JP2009031958A - 非接触型データキャリア用導電部材の製造方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非接触型データキャリア用導電部材の製造において、導電層を基材に正確に接着する。
【解決手段】導電体3の表面に予め形成された非導電性の熱可塑性接着剤層6を間に挟むように、導電体3と非導電性の基材2とを重ね合わせる重畳工程(A)と、基材2上で導電体3を所定のパターンに打ち抜き刃12aにより打ち抜く打ち抜き工程(B)と、導電体3を基材2に前記パターンで加熱接着する接着工程(C)とを順次行う、非接触型データキャリア用導電部材の製造方法において、導電体3の必要部を打ち抜く打ち抜き刃12aの間に仮接着用弾性体9aを設け、打ち抜き工程(B)時に仮接着用弾性体9aを、導電体3の必要部に押し付けて、熱可塑性接着剤層6の一部のみを溶かし、かくして、導電体3の必要部を基材2に仮接着する。
【選択図】図5
【解決手段】導電体3の表面に予め形成された非導電性の熱可塑性接着剤層6を間に挟むように、導電体3と非導電性の基材2とを重ね合わせる重畳工程(A)と、基材2上で導電体3を所定のパターンに打ち抜き刃12aにより打ち抜く打ち抜き工程(B)と、導電体3を基材2に前記パターンで加熱接着する接着工程(C)とを順次行う、非接触型データキャリア用導電部材の製造方法において、導電体3の必要部を打ち抜く打ち抜き刃12aの間に仮接着用弾性体9aを設け、打ち抜き工程(B)時に仮接着用弾性体9aを、導電体3の必要部に押し付けて、熱可塑性接着剤層6の一部のみを溶かし、かくして、導電体3の必要部を基材2に仮接着する。
【選択図】図5
Description
この発明は、アンテナ、ブリッジ等の非接触型データキャリア用導電部材の製造方法および装置に関するものである。
例えば、商品に使用される無線タグは、アンテナ等の非接触型データキャリア用導電部材を使用して作られる。
従来、非接触型データキャリア用導電部材であるアンテナ等を所定のパターンで形成する場合には、基材上に積層した導電体であるアルミニウム、銅等の金属箔上にレジストパターンを形成し、次いで、導電体をエッチングするという化学的方法によりアンテナ等のパターンを得ている。
しかし、この化学的方法は、製造工程が煩雑であり、またエッチング剤等の化学薬品等を用いなければならないことから、近頃では打抜き刃を用いて、金属箔からなる導電体から直接、アンテナを形成する方法が用いられている。
この方法は、例えば、特許文献1に開示されているように、合成樹脂フィルム等の基材上にアンテナ等のパターンで熱可塑性接着剤層を形成し、次いで、基材に金属箔からなる導電体を重ね合わせ、次いで、基材上で導電体をアンテナ等のパターンに打ち抜き刃で打ち抜き、次いで、導電体を基材にアンテナ等のパターンで熱可塑性接着剤層を介して加熱接着し、そして、導電体の不要部を基材上から除去して、金属箔から直接アンテナを形成するものである。
上記後者の製造方法において、導電体を打ち抜き刃で打ち抜いた後に基材上に加熱接着するのは、以下の理由による。
仮に、この順序を入れ換えて、先にアンテナ等のパターンで加熱接着すると、熱が導電体を伝わって導電体の不要部も接着剤で基材に接着されやすくなって、後に導電体を打ち抜き刃で打ち抜き、不要部を除去する際に不要部が基材から剥れ難くなる。これでは導電体に適正なアンテナ等を形成することができない。
しかし、先に導電体を打ち抜いておけば、後に加熱接着する際に熱が導電体の不要部に伝わり難くなって、この不要部が基材に接着され難くなる。この結果、不要部を基材から除去しやすくなるので、アンテナ等の製造が簡易化される。
ところが、このように導電体を先に打ち抜き、後で基材に接着するようにすると、導電体の必要部が打ち抜き刃側に付着して打ち抜き刃と共に基材から持ち上がってしまい、後の基材に対する加熱接着に支障を来たし、導電体にシワ、破断等が生じやすくなり、それだけ歩留まりが低下するという問題があった。
また、このような打ち抜き刃による導電体の必要部の持ち上げ現象を防止しつつ適正な打ち抜きを行うためには、打ち抜き刃の刃先の突出量等を事前に細かく調整する必要があり、このためアンテナ等の製造の準備作業に長時間を要し、製造効率の低下を招くという問題があった。
従って、この発明は、上述した課題を解決する手段を提供することを目的とする。
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、下記を特徴とする。
請求項1記載の発明は、導電体および非導電性基材の何れか一方の表面に予め形成された非導電性の熱可塑性接着剤層を間に挟むように、前記導電体と前記基材とを重ね合わせる重畳工程と、前記基材上で前記導電体を所定のパターンに打ち抜き刃により打ち抜く打ち抜き工程と、前記導電体を前記基材に前記パターンで加熱接着する接着工程とを順次行う、非接触型データキャリア用導電部材の製造方法において、前記導電体の必要部を打ち抜く前記打ち抜き刃の間に仮接着用弾性体を設け、前記打ち抜き工程時に前記仮接着用弾性体を、前記導電体の必要部に押し付けて、前記熱可塑性接着剤層の一部のみを溶かし、かくして、前記導電体の必要部を前記基材に仮接着することに特徴を有するものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記導電体の不要部を打ち抜く前記打ち抜き刃の間に、前記打ち抜き工程時に前記導電体の不要部を押し付ける押し付け用弾性体を設け、前記押し付け用弾性体の熱伝導性は、前記仮接着用弾性体の熱伝導性より悪いことに特徴を有するものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記弾性体は、前記打ち抜き刃に沿って連続して設けられていることに特徴を有するものである。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記弾性体は、前記打ち抜き刃に沿って断続して設けられていることに特徴を有するものである。
請求項5記載の発明は、請求項1から4の何れか1つに記載の発明において、前記弾性体の長さは、前記打ち抜き刃より長いことに特徴を有するものである。
請求項6記載の発明は、導電体および非導電性基材の何れか一方の表面に予め形成された非導電性の熱可塑性接着剤層を間に挟むように、前記導電体と前記基材とを重ね合わせる重畳手段と、前記基材上で前記導電体を所定のパターンに打ち抜き刃により打ち抜く打ち抜き手段と、前記導電体を前記基材に前記パターンで加熱接着する接着手段とを備えた、非接触型データキャリア用導電部材の製造装置において、前記導電体の必要部を打ち抜く前記打ち抜き刃の間に仮接着用弾性体が設けられ、前記仮接着用弾性体は、前記打ち抜き手段による打ち抜き時に前記導電体の必要部に押し付けられて、前記熱可塑性接着剤層の一部のみを溶かし、かくして、前記導電体の必要部を前記基材に仮接着することに特徴を有するものである。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記導電体の不要部を打ち抜く前記打ち抜き刃の間に、前記打ち抜き時に前記導電体の不要部を押し付ける押し付け用弾性体が設けられ、前記押し付け用弾性体の熱伝導性は、前記仮接着用弾性体の熱伝導性より悪いことに特徴を有するものである。
請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の発明において、前記弾性体は、前記打ち抜き刃に沿って連続していることに特徴を有するものである。
請求項9記載の発明は、請求項6または7記載の発明において、前記弾性体は、前記打ち抜き刃に沿って断続していることに特徴を有するものである。
請求項10記載の発明は、請求項6から9の何れか1つに記載の発明において、前記弾性体の長さは、前記打ち抜き刃より長いことに特徴を有するものである。
この発明によれば、導電体の必要部を打ち抜く打ち抜き刃間に仮接着用弾性体を設け、打ち抜き工程時に仮接着用弾性体を導電体の必要部に押し付けることにより、熱可塑性接着剤層の一部のみを溶かして、必要部の導電体を基材に仮接着することができるので、導電体の連続体をこれに位置ずれを起こすことなく正確なパターンに打ち抜くことができる。しかも、仮接着により、導電体の必要部が打ち抜き刃側に付着して打ち抜き刃と共に基材から持ち上がることを防止することができるので、後の基材に対する加熱接着に支障を来たしたり、導電体にシワ、破断等が生じない。従って、製造するべきアンテナ等の歩留まりを高めることができる。
また、仮接着により導電体の連続体が基材の連続体上に拘束されていることから、打ち抜き刃が下型側に大きく突出していても、上型の上昇時に導電体が上型に持っていかれる現象が無くなり、基材から離反しない。このため、打ち抜き刃の突出量を比較的大きくして導電体の打ち抜きを的確に行うことが可能となる。しかも、従来のような導電体の上型への持っていかれを防止するための打ち抜き刃の微調整が不要となり、速やかにパターンの製造を開始することができる。従って、製造の準備時間を短縮でき、製造効率を高めることができる。
導電体の不要部が打ち抜き刃側に付着して打ち抜き刃と共に基材から持ち上がっても、後の基材に対する加熱接着等に支障を来たす恐れがあるが、導電体の不要部を打ち抜く打ち抜き刃間に、打ち抜き工程時に導電体の不要部を押し付ける押し付け用弾性体を設けることによって、この問題はなくなる。この場合、押し付け用弾性体の熱伝導性を仮接着用弾性体の熱伝導性より悪くすることによって、導電体の不要部が加熱接着することを防止することができる。
また、打ち抜き刃が切り込みから離れるまで、仮接着用弾性体あるいは押し付け用弾性体の弾性力により導電体が押えられるので、この点でも導電体の持ち上がりを防止することができる。この効果は、弾性体の長さを打ち抜き刃より長くすることによってさらに向上する。
次に、この発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明により製造される非接触型データキャリア用導電部材の素材シートの表面図、図2は、図1に示す素材シートの裏面図、図3は、ICチップを実装した非接触型データキャリア用導電部材の表面図、図4(A)は、図1中IVA−IVA線矢視断面図、図4(B)は、図3中IVB−IVB線矢視断面図である。
図1から図4に示すように、非接触型データキャリア用導電部材1またはその素材シート1aにおける非導電性の基材2の表裏面には、それぞれ熱可塑性接着剤層6,7が所定のパターンに形成され(図4参照)、この熱可塑性接着剤層6,7の上から同様なパターンの導電体3,4がそれぞれ積層され固着される。
基材2は、合成樹脂製シートあるいは各種合成樹脂製シートを積層したシートにより形成される。基材2の厚さは、大体12μm〜250μmである。基材2は、図示例では長方形に形成されているが、その他の所望の形状とすることができる。合成樹脂としては例えばポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることができる。
導電体3,4は、例えばアルミニウム箔により形成される。アルミニウム箔の厚さは6μm〜50μm程度である。導電体3,4としては、アルミニウム箔のほか、アルミニウム合金、銅、銅合金等の箔を用いることができる。
導電体3,4のうち、基材2の表面の導電体3は、アンテナのパターンおよびコンデンサの一方の電極のパターンにそれぞれ形成される。また、導電体3,4のうち基材2の裏面の導電体4は、ブリッジのパターンおよびコンデンサの他方の電極のパターンにそれぞれ形成される。図1〜図4(A),(B)において、3aは、アンテナのパターンに対応した導電体、3bは、コンデンサの一方の電極のパターンに対応した導電体、4aは、ブリッジのパターンに対応した導電体、4bは、コンデンサの他方の電極のパターンに対応した導電体をそれぞれ示す。
アンテナのパターンは、図示例では渦巻状パターンとされるが、それ以外にも通信周波数帯によってバー形状パターン、パット形状パターン、クロス形状パターンなど様々のパターンとすることができる。
ブリッジのパターンは、図示例では細長い長方形であるが、それ以外の形状に適宜変更可能である。ブリッジを構成する導電体4aは、図示例では、アンテナのパターンを構成する導電体3aと反対側に設けられているが、アンテナの導電体3a上に熱可塑性接着剤層等からなる絶縁層を介して積層することも可能である。
コンデンサのパターンは、一方の電極について細長い長方形に形成されるが、他方の電極については多数個の互いに電気的に接続された細片に形成される。非接触型データキャリア用導電部材1が完成した後、細片間のつなぎ部の導電体4cを切断することにより、静電容量を調節し、非接触型データキャリア用導電部材1としての共振周波数を最適値に補正することができる。
図4(A)に示す積層シートは、非接触型データキャリア用導電部材1の素材シート1aであり、図4(B)に示すように、アンテナの両端部のパターンに対応した導電体3cとブリッジのパターンに対応した導電体4aとを接合することにより両導電体3,4間の電気的導通が確保される。
この電気的導通は、アンテナの両端部のパターンに対応した導電体3cとブリッジのパターンに対応した導電体4aとを基材2の厚さ方向で超音波溶接、加熱プレス等をすることによって行われる。これにより、一方の導電体3に形成された凹陥部5が基材2を貫いて他方の導電体4に接合される。図4(B)中、5aは、接合部を示す。
図1に示すように、非接触型データキャリア用導電部材1の素材シート1aにおけるアンテナのパターンの導電体3aは、ICチップ接続電極に対応する導電体3dを含んでいる。図3に示すように、このICチップ接続電極の導電体3dにICチップ10が乗せられ、電気的に接続される。
基材2上にICチップ10が実装された非接触型データキャリア用導電部材1は、基材2の表裏面が所望のラベル用被覆層(図示せず)で覆われることによりラベル状のICタグやICカードに構成される。
次に、図1および図4(A)に示した非接触型データキャリア用導電部材の製造方法および装置について、図面を参照しながら説明する。
図5は、この発明の非接触型データキャリア用導電部材の製造装置の一実施形態を示す概略正面図、図6は、上型を示す部分概略斜視図、図7は、上型が上昇した状態を示す部分拡大図、図8は、上型が下降した状態を示す部分拡大図、図9は、別の上型を示す部分概略斜視図、図10は、さらに別の上型を示す部分概略斜視図である。
図5に示すように、この発明の製造方法は、非導電性の熱可塑性接着剤層6を間に挟むように、導電体3と基材2とを重ね合わせる重畳工程(A)と、熱可塑性接着剤層6の一部のみを溶かして導電体3を基材2に仮接着すると共に、基材2上で導電体3をアンテナ等所定のパターンで打ち抜く仮接着・打ち抜き工程(B)と、導電体3を基材2に上記パターンで加熱接着する接着工程(C)と、基材2から導電体3の不要部3eを分離する分離工程(D)とを順次行うようになっている。以下、各工程と各工程を実施する装置について説明する。
(A)重畳工程
まず、基材2の連続体と金属箔である導電体3の連続体とを用意する。金属箔の導電体3の片面には、予め非導電性の熱可塑性接着剤が塗布され乾燥されることにより熱可塑性接着剤層6が積層されている。この熱可塑性接着剤層6は、基材2の連続体の片面に積層しておいても良い。
まず、基材2の連続体と金属箔である導電体3の連続体とを用意する。金属箔の導電体3の片面には、予め非導電性の熱可塑性接着剤が塗布され乾燥されることにより熱可塑性接着剤層6が積層されている。この熱可塑性接着剤層6は、基材2の連続体の片面に積層しておいても良い。
基材2は、厚さが大体12μm〜250μm程度のPET製フィルムである。PETに代えて他の樹脂や、紙等を用いることもでき、また、それらの積層体を用いることもできる。
金属箔は、厚さが6μm〜50μm程度のアルミニウム箔が使用される。金属箔としては、アルミニウム箔のほか、アルミニウム合金、銅、銅合金等の箔を用いることができる。
熱可塑性接着剤層6となる熱可塑性接着剤は、例えば、ホットメルトであり、導電体3である金属箔または基材2の片面に1μm〜5μm程度の厚さで塗布され乾燥される。熱可塑性接着剤層6は、金属箔または基材にベタで形成されるが、上記アンテナ等の所定のパターンに対応したパターンで塗布しても良い。
導電体3と基材2の各連続体は、それぞれ図示しない巻取りロールから繰り出され、熱可塑性接着剤層6が基材2に接するように重畳手段としてのニップローラ8a,8bに通されることにより互いに重ね合わされる。
導電体3と基材2の各連続体には、図示しないがマージナルパンチホールが形成され、両連続体は、マージナルパンチホールに嵌り込むピンを備えたピン車(図示せず)により一方向に送られるようになっている。ピン車は、ニップローラ8a,8bよりも下流側に配置される。また、この実施形態では、ピン車は、間欠駆動するようになっており、これにより双方の連続体は矢印方向に同速度で間欠走行する。この間欠走行のための送りピッチは、図5中(p)で示されている。
(B)仮接着・打ち抜き工程
導電体3と基材2の両連続体の走行方向に見てニップローラ8a,8bよりも下流側には、平プレス盤が配置される。平プレス盤は、上型12と下型13とを備え、両型12,13が密着した連続体を間に挟んで対峙して設置されている。
導電体3と基材2の両連続体の走行方向に見てニップローラ8a,8bよりも下流側には、平プレス盤が配置される。平プレス盤は、上型12と下型13とを備え、両型12,13が密着した連続体を間に挟んで対峙して設置されている。
上型12には、図6に示すように、アンテナ等のパターンに対応した打ち抜き刃12aが固定され、下型13には、打ち抜き刃12aを受け止める平坦面が形成されている。この下型13の平坦面は、PET等のシートにより形成されている。
上下二条の連続体の密着した重畳体が平プレス盤の所定位置に進行し停止すると、平プレス盤の上型12が、図7の状態から図8の状態(図5中、実線で示す位置から二点鎖線で示す位置)に下降し、基材2の連続体上で導電体3の連続体をアンテナ等のパターンを打ち抜く。このときに、導電体3の必要部(3a,3b,3c,3d)が基材2に仮接着される。この後、上型12は、元に位置まで上昇し、次ぎの打ち抜きに備える。
導電体3の必要部を打ち抜く打ち抜き刃12a間には、上型12の下降時に、この必要部を押し付けると同時に熱を伝達させ、これにより熱可塑性接着剤層6の一部のみを溶かして、導電体3の必要部を基材2に仮接着する仮接着用弾性体9aが取り付けられている。上型12には、仮接着用弾性体9を加熱するための電気熱線(図示せず)が埋設されている。
このように、打ち抜きと同時に、導電体3の必要部を基材2に仮接着することによって、この必要部が打ち抜き刃12a側に付着して打ち抜き刃12aと共に基材2から持ち上がることを防止することができる。
導電体3の不要部を打ち抜く打ち抜き刃12a間には、打ち抜き工程時に、この不要部を押し付ける押し付け用弾性体9bが取り付けられている。押し付け用弾性体9bは、この不要部が打ち抜き刃12a側に付着して打ち抜き刃12aと共に基材2から持ち上がることを防止する。なお、この押し付け用弾性体9bは、設けなくても良い。
押し付け用弾性体9bの熱伝導性は、仮接着用弾性体9aの熱伝導性より悪い。これは、押し付け用弾性体9bによる不要部の熱接着を防止するためである。
仮接着用弾性体9aおよび押し付け用弾性体9bは、例えば、ゴムを主成分とし、仮接着用弾性体9aは、熱伝導性を良好にするために銅等の金属粉を混入させたもので構成される。一方、押し付け用弾性体9bは、このような金属粉を混入させないもので構成される。
仮接着用弾性体9aおよび押し付け用弾性体9bの弾性力によって、打ち抜き刃12aが切り込みから離れるまで、導電体3の必要部が押えられるので、この点でも導電体3の持ち上がりを防止することができる。この効果は、弾性体9a,9bの長さを打ち抜き刃12aより長くすれば、すなわち、抜き刃12aの先端より突出させれば、さらに向上する。
仮接着用弾性体9aおよび押し付け用弾性体9bは、図11(A)に示すように、打ち抜き刃12aに沿って連続して形成しても、同図(B)および(B)に示すように、打ち抜き刃12aに沿って断続して形成しても良い。
以上の例は、打ち抜き刃12a間に仮接着用弾性体9aと押し付け用弾性体9bとそれぞれ一枚設けたものであるが、図9に示すように、仮接着用弾性体9aを複数個設ければ、仮接着がより確実に行える。図10に示すように、仮接着用弾性体9aと押し付け用弾性体9bとそれぞれ複数個設けても良い。
このようにして、基材2の連続体上で導電体3の連続体がアンテナ等のパターンに打ち抜かれるが、このとき導電体3の連続体は、基材2の連続体上に仮接着されているので、導電体の連続体をこれに位置ずれを起こすことなく正確なパターンに打ち抜くことができる。しかも、仮接着により、導電体の必要部が打ち抜き刃側に付着して打ち抜き刃と共に基材から持ち上がることを防止することができるので、後の基材に対する加熱接着に支障を来たしたり、導電体にシワ、破断等が生じない。従って、製造するべきアンテナ等の歩留まりを高めることができる。
また、仮接着により導電体3の連続体が基材2の連続体上に拘束されていることから、打ち抜き刃12aが下型13側に大きく突出していても、上型12の上昇時に導電体3が上型12に持っていかれる現象が無くなり、基材2から離反しない。このため、打ち抜き刃12aの突出量を比較的大きくして導電体3の打ち抜きを的確に行うことが可能となる。しかも、従来のような導電体3の上型への持っていかれを防止するための打ち抜き刃12aの微調整が不要となり、速やかにパターンの製造を開始することができる。従って、製造の準備時間を短縮でき、製造効率を高めることができる。
(C)接着工程
上記平プレス盤の上型12には、上記打ち抜き刃12aに隣接してアンテナのパターンに対応した凸部12bが形成されている。上型12には凸部12bを加熱するための電気熱線(図示せず)が埋設されている。
上記平プレス盤の上型12には、上記打ち抜き刃12aに隣接してアンテナのパターンに対応した凸部12bが形成されている。上型12には凸部12bを加熱するための電気熱線(図示せず)が埋設されている。
アンテナ等のパターンが打ち抜かれた後、重畳体は、さらに一ピッチ(p)だけ下流側に送られ一時停止する。そこで、上記平プレス盤の上型12が上下方向に往復移動し、上記導電体3におけるアンテナのパターンで打ち抜かれた部分を基材2上に加熱しつつプレスする。これにより、導電体3下のアンテナのパターンに対応した熱可塑性接着剤層6が溶融し、導電体3のアンテナ等のパターンに対応した箇所が基材2上に接着される。
この接着工程ではすでに導電体3のアンテナ等のパターンに対応した必要部が基材2に仮接着されているので、導電体3のパターンは基材2に正確に接着され、導電体3のずれや、シワや、破断の発生が防止される。また、接着工程における導電体3と基材2との間への空気の封じ込みも防止される。
図12に示すように、この接着工程を実施するための上型12の凸部12bは、上記アンテナ等のパターンをやや縮小した形状の加熱型として形成される。これにより、パターンの輪郭線下の熱可塑性接着剤層6が溶け難くなり、導電体3の不要部3eが基材2に接着しないようにすることができ、後の分離工程における導電体3の不要部3eの除去が簡易化される。
接着工程と打ち抜き工程とが完了した連続体は、その後重なった状態のまま巻き取られ保管されるか、あるいは次の分離工程に送られる。
(D)分離工程
上記重ね合わされた導電体3と基材2の両連続体の走行方向に見て平プレス盤よりも下流側には、ガイドローラ14のほか分離装置が配置されている。
上記重ね合わされた導電体3と基材2の両連続体の走行方向に見て平プレス盤よりも下流側には、ガイドローラ14のほか分離装置が配置されている。
分離装置は、吸引管15と分離ローラ16とを備えている。基材2の連続体が吸引管15と分離ローラ16の設置箇所に到来すると、導電体3の不要部3eが吸引管15により吸引され、一方、基材2の連続体は、分離ローラ16に案内されつつ反転走行する。これにより、導電体3の不要部3eは、基材2の連続体上から適正に引き剥がされ、吸引管15が繋がる回収箱(図示せず)に回収される。アンテナのパターンが渦巻状である場合、導電体3の不要部3eも渦巻状に発生するが、このように吸引管15で吸引すると、渦巻状の不要部3eを円滑に回収することができる。
導電体3の不要部3eが基材2の連続体上から分離する箇所には、必要に応じて空気等の気体を噴出するノズル17が配置される。このノズル17から噴射される気体が基材2の連続体と導電体3の不要部3eとの境界部に向って吹き掛けられることにより、導電体3の不要部3eの剥離除去が促進される。
この後、基材2の連続体は、図5に示した装置と同様な装置に供給され、その裏側に他の導電体4の連続体が重ね合わされ、図2に示したブリッジのパターン等がこの裏側の導電体4に形成される。
この裏側の導電体4に形成についても、上述した表面の場合と同様にして仮接着と同時に打ち抜き行うことができる。これにより、ブリッジのパターンに対応した導電体4a、コンデンサの電極のパターンに対応した導電体4bがそれぞれ基材2上に仮接着される。
また、接着工程では、図13に示すように、凸部12cを上記ブリッジ等のパターンからやや縮小した形状の加熱型とした上型12を用いることができる。
その後、基材2の連続体は分離工程に付されて導電体3から不要部3eが除去され、さらに図4(B)に示したような基材2の表裏の導電体3,4同士を接合する処理等に付され、あるいはICチップ10の実装工程に付される。
次に、他の実施形態について説明する。
図14に示すように、他の実施形態では、図5に示した実施形態と異なり、導電体3に対しロールプレスにより仮接着と打ち抜きとを同時に行い、続いて接着を行うようになっている。
図14において、21は、仮接着・打ち抜き用ロール、22は、接着用ロールを示す。仮接着・打ち抜き用ロール21は、前述した実施形態における平プレス盤の上型12と同様な作用を有する仮接着用弾性体9a、押し付け用弾性体9b、打ち抜き刃12aをその周面にそれぞれ放射状に備えている。接着用ロール22は、その周面に凸部12bを放射状に備えている。また、仮接着・打ち抜き用ロール21、接着用ロール22の各ロールに対し平プレス盤の下型13に対応する受けロール21a,22aがそれぞれ設けられている。
図14に示すように、基材2の連続体と金属箔である導電体3の連続体は、前述した実施形態と同様にして、ニップローラ8a,8bを通ることによって互いに重ね合わされる(重畳工程A)。
次に、この重畳体は、連続走行しつつ、仮接着・打ち抜き用ロール21と受けローラ21aとの間に引き込まれ、前述した実施形態と同様にして、導電体3が仮接着されると同時に、導電体3が打ち抜き刃12aでアンテナ等のパターンに打ち抜かれる(仮接着・打ち抜き工程B)。
次に、接着用ロール22と受けロール22aとの間に引き込まれ、図12に示したようなパターンを有した接着用ロール22上の凸部12bによりアンテナ等のパターンと同じ形状に熱可塑性接着剤層6が溶かされ、この溶けた熱可塑性接着剤層6上に打ち抜かれた金属箔の導電体3が押圧され接着される(接着工程C)。
次に、この重畳体は、前述した実施形態と同様にして分離工程(D)を経て裏面に対する所定のパターンの加工が前述した実施形態と同様にして行われる。
その他、図14において、前述した実施形態の場合と同じ部分については同一符号を用いて示し、説明を省略する。
1:導電部材
1a:素材シート
2:基材
3(3a,3b,3c,3d):導電体
3e:導電体の不要部
4(4a,4b,4c):導電体
5:凹陥部
6:熱可塑性接着剤層
7:熱可塑性接着剤層
8a,8b:ニップローラ
9a:仮接着用弾性体
9b:押し付け用弾性体
10:ICチップ
12:上型
12a:打ち抜き刃
12b:凸部
13:下型
14:ガイドローラ
15:吸引管
16:分離ローラ
17:ノズル
21:仮接着・打ち抜き用ロール
21a:受けロール
22:接着用ロール
22a:受けロール
1a:素材シート
2:基材
3(3a,3b,3c,3d):導電体
3e:導電体の不要部
4(4a,4b,4c):導電体
5:凹陥部
6:熱可塑性接着剤層
7:熱可塑性接着剤層
8a,8b:ニップローラ
9a:仮接着用弾性体
9b:押し付け用弾性体
10:ICチップ
12:上型
12a:打ち抜き刃
12b:凸部
13:下型
14:ガイドローラ
15:吸引管
16:分離ローラ
17:ノズル
21:仮接着・打ち抜き用ロール
21a:受けロール
22:接着用ロール
22a:受けロール
Claims (10)
- 導電体および非導電性基材の何れか一方の表面に予め形成された非導電性の熱可塑性接着剤層を間に挟むように、前記導電体と前記基材とを重ね合わせる重畳工程と、前記基材上で前記導電体を所定のパターンに打ち抜き刃により打ち抜く打ち抜き工程と、前記導電体を前記基材に前記パターンで加熱接着する接着工程とを順次行う、非接触型データキャリア用導電部材の製造方法において、
前記導電体の必要部を打ち抜く前記打ち抜き刃の間に仮接着用弾性体を設け、前記打ち抜き工程時に前記仮接着用弾性体を、前記導電体の必要部に押し付けて、前記熱可塑性接着剤層の一部のみを溶かし、かくして、前記導電体の必要部を前記基材に仮接着することを特徴とする非接触型データキャリア用導電部材の製造方法。 - 前記導電体の不要部を打ち抜く前記打ち抜き刃の間に、前記打ち抜き工程時に前記導電体の不要部を押し付ける押し付け用弾性体を設け、前記押し付け用弾性体の熱伝導性は、前記仮接着用弾性体の熱伝導性より悪いことを特徴とする、請求項1記載の非接触型データキャリア用導電部材の製造方法。
- 前記弾性体は、前記打ち抜き刃に沿って連続して設けられていることを特徴とする、請求項1または2記載の非接触型データキャリア用導電部材の製造方法。
- 前記弾性体は、前記打ち抜き刃に沿って断続して設けられていることを特徴とする、請求項1または2記載の非接触型データキャリア用導電部材の製造方法。
- 前記弾性体の長さは、前記打ち抜き刃より長いことを特徴とする、請求項1から4の何れか1つに記載の非接触型データキャリア用導電部材の製造方法。
- 導電体および非導電性基材の何れか一方の表面に予め形成された非導電性の熱可塑性接着剤層を間に挟むように、前記導電体と前記基材とを重ね合わせる重畳手段と、前記基材上で前記導電体を所定のパターンに打ち抜き刃により打ち抜く打ち抜き手段と、前記導電体を前記基材に前記パターンで加熱接着する接着手段とを備えた、非接触型データキャリア用導電部材の製造装置において、
前記導電体の必要部を打ち抜く前記打ち抜き刃の間に仮接着用弾性体が設けられ、前記仮接着用弾性体は、前記打ち抜き手段による打ち抜き時に前記導電体の必要部に押し付けられて、前記熱可塑性接着剤層の一部のみを溶かし、かくして、前記導電体の必要部を前記基材に仮接着することを特徴とする非接触型データキャリア用導電部材の製造装置。 - 前記導電体の不要部を打ち抜く前記打ち抜き刃の間に、前記打ち抜き時に前記導電体の不要部を押し付ける押し付け用弾性体が設けられ、前記押し付け用弾性体の熱伝導性は、前記仮接着用弾性体の熱伝導性より悪いことを特徴とする、請求項6記載の非接触型データキャリア用導電部材の製造装置。
- 前記弾性体は、前記打ち抜き刃に沿って連続していることを特徴とする、請求項6または7記載の非接触型データキャリア用導電部材の製造装置。
- 前記弾性体は、前記打ち抜き刃に沿って断続していることを特徴とする、請求項6または7記載の非接触型データキャリア用導電部材の製造装置。
- 前記弾性体の長さは、前記打ち抜き刃より長いことを特徴とする、請求項6から9の何れか1つに記載の非接触型データキャリア用導電部材の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007194059A JP2009031958A (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | 非接触型データキャリア用導電部材の製造方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007194059A JP2009031958A (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | 非接触型データキャリア用導電部材の製造方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009031958A true JP2009031958A (ja) | 2009-02-12 |
Family
ID=40402407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007194059A Pending JP2009031958A (ja) | 2007-07-26 | 2007-07-26 | 非接触型データキャリア用導電部材の製造方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009031958A (ja) |
-
2007
- 2007-07-26 JP JP2007194059A patent/JP2009031958A/ja active Pending
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