JPWO2008023690A1 - ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、50ppm以上の鉄分を含有するジフェニルメタン系イソシアネートをウレタン変性したイソシアネートに、燐酸又は燐酸エステルを添加することによって得られた組成物を有しているものである。これによって、50ppm以上の鉄分を含有しているにもかかわらず、所定期間内であれば増粘を抑制できるウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物を得ることができる。また、前記鉄分は110ppm以下であることが好ましい。さらに、本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、45℃の状態で28日経過した時点での増粘率が15%以下であることが好ましい。
Description
本発明は、種々のポリウレタン製品の原料となるウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物に関するものである。
種々のポリウレタン製品の製造には、原料として、イソシアネート基の一部を水酸基含有化合物と反応させてウレタン変性を施したジフェニルメタン系イソシアネート(いわゆる、ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート)が用いられることがある。このウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートは、例えば、硬質ウレタンフォームとして好ましいものである。
このようなウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートについて記載されている例が、下記特許文献1、2に開示されている。
連続生産プラントにおいて製造されるジフェニルメタン系イソシアネートは通常、ジフェニルメタン系イソシアネートに所望される諸性能(例えば、反応性や最終的に得られるポリウレタン樹脂における機械物性等)に影響を及ぼさないレベルながら、僅かに鉄分が含まれる(低鉄分)品が製造される。しかし、このプラントについて定期的に修理等を行った直後に得られる製品については時折、鉄分が非常に多く含まれる(高鉄分)品が製造されることがある。
上記特許文献1、2で使用するジフェニルメタン系イソシアネートが上述のような高鉄分品である場合、これをウレタン変性して得られたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートは、時間の経過と共に(特に、例えば45℃といった高温一定雰囲気下のもとで)増粘し易く、時折、スペックアウト品として市場に提供できないといった事態になることがあった。
そこで、本発明は、50ppm以上の鉄分を含有しているにもかかわらず、所定期間内であれば増粘を抑制できるウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物を提供することを目的とする。
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、50ppm以上の鉄分を含有するジフェニルメタン系イソシアネートを原料として、イソシアネート基の一部を水酸基含有化合物と反応させてウレタン変性を施したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、燐酸又は燐酸エステルを添加することによって得られた組成物を有している。前記鉄分は110ppm以下であることが好ましい。
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物においては、前記燐酸エステルにおけるリン濃度が、一分子中において5%以上であることが好ましい。
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物においては、前記燐酸エステルにおけるリン原子に結合している水酸基濃度が、一分子中において5%以上であることが好ましい。
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物においては、前記燐酸エステルが、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、2−エチルヘキシルフォスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)フォスフェート、モノオクチルホスフェート、ビス(2−エチルヘキシル)フォスフェート、ブチルアシッドフォスフェート、及びエチルアシッドフォスフェートの中から選ばれる1種以上のものであることが好ましい。
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物においては、45℃の状態で28日経過後における粘度変化率が15%以下であることが好ましい。更に好ましくは10%以下である。
上記構成によれば、50ppm以上の鉄分を含有しているにもかかわらず、所定期間内であれば増粘を抑制できるウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物を提供できる。また、本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物によれば、例えば、硬質ウレタンフォームに使用した際でも、パネル物性が燐酸又は燐酸エステルを添加していない低鉄分品(いわゆる、一般に上市されているウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物)を使用した場合と同様である。
以下に本発明の実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネート組成物について説明する。
本実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、50ppm以上の鉄分を含有するジフェニルメタン系イソシアネートにおけるイソシアネート基の一部を水酸基含有化合物と反応させてウレタン変性を施したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、燐酸又は燐酸エステルを添加することによって得られた組成物を有している。ここでの水酸基含有化合物としては、上記特許文献1、2に開示されているものが例示できる。
ここでいう鉄分とは、イソシアネート組成物中に存在する原子吸光分析等の分析方法により測定される鉄分をいう。分析方法としては、例えば、イソシアネートを溶媒(例えば、メチルイソブチルケトンなど)に溶解させた後、フレーム原子吸光装置あるいはICP(誘導結合プラズマ)測定により鉄分を検出する方法、イソシアネート組成物そのもの或いはアセトン等の溶媒に溶解させたイソシアネート組成物をフレームレス原子吸光装置で測定して鉄分を検出する方法、または、既知の方法でイソシアネート組成物に処理を施した水溶液のイオンクロマトグラフィ測定により鉄分を検出する方法がある。
本発明においては、さらに鉄分110ppm以下のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物に適用されるのが好ましい。110ppmを超える量の鉄分が含まれるジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、ウレタン化反応後の粘度上昇が大きくなり、本来所望されるウレタン変性ジフェニルメタンジイソシアネートを得ることが困難となる。また、110ppmを超える量の鉄分が含まれるジフェニルメタン系イソシアネートについてウレタン化反応を行う際、場合によっては激しく粘度上昇が起こり、所望されるレベルを超える粘度となるかゲル状となってしまう。
ジフェニルメタン系イソシアネートは、二核体であるMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)と、三核体以上の多核体(MDI系縮合体)との混合物(ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート)である。このジフェニルメタン系イソシアネートは、アニリンとホルマリンとの縮合反応によって得られる縮合混合物(ポリアミン)のアミノ基を、ホスゲン化等によりイソシアネート基に転化することによって得ることができる。なお、縮合時の原料組成比や反応条件を変更することによって、最終的に得られるジフェニルメタン系イソシアネートの組成(核体分布や異性体構成比)を制御することができる。
また、ジフェニルメタン系イソシアネートは、イソシアネート基への転化後の反応液、反応液から溶媒の除去、一部MDIを留出分離した缶出液等の、反応条件や分離条件等の異なった数種の混合物であってもよい。また、市販のジフェニルメタン系イソシアネートにMDIを混合したものであってもよい。
また、本実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネート中のMDIの割合は25〜70%であることが好ましく、更に好ましくは35〜45%である。ここでのMDIの割合は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるMDIのピーク面積比から求める割合である。
二核体であるMDIは、4,4'−MDIと、2,2'−MDIと、2,4'−MDIとの3種類の異性体により構成されている。なお、異性体の構成比は、GC(ガスクロマトグラフィー)によって得られる各ピークの面積百分率を基に検量線から求めることができる。
また、本実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネートの平均官能基数は、2.2以上であることが好ましく、更に好ましくは2.2〜3.1である。また、ジフェニルメタン系イソシアネートのイソシアネート基含有量は、27〜33質量%であることが好ましく、更に好ましくは27.5〜31.5質量%である。
加えて、本実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネートの酸度は、0.05質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.04質量%以下である。
燐酸エステルとしては、例えば、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、ジイソデシルホスフェート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルフォスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、モノイソデシルホスフェート、ラウリルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキル(C12−15)エーテルリン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン−sec−アルキル(C12−14)エーテルリン酸、ポリオキシエチレン−sec−アルキル(C12−14)エーテルリン酸、2−エチルヘキシルフォスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)フォスフェート、エチレングリコールアシッドフォスフェート、ポリオキシエチレン−sec−アルキル(C12−14)エーテルリン酸、ポリオキシエチレン−sec−アルキル(C12−14)エーテルリン酸、及びポリオキシエチレン−アルキル(C1−2)エーテルリン酸等の中から選ばれる1種以上のものが用いられる。これらの燐酸エステルはリン原子に水酸基が1個,2個,あるいは3個直接結合している化合物である。これらの燐酸エステルは、いずれか1種のみを選択して用いても良いし、もしくは2種以上の混合物として用いても良い。
本発明においては、所望される貯蔵安定性を確保できるとの観点から、燐酸またはこれら一連の燐酸エステルのうち、リン濃度が一分子中において5%以上のものを1種以上選択して、本実施形態に係るウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに含有させることが好ましい。
また、本発明においては、同じく所望される貯蔵安定性を確保できるとの観点から、燐酸またはこれら一連の燐酸エステルのうち、リン原子に結合している水酸基濃度が一分子中において5%以上(さらに好ましくは10%以上)のものを1種以上選択して、本実施形態に係るウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに含有させることが好ましい。
さらに、本発明においては、燐酸またはこれら一連の燐酸エステルのうち、燐酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、2−エチルヘキシルフォスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)フォスフェートのいずれかを単独または併用して用いるのが好ましく、ジフェニルメタン系イソシアネートの相溶性(添加した際における均一混合性)に優れるとの観点から、中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸を、本実施形態に係るウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに含有させることが好ましい。
なお、本発明に係る燐酸エステルについては、リン原子に水酸基が直接結合していない化合物が副成分として混合されているものを用いても良い。
上記構成によれば、50ppm以上の鉄分を含有しているにもかかわらず、所定期間内であれば増粘を抑制できるウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物を提供できる。また、本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物によれば、例えば、硬質ウレタンフォームとして使用した際でも、パネル物性が燐酸又は燐酸エステルを添加していない低鉄分品を使用した場合と同様である。
次に、本発明について実施例を用いて説明する。
以下に述べる実施例並びに比較例におけるイソシアネート基含有量(以下「NCO含量」と略記。なお、以下の表中においては「NCO%(質量%)」と記載。)は、以下に示す測定方法により測定した。
(1)NCO含量を測定すべき試料約0.5〜1.0gを三角フラスコ(内容積300ml)に精秤する。
(2)上記三角フラスコに、0.5mol/lのジブチルアミン−モノクロルベンゼン溶液20mlを加え、ゆるやかに攪拌後15分間静置する。
(3)上記三角フラスコにメタノール100mlと、ブロモフェノール・ブルー指示薬1滴とを入れ、フラスコの内容物に対して、0.5mol/lの塩酸標準液を用いた逆滴定を行う。この際、試料の滴定に要した上記の塩酸標準液の滴定量をA(ml)とする。
(4)上記(1)〜(3)と同様の操作を行って、「ブランク」試料を得る。該ブランクは、上記(3)と同様に滴定する。この際、ブランクの滴定に要した上記の塩酸標準液の滴定量をB(ml)とする。
(5)滴定の終点は、ブロモフェノール・ブルー指示薬の藍色が黄色に変わる点とする。(6)次の計算式を用いて、NCO含量を算出する。
NCO含量(質量%)= [(B−A)×42×0.5×f] × 100÷(S×1000)上記式中、
A:試料の滴定に要した0.5mol/lの塩酸標準液の滴定量(ml)
B:ブランクの滴定に要した0.5mol/lの塩酸標準液の滴定量(ml)
f:0.5mol/lの塩酸標準液のファクター
S:試料採取量(g)
をそれぞれ示す。
(1)NCO含量を測定すべき試料約0.5〜1.0gを三角フラスコ(内容積300ml)に精秤する。
(2)上記三角フラスコに、0.5mol/lのジブチルアミン−モノクロルベンゼン溶液20mlを加え、ゆるやかに攪拌後15分間静置する。
(3)上記三角フラスコにメタノール100mlと、ブロモフェノール・ブルー指示薬1滴とを入れ、フラスコの内容物に対して、0.5mol/lの塩酸標準液を用いた逆滴定を行う。この際、試料の滴定に要した上記の塩酸標準液の滴定量をA(ml)とする。
(4)上記(1)〜(3)と同様の操作を行って、「ブランク」試料を得る。該ブランクは、上記(3)と同様に滴定する。この際、ブランクの滴定に要した上記の塩酸標準液の滴定量をB(ml)とする。
(5)滴定の終点は、ブロモフェノール・ブルー指示薬の藍色が黄色に変わる点とする。(6)次の計算式を用いて、NCO含量を算出する。
NCO含量(質量%)= [(B−A)×42×0.5×f] × 100÷(S×1000)上記式中、
A:試料の滴定に要した0.5mol/lの塩酸標準液の滴定量(ml)
B:ブランクの滴定に要した0.5mol/lの塩酸標準液の滴定量(ml)
f:0.5mol/lの塩酸標準液のファクター
S:試料採取量(g)
をそれぞれ示す。
以下に述べる実施例並びに比較例の粘度は、キャノンフェンスケ粘度計を用い、JISK2283(1980)に準じた方法により測定した。該測定方法の概略は、以下に示す通りである。
(1)温度を25℃に調整した粘度を測定すべき試料をキャノンフェンスケ粘度計に所定量入れ、25℃に調整された恒温浴槽に鉛直に所定時間静置させる。
(2)粘度計内の試料が所定温度に達した後、JIS K2283(1980)に示す方法で、流出時間t(s)を測定する。
(3)次式により動粘度を求める。
ν=C×t
上記式中、
ν:動粘度(cSt){mm2/s}
C:粘度計定数(cSt/s){mm2/s2}
t:流出時間(s)
をそれぞれ示す。
(4)上式で得られた動粘度に試料の比重を乗じて、静粘度(mPa・s)を算出する。
(1)温度を25℃に調整した粘度を測定すべき試料をキャノンフェンスケ粘度計に所定量入れ、25℃に調整された恒温浴槽に鉛直に所定時間静置させる。
(2)粘度計内の試料が所定温度に達した後、JIS K2283(1980)に示す方法で、流出時間t(s)を測定する。
(3)次式により動粘度を求める。
ν=C×t
上記式中、
ν:動粘度(cSt){mm2/s}
C:粘度計定数(cSt/s){mm2/s2}
t:流出時間(s)
をそれぞれ示す。
(4)上式で得られた動粘度に試料の比重を乗じて、静粘度(mPa・s)を算出する。
(実施例1〜3)
実施例1〜3において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=75ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=43.5%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.6質量%
実施例1〜3において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=75ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=43.5%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.6質量%
鉄分含有量は、測定すべき試料をメチルイソブチルケトンに希釈溶解(希釈倍率:70〜150倍)させた後、フレーム原子吸光光度計((株)島津製作所製 AA−6800)を用いて、標準添加法により測定した。
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、上述したジフェニルメタン系イソシアネート1,800gを仕込み、液の昇温及び攪拌を開始した。液温度が75℃に達したところで、「レオソルブPEM−700N(商品名、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル,活性水素含有基数=1、数平均分子量=700、ライオン(株)製)」56gを添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート(イソシアネート基含有量=29.2質量%、25℃における粘度=187mPa・s)を得た。
次いで、これより採取したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート500gに、添加剤として「フォスファノール RA−600(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、リン推定濃度=6%、東邦化学工業(株)製)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例1)と、実施例1と同様にして添加剤として「フォスファノール RA−600」を100ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例2)と、「燐酸(89%リン酸(商品名、燐酸89%水溶液、リン濃度=28%、リン原子に結合している水酸基濃度=46%、ラサ工業(株)製))」を25ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例3)とをそれぞれ準備した。これら実施例1〜3に係る各ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物について、上述した各方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。実施例1〜3についての結果を下記表1〜3に順に示す。
(比較例1、実施例4)
実施例1〜3で用いたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例1)と、実施例1〜3で用いたものと同様のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、「JP−508(商品名、2−エチルヘキシルアシッドフォスフェート(モノ:ジ=1:1(推定モル比))、リン推定濃度=11%、リン原子に結合している水酸基推定濃度=11%、城北化学工業(株)製)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例4)について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例1、実施例4についての結果を下記表4、5に順に示す。
実施例1〜3で用いたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例1)と、実施例1〜3で用いたものと同様のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、「JP−508(商品名、2−エチルヘキシルアシッドフォスフェート(モノ:ジ=1:1(推定モル比))、リン推定濃度=11%、リン原子に結合している水酸基推定濃度=11%、城北化学工業(株)製)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例4)について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例1、実施例4についての結果を下記表4、5に順に示す。
表4、5から、実施例4のものは、比較例1に比べて、粘度の変化率を抑える傾向にあることがわかる。また、表1〜3から、実施例1〜3のものは、増粘してはいるものの、4週間経過しても許容範囲内に抑制されていることがわかる。
(実施例5〜7)
実施例5〜7において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=101ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=42.8%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.6質量%
実施例5〜7において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=101ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=42.8%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.6質量%
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、上述したジフェニルメタン系イソシアネート1,800gを仕込み、液の昇温及び攪拌を開始した。液温度が75℃に達したところで、「レオソルブPEM−700N」56gを添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート(イソシアネート基含有量=29.1質量%、25℃における粘度=198mPa・s)を得た。
次いで、これより採取したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート500gに、添加剤として「フォスファノール RA−600」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例5)と、実施例1と同様にして添加剤として「フォスファノール RA−600」を100ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例6)と、燐酸を25ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例7)とをそれぞれ準備した。これら実施例5〜7に係る各ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。実施例5〜7についての結果を下記表6〜8に順に示す。
(比較例2、実施例8)
実施例5〜7で用いたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例2)と、実施例5〜7で用いたものと同様のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、「JP−508」を50ppm添加したもの(実施例8)について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例2、実施例8についての結果を下記表9、10に順に示す。
実施例5〜7で用いたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例2)と、実施例5〜7で用いたものと同様のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、「JP−508」を50ppm添加したもの(実施例8)について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例2、実施例8についての結果を下記表9、10に順に示す。
表9、10から、実施例8のものは、比較例2に比べて、粘度の変化率を抑える傾向にあることがわかる。また、表6〜8から、実施例5〜7のものは、増粘してはいるものの、4週間経過しても許容範囲内に抑制されていることがわかる。
(実施例9、10)
実施例9、10において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=102ppm
酸度=0.014質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=42.8%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.6質量%
実施例9、10において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=102ppm
酸度=0.014質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=42.8%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.6質量%
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、上述したジフェニルメタン系イソシアネート500gを仕込み、液の昇温及び攪拌を開始した。液温度が75℃に達したところで、「レオソルブPEM−700N」56gを添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート(イソシアネート基含有量=28.9質量%、25℃における粘度=198mPa・s)を得た。
次いで、これより採取したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに添加剤として「フォスファノール RA−600」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例9)と、燐酸を25ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例10)とをそれぞれ準備した。これら実施例7、8に係る各ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。実施例9、10についての結果を下記表11、12に順に示す。
(比較例3、実施例11)
実施例9、10で用いたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例3)と、実施例4〜6で用いたものと同様のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、「JP−508」を50ppm添加したもの(実施例11)について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例1、実施例11についての結果を下記表13、14に順に示す。
実施例9、10で用いたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例3)と、実施例4〜6で用いたものと同様のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、「JP−508」を50ppm添加したもの(実施例11)について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例1、実施例11についての結果を下記表13、14に順に示す。
表13から、比較例3のものは、時間が経つにつれて増粘しやすい傾向にあることがわかる。これに対し、表11、12から、実施例9、10のものは、増粘してはいるものの、4週間経過しても許容範囲内に抑制されていることがわかる。また、表14から、実施例11のものは、比較例3に比べて、粘度の変化率を抑える傾向にあることがわかる。
(比較例4、実施例12〜14)
比較例4、実施例12〜14において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=155ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=43.3%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.5質量%
比較例4、実施例12〜14において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=155ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=43.3%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.5質量%
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、上述したジフェニルメタン系イソシアネート1,800gを仕込み、液の昇温及び攪拌を開始した。液温度が75℃に達したところで、「レオソルブPEM−700N」56gを添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート(イソシアネート基含有量=28.9質量%、25℃における粘度=198mPa・s)を得た。
次いで、これより採取したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例4)と、上述したジフェニルメタン系イソシアネートに添加剤として「フォスファノール RA−600」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例12)と、添加剤として「JP−508」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例13)と、燐酸を25ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例14)とをそれぞれ準備した。これら比較例4、実施例12〜14に係る各ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例4、実施例12〜14についての結果を下記表15〜18に順に示す。
表15から、比較例4のものは、時間が経つにつれて増粘しやすい傾向にあることがわかる。これに対し、表16〜18から、実施例12〜14のものは、比較例4に比べて、粘度の変化率を抑える傾向にあることがわかる。
(比較例5、実施例15〜18)
比較例5、実施例15〜18において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=104ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=43.3%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.5質量%
比較例5、実施例15〜18において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=104ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=43.3%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.5質量%
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、上述したジフェニルメタン系イソシアネート1,800gを仕込み、液の昇温及び攪拌を開始した。液温度が75℃に達したところで、「レオソルブPEM−700N」56gを添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート(イソシアネート基含有量=28.9質量%、25℃における粘度=164mPa・s)を得た。
次いで、これより採取したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例5)と、上述したジフェニルメタン系イソシアネート500gに添加剤として「JP−502(商品名、エチルアシッドフォスフェート(モノ:ジ=1:1(推定モル比))、リン推定濃度=22%、リン原子に結合している水酸基推定濃度=19%、城北化学工業(株)製)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例15)と、添加剤として「JP−504(商品名、ブチルアシッドフォスフェート(モノ:ジ=1:1(推定モル比))、リン推定濃度=17%、リン原子に結合している水酸基推定濃度=15%、城北化学工業(株)製)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例16)と、添加剤として「モノオクチルフォスフェート(リン濃度=16%、リン原子に結合している水酸基濃度=16%)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例17)と、添加剤として「ビス(2−エチルヘキシル)フォスフェート(リン濃度=10%、リン原子に結合している水酸基濃度=5%)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例18)と、燐酸を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例19)とをそれぞれ準備した。これら比較例5、実施例15〜19に係る各ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物について、実施例1〜3と同様の方法で、粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例5、実施例15〜19についての結果を下記表19〜24に順に示す。
表19から、比較例5のものは、時間が経つにつれて増粘しやすい傾向にあることがわかる。これに対し、表20〜24から、実施例15〜19のものは、増粘してはいるものの、4週間経過しても許容範囲内に抑制されていることがわかる。
上記各実施例及び各比較例から、鉄分を含有しているジフェニルメタン系イソシアネートから得られたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物である本発明が、所定期間内であれば増粘を抑制できていることがわかる。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、硬質ポリウレタンフォーム分野に適用できる。また、軟質または半硬質ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤、エラストマー等の分野にも適用することができる。
本発明は、種々のポリウレタン製品の原料となるウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物に関するものである。
種々のポリウレタン製品の製造には、原料として、イソシアネート基の一部を水酸基含有化合物と反応させてウレタン変性を施したジフェニルメタン系イソシアネート(いわゆる、ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート)が用いられることがある。このウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートは、例えば、硬質ウレタンフォームとして好ましいものである。
このようなウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートについて記載されている例が、下記特許文献1、2に開示されている。
連続生産プラントにおいて製造されるジフェニルメタン系イソシアネートは通常、ジフェニルメタン系イソシアネートに所望される諸性能(例えば、反応性や最終的に得られるポリウレタン樹脂における機械物性等)に影響を及ぼさないレベルながら、僅かに鉄分が含まれる(低鉄分)品が製造される。しかし、このプラントについて定期的に修理等を行った直後に得られる製品については時折、鉄分が非常に多く含まれる(高鉄分)品が製造されることがある。
上記特許文献1、2で使用するジフェニルメタン系イソシアネートが上述のような高鉄分品である場合、これをウレタン変性して得られたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートは、時間の経過と共に(特に、例えば45℃といった高温一定雰囲気下のもとで)増粘し易く、時折、スペックアウト品として市場に提供できないといった事態になることがあった。
そこで、本発明は、50ppm以上の鉄分を含有しているにもかかわらず、所定期間内であれば増粘を抑制できるウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物を提供することを目的とする。
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、50ppm以上の鉄分を含有するジフェニルメタン系イソシアネートを原料として、イソシアネート基の一部を水酸基含有化合物と反応させてウレタン変性を施したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、燐酸又は燐酸エステルを添加することによって得られた組成物を有している。前記鉄分は110ppm以下であることが好ましい。
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物においては、前記燐酸エステルにおけるリン濃度が、一分子中において5%以上であることが好ましい。
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物においては、前記燐酸エステルにおけるリン原子に結合している水酸基濃度が、一分子中において5%以上であることが好ましい。
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物においては、前記燐酸エステルが、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、2−エチルヘキシルフォスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)フォスフェート、モノオクチルホスフェート、ビス(2−エチルヘキシル)フォスフェート、ブチルアシッドフォスフェート、及びエチルアシッドフォスフェートの中から選ばれる1種以上のものであることが好ましい。
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物においては、45℃の状態で28日経過後における粘度変化率が15%以下であることが好ましい。更に好ましくは10%以下である。
上記構成によれば、50ppm以上の鉄分を含有しているにもかかわらず、所定期間内であれば増粘を抑制できるウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物を提供できる。また、本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物によれば、例えば、硬質ウレタンフォームに使用した際でも、パネル物性が燐酸又は燐酸エステルを添加していない低鉄分品(いわゆる、一般に上市されているウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物)を使用した場合と同様である。
以下に本発明の実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネート組成物について説明する。
本実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、50ppm以上の鉄分を含有するジフェニルメタン系イソシアネートにおけるイソシアネート基の一部を水酸基含有化合物と反応させてウレタン変性を施したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、燐酸又は燐酸エステルを添加することによって得られた組成物を有している。ここでの水酸基含有化合物としては、上記特許文献1、2に開示されているものが例示できる。
ここでいう鉄分とは、イソシアネート組成物中に存在する原子吸光分析等の分析方法により測定される鉄分をいう。分析方法としては、例えば、イソシアネートを溶媒(例えば、メチルイソブチルケトンなど)に溶解させた後、フレーム原子吸光装置あるいはICP(誘導結合プラズマ)測定により鉄分を検出する方法、イソシアネート組成物そのもの或いはアセトン等の溶媒に溶解させたイソシアネート組成物をフレームレス原子吸光装置で測定して鉄分を検出する方法、または、既知の方法でイソシアネート組成物に処理を施した水溶液のイオンクロマトグラフィ測定により鉄分を検出する方法がある。
本発明においては、さらに鉄分110ppm以下のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物に適用されるのが好ましい。110ppmを超える量の鉄分が含まれるジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、ウレタン化反応後の粘度上昇が大きくなり、本来所望されるウレタン変性ジフェニルメタンジイソシアネートを得ることが困難となる。また、110ppmを超える量の鉄分が含まれるジフェニルメタン系イソシアネートについてウレタン化反応を行う際、場合によっては激しく粘度上昇が起こり、所望されるレベルを超える粘度となるかゲル状となってしまう。
ジフェニルメタン系イソシアネートは、二核体であるMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)と、三核体以上の多核体(MDI系縮合体)との混合物(ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート)である。このジフェニルメタン系イソシアネートは、アニリンとホルマリンとの縮合反応によって得られる縮合混合物(ポリアミン)のアミノ基を、ホスゲン化等によりイソシアネート基に転化することによって得ることができる。なお、縮合時の原料組成比や反応条件を変更することによって、最終的に得られるジフェニルメタン系イソシアネートの組成(核体分布や異性体構成比)を制御することができる。
また、ジフェニルメタン系イソシアネートは、イソシアネート基への転化後の反応液、反応液から溶媒の除去、一部MDIを留出分離した缶出液等の、反応条件や分離条件等の異なった数種の混合物であってもよい。また、市販のジフェニルメタン系イソシアネートにMDIを混合したものであってもよい。
また、本実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネート中のMDIの割合は25〜70%であることが好ましく、更に好ましくは35〜45%である。ここでのMDIの割合は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるMDIのピーク面積比から求める割合である。
二核体であるMDIは、4,4'−MDIと、2,2'−MDIと、2,4'−MDIとの3種類の異性体により構成されている。なお、異性体の構成比は、GC(ガスクロマトグラフィー)によって得られる各ピークの面積百分率を基に検量線から求めることができる。
また、本実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネートの平均官能基数は、2.2以上であることが好ましく、更に好ましくは2.2〜3.1である。また、ジフェニルメタン系イソシアネートのイソシアネート基含有量は、27〜33質量%であることが好ましく、更に好ましくは27.5〜31.5質量%である。
加えて、本実施形態に係るジフェニルメタン系イソシアネートの酸度は、0.05質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.04質量%以下である。
燐酸エステルとしては、例えば、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、ジイソデシルホスフェート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルフォスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、モノイソデシルホスフェート、ラウリルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキル(C12−15)エーテルリン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン−sec−アルキル(C12−14)エーテルリン酸、ポリオキシエチレン−sec−アルキル(C12−14)エーテルリン酸、2−エチルヘキシルフォスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)フォスフェート、エチレングリコールアシッドフォスフェート、ポリオキシエチレン−sec−アルキル(C12−14)エーテルリン酸、ポリオキシエチレン−sec−アルキル(C12−14)エーテルリン酸、及びポリオキシエチレン−アルキル(C1−2)エーテルリン酸等の中から選ばれる1種以上のものが用いられる。これらの燐酸エステルはリン原子に水酸基が1個,2個,あるいは3個直接結合している化合物である。これらの燐酸エステルは、いずれか1種のみを選択して用いても良いし、もしくは2種以上の混合物として用いても良い。
本発明においては、所望される貯蔵安定性を確保できるとの観点から、燐酸またはこれら一連の燐酸エステルのうち、リン濃度が一分子中において5%以上のものを1種以上選択して、本実施形態に係るウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに含有させることが好ましい。
また、本発明においては、同じく所望される貯蔵安定性を確保できるとの観点から、燐酸またはこれら一連の燐酸エステルのうち、リン原子に結合している水酸基濃度が一分子中において5%以上(さらに好ましくは10%以上)のものを1種以上選択して、本実施形態に係るウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに含有させることが好ましい。
さらに、本発明においては、燐酸またはこれら一連の燐酸エステルのうち、燐酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、2−エチルヘキシルフォスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)フォスフェートのいずれかを単独または併用して用いるのが好ましく、ジフェニルメタン系イソシアネートの相溶性(添加した際における均一混合性)に優れるとの観点から、中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸を、本実施形態に係るウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに含有させることが好ましい。
なお、本発明に係る燐酸エステルについては、リン原子に水酸基が直接結合していない化合物が副成分として混合されているものを用いても良い。
上記構成によれば、50ppm以上の鉄分を含有しているにもかかわらず、所定期間内であれば増粘を抑制できるウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物を提供できる。また、本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物によれば、例えば、硬質ウレタンフォームとして使用した際でも、パネル物性が燐酸又は燐酸エステルを添加していない低鉄分品を使用した場合と同様である。
次に、本発明について実施例を用いて説明する。
以下に述べる実施例並びに比較例におけるイソシアネート基含有量(以下「NCO含量」と略記。なお、以下の表中においては「NCO%(質量%)」と記載。)は、以下に示す測定方法により測定した。
(1)NCO含量を測定すべき試料約0.5〜1.0gを三角フラスコ(内容積300ml)に精秤する。
(2)上記三角フラスコに、0.5mol/lのジブチルアミン−モノクロルベンゼン溶液20mlを加え、ゆるやかに攪拌後15分間静置する。
(3)上記三角フラスコにメタノール100mlと、ブロモフェノール・ブルー指示薬1滴とを入れ、フラスコの内容物に対して、0.5mol/lの塩酸標準液を用いた逆滴定を行う。この際、試料の滴定に要した上記の塩酸標準液の滴定量をA(ml)とする。
(4)上記(1)〜(3)と同様の操作を行って、「ブランク」試料を得る。該ブランクは、上記(3)と同様に滴定する。この際、ブランクの滴定に要した上記の塩酸標準液の滴定量をB(ml)とする。
(5)滴定の終点は、ブロモフェノール・ブルー指示薬の藍色が黄色に変わる点とする。(6)次の計算式を用いて、NCO含量を算出する。
NCO含量(質量%)= [(B−A)×42×0.5×f] × 100÷(S×1000)上記式中、
A:試料の滴定に要した0.5mol/lの塩酸標準液の滴定量(ml)
B:ブランクの滴定に要した0.5mol/lの塩酸標準液の滴定量(ml)
f:0.5mol/lの塩酸標準液のファクター
S:試料採取量(g)
をそれぞれ示す。
(1)NCO含量を測定すべき試料約0.5〜1.0gを三角フラスコ(内容積300ml)に精秤する。
(2)上記三角フラスコに、0.5mol/lのジブチルアミン−モノクロルベンゼン溶液20mlを加え、ゆるやかに攪拌後15分間静置する。
(3)上記三角フラスコにメタノール100mlと、ブロモフェノール・ブルー指示薬1滴とを入れ、フラスコの内容物に対して、0.5mol/lの塩酸標準液を用いた逆滴定を行う。この際、試料の滴定に要した上記の塩酸標準液の滴定量をA(ml)とする。
(4)上記(1)〜(3)と同様の操作を行って、「ブランク」試料を得る。該ブランクは、上記(3)と同様に滴定する。この際、ブランクの滴定に要した上記の塩酸標準液の滴定量をB(ml)とする。
(5)滴定の終点は、ブロモフェノール・ブルー指示薬の藍色が黄色に変わる点とする。(6)次の計算式を用いて、NCO含量を算出する。
NCO含量(質量%)= [(B−A)×42×0.5×f] × 100÷(S×1000)上記式中、
A:試料の滴定に要した0.5mol/lの塩酸標準液の滴定量(ml)
B:ブランクの滴定に要した0.5mol/lの塩酸標準液の滴定量(ml)
f:0.5mol/lの塩酸標準液のファクター
S:試料採取量(g)
をそれぞれ示す。
以下に述べる実施例並びに比較例の粘度は、キャノンフェンスケ粘度計を用い、JISK2283(1980)に準じた方法により測定した。該測定方法の概略は、以下に示す通りである。
(1)温度を25℃に調整した粘度を測定すべき試料をキャノンフェンスケ粘度計に所定量入れ、25℃に調整された恒温浴槽に鉛直に所定時間静置させる。
(2)粘度計内の試料が所定温度に達した後、JIS K2283(1980)に示す方法で、流出時間t(s)を測定する。
(3)次式により動粘度を求める。
ν=C×t
上記式中、
ν:動粘度(cSt){mm2/s}
C:粘度計定数(cSt/s){mm2/s2}
t:流出時間(s)
をそれぞれ示す。
(4)上式で得られた動粘度に試料の比重を乗じて、静粘度(mPa・s)を算出する。
(1)温度を25℃に調整した粘度を測定すべき試料をキャノンフェンスケ粘度計に所定量入れ、25℃に調整された恒温浴槽に鉛直に所定時間静置させる。
(2)粘度計内の試料が所定温度に達した後、JIS K2283(1980)に示す方法で、流出時間t(s)を測定する。
(3)次式により動粘度を求める。
ν=C×t
上記式中、
ν:動粘度(cSt){mm2/s}
C:粘度計定数(cSt/s){mm2/s2}
t:流出時間(s)
をそれぞれ示す。
(4)上式で得られた動粘度に試料の比重を乗じて、静粘度(mPa・s)を算出する。
(実施例1〜3)
実施例1〜3において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=75ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=43.5%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.6質量%
実施例1〜3において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=75ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=43.5%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.6質量%
鉄分含有量は、測定すべき試料をメチルイソブチルケトンに希釈溶解(希釈倍率:70〜150倍)させた後、フレーム原子吸光光度計((株)島津製作所製 AA−6800)を用いて、標準添加法により測定した。
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、上述したジフェニルメタン系イソシアネート1,800gを仕込み、液の昇温及び攪拌を開始した。液温度が75℃に達したところで、「レオソルブPEM−700N(商品名、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル,活性水素含有基数=1、数平均分子量=700、ライオン(株)製)」56gを添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート(イソシアネート基含有量=29.2質量%、25℃における粘度=187mPa・s)を得た。
次いで、これより採取したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート500gに、添加剤として「フォスファノール RA−600(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、リン推定濃度=6%、東邦化学工業(株)製)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例1)と、実施例1と同様にして添加剤として「フォスファノール RA−600」を100ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例2)と、「燐酸(89%リン酸(商品名、燐酸89%水溶液、リン濃度=28%、リン原子に結合している水酸基濃度=46%、ラサ工業(株)製))」を25ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例3)とをそれぞれ準備した。これら実施例1〜3に係る各ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物について、上述した各方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。実施例1〜3についての結果を下記表1〜3に順に示す。
(比較例1、実施例4)
実施例1〜3で用いたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例1)と、実施例1〜3で用いたものと同様のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、「JP−508(商品名、2−エチルヘキシルアシッドフォスフェート(モノ:ジ=1:1(推定モル比))、リン推定濃度=11%、リン原子に結合している水酸基推定濃度=11%、城北化学工業(株)製)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例4)について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例1、実施例4についての結果を下記表4、5に順に示す。
実施例1〜3で用いたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例1)と、実施例1〜3で用いたものと同様のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、「JP−508(商品名、2−エチルヘキシルアシッドフォスフェート(モノ:ジ=1:1(推定モル比))、リン推定濃度=11%、リン原子に結合している水酸基推定濃度=11%、城北化学工業(株)製)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例4)について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例1、実施例4についての結果を下記表4、5に順に示す。
表4、5から、実施例4のものは、比較例1に比べて、粘度の変化率を抑える傾向にあることがわかる。また、表1〜3から、実施例1〜3のものは、増粘してはいるものの、4週間経過しても許容範囲内に抑制されていることがわかる。
(実施例5〜7)
実施例5〜7において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=101ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=42.8%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.6質量%
実施例5〜7において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=101ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=42.8%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.6質量%
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、上述したジフェニルメタン系イソシアネート1,800gを仕込み、液の昇温及び攪拌を開始した。液温度が75℃に達したところで、「レオソルブPEM−700N」56gを添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート(イソシアネート基含有量=29.1質量%、25℃における粘度=198mPa・s)を得た。
次いで、これより採取したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート500gに、添加剤として「フォスファノール RA−600」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例5)と、実施例1と同様にして添加剤として「フォスファノール RA−600」を100ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例6)と、燐酸を25ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例7)とをそれぞれ準備した。これら実施例5〜7に係る各ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。実施例5〜7についての結果を下記表6〜8に順に示す。
(比較例2、実施例8)
実施例5〜7で用いたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例2)と、実施例5〜7で用いたものと同様のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、「JP−508」を50ppm添加したもの(実施例8)について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例2、実施例8についての結果を下記表9、10に順に示す。
実施例5〜7で用いたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例2)と、実施例5〜7で用いたものと同様のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、「JP−508」を50ppm添加したもの(実施例8)について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例2、実施例8についての結果を下記表9、10に順に示す。
表9、10から、実施例8のものは、比較例2に比べて、粘度の変化率を抑える傾向にあることがわかる。また、表6〜8から、実施例5〜7のものは、増粘してはいるものの、4週間経過しても許容範囲内に抑制されていることがわかる。
(実施例9、10)
実施例9、10において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=102ppm
酸度=0.014質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=42.8%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.6質量%
実施例9、10において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=102ppm
酸度=0.014質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=42.8%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.6質量%
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、上述したジフェニルメタン系イソシアネート500gを仕込み、液の昇温及び攪拌を開始した。液温度が75℃に達したところで、「レオソルブPEM−700N」56gを添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート(イソシアネート基含有量=28.9質量%、25℃における粘度=198mPa・s)を得た。
次いで、これより採取したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに添加剤として「フォスファノール RA−600」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例9)と、燐酸を25ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例10)とをそれぞれ準備した。これら実施例9、10に係る各ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。実施例9、10についての結果を下記表11、12に順に示す。
(比較例3、実施例11)
実施例9、10で用いたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例3)と、実施例4〜6で用いたものと同様のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、「JP−508」を50ppm添加したもの(実施例11)について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例3、実施例11についての結果を下記表13、14に順に示す。
実施例9、10で用いたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例3)と、実施例4〜6で用いたものと同様のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートに、「JP−508」を50ppm添加したもの(実施例11)について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例3、実施例11についての結果を下記表13、14に順に示す。
表13から、比較例3のものは、時間が経つにつれて増粘しやすい傾向にあることがわかる。これに対し、表11、12から、実施例9、10のものは、増粘してはいるものの、4週間経過しても許容範囲内に抑制されていることがわかる。また、表14から、実施例11のものは、比較例3に比べて、粘度の変化率を抑える傾向にあることがわかる。
(比較例4、実施例12〜14)
比較例4、実施例12〜14において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=155ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=43.3%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.5質量%
比較例4、実施例12〜14において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=155ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=43.3%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.5質量%
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、上述したジフェニルメタン系イソシアネート1,800gを仕込み、液の昇温及び攪拌を開始した。液温度が75℃に達したところで、「レオソルブPEM−700N」56gを添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート(イソシアネート基含有量=28.9質量%、25℃における粘度=198mPa・s)を得た。
次いで、これより採取したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例4)と、上述したジフェニルメタン系イソシアネートに添加剤として「フォスファノール RA−600」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例12)と、添加剤として「JP−508」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例13)と、燐酸を25ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例14)とをそれぞれ準備した。これら比較例4、実施例12〜14に係る各ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物について、実施例1〜3と同様の方法で、NCO含量並びに粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例4、実施例12〜14についての結果を下記表15〜18に順に示す。
表15から、比較例4のものは、時間が経つにつれて増粘しやすい傾向にあることがわかる。これに対し、表16〜18から、実施例12〜14のものは、比較例4に比べて、粘度の変化率を抑える傾向にあることがわかる。
(比較例5、実施例15〜18)
比較例5、実施例15〜18において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=104ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=43.3%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.5質量%
比較例5、実施例15〜18において用いるジフェニルメタン系イソシアネートとして、以下に示すジフェニルメタン系イソシアネートを用意した。
鉄分含有量=104ppm
酸度=0.015質量%
MDI(二核体)ピーク面積比=43.3%
※ MDIピーク面積比はGPCから算出した。
MDI(二核体)中における4,4′−MDI含有量=99%
※ MDI中における4,4′−MDI含有量はGCから算出した。
イソシアネート基含有量=30.5質量%
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、上述したジフェニルメタン系イソシアネート1,800gを仕込み、液の昇温及び攪拌を開始した。液温度が75℃に達したところで、「レオソルブPEM−700N」56gを添加し、窒素雰囲気下、80℃で3時間にわたり攪拌混合することによって反応させて、ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート(イソシアネート基含有量=28.9質量%、25℃における粘度=164mPa・s)を得た。
次いで、これより採取したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネートそのもの(添加剤を加えていないもの)(比較例5)と、上述したジフェニルメタン系イソシアネート500gに添加剤として「JP−502(商品名、エチルアシッドフォスフェート(モノ:ジ=1:1(推定モル比))、リン推定濃度=22%、リン原子に結合している水酸基推定濃度=19%、城北化学工業(株)製)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例15)と、添加剤として「JP−504(商品名、ブチルアシッドフォスフェート(モノ:ジ=1:1(推定モル比))、リン推定濃度=17%、リン原子に結合している水酸基推定濃度=15%、城北化学工業(株)製)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例16)と、添加剤として「モノオクチルフォスフェート(リン濃度=16%、リン原子に結合している水酸基濃度=16%)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例17)と、添加剤として「ビス(2−エチルヘキシル)フォスフェート(リン濃度=10%、リン原子に結合している水酸基濃度=5%)」を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例18)と、燐酸を50ppm添加して作製したウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物(実施例19)とをそれぞれ準備した。これら比較例5、実施例15〜19に係る各ウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物について、実施例1〜3と同様の方法で、粘度の経時変化率(0週間〜4週間を1週間毎に)を45℃一定雰囲気下にて測定した。比較例5、実施例15〜19についての結果を下記表19〜24に順に示す。
表19から、比較例5のものは、時間が経つにつれて増粘しやすい傾向にあることがわかる。これに対し、表20〜24から、実施例15〜19のものは、増粘してはいるものの、4週間経過しても許容範囲内に抑制されていることがわかる。
上記各実施例及び各比較例から、鉄分を含有しているジフェニルメタン系イソシアネートから得られたウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物である本発明が、所定期間内であれば増粘を抑制できていることがわかる。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。
本発明のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物は、硬質ポリウレタンフォーム分野に適用できる。また、軟質または半硬質ポリウレタンフォーム、塗料、接着剤、エラストマー等の分野にも適用することができる。
Claims (6)
- 50ppm以上の鉄分を含有するジフェニルメタン系イソシアネートをウレタン変性したイソシアネートに、燐酸又は燐酸エステルを添加することによって得られた組成物を有していることを特徴とするウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物。
- 前記鉄分が110ppm以下であることを特徴とする請求項1記載のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物。
- 前記燐酸エステルにおけるリン濃度が、一分子中において5%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物。
- 前記燐酸エステルにおけるリン原子に結合している水酸基濃度が、一分子中において5%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物。
- 前記燐酸エステルが、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、2−エチルヘキシルフォスフェート、ジ(2−エチルヘキシル)フォスフェート、モノオクチルホスフェート、ビス(2−エチルヘキシル)フォスフェート、ブチルアシッドフォスフェート、及びエチルアシッドフォスフェートの中から選ばれる1種以上のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物。
- 45℃の状態で28日経過後における粘度変化率が15%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のウレタン変性ジフェニルメタン系イソシアネート組成物。
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