JP3881046B2 - ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物中の鉄含有量の減少方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物中の鉄含有量を減少させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジフェニルメタンジイソシアネートの工業用混合物及びジフェニルメタンジイソシアネート系の工業用ポリイソシアネート混合物は、微量の鉄または他の金属を含有する。前記鉄または他の金属は、製造時にプラントの腐食及び/または浸食によってイソシアネート中に混入したものである。工業用イソシアネート混合物中に含まれる金属(鉄)化合物の重量比は、通常、10ppm 未満のオーダーである。しかしながら、特に製造開始時に得られるイソシアネート混合物の場合は、かなり高い重量比で鉄を含有する。製造条件にもよるが、時には1000ppm あるいはそれ以上のこともある。
工業的にはイソシアネート混合物はポリウレタン重付加物の出発物質として使用され、ヒドロキシ化合物との反応時におけるイソシアネートの活性は微量の鉄によって影響を受ける。再生ポリウレタンの品質にとって第一に必要な要件は、イソシアネート混合物中の鉄含有量が、一定でありかつ出来る限り微量であることである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物中の金属含有量、特に鉄含有量を減少させることである。上述のイソシアネートが高い金属含有量を有する場合には、金属含有量を許容範囲のオーダーまで減少させる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
驚くべきことに、少なくとも100m2 /g の内部表面積を有する微孔質吸着剤にて処理することにより、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物中の一定の鉄含有量を減少させることが可能である。
本発明は、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物中の鉄含有量を、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物1kg当たり0.1〜100mg Fe/kg、好ましくは0.2〜70mg Fe/kg、最も好ましくは0.5〜20mg Fe/kgの重量範囲まで減少させる方法を提供するものである。この方法は、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物を、20〜200℃、好ましくは20〜140℃の温度、0.5〜100bar 、好ましくは1〜10bar の圧力にて、少なくとも100m2 /g 、好ましくは少なくとも400のm2 /g 、最も好ましくは少なくとも1000m2 /g の内部表面積を有する一種またはそれ以上の微孔質吸着剤にて処理し、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物を上記微孔質吸着剤から分離することよりなる。
【0005】
上述の方法の任意の具体例では、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物を有機溶剤の存在下で溶解し、イソシアネートの溶液を調製した後、上述のように吸着剤にて処理を行う。
本発明の方法は、連続法または不連続法のいずれでも行うことが出来る。
本発明の方法に適した微孔質吸着剤には、以下の物質、活性炭、非晶質沈降シリカ、熱分解法シリカ、活性化アルミナ、シリカゲル、漂白土類(bleaching earth) 、カオリン、ベントナイト、海泡石、アタガルガイト(attagalgite) 、天然または合成ゼオライト等が含まれる。活性炭及び非晶質シリカが特に適している。
吸着剤の内部表面積は、BET法を使用して求めた。
本発明では、吸着剤を乾燥状態にて使用しなければならない。これは、吸着剤に含まれる水とイソシアネートとの間の反応を防ぐために必要である。不連続法の場合には、吸着剤をイソシアネートまたはイソシアネート混合物へ添加して処理を行い、吸着剤と良く接触するように混合物を激しく攪拌する。また、処理するイソシアネートまたはイソシアネート混合物を、イソシアネートと吸着剤とが十分に接触して金属が吸着されるような速度にて、吸着剤の床に通すことにより連続的に処理を行うことも可能である。連続法の場合、接触時間は通常、0.5分〜200分、好ましくは0.5分〜120分である。
【0006】
使用する吸着剤の量は、通常、イソシアネート1kgに対して0.1〜200g、好ましくは0.5〜100gである。吸着剤は個別に使用することも出来、また混合して使用することも可能である。
不連続法を用いて処理を行う場合、使用する吸着剤の量、処理時間、圧力及び温度は、処理するイソシアネートの種類及びその中に含まれる鉄の含有量、使用する吸着剤の性質及び活性、並びにイソシアネートが未希釈であるかまたは溶液状態であるかどうかに依存する。連続法にて処理を行う場合には、滞留時間、温度及び圧力は、同様に、処理するイソシアネート、使用する吸着剤、並びにイソシアネートが未希釈であるかまたは溶液状態であるかどうかに依存する。上述のパラメーターの最適値は、適切な予備試験により容易に求めることが出来る。
ジフェニルメタンジイソシアネートが高粘度である場合には、不活性な有機溶剤に溶解し、溶液にして処理するのが好ましい。
好ましい不活性な有機溶剤としては、特に、芳香族化合物、好ましくは塩素化芳香族化合物が挙げられる。使用する溶剤の量は、予備試験により容易に求めることが出来る。
【0007】
本発明の方法で処理したジフェニルメタンジイソシアネートまたはその混合物は、例えば、ポリウレタン重付加物の製造の際に、例えば、出発物質として直接使用することが出来る。本発明の方法で得られたジフェニルメタンジイソシアネートは、微孔質吸着剤にて処理するため、活性水素原子を含有する化合物、特に水酸基を含有するこれらの化合物に対して反応性を有し、再生可能である。
鉄含有量を微量にする他の吸着精製法、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートを例えば公知のイオン交換体、ゼオライト、またはある種の岩石の微粉末等で処理するといった方法では、あまり効果がないかあるいはごく普通の効果が得られるのみであるが、上述の微孔質吸着剤にて処理を行うと、驚くべきことに、ジフェニルメタンジイソシアネート中の金属含有量を一定にすることが可能となるのである。
以下、実施例により本発明の方法をさらに詳細に説明する。以下の実施例は、上述してきた本発明の思想及び範囲を制限するものではない。当業者であれば、以下の方法の条件を変えた応用例を実施することも可能である。特に記載がない限り、温度は全て摂氏温度であり、パーセントは全て重量パーセントである。
【0008】
【発明の実施の態様】
実施例1
活性炭(C40−4グレード、カルボテック製、水流ポンプによる減圧下、120℃で乾燥させたもの)5部を、粘度が200mPa.s 、イソシアネート基含有量が31.5%NCOであり、170mg Fe/kgの鉄を含有するジフェニルメタンジイソシアネート系の工業用ポリイソシアネート混合物95部へ添加し、室温で2時間攪拌した。次いで加圧濾過により活性炭を濾別した。精製後のイソシアネートのFe含有量は、イソシアネート1kg当たり46mg Fe/kgであった。
【0009】
実施例2
実施例1で使用した工業用ポリイソシアネート混合物30部をクロロベンゼン70部に溶解して、溶液を調製した。このクロロベンゼン溶液200部を活性炭(分析用活性炭、メルク製、商品番号2186、水流ポンプによる減圧下、120℃で乾燥させたもの)13部と配合し、室温で2時間攪拌した。次いでプリーツフィルター(pleated filter)にて活性炭を濾別した。0.8mg/kg のFe含有量(イソシアネート1kg当たり2.6mg Fe/kgに相当)を有する溶液を得た。
【0010】
実施例3
実施例2で使用したイソシアネートのクロロベンゼン溶液を、活性炭(成形カーボン NORIT ROW 0.8 Supra、ノリット製、水流ポンプによる減圧下、120℃で乾燥させたもの)45gを充填した100ml容積の強制循環反応器にて、1時間当たり約6リットルのポンプ速度で室温にて循環させた。2時間後、得られた溶液のFe含有量は、3.6mg/kg またはイソシアネート1kg当たり11mg Fe/kgであった。
【0011】
実施例4
実施例2と同様の方法にて処理を行った。実施例2で使用したイソシアネート溶液200部を、ウルトラシル(Ultrasil)VN3(非晶質シリカ、デガッサ(Degussa)製、水流ポンプによる減圧下、120℃で乾燥させたもの)13部と配合した。0.3mg/kg のFe含有量(イソシアネート1kg当たり0.9mg Fe/kgに相当)を有する溶液を得た。
【0012】
実施例5
132℃で1時間攪拌を行った以外は、実施例2と同様の方法にて処理を行った。実施例2で使用したイソシアネート溶液200部を、デュロシル(Durosil) (非晶質シリカ、デガッサ製、水流ポンプによる減圧下、120℃で乾燥させたもの)8部と配合した。0.2mg/kg のFe含有量(イソシアネート1kg当たり0.6mg Fe/kgに相当)を有する溶液を得た。
【0013】
以上、本発明を明確にするために詳細に記述してきたが、このような詳細は単に発明を明らかにするためのものにすぎず、当業者であれば、特許請求の範囲で制限される範囲を除いて、本発明の思想及び範囲からはずれることのない様々な例も実施可能である。
【0014】
本発明の主なる特徴及び態様は以下の通りである。
1.ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物中の鉄含有量を、イソシアネート1kg当たり0.1〜100mg Fe/kgの重量範囲まで減少させる方法であって、
ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物を、20〜200℃の温度、0.5〜100bar の圧力にて、少なくとも100m2 /g の内部表面積を有する一種またはそれ以上の微孔質吸着剤にて処理し、
上記ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物を上記微孔質吸着剤から分離する
ことよりなる上記方法。
【0015】
2.上記ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物を、少なくとも一種の不活性有機溶剤の存在下にて溶解させた後、上記微孔質吸着剤にて処理する上記1に記載の方法。
3.上記吸着剤の量が、イソシアネート1kg当たり0.1〜200gである上記1に記載の方法。
4.上記吸着剤が、活性炭、非晶質シリカ、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる上記1に記載の方法。
5.上記不活性有機溶剤が、芳香族化合物である上記2に記載の方法。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物中の鉄含有量を減少させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジフェニルメタンジイソシアネートの工業用混合物及びジフェニルメタンジイソシアネート系の工業用ポリイソシアネート混合物は、微量の鉄または他の金属を含有する。前記鉄または他の金属は、製造時にプラントの腐食及び/または浸食によってイソシアネート中に混入したものである。工業用イソシアネート混合物中に含まれる金属(鉄)化合物の重量比は、通常、10ppm 未満のオーダーである。しかしながら、特に製造開始時に得られるイソシアネート混合物の場合は、かなり高い重量比で鉄を含有する。製造条件にもよるが、時には1000ppm あるいはそれ以上のこともある。
工業的にはイソシアネート混合物はポリウレタン重付加物の出発物質として使用され、ヒドロキシ化合物との反応時におけるイソシアネートの活性は微量の鉄によって影響を受ける。再生ポリウレタンの品質にとって第一に必要な要件は、イソシアネート混合物中の鉄含有量が、一定でありかつ出来る限り微量であることである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物中の金属含有量、特に鉄含有量を減少させることである。上述のイソシアネートが高い金属含有量を有する場合には、金属含有量を許容範囲のオーダーまで減少させる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
驚くべきことに、少なくとも100m2 /g の内部表面積を有する微孔質吸着剤にて処理することにより、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物中の一定の鉄含有量を減少させることが可能である。
本発明は、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物中の鉄含有量を、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはポリイソシアネート混合物1kg当たり0.1〜100mg Fe/kg、好ましくは0.2〜70mg Fe/kg、最も好ましくは0.5〜20mg Fe/kgの重量範囲まで減少させる方法を提供するものである。この方法は、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物を、20〜200℃、好ましくは20〜140℃の温度、0.5〜100bar 、好ましくは1〜10bar の圧力にて、少なくとも100m2 /g 、好ましくは少なくとも400のm2 /g 、最も好ましくは少なくとも1000m2 /g の内部表面積を有する一種またはそれ以上の微孔質吸着剤にて処理し、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物を上記微孔質吸着剤から分離することよりなる。
【0005】
上述の方法の任意の具体例では、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物を有機溶剤の存在下で溶解し、イソシアネートの溶液を調製した後、上述のように吸着剤にて処理を行う。
本発明の方法は、連続法または不連続法のいずれでも行うことが出来る。
本発明の方法に適した微孔質吸着剤には、以下の物質、活性炭、非晶質沈降シリカ、熱分解法シリカ、活性化アルミナ、シリカゲル、漂白土類(bleaching earth) 、カオリン、ベントナイト、海泡石、アタガルガイト(attagalgite) 、天然または合成ゼオライト等が含まれる。活性炭及び非晶質シリカが特に適している。
吸着剤の内部表面積は、BET法を使用して求めた。
本発明では、吸着剤を乾燥状態にて使用しなければならない。これは、吸着剤に含まれる水とイソシアネートとの間の反応を防ぐために必要である。不連続法の場合には、吸着剤をイソシアネートまたはイソシアネート混合物へ添加して処理を行い、吸着剤と良く接触するように混合物を激しく攪拌する。また、処理するイソシアネートまたはイソシアネート混合物を、イソシアネートと吸着剤とが十分に接触して金属が吸着されるような速度にて、吸着剤の床に通すことにより連続的に処理を行うことも可能である。連続法の場合、接触時間は通常、0.5分〜200分、好ましくは0.5分〜120分である。
【0006】
使用する吸着剤の量は、通常、イソシアネート1kgに対して0.1〜200g、好ましくは0.5〜100gである。吸着剤は個別に使用することも出来、また混合して使用することも可能である。
不連続法を用いて処理を行う場合、使用する吸着剤の量、処理時間、圧力及び温度は、処理するイソシアネートの種類及びその中に含まれる鉄の含有量、使用する吸着剤の性質及び活性、並びにイソシアネートが未希釈であるかまたは溶液状態であるかどうかに依存する。連続法にて処理を行う場合には、滞留時間、温度及び圧力は、同様に、処理するイソシアネート、使用する吸着剤、並びにイソシアネートが未希釈であるかまたは溶液状態であるかどうかに依存する。上述のパラメーターの最適値は、適切な予備試験により容易に求めることが出来る。
ジフェニルメタンジイソシアネートが高粘度である場合には、不活性な有機溶剤に溶解し、溶液にして処理するのが好ましい。
好ましい不活性な有機溶剤としては、特に、芳香族化合物、好ましくは塩素化芳香族化合物が挙げられる。使用する溶剤の量は、予備試験により容易に求めることが出来る。
【0007】
本発明の方法で処理したジフェニルメタンジイソシアネートまたはその混合物は、例えば、ポリウレタン重付加物の製造の際に、例えば、出発物質として直接使用することが出来る。本発明の方法で得られたジフェニルメタンジイソシアネートは、微孔質吸着剤にて処理するため、活性水素原子を含有する化合物、特に水酸基を含有するこれらの化合物に対して反応性を有し、再生可能である。
鉄含有量を微量にする他の吸着精製法、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートを例えば公知のイオン交換体、ゼオライト、またはある種の岩石の微粉末等で処理するといった方法では、あまり効果がないかあるいはごく普通の効果が得られるのみであるが、上述の微孔質吸着剤にて処理を行うと、驚くべきことに、ジフェニルメタンジイソシアネート中の金属含有量を一定にすることが可能となるのである。
以下、実施例により本発明の方法をさらに詳細に説明する。以下の実施例は、上述してきた本発明の思想及び範囲を制限するものではない。当業者であれば、以下の方法の条件を変えた応用例を実施することも可能である。特に記載がない限り、温度は全て摂氏温度であり、パーセントは全て重量パーセントである。
【0008】
【発明の実施の態様】
実施例1
活性炭(C40−4グレード、カルボテック製、水流ポンプによる減圧下、120℃で乾燥させたもの)5部を、粘度が200mPa.s 、イソシアネート基含有量が31.5%NCOであり、170mg Fe/kgの鉄を含有するジフェニルメタンジイソシアネート系の工業用ポリイソシアネート混合物95部へ添加し、室温で2時間攪拌した。次いで加圧濾過により活性炭を濾別した。精製後のイソシアネートのFe含有量は、イソシアネート1kg当たり46mg Fe/kgであった。
【0009】
実施例2
実施例1で使用した工業用ポリイソシアネート混合物30部をクロロベンゼン70部に溶解して、溶液を調製した。このクロロベンゼン溶液200部を活性炭(分析用活性炭、メルク製、商品番号2186、水流ポンプによる減圧下、120℃で乾燥させたもの)13部と配合し、室温で2時間攪拌した。次いでプリーツフィルター(pleated filter)にて活性炭を濾別した。0.8mg/kg のFe含有量(イソシアネート1kg当たり2.6mg Fe/kgに相当)を有する溶液を得た。
【0010】
実施例3
実施例2で使用したイソシアネートのクロロベンゼン溶液を、活性炭(成形カーボン NORIT ROW 0.8 Supra、ノリット製、水流ポンプによる減圧下、120℃で乾燥させたもの)45gを充填した100ml容積の強制循環反応器にて、1時間当たり約6リットルのポンプ速度で室温にて循環させた。2時間後、得られた溶液のFe含有量は、3.6mg/kg またはイソシアネート1kg当たり11mg Fe/kgであった。
【0011】
実施例4
実施例2と同様の方法にて処理を行った。実施例2で使用したイソシアネート溶液200部を、ウルトラシル(Ultrasil)VN3(非晶質シリカ、デガッサ(Degussa)製、水流ポンプによる減圧下、120℃で乾燥させたもの)13部と配合した。0.3mg/kg のFe含有量(イソシアネート1kg当たり0.9mg Fe/kgに相当)を有する溶液を得た。
【0012】
実施例5
132℃で1時間攪拌を行った以外は、実施例2と同様の方法にて処理を行った。実施例2で使用したイソシアネート溶液200部を、デュロシル(Durosil) (非晶質シリカ、デガッサ製、水流ポンプによる減圧下、120℃で乾燥させたもの)8部と配合した。0.2mg/kg のFe含有量(イソシアネート1kg当たり0.6mg Fe/kgに相当)を有する溶液を得た。
【0013】
以上、本発明を明確にするために詳細に記述してきたが、このような詳細は単に発明を明らかにするためのものにすぎず、当業者であれば、特許請求の範囲で制限される範囲を除いて、本発明の思想及び範囲からはずれることのない様々な例も実施可能である。
【0014】
本発明の主なる特徴及び態様は以下の通りである。
1.ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物中の鉄含有量を、イソシアネート1kg当たり0.1〜100mg Fe/kgの重量範囲まで減少させる方法であって、
ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物を、20〜200℃の温度、0.5〜100bar の圧力にて、少なくとも100m2 /g の内部表面積を有する一種またはそれ以上の微孔質吸着剤にて処理し、
上記ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物を上記微孔質吸着剤から分離する
ことよりなる上記方法。
【0015】
2.上記ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物を、少なくとも一種の不活性有機溶剤の存在下にて溶解させた後、上記微孔質吸着剤にて処理する上記1に記載の方法。
3.上記吸着剤の量が、イソシアネート1kg当たり0.1〜200gである上記1に記載の方法。
4.上記吸着剤が、活性炭、非晶質シリカ、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる上記1に記載の方法。
5.上記不活性有機溶剤が、芳香族化合物である上記2に記載の方法。
Claims (1)
- ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタンジイソシアネート系ポリイソシアネート混合物中の鉄含有量を、イソシアネート1kg当たり0.1〜100mg Fe/kgの重量範囲まで減少させる方法であって、
ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物を、20〜200℃の温度、0.5〜100bar の圧力にて、少なくとも100m2 /g の内部表面積を有する一種またはそれ以上の微孔質吸着剤にて処理し、
上記ジフェニルメタンジイソシアネートまたはジフェニルメタン系ポリイソシアネート混合物を上記微孔質吸着剤から分離する
ことよりなる上記方法。
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