JPWO2008044663A1 - 大判インレットの製造方法、インレット付テープ、その製造方法及びその製造装置 - Google Patents
大判インレットの製造方法、インレット付テープ、その製造方法及びその製造装置 Download PDFInfo
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Abstract
インレット基板のロールから繰り出したインレット基板上に、インレット素を、ロール幅方向に所定間隔あけて縦列に、且つ、ロール長さ方向に所定間隔あけて並列に、配設していくステップと、インレット素が縦列及び並列に配設されたインレットロールにおいて、インレットロール長さ方向に並列に、配設された所定個数のインレット素ごとに、切断して大判インレットにするステップとを有することを特徴とする大判インレットの製造方法
Description
本発明は、大判インレットの製造方法、インレット付テープ、その製造方法及びその製造装置に関し、詳しくは、複数のインレット素が一列に配設された大判インレットの製造方法、そのインレット素を、切断シート長さに対応する所定間隔でテープ基材上に配設固着し、スリットしてなるインレット付テープ、その製造方法及びその製造装置に関するものである。ここでいうインレット素は、インレット基板(フィルム)に搭載されるICチップとアンテナで、通信・演算・記憶に関するインレット構成要素である。インレット基板とインレット素で構成されているものはインレットと称する。また、大判インレット基板とこれに搭載される複数のインレット素からなるものは、大判インレットと称する。
なお、インレットは、このICチップ内にアンテナを組み込んだ内部アンテナ方式であって、プリントまたはエッチング法でアンテナをICチップの外部に形成しないものを含むものとする。
なお、インレットは、このICチップ内にアンテナを組み込んだ内部アンテナ方式であって、プリントまたはエッチング法でアンテナをICチップの外部に形成しないものを含むものとする。
包装容器等に加工して用いるダンボール、プラスチックフィルム、板紙等のシート材に対して、メーカ名、製造のシリアル番号等をデジタル情報として記録し、読み取るICタグとして機能するインレットをシートの加工段階で貼着する技術が提案されている。
また、個々の商品パッケージにも貼着し、流通管理、販売管理に利用するICチップ搭載のICタグの回路設計、無線電波の処理方法、その他の標準化は急速に進んできている。
また、ICチップと電波用アンテナ、リーダライタ等のハードのコストを低減する検討が進んでいる。なお、本発明でいうICは、ICチップの他にプリントで形成されるICを含むものとする。
また、個々の商品パッケージにも貼着し、流通管理、販売管理に利用するICチップ搭載のICタグの回路設計、無線電波の処理方法、その他の標準化は急速に進んできている。
また、ICチップと電波用アンテナ、リーダライタ等のハードのコストを低減する検討が進んでいる。なお、本発明でいうICは、ICチップの他にプリントで形成されるICを含むものとする。
このような状況において、現在の問題は、インレットを包装材、その他の流通物に安価に、かつ高い信頼性を付与して、トラブルなく長期に実施でき、多品種に取付けられる方法が求められている。
現在の手法は、単にインレットを粘着材付きで、機械的なハンドリングができ、衝撃等で脱落しないようなやや大きめのラベルに作り変えて、輸送箱および商品の外面に一個ずつ貼付けるものである。
インレットの本格的普及を控えて、運転・保守管理に人手を要しないで、材料が安価であり、シートの加工段階又は包装段階で自動的に貼着でき、脱落することなく、また、こすれによる損傷がないような安価で確実なインレット取り付け方法が求められている。
現在の手法は、単にインレットを粘着材付きで、機械的なハンドリングができ、衝撃等で脱落しないようなやや大きめのラベルに作り変えて、輸送箱および商品の外面に一個ずつ貼付けるものである。
インレットの本格的普及を控えて、運転・保守管理に人手を要しないで、材料が安価であり、シートの加工段階又は包装段階で自動的に貼着でき、脱落することなく、また、こすれによる損傷がないような安価で確実なインレット取り付け方法が求められている。
現在、インレットを取付ける包装容器の中で、代表的なダンボール箱について見ると、日本及び欧米ではダンボール箱に商品を詰めた後に、インレットよりかなり大きめのサイズにして取り扱いを良くしたラベル状のインレットをラベラで一個ずつ貼付けている。
現在のところ、不良率が10%を超えながらも試験的に実施されていることもあって、ラベル貼りが特別問題視されてはいないが、近い将来、輸送箱、販促箱の全部にインレットを取付けるようになり、又は医薬品カートンにインレットを取付けるようになると、離型紙を外して使用するラベル自体がインレット取り付けのコストアップ要因になっているとして問題になると見られる。
現在のところ、不良率が10%を超えながらも試験的に実施されていることもあって、ラベル貼りが特別問題視されてはいないが、近い将来、輸送箱、販促箱の全部にインレットを取付けるようになり、又は医薬品カートンにインレットを取付けるようになると、離型紙を外して使用するラベル自体がインレット取り付けのコストアップ要因になっているとして問題になると見られる。
この粘着材付ラベルとしての使用に対し、包材等シート材に通常の加工速度で、またはラベル貼りよりは高速で所定の位置に取付けられ、かつ脱落トラブルが生じにくく、インレット自体を含んだ状態での良品のみを包装ラインに供給できるものとして、基板フィルムにICチップとアンテナを搭載したインレットを、引張り強度に優れる粘着材付テープ基材に、シート切断寸法である所定間隔で配設固着したインレット付テープが提案されている(下記特許文献1参照)。
そのインレット付テープは、細幅の粘着材付テープに、細長いインレットを、その幅(短辺)方向をテープ幅の方向にして所定間隔で固着している。このようなインレット付テープの製造には、矩形のインレットにおいて、幅の広い辺がテープ状のフィルムの幅方向になるように、インレット素がフィルムに配設されたインレットロールが多く用いられる。
そのインレット付テープは、細幅の粘着材付テープに、細長いインレットを、その幅(短辺)方向をテープ幅の方向にして所定間隔で固着している。このようなインレット付テープの製造には、矩形のインレットにおいて、幅の広い辺がテープ状のフィルムの幅方向になるように、インレット素がフィルムに配設されたインレットロールが多く用いられる。
しかしながら、このように配設されたインレット素をインレットロールから切出して、インレット幅(短辺)と略等しい細幅のテープ基材上に配設固着して、インレット付テープを製造することは容易ではない。用いる電波の種類によってインレットのサイズは異なるが、特に、1〜2mm×60〜70mm程度の小型インレットや、0.4mm角などの超小型インレットをテープ基材上に配設固着することは、相当困難であり、可能であるとしても生産性は相当悪くなる。
小型インレットでなくても、インレットロールから切り出した単体のインレットを、素早い機械動作によってテープ幅にずれなく配設するためには、高精度なマウンティング機械(インレット移載装置)が不可欠であり、このために装置全体は大掛かりになり、かつ高価な機械に仕上がる。これは包装容器に用いるインレット付テープを安価に製造することを困難にするものである。
小型インレットでなくても、インレットロールから切り出した単体のインレットを、素早い機械動作によってテープ幅にずれなく配設するためには、高精度なマウンティング機械(インレット移載装置)が不可欠であり、このために装置全体は大掛かりになり、かつ高価な機械に仕上がる。これは包装容器に用いるインレット付テープを安価に製造することを困難にするものである。
このような高精度なインレット移載装置を使用できない場合には、インレットがテープ基材から飛び出さないように、ズレを想定した余裕代を設ける必要があり、インレット幅に対してやや大きめのテープ幅になるように製作することになる。これによってテープ基材の材料費が幾分高くなる。
現在の一般的な小形ICタグにおいて、最も狭い幅を有するインレットの外部アンテナの輪郭サイズは、幅が約1.5mm、長さが約65mmで、インレット基板上に配設される隣のアンテナとの間隔は1mm程度となる。これを、例えば紙製カードの層内に納める場合には、この間隔内でスリットして分割されたインレットとして使用するが、機械的に扱うには小さすぎるため、インレット基板のフィルムと新たにICの上に用いるラミネートフィルムでICとアンテナをサンドウィッチし、幅が約9mm、長さが約70mmの二周りも大きな部材に仕上げてから用いている。また、単に物品の表面に固定するためには、脱落防止のためにこれよりさらに大きなサイズのラベルに仕上げて使用することが行われている。
このように小型のインレットを、わざわざ大きい部材に仕上げることなく、取り扱うことが望まれる。
現在の一般的な小形ICタグにおいて、最も狭い幅を有するインレットの外部アンテナの輪郭サイズは、幅が約1.5mm、長さが約65mmで、インレット基板上に配設される隣のアンテナとの間隔は1mm程度となる。これを、例えば紙製カードの層内に納める場合には、この間隔内でスリットして分割されたインレットとして使用するが、機械的に扱うには小さすぎるため、インレット基板のフィルムと新たにICの上に用いるラミネートフィルムでICとアンテナをサンドウィッチし、幅が約9mm、長さが約70mmの二周りも大きな部材に仕上げてから用いている。また、単に物品の表面に固定するためには、脱落防止のためにこれよりさらに大きなサイズのラベルに仕上げて使用することが行われている。
このように小型のインレットを、わざわざ大きい部材に仕上げることなく、取り扱うことが望まれる。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、生産性を向上しながら正確かつ確実に、また安価にインレットをテープ基材上に配設固着するための大判インレットの製造方法、この大判インレットを用いて製造されたインレット付テープ、その製造方法及びその製造装置を提供するものである。
請求項1に係る発明は、インレット基板のロールから繰り出したインレット基板上に、インレット素を、ロール幅方向に所定間隔をあけて縦列に、且つ、ロール長さ方向に所定間隔をあけて並列に配設していくステップと、前記インレット素が縦列及び並列に配設されたインレットロールにおいて、該インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに、切断して大判インレットにするステップとを有することを特徴とする大判インレットの製造方法に関する。
請求項2に係る発明は、前記インレット基板上に、インレット素を縦列及び並列に配設した後、前記インレット素が配設されたインレットロールの幅方向において、該インレット素が配設された一端側から、各インレット素間をスリットしていくステップを有し、前記大判インレットにするステップにおいて、スリットされた各インレットロールにおいて、該インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに切断することを特徴とする請求項1記載の大判インレットの製造方法に関する。
請求項3に係る発明は、前記インレット基板上にインレット素を縦列及び並列に配設した後、前記インレットロールの長さ方向におけるインレット素間に穴をあけるステップを有することを特徴とする請求項1又は2記載の大判インレットの製造方法に関する。
請求項4に係る発明は、前記インレット素が配設される前に、該インレット素が配設されない前記インレットロールの裏側面に予め粘着材が塗布されてることを特徴とする請求項1又は2記載の大判インレットの製造方法に関する。
請求項5に係る発明は、前記配設していくステップにおいて、前記インレット素を、前記ロール長さ方向に、または幅方向に、または両方向に所定間隔がゼロで並列に配設していくことを特徴とする請求項1又は2記載の大判インレットの製造方法に関する。
請求項6に係る発明は、テープ基材の粘着面側において、複数個のインレット素がインレット基板上に一列に配設された大判インレットを固着する段階を経て製造されてなるインレット付テープであって、該大判インレットが、前記インレット素が一列に配設された方向を前記テープ基材の幅方向に合わせ、所定間隔をあけて該テープ基材上に固着され、該大判インレットにおいて一列に配設された複数のインレット素間を通るように、該大判インレットとともに前記テープ基材がその長さ方向にスリットされ、スリットされた各テープ基材上に、インレットが一列に所定間隔で配設されていることを特徴とするインレット付テープに関する。
請求項7に係る発明は、前記粘着面の反対面に、該粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されてなることを特徴とする請求項6記載のインレット付テープに関する。
請求項8に係る発明は、前記大判インレットは、前記複数個のインレット素が隣接して配置されていることを特徴とする請求項6又は7記載のインレット付テープに関する。
請求項9に係る発明は、前記大判インレットが、前記テープ基材上に固着された段階において、又はシートにインレット付テープを固着する段階において、該大判インレットの露出面に粘着材が塗布されてなることを特徴とする請求項6又は7記載のインレット付テープに関する。
請求項10に係る発明は、前記大判インレットは、前記インレット素が配設されていない裏側面に予め粘着材を塗布し、その表側面を前記テープ基材側にして該テープ基材上に固着され、当該インレット付テープが被貼着物に貼着される際に加熱され、前記裏側面の粘着材が溶融するようになっていることを特徴とする請求項6又は7記載のインレット付テープに関する。
請求項11に係る発明は、前記テープ基材上に固着されたインレットの周りにおいて、該インレットのスリットされた側の少なくとも一方側において、前記インレット基板が切り欠かれた領域を有することを特徴とする請求項6又は7記載のインレット付テープに関する。
請求項12に係る発明は、前記テープ基材の粘着面と前記インレット基板とによって、該インレット基板に搭載されたインレット素が挟まれていることを特徴とする請求項6又は9記載のインレット付テープに関する。
請求項13に係る発明は、前記大判インレットと共に前記テープ基材がその長さ方向にスリットされるとき、該長さ方向に沿った前記インレットの両端で切断されてなることを特徴とする請求項6又は7記載のインレット付テープに関する。
請求項14に係る発明は、片面に粘着材が塗布されたテープ基材が巻かれたテープ基材リールから該テープ基材を繰り出して走行させるステップと、複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットを、該インレット素が一列に配設された方向を、前記テープ基材の幅方向に合わせ、所定間隔をあけてその粘着面側に載置するステップと、該大判インレットが接着されたテープ基材を、該大判インレットにおいて一列に配設された複数のインレット素間を通るようにスリットするステップと、スリットされてインレットが一列に所定間隔で配設されてなる各インレット付テープを、別個に巻き取るステップとを有することを特徴とするインレット付テープの製造方法に関する。
請求項15に係る発明は、前記走行させるステップの前に、前記片面の反対面である第2の粘着面に、該片面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材を塗布するステップを有することを特徴とする請求項14記載のインレット付テープの製造方法に関する。
請求項16に係る発明は、前記載置するステップの後、前記大判インレットの露出面に粘着材を塗布するステップを有することを特徴とする請求項14又は15記載のインレット付テープの製造方法に関する。
請求項17に係る発明は、前記大判インレットは、前記インレット素が配設されていない裏側面に予め粘着材を塗布したものであることを特徴とする請求項14又は15記載のインレット付テープの製造方法に関する。
請求項18に係る発明は、前記スリットするステップにおいて、前記テープ基材の長さ方向に沿った前記インレットの両端でスリットし、余分な間隔分のテープが除去されることを特徴とする請求項14又は15記載のインレット付テープの製造方法に関する。
請求項19に係る発明は、テープ基材の粘着面上にインレットを配設するインレット付テープ製造装置であって、片面に粘着材が塗布されたテープ基材が巻かれたテープ基材リールと、複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットが装填され、開口部から該大判インレットが引き出されるマガジンと、前記テープ基材リールから繰出されて走行するテープ基材、又は走行して一端停止したテープ基材を挟んで、前記開口部と対峙するピックアップ部と、前記テープ基材上に接着された大判インレットにおいて一列に配設されたインレット素間を切断するスリッタと、該スリッタによって切断されて、インレットが一列に所定間隔で配設されてなる各インレット付テープを、夫々巻き取る複数のリールとを備え、前記マガジン又はピックアップ部が対峙するピックアップ部又はマガジンに近づくように移動することによって、テープ基材の粘着面が開口部の大判インレットに押し当てられ、該マガジン又はピックアップ部の復帰によって、テープ基材に接着された大判インレットがマガジンから引き出されることを特徴とするインレット付テープ製造装置に関する。
請求項20に係る発明は、前記粘着面の反対面に、該粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されていることを特徴とする請求項19記載のインレット付テープ製造装置に関する。
請求項21に係る発明は、前記ピックアップ部は、往復運動するアーム又はロールであって、前記開口部と前記ピックアップ部とが対峙する部分を挟み、前記テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、該テープ基材の粘着面側に、大判インレット引き出しバーを備え、該大判インレット引き出しバーは、前記ピックアップ部の移動に追従し、該テープ基材を前記開口部から押し離すことを特徴とする請求項19又は20記載のインレット付テープ製造装置に関する。
請求項22に係る発明は、前記ピックアップ部は、サクション機能を有して往復運動するアーム又はロールであって、前記開口部と前記ピックアップ部とが対峙する部分を挟み、前記テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、該テープ基材の非粘着面側に、ピックアップ部引き離しバーを備え、該ピックアップ部引き離しバーは、前記ピックアップ部の吸引及び降下によって押し下げられるテープ基材を受け止めることを特徴とする請求項19又は20記載のインレット付テープ製造装置に関する。
請求項1に係る発明によれば、インレット基板上に所定間隔をあけて縦列及び並列にインレット素を配設し、各インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに切断するようにしたので、単体では小さくて取り扱い難いインレットをコンパクトにまとめて利用し易い大判インレットを製造することができ、この大判インレットを用いれば、生産性を向上しながら正確かつ確実にインレットをテープ基材上に配設固着することが可能となる。
請求項2に係る発明によれば、インレット基板上に所定間隔をあけて縦列及び並列にインレット素を配設し、ロールの幅方向において各インレット素間をスリットし、スリットされた各インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに切断するようにしたので、単体では小さくて取り扱い難いインレットをコンパクトにまとめて利用し易い大判インレットを製造することができ、この大判インレットを用いれば、生産性を向上しながら正確かつ確実にインレットをテープ基材上に配設固着することが可能となる。
請求項3に係る発明によれば、インレット素が縦列及び並列に配設された後に、インレットロールの長さ方向におけるインレット素間に穴をあけるようにしたので、この大判インレットを用いてテープ基材上に配設固着されて製造されるインレット付テープは、インレット周りに粘着材の露出部分を有し、ケースなどの物品に貼着したときに、インレットがテープ基材と物品とで覆われる形になり、インレット基板の厚さは0.15mm程度と極薄であることからインレットがその4辺でテープの粘着材部によって固定されることにより強固に保護される。
請求項4に係る発明によれば、前記インレット素が配設される前に、インレットロールの裏側面に予め粘着材が塗布されているので、この大判インレットをインレット素がテープ基材側になるようにテープ基材上に固着して大判インレット付テープを作製し、その大判インレット付テープをスリットして作製したインレット付テープは、シート材に貼着する際に、インレット部分の粘着材によってシート材により強固に貼着することができる。
請求項5に係る発明によれば、前記配設していくステップにおいて、インレット素をロール長さ方向に所定間隔がゼロで並列に配設していくので、この大判インレットをテープ基材上に固着して作製した大判インレット付テープは、インレット素を分けるようにしてスリットすれば、余裕代のない狭幅のインレット付テープを作製することができる。
請求項6に係る発明によれば、複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットが、インレット素が一列に配設された方向をテープ基材の幅方向に合わせてテープ基材上に固着され、並列に配設された複数のインレット素間を通るようにテープ基材を長さ方向にスリットされて、テープ基材上にインレットが一列に所定間隔で配設されてなるインレット付テープであるため、スリット断面で、テープ基材の長さ方向の両側面とインレットの長さ方向の両側面とが完全に一致する1つの平面を形成しているので、所定間隔をテープ基材の切断長さとして切断すれば、そのままケースなどの物品に貼着することができる。
請求項7に係る発明によれば、前記粘着面の反対面に、その粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されているので、テープ基材を巻き出して大判インレットをテープ基材に固着する際には、テープ基材を低温で溶融する温度に設定した加熱槽等を通すことによって、大判インレットを固着する側である粘着面側のみを適度な粘着状態とすることができる。また、大判インレット付テープから分けられたインレット付テープを二枚のシートなどの間に貼着する際には、インレットが固着されていない反対面の粘着材も溶融する高い温度に設定することによって、テープ基材の両面を粘着状態とすることができる。
請求項8に係る発明によれば、前記大判インレットは、前記複数個のインレット素が隣接して配置されているので、余裕代のない狭幅のインレット付テープを得ることができる。
請求項9に係る発明によれば、前記大判インレットがテープ基材上に固着された段階において、又はシートにインレット付テープを固着する段階において、大判インレットの露出面に粘着材が塗布されているので、シート材に貼着する際に、インレット部分の粘着材によってシート材により強固に貼着することができるインレット付テープが得られる。
請求項10に係る発明によれば、前記大判インレットは、その裏側面に予め粘着材が塗布されて表側面がテープ基材に固着され、被貼着物に貼着される際に加熱されて裏側面の粘着材が溶融するようになっているインレット付テープであるため、大判インレットやさらに小さい個別のインレットの状態でインレット素に粘着材を塗布する必要がなく、加熱するだけで被貼着物に貼着することができ、しかもインレット素が配設された表側面がテープ基材側にされてインレット素が保護されているインレット付テープを提供することができる。
請求項11に係る発明によれば、前記テープ基材上に固着されたインレットの周りにおいて、該インレットと該テープ基材の長さ方向の少なくとも一方側との間に、前記インレット基板が切り欠かれた領域を有するので、この大判インレットを用いてテープ基材上に配設固着されて製造されるインレット付テープは、インレット周りに粘着材の露出部分を有し、ケースなどの物品に貼着したときに、インレットがテープ基材と物品とで覆われる形になり、インレットがその4辺でテープの粘着材部によって固定されることによってより強固に保護される。
請求項12に係る発明によれば、テープ基材の粘着面とインレット基板とによって、インレット基板に搭載されたアンテナ及びICチップが挟まれているので、これらを最小部材で効率的に強固に保護することが可能となる。
請求項13に係る発明によれば、前記大判インレットと共にテープ基材がその長さ方向にスリットされるとき、長さ方向に沿ったインレットの両端で切断されているので、余裕代のない狭幅のインレット付テープを得ることができる。
請求項14に係る発明によれば、複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットを、インレット素が一列に配設された方向をテープ基材の幅方向に合わせ、テープ基材の粘着面側に所定間隔で載置して大判インレット内に一列に配置された各インレット素を分けるようにスリットし、個別のインレットがテープ基材上に一列に所定間隔で配設されてなるインレット付テープを製造するようにしたので、インレットが取り扱い易く、インレット周りに余分な余裕代をとるようなことを避け、生産コストを抑え、生産性を向上することが可能となる。
請求項15に係る発明によれば、前記片面の反対面である第2の粘着面に、その片面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材を塗布するステップを有するので、テープ基材を巻き出して大判インレットをテープ基材に固着する際には、テープ基材を低温で溶融する温度に設定した加熱槽等を通すことによって、大判インレットを固着する側である粘着面側のみを適度な粘着状態とすることができる。また、大判インレット付テープから分けられたインレット付テープを二枚のシートなどの間に貼着する際には、インレットが固着されていない反対面の粘着材も溶融する高い温度に設定することによって、テープ基材の両面を粘着状態とすることができる。
請求項16に係る発明によれば、前記載置するステップの後、大判インレットの露出面に粘着材を塗布するステップを有するので、シート材に貼着する際に、インレット部分の粘着材によってシート材により強固に貼着することができるインレット付テープを得ることができる。
請求項17に係る発明によれば、前記大判インレットは、その裏側面に予め粘着材を塗布したものであるため、シート材に貼着する際に、インレット部分の粘着材によってシート材により強固に貼着することができるインレット付テープを得ることができる。
請求項18に係る発明によれば、前記スリットするステップにおいて、テープ基材の長さ方向に沿ったインレットの両端でスリットし、余分な間隔分のテープが除去されるので、余裕代のない狭幅のインレット付テープを得ることができる。
請求項19に係る発明によれば、大判インレットが収納されたマガジンに設けられた開口部と、該開口部と走行するテープ基材を挟んで対峙するピックアップ部と、テープ基材の長さ方向にインレット間を切断するスリッタとを備え、前記マガジン又はピックアップ部の移動によってテープ基材の粘着面が開口部の大判インレットに押し当てられ、該マガジン又はピックアップ部の復帰によってインレットが引き出されるようにしたので、テープ基材の粘着材による粘着力を利用して走行するテープ基材上に、または静止するテープ基材上に生産性を維持しながらインレットを正確かつ確実に配設固着でき、マガジン及びピックアップ部の簡易な構成でインレット付テープを安価に製造することが可能である。また、インレットを複数個まとめて大判インレットとして扱って、テープ基材上に固着された後にスリットし、個別のインレットが所定間隔で一列に固着されたインレット付テープとするので、インレットが取り扱い易く、インレット周りに余分な余裕代をとるようなことを避け、生産コストを抑え、生産性を向上することが可能となる。
請求項20に係る発明によれば、前記粘着面の反対面に、その粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されているので、テープ基材を巻き出して大判インレットをテープ基材に固着する際には、テープ基材を低温で溶融する温度に設定した加熱槽等を通すことによって、大判インレットを固着する側である粘着面側のみを適度な粘着状態とすることができる。また、大判インレット付テープから分けられたインレット付テープを二枚のシートなどの間に貼着する際には、インレットが固着されていない反対面の粘着材も溶融する高い温度に設定することによって、テープ基材の両面を粘着状態とすることができる。
請求項21に係る発明によれば、開口部とピックアップ部とが対峙する部分を挟み、テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、テープ基材の粘着面側に、大判インレット引き出しバーを備え、大判インレット引き出しバーをピックアップ部の復帰とともに引き出し、該テープ基材を押すようにしたので、開口部の大判インレットに押し当てられたテープ基材を素早く押し離すことができ、テープ基材が走行する状態でも、該テープ基材の粘着材による粘着力によって接着した大判インレットを開口部から確実に引き出すことが可能となる。また、大判インレット引き出しバーは、エアコンプレッサを使用する場合等と比較して簡易な機構になり、簡易な構成でインレット付テープを製造することができる。
請求項22に係る発明によれば、開口部とサクション機能を有するピックアップ部とが対峙する部分を挟み、テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、テープ基材の非粘着面側に、ピックアップ部引き離しバーを備え、ピックアップ部の吸引及び降下によって押し下げられるテープ基材を、ピックアップ部引き離しバーが受け止めるようにしたので、ピックアップ部引き離しバーの位置でテープ基材の降下を止めて、テープ基材が走行する状態で、素早くピックアップ部からテープ基材を引き離すことができる。
以下、本発明に係る大判インレット製造方法、大判インレット付テープ及びその製造装置について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る大判インレット製造方法において使用するインレットロールの一例を示す概略構成図である。
少なくともICチップ(1)及びアンテナ(2)からなるインレット素(104)がインレット基板(3)上に配設され、巻き取られたインレットロール(5)から、少し引き出した状態のものを示している。なお、図中、インレット素(104)として示している矩形部分は、アンテナ(2)の外形部分に相当し、インレット素(104)とインレット基板(3)とでインレットが構成される。
図1は、本発明に係る大判インレット製造方法において使用するインレットロールの一例を示す概略構成図である。
少なくともICチップ(1)及びアンテナ(2)からなるインレット素(104)がインレット基板(3)上に配設され、巻き取られたインレットロール(5)から、少し引き出した状態のものを示している。なお、図中、インレット素(104)として示している矩形部分は、アンテナ(2)の外形部分に相当し、インレット素(104)とインレット基板(3)とでインレットが構成される。
複数のインレット(4)は、その長さ方向をインレットロール(5)の幅方向に合わせ、所定の間隔をあけて縦列に配設され、インレットロール(5)の長さ方向(α)にも、所定の間隔をあけて並列に配置されている。
インレットロール(5)は、スリット線(6)と切断線(7)とで切断されて、並列に配設された所定個数のインレット素(104)、図示例では6列のインレット素(104)からなる領域で1枚の大判インレットになる。
即ち、大判インレットとは、複数のインレット素(104)がインレット基板(3)上に所定の間隔をあけて一列に配設されてなるものである。この大判インレット内に収めるインレット素の数は、生産ロットのボリューム、用いるスリッタの制約、装置が扱うインレット基板の剛性等から適宜設定することができる。
なお、所定間隔には一定の規則に従って変動する場合を含むものとする。このように変動する場合、厚さを有するインレットがシート内で一定の箇所に集中しないようにして安定状態で集積しやすくすることができ、かつインレットに対する荷重集中の影響を軽減することができる。または、インレットのテープ内位置を検出装置で検出し、該インレットを固着したシートまたはカードの個別識別の情報の一つとして活用することも可能となる。
インレットロール(5)は、スリット線(6)と切断線(7)とで切断されて、並列に配設された所定個数のインレット素(104)、図示例では6列のインレット素(104)からなる領域で1枚の大判インレットになる。
即ち、大判インレットとは、複数のインレット素(104)がインレット基板(3)上に所定の間隔をあけて一列に配設されてなるものである。この大判インレット内に収めるインレット素の数は、生産ロットのボリューム、用いるスリッタの制約、装置が扱うインレット基板の剛性等から適宜設定することができる。
なお、所定間隔には一定の規則に従って変動する場合を含むものとする。このように変動する場合、厚さを有するインレットがシート内で一定の箇所に集中しないようにして安定状態で集積しやすくすることができ、かつインレットに対する荷重集中の影響を軽減することができる。または、インレットのテープ内位置を検出装置で検出し、該インレットを固着したシートまたはカードの個別識別の情報の一つとして活用することも可能となる。
なお、インレット素(104)は、上述のような矩形に限らず、正方形、楕円形など種々の形状があり、正方形の場合には、インレット素(104)の長さ方向と幅方向との区別がなくなる。また、矩形の場合には、上述のようにインレットロール(5)の幅方向に、インレット素(104)の長さ方向を合わせる場合に限らず、その幅方向を合わせるようにすることも可能である。即ち、インレット素(104)をロール状のインレット基板(3)上に配設する方向は、長さ方向及び幅方向の何れもロールの幅方向に配設することができる。
本発明において、インレットの配設方向は規定されず、配置も含めて任意に配設することができる。例えば、大判インレットになる領域において、インレット素(104)は、図2(a)のような千鳥配置にしたり、図2(b)のような対角線上に配置したりすることができる。このようにインレット素(104)が一見バラバラに配設されているようであっても、大判インレットになる領域において、ロール状のインレット基板(3)の長さ方向(α)から見て同じ位置に複数のインレット素(104)が重なって配設されていなければ、インレット素(104)が一列に配設されていると言える。従って、このように一列に配設されていれば、上述の大判インレットの定義に合致する。
そして図2(a)の千鳥配置のように、大判インレットにおいて隣合うインレット素(104)がインレット基板(3)のロール幅方向に、なるべく離れて配置する場合、インレット移載装置によってインレット素(104)を効率よく配設することが可能となる。即ち、ロール状のインレット基板(3)の一端側からその長さ方向(α)にインレット素(104)を配設していくとき、長さ方向(α)における手前側に配置するインレット素(104)とその奥側に次に配置するインレット素(104)との幅方向において充分な間隔をとることができるので、複数列にインレット素(104)を同時に配設することも可能となる。
そして図2(a)の千鳥配置のように、大判インレットにおいて隣合うインレット素(104)がインレット基板(3)のロール幅方向に、なるべく離れて配置する場合、インレット移載装置によってインレット素(104)を効率よく配設することが可能となる。即ち、ロール状のインレット基板(3)の一端側からその長さ方向(α)にインレット素(104)を配設していくとき、長さ方向(α)における手前側に配置するインレット素(104)とその奥側に次に配置するインレット素(104)との幅方向において充分な間隔をとることができるので、複数列にインレット素(104)を同時に配設することも可能となる。
上述の説明例では、インレット素(104)の幅の広い辺が、テープ状(ロール状)のインレット基板(フィルム)(3)の幅方向になるように配設する例を挙げた。なお、本発明の説明においては、ロール状のインレット基板(3)上に、インレット素(104)をいずれの方向に向けて配設するかにかかわらず、インレット素(104)をロール状のインレット基板(3)の幅方向に沿って配置することを縦列に配置するとし、インレット基板(3)の長さ方向(α)に沿って配置することを並列に配置すると規定する。
この大判インレットは、その製造方法によって2つの種類に分類される。
第1の製造方法では、インレットロール(5)に所定間隔で並列に配設された複数のインレット素(104)からなる領域をそのまま大判インレットとして用いる。
第2の製造方法では、インレットロール(5)に所定間隔で並列及び縦列に配設された複数のインレット素(104)において、並列に配設された各インレット素(104)の間を打ち抜いて穴を設け、インレット素(104)間に穴が設けられた複数のインレット素(104)からなる領域を穴あきの大判インレットとして用いる。
第1の製造方法では、インレットロール(5)に所定間隔で並列に配設された複数のインレット素(104)からなる領域をそのまま大判インレットとして用いる。
第2の製造方法では、インレットロール(5)に所定間隔で並列及び縦列に配設された複数のインレット素(104)において、並列に配設された各インレット素(104)の間を打ち抜いて穴を設け、インレット素(104)間に穴が設けられた複数のインレット素(104)からなる領域を穴あきの大判インレットとして用いる。
大判インレットの第1の製造方法について、より詳細に説明する。
まず、ロール状のインレット基板(3)をロールから引出し、インレット基板(3)の一端部において、その幅方向にインレット素(104)の長さ方向を合わせ、所定間隔をあけて縦列にインレット素(104)を配設する(ステップ1)。
縦列に配設された各インレット素(104)に対し、インレット基板(3)の長さ方向に各々1〜3mm程度の狭い間隔をあけ、各インレット素(104)を並列に配設していく(ステップ2)。なお、これらのインレット素同士の間隔は、インレット付テープに仕上げる設計条件によって、1〜3mm程度より広めに設定することもありうる。
まず、ロール状のインレット基板(3)をロールから引出し、インレット基板(3)の一端部において、その幅方向にインレット素(104)の長さ方向を合わせ、所定間隔をあけて縦列にインレット素(104)を配設する(ステップ1)。
縦列に配設された各インレット素(104)に対し、インレット基板(3)の長さ方向に各々1〜3mm程度の狭い間隔をあけ、各インレット素(104)を並列に配設していく(ステップ2)。なお、これらのインレット素同士の間隔は、インレット付テープに仕上げる設計条件によって、1〜3mm程度より広めに設定することもありうる。
インレット素(104)の配設を終えたインレットロール(5)の一端側から、例えば刃物輪がスリット線の数だけ備えられたスリッタを用いて、複数のスリット線(6)上をスリットしていきながら、スリットされた各インレットロール(5)をその一端部側からロール状に巻き取っていく(ステップ3)。
この状態で各インレットロール(5)は、インレット素(104)が一列に配設されたものとなっている。また、巻き取られてロール状にされることによって、インレット基板(3)上にインレット素(104)が安全にハンドリングできることになる。なお、上記ステップ3においては、スリットの後に各インレットロール(5)を巻き取らずに、次の工程を連続してもよい。
この状態で各インレットロール(5)は、インレット素(104)が一列に配設されたものとなっている。また、巻き取られてロール状にされることによって、インレット基板(3)上にインレット素(104)が安全にハンドリングできることになる。なお、上記ステップ3においては、スリットの後に各インレットロール(5)を巻き取らずに、次の工程を連続してもよい。
巻き取られた1本のインレットロール(5)を、例えば三方ガイド枠に突き当たるまで引き出して位置決めし、例えば図1のように6つのインレット素(104)を含む切断線(7)のところで切断することによって、大判インレットが製造される(ステップ4)。
このとき、切断線(7)で切断する代わりに、複数のインレット(4)の周りを打ち抜くようにしてもよい。このように打ち抜く場合、上記ステップ3においては、必ずしも全てのスリット線(6)上をスリットしてインレット素(104)が一列に配設されたインレットロール(5)にする必要はない。インレット素(104)が2列とか3列に配設されたインレットロール(5)としても、打ち抜けば大判インレットとすることができるからである。
同様にして、上記ステップ3のスリットする工程をなくし、全くスリットされていないインレットロール(5)から、大判インレットを打ち抜くようにして切断することも可能である。
このとき、切断線(7)で切断する代わりに、複数のインレット(4)の周りを打ち抜くようにしてもよい。このように打ち抜く場合、上記ステップ3においては、必ずしも全てのスリット線(6)上をスリットしてインレット素(104)が一列に配設されたインレットロール(5)にする必要はない。インレット素(104)が2列とか3列に配設されたインレットロール(5)としても、打ち抜けば大判インレットとすることができるからである。
同様にして、上記ステップ3のスリットする工程をなくし、全くスリットされていないインレットロール(5)から、大判インレットを打ち抜くようにして切断することも可能である。
次に、大判インレットの第2の製造方法について、図1及び図3を参照して詳細に説明する。
図3は、フィルム打ち抜き装置を用いてインレットロール上のインレット素間を打ち抜く様子を示す状態図である。
ロータリー式のフィルム打ち抜き装置(11)には、上ローター(12)と下ローター(13)の間にインレットロール(5)を通し、上ローター(12)に金型(14)が設けられている。金型(14)は、上ローター(12)の金属面に放電加工で当該金型(14)部分以外は削って、当該金型(14)部分に鋭利な幅にした突起を作り、刃物としている。
図3は、フィルム打ち抜き装置を用いてインレットロール上のインレット素間を打ち抜く様子を示す状態図である。
ロータリー式のフィルム打ち抜き装置(11)には、上ローター(12)と下ローター(13)の間にインレットロール(5)を通し、上ローター(12)に金型(14)が設けられている。金型(14)は、上ローター(12)の金属面に放電加工で当該金型(14)部分以外は削って、当該金型(14)部分に鋭利な幅にした突起を作り、刃物としている。
まず、第1の製造方法と同様に、ロール状のインレット基板(3)をロールから引出し、インレット基板(3)の一端部において、その幅方向にインレット素(104)の長さ方向を合わせ、所定間隔をあけて縦列にインレット素(104)を配設する(ステップ11)。
縦列に配設された各インレット素(104)に対し、インレット基板(3)の長さ方向に各々5〜50mm程度の広い間隔をあけ、各インレット素(104)を並列に配設していく(ステップ12)。
インレット素(104)の配設を終えたインレットロール(5)の一端側では、図3のようにロータリー式のフィルム打ち抜き装置によって、インレットロール(5)の長さ方向に並列に配設されたインレット素(104)間に、例えばインレット素(104)の大きさと同程度の多角形、図3では六角形に打ち抜いて穴をあけていく(ステップ13)。
インレット素(104)の配設を終えたインレットロール(5)の一端側では、図3のようにロータリー式のフィルム打ち抜き装置によって、インレットロール(5)の長さ方向に並列に配設されたインレット素(104)間に、例えばインレット素(104)の大きさと同程度の多角形、図3では六角形に打ち抜いて穴をあけていく(ステップ13)。
打ち抜きを終えたインレットロール(5)の一端側から、第1の製造方法と同様に、スリッタを用いて、複数のスリット線(6)上をスリットしていきながら、スリットされた各インレットロール(5)をその一端部側からロール状に巻き取っていく(ステップ14)。
巻き取られた1本のインレットロール(5)は、第1の製造方法と同様に、複数のインレット素(104)を含む切断線(7)上で切断したり、該複数のインレット(4)の周りを打ち抜いたりすることによって、穴あきの大判インレットが製造される(ステップ15)。この穴あけ加工の目的については後述する。
この打ち抜きによって、穴あけと大判インレットの分割製作を同時に行なうことができる。
巻き取られた1本のインレットロール(5)は、第1の製造方法と同様に、複数のインレット素(104)を含む切断線(7)上で切断したり、該複数のインレット(4)の周りを打ち抜いたりすることによって、穴あきの大判インレットが製造される(ステップ15)。この穴あけ加工の目的については後述する。
この打ち抜きによって、穴あけと大判インレットの分割製作を同時に行なうことができる。
上記第1の製造方法又は第2の製造方法によって製造された大判インレットを用いて、大判インレット付テープを制作し、その大判インレット付テープからインレット(4)が一列に配設されたインレット付テープが製造される。
なお、本発明におけるインレット付テープは粘着材が塗布されたものであり、このテープに関する各種装置が備えるロール等は粘着材が接触することによる動作に対する影響を回避するために離型効果のあるシリコーンゴム等を巻いたものとする。
また、本発明で用いる粘着材は、大判インレットをテープ基材面に固着する際に粘着性を有している接着剤を含むものである。常温ではさらさらとした表面状態になっているが、大判インレットを広幅テープ基材に移載する段階において、塗布層が加温によって粘性を増す性質のホットメルト接着剤を含むものとする。従って、このホットメルト接着剤塗布のテープ基材をスリットして製造したインレット付テープをシートに貼着する場合には、粘着性を得られるようにこのテープを加熱状態にすることが求められる。
なお、本発明におけるインレット付テープは粘着材が塗布されたものであり、このテープに関する各種装置が備えるロール等は粘着材が接触することによる動作に対する影響を回避するために離型効果のあるシリコーンゴム等を巻いたものとする。
また、本発明で用いる粘着材は、大判インレットをテープ基材面に固着する際に粘着性を有している接着剤を含むものである。常温ではさらさらとした表面状態になっているが、大判インレットを広幅テープ基材に移載する段階において、塗布層が加温によって粘性を増す性質のホットメルト接着剤を含むものとする。従って、このホットメルト接着剤塗布のテープ基材をスリットして製造したインレット付テープをシートに貼着する場合には、粘着性を得られるようにこのテープを加熱状態にすることが求められる。
まず、第1の製造方法によって製造された大判インレットを用いる場合について説明する。
テープリールに巻かれたテープ基材(15)を引き出して走行させる(ステップ21)。
上記ステップ4のように切断して、又は打ち抜いて製造された大判インレット(8)は、例えば先端に小型のバキュームカップを備えたロボットアームを複数本有する移載装置によって、一枚ずつ広幅のテープ基材(15)の粘着面側に運ばれる(ステップ22)。
この粘着材はアクリル系、ゴム系の汎用粘着材を用いることができる。なお、このテープ基材(15)の表面には、離型処理を施しておく。またこの粘着材の塗布はテープ基材ロールから無加工のテープを巻きだした後に、インラインで行うようにしてもよい。
テープリールに巻かれたテープ基材(15)を引き出して走行させる(ステップ21)。
上記ステップ4のように切断して、又は打ち抜いて製造された大判インレット(8)は、例えば先端に小型のバキュームカップを備えたロボットアームを複数本有する移載装置によって、一枚ずつ広幅のテープ基材(15)の粘着面側に運ばれる(ステップ22)。
この粘着材はアクリル系、ゴム系の汎用粘着材を用いることができる。なお、このテープ基材(15)の表面には、離型処理を施しておく。またこの粘着材の塗布はテープ基材ロールから無加工のテープを巻きだした後に、インラインで行うようにしてもよい。
走行する、又は一旦停止させたテープ基材(15)の粘着面上に、大判インレットにおいてインレット(4)が一列に配置された方向をテープ基材(15)の幅方向に合わせ、大判インレットが配設される(ステップ23)。なお、テープ基材を一旦停止させて大判インレットを配設する際、その移載方向とテープ基材が直交する場合の例を図11に示す。
そして、所定長さのテープ基材(14)が走行すると、再びステップ22及び23を繰返し、大判インレットは、走行するテープ基材(15)の粘着面上に所定間隔で配設固着され、大判インレット付テープが製造される。
そして、所定長さのテープ基材(14)が走行すると、再びステップ22及び23を繰返し、大判インレットは、走行するテープ基材(15)の粘着面上に所定間隔で配設固着され、大判インレット付テープが製造される。
次に、走行方向最下流部分では、大判インレットに一列に配設されたインレット間の数だけ刃物輪が備えられたスリッタを用いて、大判インレット付テープとなったテープ基材(15)を、複数のインレット間を通るようにスリットしていく(ステップ24)。
スリットされて、インレット(4)が1つずつ所定間隔をあけて、テープ基材(15)の長さ方向に配設された各インレット付テープが、それらの一端側から各々別個のインレット付テープリールに巻き取られる(ステップ25)。
このスリッタは上下回転刃式、上刃のみ回転刃(片刃式)、ウォータージェット式その他の各種装置を用いることができる。
スリットされて、インレット(4)が1つずつ所定間隔をあけて、テープ基材(15)の長さ方向に配設された各インレット付テープが、それらの一端側から各々別個のインレット付テープリールに巻き取られる(ステップ25)。
このスリッタは上下回転刃式、上刃のみ回転刃(片刃式)、ウォータージェット式その他の各種装置を用いることができる。
なお、打ち抜き装置(11)は、ロータリー式に限らず、プラテンダイカット方式などのものを採用することも可能である。
また、大判インレットを配設するテープ基材(15)として予めスリットされた複数のテープ基材(15)を用いるようにすることも可能である。具体的には、上記ステップ21において、大判インレットに配置されたインレット(4)の数及び幅に合わせてスリットされた複数のテープ基材(15)を、各テープリールにセットして同時に引き出して1本のテープ基材(15)のように合わせて走行させる。
また、大判インレットを配設するテープ基材(15)として予めスリットされた複数のテープ基材(15)を用いるようにすることも可能である。具体的には、上記ステップ21において、大判インレットに配置されたインレット(4)の数及び幅に合わせてスリットされた複数のテープ基材(15)を、各テープリールにセットして同時に引き出して1本のテープ基材(15)のように合わせて走行させる。
次いで、上記ステップ22及び23と同様にして、大判インレットが複数のテープ基材(15)上にまたがって配設される。
そして、上記ステップ24において、上記スリッタを用いて大判インレット付テープの大判インレット部分をスリットする。
このように、予めスリットされた複数のテープ基材(15)を用いる方法では、テープ幅が極端に狭くなって、製作するリール本数が多くなってくると、固着位置の誤差が生じやすくなるという欠点はあるが、同じ形状及び大きさのインレット素(104)を材質の異なるテープ基材(15)上に配設したインレット付テープを同時に製作することが可能となる。材質の異なるテープ基材(15)について少量ずつ必要な場合には、特に効率よく製作することができる。
そして、上記ステップ24において、上記スリッタを用いて大判インレット付テープの大判インレット部分をスリットする。
このように、予めスリットされた複数のテープ基材(15)を用いる方法では、テープ幅が極端に狭くなって、製作するリール本数が多くなってくると、固着位置の誤差が生じやすくなるという欠点はあるが、同じ形状及び大きさのインレット素(104)を材質の異なるテープ基材(15)上に配設したインレット付テープを同時に製作することが可能となる。材質の異なるテープ基材(15)について少量ずつ必要な場合には、特に効率よく製作することができる。
以上のように大判インレットを一旦作成してから、テープ基材の粘着材面にこれを固着し、大判インレットをスリットによって最終の仕様であるインレット付テープを製造する本発明の基本手法は、ラベルに代表されるようなインレット封入物を、これを搭載するシートから一個ずつ取り出せるように離型紙つきのラミネートシートを半切打抜きによって製造する方法と比較すると、インレット付包装材等が普及し、大量に消費される段階においては生産技術的に有利である。そして、リールに巻いたインレット付テープを固着する対象の走行するシートにこのテープを巻き出して固着できるシンプルな手法は、離型紙つきの比較的広幅のラベル巻き取りテープ(シート)から一個ずつ取り出しながらシート材料に固着する手法に比べて、品質信頼性および固着スピードにおいて有利である。
何よりもインレット関連の製造技術の進歩に伴って、通信タイプによって分かれるインレットの種類にかかわらず、インレットは今後ますます小型する傾向の中にあって、インレット付資材はこの流れに対応して行かねばならない。この予想される技術の推移の中で、この大判化というインレットの集合化をベースにした生産技術は、このインレットの小型化に対応できる合理的な技術である。
なお、テープ基材(15)の材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム等の汎用樹脂フィルムの他、天然物由来のフィルム、紙等を用いることができる。フィルムの場合には環境保存の観点からは、生分解性があり、燃焼時に炭酸ガスの発生量が少ないポリ乳酸樹脂等の天然物由来のフィルムを用いることが好ましい。
なお、テープ基材(15)の材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム等の汎用樹脂フィルムの他、天然物由来のフィルム、紙等を用いることができる。フィルムの場合には環境保存の観点からは、生分解性があり、燃焼時に炭酸ガスの発生量が少ないポリ乳酸樹脂等の天然物由来のフィルムを用いることが好ましい。
また、大判インレットをテープ基材(15)の粘着面上に移載するには、上記移載装置の他、マガジンを用いる装置によるものでもよい。
図4は、マガジンを用いるインレット付テープ製造装置の一例の一部の概略構成を示す断面図である。図5は、図4のインレット付テープ製造装置の側面図である。
図4は、マガジンを用いるインレット付テープ製造装置の一例の一部の概略構成を示す断面図である。図5は、図4のインレット付テープ製造装置の側面図である。
インレット付テープ製造装置(17)は、片面に粘着材が塗布されたテープ基材(15)が巻かれたテープ基材リール(18)と、大判インレット(8)が収納され、底面に設けられた開口部(19)から大判インレット(8)が引き出されるマガジン(20)と、テープ基材リール(18)から繰出されて走行するテープ基材(15)を挟んで、開口部(19)と対峙するピックアップロール(21)とを備える。また、テープ基材(15)の走行経路には、複数のロール(22)が備えられている。また、ピックアップロール(21)と開口部(19)とが対峙する部分を挟み、テープ基材(15)の走行方向上流側と下流側であって、テープ基材の粘着面(A)と反対側に、固定されたピックアップロール引き離しバー(24)が備えられている。
なお、ピックアップロール(21)は、サクション機能を有するものであってもよく、また、図6のようにアーム(21a)としてもよい。また、テープ基材(15)の粘着材に接触するマガジン(20)およびピックアップ部(21)の表面には、テープ基材(15)の動きが阻害されないようにシリコーン加工等を施しておく。
次に、このように構成されるインレット付テープ製造装置(17)において、インレット(4)がテープ基材(2)に固着される過程を説明する。
まず、マガジン(20)に大判インレット(8)を装填しておく(ステップ31)。
なお、マガジン(20)には、予め大判インレット(8)を収納しておく代わりに、上記ステップ4のようにして切断された大判インレット(8)を、1枚ずつホッパによってマガジン(20)の上方の位置に搬送して落下するようにしたり、安定した加圧ができる枚数まで重ねておき、開口部(19)から大判インレット(8)が引き落とされて排出されるペースに合わせて、インレットロール(5)を切断して落下させて補充したりするようにしてもよい。
まず、マガジン(20)に大判インレット(8)を装填しておく(ステップ31)。
なお、マガジン(20)には、予め大判インレット(8)を収納しておく代わりに、上記ステップ4のようにして切断された大判インレット(8)を、1枚ずつホッパによってマガジン(20)の上方の位置に搬送して落下するようにしたり、安定した加圧ができる枚数まで重ねておき、開口部(19)から大判インレット(8)が引き落とされて排出されるペースに合わせて、インレットロール(5)を切断して落下させて補充したりするようにしてもよい。
次いで、ピックアップロール(21)の上昇によって、テープ基材(15)の粘着面(A)が開口部(19)の大判インレット(8)に押し当てられる(ステップ32)。
そして、ピックアップロール(21)が降下すると、走行するテープ基材(15)のテンションとピックアップロール(21)のサクション機能によってテープ基材(15)が開口部(19)から下方向へ離れると共に、テープ基材(15)の粘着面(A)にその中央部が接着された大判インレット(8)は、開口部(19)の外へ引き出される(ステップ33)。なお、マガジン(20)内の大判インレット(8)上には、圧コントロール機構を設けて一定圧をかけておくと、大判インレット(8)がテープ基材(15)の粘着面に接着されやすくなるので好ましい。
そして、ピックアップロール(21)が降下すると、走行するテープ基材(15)のテンションとピックアップロール(21)のサクション機能によってテープ基材(15)が開口部(19)から下方向へ離れると共に、テープ基材(15)の粘着面(A)にその中央部が接着された大判インレット(8)は、開口部(19)の外へ引き出される(ステップ33)。なお、マガジン(20)内の大判インレット(8)上には、圧コントロール機構を設けて一定圧をかけておくと、大判インレット(8)がテープ基材(15)の粘着面に接着されやすくなるので好ましい。
大判インレット(8)が開口部(19)から完全に引き出されたところで、ピックアップロール(21)がサクション機能を解除してさらに降下するとき、テープ基材(15)がピックアップロール引き離しバー(24)の位置で止まり、テープ基材(15)とピックアップロール(21)とが引き離される。(ステップ34)。
そして、ピックアップロール(21)は、最低位置まで降下し、テープ基材(15)とは一定の間隙を有する状態となる(ステップ35)。
そして、ピックアップロール(21)は、最低位置まで降下し、テープ基材(15)とは一定の間隙を有する状態となる(ステップ35)。
開口部(19)から完全に引き出された大判インレット(8)は、その長手方向両端部もテープ基材(15)上に沿って、下流側へ走行する(ステップ36)。
走行方向下流では、走行しながら複数のロール(22)に押付けられた大判インレット(8)がテープ基材(15)上に固着される(ステップ37)。
そして、所定長さのテープ基材(15)が走行すると、再びステップ32〜37を繰返し、大判インレット(8)は、走行するテープ基材(15)の粘着面(A)上に所定間隔で配設固着され、大判インレット付テープ(26)が製造される。
走行方向下流では、走行しながら複数のロール(22)に押付けられた大判インレット(8)がテープ基材(15)上に固着される(ステップ37)。
そして、所定長さのテープ基材(15)が走行すると、再びステップ32〜37を繰返し、大判インレット(8)は、走行するテープ基材(15)の粘着面(A)上に所定間隔で配設固着され、大判インレット付テープ(26)が製造される。
次に、走行方向最下流部分では、図示しない刃物輪がスリット線の数だけ備えられたスリッタを用いて、図7(a)のような大判インレット付テープ(26)となったテープ基材(15)上の複数のスリット位置(26)をスリットしていく(ステップ38)。
スリットされて、図7(b)のようにインレット(4)が1つずつ所定間隔をあけて、テープ基材(15)の長さ方向に配設された各インレット付テープ(27)が、それらの一端側から各々別個のインレット付テープリールに巻き取られる(ステップ39)。
スリットされて、図7(b)のようにインレット(4)が1つずつ所定間隔をあけて、テープ基材(15)の長さ方向に配設された各インレット付テープ(27)が、それらの一端側から各々別個のインレット付テープリールに巻き取られる(ステップ39)。
ピックアップロール引き離しバー(24)の代わりに、図6のようにピックアップロール(21)と開口部(19)とが対峙する部分を挟み、テープ基材(15)の走行方向上流側と下流側であって、テープ基材の粘着面(A)側に、上下摺動する大判インレット引き出しバー(25)を備えてもよい。
上記ステップ32において、大判インレット引き出しバー(25)は、ピックアップロール(21)の上昇と共に、又は、上昇前に、ピックアップロール(21)上昇時のテープ基材(15)と接触しない位置まで引き上げられる。
上記ステップ33では、大判インレット引き出しバー(25)は、ピックアップロール(21)の降下と共に引き下げられ、テープ基材(15)を押し下げる。
上記ステップ33では、大判インレット引き出しバー(25)は、ピックアップロール(21)の降下と共に引き下げられ、テープ基材(15)を押し下げる。
上記ステップ34で、大判インレット引き出しバー(25)は、テープ基材(15)が、走行するテープ基材(15)のテンションによって降下する所定の位置で、該テープ基材(15)と適度な圧で接触する位置まで引き下げられる。このとき、ピックアップロール(21)は、上述のように、最低位置まで降下し、テープ基材(15)とは一定の間隙を有する状態となっている。
なお、大判インレット(8)は、広幅のテープ基材(2)の粘着面に固着する際に、インレット基板(5)とテープ基材(15)でアンテナとICを挟み込むようにすると、このテープを機械的に取り扱う際に性能保護の面で好都合である。この理由としては、他の保護フィルムが不要となり、テープの全体的な厚さを薄くすることができるからである。また、インレット部の部分的な保護加工が不要となるので、テープ内の厚薄差を少なく抑えることができ、シートにインレット付テープを固着した場合のシート内段差を目立たなくすることができるからである。
上述のような簡単な機構でマガジン(20)から大判インレット(8)を引き出せるのは、大判インレット(8)の形状及び構造によるものである。即ち、導電ペーストで、又は金属膜のエッチング残部として形成されたアンテナのほぼ中央に位置するICチップは、インレット内の0.2mm程度の低い突起となっていて、このインレット(4)をマガジン(6)内で加圧を受けた積層状態になっていても密着状態にならないことから二枚給紙を防止でき、また大判インレット(8)の基板フィルムの適度の剛性としなり、及び滑り特性によって、撓ませながら容易に、かつ確実に引き落とすことができる。また、ICをチップの使用ではなく、プリント方式で形成するICの場合でも、導電ペーストで複雑な形状に形成する薄い盛り上がりが、フィルム製のインレットの密着を阻害することで、同様に引き落としが容易になる。
大判インレットを広幅のテープ基材に固着する方法は、上述のロボットアーム付移載装置のように大判インレットをある距離を移動させて移載する装置においては、大判インレットを載置する供給方向としては、テープ基材の送り方向に対して、直角方向でも平行方向でもよい。
図8は、第1の製造方法による大判インレットを用いて製造したインレット付テープの所定間隔部分を示す。
インレット基板(5)上にICチップ(1)及びアンテナ(2)を搭載するインレット(4)が、所定間隔のテープ基材(15)上に固着されている。この所定間隔部分のインレット付テープ(27)がケースなどの物品上に貼着される。この所定間隔部分のインレット付テープ(27)では、スリット断面(30)で、インレット(4)の長さ方向の両側面(31)とテープ基材(15)の長さ方向の両側面(32)とが完全に一致する1つの平面を形成している。
インレット基板(5)上にICチップ(1)及びアンテナ(2)を搭載するインレット(4)が、所定間隔のテープ基材(15)上に固着されている。この所定間隔部分のインレット付テープ(27)がケースなどの物品上に貼着される。この所定間隔部分のインレット付テープ(27)では、スリット断面(30)で、インレット(4)の長さ方向の両側面(31)とテープ基材(15)の長さ方向の両側面(32)とが完全に一致する1つの平面を形成している。
従って、このインレット付テープ(27)をケース上に貼着すると、ケースとテープ基材(15)とでインレット(4)を挟むようになり、インレット(4)部分には粘着材がないので、インレット(4)部分はケースに貼着されていない。
よって、第1の製造方法による大判インレットを用いて製造したインレット付テープを紙製包装材に貼着したものを製紙工場でパルプ資源として再利用する際には、リサイクル工程の初期段階のパルパー内攪拌による離解において、プラスチックテープ基材を紐状物として木材繊維分と分離するまでに要する時間が短縮されるメリットが生じる。これはテープ内のインレットの部分が紙製包装材に接着されていないことの効果である。攪拌機の羽の衝撃によってこの部分からの水の侵入が容易になるためである。また、このインレット付テープをパルパーに投入する前の古紙回収段階で除去する際には、この包装材と接着していないインレット下部に鋭利な金属具の先端を差し込んでテープ全体を容易に剥がすことができる。
よって、第1の製造方法による大判インレットを用いて製造したインレット付テープを紙製包装材に貼着したものを製紙工場でパルプ資源として再利用する際には、リサイクル工程の初期段階のパルパー内攪拌による離解において、プラスチックテープ基材を紐状物として木材繊維分と分離するまでに要する時間が短縮されるメリットが生じる。これはテープ内のインレットの部分が紙製包装材に接着されていないことの効果である。攪拌機の羽の衝撃によってこの部分からの水の侵入が容易になるためである。また、このインレット付テープをパルパーに投入する前の古紙回収段階で除去する際には、この包装材と接着していないインレット下部に鋭利な金属具の先端を差し込んでテープ全体を容易に剥がすことができる。
また、インレット付テープ製造時の品質においては、テープ基材の端部とインレット端部がスリット圧を受けて配設時の端部の密着状態がさらに強固になり、また、この切断端部では2枚のフィルム剛性が合算されることによって、このテープを高速テープ貼り機でシート状成形物に貼着する際にエッジにかかるストレスからアンテナ部を保護する上で有利である。
このように製作されたインレット付テープを紙製包装材、シート状成形材に貼着して使用するが、シート製造工程でこのインレット付テープをリールから巻きだしてシートに連続的に切断シートの端から端まで貼着するが、狭いテープ幅であり、かつインレット部周辺では長さ方向でインレットに隣接する粘着材はテープの固定には余り寄与しない。しかし、比較的大きく剛性に富んだ切断シート全長に渡って貼着してあることからインレット部の非接着部の影響は生じず、テープ厚さが薄いこともあって、機械内のシート搬送中に引っかかりによる脱落のトラブルは生じない。
このように製作されたインレット付テープを紙製包装材、シート状成形材に貼着して使用するが、シート製造工程でこのインレット付テープをリールから巻きだしてシートに連続的に切断シートの端から端まで貼着するが、狭いテープ幅であり、かつインレット部周辺では長さ方向でインレットに隣接する粘着材はテープの固定には余り寄与しない。しかし、比較的大きく剛性に富んだ切断シート全長に渡って貼着してあることからインレット部の非接着部の影響は生じず、テープ厚さが薄いこともあって、機械内のシート搬送中に引っかかりによる脱落のトラブルは生じない。
次に、このような構造を有するインレット付テープを使用できる状況について詳しく説明する。
図8のようにインレット幅が狭い幅(2〜8mm程度)のインレットになると、スリット余裕寸法が1〜2mmと小さいような場合には図9のように個別に1個ずつインレットをテープ基材に安定的に、かつ、はみ出さずに正確な位置に固着することが困難となる。このように個別にインレットが固着されたインレット付テープをリールに巻き取り、高速で走行するシートに貼り付け装置を用いてインレット付テープを貼着する場合、この貼り付け装置に備えられたロール群、ガイド群をインレット付テープが通過する際のしごき及び機械的な衝撃によって、インレットがテープ基材から剥離する恐れがある。
図8のようにインレット幅が狭い幅(2〜8mm程度)のインレットになると、スリット余裕寸法が1〜2mmと小さいような場合には図9のように個別に1個ずつインレットをテープ基材に安定的に、かつ、はみ出さずに正確な位置に固着することが困難となる。このように個別にインレットが固着されたインレット付テープをリールに巻き取り、高速で走行するシートに貼り付け装置を用いてインレット付テープを貼着する場合、この貼り付け装置に備えられたロール群、ガイド群をインレット付テープが通過する際のしごき及び機械的な衝撃によって、インレットがテープ基材から剥離する恐れがある。
そこで、図8のようなテープ構造にすると、テープ送りの際に、またシートに固着加工した後工程において、別の加工機にこのシートを給紙した場合にフィードロール等によって摩擦力が加わった際にも粘着部の剥がれは生じにくくなる。また、包装作業時において内容物を収納する際に容器の内側に露出しているインレット付きテープと摩擦および衝突が生じる場合でも、テープは剥がれにくくなる。これはインレット切断端部がテープ基材端部に密着し、同じ切断端で重なって端部が強くなっているからである。インレット側部のテープ基材にスリット余裕寸法があって、浮きが生じる場合には、機械内においてインレット部に横方向からの力によってテープのひねり、または絡まりが生じやすくなるからである。
このように大判インレット付テープから狭い幅のインレット付テープを作製する場合、特に隣接するインレット素が間隔ゼロで配置されたインレットロールを設計すれば、大判インレット付テープをスリットする際、インレット素間を分けるようにスリットするだけで、図10のような余裕代のない狭幅のインレット付テープを作製することができる。
ここで、従来、インレット素が間隔をあけて配置されていた事情について説明しておく。例えば、ICタグにおけるインレット素は、ICチップをほぼセンターに配置したものである。その周囲に導電素材のアンテナを銅腐食法または印刷法で所定の形状及び面積で形成したインレット素は、インレット基板上に複数形成される。各インレット素は、ポリエステル等のフィルム状のインレット基板の送り方向に対して、数ミリから30ミリ程度間隔をあけて配置される。このように間隔をあけて設計されるのは、生産工程内でICとアンテナの接合具合等を性能検査するとき、混信なく信号を受信及び送信するためである。またこのような間隔は、ラベル内にインレットを固着するために打抜きをする際に、十分な余裕寸法ともなっている。
また、インレットロール内においてインレット素を近接して正確に配置しても、ラベルに仕上げる際にはスリッタ等による機械的切断のために、十分な誤差範囲を認める方が、厳しく公差範囲での切断を求められるより、生産ロスが低くなる。特にインレット素間寸法、即ちアンテナ間寸法が1〜2mmになると、切断の際にアンテナ部を損傷する危険が増す。
また、インレットロール内においてインレット素を近接して正確に配置しても、ラベルに仕上げる際にはスリッタ等による機械的切断のために、十分な誤差範囲を認める方が、厳しく公差範囲での切断を求められるより、生産ロスが低くなる。特にインレット素間寸法、即ちアンテナ間寸法が1〜2mmになると、切断の際にアンテナ部を損傷する危険が増す。
これらの事情に対しては、インレットの検査をインレットロール段階ではなく、スリットしたインレット付テープの段階に変更すれば、間隔をあけることなくインレット素を配置することが可能となる。また、比較的太いラインでジグザグ形状又はベタ塗り状態で、ほぼ矩形に形成したアンテナをICの左右に形成するパターンのインレット素を採用すれば、図11(a)のように隣接するインレット素のアンテナの境界をなくすことができる。
このようにインレット素が隣接して配置されたインレットロールから作製された大判インレット付テープにおいて、図11(b)のようにインレット素間を一定間隔のスリット幅に設定されたスリット装置(35)を用いてスリットする場合、たとえテープの長さ方向に直角な左右方向に若干ずれたとしても、両側にトリムを設けるスリットにおいては片側のインレット素は別として、その他のインレット素において切断されたアンテナの面積は一定である。即ち、切断されたインレット素におけるアンテナは、ICの左側が狭く切断される場合、他方はその分広く切断されるので、アンテナ面積は一定となり、高精度のスリッタを用いる場合においてはアンテナ性能を一定に維持することができる。
なお、形成したアンテナ部の導電性の金属薄層がスリットによって破壊されにくいように、金属表面コートを入念に行うことが好ましい。または耐衝撃性が十分に得られるように成分を調整する。
また、スリット装置は、スリット誤差が少なく、誤差0.5mm以内に抑えられるものが好ましい。例えばCCD画像としてカメラによってインレット端部の位置を常時スキャンする技術を用い、スリッタの切断位置を補正する装置にしておけば、通常は品質上問題のない範囲にスリット位置を許容範囲内にロスなくコントロールすることができる。
上述のように、インレットロールの長さ方向において、大判インレットのインレット素同士の間隔をゼロにするインレット素の配設同様に、インレットロールの幅方向におけるインレット素同士の間隔をゼロにするインレット素の配設を行うこともできる。さらにはこれら両方向においてインレット素同士の間隔をゼロにするインレット素配設を行うこともできる。これらのインレット素同士の間隔をゼロにする場合の大判インレットの切断には、インレット位置を示すマークを正確に検出して切断装置の位置補正ができる装置を用いる。
なお、形成したアンテナ部の導電性の金属薄層がスリットによって破壊されにくいように、金属表面コートを入念に行うことが好ましい。または耐衝撃性が十分に得られるように成分を調整する。
また、スリット装置は、スリット誤差が少なく、誤差0.5mm以内に抑えられるものが好ましい。例えばCCD画像としてカメラによってインレット端部の位置を常時スキャンする技術を用い、スリッタの切断位置を補正する装置にしておけば、通常は品質上問題のない範囲にスリット位置を許容範囲内にロスなくコントロールすることができる。
上述のように、インレットロールの長さ方向において、大判インレットのインレット素同士の間隔をゼロにするインレット素の配設同様に、インレットロールの幅方向におけるインレット素同士の間隔をゼロにするインレット素の配設を行うこともできる。さらにはこれら両方向においてインレット素同士の間隔をゼロにするインレット素配設を行うこともできる。これらのインレット素同士の間隔をゼロにする場合の大判インレットの切断には、インレット位置を示すマークを正確に検出して切断装置の位置補正ができる装置を用いる。
一方、インレット素が近接されることなく配置された既成のインレットロールを使用する場合には、そのインレットロールから作成された大判インレット付テープをスリットする工程において、トリム法によって図12のように余分な間隔分の余剰テープ(16)をスリットアウトして除去する。これによって、インレット素のアンテナとスリットしたテープ基材の切断端との間隔を極力狭く、又はゼロにすることができる。このようにして作製された狭幅のインレット付テープを用いると、テープ貼着装置に用いる関連部品は比較的小さくなり、装置全体も小型に設計できることになる。
このトリム法を用いれば、UHFタイプのタグの場合、既製品のアンテナ幅が5〜10mmの場合、インレット付テープ幅における両側の余裕代をゼロにすると、インレット付テープ幅を5〜10mmにすることができる。片側1mmの余裕代にすると、7mm〜12mmのインレット付テープ幅に収めることができる。
スリットアウトする余剰テープ(16)の幅は、インレットロールによって、即ちインレットロールのメーカー及び種類によって異なるが、数mmから30mmの範囲である。例えば、表裏紙でインレットを挟み込むような通常のラベル加工では、アンテナ外周から片側に2〜3mmの余裕代を設けてカットされる。
スリットアウトする余剰テープ(16)の幅は、インレットロールによって、即ちインレットロールのメーカー及び種類によって異なるが、数mmから30mmの範囲である。例えば、表裏紙でインレットを挟み込むような通常のラベル加工では、アンテナ外周から片側に2〜3mmの余裕代を設けてカットされる。
このようにして形成された図10及び図11(c)のインレット付テープ(27)は、スリット余裕寸法がゼロとなり、テープ幅を数ミリから30mm程度狭くすることができる。これによってインレット付テープの貼着装置にセットする所定幅の紙管に巻くテープはいわば糸巻き状態に蛇行させることによってインレット付きテープの巻き長さを長くできる。テープ幅をより狭くして巻き長さを長くできれば、所定長さを巻くための紙管の幅を狭くできる。このようにして糸巻き方式の紙管の幅を狭くすれば、貼着装置をコンパクトにすることができる。
そして、より狭幅に作製されたインレット付テープは、貼着する、又は層間に挿入するシート材の対象が増えることにもなる。例えば、コンパクトディスク(CD)のラップフィルムのカットテープに用いることも可能である。このような狭幅のテープに仕上げると、このような製品等に取り付ける場合、およびケース等の容器のデザインをテープが制約する度合いを軽減することになる。
特に、隣接するインレット素が間隔ゼロで配置されたインレットロールを用いる場合には、インレットロールの同じインレット基板内に配置できるインレット素の数を増やすことができる。これによってインレット基板のフィルム代が削減される。さらに、そのアンテナ形成においては、上述のようにジグザグ形状やベタ塗り状態等のアンテナ形状がシンプルになるので、生産が幾分容易になる。
特に、隣接するインレット素が間隔ゼロで配置されたインレットロールを用いる場合には、インレットロールの同じインレット基板内に配置できるインレット素の数を増やすことができる。これによってインレット基板のフィルム代が削減される。さらに、そのアンテナ形成においては、上述のようにジグザグ形状やベタ塗り状態等のアンテナ形状がシンプルになるので、生産が幾分容易になる。
次に、第2の製造方法によって製造された穴あきの大判インレット(8)を用いて、大判インレット付テープを制作し、その大判インレット付テープからインレット(4)が一列に配設されたインレット付テープを製造する場合について説明する。
この場合も、第1の製造方法による上記ステップ21〜25や上記ステップ31〜39と全く同様の方法及び装置によって、インレット付テープを製造することができる。
ただし、上記ステップ38における大判インレット付テープ(26)は、図13(a)のようになっており、また、上記ステップ39におけるインレット付テープは、図13(b)のようになる。
この場合も、第1の製造方法による上記ステップ21〜25や上記ステップ31〜39と全く同様の方法及び装置によって、インレット付テープを製造することができる。
ただし、上記ステップ38における大判インレット付テープ(26)は、図13(a)のようになっており、また、上記ステップ39におけるインレット付テープは、図13(b)のようになる。
即ち、大判インレット(8)において、一列に配設されたインレット(4)間に穴(17)があけられていることによって、図13(a)のような大判インレット付テープ(26)となったテープ基材(15)上の複数のスリット位置(26)がスリットされたインレット付テープでは、図13(b)のようにインレット(4)の長さ方向の両側面(31)側に、テープ基材(15)の粘着材が露出することになる。
従って、このインレット付テープ(27)を図14のようにケース上に貼着すると、インレット基板の厚さは0.15mm程度と極薄であることから粘着材の露出部分によって、インレット(4)の長さ方向の両側でもケースとテープ基材(15)がソフト材による圧着によって接着し、インレット(4)部分がケースとテープ基材(15)とで包まれるようになる。この穴(17)の寸法と形状は、穴部の粘着材が十分に機能する面積に最大限に切り欠く必要がある。なお、図14において実線で示すインレット(4)及びインレット基材(3)はテープ基材(15)に覆われ、図中テープ基材(15)で示す部分が粘着材によって、テープ基材(15)とケースとが接着されている部分である。
従って、このインレット付テープ(27)を図14のようにケース上に貼着すると、インレット基板の厚さは0.15mm程度と極薄であることから粘着材の露出部分によって、インレット(4)の長さ方向の両側でもケースとテープ基材(15)がソフト材による圧着によって接着し、インレット(4)部分がケースとテープ基材(15)とで包まれるようになる。この穴(17)の寸法と形状は、穴部の粘着材が十分に機能する面積に最大限に切り欠く必要がある。なお、図14において実線で示すインレット(4)及びインレット基材(3)はテープ基材(15)に覆われ、図中テープ基材(15)で示す部分が粘着材によって、テープ基材(15)とケースとが接着されている部分である。
よって、第2の製造方法による大判インレットを用いて製造したインレット付テープは、より強固にケースなどの物品に貼着することが可能となる。
なお、図4〜8においては、テープ基材(15)のテープ面を略水平にして走行させる縦型装置を例に説明したが、テープ面を略垂直にして走行させる横型装置に設計することが可能である。
なお、図4〜8においては、テープ基材(15)のテープ面を略水平にして走行させる縦型装置を例に説明したが、テープ面を略垂直にして走行させる横型装置に設計することが可能である。
上記第2の製造方法によっても、インレット(4)部分はシート材またはケースに全面的に貼着されておらず、部分的に僅かながら浮いた状態になる。また流通段階で商品およびパッケージの特定部位に細長い形状のIC付テープ状タグとして使用する貼着加工状態においても、インレット基板下は非接着状態になっている。ましてや上記第1の製造方法によって粘着材が塗布されたテープ基材に大判インレットを所定間隔で配設し、スリットによって分割された狭幅のインレット付きテープは、シート材に貼着すると粘着材が露出した面はシートと接着されるが、インレットの部分は浮いた状態になる。図10のようなスリット断面(30)の場合も、インレット(4)部分がケースに貼着されず浮いた状態になることは、上述のようにメリットになることもあるが、潜在的な不安要因になる。
例えば、この浮き構造は人為的に引っ掛けるという悪戯の動機を生みやすく、これによってテープ基材側がめくれる危険が生じる。また、包装容器の印刷表面にこのテープが出ている場合には、生産装置で損傷しないまでも、剥離等の品質不安を与え、外観上も問題である。また、シート材が極薄の用紙(伝票やフォーム紙に加工)や、フレキシブルなプラスチック袋の場合には、インレット部の浮きが目立ちやすく、取り扱い時や販売時に不安が生じる。またこれらを機械で処理する場合には、マシントラブルの原因になりかねない。
このような問題を解決するためには、インレット(4)部分がシートまたはケースに貼着されるようにする。その方法としては、大判インレット固着後、又はインレット基板に予め、粘着材を塗布する方法が挙げられる。シート材への貼着工程で、特に2〜5mmの狭幅のインレット付テープに粘着材を塗布しながらインレット付テープをシートに固着することは困難なため、インレット付テープにスリットする前にインレット(4)部分に粘着材を塗布する。ただし、インレット付テープの幅が十分にあり、このテープへの粘着材の塗布幅を制限して、または過剰な塗布を制限できてシートに対する圧着後に粘着材がテープからはみ出さない塗布加工ができる精巧な装置において、またはシート間に挿入する固着条件においては、シートにテープを固着する直前の工程においての粘着材塗布も可能である。
このような問題を解決するためには、インレット(4)部分がシートまたはケースに貼着されるようにする。その方法としては、大判インレット固着後、又はインレット基板に予め、粘着材を塗布する方法が挙げられる。シート材への貼着工程で、特に2〜5mmの狭幅のインレット付テープに粘着材を塗布しながらインレット付テープをシートに固着することは困難なため、インレット付テープにスリットする前にインレット(4)部分に粘着材を塗布する。ただし、インレット付テープの幅が十分にあり、このテープへの粘着材の塗布幅を制限して、または過剰な塗布を制限できてシートに対する圧着後に粘着材がテープからはみ出さない塗布加工ができる精巧な装置において、またはシート間に挿入する固着条件においては、シートにテープを固着する直前の工程においての粘着材塗布も可能である。
大判インレット固着後に塗布する方法は、テープ基材(15)上に大判インレット(8)を配設して固着した後に、インレット(4)部分に粘着材を塗布する方法である。(この装置図は省略する。)大判インレットを中心に粘着材又は接着材を塗布する。
インレット素が配設された面をテープ基材の粘着面に向けて大判インレットを配設・固着した後に、常温で粘着性が得られる粘着材又は加熱によって粘着性が得られるホットメルト接着材を大判インレットの裏側面に塗布する。この場合のホットメルト塗布は、塗布時に若干の突起として存在するICチップに加圧する状態を避けるために、ノズルによる塗布、または特殊な構造のノンクラッシュロールを用いたロール塗布を行う。通常は全面的に塗布するロール塗布法が用いられるが、フォーム、ラベルの製作で用いる間歇部分塗布法を用いることもできる。
市販品のホットメルト接着材の塗布量は、8g/cm2〜40g/cm2で、膜厚さは10μm〜30μmの範囲になるようにする。インレット付テープを固着するシートの表面状態によって膜厚さを調整する。また市販品の粘着材の塗布厚さはテープ加工に用いる一般的な厚さである15μm〜20μmにする。
インレット素が配設された面をテープ基材の粘着面に向けて大判インレットを配設・固着した後に、常温で粘着性が得られる粘着材又は加熱によって粘着性が得られるホットメルト接着材を大判インレットの裏側面に塗布する。この場合のホットメルト塗布は、塗布時に若干の突起として存在するICチップに加圧する状態を避けるために、ノズルによる塗布、または特殊な構造のノンクラッシュロールを用いたロール塗布を行う。通常は全面的に塗布するロール塗布法が用いられるが、フォーム、ラベルの製作で用いる間歇部分塗布法を用いることもできる。
市販品のホットメルト接着材の塗布量は、8g/cm2〜40g/cm2で、膜厚さは10μm〜30μmの範囲になるようにする。インレット付テープを固着するシートの表面状態によって膜厚さを調整する。また市販品の粘着材の塗布厚さはテープ加工に用いる一般的な厚さである15μm〜20μmにする。
或は、大判インレットにおけるインレット素が配設されていない裏側面をテープ基材の粘着面に向けて配設・固着した後に、常温で粘着性が得られる粘着材又はホットメルト接着材を大判インレットの表側面、即ちインレット素の上に塗布する。塗布される粘着材の層はシートへの貼着加工時の衝撃・摩擦からインレット素を保護することができる。
この状態のインレット付テープをケース等のシート材に貼着すると、外部衝撃をテープ基材及びインレット基板の二枚のプラスチックフィルムと、シート材とでインレット素を挟むので、インレット素が高度に緩衝されて保護される。
この状態のインレット付テープをケース等のシート材に貼着すると、外部衝撃をテープ基材及びインレット基板の二枚のプラスチックフィルムと、シート材とでインレット素を挟むので、インレット素が高度に緩衝されて保護される。
もう一つの、インレット基板に塗布する方法は、インレット基板の裏側面、即ちインレット素が配設されない面に予め粘着材を塗布しておく方法である。この粘着材には、大判インレットをテープ基材に配設する際には粘着性が発現しないものを採用する。ホットメルト型粘着材は冷却によって粘着性がなくなるタイプであり、この目的にかなう。これ以外でも、プラスチック製のインレット基板に表面加工を施して水系の粘着材が使用できるようにしておけば、ポリビニルアルコールに代表される再湿型の粘着材を予め塗布乾燥させる使用法も可能になる。
インレット基板の裏側面に粘着材を塗布するタイミングとしては、インレット素(104)がインレット基板(3)上に配設されて大判インレットにカットされる前であれば特に限定されない。例えば、上記ステップ3において、スリットされた各インレットロール(5)がロール状に巻き取られていく前に、粘着材を塗布することができる。また、インレット素(104)が配設される前のインレット基板(3)の裏側面となる面に、粘着材を塗布することもできる。
インレット基板へのホットメルト型粘着材の塗布の仕方としては、ロール塗布または押出し塗布を挙げることができる。
インレット基板へのホットメルト型粘着材の塗布の仕方としては、ロール塗布または押出し塗布を挙げることができる。
ホットメルト法は、通常150〜180で溶融する樹脂及びワックスの混合物のホットメルトを用い、ロール塗布法で塗布面に均一に塗布する。60℃〜90℃付近で塗布できる低温タイプ、および両者の中間タイプも使用することもできる。このホットメルト法によって粘着材が塗布された後、作製されたインレット付テープは、シート材に貼着される際に加温される。できるだけ低温で溶融するように調整したホットメルト型粘着材を用いるのが生産上は好都合である。
例えば、通常の段ボール、プラスチック段ボールのように生産工程で加熱を伴う場合には、このホットメルト塗布済みのインレット部分を、高温になっているシート面に対し、ベルト等によって押し当てると、テープ基材に塗布されていた粘着材によってインレット周辺で接着が起こり、同時にインレット基板に塗布されていたホットメルトが溶融して接着が始まるため、このための熱源が不要となり都合が良い。
例えば、通常の段ボール、プラスチック段ボールのように生産工程で加熱を伴う場合には、このホットメルト塗布済みのインレット部分を、高温になっているシート面に対し、ベルト等によって押し当てると、テープ基材に塗布されていた粘着材によってインレット周辺で接着が起こり、同時にインレット基板に塗布されていたホットメルトが溶融して接着が始まるため、このための熱源が不要となり都合が良い。
これらのように大判インレット固着後に塗布する方法やインレット基板に塗布する方法によって、裏側面に粘着材が塗布された大判インレットは、インレット素をテープ基材側にしてテープ基材上に配設されて固着される。このテープ基材がスリットされてインレット付テープになる。このインレット付テープのインレット(4)部分には粘着材が塗布されている。即ち、テープ全面に粘着層が形成されている状態であり、このようなインレット付テープをシート材に接着させると、ICタグが剥離等する危険性が軽減される。特にテープ幅が2〜5mmで、アンテナ長さが長くなる物流用のUHFタイプのICタグの場合でも、浮き長さが問題になることもなく、輸送途上のトラブル防止や販売時の品質不安の解消につながる。
上述のような大判インレット(8)をマガジン(20)に装填して用いる場合、インレット(4)を単独に打ち抜き成形した単体のインレット(4)をマガジンに装填する場合と比べ、生産効率および生産コストの面で有利となる。即ち、この大判インレット(8)に対応して使用するテープ基材(15)は広幅になり、テープ粘着面に大判インレット(8)を安定した状態で固着させるために一旦巻き取って置いた後、所定の本数にスリットして該所定の個数のインレットリールを製作することができる。特に、極小のインレットを用いる際には、品質を維持しながら生産することができる効果を発揮する。そして、極小のインレット製作にまで進んだ技術開発品をそのまま生かし、極小幅のインレット付きテープとして工業的に利用できる形態の資材に仕上げることができる。
ここまで、テープ基材の片面の粘着面に載置されたインレット部分がシートまたはケースに貼着されるように、大判インレット固着後、又はインレット基板に予め、粘着材を塗布する方法について説明した。
次に、両面に接着剤が塗布されたテープ基材を使用する場合について説明する。
このテープ基材は、インレット付テープをシート表面にオンマシンで、またはオフマシンで貼着するのではなく、二枚のシート、布または部材間にインレット付テープを挟み込んで貼着する場合に適用するものである。つまり、テープ基材の両面にホットメルト接着層を形成した後、冷却してリールに巻きつけられるようにする手法である。
このホットメルト材は、一般的な温度帯で溶融するグレードを用いることができるリール状態で軽いブロッキングが生じる程度であれば、巻き取り時に自着して利用できるが、荷重がかかる条件では過度のブロッキングが発生することからブロッキング防止剤の混合または塗布によってその程度を調整する。
次に、両面に接着剤が塗布されたテープ基材を使用する場合について説明する。
このテープ基材は、インレット付テープをシート表面にオンマシンで、またはオフマシンで貼着するのではなく、二枚のシート、布または部材間にインレット付テープを挟み込んで貼着する場合に適用するものである。つまり、テープ基材の両面にホットメルト接着層を形成した後、冷却してリールに巻きつけられるようにする手法である。
このホットメルト材は、一般的な温度帯で溶融するグレードを用いることができるリール状態で軽いブロッキングが生じる程度であれば、巻き取り時に自着して利用できるが、荷重がかかる条件では過度のブロッキングが発生することからブロッキング防止剤の混合または塗布によってその程度を調整する。
大判インレットを固着する側のテープ基材には低温で溶融するホットメルト接着剤を塗布しておき、その反対側にはそれより高温で溶融するホットメルト接着剤を塗布しておく。この構造にすることによって、大判インレットを固着する際には、このテープ基材を巻きだした後、低温で溶融する温度になるように設定した加熱槽、または誘電加熱装置を通してこの側のホットメルト塗布部を十分な粘着状態にする。この場合には、テープ基材の両面はともに離型処理を施していない通常の表面状態になっている。
このようにして作製した大判インレット付からスリットされたインレット付テープの使用時においては、常温では粘着性が発揮されないインレット付テープを二枚のシート間に挟みこんで配置し、そのインレット付テープを高温で溶融する温度条件まで加温して全体を圧着する。すると、この両面ホットメルト塗布のテープは離型紙をはがした両面テープと同じ作用を発揮して二枚のシートをテープの両側に塗布したホットメルト接着剤によって連結し、冷却後は十分に接着させることになる。
このように製造したインレット付テープは離型紙を用いる必要がなく、リール状に巻き取ることができる。保管条件等によって二種類のホットメルト間でブロッキングが発生する場合には、離型材をホットメルト材が溶融後に接着性を阻害しない程度の量を、または種類を選定して、一方の塗布側に離型材を表面塗布または混入させることで対処する。
このようにして作製した大判インレット付からスリットされたインレット付テープの使用時においては、常温では粘着性が発揮されないインレット付テープを二枚のシート間に挟みこんで配置し、そのインレット付テープを高温で溶融する温度条件まで加温して全体を圧着する。すると、この両面ホットメルト塗布のテープは離型紙をはがした両面テープと同じ作用を発揮して二枚のシートをテープの両側に塗布したホットメルト接着剤によって連結し、冷却後は十分に接着させることになる。
このように製造したインレット付テープは離型紙を用いる必要がなく、リール状に巻き取ることができる。保管条件等によって二種類のホットメルト間でブロッキングが発生する場合には、離型材をホットメルト材が溶融後に接着性を阻害しない程度の量を、または種類を選定して、一方の塗布側に離型材を表面塗布または混入させることで対処する。
上述のような両面ホットメルト塗布のインレット付テープは、低温で溶融する特性を生かして、このテープを溶融する低温で加熱しておけば、このテープの片側のみを粘着状態にしておくことができる。つまり、通常の粘着材を塗布したインレット付テープと同じような取り扱いをすることができる。そして、完全な接着状態を得るために第二段階の加熱工程を経るようにする。このようなテープは、オンマシンで、またはオフマシンで位置決めを必要とする場合に好適である。
このように大判インレットを用いて製造した両面ホットメルト接着剤塗布のインレット付テープは、製本の自動化ラインにおいて複雑な粘着材またはホットメルト材の塗布工程を簡略化することになる。通常粘着材を表紙の裏側の所定位置に塗布し、次に封止インレットを一個ずつマガジンから、またはICラベルを半切のラベル付シートから取り出して固着し、次の工程でその上にまた粘着材を塗布して本文の折丁の背中部に固着する工程を簡略化できる。予めインレット付テープの両面に二温度帯のホットメルト接着剤を塗布しておき、テープ繰り出しの後、用いる加熱温度を調整することによって、製本ライン速度に容易に適合させることができるインレット取り付けが可能になる。これによって従来の製本ラインを大きく、また長いラインに組み替えることなく、一部装置の導入設置で済むようになる。
この両面ホットメルト接着剤塗布のインレット付テープを製造する際に、インレット部についても、上述したように片側に粘着材を塗布するインレット付テープ製造における諸加工と同じように、インレット基板の露出する側にホットメルト材を塗布しておく等の加工を組み込んでおくならば、図15に示す構造になるように、二枚の紙、またはシート、布等を全面において接着させることができる。テープ基材(15)においてインレットが配設される粘着面に低融点ホットメルト塗布層(43)を備え、その粘着面の反対面には高融点ホットメルト塗布層(41)が設けられている。また、インレット基板上にもホットメルト塗布層(45)が設けられている。このインレット基板の露出する部分のホットメルト材はどの融点で溶融するタイプのものでもよい。
上述のようなテープ基材の両面に2温度帯のホットメルト材を塗布することによる位置決め効果を得る加工方法の他に、低温溶融側の面に線状に粘着材を入れ込む組み合わせ加工にすることもできる。この粘着材と低温加熱による溶融面とによって、インレット付テープの位置決め保持効果を得ることができる。この場合は、このテープ幅内を二分割または三分割して塗布できる十分な幅を有する最終スリット幅になるテープ幅が不可欠になる。10mm程度以上の加工幅を有することが望ましい。例えば10mm幅のテープであるならば、隣接のテープ幅との関係で、粘着材とホットメルト材をそれぞれ10mmずつ塗布し、それぞれの範囲を半分に分割するスリットによって10mm幅のテープ内に粘着材と低温ホットメルト材が塗布されたテープに仕上げることになる。これを巻き取る際に生じるブロッキング状態を考慮すると、粘着材は粘着力の弱いグレードを選定する方が好ましい。
この分割塗布に替えて、二種類の粘着材と低温ホットメルト材を混錬して塗布することによっても類似の位置決め効果を得ることができる。この場合には、リールに巻き取る際に粘着材の粘着効果によって、自着してリール形状を保持することができる。また最終加熱によって、溶融するホットメルト材は溶け出す現象によって接着するシート材の面が隙間の多いメッシュであるとその間に深く浸透し、強固に二枚のシートまたは二個の材料を接着することができる。
またICタグ(インレット)を作業服、または高級衣料の襟芯材の層間に、または生地の折り返し部分に挿入する需要に対して、および靴材の内部にまたは組み立て材の内部に固定する需要等に対して、また電気部品を形成する際のラミネート用接着剤としても用いることができる。
この種の両面ホットメルト接着材塗布のインレット付テープを使用する場合には、このテープをリールから引き出した後、インレット部を確認して損傷しない部分での一個分を切り出し、これを固定したい位置に仮留めしてしてから、アイロン加熱・プレスすることで二枚の素材間に確実に固着することができる。
これ以外にもキャッシュカードのICカードおよび電子パスポート、電子免許証、社員IDカード等のID用途にも、両面ホットメルト接着材塗布のインレット付テープを表裏フィルムの層間に挿入した後、表裏フィルム等を用いたラミネート加工後には分離・剥離できない状態にICタグ(インレット)を簡便に接着することができる。
この種の両面ホットメルト接着材塗布のインレット付テープを使用する場合には、このテープをリールから引き出した後、インレット部を確認して損傷しない部分での一個分を切り出し、これを固定したい位置に仮留めしてしてから、アイロン加熱・プレスすることで二枚の素材間に確実に固着することができる。
これ以外にもキャッシュカードのICカードおよび電子パスポート、電子免許証、社員IDカード等のID用途にも、両面ホットメルト接着材塗布のインレット付テープを表裏フィルムの層間に挿入した後、表裏フィルム等を用いたラミネート加工後には分離・剥離できない状態にICタグ(インレット)を簡便に接着することができる。
本発明は、デジタル情報が記録されたインレットを包装ケース表面に貼着するための装置に対して好適に利用されるものである。また、該インレットを二枚のシートなどの間に挟み込んで貼着する場合にも好適に利用されるものである。
1 ICチップ
2 アンテナ
3 インレット基板
5 インレットロール
6 スリット線
7 切断線
104 インレット素
2 アンテナ
3 インレット基板
5 インレットロール
6 スリット線
7 切断線
104 インレット素
【書類名】 明細書
【技術分野】
【0001】
本発明は、大判インレットの製造方法、インレット付テープ、その製造方法及びその製造装置に関し、詳しくは、複数のインレット素が一列に配設された大判インレットの製造方法、そのインレット素を、切断シート長さに対応する所定間隔でテープ基材上に配設固着し、スリットしてなるインレット付テープ、その製造方法及びその製造装置に関するものである。ここでいうインレット素は、インレット基板(フィルム)に搭載されるICチップとアンテナで、通信・演算・記憶に関するインレット構成要素である。インレット基板とインレット素で構成されているものはインレットと称する。また、大判インレット基板とこれに搭載される複数のインレット素からなるものは、大判インレットと称する。
なお、インレットは、このICチップ内にアンテナを組み込んだ内部アンテナ方式であって、プリントまたはエッチング法でアンテナをICチップの外部に形成しないものを含むものとする。
【背景技術】
【0002】
包装容器等に加工して用いるダンボール、プラスチックフィルム、板紙等のシート材に対して、メーカ名、製造のシリアル番号等をデジタル情報として記録し、読み取るICタグとして機能するインレットをシートの加工段階で貼着する技術が提案されている。
また、個々の商品パッケージにも貼着し、流通管理、販売管理に利用するICチップ搭載のICタグの回路設計、無線電波の処理方法、その他の標準化は急速に進んできている。
また、ICチップと電波用アンテナ、リーダライタ等のハードのコストを低減する検討が進んでいる。なお、本発明でいうICは、ICチップの他にプリントで形成されるICを含むものとする。
【0003】
このような状況において、現在の問題は、インレットを包装材、その他の流通物に安価に、かつ高い信頼性を付与して、トラブルなく長期に実施でき、多品種に取付けられる方法が求められている。
現在の手法は、単にインレットを粘着材付きで、機械的なハンドリングができ、衝撃等で脱落しないようなやや大きめのラベルに作り変えて、輸送箱および商品の外面に一個ずつ貼付けるものである。
インレットの本格的普及を控えて、運転・保守管理に人手を要しないで、材料が安価であり、シートの加工段階又は包装段階で自動的に貼着でき、脱落することなく、また、こすれによる損傷がないような安価で確実なインレット取り付け方法が求められている。
【0004】
現在、インレットを取付ける包装容器の中で、代表的なダンボール箱について見ると、日本及び欧米ではダンボール箱に商品を詰めた後に、インレットよりかなり大きめのサイズにして取り扱いを良くしたラベル状のインレットをラベラで一個ずつ貼付けている。
現在のところ、不良率が10%を超えながらも試験的に実施されていることもあって、ラベル貼りが特別問題視されてはいないが、近い将来、輸送箱、販促箱の全部にインレットを取付けるようになり、又は医薬品カートンにインレットを取付けるようになると、離型紙を外して使用するラベル自体がインレット取り付けのコストアップ要因になっているとして問題になると見られる。
【0005】
この粘着材付ラベルとしての使用に対し、包材等シート材に通常の加工速度で、またはラベル貼りよりは高速で所定の位置に取付けられ、かつ脱落トラブルが生じにくく、インレット自体を含んだ状態での良品のみを包装ラインに供給できるものとして、基板フィルムにICチップとアンテナを搭載したインレットを、引張り強度に優れる粘着材付テープ基材に、シート切断寸法である所定間隔で配設固着したインレット付テープが提案されている(下記特許文献1参照)。
そのインレット付テープは、細幅の粘着材付テープに、細長いインレットを、その幅(短辺)方向をテープ幅の方向にして所定間隔で固着している。このようなインレット付テープの製造には、矩形のインレットにおいて、幅の広い辺がテープ状のフィルムの幅方向になるように、インレット素がフィルムに配設されたインレットロールが多く用いられる。
【0006】
しかしながら、このように配設されたインレット素をインレットロールから切出して、インレット幅(短辺)と略等しい細幅のテープ基材上に配設固着して、インレット付テープを製造することは容易ではない。用いる電波の種類によってインレットのサイズは異なるが、特に、1〜2mm×60〜70mm程度の小型インレットや、0.4mm角などの超小型インレットをテープ基材上に配設固着することは、相当困難であり、可能であるとしても生産性は相当悪くなる。
小型インレットでなくても、インレットロールから切り出した単体のインレットを、素早い機械動作によってテープ幅にずれなく配設するためには、高精度なマウンティング機械(インレット移載装置)が不可欠であり、このために装置全体は大掛かりになり、かつ高価な機械に仕上がる。これは包装容器に用いるインレット付テープを安価に製造することを困難にするものである。
【0007】
このような高精度なインレット移載装置を使用できない場合には、インレットがテープ基材から飛び出さないように、ズレを想定した余裕代を設ける必要があり、インレット幅に対してやや大きめのテープ幅になるように製作することになる。これによってテープ基材の材料費が幾分高くなる。
現在の一般的な小形ICタグにおいて、最も狭い幅を有するインレットの外部アンテナの輪郭サイズは、幅が約1.5mm、長さが約65mmで、インレット基板上に配設される隣のアンテナとの間隔は1mm程度となる。これを、例えば紙製カードの層内に納める場合には、この間隔内でスリットして分割されたインレットとして使用するが、機械的に扱うには小さすぎるため、インレット基板のフィルムと新たにICの上に用いるラミネートフィルムでICとアンテナをサンドウィッチし、幅が約9mm、長さが約70mmの二周りも大きな部材に仕上げてから用いている。また、単に物品の表面に固定するためには、脱落防止のためにこれよりさらに大きなサイズのラベルに仕上げて使用することが行われている。
このように小型のインレットを、わざわざ大きい部材に仕上げることなく、取り扱うことが望まれる。
【0008】
【特許文献1】 特開2005−310137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、生産性を向上しながら正確かつ確実に、また安価にインレットをテープ基材上に配設固着するための大判インレットの製造方法、この大判インレットを用いて製造されたインレット付テープ、その製造方法及びその製造装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、インレット基板のロールから繰り出したインレット基板上に、インレット素を、ロール幅方向に所定間隔をあけて縦列に、且つ、ロール長さ方向に所定間隔をあけて並列に配設していくステップと、前記インレット素が縦列及び並列に配設されたインレットロールにおいて、該インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに、切断して大判インレットにするステップとを有することを特徴とする大判インレットの製造方法に関する。
【0011】
本発明の一実施形態は、前記インレット基板上に、インレット素を縦列及び並列に配設した後、前記インレット素が配設されたインレットロールの幅方向において、該インレット素が配設された一端側から、各インレット素間をスリットしていくステップを有し、前記大判インレットにするステップにおいて、スリットされた各インレットロールにおいて、該インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに切断することを特徴とする。
【0012】
本発明の一実施形態は、前記インレット基板上にインレット素を縦列及び並列に配設した後、前記インレットロールの長さ方向におけるインレット素間に穴をあけるステップを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の一実施形態は、前記インレット素が配設される前に、該インレット素が配設されない前記インレットロールの裏側面に予め粘着材が塗布されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の一実施形態は、前記配設していくステップにおいて、前記インレット素を、前記ロール長さ方向に、または幅方向に、または両方向に所定間隔がゼロで並列に配設していくことを特徴とする。
【0015】
本発明は、テープ基材の粘着面側において、複数個のインレット素がインレット基板上に一列に配設された大判インレットを固着する段階を経て製造されてなるインレット付テープであって、該大判インレットが、前記インレット素が一列に配設された方向を前記テープ基材の幅方向に合わせ、所定間隔をあけて該テープ基材上に固着され、該大判インレットにおいて一列に配設された複数のインレット素間を通るように、該大判インレットとともに前記テープ基材がその長さ方向にスリットされ、スリットされた各テープ基材上に、インレットが一列に所定間隔で配設されていることを特徴とするインレット付テープに関する。
【0016】
本発明の一実施形態は、前記粘着面の反対面に、該粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されてなることを特徴とする。
【0017】
本発明の一実施形態は、前記大判インレットは、前記複数個のインレット素が隣接して配置されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の一実施形態は、前記大判インレットが、前記テープ基材上に固着された段階において、又はシートにインレット付テープを固着する段階において、該大判インレットの露出面に粘着材が塗布されてなることを特徴とする。
【0019】
本発明の一実施形態は、前記大判インレットは、前記インレット素が配設されていない裏側面に予め粘着材を塗布し、その表側面を前記テープ基材側にして該テープ基材上に固着され、当該インレット付テープが被貼着物に貼着される際に加熱され、前記裏側面の粘着材が溶融するようになっていることを特徴とする。
【0020】
本発明の一実施形態は、前記テープ基材上に固着されたインレットの周りにおいて、該インレットのスリットされた側の少なくとも一方側において、前記インレット基板が切り欠かれた領域を有することを特徴とする。
【0021】
本発明の一実施形態は、前記テープ基材の粘着面と前記インレット基板とによって、該インレット基板に搭載されたインレット素が挟まれていることを特徴とする。
【0022】
本発明の一実施形態は、前記大判インレットと共に前記テープ基材がその長さ方向にスリットされるとき、該長さ方向に沿った前記インレットの両端で切断されてなることを特徴とする。
【0023】
本発明は、片面に粘着材が塗布されたテープ基材が巻かれたテープ基材リールから該テープ基材を繰り出して走行させるステップと、複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットを、該インレット素が一列に配設された方向を、前記テープ基材の幅方向に合わせ、所定間隔をあけてその粘着面側に載置するステップと、該大判インレットが接着されたテープ基材を、該大判インレットにおいて一列に配設された複数のインレット素間を通るようにスリットするステップと、スリットされてインレットが一列に所定間隔で配設されてなる各インレット付テープを、別個に巻き取るステップとを有することを特徴とするインレット付テープの製造方法に関する。
【0024】
本発明の一実施形態は、前記走行させるステップの前に、前記片面の反対面である第2の粘着面に、該片面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材を塗布するステップを有することを特徴とする。
【0025】
本発明の一実施形態は、前記載置するステップの後、前記大判インレットの露出面に粘着材を塗布するステップを有することを特徴とする。
【0026】
本発明の一実施形態は、前記大判インレットは、前記インレット素が配設されていない裏側面に予め粘着材を塗布したものであることを特徴とする。
【0027】
本発明の一実施形態は、前記スリットするステップにおいて、前記テープ基材の長さ方向に沿った前記インレットの両端でスリットし、余分な間隔分のテープが除去されることを特徴とする。
【0028】
本発明は、テープ基材の粘着面上にインレットを配設するインレット付テープ製造装置であって、片面に粘着材が塗布されたテープ基材が巻かれたテープ基材リールと、複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットが装填され、開口部から該大判インレットが引き出されるマガジンと、前記テープ基材リールから繰出されて走行するテープ基材、又は走行して一端停止したテープ基材を挟んで、前記開口部と対峙するピックアップ部と、前記テープ基材上に接着された大判インレットにおいて一列に配設されたインレット素間を切断するスリッタと、該スリッタによって切断されて、インレットが一列に所定間隔で配設されてなる各インレット付テープを、夫々巻き取る複数のリールとを備え、前記マガジン又はピックアップ部が対峙するピックアップ部又はマガジンに近づくように移動することによって、テープ基材の粘着面が開口部の大判インレットに押し当てられ、該マガジン又はピックアップ部の復帰によって、テープ基材に接着された大判インレットがマガジンから引き出されることを特徴とするインレット付テープ製造装置に関する。
【0029】
本発明の一実施形態は、前記粘着面の反対面に、該粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されていることを特徴とする。
【0030】
本発明の一実施形態は、前記ピックアップ部は、往復運動するアーム又はロールであって、前記開口部と前記ピックアップ部とが対峙する部分を挟み、前記テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、該テープ基材の粘着面側に、大判インレット引き出しバーを備え、該大判インレット引き出しバーは、前記ピックアップ部の移動に追従し、該テープ基材を前記開口部から押し離すことを特徴とする。
【0031】
本発明の一実施形態は、前記ピックアップ部は、サクション機能を有して往復運動するアーム又はロールであって、前記開口部と前記ピックアップ部とが対峙する部分を挟み、前記テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、該テープ基材の非粘着面側に、ピックアップ部引き離しバーを備え、該ピックアップ部引き離しバーは、前記ピックアップ部の吸引及び降下によって押し下げられるテープ基材を受け止めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、インレット基板上に所定間隔をあけて縦列及び並列にインレット素を配設し、各インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに切断するようにしたので、単体では小さくて取り扱い難いインレットをコンパクトにまとめて利用し易い大判インレットを製造することができ、この大判インレットを用いれば、生産性を向上しながら正確かつ確実にインレットをテープ基材上に配設固着することが可能となる。
【0033】
本発明によれば、インレット基板上に所定間隔をあけて縦列及び並列にインレット素を配設し、ロールの幅方向において各インレット素間をスリットし、スリットされた各インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに切断するようにしたので、単体では小さくて取り扱い難いインレットをコンパクトにまとめて利用し易い大判インレットを製造することができ、この大判インレットを用いれば、生産性を向上しながら正確かつ確実にインレットをテープ基材上に配設固着することが可能となる。
【0034】
本発明によれば、インレット素が縦列及び並列に配設された後に、インレットロールの長さ方向におけるインレット素間に穴をあけるようにしたので、この大判インレットを用いてテープ基材上に配設固着されて製造されるインレット付テープは、インレット周りに粘着材の露出部分を有し、ケースなどの物品に貼着したときに、インレットがテープ基材と物品とで覆われる形になり、インレット基板の厚さは0.15mm程度と極薄であることからインレットがその4辺でテープの粘着材部によって固定されることにより強固に保護される。
【0035】
本発明によれば、前記インレット素が配設される前に、インレットロールの裏側面に予め粘着材が塗布されているので、この大判インレットをインレット素がテープ基材側になるようにテープ基材上に固着して大判インレット付テープを作製し、その大判インレット付テープをスリットして作製したインレット付テープは、シート材に貼着する際に、インレット部分の粘着材によってシート材により強固に貼着することができる。
【0036】
本発明によれば、前記配設していくステップにおいて、インレット素をロール長さ方向に所定間隔がゼロで並列に配設していくので、この大判インレットをテープ基材上に固着して作製した大判インレット付テープは、インレット素を分けるようにしてスリットすれば、余裕代のない狭幅のインレット付テープを作製することができる。
【0037】
本発明によれば、複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットが、インレット素が一列に配設された方向をテープ基材の幅方向に合わせてテープ基材上に固着され、並列に配設された複数のインレット素間を通るようにテープ基材を長さ方向にスリットされて、テープ基材上にインレットが一列に所定間隔で配設されてなるインレット付テープであるため、スリット断面で、テープ基材の長さ方向の両側面とインレットの長さ方向の両側面とが完全に一致する1つの平面を形成しているので、所定間隔をテープ基材の切断長さとして切断すれば、そのままケースなどの物品に貼着することができる。
【0038】
本発明によれば、前記粘着面の反対面に、その粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されているので、テープ基材を巻き出して大判インレットをテープ基材に固着する際には、テープ基材を低温で溶融する温度に設定した加熱槽等を通すことによって、大判インレットを固着する側である粘着面側のみを適度な粘着状態とすることができる。また、大判インレット付テープから分けられたインレット付テープを二枚のシートなどの間に貼着する際には、インレットが固着されていない反対面の粘着材も溶融する高い温度に設定することによって、テープ基材の両面を粘着状態とすることができる。
【0039】
本発明によれば、前記大判インレットは、前記複数個のインレット素が隣接して配置されているので、余裕代のない狭幅のインレット付テープを得ることができる。
【0040】
本発明によれば、前記大判インレットがテープ基材上に固着された段階において、又はシートにインレット付テープを固着する段階において、大判インレットの露出面に粘着材が塗布されているので、シート材に貼着する際に、インレット部分の粘着材によってシート材により強固に貼着することができるインレット付テープが得られる。
【0041】
本発明によれば、前記大判インレットは、その裏側面に予め粘着材が塗布されて表側面がテープ基材に固着され、被貼着物に貼着される際に加熱されて裏側面の粘着材が溶融するようになっているインレット付テープであるため、大判インレットやさらに小さい個別のインレットの状態でインレット素に粘着材を塗布する必要がなく、加熱するだけで被貼着物に貼着することができ、しかもインレット素が配設された表側面がテープ基材側にされてインレット素が保護されているインレット付テープを提供することができる。
【0042】
本発明によれば、前記テープ基材上に固着されたインレットの周りにおいて、該インレットと該テープ基材の長さ方向の少なくとも一方側との間に、前記インレット基板が切り欠かれた領域を有するので、この大判インレットを用いてテープ基材上に配設固着されて製造されるインレット付テープは、インレット周りに粘着材の露出部分を有し、ケースなどの物品に貼着したときに、インレットがテープ基材と物品とで覆われる形になり、インレットがその4辺でテープの粘着材部によって固定されることによってより強固に保護される。
【0043】
本発明によれば、テープ基材の粘着面とインレット基板とによって、インレット基板に搭載されたアンテナ及びICチップが挟まれているので、これらを最小部材で効率的に強固に保護することが可能となる。
【0044】
本発明によれば、前記大判インレットと共にテープ基材がその長さ方向にスリットされるとき、長さ方向に沿ったインレットの両端で切断されているので、余裕代のない狭幅のインレット付テープを得ることができる。
【0045】
本発明によれば、複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットを、インレット素が一列に配設された方向をテープ基材の幅方向に合わせ、テープ基材の粘着面側に所定間隔で載置して大判インレット内に一列に配置された各インレット素を分けるようにスリットし、個別のインレットがテープ基材上に一列に所定間隔で配設されてなるインレット付テープを製造するようにしたので、インレットが取り扱い易く、インレット周りに余分な余裕代をとるようなことを避け、生産コストを抑え、生産性を向上することが可能となる。
【0046】
本発明によれば、前記片面の反対面である第2の粘着面に、その片面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材を塗布するステップを有するので、テープ基材を巻き出して大判インレットをテープ基材に固着する際には、テープ基材を低温で溶融する温度に設定した加熱槽等を通すことによって、大判インレットを固着する側である粘着面側のみを適度な粘着状態とすることができる。また、大判インレット付テープから分けられたインレット付テープを二枚のシートなどの間に貼着する際には、インレットが固着されていない反対面の粘着材も溶融する高い温度に設定することによって、テープ基材の両面を粘着状態とすることができる。
【0047】
本発明によれば、前記載置するステップの後、大判インレットの露出面に粘着材を塗布するステップを有するので、シート材に貼着する際に、インレット部分の粘着材によってシート材により強固に貼着することができるインレット付テープを得ることができる。
【0048】
本発明によれば、前記大判インレットは、その裏側面に予め粘着材を塗布したものであるため、シート材に貼着する際に、インレット部分の粘着材によってシート材により強固に貼着することができるインレット付テープを得ることができる。
【0049】
本発明によれば、前記スリットするステップにおいて、テープ基材の長さ方向に沿ったインレットの両端でスリットし、余分な間隔分のテープが除去されるので、余裕代のない狭幅のインレット付テープを得ることができる。
【0050】
本発明によれば、大判インレットが収納されたマガジンに設けられた開口部と、該開口部と走行するテープ基材を挟んで対峙するピックアップ部と、テープ基材の長さ方向にインレット間を切断するスリッタとを備え、前記マガジン又はピックアップ部の移動によってテープ基材の粘着面が開口部の大判インレットに押し当てられ、該マガジン又はピックアップ部の復帰によってインレットが引き出されるようにしたので、テープ基材の粘着材による粘着力を利用して走行するテープ基材上に、または静止するテープ基材上に生産性を維持しながらインレットを正確かつ確実に配設固着でき、マガジン及びピックアップ部の簡易な構成でインレット付テープを安価に製造することが可能である。また、インレットを複数個まとめて大判インレットとして扱って、テープ基材上に固着された後にスリットし、個別のインレットが所定間隔で一列に固着されたインレット付テープとするので、インレットが取り扱い易く、インレット周りに余分な余裕代をとるようなことを避け、生産コストを抑え、生産性を向上することが可能となる。
【0051】
本発明によれば、前記粘着面の反対面に、その粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されているので、テープ基材を巻き出して大判インレットをテープ基材に固着する際には、テープ基材を低温で溶融する温度に設定した加熱槽等を通すことによって、大判インレットを固着する側である粘着面側のみを適度な粘着状態とすることができる。また、大判インレット付テープから分けられたインレット付テープを二枚のシートなどの間に貼着する際には、インレットが固着されていない反対面の粘着材も溶融する高い温度に設定することによって、テープ基材の両面を粘着状態とすることができる。
【0052】
本発明によれば、開口部とピックアップ部とが対峙する部分を挟み、テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、テープ基材の粘着面側に、大判インレット引き出しバーを備え、大判インレット引き出しバーをピックアップ部の復帰とともに引き出し、該テープ基材を押すようにしたので、開口部の大判インレットに押し当てられたテープ基材を素早く押し離すことができ、テープ基材が走行する状態でも、該テープ基材の粘着材による粘着力によって接着した大判インレットを開口部から確実に引き出すことが可能となる。また、大判インレット引き出しバーは、エアコンプレッサを使用する場合等と比較して簡易な機構になり、簡易な構成でインレット付テープを製造することができる。
【0053】
本発明によれば、開口部とサクション機能を有するピックアップ部とが対峙する部分を挟み、テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、テープ基材の非粘着面側に、ピックアップ部引き離しバーを備え、ピックアップ部の吸引及び降下によって押し下げられるテープ基材を、ピックアップ部引き離しバーが受け止めるようにしたので、ピックアップ部引き離しバーの位置でテープ基材の降下を止めて、テープ基材が走行する状態で、素早くピックアップ部からテープ基材を引き離すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、本発明に係る大判インレット製造方法、大判インレット付テープ及びその製造装置について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る大判インレット製造方法において使用するインレットロールの一例を示す概略構成図である。
少なくともICチップ(1)及びアンテナ(2)からなるインレット素(104)がインレット基板(3)上に配設され、巻き取られたインレットロール(5)から、少し引き出した状態のものを示している。なお、図中、インレット素(104)として示している矩形部分は、アンテナ(2)の外形部分に相当し、インレット素(104)とインレット基板(3)とでインレットが構成される。
【0055】
複数のインレット(4)は、その長さ方向をインレットロール(5)の幅方向に合わせ、所定の間隔をあけて縦列に配設され、インレットロール(5)の長さ方向(α)にも、所定の間隔をあけて並列に配置されている。
インレットロール(5)は、スリット線(6)と切断線(7)とで切断されて、並列に配設された所定個数のインレット素(104)、図示例では6列のインレット素(104)からなる領域で1枚の大判インレットになる。
即ち、大判インレットとは、複数のインレット素(104)がインレット基板(3)上に所定の間隔をあけて一列に配設されてなるものである。この大判インレット内に収めるインレット素の数は、生産ロットのボリューム、用いるスリッタの制約、装置が扱うインレット基板の剛性等から適宜設定することができる。
なお、所定間隔には一定の規則に従って変動する場合を含むものとする。このように変動する場合、厚さを有するインレットがシート内で一定の箇所に集中しないようにして安定状態で集積しやすくすることができ、かつインレットに対する荷重集中の影響を軽減することができる。または、インレットのテープ内位置を検出装置で検出し、該インレットを固着したシートまたはカードの個別識別の情報の一つとして活用することも可能となる。
【0056】
なお、インレット素(104)は、上述のような矩形に限らず、正方形、楕円形など種々の形状があり、正方形の場合には、インレット素(104)の長さ方向と幅方向との区別がなくなる。また、矩形の場合には、上述のようにインレットロール(5)の幅方向に、インレット素(104)の長さ方向を合わせる場合に限らず、その幅方向を合わせるようにすることも可能である。即ち、インレット素(104)をロール状のインレット基板(3)上に配設する方向は、長さ方向及び幅方向の何れもロールの幅方向に配設することができる。
【0057】
本発明において、インレットの配設方向は規定されず、配置も含めて任意に配設することができる。例えば、大判インレットになる領域において、インレット素(104)は、図2(a)のような千鳥配置にしたり、図2(b)のような対角線上に配置したりすることができる。このようにインレット素(104)が一見バラバラに配設されているようであっても、大判インレットになる領域において、ロール状のインレット基板(3)の長さ方向(α)から見て同じ位置に複数のインレット素(104)が重なって配設されていなければ、インレット素(104)が一列に配設されていると言える。従って、このように一列に配設されていれば、上述の大判インレットの定義に合致する。
そして図2(a)の千鳥配置のように、大判インレットにおいて隣合うインレット素(104)がインレット基板(3)のロール幅方向に、なるべく離れて配置する場合、インレット移載装置によってインレット素(104)を効率よく配設することが可能となる。即ち、ロール状のインレット基板(3)の一端側からその長さ方向(α)にインレット素(104)を配設していくとき、長さ方向(α)における手前側に配置するインレット素(104)とその奥側に次に配置するインレット素(104)との幅方向において充分な間隔をとることができるので、複数列にインレット素(104)を同時に配設することも可能となる。
【0058】
上述の説明例では、インレット素(104)の幅の広い辺が、テープ状(ロール状)のインレット基板(フィルム)(3)の幅方向になるように配設する例を挙げた。なお、本発明の説明においては、ロール状のインレット基板(3)上に、インレット素(104)をいずれの方向に向けて配設するかにかかわらず、インレット素(104)をロール状のインレット基板(3)の幅方向に沿って配置することを縦列に配置するとし、インレット基板(3)の長さ方向(α)に沿って配置することを並列に配置すると規定する。
【0059】
この大判インレットは、その製造方法によって2つの種類に分類される。
第1の製造方法では、インレットロール(5)に所定間隔で並列に配設された複数のインレット素(104)からなる領域をそのまま大判インレットとして用いる。
第2の製造方法では、インレットロール(5)に所定間隔で並列及び縦列に配設された複数のインレット素(104)において、並列に配設された各インレット素(104)の間を打ち抜いて穴を設け、インレット素(104)間に穴が設けられた複数のインレット素(104)からなる領域を穴あきの大判インレットとして用いる。
【0060】
大判インレットの第1の製造方法について、より詳細に説明する。
まず、ロール状のインレット基板(3)をロールから引出し、インレット基板(3)の一端部において、その幅方向にインレット素(104)の長さ方向を合わせ、所定間隔をあけて縦列にインレット素(104)を配設する(ステップ1)。
縦列に配設された各インレット素(104)に対し、インレット基板(3)の長さ方向に各々1〜3mm程度の狭い間隔をあけ、各インレット素(104)を並列に配設していく(ステップ2)。なお、これらのインレット素同士の間隔は、インレット付テープに仕上げる設計条件によって、1〜3mm程度より広めに設定することもありうる。
【0061】
インレット素(104)の配設を終えたインレットロール(5)の一端側から、例えば刃物輪がスリット線の数だけ備えられたスリッタを用いて、複数のスリット線(6)上をスリットしていきながら、スリットされた各インレットロール(5)をその一端部側からロール状に巻き取っていく(ステップ3)。
この状態で各インレットロール(5)は、インレット素(104)が一列に配設されたものとなっている。また、巻き取られてロール状にされることによって、インレット基板(3)上にインレット素(104)が安全にハンドリングできることになる。なお、上記ステップ3においては、スリットの後に各インレットロール(5)を巻き取らずに、次の工程を連続してもよい。
【0062】
巻き取られた1本のインレットロール(5)を、例えば三方ガイド枠に突き当たるまで引き出して位置決めし、例えば図1のように6つのインレット素(104)を含む切断線(7)のところで切断することによって、大判インレットが製造される(ステップ4)。
このとき、切断線(7)で切断する代わりに、複数のインレット(4)の周りを打ち抜くようにしてもよい。このように打ち抜く場合、上記ステップ3においては、必ずしも全てのスリット線(6)上をスリットしてインレット素(104)が一列に配設されたインレットロール(5)にする必要はない。インレット素(104)が2列とか3列に配設されたインレットロール(5)としても、打ち抜けば大判インレットとすることができるからである。
同様にして、上記ステップ3のスリットする工程をなくし、全くスリットされていないインレットロール(5)から、大判インレットを打ち抜くようにして切断することも可能である。
【0063】
次に、大判インレットの第2の製造方法について、図1及び図3を参照して詳細に説明する。
図3は、フィルム打ち抜き装置を用いてインレットロール上のインレット素間を打ち抜く様子を示す状態図である。
ロータリー式のフィルム打ち抜き装置(11)には、上ローター(12)と下ローター(13)の間にインレットロール(5)を通し、上ローター(12)に金型(14)が設けられている。金型(14)は、上ローター(12)の金属面に放電加工で当該金型(14)部分以外は削って、当該金型(14)部分に鋭利な幅にした突起を作り、刃物としている。
【0064】
まず、第1の製造方法と同様に、ロール状のインレット基板(3)をロールから引出し、インレット基板(3)の一端部において、その幅方向にインレット素(104)の長さ方向を合わせ、所定間隔をあけて縦列にインレット素(104)を配設する(ステップ11)。
【0065】
縦列に配設された各インレット素(104)に対し、インレット基板(3)の長さ方向に各々5〜50mm程度の広い間隔をあけ、各インレット素(104)を並列に配設していく(ステップ12)。
インレット素(104)の配設を終えたインレットロール(5)の一端側では、図3のようにロータリー式のフィルム打ち抜き装置によって、インレットロール(5)の長さ方向に並列に配設されたインレット素(104)間に、例えばインレット素(104)の大きさと同程度の多角形、図3では六角形に打ち抜いて穴をあけていく(ステップ13)。
【0066】
打ち抜きを終えたインレットロール(5)の一端側から、第1の製造方法と同様に、スリッタを用いて、複数のスリット線(6)上をスリットしていきながら、スリットされた各インレットロール(5)をその一端部側からロール状に巻き取っていく(ステップ14)。
巻き取られた1本のインレットロール(5)は、第1の製造方法と同様に、複数のインレット素(104)を含む切断線(7)上で切断したり、該複数のインレット(4)の周りを打ち抜いたりすることによって、穴あきの大判インレットが製造される(ステップ15)。この穴あけ加工の目的については後述する。
この打ち抜きによって、穴あけと大判インレットの分割製作を同時に行なうことができる。
【0067】
上記第1の製造方法又は第2の製造方法によって製造された大判インレットを用いて、大判インレット付テープを制作し、その大判インレット付テープからインレット(4)が一列に配設されたインレット付テープが製造される。
なお、本発明におけるインレット付テープは粘着材が塗布されたものであり、このテープに関する各種装置が備えるロール等は粘着材が接触することによる動作に対する影響を回避するために離型効果のあるシリコーンゴム等を巻いたものとする。
また、本発明で用いる粘着材は、大判インレットをテープ基材面に固着する際に粘着性を有している接着剤を含むものである。常温ではさらさらとした表面状態になっているが、大判インレットを広幅テープ基材に移載する段階において、塗布層が加温によって粘性を増す性質のホットメルト接着剤を含むものとする。従って、このホットメルト接着剤塗布のテープ基材をスリットして製造したインレット付テープをシートに貼着する場合には、粘着性を得られるようにこのテープを加熱状態にすることが求められる。
【0068】
まず、第1の製造方法によって製造された大判インレットを用いる場合について説明する。
テープリールに巻かれたテープ基材(15)を引き出して走行させる(ステップ21)。
上記ステップ4のように切断して、又は打ち抜いて製造された大判インレット(8)は、例えば先端に小型のバキュームカップを備えたロボットアームを複数本有する移載装置によって、一枚ずつ広幅のテープ基材(15)の粘着面側に運ばれる(ステップ22)。
この粘着材はアクリル系、ゴム系の汎用粘着材を用いることができる。なお、このテープ基材(15)の表面には、離型処理を施しておく。またこの粘着材の塗布はテープ基材ロールから無加工のテープを巻きだした後に、インラインで行うようにしてもよい。
【0069】
走行する、又は一旦停止させたテープ基材(15)の粘着面上に、大判インレットにおいてインレット(4)が一列に配置された方向をテープ基材(15)の幅方向に合わせ、大判インレットが配設される(ステップ23)。なお、テープ基材を一旦停止させて大判インレットを配設する際、その移載方向とテープ基材が直交する場合の例を図11に示す。
そして、所定長さのテープ基材(14)が走行すると、再びステップ22及び23を繰返し、大判インレットは、走行するテープ基材(15)の粘着面上に所定間隔で配設固着され、大判インレット付テープが製造される。
【0070】
次に、走行方向最下流部分では、大判インレットに一列に配設されたインレット間の数だけ刃物輪が備えられたスリッタを用いて、大判インレット付テープとなったテープ基材(15)を、複数のインレット間を通るようにスリットしていく(ステップ24)。
スリットされて、インレット(4)が1つずつ所定間隔をあけて、テープ基材(15)の長さ方向に配設された各インレット付テープが、それらの一端側から各々別個のインレット付テープリールに巻き取られる(ステップ25)。
このスリッタは上下回転刃式、上刃のみ回転刃(片刃式)、ウォータージェット式その他の各種装置を用いることができる。
【0071】
なお、打ち抜き装置(11)は、ロータリー式に限らず、プラテンダイカット方式などのものを採用することも可能である。
また、大判インレットを配設するテープ基材(15)として予めスリットされた複数のテープ基材(15)を用いるようにすることも可能である。具体的には、上記ステップ21において、大判インレットに配置されたインレット(4)の数及び幅に合わせてスリットされた複数のテープ基材(15)を、各テープリールにセットして同時に引き出して1本のテープ基材(15)のように合わせて走行させる。
【0072】
次いで、上記ステップ22及び23と同様にして、大判インレットが複数のテープ基材(15)上にまたがって配設される。
そして、上記ステップ24において、上記スリッタを用いて大判インレット付テープの大判インレット部分をスリットする。
このように、予めスリットされた複数のテープ基材(15)を用いる方法では、テープ幅が極端に狭くなって、製作するリール本数が多くなってくると、固着位置の誤差が生じやすくなるという欠点はあるが、同じ形状及び大きさのインレット素(104)を材質の異なるテープ基材(15)上に配設したインレット付テープを同時に製作することが可能となる。材質の異なるテープ基材(15)について少量ずつ必要な場合には、特に効率よく製作することができる。
【0073】
以上のように大判インレットを一旦作成してから、テープ基材の粘着材面にこれを固着し、大判インレットをスリットによって最終の仕様であるインレット付テープを製造する本発明の基本手法は、ラベルに代表されるようなインレット封入物を、これを搭載するシートから一個ずつ取り出せるように離型紙つきのラミネートシートを半切打抜きによって製造する方法と比較すると、インレット付包装材等が普及し、大量に消費される段階においては生産技術的に有利である。そして、リールに巻いたインレット付テープを固着する対象の走行するシートにこのテープを巻き出して固着できるシンプルな手法は、離型紙つきの比較的広幅のラベル巻き取りテープ(シート)から一個ずつ取り出しながらシート材料に固着する手法に比べて、品質信頼性および固着スピードにおいて有利である。
【0074】
何よりもインレット関連の製造技術の進歩に伴って、通信タイプによって分かれるインレットの種類にかかわらず、インレットは今後ますます小型する傾向の中にあって、インレット付資材はこの流れに対応して行かねばならない。この予想される技術の推移の中で、この大判化というインレットの集合化をベースにした生産技術は、このインレットの小型化に対応できる合理的な技術である。
なお、テープ基材(15)の材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム等の汎用樹脂フィルムの他、天然物由来のフィルム、紙等を用いることができる。フィルムの場合には環境保存の観点からは、生分解性があり、燃焼時に炭酸ガスの発生量が少ないポリ乳酸樹脂等の天然物由来のフィルムを用いることが好ましい。
【0075】
また、大判インレットをテープ基材(15)の粘着面上に移載するには、上記移載装置の他、マガジンを用いる装置によるものでもよい。
図4は、マガジンを用いるインレット付テープ製造装置の一例の一部の概略構成を示す断面図である。図5は、図4のインレット付テープ製造装置の側面図である。
【0076】
インレット付テープ製造装置(17)は、片面に粘着材が塗布されたテープ基材(15)が巻かれたテープ基材リール(18)と、大判インレット(8)が収納され、底面に設けられた開口部(19)から大判インレット(8)が引き出されるマガジン(20)と、テープ基材リール(18)から繰出されて走行するテープ基材(15)を挟んで、開口部(19)と対峙するピックアップロール(21)とを備える。また、テープ基材(15)の走行経路には、複数のロール(22)が備えられている。また、ピックアップロール(21)と開口部(19)とが対峙する部分を挟み、テープ基材(15)の走行方向上流側と下流側であって、テープ基材の粘着面(A)と反対側に、固定されたピックアップロール引き離しバー(24)が備えられている。
【0077】
なお、ピックアップロール(21)は、サクション機能を有するものであってもよく、また、図6のようにアーム(21a)としてもよい。また、テープ基材(15)の粘着材に接触するマガジン(20)およびピックアップ部(21)の表面には、テープ基材(15)の動きが阻害されないようにシリコーン加工等を施しておく。
【0078】
次に、このように構成されるインレット付テープ製造装置(17)において、インレット(4)がテープ基材(2)に固着される過程を説明する。
まず、マガジン(20)に大判インレット(8)を装填しておく(ステップ31)。
なお、マガジン(20)には、予め大判インレット(8)を収納しておく代わりに、上記ステップ4のようにして切断された大判インレット(8)を、1枚ずつホッパによってマガジン(20)の上方の位置に搬送して落下するようにしたり、安定した加圧ができる枚数まで重ねておき、開口部(19)から大判インレット(8)が引き落とされて排出されるペースに合わせて、インレットロール(5)を切断して落下させて補充したりするようにしてもよい。
【0079】
次いで、ピックアップロール(21)の上昇によって、テープ基材(15)の粘着面(A)が開口部(19)の大判インレット(8)に押し当てられる(ステップ32)。
そして、ピックアップロール(21)が降下すると、走行するテープ基材(15)のテンションとピックアップロール(21)のサクション機能によってテープ基材(15)が開口部(19)から下方向へ離れると共に、テープ基材(15)の粘着面(A)にその中央部が接着された大判インレット(8)は、開口部(19)の外へ引き出される(ステップ33)。なお、マガジン(20)内の大判インレット(8)上には、圧コントロール機構を設けて一定圧をかけておくと、大判インレット(8)がテープ基材(15)の粘着面に接着されやすくなるので好ましい。
【0080】
大判インレット(8)が開口部(19)から完全に引き出されたところで、ピックアップロール(21)がサクション機能を解除してさらに降下するとき、テープ基材(15)がピックアップロール引き離しバー(24)の位置で止まり、テープ基材(15)とピックアップロール(21)とが引き離される。(ステップ34)。
そして、ピックアップロール(21)は、最低位置まで降下し、テープ基材(15)とは一定の間隙を有する状態となる(ステップ35)。
【0081】
開口部(19)から完全に引き出された大判インレット(8)は、その長手方向両端部もテープ基材(15)上に沿って、下流側へ走行する(ステップ36)。
走行方向下流では、走行しながら複数のロール(22)に押付けられた大判インレット(8)がテープ基材(15)上に固着される(ステップ37)。
そして、所定長さのテープ基材(15)が走行すると、再びステップ32〜37を繰返し、大判インレット(8)は、走行するテープ基材(15)の粘着面(A)上に所定間隔で配設固着され、大判インレット付テープ(26)が製造される。
【0082】
次に、走行方向最下流部分では、図示しない刃物輪がスリット線の数だけ備えられたスリッタを用いて、図7(a)のような大判インレット付テープ(26)となったテープ基材(15)上の複数のスリット位置(26)をスリットしていく(ステップ38)。
スリットされて、図7(b)のようにインレット(4)が1つずつ所定間隔をあけて、テープ基材(15)の長さ方向に配設された各インレット付テープ(27)が、それらの一端側から各々別個のインレット付テープリールに巻き取られる(ステップ39)。
【0083】
ピックアップロール引き離しバー(24)の代わりに、図6のようにピックアップロール(21)と開口部(19)とが対峙する部分を挟み、テープ基材(15)の走行方向上流側と下流側であって、テープ基材の粘着面(A)側に、上下摺動する大判インレット引き出しバー(25)を備えてもよい。
【0084】
上記ステップ32において、大判インレット引き出しバー(25)は、ピックアップロール(21)の上昇と共に、又は、上昇前に、ピックアップロール(21)上昇時のテープ基材(15)と接触しない位置まで引き上げられる。
上記ステップ33では、大判インレット引き出しバー(25)は、ピックアップロール(21)の降下と共に引き下げられ、テープ基材(15)を押し下げる。
【0085】
上記ステップ34で、大判インレット引き出しバー(25)は、テープ基材(15)が、走行するテープ基材(15)のテンションによって降下する所定の位置で、該テープ基材(15)と適度な圧で接触する位置まで引き下げられる。このとき、ピックアップロール(21)は、上述のように、最低位置まで降下し、テープ基材(15)とは一定の間隙を有する状態となっている。
【0086】
なお、大判インレット(8)は、広幅のテープ基材(2)の粘着面に固着する際に、インレット基板(5)とテープ基材(15)でアンテナとICを挟み込むようにすると、このテープを機械的に取り扱う際に性能保護の面で好都合である。この理由としては、他の保護フィルムが不要となり、テープの全体的な厚さを薄くすることができるからである。また、インレット部の部分的な保護加工が不要となるので、テープ内の厚薄差を少なく抑えることができ、シートにインレット付テープを固着した場合のシート内段差を目立たなくすることができるからである。
【0087】
上述のような簡単な機構でマガジン(20)から大判インレット(8)を引き出せるのは、大判インレット(8)の形状及び構造によるものである。即ち、導電ペーストで、又は金属膜のエッチング残部として形成されたアンテナのほぼ中央に位置するICチップは、インレット内の0.2mm程度の低い突起となっていて、このインレット(4)をマガジン(6)内で加圧を受けた積層状態になっていても密着状態にならないことから二枚給紙を防止でき、また大判インレット(8)の基板フィルムの適度の剛性としなり、及び滑り特性によって、撓ませながら容易に、かつ確実に引き落とすことができる。また、ICをチップの使用ではなく、プリント方式で形成するICの場合でも、導電ペーストで複雑な形状に形成する薄い盛り上がりが、フィルム製のインレットの密着を阻害することで、同様に引き落としが容易になる。
【0088】
大判インレットを広幅のテープ基材に固着する方法は、上述のロボットアーム付移載装置のように大判インレットをある距離を移動させて移載する装置においては、大判インレットを載置する供給方向としては、テープ基材の送り方向に対して、直角方向でも平行方向でもよい。
【0089】
図8は、第1の製造方法による大判インレットを用いて製造したインレット付テープの所定間隔部分を示す。
インレット基板(5)上にICチップ(1)及びアンテナ(2)を搭載するインレット(4)が、所定間隔のテープ基材(15)上に固着されている。この所定間隔部分のインレット付テープ(27)がケースなどの物品上に貼着される。この所定間隔部分のインレット付テープ(27)では、スリット断面(30)で、インレット(4)の長さ方向の両側面(31)とテープ基材(15)の長さ方向の両側面(32)とが完全に一致する1つの平面を形成している。
【0090】
従って、このインレット付テープ(27)をケース上に貼着すると、ケースとテープ基材(15)とでインレット(4)を挟むようになり、インレット(4)部分には粘着材がないので、インレット(4)部分はケースに貼着されていない。
よって、第1の製造方法による大判インレットを用いて製造したインレット付テープを紙製包装材に貼着したものを製紙工場でパルプ資源として再利用する際には、リサイクル工程の初期段階のパルパー内攪拌による離解において、プラスチックテープ基材を紐状物として木材繊維分と分離するまでに要する時間が短縮されるメリットが生じる。これはテープ内のインレットの部分が紙製包装材に接着されていないことの効果である。攪拌機の羽の衝撃によってこの部分からの水の侵入が容易になるためである。また、このインレット付テープをパルパーに投入する前の古紙回収段階で除去する際には、この包装材と接着していないインレット下部に鋭利な金属具の先端を差し込んでテープ全体を容易に剥がすことができる。
【0091】
また、インレット付テープ製造時の品質においては、テープ基材の端部とインレット端部がスリット圧を受けて配設時の端部の密着状態がさらに強固になり、また、この切断端部では2枚のフィルム剛性が合算されることによって、このテープを高速テープ貼り機でシート状成形物に貼着する際にエッジにかかるストレスからアンテナ部を保護する上で有利である。
このように製作されたインレット付テープを紙製包装材、シート状成形材に貼着して使用するが、シート製造工程でこのインレット付テープをリールから巻きだしてシートに連続的に切断シートの端から端まで貼着するが、狭いテープ幅であり、かつインレット部周辺では長さ方向でインレットに隣接する粘着材はテープの固定には余り寄与しない。しかし、比較的大きく剛性に富んだ切断シート全長に渡って貼着してあることからインレット部の非接着部の影響は生じず、テープ厚さが薄いこともあって、機械内のシート搬送中に引っかかりによる脱落のトラブルは生じない。
【0092】
次に、このような構造を有するインレット付テープを使用できる状況について詳しく説明する。
図8のようにインレット幅が狭い幅(2〜8mm程度)のインレットになると、スリット余裕寸法が1〜2mmと小さいような場合には図9のように個別に1個ずつインレットをテープ基材に安定的に、かつ、はみ出さずに正確な位置に固着することが困難となる。このように個別にインレットが固着されたインレット付テープをリールに巻き取り、高速で走行するシートに貼り付け装置を用いてインレット付テープを貼着する場合、この貼り付け装置に備えられたロール群、ガイド群をインレット付テープが通過する際のしごき及び機械的な衝撃によって、インレットがテープ基材から剥離する恐れがある。
【0093】
そこで、図8のようなテープ構造にすると、テープ送りの際に、またシートに固着加工した後工程において、別の加工機にこのシートを給紙した場合にフィードロール等によって摩擦力が加わった際にも粘着部の剥がれは生じにくくなる。また、包装作業時において内容物を収納する際に容器の内側に露出しているインレット付きテープと摩擦および衝突が生じる場合でも、テープは剥がれにくくなる。これはインレット切断端部がテープ基材端部に密着し、同じ切断端で重なって端部が強くなっているからである。インレット側部のテープ基材にスリット余裕寸法があって、浮きが生じる場合には、機械内においてインレット部に横方向からの力によってテープのひねり、または絡まりが生じやすくなるからである。
【0094】
このように大判インレット付テープから狭い幅のインレット付テープを作製する場合、特に隣接するインレット素が間隔ゼロで配置されたインレットロールを設計すれば、大判インレット付テープをスリットする際、インレット素間を分けるようにスリットするだけで、図10のような余裕代のない狭幅のインレット付テープを作製することができる。
【0095】
ここで、従来、インレット素が間隔をあけて配置されていた事情について説明しておく。例えば、ICタグにおけるインレット素は、ICチップをほぼセンターに配置したものである。その周囲に導電素材のアンテナを銅腐食法または印刷法で所定の形状及び面積で形成したインレット素は、インレット基板上に複数形成される。各インレット素は、ポリエステル等のフィルム状のインレット基板の送り方向に対して、数ミリから30ミリ程度間隔をあけて配置される。このように間隔をあけて設計されるのは、生産工程内でICとアンテナの接合具合等を性能検査するとき、混信なく信号を受信及び送信するためである。またこのような間隔は、ラベル内にインレットを固着するために打抜きをする際に、十分な余裕寸法ともなっている。
また、インレットロール内においてインレット素を近接して正確に配置しても、ラベルに仕上げる際にはスリッタ等による機械的切断のために、十分な誤差範囲を認める方が、厳しく公差範囲での切断を求められるより、生産ロスが低くなる。特にインレット素間寸法、即ちアンテナ間寸法が1〜2mmになると、切断の際にアンテナ部を損傷する危険が増す。
【0096】
これらの事情に対しては、インレットの検査をインレットロール段階ではなく、スリットしたインレット付テープの段階に変更すれば、間隔をあけることなくインレット素を配置することが可能となる。また、比較的太いラインでジグザグ形状又はベタ塗り状態で、ほぼ矩形に形成したアンテナをICの左右に形成するパターンのインレット素を採用すれば、図11(a)のように隣接するインレット素のアンテナの境界をなくすことができる。
【0097】
このようにインレット素が隣接して配置されたインレットロールから作製された大判インレット付テープにおいて、図11(b)のようにインレット素間を一定間隔のスリット幅に設定されたスリット装置(35)を用いてスリットする場合、たとえテープの長さ方向に直角な左右方向に若干ずれたとしても、両側にトリムを設けるスリットにおいては片側のインレット素は別として、その他のインレット素において切断されたアンテナの面積は一定である。即ち、切断されたインレット素におけるアンテナは、ICの左側が狭く切断される場合、他方はその分広く切断されるので、アンテナ面積は一定となり、高精度のスリッタを用いる場合においてはアンテナ性能を一定に維持することができる。
なお、形成したアンテナ部の導電性の金属薄層がスリットによって破壊されにくいように、金属表面コートを入念に行うことが好ましい。または耐衝撃性が十分に得られるように成分を調整する。
また、スリット装置は、スリット誤差が少なく、誤差0.5mm以内に抑えられるものが好ましい。例えばCCD画像としてカメラによってインレット端部の位置を常時スキャンする技術を用い、スリッタの切断位置を補正する装置にしておけば、通常は品質上問題のない範囲にスリット位置を許容範囲内にロスなくコントロールすることができる。
上述のように、インレットロールの長さ方向において、大判インレットのインレット素同士の間隔をゼロにするインレット素の配設同様に、インレットロールの幅方向におけるインレット素同士の間隔をゼロにするインレット素の配設を行うこともできる。さらにはこれら両方向においてインレット素同士の間隔をゼロにするインレット素配設を行うこともできる。これらのインレット素同士の間隔をゼロにする場合の大判インレットの切断には、インレット位置を示すマークを正確に検出して切断装置の位置補正ができる装置を用いる。
【0098】
一方、インレット素が近接されることなく配置された既成のインレットロールを使用する場合には、そのインレットロールから作成された大判インレット付テープをスリットする工程において、トリム法によって図12のように余分な間隔分の余剰テープ(16)をスリットアウトして除去する。これによって、インレット素のアンテナとスリットしたテープ基材の切断端との間隔を極力狭く、又はゼロにすることができる。このようにして作製された狭幅のインレット付テープを用いると、テープ貼着装置に用いる関連部品は比較的小さくなり、装置全体も小型に設計できることになる。
【0099】
このトリム法を用いれば、UHFタイプのタグの場合、既製品のアンテナ幅が5〜10mmの場合、インレット付テープ幅における両側の余裕代をゼロにすると、インレット付テープ幅を5〜10mmにすることができる。片側1mmの余裕代にすると、7mm〜12mmのインレット付テープ幅に収めることができる。
スリットアウトする余剰テープ(16)の幅は、インレットロールによって、即ちインレットロールのメーカー及び種類によって異なるが、数mmから30mmの範囲である。例えば、表裏紙でインレットを挟み込むような通常のラベル加工では、アンテナ外周から片側に2〜3mmの余裕代を設けてカットされる。
【0100】
このようにして形成された図10及び図11(c)のインレット付テープ(27)は、スリット余裕寸法がゼロとなり、テープ幅を数ミリから30mm程度狭くすることができる。これによってインレット付テープの貼着装置にセットする所定幅の紙管に巻くテープはいわば糸巻き状態に蛇行させることによってインレット付きテープの巻き長さを長くできる。テープ幅をより狭くして巻き長さを長くできれば、所定長さを巻くための紙管の幅を狭くできる。このようにして糸巻き方式の紙管の幅を狭くすれば、貼着装置をコンパクトにすることができる。
【0101】
そして、より狭幅に作製されたインレット付テープは、貼着する、又は層間に挿入するシート材の対象が増えることにもなる。例えば、コンパクトディスク(CD)のラップフィルムのカットテープに用いることも可能である。このような狭幅のテープに仕上げると、このような製品等に取り付ける場合、およびケース等の容器のデザインをテープが制約する度合いを軽減することになる。
特に、隣接するインレット素が間隔ゼロで配置されたインレットロールを用いる場合には、インレットロールの同じインレット基板内に配置できるインレット素の数を増やすことができる。これによってインレット基板のフィルム代が削減される。さらに、そのアンテナ形成においては、上述のようにジグザグ形状やベタ塗り状態等のアンテナ形状がシンプルになるので、生産が幾分容易になる。
【0102】
次に、第2の製造方法によって製造された穴あきの大判インレット(8)を用いて、大判インレット付テープを制作し、その大判インレット付テープからインレット(4)が一列に配設されたインレット付テープを製造する場合について説明する。
この場合も、第1の製造方法による上記ステップ21〜25や上記ステップ31〜39と全く同様の方法及び装置によって、インレット付テープを製造することができる。
ただし、上記ステップ38における大判インレット付テープ(26)は、図13(a)のようになっており、また、上記ステップ39におけるインレット付テープは、図13(b)のようになる。
【0103】
即ち、大判インレット(8)において、一列に配設されたインレット(4)間に穴(17)があけられていることによって、図13(a)のような大判インレット付テープ(26)となったテープ基材(15)上の複数のスリット位置(26)がスリットされたインレット付テープでは、図13(b)のようにインレット(4)の長さ方向の両側面(31)側に、テープ基材(15)の粘着材が露出することになる。
従って、このインレット付テープ(27)を図14のようにケース上に貼着すると、インレット基板の厚さは0.15mm程度と極薄であることから粘着材の露出部分によって、インレット(4)の長さ方向の両側でもケースとテープ基材(15)がソフト材による圧着によって接着し、インレット(4)部分がケースとテープ基材(15)とで包まれるようになる。この穴(17)の寸法と形状は、穴部の粘着材が十分に機能する面積に最大限に切り欠く必要がある。なお、図14において実線で示すインレット(4)及びインレット基材(3)はテープ基材(15)に覆われ、図中テープ基材(15)で示す部分が粘着材によって、テープ基材(15)とケースとが接着されている部分である。
【0104】
よって、第2の製造方法による大判インレットを用いて製造したインレット付テープは、より強固にケースなどの物品に貼着することが可能となる。
なお、図4〜8においては、テープ基材(15)のテープ面を略水平にして走行させる縦型装置を例に説明したが、テープ面を略垂直にして走行させる横型装置に設計することが可能である。
【0105】
上記第2の製造方法によっても、インレット(4)部分はシート材またはケースに全面的に貼着されておらず、部分的に僅かながら浮いた状態になる。また流通段階で商品およびパッケージの特定部位に細長い形状のIC付テープ状タグとして使用する貼着加工状態においても、インレット基板下は非接着状態になっている。ましてや上記第1の製造方法によって粘着材が塗布されたテープ基材に大判インレットを所定間隔で配設し、スリットによって分割された狭幅のインレット付きテープは、シート材に貼着すると粘着材が露出した面はシートと接着されるが、インレットの部分は浮いた状態になる。図10のようなスリット断面(30)の場合も、インレット(4)部分がケースに貼着されず浮いた状態になることは、上述のようにメリットになることもあるが、潜在的な不安要因になる。
【0106】
例えば、この浮き構造は人為的に引っ掛けるという悪戯の動機を生みやすく、これによってテープ基材側がめくれる危険が生じる。また、包装容器の印刷表面にこのテープが出ている場合には、生産装置で損傷しないまでも、剥離等の品質不安を与え、外観上も問題である。また、シート材が極薄の用紙(伝票やフォーム紙に加工)や、フレキシブルなプラスチック袋の場合には、インレット部の浮きが目立ちやすく、取り扱い時や販売時に不安が生じる。またこれらを機械で処理する場合には、マシントラブルの原因になりかねない。
このような問題を解決するためには、インレット(4)部分がシートまたはケースに貼着されるようにする。その方法としては、大判インレット固着後、又はインレット基板に予め、粘着材を塗布する方法が挙げられる。シート材への貼着工程で、特に2〜5mmの狭幅のインレット付テープに粘着材を塗布しながらインレット付テープをシートに固着することは困難なため、インレット付テープにスリットする前にインレット(4)部分に粘着材を塗布する。ただし、インレット付テープの幅が十分にあり、このテープへの粘着材の塗布幅を制限して、または過剰な塗布を制限できてシートに対する圧着後に粘着材がテープからはみ出さない塗布加工ができる精巧な装置において、またはシート間に挿入する固着条件においては、シートにテープを固着する直前の工程においての粘着材塗布も可能である。
【0107】
大判インレット固着後に塗布する方法は、テープ基材(15)上に大判インレット(8)を配設して固着した後に、インレット(4)部分に粘着材を塗布する方法である。(この装置図は省略する。)大判インレットを中心に粘着材又は接着材を塗布する。
インレット素が配設された面をテープ基材の粘着面に向けて大判インレットを配設・固着した後に、常温で粘着性が得られる粘着材又は加熱によって粘着性が得られるホットメルト接着材を大判インレットの裏側面に塗布する。この場合のホットメルト塗布は、塗布時に若干の突起として存在するICチップに加圧する状態を避けるために、ノズルによる塗布、または特殊な構造のノンクラッシュロールを用いたロール塗布を行う。通常は全面的に塗布するロール塗布法が用いられるが、フォーム、ラベルの製作で用いる間歇部分塗布法を用いることもできる。
市販品のホットメルト接着材の塗布量は、8g/cm2〜40g/cm2で、膜厚さは10μm〜30μmの範囲になるようにする。インレット付テープを固着するシートの表面状態によって膜厚さを調整する。また市販品の粘着材の塗布厚さはテープ加工に用いる一般的な厚さである15μm〜20μmにする。
【0108】
或は、大判インレットにおけるインレット素が配設されていない裏側面をテープ基材の粘着面に向けて配設・固着した後に、常温で粘着性が得られる粘着材又はホットメルト接着材を大判インレットの表側面、即ちインレット素の上に塗布する。塗布される粘着材の層はシートへの貼着加工時の衝撃・摩擦からインレット素を保護することができる。
この状態のインレット付テープをケース等のシート材に貼着すると、外部衝撃をテープ基材及びインレット基板の二枚のプラスチックフィルムと、シート材とでインレット素を挟むので、インレット素が高度に緩衝されて保護される。
【0109】
もう一つの、インレット基板に塗布する方法は、インレット基板の裏側面、即ちインレット素が配設されない面に予め粘着材を塗布しておく方法である。この粘着材には、大判インレットをテープ基材に配設する際には粘着性が発現しないものを採用する。ホットメルト型粘着材は冷却によって粘着性がなくなるタイプであり、この目的にかなう。これ以外でも、プラスチック製のインレット基板に表面加工を施して水系の粘着材が使用できるようにしておけば、ポリビニルアルコールに代表される再湿型の粘着材を予め塗布乾燥させる使用法も可能になる。
【0110】
インレット基板の裏側面に粘着材を塗布するタイミングとしては、インレット素(104)がインレット基板(3)上に配設されて大判インレットにカットされる前であれば特に限定されない。例えば、上記ステップ3において、スリットされた各インレットロール(5)がロール状に巻き取られていく前に、粘着材を塗布することができる。また、インレット素(104)が配設される前のインレット基板(3)の裏側面となる面に、粘着材を塗布することもできる。
インレット基板へのホットメルト型粘着材の塗布の仕方としては、ロール塗布または押出し塗布を挙げることができる。
【0111】
ホットメルト法は、通常150〜180で溶融する樹脂及びワックスの混合物のホットメルトを用い、ロール塗布法で塗布面に均一に塗布する。60℃〜90℃付近で塗布できる低温タイプ、および両者の中間タイプも使用することもできる。このホットメルト法によって粘着材が塗布された後、作製されたインレット付テープは、シート材に貼着される際に加温される。できるだけ低温で溶融するように調整したホットメルト型粘着材を用いるのが生産上は好都合である。
例えば、通常の段ボール、プラスチック段ボールのように生産工程で加熱を伴う場合には、このホットメルト塗布済みのインレット部分を、高温になっているシート面に対し、ベルト等によって押し当てると、テープ基材に塗布されていた粘着材によってインレット周辺で接着が起こり、同時にインレット基板に塗布されていたホットメルトが溶融して接着が始まるため、このための熱源が不要となり都合が良い。
【0112】
これらのように大判インレット固着後に塗布する方法やインレット基板に塗布する方法によって、裏側面に粘着材が塗布された大判インレットは、インレット素をテープ基材側にしてテープ基材上に配設されて固着される。このテープ基材がスリットされてインレット付テープになる。このインレット付テープのインレット(4)部分には粘着材が塗布されている。即ち、テープ全面に粘着層が形成されている状態であり、このようなインレット付テープをシート材に接着させると、ICタグが剥離等する危険性が軽減される。特にテープ幅が2〜5mmで、アンテナ長さが長くなる物流用のUHFタイプのICタグの場合でも、浮き長さが問題になることもなく、輸送途上のトラブル防止や販売時の品質不安の解消につながる。
【0113】
上述のような大判インレット(8)をマガジン(20)に装填して用いる場合、インレット(4)を単独に打ち抜き成形した単体のインレット(4)をマガジンに装填する場合と比べ、生産効率および生産コストの面で有利となる。即ち、この大判インレット(8)に対応して使用するテープ基材(15)は広幅になり、テープ粘着面に大判インレット(8)を安定した状態で固着させるために一旦巻き取って置いた後、所定の本数にスリットして該所定の個数のインレットリールを製作することができる。特に、極小のインレットを用いる際には、品質を維持しながら生産することができる効果を発揮する。そして、極小のインレット製作にまで進んだ技術開発品をそのまま生かし、極小幅のインレット付きテープとして工業的に利用できる形態の資材に仕上げることができる。
【0114】
ここまで、テープ基材の片面の粘着面に載置されたインレット部分がシートまたはケースに貼着されるように、大判インレット固着後、又はインレット基板に予め、粘着材を塗布する方法について説明した。
次に、両面に接着剤が塗布されたテープ基材を使用する場合について説明する。
このテープ基材は、インレット付テープをシート表面にオンマシンで、またはオフマシンで貼着するのではなく、二枚のシート、布または部材間にインレット付テープを挟み込んで貼着する場合に適用するものである。つまり、テープ基材の両面にホットメルト接着層を形成した後、冷却してリールに巻きつけられるようにする手法である。
このホットメルト材は、一般的な温度帯で溶融するグレードを用いることができるリール状態で軽いブロッキングが生じる程度であれば、巻き取り時に自着して利用できるが、荷重がかかる条件では過度のブロッキングが発生することからブロッキング防止剤の混合または塗布によってその程度を調整する。
【0115】
大判インレットを固着する側のテープ基材には低温で溶融するホットメルト接着剤を塗布しておき、その反対側にはそれより高温で溶融するホットメルト接着剤を塗布しておく。この構造にすることによって、大判インレットを固着する際には、このテープ基材を巻きだした後、低温で溶融する温度になるように設定した加熱槽、または誘電加熱装置を通してこの側のホットメルト塗布部を十分な粘着状態にする。この場合には、テープ基材の両面はともに離型処理を施していない通常の表面状態になっている。
このようにして作製した大判インレット付からスリットされたインレット付テープの使用時においては、常温では粘着性が発揮されないインレット付テープを二枚のシート間に挟みこんで配置し、そのインレット付テープを高温で溶融する温度条件まで加温して全体を圧着する。すると、この両面ホットメルト塗布のテープは離型紙をはがした両面テープと同じ作用を発揮して二枚のシートをテープの両側に塗布したホットメルト接着剤によって連結し、冷却後は十分に接着させることになる。
このように製造したインレット付テープは離型紙を用いる必要がなく、リール状に巻き取ることができる。保管条件等によって二種類のホットメルト間でブロッキングが発生する場合には、離型材をホットメルト材が溶融後に接着性を阻害しない程度の量を、または種類を選定して、一方の塗布側に離型材を表面塗布または混入させることで対処する。
【0116】
上述のような両面ホットメルト塗布のインレット付テープは、低温で溶融する特性を生かして、このテープを溶融する低温で加熱しておけば、このテープの片側のみを粘着状態にしておくことができる。つまり、通常の粘着材を塗布したインレット付テープと同じような取り扱いをすることができる。そして、完全な接着状態を得るために第二段階の加熱工程を経るようにする。このようなテープは、オンマシンで、またはオフマシンで位置決めを必要とする場合に好適である。
【0117】
このように大判インレットを用いて製造した両面ホットメルト接着剤塗布のインレット付テープは、製本の自動化ラインにおいて複雑な粘着材またはホットメルト材の塗布工程を簡略化することになる。通常粘着材を表紙の裏側の所定位置に塗布し、次に封止インレットを一個ずつマガジンから、またはICラベルを半切のラベル付シートから取り出して固着し、次の工程でその上にまた粘着材を塗布して本文の折丁の背中部に固着する工程を簡略化できる。予めインレット付テープの両面に二温度帯のホットメルト接着剤を塗布しておき、テープ繰り出しの後、用いる加熱温度を調整することによって、製本ライン速度に容易に適合させることができるインレット取り付けが可能になる。これによって従来の製本ラインを大きく、また長いラインに組み替えることなく、一部装置の導入設置で済むようになる。
【0118】
この両面ホットメルト接着剤塗布のインレット付テープを製造する際に、インレット部についても、上述したように片側に粘着材を塗布するインレット付テープ製造における諸加工と同じように、インレット基板の露出する側にホットメルト材を塗布しておく等の加工を組み込んでおくならば、図15に示す構造になるように、二枚の紙、またはシート、布等を全面において接着させることができる。テープ基材(15)においてインレットが配設される粘着面に低融点ホットメルト塗布層(43)を備え、その粘着面の反対面には高融点ホットメルト塗布層(41)が設けられている。また、インレット基板上にもホットメルト塗布層(45)が設けられている。このインレット基板の露出する部分のホットメルト材はどの融点で溶融するタイプのものでもよい。
【0119】
上述のようなテープ基材の両面に2温度帯のホットメルト材を塗布することによる位置決め効果を得る加工方法の他に、低温溶融側の面に線状に粘着材を入れ込む組み合わせ加工にすることもできる。この粘着材と低温加熱による溶融面とによって、インレット付テープの位置決め保持効果を得ることができる。この場合は、このテープ幅内を二分割または三分割して塗布できる十分な幅を有する最終スリット幅になるテープ幅が不可欠になる。10mm程度以上の加工幅を有することが望ましい。例えば10mm幅のテープであるならば、隣接のテープ幅との関係で、粘着材とホットメルト材をそれぞれ10mmずつ塗布し、それぞれの範囲を半分に分割するスリットによって10mm幅のテープ内に粘着材と低温ホットメルト材が塗布されたテープに仕上げることになる。これを巻き取る際に生じるブロッキング状態を考慮すると、粘着材は粘着力の弱いグレードを選定する方が好ましい。
【0120】
この分割塗布に替えて、二種類の粘着材と低温ホットメルト材を混錬して塗布することによっても類似の位置決め効果を得ることができる。この場合には、リールに巻き取る際に粘着材の粘着効果によって、自着してリール形状を保持することができる。また最終加熱によって、溶融するホットメルト材は溶け出す現象によって接着するシート材の面が隙間の多いメッシュであるとその間に深く浸透し、強固に二枚のシートまたは二個の材料を接着することができる。
【0121】
またICタグ(インレット)を作業服、または高級衣料の襟芯材の層間に、または生地の折り返し部分に挿入する需要に対して、および靴材の内部にまたは組み立て材の内部に固定する需要等に対して、また電気部品を形成する際のラミネート用接着剤としても用いることができる。
この種の両面ホットメルト接着材塗布のインレット付テープを使用する場合には、このテープをリールから引き出した後、インレット部を確認して損傷しない部分での一個分を切り出し、これを固定したい位置に仮留めしてしてから、アイロン加熱・プレスすることで二枚の素材間に確実に固着することができる。
これ以外にもキャッシュカードのICカードおよび電子パスポート、電子免許証、社員IDカード等のID用途にも、両面ホットメルト接着材塗布のインレット付テープを表裏フィルムの層間に挿入した後、表裏フィルム等を用いたラミネート加工後には分離・剥離できない状態にICタグ(インレット)を簡便に接着することができる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、デジタル情報が記録されたインレットを包装ケース表面に貼着するための装置に対して好適に利用されるものである。また、該インレットを二枚のシートなどの間に挟み込んで貼着する場合にも好適に利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】 本発明に係る大判インレット製造方法において使用するインレットロールの一例を示す概略構成図である。
【図2】 (a)は大判インレットにおけるインレット素配置の別の例を示し、(b)はそのインレット素配置のまた別の例を示す図である。
【図3】 フィルム打ち抜き装置を用いてインレットロール上のインレット素間を打ち抜く様子を示す状態図である。
【図4】 インレット付テープ製造装置の一例の一部の概略構成を示す断面図である。
【図5】 図4のインレット付テープ製造装置の側面図である。
【図6】 インレット付テープ製造装置の他の例の側面図である。
【図7】 第1の製造方法による大判インレットを用いて製造したテープであり、(a)は大判インレット付テープを示し、(b)はインレット付テープを示す。
【図8】 第1の製造方法による大判インレットを用いて製造したインレット付テープの所定間隔部分を示す。
【図9】 テープ基材に一個のインレットが移載されて形成されたインレット付テープの所定間隔部分を示す。インレットの長さ方向の側部がテープ基材一枚になっている。
【図10】 大判インレットからインレット間隔ゼロでスリットされて形成されたインレット付テープの所定間隔部分を示す。インレットの長さ方向の側部はテープ基材とインレット基材が重なって二枚になっている。
【図11】 複数のインレット素が隣接して配置された大判インレットを用いてインレット付テープを作製する過程であり、(a)はインレットロールから大判インレットを切り出す過程を示し、(b)は大判インレット付テープをスリットする過程を示し、(c)はスリットされて形成されたインレット付テープを示す。
【図12】 トリム法によって大判インレット付テープをスリットする様子を示す状態図である。
【図13】 第2の製造方法による大判インレットを用いて製造したテープであり、(a)は大判インレット付テープを示し、(b)はインレット付テープを示す。
【図14】 図11(b)のインレット付テープの所定間隔分をケースに貼着した様子をしめす部分拡大図である。
【図15】 両面にホットメルト接着剤を塗布したテープ基材に大判インレットを固着してスリットして製造したインレット付テープの所定間隔部分を示す。
【符号の説明】
【0124】
1 ICチップ
2 アンテナ
3 インレット基板
5 インレットロール
6 スリット線
7 切断線
104 インレット素
【技術分野】
【0001】
本発明は、大判インレットの製造方法、インレット付テープ、その製造方法及びその製造装置に関し、詳しくは、複数のインレット素が一列に配設された大判インレットの製造方法、そのインレット素を、切断シート長さに対応する所定間隔でテープ基材上に配設固着し、スリットしてなるインレット付テープ、その製造方法及びその製造装置に関するものである。ここでいうインレット素は、インレット基板(フィルム)に搭載されるICチップとアンテナで、通信・演算・記憶に関するインレット構成要素である。インレット基板とインレット素で構成されているものはインレットと称する。また、大判インレット基板とこれに搭載される複数のインレット素からなるものは、大判インレットと称する。
なお、インレットは、このICチップ内にアンテナを組み込んだ内部アンテナ方式であって、プリントまたはエッチング法でアンテナをICチップの外部に形成しないものを含むものとする。
【背景技術】
【0002】
包装容器等に加工して用いるダンボール、プラスチックフィルム、板紙等のシート材に対して、メーカ名、製造のシリアル番号等をデジタル情報として記録し、読み取るICタグとして機能するインレットをシートの加工段階で貼着する技術が提案されている。
また、個々の商品パッケージにも貼着し、流通管理、販売管理に利用するICチップ搭載のICタグの回路設計、無線電波の処理方法、その他の標準化は急速に進んできている。
また、ICチップと電波用アンテナ、リーダライタ等のハードのコストを低減する検討が進んでいる。なお、本発明でいうICは、ICチップの他にプリントで形成されるICを含むものとする。
【0003】
このような状況において、現在の問題は、インレットを包装材、その他の流通物に安価に、かつ高い信頼性を付与して、トラブルなく長期に実施でき、多品種に取付けられる方法が求められている。
現在の手法は、単にインレットを粘着材付きで、機械的なハンドリングができ、衝撃等で脱落しないようなやや大きめのラベルに作り変えて、輸送箱および商品の外面に一個ずつ貼付けるものである。
インレットの本格的普及を控えて、運転・保守管理に人手を要しないで、材料が安価であり、シートの加工段階又は包装段階で自動的に貼着でき、脱落することなく、また、こすれによる損傷がないような安価で確実なインレット取り付け方法が求められている。
【0004】
現在、インレットを取付ける包装容器の中で、代表的なダンボール箱について見ると、日本及び欧米ではダンボール箱に商品を詰めた後に、インレットよりかなり大きめのサイズにして取り扱いを良くしたラベル状のインレットをラベラで一個ずつ貼付けている。
現在のところ、不良率が10%を超えながらも試験的に実施されていることもあって、ラベル貼りが特別問題視されてはいないが、近い将来、輸送箱、販促箱の全部にインレットを取付けるようになり、又は医薬品カートンにインレットを取付けるようになると、離型紙を外して使用するラベル自体がインレット取り付けのコストアップ要因になっているとして問題になると見られる。
【0005】
この粘着材付ラベルとしての使用に対し、包材等シート材に通常の加工速度で、またはラベル貼りよりは高速で所定の位置に取付けられ、かつ脱落トラブルが生じにくく、インレット自体を含んだ状態での良品のみを包装ラインに供給できるものとして、基板フィルムにICチップとアンテナを搭載したインレットを、引張り強度に優れる粘着材付テープ基材に、シート切断寸法である所定間隔で配設固着したインレット付テープが提案されている(下記特許文献1参照)。
そのインレット付テープは、細幅の粘着材付テープに、細長いインレットを、その幅(短辺)方向をテープ幅の方向にして所定間隔で固着している。このようなインレット付テープの製造には、矩形のインレットにおいて、幅の広い辺がテープ状のフィルムの幅方向になるように、インレット素がフィルムに配設されたインレットロールが多く用いられる。
【0006】
しかしながら、このように配設されたインレット素をインレットロールから切出して、インレット幅(短辺)と略等しい細幅のテープ基材上に配設固着して、インレット付テープを製造することは容易ではない。用いる電波の種類によってインレットのサイズは異なるが、特に、1〜2mm×60〜70mm程度の小型インレットや、0.4mm角などの超小型インレットをテープ基材上に配設固着することは、相当困難であり、可能であるとしても生産性は相当悪くなる。
小型インレットでなくても、インレットロールから切り出した単体のインレットを、素早い機械動作によってテープ幅にずれなく配設するためには、高精度なマウンティング機械(インレット移載装置)が不可欠であり、このために装置全体は大掛かりになり、かつ高価な機械に仕上がる。これは包装容器に用いるインレット付テープを安価に製造することを困難にするものである。
【0007】
このような高精度なインレット移載装置を使用できない場合には、インレットがテープ基材から飛び出さないように、ズレを想定した余裕代を設ける必要があり、インレット幅に対してやや大きめのテープ幅になるように製作することになる。これによってテープ基材の材料費が幾分高くなる。
現在の一般的な小形ICタグにおいて、最も狭い幅を有するインレットの外部アンテナの輪郭サイズは、幅が約1.5mm、長さが約65mmで、インレット基板上に配設される隣のアンテナとの間隔は1mm程度となる。これを、例えば紙製カードの層内に納める場合には、この間隔内でスリットして分割されたインレットとして使用するが、機械的に扱うには小さすぎるため、インレット基板のフィルムと新たにICの上に用いるラミネートフィルムでICとアンテナをサンドウィッチし、幅が約9mm、長さが約70mmの二周りも大きな部材に仕上げてから用いている。また、単に物品の表面に固定するためには、脱落防止のためにこれよりさらに大きなサイズのラベルに仕上げて使用することが行われている。
このように小型のインレットを、わざわざ大きい部材に仕上げることなく、取り扱うことが望まれる。
【0008】
【特許文献1】 特開2005−310137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、生産性を向上しながら正確かつ確実に、また安価にインレットをテープ基材上に配設固着するための大判インレットの製造方法、この大判インレットを用いて製造されたインレット付テープ、その製造方法及びその製造装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、インレット基板のロールから繰り出したインレット基板上に、インレット素を、ロール幅方向に所定間隔をあけて縦列に、且つ、ロール長さ方向に所定間隔をあけて並列に配設していくステップと、前記インレット素が縦列及び並列に配設されたインレットロールにおいて、該インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに、切断して大判インレットにするステップとを有することを特徴とする大判インレットの製造方法に関する。
【0011】
本発明の一実施形態は、前記インレット基板上に、インレット素を縦列及び並列に配設した後、前記インレット素が配設されたインレットロールの幅方向において、該インレット素が配設された一端側から、各インレット素間をスリットしていくステップを有し、前記大判インレットにするステップにおいて、スリットされた各インレットロールにおいて、該インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに切断することを特徴とする。
【0012】
本発明の一実施形態は、前記インレット基板上にインレット素を縦列及び並列に配設した後、前記インレットロールの長さ方向におけるインレット素間に穴をあけるステップを有することを特徴とする。
【0013】
本発明の一実施形態は、前記インレット素が配設される前に、該インレット素が配設されない前記インレットロールの裏側面に予め粘着材が塗布されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の一実施形態は、前記配設していくステップにおいて、前記インレット素を、前記ロール長さ方向に、または幅方向に、または両方向に所定間隔がゼロで並列に配設していくことを特徴とする。
【0015】
本発明は、テープ基材の粘着面側において、複数個のインレット素がインレット基板上に一列に配設された大判インレットを固着する段階を経て製造されてなるインレット付テープであって、該大判インレットが、前記インレット素が一列に配設された方向を前記テープ基材の幅方向に合わせ、所定間隔をあけて該テープ基材上に固着され、該大判インレットにおいて一列に配設された複数のインレット素間を通るように、該大判インレットとともに前記テープ基材がその長さ方向にスリットされ、スリットされた各テープ基材上に、インレットが一列に所定間隔で配設されていることを特徴とするインレット付テープに関する。
【0016】
本発明の一実施形態は、前記粘着面の反対面に、該粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されてなることを特徴とする。
【0017】
本発明の一実施形態は、前記大判インレットは、前記複数個のインレット素が隣接して配置されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の一実施形態は、前記大判インレットが、前記テープ基材上に固着された段階において、又はシートにインレット付テープを固着する段階において、該大判インレットの露出面に粘着材が塗布されてなることを特徴とする。
【0019】
本発明の一実施形態は、前記大判インレットは、前記インレット素が配設されていない裏側面に予め粘着材を塗布し、その表側面を前記テープ基材側にして該テープ基材上に固着され、当該インレット付テープが被貼着物に貼着される際に加熱され、前記裏側面の粘着材が溶融するようになっていることを特徴とする。
【0020】
本発明の一実施形態は、前記テープ基材上に固着されたインレットの周りにおいて、該インレットのスリットされた側の少なくとも一方側において、前記インレット基板が切り欠かれた領域を有することを特徴とする。
【0021】
本発明の一実施形態は、前記テープ基材の粘着面と前記インレット基板とによって、該インレット基板に搭載されたインレット素が挟まれていることを特徴とする。
【0022】
本発明の一実施形態は、前記大判インレットと共に前記テープ基材がその長さ方向にスリットされるとき、該長さ方向に沿った前記インレットの両端で切断されてなることを特徴とする。
【0023】
本発明は、片面に粘着材が塗布されたテープ基材が巻かれたテープ基材リールから該テープ基材を繰り出して走行させるステップと、複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットを、該インレット素が一列に配設された方向を、前記テープ基材の幅方向に合わせ、所定間隔をあけてその粘着面側に載置するステップと、該大判インレットが接着されたテープ基材を、該大判インレットにおいて一列に配設された複数のインレット素間を通るようにスリットするステップと、スリットされてインレットが一列に所定間隔で配設されてなる各インレット付テープを、別個に巻き取るステップとを有することを特徴とするインレット付テープの製造方法に関する。
【0024】
本発明の一実施形態は、前記走行させるステップの前に、前記片面の反対面である第2の粘着面に、該片面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材を塗布するステップを有することを特徴とする。
【0025】
本発明の一実施形態は、前記載置するステップの後、前記大判インレットの露出面に粘着材を塗布するステップを有することを特徴とする。
【0026】
本発明の一実施形態は、前記大判インレットは、前記インレット素が配設されていない裏側面に予め粘着材を塗布したものであることを特徴とする。
【0027】
本発明の一実施形態は、前記スリットするステップにおいて、前記テープ基材の長さ方向に沿った前記インレットの両端でスリットし、余分な間隔分のテープが除去されることを特徴とする。
【0028】
本発明は、テープ基材の粘着面上にインレットを配設するインレット付テープ製造装置であって、片面に粘着材が塗布されたテープ基材が巻かれたテープ基材リールと、複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットが装填され、開口部から該大判インレットが引き出されるマガジンと、前記テープ基材リールから繰出されて走行するテープ基材、又は走行して一端停止したテープ基材を挟んで、前記開口部と対峙するピックアップ部と、前記テープ基材上に接着された大判インレットにおいて一列に配設されたインレット素間を切断するスリッタと、該スリッタによって切断されて、インレットが一列に所定間隔で配設されてなる各インレット付テープを、夫々巻き取る複数のリールとを備え、前記マガジン又はピックアップ部が対峙するピックアップ部又はマガジンに近づくように移動することによって、テープ基材の粘着面が開口部の大判インレットに押し当てられ、該マガジン又はピックアップ部の復帰によって、テープ基材に接着された大判インレットがマガジンから引き出されることを特徴とするインレット付テープ製造装置に関する。
【0029】
本発明の一実施形態は、前記粘着面の反対面に、該粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されていることを特徴とする。
【0030】
本発明の一実施形態は、前記ピックアップ部は、往復運動するアーム又はロールであって、前記開口部と前記ピックアップ部とが対峙する部分を挟み、前記テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、該テープ基材の粘着面側に、大判インレット引き出しバーを備え、該大判インレット引き出しバーは、前記ピックアップ部の移動に追従し、該テープ基材を前記開口部から押し離すことを特徴とする。
【0031】
本発明の一実施形態は、前記ピックアップ部は、サクション機能を有して往復運動するアーム又はロールであって、前記開口部と前記ピックアップ部とが対峙する部分を挟み、前記テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、該テープ基材の非粘着面側に、ピックアップ部引き離しバーを備え、該ピックアップ部引き離しバーは、前記ピックアップ部の吸引及び降下によって押し下げられるテープ基材を受け止めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、インレット基板上に所定間隔をあけて縦列及び並列にインレット素を配設し、各インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに切断するようにしたので、単体では小さくて取り扱い難いインレットをコンパクトにまとめて利用し易い大判インレットを製造することができ、この大判インレットを用いれば、生産性を向上しながら正確かつ確実にインレットをテープ基材上に配設固着することが可能となる。
【0033】
本発明によれば、インレット基板上に所定間隔をあけて縦列及び並列にインレット素を配設し、ロールの幅方向において各インレット素間をスリットし、スリットされた各インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに切断するようにしたので、単体では小さくて取り扱い難いインレットをコンパクトにまとめて利用し易い大判インレットを製造することができ、この大判インレットを用いれば、生産性を向上しながら正確かつ確実にインレットをテープ基材上に配設固着することが可能となる。
【0034】
本発明によれば、インレット素が縦列及び並列に配設された後に、インレットロールの長さ方向におけるインレット素間に穴をあけるようにしたので、この大判インレットを用いてテープ基材上に配設固着されて製造されるインレット付テープは、インレット周りに粘着材の露出部分を有し、ケースなどの物品に貼着したときに、インレットがテープ基材と物品とで覆われる形になり、インレット基板の厚さは0.15mm程度と極薄であることからインレットがその4辺でテープの粘着材部によって固定されることにより強固に保護される。
【0035】
本発明によれば、前記インレット素が配設される前に、インレットロールの裏側面に予め粘着材が塗布されているので、この大判インレットをインレット素がテープ基材側になるようにテープ基材上に固着して大判インレット付テープを作製し、その大判インレット付テープをスリットして作製したインレット付テープは、シート材に貼着する際に、インレット部分の粘着材によってシート材により強固に貼着することができる。
【0036】
本発明によれば、前記配設していくステップにおいて、インレット素をロール長さ方向に所定間隔がゼロで並列に配設していくので、この大判インレットをテープ基材上に固着して作製した大判インレット付テープは、インレット素を分けるようにしてスリットすれば、余裕代のない狭幅のインレット付テープを作製することができる。
【0037】
本発明によれば、複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットが、インレット素が一列に配設された方向をテープ基材の幅方向に合わせてテープ基材上に固着され、並列に配設された複数のインレット素間を通るようにテープ基材を長さ方向にスリットされて、テープ基材上にインレットが一列に所定間隔で配設されてなるインレット付テープであるため、スリット断面で、テープ基材の長さ方向の両側面とインレットの長さ方向の両側面とが完全に一致する1つの平面を形成しているので、所定間隔をテープ基材の切断長さとして切断すれば、そのままケースなどの物品に貼着することができる。
【0038】
本発明によれば、前記粘着面の反対面に、その粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されているので、テープ基材を巻き出して大判インレットをテープ基材に固着する際には、テープ基材を低温で溶融する温度に設定した加熱槽等を通すことによって、大判インレットを固着する側である粘着面側のみを適度な粘着状態とすることができる。また、大判インレット付テープから分けられたインレット付テープを二枚のシートなどの間に貼着する際には、インレットが固着されていない反対面の粘着材も溶融する高い温度に設定することによって、テープ基材の両面を粘着状態とすることができる。
【0039】
本発明によれば、前記大判インレットは、前記複数個のインレット素が隣接して配置されているので、余裕代のない狭幅のインレット付テープを得ることができる。
【0040】
本発明によれば、前記大判インレットがテープ基材上に固着された段階において、又はシートにインレット付テープを固着する段階において、大判インレットの露出面に粘着材が塗布されているので、シート材に貼着する際に、インレット部分の粘着材によってシート材により強固に貼着することができるインレット付テープが得られる。
【0041】
本発明によれば、前記大判インレットは、その裏側面に予め粘着材が塗布されて表側面がテープ基材に固着され、被貼着物に貼着される際に加熱されて裏側面の粘着材が溶融するようになっているインレット付テープであるため、大判インレットやさらに小さい個別のインレットの状態でインレット素に粘着材を塗布する必要がなく、加熱するだけで被貼着物に貼着することができ、しかもインレット素が配設された表側面がテープ基材側にされてインレット素が保護されているインレット付テープを提供することができる。
【0042】
本発明によれば、前記テープ基材上に固着されたインレットの周りにおいて、該インレットと該テープ基材の長さ方向の少なくとも一方側との間に、前記インレット基板が切り欠かれた領域を有するので、この大判インレットを用いてテープ基材上に配設固着されて製造されるインレット付テープは、インレット周りに粘着材の露出部分を有し、ケースなどの物品に貼着したときに、インレットがテープ基材と物品とで覆われる形になり、インレットがその4辺でテープの粘着材部によって固定されることによってより強固に保護される。
【0043】
本発明によれば、テープ基材の粘着面とインレット基板とによって、インレット基板に搭載されたアンテナ及びICチップが挟まれているので、これらを最小部材で効率的に強固に保護することが可能となる。
【0044】
本発明によれば、前記大判インレットと共にテープ基材がその長さ方向にスリットされるとき、長さ方向に沿ったインレットの両端で切断されているので、余裕代のない狭幅のインレット付テープを得ることができる。
【0045】
本発明によれば、複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットを、インレット素が一列に配設された方向をテープ基材の幅方向に合わせ、テープ基材の粘着面側に所定間隔で載置して大判インレット内に一列に配置された各インレット素を分けるようにスリットし、個別のインレットがテープ基材上に一列に所定間隔で配設されてなるインレット付テープを製造するようにしたので、インレットが取り扱い易く、インレット周りに余分な余裕代をとるようなことを避け、生産コストを抑え、生産性を向上することが可能となる。
【0046】
本発明によれば、前記片面の反対面である第2の粘着面に、その片面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材を塗布するステップを有するので、テープ基材を巻き出して大判インレットをテープ基材に固着する際には、テープ基材を低温で溶融する温度に設定した加熱槽等を通すことによって、大判インレットを固着する側である粘着面側のみを適度な粘着状態とすることができる。また、大判インレット付テープから分けられたインレット付テープを二枚のシートなどの間に貼着する際には、インレットが固着されていない反対面の粘着材も溶融する高い温度に設定することによって、テープ基材の両面を粘着状態とすることができる。
【0047】
本発明によれば、前記載置するステップの後、大判インレットの露出面に粘着材を塗布するステップを有するので、シート材に貼着する際に、インレット部分の粘着材によってシート材により強固に貼着することができるインレット付テープを得ることができる。
【0048】
本発明によれば、前記大判インレットは、その裏側面に予め粘着材を塗布したものであるため、シート材に貼着する際に、インレット部分の粘着材によってシート材により強固に貼着することができるインレット付テープを得ることができる。
【0049】
本発明によれば、前記スリットするステップにおいて、テープ基材の長さ方向に沿ったインレットの両端でスリットし、余分な間隔分のテープが除去されるので、余裕代のない狭幅のインレット付テープを得ることができる。
【0050】
本発明によれば、大判インレットが収納されたマガジンに設けられた開口部と、該開口部と走行するテープ基材を挟んで対峙するピックアップ部と、テープ基材の長さ方向にインレット間を切断するスリッタとを備え、前記マガジン又はピックアップ部の移動によってテープ基材の粘着面が開口部の大判インレットに押し当てられ、該マガジン又はピックアップ部の復帰によってインレットが引き出されるようにしたので、テープ基材の粘着材による粘着力を利用して走行するテープ基材上に、または静止するテープ基材上に生産性を維持しながらインレットを正確かつ確実に配設固着でき、マガジン及びピックアップ部の簡易な構成でインレット付テープを安価に製造することが可能である。また、インレットを複数個まとめて大判インレットとして扱って、テープ基材上に固着された後にスリットし、個別のインレットが所定間隔で一列に固着されたインレット付テープとするので、インレットが取り扱い易く、インレット周りに余分な余裕代をとるようなことを避け、生産コストを抑え、生産性を向上することが可能となる。
【0051】
本発明によれば、前記粘着面の反対面に、その粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されているので、テープ基材を巻き出して大判インレットをテープ基材に固着する際には、テープ基材を低温で溶融する温度に設定した加熱槽等を通すことによって、大判インレットを固着する側である粘着面側のみを適度な粘着状態とすることができる。また、大判インレット付テープから分けられたインレット付テープを二枚のシートなどの間に貼着する際には、インレットが固着されていない反対面の粘着材も溶融する高い温度に設定することによって、テープ基材の両面を粘着状態とすることができる。
【0052】
本発明によれば、開口部とピックアップ部とが対峙する部分を挟み、テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、テープ基材の粘着面側に、大判インレット引き出しバーを備え、大判インレット引き出しバーをピックアップ部の復帰とともに引き出し、該テープ基材を押すようにしたので、開口部の大判インレットに押し当てられたテープ基材を素早く押し離すことができ、テープ基材が走行する状態でも、該テープ基材の粘着材による粘着力によって接着した大判インレットを開口部から確実に引き出すことが可能となる。また、大判インレット引き出しバーは、エアコンプレッサを使用する場合等と比較して簡易な機構になり、簡易な構成でインレット付テープを製造することができる。
【0053】
本発明によれば、開口部とサクション機能を有するピックアップ部とが対峙する部分を挟み、テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、テープ基材の非粘着面側に、ピックアップ部引き離しバーを備え、ピックアップ部の吸引及び降下によって押し下げられるテープ基材を、ピックアップ部引き離しバーが受け止めるようにしたので、ピックアップ部引き離しバーの位置でテープ基材の降下を止めて、テープ基材が走行する状態で、素早くピックアップ部からテープ基材を引き離すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、本発明に係る大判インレット製造方法、大判インレット付テープ及びその製造装置について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る大判インレット製造方法において使用するインレットロールの一例を示す概略構成図である。
少なくともICチップ(1)及びアンテナ(2)からなるインレット素(104)がインレット基板(3)上に配設され、巻き取られたインレットロール(5)から、少し引き出した状態のものを示している。なお、図中、インレット素(104)として示している矩形部分は、アンテナ(2)の外形部分に相当し、インレット素(104)とインレット基板(3)とでインレットが構成される。
【0055】
複数のインレット(4)は、その長さ方向をインレットロール(5)の幅方向に合わせ、所定の間隔をあけて縦列に配設され、インレットロール(5)の長さ方向(α)にも、所定の間隔をあけて並列に配置されている。
インレットロール(5)は、スリット線(6)と切断線(7)とで切断されて、並列に配設された所定個数のインレット素(104)、図示例では6列のインレット素(104)からなる領域で1枚の大判インレットになる。
即ち、大判インレットとは、複数のインレット素(104)がインレット基板(3)上に所定の間隔をあけて一列に配設されてなるものである。この大判インレット内に収めるインレット素の数は、生産ロットのボリューム、用いるスリッタの制約、装置が扱うインレット基板の剛性等から適宜設定することができる。
なお、所定間隔には一定の規則に従って変動する場合を含むものとする。このように変動する場合、厚さを有するインレットがシート内で一定の箇所に集中しないようにして安定状態で集積しやすくすることができ、かつインレットに対する荷重集中の影響を軽減することができる。または、インレットのテープ内位置を検出装置で検出し、該インレットを固着したシートまたはカードの個別識別の情報の一つとして活用することも可能となる。
【0056】
なお、インレット素(104)は、上述のような矩形に限らず、正方形、楕円形など種々の形状があり、正方形の場合には、インレット素(104)の長さ方向と幅方向との区別がなくなる。また、矩形の場合には、上述のようにインレットロール(5)の幅方向に、インレット素(104)の長さ方向を合わせる場合に限らず、その幅方向を合わせるようにすることも可能である。即ち、インレット素(104)をロール状のインレット基板(3)上に配設する方向は、長さ方向及び幅方向の何れもロールの幅方向に配設することができる。
【0057】
本発明において、インレットの配設方向は規定されず、配置も含めて任意に配設することができる。例えば、大判インレットになる領域において、インレット素(104)は、図2(a)のような千鳥配置にしたり、図2(b)のような対角線上に配置したりすることができる。このようにインレット素(104)が一見バラバラに配設されているようであっても、大判インレットになる領域において、ロール状のインレット基板(3)の長さ方向(α)から見て同じ位置に複数のインレット素(104)が重なって配設されていなければ、インレット素(104)が一列に配設されていると言える。従って、このように一列に配設されていれば、上述の大判インレットの定義に合致する。
そして図2(a)の千鳥配置のように、大判インレットにおいて隣合うインレット素(104)がインレット基板(3)のロール幅方向に、なるべく離れて配置する場合、インレット移載装置によってインレット素(104)を効率よく配設することが可能となる。即ち、ロール状のインレット基板(3)の一端側からその長さ方向(α)にインレット素(104)を配設していくとき、長さ方向(α)における手前側に配置するインレット素(104)とその奥側に次に配置するインレット素(104)との幅方向において充分な間隔をとることができるので、複数列にインレット素(104)を同時に配設することも可能となる。
【0058】
上述の説明例では、インレット素(104)の幅の広い辺が、テープ状(ロール状)のインレット基板(フィルム)(3)の幅方向になるように配設する例を挙げた。なお、本発明の説明においては、ロール状のインレット基板(3)上に、インレット素(104)をいずれの方向に向けて配設するかにかかわらず、インレット素(104)をロール状のインレット基板(3)の幅方向に沿って配置することを縦列に配置するとし、インレット基板(3)の長さ方向(α)に沿って配置することを並列に配置すると規定する。
【0059】
この大判インレットは、その製造方法によって2つの種類に分類される。
第1の製造方法では、インレットロール(5)に所定間隔で並列に配設された複数のインレット素(104)からなる領域をそのまま大判インレットとして用いる。
第2の製造方法では、インレットロール(5)に所定間隔で並列及び縦列に配設された複数のインレット素(104)において、並列に配設された各インレット素(104)の間を打ち抜いて穴を設け、インレット素(104)間に穴が設けられた複数のインレット素(104)からなる領域を穴あきの大判インレットとして用いる。
【0060】
大判インレットの第1の製造方法について、より詳細に説明する。
まず、ロール状のインレット基板(3)をロールから引出し、インレット基板(3)の一端部において、その幅方向にインレット素(104)の長さ方向を合わせ、所定間隔をあけて縦列にインレット素(104)を配設する(ステップ1)。
縦列に配設された各インレット素(104)に対し、インレット基板(3)の長さ方向に各々1〜3mm程度の狭い間隔をあけ、各インレット素(104)を並列に配設していく(ステップ2)。なお、これらのインレット素同士の間隔は、インレット付テープに仕上げる設計条件によって、1〜3mm程度より広めに設定することもありうる。
【0061】
インレット素(104)の配設を終えたインレットロール(5)の一端側から、例えば刃物輪がスリット線の数だけ備えられたスリッタを用いて、複数のスリット線(6)上をスリットしていきながら、スリットされた各インレットロール(5)をその一端部側からロール状に巻き取っていく(ステップ3)。
この状態で各インレットロール(5)は、インレット素(104)が一列に配設されたものとなっている。また、巻き取られてロール状にされることによって、インレット基板(3)上にインレット素(104)が安全にハンドリングできることになる。なお、上記ステップ3においては、スリットの後に各インレットロール(5)を巻き取らずに、次の工程を連続してもよい。
【0062】
巻き取られた1本のインレットロール(5)を、例えば三方ガイド枠に突き当たるまで引き出して位置決めし、例えば図1のように6つのインレット素(104)を含む切断線(7)のところで切断することによって、大判インレットが製造される(ステップ4)。
このとき、切断線(7)で切断する代わりに、複数のインレット(4)の周りを打ち抜くようにしてもよい。このように打ち抜く場合、上記ステップ3においては、必ずしも全てのスリット線(6)上をスリットしてインレット素(104)が一列に配設されたインレットロール(5)にする必要はない。インレット素(104)が2列とか3列に配設されたインレットロール(5)としても、打ち抜けば大判インレットとすることができるからである。
同様にして、上記ステップ3のスリットする工程をなくし、全くスリットされていないインレットロール(5)から、大判インレットを打ち抜くようにして切断することも可能である。
【0063】
次に、大判インレットの第2の製造方法について、図1及び図3を参照して詳細に説明する。
図3は、フィルム打ち抜き装置を用いてインレットロール上のインレット素間を打ち抜く様子を示す状態図である。
ロータリー式のフィルム打ち抜き装置(11)には、上ローター(12)と下ローター(13)の間にインレットロール(5)を通し、上ローター(12)に金型(14)が設けられている。金型(14)は、上ローター(12)の金属面に放電加工で当該金型(14)部分以外は削って、当該金型(14)部分に鋭利な幅にした突起を作り、刃物としている。
【0064】
まず、第1の製造方法と同様に、ロール状のインレット基板(3)をロールから引出し、インレット基板(3)の一端部において、その幅方向にインレット素(104)の長さ方向を合わせ、所定間隔をあけて縦列にインレット素(104)を配設する(ステップ11)。
【0065】
縦列に配設された各インレット素(104)に対し、インレット基板(3)の長さ方向に各々5〜50mm程度の広い間隔をあけ、各インレット素(104)を並列に配設していく(ステップ12)。
インレット素(104)の配設を終えたインレットロール(5)の一端側では、図3のようにロータリー式のフィルム打ち抜き装置によって、インレットロール(5)の長さ方向に並列に配設されたインレット素(104)間に、例えばインレット素(104)の大きさと同程度の多角形、図3では六角形に打ち抜いて穴をあけていく(ステップ13)。
【0066】
打ち抜きを終えたインレットロール(5)の一端側から、第1の製造方法と同様に、スリッタを用いて、複数のスリット線(6)上をスリットしていきながら、スリットされた各インレットロール(5)をその一端部側からロール状に巻き取っていく(ステップ14)。
巻き取られた1本のインレットロール(5)は、第1の製造方法と同様に、複数のインレット素(104)を含む切断線(7)上で切断したり、該複数のインレット(4)の周りを打ち抜いたりすることによって、穴あきの大判インレットが製造される(ステップ15)。この穴あけ加工の目的については後述する。
この打ち抜きによって、穴あけと大判インレットの分割製作を同時に行なうことができる。
【0067】
上記第1の製造方法又は第2の製造方法によって製造された大判インレットを用いて、大判インレット付テープを制作し、その大判インレット付テープからインレット(4)が一列に配設されたインレット付テープが製造される。
なお、本発明におけるインレット付テープは粘着材が塗布されたものであり、このテープに関する各種装置が備えるロール等は粘着材が接触することによる動作に対する影響を回避するために離型効果のあるシリコーンゴム等を巻いたものとする。
また、本発明で用いる粘着材は、大判インレットをテープ基材面に固着する際に粘着性を有している接着剤を含むものである。常温ではさらさらとした表面状態になっているが、大判インレットを広幅テープ基材に移載する段階において、塗布層が加温によって粘性を増す性質のホットメルト接着剤を含むものとする。従って、このホットメルト接着剤塗布のテープ基材をスリットして製造したインレット付テープをシートに貼着する場合には、粘着性を得られるようにこのテープを加熱状態にすることが求められる。
【0068】
まず、第1の製造方法によって製造された大判インレットを用いる場合について説明する。
テープリールに巻かれたテープ基材(15)を引き出して走行させる(ステップ21)。
上記ステップ4のように切断して、又は打ち抜いて製造された大判インレット(8)は、例えば先端に小型のバキュームカップを備えたロボットアームを複数本有する移載装置によって、一枚ずつ広幅のテープ基材(15)の粘着面側に運ばれる(ステップ22)。
この粘着材はアクリル系、ゴム系の汎用粘着材を用いることができる。なお、このテープ基材(15)の表面には、離型処理を施しておく。またこの粘着材の塗布はテープ基材ロールから無加工のテープを巻きだした後に、インラインで行うようにしてもよい。
【0069】
走行する、又は一旦停止させたテープ基材(15)の粘着面上に、大判インレットにおいてインレット(4)が一列に配置された方向をテープ基材(15)の幅方向に合わせ、大判インレットが配設される(ステップ23)。なお、テープ基材を一旦停止させて大判インレットを配設する際、その移載方向とテープ基材が直交する場合の例を図11に示す。
そして、所定長さのテープ基材(14)が走行すると、再びステップ22及び23を繰返し、大判インレットは、走行するテープ基材(15)の粘着面上に所定間隔で配設固着され、大判インレット付テープが製造される。
【0070】
次に、走行方向最下流部分では、大判インレットに一列に配設されたインレット間の数だけ刃物輪が備えられたスリッタを用いて、大判インレット付テープとなったテープ基材(15)を、複数のインレット間を通るようにスリットしていく(ステップ24)。
スリットされて、インレット(4)が1つずつ所定間隔をあけて、テープ基材(15)の長さ方向に配設された各インレット付テープが、それらの一端側から各々別個のインレット付テープリールに巻き取られる(ステップ25)。
このスリッタは上下回転刃式、上刃のみ回転刃(片刃式)、ウォータージェット式その他の各種装置を用いることができる。
【0071】
なお、打ち抜き装置(11)は、ロータリー式に限らず、プラテンダイカット方式などのものを採用することも可能である。
また、大判インレットを配設するテープ基材(15)として予めスリットされた複数のテープ基材(15)を用いるようにすることも可能である。具体的には、上記ステップ21において、大判インレットに配置されたインレット(4)の数及び幅に合わせてスリットされた複数のテープ基材(15)を、各テープリールにセットして同時に引き出して1本のテープ基材(15)のように合わせて走行させる。
【0072】
次いで、上記ステップ22及び23と同様にして、大判インレットが複数のテープ基材(15)上にまたがって配設される。
そして、上記ステップ24において、上記スリッタを用いて大判インレット付テープの大判インレット部分をスリットする。
このように、予めスリットされた複数のテープ基材(15)を用いる方法では、テープ幅が極端に狭くなって、製作するリール本数が多くなってくると、固着位置の誤差が生じやすくなるという欠点はあるが、同じ形状及び大きさのインレット素(104)を材質の異なるテープ基材(15)上に配設したインレット付テープを同時に製作することが可能となる。材質の異なるテープ基材(15)について少量ずつ必要な場合には、特に効率よく製作することができる。
【0073】
以上のように大判インレットを一旦作成してから、テープ基材の粘着材面にこれを固着し、大判インレットをスリットによって最終の仕様であるインレット付テープを製造する本発明の基本手法は、ラベルに代表されるようなインレット封入物を、これを搭載するシートから一個ずつ取り出せるように離型紙つきのラミネートシートを半切打抜きによって製造する方法と比較すると、インレット付包装材等が普及し、大量に消費される段階においては生産技術的に有利である。そして、リールに巻いたインレット付テープを固着する対象の走行するシートにこのテープを巻き出して固着できるシンプルな手法は、離型紙つきの比較的広幅のラベル巻き取りテープ(シート)から一個ずつ取り出しながらシート材料に固着する手法に比べて、品質信頼性および固着スピードにおいて有利である。
【0074】
何よりもインレット関連の製造技術の進歩に伴って、通信タイプによって分かれるインレットの種類にかかわらず、インレットは今後ますます小型する傾向の中にあって、インレット付資材はこの流れに対応して行かねばならない。この予想される技術の推移の中で、この大判化というインレットの集合化をベースにした生産技術は、このインレットの小型化に対応できる合理的な技術である。
なお、テープ基材(15)の材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム等の汎用樹脂フィルムの他、天然物由来のフィルム、紙等を用いることができる。フィルムの場合には環境保存の観点からは、生分解性があり、燃焼時に炭酸ガスの発生量が少ないポリ乳酸樹脂等の天然物由来のフィルムを用いることが好ましい。
【0075】
また、大判インレットをテープ基材(15)の粘着面上に移載するには、上記移載装置の他、マガジンを用いる装置によるものでもよい。
図4は、マガジンを用いるインレット付テープ製造装置の一例の一部の概略構成を示す断面図である。図5は、図4のインレット付テープ製造装置の側面図である。
【0076】
インレット付テープ製造装置(17)は、片面に粘着材が塗布されたテープ基材(15)が巻かれたテープ基材リール(18)と、大判インレット(8)が収納され、底面に設けられた開口部(19)から大判インレット(8)が引き出されるマガジン(20)と、テープ基材リール(18)から繰出されて走行するテープ基材(15)を挟んで、開口部(19)と対峙するピックアップロール(21)とを備える。また、テープ基材(15)の走行経路には、複数のロール(22)が備えられている。また、ピックアップロール(21)と開口部(19)とが対峙する部分を挟み、テープ基材(15)の走行方向上流側と下流側であって、テープ基材の粘着面(A)と反対側に、固定されたピックアップロール引き離しバー(24)が備えられている。
【0077】
なお、ピックアップロール(21)は、サクション機能を有するものであってもよく、また、図6のようにアーム(21a)としてもよい。また、テープ基材(15)の粘着材に接触するマガジン(20)およびピックアップ部(21)の表面には、テープ基材(15)の動きが阻害されないようにシリコーン加工等を施しておく。
【0078】
次に、このように構成されるインレット付テープ製造装置(17)において、インレット(4)がテープ基材(2)に固着される過程を説明する。
まず、マガジン(20)に大判インレット(8)を装填しておく(ステップ31)。
なお、マガジン(20)には、予め大判インレット(8)を収納しておく代わりに、上記ステップ4のようにして切断された大判インレット(8)を、1枚ずつホッパによってマガジン(20)の上方の位置に搬送して落下するようにしたり、安定した加圧ができる枚数まで重ねておき、開口部(19)から大判インレット(8)が引き落とされて排出されるペースに合わせて、インレットロール(5)を切断して落下させて補充したりするようにしてもよい。
【0079】
次いで、ピックアップロール(21)の上昇によって、テープ基材(15)の粘着面(A)が開口部(19)の大判インレット(8)に押し当てられる(ステップ32)。
そして、ピックアップロール(21)が降下すると、走行するテープ基材(15)のテンションとピックアップロール(21)のサクション機能によってテープ基材(15)が開口部(19)から下方向へ離れると共に、テープ基材(15)の粘着面(A)にその中央部が接着された大判インレット(8)は、開口部(19)の外へ引き出される(ステップ33)。なお、マガジン(20)内の大判インレット(8)上には、圧コントロール機構を設けて一定圧をかけておくと、大判インレット(8)がテープ基材(15)の粘着面に接着されやすくなるので好ましい。
【0080】
大判インレット(8)が開口部(19)から完全に引き出されたところで、ピックアップロール(21)がサクション機能を解除してさらに降下するとき、テープ基材(15)がピックアップロール引き離しバー(24)の位置で止まり、テープ基材(15)とピックアップロール(21)とが引き離される。(ステップ34)。
そして、ピックアップロール(21)は、最低位置まで降下し、テープ基材(15)とは一定の間隙を有する状態となる(ステップ35)。
【0081】
開口部(19)から完全に引き出された大判インレット(8)は、その長手方向両端部もテープ基材(15)上に沿って、下流側へ走行する(ステップ36)。
走行方向下流では、走行しながら複数のロール(22)に押付けられた大判インレット(8)がテープ基材(15)上に固着される(ステップ37)。
そして、所定長さのテープ基材(15)が走行すると、再びステップ32〜37を繰返し、大判インレット(8)は、走行するテープ基材(15)の粘着面(A)上に所定間隔で配設固着され、大判インレット付テープ(26)が製造される。
【0082】
次に、走行方向最下流部分では、図示しない刃物輪がスリット線の数だけ備えられたスリッタを用いて、図7(a)のような大判インレット付テープ(26)となったテープ基材(15)上の複数のスリット位置(26)をスリットしていく(ステップ38)。
スリットされて、図7(b)のようにインレット(4)が1つずつ所定間隔をあけて、テープ基材(15)の長さ方向に配設された各インレット付テープ(27)が、それらの一端側から各々別個のインレット付テープリールに巻き取られる(ステップ39)。
【0083】
ピックアップロール引き離しバー(24)の代わりに、図6のようにピックアップロール(21)と開口部(19)とが対峙する部分を挟み、テープ基材(15)の走行方向上流側と下流側であって、テープ基材の粘着面(A)側に、上下摺動する大判インレット引き出しバー(25)を備えてもよい。
【0084】
上記ステップ32において、大判インレット引き出しバー(25)は、ピックアップロール(21)の上昇と共に、又は、上昇前に、ピックアップロール(21)上昇時のテープ基材(15)と接触しない位置まで引き上げられる。
上記ステップ33では、大判インレット引き出しバー(25)は、ピックアップロール(21)の降下と共に引き下げられ、テープ基材(15)を押し下げる。
【0085】
上記ステップ34で、大判インレット引き出しバー(25)は、テープ基材(15)が、走行するテープ基材(15)のテンションによって降下する所定の位置で、該テープ基材(15)と適度な圧で接触する位置まで引き下げられる。このとき、ピックアップロール(21)は、上述のように、最低位置まで降下し、テープ基材(15)とは一定の間隙を有する状態となっている。
【0086】
なお、大判インレット(8)は、広幅のテープ基材(2)の粘着面に固着する際に、インレット基板(5)とテープ基材(15)でアンテナとICを挟み込むようにすると、このテープを機械的に取り扱う際に性能保護の面で好都合である。この理由としては、他の保護フィルムが不要となり、テープの全体的な厚さを薄くすることができるからである。また、インレット部の部分的な保護加工が不要となるので、テープ内の厚薄差を少なく抑えることができ、シートにインレット付テープを固着した場合のシート内段差を目立たなくすることができるからである。
【0087】
上述のような簡単な機構でマガジン(20)から大判インレット(8)を引き出せるのは、大判インレット(8)の形状及び構造によるものである。即ち、導電ペーストで、又は金属膜のエッチング残部として形成されたアンテナのほぼ中央に位置するICチップは、インレット内の0.2mm程度の低い突起となっていて、このインレット(4)をマガジン(6)内で加圧を受けた積層状態になっていても密着状態にならないことから二枚給紙を防止でき、また大判インレット(8)の基板フィルムの適度の剛性としなり、及び滑り特性によって、撓ませながら容易に、かつ確実に引き落とすことができる。また、ICをチップの使用ではなく、プリント方式で形成するICの場合でも、導電ペーストで複雑な形状に形成する薄い盛り上がりが、フィルム製のインレットの密着を阻害することで、同様に引き落としが容易になる。
【0088】
大判インレットを広幅のテープ基材に固着する方法は、上述のロボットアーム付移載装置のように大判インレットをある距離を移動させて移載する装置においては、大判インレットを載置する供給方向としては、テープ基材の送り方向に対して、直角方向でも平行方向でもよい。
【0089】
図8は、第1の製造方法による大判インレットを用いて製造したインレット付テープの所定間隔部分を示す。
インレット基板(5)上にICチップ(1)及びアンテナ(2)を搭載するインレット(4)が、所定間隔のテープ基材(15)上に固着されている。この所定間隔部分のインレット付テープ(27)がケースなどの物品上に貼着される。この所定間隔部分のインレット付テープ(27)では、スリット断面(30)で、インレット(4)の長さ方向の両側面(31)とテープ基材(15)の長さ方向の両側面(32)とが完全に一致する1つの平面を形成している。
【0090】
従って、このインレット付テープ(27)をケース上に貼着すると、ケースとテープ基材(15)とでインレット(4)を挟むようになり、インレット(4)部分には粘着材がないので、インレット(4)部分はケースに貼着されていない。
よって、第1の製造方法による大判インレットを用いて製造したインレット付テープを紙製包装材に貼着したものを製紙工場でパルプ資源として再利用する際には、リサイクル工程の初期段階のパルパー内攪拌による離解において、プラスチックテープ基材を紐状物として木材繊維分と分離するまでに要する時間が短縮されるメリットが生じる。これはテープ内のインレットの部分が紙製包装材に接着されていないことの効果である。攪拌機の羽の衝撃によってこの部分からの水の侵入が容易になるためである。また、このインレット付テープをパルパーに投入する前の古紙回収段階で除去する際には、この包装材と接着していないインレット下部に鋭利な金属具の先端を差し込んでテープ全体を容易に剥がすことができる。
【0091】
また、インレット付テープ製造時の品質においては、テープ基材の端部とインレット端部がスリット圧を受けて配設時の端部の密着状態がさらに強固になり、また、この切断端部では2枚のフィルム剛性が合算されることによって、このテープを高速テープ貼り機でシート状成形物に貼着する際にエッジにかかるストレスからアンテナ部を保護する上で有利である。
このように製作されたインレット付テープを紙製包装材、シート状成形材に貼着して使用するが、シート製造工程でこのインレット付テープをリールから巻きだしてシートに連続的に切断シートの端から端まで貼着するが、狭いテープ幅であり、かつインレット部周辺では長さ方向でインレットに隣接する粘着材はテープの固定には余り寄与しない。しかし、比較的大きく剛性に富んだ切断シート全長に渡って貼着してあることからインレット部の非接着部の影響は生じず、テープ厚さが薄いこともあって、機械内のシート搬送中に引っかかりによる脱落のトラブルは生じない。
【0092】
次に、このような構造を有するインレット付テープを使用できる状況について詳しく説明する。
図8のようにインレット幅が狭い幅(2〜8mm程度)のインレットになると、スリット余裕寸法が1〜2mmと小さいような場合には図9のように個別に1個ずつインレットをテープ基材に安定的に、かつ、はみ出さずに正確な位置に固着することが困難となる。このように個別にインレットが固着されたインレット付テープをリールに巻き取り、高速で走行するシートに貼り付け装置を用いてインレット付テープを貼着する場合、この貼り付け装置に備えられたロール群、ガイド群をインレット付テープが通過する際のしごき及び機械的な衝撃によって、インレットがテープ基材から剥離する恐れがある。
【0093】
そこで、図8のようなテープ構造にすると、テープ送りの際に、またシートに固着加工した後工程において、別の加工機にこのシートを給紙した場合にフィードロール等によって摩擦力が加わった際にも粘着部の剥がれは生じにくくなる。また、包装作業時において内容物を収納する際に容器の内側に露出しているインレット付きテープと摩擦および衝突が生じる場合でも、テープは剥がれにくくなる。これはインレット切断端部がテープ基材端部に密着し、同じ切断端で重なって端部が強くなっているからである。インレット側部のテープ基材にスリット余裕寸法があって、浮きが生じる場合には、機械内においてインレット部に横方向からの力によってテープのひねり、または絡まりが生じやすくなるからである。
【0094】
このように大判インレット付テープから狭い幅のインレット付テープを作製する場合、特に隣接するインレット素が間隔ゼロで配置されたインレットロールを設計すれば、大判インレット付テープをスリットする際、インレット素間を分けるようにスリットするだけで、図10のような余裕代のない狭幅のインレット付テープを作製することができる。
【0095】
ここで、従来、インレット素が間隔をあけて配置されていた事情について説明しておく。例えば、ICタグにおけるインレット素は、ICチップをほぼセンターに配置したものである。その周囲に導電素材のアンテナを銅腐食法または印刷法で所定の形状及び面積で形成したインレット素は、インレット基板上に複数形成される。各インレット素は、ポリエステル等のフィルム状のインレット基板の送り方向に対して、数ミリから30ミリ程度間隔をあけて配置される。このように間隔をあけて設計されるのは、生産工程内でICとアンテナの接合具合等を性能検査するとき、混信なく信号を受信及び送信するためである。またこのような間隔は、ラベル内にインレットを固着するために打抜きをする際に、十分な余裕寸法ともなっている。
また、インレットロール内においてインレット素を近接して正確に配置しても、ラベルに仕上げる際にはスリッタ等による機械的切断のために、十分な誤差範囲を認める方が、厳しく公差範囲での切断を求められるより、生産ロスが低くなる。特にインレット素間寸法、即ちアンテナ間寸法が1〜2mmになると、切断の際にアンテナ部を損傷する危険が増す。
【0096】
これらの事情に対しては、インレットの検査をインレットロール段階ではなく、スリットしたインレット付テープの段階に変更すれば、間隔をあけることなくインレット素を配置することが可能となる。また、比較的太いラインでジグザグ形状又はベタ塗り状態で、ほぼ矩形に形成したアンテナをICの左右に形成するパターンのインレット素を採用すれば、図11(a)のように隣接するインレット素のアンテナの境界をなくすことができる。
【0097】
このようにインレット素が隣接して配置されたインレットロールから作製された大判インレット付テープにおいて、図11(b)のようにインレット素間を一定間隔のスリット幅に設定されたスリット装置(35)を用いてスリットする場合、たとえテープの長さ方向に直角な左右方向に若干ずれたとしても、両側にトリムを設けるスリットにおいては片側のインレット素は別として、その他のインレット素において切断されたアンテナの面積は一定である。即ち、切断されたインレット素におけるアンテナは、ICの左側が狭く切断される場合、他方はその分広く切断されるので、アンテナ面積は一定となり、高精度のスリッタを用いる場合においてはアンテナ性能を一定に維持することができる。
なお、形成したアンテナ部の導電性の金属薄層がスリットによって破壊されにくいように、金属表面コートを入念に行うことが好ましい。または耐衝撃性が十分に得られるように成分を調整する。
また、スリット装置は、スリット誤差が少なく、誤差0.5mm以内に抑えられるものが好ましい。例えばCCD画像としてカメラによってインレット端部の位置を常時スキャンする技術を用い、スリッタの切断位置を補正する装置にしておけば、通常は品質上問題のない範囲にスリット位置を許容範囲内にロスなくコントロールすることができる。
上述のように、インレットロールの長さ方向において、大判インレットのインレット素同士の間隔をゼロにするインレット素の配設同様に、インレットロールの幅方向におけるインレット素同士の間隔をゼロにするインレット素の配設を行うこともできる。さらにはこれら両方向においてインレット素同士の間隔をゼロにするインレット素配設を行うこともできる。これらのインレット素同士の間隔をゼロにする場合の大判インレットの切断には、インレット位置を示すマークを正確に検出して切断装置の位置補正ができる装置を用いる。
【0098】
一方、インレット素が近接されることなく配置された既成のインレットロールを使用する場合には、そのインレットロールから作成された大判インレット付テープをスリットする工程において、トリム法によって図12のように余分な間隔分の余剰テープ(16)をスリットアウトして除去する。これによって、インレット素のアンテナとスリットしたテープ基材の切断端との間隔を極力狭く、又はゼロにすることができる。このようにして作製された狭幅のインレット付テープを用いると、テープ貼着装置に用いる関連部品は比較的小さくなり、装置全体も小型に設計できることになる。
【0099】
このトリム法を用いれば、UHFタイプのタグの場合、既製品のアンテナ幅が5〜10mmの場合、インレット付テープ幅における両側の余裕代をゼロにすると、インレット付テープ幅を5〜10mmにすることができる。片側1mmの余裕代にすると、7mm〜12mmのインレット付テープ幅に収めることができる。
スリットアウトする余剰テープ(16)の幅は、インレットロールによって、即ちインレットロールのメーカー及び種類によって異なるが、数mmから30mmの範囲である。例えば、表裏紙でインレットを挟み込むような通常のラベル加工では、アンテナ外周から片側に2〜3mmの余裕代を設けてカットされる。
【0100】
このようにして形成された図10及び図11(c)のインレット付テープ(27)は、スリット余裕寸法がゼロとなり、テープ幅を数ミリから30mm程度狭くすることができる。これによってインレット付テープの貼着装置にセットする所定幅の紙管に巻くテープはいわば糸巻き状態に蛇行させることによってインレット付きテープの巻き長さを長くできる。テープ幅をより狭くして巻き長さを長くできれば、所定長さを巻くための紙管の幅を狭くできる。このようにして糸巻き方式の紙管の幅を狭くすれば、貼着装置をコンパクトにすることができる。
【0101】
そして、より狭幅に作製されたインレット付テープは、貼着する、又は層間に挿入するシート材の対象が増えることにもなる。例えば、コンパクトディスク(CD)のラップフィルムのカットテープに用いることも可能である。このような狭幅のテープに仕上げると、このような製品等に取り付ける場合、およびケース等の容器のデザインをテープが制約する度合いを軽減することになる。
特に、隣接するインレット素が間隔ゼロで配置されたインレットロールを用いる場合には、インレットロールの同じインレット基板内に配置できるインレット素の数を増やすことができる。これによってインレット基板のフィルム代が削減される。さらに、そのアンテナ形成においては、上述のようにジグザグ形状やベタ塗り状態等のアンテナ形状がシンプルになるので、生産が幾分容易になる。
【0102】
次に、第2の製造方法によって製造された穴あきの大判インレット(8)を用いて、大判インレット付テープを制作し、その大判インレット付テープからインレット(4)が一列に配設されたインレット付テープを製造する場合について説明する。
この場合も、第1の製造方法による上記ステップ21〜25や上記ステップ31〜39と全く同様の方法及び装置によって、インレット付テープを製造することができる。
ただし、上記ステップ38における大判インレット付テープ(26)は、図13(a)のようになっており、また、上記ステップ39におけるインレット付テープは、図13(b)のようになる。
【0103】
即ち、大判インレット(8)において、一列に配設されたインレット(4)間に穴(17)があけられていることによって、図13(a)のような大判インレット付テープ(26)となったテープ基材(15)上の複数のスリット位置(26)がスリットされたインレット付テープでは、図13(b)のようにインレット(4)の長さ方向の両側面(31)側に、テープ基材(15)の粘着材が露出することになる。
従って、このインレット付テープ(27)を図14のようにケース上に貼着すると、インレット基板の厚さは0.15mm程度と極薄であることから粘着材の露出部分によって、インレット(4)の長さ方向の両側でもケースとテープ基材(15)がソフト材による圧着によって接着し、インレット(4)部分がケースとテープ基材(15)とで包まれるようになる。この穴(17)の寸法と形状は、穴部の粘着材が十分に機能する面積に最大限に切り欠く必要がある。なお、図14において実線で示すインレット(4)及びインレット基材(3)はテープ基材(15)に覆われ、図中テープ基材(15)で示す部分が粘着材によって、テープ基材(15)とケースとが接着されている部分である。
【0104】
よって、第2の製造方法による大判インレットを用いて製造したインレット付テープは、より強固にケースなどの物品に貼着することが可能となる。
なお、図4〜8においては、テープ基材(15)のテープ面を略水平にして走行させる縦型装置を例に説明したが、テープ面を略垂直にして走行させる横型装置に設計することが可能である。
【0105】
上記第2の製造方法によっても、インレット(4)部分はシート材またはケースに全面的に貼着されておらず、部分的に僅かながら浮いた状態になる。また流通段階で商品およびパッケージの特定部位に細長い形状のIC付テープ状タグとして使用する貼着加工状態においても、インレット基板下は非接着状態になっている。ましてや上記第1の製造方法によって粘着材が塗布されたテープ基材に大判インレットを所定間隔で配設し、スリットによって分割された狭幅のインレット付きテープは、シート材に貼着すると粘着材が露出した面はシートと接着されるが、インレットの部分は浮いた状態になる。図10のようなスリット断面(30)の場合も、インレット(4)部分がケースに貼着されず浮いた状態になることは、上述のようにメリットになることもあるが、潜在的な不安要因になる。
【0106】
例えば、この浮き構造は人為的に引っ掛けるという悪戯の動機を生みやすく、これによってテープ基材側がめくれる危険が生じる。また、包装容器の印刷表面にこのテープが出ている場合には、生産装置で損傷しないまでも、剥離等の品質不安を与え、外観上も問題である。また、シート材が極薄の用紙(伝票やフォーム紙に加工)や、フレキシブルなプラスチック袋の場合には、インレット部の浮きが目立ちやすく、取り扱い時や販売時に不安が生じる。またこれらを機械で処理する場合には、マシントラブルの原因になりかねない。
このような問題を解決するためには、インレット(4)部分がシートまたはケースに貼着されるようにする。その方法としては、大判インレット固着後、又はインレット基板に予め、粘着材を塗布する方法が挙げられる。シート材への貼着工程で、特に2〜5mmの狭幅のインレット付テープに粘着材を塗布しながらインレット付テープをシートに固着することは困難なため、インレット付テープにスリットする前にインレット(4)部分に粘着材を塗布する。ただし、インレット付テープの幅が十分にあり、このテープへの粘着材の塗布幅を制限して、または過剰な塗布を制限できてシートに対する圧着後に粘着材がテープからはみ出さない塗布加工ができる精巧な装置において、またはシート間に挿入する固着条件においては、シートにテープを固着する直前の工程においての粘着材塗布も可能である。
【0107】
大判インレット固着後に塗布する方法は、テープ基材(15)上に大判インレット(8)を配設して固着した後に、インレット(4)部分に粘着材を塗布する方法である。(この装置図は省略する。)大判インレットを中心に粘着材又は接着材を塗布する。
インレット素が配設された面をテープ基材の粘着面に向けて大判インレットを配設・固着した後に、常温で粘着性が得られる粘着材又は加熱によって粘着性が得られるホットメルト接着材を大判インレットの裏側面に塗布する。この場合のホットメルト塗布は、塗布時に若干の突起として存在するICチップに加圧する状態を避けるために、ノズルによる塗布、または特殊な構造のノンクラッシュロールを用いたロール塗布を行う。通常は全面的に塗布するロール塗布法が用いられるが、フォーム、ラベルの製作で用いる間歇部分塗布法を用いることもできる。
市販品のホットメルト接着材の塗布量は、8g/cm2〜40g/cm2で、膜厚さは10μm〜30μmの範囲になるようにする。インレット付テープを固着するシートの表面状態によって膜厚さを調整する。また市販品の粘着材の塗布厚さはテープ加工に用いる一般的な厚さである15μm〜20μmにする。
【0108】
或は、大判インレットにおけるインレット素が配設されていない裏側面をテープ基材の粘着面に向けて配設・固着した後に、常温で粘着性が得られる粘着材又はホットメルト接着材を大判インレットの表側面、即ちインレット素の上に塗布する。塗布される粘着材の層はシートへの貼着加工時の衝撃・摩擦からインレット素を保護することができる。
この状態のインレット付テープをケース等のシート材に貼着すると、外部衝撃をテープ基材及びインレット基板の二枚のプラスチックフィルムと、シート材とでインレット素を挟むので、インレット素が高度に緩衝されて保護される。
【0109】
もう一つの、インレット基板に塗布する方法は、インレット基板の裏側面、即ちインレット素が配設されない面に予め粘着材を塗布しておく方法である。この粘着材には、大判インレットをテープ基材に配設する際には粘着性が発現しないものを採用する。ホットメルト型粘着材は冷却によって粘着性がなくなるタイプであり、この目的にかなう。これ以外でも、プラスチック製のインレット基板に表面加工を施して水系の粘着材が使用できるようにしておけば、ポリビニルアルコールに代表される再湿型の粘着材を予め塗布乾燥させる使用法も可能になる。
【0110】
インレット基板の裏側面に粘着材を塗布するタイミングとしては、インレット素(104)がインレット基板(3)上に配設されて大判インレットにカットされる前であれば特に限定されない。例えば、上記ステップ3において、スリットされた各インレットロール(5)がロール状に巻き取られていく前に、粘着材を塗布することができる。また、インレット素(104)が配設される前のインレット基板(3)の裏側面となる面に、粘着材を塗布することもできる。
インレット基板へのホットメルト型粘着材の塗布の仕方としては、ロール塗布または押出し塗布を挙げることができる。
【0111】
ホットメルト法は、通常150〜180で溶融する樹脂及びワックスの混合物のホットメルトを用い、ロール塗布法で塗布面に均一に塗布する。60℃〜90℃付近で塗布できる低温タイプ、および両者の中間タイプも使用することもできる。このホットメルト法によって粘着材が塗布された後、作製されたインレット付テープは、シート材に貼着される際に加温される。できるだけ低温で溶融するように調整したホットメルト型粘着材を用いるのが生産上は好都合である。
例えば、通常の段ボール、プラスチック段ボールのように生産工程で加熱を伴う場合には、このホットメルト塗布済みのインレット部分を、高温になっているシート面に対し、ベルト等によって押し当てると、テープ基材に塗布されていた粘着材によってインレット周辺で接着が起こり、同時にインレット基板に塗布されていたホットメルトが溶融して接着が始まるため、このための熱源が不要となり都合が良い。
【0112】
これらのように大判インレット固着後に塗布する方法やインレット基板に塗布する方法によって、裏側面に粘着材が塗布された大判インレットは、インレット素をテープ基材側にしてテープ基材上に配設されて固着される。このテープ基材がスリットされてインレット付テープになる。このインレット付テープのインレット(4)部分には粘着材が塗布されている。即ち、テープ全面に粘着層が形成されている状態であり、このようなインレット付テープをシート材に接着させると、ICタグが剥離等する危険性が軽減される。特にテープ幅が2〜5mmで、アンテナ長さが長くなる物流用のUHFタイプのICタグの場合でも、浮き長さが問題になることもなく、輸送途上のトラブル防止や販売時の品質不安の解消につながる。
【0113】
上述のような大判インレット(8)をマガジン(20)に装填して用いる場合、インレット(4)を単独に打ち抜き成形した単体のインレット(4)をマガジンに装填する場合と比べ、生産効率および生産コストの面で有利となる。即ち、この大判インレット(8)に対応して使用するテープ基材(15)は広幅になり、テープ粘着面に大判インレット(8)を安定した状態で固着させるために一旦巻き取って置いた後、所定の本数にスリットして該所定の個数のインレットリールを製作することができる。特に、極小のインレットを用いる際には、品質を維持しながら生産することができる効果を発揮する。そして、極小のインレット製作にまで進んだ技術開発品をそのまま生かし、極小幅のインレット付きテープとして工業的に利用できる形態の資材に仕上げることができる。
【0114】
ここまで、テープ基材の片面の粘着面に載置されたインレット部分がシートまたはケースに貼着されるように、大判インレット固着後、又はインレット基板に予め、粘着材を塗布する方法について説明した。
次に、両面に接着剤が塗布されたテープ基材を使用する場合について説明する。
このテープ基材は、インレット付テープをシート表面にオンマシンで、またはオフマシンで貼着するのではなく、二枚のシート、布または部材間にインレット付テープを挟み込んで貼着する場合に適用するものである。つまり、テープ基材の両面にホットメルト接着層を形成した後、冷却してリールに巻きつけられるようにする手法である。
このホットメルト材は、一般的な温度帯で溶融するグレードを用いることができるリール状態で軽いブロッキングが生じる程度であれば、巻き取り時に自着して利用できるが、荷重がかかる条件では過度のブロッキングが発生することからブロッキング防止剤の混合または塗布によってその程度を調整する。
【0115】
大判インレットを固着する側のテープ基材には低温で溶融するホットメルト接着剤を塗布しておき、その反対側にはそれより高温で溶融するホットメルト接着剤を塗布しておく。この構造にすることによって、大判インレットを固着する際には、このテープ基材を巻きだした後、低温で溶融する温度になるように設定した加熱槽、または誘電加熱装置を通してこの側のホットメルト塗布部を十分な粘着状態にする。この場合には、テープ基材の両面はともに離型処理を施していない通常の表面状態になっている。
このようにして作製した大判インレット付からスリットされたインレット付テープの使用時においては、常温では粘着性が発揮されないインレット付テープを二枚のシート間に挟みこんで配置し、そのインレット付テープを高温で溶融する温度条件まで加温して全体を圧着する。すると、この両面ホットメルト塗布のテープは離型紙をはがした両面テープと同じ作用を発揮して二枚のシートをテープの両側に塗布したホットメルト接着剤によって連結し、冷却後は十分に接着させることになる。
このように製造したインレット付テープは離型紙を用いる必要がなく、リール状に巻き取ることができる。保管条件等によって二種類のホットメルト間でブロッキングが発生する場合には、離型材をホットメルト材が溶融後に接着性を阻害しない程度の量を、または種類を選定して、一方の塗布側に離型材を表面塗布または混入させることで対処する。
【0116】
上述のような両面ホットメルト塗布のインレット付テープは、低温で溶融する特性を生かして、このテープを溶融する低温で加熱しておけば、このテープの片側のみを粘着状態にしておくことができる。つまり、通常の粘着材を塗布したインレット付テープと同じような取り扱いをすることができる。そして、完全な接着状態を得るために第二段階の加熱工程を経るようにする。このようなテープは、オンマシンで、またはオフマシンで位置決めを必要とする場合に好適である。
【0117】
このように大判インレットを用いて製造した両面ホットメルト接着剤塗布のインレット付テープは、製本の自動化ラインにおいて複雑な粘着材またはホットメルト材の塗布工程を簡略化することになる。通常粘着材を表紙の裏側の所定位置に塗布し、次に封止インレットを一個ずつマガジンから、またはICラベルを半切のラベル付シートから取り出して固着し、次の工程でその上にまた粘着材を塗布して本文の折丁の背中部に固着する工程を簡略化できる。予めインレット付テープの両面に二温度帯のホットメルト接着剤を塗布しておき、テープ繰り出しの後、用いる加熱温度を調整することによって、製本ライン速度に容易に適合させることができるインレット取り付けが可能になる。これによって従来の製本ラインを大きく、また長いラインに組み替えることなく、一部装置の導入設置で済むようになる。
【0118】
この両面ホットメルト接着剤塗布のインレット付テープを製造する際に、インレット部についても、上述したように片側に粘着材を塗布するインレット付テープ製造における諸加工と同じように、インレット基板の露出する側にホットメルト材を塗布しておく等の加工を組み込んでおくならば、図15に示す構造になるように、二枚の紙、またはシート、布等を全面において接着させることができる。テープ基材(15)においてインレットが配設される粘着面に低融点ホットメルト塗布層(43)を備え、その粘着面の反対面には高融点ホットメルト塗布層(41)が設けられている。また、インレット基板上にもホットメルト塗布層(45)が設けられている。このインレット基板の露出する部分のホットメルト材はどの融点で溶融するタイプのものでもよい。
【0119】
上述のようなテープ基材の両面に2温度帯のホットメルト材を塗布することによる位置決め効果を得る加工方法の他に、低温溶融側の面に線状に粘着材を入れ込む組み合わせ加工にすることもできる。この粘着材と低温加熱による溶融面とによって、インレット付テープの位置決め保持効果を得ることができる。この場合は、このテープ幅内を二分割または三分割して塗布できる十分な幅を有する最終スリット幅になるテープ幅が不可欠になる。10mm程度以上の加工幅を有することが望ましい。例えば10mm幅のテープであるならば、隣接のテープ幅との関係で、粘着材とホットメルト材をそれぞれ10mmずつ塗布し、それぞれの範囲を半分に分割するスリットによって10mm幅のテープ内に粘着材と低温ホットメルト材が塗布されたテープに仕上げることになる。これを巻き取る際に生じるブロッキング状態を考慮すると、粘着材は粘着力の弱いグレードを選定する方が好ましい。
【0120】
この分割塗布に替えて、二種類の粘着材と低温ホットメルト材を混錬して塗布することによっても類似の位置決め効果を得ることができる。この場合には、リールに巻き取る際に粘着材の粘着効果によって、自着してリール形状を保持することができる。また最終加熱によって、溶融するホットメルト材は溶け出す現象によって接着するシート材の面が隙間の多いメッシュであるとその間に深く浸透し、強固に二枚のシートまたは二個の材料を接着することができる。
【0121】
またICタグ(インレット)を作業服、または高級衣料の襟芯材の層間に、または生地の折り返し部分に挿入する需要に対して、および靴材の内部にまたは組み立て材の内部に固定する需要等に対して、また電気部品を形成する際のラミネート用接着剤としても用いることができる。
この種の両面ホットメルト接着材塗布のインレット付テープを使用する場合には、このテープをリールから引き出した後、インレット部を確認して損傷しない部分での一個分を切り出し、これを固定したい位置に仮留めしてしてから、アイロン加熱・プレスすることで二枚の素材間に確実に固着することができる。
これ以外にもキャッシュカードのICカードおよび電子パスポート、電子免許証、社員IDカード等のID用途にも、両面ホットメルト接着材塗布のインレット付テープを表裏フィルムの層間に挿入した後、表裏フィルム等を用いたラミネート加工後には分離・剥離できない状態にICタグ(インレット)を簡便に接着することができる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、デジタル情報が記録されたインレットを包装ケース表面に貼着するための装置に対して好適に利用されるものである。また、該インレットを二枚のシートなどの間に挟み込んで貼着する場合にも好適に利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】 本発明に係る大判インレット製造方法において使用するインレットロールの一例を示す概略構成図である。
【図2】 (a)は大判インレットにおけるインレット素配置の別の例を示し、(b)はそのインレット素配置のまた別の例を示す図である。
【図3】 フィルム打ち抜き装置を用いてインレットロール上のインレット素間を打ち抜く様子を示す状態図である。
【図4】 インレット付テープ製造装置の一例の一部の概略構成を示す断面図である。
【図5】 図4のインレット付テープ製造装置の側面図である。
【図6】 インレット付テープ製造装置の他の例の側面図である。
【図7】 第1の製造方法による大判インレットを用いて製造したテープであり、(a)は大判インレット付テープを示し、(b)はインレット付テープを示す。
【図8】 第1の製造方法による大判インレットを用いて製造したインレット付テープの所定間隔部分を示す。
【図9】 テープ基材に一個のインレットが移載されて形成されたインレット付テープの所定間隔部分を示す。インレットの長さ方向の側部がテープ基材一枚になっている。
【図10】 大判インレットからインレット間隔ゼロでスリットされて形成されたインレット付テープの所定間隔部分を示す。インレットの長さ方向の側部はテープ基材とインレット基材が重なって二枚になっている。
【図11】 複数のインレット素が隣接して配置された大判インレットを用いてインレット付テープを作製する過程であり、(a)はインレットロールから大判インレットを切り出す過程を示し、(b)は大判インレット付テープをスリットする過程を示し、(c)はスリットされて形成されたインレット付テープを示す。
【図12】 トリム法によって大判インレット付テープをスリットする様子を示す状態図である。
【図13】 第2の製造方法による大判インレットを用いて製造したテープであり、(a)は大判インレット付テープを示し、(b)はインレット付テープを示す。
【図14】 図11(b)のインレット付テープの所定間隔分をケースに貼着した様子をしめす部分拡大図である。
【図15】 両面にホットメルト接着剤を塗布したテープ基材に大判インレットを固着してスリットして製造したインレット付テープの所定間隔部分を示す。
【符号の説明】
【0124】
1 ICチップ
2 アンテナ
3 インレット基板
5 インレットロール
6 スリット線
7 切断線
104 インレット素
Claims (22)
- インレット基板のロールから繰り出したインレット基板上に、インレット素を、ロール幅方向に所定間隔をあけて縦列に、且つ、ロール長さ方向に所定間隔をあけて並列に配設していくステップと、
前記インレット素が縦列及び並列に配設されたインレットロールにおいて、該インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに、切断して大判インレットにするステップとを有することを特徴とする大判インレットの製造方法。 - 前記インレット基板上に、インレット素を縦列及び並列に配設した後、前記インレット素が配設されたインレットロールの幅方向において、該インレット素が配設された一端側から、各インレット素間をスリットしていくステップを有し、
前記大判インレットにするステップにおいて、スリットされた各インレットロールにおいて、該インレットロールの長さ方向に並列に配設された所定個数のインレット素ごとに切断することを特徴とする請求項1記載の大判インレットの製造方法。 - 前記インレット基板上にインレット素を縦列及び並列に配設した後、前記インレットロールの長さ方向におけるインレット素間に穴をあけるステップを有することを特徴とする請求項1又は2記載の大判インレットの製造方法。
- 前記インレット素が配設される前に、該インレット素が配設されない前記インレットロールの裏側面に予め粘着材が塗布されていることを特徴とする請求項1又は2記載の大判インレットの製造方法。
- 前記配設していくステップにおいて、前記インレット素を、前記ロール長さ方向に、または幅方向に、または両方向に所定間隔がゼロで並列に配設していくことを特徴とする請求項1又は2記載の大判インレットの製造方法。
- テープ基材の粘着面側において、複数個のインレット素がインレット基板上に一列に配設された大判インレットを固着する段階を経て製造されてなるインレット付テープであって、
該大判インレットが、前記インレット素が一列に配設された方向を前記テープ基材の幅方向に合わせ、所定間隔をあけて該テープ基材上に固着され、該大判インレットにおいて一列に配設された複数のインレット素間を通るように、該大判インレットとともに前記テープ基材がその長さ方向にスリットされ、スリットされた各テープ基材上に、インレットが一列に所定間隔で配設されていることを特徴とするインレット付テープ。 - 前記粘着面の反対面に、該粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されてなることを特徴とする請求項6記載のインレット付テープ。
- 前記大判インレットは、前記複数個のインレット素が隣接して配置されていることを特徴とする請求項6又は7記載のインレット付テープ。
- 前記大判インレットが、前記テープ基材上に固着された段階において、又はシートにインレット付テープを固着する段階において、該大判インレットの露出面に粘着材が塗布されてなることを特徴とする請求項6又は7記載のインレット付テープ。
- 前記大判インレットは、前記インレット素が配設されていない裏側面に予め粘着材を塗布し、その表側面を前記テープ基材側にして該テープ基材上に固着され、当該インレット付テープが被貼着物に貼着される際に加熱され、前記裏側面の粘着材が溶融するようになっていることを特徴とする請求項6又は7記載のインレット付テープ。
- 前記テープ基材上に固着されたインレットの周りにおいて、該インレットのスリットされた側の少なくとも一方側において、前記インレット基板が切り欠かれた領域を有することを特徴とする請求項6又は7記載のインレット付テープ。
- 前記テープ基材の粘着面と前記インレット基板とによって、該インレット基板に搭載されたインレット素が挟まれていることを特徴とする請求項6又は9記載のインレット付テープ。
- 前記大判インレットと共に前記テープ基材がその長さ方向にスリットされるとき、該長さ方向に沿った前記インレットの両端で切断されてなることを特徴とする請求項6又は7記載のインレット付テープ。
- 片面に粘着材が塗布されたテープ基材が巻かれたテープ基材リールから該テープ基材を繰り出して走行させるステップと、
複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットを、該インレット素が一列に配設された方向を、前記テープ基材の幅方向に合わせ、所定間隔をあけてその粘着面側に載置するステップと、
該大判インレットが接着されたテープ基材を、該大判インレットにおいて一列に配設された複数のインレット素間を通るようにスリットするステップと、
スリットされてインレットが一列に所定間隔で配設されてなる各インレット付テープを、別個に巻き取るステップとを有することを特徴とするインレット付テープの製造方法。 - 前記走行させるステップの前に、前記片面の反対面である第2の粘着面に、該片面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材を塗布するステップを有することを特徴とする請求項14記載のインレット付テープの製造方法。
- 前記載置するステップの後、前記大判インレットの露出面に粘着材を塗布するステップを有することを特徴とする請求項14又は15記載のインレット付テープの製造方法。
- 前記大判インレットは、前記インレット素が配設されていない裏側面に予め粘着材を塗布したものであることを特徴とする請求項14又は15記載のインレット付テープの製造方法。
- 前記スリットするステップにおいて、前記テープ基材の長さ方向に沿った前記インレットの両端でスリットし、余分な間隔分のテープが除去されることを特徴とする請求項14又は15記載のインレット付テープの製造方法。
- テープ基材の粘着面上にインレットを配設するインレット付テープ製造装置であって、
片面に粘着材が塗布されたテープ基材が巻かれたテープ基材リールと、
複数個のインレット素が一列に配設された大判インレットが装填され、開口部から該大判インレットが引き出されるマガジンと、
前記テープ基材リールから繰出されて走行するテープ基材、又は走行して一端停止したテープ基材を挟んで、前記開口部と対峙するピックアップ部と、
前記テープ基材上に接着された大判インレットにおいて一列に配設されたインレット素間を切断するスリッタと、
該スリッタによって切断されて、インレットが一列に所定間隔で配設されてなる各インレット付テープを、夫々巻き取る複数のリールとを備え、
前記マガジン又はピックアップ部が対峙するピックアップ部又はマガジンに近づくように移動することによって、テープ基材の粘着面が開口部の大判インレットに押し当てられ、該マガジン又はピックアップ部の復帰によって、テープ基材に接着された大判インレットがマガジンから引き出されることを特徴とするインレット付テープ製造装置。 - 前記粘着面の反対面に、該粘着面に塗布された粘着材よりも高温で溶融する粘着材が塗布されていることを特徴とする請求項19記載のインレット付テープ製造装置。
- 前記ピックアップ部は、往復運動するアーム又はロールであって、
前記開口部と前記ピックアップ部とが対峙する部分を挟み、前記テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、該テープ基材の粘着面側に、大判インレット引き出しバーを備え、該大判インレット引き出しバーは、前記ピックアップ部の移動に追従し、該テープ基材を前記開口部から押し離すことを特徴とする請求項19又は20記載のインレット付テープ製造装置。 - 前記ピックアップ部は、サクション機能を有して往復運動するアーム又はロールであって、
前記開口部と前記ピックアップ部とが対峙する部分を挟み、前記テープ基材の走行方向上流側と下流側であって、該テープ基材の非粘着面側に、ピックアップ部引き離しバーを備え、
該ピックアップ部引き離しバーは、前記ピックアップ部の吸引及び降下によって押し下げられるテープ基材を受け止めることを特徴とする請求項19又は20記載のインレット付テープ製造装置。
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