<第1の実施形態>
以下、本発明を実施可能な形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の各実施形態に記載されている構成は例示であり、本発明の技術範囲はそれらには限定されない。
なお、以下において説明する電源システム(電力供給システム)は、単体の装置を用いて構成されてもよい。また、係る電源制御システムは、複数の装置により構成されてもよい。この場合、係る電源システムを構成する複数の装置の間は、有線、無線、又はそれらを任意に組み合わせた通信ネットワーク(通信回線)により通信可能に接続されてもよい。
まず、本発明に関する技術的な検討事項等について、ブレードサーバ等の電子機器により構成されたシステムを具体例として説明する。以下、電子機器により構成されたシステムを、単に「電子機器システム」と称する場合がある。電気器システムにおいて、ブレードサーバ等の電子機器は、電力を消費する負荷である。また、ブレードサーバ等の電子機器に対して電力を供給可能な電源装置を、電源ユニットと称する場合がある。なお、以下に例示するブレードサーバ等を含む電子機器システムは一つの具体例であり、以下の各実施形態を用いて説明する本発明に関する技術は、これには限定されない。また、ブレードサーバ自体は周知の技術を用いて構成してよいので、詳細な説明を省略する。
1以上のブレードサーバにより構成されるシステムにおいては、複数の電源ユニットを冗長化して運用することが多い。このため、通常の運用状態において、電源ユニット1台当たりの出力電力が、当該電源ユニットにおいて供給可能な最大電力に達すること、あるいは、1台の電源ユニットに大きな負荷変動が生じることは比較的少ない。よって、高負荷、又は、大きな負荷変動等に起因して発生する不具合が、電源ユニットに含まれる部品の劣化等に伴い、当該電源ユニットに内在していたとしても、通常の運用ではこのような不具合は検出されにくい。係る不具合としては、供給可能な電圧が下降する、電圧が安定しない等の具体例が考えられる。
例えば、ある電源ユニットの故障等により、電源ユニットの冗長性を保てない状態に陥った場合、他の電源ユニットが高負荷になる状況、あるいは、他の電源ユニットに急な負荷変動が生じる状況等が発生する可能性がある。この場合、他の電源ユニット1台当たりの負荷が増大する。これに伴い、更に、他の電源ユニットにおいて内在されていた不具合が生じると、冗長性を保てない状態から供給電力が不足する状態へと、状況が悪化する可能性がある。ブレードサーバを含むシステムに対する供給電力が不足すると、システムダウンに繋がってしまう。これより、冗長化された電源ユニットのうち、高負荷状況、あるいは、負荷の急変動が発生した状況において問題が発生する可能性が有る電源ユニットを、事前に検出する技術が求められる。これに対して、例えば、一定期間ごとに負荷を発生(例えば、ファンを最大回転数で回転させる等)させ、電源装置に異常がないか診断する機能が知られている。しかしながら、係る単純な診断機能のみでは、ブレードサーバを含むシステムの運用状態において過酷な条件の試験を実行することが困難であり、各電源ユニットが内在する可能性がある不具合を十分にテストすることができない。よって、ブレードサーバを含むシステムの運用状態において、電源ユニットに対して十分な高負荷試験や負荷変動試験を実施することにより、当該電源ユニットの正常性を診断する技術が求められている。
以下において説明する本実施形態における電源システムは、例えば、電子機器システムの運用状態において、各電源ユニットを一時的に電力供給ラインから独立させてテストを実行する。これにより、本実施形態における電源システムは、各電源ユニットの正常性を診断する。また、本実施形態における電源システムは、電源ユニットの診断に際して、電子機器システムを安定して稼働することができるように、例えば、電子機器システムにおける電力需給を調整する。以下、本実施形態における電源システムについて、具体的に説明する。
[構成]
本実施形態における電源システム1について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における電源システム1を含む電子機器システムの機能的な構成を例示するブロック図である。図1には、電子機器システムの一つの具体例として、ブレードサーバを含むシステムが例示される。また、図2及び図3は、電源システム1に含まれる一部の構成要素の具体的な構成例を示すブロック図である。
本実施形態における電源システム1は、管理部100と、電源ユニット101(図1における電源ユニットA乃至電源ユニットD)、と、切り替え部102(図1における切り替え部A乃至切り替え部D)と、を備える。また、電源システム1は、運用ライン103と、診断ライン104とを備える。また、電源システム1は、負荷装置105を含んでもよい。電源システム1における各電源ユニット101から供給された電力は、切り替え部102及び運用ライン103を介して、電子機器システムに含まれる各電子機器106に供給される。図1に示す具体例においては、係る電子機器106として、ブレードA(106a)、ブレードB(106b)、ファン(FAN)(106c)、及び、ネットワークスイッチ(106d)が例示されている。なお、係る電子機器106は、上記に限定されない。なお、電源システム1における各電源ユニット101から供給された電力は、切り替え部102及び運用ライン104を介して、負荷装置105に供給することも可能である。
以下、上記それぞれの構成要素について説明する。
電源ユニット101は、電子機器106に対して電力を供給可能な電力供給装置である。電源ユニット101は、商用電源ライン(不図示)から商用電力の供給を受け、係る商用電力を電子機器106に供給可能な形式に変換して、電子機器106に供給してもよい。係る電源ユニット101は、例えば、直流電源装置であってもよいが、これには限定されない。電源ユニット101は、例えば、蓄電装置(バッテリ等)であってもよく、あるいは、発電装置であってもよい。
電源ユニット101には、図2に例示するように、当該電源ユニット101に関する各種状態を表す情報を収集する検知部101aが含まれてもよい。係る検知部101aは、例えば、電源ユニットの温度、出力電圧(あるいは出力電流)、稼働時間等を測定可能なセンサ等により実現される。検知部101aは、電源ユニット101に関する上記以外の情報を収集してもよい。係る検知部101aは、電源ユニット101に関する状態を表す情報を、後述する管理部100に提供可能する。なお、検知部101aは、図2に例示するように、電源ユニット101に含まれてもよく、図3に例示するように、電源ユニット101の外部に存在してもよい。電源ユニット101は、後述する切り替え部102と電気的に接続されており、電源ユニット101が供給する電力は、切り替え部102に入力される。
切り替え部102は、図2に模式的に示すように、電源ユニット101から受け付けた電力の出力先を切り替え(選択)可能なスイッチとして機能する。具体的には、切り替え部102は、後述する運用ライン103と、診断ライン104と電気的に接続されている。切り替え部102は、後述する管理部100からの指示(制御信号等)に基づいて、運用ライン103と、診断ライン104とのいずれかを切り替えて、電源ユニット101から受け付けた電力の出力先として選択する。係る切り替え部102は、例えば、図4に例示するようなFET(Field Effect Transistor)による半導体スイッチを用いて実現されてもよい。図4に示す具体例においては、FET(401、402)を用いたスイッチ回路が2つ組み合わされており、管理部100からの制御信号によって、片方のスイッチ回路がONの場合は、もう一方のスイッチ回路がOFFとなるよう制御される。これにより、電源ユニット101から供給される電力は、運用ライン103と、診断ライン104とのいずれかに出力される。なお、切り替え部102は、上記に限定されず、例えば他の切り替え方法(例えば、機械的なスイッチ、あるいはリレー等)により実現されてもよい。
運用ライン103は、電子機器システムの運用に使用される各電子機器106(図1に例示されたブレードA(106a)、ブレードB(106b)、ファン106c、ネットワークスイッチ106d等)が接続される電力供給線である。電子機器システムが運用状態にある場合には、少なくとも1以上の電源ユニット101の出力先が、運用ライン103に接続されている。運用ライン103に接続され、電子機器106に電力を供給する電源ユニット101を、「第1の電源ユニット」と称する場合がある。
診断ライン104は、電源ユニット101の正常性を診断する際に用いられる電力供給線である。診断ライン104には、後述する負荷装置105が接続されている。診断ライン104に接続され、負荷装置105に電力を供給する電源ユニット101を、「診断対象の電源ユニット」と称する場合がある。
負荷装置105は、電源ユニット101の正常性を診断するテストに用いられる負荷を発生する装置である。負荷装置105は、後述する管理部100からの指示(制御信号等)に基づいて、当該負荷装置105において消費する電力量を制御可能である。係る負荷装置105は、少なくとも診断対象の電源ユニット101が供給可能な電力の範囲内において、自装置における消費電力量を制御可能である。具体的には、負荷装置105は、自装置における消費電力(例えば、最大消費電力)、あるいは、当該消費電力量の変動(例えば、単位時間あたりの消費電力量の変化)を制御可能であってもよい。負荷装置105は、抵抗負荷装置、あるいは電子負荷装置等を用いて、自装置における消費電力、あるいはその変動を制御してもよい。
負荷装置105は、例えば、電子機器システムにおいて実際に発生し得る負荷(使用電力量)の変動を模擬するように、自装置において消費する電力量を制御してもよい。この場合、例えば、電子機器システムにおいて実際に発生し得る負荷(使用電力量)の変動のパターンが、負荷装置105に登録されてもよい。これにより、管理部100(後述)は、電子機器システムの実際の運用環境において発生する負荷に類似した負荷を用いて、電源ユニット101に関する診断を実行可能である。
電子機器106(106a乃至106d)は、電子機器システムの運用に用いられる任意の機器である。換言すると、電子機器106は、電子機器システムを構成するコンポーネントといえる。なお、電子機器システムにおいて、稼働状態にある電子機器106を、稼働コンポーネントと称する場合がある。
上記したように、図1には、電子機器システムの具体例として、ブレードサーバを含むシステムが例示される。図1に例示されたブレードサーバを含むシステムは、ブレードA(106a)、ブレードB(106b)、ファン(FAN)106c、及び、ネットワークスイッチ106dを含む。ブレードサーバを含むシステムは、上記以外の任意の電子機器を含んでもよい。
ブレードA(106a)及びブレードB(106b)はブレードサーバであり、例えば、コンピュータ等の情報処理装置により実現される。ファン(FAN)106cは、例えば、ブレードサーバを含むシステムを冷却する冷却装置(冷却ファン等)である。また、ネットワークスイッチ106dは、例えば、各ブレード間、あるいは、各ブレードと、他のブレードサーバを含むシステムとの間を接続可能な通信ネットワークにおいて、通信データの転送を制御するネットワーク機器である。
電子機器106は、管理部100からの指示(制御信号等)に応じて、それぞれの装置における消費電力を調整可能であってもよい。例えば、ブレードA(106a)あるいはブレードB(106b)等のブレードサーバは、管理部100からの制御コマンド等に応じて、それぞれのブレードにおける負荷を制御可能である。各ブレードサーバにおける具体的な負荷の制御方法は、周知技術を採用してもよい。また、ファン106cは、管理部100からの指示に応じて、自身の回転数あるいはON−OFF(稼働−停止)等を調整可能であってもよい。また、各電子機器106は、当該電子機器における消費電力を管理部100に通知可能であってもよい。
次に、管理部100について説明する。管理部100は、任意の通信回線を介して、電源ユニット101、切り替え部102と通信可能に接続されている。管理部100は、任意の通信回線を介して、負荷装置105と通信可能に接続されていてもよい。管理部100は、任意の通信回線を介して、1以上の電子機器106と通信可能に接続されていてもよい。管理部100は、上記其々の要素と接続する通信回線として、I2C通信バス、PMBus(Power Management Bus)、あるいは、Ethernet(登録商標)等を適宜採用してよい。
管理部100は、電源ユニット101に対して各種制御信号(コマンド等)を送信することにより、電源ユニット101を制御可能である。具体的には、管理部100は、電源ユニット101のON−OFF、あるいは、出力電力等を制御可能であってもよい。管理部100は、各電源ユニット101の定格出力等の性能情報を保持してもよい。管理部10は、各電源ユニット101から、係る性能情報を取得してもよい。
管理部100は、上記検知部101aから、各電源ユニット101に関する状態を表す情報を取得可能である。また、管理部100は、例えば、切り替え部102に対して制御信号(コマンド等)を送信することにより、電源ユニット101の出力先を切り替えるよう、切り替え部102を制御可能である。
管理部100は、負荷装置105、あるいは電子機器106に対して各種制御信号(コマンド等)を送信してもよい。また、管理部100は、各電子機器106における消費電力を取得することが可能であってもよい。管理部100には、予め、各電子機器106における最大消費電力が設定されていてもよい。
更に、管理部100は、電子機器システム全体の管理に関する、以下のような機能を提供してもよい。即ち、管理部100は、各電子機器106に対する異常監視機能を提供してもよい。また、管理部100は、IO(Input Ouput)仮想化機能を提供してもよい。また、管理部100は、電子機器システムのユーザあるいは管理者等に対するユーザインタフェースを提供してもよい。
係る管理部100は、具体的には、図2及び図3に例示するように、診断部100aと、稼働安定性管理部100bとを有してもよい。診断部100aは、電源ユニット101の正常性を診断する診断処理を実行する。また、稼働安定性管理部100bは、電子機器システムを安定的に稼働する電力維持制御処理を実行する。係る診断処理、及び、電力維持制御処理については、後述する。
管理部100は、例えば、各種集積回路等を用いた専用のハードウェア装置により実現されてもよい。また、管理部100は、情報処理装置等の汎用のハードウェア装置と、ソフトウェア・プログラムとの組合せにより実現されてもよい。なお、管理部100を実現可能なハードウェア構成については、後述する。
上記のように構成された電源システム1を含む電子機器システムは、例えば、ラック(不図示)、あるいは、ラックに収納される収納ユニット(不図示)に収納されてもよい。
[動作]
次に、上記のように構成された電源システム1(特には、管理部100)の動作について、図5に例示するフローチャートを参照して説明する。なお、図5のフローチャートは、図6乃至図13に示すように、具体例として、電源ユニット101が4台である場合の電源システム1の動作を示す。なお、図5に例示するフローチャートは一つの具体例であり、結果に影響を与えない範囲において、各処理の順番が入れ替えられてもよい。また、図5に例示された処理のうち、一つ以上の処理が並行して実行されてもよい。
まず、管理部100は、電源ユニット101(電源ユニットA乃至電源ユニットD)のうち、停止(OFF)可能な電源が存在するか確認する(ステップS501)。なお、管理部100は、電源ユニット101(電源ユニットA乃至電源ユニットD)のうち、停止(OFF)状態にある電源ユニットを探索してもよい。
管理部100は、例えば、1以上の電源ユニット101が供給可能な供給電力と、電子機器システムで使用(消費)される使用電力とに基づいて、電子機器システムで使用される使用電力を供給可能な電源ユニット101の組合せを算出してもよい。そして、管理部100は、係る組合せに含まれない電源ユニット101を、停止可能な電源ユニット101として選択してもよい。
図6に示す具体例においては、電源ユニットDが停止(OFF)可能であることを想定する(ステップS501においてYES)。この場合、管理部100は、電源ユニットDに関する診断処理を実行可能であると判定する。換言すると、電子機器システムが使用する使用電力を、運用ライン103に接続された電源ユニットA乃至電源ユニットCの出力電力により充足することが可能である場合、管理部100は電源ユニットDを診断可能であると判定する。電子機器システムが使用する使用電力は、例えば、稼働コンポーネント(図6の具体例では、ブレードA(106a)、ブレードB(106b)、ファン106c、ネットワークスイッチ106d)における使用電力の総和として算出されてもよい。
なお、可能な電源ユニット101が存在しない場合(ステップS501においてNO)、管理部100は、処理を終了してもよい。
次に、管理部100は、電力維持制御処理を開始する(ステップS502)。係る電力維持制御処理について説明する。診断処理が実行される電源ユニット101(以下、診断対象の電源ユニットと称する場合がある)は、電子機器システムに対して電力を供給することが困難である。よって、診断処理の実行中、管理部100は、電子機器システムにおける使用電力量が、診断対象の電源ユニット101以外の電源ユニット101が供給可能な電力量を超えないように、使用電力を調整する必要がある。具体的には、管理部100は、例えば、診断処理の実行中、電子機器システムの使用電力量が特定の範囲内に維持されるよう、1以上の電子機器106を制御する。上記したように、管理部100が使用電力量を調整する処理を、電力維持制御処理と称する。
管理部100(特には稼働安定性管理部100b)は、係る電力維持制御処理の具体例として、以下のような処理を実行する。稼働安定性管理部100bは、例えば、停止状態にある電子機器が新たに稼働する場合、新たに稼働する電子機器と、既に稼働している電子機器との使用電力量の合計が、特定の範囲に収まるか否かを確認する。なお、新たに稼働する電子機器を、「新規稼働機器」と称する場合がある。図6に例示する具体例においては、新規稼働機器は、例えば、図示しないブレードサーバであってもよい。また、上記特定の範囲は、例えば、診断対象の電源ユニット101以外の電源ユニット101が供給可能な総電力量に基づいて算出されてもよい。稼働安定性管理部100bは、上記合計が特定の範囲(例えば、診断対象の電源ユニット101以外の電源ユニット101が供給可能な総電力量の範囲)に収まらない場合には、新規稼働機器の稼働を抑制する。これにより、稼働安定性管理部100bは、電子機器システムにおける使用電力量が特定の範囲を超えることにより、係る電子機器システムの安定的な稼働が損なわれることを防止する。
また、稼働安定性管理部100bは、例えば、電子機器システム全体の使用電力量の合計が、上記特定の範囲に収まるように、1以上の電子機器106の使用電力を調整してもよい。具体的には、稼働安定性管理部100bは、各電子機器106に割り当てられた優先度に基づいて、各電子機器106の稼働又は停止(ON−OFF)、あるいは、各電子機器106における使用電力量を制御してもよい。係る優先度は、予め管理部100に設定されていてもよい。
具体的には、稼働安定性管理部100bは、稼働中の電子機器106よりも優先度が高い電子機器106を新たに稼働する場合、優先度が低い他の電子機器106の使用電力量を低減するよう制御してもよい。また、優先度が高い稼働中の電子機器106における使用電力量が増大した場合、優先度が低い他の電子機器106の使用電力量を低減するよう制御してもよい。この場合、稼働安定性管理部100bは、例えば、優先度が低い電子機器106に対して使用電力量を低減するよう制御信号を送信してもよい。各電子機器106は、稼働安定性管理部100bからの制御信号に応じて、負荷を低減する処理を実行し、自装置における使用電力を低減してもよい。例えば、電子機器106が、ブレードサーバである場合、係るブレードサーバは、稼働安定性管理部100bからの制御信号に応じて、他のブレードサーバに処理を委譲してもよい。上記したブレードサーバにおいて実行される処理は、周知の技術を用いて実現可能であることから、詳細な説明を省略する。なお、電力維持制御処理を実行する際、管理部100は、必要に応じて、診断対象の電源ユニット101以外の電源ユニット101が供給する電力量を制御してもよい。
次に、管理部100は、診断対象の電源ユニット101に対する診断を実行する(ステップS503乃至ステップS514)。図5に例示するフローチャートは、電源システム1に含まれる電源ユニット101に対して、管理部100が1台ずつ診断処理を繰り返し実行する場合の処理を例示する。なお、本実施形態はこれには限定されず、管理部100は、例えば、特定の一台の電源ユニット101に対して、診断処理を実行してもよい。
管理部100は、ステップS501において停止可能と判定した診断対象の電源ユニット101からの電力の供給を停止する(ステップS504)。なお、診断対象の電源ユニットが既に停止状態(OFF状態)である場合には、管理部100はステップS504を実行せずともよい。図6に示す具体例の場合、管理部100は、電源ユニットDが停止していなければ、電源ユニットDを停止する。
次に、管理部100は、診断対象の電源ユニット101の出力先を診断ライン104に切り替える(ステップS505)。具体的には、管理部100は、診断対象の電源ユニット101の出力先を診断ライン104に切り替えるよう、切り替え部102を制御する。これにより、図7に例示するように、電源ユニットDは、診断ライン104に接続される。
次に、管理部100は、診断対象の電源ユニット101から、負荷装置105に電力を供給する(ステップS506)。具体的には、管理部100は、診断対象の電源ユニット101を起動し、電力を供給するよう制御する。ステップS505において、診断対象の電源ユニット101の出力先が診断ライン104に切り替えられている。これより、診断対象の電源ユニット101から出力される電力は、診断ライン104を介して、負荷装置105に供給される。これにより、図8に例示するように、電源ユニットDの出力は、切り替え部Dを介して、診断ライン104に接続された負荷装置105に供給される。
次に、管理部100は、診断対象の電源ユニット101の正常性を確認する診断処理を実行する(ステップS507)。具体的には、管理部100は、負荷装置105を用いて、診断対象の電源ユニット101において、高負荷状態、あるいは、大きな負荷変動が発生する状態を発生させる。この場合、負荷装置105は、例えば、管理部100からの制御信号等に応じて、当該負荷装置105自身における使用電力量を変動させてもよい。
管理部100は、検知部101aにより収集された電源ユニット101に関する状態を表す情報に基づいて、電源ユニット101の正常性を確認する。具体的には、管理部100は、検知部101aにより検知された、診断対象の電源ユニット101の出力電圧の値、あるいは、出力電圧の時間変化等のデータを取得する。また、管理部100は、診断対象の電源ユニット101の出力電流値(その時間変化)、あるいは、温度等のデータを取得してもよい。管理部100は、取得したデータが、正常値の範囲内(例えば、設計値の範囲内)であるか否かを確認する。管理部100は、その確認結果に基づいて、診断対象の電源ユニット101の正常性(正常化か否か)を診断する。図8に例示する具体例においては、管理部100は、例えば、電源ユニットDの出力電圧等のデータを検知部101a(不図示)から取得し、電源ユニットDの正常性を診断する。
次に、管理部100は、ステップS507における診断処理が完了した後、診断対象の電源ユニット101からの電力供給を停止する(ステップS508)。この場合、診断対象の電源ユニット101は停止(OFF)状態になってもよい。
次に、管理部100は、診断対象の電源ユニット101の出力先を運用ライン103に切り替える(ステップS509)。具体的には、管理部100は、診断対象の電源ユニット101の出力先を運用ライン103に切り替えるよう、切り替え部102を制御する。これにより、図9に例示するように、電源ユニットDは、運用ライン103に接続される。
次に、管理部100は、ステップS507において実行した診断処理の結果を判定する(ステップS510)。具体的には、管理部100は、診断対象の電源ユニット101に対する診断結果が「正常」であった場合、以下のステップS511から処理を続行する(ステップS510においてYES)。また、係る診断結果が「正常」ではない場合、管理部100は、以下のステップS512から処理を続行する(ステップS510においてNO)。
まず、ステップS510においてYESの場合について説明する。この場合、診断対象の電源ユニット101(この場合は、電源ユニットD)は、正常(健全)であると判定される。よって、管理部100は、係る電源ユニット101を稼働し、電力の供給を開始する(ステップS511)。これにより、図10に例示するように、電源ユニットDから運用ライン103に電力が供給される。管理部100は、ステップS512から処理を続行する。
次に、ステップS510においてNOの場合について説明する。ステップS510においてNOの場合、診断対象の電源ユニット101は正常(健全)ではないと判定されることから、管理部100は、係る診断対象の電源ユニットから運用ラインに電力を供給しないよう制御する。即ち、図9に示す具体例においては、管理部100は、電源ユニットDの電力供給を停止した状態に保つ。管理部100は、ステップS512から処理を続行する。
管理部100は、ステップS512において、電源システム1を構成する電源ユニット101のうち、電力供給を停止可能な他の電源ユニット101が存在するか確認する。係る処理は、上記ステップS501と同様としてよい。
ステップS512において、電力供給を停止可能な電源ユニット101が存在する場合(ステップS512においてYES)、管理部100は、当該電源ユニット、次の診断対象の電源ユニットとして選択する(ステップS513)。そして、管理部100は、ステップS504から処理を続行する(ステップS514、ステップS503)。例えば、電源供給を停止可能な電源ユニット101として、電源ユニットAが選択されたことを想定する。この場合、管理部100は、図11に例示するように、電源ユニットAからの電力供給を停止する(ステップS504)。そして、管理部100は、図12に例示するように、電源ユニットAの出力先を診断ライン104に切り返す(ステップS505)。そして、管理部100は、図13に例示するように、電源ユニットAから負荷装置105に対する電源供給を開始する(ステップS506)。以下、管理部100はステップS507から処理を続行し、電源ユニットAに関する診断処理を実行する。管理部100は、他の電源ユニット101についても同様の処理を実行してよい。
全ての電源ユニット101に対する診断処理が完了した場合(ステップS514)、管理部100は、電子機器システムにおける使用電力量に応じて、不要な電源ユニット101からの電源供給を停止する(ステップS515)。この場合も、管理部100は、例えば、ステップS501と同様の処理により、停止可能な電源ユニット101を選択してもよい。
その後、管理部100は、電力維持制御処理を終了し(ステップS516)、全ての診断処理を終了する。なお、ステップS512において電力供給を停止可能な電源が存在しない場合(ステップS512においてNO)も、管理部100はステップS516を実行し、全ての診断処理を終了する。
なお、上記説明したステップS503乃至ステップS515に関する処理は、管理部100における診断部100aにより実行されてもよい。また、上記説明したステップS502及びS516に関する処理は、管理部100における稼働安定性管理部100bにより実行されてもよい。
上記したように、本実施形態における電源システム1(特には管理部100)は、電源ユニット101から供給される電力の出力先を、運用ライン103又は診断ライン104に切り替える。そして、電源システム1は、電子機器システムを安定的に稼働した状態において、診断ライン104に接続された負荷装置105を用いて、診断対象の電源ユニット101の正常性を診断する。具体的には、電源システム1は、電子機器システムの運用中に、診断対象の電源ユニット101に高負荷あるいは負荷変動を与え、当該電源ユニット101の出力電圧の変化等を調べる。そして、電源システム1は、その結果に基づいて、当該電源ユニット101が正常であるか否か判定することにより、当該電源ユニット101の正常性あるいは劣化の程度を診断する。また、電源システム1は、上記診断処理を実行する際、電子機器システムを安定的な稼働を保つように、電力維持制御処理を実行する。これにより、電源システム1は、電子機器システムの安定的な稼働を確保しながら、電源ユニット101を診断することが可能である。即ち、電源システム1は、電源ユニット101の診断が、電子機器システムの稼働に悪影響を与えることを防ぐことが可能である。
以上より、電源システム1は、電子機器システムの運用中(稼働中)に、運用ライン103から独立した診断ライン104において電源ユニット101に負荷を与えることで、当該電源ユニット101の正常性を診断することが可能である。これにより、電源システム1は、システムダウンに繋がる電源ユニットに関する故障の予兆を、システムの運用中に検出可能である。よって、本実施形態における電源システム1によれば、電力を消費する負荷(例えば電子機器)により構成されたシステム(電子機器システム)を安定的に稼働しながら、当該システムに電力を供給する電源装置(電源ユニット)を診断可能である。
<第1の実施形態の変形例>
上記説明した本発明の第1の実施形態における電源システム1に関する変形例について説明する。以下の説明においては、第1の実施形態と同様の構成については同様の参照符号を付すことにより、詳細な説明を省略する。
図14に例示するように、本変形例における電源システム1は、上記第1の実施形態における電源システム1に対して、更に、第2切り替え部1401(図14における第2切り替え部A乃至第に切り替え部C)を含む。
第2切り替え部1401は、各電子機器の接続先として、運用ライン103と、診断ライン104とのいずれかを選択可能な切り替え装置(例えばスイッチ等)である。係る第2切り替え部1401は、例えば、周知の半導体スイッチ等を用いて実現されてもよく、リレー等を用いて実現されてもよい。図14に示す具体例においては、第2切り替え部1401は、例えば、ブレードA(106a)、予備ブレード106e、ファン106c、ネットワークスイッチ106d等の電子機器の接続先として、運用ライン103と、診断ライン104とのいずれかを選択可能である。予備ブレード106eは、例えば、システムに含まれる予備のブレードサーバであってもよい。係る予備ブレード106eは、例えば、第1の実施形態におけるブレードA(106a)あるいはブレードB(106b)と同様の装置であってもよい。
上記第1の実施形態においては、電源ユニット101の診断に用いる負荷として、負荷装置105が用いられる。これに対して、上記のように構成された本変形例における電源システム1は、負荷装置105の代わりに、診断ライン104に接続された各電子機器を、電源ユニット101の診断に用いる負荷として使用可能である。例えば、図14に示す具体例の場合、電源システム1は、予備のブレード(ブレードサーバ)106eあるいはファン(FAN)106c等の電子機器を、負荷装置として利用することが可能である。この場合、負荷装置105は電源システム1に含まれてもよく、含まれなくてもよい。
本変形例における管理部100は、電源ユニット101に関する診断処理を実行する際、電子機器システムに含まれる一部の電子機器106を、電源ユニット101に対する負荷として用いる。図14に示す具体例は、管理部100が、予備ブレード106eを係る付加として選択した場合を表す。この場合管理部100は、例えば、予備ブレード106eが診断ラインに接続されるように、第2切り替え部A(1401)を制御する。なお、図14に示す具体例においては、ブレードA(106a)、ファン106c、及び、ネットワークスイッチ106dが、運用ライン103に接続される。
上記のように構成された本変形例における電源システム1は、電源ユニット101の診断に用いられる負荷として、電子機器システムを構成する電子機器106を使用可能である。具体的には、本変形例における電源システム1は、例えば、システムに含まれる予備ブレード106eを負荷として用いて、電源ユニット101に関する診断処理を実行可能である。これにより、本変形例における電源システム1は、上記第1の実施形態における負荷装置105を用いることなく、電源ユニット101を診断可能である。即ち、本変形例における電源システム1は、電源ユニット101の診断を診断するための専用の負荷装置を用意するコストあるいは工数等を低減可能である。また、本変形例における電源システム1は、例えば、電子機器システムに予備として含まれる電子機器を、単なる予備装置としてだけではなく、電源ユニット101に関する診断に用いる負荷装置としても活用可能である。更に、本変形例における電源システム1は、電子機器106を負荷として用いることから、電子機器システムの運用環境において実際に発生し得る負荷を用いて、電源ユニット101を診断することが可能である。なお、本変形例における電源システム1は、第1の実施形態と同様の構成を含むことから、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図15は、本実施形態における電源システム1500の機能的な構成を例示するブロック図である。
本実施形態における電源システム1500は、少なくとも、管理部(管理手段)1501と、選択部(選択手段)1502とを備える。以下、これらの電源システム1500の構成要素について説明する。
選択部1502は、1以上の電力供給部を、第1の負荷が接続された第1の電源ラインと、第2の負荷が接続された第2の電源ラインとのいずれかに接続する。即ち、選択部1502は、1以上の電力供給部の接続先を、第1の電源ラインと、第2の電源ラインとのいずれかから選択可能である。係る選択部1502は、例えば、上記第1の実施形態における切り替え部102と同様の機能及び構成を備えてもよい。
管理部1501は、第2の電源ラインに接続された、診断対象である電力供給部に関する診断を実行する。また、管理部1501は、当該診断の際、第1の負荷において使用される使用電力量を調整する。係る管理部1501は、例えば、上記第1の実施形態における管理部100と同様の機能及び構成を備えてもよい。
上記のように構成された電源システム1500において、第1の電源ラインは、例えば、上記第1の実施形態における運用ライン103と同様としてもよい。同様に、第2の電源ラインは、上記第1の実施形態における診断ライン104と同様としてもよい。また、電力供給部は、例えば、第1の負荷、及び第2の負荷に電力を供給可能な電源装置であってよい。電力供給部は、例えば、上記第1の実施形態における電源ユニット101に相当する装置であってもよい。また、第1の負荷は、例えば、上記第1の実施形態における電子機器106に相当する装置であってもよい。また、第2の負荷は、上記第1の実施形態における負荷装置105に相当する装置であってもよい。
上記のように構成された本実施形態における電源システム1500は、電力を消費する負荷(例えば第1の負荷)により構成されたシステムを安定的に稼働しながら、当該システムに電力を供給する電源装置(電力供給部)を診断可能である。なぜならば、電源システム1500は、第1の負荷に電力を供給する第1の電源ラインとは異なる第2の電源ラインに接続された第2の負荷を用いて電力供給部に関する診断処理を実行するからである。また、電源システム1500は、電力供給部に関する診断処理を実行する際、システムを安定して稼働することができるように、第1の負荷において使用される使用電力量を調整するからである。これにより、電源システム1500は、電力供給部に関する診断処理が第1の負荷に影響を与えることを防ぐことが可能である。
<ハードウェア及びソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム)の構成>
以下、上記説明した各実施形態における管理部(100、1501)を実現可能なハードウェア構成について説明する。
以下の説明においては、上記各実施形態において説明した管理部(100、1501)をまとめて、単に「管理部」と称する。またこれら管理部の各構成要素を、単に「管理部の構成要素」と称する。
上記各実施形態において説明した管理部は、1つ又は複数の専用のハードウェア装置により構成されてもよい。その場合、上記各図(図1、図2及び図15)に示した各構成要素は、その一部又は全部を統合したハードウェア(処理ロジックを実装した集積回路あるいは記憶デバイス等)を用いて実現されてもよい。
管理部が専用のハードウェアにより実現される場合、係る管理部の構成要素は、例えば、それぞれの機能を提供可能な回路機構(例えば、SoC(System on a Chip)等の集積回路)を用いて実装されてもよい。この場合、管理部の構成要素が保持するデータは、例えば、SoCとして統合されたRAM(Random Access Memory)領域やフラッシュメモリ領域、あるいは、当該SoCに接続された記憶デバイス(半導体記憶装置等)に記憶されてもよい。また、この場合、管理部の各構成要素を接続する通信回線としては、周知の通信バスを採用してもよい。また、各構成要素を接続する通信回線はバス接続に限らず、それぞれの構成要素間をピアツーピアで接続してもよい。管理部を複数のハードウェア装置により構成する場合、それぞれのハードウェア装置の間は、任意の通信手段(有線、無線、またはそれらの組み合わせ)により通信可能に接続されていてもよい。
また、上述した管理部又はその構成要素は、図16に例示するような汎用のハードウェアと、係るハードウェアによって実行される各種ソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム)とによって構成されてもよい。この場合、管理部は、任意の数の、汎用のハードウェア装置及びソフトウェア・プログラムにより構成されてもよい。即ち、管理部を構成する構成要素ごとに、個別のハードウェア装置が割り当てられてもよく、複数の構成要素が、一つのハードウェア装置を用いて実現されてもよい。
図16における演算装置1601は、汎用のCPU(中央処理装置:Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算処理装置である。演算装置1601は、例えば後述する不揮発性記憶装置1603に記憶された各種ソフトウェア・プログラムを記憶装置1602に読み出し、係るソフトウェア・プログラムに従って処理を実行してもよい。例えば、上記各実施形態における管理部の構成要素は、演算装置1601により実行されるソフトウェア・プログラムとして実現されてもよい。
記憶装置1602は、演算装置1601から参照可能な、RAM等のメモリ装置であり、ソフトウェア・プログラムや各種データ等を記憶する。なお、記憶装置1602は、揮発性のメモリ装置であってもよい。
不揮発性記憶装置1603は、例えば磁気ディスクドライブや、フラッシュメモリによる半導体記憶装置のような、不揮発性の記憶装置である。不揮発性記憶装置1603は、各種ソフトウェア・プログラムやデータ等を記憶可能である。
ネットワークインタフェース1606は、通信ネットワークに接続するインタフェース装置であり、例えば有線及び無線のLAN(Local Area Network)接続用インタフェース装置や、SAN接続用インタフェース装置等を採用してもよい。
ドライブ装置1604は、例えば、後述する記録媒体1605に対するデータの読み込みや書き込みを処理する装置である。
記録媒体1605は、例えば光ディスク、光磁気ディスク、半導体フラッシュメモリ等、データを記録可能な任意の記録媒体である。
入出力インタフェース1607は、外部装置との間の入出力を制御する装置である。
上述した各実施形態を例に説明した本発明における管理部(あるいはその構成要素)は、例えば、図16に例示するハードウェア装置に対して、上記各実施形態において説明した機能を実現可能なソフトウェア・プログラムを供給することにより、実現されてもよい。より具体的には、例えば、係る装置に対して供給したソフトウェア・プログラムを、演算装置1601が実行することによって、本発明が実現されてもよい。この場合、係るハードウェア装置で稼働しているオペレーティングシステムや、データベース管理ソフト、ネットワークソフト、仮想環境基盤等のミドルウェアなどが各処理の一部を実行してもよい。
更に、上記ソフトウェア・プログラムは記録媒体1605に記録されてもよい。この場合、上記ソフトウェア・プログラムは、上記管理部等の出荷段階、あるいは運用段階等において、適宜ドライブ装置1604を通じて不揮発性記憶装置1603に格納されるよう構成されてもよい。
なお、上記の場合において、上記ハードウェアへの各種ソフトウェア・プログラムの供給方法は、出荷前の製造段階、あるいは出荷後のメンテナンス段階等において、適当な治具を利用して当該装置内にインストールする方法を採用してもよい。また、各種ソフトウェア・プログラムの供給方法は、インターネット等の通信回線を介して外部からダウンロードする方法等のように、現在では一般的な手順を採用してもよい。
そして、このような場合において、本発明は、係るソフトウェア・プログラムを構成するコード、あるいは係るコードが記録されたところの、コンピュータ読み取り可能な記録媒体によって構成されると捉えることができる。この場合、係る記録媒体は、ハードウェア装置と独立した媒体に限らず、LANやインターネットなどにより伝送されたソフトウェア・プログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体を含む。
また、上述した管理部は、図16に例示するハードウェア装置を仮想化した仮想化環境と、当該仮想化環境において実行される各種ソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム)とによって構成されてもよい。この場合、図16に例示するハードウェア装置の構成要素は、当該仮想化環境における仮想デバイスとして提供される。なお、この場合も、図16に例示するハードウェア装置を物理的な装置として構成した場合と同様の構成にて、本発明を実現可能である。
以上、本発明を、上述した模範的な実施形態に適用した例として説明した。しかしながら、本発明の技術的範囲は、上述した各実施形態に記載した範囲には限定されない。当業者には、係る実施形態に対して多様な変更又は改良を加えることが可能であることは明らかである。そのような場合、係る変更又は改良を加えた新たな実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得る。更に、上述した各実施形態、あるいは、係る変更又は改良を加えた新たな実施形態を組み合わせた実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得る。そしてこのことは、特許請求の範囲に記載した事項から明らかである。