JP4462241B2 - 細胞電気生理センサとその製造方法 - Google Patents

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本発明は、細胞の活動によって発生する物理化学的変化を測定するために用いられる細胞内電位あるいは細胞外電位等の細胞電気生理現象を測定するための細胞電気生理センサに関するものである。
電気生理学におけるパッチクランプ法は、細胞膜に存在するイオンチャンネルを測定する方法として知られており、このパッチクランプ法によってイオンチャンネルの様々な機能が解明されてきた。そして、イオンチャンネルの働きは細胞学において重要な関心ごとであり、これは薬剤の開発にも応用されている。
しかし、一方でパッチクランプ法は測定技術に微細なマイクロピペットを1個の細胞に高い精度で挿入するという極めて高い能力を必要としているため、熟練作業者が必要であり、高いスループットで測定を必要とする場合には適切な方法でない。
このため、微細加工技術を利用した平板型プローブの開発がなされており、これらは個々の細胞についてマイクロピペットの挿入を必要とせず、減圧を行うだけで自動に細胞を固定・測定を行うことができ、自動化システムとして適している。
例えば、平板のデバイスに複数の貫通孔を設け、ここに接着した細胞の連続層を含み、電極で電位依存性のイオンチャンネル活性を測定する技術を開示している(特許文献1参照)。
また、使用時に物体がオリフィスをシールし、これによって電気的に絶縁された電極間のインピーダンスの変化によって、媒体中の物体の電気的測定を行う装置について開示している(特許文献2参照)。
特表2002−518678号公報 特表2003−527581号公報
しかしながら、前記従来の技術においては、複数の細胞の電気生理現象を一括して測定することができるが、測定対象の細胞数を増加させると一部に欠陥が発生したり、複雑になるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、測定対象の細胞数が増えた場合であっても、生産性に優れた効率的な細胞電気生理センサの構造を実現し、漏れ電流が少ない状態で高精度に測定することができる細胞電気生理センサとその製造方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、第一の貫通孔を有するウエルと、このウエルの下方に当接した第二の貫通孔を有した保持プレートと、この保持プレートの下方に液体の流入口と流出口を両端に備えた空洞を有した流路プレートを当接し、前記第二の貫通孔の内部に第三の貫通孔を備えたダイアフラムを有したセンサチップを当接した細胞電気生理センサであって、少なくとも前記第二の貫通孔の内壁面、および/またはセンサチップの外壁面を親水性とし、接着剤によって前記センサチップを接合した構成とするものである。
本発明の細胞電気生理センサとその製造方法は、センサチップの外壁面、およびまたは第二の貫通孔の内壁面に親水性を付与し、接着剤で接合する際に、接合面が親水性を有していると接着剤との濡れ性が良くなり、接合強度が向上し、センサチップと第二の貫通孔の隙間からの液漏れによる漏れ電流を減少させることができることによって、高精度に測定することができるとともに量産性に優れた細胞電気生理センサとその製造方法を実現するものである。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサとその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの断面図であり、図2は要部拡大断面図である。
図1および図2において、1は樹脂よりなるウエルであり、このウエル1に細胞外液18を貯留しておくための第一の貫通孔5を形成している。この第一の貫通孔5は断面形状をテーパー状に形成しておくことによって、電解液などの液体または細胞などを投入するときに効率が良い。
また、前記ウエル1の下方には第二の貫通孔6を有した樹脂よりなる保持プレート2を当接しており、この保持プレート2の第二の貫通孔6の内部には、少なくとも一つの第三の貫通孔7を有したダイアフラム9を備えたセンサチップ4がセットされている。このセンサチップ4はシリコン基板をエッチング加工することによって、ダイアフラム9の厚み;20μm、第三の貫通孔7の開口径:1〜3μmφの寸法形状で一体的に加工することによって形成している。そして、この第三の貫通孔7の開口径は細胞20の大きさによって適宜選択することができる。
このように、シリコンをセンサチップ4の構成材料とすることによって効率よく作製することができるとともに、その生産設備も入手が容易である。
さらに、前記保持プレート2の下方には、その両端に液体を流出入させるための空洞8を有した流路プレート3を当接して細胞電気生理センサを構成しており、第三の貫通孔7の上面に細胞20を密着保持し、この細胞の電気生理現象を測定することができるようになっている。前記空洞8には流入口16から細胞内液19を充填し、流出口17から吸引ポンプなどを用いて吸引することによって細胞内液19を充填することができる。
また、ウエル1、保持プレート2、流路プレート3はすべて樹脂で構成しておくことが都合がよい、特に好ましくは熱可塑性樹脂である。これにより、これらの材料は熱溶着などの手段を用いることによって特に接着剤を使用することなく互いに強固に接合できる。さらに好ましくは、これらの熱可塑性樹脂はポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、オレフィンポリマー、ポリメタクリル酸メチルアセテート(PMMA)のいずれか、またはこれらの組み合わせである。これらの材料は熱溶着によって接合を行いやすい。さらに好ましくは、これら熱可塑性樹脂が環状オレフィンポリマー、線状オレフィンポリマー、またはこれらが重合した環状オレフィンコポリマー、またはポリエチレン(PE)からなる熱可塑性樹脂が作業性、製造コスト、材料の入手性の観点から好ましい。特に、環状オレフィンコポリマーは透明性、アルカリ・酸などの無機系薬剤に対する耐性が強く、本発明の製造方法もしくは使用環境に適している。またこれらの材料は紫外線を透過させることができるため、後で説明を行う接着剤の硬化時においても効果を発揮する。
そして、保持プレート2の第二の貫通孔6にはセンサチップ4を埋め込んでおり、このセンサチップ4は材質がシリコンであって、フォトリソグラフィー、ドライエッチングなどの半導体加工技術によって形成し、ダイアフラム9と、このダイアフラム9に少なくとも一つの第三の貫通孔7を形成している。この第三の貫通孔7の直径は5μm以下が望ましく、細胞を保持するために最適な大きさの貫通孔となっている。このように、センサチップ4と、保持プレート2を別々に作製しておいて、保持プレート2の第二の貫通孔6にセンサチップ4をはめ込むことによって効率よく細胞電気センサを作製することができる。さらに、製造不良のセンサチップ4があった場合においても、センサチップ4の交換を容易に行うことができる。
そして、保持プレート2にシリコン基板を用いて、一体的に作製した場合にはコストもかかり、歩留まりも悪くなり、リペア性も有しない構成となる。
そして、本実施の形態1におけるセンサチップ4の外壁面には親水性を付与しておくことが重要である。親水性を付与するための方法としては、センサチップ4の表面を化学的、あるいは物理的な処理を行って親水性を付与しておく、あるいは親水性を有する膜などを形成することによっても同様の効果を発揮することができる。そして、このセンサチップ4の表面に親水性を付与する方法としては、酸素プラズマによる炭素化合物の除去、紫外線照射による有機物の分解除去、あるいは硫酸、過酸化水素などによる湿式処理などによる炭素原子を含む有機物質の分解除去が親水性を高めうるためには非常に効果的であり、量産性にも優れている。
また、図2では、薄膜プロセスを用いて親水性膜10を形成した例を示しており、この親水性を有した親水性膜10を設けることによって、親水性の効果を発揮することができる。
そして、このセンサチップ4の外壁面に薄膜プロセスを用いて親水性を付与する方法としては、センサチップ4の外壁面にシリコン酸化物、またはシリコン窒化物をスパッタ法、CVD法などの薄膜プロセスを用いて成膜することによって、例えば500Å〜10μmのシリコン酸化物薄膜、あるいはシリコン窒化物薄膜を形成することによって、親水性膜10を形成することができる。
また、そのときの親水性は接触角表示で10度以下が好ましい。この接触角は、固体表面の上に純水などの液滴を乗せ、平衡になった状態で、液滴表面と固体表面のなす角度をいう。そして、その測定方法は一般的にθ/2法を用いることができる。その方法は液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を求めることができる。または分度器などを用いて測ることも可能である。
次に、図1に示すように第一の電極14と第二の電極15を設けているが、これらの電極14,15は細胞の電気生理現象によって発生する電気的指標、例えば電位、電流などを測定するためのものであるが、これらの形状、材質は特に限定するものではない。
そして、このような親水性を付与したセンサチップ4を第二の貫通孔6の内部の所定の位置に配置し、第二の貫通孔6の周縁部とセンサチップ4のダイアフラム9の周縁部を跨ぐように接着剤21を塗布して前記センサチップ4と保持プレート2を接合するとき、接着剤21としては紫外線硬化の樹脂材料を用いることが生産性の観点から効率的である。
そして、この紫外線硬化型の樹脂を接着剤として用いた場合、第二の貫通孔6の内壁面、および/またはセンサチップ4の外壁面を親水性に優れた特性を有しているとき、接着剤は第二の貫通孔6とセンサチップ4の外壁面との隙間を侵入しやすくなる。その結果として、表面に接着剤21を塗布するだけで、第二の貫通孔6との内壁面とセンサチップ4の外壁面の隙間に対しても、接着剤21である樹脂が容易に浸透する。その後、接着剤21を硬化させることによってシール性に優れた細胞電気生理センサを実現することができる。例えば、前記のような親水性を付与した第二の貫通孔6とセンサチップ4の外壁面との隙間が数μmの場合において、接着剤21である樹脂が浸透する距離は10〜50μmであった。一方、疎水性を有した場合における浸透性は数μm以下であった。
次に、本発明の細胞電気生理センサを用いて細胞の電気生理活動を測定する方法について簡単に述べる。
まず、ウエル1に細胞外液18を、空洞8に細胞内液19をウエル1の流入口16から流出口17にかけて吸引することで充填する。ここで細胞内液19とは例えば哺乳類筋細胞の場合、代表的にはK+イオンが155mM、Na+イオンが12mM程度、Cl-イオンが4.2mM程度添加された電解液であり、細胞外液18とはK+イオンが4mM程度、Na+イオンが145mM程度、Cl-イオンが123mM程度添加された電解液である。この状態で、ウエル1の内部に設置した第一の電極14と空洞8の内部に設置した第二の電極15との間で、100kΩ〜10MΩ程度の導通抵抗値を観測することができる。これは細胞内液19あるいは細胞外液18が浸透し、第一の電極14と第二の電極15の間で電気回路が形成されるからである。
次にウエル1側から細胞20を投入する。なおセンサチップ4を第二の貫通孔6の内部に設置する方向として、ダイアフラム9が第一の貫通孔5側へ近くなるように配置しても良い。この選択は測定する細胞20の性質によって最適に決定されるべきである。
そして最後に、ウエル1の流入口16または流出口17の一方を減圧すると、細胞20は第三の貫通孔7に引き付けられ、細胞20が第三の貫通孔7を塞ぐことによって、ウエル1側と空洞8側の電気抵抗がGΩ以上の十分に高い状態となる(ギガシールと呼ぶ)。このギガシールの状態において、細胞20の電気生理活動によって細胞内外の電位が変化した場合には、わずかな電位差あるいは電流であっても高精度な測定が可能となる。
以上のように構成した細胞電気生理センサについて、以下にその製造方法を説明する。
図3に示すようにまず始めに、センサチップ4はフォトリソグラフィー、ドライエッチング等の半導体加工技術を用いて、シリコンウエハなどからダイアフラム9を形成した後、このダイアフラム9に第三の貫通孔7を形成する。そして、個片化することによって一括して多数のセンサチップ4を作製することができる。
その後、センサチップ4の外壁面に親水性膜10を形成する。この親水性膜10の形成法としては、酸素の介在した雰囲気中でのシリコンの熱酸化処理、あるいはCVD、スパッタ法などの薄膜プロセスを用いてシリコン化合物を成膜して形成することができる。この親水性膜10の材料としては、シリコン酸化物やシリコン窒化物などが好ましい。これらの親水性膜10は従来の方法を応用することによって容易に形成することができる。この親水性膜10の効果については、後で詳細に説明する。
一方、保持プレート2は、まず下地となる電極材料を転写、めっき、薄膜プロセスなどの方法によって形成しておき、次に、例えばドリルあるいはレーザ加工によって穴開けを行い第二の貫通孔6を形成する。その後、フォトリソグラフィーによるパターニングを行い、さらにAgとAgClを混合した電極をディスペンスまたはスクリーン印刷等の手法により第一の電極14と第二の電極15を形成する。なお、ドリルなどによる穴開けと、電極形成の工程順序は違っていてもよい。
そして、ウエル1と流路プレート3は射出成型などによって金型による成型加工によって作製し、図1のような構成とすることができる。
以上のような部材を用いて、まず保持プレート2とウエル1の接合を行う。この接合の方法としてはレーザ溶着による接合が好ましい。
次に、センサチップ4を第二の貫通孔6の内部へ仮設置し、第二の貫通孔6の周縁部とセンサチップ4のダイアフラム9の周縁部を跨ぐように接着剤21を塗布して固定する。この接着剤21としてはUV硬化型接着剤や熱硬化型接着剤を用いるとよい。ここで接着剤21は親水性を有するセンサチップ4の外壁面と第二の貫通孔6の内壁面との間の隙間に浸透し、接着剤21の硬化が完了するまで深さ方向へ浸透する。
ここで、接着剤21によるセンサチップ4の第二の貫通孔6への接合が十分に行えていない場合、細胞20の測定時において、細胞20をトラップするためにセンサチップ4の第三の貫通孔7の上下空間に圧力差を発生させる必要があり、前記接着剤21のはがれが発生したり、センサチップ4と第二の貫通孔6との間に隙間などがある場合、隙間から液漏れが発生することがあり、細胞20の測定が行えない場合があった。しかしながら、本実施の形態1における細胞電気生理センサのようにセンサチップ4の外壁面、およびまたは第二の貫通孔6の内壁面の表面に親水性を付与したり、親水性膜10を設けることによってセンサチップ4の外壁面、およびまたは第二の貫通孔6の内壁面の濡れ性が向上し、接着剤21との親和性が高くなることによって界面の隙間にも接着剤21が効率良く浸透する。その結果、接合の密着性が向上し、接着剤21のはがれや液漏れを防止することができることから、細胞20の測定を確実に行うことができる細胞電気生理センサを実現することができる。
最後に、流路プレート3の接合を行い、図1に示すような細胞電気生理センサを作製することができる。
そして、ウエル1と保持プレート2、および保持プレート2と流路プレート3の接合方法としてはレーザによる溶着が好ましい。
さらに、接着剤21による第二の貫通孔6へのセンサチップ4の固定において、センサチップ4の内壁面に凹凸を形成した構造とすることによって、センサチップ4の外壁面と第二の貫通孔6の内壁面との間の接合強度を更に高めることから、さらに強固にセンサチップ4の第二の貫通孔6への固定を行うことができ、より接着剤21のはがれや液漏れを防止し、これによって複数の細胞20を一括して、確実に測定を行うことができる細胞電気生理センサを実現することができる。
また、センサチップ4の外壁面に設ける凹凸の形成法としては、センサチップ4の第三の貫通孔7とダイアフラム9をドライエッチングにより作成する際に、エッチングを促進するガスとエッチングを抑制するガスを用いることによって形成することができる。エッチングを促進するガスはSF6、CF4などを用い、エッチングを抑制するガスはCHF3、C48などを用いる。これはエッチングを促進するガスによってエッチングを少し行った後、エッチングを抑制するガスによって保護膜を少しだけ形成する。その後はエッチングを促進するガスとエッチングを抑制するガスとを交互に使用し繰り返し行う。これによってセンサチップ4の外壁面に微小な凹凸を形成することができる。
また、第二の貫通孔6の内壁に凹凸を設けることによっても、センサチップ4の外壁面と第二の貫通孔6の内壁面との間に浸透した接着剤21との接触面が増加することによって接合を強固にすることができる。これによって、前記と同様の効果を発揮することができる。
また、第二の貫通孔6の内壁面に設けた凹凸はドリルによる穴開け加工時に発生する凹凸を利用することができる。
また、接着剤21が紫外線硬化型の接着剤であって、保持プレート2を紫外線光が透過する樹脂とすることによって、センサチップ4の側壁と第二の貫通孔6の内壁との間に接着剤21が深く浸透した場合でも、保持プレート2が紫外線光を透過させるため、紫外線照射時に確実に接着剤21を硬化させることができ、確実にセンサチップ4の第二の貫通孔6への固定を行うことができ、接着剤21のはがれやセンサチップ4の外壁面と第二の貫通孔6の内壁面との隙間における液漏れを防止することができ、これによって細胞20の測定を確実に行うことができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における細胞電気生理センサとその製造方法について図面を用いて説明する。
本実施の形態2における細胞電気生理センサの構成はほぼ実施の形態1の構成と同じであり、センサチップ4を第二の貫通孔6へ接着剤により固定する前にセンサチップ4または保持プレート2の親水性処理を行うという点が異なるところである。
ここで親水性処理としては酸素プラズマによる処理、紫外線照射による処理、硫酸と過酸化水素水を用いた湿式処理などがある。これらの方法はすべて、付着している疎水基である炭素を除去し、親水性を向上させる処理である。酸素プラズマによる方法は酸素ラジカルと炭素を反応させ二酸化炭素を形成させることによって、紫外線照射による方法も酸素ラジカルと炭素を反応させ二酸化炭素を形成させることによって、また湿式処理による方法は炭素を硫酸により還元反応させることによって、二酸化炭素を形成し、表面に付着している疎水基である炭素を除去する方法である。これによって接着剤が結合を行いやすい親水性の状態にすることができる。
このようにセンサチップ4の親水性処理を行うことによって、センサチップ4の外壁の濡れ性が向上し、接着剤21との親和性が向上し密着性が向上し、接着剤21のはがれやセンサチップ4と第二の貫通孔6の内壁との間での液漏れを防止でき、これによっても細胞測定を確実に行うことができる。
また第二の貫通孔6の内壁を含む保持プレート2の親水性処理を行うことによって、第二の貫通孔6の内壁の濡れ性が向上し、接着剤21との親和性が向上し密着性が向上し、接着剤21のはがれやセンサチップ4と第二の貫通孔6の内壁の間での液漏れが防止でき、これによっても細胞測定を確実に行うことができる。
本発明の細胞電気生理センサとその製造方法は、複数の細胞を一括して効率よく測定できる細胞の測定に有用である。
本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの断面図 同要部拡大断面図 同断面図
符号の説明
1 ウエル
2 保持プレート
3 流路プレート
4 センサチップ
5 第一の貫通孔
6 第二の貫通孔
7 第三の貫通孔
8 空洞
9 ダイアフラム
14 第一の電極
15 第二の電極
16 流入口
17 流出口
18 細胞外液
19 細胞内液
20 細胞
21 接着剤

Claims (9)

  1. 第一の貫通孔を有するウエルと、このウエルの下方に当接した第二の貫通孔を有した保持プレートとを有し、前記第二の貫通孔の内部に第三の貫通孔を備えたセンサチップを当接し、前記第三の貫通孔に被検体細胞を保持し、この被検体細胞の細胞外電位を検出電極により測定する細胞電気生理センサであって、少なくとも前記第二の貫通孔の内壁面、および/またはセンサチップの外壁面を親水性とし、接着剤によって前記センサチップを接合した細胞電気生理センサ。
  2. センサチップをシリコンとし、第二の貫通孔の内壁面に対向する前記センサチップの外壁面をシリコン酸化物とした請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  3. センサチップをシリコンとし、第二の貫通孔の内壁面に対向する前記センサチップの外壁面をシリコン窒化物とした請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  4. センサチップの外壁面に複数の凹凸を設けた請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  5. 第二の貫通孔の内壁面に複数の凹凸を設けた請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  6. 接着剤を紫外線硬化型とした請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  7. 保持プレートを紫外線透過型樹脂とした請求項1に記載の細胞電気生理センサ。
  8. 保持プレートを環状オレフィンポリマー、線状オレフィンポリマー、またはこれらが共重合した環状オレフィンコポリマー、またはポリエチレンからなる材料から選択される請求項7に記載の細胞電気生理センサ。
  9. 第一の貫通孔を有するウエルと、このウエルの下方に当接した第二の貫通孔を有した保持プレートを有し、前記第二の貫通孔の内部に第三の貫通孔を備えたセンサチップを当接し、前記第三の貫通孔に被検体細胞を保持し、この被検体細胞の細胞外電位を検出電極により測定する細胞電気生理センサの製造方法であって、前記第一の貫通孔を有するウエルを形成する工程と、前記第二の貫通孔を有する保持プレートを形成する工程と、前記第三の貫通孔を有するセンサチップを形成する工程と、前記第二の貫通孔の内壁面および/または前記センサチップの外壁面に親水性を付与する工程と、このセンサチップを前記第二の貫通孔に配置し、前記保持プレートと接合する工程とを備えた細胞電気生理センサの製造方法。
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