JP2006085239A - Icリストバンド用積層体ならびにその製造方法、およびicリストバンド - Google Patents
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【解決手段】 本発明のICリストバンド用積層体1は、表面基材11にICインレット12が第1の貼着剤層13を介して貼着された情報記録基材10と、裏面基材20とが、第2の貼着剤層30を介して一体化され、ICインレット12を備えた所定形状のリストバンド40を輪郭付ける切り込み41が形成されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、簡便に製造でき、大量生産に適したICリストバンド用積層体ならびにその製造方法、およびICリストバンドを提供することを目的とする。
ICインレットを備えた所定形状のリストバンドを輪郭付ける切り込みが形成されていることを特徴とする。
本発明のICリストバンド用積層体においては、裏面基材の第2の貼着剤層側と反対側の面に、エンボスが形成されたエンボス層が設けられていることが好ましい。
本発明のICリストバンドは、上述したICリストバンド用積層体から切り込みに沿って切り取られて得られたことを特徴とする。
本発明のICリストバンド用積層体の製造方法は、
ICインレットの片面に第1の貼着剤を塗布する塗布工程と、
ICインレットに塗布された第1の貼着剤を介して、表面基材の片面にICインレットを貼着して情報記録基材を作製するICインレット貼着工程と、
情報記録基材のICインレット貼着側の面に、第2の貼着剤を介して裏面基材を貼着してIC付き積層体を得る裏面基材貼着工程と、
IC付き積層体に、ICインレットを備えた所定形状のリストバンドを輪郭付ける切り込みを形成する切り込み形成工程とを有することを特徴とする。
本発明のICリストバンド用積層体の製造方法においては、裏面基材貼着工程の前に、裏面基材の片面に予め第2の貼着剤を塗布しておくことが好ましい。
また、本発明のICリストバンド用積層体の製造方法においては、第1の貼着剤が粘着剤であることが好ましい。
さらに、本発明のICリストバンド用積層体の製造方法においては、第2の貼着剤が接着剤であることが好ましい。
なお、本発明におけるリストバンドは、通常は手首に巻き付けられるものであるが、足首に巻き付けられる場合も含む概念である。
本発明のICリストバンド用積層体の製造方法によれば、ICリストバンド用積層体を簡便に製造できるので、大量生産が可能である。
図1および図2は、本実施形態のICリストバンド用積層体を示す図である。このICリストバンド用積層体1は、表面基材11にICインレット12が第1の貼着剤層13を介して貼着された情報記録基材10と、裏面基材20とが、第2の貼着剤層30を介して一体化されたものであり、ICインレット12を備えた所定形状のリストバンド40を輪郭付ける切り込み41が形成されているものである。また、裏面基材20の第2の貼着剤層30側と反対側の面21には、エンボスが形成されたエンボス層50が設けられている。
[表面基材]
表面基材11としては特に制限されないが、中でも、入院患者の氏名等の識別データを印字するため、少なくとも片面が、熱転写印刷、サーマル印刷、インクジェット印刷、レーザーマーキング等の印刷適性を有するものが好ましい。印刷適性を付与するためには、各印刷方法に応じた記録層を表面に設ければよい。
また、ICリストバンド使用時には水や薬剤が付着することもあるため、表面基材11は耐水性、耐油性、耐薬品性を備えたものであることが好ましい。耐水性、耐油性、耐薬品性を備えたものとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリウレタン等からなるプラスチックフィルムや合成紙などが挙げられる。さらに、合成紙としては、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等を二軸延伸してミクロボイドを多数形成したもの(ユポ等)が挙げられる。これらの中でも、印刷適性、耐水性、耐油性、耐薬品性を兼ね備え、引張強度も高いことから、ポリプロピレン製合成紙を用いたものが好ましい。さらに好ましくは、伸縮性のあるものが利便性の点でよい。
表面基材11の厚さは50〜300μmであることが好ましい。
また、表面基材11には予め印刷が施されていてもよい。
ICインレット12とは、ICを有する回路素子と、回路素子に接続されたアンテナとを備えたものである。本実施形態のICインレットでは、図3に示すように、インレット用基材12aと回路素子12bとを有するフィルムであって、回路素子12bが、半導体(IC)チップ12cと、ICチップ12cに電気的に接続された情報の送受信を行うループ状に形成された平面状のアンテナ12dとを備えたものとなっている。このICインレット12bの厚さは20〜100μmであることが好ましい。
具体的には、ICチップ12cとしては、(1)シリコンウェハーにリソグラフィーやドーピングなどの手法を用いて電子回路を形成し、所定の厚みに研削した後、接続端子を形成し、所定のチップサイズにダイシング加工したもの(ベアーチップ)、(2)ステンレスや4,2アロイなどの金属板に端子部分を形成した金属板(リードフレーム)にベアーチップをワイヤーボンディングなどの手法で端子接続し、金型内に納めた後、エポキシ樹脂を封入し、加熱硬化させモールド化したパッケージ化チップが挙げられる。
ベアーチップにおいては、端子はベアーチップ内の接続端子部分に金メッキやはんだメッキなどで端子(バンプ)を突出させて形成する。また、パッケージ化チップでは、このベアーチップの端子とリードフレームの端子とが金ワイヤーなどで接続されている。
このようなICチップ12cとしては、例えば、インフィニオン社から販売されているものとして、MCC1−1−2(ベアーチップ)、MCC2−2−1(パッケージ化チップ)などがある。
また、ICチップ12cは、個人情報保護の点から、セキュリティ機能を有していることが好ましい。
このICチップ12cは、1つのICリストバンドに複数設けられていても構わない。
(1)エッチング方式:厚み10〜50μmの銅箔やアルミニウム箔を融点が100℃〜150℃程度のホットメルト接着剤を介して貼りあわせ、数μmの厚みのレジスト層をグラビア印刷などの方法でその上に設ける。次いで、版下フィルムによりアンテナパターンを露光して、不要なレジスト層を除去したあと、エッチング処理し不要な金属箔層を除去する。その後、アルカリ液に浸漬してレジスト層を取り除いてアンテナパターンを形成させる。
(2)巻き線方式:直径80〜200μmの銅線を加熱したノズルから連続的に送り出しながら、ループ状のアンテナパターンを形成するようにフィルムに銅線の少なくとも一部を埋め込んで配線する。
このようなアンテナ形成方法により、インレット用基材12aに金属箔や金属線が配線されてアンテナ12dを形成する。
第1の貼着剤層13を構成する貼着剤としては、周知の接着剤または粘着剤を使用できる。中でも、オートラベラーを使って情報記録基材を製造でき、生産効率がより高くなることから、粘着剤が好ましい。粘着剤としては、例えば、ゴム系、アクリル系、ビニルエーテル系、シリコーン系、ウレタン系のエマルジョン型、溶剤型、ホットメルト型粘着剤を使用できる。粘着剤には粘着付与剤等の添加剤が含まれていてもよい。さらに、粘着剤の中でも、皮膚への刺激性が小さいことから、エマルジョン型粘着剤がより好ましい。
また、接着剤としては、エポキシ系の無溶剤型接着剤、ゴム系の溶剤型接着剤、シリコーン系、ポリエステル系のエマルジョン型接着剤、溶剤型接着剤などが挙げられる。
裏面基材20としては特に制限されず、例えば、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、EVA等からなるプラスチックフィルムや合成紙などが挙げられる。これらの中でも、耐水性、耐油性、耐薬品性、引張強度が高いことから、PET、PP、ポリプロピレン製合成紙が好ましい。さらに好ましくは、伸縮性のあるものが利便性の点でよい。
裏面基材の厚さとしては25〜100μmが好ましい。
第2の貼着剤層30を構成する貼着剤としては、周知の接着剤または粘着剤を使用でき、中でも、接着剤は、固形化してICリストバンド使用時に端部からはみ出にくく、皮膚に付着しにくいため、好適に使用される。接着剤としては、第1の貼着剤と同様のものが例示される。
また、接着剤の中でも、皮膚への刺激性がより小さくなることから、有機溶剤を含まない無溶剤型のものが好ましい。無溶剤型の接着剤としては、例えば、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエチレン系樹脂やEVA等のヒートシール型接着剤およびホットメルト型接着剤などが挙げられる。
エンボス層50を形成する場合、エンボス層50は皮膚に直接接触する層であるため、皮膚に対する刺激性が小さい材質からなることが好ましい。皮膚に対する刺激性が小さい材質としては、例えば、ポリエチレン、EVAなどが挙げられる。
また、エンボス層50におけるエンボスの凸部の高さは10〜150μmが好ましい。エンボスの凸部の高さが10μm以上であれば、ICリストバンドが皮膚に接触する面積を小さくでき、通気性を確保できるため皮膚の蒸れを防止できる。したがって、衛生的である上に、入院患者の装着感が良好になる。また、凸部の高さが150μm以下であればエンボスを容易に形成できる。
ICリストバンド40は、上述したICリストバンド用積層体1から、ICインレット12を備えた所定形状のリストバンドを輪郭付ける切り込み41に沿って切り取られて得られたものである。本実施形態におけるリストバンド40は、帯状の形状を有するものであって、複数のバンド孔42a,42a・・・が長さ方向に沿って一列に形成されているバンド部42と、バンド部42のバンド孔42aと共に止め具が通されるセット孔43aが形成されている固定部43と、バンド部42と固定部43と間に位置し、識別データやバーコード等が印刷され、ICインレットが設けられた記録部44とを有するものである。
切り込み41としては、手でリストバンドを切り取れることができれば特に制限されず、例えば、表面基材または裏面基材の一層を残して連続的に形成された切り込みであってもよいし、ミシン目であってもよい。
また、ICインレット12が露出していないから、プリンタの給紙部で引っ掛かることがなく、入院患者の識別データを汎用のプリンタを用いて印字できる。
さらに、所定形状のリストバンド40を輪郭付ける切り込み41が形成されているものなので、印字後にリストバンド40を切り取って入院患者に取り付けることができる。
さらに、エンボス層50を設ける代わりに、ICリストバンド全体に多数の貫通孔を形成して通気性を付与してもよいし、ICリストバンド全体を通気性のある材料から構成してもよい。
ICリストバンド40の形状も、上述した実施形態に限定されず、部分的に幅が異なっていてもよい。
次に、ICリストバンド用積層体1の製造方法について説明する。
[塗布工程]
上述した積層体1を製造するには、例えば、まず、インレット用基材12aの一方の面に回路素子12bを、間隔をあけて多数設け、インレット用基材12aの他方の面に第1の貼着剤を塗布して第1の貼着剤層13を設ける。第1の貼着剤を塗布する手段としては、例えば、リバースロールコータ、ナイフコータ、バーコータ、スロットダイコータ、リップコータ、エアーナイフコータ、リバースグラビアコータ、バリオグラビアコータなどが挙げられる。
次いで、その第1の貼着剤層13を、図4に示すように、第1の貼着剤層13より幅広の剥離紙14の中央部に貼り合わせる。そして、第1の貼着剤層13が積層されていない剥離紙14の側縁部に一定間隔に貫通孔14a,14a・・・を形成する。剥離紙14の側縁部に一定間隔に貫通孔14a,14a・・・を形成する方法としては、マージナルパンチを用いる方法などが挙げられる。
次いで、図5に示すように、予め回路素子12bの周囲を剥離紙14の手前まで打ち抜く抜き加工と、回路素子12bの周囲の不要なインレット用基材12aおよび第1の貼着剤層13を取り除くカス取りとが施される。これにより、抜き加工およびカス取り加工が施されたインレット用基材12aに回路素子12bが一つ設けられたICインレット12を形成して、ICインレット12が第1の貼着剤層13を介して剥離紙14に多数貼着されたICインレット積層体15を得る。
なお、ICインレット積層体15は、上記手順以外でも製造できる。例えば、剥離紙14に貫通孔14a,14a・・・を形成してからインレット用基材12aを貼着してもよいし、抜き加工およびカス取り後に剥離紙14に貫通孔14a,14a・・・を形成してもよい。
次いで、ICインレット12に塗布された第1の貼着剤層13を介して、表面基材11の片面にICインレット12を貼着する。
図6に、ICインレット貼着工程にて使用するICインレット貼着装置を示す。このICインレット貼着装置100は、ICインレット積層体15を貼着場所に向けて搬送するICインレット搬送手段110と、ICインレット積層体15の走行方向を案内する積層体案内ロール(ICインレット積層体の巻状体15a側から第1の積層体案内ロール120a、第2の積層体案内ロール120b)と、ICインレット積層体15から剥離紙14を取り除くのに使用する剥離紙剥離用ロール130と、ICインレット積層体15から剥離された剥離紙14を巻き取る剥離紙巻き取り用ロール140と、側縁部に一定間隔で貫通孔11aが形成された表面基材11(図7参照)を貼着場所に向けて搬送する表面基材搬送手段150と、剥離紙剥離用ロール130に隣接し、表面基材11の走行方向を案内する表面基材案内ロール160と、情報記録基材10を巻き取る情報記録基材巻き取り用ロール170とを具備するものである。ここで、ICインレット搬送手段110は、第2の積層体案内ロール120bと剥離紙剥離用ロール130との間に設けられ、表面基材搬送手段150は、表面基材案内ロール160と情報記録基材巻き取り用ロール170との間に設けられている。また、貼着場所とは、ICインレット積層体15のICインレット12と表面基材11とが貼着する場所のことをいう。
ICインレット積層体15は、貼着装置100に対して、剥離紙14が積層体案内ロール120a,120bおよび剥離紙剥離用ロール130に接するように装着される。
また、これと同様に、表面基材搬送手段150は、表面基材11の貫通孔11aに挿入する第2のピン151,151・・・と、第2のピン151,151・・・が設けられたベルト152と、原動プーリ153aおよび従動プーリ153bを介してベルト152を動かすモータ153と、第2のピン151,151・・・の移動速度を制御する第2の制御部154とが備えられたものである。表面基材搬送手段150において、隣接する第2のピン151,151同士の間隔は表面基材11の貫通孔11a,11a・・・の間隔に対応している。
ICインレット12を表面基材11に貼着した後、再び表面基材11が一定量搬送されるまでICインレット搬送手段110を停止する。一方、表面基材11の搬送は継続し、表面基材11にICインレット12を貼着して得られた情報記録基材10を情報記録基材巻き取り用ロール170で巻き取る。
次に、情報記録基材10に第2の貼着剤を介して裏面基材20を貼着する。図10に、情報記録基材10に裏面基材20を貼着する裏面基材貼着装置を示す。この裏面基材貼着装置200は、情報記録基材の巻状体10aが取り付けられた情報記録基材繰り出しロール210と、裏面基材20の巻状体が取り付けられた裏面基材繰り出しロール220と、第2の貼着剤231を塗布する塗布手段230と、隣接した2つのロール241a,241bからなり、情報記録基材10と裏面基材20とを圧着する第1の圧着部240と、Tダイを備えた押出機250と、押出機250から吐出された溶融樹脂251を冷却すると共に周面にエンボスが形成されたエンボスロール260と、得られたIC付き積層体271を巻き取るIC付き積層体巻き取り用ロール270とを具備するものである。
次いで、裏面基材20の第2の貼着剤層30側と反対側の面21に、押出機250から吐出された溶融樹脂251を積層する。そして、その積層した溶融樹脂251をエンボスロール260により冷却すると共にエンボス加工し、エンボス層50を形成してIC付き積層体271を得る。得られたIC付き積層体271はIC付き積層体巻き取り用ロール270にて巻き取られる。
次いで、IC付き積層体271における側縁部(貫通孔が形成された部分)を切除し、その後、表面基材11側からIC付き積層体271に所定形状のリストバンドの輪郭を有する抜き刃を当てて、表面基材11から裏面基材20まで、ICインレット12を備えたリストバンドを輪郭付ける切り込み41を形成する。次いで、図11に示すように、一定間隔で幅方向にミシン目加工して切取線60を形成し、ICリストバンド40が一列に設けられるように切断線70,70・・・に沿って切断する。
このようにして、図1および図2に示すような、情報記録基材10と裏面基材20とが第2の貼着剤層30を介して一体化され、ICインレット12を備えた所定形状のリストバンド40を輪郭付ける切り込み41が形成されているICリストバンド用積層体を得る。
10 情報記録基材
11 表面基材
12 ICインレット
13 第1の貼着剤層
20 裏面基材
21 裏面基材の第2の貼着剤層側と反対側の面
30 第2の貼着剤層
40 リストバンド
41 切り込み
50 エンボス層
271 IC付き積層体
Claims (7)
- 表面基材にICインレットが第1の貼着剤層を介して貼着された情報記録基材と、裏面基材とが、第2の貼着剤層を介して一体化され、
ICインレットを備えた所定形状のリストバンドを輪郭付ける切り込みが形成されていることを特徴とするICリストバンド用積層体。 - 裏面基材の第2の貼着剤層側と反対側の面に、エンボスが形成されたエンボス層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のICリストバンド用積層体。
- 請求項1または2に記載のICリストバンド用積層体から切り込みに沿って切り取られて得られたことを特徴とするICリストバンド。
- ICインレットの片面に第1の貼着剤を塗布する塗布工程と、
ICインレットに塗布された第1の貼着剤を介して、表面基材の片面にICインレットを貼着して情報記録基材を作製するICインレット貼着工程と、
情報記録基材のICインレット貼着側の面に、第2の貼着剤を介して裏面基材を貼着してIC付き積層体を得る裏面基材貼着工程と、
IC付き積層体に、ICインレットを備えた所定形状のリストバンドを輪郭付ける切り込みを形成する切り込み形成工程とを有することを特徴とするICリストバンド用積層体の製造方法。 - 裏面基材貼着工程の前に、裏面基材の片面に予め第2の貼着剤を塗布しておくことを特徴とする請求項4に記載のICリストバンド用積層体の製造方法。
- 第1の貼着剤が粘着剤であることを特徴とする請求項4または5に記載のICリストバンド用積層体の製造方法。
- 第2の貼着剤が接着剤であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のICリストバンド用積層体の製造方法。
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