JPWO2008078403A6 - 電気泳動チップ及びその使用方法 - Google Patents

電気泳動チップ及びその使用方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008078403A6
JPWO2008078403A6 JP2008550959A JP2008550959A JPWO2008078403A6 JP WO2008078403 A6 JPWO2008078403 A6 JP WO2008078403A6 JP 2008550959 A JP2008550959 A JP 2008550959A JP 2008550959 A JP2008550959 A JP 2008550959A JP WO2008078403 A6 JPWO2008078403 A6 JP WO2008078403A6
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
flow path
frame component
electrophoresis chip
electrophoresis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008550959A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008078403A1 (ja
Inventor
渉 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority claimed from PCT/JP2007/001400 external-priority patent/WO2008078403A1/ja
Publication of JPWO2008078403A1 publication Critical patent/JPWO2008078403A1/ja
Publication of JPWO2008078403A6 publication Critical patent/JPWO2008078403A6/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

チップ(400)は、基板(401)と、基板(401)の表面に設けられ、基板(401)に接して設けられている枠部品(402)で構成される。質量分析の対象となる試料を電気泳動するための溝型流路となる、液体試料を保持する流路(102)は、この基板(401)を底面とし、枠部品(402)を側壁とする構成とする。基板(401)と枠部品(402)は、分離可能な構成となっている。

Description

本発明は、質量分析の対象となる試料を電気泳動させて溝型流路中で分離し、質量分析装置で検出する電気泳動チップとその使用方法に関する。
近年、マイクロ流体チップ表面に作製した流路を用いて、試料溶液に含まれるタンパク質等の溶質をキャピラリー電気泳動によって分離して、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析装置(MALDI−MS)を用いてチップ上の流路に沿ってレーザーを走引して溶質をイオン化し、質量分析して検出するシステムの開発が行われている(非特許文献1〜3、特許文献1、2参照)。これらの溝型流路の電気泳動チップを用いたシステムにおいては、流路内で分離した溶質は分離状態を乱さないように乾燥され、分離乾燥した溶質にマトリックスと呼ばれるイオン化促進剤を溶解した溶液を添加して試料と混合した状態のマトリックス結晶を作成した後、質量分析が行われる。従って、キャピラリー電気泳動中、溶質である試料は溶媒に溶けた溶液状態で扱われる。
一方、MALDI−MSに掛ける場合、試料は乾燥しマトリックスと一緒に結晶化している状態となる。これらのシステムでは、溝状で、蓋構造の無い上面開放型、即ち溶媒の蒸発がスムーズに行えるように溶液上面が気体に接している状態の流路を用いるとよい。これにより、電気泳動終了とともに蓋の着脱無く、溶液上面に接している気体を通して試料溶液の溶媒蒸気を排出することにより、容易に溶媒の乾燥ができ、キャピラリー電気泳動中の溶液状態の試料と、MALDI−MSに掛ける場合の乾燥しマトリックスと一緒に結晶化している状態の試料を連続的に取り扱うことが容易であるという特徴を有している。また、電気泳動して試料を流路内で分離した後に、試料分離パターンを乱すことなく一気に流路内溶液を加熱乾燥させたり、あるいは試料分離後直ちに溶液を凍結、分離パターンを固定した後、溶液を凍結乾燥させることも容易である。
一方、通常の、溝型ではない流路、即ち蓋がされた流路内を試料溶液が満たしてしまう流路においては、流路内で試料溶液を乾燥させることは容易ではなく、流路両端から徐々に溶媒を乾燥させる以外にない。従って、試料分離パターンを乱すことなく溶液を乾燥させることも困難である。さらにMALDI−MSによる質量分析時には蓋はレーザーを遮断し、イオン化も阻害するため、取り外す必要もあり、溝型流路の電気泳動チップと異なり質量分析装置と組み合わせることは困難である。
タンパク質等の高分子の質量分析を行う質量分析装置としては飛行時間型の装置が最も一般的に用いられている。この飛行時間型質量分析装置においては、高分子をイオン化し、加速したイオンが検出されるまでの時間を測定することにより、質量を測定する。
K.Tseng et al.,SPIE vol.3606(1999),P.137−148. J.Liu et al.,Analytical Chemistry vol.73,No.9(2001),P.2147−2151 M.Mok et al.,Analyst vol.129(2004),P.109−110 特表2005−517954 特願2004−177574
ここで、図11に非特許文献1〜3、特許文献1、2記載の溝型流路を用いた電気泳動チップを模式的に描いた上面図を、図12に非特許文献1〜3、特許文献1に記載の電気泳動チップの図11に示したA−A’断面を、さらに図13に特許文献2記載の電気泳動チップの場合のA−A’断面を模式的に描いた断面図を示す。
なお、非特許文献1によれば、流路の断面サイズ(深さ×幅)は500μm×500μm、および250μm×250μmである。非特許文献2によれば、流路のサイズは、深さが250μmまたは200μm、幅が250μmまたは150μmで、ダイシングにより作成されている。非特許文献3によれば、直径0.007インチ(約180μm)の白金線をプラスチック基板に押し付けて流路を形成している。特許文献1によれば、直径0.005インチ(約130μm)および直径0.007インチ(約180μm)の白金線をプラスチック基板に押し付けて流路を形成している。
ここで、これら溝型流路を有する電気泳動チップは、チップ上面から流路102やリザーバ103と104を掘り下げることにより、リザーバの液が流路に流れ込んで流路から溶液が溢れ出したりしないようになっている。あるいは非特許文献3記載の技術では塩橋を用いて溶液の流出を抑制したキャピラリーをリザーバ部分に落として電極液を補給し、かつ、流路に電極液が流れ込んで流路が溢れることを防いでいる。このように、本発明では詳しく触れないが、溝型流路チップは連通した液だめ間の高さを揃えたり、あるいは高さが異なる場合には塩橋を挟んだりといった液が溢れることを抑制する構造上の工夫がなされている。
図11に示したチップ100は、基板101上に流路102が作成されている。流路の形状としては十字型や十字型を少し変化させたフォーク形等もあるが、ここでは一例として等電点電気泳動を行う場合に良く用いられる一本流路の直線型の流路を記載した。等電点電気泳動を行う場合にはさらに流路の両端に酸性とアルカリ性の電極液を入れるためのリザーバ103と104が設けられる。
図12に示した非特許文献1〜3、特許文献1に記載の溝型の流路102においては、溝の深さは100μm以上あり、溝側面からの試料の検出器への飛来があるため、質量分析精度の低下を招いていた。このように溝を深くすることにより、キャピラリー電気泳動中の溶媒の乾燥量を流路内全体の溶媒量に対して十分少なく抑え、キャピラリーとしての機能を実現している。一方、特許文献2記載の溝型電気泳動チップでは、溝形の流路102の深さが10μmと十分浅く、質量分析精度の低下は抑制できている。このような浅い溝構造は流路内の特殊な微細構造である柱状構造配列301とチップ周辺の蒸気圧を調整することによって、キャピラリー電気泳動中の溶媒の乾燥を抑え、キャピラリーとしての機能を実現している。
しかしながら、この場合、流路の容量が少ないことから充填できる試料量も少なくなり、最終的に試料の検出感度が低くなってしまっていた。即ち、非特許文献1〜3、特許文献1、2記載の溝型電気泳動チップにおいては、流路の深さを深くすると試料の検出感度は高いが、質量分析精度が低下し、一方、流路の深さを浅くすると質量分析精度は高いが、検出感度が低くなってしまうというトレードオフの関係にある問題点があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、試料の検出感度と質量分析精度の間のトレードオフの関係を解消することができる電気泳動チップが提供される。
本発明によれば、質量分析の対象となる試料を電気泳動させるための溝型流路を備える電気泳動チップであって、流路の底面を形成する基板と、基板上に設けられ、流路の側壁を形成する枠部品と、を含み、枠部品は、前記流路に少なくとも一部の開口部を備え、基板と枠部品は、分離可能であることを特徴とする電気泳動チップが提供される。
また、本発明によれば、質量分析の対象となる試料を電気泳動させるための溝型流路を備える電気泳動チップであって、流路の底面を形成する基板と、基板上に設けられ、流路の側壁を形成する枠部品と、を含み、枠部品は、シリコンポリマー及びアクリルポリマーのいずれかを含むゲル状素材で形成され、基板と枠部品は、分離可能であることを特徴とする電気泳動チップが提供される。
また、本発明の電気泳動チップによれば、質量分析のターゲット板として使用する方法であって、流路に、試料の溶液を注入し、流路に沿って電圧を印加して試料の溶液を流路内で分離し、試料を乾燥させる第一のステップと、レーザー脱離イオン化質量分析装置に設置し、レーザーの照射領域に対して流路の底面を相対的に移動させながらレーザーを照射して試料の質量を検出する第二のステップと、を含み、基板と枠部品を組み合わせて第一のステップを行い、基板から枠部品を取り外して第二のステップを行い、流路が保持する試料の溶液の上面が、気体に接するように第一のステップを行うことを特徴とする電気泳動チップの使用方法が提供される。
本発明によれば、試料の検出感度と質量分析精度の間のトレードオフの関係を解消することができる電気泳動チップが提供される。
第1の実施形態に係る電気泳動チップの構成を模式的に示す上面図である。 図1に記した第1の実施形態に係る電気泳動チップのB−B’断面図である。 第1の実施形態に係る電気泳動チップを模式的に示す斜視図である。 第1の実施形態に係る電気泳動チップのB−B'断面図の変形例である。 第1の実施形態に係る電気泳動チップのB−B'断面図の変形例である。 第2の実施形態に係る電気泳動チップを模式的に示す上面図である。 図6に記した第2の実施形態に係る電気泳動チップのC−C’断面図である。 第2の実施形態に係る電気泳動チップの流路の底面の柱状配列構造を示す図である。 第2の実施形態に係る電気泳動チップの流路の底面の柱状配列構造を示す図である。 第2の実施形態に係る電気泳動チップの流路の底面の柱状配列構造を示す図である。 従来例に係る電気泳動チップの構成を模式的に示す上面図である。 図11に記した従来例に係る電気泳動チップのA−A’断面図である。 図11に記した従来例に係る電気泳動チップのA−A’断面図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、第1の実施形態に係る電気泳動チップの構成を模式的に示す上面図である。また、図2は、図1のB−B’断面図である。本実施形態は、質量分析の対象となる試料を電気泳動させるための溝型流路(チャネル)102を備える電気泳動チップ(以下、チップともいう)400である。チップ400は、流路102の底面を形成する基板401と、基板401上に設けられ、流路の側壁を形成する枠部品402と、を含み、枠部品402は、流路102に少なくとも一部の開口部を備え、基板401と枠部品402は、分離可能である。
具体的には、図1および図2に示したチップ400は、基板401と、基板401の表面に設けられる枠部品402で構成される。流路102は、質量分析の対象となる試料を電気泳動させるための溝型流路となり、基板401が底面を形成し、枠部品402が側壁を形成する構成となっている。また、基板401と枠部品402は、分離可能な構成となっている。第1の実施形態の流路102は、上面全面が開放された構造となっている。
チップ400は、液溜まり構造を有するリザーバ103、104を備える。リザーバ103、104の側壁は枠部品402により形成されており、リザーバの底面は基板401により形成されている。リザーバ103、104は、流路102の両端に備えられている。
チップ400は、印加電圧に対して絶縁耐性を有する電気絶縁体を材料とすることができる。また、枠部品402及び基板401のいずれか一方の少なくとも一部が、他方に対して粘着性を有する材料で構成されていてもよい。粘着性を有する材料は、シリコンポリマー及びアクリルポリマーのいずれかを含むゲル状素材とすることができる。
基板401は、平坦な板状部材とすることができる。たとえば、石英ガラス等のガラス素材とすることができる。また、アクリル等の樹脂基板を用いることもできる。また、表面に酸化膜を形成して親水化するとともに電気絶縁性を確保したシリコン基板等も用いることができる。枠部品402は、基板401に対して粘着性を有する材料で構成することができる。たとえば、PDMS(polydimethylsiloxane)等のシリコンポリマーやアクリルポリマーからなるゲル状素材で構成することができる。また、逆に基板401を、枠部品402に対して粘着性を有する材料で構成することとし、枠部品402を平坦な板状部材で構成することもできる。要するに、枠部品402と基板401の接合面が前記粘着性を有する材料によって密着し、電気泳動時に試料溶液の扱いを可能とし、かつレーザー脱離イオン化質量分析装置に設置する際に枠部品402と基板401が分離可能な構成となっていればよい。
流路102の底面を形成する基板401の面は、親液性であることが好ましい。たとえば、基板材質が親液性を示す材質であっても良い。また、疎液性を示す材質の場合にも、PDMSやガラス等に、プライマーやシランカップリング剤を用いてポリアクリルアミド等の親水性を示すコーティングを施すことができる。これにより、流路102の底面を親液性とするができる。
一方、枠部品402で形成される流路102の側壁は、疎液性であることが好ましい。PDMSは水溶液に対して疎水性を示すため、枠部品402は、たとえばPDMSを材料とすることができる。また、枠部品402は、表面をフッ素樹脂膜でコーティングしてもよい。これにより、流路102の側壁は、高い疎液性を有することとなる。
流路102の底面を形成する基板401の面の最大高低差は、好ましくは、100μm以下、より好ましくは、50μm以下とすることができる。このような最大高低差は、触針式段差計やレーザー顕微鏡により、測定することができる。
基板401及び枠部品402のいずれか一方には、基板401と枠部品402を位置合わせするアライメントマークを備えることができる。例えば、基板401にはアライメントマーク403と404が、枠部品402にはアライメントマーク405、406がそれぞれ設けられている。
アライメントマークは、互いに係合する一対の突起部と孔部であってもよい。この場合、突起部は、枠部品402及び基板401のいずれか一方に備えることができる。また、孔部は、突起部に対応するように他方に備えることができる。
具体的には、アライメントマーク403と405、アライメントマーク404と406は、互いに係合する一対の突起と孔とすることができる。孔は、貫通孔としてもよいし、凹状の孔としてもよい。たとえば、枠部品402に突起状のアライメントマーク405、406を作成した場合、基板401には、貫通孔のアライメントマーク403、404を作成することができる。また、基板401または枠部品402のいずれか一方に、突起状のアライメントマーク403、404を作成し、他方に、凹型のアライメントマーク405,406を作成することもできる。この場合、枠部品402が不透明であっても、基板401が透明な素材であれば、基板裏側から目合せをして基板401と枠部品402を接着することができる。また、突起状のアライメントマーク403と406と、貫通孔又は凹型のアライメントマーク404と405を作成してもよいし、突起状のアライメントマーク404と405と、貫通孔又は凹型のアライメントマーク403と406を作成してもよい。
また、チップ400は、枠部品402及び基板401のいずれか一方が、他方に対して嵌合する構成とすることもできる。すなわち、図3に示すように、チップ400の外形を基準とし、基板401を枠部品402にはめ込む構成とすることができる。また、後述する図5で示すチップ700のように、基板401上に枠を形成し、その枠に対して枠部品402をはめ込む構成としてもよい。
枠部品402の主な用途は流路102の側壁を作成することだが、この側壁の形には、いろいろなバリエーションがある。
たとえば、図4に示すように、チップ600には、枠部品402が形成する流路102の側壁に、テーパーが備えられている。また、図5に示すチップ700のように、流路102の上部にひさしをつけて、かつ、テーパーは、流路102の底面に向かって細くなるようにすることもできる。
図1にもどって、チップ400の使用方法について、以下説明する。この使用方法は、チップ400を質量分析のターゲット板として使用する方法である。流路102に、試料の溶液を注入し、流路102に沿って電圧を印加して試料の溶液を流路102内で分離し、試料を乾燥させる第一のステップと、レーザー脱離イオン化質量分析装置に設置し、レーザーの照射領域に対して流路102の底面を相対的に移動させながらレーザーを照射して試料の質量を検出する第二のステップと、を含む。第一のステップは、基板401と枠部品402を組み合わせて行う。また、第一のステップは、流路102が保持する試料の溶液の上面が、気体に接するように行う。第二のステップは、基板401から枠部品402を取り外して行う。
具体的には、基板401上に枠部品402を設ける。枠部品402は、基板401に対して、溶液の染み出しを抑制できるほど強く密着し、かつ、簡単に分離も可能な状態となっている。このチップ400の流路102内に、質量分析の対象となる試料を溶解した溶液(試料溶液)を注入する。試料溶液としては、例えばペプチドやタンパク質を溶解した水溶液が考えられる。この溶液には、電圧印加により水素イオン濃度勾配を形成するアンフォライトを含ませることができる。流路102は、上面全面が開放された構造となっているので、試料溶液は、気体に接することとなる。
つづいて、酸性とアルカリ性の電極液をリザーバ103、104に導入する。その後、電極液を通じ、流路102に沿って電圧を印加する。一般的にキャピラリー等電点電気泳動で印加される電界強度は、600〜800V/cmである。電圧の印加と同時に電流を計測すれば、電流の減少傾向から等電点電気泳動の終了を決めることができる。このように電気泳動を行うことによって、試料を流路102内で分離し、流路102上面の開放構造を利用し、溶液上面に接する気体を通して溶媒を蒸発させて試料溶液を乾燥させた後、乾燥させた試料にスプレーやディスペンサ、インクジェット式溶液滴下機等を用いてマトリックスと呼ばれるイオン化促進剤の溶液(マトリックス溶液)を添加し、さらに乾燥させる。
その後、枠部品402を取り外して流路102底面を露出させ、MALDI−MSにセットする。そして、レーザーの照射領域に対して流路の底面を移動させながらレーザーを照射し、質量分析を行う。
以下に、本実施形態の効果について図1を用いつつ、説明する。電気泳動チップ400は、質量分析の対象となる試料を電気泳動させるための溝型流路102が、枠部品402と、基板401の少なくとも二つの部品によって構成される。基板401は、流路102の底面を形成し、枠部品402は、流路102の側壁を形成する。したがって、電気泳動を行う際、試料の検出感度に影響を与える流路102の深さは、枠部品402により形成される側壁の高さで決定される。
基板401と枠部品402は、分離可能であり、枠部品402は、電気泳動後に取り外すことができる。そして、枠部品402を取り外した後、基板401のみをレーザー脱離イオン化質量分析装置に設置することにより、質量分析精度に関る流路内の凹凸は、基板上の凹凸のみとなる。
したがって、試料の検出精度に影響する電気泳動に供する試料の量は枠部品402により、質量分析精度は基板上の凹凸により各々独立に決まることとなる。これにより、試料の検出感度と質量分析精度の間のトレードオフの関係を解消することができる。
また、本実施形態の電気泳動チップ400は、流路102の側壁を形成する枠部品402と、流路102の底面を形成する基板401の少なくとも二つの部品を用いて、電気泳動後に取り外し可能な状態で基板401に接して枠部品402を接着することによって構成される。したがって、電気泳動を行う際の試料の検出感度に影響を与える溝型の流路の深さは枠部品402により決まる側壁の高さで決定される。
この側壁の高さに依存する溶液の高さとしては、キャピラリー電気泳動に問題を生じない範囲で高く取れる。例えば、印加する電界強度や流路内溶液の冷却機構等にも依存するが、ジュール熱による溶液の蒸発が十分少ない条件として1mmまで溶液の高さを高く出来る。その後、枠部品402は少なくともレーザー脱離イオン化質量分析装置に設置する前に基板401から取り外される。そして、レーザー脱離イオン化質量分析装置に設置する際には基板401のみのため、質量分析精度に影響を与える流路内の凹凸は、基板401上の凹凸のみで決まり、これは質量分析精度に影響しない程度に十分小さくすることが出来る。
したがって、試料の検出感度は枠部品402により決まり、質量分析精度は基板401により決まるため、試料の検出感度と質量分析精度の間のトレードオフの関係は解消される。即ち、100μm以上の深さの流路を有する従来例の電気泳動チップと比較して、流路幅が同一の場合においても本実施形態の電気泳動チップ400では1mmまで溶液の高さを高く出来る。したがって、溶液量を10倍取れ、その分タンパク質等の検出感度を向上できる。
また、質量分析時にはチップ400では枠部品402が分離された、平坦な基板401のみにすることが出来る。例えば、現状市販のガラス基板を使用すれば基板全体に渡って、±20μmの高低差が保障される。
さらに、エッチング等の加工を基板表面に施し、例えば10〜30μm程度の高低差を有する柱状構造配列等を作成したとしても、その高低差がレーザー照射位置を考慮した範囲内で100μm以下にすることは容易である。
一方、100μmを超えた深さの流路を有する従来例のチップでは、その深さゆえに質量誤差1万分の1以下とすることは難しい。例えば、従来例では流路幅は130、150、180、250、500μmといった流路幅作成の記載がある一方、MALDI―MSのレーザースポットは100μm径程度から、200μm、あるいは大きなものでは700μm径程度である。通常、試料を無駄にすることなく質量分析し、高感度を得るためには、この流路幅にわたって、レーザーが全面に照射されるように、レーザー位置を細かく変えながらレーザー照射して質量分析スペクトルを得る。
なるべく基板の凹凸の影響を少なくするために、内部質量標準を使用してタンパク質等を検出するとした場合においても、レーザースポットの径と流路幅に大きな違いがないため、流路側壁を含む領域にレーザーを照射した場合には、どうしても、イオン発生部位において流路形状に伴う高低差を容易に生じる。したがって、特にレーザースポットの小さい質量分析計を開発でもしない限り、100μmを超えた高低差を容易に生じ、それに伴う質量誤差を小さくすることは出来ない。
また、本実施形態の電気泳動チップ400は、流路102の側壁を形成する枠部品402と、流路102の底面を形成する基板401のいずれか一方の少なくとも一部を、他方に接する表面に対して粘着性を有する材料、例えば、PDMSに代表されるシリコンポリマーやアクリルポリマーを主成分とするゲル状素材とすることができる。このようなゲル状素材は、高い粘着性を有することにより、基板401と枠部品402を強く密着させることができる。したがって、流路102に溶液を保持し、電気泳動時の試料溶液の染み出しを防止することができる。
また、このような粘着性を有する材料を少なくとも枠部品402と基板401の接触面に配置することにより、枠部品402と基板401を接着し、かつ枠部品402を基板401から取り外し可能な構成を実現することができる。
流路102の底面は、疎液性にすると、流路102に溶液を充填した際に気泡が付着して残りやすくなる。したがって、流路102の底面は、親液性を示す構成とすることにより、これを防ぐことができる。
枠部品402で形成される流路102の側壁は、疎液性を示す構成とすることにより、液体を側壁に付着しにくくすることができる。したがって、電気泳動後の溶液の乾燥を加熱乾燥により行う場合、溶質が側壁に多量に付着することを防ぐことができる。
また、PDMSで形成された枠部品402や基板401を形成するガラス表面に例えばポリアクリルアミドの単分子層をコーティングしておく。これにより、電気泳動の際、電気浸透流やタンパク質等の吸着を抑制でき、終点も判定しやすくなる。
また、本実施形態の電気泳動チップ400は、流路底面の最大高低差を100μm以下にすることにより、流路の底面の凹凸に起因する質量分析誤差を低いレベルに抑えることができる。
飛行時間型MALDI−MSを用いたタンパク質等の高分子の質量分析は、レーザーを当てて高分子をイオン化し、加速したイオンを検出するまでの時間を測定することによって行うことができる。このとき、高分子の試料がイオン化する位置が飛行する軸方向にばらついていると、そのばらつきは質量測定の誤差を生じる。
現状の飛行時間型MALDI−MSの場合、イオンの飛行距離は一般的に1m前後であり、質量誤差はほぼ1万分の1のレベルである。つまり、高分子の試料がイオン化する位置のばらつきは、1mの1万分の1、即ちおおよそ100μm以下とする必要がある。
そこで、流路102の底面の最大高低差を100μm以下にすることにより、高分子の試料がイオン化する位置のばらつきを100μm以下にすることができる。これにより、質量分析精度の劣化を防ぐことができる。
さらに、質量分析精度2万分の1に相当する50μm以下とすることにより、他の要素による質量分析精度の劣化もある程度許容できるようになり、質量分析精度の高いチップが実現される。
流路102の底面の最大高低差は小さいほど、高分子の試料がイオン化する位置のばらつきを抑えることができ、精度のよい質量分析が可能となる。したがって、流路の底面の最大高低差は、10μmであっても許容される。
また、本実施形態の電気泳動チップ400は、枠部品402と基板401の位置合わせするアライメントマーク403〜406を備えることにより、枠部品402が形成する流路102の側壁と基板401が形成する流路102の底面を精度よく組み合わせることができる。
基板401上に備えられたアライメントマーク403〜406を利用することにより、電気泳動後に基板401を枠部品402から分離した場合にもアライメントマーク403、404に対する位置関係から流路102の底面を形成していた基板401の領域が分かる。したがって、枠部品402をはずした後に流路102の底面を形成していた基板401の領域に、スプレーやディスペンサ等を用いてマトリックス溶液を添加することができる。
また、基板401上のアライメントマーク403、404を利用することにより、レーザー脱離イオン化質量分析装置に設置した場合においてもレーザー照射位置とレーザーを照射すべき流路の底面の位置合せが可能になり、流路102の底面に沿って質量分析を効率よく行うことができる。
また、枠部品402及び基板401のいずれか一方が、他方に対して嵌合する構成とすることにより、枠部品402と基板401の位置を合わせることができ、枠部品402が形成する流路102の側壁と基板401が形成する流路の底面を精度よく組み合わせることができる。このような構成の場合、流路102のチップ外形に対する位置関係が十分正確に作成できるので、基板401を枠部品402にはめ込む形で流路102やリザーバ103、104の位置を決めることができる。さらにマトリックス添加やMALDI−MSに掛ける際も基板401の外形を基準とすることができる。
上記のような、基板401と枠部品402を組み合わせることを目的とした、突起や、枠部品及び基板のいずれか一方が、他方に対して嵌合する構造は、容易に作成できる利点がある。
また、図4のように、枠部品402が形成する流路102の側壁にテーパーを設けることにより、内部の溶液が流路上面の開放部より飛び出しにくい構造となり、バイオセーフティ上望ましい構造となる。さらに図5に示すように、流路102の上部にひさしをつけることにより、溶液の飛び出しを抑制することができる。さらに、テーパーは逆に流路102の底面に向かって細くなるように配置しているので、電気泳動後に試料溶液を乾燥させる際に試料の濃縮を図ることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6は、流路102と、液溜め構造を有するリザーバ103と104の領域の底面全域を覆うように破線で示した領域に柱状配列構造801を敷き詰めたチップ800の上面図を示す。また、そのC−C’断面図を図7に示す。
チップ800は、流路102の底面を形成する基板401と、基板401上に設けられ、流路102の側壁を形成する枠部品402と、を含み、枠部品402は、流路102に穴802〜804を備え、基板401と枠部品402は、分離可能である。
具体的には、図6および図7に示したチップ800は、基板401と、基板401上に設けられる枠部品402で構成される。流路102は、質量分析の対象となる試料の溶液を電気泳動させるための溝型流路となり、基板401を底面とし、枠部品402を側壁とする構成となっている。基板401と枠部品402は、分離可能な構成となっている。
また、本実施形態の電気泳動チップは、チップ800の外形を基準とし、基板401に枠部品402をはめ込む構成となっている。そして、枠部品402においては、各々点線で示した領域に下に空いた凹構造となっており、流路102とリザーバ103と104が作成されている。また、枠部品402の凹構造は、各々隔壁805と806で仕切られている。また、枠部品402には、流路102とリザーバ103と104の各領域に通じる穴802と803と804が設けられており、それぞれの穴は、枠部品402上部に貫通して空いている。
基板401は、平坦な板状部材とする。たとえば、石英ガラスとする。また、アクリル等の樹脂基板を用いてもよい。また、表面に酸化膜を形成して親水化するとともに電気絶縁性を確保したシリコン基板等も用いることができる。枠部品402の素材には、基板401に対して粘着性を有する材料を用いることができ、たとえば、PDMS等のゲル状素材や、シリコンゴムを用いることができる。また、逆に基板401をゲル状素材とし、枠部品402を平坦な板状部材で構成することもできる。要するに、枠部品402と基板401の接合面が密着し、かつ分離可能な構成となっていればよい。
流路102の底面を形成する基板401の面は、親液性であることが好ましい。たとえば、PDMSやガラス等に、プライマーやシランカップリング剤を用いてポリアクリルアミド等の親水性を示すコーティングを施すことができる。これにより、流路102の底面を親液性とすることができる。
一方、枠部品402で形成される流路102の側壁は、疎液性であることが好ましい。PDMSは水溶液に対して疎水性を示すため、枠部品402は、たとえばPDMSを材料とすることができる。また、枠部品402は、表面をフッ素樹脂膜でコーティングしてもよい。これにより、流路102の側壁は、高い疎水性を有することとなる。
チップ800は、流路102に隣接するリザーバ103、104を備え、枠部品402は、リザーバ103、104の側壁を形成し、基板401は、リザーバ103、104の底面を形成し、リザーバ103、104と流路102は、柱状体の配列(柱状配列構造801)によって連通する。
流路102の底面の最大高低差が100μm以下とすることができる。図6の破線で示した領域には、柱状配列構造801が形成されている。柱状配列構造801は、流路102の底面に複数の柱状体を配列させることによって形成される。柱状体は、最大高低差が100μm以下、さらに望ましくは50μm以下、さらに望ましくは10〜30μmとなるように配列することができる。柱状体は、大きさ及び形状がそれぞれ異なる柱状体を含むことができる。また、柱状体は、異なる密度で配列させることもできる。柱状配列構造801は、親水性を示す構成とすることができる。
チップ800には、流路102に隣接する液溜め構造となるリザーバ103、104が備えられている。枠部品402は、リザーバ103、104の側壁を形成し、基板401は、リザーバ103、104の底面を形成する。そして、リザーバ103、104と流路102は、柱状配列構造801によって連通していることとなる。
つづいて、チップ800の使用方法について、以下説明する。基板401上に枠部品402を設ける。枠部品402は、基板401に対して、溶液の染み出しを抑制できるほど強く接着し、かつ、簡単に剥離も可能な状態となっている。このチップ800の流路102内に試料溶液807を注入する。
試料溶液807としては、たとえばペプチドやタンパク質を溶解した水溶液が考えられる。この溶液中には、電圧印加により水素イオン濃度勾配を形成するアンフォライトを含ませることができる。流路102とリザーバ103と104に充填される試料溶液807や電極液は各々穴802と803と804を通して入れることができる。また、枠部品402がPDMS等ゲル状素材で作成されていれば、上部から注射器を突き刺して入れることもできる。注射器を用いて試料を導入する場合、注射針を流路102上部より貫通させて差し込んで行う。
後述するように、柱状配列構造801を形成した領域を、水滴が形成されないほど超親水性とすることにより、注射器により導入した試料溶液807は、柱状配列構造801を形成した領域をどこまでも広がる状態になる。その結果、枠部品の隔壁805と806の下部にもしみこみ、リザーバ103と104の底面まで広がり、電極液との接触が可能になる。
しかしながら、隔壁805と806により、柱状配列構造801により形成されるボトルネックによって、流路102内の試料溶液とリザーバ103と104内の電極液の混合できる領域は限定され、試料溶液807と電極液との混合は抑制される。即ち、隔壁805と806と、柱状配列構造801により塩橋に似た効果を実現できる。
このとき、試料溶液807の上面は、開放構造が取られており、試料溶液807の上面は気体に接することとなる。酸性とアルカリ性の電極液の導入は、同様に注射器を用いて行い、リザーバ103と104上部より注射針を流路102の上面から差し込み、貫通させて注入する。その後、電極液を通じ、流路102に沿って電圧を印加する。一般的にキャピラリー等電点電気泳動で印加される電界強度は、600〜800V/cmである。電圧の印加と同時に電流を計測すれば、電流の減少傾向から等電点電気泳動の終了を決めることができる。
このように、電気泳動を行って試料を流路102内で分離させた後、流路102が保持する試料溶液807の上面に接する気体を通して溶媒を蒸発させて試料を乾燥する。そして、マトリックス溶液を添加して、さらに乾燥させる。
その後枠部品402をはずして流路の底面を露出し、MALDI−MSに設置し、レーザーの照射領域に対して流路102の底面を移動させながらレーザーを照射し、質量分析を行ってタンパク質やペプチド等のプロファイルを得る。
以下に、本実施形態の効果について図6を用いて説明する。
枠部品402には、粘着性を有する材料、例えばPDMS等のゲル状素材を用いることができる。PDMSは平坦なガラス面に粘着力を持っている。したがって、枠部品402をPDMSで作成し、基板401を平坦なガラス板とすることにより、基板401と枠部品402を強く接着することができる。これにより、溶液の染み出しを抑制できる。また、簡単に分離することも可能である。
流路102の底面は、疎液性にすると、流路102に溶液を充填した際に気泡が付着して残りやすくなる。したがって、流路102の底面は、親液性を示す構成とすることにより、これを防ぐことができる。
枠部品402で形成される流路102の側壁は、疎液性を示す構成とすることにより、液体を側壁に付着しにくくすることができる。したがって、電気泳動後の溶液の乾燥を加熱乾燥により行う場合、溶質が側壁に多量に付着することを防ぐことができる。
また、PDMSで形成された枠部品402や基板401を形成するガラス表面に例えばポリアクリルアミドの単分子層をコーティングしておく。これにより、電気泳動の際、電気浸透流やタンパク質等の吸着を抑制でき、終点も判定しやすくなる。
本実施形態の電気泳動チップは、チップ800の外形を基準とし、基板401に枠部品402をはめ込む構成となっている。これにより、枠部品402と基板401の位置を合わせることができ、枠部品402が形成する流路102の側壁と、基板401が形成する流路102の底面を精度よく組み合わせることができる。
このような構成の場合、流路102のチップ800の外形に対する位置関係を十分正確にできるので、基板401を枠部品402にはめ込むだけで、流路102やリザーバ103、104の位置が正確に定まることとなる。さらに、マトリックス添加やMALDI−MSに設置する際も基板の外形を基準とすることができる。
また、本実施形態の基板401には、流路102の底面に柱状配列構造801が備えられている。これにより、枠部品402が形成する流路102の穴802、803、804を柱状配列構造801に合わせて、枠部品402と基板401の位置を合わせることができ、枠部品402が形成する流路102の側壁と基板401が形成する流路102の底面を精度よく組み合わせることが可能となる。
つまり、柱状配列構造801は、枠部品402と基板401を位置合わせするアライメントマークとなる。また、流路102の領域が柱状配列構造801で判別できるため、レーザー脱離イオン化質量分析装置に設置した場合においてもレーザー照射位置とレーザーを照射すべき流路201の底面の位置合せが可能になり、流路102に沿って質量分析を効率よく行うことができる。
本実施形態の枠部品402は、上面開放構造の一例として穴802〜804を備えていてもよい。穴802〜804は、流路102に試料を注入することができるほか、穴802〜804を通して、電気泳動後に流路やリザーバを排気して低圧状態にすることができる。これにより乾燥速度を速めることができる。
一方、穴は電気泳動時、チューブを引き出した後バルブで開閉可能にもできるし、あるいはテープを貼ってふさいでおくこともできる。これにより、電気泳動時の溶媒乾燥を防止することができる。ここで、溶液上面の気体が占める空間を小さくすると、蒸気圧が高まりやすくなり、不用意な溶液の乾燥を抑制できる。なお、この枠部品に設けられる流路に貫通する穴は、枠部品の上面にだけではなく、溶液の上面より位置が上ならば側壁から貫通していても良い。
本実施形態の基板401には、流路102の底面となる領域に柱状配列構造801が形成されている。これにより、流路102内の表面積を増加させることができる。流路102の底面の表面を親液性にしておけば表面積増倍効果により親液性が強くなり、柱状配列構造801に沿った溶液のスムーズな導入や安定保持が可能となる。
また、電気泳動後、凍結乾燥等で試料を乾燥させる場合であって、試料が細かなパウダー状になる場合においても、柱状配列構造801があると吹き飛びにくくすることができる。
また、この柱状配列構造801により基板401と溶液の接触面が増加し、電気泳動時の溶液のジュール加熱を抑制できる。従って、より多くの試料溶液を電気泳動できたり、印加電圧を高く設定して短い時間で電気泳動できるようにしたり、タンパク質やペプチドのよりシャープな等電点へのフォーカスを実現できる。
本実施形態の枠部品402には、流路102とリザーバ103、104を仕切る隔壁805、806が形成されている。一方、流路102の底面には柱状配列構造801が備えられているので、基板401の表面には、凹凸が形成されることとなる。したがって、基板401と枠部品402を組み合わせると、基板401に形成された浅い溝を通じて流路102とリザーバ103、104は連通することとなり、電極液を通して試料溶液に電圧を印加でき、電気泳動が可能になる。
一方、柱状体の配列により、流路102とリザーバ103、104は、微細な間隙を通じて連結することとなり、リザーバ103、104と流路102との間の溶液混合は抑制される。したがって、電極液と試料溶液の接点の再現性が向上し、電気泳動の再現性も向上する。
なお、この微細間隙部分は抵抗が高いためジュール加熱しやすいが、一方で柱状配列構造801により基板401と溶液の接触面が増加しており、過度の温度上昇が抑制されている。
流路102の底面に形成した柱状配列構造801の最大高低差は、100μm以下にすることにより、質量分析誤差を低いレベルに抑えることができる。
飛行時間型MALDI−MSを用いてタンパク質等の高分子の質量分析を行う場合、レーザーを当てて高分子をイオン化し、加速したイオンを検出するまでの時間を測定することにより、質量を測定する。このとき、高分子の試料がイオン化する位置が飛行する軸方向にばらついていると、そのばらつきは質量測定の誤差を生じる。
現状の飛行時間型MALDI−MSの場合、イオンの飛行距離は一般的に1m前後であり、質量誤差はほぼ1万分の1のレベルである。つまり、高分子の試料がイオン化する位置のばらつきは、1mの1万分の1、即ちおおよそ100μm以下とする必要がある。
そこで、柱状配列構造801を100μm以下にすることにより、高分子の試料がイオン化する位置のばらつきを100μm以下にすることができ、質量分析精度の高いチップが実現される。
また、流路102の底面に形成した柱状配列構造801の最大高低差は、考慮すべき水滴サイズと同一、できれば水滴サイズの10分の1以下に小さくする。例えば、考慮すべき水滴サイズが10μmである場合、μmオーダーの柱状配列構造801を形成する。平坦部分の接触角60度以下の基板の表面積をこの柱状配列構造801の形成で2倍以上に増倍すると、ウェンゼンルの式から予測されるとおり柱状配列構造801の領域は超親水性を示し、水滴を作成せず、どこまでも広がる状態になる。
さらに、この柱状配列構造801の領域の表面に親水性の材料を用いれば、柱状配列構造801の領域の表面積増倍効果によって極めて強い親水性や超親水性を示すことが可能になる。
柱状配列構造801が形成されている領域が超親水性を示すとすると、流路102に導入した試料溶液はこの領域に従って広がることとなる。その結果、枠部品402の隔壁805、806の下部にもしみこみ、リザーバ103、104の底面まで広がり、電極液との接触が可能になる。この場合、流路内の溶液上面が柱状配列構造801の高さより高くても親疎液性による表面張力や柱状配列構造801と溶液との摩擦により、柱状配列構造801を濡らす程度にしかリザーバ103、104に液が入ってこないようにできる。
一方、隔壁805、806は、電極液リザーバ103、104と試料用流路102との間の溶液混合を抑制するボトルネック構造となっている。したがって、電極液が薄まったり、試料液側に電極液が多量に入ってきたりといったことが起こりにくくなる。そして、等電点電気泳動の再現性を向上させることができる。
柱状配列構造801は、柱状体の大きさや形状を変えて配置させて形成することができる。また、柱状配列構造801は、柱状体を異なる密度で配置させることにより形成することもできる。これにより、電気泳動後、試料溶液を加熱乾燥させる場合、溶液を局所的に集めたり、分断したりしながら乾燥させることができる。
たとえば、柱状体を均一に配列させて柱状配列構造801を形成すれば、均一に溶液が保持されて液滴を形成せずに乾燥させることができる。また、積極的に密度や形状を局所的に変化させて配置することにより、溶液を局所的に集めたり、分断したりしながら乾燥させることができる。これにより、溶液を集めることによる試料濃縮や、レーザー照射位置毎に溶液を乾燥開始早期に分断して試料分離パターンの保持を行うことができる。
さらに、流路102の底面の柱状配列構造801は、マトリックスを試料に添加する際にも利用できる。このマトリックスは、通常、溶媒に溶解した溶液状態で添加し、試料とマトリックス溶液を混ぜて乾燥することにより、試料と混合した状態のマトリックス結晶を作成させる。この溶液添加の際にも、均一な柱状配列構造であれば、均一に溶液が保持されて液滴を形成せずに乾燥し、流路内に均一に結晶ができることによって、測定の均一性、再現性、感度等の向上が実現できる。さらに積極的に柱状配列構造の密度や形状を局所的に変化させて配置することにより、溶液を局所的に集めたり、分断したりしながら乾燥できる。これにより、溶液を集めることによる試料濃縮や、レーザー照射位置毎に溶液を乾燥開始早期に分断して試料分離パターンの保持を行うことができる。
例として、図8から図10に流路内に試作した柱状配列構造810をチップ上面から写した走査電子顕微鏡写真を示す。図8の例の場合、柱状配列構造810の配列が疎となる部分が作成されている。ここで、水滴が切れる。一方、図9の例の場合、柱状配列構造810が密となる部分が作成されている。溶液を乾燥する際には、この密な部分に水滴が集まってきて乾燥するため、溶質もこの部分に濃縮される。この図8と図9の効果を併せ持つのが図10の例である。溶液が乾燥してきて水滴が形成される場合、柱状配列構造810が疎な部分で水滴が切れる。一方切れた水滴は密な部分に集まって乾燥していき、密な部分に溶質が析出する。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、本実施形態では、基板を平坦な板状部材とし、枠部品をゲル状素材としたが、逆に基板をゲル状素材とし、枠部品を平坦な板状部材としてもよい。また、基板及び枠部品の全体がこれらの材料で形成されている必要はなく、基板と枠部品の接合面が密着し、かつ分離できる構成となっていればよい。
また、流路の上面は、全面が開放された構成であってもよいし、全面が閉じていてもよい。また、流路の上面が閉じた状態である場合、開口部が設けられていてもよい。流路の上面が閉じている場合においても、図7のように溶液上面は気体に接するようになっており、溝型流路を形成できる。なお、流路の上面が全面閉じている場合にはシリンジを突き刺して溶液中を行ったり、あるいはニードルを突き刺して、溶液上面の気体を吸引して溶媒を乾燥させたりすることができる。
また、本実施形態では、枠部品及び前記基板のいずれか一方が、他方に対して嵌合する構成として、基板又は枠部品のいずれか一方に枠を形成し、その枠に対して他方をはめ込む構成を示したが、基板と枠部品のいずれか一方の表面に側壁を設け、他方を流路の底面に対して水平にスライドさせて嵌合する構成としてもよい。
また、本実施形態では、流路の底面に柱状配列構造を作成する構成を示したが、質量分析精度を劣化させない範囲内、すなわち、流路の最大高低差が100μm以下であれば、さまざまな構造をとることができる。また、このような柱状配列構造は、流路の側壁に作成してもよい。
また、本実施形態の溝型流路を有する電気泳動チップは、溶液のたまる部分以外は疎液性にして表面張力で液が溢れることを抑制してもよい。
また、本実施形態では、等電点電気泳動による使用方法を示したが、ゾーン電気泳動等、他の電気泳動法に使用してもよい。
また、電気泳動後の試料溶液の乾燥方法は、溶媒を蒸発させることができる方法であれば、どのような方法であってもよい。たとえば、底面に溶質を析出するためには加熱乾燥が望ましいし、凍結乾燥等も採用してもよい。電気泳動後に試料溶液を急速凍結して凍結乾燥すれば、流路内で分離した試料のパターンを乱すことなく、乾燥した状態の試料を得られる。
また、本実施形態では、マトリックス溶液を添加時は、枠部品を付けたままにし、MALDI−MSによる質量分析の際、枠部品をはずす方法を示したが、枠部品は、マトリックス添加時にはずしてもよい。例えば乾燥方法によっては、枠部品で構成される流路側壁に多くの試料が付着してしまう。このように付着した試料をマトリックス溶液で溶解したり、流したりして底面に落とすことが出来る。
また、本実施形態では、MALDI−MSによる質量分析の際、レーザーの照射領域に対して流路の底面を移動させる構成となっているが、流路の底面に対し、レーザーの照射領域を移動させる構成となっていてもよい。
また、本発明は以下の構成を採用することもできる。
(1)試料を溶解した溶液を満たしたチャネルに沿って電圧を印加して電気泳動し、試料をチャネル内で分離する電気泳動チップにおいて、チャネルは少なくとも電気泳動を行う際に溶液上面が気体に接する開放構造を採った電気泳動チップであって、少なくとも電気泳動を行う際には、チップは、印加電圧に対して絶縁耐性を有する電気絶縁体を材料とした、チャネルの側壁を主に形成する枠部品とチャネル底面を形成する基板の少なくとも二つの部品から構成され、且つ枠部品は基板に接して基板上に、電気泳動後に枠部品は基板から取り外し可能な状態で接着されており、さらにチャネル内で試料を分離後、溶液を乾燥させ、イオン化促進剤を試料に添加した後にレーザー脱離イオン化質量分析装置に設置してレーザーをチャネル底面に沿って走引して試料の質量を検出するチップであって、少なくともレーザー脱離イオン化質量分析装置に設置する前に枠部品は基板から取り外され、少なくともレーザー脱離イオン化質量分析装置に設置する際には基板のみから構成されることを特徴とする電気泳動チップ。
(2)(1)に記載の電気泳動チップにおいて、枠部品は基板から取り外し可能な状態で接着する構成として、枠部品とチャネル底面を形成する基板の少なくともどちらか一方の部品が他方の部品に接する表面は溶液の染み出しを防止できる粘着性を、他方の部品の接する表面に対して有する材料で構成されていることを特徴とする電気泳動チップ。
(3)(2)に記載の粘着性を有する材料が、シリコンポリマー、アクリルポリマーを主成分とするゲル状素材であることを特徴とする電気泳動チップ。
(4)(1)の電気泳動チップにおいて、基板のみから構成される該チップをレーザー脱離イオン化質量分析装置に設置してレーザーをチャネル底面に沿って走引して試料を検出する際に、該レーザーの照射される該チャネル底面の凹凸が少なくとも100ミクロン未満であることを特徴とする電気泳動チップ。
(5)(1)記載の枠部品と基板は、枠部品が主に形成するチャネル側壁と基板のチャネル底面とが位置合せでき、且つ基板のみをレーザー脱離イオン化質量分析装置に設置した場合においてもレーザー照射位置とレーザーを照射すべきチャネル底面の位置合せが可能になるような、アライメントを可能とする機構を備えていることを特徴とする電気泳動チップ。
(6)(5)記載のアライメントを可能とする機構として、少なくとも枠部品か基板にアライメントマークが設けられていることを特徴とする電気泳動チップ。
(7)(5)記載のアライメントを可能とする機構として、少なくとも枠部品か基板のどちらか一方の部品に他方の部品が突き当たるアライメント用の段差構造が設けられていることを特徴とする電気泳動チップ。
(8)(1)記載の基板において、少なくとも基板のチャネル底面に当たる領域に柱状構造の配列が設けられていることを特徴とする電気泳動チップ。

Claims (14)

  1. 質量分析の対象となる試料を電気泳動させるための溝型流路を備える電気泳動チップであって、
    前記流路の底面を形成する基板と、
    前記基板上に設けられ、前記流路の側壁を形成する枠部品と、を含み、
    前記枠部品は、前記流路に少なくとも一部の開口部を備え、
    前記基板と前記枠部品は、分離可能であることを特徴とする電気泳動チップ。
  2. 請求項1に記載の電気泳動チップにおいて、
    前記枠部品及び前記基板のいずれか一方の少なくとも一部が、他方に対して粘着性を有する材料で構成されていることを特徴とする電気泳動チップ。
  3. 請求項2に記載の電気泳動チップにおいて、前記粘着性を有する材料が、シリコンポリマー及びアクリルポリマーのいずれかを含むゲル状素材であることを特徴とする電気泳動チップ。
  4. 質量分析の対象となる試料を電気泳動させるための溝型流路を備える電気泳動チップであって、
    前記流路の底面を形成する基板と、
    前記基板上に設けられ、前記流路の側壁を形成する枠部品と、
    を含み、
    前記枠部品は、シリコンポリマー及びアクリルポリマーのいずれかを含むゲル状素材で形成され、
    前記基板と前記枠部品は、分離可能であることを特徴とする電気泳動チップ。
  5. 請求項1乃至4いずれかに記載の電気泳動チップにおいて、
    前記枠部品及び前記基板のいずれか一方は、前記枠部品と前記基板を位置合わせするアライメントマークを備えることを特徴とする電気泳動チップ。
  6. 請求項5に記載の電気泳動チップにおいて、
    前記アライメントマークは、互いに係合する一対の突起部と孔部であり、
    前記突起部は、前記枠部品及び前記基板のいずれか一方に備えられ、
    前記孔部は、前記突起部に対応するように他方に備えられることを特徴とする電気泳動チップ。
  7. 請求項1乃至4いずれかに記載の電気泳動チップにおいて、
    前記枠部品及び前記基板のいずれか一方が、他方に対して嵌合することを特徴とする電気泳動チップ。
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載の電気泳動チップにおいて、
    前記流路の側壁が、テーパー部を有することを特徴とする電気泳動チップ。
  9. 請求項1乃至8いずれかに記載の電気泳動チップにおいて、
    前記基板は、少なくとも前記流路の底面に複数の柱状体を備えることを特徴とする電気泳動チップ。
  10. 請求項9に記載の電気泳動チップは、前記流路に隣接する液溜め構造を備え、
    前記枠部品は、前記液溜め構造の側壁を形成し、
    前記基板は、前記液溜め構造の底面を形成し、
    前記液溜め構造と前記流路は、前記柱状体の配列によって連通することを特徴とする電気泳動チップ。
  11. 請求項9または10に記載の電気泳動チップにおいて、
    前記柱状体は、大きさ及び形状のいずれかが異なる柱状体を含むことを特徴とする電気泳動チップ。
  12. 請求項9乃至11いずれかに記載の電気泳動チップにおいて、
    前記柱状体は、異なる密度で配列されることを特徴とする電気泳動チップ。
  13. 請求項1乃至12いずれかに記載の電気泳動チップにおいて、
    前記流路の底面の最大高低差が100μm以下であることを特徴とする電気泳動チップ。
  14. 請求項1乃至13いずれかに記載の電気泳動チップを質量分析のターゲット板として使用する方法であって、
    前記流路に、前記試料の溶液を注入し、
    前記流路に沿って電圧を印加して前記試料の溶液を前記流路内で分離し、
    前記試料を乾燥させる第一のステップと、
    レーザー脱離イオン化質量分析装置に設置し、レーザーの照射領域に対して前記流路の底面を相対的に移動させながらレーザーを照射して前記試料の質量を検出する第二のステップと、
    を含み、
    前記基板と前記枠部品を組み合わせて前記第一のステップを行い、
    前記基板から前記枠部品を取り外して前記第二のステップを行い、
    前記流路が保持する前記試料の溶液の上面が、気体に接するように前記第一のステップを行うことを特徴とする電気泳動チップの使用方法。
JP2008550959A 2006-12-26 2007-12-14 電気泳動チップ及びその使用方法 Withdrawn JPWO2008078403A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006350184 2006-12-26
JP2006350184 2006-12-26
PCT/JP2007/001400 WO2008078403A1 (ja) 2006-12-26 2007-12-14 電気泳動チップ及びその使用方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008078403A1 JPWO2008078403A1 (ja) 2010-04-15
JPWO2008078403A6 true JPWO2008078403A6 (ja) 2010-04-15

Family

ID=39562200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008550959A Withdrawn JPWO2008078403A1 (ja) 2006-12-26 2007-12-14 電気泳動チップ及びその使用方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20100108512A1 (ja)
JP (1) JPWO2008078403A1 (ja)
WO (1) WO2008078403A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4798183B2 (ja) * 2008-08-04 2011-10-19 日本電気株式会社 電気泳動チップ
JP2010071820A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Nec Corp マイクロ流体チップ及び分析方法
KR20140048728A (ko) * 2012-10-16 2014-04-24 삼성디스플레이 주식회사 광학 시트 및 이를 포함하는 백라이트 어셈블리
WO2017119082A1 (ja) * 2016-01-06 2017-07-13 新電元工業株式会社 半導体デバイスの載置台及び車載装置
WO2017119083A1 (ja) 2016-01-06 2017-07-13 新電元工業株式会社 半導体デバイスの載置台及び車載装置
US9795718B1 (en) * 2016-08-05 2017-10-24 International Business Machines Corporation Biocompatible devices with dissolvable substrates and methods of forming the same

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5795457A (en) * 1990-01-30 1998-08-18 British Technology Group Ltd. Manipulation of solid, semi-solid or liquid materials
JP3847414B2 (ja) * 1997-05-22 2006-11-22 オリンパス株式会社 電気泳動装置
JP3743542B2 (ja) * 1997-08-27 2006-02-08 日立化成工業株式会社 微細中空管路付き成形品の製造方法
JP4178654B2 (ja) * 1999-02-26 2008-11-12 日立化成工業株式会社 電気泳動用チップとその製造方法、該電気泳動用チップを用いた電気泳動装置及び荷電性物質の分離方法
US6533914B1 (en) * 1999-07-08 2003-03-18 Shaorong Liu Microfabricated injector and capillary array assembly for high-resolution and high throughput separation
WO2002023180A1 (fr) * 2000-09-18 2002-03-21 Hitachi, Ltd. Extracteur et analyseur chimique
JP2004069430A (ja) * 2002-08-05 2004-03-04 Mitsubishi Kagaku Iatron Inc 電気泳動用チップ、その製造方法、及び物質の分離方法
JP4075765B2 (ja) * 2002-10-30 2008-04-16 日本電気株式会社 分離装置およびその製造方法、ならびに分析システム
DE10252177A1 (de) * 2002-11-09 2004-06-09 Roche Diagnostics Gmbh Trennvorrichtung und Trennverfahren für biomolekulares Probenmaterial
JP2005055320A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Pentax Corp 電気泳動チップ
JP4312029B2 (ja) * 2003-11-04 2009-08-12 オリンパス株式会社 微小流路素子
US20080023331A1 (en) * 2004-06-15 2008-01-31 Nec Corporation Electrophoretic Chip, Electrophoretic Device and Electrophoresis Method
WO2006126487A1 (ja) * 2005-05-23 2006-11-30 Cybox Co., Ltd マイクロチップ及びマイクロチップの製造方法
JP4900247B2 (ja) * 2005-12-14 2012-03-21 日本電気株式会社 マイクロチップおよびこれを用いた分析方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2008078403A6 (ja) 電気泳動チップ及びその使用方法
JPWO2008078403A1 (ja) 電気泳動チップ及びその使用方法
JP4415941B2 (ja) チップとそのチップを用いた装置およびその使用方法
US7265348B2 (en) Apparatus for dispensing a sample in electrospray mass spectrometers
US20060192107A1 (en) Methods and apparatus for porous membrane electrospray and multiplexed coupling of microfluidic systems with mass spectrometry
JP4900245B2 (ja) マイクロチップおよびその使用方法、ならびに質量分析システム
JP4074921B2 (ja) 質量分析システムおよび分析方法
US5580434A (en) Interface apparatus for capillary electrophoresis to a matrix-assisted-laser-desorption-ionization mass spectrometer
US20080023331A1 (en) Electrophoretic Chip, Electrophoretic Device and Electrophoresis Method
JP4900247B2 (ja) マイクロチップおよびこれを用いた分析方法
WO2004051253A1 (ja) 質量分析用チップおよびこれを用いたレーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置、質量分析システム
US8851120B2 (en) Fluid handling apparatus and fluid handling system
US7879215B2 (en) Electrophoresis chip
JP4687920B2 (ja) バイオ分析用の蓋シール付きマイクロチップの自動サンプル処理方法、及び自動サンプル処理装置
US20100065427A1 (en) Microfluidic chip and analytical method
US7829847B2 (en) Electrospray emitter and method of using same
US20090301227A1 (en) Liquid Contact Structure, Structure for Controlling Movement of Liquid and Method of Controlling Movement of Liquid
US9120098B2 (en) Fluid handling device and fluid handling system
US20190270255A1 (en) Ultrasonic welding of a microfluidic device
US8997787B2 (en) Fluid handling apparatus and fluid handling system
JP2009156763A (ja) マイクロチップおよびこれを用いた分析方法
JP3099866U (ja) スポット用デバイス