JPWO2008059638A1 - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
停止条件判定回路(10)により停止条件が成立したとき、動作停止制御回路(11)へ停止命令を発行し、機能回路(14)の動作を停止する。記憶装置(12)には、停止条件判定回路(10)の判定結果の他、機能回路(14)の動作状態を蓄える。外部伝達手段(13)は、停止条件判定回路(10)の判定結果を当該半導体装置外部へ伝える。この判定結果を当該半導体装置外部の周辺機器が使用することにより、当該半導体装置の故障による周辺機器の故障やシステムの異常動作を防止することが可能である。
Description
本発明は、半導体装置に関し、特に故障診断手段または動作停止制御手段を備えた半導体集積回路(以下、LSIと称す)に関するものである。
時間経過によるLSIの故障発生率は図9のような曲線になる。曲線の形状がバスタブに似ていることからバスタブ曲線と呼ばれる。LSIの故障は初期故障、偶発的故障、劣化故障に分類できる。
従来のLSIでは、出荷するLSIの品質を保証するため、出荷前の検査を実施している。また、温度、電圧条件を規格以上に高負荷にしてから出荷検査を行うことで、時間経過による初期故障品の流出を防いでいる。
ところが、いったん、LSIを完成品として出荷した後にLSIを搭載したシステムとして使用し続けたときに起こり得る、特にバスタブ曲線のうちの劣化故障にあたる部分については出荷検査では対処することが困難であった。
また、LSIの集積化が進み、ひとつのLSIで多数の機能を実現するようになってきている。このため、LSIの中のある機能回路部分は劣化故障していなくても別の機能回路部は劣化故障しているという状況が起こり得る。
これらの課題に対して、従来の半導体装置として、機能回路部を2つ以上搭載し、自己診断を行って故障のない一方の機能回路部を使用することでLSIの寿命を延長するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、機能回路部を自己診断し、クロック供給を停止して機能回路部の動作を停止するものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004-340877号公報
特開平05-341013号公報
上記の技術では、機能回路部を2つ以上搭載したり、自己診断回路を設けたりするため、回路規模が大きくなる。また、故障が発生してからはじめて自己診断結果に基づき動作を停止するものであり、あらかじめ故障が発生する前に故障を予測して停止することが出来ない。
上記問題を鑑みて、本発明は、半導体装置に関して、小規模回路で故障診断を行い、また故障が発生する前に故障予測に基づき半導体装置の動作を停止することで半導体装置の安全性を高めることを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、2つ以上のフリップフロップを含んで構成されたシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力に基づいて故障の有無を判定する故障診断手段とを備えていることである。
本発明の第2の特徴は、第1の特徴を備えた半導体装置であって、前記シフトレジスタは、第1のフリップフロップと、前記第1のフリップフロップの出力を入力とする遅延手段と、前記遅延手段の出力を入力とする第2のフリップフロップと、前記遅延手段の遅延時間を調整できる手段とを含んでいることである。
本発明の第3の特徴は、電源電圧を測定する電源電圧測定手段と、前記電源電圧測定値を蓄える記憶手段と、前記電源電圧測定手段で測定した電圧値と、前記記憶手段に蓄えた電圧値との比較に基づいて故障の有無を判定する故障診断手段とを備えていることである。
本発明の第4の特徴は、少なくとも1つ以上の動作停止判断を行う停止条件判定手段と、前記停止条件判定手段による判断に基づいて前記半導体装置全体あるいは一部の動作を止める動作停止制御手段とを備えていることである。
本発明の第5の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記停止条件判定手段は、2つ以上のフリップフロップを含んで構成されたシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力に基づいて故障の有無を判定する故障診断手段とを備えていることである。
本発明の第6の特徴は、第5の特徴をもつ半導体装置において、前記シフトレジスタは、第1のフリップフロップと、前記第1のフリップフロップの出力を入力とする遅延手段と、前記遅延手段の出力を入力とする第2のフリップフロップと、前記遅延手段の遅延時間を調整できる手段とを含んでいることである。
本発明の第7の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記停止条件判定手段は、電源電圧を測定する電源電圧測定手段と、前記電源電圧測定値を蓄える記憶手段と、前記電源電圧測定手段で測定した電圧値と、前記記憶手段に蓄えた電圧値との比較に基づいて故障の有無を判定する故障診断手段とを備えていることである。
本発明の第8の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記停止条件判定手段は、ある一定の時間を計測できるタイマー手段と、前記タイマー手段による計測時間が前記一定の時間に達すると停止条件を生成する手段とを含んでいることである。
本発明の第9の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記停止条件判定手段は、前記半導体装置外部からの停止要求に基づいて停止条件を生成することである。
本発明の第10の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記動作停止制御手段は、ヒューズを備え、前記ヒューズの切断により前記半導体装置全体あるいは一部の動作を停止することである。
本発明の第11の特徴は、第10の特徴をもつ半導体装置において、前記動作停止制御手段は、前記ヒューズと並列にアンチヒューズをさらに備え、前記ヒューズ切断後にも前記アンチヒューズにより前記切断を再接続することで前記半導体装置全体あるいは一部の動作停止状態を解除することが可能であることである。
本発明の第12の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記停止条件判定手段の判定結果を蓄える記憶手段をさらに備えていることである。
本発明の第13の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記停止条件判定手段の判定結果を前記半導体装置外部へ伝える手段をさらに備えていることである。
本発明の第14の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置と、周辺機器とを備えたシステムにおいて、前記停止条件判定手段は、前記半導体装置と前記周辺機器の接続経路の故障診断を行うことである。
本発明の第15の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置と、周辺機器とを備えたシステムにおいて、前記停止条件判定手段は、前記周辺機器の故障診断を行うことである。
本発明によると、半導体装置に関して、小規模回路で故障検出を行い、また故障が発生する前に故障予測に基づき半導体装置の動作を停止することで、半導体装置の安全性を高めることが出来る。
10 停止条件判定手段
11 動作停止制御回路
12 記憶装置
13 外部伝達手段
14 機能回路
20 半導体装置
21 周辺機器
22 機能回路
100、101 シフトレジスタ
102 フリップフロップ
103 遅延回路
104 AND素子
105 故障診断回路
110 抵抗素子
111 オペアンプ
112 A/D変換器
113 記憶回路
114 比較回路
120 クロック供給源
121 リセット供給源
122 AND素子
130 クロック供給源
131 ヒューズ素子
132 アンチヒューズ素子
133 AND素子
134 故障がない通常時のクロック供給/停止制御回路
135 抵抗素子
140 スイッチ素子
160 遅延素子
161 選択回路
11 動作停止制御回路
12 記憶装置
13 外部伝達手段
14 機能回路
20 半導体装置
21 周辺機器
22 機能回路
100、101 シフトレジスタ
102 フリップフロップ
103 遅延回路
104 AND素子
105 故障診断回路
110 抵抗素子
111 オペアンプ
112 A/D変換器
113 記憶回路
114 比較回路
120 クロック供給源
121 リセット供給源
122 AND素子
130 クロック供給源
131 ヒューズ素子
132 アンチヒューズ素子
133 AND素子
134 故障がない通常時のクロック供給/停止制御回路
135 抵抗素子
140 スイッチ素子
160 遅延素子
161 選択回路
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面において同一の部分または相当する部分には同じ参照符号を付してその説明は繰り返さない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成の一例を示す。この半導体装置は、停止条件判定回路10と、動作停止制御回路11と、記憶装置12と、外部伝達手段13と、機能回路14とを備えている。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成の一例を示す。この半導体装置は、停止条件判定回路10と、動作停止制御回路11と、記憶装置12と、外部伝達手段13と、機能回路14とを備えている。
図1の半導体装置では、停止条件判定回路10により停止条件が成立したとき、動作停止制御回路11へ停止命令を発行し、機能回路14の動作を停止する。記憶装置12には、停止条件判定回路10の判定結果の他、機能回路14の動作状態を蓄える。定期的に停止条件判定回路10の判定結果を記憶装置12に蓄えておくことで、過去にさかのぼって判定結果や動作状態の履歴を調査することが可能になる。また、記憶装置12を外部より読出し可能な構成とすることで、機能回路14の動作状態や故障状態を知ることが容易となる。機能回路14の動作状態としては、例えば動作状態を示すステータスレジスタ値を蓄えておく。外部伝達手段13は、停止条件判定回路10の判定結果を当該半導体装置外部へ伝えるものである。この判定結果を当該半導体装置外部の周辺機器が使用することにより、当該半導体装置の故障による周辺機器の故障やシステムの異常動作を防止することが可能である。外部伝達手段としては、例えば、音を鳴らしたり、LEDを点灯したり、点滅したり、発色の色を変えたり、表示装置にメッセージを表示することで外部に知らせることが考えられる。
<停止条件判定回路10の構成例1>
図2は、停止条件判定回路10の構成の一例として、シフトレジスタにより故障診断手段を実現した例を示す。また、図3は、図2に示した停止条件判定回路10のタイミングチャート図を示す。
図2は、停止条件判定回路10の構成の一例として、シフトレジスタにより故障診断手段を実現した例を示す。また、図3は、図2に示した停止条件判定回路10のタイミングチャート図を示す。
図2に示す停止条件判定回路10は、シフトレジスタ100,101と、診断回路105とを備えている。シフトレジスタ100,101は、フリップフロップ102とその間に挿入された遅延回路103から構成される。診断回路105は、シフトレジスタ100,101の出力信号のタイミングに基づいて故障診断を行う。シフトレジスタ100,101の遅延回路103a,103bの遅延量はそれぞれ異なっている。遅延回路103aは、フリップフロップ102a,102b間を信号が伝播するのにぎりぎり間に合うタイミングとなるような遅延量に設計されており、遅延回路103bは、フリップフロップ102c,102d間を信号が伝播するのに十分マージンがあるタイミングとなるような遅延量に設計されている。
図2に示す停止条件判定回路10の動作を図3のタイミングチャートを用いて説明する。信号D11,D21に印加された“H”信号は、それぞれフリップフロップ102a,102cを通過し、遅延回路103a,103bにより遅延されてフリップフロップ102b,102dに入力された後、故障診断回路105を構成するAND素子104とフリップフロップ102eを通過してQ3より出力される。遅延回路103bよりも遅延回路103aの遅延量が大きく設計されているため、信号D22よりも信号D12の方が信号の変化タイミングが後ろになっている。
遅延故障が発生していない場合、図3のタイミングチャート上部(a)のように信号D12と信号D22は共にT2〜T3間で変化しているため、フリップフロップ102b,102dからの出力信号Q12,Q22は共にT3〜T4間で変化し、その結果、フリップフロップ102eからの出力信号Q3はT4〜T5間で変化する。
一方、フリップフロップ102a,102b間の配線にて遅延故障が発生した場合、図3のタイミングチャート下部(b)のように信号D12の変化タイミングが遅くなる。そのため、フリップフロップ102bからの出力信号Q12の変化タイミングも遅れT4〜T5間で変化し、その結果、フリップフロップ102eからの出力信号Q3はT5〜T6間で変化し、遅延故障が発生していない場合と比べ遅くなる。
これにより、遅延故障の有無を判定することができる。
シフトレジスタ100は半導体装置内部において、レイアウト的に電源配線の電圧降下(IR-Drop)量が大きい等、機能回路内の配線の信号遅延時間が大きい箇所に配置するとより効果的である。
<遅延回路103aの構成例>
図4は、図2に示した遅延回路103aの構成例を示す。遅延回路103aの遅延量は製造要因、動作条件要因でばらつくが、図4のように遅延時間を調整できる遅延回路を用いることで、ばらつきに対応して、図3のフリップフロップ102a,102b間を信号が伝播するのにぎりぎり間に合うタイミングとなるような遅延量に調整することができる。
図4は、図2に示した遅延回路103aの構成例を示す。遅延回路103aの遅延量は製造要因、動作条件要因でばらつくが、図4のように遅延時間を調整できる遅延回路を用いることで、ばらつきに対応して、図3のフリップフロップ102a,102b間を信号が伝播するのにぎりぎり間に合うタイミングとなるような遅延量に調整することができる。
図4において、160a,160b,160c,160dは遅延素子である。遅延素子160a,160b,160c,160dの各遅延量は同じであってもよいし、異なっていてもよい。遅延回路130aへの入力信号S200(Q11)は、各遅延素子160a,160b,160c,160dにより遅延した信号S201,S202,S203,S204となる。選択回路161は、選択信号S205により、信号S201,S202,S203,S204のうちからひとつを選択し、出力信号S206(D12)として出力する。
図4の遅延回路を図2の遅延回路103aとして用いた場合の動作について説明する。図4の選択信号S205を変化させるとフリップフロップ102eからの出力信号Q3が図3のT4〜T5間で変化したり、T5〜T6間で変化したりする。フリップフロップ102eからの出力信号Q3が図3のT4〜T5間で変化する最大遅延時間となるような選択信号S205の状態をLSIの出荷検査時に特定する。特定した状態は、LSI内の記憶素子に蓄えておき、LSI出荷後に蓄えた状態を読み出すことで出荷検査時に特定した状態に調整することができる。記憶素子の例としては、電源遮断後も値を記憶する不揮発性メモリが考えられる。
<停止条件判定回路10の構成例2>
図5は、停止条件判定回路10の構成の別の一例として、電源電圧を測定する電源電圧測定手段により故障診断手段を実現した例を示す。
図5は、停止条件判定回路10の構成の別の一例として、電源電圧を測定する電源電圧測定手段により故障診断手段を実現した例を示す。
図5に示す停止条件判定回路10は、抵抗器110a,110b、オペアンプ111、A/D変換器112、記憶回路113、比較回路114を備えている。機能回路14に印加される電源電圧を抵抗器110a,110bとオペアンプ111で構成する反転増幅回路に入力し、その出力信号をA/D変換器112を通して記憶回路113と比較回路114に入力する。記憶回路113は、A/D変換器112の出力結果を定期的に保持し、その値を比較回路114へ入力する。機能回路14に故障が生じ、機能回路14に印加される電源電圧値が異常となった場合、A/D変換器112の出力結果と記憶回路113に保持された過去の電源電圧値との比較を比較回路114にて実施することにより異常検出が可能であるため、これにより機能回路14の故障を判定することができる。記憶回路113と比較回路114により故障を判定する方法は、例えば、電源投入時の電源電圧値により判定してもよいし、電源投入後動作中の電源電圧値の変動を時系列に比較を行い判定してもよい。また、微小な電源電圧値の変動を故障として誤判断することを防ぐために、複数回の判断結果に基づき故障判断することも考えられる。
なお、ここでは電源電圧測定手段により故障診断手段を実現した例を示したが、電源電圧測定手段に代えて電源電流測定手段を用いてもよい。また、記憶回路113と比較回路114へ入力する信号としてSCANテスト結果や自己診断テスト結果、外部からの診断テスト結果を入力し、それにより故障を判定することも考えられる。
<停止条件判定回路10の構成例3>
停止条件判定回路10の構成の別の一例として、ある一定時間を計測できるタイマーを用いた回路について説明する。半導体装置内部にある一定時間を計測できるタイマー回路を搭載する。タイマー回路に機能回路14を停止するまでの時間を設定し、その時間の経過後に機能回路14を停止する。これにより、システムの長期使用による半導体装置の故障が原因となる誤動作を未然に防ぐことができる。また、タイマー回路の残り時間を外部より読出し可能な構成にしておくことで、半導体装置の寿命を知ることができ、半導体装置の劣化による故障の前に半導体装置の交換などにより、システムの誤動作の防止と寿命の延命が可能となる。
停止条件判定回路10の構成の別の一例として、ある一定時間を計測できるタイマーを用いた回路について説明する。半導体装置内部にある一定時間を計測できるタイマー回路を搭載する。タイマー回路に機能回路14を停止するまでの時間を設定し、その時間の経過後に機能回路14を停止する。これにより、システムの長期使用による半導体装置の故障が原因となる誤動作を未然に防ぐことができる。また、タイマー回路の残り時間を外部より読出し可能な構成にしておくことで、半導体装置の寿命を知ることができ、半導体装置の劣化による故障の前に半導体装置の交換などにより、システムの誤動作の防止と寿命の延命が可能となる。
なお、上記説明では、半導体装置内部の停止条件判定回路10から動作停止制御回路11へ停止命令を発行し機能回路14の動作を停止する例を示したが、半導体装置外部からの停止命令を動作停止制御回路11に入力することにより機能回路14を停止する手段も考えられる。半導体装置外部からの停止命令により動作を停止する手段と、図1の外部伝達手段13を用いた場合について説明する。ネットワークを経由して動作状態を集中管理する装置へ結果を蓄積することで、装置の寿命を統計的に管理し、半導体装置の記憶回路に蓄積されたデータに基づき、集中管理する装置から動作停止命令を出すことにより、半導体装置の故障が発生する前であっても動作を停止し、安全性を高めることができる。
<動作停止回路11の構成例1>
図6は、図1に示した動作停止回路11の構成の一例として、機能回路14へ入力するクロック信号およびリセット信号を制御する回路としてAND素子を用いた回路を示す。
図6は、図1に示した動作停止回路11の構成の一例として、機能回路14へ入力するクロック信号およびリセット信号を制御する回路としてAND素子を用いた回路を示す。
図6に示すように、機能回路14へ入力されるクロック信号S222は、動作停止制御回路11内でクロック供給源120からのクロック信号S221と停止条件判定回路10より出力される停止条件判定信号S220とのAND信号が入力される。
また、機能回路14へ入力されるリセット信号S224は、動作停止制御回路11内でリセット供給源121からのリセット信号S223と停止条件判定回路10より出力される停止条件判定信号S220とのAND信号が入力される。
機能回路14の故障を停止条件判定回路10が検出し、停止条件判定信号S220に“L”信号を出力することにより、機能回路14へのクロック信号の供給停止、およびリセット信号の固定状態となり、機能回路14が停止する。
なお、ここでは、クロック信号S222およびリセット信号S224を1種類の停止条件判定信号S220で同時に制御したが、クロック信号S222とリセット信号S224とを別々に制御する回路も考えられる。
<動作停止回路11の構成例2>
図7は、図1に示した動作停止回路11の構成の別の一例として、機能回路14へ入力するクロック信号を制御する回路として、ヒューズ素子、アンチヒューズ素子を用いた回路を示す。
図7は、図1に示した動作停止回路11の構成の別の一例として、機能回路14へ入力するクロック信号を制御する回路として、ヒューズ素子、アンチヒューズ素子を用いた回路を示す。
図7に示すように、機能回路14へ入力されるクロック信号S232は、動作停止制御回路11内でクロック供給源130からのクロック信号S231と故障がない通常時のクロック供給/停止制御回路134からの信号S233とのAND信号が入力される。信号S233は、停止条件判定回路10より出力される停止条件判定信号S230により切断可能なヒューズ素子131を通過してAND素子133へ入力されている。
機能回路14の故障を停止条件判定回路10が検出し、停止条件判定信号S230によってヒューズ素子131を切断することにより、機能回路14へのクロック信号の供給が停止され、機能回路14が停止する。
また、アンチヒューズ素子132により、信号S233を再度接続可能な構成にすることにより、動作停止状態を解除し、故障した機能回路14の故障解析が容易に可能となる。
なお、ここでは、クロック信号を制御する回路について説明したが、リセット供給源を同様な回路構成とすることで機能回路14の動作を制御する回路も考えられる。
上記動作停止回路11の構成例1および2では、クロック信号、リセット信号を制御する回路について説明したが、その他にも、機能回路14の入力データを固定したり、機能回路14の出力信号をディスエーブル状態に固定することにより機能回路14の動作を停止する回路も考えられる。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係るシステムの構成の一例を示す。このシステムは、半導体装置20と、周辺機器21とを備えており、半導体装置20と周辺機器21との間で通信が行われる。さらに本システムでは、半導体装置20と周辺機器21の故障診断が以下のように行われる。
図8は、本発明の第2の実施形態に係るシステムの構成の一例を示す。このシステムは、半導体装置20と、周辺機器21とを備えており、半導体装置20と周辺機器21との間で通信が行われる。さらに本システムでは、半導体装置20と周辺機器21の故障診断が以下のように行われる。
図8に示すように、半導体装置20の機能回路14と周辺機器21の機能回路22とを接続する入出力信号は、半導体装置20の故障診断回路15にも接続されている。
通常動作時、スイッチ素子140b,140d,140eを接続状態、スイッチ素子140a,140cを断線状態とすることで、機能回路14と機能回路22が接続される。
半導体装置20と周辺機器21との接続経路の故障診断を実施する場合、スイッチ素子140a,140c,140eを接続状態、スイッチ素子140b,140dを断線状態とする。故障診断回路15よりテスト信号S240を出力し、その信号が周辺機器21を通過して故障診断回路15の入力信号S249として入力されるかを判定する。信号S240とS249が異なる信号であった場合、半導体装置20と周辺機器21との接続経路に故障が発生していると判定可能である。
周辺機器21の故障診断を実施する場合、スイッチ素子140a,140d,140eを接続状態、スイッチ素子140b,140cを断線状態とする。故障診断回路15よりテスト信号S240を出力して機能回路22を動作させ、その出力信号S245を故障診断回路15の入力信号S249として入力する。入力信号S249が機能回路22の正常動作の期待値と異なる場合、機能回路22に故障が発生していると判定可能である。
上述した故障診断により、機能回路14または機能回路22の故障が検出できた場合、スイッチ素子140b,140eを断線状態とし機能回路14,22間の信号を切断することで故障が発生していない装置の故障を防ぐことが可能である。
また、機能回路22が外部メモリであった場合、上述の故障診断により故障が発生していると判定された場合、半導体装置20より外部メモリの冗長救済を実施することでシステムの寿命を延命することも考えられる。
本発明に係る半導体装置は、小規模回路で故障検出を行い、また、故障が発生する前に故障予測に基づき半導体装置の動作を停止することが可能であり、半導体装置の安全性を高めることが出来る。
本発明は、半導体装置に関し、特に故障診断手段または動作停止制御手段を備えた半導体集積回路(以下、LSIと称す)に関するものである。
時間経過によるLSIの故障発生率は図9のような曲線になる。曲線の形状がバスタブに似ていることからバスタブ曲線と呼ばれる。LSIの故障は初期故障、偶発的故障、劣化故障に分類できる。
従来のLSIでは、出荷するLSIの品質を保証するため、出荷前の検査を実施している。また、温度、電圧条件を規格以上に高負荷にしてから出荷検査を行うことで、時間経過による初期故障品の流出を防いでいる。
ところが、いったん、LSIを完成品として出荷した後にLSIを搭載したシステムとして使用し続けたときに起こり得る、特にバスタブ曲線のうちの劣化故障にあたる部分については出荷検査では対処することが困難であった。
また、LSIの集積化が進み、ひとつのLSIで多数の機能を実現するようになってきている。このため、LSIの中のある機能回路部分は劣化故障していなくても別の機能回路部は劣化故障しているという状況が起こり得る。
これらの課題に対して、従来の半導体装置として、機能回路部を2つ以上搭載し、自己診断を行って故障のない一方の機能回路部を使用することでLSIの寿命を延長するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、機能回路部を自己診断し、クロック供給を停止して機能回路部の動作を停止するものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004-340877号公報
特開平05-341013号公報
上記の技術では、機能回路部を2つ以上搭載したり、自己診断回路を設けたりするため、回路規模が大きくなる。また、故障が発生してからはじめて自己診断結果に基づき動作を停止するものであり、あらかじめ故障が発生する前に故障を予測して停止することが出来ない。
上記問題を鑑みて、本発明は、半導体装置に関して、小規模回路で故障診断を行い、また故障が発生する前に故障予測に基づき半導体装置の動作を停止することで半導体装置の安全性を高めることを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、2つ以上のフリップフロップを含んで構成されたシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力に基づいて故障の有無を判定する故障診断手段とを備えていることである。
本発明の第2の特徴は、第1の特徴を備えた半導体装置であって、前記シフトレジスタは、第1のフリップフロップと、前記第1のフリップフロップの出力を入力とする遅延手段と、前記遅延手段の出力を入力とする第2のフリップフロップと、前記遅延手段の遅延時間を調整できる手段とを含んでいることである。
本発明の第3の特徴は、電源電圧を測定する電源電圧測定手段と、前記電源電圧測定値を蓄える記憶手段と、前記電源電圧測定手段で測定した電圧値と、前記記憶手段に蓄えた電圧値との比較に基づいて故障の有無を判定する故障診断手段とを備えていることである。
本発明の第4の特徴は、少なくとも1つ以上の動作停止判断を行う停止条件判定手段と、前記停止条件判定手段による判断に基づいて前記半導体装置全体あるいは一部の動作を止める動作停止制御手段とを備えていることである。
本発明の第5の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記停止条件判定手段は、2つ以上のフリップフロップを含んで構成されたシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力に基づいて故障の有無を判定する故障診断手段とを備えていることである。
本発明の第6の特徴は、第5の特徴をもつ半導体装置において、前記シフトレジスタは、第1のフリップフロップと、前記第1のフリップフロップの出力を入力とする遅延手段と、前記遅延手段の出力を入力とする第2のフリップフロップと、前記遅延手段の遅延時間を調整できる手段とを含んでいることである。
本発明の第7の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記停止条件判定手段は、電源電圧を測定する電源電圧測定手段と、前記電源電圧測定値を蓄える記憶手段と、前記電源電圧測定手段で測定した電圧値と、前記記憶手段に蓄えた電圧値との比較に基づいて故障の有無を判定する故障診断手段とを備えていることである。
本発明の第8の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記停止条件判定手段は、ある一定の時間を計測できるタイマー手段と、前記タイマー手段による計測時間が前記一定の時間に達すると停止条件を生成する手段とを含んでいることである。
本発明の第9の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記停止条件判定手段は、前記半導体装置外部からの停止要求に基づいて停止条件を生成することである。
本発明の第10の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記動作停止制御手段は、ヒューズを備え、前記ヒューズの切断により前記半導体装置全体あるいは一部の動作を停止することである。
本発明の第11の特徴は、第10の特徴をもつ半導体装置において、前記動作停止制御手段は、前記ヒューズと並列にアンチヒューズをさらに備え、前記ヒューズ切断後にも前記アンチヒューズにより前記切断を再接続することで前記半導体装置全体あるいは一部の動作停止状態を解除することが可能であることである。
本発明の第12の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記停止条件判定手段の判定結果を蓄える記憶手段をさらに備えていることである。
本発明の第13の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置において、前記停止条件判定手段の判定結果を前記半導体装置外部へ伝える手段をさらに備えていることである。
本発明の第14の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置と、周辺機器とを備えたシステムにおいて、前記停止条件判定手段は、前記半導体装置と前記周辺機器の接続経路の故障診断を行うことである。
本発明の第15の特徴は、第4の特徴をもつ半導体装置と、周辺機器とを備えたシステムにおいて、前記停止条件判定手段は、前記周辺機器の故障診断を行うことである。
本発明によると、半導体装置に関して、小規模回路で故障検出を行い、また故障が発生する前に故障予測に基づき半導体装置の動作を停止することで、半導体装置の安全性を高めることが出来る。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面において同一の部分または相当する部分には同じ参照符号を付してその説明は繰り返さない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成の一例を示す。この半導体装置は、停止条件判定回路10と、動作停止制御回路11と、記憶装置12と、外部伝達手段13と、機能回路14とを備えている。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成の一例を示す。この半導体装置は、停止条件判定回路10と、動作停止制御回路11と、記憶装置12と、外部伝達手段13と、機能回路14とを備えている。
図1の半導体装置では、停止条件判定回路10により停止条件が成立したとき、動作停止制御回路11へ停止命令を発行し、機能回路14の動作を停止する。記憶装置12には、停止条件判定回路10の判定結果の他、機能回路14の動作状態を蓄える。定期的に停止条件判定回路10の判定結果を記憶装置12に蓄えておくことで、過去にさかのぼって判定結果や動作状態の履歴を調査することが可能になる。また、記憶装置12を外部より読出し可能な構成とすることで、機能回路14の動作状態や故障状態を知ることが容易となる。機能回路14の動作状態としては、例えば動作状態を示すステータスレジスタ値を蓄えておく。外部伝達手段13は、停止条件判定回路10の判定結果を当該半導体装置外部へ伝えるものである。この判定結果を当該半導体装置外部の周辺機器が使用することにより、当該半導体装置の故障による周辺機器の故障やシステムの異常動作を防止することが可能である。外部伝達手段としては、例えば、音を鳴らしたり、LEDを点灯したり、点滅したり、発色の色を変えたり、表示装置にメッセージを表示することで外部に知らせることが考えられる。
<停止条件判定回路10の構成例1>
図2は、停止条件判定回路10の構成の一例として、シフトレジスタにより故障診断手段を実現した例を示す。また、図3は、図2に示した停止条件判定回路10のタイミングチャート図を示す。
図2は、停止条件判定回路10の構成の一例として、シフトレジスタにより故障診断手段を実現した例を示す。また、図3は、図2に示した停止条件判定回路10のタイミングチャート図を示す。
図2に示す停止条件判定回路10は、シフトレジスタ100,101と、診断回路105とを備えている。シフトレジスタ100,101は、フリップフロップ102とその間に挿入された遅延回路103から構成される。診断回路105は、シフトレジスタ100,101の出力信号のタイミングに基づいて故障診断を行う。シフトレジスタ100,101の遅延回路103a,103bの遅延量はそれぞれ異なっている。遅延回路103aは、フリップフロップ102a,102b間を信号が伝播するのにぎりぎり間に合うタイミングとなるような遅延量に設計されており、遅延回路103bは、フリップフロップ102c,102d間を信号が伝播するのに十分マージンがあるタイミングとなるような遅延量に設計されている。
図2に示す停止条件判定回路10の動作を図3のタイミングチャートを用いて説明する。信号D11,D21に印加された“H”信号は、それぞれフリップフロップ102a,102cを通過し、遅延回路103a,103bにより遅延されてフリップフロップ102b,102dに入力された後、故障診断回路105を構成するAND素子104とフリップフロップ102eを通過してQ3より出力される。遅延回路103bよりも遅延回路103aの遅延量が大きく設計されているため、信号D22よりも信号D12の方が信号の変化タイミングが後ろになっている。
遅延故障が発生していない場合、図3のタイミングチャート上部(a)のように信号D12と信号D22は共にT2〜T3間で変化しているため、フリップフロップ102b,102dからの出力信号Q12,Q22は共にT3〜T4間で変化し、その結果、フリップフロップ102eからの出力信号Q3はT4〜T5間で変化する。
一方、フリップフロップ102a,102b間の配線にて遅延故障が発生した場合、図3のタイミングチャート下部(b)のように信号D12の変化タイミングが遅くなる。そのため、フリップフロップ102bからの出力信号Q12の変化タイミングも遅れT4〜T5間で変化し、その結果、フリップフロップ102eからの出力信号Q3はT5〜T6間で変化し、遅延故障が発生していない場合と比べ遅くなる。
これにより、遅延故障の有無を判定することができる。
シフトレジスタ100は半導体装置内部において、レイアウト的に電源配線の電圧降下(IR-Drop)量が大きい等、機能回路内の配線の信号遅延時間が大きい箇所に配置するとより効果的である。
<遅延回路103aの構成例>
図4は、図2に示した遅延回路103aの構成例を示す。遅延回路103aの遅延量は製造要因、動作条件要因でばらつくが、図4のように遅延時間を調整できる遅延回路を用いることで、ばらつきに対応して、図3のフリップフロップ102a,102b間を信号が伝播するのにぎりぎり間に合うタイミングとなるような遅延量に調整することができる。
図4は、図2に示した遅延回路103aの構成例を示す。遅延回路103aの遅延量は製造要因、動作条件要因でばらつくが、図4のように遅延時間を調整できる遅延回路を用いることで、ばらつきに対応して、図3のフリップフロップ102a,102b間を信号が伝播するのにぎりぎり間に合うタイミングとなるような遅延量に調整することができる。
図4において、160a,160b,160c,160dは遅延素子である。遅延素子160a,160b,160c,160dの各遅延量は同じであってもよいし、異なっていてもよい。遅延回路130aへの入力信号S200(Q11)は、各遅延素子160a,160b,160c,160dにより遅延した信号S201,S202,S203,S204となる。選択回路161は、選択信号S205により、信号S201,S202,S203,S204のうちからひとつを選択し、出力信号S206(D12)として出力する。
図4の遅延回路を図2の遅延回路103aとして用いた場合の動作について説明する。図4の選択信号S205を変化させるとフリップフロップ102eからの出力信号Q3が図3のT4〜T5間で変化したり、T5〜T6間で変化したりする。フリップフロップ102eからの出力信号Q3が図3のT4〜T5間で変化する最大遅延時間となるような選択信号S205の状態をLSIの出荷検査時に特定する。特定した状態は、LSI内の記憶素子に蓄えておき、LSI出荷後に蓄えた状態を読み出すことで出荷検査時に特定した状態に調整することができる。記憶素子の例としては、電源遮断後も値を記憶する不揮発性メモリが考えられる。
<停止条件判定回路10の構成例2>
図5は、停止条件判定回路10の構成の別の一例として、電源電圧を測定する電源電圧測定手段により故障診断手段を実現した例を示す。
図5は、停止条件判定回路10の構成の別の一例として、電源電圧を測定する電源電圧測定手段により故障診断手段を実現した例を示す。
図5に示す停止条件判定回路10は、抵抗器110a,110b、オペアンプ111、A/D変換器112、記憶回路113、比較回路114を備えている。機能回路14に印加される電源電圧を抵抗器110a,110bとオペアンプ111で構成する反転増幅回路に入力し、その出力信号をA/D変換器112を通して記憶回路113と比較回路114に入力する。記憶回路113は、A/D変換器112の出力結果を定期的に保持し、その値を比較回路114へ入力する。機能回路14に故障が生じ、機能回路14に印加される電源電圧値が異常となった場合、A/D変換器112の出力結果と記憶回路113に保持された過去の電源電圧値との比較を比較回路114にて実施することにより異常検出が可能であるため、これにより機能回路14の故障を判定することができる。記憶回路113と比較回路114により故障を判定する方法は、例えば、電源投入時の電源電圧値により判定してもよいし、電源投入後動作中の電源電圧値の変動を時系列に比較を行い判定してもよい。また、微小な電源電圧値の変動を故障として誤判断することを防ぐために、複数回の判断結果に基づき故障判断することも考えられる。
なお、ここでは電源電圧測定手段により故障診断手段を実現した例を示したが、電源電圧測定手段に代えて電源電流測定手段を用いてもよい。また、記憶回路113と比較回路114へ入力する信号としてSCANテスト結果や自己診断テスト結果、外部からの診断テスト結果を入力し、それにより故障を判定することも考えられる。
<停止条件判定回路10の構成例3>
停止条件判定回路10の構成の別の一例として、ある一定時間を計測できるタイマーを用いた回路について説明する。半導体装置内部にある一定時間を計測できるタイマー回路を搭載する。タイマー回路に機能回路14を停止するまでの時間を設定し、その時間の経過後に機能回路14を停止する。これにより、システムの長期使用による半導体装置の故障が原因となる誤動作を未然に防ぐことができる。また、タイマー回路の残り時間を外部より読出し可能な構成にしておくことで、半導体装置の寿命を知ることができ、半導体装置の劣化による故障の前に半導体装置の交換などにより、システムの誤動作の防止と寿命の延命が可能となる。
停止条件判定回路10の構成の別の一例として、ある一定時間を計測できるタイマーを用いた回路について説明する。半導体装置内部にある一定時間を計測できるタイマー回路を搭載する。タイマー回路に機能回路14を停止するまでの時間を設定し、その時間の経過後に機能回路14を停止する。これにより、システムの長期使用による半導体装置の故障が原因となる誤動作を未然に防ぐことができる。また、タイマー回路の残り時間を外部より読出し可能な構成にしておくことで、半導体装置の寿命を知ることができ、半導体装置の劣化による故障の前に半導体装置の交換などにより、システムの誤動作の防止と寿命の延命が可能となる。
なお、上記説明では、半導体装置内部の停止条件判定回路10から動作停止制御回路11へ停止命令を発行し機能回路14の動作を停止する例を示したが、半導体装置外部からの停止命令を動作停止制御回路11に入力することにより機能回路14を停止する手段も考えられる。半導体装置外部からの停止命令により動作を停止する手段と、図1の外部伝達手段13を用いた場合について説明する。ネットワークを経由して動作状態を集中管理する装置へ結果を蓄積することで、装置の寿命を統計的に管理し、半導体装置の記憶回路に蓄積されたデータに基づき、集中管理する装置から動作停止命令を出すことにより、半導体装置の故障が発生する前であっても動作を停止し、安全性を高めることができる。
<動作停止回路11の構成例1>
図6は、図1に示した動作停止回路11の構成の一例として、機能回路14へ入力するクロック信号およびリセット信号を制御する回路としてAND素子を用いた回路を示す。
図6は、図1に示した動作停止回路11の構成の一例として、機能回路14へ入力するクロック信号およびリセット信号を制御する回路としてAND素子を用いた回路を示す。
図6に示すように、機能回路14へ入力されるクロック信号S222は、動作停止制御回路11内でクロック供給源120からのクロック信号S221と停止条件判定回路10より出力される停止条件判定信号S220とのAND信号が入力される。
また、機能回路14へ入力されるリセット信号S224は、動作停止制御回路11内でリセット供給源121からのリセット信号S223と停止条件判定回路10より出力される停止条件判定信号S220とのAND信号が入力される。
機能回路14の故障を停止条件判定回路10が検出し、停止条件判定信号S220に“L”信号を出力することにより、機能回路14へのクロック信号の供給停止、およびリセット信号の固定状態となり、機能回路14が停止する。
なお、ここでは、クロック信号S222およびリセット信号S224を1種類の停止条件判定信号S220で同時に制御したが、クロック信号S222とリセット信号S224とを別々に制御する回路も考えられる。
<動作停止回路11の構成例2>
図7は、図1に示した動作停止回路11の構成の別の一例として、機能回路14へ入力するクロック信号を制御する回路として、ヒューズ素子、アンチヒューズ素子を用いた回路を示す。
図7は、図1に示した動作停止回路11の構成の別の一例として、機能回路14へ入力するクロック信号を制御する回路として、ヒューズ素子、アンチヒューズ素子を用いた回路を示す。
図7に示すように、機能回路14へ入力されるクロック信号S232は、動作停止制御回路11内でクロック供給源130からのクロック信号S231と故障がない通常時のクロック供給/停止制御回路134からの信号S233とのAND信号が入力される。信号S233は、停止条件判定回路10より出力される停止条件判定信号S230により切断可能なヒューズ素子131を通過してAND素子133へ入力されている。
機能回路14の故障を停止条件判定回路10が検出し、停止条件判定信号S230によってヒューズ素子131を切断することにより、機能回路14へのクロック信号の供給が停止され、機能回路14が停止する。
また、アンチヒューズ素子132により、信号S233を再度接続可能な構成にすることにより、動作停止状態を解除し、故障した機能回路14の故障解析が容易に可能となる。
なお、ここでは、クロック信号を制御する回路について説明したが、リセット供給源を同様な回路構成とすることで機能回路14の動作を制御する回路も考えられる。
上記動作停止回路11の構成例1および2では、クロック信号、リセット信号を制御する回路について説明したが、その他にも、機能回路14の入力データを固定したり、機能回路14の出力信号をディスエーブル状態に固定することにより機能回路14の動作を停止する回路も考えられる。
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係るシステムの構成の一例を示す。このシステムは、半導体装置20と、周辺機器21とを備えており、半導体装置20と周辺機器21との間で通信が行われる。さらに本システムでは、半導体装置20と周辺機器21の故障診断が以下のように行われる。
図8は、本発明の第2の実施形態に係るシステムの構成の一例を示す。このシステムは、半導体装置20と、周辺機器21とを備えており、半導体装置20と周辺機器21との間で通信が行われる。さらに本システムでは、半導体装置20と周辺機器21の故障診断が以下のように行われる。
図8に示すように、半導体装置20の機能回路14と周辺機器21の機能回路22とを接続する入出力信号は、半導体装置20の故障診断回路15にも接続されている。
通常動作時、スイッチ素子140b,140d,140eを接続状態、スイッチ素子140a,140cを断線状態とすることで、機能回路14と機能回路22が接続される。
半導体装置20と周辺機器21との接続経路の故障診断を実施する場合、スイッチ素子140a,140c,140eを接続状態、スイッチ素子140b,140dを断線状態とする。故障診断回路15よりテスト信号S240を出力し、その信号が周辺機器21を通過して故障診断回路15の入力信号S249として入力されるかを判定する。信号S240とS249が異なる信号であった場合、半導体装置20と周辺機器21との接続経路に故障が発生していると判定可能である。
周辺機器21の故障診断を実施する場合、スイッチ素子140a,140d,140eを接続状態、スイッチ素子140b,140cを断線状態とする。故障診断回路15よりテスト信号S240を出力して機能回路22を動作させ、その出力信号S245を故障診断回路15の入力信号S249として入力する。入力信号S249が機能回路22の正常動作の期待値と異なる場合、機能回路22に故障が発生していると判定可能である。
上述した故障診断により、機能回路14または機能回路22の故障が検出できた場合、スイッチ素子140b,140eを断線状態とし機能回路14,22間の信号を切断することで故障が発生していない装置の故障を防ぐことが可能である。
また、機能回路22が外部メモリであった場合、上述の故障診断により故障が発生していると判定された場合、半導体装置20より外部メモリの冗長救済を実施することでシステムの寿命を延命することも考えられる。
本発明に係る半導体装置は、小規模回路で故障検出を行い、また、故障が発生する前に故障予測に基づき半導体装置の動作を停止することが可能であり、半導体装置の安全性を高めることが出来る。
10 停止条件判定手段
11 動作停止制御回路
12 記憶装置
13 外部伝達手段
14 機能回路
20 半導体装置
21 周辺機器
22 機能回路
100、101 シフトレジスタ
102 フリップフロップ
103 遅延回路
104 AND素子
105 故障診断回路
110 抵抗素子
111 オペアンプ
112 A/D変換器
113 記憶回路
114 比較回路
120 クロック供給源
121 リセット供給源
122 AND素子
130 クロック供給源
131 ヒューズ素子
132 アンチヒューズ素子
133 AND素子
134 故障がない通常時のクロック供給/停止制御回路
135 抵抗素子
140 スイッチ素子
160 遅延素子
161 選択回路
11 動作停止制御回路
12 記憶装置
13 外部伝達手段
14 機能回路
20 半導体装置
21 周辺機器
22 機能回路
100、101 シフトレジスタ
102 フリップフロップ
103 遅延回路
104 AND素子
105 故障診断回路
110 抵抗素子
111 オペアンプ
112 A/D変換器
113 記憶回路
114 比較回路
120 クロック供給源
121 リセット供給源
122 AND素子
130 クロック供給源
131 ヒューズ素子
132 アンチヒューズ素子
133 AND素子
134 故障がない通常時のクロック供給/停止制御回路
135 抵抗素子
140 スイッチ素子
160 遅延素子
161 選択回路
Claims (15)
- 2つ以上のフリップフロップを含んで構成されたシフトレジスタと、
前記シフトレジスタの出力に基づいて故障の有無を判定する故障診断手段とを備える、
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項1において、
前記シフトレジスタは、
第1のフリップフロップと、
前記第1のフリップフロップの出力を入力とする遅延手段と、
前記遅延手段の出力を入力とする第2のフリップフロップと、
前記遅延手段の遅延時間を調整できる手段とを含む、
ことを特徴とする半導体装置。 - 電源電圧を測定する電源電圧測定手段と、
前記電源電圧測定値を蓄える記憶手段と、
前記電源電圧測定手段で測定した電圧値と、前記記憶手段に蓄えた電圧値との比較に基づいて故障の有無を判定する故障診断手段とを備える、
ことを特徴とする半導体装置。 - 半導体装置であって、
少なくとも1つ以上の動作停止判断を行う停止条件判定手段と、
前記停止条件判定手段による判断に基づいて前記半導体装置全体あるいは一部の動作を止める動作停止制御手段とを備える、
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項4において、
前記停止条件判定手段は、
2つ以上のフリップフロップを含んで構成されたシフトレジスタと、
前記シフトレジスタの出力に基づいて故障の有無を判定する故障診断手段とを備える、
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項5において、
前記シフトレジスタは、
第1のフリップフロップと、
前記第1のフリップフロップの出力を入力とする遅延手段と、
前記遅延手段の出力を入力とする第2のフリップフロップと、
前記遅延手段の遅延時間を調整できる手段とを含む、
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項4において、
前記停止条件判定手段は、
電源電圧を測定する電源電圧測定手段と、
前記電源電圧測定値を蓄える記憶手段と、
前記電源電圧測定手段で測定した電圧値と、前記記憶手段に蓄えた電圧値との比較に基づいて故障の有無を判定する故障診断手段とを備える、
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項4において、
前記停止条件判定手段は、
ある一定の時間を計測できるタイマー手段と、
前記タイマー手段による計測時間が前記一定の時間に達すると停止条件を生成する手段とを含む、
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項4において、
前記停止条件判定手段は、前記半導体装置外部からの停止要求に基づいて停止条件を生成する、
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項4において、
前記動作停止制御手段は、ヒューズを備え、前記ヒューズの切断により前記半導体装置全体あるいは一部の動作を停止する、
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項10において、
前記動作停止制御手段は、前記ヒューズと並列にアンチヒューズをさらに備え、前記ヒューズ切断後にも前記アンチヒューズにより前記切断を再接続することで前記半導体装置全体あるいは一部の動作停止状態を解除することが可能である、
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項4において、
前記停止条件判定手段の判定結果を蓄える記憶手段をさらに備える、
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項4において、
前記停止条件判定手段の判定結果を前記半導体装置外部へ伝える手段をさらに備える、
ことを特徴とする半導体装置。 - 請求項4に記載の半導体装置と、周辺機器とを備え、
前記停止条件判定手段は、前記半導体装置と前記周辺機器の接続経路の故障診断を行う、
ことを特徴とする半導体装置を搭載したシステム。 - 請求項4に記載の半導体装置と、周辺機器とを備え、
前記停止条件判定手段は、前記周辺機器の故障診断を行う、
ことを特徴とする半導体装置を搭載したシステム。
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