JPWO2011121968A1 - センサデバイス - Google Patents

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Abstract

実装基板と、実装基板に保持されたセンサチップとを備えたセンサデバイスである。センサチップは、保持板(12)と、保持板(12)の第一面と第二面とを貫通する複数の貫通孔(18)とを有する。保持板(12)の第一面に被検体を含む溶液を流し、複数の貫通孔(18)が被検体を保持する。複数の貫通孔(18)のうち、隣り合う貫通孔の中心を結ぶ線分の方向と溶液の流れ方向とが非平行である。

Description

本発明は、細胞や生体材料等の被検体を吸着保持し、被検体の電気生理的活動を測定する細胞電気生理センサ、または、プローブを有するビーズ等に被検体を吸着保持し、化学物質、生体物質、もしくは環境物質等の試料を同定する物質同定センサ等のセンサデバイスに関する。
近年、バイオセンサおよびバイオチップに注目が集まっている。バイオセンサおよびバイオチップは、生体の分子認識機構に基づいて、タンパク質、遺伝子、または低分子量のシグナル分子等をバイオセンシングするものである。そのために、レセプターリガンドまたは抗原−抗体反応等の選択特異的な結合や、酵素等の選択触媒反応を所定のセンサデバイスを用いてモニターすることにより、バイオセンシングを行っている。
このようなバイオセンシングを行うセンサデバイスへの応用を目的とし、微細加工技術を利用したセンサチップの開発が進められている。その中でも、微小な貫通孔を有するプレートの上面に、細胞またはビーズ等の被検体を含む溶液を流し、貫通孔に被検体を保持し、固定化した状態で、電気生理学的な測定または蛍光分子を用いた測定を行う手法が注目されている。
例えば、細胞膜に存在するイオンチャネルを電気生理学的に測定する方法として、細胞電気生理センサが提案されている。これは、従来のパッチクランプ法のように、個々の細胞にマイクロピペットを挿入するという熟練作業を必要とせず、高スループットの自動化システムに適している。
この細胞電気生理センサにおいては、生物学的可変性(すなわち、細胞の状態、サイズ、チャネルの発現レベルがばらつくこと)が、プラナー(平面)パッチクランプシステムにおいて成功率を減少させる主な要因となる。
この成功率の低下を防止するために、1種類の被検体を必ず複数のウェル(例えば4ウェル)に分注し測定することで、少なくとも1ウェルの測定を成功させるようにセンサデバイスの設計が行われている。
例えば、細胞集団から平均化されたイオン電流を測定する手法が提案されている。この手法においては、プレートの各ウェルに格子状に複数個の貫通孔が並べられたセンサデバイスを用いている。このようなセンサデバイスを用いて測定することによって、細胞集団から測定される平均化されたイオン電流は、ウェル間で非常に均一なばらつきの少ないものとなり、測定の成功率が非常に高くなる。その結果、複数のウェルでの測定が不要となり、スループットの改善が可能となる。
これらのことから、各ウェルにそれぞれ複数個の貫通孔を形成することで、均一でばらつきの少ない測定データが得られることによる高い成功率が得られるセンサチップの開発が望まれている。
しかしながら、各ウェルにそれぞれ複数個の貫通孔を形成した場合には、測定の際にプレート上面に流れてきた被検体同士で干渉が生じ、被検体の吸引や吸着が行われにくい。これにより、被検体の吸着の成功率が低下し、ギガシール状態を満たすことができず、結果として測定の成功率の向上が阻害される。
なお、上述した技術に関連する先行技術文献としては、例えば、下記の特許文献および非特許文献が挙げられる。
国際公開第02/055653号 国際公開第2007/132769号
Alan Finkel、外5名、「Population Patch Claimp Improves Data Consistency and Success Rates in the Measurement of lonic Currents」、Journal of Biomolecular Screening、2006、P488−496
本発明は、被検体の吸着および保持を容易にし、測定の成功率を向上させるものである。
本発明は、実装基板と、実装基板に保持されたセンサチップとを備えたセンサデバイスである。センサチップは、保持板と、保持板の第一面と第二面とを貫通する複数の貫通孔とを有する。保持板の第一面に被検体を含む溶液を流し、複数の貫通孔が被検体を保持する。複数の貫通孔のうち、隣り合う貫通孔の中心を結ぶ線分の方向と溶液の流れ方向とが非平行である。
これにより、複数の貫通孔を形成したセンサチップにおいて、被検体同士の干渉を防止することにより、被検体の吸引および吸着を容易にし、その結果、測定の成功率を向上させることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるセンサデバイスの一例である細胞電気生理センサの構成を示す模式断面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの断面図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおける保持板の模式平面図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態におけるセンサデバイスの溶液の流れ方向について説明するための図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスの保持板の他の構成を示す模式平面図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図9は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図10は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの、貫通孔付近の構成を示す断面図である。 図11Aは、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおける保持板に用いるシリコン(100)基板のへき開面を示した図である。 図11Bは、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおける保持板に用いるシリコン(110)基板のへき開面を示した図である。 図11Cは、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおける保持板に用いるシリコン(111)基板のへき開面を示した図である。 図12は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの構成を示す断面図である。 図13は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの保持板の模式平面図である。 図14Aは、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおける貫通孔の構成を示す平面図である。 図14Bは、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスの構成を示す断面図である。 図14Cは、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおける窪み部の構成を示す底面図である。 図15Aは、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの構成を説明するための模式平面図である。 図15Bは、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおける他の例の構成を説明するための模式平面図である。 図16は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図17は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図18は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図19は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図20は、本発明の第3の実施の形態に係るセンサデバイスの構成を示す模式断面図である。
以下、本発明の実施の形態におけるセンサデバイスについて説明する。なお各実施の形態において先行する実施の形態と同様の構成をなすものは同じ符号を付して説明し、詳細な説明を省略する場合がある。また、本発明は、以下の各実施の形態に限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるセンサデバイスの一例である細胞電気生理センサ50の構成を示す模式断面図である。
図1に示すように、本実施の形態における細胞電気生理センサ50は、実装基板11と、実装基板11に実装された、保持板12を有するセンサチップ13とを備えている。細胞電気生理センサ50は、さらに、センサチップ13の上方に配置された第一電極槽14と、第一電極槽14の内部であって、センサチップ13の上面(第一面51)側に配置された第一電極15とを備えている。
さらに、細胞電気生理センサ50は、センサチップ13の下方に配置された第二電極槽16と、第二電極槽16の内部であってセンサチップ13の下面(第二面52)である、第一面側とは反対側に配置した第二電極17とを備えている。センサチップ13は、第一面から第二面に向けて形成された、複数個の貫通孔18を有している。
第一電極槽14に、被検体19となる細胞を含んだ第一電解液(細胞外液)を満たし、第二電極槽16には第二電解液(細胞内液)を満たしておく。第一電解液、第二電解液は、ともに図1に示す矢印方向に向かって流れるものとする。
この構成により、センサチップ13は、第一電解液(細胞外液)と第二電解液(細胞内液)との境界界面となる。さらに、貫通孔18を通してセンサチップ13の第一面側から加圧するか、センサチップ13の第二面側から減圧することによって、被検体19と第一電解液とを貫通孔18へ引き込む。これにより、被検体19を、貫通孔18を塞ぐように吸引、保持し、検体することが可能となる。
本実施の形態では、被検体19として哺乳類筋細胞を用い、第一電解液としてはKイオンが155mM程度、Naイオンが12mM程度、Clイオンが4.2mM程度添加された電解液を用い、第二電解液としては、Kイオンが4mM程度、Naイオンが145mM程度、Clイオンが123mM程度添加された電解液を用いる。
なお、第一電解液および第二電解液は、同組成のものを用いることも可能である。
次に、第二電極槽16側からさらに吸引するか、もしくは薬剤(例えばナイスタチン)を投入することにより、被検体19に微細小孔を形成する。
その後、被検体19への刺激となりうる行為を第一電極槽14側から施す。この刺激としては、例えば化学薬品または毒物等による化学的な刺激に加え、機械的変位、光、熱、電気、電磁波等による物理的な刺激等も含む。
そして、被検体19がこれらの刺激に対して活発に反応する場合には、被検体19は、例えば細胞膜が保有するチャネルを通じて各種イオンを放出あるいは吸収する。これにより、細胞内外の電位勾配が変化するため、第一電極15と第二電極17とによってその電気的変化を検出し、細胞の薬理反応等を検討することができる。
なお、本実施の形態では、被検体19の例として哺乳類筋細胞を用いたが、被検体19は細胞に限られるものではない。被検体19は、粒子等任意のものでよい。上述した細胞電気生理センサ50の構成は、ウイルス、食料品産地等の特定DNA配列の検出を行うDNAセンサ、SNP(一塩基多型)配列を検出するSNPセンサ、アレルゲン(アレルギー抗原)の存在を検出する抗原センサ等、農業分野、医療分野、環境分野等に広く用いることができる。
次に、センサチップ13の構造について説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップ13の断面図である。
センサチップ13は、前述のように、二酸化シリコン層21を第一面側に有する保持板12を備えており、保持板12には、第一面と第二面とを連通する複数の貫通孔18が形成されている。
保持板12は、シリコンを主成分としたシリコン層20と、二酸化シリコン層21とからなる積層構造を有していることが好ましい。さらに、保持板12の二酸化シリコン層21の第一面側に、複数の貫通孔18を囲むようにシリコンを主成分とするシリコン層22を形成することにより、センサチップ13自体の強度を上げることができるため望ましい。
さらに、シリコン層20,22を、二酸化シリコン膜またはシリコン窒化膜等の絶縁膜23によって被覆することにより、測定精度を向上することができる。特に、細胞電気生理センサ50として用いる場合には、電気的測定ノイズを低減することができるため好ましい。
センサチップ13を作製するための基材としては、シリコン層20がシリコン(100)面からなるSOI(Silicon on Insulator)基板を用いることが望ましい。SOI基板は、シリコン層−二酸化シリコン層−シリコン層の3層構造からなる。
SOI基板を用い、フォトリソグラフィーおよびエッチング技術を用いて微細加工することによって、一括して多数の高精度なセンサチップ13を作製することができる。SOI基板を用いれば、エッチングプロセスの際、二酸化シリコン層21がエッチングストップ層としての役割を果たすことができるため、高精度にセンサチップ13を作製することができる。
また、二酸化シリコン層21は親水性に富むことから、測定時における気泡の発生を抑制でき、気泡の除去が容易となる。これにより、高精度な測定を実現することができる。測定時に気泡が貫通孔18の近傍に残留していると、ギガシール性を大きく低下させることとなり、測定精度に悪影響を及ぼす可能性がある。二酸化シリコン層21の厚みは、エッチングストップ層として求められる厚みと生産性の観点から、0.5〜10μmとすることが好ましい。
複数の貫通孔18を有する保持板12は、数μmの薄さとなることがあり、製造工程におけるハンドリングと実装性とを考慮して、シリコン層22を形成している。したがって、シリコン層22はセンサチップ13の保持部として機能し、機械的強度を保持する役割と、液体を貯留しておくための機能とを果たしている。
なお、シリコン層22は不可欠な構成要素ではなく、また、センサチップ13の形状と構造によって所定の寸法を適宜選択することができる。シリコン層22の形成には、SOI基板を用いたエッチングによる方法や、貼り合わせ等が考えられるが、プロセスの一貫性から、SOI基板からのエッチングを用いるのがよい。
保持板12は、その厚みを大きくすれば割れにくくなるが、加工に必要な時間が長くなるため、工程のスループットの観点からは、薄いほうが望ましい。また、保持板12の厚みを大きくした場合には、貫通孔18が長くなるため、圧力で被検体19を吸着する際の流路抵抗が大きくなり、被検体19が吸引されにくくなるので、測定の成功率が減少する。これらの点に鑑みて、保持板12の厚みは、望ましくは、5〜50μm程度である。
なお、上述の例では、センサチップ13を作製するための基材として、シリコン層20がシリコン(100)からなるSOI基板を選択したが、シリコン(110)基板、シリコン(111)基板、または、その他の面方位を有したシリコン基板、ガラス基板、フィルム樹脂等の他の基板を用いることも可能である。その場合には、本実施の形態と同様な効果が得られるセンサチップ13の形状や貫通孔18の配置を行えばよい。
加工性や汎用性の観点からは、基材として、シリコン(100)を含む基板を用いることが好ましい。シリコン(100)を含む基板とは、基板に少なくともシリコン(100)が含まれていればよい。すなわち、シリコン(100)単体で構成されているものだけではなく、シリコン層20としてシリコン(100)を用いたSOI基板、一部または全体にボロン等の元素をドーピングされた基板、または、ガラス等にシリコン(100)が貼りあわされた基板等を用いてもよい。
なお、エッチングストップ層として機能する二酸化シリコン層21は、熱酸化により形成するのが一般的であるが、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタ法、または、CSD(Chemical Solution Deposition)法等の他の方法により形成した二酸化シリコン層21を用いることもできる。また、リンをドープしたいわゆるPSG(Phosphorus Silicon Glass)層、ボロンをドープしたいわゆるBSG(Boron Silicon Glass)層、または、リンとボロンをドープしたBPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)層等のドープトオキサイド層を用いてもよい。
次に、センサチップ13の形状や貫通孔18の配置について、詳細に説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおける保持板12の模式平面図である。
図3においては、センサチップ13の保持板12上に形成された貫通孔18の配置を示している。図3の下側の矢印は、センサチップ13の第一面側を流れる溶液の流れ方向H1を示している。本実施の形態のセンサチップ13においては、溶液の流れ方向H1と、隣り合う貫通孔18の中心を結ぶ線分H2の方向(図3においては4つの方向)とが非平行となるように、複数の貫通孔18が形成されている。
ここで、隣り合う貫通孔18とは、最も近接した二つの貫通孔のことを示す。例えば貫通孔18aと隣り合う貫通孔は、貫通孔18aの中心から貫通孔の中心までの距離が最も近接する貫通孔18bとなる。
また、溶液の流れ方向H1とは、流体の平均としての流れ方向のことを示す。
図4は、本発明の第1の実施の形態におけるセンサデバイスの溶液の流れ方向H1について説明するための図である。
図4に示すように、第一電極槽14の壁面14aが互いに平行で第一電極槽の流路幅14bが一定な場合には、溶液の流れ方向H1は壁面14aと平行な方向となる。
一方、第一の電極槽14の壁面14aが互いに平行ではなく、第一電極槽14の流路幅14bが一定でない場合、すなわち、流路が溶液の流れる方向に沿って徐々に狭くなる場合や、溶液の流れる方向に沿って徐々に広くなる場合には、溶液の流れ方向H1は、流体の平均としての流れ方向となる。
本実施の形態においては、図3に示したように、センサチップ13の保持板12の形状が正方形であり、9個の貫通孔18が形成されている。また、9つの貫通孔18が、隣り合う貫通孔18の中心を結ぶ線分H2を描いた場合に、正方形が形成されるように配置されている。さらに、隣り合う貫通孔18の中心を結ぶ線分H2の延長線(図3におけるX−XXで示される線)が、保持板12の正方形形状の一辺(図3における下辺)に対して30度回転している。
上述したように、センサチップ13の保持板12の形状は、正方形が望ましい。これは、センサチップ13の保持板12において、貫通孔18が形成されない無駄な領域が最少となるように形成でき、保持板12を有効に用いることが可能となり、低コスト化に寄与するためである。
センサチップ13のシリコン層としては、シリコン(100)面を使用することが好ましい。さらに、センサチップ13はシリコン(110)方向を一辺に含む正方形形状であることがより好ましい。シリコンの、へき開面であるシリコン(110)方向を一辺に含む正方形形状にすることによって、従来のブレードダイシングによってセンサチップ13の分離を行う場合に、良好な加工性が得られる。なお、本実施の形態においては、保持板12を1mm×1mmの正方形形状とした。
なお、センサチップ13の保持板12の形状は、必ずしも正方形に限定されず、正方形の場合にも、必ずしもシリコン(110)方向を一辺に含む必要はない。センサチップ13の保持板12の形状としては、他に、円形や平行四辺形、長方形等も考えられる。
ただし、加工面をシリコン(110)面以外とした場合には、ブレードダイシングによる加工性が低減する。しかしながら、レーザーを用いたダイシングやセンサチップ13間のエッチングを用いることで、センサチップ13の加工性は向上し、任意の形状を選択することが可能となる。レーザーを用いたダイシングを用いると、高速・チッピングレス・高抗折強度な加工が可能となり、センサチップ13を薄く、小さくすることが可能である。レーザーダイシングによる加工は、熱による影響やデブリ汚染、センサチップ13表面方向への垂直なクラックの発生等により判別することができる。
また、センサチップ13の側面には、スキャロップが形成されている場合がある。一枚の基板を用いて複数のセンサチップ13を同時に形成する場合は、センサチップ13を個別に分離する際にエッチングを用いることができる。この場合、センサチップ13の側面にエッチングの跡が生じる。特に、エッチングとデポジションのサイクルを繰り返すBoschプロセスを用いた場合、センサチップ13の側面にはスキャロップと呼ばれる段差形状を生じる。スキャロップの段差は数nm〜数十nmのオーダーである。
貫通孔18の数は、任意の数を選択することができる。これは、貫通孔18を形成する際に形成するレジストマスクにおいて、マスクホールの個数を変更することによって、同様のプロセスを用いての作成が可能である。
貫通孔18の数を増加させると、平均化されたイオン電流の測定が可能となるので、測定の成功率が向上する。しかしながら、貫通孔18の数が多くなりすぎると、被検体19が保持されない貫通孔18が発生しやすくなるため、センサチップ13全体の合成抵抗が減少し、適切なイオン電流の測定ができなくなる。
一般的には、貫通孔18の数が2〜128個のものを用いることができるが、測定の成功率を考慮すると、10個前後とすることが望ましい。本実施の形態では、貫通孔18の配置密度を高くするために、3×3の9個の貫通孔18の中心をすべて結んだ場合に形成される形状が正方形となるような9個の貫通孔18を形成した。貫通孔18の配置は、センサチップ13の形状および貫通孔18の個数から適切な配置を選択することができる。
なお、貫通孔18の中心間の距離は、20μm以上とすることが測定成功率の観点から望ましい。被検体19の種類や培養条件等にもよるが、一般的に被検体19として用いる細胞の大きさは約20μmであるため、これより貫通孔18の間隔が小さいと細胞同士の干渉が生じて測定の成功率が減少するためである。
貫通孔18間の距離を大きくすることで、構造的に弱い部分が密集しにくくなるため、センサチップ13の信頼性が向上する。しかしながら、多くの穴数が必要な場合には、貫通孔18の形成に必要となる領域が大きくなり、センサデバイスの小型化が困難になることや低コスト化が困難になる等の課題を生じる。
本実施の形態では、十分な距離を設けることで被検体19同士の干渉を防ぐために、貫通孔18間の距離を50μmとした。
貫通孔18同士の間隔は等間隔がよく、配置は、ある貫通孔18aに対して周辺の貫通孔18が上下左右対称となるように配置することが望ましい。すなわち保持板12の中心点において貫通孔18が点対称となるように配置されている。このように配置することで、被検体19吸着の際に対称性が生じ、平均化されたデータが得られやすい。
本実施の形態においては、上述したように、隣り合う貫通孔18a,bの中心を結ぶ線分H2(図3におけるX−XXで示される線)が、保持板12として用いたシリコン(110)方向に対して30°回転するように貫通孔18を配置したが、いずれの角度としても類似の効果が得られる。ただし、例えば45°とした場合には、保持板12として用いたシリコン(110)方向上に貫通孔18の中心が並んでしまうため、その方向上に配置された貫通孔18においては測定の際に流路内に流れてきた被検体19同士の干渉が生じ得る。このため、シリコン(110)方向上に貫通孔18の中心が並ばない、その他の任意の角度を選択することが望ましい。
なお、隣り合う貫通孔18の中心を結ぶ線分H2を描いた場合に正方形が形成されるような形状以外にも、貫通孔18の配置としては、隣り合う貫通孔18の中心を結ぶ線分H2を描いた形状が正多角形となる形状やランダムな配置等もあり得る。
しかしながら、被検体19を吸着させる際の対称性や、センサチップ13における貫通孔18の密度を高くするためには、正多角形となる形状が好ましい。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスの保持板12の他の構成を示す模式平面図である。
図5に示したセンサチップ13の保持板12においては、隣り合う貫通孔18の中心を結ぶ線分H2を描いた形状が正三角形となるように、貫通孔18が形成されている。このとき、溶液の流れ方向H1と隣り合う貫通孔18a,18bの中心を結ぶ線分H2とは非平行となる。なお、溶液の流れ方向H1と、隣接しない貫通孔18a,18cの中心を結ぶ線分H3とは平行になるが、隣接しない貫通孔18a,18cの中心を結ぶ線分H3の長さと、隣り合う貫通孔18a,18bの中心を結ぶ線分H2の長さとの関係が、H3>H2の関係となっていればよい。
また、隣り合う貫通孔18a,18bの中心を結ぶ線分H2(図5におけるY−YYで示される線)が、保持板12として用いたシリコン(110)方向に対して30°回転するように貫通孔18を配置している。
図5に示したような貫通孔18を形成した場合にも、センサチップ13を小型化しつつ、貫通孔18の密度を高めることができ、被検体19を効率よく吸着および保持することが可能となる。
上述したように、本実施の形態のセンサチップ13によれば、隣り合う貫通孔18a,18bの中心を結ぶ線分H2の方向が、第一面側を流れる溶液の流れ方向H1と一致しない。これにより、被検体19を含む溶液の流れ方向において、手前の貫通孔18に被検体19が保持された場合、その手前の貫通孔18に保持された被検体19が障害となり、後方の貫通孔18に被検体19が保持されにくくなるという現象を防ぐことが可能となる。つまり、貫通孔18に被検体19が保持される確率が増加するので、測定の成功率を向上させることができる。
次に、本実施の形態における、センサデバイスの一例である細胞電気生理センサ50のセンサチップ13の製造方法について説明する。
図6〜図9は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップ13の製造方法について説明するための図である。
まず、センサチップ13を作製するための基板として、シリコン層20がシリコン(100)からなるSOI基板を準備する。
そして、図6に示すように、シリコン層20の表面(図6における下面)に第一のレジストマスク24を形成する。このとき、それぞれのセンサチップ13に対して、所望する個数の、貫通孔18の開口部の形状と実質的に同じ形状の複数個のマスクホール25をパターニングしておく。
次に、図7に示すように、シリコン層20をマスクホール25側からエッチングして貫通孔18を形成していく。エッチング方法としては、高精度な微細加工が可能であることからドライエッチングが望ましい。ドライエッチングを行う場合、アスペクト比の高い(孔径に対して奥行きの深い)貫通孔18を形成するために、エッチングを促進するガス(エッチングガス)とエッチングを抑制するガス(抑制ガス)とを交互に用いる。
本実施の形態では、エッチングガスとしてSF、抑制ガスとしてCを用いる。ドライエッチング工程としては、外部コイルの誘導結合法によりプラズマを生成し、そこにエッチングガスとしてSFを導入するとFラジカルが生成する。そして、生成したFラジカルがシリコン層20と反応してシリコン層20が化学的にエッチングされる。
このとき、シリコン層20に高周波を印加すると、シリコン層20にはマイナスのバイアス電圧が発生する。すると、エッチングガスに含まれるプラスイオン(SF )がシリコン層20に向かって垂直に衝突し、このイオン衝撃によってシリコン層20が物理的にエッチングされる。このようにして、ドライエッチングがシリコン層20内を垂直方向に進行する。
一方、抑制ガスCを用いる際には、シリコン層20に高周波を加えないでおく。そうすることによって、シリコン層20にはバイアス電圧は全く発生しない。したがって、抑制ガスCに含まれるCFが、偏向を受けることなくシリコン層20のドライエッチング穴の壁面に付着し、表面に均一なフロロカーボンからなる重合膜が形成される。
このフロロカーボン膜が、重合膜となってエッチングを抑制する。この重合膜は貫通孔18の壁面部分だけでなく底面にも形成される。貫通孔18の底面に形成された重合膜は、壁面に形成された重合膜と比較して、イオン衝撃により容易に除去されるため、エッチングは垂直方向に進むことになる。このようなエッチングが進むと、やがて二酸化シリコン層21の表面に到達し、エッチングの深さ方向への進行は二酸化シリコン層21の表出面で停止する。
なお、図7に示すように、貫通孔18内部のシリコン層20と二酸化シリコン層21との界面付近に凹部26を設けることも可能である。二酸化シリコン層21は前述したエッチング条件ではエッチングされにくい性質を有している。よって、エッチングが進んで、二酸化シリコン層21の表面に到達すると、前述のように、エッチングの深さ方向への進行は二酸化シリコン層21の表出面で停止する。
この後、さらにエッチングを行うと、表出した二酸化シリコン層21の表面にエッチングイオンが蓄積されていくことになり、エッチングイオンと二酸化シリコン層21の表面に蓄積したエッチングイオンとが反発し、エッチングイオンが横方向へと進行し始める。このため、二酸化シリコン層21の近傍において、徐々にテーパ状に開口幅が広くなった凹部26を形成することができる。
このように、保持板12を、導電体であるシリコン層20と絶縁体である二酸化シリコン層21の積層構造とすることによって、二酸化シリコン層21表面でエッチングが横方向へと進行しやすい状態となり、凹部26を形成することができる。凹部26の深さは1μm程度である。この深さはエッチング時間によって制御することが可能である。
なお、エッチングガスとしてはその他にCF、抑制ガスとしてはその他にCHFを用いることもできる。
なお、保持板12の貫通孔18の開口部には、窪み(図示せず)を設けてもよい。被検体19を保持する保持板12の第一面側に窪みを設けた場合には、貫通孔18付近に被検体19を密集させやすくなるため、測定の成功率が向上する。
また、保持板12の貫通孔18の第二面側に窪みを形成すると、流路抵抗を抑制することが可能となる。これにより、シリコン層20の厚みが厚い場合においても、流路抵抗を減少させることで、薬剤の循環効率や被検体19の吸着や吸引しやすさが両立できる。
上述した窪みの形成には、量産性の観点から、アルカリ溶液によるウエットエッチングを用いるのが好ましい。この場合、エッチングの速度は、一般的にシリコン(100)面>シリコン(110)面>>シリコン(111)面であるため、ピラミッド形状の窪みが形成される。
また、窪みの形成には、SF、CF、Cl、XeF等の、シリコンをエッチング可能なガスエッチングを用いてもよい。この方法によれば、形状を様々に制御することができる。
なお、保持板12の貫通孔18には、リム部(図示せず)を形成してもよい。特に、被検体19を保持する保持板12の第一面側により近い位置に、リム部を形成することにより、被検体19の密着性を向上することが可能となる。このとき、リム部は保持板12の第一面に対しほぼ垂直に突出していることが望ましいが、リム部が保持板12の第一面に対してほぼ平行に突出していたり、保持板12の第一面に対し斜めの角度をなして突出していたりしても同様の効果を奏するものである。
なお、保持板12の貫通孔18の内壁は滑らかであることが好ましい。
次に、図8に示すように、二酸化シリコン層21を第二面側からドライエッチングする。このドライエッチングに用いるエッチングガスとしては、例えばCHFとArの混合ガスを用いる。CHFとArの混合ガスは、プラズマ励起されたArガスが直進性の高いエッチングガスとなる。Arイオンのようなスパッタを行うエッチング成分を多く使用することによって、貫通孔18の開口部より直進して進入し、絶縁体である二酸化シリコン層21を選択的にエッチングすることができる。
また、CHFは、二酸化シリコン層21の表面では、重合膜が形成されにくいが、シリコン層20の表面ではフロロカーボンからなる重合膜を形成する。また、貫通孔18を形成したときのフロロカーボン膜も保護膜として機能する。このため、さらに二酸化シリコン層21を選択的にエッチングしやすい効果が得られる。なお、この際に用いるエッチングガスとしては、他にもCF/HやCHF/SF/He等を用いることもできる。
以上説明したように、保持板12の積層体の二種類の材料が、同一のガスに対してそれぞれ異なったエッチングレートを有することによって、シリコン層20をエッチングする際には二酸化シリコン層21がエッチングされず、二酸化シリコン層21をエッチングする際にはシリコン層20がエッチングされない。この性質を利用して、所望の貫通孔18の形状を容易に形成することができる。
次に、図9に示すように、シリコン層22の表面側(第一面側)より、第二のレジストマスク27を形成した後、シリコン層20をエッチングしたのと同じエッチング条件にてシリコン層22をエッチングして、キャビティ28を形成する。このエッチングの深さ方向への進行も、二酸化シリコン層21の表出面でストップする。このとき、図9に示したように、二酸化シリコン層21の貫通孔18の周縁部では、二酸化シリコン層21が突き出たような形状となる(オーバーハング状態)。
その後、大気中の熱処理炉の中に投入し、酸素を含む雰囲気で加熱していくとシリコン20,22の表面が酸化していき、表出したシリコン20,22の表面に、均一な二酸化シリコン膜である絶縁膜23が形成される。このようにして、センサチップ13を製造することができる。
本実施の形態において、絶縁膜23の厚みは200〜230nmとした。このとき、厳密には二酸化シリコン層21の厚みも同時に増加するが、酸化は酸素の拡散によって進行するので、酸化前の二酸化シリコン層21の厚みによってその増加量は異なる。例えば、酸化前の二酸化シリコン層21の厚みが500nmであるとき、その増加量は50nm程度である。
また、この絶縁膜23の形成温度は、700℃以上とすることが可能である。
絶縁膜23によって、少なくとも貫通孔18の内壁面に表出したシリコン層20の表面を被覆することで、被検体19となる細胞の捕捉性とギガシール性を向上することができる。しかしながら、熱酸化のプロセスにおいてはセンサチップ13を熱処理炉へ投入することから、表出したシリコン20,22の表面を、全て絶縁膜23によって被覆することが、生産性の観点から効率が良いので好ましい。
このように、センサチップ13全体の表面を絶縁膜23と二酸化シリコン層21とで被覆することによって、センサチップ13の親水性を高めることができる。これにより、薬液等の液体との濡れ性を高め、気泡の発生を抑制できる、細胞電気生理センサ50用のセンサチップ13を実現することができる。
また、センサチップ13の表面を絶縁材料にて被覆することによって、第一電極15と第二電極17との間の電気絶縁性を高め、電気生理現象を測定するときの測定精度の向上と再現性を高めることができる。これは、細胞膜からの電気信号は数nAであるため、浮遊容量によって過渡電流を生じると、精度の高い測定が困難となるためである。
なお、絶縁膜23の形成方法としては、酸素ガスのみを導入し、酸化させるドライ酸化を用いたが、他の方法でも同様の効果が得られる。例えば、酸素ガスと水素ガスとを1:2の割合で送り込み、炉の導入口に近いところで水蒸気(HO)を作り、この水蒸気をシリコン表面に送って酸化させるウエット酸化や、HClあるいはCl等のハロゲンを添加した雰囲気での酸化も使用することが可能である。
なお、シリコン層20,22を被覆する絶縁膜23の材料としては、ストップ層として機能する二酸化シリコン層21と同様に、二酸化シリコン膜に限定されない。例えば、リンをドープしたいわゆるPSG膜、ボロンをドープしたいわゆるBSG膜、あるいはリンとボロンをドープしたBPSG膜等のドープトオキサイド膜等を用いることができる。また、CVD法やスパッタ法やCSD法等の他の方法により形成した二酸化シリコン膜を用いてもよい。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップ13の、貫通孔18付近の構成を示す断面図である。
図10に示したように、保持板12の周辺には、貫通孔18の内壁も含め、絶縁膜23が形成されている。これは、二酸化シリコン層21および絶縁膜23の軟化点以上の温度に保温することにより、二酸化シリコン層21および絶縁膜23の表面が溶融し始め、表面が平滑化される(リフロー)からである。また、図9に示した、貫通孔18の周縁部でオーバーハング状態であった二酸化シリコン層21の突き出た部分が、貫通孔18の内壁面に垂れ下がるような状態で流動し、貫通孔18の内壁面に形成された絶縁膜23と連続的に繋がるからでもある。これにより、開口部(図10における貫通孔18が被検体19と接触する部分)に向かって、貫通孔18に平滑な湾曲面形状を有するセンサチップ13を作製することができる。
このとき、貫通孔18の周辺の保持板12は、二乗平均粗さRq=1.0nm以下の非常に平滑性に優れた面となる。この二乗平均粗さRqは、表面粗さの分布を測定した際の、平均値から測定値までの偏差の二乗を平均した値の平方根で定義される。
図10に示した構成により、開口部の湾曲面に沿って被検体19を捕捉することから、被検体19と貫通孔18の開口部との密着性を高めるとともに、その密着状態を維持しやすくなり、センサデバイスでの測定精度を向上させることができる。これは、貫通孔18の開口部が二乗平均粗さRq=1.0nm以下の平滑な面で形成されていることと、保持板12の上面において同じく二乗平均粗さRq=1.0nm以下の滑らかな平面部を有することによる。
ドープされていない、熱酸化によって形成された二酸化シリコンの場合には、軟化温度が1160℃と比較的高いが、PSG層は軟化点が1000℃前後、BSG層やBPSG層の軟化点は約900℃程度と軟化温度が低い。そのため、これらの材料を用いた場合には、リフロー温度を低下させることができる。
PSG層を用いる場合には、リン濃度が約6から8重量パーセントである。BPSG層を用いる場合には、ドーパント濃度は、ボロンが1から4重量パーセント、および、リンが4から6重量パーセントである。リンの濃度が約7〜8重量パーセントよりも高くなると、酸化物中のリンと大気中の水分との間で反応する。また、ボロンの濃度が約4パーセントより高くなると、高湿度においてガラスが不安定となる。
また、絶縁膜23として、CVD法により形成した二酸化シリコンを用いた場合には、軟化点が1000℃前後となるため、約1000℃の熱で溶融させることができ、省エネルギーかつ高精度なセンサチップ13の形成を実現できる。CVD法により形成した二酸化シリコンは、熱酸化により形成した二酸化シリコンよりも軟化点が低くなる。さらに、CVD法により形成した二酸化シリコンは、400℃以上の温度において、重合物が膜表面で流動することによる自己平坦化特性を併せ持つ。
CVD法で形成する際に用いる原料としては、TEOS−Oが特に自己平滑性に優れているが、SiH−O、TEOS−O等の、SiHまたはTEOSと酸化剤として作用するガスの組み合わせでもよい。
二酸化シリコンがCVD法により形成されたものか、熱酸化によるものかは、その屈折率または密度を比較することで分かる。CVD法による二酸化シリコンは、屈折率が約1.46であり、熱酸化による二酸化シリコンは、屈折率が約1.48となる。なお、この屈折率は、波長が632.8nmのHe−Neレーザーを用い、エリプソメトリで測定した値である。
また二酸化シリコンの密度は、直接測定することは困難な為、バッファードフッ酸(BHF)のエッチングレートから分析することができる。BHF(48%HFを10mlに対して、680mlのHOに11gNHFを加えた溶液から100ml取り出して加えた溶液)を用いた場合は、CVD法による二酸化シリコンはそのエッチングレートが約20Å/minとなり、熱酸化による二酸化シリコンは約6.8〜7.3Å/minとなる。
センサチップ13を軟化点以上の温度に保持することによって、貫通孔18の穴は真円に近づくが、形状は保持された温度および時間等の条件と、絶縁膜23の形成厚みとによって変化する。絶縁膜23の形成厚みが大きいほど、この傾向は強くなる。温度が高いまたは時間が長い場合には、大きな形状変化を引き起こすため、ほぼ真円の形状となりやすい。
なお、貫通孔18の形状は特に問わず、測定を行う被検体19の種類、形状等によって、最適な形状を選択すればよい。ただし、細胞や球状の粒子の場合は被検体19が真球に比較的近い形状を有しているため、この場合の貫通孔18の形状は、真円の形状に近いほうが被検体19を等方的に吸引できるため望ましい。
本実施の形態においては、シリコンよりなる保持板12を用いているため、保持板12の割れを低減し、測定の成功率向上が可能となる。変形しやすいために割れの問題が生じにくいフィルム樹脂と異なり、シリコン単結晶材料では、脆くて壊れやすいことや、へき開性を有するため、被検体保持部が割れやすいという課題を有している。特に、へき開は、結晶構造において原子間の結合力の弱い面において起こる破壊であり、作製プロセス中に生じる基板の傷や欠け等によって容易に起こり得るものである。
しかしながら、本実施の形態では、保持板12の貫通孔18を形成している面にシリコン(100)面を用いて、シリコン(110)方向上に隣接する貫通孔18の中心が並ばないように形成している。これにより、シリコンのへき開面上に構造的に弱い貫通孔18が連続的に配置されないため、保持板12の割れを低減できる。
シリコン(110)基板やシリコン(111)基板等の他の方位の基板を用いた場合、シリコンの基板上において、へき開面が存在する方向は、シリコン基板の方位によって異なる。このため、同様の効果を得るには、へき開面上に貫通孔18の中心が並ばないように貫通孔18を配置すればよい。
図11A〜11Cは、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおける保持板12に用いるシリコン基板のへき開面を示した図である。図11Aは、シリコン(100)基板のへき開面を示し、図11Bは、シリコン(110)基板のへき開面を示し、図11Cは、シリコン(111)基板のへき開面を示している。
図11A〜11Cに示した、へき開面の方向と、隣り合う貫通孔18を結ぶ線分H2の方向とが一致しないように貫通孔18を形成することにより、センサチップ13の保持板12の割れを低減できる。これにより、被検体19となる細胞のイオン電流の値を正確に測定することが可能となり、測定成功率を向上させることができる。
なお、一般的に、基板の方位はX線回折法(CuKα線、λ=0.15418nm)により判別が可能である。シリコン(100)基板を用いた場合は69.2°、シリコン(110)基板なら47.3°、シリコン(111)基板なら28.5°に回折のピークを生じることから、基板の方位を判別できる。
以上述べたように、本実施の形態によれば、シリコン(100)基板を用いて、各センサチップ13に複数個の貫通孔18を形成した場合に、測定の際に流路内に流れてきた被検体19同士の干渉を防ぐことにより、細胞の吸引および吸着がしやすく、高い測定成功率を有するセンサデバイスを提供することができる。
特に、シリコン(100)面を表面に持つ基材を用いて、かつ、隣り合う貫通孔18a,18bの中心を結んだ線分H2がシリコン(110)方向と一致しない場合に、保持板12の割れを低減し、測定の成功率を向上することが可能となる。これは、シリコン(110)方向上に最近接する貫通孔18の中心が並んでいないため、シリコンの、へき開面上に構造的に弱い貫通孔18が連続的に配置されないためである。このため、被検体19となる細胞のイオン電流の値を正確に測定することが可能となり、測定成功率の向上が期待できる。
また、貫通孔18の中心間距離が小さくなっても、センサチップ13の強度の維持が可能であり、よりセンサチップ13を高密度化および小型化できる。これにより、同一面積から作製できるセンサチップ13の数は増加するため、センサチップ13の低コスト化にも寄与することができる。
なお、本実施の形態のセンサチップ13は、流路を用いて被検体19を導入して測定を行う場合に限定されず、センサチップ13上に被検体19を滴下して測定を行う場合でも実施可能である。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
なお、第1の実施の形態で説明した要素と同じ要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図12は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップ33の構成を示す断面図である。
本実施の形態のセンサチップ33が、第1の実施の形態のセンサチップ13と異なる点は、貫通孔38の開口部における形状が円形ではなく、複数の孔径を有する形状である点である。また、貫通孔38の孔径の最短長さよりも長い孔径の長さ方向と、溶液の流れ方向H1とが平行である点である。
図12に示すように、センサチップ33は、第一面61(上面)と第二面62(下面)とを有する保持板32を備えており、保持板32には第一面と第二面とを連通する複数の貫通孔38が形成されている。さらに保持板32の下方である第二面側には窪み部29が形成されている。
本実施の形態において、センサチップ33の保持板32は、ボロンドープ層30とシリコン層31との二層構造で形成されており、二酸化シリコン膜やシリコン窒化膜等の絶縁膜43で被覆されている。
次に、本実施の形態におけるセンサチップ33の形状や貫通孔38の配置について、詳細に説明する。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップ33の保持板32の模式平面図である。
図13に示すように、センサチップ33の保持板32は、正方形形状に形成されており、9個の貫通孔38が形成されている。9個の貫通孔38は、隣り合う貫通孔38の中心を結ぶ線分H2を描いた場合に、正方形が形成されるように配置されている。9つの貫通孔38は、保持板32の第一面での開口部において、円形状ではなく、それぞれ複数の孔径を有している。
ここで、複数の孔径を有している、とは、貫通孔38の中心から外周までの距離が複数存在することをいう。すなわち、貫通孔38の開口部の形状が真円ではなく、多角形またはランダムな形状を有していることをいう。
図13に示した例においては、貫通孔38の開口部の形状は、一辺の長さがrの正方形状である。貫通孔38の開口部の形状が正方形の場合には、貫通孔38の開口部の最長長さR1は対角線の長さとなる。そして、この貫通孔38の開口部の最長長さR1と、溶液の流れ方向H1とが一致するように複数の貫通孔18が配置されている。
なお、図13に示した例では、貫通孔38の開口部の最長長さR1と溶液の流れ方向H1とが一致するように複数の貫通孔38が形成されている。しかしながら、本発明はこの例に限定されない。貫通孔38の孔径の最短長さであるrよりも長い孔径の方向と、溶液の流れ方向H1の方向とが一致していればよく、この孔径が取りうる長さは、rより長く√2r(=R1)以下となる。すなわち、貫通孔38の孔径の最短長さであるrの方向と、溶液の流れ方向H1の方向とが非平行である。
図14Aは、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおける貫通孔38の構成を示す平面図であり、図14Bは、センサチップ33の構成を示す断面図であり、図14Cは、窪み部29の構成を示す底面図である。
図13及び図14A,Bに示したように、本実施の形態においては、保持板32をシリコン(100)方向を一辺に含む正方形形状とし、貫通孔38の開口部の形状をシリコン(110)方向を一辺に含む正方形形状とし、貫通孔38の開口部の正方形形状の対角線R1の方向と溶液の流れ方向H1とが平行となるように形成している。
また、図14Cに示したように、センサチップ33の保持板32を下方から見た時の窪み部29の平面形状は、シリコン(110)方向を一辺に含む正方形形状となり、この正方形形状の対角線方向と溶液の流れ方向H1とが平行となるように形成されている。
ここで、図13に示したように、センサチップ33の保持板32のシリコン(110)方向と、保持板32の第一面の上方を流れる溶液の流れ方向H1とが成す角度をAとする。
図11Aに示したように、シリコン(100)基板上では、90°おきに同一の結晶方向が存在する。このため、角度Aの取りうる範囲は0°<A<90°であり、後述する最大の効果を得ることができる角度は45°となる。角度Aが45°に近づくほど、より大きな効果が得られる。
貫通孔38の開口部の形状を正方形形状とするためには、センサチップ33の保持板32の正方形形状の一辺として、シリコン基板の(100)方向を用いることが好ましい。この場合、基板内における無駄な領域が最小となるように形成でき、生産性において望ましいためである。
すなわち、センサチップ33の形状を、貫通孔38の開口部の形状と同じ正方形にすることによって、センサチップ33作製時に、一枚の基板から複数のセンサチップ33を作成する際に、基板内における無駄な領域が最少となるように形成でき、生産性を向上できる。さらに、センサチップ33の作製に用いる基板を有効に用いることが可能となり、低コスト化に寄与することができる。
また、センサチップ33の一辺を(100)方向とした場合、基板内における無駄な領域が最少となるように形成できるため生産性において望ましい。
ただし、センサチップ33の一辺として(110)以外の方向を選択する場合には、センサチップ33をウエハから固片化する際に、ブレードダイシングによる加工性が低下し、センサチップ33の固片化が困難となる。しかしながら、センサチップ33の固片化にレーザーを用いたダイシングやセンサチップ33間のエッチングを用いることにより、センサチップ33の加工性を向上させることができ、例えば円形等の任意の形状を実現することが可能となる。
なお、ダイシングによる加工法の差異は、センサチップ33の側面を観察することで、判定が可能である。
一方で、センサチップ33の一辺を(110)方向に有する正方形形状とした場合には、隣り合う貫通孔38の中心を結ぶ線分H2とセンサチップ33の一辺とが平行ではなく、ある一定の角度を有していることが好ましい。しかし、平行でなかった場合は、センサチップ33の全面に貫通孔38を配置することが困難となり、センサチップ33の小型化に課題を生じる。一方で、ブレードダイシングによる加工性が向上する。これらの効果を総合的に考慮し、センサチップ33の形状を選択することが望ましい。
図13に示した例においては、センサチップ13の一辺を(100)方向に持つ正方形形状とし、貫通孔38の開口部の形状を正方形形状としており、このとき、貫通孔38の開口部の正方形形状の一辺を、センサチップ13の一辺に対して、45°回転させた配置を行っているため、同一シリコン(110)方向上に形成されている貫通孔18の数を少なくすることができる。この効果について、詳細に説明する。
図15Aは、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップ33の構成を説明するための模式平面図であり、図15Bは、別の例の構成を説明するための模式平面図である。
図15Aの例においては、隣り合う貫通孔38の中心を結ぶ線分距離をaとし、センサチップ33の保持板32の一辺がシリコン(100)方向であるときの、シリコン(110)方向における、隣り合った貫通孔38間の貫通孔が形成されていない領域の長さをbとしている。
また、図15Bの例においては、隣り合う貫通孔38の中心を結ぶ線分距離をaとし、センサチップ33の保持板32の一辺がシリコン(110)方向であるときの、シリコン(110)方向における、隣り合った貫通孔38間の貫通孔が形成されていない領域の長さをcとしている。
このとき、bとcとの長さの関係は、b>cとなり、たとえ隣り合う貫通孔38の中心を結ぶ線分距離aが同じであっても、図15Aの構成の方が、シリコン(110)方向上に形成されている貫通孔38の数を少なくすることができる。その結果、構造的に弱い貫通孔38が連続的に配置されないために、構造的に強度が増し、センサチップ33の割れを低減できる。そのため、細胞のイオン電流の値を正確に測定することが可能となり、測定成功率の向上が期待できる。
さらに、貫通孔38の中心同士の間隔aを小さくしたとしても、センサチップ13が一辺を(100)方向に持つ場合(図15Aの構成)は、センサチップ13が一辺を(110)方向に持つ場合(図15Bの構成)と比較して、センサチップの強度の維持が可能であり、よりセンサチップを高密度化および小型化できる。これにより、同一面積から作製できるセンサチップの数は増加するため、センサチップの低コスト化にも寄与することができる。
次に、本実施の形態のセンサデバイスに用いられるセンサチップ33の作製方法について説明する。
図16〜図19は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップ33の製造方法について説明するための図である。
本実施の形態においては、厚み方向の一部にボロンドープ層30が形成されたシリコン層31からなるシリコン(100)基板を用いて、正方形のセンサチップ33を作製する。ここではセンサチップ33の一辺を(100)方向に有する正方形形状(図15Aの構成)を作製するものとする。
ボロンドープ層30は、アルカリ溶液によるシリコンのウエットエッチング時にストップ層として機能する。これにより、高精度なセンサチップ33形状の実現が可能となる。ボロンドープ層30の厚みは1〜30μmであり、ボロン濃度は2×1019(/cm)以上である。
シリコン層31への元素の注入には、イオン注入法を用いるのが適している。イオン注入法とはイオンを電気的に加速して個体にぶつけることで、特定の元素を基板内に注入する方法であり、深さ方向の濃度分布の制御性がよい。これにより、より高精度に所望の元素を添加することができる。その他にも、プラズマを用いた注入法や気相拡散あるいは、固相拡散といった熱拡散を用いることも可能である。これらの元素の注入法を実施した場合には、シリコン内部に添加した元素に濃度勾配が生じる。また、熱酸化によって形成した二酸化シリコン膜やシリコン窒化膜等の絶縁膜43にも熱拡散によって元素が添加されるため、濃度勾配を生じる。
まず、図16に示したように、ボロンドープ層30の上方の第一面に、フォトリソグラフィー技術を用いて第一のレジストマスク42を形成し、貫通孔38と同程度(0.5μm〜5μm)の大きさのマスクホール53を形成する。マスクホール53の形状は円形状である。
次に、図17に示すように、シリコンの垂直加工が可能なBoschプロセスを用いて、貫通孔38を形成する。貫通孔38の長さは、ボロンドープ層30の厚み以上の長さとなるように形成する。通常、1〜50μmの深さを有する垂直な貫通孔38を形成する。
次に、図18に示すようにLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposiotion)等の方法を用いて、二酸化シリコン膜やシリコン窒化膜等からなる絶縁膜43を貫通孔38内部に被覆する。
絶縁膜43としては、アルカリエッチングに耐性のある材料なら、特に材料やその形成方法は問わない。その後、フォトリソグラフィー技術を用い、シリコン層31の、ボロンドープ層30が設けられた側とは反対側の第二面に対して第二のレジストマスク34を形成する。
そして、図19に示すように、KOHまたはTMAH溶液等のアルカリ溶液によるシリコンの異方性のウエットエッチングを用いて、窪み部29を形成する。窪み部29の深さはエッチングの時間によって制御することができる。本実施の形態においては、ボロンドープ層30をセンサチップ33の第一面側に形成しているので、エッチストップを規定することが可能となり、センサチップ33の形状を高精度に制御することができる。
このエッチングによって、シリコンの方位によるエッチングレートの差から、窪み部29の形状をシリコン(111)面で囲まれたピラミッド形状とすることができる。このとき、シリコン層31の側面とボロンドープ層30との成す角度Xは約54°となっている。
アルカリ溶液によるシリコンウエットエッチングの場合、エッチングの速度は、一般的にシリコン(100)>シリコン(110)>>シリコン(111)となる。つまり、窪み部29のピラミッド形状は、基板面に対して垂直に見た場合、図14Cに示したように、ピラミッド形状の上面の一辺が(110)方向を一辺として形成される正方形の形状となる。アルカリ溶液によるシリコンのウエットエッチングは、複数枚の一括処理がしやすく、装置が簡便であるため、コスト面においてメリットを有する。
他にも、窪み部29の形成は、SF、CF、Cl、XeF等による、シリコンをエッチング可能なガスエッチングを用いることも可能である。ただし、これらの場合、シリコンの方位によるエッチングレートの差が出にくいため、窪み部29は、はっきりしたピラミッド形状にはならず、比較的丸みを帯びた形状となる。
なお、必要に応じて、図12に示したように、シリコン層31に対して選択的にエッチマスクを除去した後、センサチップ33全体に対して、二酸化シリコン膜やシリコン窒化膜等の絶縁膜43を形成する。絶縁膜43の厚みが300nm以上あれば、前述の効果を有するが、より酸化膜厚が大きなほうが貫通孔38の開口部の形状が四角(正方形)に近くなるため、被検体19の吸引や薬液の循環への効果が顕著に現れる。ここでは絶縁膜43の厚みを300〜2000nmとした。この場合、絶縁膜43の軟化点以下の温度で形成することが望ましい。
二酸化シリコン膜の成長速度は、方位によって依存し、一般的にシリコン(110)>シリコン(100)である。絶縁膜43として熱酸化による二酸化シリコン膜を形成する場合は、孔形状が円形状に形成された貫通孔38は、絶縁膜43が形成されていくにつれて円形状を維持しにくく、正方形形状となる。このようにして、貫通孔38の開口部の形状を正方形形状とすることができる。つまり、貫通孔38の開口部の形状は基板面に対して垂直に見た場合、窪み部29の形状と同様にシリコン(110)方向を一辺とした正方形形状することが可能となる。
本実施の形態では、特に、センサチップ33に形成された貫通孔38が、開口部において複数の孔径を有しており、この複数の孔径の中の最短長さよりも長い孔径の長さ方向と、溶液の流れ方向とが平行となっている。このため、被検体19の吸引が効率的に行われやすくなり、測定の成功率を向上させることができる。
特に、貫通孔38の開口部の形状を正方形形状とすると、その孔径の最長の長さとなる対角線R1の方向と、センサチップ33の第一面の上方を流れる溶液の流れ方向H1とが一致することとなる。そのため、被検体19の吸引が効率的に行われやすくなり、測定の成功率を向上させることができる。
また、抗生物質等の測定に必要な溶液の導入方向であるセンサチップ33の第二面の下方を流れる溶液の流れ方向と、窪み部29の窪み形状の対角線方向とが一致することになる。そのため、抗生物質の循環がスムーズとなり、測定の成功率を向上させることができる。
さらに、センサチップ33の保持板32としてシリコン(100)方向を一辺に含む正方形形状を用い、貫通孔38の開口部の形状を正方形形状とし、貫通孔38の開口部の正方形形状の対角線R1の方向と溶液の流れ方向H1とが平行となるように形成されている。
上記構成によって、被検体19を含む溶液の導入方向であるセンサチップ33の第一面の上方を流れる溶液の流れ方向H1が、センサチップ33のシリコン(100)方向と一致することになる。さらにこのとき、貫通孔38の開口部の正方形形状の対角線R1の方向もまたシリコン(100)方向と一致することになる。つまり、被検体19を導入して測定を行う場合には、貫通孔38の正方形形状の最長の長さを有する対角線R1の方向と被検体19の導入方向であるセンサチップ33の第一面の上方を流れる溶液の流れ方向が一致することとなる。そのため、被検体19の吸引が効率的に行われやすくなり、測定の成功率を向上させることができる。
同様に、センサチップ33の保持板32を下方から見た時の窪み部29の平面形状は、シリコン(110)方向を一辺に含む正方形形状となり、この平面形状の対角線方向と溶液の流れ方向H1とが平行となるように形成されている。
上記構成によって、センサチップ33の保持板32の第二面の下方を流れる溶液の流れ方向がセンサチップ33のシリコン(100)方向と一致することになる。さらにこのとき、窪み部29の正方形形状の対角線方向はシリコン(100)方向と一致している。
つまり、抗生物質等の測定に必要な溶液の導入方向であるセンサチップ33の第二面の下方を流れる溶液の流れ方向と窪み部29の正方形形状の最長の長さを有する対角線方向とが一致することになる。そのため、抗生物質の循環がスムーズとなり、測定の成功率を向上させることができる。
また、窪み部29を形成することにより、流路抵抗を抑制することが可能となる。これにより、センサチップ33の厚みが厚い場合においても、流路抵抗を減少させることで、薬剤の循環効率や被検体19の吸引しやすさが両立できる。
さらに追加の効果として、センサチップ33の割れを低減し、測定の成功率向上が可能となる。シリコン(110)方向上に隣接する貫通孔38の中心が並んでいないため、シリコンのへき開面上に構造的に弱い貫通孔38が連続的に配置されないため、センサチップ33の割れが低減できる。このため、被検体19となる細胞のイオン電流の値を正確に測定することが可能となり、測定成功率の向上が期待できる。
また、貫通孔38の中心間距離が小さくなっても、センサチップ33の強度の維持が可能であり、よりセンサチップ33を高密度化および小型化できる。これにより、同一面積から作製できるセンサチップ33の数が増加するため、センサチップ33の低コスト化にも寄与することができる。
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態におけるセンサデバイスについて説明する。
図20は、本発明の第3の実施の形態に係るセンサデバイスの構成を示す模式断面図である。
第1の実施の形態および第2の実施の形態で説明した要素と同じ要素については、同じ符号を付してその説明を省略する。第1の実施の形態および第2の実施の形態では、センサデバイスとして細胞電気生理センサ50を例とした説明を行ったが、本発明のセンサデバイスは、物質同定センサ60としても用いることができる。物質同定センサにおけるセンサデバイスとは、プローブを有するビーズ等からなる被検体36を吸着保持し、化学物質・生体物質・環境物質といった試料を測定することができるデバイスである。
図20に示すように、本実施の形態における物質同定センサ60は、実装基板11と、実装基板11に実装された保持板12,32を有するセンサチップ13,33とを備えている。また、センサチップ13,33の上方に実装基板11に沿って溶液を流すことが可能な流路35が形成されている。そして、センサチップ13,33は第一面から第二面に向けて形成された複数個の貫通孔18,38を有している。
そして、流路35に被検体36を含む溶液を流して、被検体36を複数の貫通孔18,38に保持させる。この時、貫通孔18,38を通してセンサチップ13,33の第一面から加圧するか、センサチップ13,33の第二面から減圧することによって、被検体36と溶液とを複数の貫通孔18,38へ引き込む。すると、被検体36は貫通孔18,38を塞ぐように吸引、保持される。
そして、このような状態で、蛍光強度、表面組成、表面状態等を測定することが可能となる。
以上述べたように、本発明のセンサデバイスによれば、被検体を貫通孔に精度高く吸着・保持することができるという格別な効果を有するので、高い測定成功率が求められる医療・バイオ分野等において有用である。
11 実装基板
12,32 保持板
13,33 センサチップ
14 第一電極槽
14a 壁面
14b 流路幅
15 第一電極
16 第二電極槽
17 第二電極
18,18a,18b,18c,38 貫通孔
19,36 被検体
20,22,31 シリコン層
21 二酸化シリコン層
23,43 絶縁膜
24,42 第一のレジストマスク
25,53 マスクホール
26 凹部
27,34 第二のレジストマスク
28 キャビティ
29 窪み部
30 ボロンドープ層
35 流路
50 細胞電気生理センサ
51,61 第一面
52,62 第二面
60 物質同定センサ
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるセンサデバイスの一例である細胞電気生理センサの構成を示す模式断面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの断面図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおける保持板の模式平面図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態におけるセンサデバイスの溶液の流れ方向について説明するための図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスの保持板の他の構成を示す模式平面図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図9は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図10は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの、貫通孔付近の構成を示す断面図である。 図11Aは、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおける保持板に用いるシリコン(100)基板のへき開面を示した図である。 図11Bは、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおける保持板に用いるシリコン(110)基板のへき開面を示した図である。 図11Cは、本発明の第1の実施の形態に係るセンサデバイスにおける保持板に用いるシリコン(111)基板のへき開面を示した図である。 図12は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの構成を示す断面図である。 図13は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの保持板の模式平面図である。 図14Aは、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおける貫通孔の構成を示す平面図である。 図14Bは、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスの構成を示す断面図である。 図14Cは、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおける窪み部の構成を示す底面図である。 図15Aは、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの構成を説明するための模式平面図である。 図15Bは、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの他の例の構成を説明するための模式平面図である。 図16は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図17は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図18は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図19は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサデバイスにおけるセンサチップの製造方法について説明するための図である。 図20は、本発明の第3の実施の形態に係るセンサデバイスの構成を示す模式断面図である。
図13に示した例においては、貫通孔38の開口部の形状は、一辺の長さがrの正方形状である。貫通孔38の開口部の形状が正方形の場合には、貫通孔38の開口部の最長長さR1は対角線の長さとなる。そして、この貫通孔38の開口部の最長長さR1の長さ方向と、溶液の流れ方向H1とが一致するように複数の貫通孔18が配置されている。
なお、図13に示した例では、貫通孔38の開口部の最長長さR1の長さ方向と溶液の流れ方向H1とが一致するように複数の貫通孔38が形成されている。しかしながら、本発明はこの例に限定されない。貫通孔38の孔径の最短長さであるrよりも長い孔径の方向と、溶液の流れ方向H1の方向とが一致していればよく、この孔径が取りうる長さは、rより長く√2r(=R1)以下となる。すなわち、貫通孔38の孔径の最短長さであるrの方向と、溶液の流れ方向H1の方向とが非平行である。
図13に示した例においては、センサチップ33の一辺を(100)方向に持つ正方形形状とし、貫通孔38の開口部の形状を正方形形状としており、このとき、貫通孔38の開口部の正方形形状の一辺を、センサチップ33の一辺に対して、45°回転させた配置を行っているため、同一シリコン(110)方向上に形成されている貫通孔38の数を少なくすることができる。この効果について、詳細に説明する。

Claims (31)

  1. 実装基板と、
    前記実装基板に保持されたセンサチップと、を備えたセンサデバイスであって、
    前記センサチップは、保持板と、前記保持板の第一面と前記第一面の反対側の第二面とを貫通する複数の貫通孔と、を有し、
    前記保持板の前記第一面に被検体を含む溶液を流し、前記複数の貫通孔が前記被検体を保持し、
    前記複数の貫通孔のうち、隣り合う貫通孔の中心を結ぶ線分の方向と前記溶液の流れ方向とが非平行であるセンサデバイス。
  2. 前記保持板の形状が正方形である請求項1に記載のセンサデバイス。
  3. 前記保持板として、シリコン基板の(100)面を用いた請求項1に記載のセンサデバイス。
  4. 前記保持板の前記第一面の上方を流れる溶液の流れ方向と、前記シリコン基板の(110)方向とが一致する請求項3に記載のセンサデバイス。
  5. 前記隣り合う貫通孔の中心を結ぶ線分で描いた線形が、正多角形形状となる請求項1に記載のセンサデバイス。
  6. 前記正多角形形状が正方形である請求項5に記載のセンサデバイス。
  7. 前記正多角形形状が正三角形である請求項5に記載のセンサデバイス。
  8. 前記隣り合う貫通孔の中心を結ぶ線分の長さが20μm以上である請求項1に記載のセンサデバイス。
  9. 実装基板と、
    前記実装基板に保持されたセンサチップと、を備えたセンサデバイスであって、
    前記センサチップは、保持板と、前記保持板の第一面と前記第一面の反対側の第二面とを貫通する複数の貫通孔と、を有し、
    前記保持板の前記第一面に被検体を含む溶液を流し、前記複数の貫通孔が前記被検体を保持し、
    前記複数の貫通孔それぞれは複数の孔径を有し、
    前記複数の孔径のうち、最短の孔径の長さ方向と、前記溶液の流れ方向とが非平行であるセンサデバイス。
  10. 前記複数の孔径のうち、最長の孔径の長さ方向と、前記溶液の流れ方向とが平行である請求項9に記載のセンサデバイス。
  11. 前記保持板の形状が正方形である請求項9に記載のセンサデバイス。
  12. 前記保持板としてシリコン基板の(100)面を用いた請求項9に記載のセンサデバイス。
  13. 前記複数の孔径のうち、最短の孔径の長さ方向と、シリコン基板の(100)方向とが非平行である請求項12に記載のセンサデバイス。
  14. 前記保持板の形状が正方形であり、前記保持板としてシリコン基板の(100)面を用い、前記保持板の対角線方向とシリコン(110)方向とが平行である請求項9に記載のセンサデバイス。
  15. 前記保持板の形状が正方形であり、前記保持板としてシリコン基板の(100)面を用い、前記保持板の一辺方向とシリコン(110)方向とが平行である請求項9に記載のセンサデバイス。
  16. 隣り合う貫通孔の中心を結ぶ線分と溶液の流れ方向とが平行である請求項9または請求項15に記載のセンサデバイス。
  17. 前記貫通孔の前記第一面における開口部の形状が正方形である請求項9に記載のセンサデバイス。
  18. 前記貫通孔の前記第一面における前記開口部の正方形の対角線方向がシリコン(100)方向と平行である請求項17に記載のセンサデバイス。
  19. 前記貫通孔の前記第一面における前記開口部の正方形の一辺とシリコン(110)方向とが平行である請求項17に記載のセンサデバイス。
  20. 前記溶液の流れ方向とシリコン(100)方向とが平行である請求項9に記載のセンサデバイス。
  21. 実装基板と、
    前記実装基板に保持されたセンサチップと、を備えたセンサデバイスであって、
    前記センサチップは、保持板と、前記保持板の第一面と前記第一面の反対側の第二面とを貫通する複数の貫通孔と、を有し、
    前記保持板の前記第一面に被検体を含む第一の溶液を流し、前記保持板の前記第二面に第二の溶液を流し、前記複数の貫通孔が前記被検体を保持し、
    前記保持板の前記第二面に前記複数の貫通孔に連通した窪み部を有し、
    前記窪み部は、前記保持板の前記第二面での平面形状において複数の孔径を有しており、
    前記窪み部の前記複数の孔径のうち、最短の孔径の長さ方向と、前記第二の溶液の流れ方向とが非平行であるセンサデバイス。
  22. 前記複数の孔径のうち、最長の孔径の長さ方向と、前記第二の溶液の流れ方向とが平行である請求項21に記載のセンサデバイス。
  23. 前記保持板の形状が正方形である請求項21に記載のセンサデバイス。
  24. 前記保持板としてシリコン基板の(100)面を用いた請求項21に記載のセンサデバイス。
  25. 前記複数の孔径のうち、最短の孔径の長さ方向と、シリコン基板の(100)方向とが非平行である請求項24に記載のセンサデバイス。
  26. 前記保持板の形状が正方形であり、前記保持板としてシリコン基板の(100)面を用い、前記保持板の対角線方向とシリコン(110)方向とが平行である請求項21に記載のセンサデバイス。
  27. 前記保持板の形状が正方形であり、前記保持板としてシリコン基板の(100)面を用い、前記保持板の一辺方向とシリコン(110)方向とが平行である請求項21に記載のセンサデバイス。
  28. 前記窪み部の前記第二面の開口部の形状が正方形である請求項21に記載のセンサデバイス。
  29. 前記窪み部の前記第二面の前記開口部の正方形の対角線方向とシリコン(100)方向とが平行である請求項28に記載のセンサデバイス。
  30. 前記窪み部の前記第二面の前記開口部の正方形の一辺の方向とシリコン(110)方向とが平行である請求項28に記載のセンサデバイス。
  31. 前記第二の溶液の流れ方向とシリコン(100)方向とが平行である請求項21に記載のセンサデバイス。
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