。金型プレートの材質は、ニッケルメッキを施したSTAVAX(商標)である。
そして、金型プレートの表面にレーザー光を照射することにより、微細周期構造を形成する。かかるレーザー光としては、フェムト秒レーザーを採用し、波長を800nm、パルス幅を120fs、繰り返し周波数を1kHzとした。また、フェムト秒レーザー加工装置として、キヤノンマシナリー社製のフェムト秒レーザー加工装置を使用した。
そして、前記実施形態におけるレンズ成形用雌型36と同等な材質の樹脂型に相当する樹脂プレートを用意する。樹脂プレートの材質は、ポリプロピレンである。前記微細周期構造が形成された金型プレートをホットプレートを用いて約170°Cに加熱して、かかる樹脂プレートを押し付けることによって、金型プレートに形成された微細周期構造を樹脂プレートに転写した。
次に、上記微細周期構造が転写された樹脂プレートを用いてシリコン含有のソフトコンタクトレンズ材を重合成形することによって、実施例としてのコンタクトレンズに相当するレンズプレートを得た。
先ず、得られた金型プレートとレンズプレートについて、AFMによる形状測定および任意断面形状解析を行った。AFM測定評価系としては、セイコーインスツルメンツ株式会社製の走査型プローブ顕微鏡:SPI3800N/SPA300を用いた。測定条件としては、カンチレバーとしてバネ定数=0.2N/m,共振周波数=14kHzの品名:SI−AF01を用い、スキャナーとしてはスキャンレンジ100μm、X/Y感度=300nm/V,Z感度=27.2nm/Vのものを用いた。
かかるAFM測定による観察結果を、図14に示す。なお、図14(a1)〜(a3)は、順に、金型プレートについて走査エリア30×30μm、10×10μm、3×3μmとしたものであり、図14(b1)〜(b3)は、順に、レンズプレートについて走査エリア30×30μm、10×10μm、3×3μmとしたものである。図14から、金型プレートに形成された微細周期構造が、レンズプレートに転写されていることが認められる。
表1に、任意断面形状解析の結果を示す。金型プレートについて、波長800nmよりも小さなピッチで周期構造が形成されていることが確認された。レンズプレートについては、金型プレートよりもピッチが大きいが、これは、レンズプレートが含水することによってピッチが大きくなったものと推考される。
次に、得られたレンズプレートと、比較例としての微細周期構造を有さない比較例プレートについて、保水力を測定した。かかる保水力の測定に用いた機器構成を図15に概略的に示す。ここにおいて、CCDカメラ150としては、ソニー株式会社製の3CCDカラービデオカメラ:DXC−390、カメラレンズ152として、株式会社ニコン製のカメラレンズ:MicroNIKKOR105mmF2.8S、接写リング154として、株式会社ニコン製の接写リング:PN−11およびPK−13にFCマウントを組み合わせて使用した。そして、実施例としてのレンズプレート156および比較例プレート160を液中に浸漬せしめて、空気中に出してからの経時に伴うプレート表面の乾燥の様子を、黒色ゴム付プレート158上に載置した状態でCCDカメラ150で観察すると共に、かかるCCDカメラ150で撮影した画像に基づいて、プレート表面上の液の面積(単位:Pixel)を測定した。なお、画像解析ソフトウェアとしては、株式会社プラネトロン製のIPPWIN−V4.5Jを使用した。また、レンズプレート156乃至は160の表面と、黒色ゴム付プレート158の厚さ方向中間部分との距離:5mm、黒色ゴム付プレート158の厚さ方向中間部分と、CCDカメラ150における固定用マウントとの距離:365mmとすると共に、カメラレンズ152のレンズ絞り開度は2.8、撮影距離は0.34mとした。
図16に、実施例としてのレンズプレート156および比較例プレート160における、液中から空気中に出した後の表面の変化の様子を示す。なお、図16(a1)〜(a3)は、それぞれ、微細周期構造を有さない比較例プレート160の空気中に出してからの0秒後、30秒後、60秒後のプレート表面の様子を示し、図16(b1)〜(b3)は、それぞれ、微細周期構造を有する実施例としてのレンズプレート156の空気中に出してからの0秒後、30秒後、60秒後のプレート表面の様子を示すものである。図16から、本発明に従う構造とされたレンズプレート156においては、比較例プレート160に比して、プレート表面の液の面積がより大きく、優れた保水力を有することが確認される。
次に、図17に、実施例としてのレンズプレートおよび比較例としてのレンズプレートの、プレート表面上の液の面積の変化を示す。なお、図17においては、実施例および比較例として各々3枚のレンズプレートを用意した。これら3枚のレンズプレートは、実施例、比較例の中でそれぞれ同一のものであり、再現性を確認するために複数(3回)の試験を実施したものである。図17には、各試験の試験結果をそれぞれ実施例1〜3、比較例1〜3として示す。図17から明らかなように、比較例の各レンズプレートは、何れの試験においても、空気中に出して略30秒で略完全に液を弾いてしまうのに対して、本発明に従う構造とされた各レンズプレートは、何れの試験においても、1分経過後も、表面に液を保持していることが確認される。更に、比較例のレンズプレートは、保水力の低下が急峻で、空気中に出した直後から急激に保水力が低下するのに比べて、実施例のレンズプレートは、保水力の低下が緩やかで、この点からも、より優れた保水力を有することが確認される。
これらの実施例の結果に基づき、本発明のコンタクトレンズの製造方法によれば、微細周期構造を安定してコンタクトレンズに形成出来ることが確認された。また、本発明のコンタクトレンズによれば、従来構造のコンタクトレンズに比して、保水力が向上せしめられることが確認された。
さらに、本発明に従うコンタクトレンズおよびその製造方法の技術的効果について確認するために行った別の試験を、以下に記載する。
先ず、前記実施形態に係るコンタクトレンズの製造に用いられるレンズ成形用雄型を作る雌金型(第一の金型)を用意する。金型の材質は、STAVAX(商標)である。
そして、前記金型の表面にレーザー光を照射することにより、微細周期構造を形成する。かかるレーザー光としては、フェムト秒レーザーを採用し、波長を800nm、パルス幅を180fs、繰り返し周波数を1kHzとした。また、フェムト秒レーザー加工装置として、キヤノンマシナリー社製のフェムト秒レーザー加工装置を使用した。
なお、レーザー加工に際しては、前記金型の最低点を中心に円周方向に回転させつつ、シンドリカルレンズにて縦長にしたレーザー光を長さ約6mmのスリット光としたものを照射した。また、前記金型の形成面の周辺部に対しては、表面に垂直となるようにR8.00mmを基準とした角度(固定)にて斜め方向からレーザーを照射した。そして、レーザー光の偏光方向を90°回転させてレーザー照射を行うことにより、同心円状パターンと放射状パターンとの2種類の周期構造が形成された前記金型を得た。
そして、かかる2種類の周期構造が付された前記金型を用いてそれぞれモールド成形を行い、ポリプロピレン製のレンズ成形用雄型を作成した。
こうして得られた同心円状及び放射状の周期構造が形成された2種類のレンズ成形用雄型と、周期構造が形成されていないレンズ成形用雄型とに対して、接触角計を用いた表面分析を行った。接触角計としては協和界面科学株式会社製のDropmaster500を使用し、測定する接触角としては、前進接触角及び後退接触角の2種の動的接触角を測定した。なお、前進接触角及び後退接触角の測定方法は次のとおりである。先ず、型表面に液滴を接触させ、その液滴を膨らませたり吸引したりすることで、液滴の境界を前進又は後退させる。このとき、液滴の状態を側面から観察し、左右それぞれの液滴の端点における液滴表面と型表面とが接する角度を計測する。なお、試験に使用した液滴は蒸留水である。
表2に各試料の前進接触角の測定結果を、表3に各試料の後退接触角の測定結果をそれぞれ示す。また、図18及び図19に、実際の液滴の状態を撮影した写真を示す。なお、図18及び図19における(a)は周期構造のない比較例、(b)は同心円状の周期構造を形成した実施例、(c)は放射状の周期構造を形成した実施例である。
表2,3及び図18,19に示される結果から、特に、液滴の後退時においては、何れの種類の周期構造を付した実施例でも、比較例に比べて接触角が極めて小さくなることが確認された。即ち、レンズ成形用雄型に周期構造を形成したことにより、レンズ成形用雄型の表面に水分が止まりやすくなっていることがわかる。
次に、上述のレンズ成形用雄型を用いた表面試験に代えて、コンタクトレンズに相当するレンズプレートを用いた表面試験を行う。先ず、上述の試験で用いたレンズ成形用雄型を作る雌金型(第一の金型)と同等な材質からなるプレート用金型を用意し、これに上述の試験と同様のレーザー加工条件において、同心円状の微細周期構造を形成する。そして、プレート用金型を用いてモールド成形を行い、ポリプロピレン製のプレート成形用型を作成した。
さらに、上記微細周期構造が転写されたプレート成形用型を用いて、酸素透過性(RGP)素材からなるレンズプレートを得た。
こうして得られた同心円状の周期構造が形成された実施例としてのレンズプレートと、周期構造が形成されていない比較例としてのレンズプレートとに対して、先の試験と同様に接触角計を用いて前進接触角及び後退接触角を測定した。
表4に実施例,比較例それぞれの前進接触角及び後退接触角の測定結果を示す。また、図20には比較例における前進時及び後退時の液滴の状態が示されており、図20の(a)−1〜(a)−3が比較例の前進時、図20の(b)−1〜(b)−3が比較例の後退時のものである。そして、図21には実施例における前進時及び後退時の液滴の状態が示されており、図21の(a)−1〜(a)−3が実施例の前進時、図21の(b)−1〜(b)−3が実施例の後退時のものである。
これら表4及び図20,21に示される結果から、先のレンズ成形用雄型を用いた試験と同様に、レンズプレートの試験においても、特に、液滴の後退時において、周期構造を付した実施例では周期構造のない比較例に比して接触角が小さくなることが確認された。即ち、レンズプレート上に周期構造が形成されていることにより、レンズプレートの表面に水分が止まりやすくなっていることがわかる。
さらに、上述のレンズ成形用雄型とレンズプレートとを用いた2種類の試験の結果から、各測定結果の平均値を用いて、それぞれの前進接触角と後退接触角との差、ヒステリシスの値を求めると、次のようになる。
表5に、各試験における比較例及び実施例それぞれのヒステリシスの値を示す。レンズ成形用雄型及びレンズプレートの何れを用いた試験においても、ヒステリシスは比較例よりも周期構造を形成した実施例の方が大きいことがわかる。即ち、周期構造が形成されていることにより、レンズ成形用雄型及びレンズプレート表面は水が移動しづらい状態となっており、その結果、優れた保水性を有することがわかる。なお、表5から明らかなように、ヒステリシスはレンズ成形用雄型において特に大きくなっており、極めて高い保水性を示していることがわかる。
また、次に、周期構造を形成したコンタクトレンズ上において、レンズ表面上において生理食塩水がレンズ表面を移動する様子を微分干渉顕微鏡を用いて観察した試験結果を記す。
先ず、本試験においては、上述の各試験と同様に、STAVAX(商標)製の金型を用意し、これに上記試験と同様のレーザー加工条件で同心円状の周期構造を形成する。かかる金型を用いてポリプロピレン製の樹脂型を作成し、さらに、この樹脂型を用いて、シリコン含有のソフトコンタクトレンズ材からなるコンタクトレンズを得た。
このようにして得られた周期構造を有する実施例としてのコンタクトレンズと、周期構造のない比較例としてのコンタクトレンズとを用いて、それぞれを生理食塩水に接触させた後、表面張力等によってレンズ表面から生理食塩水が引いていく経過の状況を、微分干渉顕微鏡を用いて観察した。図22(a)として示されるものが周期構造のない比較例の顕微鏡写真、図22(b)が周期構造を形成した実施例の顕微鏡写真であり、各画像内に矢印で示されているのが各画像中における生理食塩水の後退方向である。
先ず、図22(a)に示される比較例においては、生理食塩水が後退していく水際が境界線162として明瞭に観察される。そして、この境界線162付近の生理食塩水には、ある程度幅広の干渉パターンが観察され、この部分の生理食塩水が比較的薄い厚みで広がっていることがわかる。一方、図22(b)に示される実施例においては、写真上では観察しにくいが、肉眼での観察では、生理食塩水の境界部分に薄く黒ずんだ帯状部分164が広がっているのが観察される(図22(b)中に斜線部分にて示す)。これは、生理食塩水が、干渉パターンが全く観察されないほどに極めて薄く広がった領域と考えられる。なお、図22(b)においては、帯状部分164と隣接して、比較的幅の狭い干渉パターンが見られ、帯状部分164の以降の生理食塩水は比較的厚い液厚で広がっていることがわかる。また、本試験においては、比較例のコンタクトレンズでは生理食塩水の後退速度が速いのに対して、実施例のコンタクトレンズでは、生理食塩水の後退速度は非常に緩やかであった。これらの結果から、周期構造を形成した実施例のコンタクトレンズにおいては、後退接触角が極めて小さく、レンズ表面の保水性が向上していることが確認された。
次に、先ほどの試験と同じ工程により製造した同心円状の周期構造を有するシリコン含有ソフトコンタクトレンズを用いて、そのレンズを実際に被験者に装用してもらい、各装着者の開眼直後からレンズ表面の涙液膜が切れ始めるまでの時間を測定した結果を記す。
表6に、レンズ装用から0分後、15分後、30分後における、比較例としての周期構造のない通常のコンタクトレンズを装用した場合と、実施例としての同心円状の周期構造を有するコンタクトレンズを装用した場合とのそれぞれの測定結果を、併せて示す。また、かかる表6の試験結果をグラフに表したものを図23に示す。これら表6及び図23から明らかなように、周期構造を有するコンタクトレンズの方が、涙液膜が切れ始めるまでの時間が明らかに長く、比較例よりも長時間レンズ表面に涙液を保持していることが観察された。また、この効果は装用開始時だけでなく、装用から30分が経過しても観察されている。即ち、装用開始から長時間が経過し、レンズの乾燥が進んだ後も、瞬目によりレンズ表面に補充される涙液を高度に保持し得て、乾燥感の低減に高い効果を発揮し得ることがわかる。
次に、一般には回路基板用として市場に提供されているナノインプリント用モールドに対して、本発明における周期構造と同様のパターンを形成し、接触角測定試験を行った結果を、以下に示す。
先ず、本試験においては、上述の実施形態で用いられる樹脂型成形用金型等に代えて、シリコン製のナノインプリント用モールドを試料として用意する。ナノインプリント用モールドに形成するパターンはライン&スペースパターンとし、パターンの形成深さは5μm、ピッチは1μm,5μm,10μm,50μmのものをそれぞれ用意した。
そして、このようなナノインプリント用モールドにおける、周期構造部分とフラット部との各部分での静的接触角を測定した。なお、接触角の測定には、上述のレンズ成形用雄型及びレンズプレートを用いた接触角測定試験と同様に、協和界面科学株式会社製のDropMaster500を用いた。
表7に、各試料の静的接触角の測定結果を示す。ピッチが50μmのものを除いて、形成ラインの長軸方向と直交して観察した場合には、周期構造部分の接触角はフラット部よりも小さな角度を示した。また、1〜50μmのどのピッチにおいても、溝に沿って(長軸方向に)水が広がる傾向が観察された。また、なお、乾燥過程においては長軸方向と直交する方向(短軸方向)の幅を保ったまま、水滴の厚みが徐々に減少していく傾向にあった。また、周期構造部における水滴と試料の界面には、上述の微分干渉顕微鏡による観察試験における実施例の観察時に見られたような薄膜が観察された。このような観察結果からも、特に、ピッチが1〜10μmの範囲で形成された試料において、周期構造の形成により、水濡れ性及び保水性機能が向上しているものと考察される。
また、かかる試験結果から、本発明に従う周期構造を付与したことによる保水性の向上効果が、先述のコンタクトレンズやその樹脂型だけでなく、シリコン製のナノインプリント用モールドという異なる材質の試料においても同様に発揮され得ることが確認された。これにより、本発明の効果が、素材の材質に関わらず、物理的な形状の効果として有効に発揮されることが明らかとなった。それ故、現在及び将来的に提供され得るコンタクトレンズ用の各種の素材に対しても、本発明が適応可能であり、それによって本発明が目的とする保水性や装用感の向上効果が何れも有効に発揮され得るものであることであることが確認され得たのである。

Claims (19)

  1. 凸状のレンズ前面と凹状のレンズ後面を備えたコンタクトレンズにおいて、
    前記レンズ前面と前記レンズ後面の少なくとも一方に、装用時において触覚上および視覚上で影響を及ぼさない大きさの微細な凹凸状の周期構造を有する処理面が形成されていることを特徴とするコンタクトレンズ。
  2. レンズ中央部分に光学部が設けられていると共に、該光学部の周囲に周辺部が設けられており、且つ該周辺部に前記処理面が形成されている請求項1に記載のコンタクトレンズ。
  3. レンズ中央部分に光学部が設けられていると共に、該光学部の周囲に周辺部が設けられており、且つ該光学部に前記処理面が形成されている請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ。
  4. 前記微細な凹凸状の周期構造がレンズ光軸方向での正面視において、レンズ中心から放射状に形成されている請求項1乃至3の何れか一項に記載のコンタクトレンズ。
  5. 前記微細な凹凸状の周期構造がレンズ光軸方向での正面視において、レンズ中心回りで同心円状に形成されている請求項1乃至4の何れか一項に記載のコンタクトレンズ。
  6. 前記微細な凹凸状の周期構造がレンズ光軸方向での正面視において、格子状に形成されている請求項1乃至5の何れか一項に記載のコンタクトレンズ。
  7. 前記微細な凹凸状の周期構造の深さが0.01μm〜30μmとされている請求項1乃至6の何れか一項に記載のコンタクトレンズ。
  8. 前記微細な凹凸状の周期構造のピッチが0.01μm〜10.0μmとされている請求項1乃至7の何れか一項に記載のコンタクトレンズ。
  9. 前記微細な凹凸状の周期構造において深さ/幅で表されるアスペクト比が0.1〜5とされている請求項1乃至8の何れか一項に記載のコンタクトレンズ。
  10. 微細周期構造が成形面に形成された樹脂型を用いて前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方が形成されて、該樹脂型における該微細周期構造が転写されることによって該レンズ前面及び該レンズ後面の少なくとも一方における前記微細な凹凸状の周期構造が形成されている請求項1乃至9の何れか一項に記載のコンタクトレンズ。
  11. 微細周期構造が成形面に形成された金型によって成形された前記樹脂型を用いて前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方が形成されて、該金型における該微細周期構造が該樹脂型における前記微細周期構造として転写されることによって該レンズ前面及び該レンズ後面の少なくとも一方における前記微細な凹凸状の周期構造が形成されている請求項10に記載のコンタクトレンズ。
  12. 微細周期構造が成形面に形成された金型を用いて前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方が形成されて、該金型における該微細周期構造が転写されることによって該レンズ前面及び該レンズ後面の少なくとも一方における前記微細な凹凸状の周期構造が形成されている請求項1乃至9の何れか一項に記載のコンタクトレンズ。
  13. 凸状のレンズ前面及び凹状のレンズ後面を有するコンタクトレンズの製造方法であって、
    放射線及びレーザー光の少なくとも一方を利用して、前記コンタクトレンズにおける前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方に対して微細な凹凸状の周期構造を形成することを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  14. 前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方に放射線及びレーザー光の少なくとも一方を照射せしめることによって微細周期構造を形成して、該微細周期構造によって前記微細な凹凸状の周期構造を構成する請求項13に記載のコンタクトレンズの製造方法。
  15. 前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方を樹脂型を用いて形成すると共に、該樹脂型のレンズ成形面に対して放射線及びレーザー光の少なくとも一方を照射することによって微細周期構造を形成して、該樹脂型に形成された該微細周期構造を該レンズ前面及び該レンズ後面の少なくとも一方に転写して前記微細な凹凸状の周期構造を形成する請求項13に記載のコンタクトレンズの製造方法。
  16. 金型によって成形した樹脂型を用いて前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方を形成すると共に、該金型における樹脂型成形面に対して放射線及びレーザー光の少なくとも一方を照射することによって微細周期構造を形成して、該金型に形成された該微細周期構造を該樹脂型のレンズ成形面に転写し、この樹脂型に転写形成された該微細周期構造を該レンズ前面及び該レンズ後面の少なくとも一方に再転写して前記微細な凹凸状の周期構造を形成する請求項13に記載のコンタクトレンズの製造方法。
  17. 前記レンズ前面及び前記レンズ後面の少なくとも一方を金型を用いて形成すると共に、該金型のレンズ成形面に対して放射線及びレーザー光の少なくとも一方を照射することによって微細周期構造を形成して、該金型に形成された該微細周期構造を該レンズ前面及び該レンズ後面の少なくとも一方に転写して前記微細な凹凸状の周期構造を形成する請求項13に記載のコンタクトレンズの製造方法。
  18. 前記放射線として電子線を用いる請求項13乃至17の何れか一項に記載のコンタクトレンズの製造方法。
  19. 前記レーザー光としてパルス幅が1×10-16 秒〜1×10-7秒とされるレーザー光を用いる請求項13乃至18の何れか一項に記載のコンタクトレンズの製造方法。
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