JP3099866U - スポット用デバイス - Google Patents

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福田 宏之
進藤 真由美
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Abstract

【課題】MALDI法において、試料液およびマトリックス液を混合し、プレート上に滴下するのに効率よく行なうことができるスポット用デバイスを提供する。
【解決手段】2本のキャピラリー11,12を略平行に配置し、両キャピラリーの排液側の端部13が一体となるように撥水性樹脂で被覆した、2液滴下用並行型スポット用デバイスに関し、撥水性樹脂の水に対する接触角が80度以上、n−ヘキサデカンに対する接触角が30度以上である、前記並行型スポット用デバイス等に関する。
【選択図】  図1

Description

 本考案は、プレート上に2種の液体を同時に混合しつつ滴下するのに適した、スポット用デバイスに関し、より具体的には、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(matrix-assisted laser desorption/ionization:MALDI)法に用いるプレート上に、試料液とマトリックス液とを混合しながら、再現性良く均一に滴下するための技術に関する。
 蛋白質、ペプチドなどの生体関連物質の質量分析は、蛋白質の迅速な同定を可能にすることから益々その重要性が増している。一般に質量分析には試料をイオン化して、その質量を測定する方法が採用されているが、その典型例としてはマトリックス支援レーザー脱離イオン化法が挙げられる。
 マトリックス支援レーザー脱離イオン化(matrix-assisted laser desorption/ionization: MALDI)技術は、試料をイオン化する方法の一種であり、例えばM. Karas and F. Hillenkamp, Anal. Chem. 60, 2299(1988)に記載されているが、一般的には次のような原理に基づいている。
 まず、レーザー光を吸収する低分子化合物(マトリックス化合物)と試料(蛋白質、ペプチド、核酸、糖鎖など)とを試料塗布板(プレート)上に塗布、乾燥して結晶化した後、これにレーザー光(一般には窒素レーザー、波長:337 nm)を照射する。マトリックス化合物は、レーザー光を効率よく吸収するので、レーザー照射時にマトリックス分子は励起され試料分子と共に気化される。励起、気化されたマトリックス化合物と試料とのプロトンの授受があり、高電圧をかけた電場においてイオンとなった分子は加速され分析計へ導かれる。
 MALDI法によるイオン化法は、通常、飛行時間型質量分析計と組み合わせて用いられるが、とりわけ複雑な構造を有する生体関連高分子(蛋白質、ペプチド、核酸、糖鎖など)の質量分析に汎用されていることから、微量の試料を用いて効率よく、より高精度に質量分析する必要がある。そしてそのためには、試料とマトリックス化合物を混合するとともに、適切にプレート上に滴下する必要がある。また、プレート上に多数のスポットを用意することによって、測定の反復、各フラクション内の試料の連続的な解析が可能となるため、試料とマトリックス化合物の混合物のプレート上への滴下も連続的に行なう必要がある。
 しかしながら、従来のコネクタ型スポット用デバイス(図2)および二層型スポット用デバイス(図3)は、液滴を連続的にプレート上に滴下するには、それぞれ次のような欠点があり、満足できるものではなかった。
 図2に示す従来のコネクタ型デバイスは、試料液用キャピラリー21とマトリックス液用キャピラリー22とをコネクタ23をもって連結している。両キャピラリーから排出された2液は、コネクタ23内で密閉的に混合され、コネクタ23の先端に設けられた排液部24より排出されることによって、プレート上に滴下される。しかし、このコネクタ型デバイスは、高濃度の混合液(試料液およびマトリックス液)として混合される前記コネクタ内において、該混合液が相変化をきたし、各成分が析出して前記排液部24が詰まるなど、液滴を連続的にプレート上に滴下するのに支障があった。また、排液部24から排出された液が該廃液部外側周辺で、液溜り25になり、それが乾燥して試料が析出するなどの問題もあった。
 一方、図3に示す従来の二層型デバイスは、試料を供給するための試料用キャピラリー31と、該キャピラリーを覆う外管であって、マトリックス液を供給するためのマトリックス液用チューブ32とを備えている。しかしながら、この二層型デバイスは、二層構造により、いきおいスポット用デバイスの径が大きくなってしまうため、該デバイスの先端の排液部34に形成される液滴も、必要以上に大きくならざるを得ず、適量をプレート上に滴下するのに支障をきたす。また、前記コネクタ型デバイスと同様、液滴が排液部34から外壁に広がり、そこで液溜り35になったり、それが乾燥して試料が析出するなどの問題もあった。
 従って、本考案の課題は、MALDI法などにおいて2液をプレート上にスポットしたものを分析する方法において、試料液およびマトリックス液を混合し、プレート上に滴下するのに効率よく行なうことができるキャピラリーを提供することにある。
 本考案者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねる中で、MALDI法などにおける試料プレートへの試料液等の滴下に用いるスポット用デバイスとして、2本のキャピラリーを略平行に配置することによって、試料液およびマトリックス液の混合が適切に行なわれ、また両キャピラリーを一体となるように撥水性樹脂で被覆することによって排液部外側周辺に液溜りを形成することなく、プレート上に滴下できることを見出し、さらに研究を行なった結果、本考案を完成するに至った。
 即ち、本考案は、2種の液体を同時に混合しつつ滴下するための2本のキャピラリーを略平行に配置し、両キャピラリーの排液側の端部が一体となるように撥水性樹脂で被覆した、スポット用デバイスに関する。
 さらに本考案は、撥水性樹脂の水に対する接触角が、80度以上である、前記のスポット用デバイスに関する。
 また本考案は、撥水性樹脂のn−ヘキサデカンに対する接触角が、30度以上である、前記のスポット用デバイスに関する。
 さらに本考案は、撥水性樹脂が、フッ素樹脂である、前記のスポット用デバイスに関する。
 また本考案は、フッ素樹脂が、式I:
Figure 0003099866
式中、
mおよびnは、それぞれ自然数であり、
Rfは、パーフルオロアルキル基である、
で表される、前記のスポット用デバイスに関する。
 さらに本考案は、MALDI法に用いるための前記のスポット用デバイスに関する。
 また本考案は、2本のキャピラリーの径の大きさが互いに異なる、前記のスポット用デバイスに関する。
 本考案のスポット用デバイスは、2本のキャピラリーを略平行に配置したものを排液側の端部で一体化したことによって、両キャピラリーの間に隙間が生じないので、いわゆる毛管現象により液滴が上昇することなく、滴下が良好に行なわれる。また、撥水性樹脂で被覆することによって、排液部外側に液溜りが生じることがない。さらに、試料液とマトリックス液の混合がコネクタを用いない開放系で行なわれるため、デバイス内で析出物が詰まることがない。以上のことから本考案のスポット用デバイスにより適度な容量の液滴15が好適にプレート上に滴下されるようになる。
 本考案のスポット用デバイスを、以下に図面を用いて説明するが、本考案はこれら図面に限定されるものではない。
 本考案のスポット用デバイスは、典型的には、図1に示すとおり、試料液用キャピラリー11およびマトリックス液用キャピラリー12が略平行に配置される。両キャピラリーは隙間なく排液側の端部13において、撥水性樹脂14で被覆されている。
 本考案の試料液用キャピラリー11およびマトリックス液用キャピラリー12の材質は、典型的にはシリカ(石英ガラス)であるが、マイクロフラクションコレクタに設置可能な程度に可撓性があり、試料液およびマトリックス液が通導可能であれば、特に限定されない。
 試料液用キャピラリーとマトリックス液用キャピラリーとは、同じ径を有するキャピラリーを用いることもできるが、液の粘度等を考慮して、一方のキャピラリーを他方のキャピラリーよりも大きな径を有するものを用いることができ、MALDI法においては、通常、径の大きい方をマトリックス液用キャピラリーとして用いる。
 試料液用キャピラリーの内径は、20〜50μm、好ましくは20〜30μmであり、外径は、150〜360μm、好ましくは150〜280μmである。
 マトリックス液用キャピラリーの内径は、50〜150μm、好ましくは100〜150μmであり、外径は、150〜360μm、好ましくは280〜360μmである。
 また本考案において用いられる試料としては、蛋白質、ペプチド、核酸および糖鎖などの生体関連高分子の他、合成高分子や低分子有機化合物などが挙げられる。そして試料液とは、これら試料を含む液で、純水、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液などで、適宜、MALDI法に適するように調製したものである。
 さらに、マトリックス液とは、試料と混合することにより、MALDI法において効率的な試料のイオン化を促進できる低分子マトリックス化合物を含む液であり、α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸などが挙げられる。
 本考案に用いられる撥水性樹脂は、水に対する撥水性および有機溶媒に対する撥水性(指標として、n−ヘキサデカンに対する撥水性が用いられる)を適度に兼ね備えている必要がある。
 とくにMALDI法においては、高分子を含む試料液および低分子化合物を含むマトリックス液の性質の異なる2液を用いるため、水に対する接触角が、80度以上、好ましくは90〜120度、さらに好ましくは100〜110度であり、また、n−ヘキサデカンに対する接触角が、30度以上、好ましくは30〜50度、さらに好ましくは40〜45度である。
 本考案に用いられる撥水性樹脂としては、撥水性を備え、液溜りを防ぐことができるものであれば、特に限定されないが、典型的には、フッ素樹脂が挙げられる。
 フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン樹脂(テフロン(登録商標)PTFE)、パーフロロエチレンプロペン共重合樹脂(テフロン(登録商標)FEP)、パーフルオロアルコキシ樹脂(テフロン(登録商標)PFA)等が挙げられるが、撥水性の観点からパーフルオロアルコキシ樹脂が好ましい。
 特に、式I:
Figure 0003099866
式中、
mおよびnは、それぞれ自然数であり、
Rfは、パーフルオロアルキル基である、
で表される、フッ素樹脂が好ましい。
 以下に、本考案を実施例によりさらに具体的に説明するが、本考案はこれに限定されない。
(製造例)
 2種のシリカ製のキャピラリーチューブ
1)内径: 20μm、外径:280μm、長さ:20cm
2)内径:100μm、外径:380μm、長さ:20cm
を用意し、これらの一端がそろうように平行に把持する。
 把持したキャピラリーの端から、5〜10cm程度まで、テフロン(登録商標)PFAを噴霧し、約400℃で焼結する。
 把持していた部分には、テフロン(登録商標)PFAが均等に噴霧・焼結していないので、均一に焼結された部分でキャピラリーを切断し、スポット用デバイスを得る。
 得られたデバイスは、2本のキャピラリーが一体となり、また、排液側の端部までテフロン(登録商標)PFAが焼結している。
(使用例)
 得られたデバイスの一方のキャピラリーを試料液用キャピラリーとし、他方をマトリックス液用キャピラリーとする。
 これを一般的に用いられているマイクロフラクションコレクタ(例えば、Probot(登録商標);日本ダイオネクス株式会社製など)にセットし、MALDI法のサンプル用プレートにスポッティングする。
本考案の並行型キャピラリーの一態様を示す断面図である。 従来のコネクタ型キャピラリーの一態様を示す断面図である。 従来の二層型キャピラリーの一態様を示す断面図である。
符号の説明
   11 21 31  試料液用キャピラリー
   12 22 32  マトリックス液用キャピラリー
   13  排液側の端部
   14  撥水性樹脂
   15  液滴
   23  コネクタ
   24 34  排液部
   25 35  液溜り

Claims (7)

  1. 2種の液体を同時に混合しつつ滴下するための2本のキャピラリーを略平行に配置し、両キャピラリーの排液側の端部が一体となるように撥水性樹脂で被覆した、スポット用デバイス。
  2. 撥水性樹脂の水に対する接触角が、80度以上である、請求項1に記載のスポット用デバイス。
  3. 撥水性樹脂のn−ヘキサデカンに対する接触角が、30度以上である、請求項1または2に記載のスポット用デバイス。
  4. 撥水性樹脂が、フッ素樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載のスポット用デバイス。
  5. フッ素樹脂が、式I:
    Figure 0003099866
    式中、
    mおよびnは、それぞれ自然数であり、
    Rfは、パーフルオロアルキル基である、
    で表される、請求項4に記載のスポット用デバイス。
  6. MALDI法に用いるための請求項1〜5のいずれかに記載のスポット用デバイス。
  7. 2本のキャピラリーの径の大きさが互いに異なる、請求項6に記載のスポット用デバイス。
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