JPWO2008081639A1 - ポリ乳酸のステレオコンプレックス形成促進剤 - Google Patents

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Abstract

脂肪族環状エポキシ、及び、エポキシ化大豆油からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物;無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、及び、無水トリメリット酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸無水物;並びに、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、及び、パーオキシエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機過酸化物を含有するように構成してある。

Description

この発明は、ポリ乳酸のステレオコンプレックス形成を促進する添加剤に関するものである。
近時、地球的規模での環境問題の解決策として、自然環境の中で分解するポリマー素材の開発が切望されており、脂肪族ポリエステを含む様々なポリマーの研究・開発、更に実用化の試みが活発化している。なかでも、微生物により分解されるポリマー、すなわち生分解性ポリマーに注目が集まっている。
従来のポリマーはほとんどが石油資源を原料としているが、石油資源が将来的に枯渇すること、また石油資源を大量消費することにより、地質時代より地中に蓄えられていた二酸化炭素が大気中に放出され、地球温暖化が深刻化することが懸念されている。そこで、二酸化炭素を大気中から取り込み成長する植物資源を原料としたポリマーが合成できれば、カーボンニュートラルにより地球温暖化を抑制できることが期待できるのみならず、資源枯渇の問題も同時に解決できる可能性がある。このため、植物資源を原料とするポリマー、すなわちバイオマス利用ポリマーに注目が集まっている。
上記2つの点から、バイオマス利用による生分解性ポリマーが、石油資源を原料とする従来のポリマーを代替していくことが期待されている。しかしながら、バイオマス利用の生分解性ポリマーは、一般に、力学特性、耐熱性が低く、また高コストといった課題がある。
これらを解決するバイオマス利用の生分解性ポリマーとして、現在、最も注目されているのがポリ乳酸である。ポリ乳酸は植物から抽出したでんぷんを発酵することにより得られる乳酸を原料としたポリマーであり、バイオマス利用の生分解性ポリマーの中では力学特性、耐熱性、コストのバランスが最も優れている。そして、これを利用した成形品の開発が急ピッチで行われている。
特に、乳酸(又はラクチド)を主たる構成単位とし、L−乳酸:D−乳酸=80:20又はL−乳酸:D−乳酸=20:80及びその双方を混合したステレオコンプレックスからなる乳酸系ポリマーは、融点が140〜180℃と充分に高く、しかも透明性に優れるため、包装材料や透明性を生かした成形品等として大いに期待されている。
しかしながら、ポリ乳酸はガラス転移温度が60℃前後であり、更に分子間結合力が小さいため、ガラス転移温度を越えると容易に変形してしまうといった問題がある。そのため、例えば80℃にも達するような環境で使用する自動車内装材等へのポリ乳酸の用途は制限されている。
また、乳酸系ポリマーを射出成形等して得られる容器は、剛性には優れているものの、耐熱性が低い、又は、耐熱性と耐衝撃性が共に低いので、例えば熱湯又は電子レンジを使用することができず、用途が限定されている。
ポリ乳酸に耐熱性を付与するためには、成形加工時に金型冷却時間を長くするか、又は、成形後に成形品をアニール処理して、高度に結晶化する必要がある。しかし、成形時における長時間の冷却工程は実用的でなく、かつ結晶化が不充分になり易く、また、アニールによる後結晶化は成形品が結晶化する過程で変形しやすいという欠点が有る。
樹脂の結晶化速度を上げる一般的な方法として、結晶化を促進させるための結晶核剤を添加する方法が知られており、例えば、以下に列挙するような方法が考案されている。
特許文献1には、ポリエチレンテレフタレート(PET)の結晶化を促進するため、結晶核剤としてテレフタル酸とレゾルシンを主な構成単位とする全芳香族ポリエステル微粉末を添加することが記載されている。
特許文献2には、ラクチド熱可塑性プラスチック(ポリ乳酸)への、シリカやカオリナイトのような無機化合物の充填剤の添加により、硬度、強度、温度抵抗性を変えることが記載されており、実施例としては、L,DL−ラクチド共重合体に結晶核剤として乳酸カルシウム5重量%を添加し、温度170℃の加熱ロールで5分間ブレンドしたところ、得られたシートは剛性及び強度があり、かつ曇っていて、結晶化度が増加したことが記載されている。
特許文献3には、結晶核剤として乳酸塩や安息香酸塩が記載されており、実施例として、ポリラクチドコポリマーに1%の乳酸カルシウムを配合し、滞留時間を2分間とし約85℃に保持した型で射出成形したが、結晶化が不充分であったため、更に型中において約110〜135℃でアニーリングした例が記載されている。
特許文献4には、通常結晶核剤として用いられるタルク、シリカ、乳酸カルシウム等を用いた乳酸系ポリマーは、一般の射出成形、ブロー成形、圧縮成形を適用しても、結晶化速度が遅く、得られる成形物の実用耐熱性が100℃以下と低く、耐衝撃性も低いために、用途に制約があることが記載されている。
特許文献5には、結晶核剤としてポリグリコール酸及びその誘導体をポリL−ラクチド等に加え、結晶化速度を上昇させることにより、射出成形サイクル時間を短縮させ、かつ、優れた力学的性質を有することが記載されており、射出成形の例として、冷却時間60秒での結晶化温度は45.5℃であることが記載されている。
特許文献6には、乳酸系ポリマーに結晶核剤としてタルク、シリカ、乳酸カルシウム等を添加して、射出成形、ブロー成形、圧縮成形等を行うことにより成形品を得る方法が提案されている。
しかしこの方法では、熱処理を施していないために結晶化が不充分であるうえに、ポリマーの結晶化速度が遅いため生産性に劣るという問題がある。
特許文献7〜12には、ポリ乳酸の耐熱性を上げるために、例えば、結晶核剤として無機フィラーを添加することが等に開示されており、その中でもタルクが効果的であることが記載されている。
しかしながら、汎用のタルクをポリ乳酸繊維に適用した場合、タルクの粒子径が大きいために、繊維にした場合には強度が大きく低下してしまう。
また、シート状に押出成形する際の流動化のための加熱で結晶を完全に融解させてしまった後、通常のロール冷却を行ってシートを製造し、容器等に熱成形しても、工程中に結晶化が充分に進まず、その結果、得られた成形品は耐熱性に劣るものとなる。
特許文献13には、ポリ−L−ラクチド等に結晶核剤としてポリグリコール酸及びその誘導体を加えて、結晶化速度を上昇させることにより、射出成形のサイクル時間を短縮するとともに、成形品の機械的特性を向上させる方法が提案されている。
特許文献14には、結晶核剤及び結晶化促進剤としてワックスを用い、成形品を結晶化温度で熱処理する方法及び結晶化温度に設定した金型内で一定時間保持する方法が開示されている。
しかし、結晶核剤として使用されるワックスは、一般にポリ乳酸との相溶性が悪くブリードアウトしてくるため、少量しか添加できず、結晶核の形成には不充分である。
特許文献15には、乳酸系ポリマーに結晶核剤としてタルク等を添加して結晶化速度の速いシートを製造し、加熱された金型にて短時間に成形可能な製造方法が開示されている。
特許文献16には、ポリ乳酸に結晶核剤としてタルクを25質量%程配合した結果、ポリ乳酸の結晶化時間が短縮(30秒)され、射出成形サイクル中に結晶化されることが可能となり、成形品の耐熱性が100℃以上に改善されたことが開示されている。
しかしながら、ポリ乳酸にタルクを25質量%も添加すると、成形品の比重が増えてしまい好ましくない。また、ポリ乳酸に特有の透明性が損なわれてしまう。
特許文献17にはメラミン化合物粒子を結晶核剤とすることが開示されている。
特許文献18にはポリグリコール酸及びその誘導体をポリ乳酸の結晶核剤として用いることが記載されている。
特許文献19にはポリ乳酸用結晶核剤として、ポリ乳酸樹脂と反応性を有する重合体粒子(エポキシ基、ヒドロシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、イソシアネート基、酸無水物基、酸塩化物基から選ばれる1種又は2種以上の反応基を含有する結晶核剤)と増粘剤、コアーシャル型グラフト共重合体、可塑剤、結晶核剤、難燃剤、滑剤を含有することを特徴とする乳酸樹脂組成物が開示されている。
特許文献20にはポリ乳酸にリン酸エステル金属塩系の造核剤を添加することが記載されている。
特許文献21には、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸からなるステレオコンプレックスの粒子を結晶核剤とすることが開示されている。
また近時、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の溶融混合物であるステレオコンプレックスによりポリ乳酸の耐熱性を向上させることが注目されている(非特許文献1)。ポリ乳酸のホモ結晶の融点は約180℃であるのに対して、ステレオコンプレックスの融点は約230℃になる。
ところが、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合しただけでは、ステレオコンプレックスの結晶の他にホモ結晶が生成するため、完全なステレオコンプレックスはできない。このことは、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合して得られたポリ乳酸に対して示差熱分析を行うと、230℃付近に現れるステレオコンプレックス結晶の吸熱ピークの他に、180℃付近にホモ結晶の吸熱ピークが現れることから明らかである。
特許文献22にはステレオコンプレックスを形成させるための結晶核剤として、リン酸エステル金属塩と含水珪酸マグネシウム(タルク)を用いる発明が開示されている。
特開昭60−86156号公報 特表平4−504731号公報(WO90/01521号公報) 特表平6−504799号公報 特開平8−193165号公報 特開平4−220456号公報 特開平8−193165号公報 特開平9−278991号公報 特開平11−5849号公報 特開平11−116783号公報 特開2003−327803号公報 特開2003−328779号公報 特開2005−299067号公報 特開平4−220456号公報 特開平11−106628号公報 特開2004−269588号公報 特開2003−253009号公報 特開2005−272679号公報 特開平4−229456号公報 特開2006−193561号公報 特開2001−226571号公報 特開2005−290257号公報 特開2003−192884号公報 Macromolecular Bioscience, 2005, 5, 569-597
しかしながら、上記の結晶核剤を用いても、ポリ乳酸の結晶化の速度は遅く、耐熱性及び耐衝撃性を兼ね備えた乳酸系ポリマーを効率的に生産するには課題が多い。また、タルク等の無機化合物からなる結晶核剤を使用すると、得られる成形品の密度が大きくなり、用途によっては不都合が生じる。
そこで本発明は、ポリ乳酸のステレオコンプレックス形成を促進し、耐熱性及び耐衝撃性に優れた乳酸系ポリマーを効率的に供出しうるステレオコンプレックス形成促進剤を提供すべく図ったものである。
すなわち本発明に係るポリ乳酸のステレオコンプレックス形成促進剤は、脂肪族環状エポキシ、及び、エポキシ化大豆油からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、及び、無水トリメリット酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸無水物、並びに、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、及び、パーオキシエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機過酸化物を含有することを特徴とする。なお、この明細書で「含有する」とは、各物質が物理的に混合しているという意味の他、各物質の一部又は全部が化学反応して別物質になっている場合も含む。以下に本発明を詳述する。
本発明に係るステレオコンプレックス形成促進剤は、特定の種類の、エポキシ化合物、酸無水物、及び、有機過酸化物を含有するものである。
本発明で用いるエポキシ化合物は、脂肪族環状エポキシ、又は、エポキシ化大豆油である。前記脂肪族環状エポキシとしては特に限定されないが、例えば、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、YDCN700−5(東都化成社製)等が挙げられる。前記エポキシ化大豆油としては特に限定されないが、例えば、ニューザイダー(日本油脂社製)等が挙げられる。これらのエポキシ化合物は、必要に応じて、1種が単独で配合されても良く、2種以上が混合して配合されても良い。
本発明で用いる酸無水物は、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、又は、無水トリメリット酸である。これらの酸無水物は、必要に応じて、1種が単独で配合されても良く、2種以上が混合して配合されても良い。
本発明で用いる有機過酸化物は、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、又は、パーオキシエステルである。前記パーオキシケタールとしては特に限定されないが、例えば、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バルレート、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン等が挙げられる。
前記ハイドロパーオキサイドとしては特に限定されないが、例えば、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
前記パーオキシジカーボネートとしては特に限定されないが、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
前記パーオキシエステルとしては特に限定されないが、例えば、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(3−メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−3−メチルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。
これらの有機過酸化物は、必要に応じて、1種が単独で配合されても良く、2種以上が混合して配合されても良い。なお、有機過酸化物を添加しない場合でも、ポリ乳酸分子の中にエポキシ樹脂が生成し、いわゆるインターポリマーネットワークを構成し、耐熱性及び耐衝撃性に対して一定の効果が期待できる。しかし、より効果を上げるためには有機過酸化物の添加が極めて有効である。
本発明に係るステレオコンプレックス形成促進剤において、前記エポキシ化合物と前記酸無水物とは過不足なく反応する比で加えられ、それらの含有比は、重量比において、エポキシ化合物:酸無水物=100:10〜40であることが好ましい。エポキシ化合物に対する酸無水物の含有量がこの範囲から逸脱すると、ステレオコンプレックス形成促進効果が不充分となる。より好ましくは、エポキシ化合物:酸無水物=100:25〜40である。
なお、本発明はその機構が明らかではなく、ポリ乳酸の分子鎖と添加したステレオコンプレックス形成促進剤を構成する各試薬(すなわち前記エポキシ化合物、酸無水物、及び有機過酸化物、以下試薬と言うときもある)とが反応している可能性もある。よって、エポキシ化合物と酸無水物の配合比も幅のあるものとなる。
本発明における前記試薬とポリ乳酸との反応例はなく、有機反応機構上も解明されていない。ポリ乳酸の分子鎖と添加した試薬が反応している可能性もある。したがって、エポキシ化合物と酸無水物との配合比も若干の幅がある。また単純なインターポリマーネットワークとは考え難い。
また、前記エポキシ化合物と前記有機過酸化物との含有比は、重量比において、エポキシ化合物:有機過酸化物=100:25〜300であることが好ましい。エポキシ化合物に対する有機過酸化物の含有量がこの範囲から逸脱すると、ステレオコンプレックス形成促進効果が不充分となる。
本発明に係るステレオコンプレックス形成促進剤のなかでも、脂肪族環状エポキシ、無水フタル酸、及び、パーオキシエステルからなるものが好ましく、とりわけ、前記脂肪族環状エポキシが、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートであり、前記パーオキシエステルが、t−ブチルパーオキシラウレート、及び、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンであるものがより好ましい。
これら各成分の含有比は、重量比において、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート:無水フタル酸:t−ブチルパーオキシラウレート:2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン=100:25〜35:20〜30:20〜30であることが好ましい。
本発明に係るステレオコンプレックス形成促進剤がこのような組成であると、形成されたポリ乳酸の結晶がステレオコンプレックスのみとなり、耐熱性及び耐衝撃性に極めて優れたポリ乳酸を得ることができる。更に、このようにステレオコンプレックス形成促進剤を添加したポリ乳酸は自己消火性を有し、火がついても燃え広がらず、自ら鎮火することができる。
本発明に係るステレオコンプレックス形成促進剤は、適宜必要に応じて、エポキシ化合物、酸無水物、及び、有機過酸化物以外の成分を含有してもよく、例えば、タルク等の従来公知の結晶核剤を配合してもよい。
本発明に係るステレオコンプレックス形成促進剤を用いてポリ乳酸のステレオコンプレックス形成を促進させるためには、まず、ポリ乳酸又はポリ乳酸生成前の中間体と前記エポキシ化合物が、重量比において、ポリ乳酸(前記中間体):エポキシ化合物=100:0.5〜5となるように、ポリ乳酸又は前記中間体に本発明に係るステレオコンプレックス形成促進剤を添加し、何らかの反応(具体的な反応構造はいまだ解明されておらず、化学的な反応が生じているのか、単に物理的に混合されているのかはわからないが、ここではそれらを総称して反応という)を生起して、ステレオコンプレックス形成開始剤を作成し、次いで、このステレオコンプレックス形成開始剤を、1〜10重量%となるように、ポリ乳酸に添加して、ポリ乳酸のステレオコンプレックス形成を促進する。このようなポリ乳酸のステレオコンプレックス形成開始剤もまた、本発明の1つであり、更に、このようなポリ乳酸のステレオコンプレックス形成工程を有する乳酸系ポリマーの製造方法もまた、本発明の1つである。
すなわち、本発明に係るポリ乳酸のステレオコンプレックス形成開始剤は、ポリ乳酸又はポリ乳酸生成前の中間体と本発明に係るステレオコンプレックス形成促進剤を含有するか、ポリ乳酸又は前記中間体中で反応させることにより、ポリ乳酸分子鎖と反応したものであって、前記ポリ乳酸又は前記中間体と前記エポキシ化合物又は試薬の総量との含有比が、重量比において、ポリ乳酸又は前記中間体:エポキシ化合物又は試薬の総量=100:0.5〜5であることを特徴とする。
また、本発明に係る乳酸系ポリマーの製造方法は、本発明に係るステレオコンプレックス形成開始剤を、1〜10重量%となるようにポリ乳酸に添加するか、ポリ乳酸製造工程においてステレオコンプレックス形成促進剤又はステレオコンプレックス形成促進剤を構成する前記試薬を適宜の順序で添加することを特徴とする。本発明に係るステレオコンプレックス形成開始剤の添加量が1重量%未満であると、ポリ乳酸のステレオコンプレックス形成促進効果が不充分であり、10重量%を超えると、ポリ乳酸に対する添加剤の量が多くなりすぎ、かえって耐熱性や耐衝撃性の悪化を招く。より好ましくは、3〜7重量%である。当該製造方法により得られたポリ乳酸系ポリマーもまた、本発明の1つである。
本発明に係る製造方法により得られた乳酸系ポリマーから成形品を得るためには、カレンダー成形、フィルム成形、押出し成形、ブロー成形、圧縮成形、トランスファ成形、熱成形、流動成形、積層成形、発泡成形等の種々の成形加工方法を利用することができる。
本発明者が、更に鋭意研究を行なったところ、本発明に係るステレオコンプレックス形成促進剤を、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の他の高分子に添加しても、結晶化の促進効果が得られることが判明した。従って、本発明に係るステレオコンプレックス形成促進剤は、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の他の高分子の結晶化を促進する際に結晶化促進剤として使用しても有用である。このような結晶化促進剤もまた、本発明の1つである。
このように本発明によれば、ポリ乳酸のステレオコンプレックス形成が促進され、耐熱性及び耐衝撃性に優れた乳酸系ポリマーを効率的に得ることができる。本発明により得られた乳酸系ポリマーは、密度の増加も抑えられ、また、成形加工時の樹脂流れや離型性にも優れる。特に、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、無水フタル酸、t−ブチルパーオキシラウレート、及び、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンからなるステレオコンプレックス形成促進剤又はステレオコンプレックス形成開始剤を用いてポリ乳酸を結晶化させた場合、ステレオコンプレックスのみからなり、耐熱性が極めて優れ自己消火性を有する乳酸系ポリマーが得られる。また、本発明に係るステレオコンプレックス形成促進剤と同様の組成を有する結晶化促進剤は、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の他の高分子の結晶化も促進するので、これらの樹脂成形品の製造に要する時間を短縮することができ、ひいては製造コストを削減することが可能となる。
DSCによる分析結果を示すグラフ。 WAXDによる分析結果を示すグラフ。 DSCによるポリエチレン(処理方法:B)の分析結果を示すグラフ。 DSCによるポリエチレン(処理方法:C)の分析結果を示すグラフ。 DSCによるポリプロピレン(処理方法:A)の分析結果を示すグラフ。 DSCによるポリプロピレン(処理方法:B)の分析結果を示すグラフ。 DSCによるポリプロピレン(処理方法:C)の分析結果を示すグラフ。 DSCによるナイロン11(処理方法:A)の分析結果を示すグラフ。 DSCによるナイロン11(処理方法:B)の分析結果を示すグラフ。 DSCによるナイロン11(処理方法:C)の分析結果を示すグラフ。 DSCによるポリエチレンテレフタレート(処理方法:A)の分析結果を示すグラフ。 DSCによるポリエチレンテレフタレート(処理方法:B)の分析結果を示すグラフ。 DSCによるポリエチレンテレフタレート(処理方法:C)の分析結果を示すグラフ。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
<試験例1>
レイシアH400(ポリ−L−乳酸、三井化学社製)に対して、下記の表1に示す組成のステレオコンプレックス形成促進剤を加え、ステレオコンプレックス形成開始剤である、所謂、マスターバッチ(サンプル1〜8)を調製した。なお、表1中の数値の単位は全て重量%である。
Figure 2008081639
ここで、表1中の各成分は以下のとおりである。
1)セロキサイド2021P;3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル化学工業社製)
2)YDCN700−5;ノボラック型エポキシ樹脂(東都化成社製)
3)リカシッドHT−IA;テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化社製)
4)パーブチルL;t−ブチルパーオキシラウレート(日本油脂社製)
5)パーヘキサ25Z;2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂社製)
次いで、前記マスターバッチ(サンプル1〜8)を、レイシアH400に対して、5重量%となるように添加し、試験片を作製し、得られた試験片を100℃の熱水で2分間処理し、各種の評価試験を行った。結果を表2に示した。なお、表2中のコントロールは、レイシアH400のみから作製した試験片を用いたものである。
Figure 2008081639
なお、各評価項目は以下の方法に準拠して試験を行った。
加重たわみ温度;JIS K 7191
引張強度;JIS K 7161
伸び;JIS K 7113
曲弾性率;JIS K 7171
アイゾット衝撃強度;JIS K 7110
ガラス転移温度;JIS C 6481
サンプル1、3〜8のステレオコンプレックス形成開始剤を添加して得られた試験片のガラス転移温度は、表2に示すとおり、コントロール(レイシアH400のみ)のガラス転移温度より顕著に上昇したことが判明した。
<試験例2>
ポリ−L−乳酸(PLLA)(レイシアH400、三井化学社製)に対して、下記の表3に示すように、各種組成のステレオコンプレックス形成促進剤を加え、ステレオコンプレックス形成開始剤(サンプル9〜11)を調整した。
Figure 2008081639
なお、表3中の成分は以下のとおりである。
6)ニューザイダー;エポキシダイズ油(日本油脂社製)
前記ステレオコンプレックス形成開始剤の各サンプルとポリ−D−乳酸(PDLA)とを、それぞれ5重量%になるようにクロロホルムに溶解したものを混合し、ポリマー溶液を調製した。
得られたポリマー溶液からキャストフィルムを作成し、当該フィルムに対してDSC(Differential Scanning Calorimetry、示差走査熱量分析)及びWAXD(Wide−angle X−ray Diffraction、広角X線回折)による測定を行った。結果を図1及び図2に示した。
図1に示されたDSCによる分析結果から明らかなように、ステレオコンプレックス形成開始剤を添加していないコントロール(PLLA+PDLAのみ)と、サンプル9及びサンプル10のステレオコンプレックス形成開始剤を添加したPDLAには、163℃〜176℃にホモ結晶の融点が観察されるのに対し、サンプル11のステレオコンプレックス形成開始剤を添加したPDLAにはホモ結晶の融点は観察されず、223.9℃にステレオポリマーの結晶に由来する融点のみが観察された。
この事実は、図2に示されたWAXDによる分析結果でも観察された。図2に示すように、ステレオコンプレックス形成開始剤を添加していないコントロール(PLLA+PDLAのみ)と、サンプル9及びサンプル10のステレオコンプレックス形成開始剤を添加したPDLAの結晶には17°付近にホモ結晶の反射ピークが観察されるのに対して、サンプル11のステレオコンプレックス形成開始剤を添加したPDLAには当該ピークは観察されず、12、22、24°付近のステレオコンプレックスのみの反射ピークが観察された。
<試験例3>
表1に記載のサンプル1において、ポリ乳酸(レイシアH400)を表4に示す他の樹脂に替えることにより、樹脂98.4重量%に対し、結晶化促進剤(セロキサイド2012P:無水フタル酸:パーブチルL:パーヘキサ25Z=1:0.3:0.15:0.15(重量比))を2.6重量%添加した樹脂組成物が得られた。これらの樹脂組成物について、DSCにより結晶化温度(Tc)と結晶化エントロピー(ΔH)を測定して、各樹脂に対する前記結晶化促進剤の結晶化促進効果を調べた。結果を表4及び図3〜13に示した。
なお、表4中の処理方法A〜Cは以下の通りである。
A:各樹脂のペレットをそのままDSCにより測定した。
B:結晶化促進剤を添加せずに、各樹脂のペレットを押出し機で融解させたものをDSCにより測定した。
C:各樹脂のペレットに結晶化促進剤を添加した後、押出し機で融解させたものをDSCにより測定した。
また、DSCの測定条件は以下の通りである。
測定装置:ブルカー・エイエックスエス社製 DSC3100SA
窒素流量:30mL/min
標準試料:α−アルミナ
昇温速度:10℃/min
降温速度:5℃/min
Figure 2008081639
試験の結果、ポリエチレンに結晶化促進剤を添加した場合は結晶化促進効果は認められなかった。一方、ポリプロピレンに結晶化促進剤を添加した場合は、Tcが上昇するとともに、結晶化ピークが鋭くなっており、結晶化促進効果が認められた。また、ナイロン11に結晶化促進剤を添加した場合は、Tcが上昇しており、結晶化促進効果が認められた。更に、ポリエチレンテレフタレートに結晶化促進剤を添加した場合は、Tcが上昇するとともに、結晶化ピークが鋭くなっており、結晶化促進効果が認められた。
本発明によって、ポリ乳酸のステレオコンプレックス形成が著しく促進され、耐熱性及び耐衝撃性に優れた乳酸系ポリマーを効率的に製造することができ、生分解性ポリマーである乳酸系ポリマーの製造コストを低減しその普及を図ることができる。特に、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、無水フタル酸、t−ブチルパーオキシラウレート、及び、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンからなるステレオコンプレックス形成促進剤を用いてポリ乳酸を結晶化させた場合に得られる乳酸系ポリマーは、ステレオコンプレックスのみからなり、耐熱性が極めて優れており自己消火性を有するので、発火の危険があるような箇所に好適に使用することができ、また、通常は発火することが想定されていない、例えば電化製品の本体等に使用することによって電池等の不具合に起因する突発的な火災を防ぐこともできる。また、本発明に係るステレオコンプレックス形成促進剤と同様の組成を有する結晶化促進剤は、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の他の高分子の結晶化も促進するので、これらの樹脂成形品の製造に要する時間を短縮することができ、ひいては製造コストを削減することが可能となる。

Claims (10)

  1. 脂肪族環状エポキシ、及び、エポキシ化大豆油からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物、
    無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、及び、無水トリメリット酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸無水物、並びに、
    パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、及び、パーオキシエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機過酸化物を含有することを特徴とするポリ乳酸のステレオコンプレックス形成促進剤。
  2. 前記エポキシ化合物と前記酸無水物との含有比が、重量比において、
    エポキシ化合物:酸無水物=100:10〜40である請求項1記載のポリ乳酸のステレオコンプレックス形成促進剤。
  3. 脂肪族環状エポキシ、無水フタル酸、及び、パーオキシエステルからなる請求項1又は2記載のポリ乳酸のステレオコンプレックス形成促進剤。
  4. 前記脂肪族環状エポキシが、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートであり、
    前記パーオキシエステルが、t−ブチルパーオキシラウレート、及び、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサンである請求項3記載のポリ乳酸のステレオコンプレックス形成促進剤。
  5. 各成分の含有比が、重量比において、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート:無水フタル酸:t−ブチルパーオキシラウレート:2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン=100:25〜35:20〜30:20〜30である請求項4記載のポリ乳酸のステレオコンプレックス形成促進剤。
  6. 脂肪族環状エポキシ、及び、エポキシ化大豆油からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物、
    無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、及び、無水トリメリット酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸無水物、並びに、
    パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、及び、パーオキシエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機過酸化物をポリ乳酸又はポリ乳酸生成前の中間体中に加え、反応させることによって得られるポリ乳酸のステレオコンプレックス形成開始剤。
  7. ポリ乳酸又は前記中間体とエポキシ化合物との重量比が100:0.5〜5である請求項6記載のポリ乳酸のステレオコンプレックス形成開始剤。
  8. 請求項7記載のポリ乳酸のステレオコンプレックス形成開始剤を、1〜10重量%となるように、ポリ乳酸に添加する工程を有することを特徴とする乳酸系ポリマーの製造方法。
  9. 請求項7記載のポリ乳酸のステレオコンプレックス形成開始剤を、1〜10重量%となるように、ポリ乳酸に添加して得られた乳酸系ポリマー。
  10. ポリプロピレン、ポリアミド、又は、ポリエチレンテレフタレートの結晶化を促進するためのものであって、
    脂肪族環状エポキシ、及び、エポキシ化大豆油からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物、
    無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、及び、無水トリメリット酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸無水物、並びに、
    パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、及び、パーオキシエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の有機過酸化物を含有することを特徴とする結晶化促進剤。
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