JPH0899946A - ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物中の鉄含有量の減少方法 - Google Patents

ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物中の鉄含有量の減少方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジ
フェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート
混合物中の金属含有量、特に鉄含有量、を調整する方法
を提供する。 【解決手段】 ジフェニルメタンジイソシアネートまた
はジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネ
ート混合物中の鉄含有量を、イソシアネート1kg当たり
0.1〜100mg Fe/kgの重量範囲まで減少させる方法
であって、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジ
フェニルメタン系ポリイソシアネート混合物を、20〜
200℃の温度、0.5〜100bar の圧力にて、少な
くとも100m2 /g の内部表面積を有する一種またはそ
れ以上の微孔質吸着剤にて処理し、上記ジフェニルメタ
ンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソ
シアネート混合物を上記微孔質吸着剤から分離すること
よりなる上記方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジフェニルメタン
ジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネ
ート系ポリイソシアネート混合物中の鉄含有量を減少さ
せる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジフェニルメタンジイソシアネートの工
業用混合物及びジフェニルメタンジイソシアネート系の
工業用ポリイソシアネート混合物は、微量の鉄または他
の金属を含有する。前記鉄または他の金属は、製造時に
プラントの腐食及び/または浸食によってイソシアネー
ト中に混入したものである。工業用イソシアネート混合
物中に含まれる金属(鉄)化合物の重量比は、通常、1
0ppm 未満のオーダーである。しかしながら、特に製造
開始時に得られるイソシアネート混合物の場合は、かな
り高い重量比で鉄を含有する。製造条件にもよるが、時
には1000ppmあるいはそれ以上のこともある。工業
的にはイソシアネート混合物はポリウレタン重付加物の
出発物質として使用され、ヒドロキシ化合物との反応時
におけるイソシアネートの活性は微量の鉄によって影響
を受ける。再生ポリウレタンの品質にとって第一に必要
な要件は、イソシアネート混合物中の鉄含有量が、一定
でありかつ出来る限り微量であることである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジフ
ェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン
ジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物中の金属
含有量、特に鉄含有量を減少させることである。上述の
イソシアネートが高い金属含有量を有する場合には、金
属含有量を許容範囲のオーダーまで減少させる。
【0004】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、少なく
とも100m2 /g の内部表面積を有する微孔質吸着剤に
て処理することにより、ジフェニルメタンジイソシアネ
ートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイ
ソシアネート混合物中の一定の鉄含有量を減少させるこ
とが可能である。本発明は、ジフェニルメタンジイソシ
アネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポ
リイソシアネート混合物中の鉄含有量を、ジフェニルメ
タンジイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物
1kg当たり0.1〜100mg Fe/kg、好ましくは0.2
〜70mg Fe/kg、最も好ましくは0.5〜20mg Fe/kg
の重量範囲まで減少させる方法を提供するものである。
この方法は、ジフェニルメタンジイソシアネートまたは
ジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネー
ト混合物を、20〜200℃、好ましくは20〜140
℃の温度、0.5〜100bar 、好ましくは1〜10ba
r の圧力にて、少なくとも100m2 /g 、好ましくは少
なくとも400のm2 /g 、最も好ましくは少なくとも1
000m2 /gの内部表面積を有する一種またはそれ以上
の微孔質吸着剤にて処理し、ジフェニルメタンジイソシ
アネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポ
リイソシアネート混合物を上記微孔質吸着剤から分離す
ることよりなる。
【0005】上述の方法の任意の具体例では、ジフェニ
ルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイ
ソシアネート系ポリイソシアネート混合物を有機溶剤の
存在下で溶解し、イソシアネートの溶液を調製した後、
上述のように吸着剤にて処理を行う。本発明の方法は、
連続法または不連続法のいずれでも行うことが出来る。
本発明の方法に適した微孔質吸着剤には、以下の物質、
活性炭、非晶質沈降シリカ、熱分解法シリカ、活性化ア
ルミナ、シリカゲル、漂白土類(bleaching earth) 、カ
オリン、ベントナイト、海泡石、アタガルガイト(attag
algite) 、天然または合成ゼオライト等が含まれる。活
性炭及び非晶質シリカが特に適している。吸着剤の内部
表面積は、BET法を使用して求めた。本発明では、吸
着剤を乾燥状態にて使用しなければならない。これは、
吸着剤に含まれる水とイソシアネートとの間の反応を防
ぐために必要である。不連続法の場合には、吸着剤をイ
ソシアネートまたはイソシアネート混合物へ添加して処
理を行い、吸着剤と良く接触するように混合物を激しく
攪拌する。また、処理するイソシアネートまたはイソシ
アネート混合物を、イソシアネートと吸着剤とが十分に
接触して金属が吸着されるような速度にて、吸着剤の床
に通すことにより連続的に処理を行うことも可能であ
る。連続法の場合、接触時間は通常、0.5分〜200
分、好ましくは0.5分〜120分である。
【0006】使用する吸着剤の量は、通常、イソシアネ
ート1kgに対して0.1〜200g、好ましくは0.5
〜100gである。吸着剤は個別に使用することも出
来、また混合して使用することも可能である。不連続法
を用いて処理を行う場合、使用する吸着剤の量、処理時
間、圧力及び温度は、処理するイソシアネートの種類及
びその中に含まれる鉄の含有量、使用する吸着剤の性質
及び活性、並びにイソシアネートが未希釈であるかまた
は溶液状態であるかどうかに依存する。連続法にて処理
を行う場合には、滞留時間、温度及び圧力は、同様に、
処理するイソシアネート、使用する吸着剤、並びにイソ
シアネートが未希釈であるかまたは溶液状態であるかど
うかに依存する。上述のパラメーターの最適値は、適切
な予備試験により容易に求めることが出来る。ジフェニ
ルメタンジイソシアネートが高粘度である場合には、不
活性な有機溶剤に溶解し、溶液にして処理するのが好ま
しい。好ましい不活性な有機溶剤としては、特に、芳香
族化合物、好ましくは塩素化芳香族化合物が挙げられ
る。使用する溶剤の量は、予備試験により容易に求める
ことが出来る。
【0007】本発明の方法で処理したジフェニルメタン
ジイソシアネートまたはその混合物は、例えば、ポリウ
レタン重付加物の製造の際に、例えば、出発物質として
直接使用することが出来る。本発明の方法で得られたジ
フェニルメタンジイソシアネートは、微孔質吸着剤にて
処理するため、活性水素原子を含有する化合物、特に水
酸基を含有するこれらの化合物に対して反応性を有し、
再生可能である。鉄含有量を微量にする他の吸着精製
法、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートを例え
ば公知のイオン交換体、ゼオライト、またはある種の岩
石の微粉末等で処理するといった方法では、あまり効果
がないかあるいはごく普通の効果が得られるのみである
が、上述の微孔質吸着剤にて処理を行うと、驚くべきこ
とに、ジフェニルメタンジイソシアネート中の金属含有
量を一定にすることが可能となるのである。以下、実施
例により本発明の方法をさらに詳細に説明する。以下の
実施例は、上述してきた本発明の思想及び範囲を制限す
るものではない。当業者であれば、以下の方法の条件を
変えた応用例を実施することも可能である。特に記載が
ない限り、温度は全て摂氏温度であり、パーセントは全
て重量パーセントである。
【0008】
【発明の実施の態様】
実施例1 活性炭(C40−4グレード、カルボテック製、水流ポ
ンプによる減圧下、120℃で乾燥させたもの)5部
を、粘度が200mPa.s 、イソシアネート基含有量が3
1.5%NCOであり、170mg Fe/kgの鉄を含有する
ジフェニルメタンジイソシアネート系の工業用ポリイソ
シアネート混合物95部へ添加し、室温で2時間攪拌し
た。次いで加圧濾過により活性炭を濾別した。精製後の
イソシアネートのFe含有量は、イソシアネート1kg当
たり46mg Fe/kgであった。
【0009】実施例2 実施例1で使用した工業用ポリイソシアネート混合物3
0部をクロロベンゼン70部に溶解して、溶液を調製し
た。このクロロベンゼン溶液200部を活性炭(分析用
活性炭、メルク製、商品番号2186、水流ポンプによ
る減圧下、120℃で乾燥させたもの)13部と配合
し、室温で2時間攪拌した。次いでプリーツフィルター
(pleated filter)にて活性炭を濾別した。0.8mg/kg
のFe含有量(イソシアネート1kg当たり2.6mg Fe/
kgに相当)を有する溶液を得た。
【0010】実施例3 実施例2で使用したイソシアネートのクロロベンゼン溶
液を、活性炭(成形カーボン NORIT ROW 0.8 Supra、ノ
リット製、水流ポンプによる減圧下、120℃で乾燥さ
せたもの)45gを充填した100ml容積の強制循環反
応器にて、1時間当たり約6リットルのポンプ速度で室
温にて循環させた。2時間後、得られた溶液のFe含有
量は、3.6mg/kg またはイソシアネート1kg当たり1
1mg Fe/kgであった。
【0011】実施例4 実施例2と同様の方法にて処理を行った。実施例2で使
用したイソシアネート溶液200部を、ウルトラシル(U
ltrasil)VN3(非晶質シリカ、デガッサ(Degussa)
製、水流ポンプによる減圧下、120℃で乾燥させたも
の)13部と配合した。0.3mg/kg のFe含有量(イ
ソシアネート1kg当たり0.9mg Fe/kgに相当)を有す
る溶液を得た。
【0012】実施例5 132℃で1時間攪拌を行った以外は、実施例2と同様
の方法にて処理を行った。実施例2で使用したイソシア
ネート溶液200部を、デュロシル(Durosil)(非晶質
シリカ、デガッサ製、水流ポンプによる減圧下、120
℃で乾燥させたもの)8部と配合した。0.2mg/kg の
Fe含有量(イソシアネート1kg当たり0.6mg Fe/kg
に相当)を有する溶液を得た。
【0013】以上、本発明を明確にするために詳細に記
述してきたが、このような詳細は単に発明を明らかにす
るためのものにすぎず、当業者であれば、特許請求の範
囲で制限される範囲を除いて、本発明の思想及び範囲か
らはずれることのない様々な例も実施可能である。
【0014】本発明の主なる特徴及び態様は以下の通り
である。 1.ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニ
ルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物
中の鉄含有量を、イソシアネート1kg当たり0.1〜1
00mg Fe/kgの重量範囲まで減少させる方法であって、
ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメ
タン系ポリイソシアネート混合物を、20〜200℃の
温度、0.5〜100bar の圧力にて、少なくとも10
0m2 /g の内部表面積を有する一種またはそれ以上の微
孔質吸着剤にて処理し、上記ジフェニルメタンジイソシ
アネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート
混合物を上記微孔質吸着剤から分離することよりなる上
記方法。
【0015】2.上記ジフェニルメタンジイソシアネー
トまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物
を、少なくとも一種の不活性有機溶剤の存在下にて溶解
させた後、上記微孔質吸着剤にて処理する上記1に記載
の方法。 3.上記吸着剤の量が、イソシアネート1kg当たり0.
1〜200gである上記1に記載の方法。 4.上記吸着剤が、活性炭、非晶質シリカ、及びこれら
の混合物からなる群より選ばれる上記1に記載の方法。 5.上記不活性有機溶剤が、芳香族化合物である上記2
に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エツカルト・ヴアルダウ ドイツ連邦共和国デイー40597 デユツセ ルドルフ、ベンラター・シユロスフアー 7

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジフェニルメタンジイソシアネートまた
    はジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネ
    ート混合物中の鉄含有量を、イソシアネート1kg当たり
    0.1〜100mg Fe/kgの重量範囲まで減少させる方法
    であって、 ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメ
    タン系ポリイソシアネート混合物を、20〜200℃の
    温度、0.5〜100bar の圧力にて、少なくとも10
    0m2 /g の内部表面積を有する一種またはそれ以上の微
    孔質吸着剤にて処理し、 上記ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニ
    ルメタン系ポリイソシアネート混合物を上記微孔質吸着
    剤から分離することよりなる上記方法。
JP26198195A 1994-09-19 1995-09-18 ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物中の鉄含有量の減少方法 Expired - Fee Related JP3881046B2 (ja)

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