JPWO2008007763A1 - イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の製法及び固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の取得方法 - Google Patents

イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の製法及び固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の取得方法 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、例えば、ダイオキシン等の有害なハロゲン化芳香族炭化水素化合物分解用の材料、電子部品用無電解銀メッキ液やジアゾ複写材料等として有用な化合物であるイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物を安全で、かつ簡便な方法にて、高収率で製造する、工業的に好適なイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の製法を提供することにある。この課題は、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を、(1)酸触媒の存在下、脱水反応させること;又は(2)100〜300℃で反応させることを特徴とするイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の製法によって解決される。あるいは、尿素化合物、グリオキサール、及び塩基との混合溶液を、20〜300℃で反応させることを特徴とするイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の製法によって解決される。また、本発明の課題は、簡便な方法によって、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンを含む水溶液から、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンの取得方法を提供するものでもある。この課題は、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液に、有機溶媒を混合して、共沸蒸留させることを特徴とする、固体状の4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の取得方法によって解決される。

Description

本発明は、イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物を製造する方法に関する。
また、本発明は、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液から、固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を取得する方法に関する。
イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物は、例えば、ダイオキシン等の有害なハロゲン化芳香族炭化水素化合物分解用の材料(例えば、特許文献1参照)、電子部品用無電解銀メッキ液(例えば、特許文献2参照)やジアゾ複写材料(例えば、特許文献3参照)等として有用な化合物である。
従来、1,3−ジメチル−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンとギ酸とを還流させながら反応させて、1,3−ジメチル−イミダゾリジン−2,4−ジオンを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、この方法では、皮膚や目に対して有害で、慢性的な暴露により肝臓や腎臓等の生体に悪影響を及ぼすギ酸を大量に使用しなければならず、又、反応後の後処置も煩雑であり、イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の工業的な製法としては作業上、製造上の問題があった。
また、上記1,3−ジメチル−4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンは、1,3−ジメチル−イミダゾリジン−2,4−ジオンの製造以外にも、医薬・農薬の合成中間体や原料として有用な化合物である。
この化合物の製法としては、従来、塩基の存在下、グリオキサールと1,3−ジメチル尿素とを水中で反応させて、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの水溶液を得、当該水溶液から水を留去して4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを単離する方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、水の留去は突沸等の危険性を伴う上に、水の比熱が大きいために大量の熱エネルギーが必要であり、工業的な実施方法としては満足いく方法ではなかった。
特開2006−192114号公報 特開2000−160351号公報 特開昭57−124728号公報 特開平11−158155号公報 J.Org.Chem.,30,2179(1965)
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、安全で、かつ簡便な方法にて、高収率でイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物を製造する、工業的に好適なイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の製法を提供すること(課題1)にある。
また、本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、簡便な方法によって、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液から、固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を取得する方法を提供すること(課題2)である。
本発明の上記課題1は、一般式(1)
Figure 2008007763
(式中、Rは、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を、
(a)酸触媒の存在下、脱水反応させること;又は
(b)100℃〜300℃で反応させること
を特徴とする、一般式(2)
Figure 2008007763
(式中、Rは、前記と同義である。)
で示されるイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の製法(以下「製法1」ともいう)によって解決される。
あるいは、本発明の前記課題1は、一般式(3)
Figure 2008007763
(式中、Rは、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される尿素化合物、グリオキサール、及び塩基の混合溶液を、20〜300℃で反応させることを特徴とする、前記一般式(2)で示されるイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の製法(以下「製法2」ともいう)によっても解決される。
本発明の前記課題2は、一般式(1)
Figure 2008007763
(式中、Rは、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液に、有機溶媒を混合して、共沸蒸留させることを特徴とする、固体状の式(1)で示される4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の取得方法によって解決される。
本発明により、簡便な方法にて、安全で、かつ高収率でイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物を製造する、工業的に好適なイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の製法を提供することができる。
また、本発明により、簡便な方法によって、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の水溶液から、固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を取得する方法を提供することが出来る。この固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物は、式(1)で示される4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物として前記製法1で使用できる。
本発明において使用する4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物は、前記の一般式(1)において示される。又、本発明において使用する尿素化合物は、前記の一般式(3)において示される。それらの一般式(1)及び(3)において、Rは、水素原子又は炭化水素基を示し、炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖アルキル基;2−プロピル基、2−ブチル基等の炭素数3〜6の分岐鎖アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜6のシクロアルキル基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等の炭素数7〜12のアラルキル基;フェニル基、トリル基、ビフェニリル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
前記製法1の工程(a)の酸触媒としては、スルホン酸類、ハロゲン化水素類、ハロゲン化カルボン酸類、粘土鉱物、スルホン酸型陽イオン交換樹脂、フッ素化スルホン酸樹脂;シリカアルミナ及び無機酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸が例示されるが、例えば、硫酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸類;塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素類;トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等ハロゲン化カルボン酸類;酸性白土等の粘土鉱物;アンバーライト(商品名)、ダウエックス(商品名)、ダイヤイオン(商品名)、デニオライト(商品名)、レバチット(商品名)、スミカイオン(商品名)等のスルホン酸型陽イオン交換樹脂;ナフィオン(商品名)等のフッ素化スルホン酸樹脂;シリカアルミナ、ゼオライト、酸化バナジウム等の無機酸化物が挙げられるが、好ましくはスルホン酸類、スルホン酸型陽イオン交換樹脂、無機酸化物が使用される。なお、これらの酸触媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記製法1の工程(a)における酸触媒の使用量は、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物1gに対して、好ましくは0.01〜1000mg、更に好ましくは0.1〜500mgである。
前記製法1の工程(a)の脱水反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われるが、使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に制限されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等の尿素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル等が挙げられるが、好ましくは水、尿素類、エーテル類が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記製法1の工程(a)における溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性等により適宜調節するが、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物1gに対して、好ましくは0〜100g、更に好ましくは0.1〜50g、特に好ましくは0.2〜50gである。
前記製法1の工程(a)は、例えば、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物、酸触媒及び溶媒を混合して攪拌させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは0〜300℃、更に好ましくは20〜250℃である。
前記製法1の工程(b)の反応は、溶媒の存在下で行うのが望ましく、例えば、反応初期において溶媒中で行うことができる。使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に制限されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等の尿素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル等が挙げられるが、好ましくは水、尿素類、エーテル類、更に好ましくは水が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記製法1の工程(b)における溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性等により適宜調節するが、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物1gに対して、好ましくは0〜100g、更に好ましくは0〜50gである。
前記製法1の工程(b)は、例えば、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物と溶媒とを混合して攪拌させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましく100〜300℃、更に好ましく150〜250℃である。
なお、前記製法1において使用する4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物は、塩基の存在下、一般式(3)
Figure 2008007763
(式中、Rは、前記と同義である。)
で示される尿素化合物とグリオキサールとを縮合反応させることによって得られたものであってもよい。
上記縮合反応おいて使用するグリオキサールの量は、尿素化合物1モルに対して、好ましくは0.9〜1.4モル、更に好ましくは1.0〜1.3モルである。
前記縮合反応おいて使用する塩基は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン等の有機塩基が挙げられるが、好ましくは有機塩基、アルカリ金属水酸化物が使用される。なお、これらの塩基は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記縮合反応における塩基の使用量は、反応液のpHを、好ましくは7〜14、更に好ましくは8〜13に調節できる量ならば特に制限されない。
前記の縮合反応は、溶媒の存在下で行うのが望ましく、使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に制限されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等の尿素類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル等が挙げられるが、好ましくは水が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記縮合反応における溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性等により適宜調節するが、尿素化合物1gに対して、好ましくは1〜100g、更に好ましくは2〜50gである。
前記縮合反応は、例えば、尿素化合物、グリオキサール、塩基及び溶媒を混合して、反応液のpHを、好ましくは7〜14、更に好ましくは8〜13に調節して、攪拌させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは0〜300℃、更に好ましくは20〜200℃であり、反応圧力は、特に制限されない。
前記縮合反応おいて得られる4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物は、反応終了後、例えば、中和、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、晶析、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離・精製しても良いが、特に単離・精製を行わずに、そのまま又は濃縮等により容量を調節した後、製法1で4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の溶液として使用しても構わない。
本発明では、前述のとおりに、尿素化合物とグリオキサールとを塩基の存在下で縮合反応させて、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を得る工程、次いで、この得られた該4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を、(1)酸触媒の存在下、脱水反応させるか、又は(2)100℃〜300℃で反応させて、イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物を得る工程を順次実施することによって、途中で4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を単離することなく、イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物を製造することもできる。その際の反応条件は、前記で示したものと同義である。
あるいは、前記製法2を用いても、途中で4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を単離することなく、イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物を製造することができる。
前記製法2の反応の好ましい態様として、グリオキサールと塩基との混合溶液に、尿素化合物を加えて反応させることが挙げられる。この際、グリオキサールと塩基との混合溶液が塩基性であることが好ましい。
前記製法2において使用するグリオキサールの量は、尿素化合物1.0モルに対して、好ましくは0.9〜1.5モル、より好ましくは1.0〜1.3モルである。
前記製法2の反応において使用する塩基は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等のアルカリ金属のアルコキシド;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ピコリン等の有機塩基が挙げられるが、好ましくは有機塩基、アルカリ金属の水酸化物、より好ましくは有機塩基、特に好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等のアルキルアミンが使用される。なお、これらの塩基は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記製法2の塩基の使用量は、当該混合溶液のpHが、好ましくはpH7〜14、より好ましくはpH8〜13になる量であれば、特に制限されない。
前記製法2の反応は、溶媒の存在下にて行うことが望ましい。使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に制限されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等の尿素類(グリオキサールと反応するものを除く);ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル等が挙げられるが、好ましくは水、エーテル類、より好ましくは水が使用される。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記製法2の溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性等により適宜調節するが、尿素化合物1gに対して、好ましくは0.1〜100g、より好ましくは0.2〜50gである。
前記製法2は、例えば、尿素化合物、グリオキサール、及び塩基との混合溶液を、好ましくは20〜300℃、より好ましく150〜250℃で反応させることによって行われる。その際、反応圧力は特に制限されない。
塩基として有機塩基を、溶媒として水を使用する際、有機塩基と水を留去しながら反応を行うことが望ましい。
前記製法2の反応の好ましい態様としては、グリオキサールと有機塩基とからなる塩基性の混合溶液に、当該溶液の温度を20〜80℃に維持しながら、尿素化合物を加え、引き続き、150℃〜250℃まで昇温して反応させることが挙げられる。なお、その際、有機塩基と水を留去しながら反応を行うことが望ましい。
本発明において得られるイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物は、反応終了後、例えば、中和、抽出、濾過、濃縮、蒸留、再結晶、晶析、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって単離・精製される。
固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の前記取得方法において使用する有機溶媒としては、好ましくは有機溶媒と水が1〜100kPaにおいて30〜130℃、更に好ましくは5〜100kPaにおいて50〜100℃で共沸混合物(即ち、水と共沸蒸留される有機溶媒)を作るものであり、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンに不活性なものならば特に制限はされず、例えば、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、アリルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の脂肪族アルコール類;フェノール、クレゾール等の芳香族アルコール類;n−ペンタン、n−へキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1,2−ジクロロプロパン、1,4−ジクロロブタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類;ニトロメタン等のニトロ化脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン、ナフタレン等の芳香族炭化水素類;モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、モノクロロナフタレン等のハロゲン化芳香族炭化水素類;ニトロベンゼン等のニトロ化芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、トリオキサン、エピクロロヒドリン、アニソール、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、クロロ酢酸メチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、カプロン酸メチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、ケイ皮酸メチル、炭酸ジエチル、アクリル酸メチル等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、アジポニトリル、ベンゾニトリル、アクリロニトリル等のニトリル類;ピリジン、ピペリジン、メチルピリジン、ニコチン等のアミン類が挙げられるが、好ましくは芳香族炭化水素類、エステル類が使用される。なお、これらの有機溶媒は単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記取得方法において使用する有機溶媒の使用量は、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物1gに対して、好ましくは1〜100ml、更に好ましくは5〜50mlである。
前記取得方法では、例えば、不活性ガスの雰囲気にて、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液に有機溶媒を混合して、好ましくは1〜100kPaにおいて30〜130℃、更に好ましくは5〜100kPaにおいて50〜100℃で共沸蒸留させて水を取り除く等の方法によって行われる。
なお、前記取得方法で使用する、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液は、例えば、塩基の存在下、尿素化合物とグリオキサールとを反応させて得られる(例えば、参考例1として記載)。又、前記水溶液は、共沸蒸留に関与しない化合物(例えば、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物合成に使用した尿素化合物、グリオキサール及び塩基)を含んでいても構わない。
上記4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液の合成において使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、ピコリン、ピリジン等の有機塩基が挙げられるが、好ましくは有機塩基、更に好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジンが使用される。なお、これらの塩基は単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液の合成において使用する塩基の量は、反応液のpHを、好ましくは7〜14、更に好ましくは8〜13に調節できる量ならば特に制限されない。
前記4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液の合成は、溶媒の非存在下又は存在下で行うことができ、使用される溶媒としては、反応を阻害しないものならば特に制限されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール等のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等の尿素類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル等が挙げられる。なお、これらの溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液の合成における溶媒の使用量は、反応液の均一性や攪拌性等により適宜調節するが、尿素化合物1gに対して、好ましくは1〜100g、更に好ましくは2〜50gである。
前記4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液の合成は、例えば、尿素化合物、ジカルボニル化合物、塩基及び溶媒を混合して、反応液のpHを、好ましくは7〜14、更に好ましくは8〜13に調節して、攪拌させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは0〜300℃、更に好ましくは10〜200℃であり、反応圧力は、特に制限されない。
次に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
参考例A1(4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積1000mlのガラス製容器に、40質量%グリオキサール水溶液290g(2.0mol)及びトリエチルアミンを加えた(反応液のpHは9)。次いで、液温を25〜35℃に保ちながら、1,3−ジメチル尿素176g(2.0mol)を水176mlに溶解させた溶液をゆるやかに加えた後、攪拌しながら同温度で15時間反応させ、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを含む水溶液A666.6gを得た。
水溶液A333.3gに、炭酸ジエチル700mlを加え、減圧下で濃縮(内温40〜60℃(内温)、蒸気温40〜60℃(蒸気温度)、13〜2kPa)した。得られた白色固体を濾過し、50℃で減圧乾燥して、純度94.1%(高速液体クロマトグラフィーによる絶対定量値)の4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン137gを得た(1,3−ジメチル尿素基準の単離収率;88.3%)。
なお、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));2.62(6H,s)、4.74(2H,s)、5.5(2H,brs)
CI-MS(m/e);147(M+1)
実施例A1(イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の合成)
攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた内容積30mlのガラス製容器に、参考例A1と同様な方法で合成した4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.0g(6.8mmol)、水2ml及び98%硫酸0.18g(1.8mmol)を加え、95〜100℃で6時間反応させた。反応終了後、反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析(示差屈折系による定量値)したところ、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンが766mg生成していた(反応収率;87%)。
実施例A2(イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の合成)
実施例A1において、酸触媒をメタンスルホン酸0.15g(1.54mmol)に代えたこと以外は、実施例A1と同様に反応を行った。その結果、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンが800mg生成していた(反応収率;91%)。
実施例A3(イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の合成)
実施例A1において、酸触媒をスルホン酸型陽イオン交換樹脂(商品名;ダウエックス50WX2)0.1gに代えたこと以外は、実施例A1と同様に反応を行った。その結果、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンが766mg生成していた(反応収率;88%)。
実施例A4(イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の合成)
実施例A1において、溶媒として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン2mlを使用し、反応温度を150℃、反応時間を2時間に代えたこと以外は、実施例A1と同様に反応を行った。その結果、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンが877mg生成していた(反応収率;100%)。
実施例A5(イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の合成)
実施例A4において、酸触媒をスルホン酸型陽イオン交換樹脂(商品名;ダウエックス50WX2)0.1gに代えた以外は、実施例A4と同様に反応を行った。その結果、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンが739mg生成していた(反応収率;84.2%)。
実施例B1(イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の合成)
撹拌装置、温度計、滴下漏斗および蒸留装置を備えた内容積200mlのガラス製容器に、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン60g(0.41mol)及び水60mlを加えた。次に、水を常圧で留去しながら、100℃〜200℃で2時間反応させた。得られた残渣を減圧蒸留(109〜117℃/0.53〜0.67kPa)することにより、微黄色液体として1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンを41g得た(単離収率;78%)。
得られた1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンの物性は以下の通りであった。
1H-NMR(DMSO-d6,δ/ppm);2.83(3H,s)、2.85(3H,s)、3.93(2H,s)
CI-MS(m/e);129(M+1)
実施例C1(イミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の合成)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び蒸留装置を備えた内容積1000mlのガラス製容器に40質量%グリオキサール水溶液290g(2.0mol)を加え、次いでトリエチルアミンを加えて塩基性の混合溶液にした(このとき溶液は、pH9であった)。この混合溶液に1,3−ジメチル尿素176g(2.0mol)と水176mlとの溶液を液温25〜35℃に保ちながらゆるやかに滴下した。当該溶液を室温にて3時間撹拌後、2時間かけてトリエチルアミンと水を常圧で留去しながら200℃まで昇温して反応させた。反応終了後、得られた反応溶液を減圧蒸留(105〜107℃/0.67〜1.33kPa)し、微黄色液体として1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンを217g得た(単離収率;85%)。
得られた1,3−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオンの物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(300MHz,DMSO-d6,δ(ppm));2.83(3H,s)、2.85(3H,s)、3.93(2H,s)
CI-MS(m/e);129(M+1)
参考例D1(4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液の合成)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積1000mlのガラス製容器に、40質量%グリオキサール水溶液290g(2.0mol)及びトリエチルアミンを加えた(反応液のpHは9)。次いで、液温を25〜35℃に保ちながら、1,3−ジメチル尿素176g(2.0mol)を水176mlに溶解させた溶液をゆるやかに加えた後、攪拌しながら同温度3時間反応させ、4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを含む水溶液611.4gを得た。
実施例D1(固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の取得)
参考例D1で得られた水溶液100gに、1,2−ジエトキシエタン200mlを加えて、水を共沸蒸留させた。得られた白色固体は、純度93%(高速液体クロマトグラフィーによる絶対定量値)の4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンであった(取得量;27.5g、参考例D1からの1,3−ジメチル尿素基準の単離収率;53%)。
実施例D2(固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の取得)
実施例D1において、1,2−ジエトキシエタンを炭酸ジエチルに変えたこと以外は、実施例D1と同様な方法で行った。得られた白色個体は、純度94.7%(高速液体クロマトグラフィーによる絶対定量値)の4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンであった。(取得量;45.27g、参考例D1からの1,3−ジメチル尿素基準の単離収率;90%)
実施例D3(固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の取得)
実施例D1において、1,2−ジエトキシエタンをアニソールに変えたこと以外は、実施例D1と同様な方法で行った。得られた白色個体は、純度81.0%(高速液体クロマトグラフィーによる絶対定量値)の4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンであった。(取得量;38.71g、参考例D1からの1,3−ジメチル尿素基準の単離収率;65.6%)
実施例D4(固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の取得)
実施例D1において、1,2−ジエトキシエタンを酢酸ブチルに変えたこと以外は、実施例D1と同様な方法で行った。得られた白色個体は、純度94.6%(高速液体クロマトグラフィーによる絶対定量値)の4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンであった。(取得量;26.26g、参考例D1からの1,3−ジメチル尿素基準の単離収率;52.0%)
実施例D5(固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンの取得)
参考例A1で得られた水溶液A333.3gに、炭酸ジエチル700mlを加えて、水を共沸蒸留させた。得られた白色固体は、純度94.1%(高速液体クロマトグラフィーによる絶対定量値)の4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンであった(取得量;137g、参考例A1からの1,3−ジメチル尿素基準の単離収率;88.3%)。
実施例D6(固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノンの取得)
参考例A1で得られた水溶液A333.3gに、酢酸ブチル700mlを加えて、水を共沸蒸留させた。得られた白色固体は、純度89.6%(高速液体クロマトグラフィーによる絶対定量値)の4,5−ジヒドロキシ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンであった(取得量;133.18g、参考例A1からの1,3−ジメチル尿素基準の単離収率;81.7%)。
本発明で製造されるイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物は、例えば、ダイオキシン等の有害なハロゲン化芳香族炭化水素化合物分解用の材料、電子部品用無電解銀メッキ液やジアゾ複写材料等として有用な化合物である。
本発明によれば、簡便方法にて、安全で、かつ高収率でイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物を製造する、工業的に好適なイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の製法を提供することができる。
また、本発明によれば、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液から、固体状4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を取得することができる。4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物は、医薬・農薬の合成中間体や原料として有用である。

Claims (14)

  1. 一般式(1)
    Figure 2008007763
    (式中、Rは、水素原子又は炭化水素基を示す。)
    で示される4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を、
    (a)酸触媒の存在下、脱水反応させること;又は
    (b)100℃〜300℃で反応させること
    を特徴とする、一般式(2)
    Figure 2008007763
    (式中、Rは、前記と同義である。)
    で示されるイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の製法。
  2. 工程(a)の酸触媒が、スルホン酸類、ハロゲン化水素類、ハロゲン化カルボン酸類、粘土鉱物、スルホン酸型陽イオン交換樹脂、フッ素化スルホン酸樹脂;シリカアルミナ及び無機酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸である、請求項1記載の製法。
  3. 工程(a)の酸触媒の使用量が、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物1gに対して、0.01〜1000mgである、請求項1又は2記載の製法。
  4. 工程(b)の反応を、反応初期において水中で行う、請求項1記載の製法。
  5. 一般式(1)で示される4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物が、塩基の存在下、一般式(3)
    Figure 2008007763
    (式中、Rは、水素原子又は炭化水素基を示す。)
    で示される尿素化合物とグリオキサールとを縮合反応させることによって得られるものである、請求項1〜4のいずれか1項記載の製法。
  6. 一般式(3)
    Figure 2008007763
    (式中、Rは、水素原子又は炭化水素基を示す。)
    で示される尿素化合物、グリオキサール、及び塩基の混合溶液を、20〜300℃で反応させることを特徴とする、一般式(2)
    Figure 2008007763
    (式中、Rは、前記と同義である。)
    で示されるイミダゾリジン−2,4−ジオン化合物の製法。
  7. グリオキサールと塩基との混合溶液に、一般式(3)で示される尿素化合物を加えてから反応させる、請求項6記載の製法。
  8. グリオキサールと塩基との混合溶液が塩基性である、請求項7記載の製法。
  9. 塩基が有機塩基である、請求項6から8のいずれか1項記載の製法。
  10. 有機塩基と水を留去させながら反応を行う、請求項9記載の製法。
  11. 一般式(1)
    Figure 2008007763
    (式中、Rは、水素原子又は炭化水素基を示す。)
    で示される4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液に、有機溶媒を混合して、共沸蒸留させることを特徴とする、固体状の式(1)で示される4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物の取得方法。
  12. 式(1)で示される4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン化合物を含む水溶液が、塩基の存在下、
    一般式(3)
    Figure 2008007763
    (式中、Rは、水素原子又は炭化水素基を示す。)
    で示される尿素化合物とグリオキサールとを反応させて得られる水溶液である、請求項11記載の取得方法。
  13. 塩基が有機アミンである、請求項12記載の取得方法。
  14. 有機溶媒が、1〜100kPaにおいて30〜130℃で水と共沸混合物を作る、請求項11〜13のいずれか1項記載の取得方法。
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