JP4798183B2 - 電気泳動チップ - Google Patents

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Description

本発明は、複数の成分を含む所望の試料を等電点電気泳動により成分ごとに分離するための流路を備える電気泳動チップに関する。
近年、電気泳動チップと呼ばれるデバイスが開発されている。電気泳動チップは、チップ内部に流路を有し、その流路内で、例えば、DNAやたんぱく質等の試料を電気泳動により分離するものである。
また、流路内に形成した柱状構造間の溝により、DNAやたんぱく質等の試料をサイズで分離する電気泳動チップもある。この様な電気泳動チップでは、柱状構造間の溝の幅は、DNAやたんぱく質等の試料のサイズとオーダーがほぼ一致している。
また、等電点電気泳動によりタンパク質等の試料を分離する電気泳動チップもある。この様な電気泳動チップでは、試料をサイズで分離せず、等電点で分離している。このため、柱状構造間の溝の幅は、試料のサイズとオーダーが一致していなくても良い。また、この様な電気泳動チップの柱状構造は、以下の目的で形成される。例えば、電気泳動中に生じるジュール熱の放熱を助ける点。流路内への試料溶液の導入を助ける超親液性を持たせる点。蓋を剥離した際に流路内に試料を残す点。試料の拡散を抑制する点。
しかし、等電点電気泳動により試料を分離する電気泳動チップでは、試料が等電点にフォーカスする等電点電気泳動が行われる間、ドリフト現象が観察される。ドリフト現象は、チップ表面の電荷の状況や、試料の内容によって様々に変化し、毎回同じ観測結果を再現することができない要因となっていた。
このようなことから、ドリフト現象を抑制することが可能な電気泳動チップの開発が必要視される。
なお、本発明よりも先に出願された技術文献として、少量の試料を用いて精度良く分析や分取を行うことを可能にする技術について開示されている文献がある(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1では、キャリヤー液体中に分散状態あるいは浮遊状態で存在する試料がキャリヤー液体と共に流れるメイン流路の周囲を、交流電圧を印可した複数の電極のエッジが取り囲む構造の流路を用いることで、少量の試料を用いて精度良く分析や分取を可能にしている。
また、マイクロ流路内で液体中の微粒子の流れを操作する技術について開示された文献がある(例えば、特許文献2参照)。
上記特許文献2では、基板41上に形成された流路1が分岐点において流路2と流路3とに分岐する構成とする。そして、流路1と流路2、及び流路3の分岐点に、柱状構造の妨害体8を一定の間隔を設けて配列することにしている。
WO2005/121767 特開2004−354364号公報
なお、上記特許文献1の図18には、多数のナノサイズの柱が隙間を開けて一定のピッチで並んだ構造配列について開示されている。しかし、上記特許文献1には、流路の長手方向に沿って向かう試料溶液の流れを妨害する点については何ら記載もその必要性についても示唆されていない。
また、上記特許文献2には、流路の分岐点に柱状構造の妨害体を配列し、微粒子の流れを操作する点について開示されている。しかし、上記特許文献2には、流路の長手方向に沿って一直線で向かう試料溶液の流れを妨害する点については何ら記載もその必要性についても示唆されていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題である、ドリフト現象を抑制することが可能な電気泳動チップを提供することを目的とするものである。
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
<電気泳動チップ>
本発明にかかる電気泳動チップは、
等電点電気泳動により試料を分離する流路を備える電気泳動チップであって、
前記流路全体に渡って敷き詰められて配置された複数の柱状構造を有し、
各柱状構造は、全て同じ形状で構成し、ドリフト現象を抑制するために、前記流路の長手方向に沿って一直線で向かう試料溶液の流れを妨害するように前記流路内に配置されており、所定の流路内の領域に渡って敷き詰められて配置された前記柱状構造の配列が前記所定の流路全体に渡って規則的に配置されており、
前記所定の流路内の前記柱状構造の配列は、
前記流路の長手方向と直交する流路幅方向の前記柱状構造の幅が、前記流路の長手方向に配置される柱状構造間の溝の長さよりも広くなるように前記柱状構造を配置して構成しており、前記所定の流路内の前記柱状構造の配列が前記流路全体に渡って敷き詰められていることを特徴とする。
本発明によれば、ドリフト現象を抑制することが可能となる。
<電気泳動チップの概要>
まず、図1、図2を参照しながら、本実施形態の電気泳動チップの概要について説明する。
本実施形態の電気泳動チップは、図1に示すように、等電点電気泳動により試料を分離する流路233を備える電気泳動チップである。本実施形態の電気泳動チップは、流路233全体に渡って敷き詰められて配置された複数の柱状構造を有し、その柱状構造は、図2に示すように、流路233の長手方向に沿って一直線で向かう試料溶液の流れを妨害するように配置されている。
例えば、図2に示すように、流路長手方向(a)をx軸方向、流路長手方向と直交する流路幅方向(b)をy軸方向とした場合に、流路内での位置が(x1、y1)で表される第1の柱状構造、(x2、y2)で表される第2の柱状構造、(x3、y3)で表される第3の柱状構造を有しているものとする。この場合、第1の柱状構造(x1、y1)と、第2の柱状構造(x2、y2)と、第3の柱状構造(x3、y3)と、は互いに隣接して配置されている。そして、第1の柱状構造(x1、y1)と第3の柱状構造(x3、y3)とは、x軸方向に対して第2の柱状構造(x2、y2)の手前に配置されており、x1<x2、且つ、x3<x2である。また、第2の柱状構造(x2、y2)は、y軸方向に対して第1の柱状構造(x1、y1)と第3の柱状構造(x3、y3)との間に配置されており、y1<y2<y3である。このように、本実施形態の電気泳動チップは、流路長手方向(a)に沿って一直線で向かう試料溶液の流れを妨害するように柱状構造が配置されている。その結果、ドリフト現象を抑制することが可能となる。
なお、本実施形態における電気泳動チップは、所定の流路内の領域に配置された図2に示す柱状構造の配列が図1に示す流路233全体に渡って規則的に配置されている。これにより、流路233全体で発生するドリフトを均一にすることが可能となるため、ドリフト現象を抑制することが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の電気泳動チップについて詳細に説明する。
まず、図1を参照しながら、本実施形態の電気泳動チップの構成について説明する。図1は、本実施形態における電気泳動チップの概略構成を示す上面図である。
本実施形態における電気泳動チップは、基板236と蓋235とを有し、基板236に流路233が形成されている。また、流路233の両端には、液留め239,240が形成され、流路233は、液溜め239,240と連通している。また、液溜め239,240は、それぞれ白金線(不図示)の挿入により形成された電極(不図示)を有している。
図3、図4は、流路233内に形成した柱状構造配列を走査電子顕微鏡で写した写真である。図3は、柱状構造配列を(a)の矢印方向が流路長手方向になるように配置した場合を示す。図4は、柱状構造配列を(a)の矢印方向が流路長手方向になるように配置した場合を示す。なお、柱状構造配列の向き以外の他の要素、柱状構造の形や流路の内容積等は一切変化しないものとする。また、試料溶液の流れを遅くするための方法として電圧を下げる方法もあるが、電圧を下げるとタンパク質のフォーカスがだんだん甘くなり、最終的にはフォーカスしなくなるので、本実施形態では、基本的に電圧は下げないものとする。
図3に示す柱状構造配列の場合、柱状構造間の溝が流路長手方向に一直線になっており、流路長手方向に対し、試料溶液の流れを妨害しにくい配列となっている。実際、試料溶液の流路内への進入速度は、図4に示す柱状構造配列の場合のほぼ倍の速度となった。
図4に示す柱状構造配列の場合、柱状構造間の溝が流路幅方向に一直線になっているが、流路長手方向には完全に見通しを遮るように柱状構造が配列し、流路長手方向に対し、試料溶液の流れを妨害する配列となっている。実際、試料溶液の流路内への進入速度は、図3に示す柱状構造配列の場合のほぼ半分の速度となった。
図3、図4に示す柱状構造配列の場合で、同一試料溶液、同一条件で等電点電気泳動を行った。この等電点電気泳動の進行状況を確認するため、試料溶液中に、等電点が4と5と9の蛍光マーカーを混合し、時間経過と共に流路の蛍光プロファイルを観察した。
図5は、図3に示す柱状構造配列の場合に得られた蛍光プロファイルの経時変化を示す。この蛍光プロファイルの経時変化によると、最もフォーカスの遅いpI9の蛍光マーカーが1つのピークとなってフォーカスが終わるのが4分である。一方、ドリフトにより、pI9の蛍光マーカーのピークは7分後まで観察され、8分後に消えてしまう。
図6は、図4に示す柱状構造配列の場合に得られた蛍光プロファイルの経時変化を示す。この蛍光プロファイルの経時変化によると、最もフォーカスの遅いpI9の蛍光マーカーのフォーカスが終わるのが6分である。一方、ドリフトにより、pI9の蛍光マーカーのピークは11分後まで観察され、12分後に消えてしまう。
このように、流路長手方向に対し、試料溶液の流れを妨害しにくい配列となっている図3に示す柱状構造配列の場合には、pI9のピークを観察できるのは3分間しかない。これに対し、流路長手方向に対し、試料溶液の流れを妨害する配列となっている図4に示す柱状構造配列の場合には、pI9のピークを5分間観察することができる。このため、等電点電気泳動の時間を6分と決めた場合に、終了時間の誤差や、様々な試料や泳動条件に起因する誤差に対して変化するドリフトの誤差も少なくなる。従って、図4に示す柱状構造配列の場合の方が図3に示す柱状構造配列の場合よりも毎回同じ観測結果を再現する確率(再現性)を高めることが可能となる。
なお、流路長手方向に対し、試料溶液の流れを妨害しにくい柱状構造配列とは、例えば、流路長手方向に見通しを悪くするように柱状構造が配列されていたり、流れを遮る柱状構造を迂回するルートの溝も狭く形成されていたりすることを言う。ここで、狭くとは、柱状構造間の溝の長さが50μm以下であることを意味する。
なお、本実施形態では、図3に示す柱状構造配列と比較しやすい図4に示す柱状構造配列を例として説明したが、本実施形態の柱状構造配列は、図4に示す柱状構造配列に限定するものではなく、より一般的な流れを妨害しにくい柱状構造配列を適用することも可能である。
例えば、図7に示す柱状構造配列を適用することも可能である。図7は、柱状構造を市松格子状に配列し、且つ、流路幅方向の柱状構造の幅:aが、流路長手方向に配置される柱状構造間の溝の長さ:bよりも広くなるようにした柱状構造配列を示している。図7では、流路幅方向の柱状構造の最も長い幅をaとした場合に、流路長手方向に配置される柱状構造間の溝の長さ:bがb=2a/5となるようにしている。
また、図8〜図10に示す柱状構造配列を適用することも可能である。図8〜図10は、流路長手方向に配置される柱状構造間の溝の長さ:bが、流路幅方向の柱状構造の幅:aの5倍の範囲内であり、その5倍の範囲内に、T字路状あるいはY字路状の溝が形成されるように柱状構造を配置した柱状構造配列を示している。図8は、流路幅方向の柱状構造の最も長い幅をaとした場合に、流路長手方向に配置される柱状構造間の溝の長さ:bがb=10a/6となり、その柱状構造間の溝の長さ:bの範囲内に、T字路状の溝が形成されるように柱状構造を配置している。また、図9、図10では、流路幅方向の柱状構造の最も長い幅をaとした場合に、流路長手方向に配置される柱状構造間の溝の長さ:bがb=13a/3となり、その柱状構造間の溝の長さ:bの範囲内に、T字路状(図9)あるいはY字路状(図10)の溝が形成されるように柱状構造を配置している。本実施形態の柱状構造配列は、図7に示すように、柱状構造を市松格子状に配列しない場合には、図8〜図10に示すように、流路長手方向に配置される柱状構造間の溝の長さ:bが流路幅方向の柱状構造の幅:aの5倍の範囲内で、T字路状あるいはY字路状の溝が形成されるようにする。
なお、上述した柱状構造配列を流路233内に配置する場合には、図11〜図12に示すように、所定の流路233内の領域に配置された柱状構造配列を流路233全体に渡って規則的に配置することが好ましい。図11〜図12に示す柱状構造配列の場合には、図11、図12に示す終点(b)の部分では、流路長手方向の溶液の流れが始点(a)に比べて速くなる。そして、終点(b)の部分で溶液が上下に分岐し、始点(c)、(d)の部分では、流路長手方向の溶液の流れが終点(b)に比べて再び遅くなり、終点(e)、(f)の部分では、流路長手方向の溶液の流れが始点(c)、(d)に比べて速くなる。このため、図11〜図12に示す柱状構造配列の場合には、局所的に見れば(所定の流路内の領域だけで見れば)、ドリフトが変化することになる。しかし、所定の流路233内の領域に配置された柱状構造配列を流路233全体に渡って規則的に配置することで、全体的に見れば(流路233全体で見れば)、上述したドリフトの変化を緩和することが可能になる。従って、所定の流路233内の領域に配置された柱状構造の配列を流路233全体に渡って規則的に配置することで、ドリフト現象を抑制することが可能となる。また、柱状構造配列を流路233全体に渡って規則的に配置することで、流路233内に柱状構造を容易に形成することが可能となる。その結果、電気泳動チップを簡易に製造することが可能となる。
また、流路233内の試料溶液に接する表面は、試料溶液に対して親液性であることが好ましい。これにより、流路長手方向に対し、試料溶液の流れを妨害しにくい柱状構造配列でありながら、流路233への溶液導入を容易にすることが可能となる。
また、流路233内の試料溶液に接する表面は、試料溶液に対して超親液性であることがより好ましい。これにより、流路長手方向に対し、試料溶液の流れを妨害しにくい柱状構造配列でありながら、流路233への溶液導入を更に容易にすることが可能となる。
例えば、基板236の材料として、石英ガラスを用いる。この石英ガラスにより、基板236の表面が親液性を有することとなり、流路233を好適に形成することが可能となる。なお、基板236の材料としてパイレックス(登録商標)等のガラスや、プラスチック材料等を用いることも可能である。プラスチック材料として、例えば、シリコン樹脂、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂等が挙げられる。このような材料は成形加工が容易なため、製造コストを抑制することができる。さらに、基板236に金属を用いることも可能である。
また、流路233内に形成する柱状構造は、例えば、基板236を所定のパターン形状にエッチングすることで形成することが可能である。なお、流路233内に柱状構造を形成する際の作製方法は特に限定するものではなく、あらゆる方法が適用可能である。
また、本実施形態の柱状構造の形状は、特に限定するものではなく、例えば、円柱、楕円柱等の擬円柱に限らず、円錐、楕円錘等の錐体;三角柱、四角柱等の多角柱;その他の断面形状を有する柱体;等で構成することも可能である。但し、微粒子の流れを高精度に制御するためには、錐体より柱体が好ましい。
また、本実施形態の柱状構造のサイズは、例えば、柱状構造の幅は10nm〜10μm程度にすることが好ましい。また、柱状構造間の溝の幅は、流路233内に流れる微粒子の形状、大きさに応じて適宜選択することが好ましい。なお、柱状構造間の溝の幅は、試料溶液を構成する成分の分子の大きさの10倍以上であることが好ましい。例えば、等電点電気泳動で分離するペプチドやタンパク質のサイズは概ね大きくても20nm程度である。この場合、柱状構造間の溝の幅を少なくとも200nm以上にすることが好ましい。これにより、試料溶液が滞ることなく、試料溶液の流動を抑制することが可能となる。なお、柱状構造間の溝の幅は、流路幅方向の溝の幅を意味し、柱状構造間の溝の長さは、流路長手方向の溝の長さを意味する。
また、各々の柱状構造の上面は、流路上面に対して±3μm以内で一致するように構築することが好ましい。これにより、流路233上面の蓋235と柱状構造上面との間を試料溶液が容易に流動しないようにすることが可能となる。
次に、本実施形態の電気泳動チップの製造方法について説明する。なお、基板236上への流路233および柱状構造の形成は、基板236を所定のパターン形状にエッチング等を行うことで出来るが、その作製方法は特に限定するものではなく、あらゆる方法が適用可能である。
例えば、微細加工用レジストの厚膜レジストを用いたフォトリソグラフィーを利用して作製することも可能である。厚膜レジストは、フォトリソグラフィー用のネガレジストとして用いられ、マイクロメートルスケールの微細加工用のレジストとして好適に利用することができる。
まず、基板236上に撥水膜(不図示)、厚膜レジスト膜を順次形成する。撥水膜、厚膜レジスト膜の膜厚は、それぞれ400nm、10μmとする。次に、露光装置を用い、柱状構造パターンなどのチップ上のパターンを露光する。現像は現像液を用いて行う。この工程により、厚膜レジストがパターニングされる。
次に、レジストマスクを用いて撥水膜とガラス基板をCF4、CHF3の混合ガスを用いてドライエッチング除去する。残ったフォトレジストを剥離液により除去した後、更に残ったレジストを酸化プラズマ処理により除去する。以上により、基板236上に流路233および柱状構造が形成される。
ここで、基板236表面の親液化を促進するためコーティング処理を行う。基板236表面を親液化することで、流路233や、柱状構造に試料溶液が円滑に導入されることになる。特に、柱状構造により、試料溶液の毛細管現象による導入が促進され、流れの操作精度を向上させることが可能となる。
そこで、例えば、エッチング工程の後、基板236表面のガラス表面が露出している領域、即ち、エッチングされた流路233内壁、底面、柱状構造側壁をリニアポリアクリルアミド膜でコーティングする。即ち、シランカップリング処理し、さらにリニアポリアクリルアミドを表面でシランカップリング剤と反応させながら重合させてリニアポリアクリルアミド膜を形成する。このリニアポリアクリルアミド膜は親水性を長期間保持させ、且つタンパク質等の吸着を抑制する効果がある。なお、流路233外などのエッチングされていない基板236表面は撥水膜が残っており、撥水性を示す。従って、流路233外に液が漏れ出しにくくなっている。最後に自己粘着性を有するシリコンゴム蓋235を基板236とアライメントしながら貼り付けて電気泳動チップが完成する。
また、基板236にプラスチック材料を用いる場合は、エッチングやエンボス成形等の金型を用いたプレス成形、射出成形、光硬化による形成等、基板236の材料の種類に適した公知の方法を適用して行う。
基板236にプラスチック材料を用いる場合にも、基板236表面の親液化を行うことが好ましい。基板236の表面を親液化することにより、流路233や柱状構造の形成された領域に試料溶液が円滑に導入される。
親液性を付与するための表面処理としては、例えば、シランカップリングによりリニアポリアクリルアミド膜やポリエチレングリコール膜を表面に共有結合させるといった処理を行う。
なお、上述した本実施形態の電気泳動チップは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)や半導体デバイスの製造に使用されている微細加工技術を適用することで容易に作成することが可能である。また、プレス加工やサンドブラストなどを適用することも可能である。
また、等電点電気泳動では、流路233は、液溜め239,240と連通している。本実施形態の柱状構造は、この液溜め239,240の底面の全部、または流路233に接する一部と、一方の液溜め239に接する流路部分から他方の液留め240に接する流路部分の全ての領域に設けられていることが好ましい。これは、等電点電気泳動とドリフト現象は、上述した液溜め239,240とそれらを連通する流路233内において生じるためである。従って、上述した本実施形態の柱状構造は、流路233全体に渡って敷き詰められていることが好ましい。
<本実施形態の電気泳動チップの作用・効果>
このように、本実施形態によれば、流路233内に配置された複数の柱状構造は、図4に示すように、流路233の長手方向に沿って一直線で向かう試料溶液の流れを妨害するように配置されている。これにより、等電点電気泳動のスピードと比較して、再現性を乱すドリフト現象のスピードを遅くすることが可能となる。その結果、ドリフト現象を抑制することが可能となる。
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
本実施形態における電気泳動チップの概略構成を示す上面図である。 本実施形態の電気泳動チップの概要を説明するための図である。 流路233内に形成した柱状構造配列を示す図であり、流路長手方向に向かう流れに対して、流れを妨害しにくい配列例を示す図である。 流路233内に形成した柱状構造配列を示す図であり、流路長手方向に向かう流れに対して、流れを妨害する配列例を示す図である。 図3に示す柱状構造配列で得られた蛍光プロファイルの経時変化を示す図である。 図4に示す柱状構造配列で得られた蛍光プロファイルの経時変化を示す図である。 柱状構造を市松格子状に配列し、且つ、流路幅方向の柱状構造の幅:aが、流路長手方向に配置される柱状構造間の溝の長さ:bよりも広くなるようにした柱状構造配列を示す図である。 流路長手方向に配置される柱状構造間の溝の長さ:bが、流路幅方向の柱状構造の幅:aの5倍の範囲内であり、その5倍の範囲内に、T字路状あるいはY字路状の溝が形成されるように柱状構造を配置した柱状構造配列を示す第1の図である。 流路長手方向に配置される柱状構造間の溝の長さ:bが、流路幅方向の柱状構造の幅:aの5倍の範囲内であり、その5倍の範囲内に、T字路状あるいはY字路状の溝が形成されるように柱状構造を配置した柱状構造配列を示す第2の図である。 流路長手方向に配置される柱状構造間の溝の長さ:bが、流路幅方向の柱状構造の幅:aの5倍の範囲内であり、その5倍の範囲内に、T字路状あるいはY字路状の溝が形成されるように柱状構造を配置した柱状構造配列を示す第3の図である。 所定の流路内の領域に配置された柱状構造の配列が流路233全体に渡って規則的に配置された場合を説明するための第1の図である。 所定の流路内の領域に配置された柱状構造の配列が流路233全体に渡って規則的に配置された場合を説明するための第2の図である。
符号の説明
236 基板
233 流路
239、240 液留め
235 蓋

Claims (3)

  1. 等電点電気泳動により試料を分離する流路を備える電気泳動チップであって、
    前記流路全体に渡って敷き詰められて配置された複数の柱状構造を有し、
    各柱状構造は、全て同じ形状で構成し、ドリフト現象を抑制するために、前記流路の長手方向に沿って一直線で向かう試料溶液の流れを妨害するように前記流路内に配置されており、所定の流路内の領域に渡って敷き詰められて配置された前記柱状構造の配列が前記所定の流路全体に渡って規則的に配置されており、
    前記所定の流路内の前記柱状構造の配列は、
    前記流路の長手方向と直交する流路幅方向の前記柱状構造の幅が、前記流路の長手方向に配置される柱状構造間の溝の長さよりも広くなるように前記柱状構造を配置して構成しており、前記所定の流路内の前記柱状構造の配列が前記流路全体に渡って敷き詰められていることを特徴とする電気泳動チップ。
  2. 前記各柱状構造は、
    前記流路の長手方向と直交する流路幅方向の前記柱状構造の幅が、前記流路の長手方向の前記柱状構造の幅よりも長い形状で構成することを特徴とする請求項記載の電気泳動チップ。
  3. 前記所定の流路内の前記柱状構造の配列は、
    前記流路の長手方向に前記柱状構造を5または6つ規則的に配置し、前記所定の流路内において前記流路の長手方向に沿って一直線で前記試料溶液を流すための溝を形成し、
    前記所定の流路内の前記柱状構造の配列が、前記流路全体に渡って敷き詰められており、
    各前記所定の流路内の前記柱構造の配列は、他の前記所定の流路内を一直線で流れてきた前記試料溶液の流れを妨害するように、前記他の前記所定の流路内の前記柱状構造の配列で形成される前記溝とT字路状あるいはY字路状の溝が形成されるように前記柱状構造を配置していることを特徴とする請求項記載の電気泳動チップ。
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