JPWO2008035782A1 - 印刷機の運転装置及び運転方法 - Google Patents

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Abstract

印刷機の運転装置及び運転方法に関し、プロセスレスプレートにかかる水処理を容易に且つ適切に行えるようにして、オペレータの負担を軽減し、印刷機の準備時間の増大やこれに伴う損紙の増加を抑制するために、プロセスレスプレートを用いた印刷が可能な印刷機の運転装置であって、版交換により印刷ユニット部の版胴31b〜34bに装着された刷版がプロセスレスプレートであるか否かを判定する刷版判定手段と、版交換時に、刷版判定手段により刷版がプロセスレスプレートであると判定されたら、版胴31b〜34bを印刷用紙と非接触の脱状態にして予め設定された速度で回転させるとともに水処理を予め設定された時間だけ行うように制御する制御手段9と、をそなえるようにする。

Description

本発明は、プロセスレスプレートを用いた印刷が可能な印刷機の運転装置及び運転方法に関する。
枚葉オフセット印刷機,商業用オフセット輪転印刷機,新聞オフセット輪転機といった平版印刷機において、データから直接、印刷する為の刷版(PS版)を出力するCTP(Computer to Plate)が用いられるようになってきている。従来、このCTPにおけるCTPプレート(刷版)には、レーザによる描画処理、現像処理、ガム処理を行ったものが使用されていた。
これに対して、現在、CTPにおいてプロセスレス(無処理)プレート(プロセスレスCTPプレート)といわれる刷版が台頭し、現像処理が不要な刷版が使用されている。プロセスレスプレートは、現像を行わない為、処理薬品の保管・管理・廃液といった刷版工程における現像装置の省スペース化や対環境性などさまざまな利点がある。
このプロセスレスプレートの作製方法は、まず平版印刷用版材料に露光し、次いで、露光された平版印刷用版材料を印刷機の版胴上に装着した状態で、印刷用インク単独もしくは印刷用インクおよび湿し水の版面への供給により、露光面上にある印刷に不要な部分が取り去られて現像がなされる。例えば特許文献1には、印刷用湿し水を版面へ供給すること(水処理)により現像を行う技術が記載されている。さらに、例えば特許文献2に、プロセスレスプレートの版胴上での現像時間を短くする技術として、水処理時の湿し水供給やインク供給を最適なタイミングで実施する技術が提案されている。
特許第2938397号公報 特開2000−52634号公報
ところで、印刷機では、通常印刷が完了すると次に印刷する印刷ジョブの刷版に交換し、印刷を開始するが、プロセスレスプレートを使用した場合、プロセスレスプレートを版胴に装着した後、印刷機を空転状態として、湿し装置を駆動し、水付けローラ(水付けローラ)を刷版に着した状態である一定時間、湿し水を刷版面に付着させることにより現像処理を施す、水処理を行わなければならない。このため、一連の操作をオペレータが順次する必要がありオペレータの負担増になっている。
また、このようなプロセスプレートの湿し水処理を手動で行う場合、オペレータの感覚に頼ってしまうため、水処理が不完全になり、各色の刷版に差異が発生したり、刷り出し時に汚れや印刷不良が発生したりするおそれがある。
また、湿し水量の調整忘れや不足によりインキが刷版に付着して、その後、刷版を使用できなくしてしまうこともある。
一方、水処理の際には、印刷機を空転させるため、この際、印刷機に装着された用紙(連続紙としてのウェブ)も印刷機の作動に伴って排出され、損紙となってしまう。印刷機の場合、印刷準備として、例えばドライヤの昇温などのための準備時間が必要であり、この際も損紙が発生するが、かかる水処理の時間が準備時間に加算されるので、この分による印刷機自身の準備時間の増大や、これに伴う損紙の増加は大きな課題となっている。
なお、損紙を出さないためにウェブを一端切断することも考えられるが、この場合、再度切断部を接合し、接合部の折機等での紙詰り防止のために接合部を低速で排出しなければならず、損紙を低減できても、準備時間が大幅に必要となり、生産性が低下してしまう。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、プロセスレスプレートにかかる水処理を容易に且つ適切に実施することができるようにして、オペレータの負担を軽減できるとともに、印刷機自身の準備時間の増大やこれに伴う損紙の増加を抑制することができるようにした、印刷機の運転装置及び運転方法を提供することを目的とする。
上記目標を達成するため、本発明の印刷機の運転装置は、湿し水を版胴上の版面へ供給する水処理により現像を行うプロセスレスプレートを用いた印刷が可能な印刷機の運転装置であって、版交換により印刷ユニット部の版胴に装着される刷版がプロセスレスプレートであるか否かを判定する刷版判定手段と、前記刷版判定手段により前記刷版がプロセスレスプレートであると判定されたら、前記版胴を印刷用紙と非接触状態にして予め設定された速度で回転させるとともに前記水処理を予め設定された時間だけ行うように制御する制御手段と、をそなえたことを特徴としている。
なお、この場合の水処理は、刷版に湿し水を供給するための水付けローラを備える場合には、版胴に対して水付けローラを着にすればよく、刷版に湿し水を供給するための水噴射スプレーを備える場合には、水噴射スプレーを作動させて水噴射を行えばよい。
前記刷版に供給される前記湿し水の温度を調整する湿し温度調整手段をさらにそなえ、前記水処理時に前記湿し水の温度が予め設定された適正温度になるように前記湿し温度調整手段を制御することが好ましい。
また、前記印刷ユニット部の制御に関するAPI関数,インキ速度追従関数インキ速度追従関数,水元速度追従関数のうち少なくとも何れかについて、前記プロセスレスプレート専用の関数が予め設けられ、前記制御手段は、前記刷版判定手段により前記刷版がプロセスレスプレートであると判定されたら、前記プロセスレスプレート専用の関数を用いて前記印刷ユニット部を制御することが好ましい。
さらに、前記制御手段は、前記水処理を実施した後に(一旦停止して、もしくは連続して)印刷準備にかかる他の処理を開始するように前記印刷ユニット部の各部を制御することが好ましい。
あるいは、前記制御手段は、前記水処理を実施する際に、これと並行して印刷準備にかかる他の処理を実施するように制御することが好ましい。
前記印刷準備にかかる他の処理には、ドライヤ昇温,インキ予備供給,圧胴又はブランケットの洗浄の何れかが含まれていることが好ましい。
特に、前記印刷用紙が帯状の連続紙であって、前記印刷準備にかかる他の処理としてドライヤ昇温を前記水処理と並行して行う場合、前記制御手段は、前記ドライヤ昇温が完了する時点若しくはこの時点よりも前に前記水処理が完了するように制御することが好ましい。
本発明の印刷機の運転方法は、湿し水を版胴上の版面へ供給する水処理により現像を行うプロセスレスプレートを用いた印刷が可能な印刷機の運転方法であって、版交換により印刷ユニット部の版胴に装着される刷版がプロセスレスプレートであるか否かを判定する刷版判定ステップと、前記刷版判定ステップにより前記刷版がプロセスレスプレートであると判定されたら、前記版胴を印刷用紙と非接触状態にして予め設定された速度で回転させるとともに前記水処理を予め設定された時間だけ行うように制御する制御ステップと、をそなえていることを特徴としている。
前記制御ステップでは、前記水処理時に前記刷版に供給される前記湿し水の温度が予め設定された適正温度になるように調整することが好ましい。
前記印刷ユニット部の制御に関するAPI関数,インキ速度追従関数インキ速度追従関数,水元速度追従関数のうち少なくとも何れかについて、前記プロセスレスプレート専用の関数が予め設けられ、前記制御ステップでは、前記刷版判定ステップにより前記刷版がプロセスレスプレートであると判定されたら、前記プロセスレスプレート専用の関数を用いて前記印刷ユニット部を制御することが好ましい。
また、前記制御ステップでは、前記水処理を実施した後に印刷準備にかかる他の処理を開始するように制御することが好ましい。
あるいは、前記制御ステップでは、前記水処理を実施する際に、これと並行して印刷準備にかかる他の処理を実施するように制御することが好ましい。
前記印刷準備にかかる他の処理には、ドライヤ昇温,インキ予備供給,圧胴又はブランケットの洗浄の何れかが含まれていることが好ましい。
特に、前記印刷用紙が帯状の連続紙であって、前記印刷準備にかかる他の処理としてドライヤ昇温を前記水処理と並行して行う場合、前記ドライヤ昇温が完了する時点若しくはこの時点よりも前に前記水処理が完了するように制御することが好ましい。
本発明の印刷機の運転装置あるいは運転方法によれば、前記版交換時に、刷版がプロセスレスプレートである場合には、前記版胴を印刷用紙と非接触状態にして予め設定された速度で回転させるとともに水処理を予め設定された時間だけ行うので、水処理にかかるオペレータの負担が大幅に軽減され、水処理自体も適切に(過不足なく)行えるようになる。このため、印刷機の準備時間に加えられる水処理の時間を必要最小限に抑えることが可能になり、水処理に起因した準備時間の増大やこれに伴う損紙の増加を抑制することができる。
また、水処理時に刷版に供給される前記湿し水の温度が予め設定された適正温度になるように調整することにより、水処理を速やかに行うことが可能になる。例えば、水処理時の水の温度は、常温よりも高い方が現像処理効率がよく、速やかに水処理を完了できる。
さらに、刷版がプロセスレスプレートである場合には、プロセスレスプレート専用の関数(API関数,インキ速度追従関数インキ速度追従関数,水元速度追従関数)を用いて印刷ユニット部を制御することにより、プロセスレスプレートによる印刷を適切に行うことができる。
また、水処理を実施した後に印刷準備にかかる他の処理(例えば、ドライヤ昇温,インキ予備供給,圧胴又はブランケットの洗浄)を開始することにより、印刷準備に際し、水処理が他の処理とは分離されることになり、例えば、水処理後に、水処理のいらない通常の刷版を用いて印刷を行う場合の印刷準備と同様な処理を実行すればよく、各処理を容易に適切に行うことができる。
また、水処理を実施する際に、これと並行して印刷準備にかかる他の処理(例えば、ドライヤ昇温,インキ予備供給,圧胴又はブランケットの洗浄)を実施することにより、印刷準備に要する時間を短縮することができる。
さらに、ドライヤ昇温が完了する時点では前記水処理が完了するように制御することにより、ドライヤ昇温完了と共に印刷を開始することができる。したがって、前記水処理及びドライヤ昇温の実施時には、印刷用紙の帯状の連続紙を低速走行させて損紙の発生を抑え、ドライヤ昇温の完了後には、連続紙を速やかに印刷速度まで加速して印刷を実施することができ、昇温完了後のドライヤによる連続紙の過乾燥によって生じる断紙のおそれを回避することができる。つまり、ドライヤ昇温が完了しても水処理が完了しないと、ドライヤ昇温完了後に水処理の完了を待っている間も、損紙の発生を抑えるという観点から、昇温が完了した高温のドライヤに連続紙を低速で通過させることになるが、連続紙が高温のドライヤを低速で通過すると、連続紙がドライヤで過剰に乾燥してしまい、断紙のおそれが生じる。しかし、ドライヤ昇温が完了したら速やかに連続紙を印刷速度まで加速できるため、このようなおそれも回避することができる。
図1は本発明の一実施形態にかかる印刷機及び印刷機の運転装置を示す構成図である。 図2は本発明の一実施形態にかかる印刷機の運転装置及び運転方法による版交換時の刷版種別に応じた処理を説明するフローチャートである。 図3は本発明の一実施形態にかかる印刷機の運転装置及び運転方法による水処理を説明するフローチャートである。 図4(a),図4(b)はいずれも本発明の一実施形態にかかる印刷機の運転装置及び運転方法による版交換時の処理の例を説明するフローチャートであり、図4(a)はその第1例を、図4(b)はその第2例を示す。 図5(a),図5(b)はいずれも本発明の一実施形態にかかる印刷機の運転装置及び運転方法による版交換時の印刷準備処理の例を説明するフローチャートであり、図5(a)はその第1例を、図5(b)はその第2例を示す。 図6(a)〜図6(c)はいずれも本発明の一実施形態にかかる印刷機の運転装置及び運転方法による速度制御の効果を説明するグラフであり、図6(a)は本実施形態を示し、図6(b),図6(c)は比較例を示す。 図7は本発明の一実施形態にかかる印刷機の運転装置及び運転方法による印刷準備処理の例を説明するタイムチャートである。
符号の説明
1 給紙部
2 インフィード部
2a,31a〜34a,5a,6a,7a 駆動用モータ(シャフトレスモータ)
3 印刷部
4 ドライヤ部(ドライヤ)
5 冷却部
6 ウェブパス部
7 折機
8 モータ制御部
9 制御手段としての制御部(総合制御部)
10 印刷用紙としてのウェブ(連続紙)
10a ロール
11 リールスタンド
12 ブレーキ
31〜34 印刷ユニット部
31b〜34b 版胴
31c〜34c ブランケット胴
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図5(a),図5(b)は本発明の一実施形態に係る印刷機並びに印刷機の運転装置及び運転方法を説明するものである。
本実施形態にかかる印刷機は、図1に示すように、商業用オフセット輪転印刷機であり、この商業用オフセット輪転印刷機は、機械の上流側から、印刷用紙としてのウェブ(帯状の連続紙)10のロール10aを支持するリールスタンド11をそなえた給紙部1と、給紙部1からのウェブ10を送り出すインフィード部2と、インフィード部2から送り出されたウェブに各色の印刷を行う複数(ここでは4組)の印刷ユニット部31〜34を有する印刷部3と、印刷部3で印刷されたウェブ10を乾燥させるドライヤ部(単に、ドライヤともいう)4と、ドライヤ4で乾燥されたウェブ10を冷却する冷却部5と、冷却部5からのウェブ10を位相調整しながら通過させるウェブパス部6と、ウェブパス部6を経たウェブ10を断裁加工及び折り加工する折機7とを備えている。
インフィード部2,各印刷ユニット部31〜34,冷却部5,ウェブパス部6,及び折機7には、それぞれに駆動用モータ(シャフトレスモータ)2a,31a〜34a,5a,6a,7aがそなえられ、各回転部は独立して回転制御できるようになっている。また、給紙部1にはリールスタンド11から繰り出されるウェブ10を制動するためのブレーキ12が備えられている。各駆動用モータ2a,31a〜34a,5a,6a,7aはモータ制御部8により各回転速度や各位相を制御され、モータ制御部8及びブレーキ12は、制御手段としての制御部(総合制御部)9によって制御されるようになっている。なお、制御部9は、モータ制御部8(駆動用モータ2a,31a〜34a,5a,6a,7a)やブレーキ12のみならず印刷機の種々の制御要素についても制御を行うように構成されている。
また、各印刷ユニット部31〜34には、ウェブ10の両面には、各面(上面,下面)に対しそれぞれ印刷するための版胴31b〜34b及びブランケット胴31c〜34cが設けられている(図1中では、下面側の版胴31b〜34b及びブランケット胴31c〜34cについては符号の記載を省略する)。各版胴31b〜34bには、CTPプレート(刷版)として、レーザによる描画処理、現像処理、ガム処理を行った通常のプレート(CTPプレート、旧来方式(フィルムから版焼き)によって製作されるプレート)と、プロセスレス(無処理)プレート(プロセスレスCTPプレート)とを選択して装着し印刷することができるようになっている。
また、制御部9には、刷版種別情報が入力されるようになっており、通常のプレートからプロセスレスプレートに版交換された場合には、この刷版種別情報から認識することができるようになっている。なお、この刷版種別情報は、例えば上位画像情報(CTPプレートに焼き付ける元となるデジタルデータを用いた画像情報であって、具体的にはCTPに焼き付ける画像データ(最終的には1bit)を加工し、CIP3/4データのように解像度を多階調化したもの)のファイル名にプロセスレスプレートとわかる記号(刷版種別記号)を添付するようにして、ファイル名情報から刷版種別情報を得て、刷版種別情報から通常のプレートからプロセスレスプレートに版交換されたことを認識できるようになっている。
なお、プロセスレスプレートに版交換されたことを認識するには、装着された刷版がプロセスレスプレートであるか否かを選択する入力手段(刷版種別選択スイッチ)を印刷機に付設して、オペレータがこの入力手段を操作して制御部9に刷版種別情報を入力するようにしてもよい。
ところで、印刷に際しては、インキ供給量(インキキー方式の場合、インキキー開度)を画線率(絵柄面積)の関数として示すインキプリセットシステム(Auto Preset InkingSystem)の関数(API関数)や、印刷機の速度によって受け渡しローラとインキ元ローラとの周速比を設定する関数(インキ速度追従関数)や、水元速度追従関数(印刷機の速度によって水元の回転量を設定し、版面及びインキローラ郡に供給する水量を調整するための関数)が必要となるが、これらの関数は、通常のプレートとプロセスレスプレートとで別設定されている。
API関数の場合、例えば刷版に書かれた絵柄情報を光学式絵柄面積率計により計測して関数を求めることができるが、刷版の版面の色によって同じ絵柄でも光学式絵柄面積率計により計測値が異なってくる。通常のプレートとプロセスレスプレートとを比べると、刷版の絵柄形成部版面組成材料が異なることから一般に版面の色が異なるものになり、光学式読取装置では同じ絵柄を読んでも通常のプレートとプロセスレスプレートとでは画線率が異なる結果となる。そのため、通常のプレートとプロセスレスプレートとで異なったAPI関数を設定しなければならない。
インキ速度追従関数や水元速度追従関数の設定に関しても、絵柄形成部版面組成材料の相違に起因して、各関数は、通常のプレートとプロセスレスプレートとで異なったものとしなければならない。つまり、プレート(刷版)の特性によってAPI関数も異なり、同様に印刷特性が異なるため、インキ速度追従関数や水元速度追従関数)を設定しなければならない。
そこで、これらの通常のプレートとプロセスレスプレートとで別設定された各関数は、その他の印刷機の運転にかかる他のデータとともに予めデータ記憶部(図示略)に入力・記憶され、制御部9では、このデータ記憶部からこれらの運転データ(各関数データを含む)適宜呼び出して使用する。
したがって、プロセスレスプレートに版交換されると、制御部9では、入力された刷版種別情報から、通常のプレートからプロセスレスプレートに版交換されたことを認識し、プロセスレスプレートに応じた運転データ(各関数データを含む)を取り込んで印刷機の運転に使用する。
そして、プロセスレスプレートに版交換された場合、プロセスレスプレートの使用開始にあたって、水処理による現像処理が必要になり、印刷時に用いる湿し水装置(水供給装置)を用いて、プロセスレスプレートの版面に水を供給して水処理を実施するようになっている。
制御部9では、通常のプレートからプロセスレスプレートに版交換されたことを認識すると、予め設定され運転データとして入力された水処理条件[湿し水の供給量(単位時間当たりの供給量)及びこの時の版胴やウェブの速度並びに水処理実施時間等]に基づいて水処理を実施するように、印刷胴(版胴31b〜34b及びブランケット胴31c〜34c)をウェブ10と離隔した脱状態とした上で(このとき、版胴とブランケット胴とは接触していない。)、各駆動用モータ31a〜34aを制御して印刷胴(版胴31b〜34b及びブランケット胴31c〜34c)を予め設定された速度スケジュールで回転駆動させながら、湿し水装置の水付けローラ(又は湿しローラ、図示略)をプロセスレスプレートの版面に接触させ(水付けローラを着にする)、プロセスレスプレートの版面に水を供給し、現像処理を行う。
つまり、制御部9では、版交換が実施されると、図2に示すように処理を行う。なお、この場合の版交換装置は、全自版(全自動版交換装置)であっても、半自版(半自動版交換装置)であってもよい。まず、各印刷ユニット部に関する刷版種別情報(ここでは、版交換印刷フラグ情報とする)を読み込む(ステップa10)。なお、版交換印刷フラグはプロセスレスプレートに版交換されたらオン(ON)、通常のプレートに版交換されたらオフ(OFF)に設定される。そして、版交換印刷フラグがオン(ON)か否かをチェックして(ステップa20)、版交換印刷フラグがオンなら、該当印刷ユニット部の水処理を実施し(ステップa30)、水処理完了後に版交換印刷フラグをオフにリセットする(ステップa40)。一方、版交換印刷フラグがオフなら、該当印刷ユニット部の水処理は実施しない(ステップa50)。
また、この水処理にかかる湿し水の供給量を、印刷時の通常の湿し水供給量よりも増加させ、湿し水装置による単位時間当たりの供給量の最大値又はこれに近い所定供給量に設定することにより、水処理を安定して行うようにしている。この湿し水供給量の増加は、水付けローラに湿し水を供給する水元ローラ(図示略)の回転速度を上昇させることで実現でき、本実施形態では、水処理時には、制御部9により自動で湿し量を増やす設定に切り替えるようにモード設定されている。もちろん、手動で湿し量を切り替えるようにしてもよい。
また、この水処理時には、印刷胴(版胴31b〜34b及びブランケット胴31c〜34c)はある程度高速運転(一般に、印刷機の調整速度〜印刷速度(例えば、300rpm〜最高速度))とするが、ウェブ10については、印刷胴よりも大幅に低速の微速運転[例えば、緩動速度(寸動動作、紙通しを行う速度)や最低速度(緩動速度を超えた印刷機の最低速度)]とするかあるいは停止状態とするように設定されている。これは、水処理の観点からは、版胴31b〜34bをある程度高速回転する方が刷版の前面に対して安定して現像処理を行えるため結果として刷版全体の現像を速やか行え、一方、ウェブ10については、水処理中のウェブ10は損紙となるため、損紙の発生を抑えるという観点からは、ウェブ10の速度を低下させるほど損紙は減少するためである。
ただし、水処理時に、版胴31b〜34bを過剰に高速で回転させると、プロセスレスプレートの版面への水の転写性(付着性)が低下するため、返って現像処理に時間がかかるおそれがあるため、これを考慮して水処理時の版胴31b〜34bの回転速度を設定することが好ましい。つまり、版面への水の転写性が所定レベル以上になる速度に設定することが好ましい。なお、水の転写性は、版胴31b〜34bの回転速度を低速状態から増加させていけばこれに応じて水の版面への転写量(供給量、ただし、単位時間当たり)が増大していくがある回転速度をピークにその後は回転速度を増加させるほど転写量が減少していくようになる。予め実験により、このような特性を把握すれば、水の転写性が所定レベル以上になる速度域を求めることができ、面への水の転写性が所定レベル以上になる速度を設定しうる。
また、ウェブ10の速度を0(停止状態)とすれば、損紙は最低限に抑えることができるが、ウェブ10の速度を過剰に低下させたり停止状態としたりすると、ウェブ10の一定箇所に水処理の水が集中して飛び散ってウェブ10の紙繊維内に水が浸透してウェブ10の強度を大幅に低下させるので、ウェブ10を起動させるとウェブ10の断紙を招くおそれが高まる。そこで、ウェブ10の断紙を招くおそれのない程度に、ウェブ10を微速走行させることが好ましい。
この場合、ウェブ10の種類に応じて、ウェブ10に水が付着した際のウェブ10の切れ難さ(即ち、耐水強度)が異なる。例えば、コート紙は水が付着しても切れにくい(即ち、耐水強度が高い)ので低速(例えば緩動速)でもよいが、上質紙・更紙は水が付着すると切れやすい(即ち、耐水強度が低い)のでコート紙よりも高い速度にして水の付着量を抑える必要がある。もちろん損紙の観点からは可能な限り低速がよい。なお、耐水強度[水の付着量(合計付着量、または、単位時間当たりの付着量)に対して紙が切れ難い度合い]は紙の坪量によっても異なる。
そこで、ウェブ10の速度は、その耐水強度に応じて、ウェブ10の破断を招かない範囲で可能な限り低速(運転可能な最低速度)となるように、ウェブ10の種類に応じて可変に設定することが好ましい。
制御部9では、このように設定された回転速度で版胴31b〜34bを回転させるが、起動後に版胴31b〜34bが設定された回転速度に達したら、水付けローラを着にして、予め設定された合計量の水がプロセスレスプレートの版面へ供給されたところで、水付けローラを脱にして、版胴31b〜34bを所定の低速度まで減速するか、あるいは、停止するまで減速する。なお、水の合計量は、予めオペレータ等によって、版面の状態(例えば、現像すべき面積)に応じて設定され、制御部9に入力される。
したがって、制御部9では、図3に示すように、水処理を実施する。つまり、水処理に要するパラメータを設定若しくは記憶装置から呼び出す(ステップb10)。水処理に要するパラメータとは、例えば、水処理速度(印刷ユニット部31〜34の速度)、水着時間(版胴に水付けローラを着しておく時間)、給水量(水元ローラ回転量)である。そして、印刷機(印刷ユニット部のみ、もしくは印刷ユニット部を含むパート、もしくは全パート)を昇速させ(ステップb20)、給水量を設定値とする(ステップb30)。つまり、水元ローラを、例えば、最低速で30秒間作動させた後、最大回転量(最大回転速度)で回転させる。通常運転(印刷)の場合、ある関数等に基づいて速度に比例した水元ローラ回転量となるが、この水処理のときの水元ローラ速度は、通常運転よりも高速の特別な値を設定することになる。そして、水着けローラを“着”にして(ステップb40)、設定時間が経過するまで水着けローラを“着”のままにして(ステップb50)、水供給を行い、設定時間が経過したら水着けローラを“脱”として、水処理を終える(ステップb60)。
さらに、本実施形態では、この水処理の際に供給する湿し水の温度を予め設定された適正温度に調整するようになっている。ここでは、水元ローラの通水構造を利用して湿し水の温度を調整するようになっている。
水元ローラの内部には通水構造が設けられており、水元ローラは通水構造に通水された水の温度によって加温又は冷却される。この通水構造を本来用いる印刷時には、機械各部の高速作動によって湿し水装置の各部が過熱するため、水元ローラを冷却するために通水するが、水処理は機械の始動時に行うため、水処理時には湿し水装置の各部は低温であり、湿し水自体も低温になっている。
一方、水処理による現像を行う場合、供給する水をある程度の高温(適正温度)とした方が効率よく現像することができる。そこで、水元ローラの通水構造に温水を通して水元ローラを高温にして、水元ローラにより湿し水をある程度の高温(適正温度)に加温しているのである。ここでは、水元ローラの通水構造が湿し水の温度を予め設定された適正温度に調整する湿し温度調整手段として機能する。もちろん、供給する水の温度が適正温度よりも高ければ、通水により適正温度に低下させることもできる。
もちろん、湿し温度を調整する手段は、これに限るものではないが、本実施形態の場合、既存の通水構造を利用しているのでコスト増を招かず、また、供給する直前で湿し水の温度を調整するので、例えば、水タンク内の湿し水の温度を調整するのに比べて、効率よくしかも応答性よく湿し温度を調整できる。
なお、かかる水処理については、図4(a)に示すように、起動(ステップc10)後に版交換(ステップc20)を終えてから機械を停止させずに連続して水処理(ステップc30)を行ってもよく、図4(b)に示すように、起動(ステップc10)後に版交換(ステップc20)が終わったら、一旦機械を停止(ステップc22)した後、再起動(ステップc24)して水処理(ステップc30)を行ってもよい。また、図4(a)に示すように、水処理(ステップc30)後に一旦機械を停止(ステップc40)し、その後再起動(ステップc50)して、印刷運転動作(ステップc60)を開始してもよく、図4(b)に示すように、水処理(ステップc30)後に機械を停止させずに連続して印刷運転動作(ステップc60)を開始してもよい。
ところで、印刷開始前の印刷準備には、このような水処理のほかに、通常のプレートと同様に、ドライヤ昇温,インキ予備供給,圧胴及び/又はブランケットの洗浄といった処理があるが、これらの水処理以外の印刷準備にかかる各処理は、従来と同様に、水処理が終わってから行ってもよいが、水処理と並行して行ってもよい。
印刷準備の例を、図7に示すが、通常これらの操作は、プロセスコントロール(プロコン)として、ローラ洗浄については、ローラ洗浄のプロコン釦の操作により起動し、機械速度を所定速度まで上げると共に、キー開度を0(インキ非供給)として、インキ元ローラも回転させて行う。また、その後、インキ巻き(インキ予備供給)のプロコン釦の操作によりインキ巻き処理が起動し、機械速度を所定速度まで上げると共に、キー開度を処理開始時に一時的に0(インキ非供給)として、インキ元ローラも適宜回転させて行う。この場合その後、インキキーのプリセットが行われている。
本水処理は湿し部位のみ使用するので、上述のようなインキ部位のインキ予備供給(インキローラ群にインキを予備供給し、刷り出し濃度を早期に目標濃度に安定させる機能)を並行して行うことによって準備時間を短縮することが可能となる。また、枚葉オフセット印刷機の場合は、圧胴洗浄と並行することも可能である。
例えば、ドライヤ昇温に着目すると、図5(a)に示すように、起動(ステップc10)後の水処理(ステップc30)の完了後にドライヤ昇温(ステップc32)を実施する態様と、図5(b)に示すように、起動(ステップc10)後の水処理(ステップc30)と並行してドライヤ昇温(ステップc32)を実施する態様とがある。
本発明としては、図5(a),図5(b)の何れの態様も適用できるが、本実施形態では、図5(b)に示すように、水処理と並行してドライヤ昇温を実施する態様が用いられている。
特に、本実施形態では、ドライヤ昇温の完了と水処理の完了とが同時になるように、ドライヤ昇温の起動タイミングが水処理のタイミングに対応して設定されている。
つまり、上述のように、損紙の発生を抑えるという観点からウェブ10を低速で走行させる場合、ドライヤ昇温が完了しても水処理が完了しないと、ドライヤ昇温完了後に水処理の完了を待っている間も、昇温が完了した高温のドライヤ4にウェブ10を低速で通過させることになり、ウェブ10が高温のドライヤ4を低速で通過すると、ウェブ10がドライヤ4で過剰に乾燥してしまい、断紙のおそれが生じる。
ドライヤ昇温の完了と水処理の完了とが同時であれば、ドライヤ昇温が完了したら速やかにウェブ10を印刷速度まで加速できるため、このようなおそれも回避することができる。なお、ウェブ10の過乾燥を防止するという観点からは、ドライヤ昇温の完了と水処理の完了とが同時でなくても、ドライヤ昇温の完了前に水処理が完了していればよい。ただし、ドライヤ昇温に要する時間に比べて水処理に要する時間の方が長い場合が想定され、準備時間を短縮するという観点からは、ドライヤ昇温の完了と水処理の完了とが同時であることが好ましい。
さらに、本実施形態では、水処理によって湿し水に溶け込む物質や水処理過程で発生するゴミ等が湿し水に混入した場合を考慮して、制御部9では、水処理積算情報を得て、この情報から水処理履歴があるレベルに達したら、アラームを起動させ、湿し水の交換を案内するようになっている。水処理積算情報としては、例えば、水処理時に走行するウェブの量の積算値(枚数)とすることができ、水処理時に走行したウェブ枚数が予め設定された値(数百枚)に達したら、湿し水の交換が必要であるものとしてアラームを起動させる。また、湿湿し水の交換を自動で行う機構を備えるものの場合には、自動的に湿し水を交換するように構成してもよい。
本発明の一実施形態にかかる印刷機の運転装置及び運転方法は上述のように構成されているので、制御部9は、版交換時に、刷版種別情報に基づいて、刷版がプロセスレスプレートであるか否かをフラグ信号から判定し、刷版がプロセスレスプレートである場合には、版胴31b〜34bをウェブ10と非接触の脱状態にして、設定された速度で版胴31b〜34bを回転させるとともに、水供給状態(水元ローラ回転速度)を設定値として、水付けローラを版胴に着の状態として水処理を予め設定された時間だけ行う。
したがって、水処理にかかるオペレータの負担が大幅に軽減され、水処理自体も適切に(過不足なく)行えるようになる。この結果、印刷機の準備時間に加えられる水処理の時間を必要最小限に抑えることが可能になり、水処理に起因した準備時間の増大やこれに伴う損紙の増加を抑制することができる。
もちろん、プロセスプレートの湿し水処理をオペレータの感覚に頼った場合に生じやすい、水処理が不完全になったり、各色の刷版に差異が発生したり、刷り出し時に汚れや印刷不良が発生したりするおそれもない。また、湿し水量の調整忘れや不足によりインキが刷版に付着して、その後、刷版を使用できなくしてしまうこともない。
また、水処理時に刷版に供給される湿し水の温度が適正温度になるように調整するので、水処理を速やかに行うことが可能になる。特に、水元ローラに既存の通水構造を利用して湿し水の温度をするので、設備コストの増加も招かず、しかも、効率よく適正温度に調整でき、適正温度により速やかに水処理を完了できる。
刷版がプロセスレスプレートである場合に、プロセスレスプレート専用の関数(API関数,インキ速度追従関数,水元速度追従関数)を用いて印刷ユニット部を制御すれば、プロセスレスプレートによる印刷を適切に行うことができる。
また、水処理を実施する際に、これと並行して印刷準備にかかる他の処理(例えば、ドライヤ昇温,インキ予備供給,圧胴又はブランケットの洗浄)を実施するので、印刷準備に要する時間を短縮することができる。
また、この水処理時には、印刷胴(版胴31b〜34b及びブランケット胴31c〜34c)はある程度高速運転とするが、ウェブ10については、印刷胴よりも大幅に低速の微速運転あるいは停止状態とするので、水処理の観点からは、版胴31b〜34bをある程度高速回転する方が刷版の前面に対して安定して現像処理を行えるため結果として刷版全体の現像を速やかに行える。一方、水処理中のウェブ10は損紙となるため、損紙の発生を抑えるという観点からは、ウェブ10の速度を低下させるほど損紙は減少する効果がある。
もちろん、水処理時に、版胴31b〜34bを過剰に高速で回転させると、却って現像処理に時間がかかるおそれがあるが、これを考慮して水処理時の版胴31b〜34bの回転速度を設定しているので、現像処理を短時間で効率よく行うことができる。また、ウェブ10の速度を0(停止状態)とせずに、ウェブ10の断紙を招くおそれのない程度に、ウェブ10を微速走行させれば、断紙を招かない範囲で損紙を最低限に抑えることができる。
図6(a)〜図6(c)は、印刷ユニット速度(版胴31b〜34bの速度)と、ウェブ速度とを示すタイムチャートであり、図6(a)は本実施形態を示し、図6(b),図6(c)はその比較例を示す。なお、水供給量及び損紙量はそれぞれ面積で示されている。図6(b),図6(c)に示すように、印刷ユニット速度(版胴31b〜34bの速度)とウェブ速度とを等しくした場合、図6(b)に示すように、印刷ユニット速度を効率よい水処理のできる高速回転にすると、ウェブの高速走行により膨大な損紙量となり、図6(c)に示すように、印刷ユニット速度を低速回転にすると、水処理時間がかかるため、ウェブの走行時間の増大により膨大な損紙量となる。これに対して、図6(a)に示すように、印刷ユニット速(版胴31b〜34b)はある程度高速運転とするが、ウェブ10についてはウェブ10の破断を招かない範囲で印刷胴よりも大幅に低速の微速運転とすると、効率よい水処理ができる上、ウェブの走行速度,走行時間の低減により損紙量も大幅に低減できることがわかる。
また、本実施形態では、ドライヤ昇温の完了と水処理の完了とが同時になるように、ドライヤ昇温の起動タイミングが水処理のタイミングに対応して設定されているので、ドライヤ昇温が完了したら速やかにウェブ10を印刷速度まで加速できるため、昇温完了後のドライヤによる連続紙の過乾燥によって生じる断紙のおそれを回避することができる。
ウェブ10の過乾燥を防止するという観点からは、ドライヤ昇温の完了と水処理の完了とが同時でなくても、ドライヤ昇温の完了前に水処理が完了していればよいが、ドライヤ昇温に要する時間に比べて水処理に要する時間の方が長い場合が想定され、ドライヤ昇温が完了する時点では前記水処理が完了しているので、準備時間を短縮することができる。
〔その他〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、刷版に湿し水を供給するための水付けローラを備える場合を説明したが、刷版に湿し水を供給するための水噴射スプレーを備える場合には、水処理の際に水噴射スプレーを作動させて水噴射を行えばよく、湿し水の供給装置の種類に関わらず、湿し水供給装置を利用して水処理を行えばよい。
また、上記実施形態では、水処理の各動作を制御部9の制御によって自動で行っているが、これらの一部を適宜オペレータの操作(例えば、各操作釦の操作)で行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、商業用オフセット輪転印刷機について説明したが、本発明は、例えば枚葉オフセット印刷機、新聞オフセット輪転機など、他の印刷機にも適用できる。
本発明は、枚葉オフセット印刷機,商業用オフセット輪転印刷機,新聞オフセット輪転機といった種々の印刷機において、プロセスレスプレートを用いる場合に広く適用しうるものである。

Claims (14)

  1. 湿し水を版胴上の版面へ供給する水処理により現像を行うプロセスレスプレートを用いた印刷が可能な印刷機の運転装置であって、
    版交換により印刷ユニット部の版胴に装着される刷版がプロセスレスプレートであるか否かを判定する刷版判定手段と、
    前記刷版判定手段により前記刷版がプロセスレスプレートであると判定されたら、前記版胴を印刷用紙と非接触状態にして予め設定された速度で回転させるとともに前記水処理を予め設定された時間だけ行うように制御する制御手段と、をそなえた
    ことを特徴とする、印刷機の運転装置。
  2. 前記刷版に供給される前記湿し水の温度を調整する湿し温度調整手段をさらにそなえ、
    前記水処理時に前記湿し水の温度が予め設定された適正温度になるように前記湿し温度調整手段を制御する
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機の運転装置。
  3. 前記印刷ユニット部の制御に関するAPI関数,インキ速度追従関数インキ速度追従関数,水元速度追従関数のうち少なくとも何れかについて、前記プロセスレスプレート専用の関数が予め設けられ、前記制御手段は、前記刷版判定手段により前記刷版がプロセスレスプレートであると判定されたら、前記プロセスレスプレート専用の関数を用いて前記印刷ユニット部を制御する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の印刷機の運転装置。
  4. 前記制御手段は、前記水処理を実施した後に印刷準備にかかる他の処理を開始するように制御する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷機の運転装置。
  5. 前記制御手段は、前記水処理を実施する際に、これと並行して印刷準備にかかる他の処理を実施するように制御する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷機の運転装置。
  6. 前記印刷準備にかかる他の処理には、ドライヤ昇温,インキ予備供給,圧胴又はブランケットの洗浄の何れかが含まれている
    ことを特徴とする、請求項4又は5記載の印刷機の運転装置。
  7. 前記印刷用紙が帯状の連続紙であって、前記印刷準備にかかる他の処理としてドライヤ昇温を前記水処理と並行して行う場合、
    前記制御手段は、前記ドライヤ昇温が完了する時点若しくはこの時点よりも前に前記水処理が完了するように制御する
    ことを特徴とする、請求項5記載の印刷機の運転装置。
  8. 湿し水を版胴上の版面へ供給する水処理により現像を行うプロセスレスプレートを用いた印刷が可能な印刷機の運転方法であって、
    版交換により印刷ユニット部の版胴に装着される刷版がプロセスレスプレートであるか否かを判定する刷版判定ステップと、
    前記刷版判定ステップにより前記刷版がプロセスレスプレートであると判定されたら、前記版胴を印刷用紙と非接触状態にして予め設定された速度で回転させるとともに前記水処理を予め設定された時間だけ行うように制御する制御ステップと、をそなえている
    ことを特徴とする印刷機の運転方法。
  9. 前記制御ステップでは、前記水処理時に前記刷版に供給される前記湿し水の温度が予め設定された適正温度になるように調整する
    ことを特徴とする、請求項8に記載の印刷機の運転方法。
  10. 前記印刷ユニット部の制御に関するAPI関数,インキ速度追従関数インキ速度追従関数,水元速度追従関数のうち少なくとも何れかについて、前記プロセスレスプレート専用の関数が予め設けられ、前記制御ステップでは、前記刷版判定ステップにより前記刷版がプロセスレスプレートであると判定されたら、前記プロセスレスプレート専用の関数を用いて前記印刷ユニット部を制御する
    ことを特徴とする、請求項8又は9記載の印刷機の運転方法。
  11. 前記制御ステップでは、前記水処理を実施した後に印刷準備にかかる他の処理を開始するように制御する
    ことを特徴とする、請求項8〜10の何れか1項に記載の印刷機の運転方法。
  12. 前記制御ステップでは、前記水処理を実施する際に、これと並行して印刷準備にかかる他の処理を実施するように制御する
    ことを特徴とする、請求項8〜10の何れか1項に記載の印刷機の運転方法。
  13. 前記印刷準備にかかる他の処理には、ドライヤ昇温,インキ予備供給,圧胴又はブランケットの洗浄の何れかが含まれている
    ことを特徴とする、請求項11又は12記載の印刷機の運転方法。
  14. 前記印刷用紙が帯状の連続紙であって、前記印刷準備にかかる他の処理としてドライヤ昇温を前記水処理と並行して行う場合、前記ドライヤ昇温が完了する時点若しくはこの時点よりも前に前記水処理が完了するように制御する
    ことを特徴とする、請求項12記載の印刷機の運転方法。
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