JP2005055320A - 電気泳動チップ - Google Patents

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Abstract

【課題】泳動媒体を収納する収納部の液密性(気密性)の向上を図り、これにより、分離対象物を正確に電気泳動させ得る電気泳動チップを提供すること。
【解決手段】電気泳動チップ1は、分離対象物を泳動媒体中で電気泳動させる電気泳動チップである。この電気泳動チップ1は、泳動媒体を収納する収納部35が形成され、主として樹脂材料で構成された電気泳動部3と、電気泳動部3に接触して設けられ、泳動媒体に通電を行う一対の電極4a、4bとを有し、各電極4a、4bが、それぞれ電気泳動部3を構成する樹脂材料を主材料とし、導電性材料を含んでなる電極材料で構成されている。電気泳動部3に用いられる樹脂材料は、シリコーン系樹脂(特に、ポリジメチルシロキサン)であるのが好ましく、電極材料中に含まれる導電性材料は、炭素系材料(特に、カーボンナノチューブ)であるのが好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、電気泳動チップに関するものである。
近年、微細流路(キャピラリーチャネル)が形成された電気泳動チップ(電気泳動装置)を用いて、DNA断片を分離・精製する技術が注目を集めている。
この電気泳動チップを用いることにより、DNA断片の分離・精製を高速かつ高精度で行うことができる。
従来の電気泳動チップは、電極構造を有するガラス基板に、微細流路が形成された樹脂製のカバーを接合して構成されている(例えば、非特許文献1参照)。
ところが、かかる構成の電気泳動チップでは、カバーの材質と、電極構造およびガラス基板の材質とが異なることから、これらの間での密着性に劣るという問題があった。
カバーとガラス基板との間に間隙が形成された場合、DNA断片の分離に用いる分離支持体(泳動媒体)が電気泳動チップから漏れ出したり等して、DNA断片の正確な分離(バンドの形成)が困難となる。
金田祥平、藤井輝夫,「PDMS(Polydimethylsiloxane)を用いた電気泳動デバイスによるDNAの分離」,生産研究,東京大学生産技術研究所,2002年,54巻,2号,p.140−143
本発明の目的は、泳動媒体を収納する収納部の液密性(気密性)の向上を図り、これにより、分離対象物を高速かつ高精度で分離可能な電気泳動チップを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。
(1) 分離対象物を泳動媒体中で電気泳動させて分離する電気泳動チップであって、
前記泳動媒体を収納する収納部が形成され、主として樹脂材料で構成された電気泳動部と、
前記電気泳動部に接触して設けられ、前記泳動媒体に通電を行う一対の電極とを有し、
各前記電極が、それぞれ、前記電気泳動部を構成する樹脂材料を主材料とし、導電性材料を含んでなる電極材料で構成されていることを特徴とする電気泳動チップ。
これにより、泳動媒体を収納する収納部の液密性(気密性)の向上を図り、分離対象物を高速かつ高精度で分離することが可能となる。
(2) 前記電気泳動部に用いられる前記樹脂材料は、シリコーン系樹脂を主成分とするものである上記(1)に記載の電気泳動チップ。
シリコーン系樹脂は、微細加工が容易であること、自己接着性を有すること、透明性が高いこと、各種生体物質(分離対象物)との相互作用が低いこと等から好ましい。
(3) 前記シリコーン系樹脂は、ポリジメチルシロキサンである上記(2)に記載の電気泳動チップ。
PDMSは、特に、微細加工が容易であり、自己接着性を有し、透明性が高く、各種生体物質(分離対象物)との相互作用が低い。
(4) 前記電極材料中に含まれる前記導電性材料は、炭素系材料を主成分とするものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の電気泳動チップ。
炭素系材料は、シリコーン系樹脂に均一に混合することが可能であり、また、電極材料の導電性を高いものとすることができる。
(5) 前記炭素系材料は、カーボンナノチューブである上記(4)に記載の電気泳動チップ。
カーボンナノチューブは、シリコーン系樹脂により均一に混合することが可能であり、また、電極材料の導電性をより高いものとすることができる。
(6) 前記電極材料中の前記導電性材料の含有量は、1〜85wt%である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の電気泳動チップ。
これにより、各電極と電気泳動部との密着性を維持しつつ、電極材料の導電性を好適なものとすることができる。
(7) 各前記電極の大きさは、それぞれ、0.01〜1000mmである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の電気泳動チップ。
これにより、各電極の大型化(延いては電気泳動チップ全体の大型化)を防止しつつ、泳動媒体への通電を効率よく行うことができる。
(8) 前記電極同士の離間距離は、10〜80mmである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の電気泳動チップ。
これにより、電極間へ印加する電圧値が上昇するのを防止しつつ、分離対象物の高精度の分離が可能となる。
(9) 前記収納部の容積は、0.01〜100mmである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の電気泳動チップ。
これにより、分離対象物をより高速かつ高精度で分離することが可能となる。
(10) 前記電気泳動部の前記収納部に臨む面には、親水化処理が施されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の電気泳動チップ。
これにより、収納部への泳動媒体の導入が容易となる。
(11) 前記親水化処理は、酸素プラズマ処理によるものである上記(10)に記載の電気泳動チップ。
酸素プラズマ処理によれば、電気泳動部の収納部に臨む面に、比較的容易かつ確実に親水化処理を行うことができる。
本発明によれば、泳動媒体を収納する収納部の液密性(気密性)の向上を図ることができ、これにより、分離対象物を高速かつ高精度で分離可能な電気泳動チップが得られる。
また、本発明によれば、かかる電気泳動チップを容易かつ安価に製造することができる。
以下、本発明の電気泳動チップ(キャピラリー電気泳動チップ)の好適な実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の電気泳動チップの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の電気泳動チップの第1実施形態を示す上面図、図2は、図1に示す電気泳動チップの分解斜視図、図3は、図1に示す電気泳動チップの縦断面図、図4は、図1に示す電気泳動チップの製造方法を説明するための図である。
なお、以下の説明では、図2〜図4中の上側を「上」、下側を「下」として説明する。
各図に示す電気泳動チップ1は、基板2と、基板2上に設けられた電気泳動部3と、電気泳動部3に接触して設けられた一対の電極4a、4bとを有している。
基板2は、電気泳動部3を支持するための部材であり、平板状をなしている。
この基板2の構成材料としては、例えば、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料等が挙げられる。
なお、基板2は、必要に応じて設けるようにすればよく、省略することもできる。
電気泳動部3は、下部材31と、この下部材31に積層された上部材32とで構成され、これらは、いずれも平板状をなしている。
下部材31は、基板2とほぼ等しい平面形状をなし、また、平面視においてほぼ等しい面積とされている。
下部材31の平面視での面積は、特に限定されないが、好ましくは200〜1000mm程度、より好ましくは400〜800mm程度とされる。
また、下部材31の上面には、長手方向の両端部にそれぞれ、電極4a、4bが設けられている。この一対の電極4a、4b間に電圧を印加することにより、後述する収納部35に収納された泳動媒体に通電される。
各電極4a、4bの大きさ(体積)は、それぞれ、電極材料の種類等によっても若干異なり、特に限定されないが、0.01〜1000mm程度であるのが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。これにより、各電極4a、4bの大型化(延いては電気泳動チップ1全体の大型化)を防止しつつ、泳動媒体への通電を効率よく行うことができる。
また、電極4a、4b同士の離間距離は、10〜80mm程度であるのが好ましく、20〜60mm程度であるのがより好ましい。電極4a、4b同士の離間距離が短過ぎると、分離対象物の高精度の分離が困難となるおそれがあり、一方、電極4a、4b同士の離間距離が長過ぎると、電極4a、4b間に印加する電圧値を高くする必要が生じ好ましくない。
上部材32は、基板2(下部材31)とほぼ等しい形状をなすが、平面視での面積が若干小さくなるよう設定されている。これにより、上部材32を下部材31に積層した状態で、電極4a、4bが上部材32(電気泳動部3)から外部に露出するよう構成されている。
この電気泳動部3から露出する電極4a、4bに外部回路が接続される。
また、上部材32には、その厚さ方向に貫通する第1の孔33および第2の孔34が形成されている。これらの孔33、34は、それぞれ、上部材32の長手方向の端部に形成されている。
各孔33、34は、電気泳動部3(後述する収納部35)に、泳動媒体やサンプルを供給する供給口(ポート)として機能する。
また、上部材32の下面には、第1の孔33と第2の孔34とに連通する溝321と、第1の孔33に連通する溝36aと、第2の孔34に連通する溝36bとが凹没形成されている。
上部材32を下部材31に積層した状態で、溝321と下部材31の上面により、泳動媒体を収納する収納部(微小流路)35が形成される。
第1の孔33または第2の孔34内に泳動媒体を供給すると、この泳動媒体は、毛細管現象により収納部35内に展開(供給)されることにより、収納部35が泳動媒体により満たされる。
また、上部材32を下部材31に積層した状態で、各溝36a、36bには、それぞれ、各電極4a、4bが収納される。
各溝36a、36bの横断面積は、それぞれ、各電極4a、4bの横断面積より若干小さく設定されている。これにより、各溝36a、36b(電気泳動部3)には、各電極4a、4bが密着(接触)する。
なお、後述するように、電気泳動部3は、主として樹脂材料で構成されるが、上部材32を構成する樹脂材料として、比較的柔軟なものを選択することにより、上部材32に溝36a、36bを省略することもできる。この場合、電気泳動チップ1の組み立ての際には、上部材32の各電極4a、4bに接触する部分が、各電極4a、4bに対応して凹没変形することにより、上部材32と下部材31とを確実に接合することができる。特に、各電極4a、4bの厚さを比較的薄く形成することにより、より確実な上部材32と下部材31との接合が可能となる。また、この場合、上部材32と各電極4a、4bとの高い密着性も確保される。
このような構成の電気泳動チップ1によれば、分離対象物の分離を高速かつ高精度で行うことができる。
ここで、分離対象物としては、例えば、核酸(DNA、RNA)、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、金属イオン等が挙げられる。
また、泳動媒体としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、アガロース、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。
このような泳動媒体を収納する収納部35の容積は、0.01〜100mm程度であるのが好ましく、0.1〜10mm程度であるのがより好ましい。これにより、分離対象物の電気泳動をより高速で行うことができる。
さらに、電気泳動部3の収納部35に臨む面には、親水化処理が施されているのが好ましい。これにより、収納部35への泳動媒体の導入(収納)が容易となる。
親水化処理の方法としては、例えば、プラズマ処理(例えば酸素プラズマ処理)、コロナ処理、溶媒による表面処理、界面活性剤による表面処理等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、これらの中でも、特に、酸素プラズマ処理が好適である。酸素プラズマ処理によれば、比較的容易かつ確実に、親水化処理を行うことができる。
電気泳動部3(下部材31、上部材32)は、主として樹脂材料で構成されている。この樹脂材料としては、例えば、シリコーン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンのようなフッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、電気泳動部3の構成材料としては、シリコーン系樹脂を主成分とするものが好ましい。シリコーン系樹脂を主成分とする材料は、微細加工が容易であること、自己接着性を有すること、透明性が高いこと、各種生体物質(分離対象物)との相互作用が低いこと等から好ましい。
また、電気泳動部3をシリコーン系樹脂を主成分とする材料で構成することにより、泳動媒体に通電した際に、泳動媒体に電気浸透流が生じることを防止することもできる。
このようなシリコーン系樹脂としては、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーン系熱可塑性エラストマー等が挙げられるが、これらの中でも、特に、PDMSが好適である。PDMSは、前述したような効果に特に優れる。
本発明では、各電極4a、4bの構成材料に特徴を有している。すなわち、電極4a、4bの構成材料として、電気泳動部3を構成する樹脂材料を主材料とし、導電性材料を含んでなる電極材料を用いた。
これにより、各電極4a、4bと電気泳動部3との密着性を向上させることができ、その結果、収納部35からの泳動媒体の漏れ出しを防止することができるとともに、泳動媒体に確実に通電を行うことができる。その結果、分離対象物の電気泳動をより高速かつ高精度に行うことができる。
また、導電性材料としては、例えば、各種炭素系材料、金、銀、銅、ニッケルまたはこれらの合金等の各種金属材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、これらの中でも、特に、炭素系材料を主成分とするものが好ましい。炭素系材料は、シリコーン系樹脂中に均一に混合することが可能であり、また、電極材料の導電性を高いものとすることができる。
炭素系材料としては、例えば、カーボンナノチューブ、黒鉛、ダイヤモンド様炭素(DLC)、フラーレン等が挙げられるが、これらの中でも、特に、カーボンナノチューブが好適である。炭素系材料としてカーボンナノチューブを用いることにより、電極材料中において、密に充填することが可能となり、電極材料に対して特に高い導電性を付与することができる。
導電性材料の電極材料中の含有量は、1〜85wt%程度であるのが好ましい。特に、導電性材料としてカーボンナノチューブを用い、電極材料の主材料としてPDMSを用いる場合には、カーボンナノチューブの電極材料中の含有量は、10〜50wt%程度とするのが好適である。これにより、電極4a、4bと電気泳動部3との密着性を維持しつつ、電極材料の導電性を好適なものとすることができる。
そして、このような電極材料中の導電性材料の含有量、導電性材料の種類等を適宜設定することにより、電極材料の導電率を調整する。この電極材料の導電率を設定することにより、各電極4a、4bにおいて発熱が生じることを防止しつつ、泳動媒体への効率のよい通電を行うことができる。
このような電気泳動チップ1は、次のようにして使用される。
すなわち、まず、第1の孔33に泳動媒体を供給する。これにより、泳動媒体は、毛細管現象により、収納部35に展開し、第2の孔34またはその近傍にまで到達する。
次に、第2の孔34に、例えば分離対象物を分散(または溶解)させる液体(例えば緩衝液等)を供給する。
次に、分離対象物を液体に分散(または溶解)させたサンプルを、第1の孔33に供給する。
次に、電極4a、4b間に電圧を印加する。これにより、分離対象物は、泳動媒体中を第1の孔33から第2の孔34に向かって電気泳動する。
このとき、分離対象物が例えば標識化したDNA断片である場合、このDNA断片は、泳動媒体中で電気泳動度(分子量、塩基数)の違いにより分離される。
なお、このときの電流密度を適宜設定することにより、分離対象物をより高速かつ高精度で分離することが可能となる。
次に、泳動媒体中を電気泳動した分離対象物の位置を検出する。分離されたDNA断片は、バンドとして検出される。
このような電気泳動チップ1は、例えば、次のようにして製造することができる。
[1] まず、例えばSi基板5を用意し、このSi基板5上に、例えばスピンコート等の塗布法により、レジスト材料60を供給する(図4(a))。
なお、このSi基板5上に供給したレジスト材料60の硬化物は、後の工程[5]において、上部材32に所望形状を形成するための形状転写用の型として用いられる。
このレジスト材料60には、光が照射された部分が現像により溶解、除去されるポジ型のレジスト材料と、光が照射された部分が硬化し、それ以外の部分が現像により除去されるネガ型のレジスト材料があるが、いずれのものも使用可能である。
ここでは、レジスト材料60として、ネガ型のレジスト材料を用いる場合を一例として示す。
[2] 次に、溝321および溝36a、36bの形状に対応する露光用マスク10を重ね、露光用光をレジスト材料60に照射して、レジスト材料60を露光する(図4(b))。
[3] 次に、レジスト材料60の不要部分を、現像により除去する。これにより、Si基板5上に、溝321および溝36a、36bの形状に対応したレジスト層6が形成される(図4(c))。
[4] 次に、レジスト層6の表面に、例えば反応性イオンエッチング法等の気相成膜法により、フルオロカーボン処理(撥水処理)を施す。
[5] 次に、Si基板5上に、レジスト層6を覆うように、電気泳動部3の上部材32の形成用材料(未硬化または半硬化の樹脂材料)を供給した後、硬化させる(図4(d))。
[6] 次に、Si基板5から上部材32を取り外した後、上部材32の所定の位置に、例えばパイプ等を用いて、第1の孔33および第2の孔34を穿設(形成)する(図4(e))。
また、前記工程[1]〜[6]とは別に、基板2上に、電気泳動部3の下部材31を形成した後、下部材31上の所定の位置に電極4a、4bを形成しておく。
なお、電極4a、4bは、電極4a、4bの形成用材料(未硬化または半硬化の樹脂材料中に導電性材料を混合してなる組成物)を下部材31上に供給した後、硬化させることにより形成することができる。
[7] 次に、下部材31と上部材32とを接合する(図4(f))。これにより、これらの間に収納部35が画成される。
なお、この際、上部材32の下面に、例えば酸素プラズマ処理等を施しておくことにより、上部材32と下部材31との密着性を向上させることができる。
[8] 次に、電気泳動部3の収納部35に臨む部分に親水化処理を施す。
以上のような工程を経て、電気泳動チップ1が得られる。
このような製造工程によれば、電極4a、4bを形成するに際し、気相成膜法を用いる必要がないため、大掛かりな設備を必要とせず、電気泳動チップ1を安価に製造することができる。
また、下部材31の構成材料(例えば、PMDS等)によっては、下部材31上に気相成膜法を用いて電極4a、4bとなる金属薄膜を形成することが困難であるが、上述した方法では、気相成膜法を用いる必要がないため、容易に電気泳動チップ1を製造することができるという利点もある。
<第2実施形態>
次に、本発明の電気泳動チップの第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の電気泳動チップの第2実施形態を示す縦断面図である。
以下、第2実施形態の電気泳動チップについて説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態では、各電極4a、4bの設置位置が異なり、それ以外は、前記第1実施形態と同様である。
すなわち、図5に示す電気泳動チップ1は、下部材31の第1の孔33および第2の孔34に対応する位置に、下部材31の厚さ方向に貫通する貫通孔311a、311bが形成され、各貫通孔311a、311b内に各電極4a、4bが設けられている。
この貫通孔311a、311bの形成方法としては、例えば、ハトメ加工やレーザー加工等が好適に使用される。ハトメ加工によれば、各貫通孔311a、311bを簡便に形成することができ、また、レーザー加工によれば、各貫通孔311a、311bを寸法精度よく形成することができる。
また、本実施形態では、電極4a、4bの形成を気相成膜法によらず、例えば、下部材31に貫通孔311a、311bを形成し、かかる貫通孔311a、311bに、電極4a、4bの形成用材料を充填した後、硬化させるという簡便な方法で行うことができ、製造工程の簡略化を図ることができる。
このような第2実施形態の電気泳動チップ1によっても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
なお、以上のような各実施形態において、各電極4a、4bは、それぞれ、図示の構成のものに限定されるものではなく、例えば、第1の孔33および第2の孔34の底面、側面(内面)および上部材32の上面に連続して設けられる構成のものであってもよい。この場合、かかる電極4a、4bは、例えば、電気泳動部3を形成した後、電極4a、4bの形成用材料を、泳動媒体の収納部35(流路)を塞がないよう、第1の孔33、第2の孔34の底面から側面、そして上部材32の上面へと塗布した後、硬化させることにより形成することができる。
以上、本発明の電気泳動チップについて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができ、任意の構成を付加することもできる。
例えば、本発明では、各前記実施形態の任意の2以上の構成を組み合わせることもできる。
また、各前記実施形態では、2ポートタイプ(キャピラリー電気泳動チップ)の電気泳動チップについて説明したが、本発明は、4ポートタイプの電気泳動チップに適用できることは言うまでもない。
本発明の電気泳動チップの第1実施形態を示す上面図である。 図1に示す電気泳動チップの分解斜視図である。 図1に示す電気泳動チップの縦断面図である。 図1に示す電気泳動チップの製造方法を説明するための図である。 本発明の電気泳動チップの第2実施形態を示す縦断面図である。
符号の説明
1 電気泳動チップ
2 基板
3 電気泳動部
31 下部材
311a 貫通孔
311b 貫通孔
32 上部材
321 溝
33 第1の孔
34 第2の孔
35 収納部
36a 溝
36b 溝
4a 電極
4b 電極
5 Si基板
6 レジスト層
60 レジスト材料
10 露光用マスク

Claims (11)

  1. 分離対象物を泳動媒体中で電気泳動させて分離する電気泳動チップであって、
    前記泳動媒体を収納する収納部が形成され、主として樹脂材料で構成された電気泳動部と、
    前記電気泳動部に接触して設けられ、前記泳動媒体に通電を行う一対の電極とを有し、
    各前記電極が、それぞれ、前記電気泳動部を構成する樹脂材料を主材料とし、導電性材料を含んでなる電極材料で構成されていることを特徴とする電気泳動チップ。
  2. 前記電気泳動部に用いられる前記樹脂材料は、シリコーン系樹脂を主成分とするものである請求項1に記載の電気泳動チップ。
  3. 前記シリコーン系樹脂は、ポリジメチルシロキサンである請求項2に記載の電気泳動チップ。
  4. 前記電極材料中に含まれる前記導電性材料は、炭素系材料を主成分とするものである請求項1ないし3のいずれかに記載の電気泳動チップ。
  5. 前記炭素系材料は、カーボンナノチューブである請求項4に記載の電気泳動チップ。
  6. 前記電極材料中の前記導電性材料の含有量は、1〜85wt%である請求項1ないし5のいずれかに記載の電気泳動チップ。
  7. 各前記電極の大きさは、それぞれ、0.01〜1000mmである請求項1ないし6のいずれかに記載の電気泳動チップ。
  8. 前記電極同士の離間距離は、10〜80mmである請求項1ないし7のいずれかに記載の電気泳動チップ。
  9. 前記収納部の容積は、0.01〜100mmである請求項1ないし8のいずれかに記載の電気泳動チップ。
  10. 前記電気泳動部の前記収納部に臨む面には、親水化処理が施されている請求項1ないし9のいずれかに記載の電気泳動チップ。
  11. 前記親水化処理は、酸素プラズマ処理によるものである請求項10に記載の電気泳動チップ。
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